JP2011033827A - ベルト搬送装置及び定着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着ベルト15及び定着ベルト15の寄りを検知する検知軸48aの耐久性の向上を図れる構造を実現する。
【解決手段】検知軸48aが定着ベルト15の幅方向の移動により矢印B方向に回動する。これにより、支持部材52aを介して駆動軸51aと共に係合部材53aが回動する。そして、係合部材53aがブラケット50aに固定の被係合部との係合に基づいて駆動軸51aの軸方向に移動する。係合部材53aの軸方向移動により、支持部材52aと共に検知軸48aが定着ベルト15の厚さ方向に移動する。この結果、検知軸48aと定着ベルト15との摺擦部が移動して、上記課題を解決できる。
【選択図】図9

Description

本発明は、エンドレスベルト(無端ベルト)の幅方向の移動(寄り)を検知して制御するベルト搬送装置、及び、このようなベルト搬送装置を有する定着装置に関する。
近年、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置で使用される加熱方式の定着装置として、例えば、電磁誘導加熱ベルト方式の定着装置が実用化されている。このような定着装置は、互いに対向する定着ベルトと加圧ベルトとの間に記録材を挟持搬送しながら、加熱及び加圧することにより、トナー像を記録材に定着する。そして、このようにベルト同士の間で記録材を挟持するため、ローラ同士で記録材を挟持する構成に比べて充分なニップ幅を得られる。
上述の電磁誘導加熱方式の定着装置は、電磁誘導発熱体を有するベルト(エンドレスベルト)を用いている。即ち、この電磁誘導発熱体に磁束を通過させると渦電流が発生し、この渦電流に起因してジュール熱が発生する。そして、電磁誘導発熱体が加熱され、この熱を利用してトナー像の記録材への定着を行う。このような電磁誘導発熱体として、鉄、ニッケル合金等の強磁性の金属(透磁率の高い金属)を使うことで、磁束を金属内部により多く拘束させる、即ち、磁束密度を高くすることができる。したがって、このような材料を使用することにより、効率的にベルトを発熱させることができる。このようなベルトとして、例えば、60〜80μm程度の厚みをもつニッケル合金の表層に厚さ300μm程度のシリコンゴムを被覆したものが用いられる。更に、このシリコンゴムの表層にPFAもしくはPTFE耐熱離型層を被覆すると共に、ニッケル合金の内面には耐熱ポリイミド層を形成したものが用いられる場合もある。
何れにしても、上述のベルトを例えば2個の支持ロールにより張架し、回転させることにより、記録材の搬送及びトナー像の定着を行う。このようなベルト搬送装置は、不可避の製造誤差などによりベルトが幅方向に移動する、所謂寄りが発生することが避けられない。このため、従来から、ベルトの寄りを検知して、支持ロールのアライメントを変化させることにより、この寄りを調整することが行われている。
このような寄りを検知する手段として、検知部をベルトの幅方向端部に当接させる構造がある。この構造の場合、ベルトとの当接によりこの検知部が検知したベルトの幅方向位置に基づいて、支持ロールのアライメントを制御する。但し、このように検知部をベルトに当接させてベルトの幅方向位置を検知する構造の場合、検知部とベルトとが摺擦し続けることにより、検知部の摺擦部分の表面性が悪化する。そして、この摺擦部分の摩擦係数が増加してベルトの端部にクラックなどが発生して、このベルトが破損する可能性がある。したがって、従来は、定期的にベルトの交換を行うことが必要で、ランニングコストが高くなることが避けられなかった。
このような事情に鑑み、検知部としてワイヤ状のアームの周囲に弾性コロを回転自在に配置したものを使用し、この弾性コロの外周面をベルトに接触させる構造が知られている(特許文献1参照)。即ち、この構造の場合、弾性コロをベルトの回転に伴い回転させることにより、弾性コロとベルトとの摺動を抑えて上述のような問題生じにくくできる。
特許第3636275号公報
近年、特に画像形成装置の定着装置においては、耐久性能の向上、ランニングコストの低減等のために、定着ベルトや加圧ベルトの長期に渡る機械的性能の安定性、信頼性を確保することが求められている。しかし、上述の特許文献1に記載された構造でも、このような要求に十分に応えることは難しい。即ち、特許文献1に記載された構造の場合、使用により弾性コロとアームとの摺動部で摩擦係数が変化し、弾性コロがアームに対して回転しにくくなる。この結果、弾性コロとベルトとが摺擦することになり、弾性コロの表面性が悪化する。そして、弾性コロとベルトとの摺擦部の摩擦係数が増加し、ベルトが破損する可能性がある。
特に、定着装置に使用する定着ベルトや加圧ベルトのように、誘導発熱体としての機能をもたせるためにニッケル合金等の金属層を含んだ構造をもったベルトの場合、剛性、硬度が高いことに加えて、ベルト端部の加工時の微小なバリ等が生じる。このため、上述のような摺擦部に摩耗が生じやすく、検知部の表面性が悪化し、摩擦係数が増加し易い。このような摩擦係数の増加を抑えるため、例えば、摺擦部にシリコンオイル等の離型材を塗布することが考えられる。しかし、摩擦係数増加の進行速度を低下させることはできるが、使用し続けるに従い、やはり摺擦部の表面性が悪化することは避けられない。
本発明は、このような事情に鑑み、ベルト搬送装置及び定着装置に使用するエンドレスベルト及び、エンドレスベルトの寄りを検知する検知部の耐久性の向上を図れる構造を実現するものである。
本発明は、エンドレスベルトと、該エンドレスベルトを張架し、該エンドレスベルトを回転させる回転手段と、該エンドレスベルトを幅方向に移動させて該エンドレスベルトの幅方向位置を調整する調整手段と、該エンドレスベルトの幅方向端部位置を検知する検知手段と、該検知手段により検知した該エンドレスベルトの幅方向位置に基づいて前記調整手段を制御する制御手段と、を備えたベルト搬送装置において、前記検知手段は、その一部が前記エンドレスベルトの幅方向端部と当接して該エンドレスベルトの幅方向端部位置を検知するための検知部と、該検知部を該エンドレスベルトの厚さ方向に移動させて、該検知部と該エンドレスベルトの幅方向端部との当接位置を変化させる移動手段と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、検知部をエンドレスベルトの厚さ方向に移動させて、検知部とエンドレスベルトの幅方向端部との当接位置を変えることができるため、検知部の表面性が部分的に悪化することを防止できる。この結果、検知部とエンドレスベルトとの摺擦部で摩擦係数が増加することを抑えられ、検知部及びエンドレスベルトの破損を生じにくくできる。そして、検知部及びエンドレスベルトの長期に渡る機械的性能の安定性、信頼性を確保でき、検知部及びエンドレスベルトの交換を不要或は交換までの期間を長くし、ランニングコストの低減を図れる。
