JP2020083027A - 制動制御装置 - Google Patents

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隆幸 中川
憲治 萬谷
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憲治 萬谷
山下 真司
Shinji Yamashita
真司 山下
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Abstract

【課題】自動運転時に、登坂路で停車したときのずり下がりを抑制できる制動制御装置を提供する。【解決手段】自動運転での停車の直前にブレーキ液圧を減圧させて、停車後に前記ブレーキ液圧を増圧させる制動ECU2において、路面勾配を検出する勾配検出部23と、路面勾配が所定値以上である場合に、ブレーキ液圧の増圧開始のタイミングを停車前に変更する登坂判定部24、閾値設定部25および増圧判断部26とを備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、自動運転時の制動を制御する制動制御装置に関する。
従来、車速を自動制御するアダプティブクルーズコントロール(以下、「ACC」とする)システムが知られている。ACCシステムは、先行車がない場合には設定された速度を維持し、先行車がある場合には車間距離を維持するように、自車の車速を制御する。また、ACCシステムは、先行車が停車した場合は、自車も自動的に停車させる。例えば、特許文献1には、このようなACCシステムが開示されている。
ACCシステムにおける停車制御においても、搭乗者に不快感をいだかせないスムーズな停車が望まれる。例えば、停車直前にブレーキ液圧を減圧して減速度を低下させて停車後にブレーキ液圧を増圧することで、スムーズな停車を実現する停車制御がある。
特開2003−34240号公報
当該停車制御の場合、停車位置が登坂路であると、停車後に車両がずり下がる場合がある。これは、停車直前の減圧によりブレーキ液圧が低下しているので、停車後にブレーキ液圧を増圧しても、重力の車両後方に向かう成分に対抗できるまで液圧を増圧することができないからである。
図8は、上記停車制御における車速の変化を示すタイムチャートである。同図においては、車に働く加速度、ブレーキ液圧、および車速の時間変化を示している。加速度は、車両前方の向きに働く場合を正としている。なお、本明細書で参照するタイムチャートの縦軸および横軸は、理解を容易とするために適宜拡大、縮小したものであり、また示される各波形も、理解の容易のために簡略化され、あるいは誇張もしくは強調されている。
同図(a)は、平坦路で上記停車制御を行った場合のタイムチャートである。当該タイムチャートは、すでにブレーキ液圧が増圧されて所定の液圧になっている状態から示している。ブレーキが作動して、車両後方に向かう加速度(減速度)がかかるので、加速度が負の値であり、車速が減少している。時刻t1において、車速が所定速度V0以下になったので、ブレーキ液圧は少しずつ減圧されて低下し、これに応じて加速度が少しずつ増加(減速度が減少)して、車速の減少が緩やかになっている。そして、時刻t2において、車速が「0」になるタイミングで、ブレーキ液圧が「0」になり、加速度が「0」になっている。これにより、車はスムーズに停車し、搭乗者に不快感をいだかせない。そして、停車後、ブレーキ液圧が増圧されて、所定の液圧とされ、ブレーキが作動した状態になっている。
