JP2009173085A - 車両用トルク制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動トルクおよび制動トルクの何れをも速い応答性で発生させることができる車両用トルク制御装置を提供する。
【解決手段】走行用電動モータにより駆動トルクを発生し、油圧ブレーキ装置により制動トルクを発生する車両を制御対象として、通常では発生の応答性の遅い制動トルクの必要時に先立って、応答性向上ECU10のトルク協調付加制御部20Bが車両の現状トルクを維持するように制動トルクと駆動トルクとを予め同時に発生させる。そして、制動トルクの必要時には、応答性向上ECU10の制動トルク低減制御部20Cが駆動トルクを低減させて制動トルクを速い応答性で発生させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の駆動トルクおよび制動トルクを同時に制御可能な車両用トルク制御装置に関するものである。
近年、車両の走行安定性を確保するための技術として、各車輪に作用する駆動トルクおよび制動トルクを個々に制御する技術が普及している。例えば車両の横滑りを抑制するためのVSC(Vehicle Stability Control)や、駆動車輪の空転を防止するためのTRC(Traction Control)などの制御技術が普及している。
このような制御技術に関連して、特許文献1には、車両の旋回中における実ヨーレートが目標ヨーレートより設定値以上小さい場合、旋回内側の内輪に制動トルクを加える一方、制動トルクの増加量と同量だけ駆動トルクを電動モータ制御により増加させて車速の低下を抑制する車両ヨーイング制御装置が提案されている。
また、特許文献2には、車両に制動力と駆動力との両方が加えられる状態において、制動力が減少される場合には、それに伴って駆動力を減少させることで、加速度を一定に保つようにした車両制御装置が提案されている。
特開平11−59362号公報 特開2006−123762号公報
ところで、車両の制動トルクの発生の応答性は、ブレーキ装置のアクチュエータの応答性などに依存する。一方、車両の駆動トルクの発生の応答性は、車両の駆動源の応答性に依存し、駆動源がエンジンの場合には電動モータの場合よりも駆動トルクの発生の応答性が一般に遅くなる。
このため、車両の駆動源が応答性の速い電動モータの場合には、駆動トルクの発生の応答性よりも制動トルクの発生の応答性が遅くなり、車両の駆動源が応答性の遅いエンジンの場合には、制動トルクの発生の応答性よりも駆動トルクの発生の応答性が遅くなることがある。
このような技術的背景により、前述したVSC(Vehicle Stability Control)やTRC(Traction Control)の制御技術を含め、特許文献1、2に記載の制御技術においては、制動トルクまたは駆動トルクの何れか一方の発生が遅れる結果、車両の走行安定性を確保する本来の制御に遅れが生じるという問題がある。
そこで、本発明は、駆動トルクおよび制動トルクの何れをも速い応答性で発生させることができる車両用トルク制御装置を提供することを課題とする。
本発明に係る車両用トルク制御装置は、駆動トルクの発生の応答性と制動トルクの発生の応答性とが異なる車両を制御対象として、駆動トルクおよび制動トルクを同時に制御可能な車両用トルク制御装置であって、駆動トルクおよび制動トルクのうち、通常では発生の応答性の遅い一方のトルクの応答性を速めるための応答性向上制御部を備え、この応答性向上制御部は、一方のトルクの必要時に先立って、車両の現状トルクを維持するように一方のトルクと他方のトルクとを予め同時に発生させ、一方のトルクの必要時には、他方のトルクを低減させて一方のトルクを速い応答性で発生させるように構成されていることを特徴とする。
本発明に係る車両用トルク制御装置では、駆動トルクおよび制動トルクのうち、通常では発生の応答性の遅い一方のトルクの必要時に先立って、応答性向上制御部が車両の現状トルクを維持するように一方のトルクと他方のトルクを予め同時に発生させる。そして、一方のトルクの必要時には、応答性向上制御部が他方のトルクを低減させて一方のトルクを速い応答性で発生させる。
本発明に係る車両用トルク制御装置において、通常では発生の応答性の遅い一方のトルクが制動トルクであり、他方のトルクが駆動トルクである場合、制動トルクの必要時には、応答性向上制御部が制動トルクを速い応答性で発生させる。
一方、本発明に係る車両用トルク制御装置において、通常では発生の応答性の遅い一方のトルクが駆動トルクであり、他方のトルクが制動トルクである場合、駆動トルクの必要時には、応答性向上制御部が駆動トルクを速い応答性で発生させる。
