JP2020070275A - 収納容器内空間用抗カビ包装体 - Google Patents

収納容器内空間用抗カビ包装体 Download PDF

Info

Publication number
JP2020070275A
JP2020070275A JP2018207096A JP2018207096A JP2020070275A JP 2020070275 A JP2020070275 A JP 2020070275A JP 2018207096 A JP2018207096 A JP 2018207096A JP 2018207096 A JP2018207096 A JP 2018207096A JP 2020070275 A JP2020070275 A JP 2020070275A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
antifungal
package
storage container
space
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018207096A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7111306B2 (ja
Inventor
清水 宏
Hiroshi Shimizu
宏 清水
秀治 金谷
Hideji Kanetani
秀治 金谷
秋庭 英治
Eiji Akiba
英治 秋庭
英治 岩佐
Eiji Iwasa
英治 岩佐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Trading Co Ltd
Taiyo Co Ltd
Taiyo Corp
Original Assignee
Kuraray Trading Co Ltd
Taiyo Co Ltd
Taiyo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Trading Co Ltd, Taiyo Co Ltd, Taiyo Corp filed Critical Kuraray Trading Co Ltd
Priority to JP2018207096A priority Critical patent/JP7111306B2/ja
Publication of JP2020070275A publication Critical patent/JP2020070275A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7111306B2 publication Critical patent/JP7111306B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

【課題】 現実に広い閉鎖空間に対する抗カビ効果を発揮する空間用抗カビ製品は提供できていなかった。【解決手段】 2−ヒドロキシベンズアルデヒドを有効成分として含有してなる粒状の樹脂が、ガスバリア性のあるフィルムからなる袋に充填された包装体とすることで、広い閉鎖空間に対する抗カビ効果を長期にわたり発揮する収納容器内空間用抗カビ包装体を提供する。【選択図】 図3

