JP2002002098A - 記録媒体 - Google Patents

記録媒体

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JP2002002098A
JP2002002098A JP2000186729A JP2000186729A JP2002002098A JP 2002002098 A JP2002002098 A JP 2002002098A JP 2000186729 A JP2000186729 A JP 2000186729A JP 2000186729 A JP2000186729 A JP 2000186729A JP 2002002098 A JP2002002098 A JP 2002002098A
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ink
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amino acid
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Masahiro Hanmura
昌弘 半村
Hiroyuki Onishi
弘幸 大西
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐ガス性等に優れ、長期保存が可能な記録物
を提供し得る記録媒体を提供すること。 【解決手段】 本発明の記録媒体は、少なくとも、シア
ン、マゼンタ及びイエローの3色それぞれの染料インク
を備え、シアン色の染料インクが、フタロシアニン系染
料を含有するインクセットにより、文字及び/又は画像
が形成される記録媒体において、メルカプト基を有する
アミノ酸及び耐光性向上剤を含有することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐ガス性等に優
れ、長期保存が可能な記録物を提供し得る記録媒体、染
料インク及びインクセットに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年の
インクジェット記録技術の革新的な進歩により、銀塩写
真に匹敵するフルカラー画像の出力が可能となってい
る。このような高画質のフルカラー画像の出力に用いら
れるインクセットは、通常、少なくとも、シアン
(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の3色の染
料インクを有している。しかし、シアン色の染料として
広く用いられているフタロシアニン系染料は、耐光性に
優れるものの、空気中に存在するオゾン、NOX、S
X、H2S、O2等の酸化性ガスにより劣化し易い、即
ち耐ガス性に劣るという欠点を有する。このため、3色
の前記染料インクを備え、シアン色の染料インクがフタ
ロシアニン系染料を含有するインクセットを用いて、記
録媒体に文字及び/又は画像を形成された記録物は、耐
ガス性に劣り、該記録物を室内等に掲示しておくと、強
い光が殆ど当たらないにもかかわらず、全体的に青みを
失って赤みを帯びてくる等、経時的に変退色するという
問題があり、保存性、特に室内保存性の点で未だ銀塩写
真には及ばない。また、近年の画像出力のブラック
(K)には、ハーフトーンの階調性と色相調整の関係か
ら、C、M、Yによるコンポジットブラックを適用する
ことが多いが、このような場合、シアン色の変退色は、
ブラック色調の赤色へのシフトを招く結果となり、カラ
ー画像の品質を極端に低下させる原因となる等の問題が
ある。
【0003】前記問題を解決すべく、例えば、特開昭6
1−177279号公報には、メルカプト基を有するヘ
テロ環化合物を含有するインクジェット記録媒体が開示
されており、また、特開平8−295075号公報に
は、アミノ酸を含有する記録媒体が開示されている。し
かし、何れの記録媒体も、前記インクセットを用いて形
成された文字及び/又は画像に実用上十分な耐ガス性を
付与することはできず、室内保存性に優れた記録物を提
供することは出来なかった。
【0004】また、特開平7−276791号公報に
は、インクジェット印刷法での使用に適した記録媒体と
して、メルカプト基を有するアミノ酸であるシステイン
を含有した記録用シートが開示されている。しかし、該
記録用シートに、前記インクセットにより文字及び/又
は画像を形成された記録物は、特にマゼンタ色及びイエ
ロー色の染料インクによる記録部分が経時的に変退色
し、室内等において長期保存が不可能であった。
【0005】従って、本発明の目的は、耐ガス性及び耐
光性に優れる記録物、特に室内保存時においてフタロシ
アニン系染料による記録画像の変退色を起こすことがほ
とんどなく、長期保存が可能な記録物を提供し得る記録
媒体、染料インク及びインクセットを提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成すべく、記録媒体に、C、M、Yの3色の染料イ
ンクを備えたインクセットにより記録画像を形成された
記録物について、種々検討した結果、記録媒体又はC色
のインク(フタロシアニン系染料を含有するインク)
に、メルカプト基を有するアミノ酸を含有させることに
より、フタロシアニン系染料を含有するインクにより形
