JP2000281505A - 揮散性包装体 - Google Patents

揮散性包装体

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JP2000281505A
JP2000281505A JP11083863A JP8386399A JP2000281505A JP 2000281505 A JP2000281505 A JP 2000281505A JP 11083863 A JP11083863 A JP 11083863A JP 8386399 A JP8386399 A JP 8386399A JP 2000281505 A JP2000281505 A JP 2000281505A
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Japan
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volatilizable
chemical
kneaded
porous
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JP11083863A
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Masao Fujita
真夫 藤田
Koichi Taniguchi
晃一 谷口
Isao Tomoyasu
功 友安
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Rengo Co Ltd
Original Assignee
Rengo Co Ltd
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 包装材料の外表面への薬剤の染みだしや、包
装材料の内表面への薬剤の結露を防止すると共に、包装
材料にピンホールのような孔が生じても薬剤の包装体か
らの染みだしが防止され、薬剤の揮散が長期間にわたり
ほぼ直線的に行うことのできる揮散性包装体を供給する
ことである。 【解決手段】 揮散性薬剤と高分子材料との混練物を、
ガス透過性が制御された収納体、又は、ガス透過性が制
御された透過部を少なくとも一部に有し、その他の部分
はガス非透過性である収納体に収納する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、揮散性薬剤を放
出制御するための揮散性包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、揮散性薬剤を放出する揮散性包装
体としては、液状薬剤を吸着体に含浸したものを、紙、
不織布、多孔性フィルム等の通気性を有する包装材料で
包装したものが知られている。しかし、この揮散性包装
体は液状薬剤が包装材料に染みだしやすく、場合によっ
ては、液状薬剤が包装材料の外表面まで染みだすことが
ある。このとき、例えば、液状薬剤が防虫剤の場合、衣
類を汚す恐れがある。また、放出の制御が難しくなり、
揮散性の高い薬剤では使用期限の短いものしかできな
い。
【0003】また、揮散性薬剤を合成樹脂と混練したも
の、揮散性薬剤をマイクロカプセル化したもの、上記マ
イクロカプセル化した揮散性薬剤を合成樹脂と混練した
もの等を適当な形状に加工して紙、不織布、多孔性フィ
ルム等の通気性を有する包装材料で包装したものが知ら
れている。この揮散性包装体は薬剤の染みだしがなく、
かつ、ある程度の薬剤の放出制御が可能であるが、初期
の放出速度が大きく、その後放出速度が小さくなるた
め、長期間にわたるほぼ直線的な薬剤放出ができない。
【0004】これらに対し、液状薬剤を吸着体に含浸し
たものをガス透過性を制御した包装材料に収納したもの
が知られている。この揮散性包装体は薬剤の染みだしが
なく、かつ、かなり長期にわたって薬剤の放出制御が可
能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記揮
散性包装体において、揮散性の高い薬剤を使用すると、
