JP6357921B2 - ベルトユニット及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
本発明は、ベルト部材に設けられた導電性を有する読取部とベルト部材を巻き掛けている導電性の支持部材との間での放電やリークの発生を、良好な作業性を確保しながら防止することを、その目的とする。
本発明に係る第1の実施形態に係るベルトユニットは、搬送されるベルト部材と、ベルト部材の内側と外側の回転ローラ間にバイアスが印可される回転ローラ対と、ベルト部材を支持する導電性を有する複数の支持部材と、ベルト部材のベルト搬送方向と交差するベルト幅方向の少なくとも一方側で、支持部材と対向する側にベルト長手方向に渡って配置され、光学検出手段によって読み取られる導電性を有する読取部と、読取部と対向する側で読取部と支持部材の間に配置された絶縁部材を有する。このため、ベルト部材に配置された導電性を有する読取部と対向する側で、ベルト部材を巻き掛ける支持部材と読取部と間に絶縁部材を配置したので、支持部材と読取部との間での放電やリークの発生を、良好な作業性を確保しながら防止できる。
また、ローラ状の絶縁部材は、支持部材と同一の回転中心を中心として回転可能である。ローラ状の絶縁部材は、読取部よりもベルト幅方向への幅が広く形成されていて、支持部材の端面との対向端面が、絶縁部材の端面とベルト幅方向にずれて配置されている。
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置はカラー複写機である。図中符号100は画像形成装置の装置本体となる複写機本体、200は複写機本体100を載せる給紙テーブル、300は複写機本体100上に取り付ける画像読取部としてのスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置を示す。
複写機本体100には、その中央に、無端状のベルト部材である中間転写体としての転写ベルト10を有するベルトユニットとなる転写ユニット500が設けられている。転写ベルト10は、複数の支持部材としての複数のローラに巻き掛けられていて、図中時計回りに搬送可能とされている。符号Vで示す矢印は転写ベルト10の搬送方向を示す。
転写ベルト10の周囲には、画像転写後に転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去する転写クリーニング装置17が配置されている。転写ユニット500の上方には、その搬送方向Vに沿って、搬送方向下流側からブラック・シアン・マゼンタ・イエロの4つのプロセスカートリッジユニット18Bk、18C、18M、18Yが横に並べて配置されている。これら4つのプロセスカートリッジユニット18Bk、18C、18M、18Yは、タンデム画像形成部20を構成している。
タンデム画像形成部20の上には、露光装置21が配置されている。各プロセスカートリッジユニットは、像担持体としてのドラム状の感光体40Bk、40C、40M、40Yを備えている。各プロセスカートリッジユニットは、図示を省略した周知の電子写真プロセスの機能部材により各感光体上に各色の現像剤としてのトナーを用いてトナー像を形成するとともに、トナー像転写後の感光体表面を清掃する機能を備えている。各プロセスカートリッジユニット及び転写ユニット500は、複写機本体100に着脱可能に支持されている。
2次転写ローラ23よりも用紙搬送方向下流側には、用紙Pに転写された画像を定着する定着装置25が配置されている。定着装置25は、定着部材としてのベルト部材である定着ベルト26に加圧部材となる加圧ローラ27を押し当てて構成されている。
2次転写対向部材としては、2次対向ローラ512ではなく、複数のローラ部材に無端ベルトを巻き掛けたものであってもよい。本実施形態においては、2次転写部材を転写ベルト10に接触させる接触方式を採用するが、非接触のチャージャを2次転写部材として配置してもよい。このような場合は、ローラ部材やベルト部材による用紙搬送機能を合わせて備えることは難しくなるため、搬送手段を個別に配置すればよい。
