JP2020071283A - 変位検知装置、ベルト装置、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、このような画像形成装置では、中間転写ベルトの幅方向の変位を変位検知装置によって検知して、その検知結果に基づいて中間転写ベルトの幅方向の変位を補正手段によって補正している。具体的に、特許文献1では、中間転写ベルトの幅方向端部に当接してその変位に追従して揺動する揺動部材(当接部)の変位量と変位の方向とを、測距センサで検知している。そして、測距センサの検知結果に基づいて、補正ローラ(補正手段)によって、中間転写ベルトの変位(蛇行)を補正している。
図1は画像形成装置としてのプリンタを示す構成図であり、図2はその作像部の一部を示す拡大図である。
図1に示すように、画像形成装置本体100の中央には、ベルト装置(ベルト搬送装置)としての中間転写ベルト装置15が設置されている。また、中間転写ベルト装置15の中間転写ベルト8(回転体)に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y、6M、6C、6Kが並設されている。さらに、中間転写ベルト装置15の下方には、2次転写ベルト装置69が設置されている。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光部7から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での幅方向(図1、図2の紙面垂直方向であって、主走査方向である。)の露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8及び1次転写ローラ9Yの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1の表面に形成されたトナー像が中間転写ベルト8の表面に1次転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残留する。
ここで、クリーニング部2Yの内部には、潤滑剤供給ローラ3a、固形潤滑剤3b、圧縮スプリング3cなどからなる潤滑剤供給装置3(感光体用潤滑剤供給装置)が内設されている。そして、図2の時計方向に回転する潤滑剤供給ローラ3aによって、固形潤滑剤3bから潤滑剤が少量ずつ削られて、潤滑剤供給ローラ3aによって感光体ドラム1Yの表面に潤滑剤が供給されることになる。
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
その後、各現像部5M、5C、5Kによる現像工程を経て各感光体ドラム1M、1C、1K上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kに、トナーの極性とは逆の極性の転写電圧(1次転写バイアス)が印加される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、1次転写ローラ9Y、9M、9C、9Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y、1M、1C、1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8の表面に重ねて1次転写される(1次転写工程である。)。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、給紙部26には、用紙などのシートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上のシートPが第1搬送経路K1を経由してレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
その後、シートPは、第2搬送経路K2を経由して、排紙ローラ対によって装置外へと排出される。排紙ローラ対によって装置外に排出されたシートPは、出力画像として、スタック部上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成動作(プリント動作)が完了する。
現像部5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Yと、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Yと、現像剤収容部内に配設された2つの搬送スクリュ55Yと、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Yと、等で構成される。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤Gが収容されている。
現像ローラ51Yのスリーブは、図2の矢印方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。ここで、現像部5Y内の現像剤Gは、現像剤G中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。具体的に、現像部5Yに設置されたトナー濃度センサによってトナー濃度が低い状態が検知されたときには、トナー濃度が所定の範囲内になるように、トナー容器58から現像部5Y内に新品トナーが補給される。
その後、トナー容器58から現像剤収容部内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ55Yによって、現像剤Gとともに混合・撹拌されながら、隔絶された2つの現像剤収容部を循環する(図2の紙面垂直方向の移動である。)。そして、現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
なお、トナー容器58は、現像部5Y(画像形成装置100)に対して着脱可能(交換可能)に設置されている。そして、トナー容器58は、その内部に収容された新品のトナーが空になると、現像部5Y(画像形成装置100)から取り外されて新品のものに交換されることになる。
図3及び図4を参照して、ベルト装置としての中間転写ベルト装置15は、回転体としての中間転写ベルト8(ベルト部材)、4つの1次転写ローラ9Y、9M、9C、9K 、駆動ローラ16、補正ローラ17、補正機構91(移動機構)、転写前ローラ18、テンションローラ19、中間転写クリーニング部10、2次転写対向ローラ40、変位検知装置80、速度検知手段としてのフォトセンサ95、等で構成される。
また、中間転写ベルト8は、体積抵抗率が107〜1012Ωcm、ベルト裏面側の表面抵抗率が108〜1012Ωcmの範囲となるように調整されている。また、中間転写ベルト8は、厚さが80〜100μmの範囲となるように設定されている。
また、必要に応じて中間転写ベルト8の表面に離型層をコートすることもできる。その際、コートに用いる材料として、ETFE(エチレン−四フッ化エチレン共重合体)、PTFE(ポリ四フッ化エチレン)、PVDF(フッ化ビニルデン)、PEA(パーフルオロアルコキシフッ素樹脂)、FEP(四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体)、PVF(フッ化ビニル)、等のフッ素樹脂を使用できるが、これに限定されるものではない。
また、中間転写ベルト8の製造方法としては、注型法、遠心成形法、等があり、必要に応じてその表面を研磨する工程がおこなわれる。
なお、補正ローラ17は、補正機構91に接続されている。そして、補正ローラ17は、補正機構91とともに、変位検知装置80による中間転写ベルト8のベルト寄り(幅方向の変位)の検知結果に基づいて中間転写ベルト8のベルト寄り(幅方向の変位)を補正する補正手段として機能する。この変位検知装置80や補正手段については、後で詳しく説明する。
駆動ローラ16を除くローラ部材17〜19、40は、いずれも、中間転写ベルト8の走行にともない従動回転する。
2次転写対向ローラ40とテンションローラ19との間の位置には、中間転写クリーニング部10が設置されている。中間転写クリーニング部10には、クリーニングブレードが設置されている。
なお、2次転写バイアスは直流電圧に交流電圧の畳重でも良いし、また2次転写ローラ70に印加する引力転写でも良い。
2次転写ベルト72は、複数のローラ部材(2次転写ローラ70と分離ローラ71とである。)に張架・支持された無端ベルトであって、中間転写ベルト8とほぼ同じ材料で形成されている。2次転写ベルト72は、中間転写ベルト8に当接して2次転写ニップを形成するとともに、2次転写ニップから送出されたシートPを搬送するものである。
分離ローラ71は、2次転写ニップに対して搬送方向下流側(シートPの搬送方向に対する下流側である。)の位置に配置されている。2次転写ニップから送出されたシートPは、図3の反時計方向に走行する2次転写ベルト72に沿うように搬送された後に、分離ローラ71の位置で、分離ローラ71の外周に沿うように曲面が形成された2次転写ベルト72によって、2次転写ベルト72から分離(曲率分離)されることになる。
2次転写ブレード73は、2次転写ベルト72の表面に当接して、2次転写ベルト72の表面に付着したトナーや紙粉などの異物を除去するものである。
また、図3、図4に示すように、このスケールパターン8aに対向する位置には、発光素子と受光素子とからなるフォトセンサ95(反射型フォトセンサ)が固定設置されている。