成された記録画像の耐ガス性を向上させることができる
ことを知見すると共に、前記記録媒体又はM色及びY色
の染料インクに、更に、耐光性向上剤を含有させること
により、前記メルカプト基を有するアミノ酸によるM色
及びY色の染料の光劣化促進作用を抑制して、これらの
インクにより形成された記録画像の耐光性を向上させる
ことができることを知見した。
【0007】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、少なくとも、シアン、マゼンタ及びイエローの3色
それぞれの染料インクを備え、シアン色の染料インク
が、フタロシアニン系染料を含有するインクセットによ
り、文字及び/又は画像が形成される記録媒体におい
て、メルカプト基を有するアミノ酸及び耐光性向上剤を
含有する記録媒体を提供するものである。
【0008】また、本発明は、少なくとも、シアン色の
染料及び水を含有し、該シアン色の染料がフタロシアニ
ン系染料である染料インクにおいて、メルカプト基を有
するアミノ酸を含有する染料インク、及び該染料インク
と共に、更に少なくともマゼンタ色及びイエロー色の染
料インクを備え、これら2色の染料インクがそれぞれ耐
光性向上剤を含有するインクセットを提供するものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、先ず、本発明の記録媒体の
好ましい実施形態について詳述する。本発明の記録媒体
は、メルカプト基を有するアミノ酸及び耐光性向上剤を
含有するもので、該メルカプト基を有するアミノ酸及び
該耐光性向上剤は、基材上に設けられたインク受容層中
に含有されていることが好ましい。
【0010】前記メルカプト基を有するアミノ酸として
は、例えば、システイン及びその誘導体等が挙げられ、
これらの1種又は2種以上が用いられる。特にL−シス
テインを用いることが好ましい。「アミノ酸」とは、分
子内にアミノ基(−NH2)とカルボキシル基(−CO
OH)とを有する化合物をいう。尚、本明細書において
は、特に明記しない限り、「メルカプト基を有するアミ
ノ酸」とは、光学異性体(L体及びD体)を含めたもの
を示す。
【0011】前記メルカプト基を有するアミノ酸は、前
記インク受容層中、0.1〜5重量%含有されることが
好ましく、0.5〜3重量%含有されることが更に好ま
しい。含有量が0.1重量%未満では、フタロシアニン
系染料を含有する染料インクによる記録部分の酸化性ガ
スによる変退色を十分に抑制できず、5重量%超では、
マゼンタ色及び/又はイエロー色の染料インクによる記
録部分の耐光性が著しく低下するおそれがある。前記メ
ルカプト基を有するアミノ酸の含有量は、記録媒体の単
位面積当たりの重量で表すこともでき、その場合、前記
インク受容層中、0.03〜1.5g/m2含有される
ことが好ましく、0.15〜0.9g/m2含有される
ことが更に好ましい。
【0012】前記インク受容層中に含有される前記耐光
性向上剤としては、前記メルカプト基を有するアミノ酸
により促進されるマゼンタ色及び/又はイエロー色の染
料インクによる記録部分の光変退色(紫外光や可視光等
の光による変退色)を防止し得るものであればよく、好
ましくは、紫外線吸収剤、光安定剤、消光剤及び酸化防
止剤からなる群から選ばれる1種又は2種以上が挙げら
れる。
【0013】前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベン
ゾフェノン系、サルシレート系、ベンゾトリアゾール系
及びシアノアクリレート系、並びに酸化チタン、酸化亜
鉛、酸化セレン及び酸化セリウム等の金属酸化物等が挙
げられる。前記光安定剤としては、例えば、ヒンダード
アミン系光安定剤(HALS)等が挙げられる。前記消
光剤としては、例えば、ニッケルジブチルジチオカルバ
メート、硫酸ニッケル、シュウ酸ニッケル等のニッケル
塩、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、臭化カリウ
ム、臭化ナトリウム、塩化カリウム等のハロゲン化金属
塩、チオシアン酸カリウム、硫酸コバルト、硫酸銅、硫
酸第一鉄等が挙げられる。前記酸化防止剤としては、例
えば、ヒンダードフェノール化合物、アミン化合物、リ
ン化合物、硫黄化合物等が挙げられる。これらのうち、
特に、ヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。
【0014】前記耐光性向上剤は、前記インク受容層
中、0.1〜3重量%含有されることが好ましく、0.
5〜2重量%含有されることが更に好ましい。含有量が
0.1重量%未満では、マゼンタ色及び/又はイエロー
色の染料インクによる記録部分の光変退色を十分に防止
することができず、3重量%超では、インク吸収性が低
下するおそれがある。
【0015】本発明の記録媒体は、少なくとも、シア
ン、マゼンタ及びイエローの3色それぞれの染料インク
を備え、シアン色の染料インクが、フタロシアニン系染
料を含有するインクセットにより、文字及び/又は画像
が形成される。フタロシアニン系染料としては、例え
ば、C.I.ダイレクトブルー86、199等が挙げら
れ、特にC.I.ダイレクトブルー199を用いること
が、インクの目詰まり防止の点で好ましい。これら3色
の染料インクは、何れも染料、水及び各種添加剤からな
るもので、この種のインクにおけるものと同様である。