図示の例では、2次転写部(ニップ部)22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成部20と平行に、用紙Pの両面に画像を記録すべく用紙Pを反転する用紙反転装置28が配置されていて、両面印刷に対応可能とされている。片面印刷だけの場合には、用紙反転装置28は無くてもよい。
カラー複写機は、パソコンなどの外部端末装置と有線、無線を問わずに接続可能としてプリンタとして機能するようにしてもよい。なお、画像形成装置としては、カラー複写機やプリンタに限定されるものではなく、ファクシミリ、あるいは複写機、プリンタ、ファクシミリ等の少なくとも2つの機能を備えた複合機であってもよい。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第1走行体33および第2走行体34を走行する。そして、第1走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
画像転写後の転写ベルト10は転写クリーニング装置17で、画像転写後に転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成部20による再度の画像形成に備える。
転写ベルト10の製造方法は、ロールコート法、遠心成形法等があり、必要に応じてその表面を研磨しても良い。転写ベルト10の体積抵抗率が上述した範囲を超えると、転写に必要なバイアスが高くなるため、電源コストの増大を招くため好ましくない。また、転写工程、転写紙剥離工程などで転写ベルト10の帯電電位が高くなり、かつ自己放電が困難になるため除電手段を設ける必要が生じる。また、体積抵抗率および表面抵抗率が上記範囲を下回ると、帯電電位の減衰が早くなるため自己放電による除電には有利となるが、転写時の電流が面方向に流れるためトナー飛び散りが発生してしまう。したがって、本発明における転写ベルト10の体積抵抗率および表面抵抗率は上記範囲内であるのが望ましい。
なお、体積抵抗率および表面抵抗率の測定は高抵抗抵抗率計(三菱化学社製:ハイレスタIP)にHRSプローブ(内側電極直径5.9mm,リング電極内径11mm)を接続し、中間転写ベルト10の表裏に100V(表面抵抗率は500V)の電圧を印加して10秒後の測定値を用いた。
形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)・・・式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
形状係数SF−2は、トナー形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4) ・・・式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
これら形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
また、トナー粒径は体積平均粒径で4〜10μmの範囲であることが望ましい。これよりも小粒径の場合には現像時に地汚れの原因となることや、流動性が悪化し、さらに凝集しやすくなるので中抜けが発生しやすくなる。逆にこれよりも大粒径の場合には、トナー飛び散りや、解像度悪化により高精細な画像を得ることができない。本実施形態では、トナー粒径の体積平均粒径が6.5μmのものを用いた。
図3はプロセスカートリッジユニット18Bk、18C、18M、18Yと転写ユニット500とを複写機本体手前側から見た概略図である。図3において、転写ユニット500は、複数の支持部材としての第1〜第10のローラ501〜511と、支持部材としての2次対向ローラ512と、これら各ローラ501〜512に巻き掛けられた転写ベルト10を備えている。ローラ501〜511は、それぞれ図4に示すようにローラ軸501b〜511bの外周に装着された導電性を有するローラであって、ローラ軸501b〜511bと一体回転するように構成されている。複数のローラのうちローラ511とローラ508は、複写機本体100の右端側と左端側に配置されている。本実施形態においてローラ511は駆動ローラとして構成されていて、ローラ501〜510は従動ローラとして構成されている。ローラ511は駆動源としての駆動モータM1によって図中時計周り方向に回転駆動される。この駆動により、転写ベルト10は所定搬送速度で搬送される。