そして、フォトセンサ95によってスケールパターン8aを検知することにより、中間転写ベルト8の速度(速度変化)を検知して、その検知結果に基づいて中間転写ベルト8の回転速度(走行速度)が一定になるように駆動モータ94を調整制御している。例えば、フォトセンサ95によるスケールパターン8aの検知によって、光反射率が高いパターン部を検知する時間間隔が狙いの値より長くなってしまった状態が検知された場合には、中間転写ベルト8の回転速度が狙いの値よりも遅くなってしまっているものとして、制御部90による制御によって駆動モータ94の回転速度が増速されることになる。
図3〜図5等に示すように、本実施の形態における中間転写ベルト装置15には、所定方向に回転(走行)する回転体としての中間転写ベルト8の幅方向(図3の紙面垂直方向であって、図4の左右方向である。)の変位を検知する変位検知装置80が設置されている。
詳しくは、図5を参照して、変位検知装置80は、中間転写ベルト8に当接する当接部材82、当接部材82や摩耗検知センサ85が設置されたアーム部材81、中間転写ベルト8の変位(変位方向と変位量とである。)を間接的に検知する変位検知手段としての透過型フォトセンサ83、当接部材82が中間転写ベルト8に当接するようにアーム部材81を付勢する付勢部材としての引張スプリング84、摩耗検知手段としての摩耗検知センサ85、等で構成されている。
具体的に、当接部材82は、円筒状に形成されていて、略L字状に形成されたアーム部材81の一端側に起立するように非回転で保持されている。また、当接部材82は、その周面が中間転写ベルト8の幅方向端部(側端)に略直交するように当接している。また、本実施の形態において、当接部材82は、ステンレス鋼などの耐摩耗性に優れた金属材料で形成されている。
付勢部材としての引張スプリング84は、その一端がアーム部材81の他端側(当接部材82が設置されていない側である。)に接続され、その他端側が装置15の筐体に接続されている。
また、本実施の形態では、円筒状の当接部材82をアーム部材81上に非回転で固定設置したが、円筒状の当接部材82をアーム部材81上に回転可能に設置することもできる。
また、本実施の形態において、アーム部材81には、当接部材82の他に、摩耗検知センサ85(摩耗検知手段)が同じ高さ方向に突出するように固定設置されているが、これについては後で詳しく説明する。
具体的に、中間転写ベルト8が図4の左方にベルト寄りすると、引張スプリング84の付勢力に抗するように、当接部材82や摩耗検知センサ85も同じ方向に移動するとともに、アーム部材81が支軸81aを中心に図4の時計方向に回転する。これに対して、中間転写ベルト8が図4の右方にベルト寄りすると、引張スプリング84の付勢力によって、当接部材82や摩耗検知センサ85も同じ方向に移動するとともに、アーム部材81が支軸81aを中心に図4の反時計方向に回転する。
透過型フォトセンサ83(変位検知手段)は、アーム部材81に形成されたスリット81bに対向するように配置されている。詳しくは、図6(A1)、(B1)、(C1)を参照して、本実施の形態において、透過型フォトセンサは、1つの発光素子83aと2つの受光素子83b1、83b2とがアーム部材81(スリット81b)を跨ぐように設置されている。そして、透過型フォトセンサ83は、2つの受光素子83b1、83b2の出力変化から中間転写ベルト8(又は、当接部材82やアーム部材81)の変位方向と変位量とを検知することになる。
また、このような透過型フォトセンサ83を変位検知手段として用いることで、発光素子と受光素子とがそれぞれ1つ設置された透過型フォトセンサを変位検知手段として用いる場合に比べて、変位検知手段による検知精度を高めることができる。
そして、中間転写ベルト8にベルト寄りが生じておらず狙いの姿勢になっていて、図6(A1)に示すようにアーム部材81のスリット81bが透過型フォトセンサ83に対して中央に位置しているとき、発光素子83aから射出された光が、2つの受光素子83b1、83b2にそれぞれほぼ均等に入射される。これにより、図6(A2)に示すように、2つの受光素子83b1、83b2のセンサ出力(電圧)は、その出力差がほぼゼロになる。したがって、透過型フォトセンサ83によって図6(A2)に示すような出力波形が検知されたとき、制御部90によって中間転写ベルト8にベルト寄りが生じていないものと判別される。
同様に、中間転写ベルト8に他端側へのベルト寄りが生じて、図6(C1)に示すようにアーム部材81のスリット81bが透過型フォトセンサ83に対して矢印方向に移動したとき、一端側の受光素子83b1の入射光量が他端側の受光素子83b2の入射光量に比べて少なくなる。これにより、図6(C2)に示すように、一端側の受光素子83b1のセンサ出力が他端側の受光素子83b2のものに比べて小さくなって、その移動量に応じた出力差が生じる。そして、そのような出力波形が検知されることで、制御部90によってアーム部材81の移動方向と移動量とが判別されて、中間転写ベルト8(当接部材82)の移動方向と移動量とが把握されることになる。