【0016】本発明の記録媒体は、上述した以外は、こ
の種の記録媒体と同様に構成されており、特に制限され
ない。本発明の記録媒体は、前記インク受容層が、多孔
質顔料及びバインダーを含有する、いわゆる「空隙型」
(吸収型ともいう)の記録媒体であることが好ましい。
【0017】前記インク受容層に含有される前記多孔質
顔料としては、例えば、無定型シリカ、沈殿法シリカ、
ゲルタイプのシリカ、気相法シリカ、擬ベーマイト等の
アルミナ水和物、シリカ/アルミナハイブリッドゾル、
スメクタイト粘土、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、
硫酸バリウム、二酸化チタン、カオリン、白土、タル
ク、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム等が挙げられ、
これらの1種又は2種以上が用いられる。特に、沈殿法
又はゲルタイプのシリカが好ましい。また、本発明は、
前記多孔質顔料のBETによる比表面積の大きいもの
に、より効果的である。
【0018】しかし、前記多孔質顔料のBETによる比
表面積は、前記インク受容層上に形成された文字及び/
又は画像の発色性や解像性等の画質の面と耐ガス性等の
保存性の面とのバランスの観点から、好ましくは100
〜500m2 /g、更に好ましくは200〜400m2
/gである。BETによる比表面積が100m2 /g未
満では、画像濃度が低下するおそれがあり、500m2
/g超では、耐ガス性が低下して記録物の保存性に劣る
おそれがある。
【0019】前記多孔質顔料の平均粒径は、通常顔料と
して使用できる範囲のものであればよいが、インク受容
層の平滑性及び解像性等の画質の向上の観点から、好ま
しくは0.05〜15μm、更に好ましくは0.1〜1
0μmである。
【0020】前記多孔質顔料の含有量は、前記インク受
容層中、40〜90重量%であることが好ましく、50
〜80重量%であることが更に好ましい。含有量が40
重量%未満では、インク吸収性が低下するおそれがあ
り、90重量%超では、インク受容層の塗膜強度が低下
するおそれがある。
【0021】前記インク受容層に含有される前記バイン
ダーとしては、結着能力を有し、該インク受容層の強度
を高め得るものであればよく、例えば、ポリビニルアル
コール、シラノール変性ポリビニルアルコール、酢酸ビ
ニル、澱粉、カルボキシメチルセルロース等のセルロー
ス誘導体、カゼイン、ゼラチン、スチレン−ブタジエン
共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテック
ス、アクリル酸及びメタクリル酸の重合体等のアクリル
系共重合体ラテックス等が挙げられ、これらの1種又は
2種以上が用いられる。特に、ポリビニルアルコールが
好ましい。
【0022】前記バインダーの含有量は、前記多孔質顔
料の総量の5〜60重量%であることが好ましく、10
〜50重量%であることが更に好ましい。含有量が5重
量%未満では、前記インク受容層の強度が低下するおそ
れがあり、60重量%超では、インクの吸収性又は染料
の吸着性が低下するおそれがある。
【0023】本発明の記録媒体における前記インク受容
層には、必要に応じ、染料定着剤、蛍光増白剤、耐水化
剤、防かび剤、防腐剤、分散剤、界面活性剤、増粘剤、
pH調整剤、消泡剤、保水剤等の添加剤を含有させるこ
とができ、これらの1種又は2種以上が用いられる。
【0024】前記インク受容層に含有できる前記染料定
着剤としては、例えば、カチオン性有機物、多価金属イ
オン及びカチオン性界面活性剤等が挙げられる。前記カ
チオン性有機物としては、例えば、1級〜3級アミン化
合物、1級〜3級アミン塩、4級アンモニウム塩等の低
分子化合物や、1級〜3級アミノ基、1級〜3級アミン
塩基若しくは4級アンモニウム塩基を有するオリゴマー
又はこれらの基を有するポリマー等が挙げられ、具体的
には、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドポリマ
ー、エピハロヒドリン−2級アミンコポリマー、ジアリ
ルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化硫黄コポリ
マー、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アク
リルアミドコポリマー、ジアリルメチルアンモニウム塩
ポリマー、ジアリルアミン塩酸塩−二酸化硫黄コポリマ
ー、ジメチルメチルアミン塩酸塩コポリマー、ポリアリ
ルアミン、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン4
級アンモニウム塩化合物、(メタ)アクリルアミドアル
キルアンモニウム塩ポリマー、4級アンモニウム塩基を
含むアイオネン等が挙げられる。前記多価金属イオンと
しては、Al3+ 、Ca2+ 、Mg2+ 等が挙げられる。
前記カチオン性界面活性剤としては、塩化ベンザルコニ
ウム等が挙げられる。これらの1種又は2種以上が用い
られ、特に、4級アンモニウム塩基を有するポリマーを
用いることが好ましい。
【0025】前記染料定着剤の含有量は、前記インク受
容層中、0.5〜15重量%であることが好ましく、1
〜10重量%であることが更に好ましい。含有量が0.
