JP2020082380A - タイヤ用モールド - Google Patents

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将憲 石河
Masanori Ishikawa
将憲 石河
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D30/00Producing pneumatic or solid tyres or parts thereof
    • B29D30/06Pneumatic tyres or parts thereof (e.g. produced by casting, moulding, compression moulding, injection moulding, centrifugal casting)
    • B29D30/0601Vulcanising tyres; Vulcanising presses for tyres

Abstract

【課題】エアーの残留及びタイヤ取り出し時の損傷が抑えられたモールドの提供。【解決手段】このモールド10では、互いに隣接する二つのセグメント12において、一方のセグメント12の分割面28は、半径方向内側端から外側に延びる少なくとも一つの突部30又は少なくとも一つの陥部32を備えている。この分割面28と対向する他方のセグメント12の分割面28は、この突部30又は陥部32に対応する陥部32又は突部30を備えている。これによりこれらのセグメント12は軸方向に重なりを有している。少なくとも一つの突部30が、分割面28の半径方向内側端から延びる内側部34と、この内側部34の半径方向外側に位置し周方向外側部分に欠けを有する外側部36とを備えている。上記モールド10が開かれたとき、上記二つのセグメント12の重なり幅が所定の幅以下となるように、欠けを備える突部30及びこの欠けの形状が決められている。【選択図】図4

Description

本発明は、タイヤ用のモールドに関する。
図5に、従来のタイヤ用のモールド2が示されている。このモールド2は、複数のセグメント4、サイドプレート6及びビードリング8を備える。セグメント4の半径方向の内側面(セグメント4の内面)は、トレッドと接触する。セグメント4の内面は、キャビティ面の一部を構成する。それぞれのセグメント4の平面形状は、円弧状である。これらのセグメント4は、周方向にリング状に並べられている。ローカバーがこのモールド2内で加圧されつつ加熱され、タイヤが得られる。それぞれのセグメント4は、半径方向外向きに所定の距離移動され、モールド2が開かれる。タイヤが、モールド2から取り出される。図5には、セグメントS1と、これに隣接するセグメントS2について、移動後のセグメントが二点鎖線で描かれている。矢印Xで示される方向は、これらのセグメント4が移動された方向である。矢印Xは、これらのセグメント4の半径方向外向きを表す。
ローカバーがモールド2に入れられたとき、ローカバーとキャビティ面との間にエアーが残ると、外観不良の原因となりうる。このモールド2では、隣接するセグメント4の分割面(周方向の端の面)の間に、微小な隙間が設けられている。キャビティ面側からこのモールド2を見たとき、この隙間は、一定の幅で軸方向に延びている。この隙間から、エアーが排出される。この隙間の幅は、セグメント4の幅に対して小さいことから、ここではこの隙間は、分割線と称される。
セグメント4は、キャビティ面に、タイヤのトレッド面に溝を刻むための突条を備える。セグメント4が、キャビティ面に、トレッド面にサイプを刻むためのブレードを備えることもある。これらの突条やブレードがエアーの排出を阻害することを防ぐために、突条やブレードの位置に応じて、分割線を湾曲させることが行われている。すなわち、この分割線の両側の分割面のうち、一方の分割面が半径方向に延びる突部又は陥部を備え、他方の分割面が、この突部又陥部に対応する陥部又は突部を備える。突部は、周方向に突出している。図5において、符号P1で示されるのがセグメントS1の突部であり、符号P2で示されるのが、セグメントS2の突部である。一方の分割面に設けられた突部及び陥部と、他方の分割面に設けられた突部及び陥部とは、噛み合わされている。セグメント間の分割線が湾曲したモールドについての検討が、特開平4−341806号公報及び特開2004−243768公報で開示されている。