同図(b)は、登坂路で上記停車制御を行った場合のタイムチャートである。登坂路のため、重力の車両後方に向かう成分が作用する。したがって、ブレーキ液圧が同じであっても、加速度は、平坦路の場合(同図(b)において破線で示している)より小さくなっている(減速度が大きくなっている)。よって、車速は、同図(a)の場合より早く減少している。時刻t1において、車速が所定速度V0以下になったので、ブレーキ液圧は少しずつ減圧されて低下し、これに応じて加速度が少しずつ増加(減速度が減少)して、車速の減少が緩やかになっている。そして、時刻t2において、車速が「0」になるタイミングで、ブレーキ液圧が「0」になっている。しかし、重力の影響で、加速度は「0」にならない。車両後方に向かう加速度がかかっているので、車速は「0」を超えて負の値になる。つまり、車が後方に向けて進んでおり、ずり下がった状態になっている。停車後、ブレーキ液圧が増圧されて、重力に対抗できる制動力が発生することで、時刻t3において、車速が「0」になって、車の後退が停止する。停車後、重力に対抗できる制動力が発生するまでの間(時刻t2から時刻t3まで)車がずり下がるので、搭乗者は不安感をいだく。
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、登坂路で停車したときのずり下がりを抑制できる制動制御装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明によって提供される制動制御装置は、自動運転での停車の直前にブレーキ液圧を減圧させて、停車後に前記ブレーキ液圧を増圧させる制動制御装置であって、路面勾配を検出する勾配検出部と、前記路面勾配が所定値以上である場合に、前記ブレーキ液圧の増圧開始のタイミングを停車前に変更する制御部とを備えることを特徴とする。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記制動制御装置は、前記路面勾配が大きいほど、前記ブレーキ液圧の単位時間当たりの増圧量を増加させる。
本発明によると、路面勾配が所定値以上の登坂路で停車する場合、ブレーキ液圧の増圧開始のタイミングが停車前に変更される。停車時には、ブレーキ液圧の増圧が進んでいるので、重力に対抗できる制動力が早く発生する。これにより、登坂路で停車したときのずり下がりが抑制される。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
第1実施形態に係る制動制御装置が適用された車の構成を示す概略ブロック図である。 路面勾配に対応する閾値を説明するための図である。 第1実施形態に係る停車制御処理を説明するためのフローチャートの一例である。 第1実施形態に係る停車制御における車速の変化を示すタイムチャートである。 閾値に応じたブレーキ液圧の変化を示すタイムチャートである。 第2実施形態に係る制動制御装置が適用された車の構成を示す概略ブロック図である。 路面勾配に応じて設定されるモータ回転数および閾値の一例を説明するための図である。 従来の停車制御における車速の変化を示すタイムチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る制動制御装置が適用された車1の構成を示す概略ブロック図である。図1に示すように、車1は、制動ECU(Electric Control Unit)2、ACC(Adaptive Cruise Control)−ECU3、車速センサ41、加速度センサ42、VSC(Vehicle Stability Control)−ECU5、およびアクチュエータ6を備えている。なお、車1はその他の構成も備えているが、図1においては記載を省略している。
ACC−ECU3は、アダプティブクルーズコントロールを実行するための電子制御を行うECUであり、CPUおよびメモリを備えたマイクロコンピュータによって実現されている。ACC−ECU3は、ミリ波レーダによる検出結果またはカメラによって撮像された画像などから、先行車との距離および相対速度などの情報を検出し、加速または減速の必要性を判断する。ACC−ECU3は、加速または減速が必要と判断した場合は、図示しないエンジンECUに指令を出力して、エンジンの出力を調整させる。また、ACC−ECU3は、減速が必要と判断し、エンジンの出力調整だけでは目標の速度に減速できない場合、制動ECU2に指令を出力して、ブレーキを作動させる。また、ACC−ECU3は、先行車が停車した場合、制動ECU2に指令を出力して、ブレーキを作動させて停車させる。