本発明に係る定着装置を組み込む画像形成装置の概略構成図。 第1の実施形態に係る定着装置の正面図及び平面図。 同じく正面側及び背面側から見た斜視図。 同じく断面位置を変えて示す断面斜視図。 同じく断面図。 第1の実施形態に係るベルト部分と検知手段とを抜き出して示す断面図。 同じく一部を示す正面図。 同じく一部を示す斜視図。 第1の実施形態に係る定着ベルトの寄りを検知する部分を拡大して示す斜視図。 第1の実施形態に係る定着ベルトの寄りを検知する検知手段を示す斜視図。 同じく側面図。 同じく正面図。 同じく側面から見た断面図。 同じく正面から見た断面図。 第1の実施形態に係る係合部材の斜視図。 第1の実施形態に係る加圧ベルトの寄りを検知する部分を拡大して示す斜視図。 第1の実施形態に係る加圧ベルトの寄りを検知する検知手段を示す斜視図。 同じく側面図。 同じく側面から見た断面図。 同じく正面から見た断面図。 第2の実施形態に係る定着装置の断面斜視図。 第2の実施形態に係るベルト部分と検知手段とを抜き出して示す断面図斜視図。 第2の実施形態に係る検知手段の斜視図。 同じく側面図。 同じくブラケットを取り外して平面側及び底面側から見た斜視図。 同じく図24の下方から見た図。 同じく作動の2状態を示す断面図。
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図1ないし図20により説明する。本実施形態は、本発明のベルト搬送装置を、電子写真方式のレーザプリンタ、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置を構成する定着装置に適用したものである。まず、図1によりこの画像形成装置について簡単に説明する。画像形成装置1は、Y(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各色のステーションを並べて配置した中間転写方式のタンデム型の構造である。各ステーションでは、それぞれ、感光体である感光ドラム2の周囲に、感光ドラム2の回転方向に沿って、帯電手段である帯電ローラ3、現像手段である現像器4、転写手段である転写ローラ5を配置している。画像形成を行う場合には、帯電ローラ3により感光ドラム2の表面を所定の極性、電位に帯電させる。次に、露光装置6から画像情報に応じたレーザ光を照射して、感光ドラム1表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する。次に、現像器4により静電潜像にトナーを付着させて、トナー像を形成する。そして、各ステーションで形成されたトナー像を、所定のタイミングで、転写ローラ5に転写バイアスを印加することにより、順次、像担持体である中間転写ベルト7に転写する。中間転写ベルト7に転写されたトナー像は、二次転写部8で次述する記録材搬送手段により搬送される記録材Pに転写される。
記録材搬送手段は、記録材Pを給紙カセット9から1枚ずつ送り出すピックアップローラ10と、送り出された記録材Pを搬送する搬送路11と、搬送された記録材Pを所定のタイミングで二次転写部8に送り込むレジストローラ対12とを備える。ピックアップローラ10により搬送路11に送り出された記録材Pは、レジストローラ対12により一旦受け止められ、斜行を補正される。そして、記録材Pは、レジストローラ対21により所定のタイミングで二次転写部8に搬送され、トナー像が転写される。二次転写部8でトナー像を転写された記録材Pは、定着装置13に搬送され、加熱加圧されることで表面にトナー像を定着させる。その後、トナー像を定着した記録材Pは、フェイスアップ(トナー像が上側)で、排紙トレイ14に排出される。なお、記録材Pの具体例として、普通紙、普通紙の代用品である樹脂製のシート状のもの、厚紙、オーバーヘッドプロジェクター用などがある。
次に、定着装置13について、図2ないし5により説明する。定着装置13は、対向する定着ベルト15と加圧ベルト16とを有し、これら両ベルト15、16間で記録材Pを挟持搬送しながら、記録材Pにトナー像を定着するものである。このような定着装置13は、ローラによる定着装置と比べて十分なニップ幅を得られるため、搬送速度が速くてもトナー像の定着を十分に行える。したがって、特に、高速の画像形成装置に適する。また、本実施形態の定着装置13は、電磁誘導加熱方式を採用しており、加熱体として電磁誘導発熱体を用いている。即ち、電磁誘導発熱体に磁場発生手段により磁場を作用させることにより、電磁誘導発熱体に渦電流が発生し、さらに渦電流に起因してジュール熱が発生する。そして、このジュール熱によって被加熱材としての記録材Pに熱を付与し、記録材Pの表面に担持されている未定着のトナー像を、この記録材Pの表面に加熱定着する。
このような定着装置13は、フレーム17a、17bに2本のロール18a、18bと2本のステアリングロール19a、19bとを回転自在に支持している。そして、ロール18aとステアリングロール19aとにエンドレスベルトである定着ベルト15を掛け渡している。また、ロール18bとステアリングロール19bとにエンドレスベルトである加圧ベルト16を掛け渡している。そして、これら各ロール18a、18b、19a、19bにより、ベルト15、16をそれぞれ張架し、循環回転可能としている。本実施形態の場合、例えば、定着ベルト15が196N、加圧ベルト16が100Nの張力で、それぞれ掛け渡されている。また、このような各ロール18a、18b、19a、19bにより、回転手段を構成している。
