JP3882886B2 - インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、記録物および記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法に関し、特に、複数の着色剤を用いてインクジェット記録装置により記録をする際に、高画質、高耐水性、高耐光性を有するだけでなく、高耐ガス性を有する画像を得ることのできるインクセット、インクカートリッジ及びインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方法は、周知のごとく、インクの小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。この印刷方法は、安価な装置で高解像度、高品位な画像を高速かつ簡便に印刷することができ、特に、カラー印刷においては、近年、写真に代わりうる画像形成方法として技術開発が行われている。
【0003】
このインクジェット記録に使用されるインクは、水を主成分とし、これに着色成分、目詰まり防止を目的としたグリセリンなどの湿潤剤等を含有したものが一般的である。
そして、インクジェット記録用のインクに用いられる着色剤としては、色剤の彩度・色再現性等の画像品質の高さ、利用できる色剤の種類の豊富さ、水への溶解性、目詰まりなどの信頼性の点から水溶性染料が使用されている。
【0004】
このような水溶性染料を用いて画像記録するインクジェット用記録媒体としては、基材上に多孔質のインク受容層を有する記録媒体が、速乾性、耐水性に優れ、高画質な画像が得られる記録媒体として知られている。
しかしながら、基材上に多孔質のインク受容層を有するインクジェット用記録媒体に前記水溶性染料を吐出することにより得られた記録物は、インク受容層が多孔質であるため、インク中の着色剤である染料が外気と接触することで、空気中に含まれているオゾン(O3)、窒素酸化物(NOX)、硫黄酸化物(SOX)等のガスにより退色しやすい。特に、カラー染料インク(イエロー、マゼンタ、シアン)の内、シアン染料には、高耐水性および高耐光性を有していても、耐ガス性の低いものがあり(C.I.ダイレクトブルー86,199等)、このような銅フタロシアニン骨格を有するシアン染料を用いて得られた画像は、ガスにより酸化および還元による劣化を引き起し、色相バランスが崩れることで、著しく画像劣化を起こしたように見えるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、基材上に多孔質のインク受容層を有するインクジェット用記録媒体に記録をする際に、高画質、高耐水性、高耐光性を有するだけでなく、高耐ガス性を有する画像を得ることのできるインクセット、インクカートリッジおよびインクジェット記録方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、今般、カラーインクを使用したインクジェット記録方法について研究をしていたところ、特定の顔料インクと、染料インクとを組み合わせることにより、高画質、高耐水性、高耐光性を有するだけでなく、高耐ガス性を有する画像を得ることを見いだし、本発明を完成したものである。
【0007】
即ち、本発明に係るインクセットは、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクを有し、かつ基材上に多孔質のインク受容層を有するインクジェット用記録媒体に記録するためのインクセットであって、シアンインクが着色剤として顔料を含有し、他のインクの着色剤が染料であることを特徴とし(請求項1)、これにより前記目的を達成することができる。
【0008】
また、本発明に係る前記インクセットにおいて、
・前記顔料が、C.I.ピグメントブルー15:3であること(請求項2)、
・前記シアンインクが、着色剤として染料をさらに含有すること(請求項3)、
・前記シアンインクが、濃淡2つのシアンインクからなること(請求項4)、
を特徴とし、これにより前記目的を達成することができる。
【0009】
本発明に係るインクカートリッジは、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクを一体又は少なくともその一部を独立に収容し、かつ基材上に多孔質のインク受容層を有するインクジェット用記録媒体に記録するためのインクカートリッジであって、シアンインクが着色剤として顔料を含有し、他のインクの着色剤が染料であることを特徴とし(請求項5)、これにより前記目的を達成することができる。
【0010】
また、本発明に係る前記インクカートリッジにおいて、
・前記顔料が、C.I.ピグメントブルー15:3であること(請求項6)、
・前記シアンインクが、着色剤として染料をさらに含有すること(請求項7)、
・前記シアンインクが、濃淡2つのシアンインクからなることを特徴とし(請求項8)、
これにより前記目的を達成することができる。
【0011】
本発明に係るインクジェット記録方法は、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクを用いて、基材上に多孔質のインク受容層を有するインクジェット用記録媒体にカラー印刷を行う際に、シアンインクが着色剤として顔料を含有し、他のインクの着色剤が染料であるインクセットを用いることを特徴とし(請求項9)、これにより前記目的を達成することができる。
【0014】
(作用)
本発明に係るインクセットは、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクを有し、かつ基材上に多孔質のインク受容層を有するインクジェット用記録媒体に記録するためのインクセットであって、シアンインクが着色剤として顔料を含有し、他のインクの着色剤が染料である。オゾン(O3)、窒素酸化物(NOX)、硫黄酸化物(SOX)等のガスにより他色に比べて著しく退色・変色が起きていると考えられたシアンインクにおいて、このように、シアンインクの着色剤として顔料を含有させることで、退色・変色を抑えることができる。これにより、基材上に多孔質のインク受容層を有するインクジェット用記録媒体に記録をする際に、高画質、高耐水性、高耐光性を有するだけでなく、高耐ガス性を有する画像を得ることのできるインクセットとすることができる(請求項1)。
【0015】
本発明に係るインクセットは、顔料が、C.I.ピグメントブルー15:3であることを特徴とする。C.I.ピグメントブルー15:3は、高耐水性、高耐光性および高耐ガス性を有する着色剤であるので、特に、高耐水性、高耐光性および高耐ガス性を有する画像を得ることのできるインクセットとすることができる(請求項2)。