2次対向ローラ512は、芯金の外周にゴム層を備えたゴムローラであって、芯金の部分に2次転写バイアスが印加されるように構成されている。また、本実施形態において、2次転写バイアスは、図示しない制御手段によって定電流制御されたものが印加されるように構成されている。2次対向ローラ512には、2次転写ローラ23が転写ベルト10から離間状態の時にも、2次転写バイアスが印可されるように構成されている。
1次転写ローラ14Bk、14C、14M、14Yは、芯金の外周にゴム層を備えたゴムローラであって、それぞれ芯金の部分に1次転写バイアスが印加されるように構成されている。1次転写バイアスは、図示しない制御を手段によって定電流制御されたものが印加されるように構成されている。
スケールテープ200は、図5(a)に示すように、絶縁性の保護層201と導電性の金属層202と接着層203とが積層された3層構造とされていて、接着層203の接着力によって転写ベルト10の内面10Bに接着固定されて転写ベルト10と一体化されている。導電性の金属層202は、保護層201を構成する絶縁性を有する、たとえばポリエチレンテレフタラート(PET)製の絶縁フィルム上にアルミなどの導電性の金属を蒸着して形成した金属蒸着膜である。スケールテープ200は、金属層202の一方の面202aに保護層201が設けられ、金属層202の他方の面202bに接着層203が設けられている。なお、図5(a)は、スケールテープ200の構成を説明するために、各層を誇張して記載している。
スケールテープ200は、たとえばレーザ加工機などから加工用のレーザ光を保護層201側から金属層202に照射することで、部分的に金属層202を溶融して凹凸部202cが形成されている。凹凸部202cは、図4に示すように、同じ長さで、互いに平行に等間隔で、かつ、ベルト搬送方向Vに沿って極めて小さいピッチで配列され、転写ベルト10の全周に設けられることで、全体として光学検出手段によって読み取られるための検知部となるスケールマークMを構成している。
図5に示すように、スケールテープ200の厚みをt、保護層201の厚みをt1、金属層202の厚みをt2、接着層203の厚みをt3とすると、厚みt1は10μm以上、厚みt2は10μm以上が好ましい。本実施形態では、厚みt1、t2をそれぞれ25tμm、厚みt3を5μmとしたスケールテープ200を用いている。
駆動制御装置71は、モータ駆動回路81を介して駆動モータM1と接続されていて、駆動モータM1の駆動を制御してベルト搬送速度を制御する機能を有している。駆動制御装置71は、後述するように、スケールセンサ300A、300Bからの検出信号からスケールマークMをピッチ補正するための位置データ等を取得し、目標位置データをモータ駆動回路81に入力する等して、転写ベルト10のベルト搬送速度を制御する。このように、駆動制御装置71は、スケールセンサ300A、300Bで検出した転写ベルト10の位置情報等に基づき、モータ駆動回路81に適宜信号を出力し、モータ駆動回路81により駆動モータM1を駆動させて、転写ベルト10のベルト搬送速度をフィードバック制御している。
図7(a)はスケールテープのスケールマークMの平面視図、図7(b)はスケールセンサ300A、300Bの光学系の構成と光路を示す側面透視図、図7(c)はスケールセンサ300A、300Bの検出面の平面図である。このスケールマークMは、反射型のマークであり、図示のように、転写ベルト10の外周面にベルト搬送方向Vに沿って反射部としてのスケールマークMと遮光部Sとが交互に形成されている。
スケールセンサ300A、300Bは、LED等の発光素子111、コリメートレンズ112、スリットマスク113(図7(c)参照)、ガラスや透明樹脂フィルム等の透明カバーからなる受光窓114、及びフォトトランジスタ等の受光素子115を有し、それらが筐体110の各部に固定されている。