Description

本発明は、閉鎖された空間を形成する収納容器において用いられる、収納容器内空間用抗カビ包装体に関する。
閉鎖空間における空間用抗カビ包装体としては、皮革製品の輸送中のコンテナ内等にアリルイソチオシアネートを有効成分としたものがあげられる。アリルイソチオシアネートの抗カビ効果は強いが、刺激性が非常に強く使用するのが難しい。
香料を利用した抗カビ剤の特許が出願されているが、シャーレ内、ガラス管内等(特許文献1、特許文献2参照)の容器内での試験データに基づいたものにすぎない。2−ヒドロキシベンズアルデヒド(サリチルアルデヒドと記載することがある。)を使用した抗菌組成物の特許が出願されているが、空間に対する抗カビ性に言及したものではない(特許文献3参照)。揮発性を有する抗菌抗カビ剤製品の有効成分としてサリチルアルデヒドが例示されているが(特許文献4参照)、実施例においてサリチルアルデヒドに関する実験データは示されていない。また、特許文献4中における実験は掃除機紙パック内における防カビ性に過ぎず、小さな隙間に対する防カビ効果が検証されているに過ぎない。
特開平4−21606号公報 特開2016−199478号公報 特開2003−192581号公報 特開平10−194905号公報
先行技術文献には、抗カビ効果があるとされる低刺激性の香料に由来する化合物について、実際に数十リットル程度の広さを有する閉鎖空間に対する抗カビ効果を発揮することが確認された記載はなく、このような抗カビ効果を本当に発揮する空間用抗カビ製品が現実に提供できなかったという問題があった。
ここで、閉鎖空間に対する抗カビ効果とは、完全にカビの胞子の発芽を抑制する効果をいう。
そこで、上記課題を解決する手段として本発明に係る収納容器内空間用抗カビ包装体は、ガスバリア性樹脂フィルムによって構成されてなる包装体の袋内部に、2−ヒドロキシベンズアルデヒドを有効成分として含有してなる粒状の樹脂が充填され、前記包装体の表面には、前記袋内部まで貫通する小孔が形成されてなることを特徴とする。
また、前記ガスバリア性樹脂フィルムが、ポリエチレンテレフタレートによって構成されてなるものであっても好ましい。
さらに、前記樹脂が、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂であるもの、または、前記樹脂が、ポリプロピレン樹脂若しくはポリエチレン樹脂であるものであっても好ましい。
さらにまた、前記小孔が、直径が0.3mmφ〜0.8mmφに形成されてなることとしても好ましい。
さらにまた、前記小孔が、0.2〜1.0個/cm形成されてなることとしても好ましい。
前記収納容器とは、例えば靴箱、ゴミ箱、及び輸送用の小型コンテナ等が挙げられ、容量が数十リットル程度の容体をいう。具体的には、容量が1L以上100L以下の容体であり、より好ましくは容量が30L以上70L以下の容体をいう。下限より小さい場合は収納容器としての容積が不十分であり、上限より大きいときは十分な抗カビ効果が期待できない。
本発明によれば、数十リットルの閉鎖空間を備える収納容器内において特に優れた抗カビ効果を発揮する収納容器内空間用抗カビ包装体を提供することができる。
また、本発明が、粒状の樹脂に2−ヒドロキシベンズアルデヒドが含有され、前記粒状の樹脂が小孔を有するガスバリア性樹脂フィルムに充填されてなることによって、20週間以上の長期にわたって抗カビ効果を発揮させることができる。
さらに、本発明に用いる2−ヒドロキシベンズアルデヒドには刺激性が少ないため、人の目や鼻などの粘膜に対する刺激の発生を抑えることができ、人が容器内に顔を近づけて作業を行う必要がある空間に使用する抗カビ剤としても有用である。
容体4の全体形状の概略を示す斜視図である。 粒状の樹脂中に含有された収納容器内空間用抗カビ包装体の効果検証における横倒しにされた容体4の内側面13上に配置された包装体16(a)〜16(h)とポテトデキストロース寒天培地7a〜7fとの位置関係を上から見た示す容体4の縦断面図である。 実施例1〜4における包装体16(a)〜16(d)からの検証期間に対する薬剤の揮発量を示すグラフである。 実施例1〜4における包装体16(a)〜16(d)からの検証期間に対する薬剤の揮発率を示すグラフである。 実施例5〜8における包装体16(e)〜16(h)からの検証期間に対する薬剤の揮発量を示すグラフである。 実施例5〜8における包装体16(e)〜16(h)からの検証期間に対する薬剤の揮発率を示すグラフである。
(収納容器内空間用抗カビ包装体)
本実施形態に係る収納容器内空間用抗カビ包装体は、ガスバリア性樹脂フィルムによって構成されてなる包装体の袋内部に、2−ヒドロキシベンズアルデヒドを有効成分として含有してなる粒状の樹脂が充填され、前記包装体の表面には、前記袋内部まで貫通する小孔が形成されてなることにより、閉鎖空間に対する抗カビ効果を発揮することができる。
(包装体)
包装体としては、ガスバリア性樹脂フィルムによって構成されてなることが必要である。また、包装体の表面には、袋内部まで貫通する小孔が形成されていることが必要である。このような構成にすることにより、抗カビ剤の有効成分の空間への揮発量を制御することが可能になり、抗カビ効果の持続性を調整することができる。