本発明に係る車両用トルク制御装置によれば、駆動トルクおよび制動トルクのうち、通常では発生の応答性の遅い一方のトルクの必要時に、応答性向上制御部が一方のトルクを高い応答性で発生させるため、駆動トルクおよび制動トルクの何れをも速い応答性で発生させることができる。
以下、図面を参照して本発明に係る車両用トルク制御装置の最良の実施形態を説明する。ここで、参照する図面において、図1は第1実施形態に係る車両用トルク制御装置の構成を示す機能ブロック図、図2は図1に示した応答性向上ECUが実行する処理の手順を示すフローチャートである。
第1実施形態に係る車両用トルク制御装置は、図示しない車両に適用される。この車両は、駆動トルクを発生する駆動源として応答性の速い走行用電動モータを搭載し、制動トルクを発生するブレーキ装置として、ポンプアップ式の油圧ブレーキアクチュエータを有する油圧ブレーキ装置を装備しており、通常では駆動トルクの発生の応答性よりも制動トルクの発生の応答性が遅くなっている。
このような車両を制御対象として、第1実施形態の車両用トルク制御装置は、車両の走行用電動モータおよび油圧ブレーキアクチュエータを同時に制御することにより、通常では駆動トルクよりも発生の応答性が遅い制動トルクの応答性を速めるように制御する。このため、第1実施形態の車両用トルク制御装置には、図1に示す応答性向上ECU(Electronic Control Unit)10が応答性向上制御部として設けられている。
応答性向上ECU10には、車両に装備された横加速度センサ11から車両に作用している横加速度Gyの検出信号が入力される。この応答性向上ECU10は、入力される横加速度Gyの検出信号に応じた所定の制御信号を車両に装備されたブレーキECU(Electronic Control Unit)12、モータECU(Electronic Control Unit)13およびVSC(Vehicle Stability Control)/ECU(Electronic Control Unit)14にそれぞれ出力することで、車両の横転を未然に防止する。
ブレーキECU12は、図示しない車両の前後左右の各車輪に個別に制動トルクを付与するように、油圧ブレーキ装置の各車輪に対応した各油圧ブレーキアクチュエータの作動を制御する。一方、モータECU13は、図示しない車両の駆動トルクを適宜増減するように、走行用電動モータの作動を制御する。
VSC/ECU14は、車両の急なハンドル操作や滑りやすい路面などで発生する横滑りを抑制するように、ブレーキECU12およびモータECU13に所定の制御信号を出力する。
応答性向上ECU10、ブレーキECU12、モータECU13およびVSC/ECU14は、それぞれ入出力インターフェースI/O、A/Dコンバータ、プログラムおよびデータを記憶したROM(Read Only Memory)、入力データ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等をハードウェアとして備えたマイクロコンピュータで構成されている。
ここで、応答性向上ECU10には、横加速度取得部10A、トルク協調付加制御部10Bおよび駆動トルク低減制御部10Cがソフトウェアにより構成されている。
横加速度取得部10Aには、横加速度センサ11から車両の横加速度Gyの検出信号が入力される。この横加速度取得部10Aは、入力された横加速度Gyの検出信号をトルク協調付加制御部10B、駆動トルク低減制御部10C、VSC/ECU14にそれぞれ出力する。
トルク協調付加制御部10Bは、横加速度取得部10Aから入力された横加速度Gyの検出信号に基づき、横加速度Gyが予め設定された所定の事前閾値(例えば0.7G)以上に上昇すると、ブレーキECU12およびモータECU13に所定の制御信号をそれぞれ出力することで、車両に予め制動トルクおよび駆動トルクを協調的に付加するトルク協調付加制御を開始する。
すなわち、トルク協調付加制御部10Bは、車両の横転を防止するために必要な制動トルクを予めブレーキECU12の制御により油圧ブレーキ装置に発生させると同時に、この制動トルクを相殺して車両の現状の駆動トルクを維持するのに必要な駆動トルクをモータECU13の制御により走行用電動モータに発生させる。
このトルク協調付加制御部10Bは、横加速度Gyが予め設定された所定の戻り閾値(例えば0.5G)以下に低下すると、ブレーキECU12およびモータECU13への制御信号の出力を停止してトルク協調付加制御を終了する。