特開平4−341806号公報 特開2004−243768公報
上記のとおり、分割線の両側に位置する二つの分割面に設けられた突部及び陥部同士は噛み合わされている。このため、図5に示されるように、モールド2が閉じられたとき、この部分において、隣接するセグメント4同士は、軸方向(図5の紙面と垂直方向)に重なりを有する。図5では、この重なり部分が、符号Bで表されている。図5に示されるように、モールド2が開かれたときにも、セグメント4の半径方向外側部分では、セグメントS1とセグメントS2とは重なりを有する。この状態でタイヤを軸方向に移動させることで、タイヤがモールド2から取り出される。このとき、セグメント4も軸方向に動くことがある。これにより、重なりの部分において、セグメント4同士が干渉を起こしうる。これは、セグメント4の損傷の要因となりうる。この損傷の発生が抑えられたモールドが求められている。
本発明の目的は、エアーの残留を抑えつつ、タイヤ取り出し時の損傷が抑えられたモールドの提供にある。
本発明は、半径方向内側面がローカバーのトレッドと接触する平面形状が円弧状のセグメントを複数備え、これらのセグメントが周方向にリング状に並べられた構造を有し、タイヤが取り出されるとき、それぞれのセグメントが半径方向外側に、所定の距離移動することで開かれるモールドに関する。互いに隣接する二つのセグメントにおいて、一方のセグメントの分割面は、半径方向内側端から外側に延びる少なくとも一つの突部又は少なくとも一つの陥部を備えている。他方のセグメントの上記分割面と対向する分割面は、上記突部又は陥部に対応する陥部又は突部を備えている。これによりこれらのセグメントは軸方向に重なりを有している。少なくとも一つの上記突部が、上記分割面の半径方向内側端から延びる内側部と、この内側部の半径方向外側に位置し周方向外側部分に欠けを有する外側部とを備えている。上記モールドが開かれたとき、上記二つのセグメントの重なり幅が所定の幅以下となるように、上記欠けを備える突部及びこの欠けの形状が決められている。
好ましくは、上記モールドが開かれたとき、上記二つのセグメントの重なり幅がゼロとなるように、上記欠けを備える突部及びこの欠けの形状が決められている。
好ましくは、半径方向において、上記内側部の幅aが20mm以上である。
本発明に係るモールドでは、セグメントの分割面に、半径方向内側端から外側に延びる少なくとも一つの突部または陥部を備える。すなわち、このモールドをセグメントの内面側から見たとき、隣接するセグメント間の分割線は湾曲している。このモールドでは、セグメントの内面の突条やブレードの位置に応じて、この湾曲の形状を決められうる。これは、エアーの残留の抑制に寄与する。
このモールドでは、分割面に設けられた突部又は陥部により、隣接するセグメントは、軸方向に重なりを有している。このモールドでは、少なくとも一つの突部は、分割面の半径方向内側端から延びる内側部と、この内側部の半径方向外側に位置し周方向外側部分に欠けを有する外側部とを備えている。モールドが開かれたとき、隣接する二つのセグメントの重なり幅が所定の値以下となるように、欠けを備える突部及び欠けの形状が決められている。重なり幅を所定の値以下とすることで、このモールドでは、タイヤをモールドから取り出すときの、セグメント間の干渉が抑えられている。このモールドでは、タイヤ取り出し時の損傷が抑えられている。
図1は、本発明の一実施形態に係るモールドが示された平面図である。 図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。 図3は、図2のセグメントをキャビティ面側から見た図である。 図4は、図3のセグメントの斜視図である。 図5は、従来のモールドが示された平面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1及び2には、タイヤ用モールド10が示されている。図1において、両矢印Aで示された方向はモールド10の周方向であり、紙面に対して垂直な方向はモールド10の軸方向である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。図2において、両矢印Yで示された方向はモールド10の軸方向であり、矢印Xで示された方向はモールド10の半径方向外向きであり、紙面に対して垂直な方向は、モールド10の周方向である。図2では、ローカバーRも示されている。