【0016】
本発明に係るインクセットは、シアンインクが、着色剤として染料をさらに含有することを特徴とする。インク受容層に受容される染料において、その発色は良好であることから、これにより、特に高画質な画像を得ることのできるインクセットとすることができる(請求項3)。
【0017】
本発明に係るインクセットは、シアンインクが、濃淡2つのシアンインクからなることを特徴とする。これにより、シアンを含む色を確実に再現できるので、特に高精細な画像を得ることができる(請求項4)。
【0018】
本発明に係るインクカートリッジは、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクを一体又は少なくともその一部を独立に収容し、かつ基材上に多孔質のインク受容層を有するインクジェット用記録媒体に記録するためのインクカートリッジにおいて、シアンインクが着色剤として顔料を含有し、他のインクの着色剤が染料である。オゾン(O3)、窒素酸化物(NOX)、硫黄酸化物(SOX)等のガスにより他色に比べて著しく退色・変色が起きていると考えられたシアンインクにおいて、このように、シアンインクの着色剤として顔料を含有させることで、退色・変色を抑えることができる。これにより、基材上に多孔質のインク受容層を有するインクジェット用記録媒体に記録をする際に、高画質、高耐水性、高耐光性を有するだけでなく、高耐ガス性を有する画像を得ることのできるインクカートリッジとすることができる(請求項5)。
【0019】
本発明に係るインクカートリッジは、顔料が、C.I.ピグメントブルー15:3であることを特徴とする。C.I.ピグメントブルー15:3は、高耐水性、高耐光性および高耐ガス性を有する着色剤であるので、特に、高耐水性、高耐光性および高耐ガス性を有する画像を得ることのできるインクカートリッジとすることができる(請求項6)。
【0020】
本発明に係るインクカートリッジは、シアンインクが、着色剤としてさらに染料を含有することを特徴とする。インク受容層に受容される染料において、その発色は良好であることから、これにより、特に高画質な画像を得ることのできるインクカートリッジとすることができる(請求項7)。
【0021】
本発明に係るインクカートリッジは、シアンインクが、濃淡2つのシアンインクからなることを特徴とする。これにより、シアンを含む色を確実に再現できるので、特に高精細な画像を得ることができる(請求項8)。
【0022】
本発明に係るインクジェット記録方法によれば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクを用いて、基材上に多孔質のインク受容層を有するインクジェット用記録媒体にカラー印刷を行う際に、シアンインクが着色剤として顔料を含有し、他のインクの着色剤が染料であるカラーインクセットを用いる。オゾン(O3)、窒素酸化物(NOX)、硫黄酸化物(SOX)等のガスにより他色に比べて著しく退色・変色が起きていると考えられたシアンインクにおいて、このように、シアンインクの着色剤として顔料を含有させることで、退色・変色を抑えることができる。これにより、基材上に多孔質のインク受容層を有するインクジェット用記録媒体に記録をする際に、高画質、高耐水性、高耐光性を有するだけでなく、高耐ガス性を有する画像を得ることのできるインクジェット記録方法とすることができる(請求項9)。
【0025】
本発明に係るインクセットは、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクを有し、かつ基材上に多孔質のインク受容層を有するインクジェット用記録媒体に記録するためのインクセットであって、シアンインクが着色剤として顔料を含有し、他のインクの着色剤が染料であることを特徴とするものである。
また、本発明に係るインクカートリッジは、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクを一体又は少なくともその一部を独立に収容し、かつ基材上に多孔質のインク受容層を有するインクジェット用記録媒体に記録するためのインクカートリッジであって、シアンインクが着色剤として顔料を含有し、他のインクの着色剤が染料であることを特徴とするものである。
次に、本発明の好ましい実施の形態を以下に例示するが、本発明は、以下の第1〜8の実施の形態に限定されるものではなく、前記の発明を特定する事項の範囲内で適宜変更することができるものである。
【0026】
本発明の第1の実施の形態に係るインクセットは、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクからなるインクセットであって、シアンインクが着色剤として顔料を含有し、他のインクの着色剤が染料であるインクセットである。
【0027】
本発明の第2の実施の形態に係るインクセットは、シアンインク、濃マゼンタインク、淡マゼンタインク、イエローインクからなるインクセットであって、シアンインクが着色剤として顔料を含有し、他のインクの着色剤が染料であるインクセットである。
【0028】
本発明の第3の実施の形態に係るインクセットは、濃シアンインク、淡シアンインク、濃マゼンタインク、淡マゼンタインク、イエローインクからなるインクセットであって、濃シアンインクおよび淡シアンインクが着色剤として顔料を含有し、他のインクの着色剤が染料であるインクセットである。
【0029】
本発明の第4の実施の形態に係るインクセットは、濃シアンインク、淡シアンインク、濃マゼンタインク、淡マゼンタインク、濃イエローインク、淡イエローインクからなるインクセットであって、濃シアンインクおよび淡シアンインクが着色剤として顔料を含有し、他のインクの着色剤が染料であるインクセットである。
【0030】
本発明の第5の実施の形態に係るインクカートリッジは、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクとを一体又は少なくともその一部を独立に収容しているインクカートリッジであって、シアンインクが着色剤として顔料を含有し、他のインクの着色剤が染料であるインクカートリッジである。
【0031】
本発明の第6の実施の形態に係るカラーインクカートリッジは、シアンインク、濃マゼンタインク、淡マゼンタインク、イエローインクとを、一体又は少なくともその一部を独立に収容しているインクカートリッジにおいて、シアンインクが着色剤として顔料を含有し、他のインクの着色剤が染料であるインクカートリッジである。
【0032】