スケールセンサ300A、300Bの光源である発光素子111が発光すると、その光がコリメートレンズ112を通過して平行光束になり、スリットマスク113のスケールマークMと平行な複数のスリット113aを通り、複数の光ビームLBに分割されて、中間転写ベルト10上のスケールテープ200に照射される。この複数の光ビームLBの一部がスケールマークMにより反射されて、反射光が受光窓114を通って受光素子115によって受光され、受光素子115が反射光の明暗の変化(強弱)を電気信号に変換する。このように、スケールセンサ300A、300Bは、受光素子115により反射光の強弱を感知してスケールマークMを検出し、転写ベルト10の移動に伴うスケールマークMの有無を、連続的に変調されたアナログ交番信号にして出力する。
図5(b)は、特許文献1(特開2005−234278)に記載のベルト部材の内面に張り付けたスケールテープの概略構成を示す。特許文献1では、積層された絶縁部材(保護層)と金属蒸着膜(導電層)と接着層を有し、スケールテープの金属蒸着膜(金属層)の幅を、樹脂製の絶縁部材(保護層)の幅より小さくして、金属蒸着膜が絶縁部材の側端にまで達しないようにすることで、電流が絶縁部材の側端部からスケールテープに流れることを防止している。しかし、このような構成の場合、絶縁部材をマスキング処理した後に金属蒸着膜を蒸着することになり、その製造が難しく、コストも高くなる。また、ベルト部材に対して絶縁部材の端部が接着されていないので、その部分からスケールテープが剥がれ易くなる。
仮に、図5(c)に示すように、金属蒸着膜の幅よりも広い絶縁部材の部分をベルト部材に張り付けた場合、ベルト部材と絶縁部材の間に空気層(空間)ができ、金属蒸着膜が浮き上がることが想定される。このことは、金属蒸着膜を加工してスリットや凹凸などのスケールマークMを形成し難くなってしまう。つまり、特許文献1のように、スケールテープ側を加工してスケールテープからの漏れる電流をローラに伝わらないようにすると、ベルト部材に対するスケールテープの接着不良が発生しやすくなるとともに、スケールテープの製造が難しくなり作業性の面で課題がある。
そこで、第1の実施形態では、図8に示すように、スケールテープ200と対向する側に、絶縁部材のうち、ローラ状の絶縁部材となる(以下「絶縁ローラ」)600を、複数の導電性のローラのうち、ローラ501〜511と隣接するようにそれぞれ配置した。つまり、転写ユニット500は、スケールテープ200と対向する側に配置され、このスケールテープ200とローラ501〜511の間にそれぞれ介装された絶縁ローラ600を有している。
絶縁ローラ600は、ローラ501〜511を支持するローラ軸501b〜511bの端部に挿入されて回転自在に支持されている。絶縁ローラ600は、ローラ501〜511と各軸501b〜511bに対して自由回転するとともに、それぞれがローラ501〜511と同一の回転中心となるように配置されている。つまり、絶縁ローラ600は、ローラ501〜511と同一の回転中心を中心として回転可能とされているとともに、ローラ軸501b〜511bに挿入されている。
絶縁ローラ600の直径r1は、ローラ501〜511のそれぞれの直径r2よりも、スケールテープ200の厚みt分だけ小径に形成されていて、転写ベルト10が巻き掛けられたときに、スケールテープ200の厚みt分だけベルト端部10Aに段差ができないように構成されている。各絶縁ローラ600は、スケールテープ200のベルト幅方向Xへの幅X1よりもその幅X2が広く形成されていて、各ローラ501〜511の端面501a〜511aとの対向端面となる端面600aが、各ローラ501〜511の端面501a〜511aとベルト幅方向Xにずれて配置されている。つまり、各ローラ501〜511の端面501a〜511aとスケールテープ200の端面200aとは、各絶縁ローラ600の突出量X3=(X2−X1)分だけベルト幅方向Xにオフセットされている。