前記小孔の大きさは、揮発量制御、およびフィルム自体の強度維持の観点から、直径0.3mmφ〜0.8mmφであることが好ましい。
また、前記小孔の数は、揮発量コントロールの観点から、単位面積当り0.2〜1.0個/cmが好ましい。この小孔の数によって、揮発速度を制御できる。
(ガスバリア性樹脂フィルム)
ガスバリア性樹脂フィルムとしては、十分なガスバリア性、強度の観点から、ポリエチレンテレフタレートまたはポリプロピレンの少なくとも1種を含む樹脂を使用したフィルムであることが好ましい。これに、一定間隔で針により孔を開け、小孔を有するフィルムとすることができる。一般的には、小孔の直径は、針の直径の60%とされており、目的の小孔の直径に見合う針を選定することができる。
(抗カビ剤の有効成分)
本発明の抗カビ包装体には、抗カビ効果、低刺激性の観点から、抗カビ剤の有効成分として、2−ヒドロキシベンズアルデヒドを使用することが必要である。
(粒状樹脂)
抗カビ剤の有効成分を混合させる樹脂としては、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、または、ポリプロピレン樹脂若しくはポリエチレン樹脂であることが好ましい。特に、エチレン酢酸ビニル共重樹脂は、常温で2-ヒドロキシベンズアルデヒドを膨潤吸尽できるため、加工時の揮発ロスも少なく好ましい。比較的低沸点の香料と合わせて2−ヒドロキシベンズアルデヒドを用いる場合、該当の香料がエチレン酢酸ビニル共重合樹脂に膨潤吸尽されやすいなら、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂を使用することが好ましい。一方、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂に膨潤吸尽されにくい材料と組み合わせて2−ヒドロキシベンズアルデヒドを用いる場合には、例えば特許第3963941号や、特許第4576479号などの手法を用いて、ポリプロピレン樹脂もしくはポリエチレン樹脂に溶融混錬することが好ましい。
(収納容器内空間用抗カビ包装体の作製)
小孔を有するフィルムに粒状樹脂を包装するにあたり、フィルムを二つ折りとして底辺と側面を熱シールし、粒状樹脂を充填した後に上部を熱シールする、3方シール方式を好適に用いることができる。もしくは、2枚のフィルムを重ねて、底辺と2つの側面を熱シールし、粒状樹脂を充填した後に上部をシールする、4方シール方式も用いることができる。
次に、試験例などにより本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらによりなんら限定されるものではない。なお、本実施例における表中の各成分の含有量を示す数値は重量%で示されているものとする。
以下、抗カビ剤を含有した粒状樹脂を含む収納容器内空間用抗カビ包装体の効果を検証する。
〔ガスバリア性フィルムの具体例〕
ポリエチレンテレフタレート(PET)製のフィルム有孔114(直径0.6mmφの孔、0.25個/cm)、及びフィルム有孔112A(直径0.4mmφの孔、0.4個/cm)を用いた。なお、PET製のフィルム有孔114、及びフィルム有孔112Aは、内側から順に、厚さ20μmのCPP(Cast Polypropylene)、厚さ20μmのPET,PETスパンボンドの三層構造からなる。
〔抗カビ剤を含有するポリプロピレン(PP)樹脂粒の調製〕
特許第3963941号に準じて、PP樹脂(日本ポリプロ製、J−107G)と、セプトン2014(クラレ製)と2−ヒドロキシベンズアルデヒドを、各々、60重量部、20重量部、20重量部で2軸混錬設備を用いて180℃で溶融混錬し、2−ヒドロキシベンズアルデヒドを20%含有する、PP樹脂粒を得た。
〔香料を含有するポリエチレン(PE)樹脂の調製〕
特許第3963941号に準じて、PE樹脂(日本ポリエチレン製、UJ−790)と、セプトン2014(クラレ製)と香料(大洋香料製、PEACH JDIO−1271)を、各々、60重量部、20重量部、20重量部で2軸混錬設備を用いて160℃で溶融混錬し、香料を20%含有するPE樹脂粒を得た。
〔包装体の作成〕
フィルム有孔114(直径0.6mmφの孔、0.25個/cm)およびフィルム有孔112A(直径0.4mmφの孔、0.4個/cm)を用いて、3方シール方式で抗カビ剤含有PP樹脂粒および香料含有PE樹脂粒を、各々所定量を充填したシール幅5mmの方形の包装体とし、実施例1〜4とした。表1に実施例1〜4の包装体の内容を示す。
Figure 2020070275