定着ベルト15は、鉄、ニッケル合金等の強磁性の金属(透磁率の高い金属)を誘導発熱体として使用している。この誘導発熱体として、例えば60〜80μ程度の厚みをもつニッケル合金を使用する。そして、この誘導発熱体の外面に、厚さ300μm程度のシリコンゴム、さらにシリコンゴムの表層にPFAもしくはPTFE耐熱離型層を被覆するとともに、誘導発熱体の内面には耐熱ポリイミド層を形成している。また、加圧ベルト16は、誘導発熱体としての機能をもつために定着ベルト15と同様の構造を有するベルトを使用する。但し、加圧ベルト16を、誘導発熱体としての機能を省いて、定着ベルト15との間でニップを形成するニップ形成機能に特化するため、ニッケル合金層をなくしたベルトとしても良い。
また、(定着)ロール18aは、例えば外径20mm、内径18.5mmのスチール円筒管からなる金属製コアの表面に、弾性層及び耐熱離型層を被覆したものである。例えば、金属製コアの表面に、厚さ2mm、硬度(アスカC)45゜のシリコンゴムからなる弾性層を、さらに弾性層の表層にPFAもしくはPTFE耐熱離型層を被覆して、ロール18aとする。一方、(加圧)ロール18bは、例えば、外径20mmの中実ステンレス鋼により形成されている。また、ロール18bは、定着ベルト15と加圧ベルト16との間でニップを形成すべく、ロール18aに対して加圧、圧接され、ロール18aの弾性層を所定量弾性的に歪ませるものである。このようなロール18a、18bは、図示しない駆動源から伝達される動力により回転し、定着ベルト15又は加圧ベルト16とを回転駆動する。
また、ステアリングロール19a、19bは、例えばアルミニウム合金によって外径が20mm程度に形成された中実ロールであり、両端部が所定のテンションにより付勢されている。また、ステアリングロール19a、19bは、後述する調整手段により一方の端部側のアライメントを変化させて、定着ベルト15及び加圧ベルト16の幅方向の蛇行を調整する。
次に、各ロール18a、18b、19a、19bの支持部分の具体的な構造について説明する。まず、(定着)ロール18aは、図3の上側のフレーム17aを構成する上側板20a、20bにそれぞれ保持された軸受21により回転可能に支持されている。また、(加圧)ロール18bは、図3の下側のフレーム17bを構成する下側板22a、22bにそれぞれ保持された軸受21により回転可能に支持されている。また、(定着)ステアリングロール19aは上側板20a、20bにそれぞれ保持された軸受23により、(加圧)ステアリングロール19bはした側板22a、22bにそれぞれ保持された軸受23により、それぞれ回転可能に支持されている。なお、図示の例の場合、これら各軸受21、23として、例えば合成樹脂製の鍔付のブシュなどにより構成される滑り軸受を使用している。勿論、各軸受21、23を転がり軸受としても良い。
また、図3に示すように、上下側板20a、20b、22a、22bの側面には、テンショナケース24a、24bがそれぞれ設けられている。テンショナケース24a、24bには、ステアリングロール19a、19bの両端部を支持する軸受23が、ベルトテンション方向にスライド可能に配置されている。また、テンショナケース24a、24b内には、軸受23をベルトテンション方向に付勢するためのテンションバネ85が保持されている。このテンションバネ25は、(定着)ステアリングロール19aには例えば10N程度、(加圧)ステアリングロール19bには例えば5N程度、それぞれ片側の端部毎に付勢するようにしている。
また、図3(b)に示すように、片側の上下側板20a、22aに設けられたテンショナケース24aは、それぞれロール18a、18bと平行に配置された揺動軸25を中心に揺動可能としている。また、テンショナケース24aの周囲には扇形ギア26を固定し、テンショナケース24aと共に扇形ギア26が揺動軸25を中心に揺動可能としている。扇形ギア26は、揺動軸25と反対側の外周に形成された複数の歯を、ロール18a、18bと直角な方向に配置されたウォーム27に噛合させている。そして、ステッピングモータ28の駆動によりウォーム27を回転させることにより、扇形ギア26をテンショナケース24aと共に揺動軸25を中心として揺動させる。テンショナケース24aには、ステアリングロール19a、19bの片側の端部を支持する軸受23が配置されている。このため、テンショナケース24が揺動軸25を中心として揺動することにより、ステアリングロール19a、19bの片側のアライメントを調整可能である。また、ステッピングモータ28は、制御手段である制御部Cにより制御される。
また、このように各ロール18a、18b、19a、19bを支持するフレーム17a、17bは、ステアリングロール19a、19bを配置した側で、ヒンジ軸29により回動可能に接続されている。また、図2(a)、図3(a)に示すように、ヒンジ軸29と反対側に加圧バネ30を設け、ロール18a、18bを配置した側でフレーム17a、17bを互いに近づく方向に付勢している。図4、5に示すように、ロール18a、18bと隣接する部分には、パッド31a、31bをそれぞれ配置している。これら各パッド31a、31bは、それぞれフレーム17a、17bに固定されている。したがって、加圧バネ30により、ロール18a及びパッド31aと、ロール18b及びパッド31bとが互いに近づく方向に付勢される。そして、これらロール18a及びパッド31aと、ロール18b及びパッド31bとが、定着ベルト15及び加圧ベルト16を介して弾性的に当接し、ニップを形成する。図5に示すように、記録材Pは、ステアリングロール19a、19b側から搬送されるため、ニップの記録材搬送方向上流側がパッド31a、31bにより、同じく下流側がロール18a、18bにより、それぞれ構成される。
なお、(定着)パッド31aは、例えばステンレス鋼材を引抜き加工にて形成したもので、(加圧)パッド31bは、鋼板上に耐熱シリコンゴムを成型加工にて形成したものである。また、パッド31a、31bで形成される上流ニップ部で約400N程度、ロール18a、18bで形成される下流ニップ部で約300N程度のニップ圧が設定されている。また、このようなニップ部の下流側には、記録材Pが加圧ベルト16から分離されずに巻きつくことを防止するために、複数の分離爪32を設けている。各分離爪32は、分離爪付勢バネ33により爪の先端が加圧ベルト16に軽圧にて付勢されている。