絶縁ローラ600に用いる材質としては、絶縁性を備えているものでればよく、たとえば、ABS樹脂やポリカーボネート樹脂(PC樹脂)が挙げられる。摺動性を考慮するとポリアセタール樹脂(POM樹脂)が好ましい。本実施形態では、ポリアセタール樹脂(POM樹脂)を絶縁ローラ600に用いている。
絶縁ローラ600の構成としては、筒状に形成し、すべてを絶縁材料で成型したものであってもよいし、筒状の芯金の外周に絶縁層を設けて成型したものであってもよい。何れの場合においても、絶縁材料や絶縁層の厚みは、少なくともスケールテープ200から伝わる電流を完全に遮断できる程度は必要であり、転写バイアスの電圧、転写ベルト10の厚み、スケールテープ200の厚みなどとの関係も考慮すると、0.5μ以上とするのが好ましい。
つまり、1次転写ローラ14Bk、14C、14M、14Yや2次対向ローラ512からスケールテープ200にリークした電流がローラ501〜511に流れなくなる。このため、電流供給(電車バイアス)を必要としないローラ501〜511に対する不必要な電流の流れ込が絶たれ、ノイズの発生を防止できるとともに、1次転写ローラ14Bk、14C、14M、14Yや2次対向ローラ512に対するバイアス供給不足も防止できる。
本実施形態では、スケールテープ200の保護層201は、金属層202及び接着層203と同一の幅として形成しているので、金属層202及び接着層203に対する保護層201のベルト幅方向Xへのはみ出しがなく、従来構成のように転写ベルト10の内面10Bとの間に隙間が形成されないため、他の部材が引っかかることがなく、引っかかりによる剥がれを防止できる。
また、本実施形態に係るベルトユニットとしての転写ユニット500は、ローラ軸501b〜511bを有する導電性の複数のローラ501〜511と、複数のローラ501〜511に巻き掛けられて搬送されるベルト部材としての転写ベルト10と、転写ベルト10の内周面(内面)10B側にベルト搬送方向Vに渡って配置され、光学検出手段300A、300Bによって読み取られる導電部としての金属層202を有する読取部としてのスケールテープ200と、ローラ軸501b〜511bに取り付けられ、スケールテープ200と対向する絶縁部材としての絶縁ローラ600を有している。このように絶縁ローラ600をローラ軸501b〜511bに取り付ける構成とすることで、従来技術よりも作業性(ベルトユニットの組立性)が良くなる。
接離手段230は、2次転写ローラ23を回転自在に支持するとともに回転軸231で接離方向に揺動可能に支持されたローラユニット保持体232と、ローラユニット保持体232を接触方向に付勢する付勢手段としてのコイルばね233と、ローラユニット保持体232を接離動作するための偏心カム234と、偏心カム234と対向配置された受け部材としてのコロ235とを備えている。コロ235は、2次転写ローラ23を回転自在に支持する軸23aの、軸線方向に位置する端部にそれぞれ回転自在に支持され一対のコロとして配置構成されている。
偏心カム234は、2次対向ローラ512を回転自在に支持する軸512aの、軸線方向に位置する端部にそれぞれ回転自在に支持されて、各コロ235と当接する一対のカムとして配置構成されていて、駆動モータM2が駆動することで回転駆動されて、その角度が変更される。各カム234は、厚紙用のカム部234Aと、薄紙用のカム部234Bとを備えていて、用紙厚さ情報に応じて駆動モータM2の駆動が制御されることで回転されて各コロ235と当接する部位を厚紙用のカム部234Aと薄紙用のカム部234Bとに切り替えられる。薄紙用のカム部234Bがコロ235と当接しているときには、転写ベルト10と2次転写ローラ23とは当接状態となり、厚紙用のカム部234Aがコロ235と当接しているときには、転写ベルト10と2次転写ローラ23とは離間状態となる。このため、厚紙の用紙Pが2次転写部22を通過する際には、2次転写ローラ23と転写ベルト10の間の離間距離Zは、薄紙の用紙Pが通過する場合に比べて広くなる。