駆動トルク低減制御部10Cは、横加速度取得部10Aから入力された横加速度Gyの検出信号に基づき、横加速度Gyが予め設定された所定の制御開始閾値(例えば0.8G)以上に上昇すると、モータECU13に所定の制御信号を出力することで、車両の駆動トルクを速やかに低減させる駆動トルク低減制御を開始する。
すなわち、駆動トルク低減制御部10Cは、車両の横転を防止するために必要な制動トルクを出現させるため、モータECU13により走行用電動モータを停止させ、車両の駆動トルクを0付近まで速やかに低減させる。
この駆動トルク低減制御部10Cは、横加速度Gyが予め設定された所定の制御終了閾値(例えば0.6G)以下に低下すると、モータECU13への制御信号の出力を停止して駆動トルク低減制御を終了させ、駆動トルクを低減制御前の値に復帰上昇させる。
VSC/ECU14は、横加速度取得部10Aから入力された横加速度Gyの検出信号に基づき、横加速度Gyが所定の閾値(例えば0.8G)以上に上昇すると、ブレーキECU12およびモータECU13に所定の制御信号をそれぞれ出力して車両の横滑りを抑制するための制御を実行する。
ここで、図1に示した応答性向上ECU10では、その演算周期毎に横加速度取得部10Aが横加速度Gyを取得して監視しており、この横加速度Gyの変化に応じて応答性向上ECU10が一連の処理を実行する。以下、応答性向上ECU10が実行する一連の処理手順を図2に示すフローチャートに沿って順次説明する。
まず、ステップS1Aでは、トルク協調付加制御部10Bが横加速度取得部10Aから入力された横加速度Gyの検出信号に基づき、横加速度Gyが予め設定された事前閾値(例えば0.7G)以上に上昇したか否かを判定する。
ステップS1Aの判定はYESとなるまで繰り返され、判定結果がYESとなると、次のステップS1Bでトルク協調付加制御部10BがブレーキECU12およびモータECU13に所定の制御信号をそれぞれ出力してトルク協調付加制御を開始する。
このトルク協調付加制御が開始されると、図3に示すように、車両の横転を防止するために必要な制動トルクと、この制動トルクを相殺して車両の現状の駆動トルクを維持するのに必要な駆動トルクとが車両に発生する。その結果、車両のトルクは現状の駆動トルクに維持される。
その後、ステップS1Cでは、横加速度Gyが予め設定された所定の戻り閾値(例えば0.5G)以下に低下したか否かをトルク協調付加制御部10Bが判定する。この判定結果がYESであれば、ステップS1Dでトルク協調付加制御部10BがブレーキECU12およびモータECU13への制御信号の出力を停止してトルク協調付加制御を終させ、その後リターンに至る。
一方、ステップS1Cの判定結果がNOであれば、ステップS1Eで駆動トルク低減制御部10Cが横加速度取得部10Aから入力された横加速度Gyの検出信号に基づき、横加速度Gyが予め設定された制御開始閾値(例えば0.8G)以上に上昇したか否かを判定する。
ステップS1Eの判定結果がNOであればステップS1Cに戻るが、YESであれば続くステップS1Fで駆動トルク低減制御部10CがモータECU13に所定の制御信号を出力して駆動トルク低減制御を開始する。
この駆動トルク低減制御が開始されると、図3に示すように、車両の駆動トルクが0付近まで速やかに低減する。その結果、車両の横転を防止するために必要な制動トルクが「実行制動トルク」として出現する。この「実行制動トルク」は、ブレーキECU12の単独制御により油圧ブレーキ装置を作動させた場合に発生する「通常時の制動トルク」(図3の二点鎖線のグラフ参照)に較べ、より速い応答性をもって速やかに発生する。
次のステップS1Gでは、横加速度Gyが予め設定された所定の制御終了閾値(例えば0.6G)以下に低下したか否かを駆動トルク低減制御部10Cが判定する。この判定はYESとなるまで繰り返され、判定結果がYESとなると、ステップS1Hで駆動トルク低減制御部10CがモータECU13への制御信号の出力を停止して駆動トルク低減制御を終了する。
駆動トルク低減制御が終了すると、図3に示すように、車両の駆動トルクが駆動トルク低減制御前の値に復帰して上昇する。その結果、車両の駆動トルクは駆動トルク低減制御前の現状の駆動トルクに維持される。
その後、ステップS1Cに戻り、横加速度Gyが予め設定された所定の戻り閾値(例えば0.5G)以下に低下すると、ステップS1Dでトルク協調付加制御を終了させ、その後リターンに至る。
以上説明したように、第1実施形態の車両用トルク制御装置では、駆動トルクおよび制動トルクのうち、通常では発生の応答性の遅い制動トルクの必要時に先立って、応答性向上ECU10のトルク協調付加制御部10Bが車両の現状トルクを維持するように制動トルクと駆動トルクを予め同時に発生させる。そして、制動トルクの必要時には、応答性向上ECU10の駆動トルク低減制御部10Cが駆動トルクを速やかに低減させて制動トルクを速い応答性で速やかに発生させる。