5重量%未満では、記録物の発色性及び耐水性の向上に
効果がなく、15重量%超では、インク吸収性の低下や
染料の析出による高光沢化(ブロンジング)が発生する
おそれがある。
【0026】本発明の記録媒体を構成する前記基材とし
ては、例えば、紙(サイズ処理紙を含む)、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル等を紙にコートした
レジンコート紙、バライタ紙やRCペーパー等の写真用
基材、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等の熱可塑性樹脂フィルム、合成紙、合成
繊維で形成されたシート状物等が挙げられる。
【0027】前記基材の坪量は、50〜120g/m2
であることが好ましく、70〜100g/m2であるこ
とが更に好ましい。また、前記基材の厚みは、100〜
240μmであることが好ましく、140〜200μm
であることが更に好ましい。
【0028】本発明の記録媒体は、例えば、次のように
して製造される。先ず、前述の如き各成分(メルカプト
基を有するアミノ酸、耐光性向上剤、多孔質顔料、バイ
ンダー、染料定着剤その他の各種添加剤)を含む水系塗
工液を調製する。そして、該水系塗工液を、公知の方
法、例えば、ロールコーター法、ブレードコーター法、
エアナイフコーター法、ゲートロールコーター法、サイ
ズプレス法等により前記基材の表面に塗工し、熱風乾燥
機、遠赤外線乾燥機等の公知の乾燥手段を用いて乾燥す
る。更に、前記インク受容層の表面強度及び平滑性を向
上させる観点から、インク吸収能を低下させない程度
に、カレンダー処理を施すこともできる。このようにし
て製造された本発明の記録媒体は、前記インク受容層の
塗工量が、固形分換算で10〜40g/m2であること
が好ましく、20〜30g/m2であることが更に好ま
しい。塗工量が10g/m2未満では、インク受容層を
設けなかった場合に比して染料の発色性の点で効果がな
く、40g/m2超では、インク受容層の粉落ちが発生
するおそれがある。尚、前記インク受容層自体の厚みと
しては、10〜40μmが好ましく、20〜30μmが
更に好ましい。
【0029】本発明の記録媒体に、前記インクセットに
より文字及び/又は画像を形成された記録物は、耐候性
(耐ガス性及び耐光性)に優れており、室内において長
期保存が可能である。即ち、該記録物は、前記メルカプ
ト基を有するアミノ酸の作用により、前記フタロシアニ
ン系染料による記録画像の経時的な変退色がほとんどな
く、また、前記耐光性向上剤の作用により、該メルカプ
ト基を有するアミノ酸により促進されるマゼンタ色及び
イエロー色の染料の劣化が抑制されるので、これらの染
料による記録画像の経時的な変退色もほとんどない。
【0030】次に、本発明の染料インクについて詳述す
る。本発明の染料インクは、シアン色の染料及び水を含
有し、該シアン色の染料がフタロシアニン系染料である
染料インクにおいて、メルカプト基を有するアミノ酸を
含有させたものである。また、濃淡インクがある場合、
特に淡インクに該メルカプト基を有するアミノ酸を含有
させることが好ましい。フタロシアニン系染料として
は、C.I.ダイレクトブルー86、199等が挙げら
れ、特にC.I.ダイレクトブルー199を用いること
が、インクの目詰まり防止の点で好ましい。また、メル
カプト基を有するアミノ酸としては、前述した本発明の
記録媒体に含有できるものは特に制限なく用いることが
でき、L−システインを用いることが好ましい。
【0031】前記フタロシアニン系染料は、本発明の染
料インク中、好ましくは0.5〜4重量%、更に好まし
くは1〜3.5重量%含有される。含有量が0.5重量
%未満では、印字濃度が不十分で文字及び/又は画像の
発色性に欠け、4重量%超では、粘度の増大やインクジ
ェット記録用インクとして用いた場合にノズルの目詰ま
りを起こすおそれがある。
【0032】また、前記メルカプト基を有するアミノ酸
は、本発明の染料インク中、好ましくは0.1〜3重量
%、更に好ましくは0.5〜2重量%含有される。含有
量が0.1重量%未満では、耐ガス性向上に効果がな
く、3重量%超では、インクが目詰まりするおそれがあ
る。
【0033】本発明の染料インクに含有される水(主溶
媒)としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、
蒸留水等の純水又は超純水を用いることができる。特
に、紫外線照射又は過酸化水素添加等により滅菌処理し
た水を用いることが、カビやバクテリアの発生を防止し
てインクの長期保存を可能とする点で好ましい。
【0034】本発明の染料インクには、必要に応じ、浸
透促進剤、界面活性剤、湿潤剤、ノズルの目詰まり防止
剤、防腐剤・防カビ剤、pH調整剤、溶解助剤、酸化防
止剤、表面張力調整剤、粘度調整剤、誘電率調整剤、酸
素吸収剤等の各種添加剤を含有させることができ、これ
らの1種又は2種以上が用いられる。
【0035】本発明の染料インクにより、記録媒体に文
字及び/又は画像を形成された記録物は、室内保存時に
おいてフタロシアニン系染料による記録画像の変退色を
起こすことがほとんどなく、長期保存が可能である。
【0036】次に、本発明のインクセットについて詳述
する。本発明のインクセットは、少なくとも、シアン、
マゼンタ及びイエローの3色それぞれの染料インクを備