保存時に包装材料の内表面に薬剤が結露して見栄えが悪
くなる。また、この場合、包装材料にピンホールのよう
な孔が生じると、この孔から薬剤が染みだすことがあ
る。
【0006】そこで、この発明の課題は、包装材料の外
表面への薬剤の染みだしや、包装材料の内表面への薬剤
の結露を防止すると共に、包装材料にピンホールのよう
な孔が生じても薬剤の包装体からの染みだしが防止さ
れ、薬剤の揮散が長期間にわたりほぼ直線的に行うこと
のできる揮散性包装体を供給することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は、揮散性薬剤と高分子材料との混練物
を、ガス透過性が制御された収納体、又は、ガス透過性
が制御された透過部を少なくとも一部に有し、その他の
部分はガス非透過性である収納体に収納したものであ
る。
【0008】また、上記混練物の代わりに、上記混練物
を親和性の異なる多孔質体の孔部に充填した充填多孔質
体を用いることができる。
【0009】所定の混練物又は充填多孔質体を用いるの
で、揮散性薬剤の蒸気圧はある程度抑制されると共に、
混練物又は充填多孔質体から揮散したガス状の揮散性薬
剤が所定の収納体の内表面に結露せず、外表面に染みだ
すことなく、見栄えが悪くならない。
【0010】そして、混練物や充填多孔質体を、所定の
透過性を制御した部分を有する収納体に収納するので、
混練物又は充填多孔質体から揮散したガス状の揮散性薬
剤は、さらに外部への揮散が制御され、長期間にわたっ
て徐々に揮散される。したがって、揮散性薬剤は、二重
に揮散が制御されることとなり、長期間にわたり、ほぼ
直線的に揮散性薬剤を外部に揮散させることが可能とな
る。
【0011】仮に、所定の収納体にピンホールのような
孔が生じても、液体の染みだしが生じない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を説明
する。
【0013】この発明にかかる揮散性包装体は、揮散性
薬剤と高分子材料との混練物を、所定の収納体に収納し
たものである。
【0014】上記揮散性薬剤とは、常温で揮散して所定
の薬効を発揮するものであり、親水性であっても親油性
であってもよい。
【0015】上記親水性揮散性薬剤としては、水、エタ
ノール、N−メチルエタノールアミン、エチレンジアミ
ン類、エピクロロヒドリン、過酢酸、ぎ酸、酸化エチレ
ン、シクロヘキシルアミン等の殺菌・殺虫剤、アセトア
ルデヒド、プロピオン酸等の防カビ剤、ぎ酸エチル、シ
クロヘキサノール、乳酸エチル、イソブタノール等の香
料、竹エキス、ヨモギエキス等の天然消臭剤等があげら
れる。
【0016】上記親油性揮散性薬剤としては、ピレスロ
イド、ハッカ油、ターピネオール、パラジクロロベンゼ
ン、ナフタリン、樟脳等の防虫・忌避剤、ピネン、リモ
ネン、カンフェン、テルビノーレン、リナロール、ゲラ
ニオール、シトロネロール、シトラール、ベンズアルデ
ヒド、カルボン、メントン、クマリン、アニソール、チ
モール、オイゲノール、アネトール、桂皮酸、フェニル
酢酸、ヒドロ桂皮酸、酢酸エチル、酢酸ゲラニル、プロ
ピオン酸イソアミル、ローズオキサイド、オキサイドケ
トン、シネオール、インドール、スカトール、メチルキ
ノリン、ムスク、シベット、カストリウム、アンバーグ
リス、レモン油、バラ油、白檀油、ラベンダー油、ジャ
スミン油等の香料、アリルイソチオシアネート(以下、
「AIT」と略する。)、オクチルアルデヒド、ブロム
シンナミルアルデヒド等の抗菌・防カビ剤、ヒバ油、ヒ
ノキ油、キリ油、キンモクセイ抽出油、ツバキ油、ユー
カリ油、シソ油、ワサビ抽出油、マスタード油、月桃油
等の精油・消臭剤等があげられる。
【0017】上記高分子材料とは、加熱溶融時に揮散性
薬剤と相溶し、常温で固化あるいはゲル化する物質をい
う。上記親水性揮散性薬剤に対する高分子材料として
は、親水性高分子が好ましく、この例としては、とうも
ろこし、じゃがいも等のデンプン類、卵白、ゼラチン等
の動物性蛋白質、大豆蛋白質、小麦グルテン等の植物性
蛋白質、カラギーナン、カードラン等の多糖類、ポリビ
ニルアルコール、ポリアクリルアミド等の水溶性高分子