作製した実施例1〜4に係る包装体、16(a)〜16(d)を、図2に示すように、横倒しにした容体4の収容空間内において、1つの容体4につき、内側面13上にひとつずつ設置した。そして、各包装体16(a)〜16(d)の周囲には、あらかじめ調製しておいたカビの胞子液を播種したポテトデキストロース寒天培地7a〜7cを収容してなる容器8a〜8cを、包装体を囲むように設置し、蓋5を閉じた。なお、評価対象としたカビとしては、容器8aにはAspergillus nigerを播種し、容器8bにはPenicillium citrinumを播種し、容器8cにはCladosporium cladosporioidesを播種したものを使用した。設置後、1日1回容体4の蓋5を開閉して、内部の空気の入れ替えを行った。設置から4日後に各カビの胞子液を播種したポテトデキストロース寒天培地7a〜7c上のコロニーの数をカウントすることにより抗カビ効果の持続力を検証し、14日ごとに新たに胞子液を播種したポテトデキストロース寒天培地7a〜7cを収容してなる容器8a〜8cに入れ替えた。また、比較試料としてブランクを用意して包装体16(a)〜16(d)の場合と同様に評価を行った。ブランクは、包装体16(a)〜16(d)を設置しないこと以外は同じ条件とし、3種のカビの胞子液を播種したポテトデキストロース寒天培地7a〜7cを収容してなる容器3つが内側面13に設置された容体4とした。
また、前記コロニーの数を数える操作と共に、実施例1〜4の包装体16(a)〜16(d)の重量を測定し、樹脂粒に含有させた薬剤の揮発量を記録した。包装体16(a)〜16(d)重量の変化に関する結果を図3及び図4に示す。図3には、横軸を経過日数とし、縦軸を外部へ揮発した2−ヒドロキシベンズアルデヒドと香料の揮発量をグラフとして示した。図4には、横軸を検証期間とし、外部へ揮発した2−ヒドロキシベンズアルデヒドと香料の揮発率をグラフとして示した。なお、2−ヒドロキシベンズアルデヒドと香料の揮発率は、検証開始日(0日目)の実施例1〜4の包装体16(a)〜16(d)の中に含まれる2−ヒドロキシベンズアルデヒドと香料の重量を100%とした場合の、検証期間中の特定の期間経過ごとに測定した包装体16(a)〜16(d)の重量が減少した分量を100分率で表したものである。
図3から、実施例2及び実施例3に係る包装体16(b)、16(c)からの揮発量の検証期間中に示す傾向がほぼ同じであった。これは、包装体16(b)と16(c)の大きさは同じであるのに対し、小孔の数は違うものの、それぞれの包装体16(b)と16(c)に形成された小孔の合計面積の比をとると、実施例2:実施例3=1.1:1.0であり、ほぼ同じであった。これに対し実施例2よりも小孔の数が少ない実施例1の揮発量が最も少なく、また、実施例3よりも小孔の数が多い実施例4の揮発量が最も多い傾向を示したことにより、薬剤の揮発量が小孔の面積と相関を持っていることを示しているといえる。一方図4より、いずれも実施例1〜4の揮発率には大きな差は見られなかった。
抗カビ効果の持続力についての結果は、容器8a(試験菌:Aspergillus niger)について表2に示し、容器8b(試験菌:Penicillium citrinum)について表3に示し、容器8c(試験菌:Cladosporium cladosporioides)について表4に示す。なお、表7〜9において「>300」はコロニーが300より多く確認されたことを示す。
Figure 2020070275
Figure 2020070275
Figure 2020070275
表2〜4の結果より、実施例1〜4のうち、いずれの試験菌に関しても最も早くコロニーの発生が確認されたのは実施例1であった。一方、実施例2及び4については31週目で初めてコロニーの発生が確認された。なお、ブランクについては、全ての週で多数のコロニーの発生が確認された。なお、実施例1〜4の間で抗カビ効果に一定のバラつきがあり、包装体16(a)〜16(d)に設けられた小孔の合計面積にのみ相関を示すわけではなかった。
〔抗カビ剤および香料を含有するエチレン酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)粒〕
樹脂粒の調製は、70重量部のEVA粒に対して、2−ヒドロキシベンズアルデヒドを及び香料(PEACH JDIO−1271)をあらかじめ2/1で混合したものを20重量部加え、室温で攪拌することでEVA粒中に2−ヒドロキシベンズアルデヒド及び香料を均一に膨潤吸尽させることにより、目的の樹脂粒を得た。
〔包装体の作成〕
フィルム有孔114(直径0.6mmφの孔、0.25個/cm)およびフィルム有孔112A(直径0.4mmφの孔、0.4個/cm)を用いて、3方シール方式で抗カビ剤と香料を含有するEVA樹脂粒を、各々所定量を充填したシール幅5mmの方形の包装体とし、実施例5〜8とした。表5に実施例5〜8の包装体の内容を示す。
Figure 2020070275