本発明の第7の実施の形態に係るインクカートリッジは、濃シアンインク、淡シアンインク、濃マゼンタインク、淡マゼンタインク、イエローインクとを一体又は少なくともその一部を独立に収容しているインクカートリッジであって、濃シアンインクおよび淡シアンインクが着色剤として顔料を含有し、他のインクの着色剤が染料であるインクカートリッジである。
【0033】
本発明の第8の実施の形態に係るインクカートリッジは、濃シアンインク、淡シアンインク、濃マゼンタインク、淡マゼンタインク、濃イエローインク、淡イエローインクとを一体又は少なくともその一部を独立に収容しているインクカートリッジであって、濃シアンインクおよび淡シアンインクが着色剤として顔料を含有し、他のインクの着色剤が染料であるインクカートリッジである。
【0034】
上記の第1〜8の実施の形態においては、ブラックインクは含まれていないが、着色剤としてブラックの染料を用いたブラックインクを含めたインクセット、インクカートリッジとすることもできる。
【0035】
上記第1〜8の実施の形態においては、インクセットおよびインクカートリッジは、4〜6色組のカラーインクセット、カラーカートリッジとして構成したが、本発明に係るインクセットおよびインクカートリッジとしては、4〜6色組のカラーインクセット、カラーカートリッジとして構成したものに限定されるものではない。
【0036】
次に、本発明に用いられる各インクについて、更に詳細に説明する。
[シアンインク]
シアンインクは、着色剤として、以下の顔料の一種以上を含有し、これにより、耐水性および耐光性のみならず、画像に耐ガス性を付与できる。また、得られる画像を高画質にする目的で、さらに以下の染料の一種以上を含有することが好ましい。
・顔料の具体例としては、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、16、18、25、60、65、66等を挙げることができる。
中でも、C.I.ピグメントブルー15:3は高耐水性、高耐光性および高耐ガス性を有する着色剤であることから好ましく、高耐水性、高耐光性および高耐ガス性を有する画像を得ることができる。
・染料の具体例としては、C.I.ダイレクトブルー1、10、15、22、25、55、67、68、71、76、77、78、80、84、86、87、90、98、106、108、109、151、156、158、159、160、168、189、192、193、194、199、200、201、202、203、207、211、213、214、218、225、229、236、237、244、248、249、251、252、264、270、280、288、289、291、
C.I.アシッドブルー9、25、40、41、62、72、76、78、80、82、92、106、112、113、120、127:1、129、138、143、175、181、205、207、220、221、230、232、247、258、260、264、271、277、278、279、280、288、290、326等が挙げられる。
【0037】
シアンインクへの上記着色剤の添加量は、インクの耐ガス性に加え、良好な色相を有する画像を実現できる範囲で適宜決められるが、0.1〜10重量%の範囲が好ましく、顔料と染料の重量比は、高画質、高耐水性、高耐光性および高耐ガス性を兼ね備える画像を確実に得ることができるため、100:0〜1:99が好ましく、より好ましくは100:0〜10:90である。
【0038】
シアンインクは、上記着色剤とともに、少なくとも水を含んでいる。また、有機溶媒を含有していることが好ましい。有機溶媒としては、好ましくは、低沸点有機溶媒であり、その好ましい例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、ペンタノール等が挙げられる。特に一価のアルコールが好ましい。
【0039】
シアンインクは、さらに記録ヘッドのノズルの目詰まりを防止させるために湿潤剤を含んでいるのが好ましい。
湿潤剤の好ましい例としては、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、尿素、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダリジノン、イミダゾール、N−メチル−2−ピロリドンなどが挙げられ、さらに、糖類を含むこともでき、糖類の例としては、単糖類、二糖類オリゴ糖類(三糖類、および四糖類を含む)および多糖類が挙げられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオースなどが挙げられる。
ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。
これらの湿潤剤の添加量は特に限定されるものではないが、インク中に0.5〜40重量%、好ましくは2〜20重量%の範囲が適当である。
【0040】
また、シアンインクは、多価アルコールのアルキルエーテル誘導体のような浸透剤を含んでいるのが好ましい。
多価アルコールのアルキルエーテル誘導体の具体例としては、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、およびプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルから選ばれた一種または二種以上の混合物を挙げることができる。トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルおよびそれを含む混合物の利用が好ましい。
これら多価アルコールのアルキルエーテル誘導体の添加量は、製造される分散体に対して0.5〜20重量%程度が好ましく、より好ましくは3〜15重量%の範囲である。
【0041】
また、着色剤として顔料を使用するため、上記顔料を分散させるための分散剤又は界面活性剤が好適に使用される。
上記分散剤としては、一般的に顔料分散の分散剤として既に利用されているものはいずれも利用することができるが、例えば高分子化合物、界面活性剤を利用することができ、より好ましくは高分子化合物である。
高分子化合物が分散剤として好ましく利用可能であることは当業者には明らかであるが、一般に分散は顔料粒子間に生じる引力に反発しうるだけの斥力が生じるときに得られると考えられている。そして、その斥力とは、粒子表面に生じる電気二重層によって与えられる表面電位によるものと、粒子表面に吸着し、表面から広がる吸着層による立体障害によるものとがあるとされている。これらの斥力をより大きく(密に)、さらに粒子表面からより遠くまで及ぶとき、安定な分散体を得ることができる。一般的に分子量が数十から数百の界面活性剤よりも、数千から数万までにおよぶ高分子化合物の方がより安定な分散体が得られるとされている。