従って、第1実施形態の車両用トルク制御装置によれば、駆動トルクおよび制動トルクの何れをも速い応答性で発生させることができ、VSC/ECU14による車両の横滑りや横転を防止するための制御の遅れを解消することができる。
つぎに、図4〜図6を参照して第2実施形態に係る車両用トルク制御装置を説明する。第2実施形態の車両用トルク制御装置は、駆動トルクの発生の応答性が制動トルクの発生の応答性よりも遅い車両に適用される。すなわち、駆動トルクを発生する駆動源として応答性の遅いガソリンエンジンを搭載し、制動トルクを発生するブレーキ装置として、ポンプアップ式の油圧ブレーキアクチュエータを有する油圧ブレーキ装置を装備した車両に適用される。
このような車両を制御対象として、第2実施形態の車両用トルク制御装置は、車両のガソリンエンジンおよび油圧ブレーキアクチュエータを同時に制御することにより、通常では制動トルクよりも発生の応答性が遅い駆動トルクの応答性を速めるように制御する。このため、第2実施形態の車両用トルク制御装置には、図4に示す応答性向上ECU(Electronic Control Unit)20が応答性向上制御部として設けられている。
応答性向上ECU20には、車両に装備された車輪速センサ21および車速センサ22から車輪速Vwおよび車速Vの検出信号がそれぞれ入力される。この応答性向上ECU20は、車両に装備されたエンジンECU(Electronic Control Unit)23、ブレーキECU(Electronic Control Unit)24およびTRC(Traction Control)/ECU(Electronic Control Unit)25にそれぞれ所定の制御信号を出力することで、TRCによる駆動輪の空転防止制御後における車両の再加速を速やかに実行する。
エンジンECU23は、図示しない車両の駆動トルクを適宜増減するように、ガソリンエンジンの作動を制御する。一方、ブレーキECU24は、図示しない車両の前後左右の各車輪に個別に制動トルクを付与するように、油圧ブレーキ装置の各車輪に対応した各油圧ブレーキアクチュエータの作動を制御する。
TRC/ECU25は、滑りやすい路面などで車両の発進時や加速時に発生する駆動輪の空転を防止するように、エンジンECU23およびブレーキECU24に所定の制御信号を出力する。
応答性向上ECU20、エンジンECU23、ブレーキECU24およびTRC/ECU25は、それぞれ入出力インターフェースI/O、A/Dコンバータ、プログラムおよびデータを記憶したROM(Read Only Memory)、入力データ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等をハードウェアとして備えたマイクロコンピュータで構成されている。
ここで、応答性向上ECU20には、スリップ量演算部20A、トルク協調付加制御部20Bおよび制動トルク低減制御部20Cがソフトウェアにより構成されている。
スリップ量演算部20Aには、車輪速センサ21から駆動輪の車輪速Vwの検出信号が入力されると共に、車速センサ22から車両の車速Vの検出信号が入力される。このスリップ量演算部20Aは、入力された車輪速Vwおよび車速Vの検出信号に基づき、駆動輪のスリップ量Sを演算し、そのスリップ量Sの信号をトルク協調付加制御部20B、制動トルク低減制御部20C、TRC/ECU25にそれぞれ出力する。
トルク協調付加制御部20Bは、スリップ量演算部20Aから入力されたスリップ量Sの信号に基づき、スリップ量Sが予め設定された所定の事前閾値(例えば3km/h)以下に低下すると、エンジンECU23およびブレーキECU24に所定の制御信号をそれぞれ出力することで、車両に予め駆動トルクおよび制動トルクを協調的に付加するトルク協調付加制御を開始する。
すなわち、トルク協調付加制御部20Bは、TRC/ECU25による駆動輪の空転防止制御後に車両を再加速する際に必要となる駆動トルクを予めエンジンECU23の制御によりガソリンエンジンに発生させると同時に、この駆動トルクを相殺して車両の現状の駆動トルクを維持するのに必要な制動トルクをブレーキECU24の制御により油圧ブレーキ装置に発生させる。
このトルク協調付加制御部20Bは、スリップ量Sが予め設定された所定の戻り閾値(例えば7km/h)以上に上昇すると、エンジンECU23およびブレーキECU24への制御信号の出力を停止してトルク協調付加制御を終了する。