ここで、補正ローラ17は、図3を参照して、感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kに対して中間転写ベルト8の走行方向上流側であって、中間転写ベルト8の内周面に接するように配設されている。そして、補正ローラ17は、図4を参照して、補正機構91の駆動カムが所定角度動作することにより、揺動中心17aを中心にしてX1、X2方向に揺動するように構成されている。具体的に、変位検知装置80の検知結果に基づいた制御部90による制御によって、補正機構91の駆動カムの回転方向と回転角度とが定められて、その回転方向と回転角度とに応じて補正ローラ17の搖動方向と搖動量(又は、搖動時間)とが定められることになる。
このような構成により、図4において、中間転写ベルト8が右側に変位(ベルト寄り)したときには、その変位方向と変位量とが透過型フォトセンサ83によって検知されて、その検知結果に基づいて補正ローラ17がX2方向に揺動されて中間転写ベルト8の変位補正がおこなわれる。これに対して、中間転写ベルト8が左側に変位したときには、その変位方向と変位量とが透過型フォトセンサ83によって検知されて、その検知結果に基づいて補正ローラ17がX1方向に揺動されて中間転写ベルト8の変位補正がおこなわれる。これにより、中間転写ベルト8が蛇行走行する不具合や、中間転写ベルト8が幅方向に大きく変位(ベルト寄り)して他の部材に接触して中間転写ベルト8が破損する不具合、等が抑止される。
なお、補正手段としては、補正ローラ17の軸の位置変化に変えてアクチュエータを中間転写ベルト8の側部に当接させて付勢することで中間転写ベルト8の変位補正をおこなうものを用いることもできる。また、引張スプリング84に接続している装置15の筐体側を可動させて、引張スプリング84の付勢力を変えることで、中間転写ベルト8の変位補正をしても良い。
詳しくは、摩耗検知センサ85(摩耗検知手段)は、アーム部材81に保持された反射型フォトセンサ(フォトリフレクタ)であって、図7をも参照して、発光素子85a(光源)や受光素子85bなどで構成されている。摩耗検知センサ85は、当接部材82の近傍に設置されていて、図7に示すように、摩耗が進んだ当接部材82に喰い込んだ状態の中間転写ベルト8の側端部を光学的に検知するものである。
これに対して、図7(B)に示すように、当接部材82の摩耗が進んで、その摩耗量が所定値Zに達したときには、中間転写ベルト8の側端部が当接部材82に大きく喰い込んだ状態にはなる。このようなとき、中間転写ベルト8の側端部が、摩耗検知センサ85の上方の位置にまで達して、発光素子85aから射出された光は、中間転写ベルト8の表面で反射して、その反射光が受光素子85bに入射する。このようなときの受光素子85bの出力値(出力変化)から、当接部材82の摩耗量が所定値Zに達した状態が、制御部90で把握されることになる。
詳しくは、上述したように制御部90で当接部材82の摩耗量が所定値Zに達した状態が制御部90で把握されると、そのまま中間転写ベルト装置15(画像形成装置100)の稼働を続けてしまうと種々の不具合が生じてしまうものとして、操作表示パネル110(装置本体100の外装部に設置されている。)に「装置に異常が生じました(エラーコード××)。正常な印刷ができなくなる可能性がありますので、サービスマンに連絡してください」などの警告表示がされる。また、場合によっては、サービスマンによるメンテナンスが終了するまで、装置本体100を稼働できないように強制的に制御することもできる。
また、受光素子83b1、83b2の出力波形の変化によって当接部材82(アーム部材81)の変位を検知する透過型フォトセンサ83を変位検知手段として用いる場合には、当接部材82(アーム部材81)の変位を直接的に検知する測距センサを変位検知手段として用いる場合に比べて、当接部材82の摩耗によって検知精度が大きく変化しやすい。したがって、摩耗検知センサ85を用いて当接部材82の摩耗状態を把握する構成が有用になる。
この許容される幅方向の変位量Yとしては、例えば、変位検知装置80による中間転写ベルト8の幅方向変位の検知結果に誤差が生じないぎりぎりの値とすることができる。
したがって、上述した中間転写ベルト8の許容される幅方向の変位量Yを、スケールパターン8aがフォトセンサ95の検知範囲Mから外れてしまう不具合が生じないぎりぎりの値とすることもできる。
詳しくは、図8を参照して、透過型フォトセンサである摩耗検知センサ85は、アーム部材81に保持されていて、発光素子85aと受光素子85bとが上下方向に離間した位置に配置されている。