車速センサ41は、車1の車速を検出するセンサである。車速センサ41は、車輪の回転に同期したパルス信号を生成し、制動ECU2に出力する。制動ECU2は、車速センサ41から入力されるパルス信号の周波数に基づいて、車1の車速を算出する。なお、車速センサ41の検出信号(パルス信号)は、制動ECU2以外のECUに入力されてもよく、制動ECU2は、当該ECUが算出した算出値(車速)を入力されてもよい。以下の各センサについても同様である。
加速度センサ42は、車1の前後方向に作用する加速度を検出するセンサである。加速度センサ42は、内部に備えるおもりの変位に応じた検出信号を制動ECU2に出力する。制動ECU2は、入力された検出信号に基づいて、加速度を算出する。
VSC−ECU5は、滑りやすい路面でのコーナリング中などに発生する、車1の横滑りを防止するための電子制御を行うECUであり、CPUおよびメモリを備えたマイクロコンピュータによって実現されている。VSC−ECU5は、車1の車幅方向の加速度などによって横滑りを検知した場合に、ブレーキの液圧経路に配置されたバルブの開閉を調整して各車輪のホイールシリンダの液圧を個別に調整することで、制動力を個別に制御し、同時に、エンジン出力を制御することで、横滑りを防止する。また、本実施形態では、VSC−ECU5は、制動ECU2からの指令によって、マスタシリンダの液圧(以下では、「ブレーキ液圧」とする)を調整する。具体的には、VSC−ECU5は、制動ECU2からブレーキ液圧の増圧指令を入力された場合、マスタシリンダのブレーキ液圧を増圧させる。これにより、各車輪のホイールシリンダの液圧が増圧されて、制動力が増加する。また、VSC−ECU5は、制動ECU2からブレーキ液圧の減圧指令を入力された場合、マスタシリンダのブレーキ液圧を減圧させる。これにより、各車輪のホイールシリンダの液圧が減圧されて、制動力が減少する。なお、制動ECU2は、VSC−ECU5の代わりに、ブレーキ液圧を制御可能な他のECUを利用してもよい。例えば、電動モータによってブレーキペダルを操作することでブレーキ液圧を制御する、いわゆる電動ブースターを備えていれば、制動ECU2は、これを制御するECUを利用してもよい。
アクチュエータ6は、マスタシリンダのブレーキ液圧を調整する機構であり、マスタシリンダのブレーキ液圧を増圧させる液圧ポンプと、ブレーキ液圧を保持し、また、減圧させるバルブとを含んでいる。液圧ポンプは電動モータを備えている。液圧ポンプの電動モータは、VSC−ECU5によって制御され、稼動時にマスタシリンダのブレーキ液圧を増圧させる。バルブは、VSC−ECU5よって開閉を制御され、閉鎖時にブレーキ液圧を保持し、開放時にブレーキ液圧を減圧させる。
制動ECU2は、自動運転時にブレーキを作動させるための電子制御を行うものであり、CPUおよびメモリを備えたマイクロコンピュータによって実現されている。制動ECU2は、ACC−ECU3から入力される指令に基づいて、VSC−ECU5を介してブレーキを制御する。具体的には、制動ECU2は、ACC−ECU3から作動指令が入力された場合にブレーキを作動させ、解除指令が入力された場合にブレーキを解除する。本実施形態では、制動ECU2は、ブレーキを作動させて車1を停車させる場合、停車直前にブレーキ液圧を減圧させて減速度を低下させ、停車後にブレーキ液圧を増圧させる。これにより、スムーズな停車を実現する。また、制動ECU2は、停車位置が登坂路である場合、ブレーキ液圧の増圧開始のタイミングを停車前に変更する。制動ECU2が本発明の「制動制御装置」に相当する。制動ECU2は、機能ブロックとして、減圧判断部21、停車判定部22、勾配検出部23、登坂判定部24、閾値設定部25、および増圧判断部26を備えている。