図1及び2で示されるように、このモールド10は、複数のセグメント12、上下一対のサイドプレート14及び上下一対のビードリング16を備えている。図2では、モールド10は閉じられている。この状態において、セグメント12の内面18(セグメントの半径方向内側面)、サイドプレート14の内面20及びビードリング16の内面22が組み合わされて、キャビティ面が構成される。キャビティ面は、ローカバーRと当接して、タイヤの外面を形成する。
図1で示されるように、セグメント12の平面形状は、実質的に円弧状である。モールド10が閉じられた状態では、複数のセグメント12が、リング状に配置されている。この実施形態では、セグメント12の数は、9である。このセグメント12の数は、このモールド10の分割数と称される。セグメント12の周方向の端の面は、分割面28と称される。図2で示されるように、セグメント12の内面18は、ローカバーRの主にトレッドの部分と当接する。セグメント12の内面18は、キャビティ面の一部を構成する。
図3は、セグメント12を内面18側から見た図である。これは、セグメント12を図2のX方向から見た図である。この図には、隣接する二つセグメント12の境界部分が拡大されて示されている。ここでは、これらのうち、図3の左側に位置するセグメント12が第一セグメントSN1と称され、右側に位置するセグメント12が第二セグメントSN2と称される。図3で示されるように、これらのセグメント12の内面18には、タイヤのトレッド面に溝を刻むための突条24及びサイプを刻むためのブレード26が、多数設けられている。
図3では見えないが、二つのセグメント12の間には、エアーを排出するための隙間が存在する。すなわち、第一セグメントSN1の分割面28と、これに対向する第二セグメントSN2の分割面28との間には、隙間が存在する。セグメント12の内面18側において、これらの隙間の幅は、典型的には0.04mmから0.08mmである。この幅は、セグメント12の幅に対して十分小さいため、ここではこの隙間は「分割線」と称される。図3において、実線PLは、分割線を表す。図3から明らかなように、分割線PLは湾曲している。
図4は、第一セグメントSN1が示された斜視図である。この図では、第一セグメントSN1の周方向の端の近辺が示されている。この図では、主に第一セグメントSN1の分割面28と内面18とが見えている。この図では、第一セグメントSN1の内面18の突条24やブレード26は、省略されている。
分割線PLを湾曲させるため、図4に示されように、第一セグメントSN1の分割面28は突部30及び陥部32を備えている。この明細書では、これらの突部30及び陥部32が存在ないとしたときの分割面28は、「基準分割面」と称される。突部30は、基準分割面から周方向外側に向けて突出している。陥部32は、基準分割面から周方向内側に向けて陥没している。
図4で示されるように、陥部32は、半径方向において、分割面28の半径方向内側端から外側端まで、一様に延びている。突部30は、内側端から外側に延びる内側部34と、内側部34の半径方向外側に位置し外側端まで延びる外側部36とを備える。この突部30は、内側部34と外側部36とからなる。外側部36は、周方向の外側部分が欠けている。図4の実施形態では、外側部36は、基準分割面の位置まで欠けている。換言すれば、この突部30では、外側部36全体が欠けている。外側部36の、周方向外側の一部分が欠けていてもよい。
図示されないが、第二セグメントSN2の、図4の分割面28に対向する分割面28にも突部30及び陥部32が備えられている。この突部30は、内側部34と外側部36とを備える。この外側部36は、全体が欠けている。第二セグメントSN2のこの突部30の内側部34は、第一セグメントSN1の陥部32と噛み合わされている。第二セグメントSN2のこの陥部32は、第一セグメントSN1の突部30の内側部34と噛み合わされている。