次に、電磁誘導加熱方式に関する構造について説明する。図4、5に示すように、フレーム17a内の定着ベルト15と近接対向する位置には、磁束発生手段であるIHヒータ34を配置している。IHヒータ34は、励磁コイル35(以下、コイルと称す)と、磁性体コア36(以下、コアと称す)と、コイル35とコア36を保持するホルダ37とから構成される。
コイル35は、長手方向(定着ベルト15の幅方向)に略楕円形状(横長舟形)となるように形成されており、定着ベルト15の表層面近傍に沿うようにホルダ37の内部に配置されている。コイル35の芯線としては、φ0.1〜0.3mmの細線を略80〜160本程度束ねたリッツ線を用いている。細線には絶縁被覆電線を用いている。コイル35はこのリッツ線を8〜12回巻回して構成したものが使われる。コイル35には励磁回路が接続されて、交流電流が供給されるようになっている。
コア36は、コイル35の巻き中心部と周囲を囲むように構成されている。このようなコア36は、コイル35により発生した交流磁束を効率よく、定着ベルト15を構成する誘導発熱体に導く役目をする。すなわち磁気回路の効率を上げるためと磁気遮蔽のために用いている。コア36の材質としては、フェライト等の高透磁率残留磁束密度の低いものを用いると良い。
このような構成による発熱メカニズムは次の通りである。コイル35は励磁回路から供給される交流電流によって交流磁束を発生し、交流磁束はコア36に導かれて定着ベルト15の誘導発熱体に渦電流を発生させる。その渦電流は誘導発熱体の固有抵抗によってジュール熱を発生させる。即ち、コイル35に交流電流を供給することで定着ベルト15が電磁誘導発熱状態になる。本実施形態では、誘導発熱体として強磁性の金属(透磁率の高い金属)を使用しているため、IHヒータ34から発生する磁束を金属内部により多く拘束させることができる。そして、磁束密度を高くすることができることにより、金属表面に渦電流を発生し、効率的に定着ベルト15を発熱させることができる。なお、コイル35に供給される交流電流は、定着ベルト15の表層温度を検知するためのサーミスタ38からの温度情報をもとに制御される。例えば、サーミスタ38の検知部位において180〜200℃程度となるように制御される。
このように構成される定着装置13は、図5に示すように、未定着のトナーTを載せた記録材Pをフレーム17bに設けた入口ガイド39に案内する。この記録材Pは、図5の矢印方向に搬送され、定着ベルト15と加圧ベルト16とのニップ部へ進入する。そして、ニップ部にて加熱、加圧されることによって記録材Pにトナー像が定着される。ニップ部を通過した記録材Pは排紙ガイド40に案内され、図1に示す排出ローラ対41によって排紙トレイ14へと搬送排出される。なお、図2、図3(a)、図5に示すように、ニップ部の下流側に排紙検知センサ42を設け、記録材Pの排出を検知している。この排紙検知センサ42は、レバー部43が記録材Pの先端により押されることにより、回動軸44{図2(a)、図3(a)}を中心に、図5の時計方向に回動する。この際、レバー部43と一体に形成されたセンサ遮光部45がフォトセンサ46{図3(a)}の受光スリットを遮光することにより、記録材Pの通過を検知する。
次に、定着ベルト15及び加圧ベルト16の寄りを検知する構造について、更に、図6ないし図20も参照しつつ説明する。まず、図6ないし図8に示すように、定着ベルト15及び加圧ベルト16の一方の幅方向端部近傍には、これら両ベルト15、16の幅方向端部位置を検知する検知手段である、検知ユニット47a、47bが配置されている。なお、図示の例の場合、検知ユニット47a、47bをステアリングロール19a、19bから離れた位置、即ち、ロール18a、18bの近傍に配置している。これは、ステアリングロール19a、19bのアライメント調整時の影響を少なくするためである。
このように配置される検知ユニット47a、47bのうち、定着ベルト15の幅方向端部位置を検知する検知ユニット47aについて、図9ないし図15により説明する。検知ユニット47aは、検知部である検知軸48aと、移動手段である移動ユニット49aとを備える。このうちの検知軸48aは、例えば、ステンレス鋼や鉄にクロムなどのメッキを施したような硬質の材料により、軸方向に長い円柱状に形成される。このような検知軸48aは、その軸方向一部が定着ベルト15の幅方向端部と当接して、定着ベルト15の幅方向端部位置を検知するためのものである。また、移動ユニット49aは、検知軸48aを定着ベルト15の厚さ方向に移動させて、検知軸48aと定着ベルト15の幅方向端部との当接位置を変化させるものである。
移動ユニット49aは、このように検知軸48aを移動させるために、ブラケット50aと、駆動軸51aと、支持部材52aと、係合部材53aと、被係合部54aとを備える。このうちのブラケット50aは、部分的に開口された略箱型に形成され、装置に固定されるものである。また、駆動軸51aは、定着ベルト15の厚さ方向に配置され、ブラケット50aに回転自在に支持されている。このために、ブラケット50aの図11ないし図14の上下方向上端部と下端部に設けた上板部55及び下板部56とに、駆動軸51aの両端部を軸受57を介して支持している。図示の例の場合、この軸受57は、合成樹脂からなる鍔付のブシュなどの滑り軸受としているが、転がり軸受としても良い。
また、支持部材52aは、検知軸48aを支持固定するもので、駆動軸51aにワンウェイクラッチ58を介して支持されている(図13、14参照)。このため、支持部材52aは、駆動軸51aに対し一方向の回転のみ伝達可能である。また、支持部材52aは、ブラケット50aに対する駆動軸51aの軸方向変位が可能としている。即ち、支持部材52aは、円筒部59と、この円筒部59の円周方向一部から延出され、駆動軸51aの軸方向に折り曲げられたレバー部60aとを備える。円筒部59のレバー部60aから円周方向に関して外れた部分には、遮光リブ71を設けている。そして、円筒部59をワンウェイクラッチ58を介して駆動軸51aに支持すると共に、レバー部60aの先端に検知軸48aを駆動軸51aと平行に固定している。また、ワンウェイクラッチ58は駆動軸51aに対し一方向の回転は伝達するが、軸方向の相対変位が可能に支持されている。このために、例えば、駆動軸51aの外周面に軸方向に亙って形成した突条を、ワンウェイクラッチ58の内周面に軸方向に亙って形成した凹溝内に係合すると共に、ワンウェイクラッチ58を駆動軸51aに緩く嵌合する。なお、ワンウェイクラッチ58は円筒部59に回転方向及び軸方向の相対変位不能に、例えば、締まり嵌めで嵌合する。