作製した実施例5〜8に係る包装体16(e)〜16(h)を、実施例1〜4の場合の図2と同様に、横倒しにした容体4の収容空間内において、1つの容体4につき、内側面13上にひとつずつ設置した。そして、各包装体16(e)〜16(h)の周囲には、あらかじめ調製しておいたカビの胞子液を播種したポテトデキストロース寒天培地7d〜7fを収容してなる容器8d〜8fを、包装体16(e)〜16(h)を囲むように設置し、蓋5を閉じた。なお、評価対象としたカビとしては、容器8dにはAspergillus nigerを播種し、容器8eにはPenicillium citrinumを播種し、容器8fにはCladosporium cladosporioidesを播種したものを使用した。設置後、1日1回容体4の蓋5を開閉して、内部の空気の入れ替えを行った。設置から4日後に各カビの胞子液を播種したポテトデキストロース寒天培地7d〜7f上のコロニーの数をカウントすることにより抗カビ効果の持続力を検証し、14日ごとに新たに胞子液を播種したポテトデキストロース寒天培地7d〜7fを収容してなる容器8d〜8fに入れ替えた。また、比較試料としてブランクを用意して包装体16(e)〜16(h)の場合と同様に評価を行った。ブランクは、包装体16(e)〜16(h)を設置しないこと以外は同じ条件とし、3種のカビの胞子液を播種したポテトデキストロース寒天培地7d〜7fを収容してなる容器3つが内側面13に設置された容体4とした。
また、前記コロニーの数を数える操作と共に、実施例5〜8係る包装体16(e)〜16(h)の重量を測定し、樹脂粒に含有させた薬剤の揮発量を記録した。包装体16(e)〜16(h)の重量の変化に関する結果を図5及び図6に示す。図5には、横軸を経過日数とし、縦軸をEVA粒から包装体16(e)〜16(h)の外部へ揮発した2−ヒドロキシベンズアルデヒドと香料の揮発量をグラフとして示した。図6には、横軸を検証期間とし、縦軸をEVA粒から包装体16(e)〜16(h)の外部へ揮発した2−ヒドロキシベンズアルデヒドと香料の揮発率をグラフとして示した。なお、2−ヒドロキシベンズアルデヒドと香料の揮発率は、検証開始日(0日目)の包装体16(e)〜16(h)中に含まれる2−ヒドロキシベンズアルデヒドと香料の重量を100%とした場合の、検証期間中の特定の期間経過ごとに測定した包装体16(e)〜16(h)の重量が減少した分量を100分率で表したものである。
図5から、実施例6及び実施例7に係る包装体16(f)、16(g)からの揮発量の検証期間中に示す傾向がほぼ同じであった。これは、包装体16(f)、16(g)の大きさは同じであるのに対し、包装体16(f)、16(g)に形成された小孔の数は違うものの、それぞれの放送体16(f)、16(g)に形成された小孔の合計面積の比をとると、実施例11:実施例12=1.1:1.0であり、ほぼ同じであった。これに対し、包装体16(f)よりも小孔Hの数が少ない包装体16(e)の揮発量が最も少なく、また、包装体16(g)よりも小孔の数が多い包装体16(h)の揮発量が最も多い傾向を示したことにより、薬剤の揮発量が小孔の面積と相関を持っていることを示しているといえる。一方、図6より、いずれも実施例5〜8の揮発率には大きな差は見られなかった。
抗カビ効果の持続力についての結果は、容器8d(試験菌:Aspergillus niger)について表6に示し、容器8e(試験菌:Penicillium citrinum)ついて表7に示し、容器8f(試験菌:Cladosporium cladosporioides)について表8に示す。なお、表10〜12において「>300」はコロニーが300より多く確認されたことを示す。
Figure 2020070275
Figure 2020070275
Figure 2020070275
表6の結果より、実施例5〜8のうち、いずれの試験菌に関しても最も早くコロニーの発生が確認されたのは実施例5であり、23週目であった。一方、実施例6及び7については37週目で初めてコロニーの発生が確認され、実施例8については35週目で初めてコロニーの発生が確認された。なお、ブランクについては、全ての週で多数のコロニーの発生が確認された。なお、実施例5〜8の間で抗カビ効果に一定のバラつきがあり、包装体16(e)〜16(h)に設けられた小孔の合計面積にのみ相関を示すわけではなかった。
さらに、EVA粒に2−ヒドロキシベンズアルデヒドを含有させることで、PP粒を用いる場合よりも、さらに長期にわたって抗カビ効果を持続させることができた。
本発明に係る収納容器内空間用抗カビ包装体は、輸送中や保管中のコンテナ等での閉鎖された空間中でのカビの成長を防ぎ、カビが成長して増殖することによる品物の汚染を防止することに利用されるものである。
4:容体
5:蓋
7a、d:Aspergillus nigerの胞子液を播種したポテトデキストロース寒天培地
7b、e:Penicillium citrinumの胞子液を播種したポテトデキストロース寒天培地
7c、f:Cladosporium cladosporioidesの胞子液を播種したポテトデキストロース寒天培地
8a、d:Aspergillus nigerの胞子液を播種したポテトデキストロース寒天培地を収納した容器
8b、e:Penicillium citrinumの胞子液を播種したポテトデキストロース寒天培地を収納した容器
8c、f:Cladosporium cladosporioidesの胞子液を播種したポテトデキストロース寒天培地を収納した容器
13:容体4の内側面
16(a):実施例1の包装体
16(b):実施例2の包装体
16(c):実施例3の包装体
16(d):実施例4の包装体
16(e):実施例5の包装体
16(f):実施例6の包装体
16(g):実施例7の包装体
16(h):実施例8の包装体