【0042】
高分子分散剤の好ましい例としては天然高分子が挙げられ、その具体例としては、にかわ、ゼラチン、カゼイン、アルブミンなどの蛋白質類、アラビアゴム、トラガントゴム、などの天然ゴム類、サボニンなどのグルコシド類、アルギン酸およびアルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウムなどのアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。
【0043】
さらに高分子分散剤の好ましい例として合成高分子が挙げられ、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体などのスチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸、スチレン−無水マレイン酸、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニルマレイン酸エステル共重合体およびこれらの塩が挙げられる。
【0044】
これらの中で、特に疎水性基をもつモノマーと親水性基を持つモノマーとの共重合体、および、疎水性基と親水性基とを併せ持ったモノマーからなる重合体が好ましい。上記の塩としては、ジエチルアミン、アンモニア、エチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノールモルホリンなどとの塩が挙げられる。これらの共重合体は、重量平均分子量が3,000〜30,000程度であるものが好ましく、より好ましくは5,000〜15,000程度である。
これら分散剤の添加量は、特に限定されるものではないが、その重量比は、顔料1に対して0.06〜3が好ましく、より好ましくは、0.125〜3である。
【0045】
また、好ましい界面活性剤の例としては、アニオン性界面活性剤(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩など)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなど)が挙げられ、これらは、単独または二種以上を混合して用いられることができる。
【0046】
また、下記の式(1)で表されるアセチレングリコールを用いることも好ましく、インクの表面張力の調節、記録媒体との濡れ性調節および記録媒体への浸透性付与を確実に行うことができる。
【0047】
【化1】
【0048】
前記式(1)において、R1、R2、R3、およびR4が表す炭素数1〜6のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜4のアルキルであり、より好ましくはメチル基である。また、nおよびmはそれらの和が0〜30となる整数である。
前記式(1)で表されるアセチレングリコール化合物の好ましい例としては、2,4,7,9テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、および3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールが挙げられる。また、式(1)の化合物として市販品を利用することも可能であり、例えば日信化学株式会社製のサーフィノール104,82,465,485またはTGなどを用いることができる。
これらアセレチレングリコール化合物の添加量は、製造される分散体に対して0.01〜10重量%程度が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。
【0049】
また、シアンインクには、着色剤の分散安定性をより向上させる目的で、pH調整剤を添加することができる。
シアンインクのpHを5〜12の範囲に調整するのが好ましく、より好ましくは、6〜10の範囲である。
pH調整剤としては、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸リチウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、シュウ酸ナトリウム、シュウ酸カリウム、シュウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、フタル酸水素カリウム、酒石酸水素カリウムなどのカリウム金属類、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩酸塩、トリエタノールアミン、モルホリン、プロパノールアミンなどのアミン類などが好ましい。
【0050】
更に、シアンインクは、粘度調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐・防黴剤などを含むことができる。
【0051】
[淡シアンインク]
「淡シアンインク」とは、同一のインクセット内における、複数のシアンインクのうち、記録媒体に記録した時の反射濃度の低いものをいい、3種類以上存在する場合、最も反射濃度の高いもの以外をいう。より具体的には、淡シアンインクにおける着色剤のインク全重量に対する添加量はシアンインクの50%以下である。
このように、上記したシアンインクと異なる淡インクを用意し、インクセットにおいて、シアンインクが例えば濃淡2つのシアンインクからなるようにすることにより、シアンを含む色を確実に再現できるので、より高精細な画像を得ることができる。
本実施の形態においては、着色剤として、上記のシアンインクにおいて使用できる顔料と同様の顔料を一種以上含有する。
その他、淡シアンインクも、着色剤として、前述した顔料に加え、得られる画像を高画質にする目的で、さらに上記のシアンインクにおいて使用できる染料を含有することが好ましい。顔料と染料の重量比は、高画質、高耐水性、高耐光性および高耐ガス性を兼ね備える画像を確実に得ることができるため、100:0〜1:99が好ましく、より好ましくは100:0〜10:90である。また、顔料とともに少なくとも水を含んでいること、有機溶媒を含有していることが好ましいこと、分散剤、浸透剤、湿潤剤、pH調整剤が添加されることが好ましいこと等は、上記のシアンインクの場合と同様である。
【0052】
[その他のインク]
その他のインクは、着色剤として、後記の染料を使用する。インク受容層内に受容される染料において、その発色は良好であることから、これにより、高画質な画像を得ることができる。
その他のインクの淡色インクにおいて、着色剤のインク全重量に対する含有量は、濃色のインクの50%以下である。