え、シアン色の染料インクとして、前述した本発明の染
料インク(フタロシアニン系染料及びメルカプト基を有
するアミノ酸を含有する染料インク)を備えたインクセ
ットであって、マゼンタ色及びイエロー色の染料インク
に、それぞれ耐光性向上剤を含有させたものである。耐
光性向上剤としては、前述した本発明の記録媒体に含有
できるものは特に制限なく用いることができ、ヒンダー
ドアミン系光安定剤を用いることが好ましい。
【0037】本発明のインクセットにおける前記マゼン
タ色及び前記イエロー色の染料インクは、それぞれ前記
耐光性向上剤を、0.1〜3重量%含有することが好ま
しく、0.5〜2重量%含有することが更に好ましい。
含有量が0.1重量%未満では、シアン色の染料インク
と、マゼンタ色及び/又はイエロー色の染料インクとの
混色部分における、前記メルカプト基を有するアミノ酸
によるマゼンタ色及びイエロー色の染料の光劣化促進作
用を十分に抑制できず、このため該混色部分の光変退色
を防止できない。また、含有量が3重量%超では、イン
クの発色性及び保存安定性が低下し、特にインクジェッ
ト記録方法に用いた場合には、ノズルの目詰まりが生じ
るおそれがある。
【0038】本発明のインクセットにおける前記マゼン
タ色及び前記イエロー色の染料インクは、シアン色の染
料インク同様、何れも染料と水を含有する。染料として
は、水溶性のものが好ましく、具体的には、カラーイン
デックスにおいて酸性染料、直接染料、媒染染料、反応
染料、可溶性建染染料、硫化染料及び食用色素等に分類
されているものが挙げられる。また、水としては、前述
したシアン色の染料インクにおけるものと同様のものが
用いられ、更に必要に応じ、前記浸透促進剤等の各種添
加剤を含有させることもできる。
【0039】本発明のインクセットにより、記録媒体に
文字及び/又は画像を形成された記録物は、耐候性(耐
ガス性及び耐光性)に優れており、室内において長期保
存が可能である。特に、シアン色の染料インクと、マゼ
ンタ色及び/又はイエロー色の染料インクとの混色部分
における、前記メルカプト基を有するアミノ酸によるマ
ゼンタ色及びイエロー色の染料の光劣化促進作用が十分
に抑制されるので、該混色部分の経時的な光変退色がほ
とんどない。
【0040】本発明の記録媒体、染料インク及びインク
セットは、主にインクジェット記録方法における記録紙
又は記録液として用いられる。インクジェット記録方法
は、インクの液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着さ
せて印字を行う方法であればいかなる方法でもよいが、
特にオンデマンド型のインクジェット記録方法が好まし
い。オンデマンド型のインクジェット記録方法として
は、例えば、プリンターヘッドに配設された圧電素子を
用いて記録を行う圧電素子記録方法、プリンターヘッド
に配設された発熱抵抗素子のヒーター等による熱エネル
ギーを用いて記録を行う熱ジェット記録方法等が挙げら
れるが、本発明の記録媒体、染料インク及びインクセッ
トによれば、何れの記録方法を用いて記録した場合にも
優れた効果を発揮する。
【0041】本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種
々の変更が可能である。例えば、本発明の記録媒体の他
の好ましい実施形態として、少なくともシアン、マゼン
タ及びイエローの3色それぞれの染料インクを備え、シ
アン色の染料インクが、フタロシアニン系染料を含有
し、マゼンタ色及びイエロー色の染料インクが、それぞ
れ耐光性向上剤を、好ましくは0.1〜3重量%、更に
好ましくは0.5〜2重量%含有するインクセットによ
り、文字及び/又は画像が形成される記録媒体であっ
て、そのインク受容層中に、メルカプト基を有するアミ
ノ酸を、好ましくは0.1〜5重量%、更に好ましくは
0.5〜3重量%含有する記録媒体でもよい。
【0042】また、本発明の記録媒体は、インク受容層
を有さず、紙等の基材のみからなるものであってもよ
い。このような基材のみからなる記録媒体の製造は、例
えば、基材に、サイズプレス法等により前記メルカプト
基を有するアミノ酸及び/又は前記耐光性向上剤を含有
する水溶液を塗布する方法や、基材を該水溶液中に浸積
する方法等により行うことができる。
【0043】また、本発明の記録媒体を、前述の如く基
材上にインク受容層を設けてなる構成とする場合、該イ
ンク受容層は、基材の片面に設けてもよく、両面に設け
てもよい。また、本発明の記録媒体は、前記「空隙型」
の記録媒体のみならず、そのインク受容層が、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン等の水
溶性樹脂を主成分として含有する、いわゆる「膨潤型」
の記録媒体でもよい。
【0044】また、空隙型である本発明の記録媒体の製
造に際しては、前記メルカプト基を有するアミノ酸及び
前記耐光性向上剤以外の成分(多孔質顔料、バインダ
ー、染料定着剤その他の各種添加剤)を含有する水系塗
工液を調製し、該水系塗工液を基材に塗工し乾燥した
後、該基材を該メルカプト基を有するアミノ酸及び該耐
光性向上剤を含有する水溶液中に浸積する方法、又は該
水溶液をサイズプレス法等により塗布又はスプレー等で
噴霧する方法等により行うこともできる。
【0045】また、本発明の染料インクは、シアン色の