減圧判断部21は、ACC−ECU3からの指令によりブレーキを作動させているときに、ブレーキ液圧を減圧させるか否かを判断する機能ブロックである。減圧判断部21は、車速センサ41によって検出された車速が所定速度V0より大きい間はブレーキ液圧を減圧させない。一方、車速が所定速度V0以下になった場合、ブレーキ液圧を減圧させる。所定速度V0はあらかじめ設定されており、例えば5〜10km/h程度の速度が設定される。所定速度V0は、車種や車重、指示減速度などに応じて適宜設定され、気象条件などによって変更されてもよい。減圧判断部21がブレーキ液圧を減圧させると判断した場合、制動ECU2は、VSC−ECU5に減圧指令を出力する。これにより、制動力が減少して車速の減少が緩やかになる。
停車判定部22は、車1が停車したが否かを判定する機能ブロックである。停車判定部22は、車速センサ41によって検出された車速が停車速度以下である場合に、車1が停車したと判定する。停車速度は、車速センサ41が検出可能な最低速度であり、「0」に近い速度である。車速センサ41は停車速度以下の速度を検出できないので、停車判定部22は、車速が停車速度以下になったときに停車したと判定する。停車判定部22によって車1が停車したと判定された場合、制動ECU2は、VSC−ECU5に増圧指令を出力する。これにより、ブレーキ液圧が増圧されて、停車した車1に制動力を働かせる。
勾配検出部23は、車1が停車する道路の路面勾配を検出する機能ブロックである。勾配検出部23は、加速度センサ42によって検出された加速度、および、車速センサ41によって検出された車速に基づいて、車1の前後方向の路面勾配を検出する。勾配検出部23は、車1の前後方向の加速度から、車速の微分値である車速の変化による加速度成分を減算することで、重力による加速度成分を算出する。勾配検出部23は、重力による加速度成分に基づいて、車1の前後方向における傾斜を演算する。そして、演算結果を、車1の前後方向に平行である路面勾配として出力する。本実施形態では、勾配検出部23は、路面勾配を、登坂(車1の前が後より高い)の場合を正の値とし、下り坂(車1の前が後より低い)の場合を負の値として出力する。なお、勾配検出部23は、車1の積荷による傾きや気温による加速度センサ42の誤差を補正して、路面勾配を検出してもよい。また、車1が傾斜センサを備え、勾配検出部23が傾斜センサの検出値に基づいて路面勾配を演算してもよい。勾配検出部23は、検出した路面勾配を登坂判定部24および閾値設定部25に出力する。
登坂判定部24は、車1が登坂路を走行しているか否かを判定する機能ブロックである。登坂判定部24は、勾配検出部23より入力される路面勾配を、あらかじめ設定している所定値と比較することで、登坂路であるか否かを判定する。所定値は、停車時に重力によるずり下がりが発生しうる路面勾配(5%)が設定される。登坂判定部24は、路面勾配が所定値以上である場合に、登坂路であると判定する。一方、路面勾配が所定値未満である場合に、登坂路でないと判定する。登坂判定部24は、判定結果を閾値設定部25および増圧判断部26に出力する。
閾値設定部25は、増圧判断部26で用いる閾値を設定する機能ブロックである。閾値設定部25は、登坂判定部24から登坂路であるとの判定結果を入力された場合、勾配検出部23より入力される路面勾配に応じた閾値を図示しない記憶部から読み出して、増圧判断部26に出力する。記憶部には、路面勾配に対応する閾値が記憶されている。
図2は、路面勾配に対応する閾値を説明するための図である。同図(a)は、路面勾配に応じて必要となるブレーキ液圧(以下では、「必要液圧」と記載する)を示している。路面勾配が極めて小さい場合は平坦路とあまり変わらず、ブレーキを作動させなくてもずり下がりが発生しないので、必要液圧は「0」になっている。路面勾配が所定値を超えると、路面勾配に応じて必要液圧は大きくなっている。同図(b)は、路面勾配に応じて必要となるブレーキ液の増加量(以下では、「必要液量」と記載する)を示している。液圧ポンプによってブレーキ液が送出されても、送出当初はあまり増圧に寄与せず、ブレーキ液圧はすぐには増圧しない。一方、一定量が送出されてからは大きく増圧する。