その他のインクが、染料とともに少なくとも水を含んでいること、有機溶媒を含有していることが好ましいこと、界面活性剤、浸透剤、湿潤剤、pH調整剤、防腐・防黴剤等が添加されることが好ましいことは、上記のマゼンタインクの場合と同様である。
【0053】
その他のインクに使用される染料としては、次ぎのような染料が挙げられる。
・マゼンタインクに使用する染料として、例えば、C.I.ダイレクトレッド2、4、9、23、26、31、39、62、63、72、75、76、79、80、81、83、84、89、92、95、111、173、184、207、211、212、214、218、221、223、224、225、226、227、232、233、240、241、242、243、247、
C.I.アシッドレッド35、42、52、57、62、80、82、111、114、118、119、127、128、131、143、151、154、158、249、254、257、261、263、266、289、299、301、305、336、337、361、396、397、
C.I.リアクティブレッド3、13、17、19、21、22、23、24、29、35、37、40、41、43、45、49、55、
C.I.ベーシックレッド12、13、14、15、18、22、23、24、25、27、29、35、36、38、39、45、46
等を挙げられることができる。
・イエローインクに使用する染料として、例えば、C.I.ダイレクトイエロー8、9、11、12、27、28、29、33、35、39、41、44、50、53、58、59、68、86、87、93、95、96、98、100、106、108、109、110、130、132、142、144、161、163、
C.I.アシッドイエロー17、19、23、25、39、40、42、44、49、50、61、64、76、79、110、127、135、143、151、159、169、174、190、195、196、197、199、218、219、222、227、
C.I.リアクティブイエロー2、3、13、14、15、17、18、23、24、25、26、27、29、35、37、41、42、
C.I.ベーシックイエロー1、2、4、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、39、40等を挙げることができる。
・ブラックインクに使用する染料として、例えば、C.I.ダイレクトブラック9、17、19、22、32、51、56、62、69、77、80、91、94、97、108、112、113、114、117、118、121、122、125、132、146、154、166、168、173、199、
C.I.アシッドブラック7、24、29、48、52:1、172、
C.I.リアクティブブラック4、5、8、14、21、23、26、31、32、34、
C.I.ベーシックブラック8等を挙げることができる。
【0054】
次に、本発明に係るインクセットおよびインクカートリッジのインクを吐出して記録する際に使用されるインクジェット用記録媒体について説明する。昨今、高画質の画像を得ることのできるインクジェット用記録媒体が種々開発されているが、本発明に用いるインクジェット用記録媒体は、速乾性、耐水性に優れ、高画質な画像を提供できる記録媒体として知られている、基材上に多孔質のインク受容層(マイクロポーラス型/空隙型インク受容層ともいう)を有するインクジェット用記録媒体である。
【0055】
マイクロポーラス型インク受容層としては、特開平7−232473号公報、特開平7−76162号公報、特開平10−81054号公報、特開平10−193776号公報、特開平12−309157号公報等に記載の従来公知のものをいずれも使用することができる。一般的に、マイクロポーラス型インク受容層は、インク吸収顔料、インク定着剤およびバインダーを構成成分としており、更に必要に応じて、染料固着剤(耐水化剤)、蛍光増白剤、界面活性剤、消泡剤、pH調整剤、防黴剤、紫外線吸収剤および酸化防止剤等の各種添加剤を含有するものである。
【0056】
インク吸収顔料としては、公知の白色顔料を1種以上用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、チタンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、メラミン樹脂、尿素樹脂等の有機顔料などが挙げられる。
【0057】
インク定着剤としては、特にカチオン性化合物が好ましく、1級〜3級アミンあるいは4級アンモニウム塩基を有する低分子化合物、それらの基を有するオリゴマー、またはそれらの基を有するポリマーが挙げられる。具体的には、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドポリマー,ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−二酸化イオウコポリマー,ジアリルジメチルアンモニウムクロライド−アクリルアミドコポリマーなどのジアリルメチルアンモニウム塩ポリマー、ジアリルアミン塩酸塩−二酸化イオウコポリマー、ジアリルメチルアミン塩酸塩コポリマー、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミン4級アンモニウム塩化合物、(メタ)アクリル酸アルキルアンモニウム塩ポリマー、(メタ)アクリルアミドアルキルアンモニウム塩ポリマー、4級アンモニウム塩を含むアイオネン等を挙げることができる。
これらのインク定着剤の含有量は、インク受容層の全乾燥重量に対して1重量%〜30重量%が好ましく、より好ましくは5重量%〜10重量%の範囲である。
【0058】
バインダーとしては、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール又はその誘導体;ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体などのアクリル系重合体ラテックス;エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス;あるいはこれら各種重合体のカルボキシ基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性樹脂などの水性接着剤;ポリメチルメタクリレート等のアクリル酸エステル;メタクリル酸エステルの重合体又は共重合体;ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系接着剤などを挙げることができる。これらのバインダーの含有量は、インク受容層の全乾燥重量に対して10重量%〜60重量%が好ましく、より好ましくは30重量%〜50重量%の範囲である。