制動トルク低減制御部20Cは、スリップ量演算部20Aから入力されたスリップ量Sの信号に基づき、スリップ量Sが予め設定された所定の制御開始閾値(例えば1km/h)以下に低下すると、ブレーキECU24に所定の制御信号を出力することで、車両の制動トルクを速やかに低減させる制動トルク低減制御を開始する。
すなわち、制動トルク低減制御部20Cは、車両の再加速に必要な駆動トルクを出現させるため、ブレーキECU24により油圧ブレーキ装置の作動を停止させ、車両の制動トルクを0付近まで速やかに低減させる。
この制動トルク低減制御部20Cは、スリップ量Sが予め設定された所定の制御終了閾値(例えば5km/h)以上に上昇すると、ブレーキECU24への制御信号の出力を停止して制動トルク低減制御を終了させ、制動トルクを低減制御前の値に復帰上昇させる。
TRC/ECU25は、スリップ量演算部20Aから入力されたスリップ量Sの信号に基づき、スリップ量Sが所定の閾値(例えば8km/h)以上に上昇すると、エンジンECU23およびブレーキECU24に所定の制御信号をそれぞれ出力して駆動輪の空転を防止するための制御を実行する。
ここで、図4に示した応答性向上ECU20では、その演算周期毎にスリップ量演算部20Aが駆動輪のスリップ量Sを演算しており、このスリップ量Sの変化に応じて応答性向上ECU20が一連の処理を実行する。以下、応答性向上ECU20が実行する一連の処理手順を図5に示すフローチャートに沿って順次説明する。
まず、ステップS2Aでは、トルク協調付加制御部20Bがスリップ量演算部20Aから入力されたスリップ量Sの信号に基づき、スリップ量Sが予め設定された事前閾値(例えば3km/h)以下に低下したか否かを判定する。
ステップS2Aの判定はYESとなるまで繰り返され、判定結果がYESとなると、次のステップS2Bでトルク協調付加制御部20BがエンジンECU23およびブレーキECU24に所定の制御信号をそれぞれ出力してトルク協調付加制御を開始する。
このトルク協調付加制御が開始されると、図6に示すように、TRC/ECU25による駆動輪の空転防止制御後に車両を再加速する際に必要となる駆動トルクと、この駆動トルクを相殺して車両の現状の駆動トルクを維持するのに必要な制動トルクとが車両に発生する。その結果、車両のトルクは現状の駆動トルクに維持される。
その後、ステップS2Cでは、スリップ量Sが予め設定された所定の戻り閾値(例えば7km/h)以上に上昇したか否かをトルク協調付加制御部20Bが判定する。この判定結果がYESであれば、ステップS2Dでトルク協調付加制御部20BがエンジンECU23およびブレーキECU24への制御信号の出力を停止してトルク協調付加制御を終了し、その後リターンに至る。
一方、ステップS2Cの判定結果がNOであれば、ステップS2Eで制動トルク低減制御部20Cがスリップ量演算部20Aから入力されたスリップ量Sの信号に基づき、スリップ量Sが予め設定された制御開始閾値(例えば1km/h)以下に低下したか否かを判定する。
ステップS2Eの判定結果がNOであればステップS2Cに戻るが、YESであれば続くステップS2Fで制動トルク低減制御部20CがブレーキECU24に所定の制御信号を出力して制動トルク低減制御を開始する。
この制動トルク低減制御が開始されると、図6に示すように、車両の制動トルクが0付近まで速やかに低減する。その結果、TRC/ECU25による駆動輪の空転防止制御後に車両を再加速する際に必要となる駆動トルクが「実行駆動トルク」として出現する。この「実行駆動トルク」は、エンジンECU23の単独制御によりガソリンエンジンの回転数を上昇させた場合に発生する「通常時の駆動トルク」(図6の二点鎖線のグラフ参照)に較べ、より速い応答性をもって速やかに発生する。
次のステップS2Gでは、スリップ量Sが予め設定された所定の制御終了閾値(例えば5km/h)以上に上昇したか否かを制動トルク低減制御部20Cが判定する。この判定はYESとなるまで繰り返され、判定結果がYESとなると、ステップS2Hで制動トルク低減制御部20CがブレーキECU24への制御信号の出力を停止して制動トルク低減制御を終了する。
制動トルク低減制御が終了すると、図6に示すように、車両の駆動トルクが制動トルク低減制御前の値に復帰して上昇する。その結果、車両の駆動トルクは制動トルク低減制御前の現状の駆動トルクに維持される。
その後、ステップS2Cに戻り、スリップ量Sが予め設定された所定の戻り閾値(例えば7km/h)以上に上昇すると、ステップS2Dでトルク協調付加制御を終了し、その後リターンに至る。