上記のとおり、第一セグメントSN1の内側部34と第二セグメントSN2の陥部32、及び第一セグメントSN1の陥部32と第二セグメントSN2の内側部34は噛み合わされているため、モールド10が閉じられたとき、平面視において第一セグメントSN1と第二セグメントSN2とは重なりを有している。第一セグメントSN1と第二セグメントSN2とは、軸方向に重なりを有している。図1において、符号Bで示されるのが、この重なり部分である。この図において、符号PN1で示されるのが第一セグメントSN1の突部30の内側部34であり、符号PN2で示されるのが第二セグメントSN2の突部30の内側部34である。この重なり部分には、第一セグメントSN1の内側部PN1及び第二セグメントSN2の内側部PN2が位置している。この実施形態では、第一セグメントSN1及び第二セグメントSN2の外側部36は、ともに全体が欠けているため、外側部36の位置では、第一セグメントSN1と第二セグメントSN2とは重なりを有していない。
前述のとおり、モールド10が開かれるとき、セグメント12は半径方向外側に所定の距離移動する。図1において、二点鎖線で示されているのは、移動後の第一セグメントSN1及び第二セグメントSN2である。図において、符号Xは、それぞれのセグメント12の移動方向を表す。これは、それぞれのセグメント12の半径方向外向きを表す。図において、両矢印Tは、この移動距離を表す。この距離は、ストロークと称される。
このモールド10では、モールド10が開かれたとき、隣接するセグメント12の重なり幅が所定の値より小さくなるように、外側部36の欠けの形状が決められている。ここで、重なり幅とは、閉じられたときのモールド10の周方向に計測した、重なり部分の幅の最大値である。図1の実施形態では、モールド10が開かれたとき、これらのセグメント12は、重なりを有しない。この実施形態では、モールド10が開かれたとき、セグメント12の重なり幅がゼロとなるように、外側部36の欠けの形状が決められている。
外側部36の欠けの形状を決める方法は、種々考えられる。例えば、突部30が欠けを備えないとしたときの、モールド10が開いた状態における重なり部分の形状が求められる。この形状は、隣接するそれぞれのセグメント12の形状(円弧状のセグメント12の中心角、内面及び外面の曲率半径、及び突部30の周方向への突出量)とストロークTとにより、計算により求めることができる。または、これらから、モールド10が開いた状態の図を描いて、重なり部分の形状を求めてもよい。この重なり部分の形状が分かれば、この重なり部分を形成している突部30の部分が特定できる。重なり幅に寄与している、突部30の部分が特定できる。この部分に欠けを設けることで、重なり幅が小さくできる。これから、重なり幅が所定の値以下となる、欠けの形状を決めることができる。重なり幅がゼロとなる、欠けの形状を決めることができる。
上記の実施例では、第一セグメントSN1の分割面28及び第二セグメントSN2の分割面28には、いずれも一つの突部30と一つの陥部32とを備えていた。一方が突部30のみを備え、他方が陥部32のみを備えていてもよい。
分割面28が、複数の突部30を備えていてもよい。このモールド10では、モールド10が開かれたとき、隣接するセグメント12の重なり幅が所定の値以下になるように、欠けを備える突部30及びこの突部30の欠けの形状が決められている。この形状を決める方法の一例としては、上記と同様に、計算により、またはモールド10が開いた状態の図を描くことにより、突部30が欠けを備えないとしたときの、重なり部分の形状が求められる。この形状から、重なり幅に寄与している突部30と、その部分が特定できる。この部分に欠けを設けることで、重なり幅が小さくできる。これから、重なり幅が所定の値以下となるように、欠けを設ける突部30及び欠けの形状を決めることができる。
以下、本発明の作用効果が説明される。
本発明に係るモールド10では、セグメント12の分割面28に、半径方向内側端から外側に延びる少なくとも一つの突部30または陥部32を備える。すなわち、このモールド10をセグメント12の内面18側から見たとき、隣接するセグメント12間の分割線PLは湾曲している。このモールド10では、セグメント12の内面18の突条24やブレード26の位置に応じて、この湾曲の形状が決められうる。これは、エアーの残留の抑制に寄与する。