遮光リブ71は、検知軸48aと共に駆動軸51を中心に回動し、ブラケット50aの一部に設けられたフォトインタラプタ61の検知スリット62を塞ぐ。遮光リブ71がこの検知スリット62を塞ぐと検知軸48aの回動を検知する。また、支持部材52aとブラケット50aとの間に、支持部材52aを遮光リブ71がフォトインタラプタ61に向かう方向と逆方向に回動させる方向に付勢する戻しばね63を配置している。したがって、支持部材52aには、常に、フォトインタラプタ61と反対側に回動する力が付勢されている。また、支持部材52aの円筒部59とブラケット50aの上板部55との間に、弾性的に圧縮した状態で付勢ばね64を配置し、支持部材52aを上板部55から離れる方向に付勢している。
また、係合部材53aは、駆動軸51aの支持部材52aと軸方向に当接する位置に、駆動軸51aに対する回転を不能に、且つ、軸方向変位可能に支持されている。即ち、係合部材53aは、円筒状に形成されたブシュ65の外周面に、円周方向に関して軸方向位置が変化するように、両側面を階段状に形成したリブ66を設けている。このリブ66の側面が係合部に相当する。また、ブシュ65の軸方向両端部には小径突部67を形成している。そして、係合部材53aを、支持部材52aの円筒部59を挟んで上板部55と反対側に配置し、図11ないし図14の上側の小径突部67の先端を円筒部59の下面に当接させている。また、ブシュ65を、例えば、駆動軸51aに緩く嵌合すると共に、ブシュ65と駆動軸51aとのうち、何れか一方に形成した軸方向に長い係止長孔と、他方に形成した係止孔とに平行ピンなどの係止部材をそれぞれ係止している。これにより、係合部材53aを駆動軸51aに対する回転不能に、且つ、軸方向変位可能に支持している。なお、係合部材53aと駆動軸51aとを軸方向の相対変位不能とすることもできる。この場合、駆動軸51aをブラケット50aに対して軸方向の相対変位可能に支持する。
また、リブ66の側面は、軸方向に直角な平面部68とこの平面部68に対して傾斜した斜面部69とを交互且つ均等に連続させている。そして、平面部68の軸方向の位置を円周方向に関して変化させている。また、斜面部69の傾斜方向を円周方向の途中で変えることにより、ブシュ65を一周した状態でこれら各面部68、69が不連続とならないようにしている。言い換えれば、リブ66の側面の軸方向に関する位置が360°で元に戻るようにしている。なお、このリブ66を螺旋状に形成し、一周で不連続となるようにしても良い。この場合、係合部材53aは次述する被係合部54aとの係合による軸方向移動が、一方向のみとなる。
また、被係合部54aは、図11、13に示すように、ブラケット50aに固定され、係合部であるリブ66の側面と係合する。即ち、被係合部54aは、ブラケット50aの上、下板部55、56の側縁同士を連続させる側板部70に、係合部材53aに向けて突出するように舌片状に設けられている。そして、リブ66の下板部55側の側面(下面)と被係合部54aとを当接させている。このような被係合部54aは、リブ65の平面部68の円周方向の幅よりも小さい幅を有し、傾斜方向が変わる斜面部69同士の間に存在する平面部68と係合する場合に、これら両斜面部69に乗り上げないようにしている。
また、上述したように、係合部材53aと支持部材52aとは当接しており、この支持部材52aは付勢ばね64により下板部56に向けて付勢されている。したがって、係合部材53aも、付勢ばね64により支持部材52aを介して下板部56に向けて付勢される。この結果、係合部材53aのリブ66の下面が被係合部54aに当接する方向に付勢され、係合部材53aの回転によりリブ66の下面と被係合部54aとの当接位置が変化しても、これらリブ66の下面と被係合部54aとの当接(係合)が確実に行われる。
このように構成される検知ユニット47aは、定着ベルト15の幅方向端部に隣接する位置に配置される。この際、検知ユニット47aの検知軸48aは、戻しばね63により定着ベルト15の幅方向端部に向けて付勢されているため、検知軸48aと定着ベルト15とは常に当接し、検知軸48aが定着ベルト15の幅方向の移動に追従する。そして、図7に示すように、定着ベルト15が矢印A方向に移動した場合に、定着ベルト15の幅方向端部と検知軸48aとの当接により、検知軸48a及び支持部材52aが戻しばね63の付勢力に反して、図9の矢印B方向に回動する。この回動により支持部材52aの遮光リブ71がフォトインタラプタ61の検知スリット62を塞ぐと、この検知信号が制御部C{図3(b)参照}に出力される。制御部Cは、ステッピングモータ28を駆動してステアリングロール19aのアライメントを所定量調整する。これにより、定着ベルト15が図7の矢印Aと反対方向にずれて、幅方向位置が調整される。
一方、この定着ベルト15の幅方向の移動に追従して、検知軸48a及び支持部材52aが図9の矢印Bと反対方向に回動し、遮光リブ71が検知スリット62から外れると、制御部Cによりステッピングモータ28を上述した場合と逆方向に駆動する。そして、ステアリングロール19aのアライメントを所定量調整し、定着ベルト15が再度、図7の矢印A方向にずれて、定着ベルト15の幅方向位置が調整される。
本実施形態の場合、検知軸48a及び支持部材52aが図9の矢印B方向に回動した場合に、支持部材52aからワンウェイクラッチ58を介して駆動軸51aに回転が伝達される。そして、駆動軸51aが回転し、この駆動軸51aに相対回転不能に支持された係合部材53aも回転する。これにより、係合部材53aのリブ66の下面と被係合部54aとの係合位置が回転方向にずれて、係合部材53aの軸方向位置が変化する。例えば、係合部材53aの回転により、被係合部54aが、今まで係合していた平面部68に隣接する斜面部69と、或は、この斜面部69を通って、この平面部68よりも軸方向にずれた平面部68と係合する。この結果、係合部材53aが軸方向位置が変化する。このような係合部材53aの軸方向の最大移動距離は、最も上板部55側に位置する平面部68が被係合部54aと係合した状態(図12)から、最も下板部56側に位置する平面部68が被係合部54aと係合する(図13)までの移動距離ΔHとなる。