したがって、路面勾配に対応する必要液量は、同図(b)のように変化する。同図(c)は、路面勾配に対して、必要液量に達するまでに必要な時間(以下では、「必要時間」と記載する)を実線で示している。液圧ポンプの送出量は一定なので、同図(c)は同図(b)と同様の変化を示している。つまり、同図(c)における路面勾配に対応する必要時間だけ、ブレーキ液圧の増圧タイミングを早くすれば、路面勾配に応じて必要となるブレーキ液圧まで増圧することができる。本実施形態では、加速度センサ42が検出した加速度に対する閾値を設定している。加速度は、車両前方の向きに働く場合を正としているので、減速時には負の値になる。図8に示すように、車速が所定速度V0以下になるとブレーキ液圧が減圧されるので、加速度が増加する。本実施形態では、加速度が閾値以上になったときに増圧を開始すれば停車時に必要液圧となるように、路面勾配に対応する閾値を設定している。同図(d)は、路面勾配に対応する閾値を実線で示している。必要時間が大きいほど、ブレーキ液圧の増圧タイミングを早くする必要があるので、同図(d)に示すように、路面勾配が大きいほど、閾値は小さくなっている。
記憶部は、図2(d)に示す路面勾配と閾値との対応関係をマップ化して記憶している。なお、図2(d)に示す路面勾配と閾値との対応関係は一例であって、これに限定されない。また、路面勾配に関係なく、閾値を固定値としてもよい。この場合、閾値設定部25はなくてもよい。
増圧判断部26は、ブレーキ液圧を増圧させるか否かを判断する機能ブロックである。増圧判断部26は、登坂判定部24から登坂路でないとの判定結果を入力された場合、機能しない。この場合、停車判定部22によって、車1が停車したと判定されたときに、ブレーキ液圧が増圧される。一方、増圧判断部26は、登坂判定部24から登坂路であるとの判定結果を入力された場合、加速度センサ42が検出した加速度に基づいて、ブレーキ液圧の増圧を開始させるタイミングを判断する。増圧判断部26は、加速度が閾値設定部25より入力された閾値以上になったときに、ブレーキ液圧を増圧させる。増圧判断部26がブレーキ液圧を増圧させると判断した場合、制動ECU2は、VSC−ECU5に増圧指令を出力する。制動ECU2は、加速度センサ42が検出した加速度が設定された閾値以上になったときに増圧を開始させるので、ブレーキ液圧の増圧開始のタイミングは、登坂路でない場合より早められて、車1の停車前に変更される。
図3は制動ECU2が行う、第1実施形態に係る停車制御処理を説明するためのフローチャートの一例である。当該停車制御処理は、ACC−ECU3から作動指令を入力されたときに開始され、ACC−ECU3から解除指令が入力されたときに終了される。
まず、VSC−ECU5に増圧指令が出力される(S1)。増圧指令を入力されたVSC−ECU5は、アクチュエータ6によって、マスタシリンダのブレーキ液圧を増圧させる。これにより、各車輪のホイールシリンダの液圧が増圧されて、制動力が増加し、車1の車速が低下する。
次に、減圧判断部21によって、車1の車速が所定速度V0以下であるか否かが判別される(S2)。所定速度V0まで下がっていない場合(S2:NO)、ステップS2に戻って、当該判別が繰り返される。所定速度V0以下である場合(S2:YES)、VSC−ECU5に減圧指令が出力される(S3)。減圧圧指令を入力されたVSC−ECU5は、アクチュエータ6によって、マスタシリンダのブレーキ液圧を減圧させる。これにより、各車輪のホイールシリンダの液圧が減圧されて、制動力が減少し、車速の減少が緩やかになる。次に、勾配検出部23によって、路面勾配が検出され(S4)、登坂判定部24によって、登坂路であるか否かが判定される(S5)。
登坂路でない場合(S5:NO)、停車判定部22によって、車1が停車したが否かが判定される(S6)。停車していない場合(S6:NO)、ステップS6に戻って、当該判定が繰り返される。停車した場合(S6:YES)、VSC−ECU5に増圧指令が出力されて(S7)、停車制御処理が終了される。増圧指令を入力されたVSC−ECU5は、アクチュエータ6によって、マスタシリンダのブレーキ液圧を増圧させる。これにより、各車輪のホイールシリンダの液圧が増圧されて、制動力が増加する。VSC−ECU5は、マスタシリンダのブレーキ液圧が所定の液圧になったところで、ブレーキ液圧を保持させる。