Claims (6)

  1. ガスバリア性樹脂フィルムによって構成されてなる包装体の袋内部に、2−ヒドロキシベンズアルデヒドを有効成分として含有してなる粒状の樹脂が充填され、前記包装体の表面には、前記袋内部まで貫通する小孔が形成されてなることを特徴とする収納容器内空間用抗カビ包装体。
  2. 前記ガスバリア性樹脂フィルムが、ポリエチレンテレフタレートまたはポリプロピレンの少なくとも1種を含む樹脂によって構成されてなることを特徴とする請求項1に記載の収納容器内空間用抗カビ包装体。
  3. 前記樹脂が、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂であることを特徴とする請求項1若しくは2に記載の収納容器内空間用抗カビ包装体。
  4. 前記樹脂が、ポリプロピレン樹脂若しくはポリエチレン樹脂であることを特徴とする請求項1若しくは2に記載の収納容器内空間用抗カビ包装体。
  5. 前記小孔が、直径が0.3mmφ〜0.8mmφに形成されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の収納容器内空間用抗カビ包装体。
  6. 前記小孔が、0.2〜1.0個/cm形成されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の収納容器内空間用抗カビ包装体。
JP2018207096A 2018-11-02 2018-11-02 収納容器内空間用抗カビ包装体 Active JP7111306B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018207096A JP7111306B2 (ja) 2018-11-02 2018-11-02 収納容器内空間用抗カビ包装体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018207096A JP7111306B2 (ja) 2018-11-02 2018-11-02 収納容器内空間用抗カビ包装体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020070275A true JP2020070275A (ja) 2020-05-07
JP7111306B2 JP7111306B2 (ja) 2022-08-02