【0059】
前記基材としては、紙又はプラスチック製のシート状のものがあり、光透過性のもの、あるいは光不透過性のものをいずれも使用でき、例えば、紙としては、天然セルロース繊維を主体とした木材パルプもしくは非木材パルプのパルプ原料から成るものが挙げられ、プラスチック材料としては、ポリエステル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、セルロイド等が挙げられる。また、基材としては、紙の片面あるいは両面にポリオレフィン樹脂をラミネートしたレジンコート紙も挙げられる。
【0060】
以上詳述したように、オゾン(O3)、窒素酸化物(NOX)、硫黄酸化物(SOX)等のガスにより他色に比べて著しく退色・変色が起きていると考えられたシアンインクにおいて、このように、シアンインクの着色剤として顔料を含有させることで、退色・変色を抑えることができ、これにより、基材上に多孔質のインク受容層を有するインクジェット用記録媒体に記録をする際に、高画質、高耐水性、高耐光性を有するだけでなく、高耐ガス性を有する画像を得ることのできるインクセットおよびインクカートリッジとすることができる。
【0061】
以下、本発明の実施形態に係るインクジェット記録方法およびインクジェット記録方法において使用する記録装置について説明する。
図1に示すように、記録装置20は、副走査送り機構と、主走査送り機構と、ヘッド駆動機構とを備えている。副走査送り機構は、紙送りモータ23とプラテン26とを備えており、紙送りモータ23の回転をプラテン26に伝達することによってインクジェット用記録媒体Pを副走査方向に搬送する。主走査送り機構は、キャリッジモータ32と、プーリ38と、キャリッジモータ32とプーリ38との間に張設された駆動ベルト36と、プラテン26の軸と並行に設けられた摺動軸34とを備えている。摺動軸34は、駆動ベルト36に固定されたキャリッジ31を摺動可能に保持している。キャリッジモータ32の回転は、駆動ベルト36を介してキャリッジ31に伝達され、キャリッジ31は、摺動軸34に沿ってプラテン26の軸方向(主走査方向)に往復動する。ヘッド駆動機構は、キャリッジ31に搭載される印刷ヘッドユニット60を駆動して、インクジェット用記録媒体P上にインクを吐出させる。紙送りモータ23とキャリッジモータ32と印刷ヘッドユニット60とは、制御回路40に接続されており、各機構の動作は制御回路40によって制御される。
【0062】
また、記録装置20は操作パネル80を備えている。操作パネル80は、制御回路40に接続されており、ユーザは、操作パネル80に設けられたボタンにより記録装置20の各種の設定を行うことができるとともに、操作パネル80に設けられた表示用ランプにより記録装置20の処理状況を確認することができる。
【0063】
図2は、制御回路40の内部構成を示すブロック図である。制御回路40は、CPU41と、プログラマブルROM(PROM)43と、RAM44と、文字などのドットマトリクスを記憶したキャラクタジェネレータ(CG)45と、I/F専用回路50と、ヘッド駆動回路52と、モータ駆動回路54とを備えている。I/F専用回路50は、シリアルインタフェース回路とパラレルインタフェース回路とを内蔵しており、コネクタ56を介してコンピュータ90から供給される印刷信号PSを受け取る。ヘッド駆動回路52は、印刷ヘッドユニット60を駆動させるための回路であり、モータ駆動回路54は、紙送りモータ23およびキャリッジモータ32を駆動させるための回路である。
【0064】
図3は、印刷ヘッドユニット60の斜視図である。この印刷ヘッドユニット60には、ブラックインクカートリッジ71と本発明の実施形態に係る5色のインクカートリッジ72(複数のカラーインクによって構成されているので、以下、カラーインクカートリッジともいう)とが搭載可能となっている。印刷ヘッドユニット60の下部に設けられた印刷ヘッド28には、ブラックインクとカラーインクに対応して合計6組のノズル列61〜66が形成されている。印刷ヘッドユニット60の底部には、この各ノズル列にインクタンクからのインクを導く導入管73〜78が立設されている。導入管73は、ブラックインク用カートリッジからインクを導くための管である。導入間74〜78は、カラーインク用カートリッジからインクを導くための管である。
【0065】
図4は、本発明の実施形態に係るカラーインクカートリッジ72の斜視図である。このカラーインクカートリッジ72には、濃シアン(C)と、淡シアン(LC)と、濃マゼンタ(M)と、淡マゼンタ(LM)と、イエロ(Y)と、の5種類のインクが一体に収容されたインクセットとなっている。ここで、濃シアン(C)、淡シアン(LC)の2種類のインクは、着色剤として顔料を含有するインクであり、他のインクは、着色剤が染料のインクである。
なお、淡シアンインクは、濃シアンインクと色相がほぼ同一で濃度が濃シアンインクよりも低いインクである。淡マゼンタインクについても同様である。淡シアンインクおよび淡マゼンタインクは、それぞれ濃シアンインクおよび濃マゼンタインクよりも収容量が多くなっている。また、5種類のインクの中では、イエロインクの収容量がもっとも多い。
【0066】
図5は、印刷ヘッド28の底面における6組のノズル列61〜66の配列の一例を示す説明図である。各ノズル列61〜66は、それぞれ48個のノズルNzを含んでおり、48個のノズルNzは一定のピッチkで一列に配列されている。
【0067】
各ノズル列61〜66には、各ノズルNzに対応するピエゾ素子(駆動素子)が設けられている。ピエゾ素子は、周知のように、結晶の両端に電圧を印加したときに生じる力学的な歪みを利用した素子である。ピエゾ素子は、ノズルNz近傍において上記のインク通路に接するように設けられており、ピエゾ素子に所定の電圧を印加することによってインク通路の幅を増減させることができる。この結果、インク滴がノズルNzから吐出される。なお、各ノズル列61〜66は、同一形状の複数のノズルNzを備えているが、ピエゾ素子に印加する電圧の大きさや挿引方法などを変更することにより、各ノズルNzから吐出されるインク滴の吐出量を変更可能である。
【0068】
第1のノズル列61は、第1のカートリッジ71から供給されたブラックインク(K)を吐出する。第2〜第6のノズル列62〜66は、それぞれ第2のカートリッジ72から供給された濃シアン(C)、淡シアン(LC),濃マゼンタ(M),淡マゼンタ(LM),イエロ(Y)の各インクを吐出する。
【0069】