登坂路である場合(S5:YES)、加速度センサ42によって加速度が検出される(S8)。次に、増圧判断部26によって、加速度が閾値以上になったか否かが判別される(S9)。閾値は、閾値設定部25によって、路面勾配に応じた値が設定されている。加速度が閾値まで上がっていない場合(S9:NO)、ステップS8に戻って、ステップS8およびS9の処理が繰り返される。加速度が閾値以上である場合(S9:YES)、VSC−ECU5に増圧指令が出力されて(S7)、停車制御処理が終了される。増圧指令を入力されたVSC−ECU5は、アクチュエータ6によって、マスタシリンダのブレーキ液圧を増圧させる。これにより、各車輪のホイールシリンダの液圧が増圧されて、制動力が増加する。加速度が設定された閾値以上になったときに増圧を開始させるので、ブレーキ液圧の増圧開始のタイミングは、車1の停車時(S6:YES)より早められる。
なお、制動ECU2が行う停車制御処理は、上述したフローチャートに示すものに限定されない。
図4は、第1実施形態に係る停車制御における車速の変化を示すタイムチャートである。同図においては、車1に働く加速度、ブレーキ液圧、および車速の時間変化を示している。加速度は、車両前方の向きに働く場合を正としている。同図は、登坂路で停車制御を行った場合のタイムチャートであり、重力の車両後方に向かう成分(減速度)が作用している。
図4に示すタイムチャートは、すでにブレーキ液圧が増圧されて所定の液圧になっている状態から示している。ブレーキが作動して、車両後方に向かう加速度(減速度)がかかるので、加速度が負の値であり、車速が減少している。時刻t1において、車速が所定速度V0以下になったので、ブレーキ液圧は少しずつ減圧されて低下し、これに応じて加速度が少しずつ増加(減速度が減少)して、車速の減少が緩やかになっている。そして、時刻t4において、加速度が閾値α0以上になったので、ブレーキ液圧は少しずつ増圧されて上昇している。時刻t2において、車速が「0」になったときには、ブレーキ液圧は増圧されて、重力に対抗できる制動力が発生している。
図4に破線で示すブレーキ液圧は、停車後にブレーキ液圧が増圧される従来の停車制御の場合(図8(b)参照)のブレーキ液圧を示している。従来の停車制御の場合、時刻t2からブレーキ液圧の増圧を開始して、重力に対抗できる制動力が発生するのは時刻t3である。つまり、第1実施形態に係る停車制御では、図8(b)における時刻t2と時刻t3とがほぼ同じになっている。したがって、停車後すぐに重力に対抗できる制動力が生じているので、車1はずり下がる(車速が負の値になる)ことなく、停車状態を維持できている。
図5は、閾値に応じたブレーキ液圧の変化を示すタイムチャートである。同図においては、車1に働く加速度およびブレーキ液圧の時間変化を示している。また、同図においては、閾値α0の場合のブレーキ液圧を実線で示しており、路面勾配がより大きいときの閾値α1(<α0)の場合のブレーキ液圧を破線で示しており、路面勾配がさらに大きいときの閾値α2(<α1)の場合のブレーキ液圧を一点鎖線で示している。路面勾配が大きく閾値が小さいほど、ブレーキ液圧の増圧の開始タイミングが早くなって、停車時(時刻t2)のブレーキ液圧が大きくなっている。このように、制動ECU2は、路面勾配が大きいほど、停車時(時刻t2)の制動力を大きくして、重力に対抗できる制動力を発生させることができる。
次に、第1実施形態に係る制動制御装置(制動ECU2)の作用効果について説明する。