染料として、前記フタロシアニン系染料と共に、他の染
料、例えば、C.I.アシッドブルー9、22、40、
59、93、102、104、113、117、12
0、167、229、234、C.I.ダイレクトブル
ー6、22、25、71等を含有してもよい。
【0046】また、本発明のインクセットは、少なくと
も、シアン、マゼンタ及びイエローの3色の染料インク
を備えていればよく、4色以上の染料インクを備えてい
てもよい。
【0047】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示す。しかしなが
ら、本発明は、かかる実施例に制限されるものではない
ことはいうまでもない。尚、以下の例中、「部」及び
「%」は、特に明示しない限りそれぞれ重量部及び重量
%を示す。
【0048】〔記録媒体の製造〕下記組成の塗工液1を
調製した。得られた塗工液1を、基材(商品名「マシュ
マロ」、王子製紙(株)製)に、バーコーターを用い
て、乾燥後の塗工量が20g/m2となるように塗工
し、130℃で1分間加熱乾燥してインク受容層を設
け、記録媒体1を製造した。
【0049】 <塗工液1の組成> ・シリカ 100重量部 (商品名「ファインシールX37B」、(株)トクヤマ製) ・ポリビニルアルコール(10%水溶液) 400重量部 (商品名「ゴーセナールT-330」、日本合成化学(株)製) ・カチオンポリマー 25重量部 (商品名「ネオフィックスRP-70」、日華化学工業(株)製) ・L−システイン 3重量部 ・水 600重量部
【0050】前記塗工液1に更に耐光性向上剤1(商品
名「SEESORB101S」、シプロ化成(株)製)
3重量部を含有させた以外は前記塗工液1と同一組成の
塗工液2を用い、前記〔記録媒体の製造〕と同様にして
記録媒体2を製造した。
【0051】前記塗工液2における前記耐光性向上剤1
に代えて、耐光性向上剤2(商品名「アデカスタブLA
−77」、旭電化工業(株)製)を用いた以外は前記塗
工液2と同一組成の塗工液3を用い、前記〔記録媒体の
製造〕と同様にして記録媒体3を製造した。
【0052】前記塗工液1におけるL−システインに代
えて、前記耐光性向上剤1を用いた以外は前記塗工液1
と同一組成の塗工液4を用い、前記〔記録媒体の製造〕
と同様にして記録媒体4を製造した。
【0053】前記塗工液1におけるL−システインに代
えて、前記耐光性向上剤2を用いた以外は前記塗工液1
と同一組成の塗工液5を用い、前記〔記録媒体の製造〕
と同様にして記録媒体5を製造した。
【0054】前記塗工液1においてL−システインを用
いない以外は前記塗工液1と同一組成の塗工液6を用
い、前記〔記録媒体の製造〕と同様にして記録媒体6を
製造した。
【0055】〔染料インクの調製〕組成物の混合液を調
製し、該混合液を孔径1μmのメンブランフィルターに
より加圧濾過して、下記組成の染料インクをそれぞれ調
製した。
【0056】 <シアンインク1の組成> ・C.I.ダイレクトブルー199 3重量部 ・トリエチエレングリコールモノブチルエーテル 10重量部 ・グリセリン 10重量部 ・トリエタノールアミン 1重量部 ・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.01重量部 ・アセチレングリコール界面活性剤 1重量部 (商品名「オルフィンE1010」、日信化学(株)) ・防腐剤 0.3重量部 (商品名「プロキセルXL−2」、アビシア(株)) ・イオン交換水 65重量部
【0057】 <シアンインク2の組成> ・C.I.ダイレクトブルー199 3重量部 ・L−システイン 1重量部 ・トリエチエレングリコールモノブチルエーテル 10重量部 ・ジエチレングリコール 10重量部 ・グリセリン 10重量部 ・トリエタノールアミン 1重量部 ・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.01重量部 ・アセチレングリコール界面活性剤 1重量部 (商品名「オルフィンE1010」、日信化学(株)) ・防腐剤 0.3重量部 (商品名「プロキセルXL−2」、アビシア(株)) ・イオン交換水 65重量部
【0058】 <マゼンタインク1の組成> ・C.I.アシッドレッド52 1.5重量部 ・C.I.アシッドレッド249 1.5重量部 ・トリエチエレングリコールモノブチルエーテル 10重量部 ・ジエチレングリコール 10重量部 ・グリセリン 10重量部 ・トリエタノールアミン 1重量部 ・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.01重量部 ・アセチレングリコール界面活性剤 1重量部 (商品名「オルフィンE1010」、日信化学(株)) ・防腐剤 0.3重量部 (商品名「プロキセルXL−2」、アビシア(株)) ・イオン交換水 65重量部
【0059】 <マゼンタインク2の組成> ・C.I.アシッドレッド52 1.5重量部 ・C.I.アシッドレッド249 1.5重量部 ・耐光性向上剤1 1重量部 ・トリエチエレングリコールモノブチルエーテル 10重量部 ・ジエチレングリコール 10重量部 ・グリセリン 10重量部 ・トリエタノールアミン 1重量部 ・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.01重量部 ・アセチレングリコール界面活性剤 1重量部 (商品名「オルフィンE1010」、日信化学(株)) ・防腐剤 0.3重量部 (商品名「プロキセルXL−2」、アビシア(株)) ・イオン交換水 65重量部