以上、本発明の実施形態に係るインクジェット記録方法および記録装置を詳細に説明したが、シアンインクと他のインクとを用いて、基材上に多孔質のインク受容層を有するインクジェット用記録媒体にカラー印刷を行う際に、前掲したようなカラーインクカートリッジを用いることにより、すなわち、シアンインクが着色剤として顔料を含有し、他のインクの着色剤が染料であるインクセットを用いることにより、オゾン(O3)、窒素酸化物(NOX)、硫黄酸化物(SOX)等のガスによる退色・変色を抑えることができるので、高画質、高耐水性、高耐光性を有するだけでなく、高耐ガス性を有する画像を得ることができる。そして、本発明に係る記録物は、シアンインクが着色剤として顔料を含有し、他のインクの着色剤が染料であるインクセットを用いて記録されるので、高画質、高耐水性、高耐光性を有するだけでなく、高耐ガス性を有する記録物となる。
【0070】
【実施例】
次に、本発明の実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0071】
実施例1
淡シアンインク、濃シアンインク、淡マゼンタインク、濃マゼンタインクおよびイエローインクを下記組成に従い調製し、各インクをカラーインクカートリッジIC5CL05(セイコーエプソン株式会社製)に詰め替えることにより、計5色からなる実施例1のインクカートリッジを作製した。
[淡シアンインク]
上記全ての成分をミニミル100(Eiger Machinery Inc., Bensenbille IL)に装填し、3000 rpm で2時間ミリングを行った。得られた分散体を5μmのメンブランフィルターでろ過し、顔料を1.5重量%含んでなるインク組成物を得た。
[他のインク]
上記淡シアンインクにおける着色剤に代えて下記の着色剤を使用した。なお、淡マゼンタインク、濃マゼンタインクおよびイエローインクには分散剤を添加せず、他の全ての成分を攪拌することによりインク組成物を得た。(上記ミリングおよびろ過の操作は行わない。)
・濃シアンインク: C.I.ピグメントブルー15:3 6.0重量%
・淡マゼンタインク: C.I.ダイレクトレッド227 1.5重量%
・濃マゼンタインク: C.I.ダイレクトレッド227 6.0重量%
・イエローインク: C.I.ダイレクトイエロー86 6.0重量%
【0072】
実施例2
上記組成(顔料:染料=8:2)のようにした以外は、実施例1の淡シアンインクと同様の組成とすることで淡シアンインクおよび濃シアンインクを調製し、他のインクも実施例1と同様とすることで、実施例2のインクカートリッジを作成した。
【0073】
実施例3
上記組成(顔料:染料=5:5)のようにした以外は、実施例1の淡マゼンタインクと同様の組成とすることで、淡シアンインクおよび濃シアンインクを調製し、他のインクも実施例1と同様とすることで、実施例3のインクカートリッジを作成した。
【0074】
実施例4
上記組成(顔料:染料=2:8)のようにした以外は、実施例1の淡シアンインクと同様の組成とすることで、淡シアンインクおよび濃シアンインクを調製し、他のインクも実施例1と同様とすることで、実施例4のインクカートリッジを作成した。
【0075】
実施例5
淡シアンインクおよび濃シアンインクにおいて、C.I.ダイレクトブルー199をC.I.アシッドブルー9に代えた以外は実施例2と同様にすることにより、実施例5のインクカートリッジを作成した。
【0076】
実施例6
淡シアンインクおよび濃シアンインクにおいて、C.I.ダイレクトブルー199をC.I.アシッドブルー9に代えた以外は実施例3と同様にすることにより、実施例6のインクカートリッジを作成した。
【0077】
実施例7
淡シアンインクおよび濃シアンインクにおいて、C.I.ダイレクトブルー199をC.I.アシッドブルー9に代えた以外は実施例4と同様にすることにより、実施例7のインクカートリッジを作成した。
【0078】
比較例1
・淡シアンインク: C.I.ダイレクトブルー199 1.5重量%
・濃シアンインク: C.I.ダイレクトブルー199 6.0重量%
上記組成のようにした以外は、実施例1の淡シアンインクと同様の組成とすることで、淡シアンインクおよび濃シアンインクを調製し、他のインクも実施例1と同様とすることで、比較例1のインクカートリッジを作成した。
【0079】
比較例2
・淡シアンインク: C.I.アシッドブルー9 1.5重量%
・濃シアンインク: C.I.アシッドブルー9 6.0重量%
上記組成のようにした以外は、実施例1の淡シアンインクと同様の組成とすることで、淡シアンインクおよび濃シアンインクを調製し、他のインクも実施例1と同様とすることで、比較例2のインクカートリッジを作成した。
【0080】
上記の実施例及び比較例の評価は、下記に示す方法により行ない、その結果を表1に示す。
◇試験方法
(1)画質試験
実施例及び比較例で作製したインクカートリッジとブラックインクカートリッジIC1BK05(セイコーエプソン株式会社製)とを用い、マイクロポーラス型/空隙型インク受容層を有するPM写真用紙(セイコーエプソン株式会社製)にインクジェットプリンタPM−800C(セイコーエプソン株式会社製)で高精細カラーデジタル標準画像データ(ISO/JIS-SCID)の画像名称ポートレート(サンプル番号1、画像の識別記号N1)を印刷し、画像の鮮明性を目視観察した。
目視で画像の鮮明性を評価
彩やかに画像が再現されている :A
画像は再現されるが、くすんでいる :B
画像が不鮮明である :C
【0081】
(2)耐水性試験
上記(1)で得られた印刷物にスポイトで水を一滴滴下し、画像の滲みを目視観察した。
目視で画像の滲みを評価
全く滲まない :A
ほとんど滲まない :B
滲む :C
【0082】
(3)耐ガス性試験
オゾン1ppm、二酸化窒素(NO2)1ppmおよび二酸化硫黄(SO2)1ppmの混合ガス雰囲気下に上記の(1)で得られた印刷物を24時間放置することにより、加速試験を行った。試験前後のポートレート画像の背景(グレー色)とシアン色の色差△Eを、JIS−Z8730で規定された方法で測定した。
判断基準
色差が5未満 :A
色差が5〜10 :B
色差が10を超える :C
【0083】
(4)耐光性試験
上記(1)で得られた印刷物を用い、キセノンフェードメーター(C135A)を用いて、100時間の加速試験を行った。試験前後のポートレート画像の背景(グレー色)とシアン色の色差△Eを、JIS−Z8730で規定された方法で測定した。
判断基準
色差が5未満 :A
色差が5〜10 :B
色差が10を超える :C
【0084】
【表1】
【0085】