以上説明したように、第2実施形態の車両用トルク制御装置では、駆動トルクおよび制動トルクのうち、通常では発生の応答性の遅い駆動トルクの必要時に先立って、応答性向上ECU20のトルク協調付加制御部20Bが車両の現状トルクを維持するように駆動トルクと制動トルクを予め同時に発生させる。そして、駆動トルクの必要時には、応答性向上ECU20の制動トルク低減制御部20Cが制動トルクを速やかに低減させて駆動トルクを速い応答性で速やかに発生させる。
従って、第2実施形態の車両用トルク制御装置によれば、駆動トルクおよび制動トルクの何れをも速い応答性で発生させることができ、TRC/ECU25による駆動輪の空転防止制御の制御遅れは勿論のこと、その後に車両を再加速する際の制御遅れを解消することができる。
本発明に係る車両用トルク制御装置は、前述した第1実施形態または第2実施形態に限定されるものではない。例えば、第1実施形態における横加速度Gyの事前閾値、戻り閾値、制御開始閾値および制御終了閾値は、それぞれ適宜の値に変更可能である。同様に、第2実施形態におけるスリップ量Sの事前閾値、戻り閾値、制御開始閾値および制御終了閾値もそれぞれ適宜の値に変更可能である。
また、第1実施形態の応答性向上ECU10は、車両の横転を防止する用途に限らず、VSC(Vehicle Stability Control)、TRC(Traction Control)、ABS(Anti lock Brake System)EBD(Electronic Brakeforce Distribution)、前後制動力配分制御などの用途に適用可能である。
同様に、第2実施形態の応答性向上ECU20は、TRC(Traction Control)による駆動輪の空転防止制御後における車両の再加速の用途に限らず、VSC(Vehicle Stability Control)、車両横転防止制御、前後制動力配分制御などの用途に適用可能である。
また、第2実施形態において駆動トルクを発生する車両の駆動源は、ガソリンエンジンに限らず、ディーゼルエンジンであってもよい。さらに、第2実施形態において制動トルクを発生するブレーキ装置は、ポンプアップ式に限らず、アキュムレータ式であってもよい。
本発明の第1実施形態に係る車両用トルク制御装置の構成を示す機能ブロック図である。 図1に示した応答性向上ECUが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。 図1に示した応答性向上ECUの処理に応じた駆動トルクおよび制動トルクの時間変化を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係る車両用トルク制御装置の構成を示す機能ブロック図である。 図4に示した応答性向上ECUが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。 図4に示した応答性向上ECUの処理に応じた駆動トルクおよび制動トルクの時間変化を示すグラフである。
符号の説明
10…応答性向上ECU、10A…横加速度取得部、10B…トルク協調付加制御部、10C…駆動トルク低減制御部、11…横加速度センサ、12…ブレーキECU、13…モータECU、14…VSC/ECU、20…応答性向上ECU、20A…スリップ量演算部、20B…トルク協調付加制御部、20C…制動トルク低減制御部、21…車輪速センサ、22…車速センサ、23…エンジンECU、24…ブレーキECU、25…TRC/ECU。

Claims (3)

  1. 駆動トルクの発生の応答性と制動トルクの発生の応答性とが異なる車両を制御対象として、前記駆動トルクおよび制動トルクを同時に制御可能な車両用トルク制御装置であって、
    前記駆動トルクおよび制動トルクのうち、通常では発生の応答性の遅い一方のトルクの応答性を速めるための応答性向上制御部を備え、
    前記応答性向上制御部は、前記一方のトルクの必要時に先立って、車両の現状トルクを維持するように前記一方のトルクと他方のトルクとを予め同時に発生させ、前記一方のトルクの必要時には、前記他方のトルクを低減させて一方のトルクを速い応答性で発生させるように構成されていることを特徴とする車両用トルク制御装置。
  2. 前記一方のトルクが制動トルクであり、前記他方のトルクが駆動トルクであることを特徴とする請求項1に記載の車両用トルク制御装置。
  3. 前記一方のトルクが駆動トルクであり、前記他方のトルクが制動トルクであることを特徴とする請求項1に記載の車両用トルク制御装置。
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