そして、図8(A)に示すように、当接部材82がほとんど摩耗しておらず、その摩耗量が所定値Zに達していないときには、中間転写ベルト8の側端部が当接部材82に大きく喰い込んだ状態にはならず、中間転写ベルト8の側端部が摩耗検知センサ85の位置にまで達していないので、発光素子85aから射出された光は、そのまま上方に直進して、受光素子85bに入射する。このようなときの受光素子85bの出力値から、当接部材82の摩耗量が所定値Zに達していない状態が、制御部90で把握されることになる。
これに対して、図8(B)に示すように、当接部材82の摩耗が進んで、その摩耗量が所定値Zに達したときには、中間転写ベルト8の側端部が当接部材82に大きく喰い込んだ状態になり、中間転写ベルト8の側端部が摩耗検知センサ85の上方の位置にまで達するので、発光素子85aから射出された光は、中間転写ベルト8に遮られて、受光素子85bに入射しない。このようなときの受光素子85bの出力値(出力変化)から、当接部材82の摩耗量が所定値Zに達した状態が、制御部90で把握されることになる。
なお、このように摩耗検知センサ85として透過型フォトセンサを用いた場合にも、その発光素子85a(光源)として赤外線ダイオードを用いることで、外乱光の影響によって検知精度が低くなる不具合が生じにくくなる。
図9に示すように、装置が稼働されると、まず、摩耗検知センサ85による検知(出力変化)があるかが常に判別される(ステップS1)。すなわち、摩耗検知センサ85によって当接部材82の摩耗量が所定値Zに達した状態が検知されていないかが判別される。
その結果、摩耗検知センサ85による検知があった場合(摩耗量が所定値Zに達した場合)には、摩耗による不具合が生じるものとして、その旨が操作表示パネル110に表示される(ステップS2)。
すなわち、摩耗検知センサ85によって当接部材82の摩耗量が所定値Zに達した状態が最初に検知されても、装置に異常が生じた旨を直ちに操作表示パネル110に表示するのではなくて、中間転写ベルト8が1周回転する間、その状態が検知され続けられたときに、装置に異常が生じてメンテナンスが必要な旨を操作表示パネル110に表示している。
このような制御をおこなうことで、中間転写ベルト8の側端部の局所的なキズや、突発的なノイズなどの影響により、摩耗検知センサ85によって当接部材82の摩耗量が所定値Zに達した状態が誤って検知されてしまう不具合を軽減することができる。
なお、当接部材82の摩耗量を直接的に数値化して検知するように摩耗検知手段を構成した場合には、中間転写ベルト8が1周回転する間に摩耗検知手段によって検知された摩耗量の平均値を算出して、その平均値が所定値Zに達したときに、異常が生じた旨を操作表示パネル110に表示してもよい。
これにより、当接部材82が中間転写ベルト8に線接触することになり、中間転写ベルト8に当接する当接部材82の接触面積を小さくすることができる。したがって、中間転写ベルト8が幅方向に直交する方向(図4の紙面垂直方向である。)に振れても、その直交方向の振れによって当接部材82が揺動しにくくなる。また、中間転写ベルト8に対する当接部材82の取り付け精度(取り付け角度)にバラツキが生じても、透過型フォトセンサ83の検知結果にバラツキが生じにくくなる。さらに、当接部材82と中間転写ベルト8との摺接による磨耗が低減される。したがって、経時においても中間転写ベルト8の幅方向の変位を高精度に検知することができる。
なお、本実施の形態では、当接部材82を円筒状に形成したが、当接部材82が円筒状に形成されていなくても、例えば当接部材82が半円筒状に形成されているなどして、その当接部が曲面状に形成されていれば、同様の効果を得ることができる。
このような構成により、変位検知装置80(当接部材82)における、中間転写ベルト8の直交方向(図4の紙面垂直方向である。)の変位(振れ)が軽減される。すなわち、中間転写ベルト8は、駆動ローラ16によってベルト張力が高められるために、変位検知装置80の位置の直交方向の変位が規制される。したがって、変位検知装置80によって、本来的に検知されるべき検知成分(幅方向の検知成分である。)の他に、幅方向及び走行方向とは異なる方向の変位成分も検知されてしまう不具合が軽減される。したがって、変位検知装置80による、中間転写ベルト8のベルト寄りに対する検知精度がさらに向上する。
このように、変位検知装置80を補正ローラ17から離れた位置に配設することで、補正ローラ17による揺動(補正動作)をおこなっても駆動ローラ16による中間転写ベルト8に対する規制力(直交方向変位の拘束力)が低下することなく変位検知装置80の検知精度が向上する。
これにより、変位検知装置80を中間転写ベルト8と感光体ドラム1Y、1M、1C、1Kとの対向領域内に配設する場合に比べて、中間転写ベルト装置15を小型化することができる。さらに、変位検知装置80を上述の対向領域内に配設する場合に比べて、変位検知装置80のメンテナンス性が向上するとともに、作像部6Y、6M、6C、6Kの近傍に配設された高圧電源によるノイズによって変位検知装置80(透過型フォトセンサ83)が誤動作する不具合が抑止される。