等があげられる。
【0018】また、上記親油性揮散性薬剤に対する高分
子材料としては、疎水性高分子が好ましく、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、
ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド等の熱可
塑性樹脂、ロジン、ロジンエステル等の天然樹脂、オゾ
ケライトに代表される鉱物ワックス、パラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックス、
脂肪酸、カルナバワックス、ライスワックス等の天然ワ
ックス等があげられる。
【0019】上記の揮散性薬剤と高分子材料は、任意の
方法で混練して混練物を得ることができる。その方法と
しては、ミキサー、ニーダーなどで加熱して混合する方
法があげられる。このとき、揮散性薬剤の熱分解の点か
ら、高分子材料としては、低融点のものがよく、120
℃以下で溶融するものが好ましい。また、混練割合は、
特に限定されないが、揮散性薬剤/高分子材料が0.5
〜2.0が好ましい。
【0020】この混練物は、球状、粒状、ペレット状、
シート状等任意の形状に成形して使用することができ
る。また、上記混練物を溶融状態のときに、多孔質体の
孔部に充填した充填多孔質体を使用してもよい。上記多
孔質体とは、所定の化合物からなる素材の多孔質粒状物
やシート状物等をいい、素材が親水性、親油性のいずれ
であってもよい。
【0021】上記親水性多孔質体としては、水との親和
性の高い化合物からなる素材の多孔質体をいい、セルロ
ースからなる織布、不織布、木粉、パルプシート、パル
プマット、セルローススポンジ、セルロース粒子等のセ
ルロース多孔質体、デンプン、ポリビニルアルコール、
アルギン酸塩、カゼイン、コラーゲン、ポリアミド、ポ
リアクリル酸等の織布、不織布、スポンジ、多孔質粒子
等の親水性高分子多孔質体、酢酸セルロース、ニトロセ
ルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース等の織布、不織布、スポンジ、多孔質粒子等のセル
ロース誘導体多孔質体、ケイ酸塩、シリカゲル、ゼオラ
イト、アルミナ等の無機多孔質体等があげられる。
【0022】上記親油性多孔質体としては、水との親和
性の低い化合物からなる素材の多孔質体をいい、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル、ポリカーボネート
等の疎水性合成樹脂を単独、あるいはブレンドして、多
孔質フィルム、多孔質粒状物としたもの、あるいは、そ
れらの合成樹脂を繊維とし、それらの繊維から織布、不
織布のような多孔質シート状物としたもの、又は、親水
性の紙、織布、不織布、多孔性粒状物をワックス、ゴ
ム、プラスチック等で疎水性処理したもの等があげられ
る。
【0023】上記の多孔質体に対してその孔に充填され
る混練物中の高分子材料は、互いに親和性が異なるもの
が好ましい。すなわち、親水性の高分子材料を用いる場
合、親油性多孔質体を用いる。また、親油性の高分子材
料を用いる場合、親水性多孔質体を用いるのがよい。こ
れは、高分子材料をその親和性が異なる多孔質体の孔に
充填することにより、高分子材料と多孔質体の界面に微
細な隙間ができ、この微細な隙間が揮散した揮散性薬剤
の通り道となるためである。このため、高分子材料と多
孔質体の種類を調整することにより、放出の制御をより
厳密に行うことができる。
【0024】上記収納体とは、全体のガス透過性が制御
され、又は、ガス透過性が制御された透過部を少なくと
も一部に有し、その他の部分はガス非透過性であり、そ
して、上記混練物又は充填多孔質体を収納することがで
き、密封することができるものをいう。
【0025】上記収納体としては、図1(a)に示すよ
うな袋体1や、図1(b)に示すような、真空成形容器
2等があげられる。この袋体1の材質としては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、
ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル、セロフ
ァン、ポリカーボネート等からなるフィルムを単独又は
組み合わせて袋状にしたものがあげられる。また、これ
らの材料に樹脂加工を施したものや多孔化加工したもの
を使用することができ、例えば、ビスコースを塗布し再
生したビスコース加工紙や、ポリビニルアルコールを塗
工したプラスチックフィルム、有孔フィルム等があげら
れる。さらに、袋体1の一部分が異なる材料で作られた
ものを使用することもでき、例えば袋体の表裏で材料が
異なるものがあげられる。上記袋体1の形状としては、
三方シール型、四方シール型、ピロー型等がある。
【0026】上記真空成形容器2の材質としては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル、セ
ロファン、ポリカーボネート等からなる材料を単独また
は、組み合わせたフィルム状又はシート状のものを真空
成形法により成形した容器があげられる。形状として
は、カップ、トレイ、ブリスターバック、スキンパック
等がある。また、上記真空成形容器の開口部に貼りあわ
せる材料3はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエス
テル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポ
リアクリル、セロファン、ポリカーボネート等からなる
フィルム、シート等の材料を単独または、組み合わせた
ものや、多孔化加工したフィルムなどがあげられる。
【0027】上記収納体は、ガス透過性が制御される。
この収納体のガス透過性は、使用する材料の選択と表面
積や厚みも含めた形状の選択によって主に決まる。すな
わち、上記の各材料の中でも、ガスバリア性の高い材料
を用いたり、収納体を構成するフィルム又はシートの厚
みを厚くすることにより、上記ガス状の揮散性薬剤のガ
ス透過性を制御することができる。
【0028】具体的にガス透過性の制御とは、上記収納
体に収納されない状態での上記混練物からの揮散性薬剤
の揮散速度を10とするとき、上記収納体に上記混練物
を収納することによって、その揮散速度が多くとも8に
なることをいう。
【0029】上記収納体には、その全部又は一部のガス
透過性が制御されているので、図1(a)(b)に示す
ように、上記の混練物又は充填多孔質体4が収納される
と、上記混練物又は充填多孔質体4から揮散するガス状
の揮散性薬剤は、上記収納体から揮散する際にも制御を
受ける。このように、混練物又は充填多孔質体からの揮
散の制御と、収納体からの揮散の制御による二重制御機
構をとることで、揮散性薬剤を長期間にわたってほぼ直
線的に揮散させることができる。
【0030】上記揮散性薬剤自体の揮散速度に対する上
記混練物又は充填多孔質体からの揮散性薬剤の揮散速度
の比(以下、「揮散速度比1」と称する。)は、0.8
倍以下であれば特に限定されないが、0.2〜0.8倍
が好ましい。0.2倍より小さいと、高分子材料におけ
る揮散抑制効果が大きく、結果として直線的に揮散させ
ることができない場合が生じる。0.8倍より大きい
と、高分子材料における揮散抑制効果が小さく、収納体
の内表面に揮散性薬剤が結露する場合がある。また、上
記混練物又は充填多孔質体中の揮散性薬剤の揮散速度に
対する上記揮散性包装体からの揮散性薬剤の揮散速度の
比(以下、「揮散速度比2」と称する。)は、0.1〜
0.8倍が好ましい。0.1倍より小さいと、収納体の
ガス透過性の制御能力が大きく、収納体から揮散性薬剤
がほとんど揮散されないか、又は、収納体の内表面に結
露が生じる場合がある。0.8倍より大きいと、収納体
のガス透過性の制御能力が小さく、結果として直線的に
揮散させることができない傾向にある。
【0031】
【実施例】以下に、この発明にかかる実施例を示す。な
お、図2は、日数とAIT揮散量(当初からの積算量)
との関係を示すグラフ(1日毎に測定)を示し、図中の
符号の1〜6は、下記の実施例又は比較例における場合
を示す。 1…実施例1;2…実施例2;3…実施例3;4…実施