本実施形態によると、制動ECU2は、車速が所定速度V0以下になった場合、VSC−ECU5に減圧指令を出力して、ブレーキ液圧を減圧させる。これにより、制動力が減少して車速の減少が緩やかになり、スムーズな停車が実現される。また、制動ECU2は、車1が停車する道路の路面勾配を検出し、路面勾配が所定値以上である場合(登坂路である場合)、加速度が閾値以上になったときに、VSC−ECU5に増圧指令を出力して、ブレーキ液圧を増圧させる。つまり、制動ECU2は、ブレーキ液圧の増圧開始のタイミングを、停車前に変更する。停車時にはブレーキ液圧の増圧が進んでいるので、重力に対抗できる制動力が早く発生する。これにより、登坂路で停車したときのずり下がりが抑制される。また、制動ECU2は、加速度と比較するための閾値を路面勾配に応じた値に設定する。これにより、路面勾配に応じてブレーキ液圧の増圧開始のタイミングが早くなり、停車後すぐに重力に対抗できる制動力が生じるので、登坂路で停車したときのずり下がりがより抑制される。
また、本実施形態によると、制動ECU2は、路面勾配が所定値未満である場合(登坂路でない場合)、従来通り、停車後にブレーキ液圧を増圧する。この場合、停車時にブレーキ液圧が低下していても、重力による車両後方に向かう加速度が生じないので、ずり下がりが生じない。
また、本実施形態によると、元からある制動ECU2のプログラムを変更するだけなので、新たに部品を追加したり、設計変更を行う必要がない。
なお、路面勾配に対応する閾値は、ブレーキ液圧の増圧開始のタイミングを正確に必要時間だけ早めるものに限られない。増圧開始のタイミングが必要時間より早まったとしても、重力に対抗できる制動力がより早く発生するので、ずり下がりは生じない。一方、増圧開始のタイミングが必要時間より少し遅れたとしても、停車時から重力に対抗できる制動力が発生するまでの時間が短くなるので、ずり下がりが抑制される。
なお、本実施形態においては、増圧判断部26が、検出された加速度に基づいてブレーキ液圧の増圧を開始させる場合について説明したが、これに限られない。増圧判断部26は、増圧開始のタイミングを、登坂路でない場合より必要時間だけ早めることができればよい。例えば、増圧判断部26は、検出された車速またはブレーキ液圧などに基づいてブレーキ液圧の増圧を開始させてもよい。
なお、車1が下り坂で停車する場合については、平坦路の場合と同様の制御を行ってもよいし、登坂路の場合と同様の制御を行ってもよい。平坦路の場合と同様に停車後にブレーキ液圧を増圧しても、進行方向に少し進むだけなので、搭乗者は、ずり下がりの場合のような不安感をいだかない。登坂路の場合と同様の制御を行う場合は、登坂判定部24が、勾配検出部23より入力される路面勾配の絶対値を所定値と比較して、平坦路か否かを判定すればよい。また、閾値設定部25も、路面勾配の絶対値に応じて閾値を設定すればよい。なお、登坂判定部24での判定のための所定値、および、閾値設定部25により設定される閾値は、路面勾配が正の値の場合(登坂路)と負の値の場合(下り坂)とで異なってもよい。
<第2実施形態>
図6は、第2実施形態に係る制動制御装置が適用された車1の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る制動ECU20は、電動モータの回転数を制御することで液圧ポンプの送出量を変化させる点で、第1実施形態に係る制動ECU2と異なる。
制動ECU20は、回転数設定部27をさらに備えている。回転数設定部27は、VSC−ECU5に指示する電動モータの回転数を設定する機能ブロックである。本実施形態に係る勾配検出部23は、検出した路面勾配を回転数設定部27にも出力する。回転数設定部27は、勾配検出部23より入力される路面勾配に応じて、電動モータの回転数を設定する。制動ECU20は、VSC−ECU5に増圧指令を出力する際に、設定された回転数を、合わせて出力する。VSC−ECU5は、制動ECU20より入力された回転数で、液圧ポンプの電動モータを回転させる。VSC−ECU5は、例えばPWM制御により、電動モータの回転数を制御する。