これにより、中間転写ベルト8(回転体)に当接する当接部材82の摩耗が進むことによって生じる不具合を軽減することができる。
また、本実施の形態では、カラー画像を形成する画像形成装置100に対して、本発明を適用した。これに対して、モノクロ画像のみを形成する画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、中間転写ベルト8(当接部材82)の変位方向(移動方向)と変位量(移動量)とを間接的に検知するように変位検知手段(透過型フォトセンサ83)を構成したが、中間転写ベルト8(当接部材82)の変位方向(移動方向)と変位量(移動量)とを直接的に検知するように変位検知手段を構成することもできる。
また、本実施の形態では、摩耗が進んだ当接部材82に中間転写ベルト8が喰い込んだ状態を検知することで、中間転写ベルト8(回転体)との当接による当接部材82の摩耗量が所定値Zに達した状態を間接的に検知するように、摩耗検知手段(摩耗検知センサ85)を構成した。しかし、当接部材82の摩耗量が所定値Zに達した状態を検知する摩耗検知手段は、このような形態のものに限定されることなく、当接部材82の摩耗量を直接的に検知するものであっても良い。そのような場合、摩耗検知手段によって時々刻々と検知される摩耗量が所定値Zに達するか否かが判別されることになる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
8 中間転写ベルト(回転体、ベルト部材)、
8a スケールパターン、
17 補正ローラ(補正手段)、
15 中間転写ベルト装置(ベルト装置、回転体駆動装置)、
80 変位検知装置、
81 アーム部材、
81a 支軸、
81b スリット(開口)、
82 当接部材、
83 透過型フォトセンサ(変位検知手段)、
83a 発光素子、
83b1、83b2 受光素子、
84 引張スプリング(付勢部材)、
85 摩耗検知センサ(摩耗検知手段)、
85a 発光素子、
85b 受光素子、
91 補正機構(補正手段)、
95 フォトセンサ(速度検知手段)、
100 画像形成装置(画像形成装置本体)。
Claims (9)
- 所定方向に回転する回転体の幅方向の変位を検知する変位検知装置であって、
前記回転体の幅方向の変位に追従して移動する当接部材と、
前記回転体の変位方向と変位量とを、前記当接部材が移動することから検知する変位検知手段と、
前記回転体との当接による前記当接部材の摩耗量が所定値に達した状態を検知する摩耗検知手段と、
を備えたことを特徴とする変位検知装置。 - 前記摩耗検知手段によって前記当接部材の摩耗量が前記所定値に達した状態が検知されたときに、異常が生じた旨を通知することを特徴とする請求項1に記載の変位検知装置。
- 前記回転体は、無端状のベルト部材であって、
前記当接部材が保持されて、支軸を中心に搖動可能なアーム部材と、
前記当接部材が前記ベルト部材の幅方向端部に当接するように前記アーム部材を付勢する付勢部材と、
を備え、
前記摩耗検知手段は、前記アーム部材に保持された反射型フォトセンサ又は透過型フォトセンサであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の変位検知装置。 - 前記反射型フォトセンサ又は前記透過型フォトセンサは、発光素子としての赤外線ダイオードと、受光素子と、を具備したことを特徴とする請求項3に記載の変位検知装置。
- 前記所定値は、前記回転体の許容される幅方向の変位量よりも小さく設定されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の変位検知装置。
- 前記回転体を前記所定方向に1回転させて前記摩耗検知手段によって得られた検知結果から、前記当接部材の摩耗量が前記所定値に達しているかを判断することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の変位検知装置。
- 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の変位検知装置と、
前記回転体としてのベルト部材と、
を備えたことを特徴とするベルト装置。 - 前記変位検知装置の検知結果に基づいて前記ベルト部材の幅方向の変位を補正する補正手段を備えたことを特徴とする請求項7に記載のベルト装置。
- 請求項7又は請求項8に記載のベルト装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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