以上の結果より、シアンインクが着色剤として顔料を含有する実施例1〜4のインクカートリッジを用いて印刷された記録物は、高い画質、耐水性、耐ガス性および耐光性を有した。特に、実施例2、3、5、6および7のインクカートリッジを用いた場合は、画質および耐ガス性が極めて高い記録物を得ることができた。一方、シアンインクが着色剤として顔料を含有しない比較例1および2のインクカートリッジを用いて印刷された記録物は、高い耐水性、耐ガス性および耐光性を兼ね備える記録物とはならなかった。すなわち、シアンの着色剤をC.I.ダイレクトブルー199(染料)のみとした比較例1のインクカートリッジを用いた場合は、耐水性および耐光性が低い記録物が得られ、シアンの着色剤をC.I.アシッドブルー9(染料)のみとした比較例2のインクカートリッジを用いた場合は、耐ガス性が低い記録物が得られた。
【0086】
【発明の効果】
本発明に係るインクセットによれば、シアンインクの着色剤として顔料を含有させることで、ガスによる退色・変色を抑えることができ、これにより、基材上に多孔質のインク受容層を有するインクジェット用記録媒体に記録をするためのインクセットであって、高画質、高耐水性、高耐光性を有するだけでなく、高耐ガス性を有する画像を得ることのできるインクセットを提供できる(請求項1)。
【0087】
本発明に係るインクセットによれば、顔料が、C.I.ピグメントブルー15:3であるので、特に、高耐水性、高耐光性および高耐ガス性を有する画像を得ることのできるインクセットを提供できる(請求項2)。
【0088】
本発明に係るインクセットによれば、シアンインクが、着色剤としてさらに染料を含有するので、特に高画質な画像を得ることのできるインクセットを提供できる(請求項3)。
【0089】
本発明に係るインクセットによれば、シアンインクが、濃淡2つのシアンインクからなり、シアンを含む色を確実に再現できるので、特に高精細な画像を得ることのできるインクセットを提供できる(請求項4)。
【0090】
本発明に係るインクカートリッジによれば、シアンインクの着色剤として顔料を含有させることで、ガスによる退色・変色を抑えることができ、これにより、基材上に多孔質のインク受容層を有するインクジェット用記録媒体に記録をするためのインクカートリッジであって、高画質、高耐水性、高耐光性を有するだけでなく、高耐ガス性を有する画像を得ることのできるインクカートリッジを提供できる(請求項5)。
【0091】
本発明に係るインクカートリッジによれば、顔料が、C.I.ピグメントブルー15:3であるので、特に、高耐水性、高耐光性および高耐ガス性を有する画像を得ることのできるインクセットを提供できる(請求項6)。
【0092】
本発明に係るインクカートリッジによれば、シアンインクが、着色剤としてさらに染料を含有するので、特に高画質な画像を得ることのできるインクカートリッジを提供できる(請求項7)。
【0093】
本発明に係るインクカートリッジによれば、シアンインクが、濃淡2つのシアンインクからなり、シアンを含む色を確実に再現できるので、特に高精細な画像を得ることのできるインクカートリッジを提供できる(請求項8)。
【0094】
本発明に係るインクジェット記録方法によれば、シアンインクと他のインクとを用いて、基材上に多孔質のインク受容層を有するインクジェット用記録媒体にカラー印刷を行う際に、シアンインクが着色剤として顔料を含有し、他のインクの着色剤が染料であるインクセットを用いることにより、シアンのガスによる退色・変色を抑えることができ、これにより、高画質、高耐水性、高耐光性を有するだけでなく、高耐ガス性を有する画像を得ることのできる記録方法を提供できる(請求項9)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態を示す概略図である。
【図2】記録装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】記録装置に設けられる印刷ヘッドユニットの斜視図である。
【図4】インクカートリッジの斜視図である。
【図5】記録装置に設けられる印刷ヘッドの斜視図である。
【符号の説明】
20 記録装置
23 紙送りモータ
26 プラテン
28 印刷ヘッド
31 キャリッジ
32 キャリッジモータ
34 摺動軸
36 駆動ベルト
38 プーリ
40 制御回路
41 CPU
44 RAM
50 I/F専用回路
52 ヘッド駆動回路
54 モータ駆動回路
56 コネクタ
60 印刷ヘッドユニット
61〜66 ノズル列
71 ブラックインクカートリッジ
72 カラーインクカートリッジ
73〜78 導入管
80 操作パネル
90 コンピュータ
Claims (9)
- シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクを有し、かつ基材上に多孔質のインク受容層を有するインクジェット用記録媒体に記録するためのインクセットであって、シアンインクが着色剤として顔料を含有し、他のインクの着色剤が染料であることを特徴とするインクセット。
- 前記顔料が、C.I.ピグメントブルー15:3であることを特徴とする請求項1に記載のインクセット。
- 前記シアンインクが、着色剤として染料をさらに含有することを特徴とする請求項1または2に記載のインクセット。
- 前記シアンインクが、濃淡2つのシアンインクからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクセット。
- シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクを一体又は少なくともその一部を独立に収容し、かつ基材上に多孔質のインク受容層を有するインクジェット用記録媒体に記録するためのインクカートリッジであって、シアンインクが着色剤として顔料を含有し、他のインクの着色剤が染料であることを特徴とするインクカートリッジ。
- 前記顔料が、C.I.ピグメントブルー15:3であることを特徴とする請求項5に記載のインクカートリッジ。
- 前記シアンインクが、着色剤として染料をさらに含有することを特徴とする請求項5または6に記載のインクカートリッジ。
- 前記シアンインクが、濃淡2つのシアンインクからなることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のインクカートリッジ。
- シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクを用いて、基材上に多孔質のインク受容層を有するインクジェット用記録媒体にカラー印刷を行う際に、シアンインクが着色剤として顔料を含有し、他のインクの着色剤が染料であるインクセットを用いることを特徴とするインクジェット記録方法。
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