例6;5…比較例1;6…比較例2
【0032】(実施例1)高分子材料であるロジンエス
テル1gを100℃に加熱溶融し、これに親油性揮散性
薬剤であるAITを1g混練して得られた液体を、多孔
質体であるセルロース粒子1gに含浸させた。この充填
多孔質体3gを収納体であるビスコース加工紙袋体(袋
体サイズ60×60mm/mm、三方シール型)に入
れ、揮散性包装体とした。
【0033】上記のAIT自体の揮散速度、充填多孔質
体からのAITの揮散速度、及び揮散性包装体からのA
ITの揮散速度について、下記の測定条件にてそれぞれ
測定し、揮散速度比1及び揮散速度比2を求めた。その
結果を表2に示す。
【0034】また、この揮散性包装体を用い、下記の測
定条件にてAITを完全に揮散させた。このときのAI
T揮散量を1日毎に測定した。その結果を図2に示す。
【0035】測定条件 市販のペトリシャーレ(φ90mm×高さ20mm:ガ
ラス製)の中に上記AIT自体1g、充填多孔質体3g
(AIT量として1g)、及び揮散性包装体(AIT量
として1g)をそれぞれ入れた。25℃、65%RH、
無風条件下に放置して、AITを7日間揮散させた後、
その後の重量変化を測定した。AITの揮散速度は下記
の式を用いて算出した。
【0036】AITの揮散速度=(揮散前ガラスシャー
レ重量−揮散後ガラスシャーレ重量)/7

【0037】(実施例2)表1に示すように、収納体と
してポリエチレンフィルム袋体(以下、「PEフィルム
袋体」と略する。)を使用した以外は、実施例1と同様
にして揮散速度比1及び揮散速度比2、並びに、1日毎
のAIT揮散量を求めた。その結果を表2及び図2に示
す。
【0038】(実施例3)表1に示すように、収納体と
してポリエチレンテレフタレートブリスターバッグ(以
下、「PETブリスターバッグ」と略する。)(透過
部:ポリエチレンフィルム(以下、「PEフィルム」と
略する。)、真空成型容器サイズ:35mm×75mm
×20mm)を使用した以外は、実施例1と同様にして
揮散速度比1及び揮散速度比2、並びに、1日毎のAI
T揮散量を求めた。その結果を表2及び図2に示す。
【0039】(実施例4)表1に示すように、揮散性薬
剤としてリモネンを使用した以外は、実施例1と同様に
して揮散速度比1及び揮散速度比2を求めた。その結果
を表2に示す。
【0040】(実施例5)高分子材料であるカラギーナ
ン1gを90℃に加熱溶融し、これに親水性揮散性薬剤
である水を1g混練して得られた液体を、多孔質体であ
るポリエチレン多孔質ボール(以下、「PE多孔質ボー
ル」と略する。)1gに含浸させた。この充填多孔質体
3gを収納体であるPETブリスターバッグ(透過部:
ポリプロピレン有孔フィルム(以下、「PP有孔フィル
ム」と略する。)、真空成型容器サイズ:35mm×7
5mm×20mm)に入れ、揮散性包装体とした。
【0041】上記の水自体の揮散速度、充填多孔質体か
らの水の揮散速度、及び揮散性包装体からの水の揮散速
度について上記の測定方法に準じてそれぞれ測定し、揮
散速度比1及び揮散速度比2を求めた。その結果を表2
に示す。
【0042】(実施例6)高分子材料であるロジンエス
テル1gを100℃に加熱溶融し、これに親油性揮散性
薬剤であるAITを1g混練した。この混練物2gを収
納体であるビスコース加工紙袋体(袋体サイズ60×6
0mm/mm、三方シール型)に入れ、揮散性包装体と
した。
【0043】上記のAIT自体の揮散速度、混練物から
のAITの揮散速度、及び揮散性包装体からのAITの
揮散速度について上記の測定方法に準じてそれぞれ測定
し、揮散速度比1及び揮散速度比2を求めた。その結果
を表2に示す。
【0044】また、この揮散性包装体を用い、上記の測
定条件に準じてAITを完全に揮散させた。このときの
AIT揮散量を1日毎に測定した。その結果を図2に示
す。
【0045】(比較例1)親油性揮散性薬剤であるAI
T1gを多孔質体であるセルロース粒子1gに含浸させ
た。この充填多孔質体2gを収納体であるビスコース加
工紙袋体(袋体サイズ60×60mm/mm、三方シー
ル型)に入れ、揮散性包装体とした。