係合部材53aは、支持部材52aと当接しているため、この係合部材53aの移動に伴い、支持部材52aも駆動軸51aの軸方向に同じ距離移動する。駆動軸51aは定着ベルト15の厚さ方向に配置されているため、支持部材52aに固定した検知軸48aが、定着ベルト15の厚さ方向に同じ距離移動し、この検知軸48aと定着ベルト15との当接位置が変化する。即ち、検知軸48aと定着ベルト15との当接位置が、定着ベルト15の厚さ方向に順次ずれていく。なお、係合部材53aは、図13の矢印U方向には付勢ばね64の付勢力に抗して、反対方向には付勢ばね64にアシストされて、それぞれ移動する。
一方、検知軸48a及び支持部材52aが図9の矢印B方向と反対方向に回動した場合、ワンウェイクラッチ58が空転して、支持部材52aから駆動軸51aには回転が伝達されず、駆動軸51aは回転しない。このため、駆動軸51aに支持した係合部材53aも回転せず、この係合部材53a及び支持部材52aの軸方向位置が変化しない。なお、このように支持部材52aの回転を一方向のみ駆動軸51aに伝達するのは、仮に、図9の矢印B方向と反対方向の回動も伝達した場合に、係合部材53aと被係合部54aとの係合位置が元に戻るためである。即ち、支持部材52aの一往復の回動により係合部材53aが軸方向に僅かに往復するだけとなるためである。
また、本実施形態の場合、支持部材52aが図13の状態以降は、支持部材52aの回動により、係合部材53aが図13の下方に移動していく。そして、更に半周後には、係合部材53aが図13の上方に移動する。このように、支持部材52aの回動により、係合部材53aは軸方向にリブ66の軸方向に最も離れた平面部68同士の距離分、往復移動を続ける。
このような一連の繰り返し制御動作により、定着ベルト15は図7の左右方向に蛇行を続けるとともに、係合部材53aは駆動軸51aの軸方向に移動を繰り返す。この結果、定着ベルト15の幅方向端部と検知軸48aとは、1ケ所に集中せず広範な部位で摺擦する。このため、定着ベルト15の幅方向端部と検知軸48aとの当接部で摩耗進行が著しく減少して、定着ベルト15及び検知軸48aの耐久性能を著しく向上させられる。
次に、加圧ベルト16の幅方向端部位置を検知する検知ユニット47bについて、図16ないし図20により説明する。なお、この検知ユニット47bの基本的構造及び作用は、上述の定着ベルト15の幅方向端部位置を検知する検知ユニット47aと同様である。このため、以下の説明は、同様の構成部分には同じ符号又は符号の添え字をaからbに変えて、簡単に行う。検知ユニット47bは、この検知ユニット47bの配置の関係上、検知軸48bを図19の上方に突出させている。このため、支持部材53bのレバー部60bの形状を、上述の検知ユニット47aの場合と変更している。即ち、レバー部60bは、円筒部59の円周方向一部から折り曲げられることなく延出されている。そして、レバー部60bの先端に検知軸48bを、ブラケット50bよりも図19の上方に突出するように固定している。
このような検知ユニット47bの場合も、加圧ベルト16の幅方向の移動を検知して、制御部Cによりステアリングロール19bのアライメントを調整する。また、加圧ベルト16が、例えば、図7の右方に移動した場合に、検知軸48bが図16の矢印C方向に回動する。そして、駆動軸51bに回転が伝達され、係合部材53bがリブ66の側面と被係合部54bとの係合に基づいて軸方向に移動する。係合部材53bの軸方向移動により支持部材52bも軸方向に移動し、この支持部材52bに固定された検知軸48bが、定着ベルト16の厚さ方向に移動する。このような一連の繰り返し制御動作により、加圧ベルト16は図7の左右方向に蛇行を続けるとともに、係合部材53bは駆動軸51bの軸方向に移動を繰り返す。この結果、加圧ベルト16の幅方向端部と検知軸48bとは、1ケ所に集中せず広範な部位で摺擦する。このため、加圧ベルト16の幅方向端部と検知軸48bとの当接部で摩耗進行が著しく減少して、加圧ベルト16及び検知軸48bの耐久性能を著しく向上させられる。
このように、本実施形態によれば、検知軸48a、48bをベルト15、16の厚さ方向に移動させて、検知軸48a、48bとベルト15、16の幅方向端部との当接位置を変えることができる。このため、検知軸48a、48bの表面性が部分的に悪化することを防止できる。この結果、検知軸48a、48bとベルト15、16との摺擦部で摩擦係数が増加することを抑えられ、検知軸48a、48b及びベルト15、16の破損を生じにくくできる。そして、検知軸48a、48b及びベルト15、16の長期に渡る機械的性能の安定性、信頼性を確保でき、検知軸48a、48b及びベルト15、16の交換を不要或は交換までの期間を長くし、ランニングコストの低減を図れる。
特に、本実施形態のように、ベルトを使用する定着装置13の場合、高速で運転されるため、ベルト15、16と検知軸48a、48bとの摺擦部で摩耗が進行し易い。また、ベルト15、16として金属層を含むベルトを使用しているため、やはり、摺擦部での摩耗が進行し易い。本実施形態では、上述したように検知軸48a、48bをベルト15、16の厚さ方向に移動させているため、このように摩耗が進行し易い構造でも、耐久性能を向上させられる。
また、本実施形態の場合、検知軸48a、48bのベルト15、16の厚さ方向への移動は、これらベルト15、16の幅方向一方への移動を利用して行われる。即ち、ベルト15、16に追従して検知軸48a、48bが回動し、検知軸48a、48bの回動が係合部材53a、53bと被係合部54a、54bとの係合により、軸方向変位に変換される。このため、検知軸48a、48bをベルト15、16の厚さ方向に変位させるために、別途、モータなどの駆動装置を設ける必要がない。したがって、検知軸48a、48b及びベルト15、16の耐久性を向上させられる構造を、低コストで得られる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態について、図21ないし図27により説明する。なお、本実施形態は、定着ベルト15の検知ユニット72の検知軸48aを移動させる移動手段である、移動ユニット73の構造が、上述の第1の実施形態と異なる。一方、加圧ベルト16の寄りを検知する検知ユニット47bは、上述の第1の実施形態と同じである。このため、同様の構成部分には、同一符号を付して、以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