このような構成をカラー複写機が備えている場合、2次転写バイアスは2次転写ローラ23と転写ベルト10との接触、離間状態に関わらず、用紙Pが2次転写部22に到達する前から2次対向ローラ512に印加している。つまり、2次転写ローラ23が離間状態時にあっても2次転写バイアスを2次対向ローラ512に供給している。このように2次転写ローラ23が転写ベルト10から離間状態の時に2次転写バイアスを印加状態のままとすると、2次転写バイアスの流れる場所がなくなり(抵抗が絶縁となる)、転写ベルト10の電圧の上昇を招き、スケールテープ200に対して電流が流れやすくなり、結果として転写ベルト10の内面10B側に配置された、2次対向ローラ512以外で、帯電対策が施されていないローラ501〜511へのリークや、放電が発生しやすくなってしまう。
本実施形態は、図10に示すように、転写ベルト10が巻き掛けられた複数のローラ501〜512の内の少なくとも1つの支持部材としてのローラ508を、ベルト搬送方向Vと交差する異なる方向へその姿勢を調整する調整手段700を有している。
一般に、複数のローラにベルト部材を巻き掛けたベルトユニットにおいては、ローラの形状や、組み付けで生じる傾斜、ベルトが元々有するベルト搬送方向と交差するベルト幅方向の周長偏差により、ベルト部材がベルト幅方向に移動する、いわゆるベルト寄りが発生する。このベルト寄りが生じた場合、寄り量が所定量を超えれば、ベルトユニットの構成部品にベルト部材の端部が接触して搬送不良となる。また、第1の実施形態のように、ベルトユニットを転写ユニットに適用し、ベルト部材を転写ベルト10に用いた場合、転写ベルト10上に各色の像を重ね転写するため、ベルト寄りが生じると、色毎の像のベルト幅方向への転写位置が異なり色ズレの要因となる。
ステアリング方式では、ベルト寄りの発生をベルト寄り検出センサ710で検出すると、寄りと反対方向に転写ベルト10が寄るようにステアリングローラとなるローラ508の傾斜角度を調整手段700で傾斜させ、元々生じていた寄り量と、ローラ508による寄り量が釣り合うようにすることで、転写ベルト10の寄りを抑制するように制御する。
ベルト幅方向Xに位置し、ローラ508を回転可能に支持する軸508Aの両端は、軸受等で回転可能に支持されているとともに、ベルト幅方向となる軸508Aの軸線方向と交差(直交)する方向Yにその一方側が揺動可能に支持されていて、ローラ508を、他のローラに対して傾斜角を偏角設定可能としている。すなわち、ローラ508は、ベルト搬送方向Xと交差する異なる方向Yへの姿勢を変更可能に支持されている。調整手段700は、この軸508Aの一端に設けられている。調整手段700は、姿勢変更時に作動する駆動源となる駆動モータ701と、駆動モータ701の出力軸702と軸508Aとをつなぐ支持部材としてのステアリングアーム703を有している。調整手段700は、駆動モータ701が作動してその出力軸702が回転駆動すると、その回転方向によりローラ508を図中上下方向Yに揺動して偏角するように構成されている。本実施形態において、ローラ508における偏角方向は、転写ベルト10に張力を与える方向(ローラ巻付き角の2等分線方向)に対して直交する方向に設定し、この方向に寄り補正ローラとなるローラ508を傾斜させることでベルト寄りを効果的に変えて調整可能としている。
このような調整手段700によるローラ508の傾斜角調整機能と、制御手段800による報知機能を備えている場合、図8に示すように、先に説明したローラ501〜511の端面ローラ501a〜511aとスケールテープ200の端面200aとの間隔をd2としたとき、許容移動量d1<間隔d2となるように設定する。
なお、上記各実施形態において、転写ベルト10に設けたスケールテープ200は、絶縁性の保護層201と金属層202と接着層203の三層構造として説明したが、スケールテープ200と対向する側には、絶縁ローラ600をそれぞれ配置しているため、絶縁目的のために、保護層201を設ける必要はなく、例えば図10に示すように接着層203と金属層202の二層構造としたものであってもよい。このような二層構造のスケールテープ200の場合、その厚さtを薄くすることができる。
たとえば、絶縁部材として、ローラ状の絶縁部材となる絶縁ローラ600を用いたが、ローラ形状のものでなくてもよく、絶縁ローラ600に換えて、断面が多角形のものや、楕円状のものを用いてもよい。