【0046】上記のAIT自体の揮散速度、充填多孔質
体からのAITの揮散速度、及び揮散性包装体からのA
ITの揮散速度について上記の測定方法に準じてそれぞ
れ測定し、揮散速度比1及び揮散速度比2を求めた。そ
の結果を表2に示す。
【0047】また、この揮散性包装体を用い、上記の測
定条件に準じてAITを完全に揮散させた。このときの
1日毎のAIT揮散量を重量変化により測定した。その
結果を図2に示す。
【0048】(比較例2)表1に示すように、収納体と
してポリプロピレン不織布袋体(以下、「PP不織布袋
体」と略する。)を使用した以外は、実施例1と同様に
して揮散速度比1及び揮散速度比2、並びに、1日毎の
AIT揮散量を求めた。その結果を表2及び図2に示
す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】結果 実施例1〜3、6は、経過時間に対してほぼ直線的なA
ITの揮散が見られ、また、実施例1〜6は、袋体又は
収納体にAIT、水、リモネンの結露や染みだしが見ら
れなかった。
【0052】これに対し、比較例1の場合は、初期に多
量のAITの揮散が見られ、経過時間に対するAITの
揮散量が直線関係を示さなかった。また、袋体にAIT
の結露が見られた。また、比較例2の場合は、袋体にA
ITの結露は見られなかったものの、初期に多量のAI
Tの揮散が見られ、経過時間に対するAITの揮散量が
直線関係を示さなかった。
【0053】
【発明の効果】この発明によれば、揮散性薬剤を長期間
にわたり、ほぼ直線的な揮散をさせ、かつ収納体の外表
面に液状の薬剤が染み出すことがなく、かつ、収納体の
内表面に薬剤が結露しない揮散性包装体を供給できる。
また、収納体にピンホールのような孔があったときで
も、薬剤が染みだすことがない揮散性包装体を供給でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)袋体の断面図 (b)真空成型容器の断面図
【図2】各実施例及び比較例における、日数とAIT揮
散量(積算量)の関係を示すグラフ(1日毎に測定)
【符号の説明】
1 袋体 2 真空成形容器 3 透過部 4 混練物又は充填多孔質体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 友安 功 福井県坂井郡金津町自由ケ丘1丁目8番10 号 レンゴー株式会社福井研究所内 Fターム(参考) 4C002 AA03 AA06 BB05 DD13 EE07 4C080 AA03 BB01 BB02 BB03 BB05 BB07 BB10 HH05 JJ03 JJ06 KK03 LL09 LL10 MM01 MM11 MM31 NN22 QQ03 4H011 AA01 AA03 AC01 AF01 BA04 BB03 BB04 BB05 BB06 BB08 BB09 BB15 BB22 BC19 DA07 DA09 DA10 DB03 DF02 DH02 DH04 DH05 DH06 DH10 DH11 DH13 DH25 DH26 DH27

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揮散性薬剤と高分子材料との混練物を、
    ガス透過性が制御された収納体、又は、ガス透過性が制
    御された透過部を少なくとも一部に有し、その他の部分
    はガス非透過性である収納体に収納した揮散性包装体。
  2. 【請求項2】 上記混練物の代わりに、上記混練物を親
    和性の異なる多孔質体の孔部に充填した充填多孔質体を
    用いた請求項1に記載の揮散性包装体。
  3. 【請求項3】 上記混練物又は充填多孔質体中の揮散性
    薬剤の揮散速度が、上記揮散性薬剤自体の揮散速度に対
    して0.2〜0.8倍であり、上記混練物又は充填多孔
    質体中の揮散性薬剤の揮散速度に対し0.1〜0.8倍
    の揮散性薬剤の揮散速度を有する請求項1又は2に記載
    の揮散性包装体。
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