前述のとおり、分割面に突部または陥部を備える従来のモールドでは、モールドが開かれたときにも、隣接するセグメント同士は、セグメントの半径方向外側部分で軸方向に重なりを有する。この部分では、少なくとも一方のセグメントの突部の半径方向外側部分が、他方のセグメントと重なっている。タイヤがモールドから取り出されるとき、この重なりの部分において、セグメント同士が干渉を起こしうる。
本発明に係るモールド10では、隣接するセグメント12と重なっている突部30の半径方向外側部分に欠けを設けることで、重なり幅を小さくしている。詳細には、このモールド10では、少なくとも一つの突部30は、内面18側の端から延びる内側部34と、この内側部34の半径方向外側に位置し周方向外側部分に欠けを有する外側部36とを備えている。モールド10が開かれたとき、この重なり幅が所定の値以下となるように、欠けを備える突部30及び欠けの形状が決められている。重なり幅を所定の値以下とすることで、タイヤをモールド10から取り出すときの、セグメント12間の干渉が効果的に抑えられている。このモールド10では、タイヤ取り出し時の損傷が抑えられている。
図3において、両矢印Lは、セグメント12の内面18側での、周方向における分割線PLの一方の端と他方の端との距離である。距離Lを大きくすると(すなわち、突部30の周方向への突出量を大きくすると)、セグメント間の重なり幅が大きくなる。従来のモールドでは、距離Lを大きくすることは、タイヤを取り出すときのセグメント間の干渉の増加の要因となりうる。
このモールド10では、突部30の欠けにより、モールド10が開かれたときの隣接する二つのセグメント12の重なり幅が所定の値以下となっている。距離Lを従来より大きくしても、タイヤ取り出し時のセグメント12間の干渉が抑えられている。このモールド10では、タイヤ取り出し時のモールド10の損傷を抑えつつ、距離Lを従来より大きくできる。すなわち、このモールド10では、分割線PLは、より大きく湾曲することができる。これは、分割線PLの形状の自由度を高める。これは、セグメント12間の隙間からのエアーの効果的な排出に寄与する。このモールド10では、エアーの残留が効果的に抑えられうる。
モールドの分割数を多くすることで、セグメントがタイヤから離れ易くできる。タイヤのモールドからの取り出しが、容易となる。しかし、分割数を多くすると、モールドを開くとき、隣接するセグメントの移動方向がなす角度は小さくなる。例えば、図1のモールド10では、第一セグメントSN1の移動方向Xと、第二セグメントSN2の移動方向Xとがなす角度は、40°である。分割数が9より多いモールドでは、この角度は40°より小さい。分割数を多くすると、モールドが開かれたときのセグメント間の距離は、小さくなる。すなわち、セグメント間の重なり幅は、大きくなる。従来のモールドでは、分割数を大きくすることは、タイヤを取り出すときのセグメント間の干渉の増加の要因となりうる。
このモールド10では、突部30の欠けにより、モールド10が開かれたときの隣接する二つのセグメント12の重なり幅が所定の値以下となっている。分割数を従来より大きくしても、タイヤ取り出し時のセグメント12間の干渉が抑えられている。これは、モールド10の分割数の設定の自由度を高めうる。このモールド10では、タイヤ取り出し時のモールド10の損傷を抑えつつ、タイヤのモールド10からの取り出しを容易にすることができる。
モールド10が開かれたとき、二つのセグメント12の重なり幅がゼロとなるように、欠けを備える突部30及びこの欠けの形状が決められているのが、より好ましい。このようにすることで、タイヤをモールド10から取り出すときの、セグメント12間の干渉がより効果的に抑えられる。このモールド10では、タイヤ取り出し時の損傷が抑えられている。
モールド10が開かれるとき、モールド10は高温となっている。常温時と比べて、モールド10は膨張している。突部30の欠けの形状を決めるときは、このモールド10の膨張を考慮するのが好ましい。例えば、熱膨張による増分Cが、セグメント12の周方向の長さ及び半径方向の幅に加えられ、このセグメント12に対し、突部30が欠けを備えないとしたときの重なり部分の形状が、求められる。このときの重なり部分の形状から、突部30の欠けの形状が決められる。このようにすることで、タイヤをモールド10から取り出すときのセグメント12間の干渉が、より効果的に抑えられる。このモールド10では、タイヤ取り出し時の損傷が、効果的に抑えられている。