【0060】 <マゼンタインク3の組成> ・C.I.アシッドレッド52 1.5重量部 ・C.I.アシッドレッド249 1.5重量部 ・耐光性向上剤2 1重量部 ・トリエチエレングリコールモノブチルエーテル 10重量部 ・ジエチレングリコール 10重量部 ・グリセリン 10重量部 ・トリエタノールアミン 1重量部 ・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.01重量部 ・アセチレングリコール界面活性剤 1重量部 (商品名「オルフィンE1010」、日信化学(株)) ・防腐剤 0.3重量部 (商品名「プロキセルXL−2」、アビシア(株)) ・イオン交換水 65重量部
【0061】 <イエローインク1の組成> ・C.I.アシッドイエロー32 2重量部 ・トリエチエレングリコールモノブチルエーテル 10重量部 ・ジエチレングリコール 10重量部 ・グリセリン 10重量部 ・トリエタノールアミン 1重量部 ・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.01重量部 ・アセチレングリコール界面活性剤 1重量部 (商品名「オルフィンE1010」、日信化学(株)) ・防腐剤 0.3重量部 (商品名「プロキセルXL−2」、アビシア(株)) ・イオン交換水 65重量部
【0062】 <イエローインク2の組成> ・C.I.アシッドイエロー32 2重量部 ・耐光性向上剤1 1重量部 ・トリエチエレングリコールモノブチルエーテル 10重量部 ・ジエチレングリコール 10重量部 ・グリセリン 10重量部 ・トリエタノールアミン 1重量部 ・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.01重量部 ・アセチレングリコール界面活性剤 1重量部 (商品名「オルフィンE1010」、日信化学(株)) ・防腐剤 0.3重量部 (商品名「プロキセルXL−2」、アビシア(株)) ・イオン交換水 65重量部
【0063】 <イエローインク3の組成> ・C.I.アシッドイエロー32 2重量部 ・耐光性向上剤2 1重量部 ・トリエチエレングリコールモノブチルエーテル 10重量部 ・ジエチレングリコール 10重量部 ・グリセリン 10重量部 ・トリエタノールアミン 1重量部 ・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.01重量部 ・アセチレングリコール界面活性剤 1重量部 (商品名「オルフィンE1010」、日信化学(株)) ・防腐剤 0.3重量部 (商品名「プロキセルXL−2」、アビシア(株)) ・イオン交換水 65重量部
【0064】〔実施例1〜9並びに比較例1及び2〕
C、M、Yの3色の前記染料インクを、インクジェット
プリンター(商品名「EM−900」、セイコーエプソ
ン(株)製)のインクカートリッジにおけるインク室
(C、M、Y各色1室)に、下記表1の組み合わせでそ
れぞれ充填し、前記記録媒体1〜6それぞれに対して、
C、M、Y及びブラック(Bk)の各色単色ベタ印字を
行い、記録物を作製した。Bk色は、C、M、Yの3色
のインクによるコンポジットブラックによった。尚、実
施例1〜4は、本発明の記録媒体の実施例であり、実施
例5〜7は、本発明の染料インクの実施例であり、実施
例8及び9は、本発明のインクセットの実施例である。
また、比較例1及び2は、記録媒体、染料インク及びイ
ンクセットの比較例である。
【0065】〔耐光性、室内保存性及び耐オゾン性の評
価〕前記記録物について、下記の〔耐光性の評価方
法〕、〔室内保存性の評価方法〕及び〔耐オゾン性の評
価方法〕により評価した。それらの結果を下記表1に示
す。
【0066】〔耐光性の評価方法〕キセノンウェザオメ
ーターCi35A(アトラスエレクトリックデバイス社
製)を用い、温度40℃、相対湿度50%RH、ブラッ
クパネル温度63℃、340nmでの照度0.52W/
2の条件で、記録物に対して光照射処理(光照射時間
50時間)を行った。光照射処理前後の記録物における
C、M、Y各色部分それぞれについての光学濃度(O
D)を、グレタグ濃度計(グレタグ社製)を用いて測定
し、次式により光学濃度残存率(ROD)を求めた。 ROD(%)=(D/D0)×100 D :光照射処理後の記録物のOD D0 :光照射処理前の記録物のOD RODの数値が大きいほど、耐光性に優れることを示
す。
【0067】〔室内保存性の評価方法〕記録物を室内
(室温24℃、相対湿度60%RH)の壁に貼り、1ヶ
月間放置した。この記録物の印字直後からのBk色部分
についての色差(ΔE*ab)を求めた(JIS Z
8730に準拠)。ΔE*abの数値が小さいほど、室
内保存性に優れることを示す。
【0068】〔耐オゾン性の評価基準〕記録物を、温度
24℃、相対湿度60%RH、オゾン濃度10ppmで
保たれる遮光された槽内に120分間放置してオゾン処
理を行った。この記録物のオゾン処理前からのBk色部
分についての色差(ΔE*ab)を求めた(JIS Z
8730に準拠)。ΔE*abの数値が小さいほど、耐
オゾン性に優れることを示す。
【0069】
【表1】