電動モータの回転数が大きい場合、液圧ポンプの単位時間当たりの送出量が大きくなる。したがって、ブレーキ液圧の単位時間当たりの増圧量が大きくなって、ブレーキ液圧は、必要液圧までより早く増圧される。したがって、必要時間を短くすることができる。図2(c)には、回転数が大きい場合の必要時間を破線で示している。また、必要時間が短くなると閾値を大きくすることができるので、回転数が大きい場合、閾値を大きくすることができる。図2(d)には、回転数が大きい場合の閾値を破線で示している。電動モータの回転数が大きい場合、必要時間を短くすることができる一方で、ノイズが問題になる。本実施形態では、路面勾配が小さい(例えば10%以下)場合、ずり下がりの問題は小さいので、ノイズを削減するために、回転数が小さい値に設定される。一方、路面勾配が大きい場合、ずり下がりがより問題になるので、路面勾配が大きいほど回転数が大きい値に設定される。
図7は、路面勾配に応じて設定されるモータ回転数および閾値の一例を説明するための図である。同図(a)は、路面勾配に応じて設定される電動モータの回転数を示している。同図(b)は、路面勾配に応じて設定される閾値を示している。同図(a)に示すように、回転数は、路面勾配が所定値X1(例えば10%)以下の場合、ノイズが問題にならない回転数Y1が設定される。この場合、同図(b)に示すように、閾値は、図2(d)の実線で示した閾値が設定される。路面勾配が所定値X1以上の場合、回転数は、路面勾配に比例して大きくした値が設定される。この場合、回転数の増加で必要時間が短縮されるので、閾値は一定の値になっている。路面勾配が所定値X2以上の場合、回転数は、最大回転数Y2以上にはできないので、最大回転数Y2が設定される。この場合、路面勾配に応じて必要時間が大きくなるので、閾値は、路面勾配に応じて小さな閾値が設定される。
記憶部は、図7(a)に示す路面勾配と回転数との対応関係をマップ化して記憶し、図7(b)に示す路面勾配と閾値との対応関係をマップ化して記憶している。回転数設定部27は、勾配検出部23より入力される路面勾配に応じた閾値を記憶部から読み出して設定する。制動ECU2は、設定された回転数を、VSC−ECU5に増圧指令を出力する際に合わせて出力する。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、本実施形態によると、制動ECU2は、電動モータの回転数を、路面勾配に応じた値に設定する。回転数は、路面勾配が比較的小さい場合、小さい回転数が設定され、路面勾配が比較的大きい場合、大きな回転数が設定される。これにより、路面勾配が比較的小さいときにはノイズの発生が抑制され、路面勾配が比較的大きいときには必要時間が短縮されて、ずり下がりの発生がより抑制される。つまり、NV性能とずり下がりの抑制とを両立させることができる。
本発明に係る制動制御装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る制動制御装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
1 :車
2 :制動ECU
21 :減圧判断部
22 :停車判定部
23 :勾配検出部
24 :登坂判定部
25 :閾値設定部
26 :増圧判断部
27 :回転数設定部
3 :ACC−ECU
41 :車速センサ
42 :加速度センサ
5 :VSC−ECU
6 :アクチュエータ
20 :制動ECU

Claims (2)

  1. 自動運転での停車の直前にブレーキ液圧を減圧させて、停車後に前記ブレーキ液圧を増圧させる制動制御装置であって、
    路面勾配を検出する勾配検出部と、
    前記路面勾配が所定値以上である場合に、前記ブレーキ液圧の増圧開始のタイミングを停車前に変更する制御部と、
    を備えることを特徴とする制動制御装置。
  2. 前記路面勾配が大きいほど、前記ブレーキ液圧の単位時間当たりの増圧量を増加させる、
    請求項1に記載の制動制御装置。
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