検知ユニット72を構成する移動ユニット73は、装置に固定のブラケット50aに、定着ベルト15の厚さ方向に配置される駆動軸51aを回転自在に支持している。また、この駆動軸51aにはワンウェイクラッチ58を介して、支持部材52aを一方向の回転のみ伝達可能に支持している。この支持部材52aは、上述の第1の実施形態と同様に、ブラケット50aに対する駆動軸51aの軸方向変位が可能に支持されている。
また、本実施形態の場合、図27に示すように、ブラケット50aの下板部56の駆動軸51aを支持する部分から外れた位置に、駆動軸51aの軸方向に雌ねじ部74を設けている。この雌ねじ部74は、例えば、ナット部材を下板部56に埋め込むように配置しても良いし、下板部56に直接形成しても良い。そして、このような雌ねじ部74に、軸方向変位部材である棒状部材75の軸方向一端部に設けた雄ねじ部76を螺合している。したがって、棒状部材75は駆動軸51aと平行に配置される。また、このように配置された状態で、棒状部材75の軸方向他端部を、支持部材52aの一部から径方向に突出形成した突出板部77の下板部56側の側面(下面)に当接させている。
このような棒状部材75は、回転することにより雄ねじ部76の雌ねじ部74へのねじ込み量が変化して、駆動軸51aの軸方向に移動する。そして、軸方向他端部と突出板部77の下面との当接により、支持部材52aの軸方向位置を変化させる。支持部材52aは、付勢ばね64により下板部56側に向けて付勢されているため、突出板部77の下面と棒状部材75の軸方向他端部とは、この棒状部材75の軸方向変位に拘らず当接する。
また、駆動軸51aと棒状部材75との間には、駆動軸51aの回転を減速して棒状部材75に伝達する減速手段78を設けている。減速手段78は、駆動軸51aに固定した駆動歯車79と、棒状部材75に固定した従動歯車80との間に、複数の歯車81、82を噛み合わせるように配置してなる。駆動歯車79は、軸方向に長い円筒部分86の軸方向一部に歯車を形成してなり、駆動軸51aの段差87と下板部56側の軸受57との間にがたつきなく配置している。即ち、駆動歯車79の円筒部分86の両端面を駆動軸51aの段差87と軸受57の端面とに当接させ、駆動歯車79の駆動軸51aに対する軸方向位置を規制している。但し、円筒部分86の外径はワンウェイクラッチ58の内径よりも小さくしている。また、従動歯車80は、棒状部材78と一体に形成している。なお、駆動歯車79及び従動歯車80は、それぞれ駆動軸51a及び棒状部材75と一体に形成しても良いし、別体としても良い。別体とする場合には、例えば平行ピンなどの係止部材により、或は、スプライン係合させることにより、相対回転不能に結合しても良い。
各歯車81は、互いに軸方向にずれるように配置され、それぞれの回転軸83を下板部56に回転自在に支持している。また、それぞれの回転軸83には小歯車84を固定している。そして、各歯車81の回転を小歯車84を介してそれぞれ伝達するようにしている。また、従動歯車80と噛み合う歯車82は、軸方向に長く歯を形成し、従動歯車80が棒状部材75と共に軸方向に変位しても、これら両歯車80、82の噛み合いが外れないようにしている。なお、従動歯車80を軸方向に長く形成すれば、歯車82の軸方向長さを長くする必要はない。減速手段78をこのように構成すれば、この減速手段78をブラケット50a内にコンパクトに配置できる。
なお、このような減速手段78を構成する各歯車の数及び歯数は、画像形成装置1(図1参照)の製品寿命やメンテナンス時期などを考慮して定める。即ち、次述するように、検知軸48aが定着ベルト15の蛇行により、軸方向に徐々に変位していくが、この変位の終了時期と製品寿命やメンテナンス時期がくる時期とがほぼ同じに、或は、変位の終了時期が製品寿命などの時期よりも後になるように定める。
本実施形態の場合、定着ベルト15の幅方向変位(寄り)により、検知軸48aが図22、23の矢印D方向に回動した場合に、支持部材52a及びワンウェイクラッチ58を介して駆動軸51aに回転が伝達される。そして、駆動軸51aと共に駆動歯車79が回転し、駆動歯車79の回転は、各歯車81、82を介して従動歯車80に減速して伝達され、棒状部材75が回転する。棒状部材75は、先端部に設けた雄ねじ部76とブラケット50aの下板部56に設けた雌ねじ部74との螺合により、軸方向に移動し、棒状部材75の軸方向他端部と支持部材52aの突出板部77との当接により、支持部材52aの軸方向位置が変化する。この結果、支持部材52aに固定された検知軸48aが、定着ベルト15の厚さ方向に変位する。一方、検知軸48aが図23の矢印D方向と反対側に回動した場合には、ワンウェイクラッチ58が回転して、駆動軸51aに回転が伝達されず、支持部材52aが軸方向変位することはない。
例えば、動作初期には、図27(a)に示すように、棒状部材75の雄ねじ部76を雌ねじ部74の奥まで(図27の最下端まで)ねじ込んでおく。また、駆動軸51aから減速手段78を介して棒状部材75に回転が伝達された場合に、雄ねじ部75の雌ねじ部74に対するねじ込み量が減少する方向に雄ねじ部75が回転するように、減速手段78により伝達される回転方向を規制する。したがって、駆動軸51aから回転が伝達された場合には、図27(b)に示すように、同図の上方に棒状部材75が徐々に上昇し、上述したように検知軸48aの定着ベルト15の厚さ方向の位置が徐々に変化する。なお、本実施形態では、減速手段78による減速比は、装置の耐久寿命末期などでも、図27(b)に示す位置まで上昇しないように、余裕を持って設定している。
なお、上述の第2の実施形態の構造は、加圧ベルト16の寄りを検知する検知ユニットにも適用可能である。この場合に、第1の実施形態と同様に、検知軸48bの取り付け部分の構造などを変更する。