【0070】表1に示す結果から明らかなように、実施
例1〜9は何れも耐光性(特にM色及びY色についての
耐光性)、室内保存性及び耐オゾン性に優れることが分
かる。これに対し、比較例1は、室内保存性及び耐オゾ
ン性共に悪い。また、比較例2は、耐オゾン性には優れ
るが、室内保存性が悪い。
【0071】
【発明の効果】本発明の記録媒体、染料インク及びイン
クセットによれば、耐ガス性及び耐光性に優れ、特に室
内保存時においてフタロシアニン系染料による記録画像
の変退色を起こすことがほとんどなく、長期保存が可能
な記録物を提供することができる。また、本発明の記録
媒体、染料インク及びインクセットは、特にインクジェ
ット記録方法に好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FC02 FC06 2H086 BA15 BA31 BA38 BA56 BA59 BA62 4J039 BC27 BC34 BC60 BE02 GA24

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、シアン、マゼンタ及びイエ
    ローの3色それぞれの染料インクを備え、シアン色の染
    料インクが、フタロシアニン系染料を含有するインクセ
    ットにより、文字及び/又は画像が形成される記録媒体
    において、 メルカプト基を有するアミノ酸及び耐光性向上剤を含有
    する記録媒体。
  2. 【請求項2】 少なくとも、シアン、マゼンタ及びイエ
    ローの3色それぞれの染料インクを備え、シアン色の染
    料インクが、フタロシアニン系染料を含有し、マゼンタ
    色及びイエロー色の染料インクが、それぞれ耐光性向上
    剤を含有するインクセットにより、文字及び/又は画像
    が形成される記録媒体であって、 メルカプト基を有するアミノ酸を含有する記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記記録媒体が、基材上にインク受容層
    を設けてなり、該インク受容層が、前記メルカプト基を
    有するアミノ酸を0.1〜5重量%及び前記耐光性向上
    剤を0.1〜3重量%を含有する請求項1記載の記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 前記マゼンタ色及び前記イエロー色の染
    料インクが、それぞれ前記耐光性向上剤を0.1〜3重
    量%含有し、前記記録媒体が、基材上にインク受容層を
    設けてなり、該インク受容層が、前記メルカプト基を有
    するアミノ酸を0.1〜5重量%含有する請求項2記載
    の記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記メルカプト基を有するアミノ酸が、
    L−システインである請求項1〜4の何れかに記載の記
    録媒体。
  6. 【請求項6】 前記耐光性向上剤が、紫外線吸収剤、光
    安定剤、消光剤及び酸化防止剤からなる群から選ばれる
    1種又は2種以上である請求項1〜5の何れかに記載の
    記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記フタロシアニン系染料が、C.I.
    ダイレクトブルー199である請求項1〜6の何れかに
    記載の記録媒体。
  8. 【請求項8】 インクジェット記録方法に用いられる請
    求項1〜7の何れかに記載の記録媒体。
  9. 【請求項9】 少なくとも、シアン色の染料及び水を含
    有し、該シアン色の染料がフタロシアニン系染料である
    染料インクにおいて、 メルカプト基を有するアミノ酸を含有する染料インク。
  10. 【請求項10】 前記フタロシアニン系染料を0.5〜
    4重量%及び前記メルカプト基を有するアミノ酸を0.
    1〜3重量%含有する請求項9記載の染料インク。
  11. 【請求項11】 前記フタロシアニン系染料が、C.
    I.ダイレクトブルー199である請求項9又は10記
    載の染料インク。
  12. 【請求項12】 前記メルカプト基を有するアミノ酸
    が、L−システインである請求項9〜11の何れかに記
    載の染料インク。
  13. 【請求項13】 インクジェット記録方法に用いられる
    請求項9〜12の何れかに記載の染料インク。
  14. 【請求項14】 少なくとも、シアン、マゼンタ及びイ
    エローの3色それぞれの染料インクを備え、シアン色の
    染料インクとして、請求項9〜13の何れかに記載の染
    料インクを備えたインクセットであって、マゼンタ色及
    びイエロー色の染料インクが、それぞれ耐光性向上剤を
    含有するインクセット。
  15. 【請求項15】 前記耐光性向上剤を0.1〜3重量%
    する請求項14記載のインクセット。
  16. 【請求項16】 請求項1〜8の何れかに記載の記録媒
    体に記録された記録物。
  17. 【請求項17】 請求項9〜13の何れかに記載の染料
    インク又は請求項14若しくは15記載のインクセット
    を用いて記録された記録物。
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