増分Cは、例えばセグメント12の材質となっている金属の熱膨張率と、加硫時のモールド10の温度から決められる。実際にセグメント12を加硫時の温度に加熱して、セグメント12の大きさを計測し、増分Cを決めてもよい。
図4において、両矢印aは突部30の内側部34の半径方向幅を表す。幅aは、突部30の周方向の外側端における幅である。幅aは、突条24やサイプがないとしたときのセグメント12の内面18から計測される。幅aは、20mm以上が好ましい。幅aを20mm以上とすることで、このセグメント12の突部30は、十分な剛性を有する。このセグメント12は、突部30での破損が抑えられている。このセグメント12は、耐久性に優れる。この観点から、幅aは25mm以上がより好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示されたモールドを作製した。このモールドのセグメントの数は、9である。このモールドでは、距離Lは、従来のモールドで設定された距離Lより24.6mm大きくされた。このセグメントの分割面の突部は、内側部と外側部とを備えている。外側部は、その全体が欠けている。幅aは、20mmとされた。モールドを開くときのストロークTは、51.2mmである。この欠けにより、熱膨張による増分Cを2.0mmとしても、モールドが開かれたとき、セグメント同士は重なりを有しない。
[セグメント間の干渉]
実施例1のモールドを使用して、10000本のタイヤを製作した。この結果、セグメント間の干渉が発生しないことが確認された。
突部が欠けを有しない従来のモールドでは、距離Lを、従来設定されていた値より大きくすると、モールド間の干渉が発生することが確認されている。本発明によると、距離Lを従来よりも大きくしつつ、セグメント間の干渉が抑えられている。本発明によると、分割線の形状の自由度を高めつつ、セグメント間の干渉が抑えられている。このことから、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたモールドは、種々のタイヤの製造にも適用されうる。
2、10・・・モールド
4、12・・・セグメント
6、14・・・サイドプレート
8、16・・・ビードリング
18・・・セグメントの内面
20・・・サイドプレートの内面
22・・・ビードリングの内面
24・・・突条
26・・・ブレード
28・・・分割面
30・・・突部
32・・・陥部
34・・・内側部
36・・・外側部

Claims (3)

  1. 半径方向内側面がローカバーのトレッドと接触する平面形状が円弧状のセグメントを複数備え、これらのセグメントが周方向にリング状に並べられた構造を有し、タイヤが取り出されるとき、それぞれのセグメントが半径方向外側に所定の距離移動することで開かれるモールドであって、
    互いに隣接する二つのセグメントにおいて、
    一方のセグメントの分割面が、半径方向内側端から外側に延びる少なくとも一つの突部又は少なくとも一つの陥部を備えており、
    他方のセグメントの上記分割面と対向する分割面が、上記突部又は陥部に対応する陥部又は突部を備えており、
    これによりこれらのセグメント同士が軸方向に重なりを有しており、
    少なくとも一つの上記突部が、上記分割面の半径方向内側端から延びる内側部と、この内側部の半径方向外側に位置し周方向外側部分に欠けを有する外側部とを備えており、
    上記モールドが開かれたとき、上記二つのセグメントの重なり幅が所定の幅以下となるように、上記欠けを備える突部及びこの欠けの形状が決められている、タイヤ用のモールド。
  2. 上記モールドが開かれたとき、上記二つのセグメントの重なり幅がゼロとなるように、上記欠けを備える突部及びこの欠けの形状が決められている、請求項1に記載のモールド。
  3. 半径方向において、上記内側部の幅aが20mm以上である、請求項1又は2に記載のモールド。
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