上記の実施形態では、ベルト部材として中間転写体となる転写ベルト10を有するベルトユニット(転写ユニット500)に対して絶縁ローラ600を用いたが、本発明の適用対象となるベルトユニットはこれに限らない。例えば、感光体40Bk、40C、40M、40Yとの間に転写ニップを形成するとともに、各感光体上のトナー像を転写ニップで記録媒体としての用紙Pへ転写するために用紙Pを搬送する転写搬送ベルトに対して絶縁ローラ600を用いてもよい。また、本実施形態では、カラー画像(トナー像)を担持可能なベルトユニットに絶縁部材を適用したが、カラー画像(トナー像)ではなく、単色のトナー像のみを担持するベルト部材を支持する複数のローラの端部に絶縁部材を回転可能に設けてもよい。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
10A ベルト端部(一方側)
10B 内面(支持部材と対向する側)
200 スケールテープ(読取部)
200a 読取部の端面
201 保護層
202 金属層(導電部)
203 接着層
300A、300B 光学検出手段
500 ベルトユニット(転写ユニット)
501〜511 ローラ(複数の支持部材)
501a〜511a 支持部材の端面
600 絶縁ローラ(ローラ状の絶縁部材)
600a 絶縁部材の端面(対向端面)
d1 許容移動量
d2 支持部材の端面と読取部の端面との間隔
V ベルト搬送方向
X ベルト幅方向
X1 読取部の幅
X2 絶縁部材の幅
Claims (8)
- 搬送されるベルト部材と、
前記ベルト部材の内側と外側の回転ローラ間にバイアスが印可される回転ローラ対と、
前記ベルト部材を支持する導電性を有する複数の支持部材と、
前記ベルト部材のベルト搬送方向と交差するベルト幅方向の少なくとも一方側で、前記支持部材と対向する側にベルト長手方向に渡って配置され、光学検出手段によって読み取られる導電性を有する読取部と、
前記読取部と対向する側で前記読取部と前記支持部材の間に配置された絶縁部材を有するベルトユニット。 - 請求項1記載のベルトユニットにおいて、
前記絶縁部材はローラ状で、前記支持部材と同一の回転中心を中心として回転可能であるベルトユニット。 - 請求項1又は2記載のベルトユニットにおいて、
前記ベルト幅方向における、前記絶縁部材の幅は、前記読取部の幅よりも広く形成されていて、前記支持部材の端面との対向端面が、前記読取部の端面とベルト幅方向にずれて配置されているベルトユニット。 - 請求項1ないし3の何れか1項に記載のベルトユニットにおいて、
前記ベルト部材と前記ベルト部材の外側の前記回転ローラとが接離可能に設けられ、前記ベルト部材と前記回転ローラとが離間状態時にも、前記回転ローラ対には前記バイアスが印可されるベルトユニット。 - 請求項1記載のベルトユニットにおいて、
前記絶縁部材はローラ状で、前記支持部材と同一の回転中心を中心として回転可能で、
前記ベルト幅方向における、前記絶縁部材の幅は、
前記読取部の幅よりも広く形成されていて、
前記支持部材の端面が、前記読取部の端面とベルト幅方向にずれて配置されていて、
前記ベルト部材の搬送時における幅方向への許容移動量をd1、前記支持部材の端面と前記読取部の端面との間隔をd2としたとき、d1<d2としたベルトユニット。 - 搬送されるベルト部材と、
前記ベルト部材の内側と外側の回転ローラ間にバイアスが印可される回転ローラ対と、
前記ベルト部材を前記ベルト部材の内側から支持する導電性を有する複数の支持部材と、
前記ベルト部材の内側にベルト搬送方向に沿って配置され、光学検出手段によって読み取られる導電性を有する読取部と、
前記読取部と対向する側で前記読取部と前記支持部材の間に配置された絶縁部材を有するベルトユニット。 - 請求項6記載のベルトユニットにおいて、
前記絶縁部材はローラ状であって、前記支持部材の軸に挿入されるベルトユニット。 - 請求項1ないし7の何れか1項に記載のベルトユニットを備えた画像形成装置。
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