また、上述の各実施形態では、検知軸48a、48bを直接定着ベルト15又は加圧ベルト16に摺擦する構造について説明したが、検知軸48a、48bの周囲に回転自在にローラ部材を配置しても良い。そして、このローラ部材の外周面をベルト15、16に摺擦させれば、摺擦によりローラ部材が回転し、ローラ部材とベルト15、16との当接位置が回転方向にも変化する。なお、このローラ部材は、検知軸48a、48bが軸方向に移動する量を考慮して、軸方向に長く形成する。
また、上述の各実施形態では、検知軸48a、48bの回転動作に連動することにより、検知軸48a、48bを定着ベルト15又は加圧ベルト16の厚さ方向に移動させている。但し、本発明を実施するためには、これ以外に、例えば、ステッピングモータやソレノイド等の駆動源を用いて検知軸48a、48bを厚さ方向に移動させることも可能である。また、検知軸の移動は、検知ユニットによるベルトの幅方向端部位置の検知時に限らず、画像形成装置1の累積使用時間やプリント枚数等の情報をもとに行っても良い。即ち、ベルトの寄りに拘らず、装置の使用時間や使用頻度に応じて、検知軸を徐々にベルトの厚さ方向に移動させても良い。
また、上述の各実施形態では、ベルトの幅方向変位を検知する検知ユニットを幅方向片側にのみ配置しているが、幅方向両側に配置しても良い。この場合、検知軸をベルトに追従させる必要はないが、検知軸の回動動作に連動して検知軸のベルト厚さ方向の位置を変化させる場合には、検知軸をベルトの幅方向移動に追従させる。追従させない場合には、別途駆動源を設けて検知軸をベルトの厚さ方向に変位させる。
更に、上述の各実施形態では、定着装置としてIHヒータを使用した構造に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は、この構造以外に、例えば、ハロゲンヒータにより加熱する構造にも、勿論適用可能である。また、ベルトとして、セラミック製のものを使用した構造の場合も、ベルトの高度が高いため、本発明を有効に適用できる。また、本発明は、定着装置のベルト搬送装置以外に、例えば、中間転写ベルトの寄りを検知する構造にも適用可能である。
1・・・画像形成装置、13・・・定着装置、15・・・定着ベルト、16・・・加圧ベルト、18a、18b・・・ロール、19a、19b・・・ステアリングロール、47a、47b・・・検知ユニット、48a、48b・・・検知軸、49a、49b・・・移動ユニット、50a、50b・・・ブラケット、51a、51b・・・駆動軸、52a、52b・・・支持部材、53a、53b・・・係合部材、54a、54b・・・被係合部、55・・・上板部、56・・・下板部、58・・・ワンウェイクラッチ、59・・・円筒部、60a、60b・・・レバー部、65・・・ブシュ、66・・・リブ、72・・・検知ユニット、73・・・移動ユニット、74・・・雌ねじ部、75・・・棒状部材、76・・・雄ねじ部、77・・・突出板部、78・・・減速手段、C・・・制御部

Claims (5)

  1. エンドレスベルトと、該エンドレスベルトを張架し、該エンドレスベルトを回転させる回転手段と、該エンドレスベルトを幅方向に移動させて該エンドレスベルトの幅方向位置を調整する調整手段と、該エンドレスベルトの幅方向端部位置を検知する検知手段と、該検知手段により検知した該エンドレスベルトの幅方向位置に基づいて前記調整手段を制御する制御手段と、を備えたベルト搬送装置において、
    前記検知手段は、その一部が前記エンドレスベルトの幅方向端部と当接して該エンドレスベルトの幅方向端部位置を検知するための検知部と、
    該検知部を該エンドレスベルトの厚さ方向に移動させて、該検知部と該エンドレスベルトの幅方向端部との当接位置を変化させる移動手段と、
    を備えたことを特徴とするベルト搬送装置。
  2. 前記検知部は、前記エンドレスベルトの幅方向の移動に追従して移動し、
    前記移動手段は、前記検知部が前記エンドレスベルトと共に、少なくとも幅方向一方に移動する動作を利用して前記検知部を移動させることを特徴とする、請求項1に記載のベルト搬送装置。
  3. 前記移動手段は、
    装置に固定のブラケットと、
    前記エンドレスベルトの厚さ方向に配置され、該ブラケットに回転自在に支持された駆動軸と、
    該駆動軸に一方向の回転のみ伝達可能に支持され、前記ブラケットに対する該駆動軸の軸方向変位が可能な支持部材と、
    前記駆動軸の該支持部材と軸方向に当接する位置に該駆動軸に対する回転を不能に支持され、該駆動軸の円周方向に関して軸方向位置が変化する係合部を有する係合部材と、
    前記ブラケットに固定され、該係合部と係合する被係合部と、を備え、
    前記支持部材から前記駆動軸に回転が伝達された場合に、該係合部と該被係合部との係合位置が回転方向にずれて、前記係合部材及び前記支持部材の軸方向位置が変化し、
    前記検知部は、前記支持部材に固定されていることを特徴とする、請求項2に記載のベルト搬送装置。
  4. 前記移動手段は、
    装置に固定のブラケットと、
    前記エンドレスベルトの厚さ方向に配置され、該ブラケットに回転自在に支持された駆動軸と、
    該駆動軸に一方向の回転のみ伝達可能に支持され、前記ブラケットに対する該駆動軸の軸方向変位が可能な支持部材と、
    前記ブラケットに前記駆動軸の軸方向に設けた雌ねじ部と、
    該駆動軸の軸方向に配置され、軸方向一端部に設けた雄ねじ部を該雌ねじ部に螺合し、軸方向他端部を前記支持部材の一部に当接させ、回転することにより該雄ねじ部の該雌ねじ部へのねじ込み量が変化して前記駆動軸の軸方向に移動し、該支持部材の軸方向位置を変化させる軸方向変位部材と、
    前記駆動軸と該軸方向変位部材との間に設けられ、該駆動軸の回転を減速して該軸方向変位部材に伝達する減速手段と、を備え、
    前記支持部材から前記駆動軸に回転が伝達された場合に、該減速手段を介して前記軸方向変位部材が回転して、前記支持部材の軸方向位置が変化し、
    前記検知部は、前記支持部材に固定されていることを特徴とする、請求項2に記載のベルト搬送装置。
  5. ベルト搬送手段のエンドレスベルトを加熱することにより、表面に載せたトナー像を記録材に定着させる定着装置において、前記ベルト搬送手段が、請求項1ないし4に記載のベルト搬送手段であることを特徴とする定着装置。
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