Family

ID=70547045

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018207096A Active JP7111306B2 (ja) 2018-11-02 2018-11-02 収納容器内空間用抗カビ包装体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7111306B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10194905A (ja) * 1996-12-30 1998-07-28 Lion Corp 抗菌・抗カビ剤組成物及び抗菌・抗カビ剤製品
JP2000281505A (ja) * 1999-03-26 2000-10-10 Rengo Co Ltd 揮散性包装体
JP2002179509A (ja) * 2000-12-12 2002-06-26 Takasago Internatl Corp 抗カビ香料組成物
JP2002284603A (ja) * 2001-01-19 2002-10-03 Rengo Co Ltd 揮散体
JP2003192581A (ja) * 2001-12-26 2003-07-09 Lion Corp 抗菌組成物
JP2005289941A (ja) * 2004-04-05 2005-10-20 Mitsubishi Chemicals Corp 徐放材
JP2018188386A (ja) * 2017-05-02 2018-11-29 大洋香料株式会社 収納容器内空間用抗カビ剤

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10194905A (ja) * 1996-12-30 1998-07-28 Lion Corp 抗菌・抗カビ剤組成物及び抗菌・抗カビ剤製品
JP2000281505A (ja) * 1999-03-26 2000-10-10 Rengo Co Ltd 揮散性包装体
JP2002179509A (ja) * 2000-12-12 2002-06-26 Takasago Internatl Corp 抗カビ香料組成物
JP2002284603A (ja) * 2001-01-19 2002-10-03 Rengo Co Ltd 揮散体
JP2003192581A (ja) * 2001-12-26 2003-07-09 Lion Corp 抗菌組成物
JP2005289941A (ja) * 2004-04-05 2005-10-20 Mitsubishi Chemicals Corp 徐放材
JP2018188386A (ja) * 2017-05-02 2018-11-29 大洋香料株式会社 収納容器内空間用抗カビ剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP7111306B2 (ja) 2022-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20230062914A1 (en) Method and system for aseptically filling a package
BR112016015915B1 (pt) Método para o tratamento das bordas de corte abertas de material de embalagem para a produção de embalagem compósita de papelão/plástico e um material de embalagem, embalagem compósita produzida a partir do mesmo e recipiente para receber o material de embalagem
JPWO2017188267A1 (ja) プレフィルドシリンジ用のシリンジ本体、シリンジシステム及びプレフィルドシリンジ
JP7151294B2 (ja) 鮮度保持フィルム、鮮度保持シート及び包装体
JP7111306B2 (ja) 収納容器内空間用抗カビ包装体
JP4914064B2 (ja) 熱接着用多層テープ及び包装体
JP2023174802A (ja) 内容物入りパウチ
JP2005287425A (ja) 培地バッグ付き培養バッグ
ES2738887T3 (es) Utilización de película de polímero para el embalaje de medio de cultivo
JP2021038165A (ja) 抗菌部材
JP2006095832A (ja) 酸素吸収性積層材料及びそれを用いた酸素吸収性包装体及び酸素吸収性蓋材
JP2018188386A (ja) 収納容器内空間用抗カビ剤
CN104118642B (zh) 抗菌塑料容器
JP2015196533A (ja) スキンケアキット、及びスキンケアキットの保存方法
JP6777541B2 (ja) 培養培地の包装用ポリマーフィルムの使用
JP2008239230A (ja) 透湿性包装用袋、及び透湿性包装体
JP4243785B2 (ja) 徐放剤及びその製造方法
JP2007236245A (ja) アルコール揮散剤
JP4641857B2 (ja) 薬剤保持体の包装体
JP4398362B2 (ja) 包装固形培地および調製済み固形培地の提供方法
JP2006273369A (ja) 透明バリア積層体
JP2011184063A (ja) 食品保存用エタノール包装袋、その保存方法および使用方法
JPH02166075A (ja) 保存袋
JPS5920644B2 (ja) 殺菌性高分子材料及びその製法
JP2016064002A (ja) 袋の殺菌方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211228

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220329

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220621

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220711

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7111306

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150