JP2007169467A - 揮散成分徐放用フィルム、揮散成分徐放用包装袋、及び包装体 - Google Patents

揮散成分徐放用フィルム、揮散成分徐放用包装袋、及び包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】 機能性を有する揮散成分を発生する内容物を包装するため、従来になかった内容物に応じて最適な除放量をコントロールできるフィルムを提供することにある。
【解決手段】 揮散成分を発生する内容物を包装するフィルムにおいて、前記フィルムの厚みが5μm以上100μm未満であり、前記フィルムに平均開孔面積10mm以下の貫通又は非貫通の微孔、又は長さ0.01mm以上3.0mm以下の切り込みを有している揮散成分徐放用フィルムである。

Description

本発明は、気体を微量ずつ放出する徐放性物質を包装するための揮散成分徐放用包装用フィルムであり、それを用いた包装袋、包装体に関するものである。
徐放性技術は内容物を少しずつ長期間にわたって放出する技術であり、日常生活の衣食住に不可欠の存在となっている。例えば、錠剤やカプセル剤等の医薬品、ナフタリンや樟脳等の衣類防虫剤、電気蚊取りマット、芳香消臭剤などきわめて身近なものである。
日常品で見られるこれらは2種類に大別できると考えられる。1つは素材自体に徐放性をもたせる方法である。
徐放したい成分を高分子樹脂やゲル状物に混合する方法、あるいは他の物質に結合もしくは吸着させる方法、あるいは、皮膜層を有する粒子、微粒子にする方法など、合成、製剤、成型の際に徐放性を付与する方法である。この方法は、徐放する成分、量が限定される、高度な製造技術や設備が必要であり、コストアップとなるため用途が限定される。
もう1つの方法として、徐放したい成分を適切な透過量を有する材料で包装するという方法がある。
包装材として、例えば、特開平8−164193号公報では不織布、合成紙、紙を用いているが、この方法は透過量が高すぎるため短期間に使い切る用途にしか使えない、透明性がないため中身が見えない、複数の材料を組み合わせるためにコストアップ、材質が限定されるなどの問題がある。
フィルム自体の透過性で徐放機能を持たせるものもあるが、透過性が低すぎる、材料自体の透過性が決まっているので徐放性のレベルを自由の選ぶことができない、内容物に応じて自由に材料を選択できないなどの欠点を有する。
特開2000−167032号公報では、主に不織布、紙などで芳香等の効力を有する粉末を包装するものであり、一部で微多孔シートの使用も開示されている。しかし、微多孔シートの厚みが厚くなると柔軟性に欠け、穿孔加工が困難になるという問題を有している。
特開2000−325017号公報は、気体透過性の低いフィルムや金属箔を穿孔加工した上でシーラントフィルムをラミネートしたもので、シーラント層に徐放する成分を良好に透過するフィルムを用いたものであるが、内容物とフィルム、シーラントの組み合わせが限られる、透過量を高く設定することができない、ラミネート加工が難しいなどの問題がある。
特開平5−345832号公報では、延伸工程により貫通微細孔を設けた微多孔性ポリオレフィンの徐放性膜に関するものであるが、生産数量が大きくなる、透明性が不十分である、内容物に応じて自由に材料を選ぶことができないなどのなどの欠点を有していた。
このような徐放性膜などの徐放性材料は、複数の成分を同時に徐放させるような場合には、成分間で放出速度に差ができ、最初と最後で徐放成分に大きな差ができるという問題もあった。これは徐放性材料と放出される成分との親和性等の組み合わせによるもので、適切な材料を選択できれば回避できるが、従来の徐放性材料は使用できる材料が限定されており選択できなかった。内容物、放出される成分に応じて、材質を自由に選べ、徐放量を種々選択でき、低価格で小ロット生産が可能な徐放性フィルムは今までなかった。
特開平8−164193号公報 特開2000−1673032号公報 特開2000−325017号公報 特開平5−345832号公報
機能性を有する揮散成分を発生する内容物を包装するため、内容物に応じて最適な除放量をコントロールできるフィルムを提供することにある。
本発明は、揮散成分を発生する内容物を包装するフィルムにおいて、前記フィルムの厚みが5μm以上100μm未満であり、前記フィルムに平均開孔面積10mm以下の貫通又は/及び非貫通の微孔を有することを特徴とする揮散成分徐放用フィルムである。
または、揮散成分を発生する内容物を包装するフィルムにおいて、前記フィルムの厚みが5μm以上100μm未満であり、前記フィルムに長さ0.01mm以上3mm以下の切り込みを有することを特徴とする揮散成分徐放用フィルムである。
更に好ましい形態としては、前記フィルムの微孔又は切り込みより包装外に放出される揮散成分の量が微孔又は切り込み以外から放出される揮散成分の量と比較して、10倍以上であり、微孔の平均開孔面積が5mm以下であり、微孔の開口面積比率が1×10−11以上5%未満であり、フィルムが生分解性を有するフィルムであり、揮散成分を発生する内容物が固体もしくはゲル状物であり、昇華、蒸発、分解、酸化により揮散成分が放出される内容物であり、揮散成分を発生する内容物が液体もしくは粘稠体であり、気化、分解、酸化により揮散成分が放出される内容物であり、揮散成分を発生する内容物が、2種類以上の物質が化学反応することにより揮散成分を発生する内容物である揮散成分徐放用フィルムである。
また、上記に記載の揮散成分徐放用フィルムを一部又は全てに用いた揮散成分徐放用包装袋である。
更に、揮散成分を発生する内容物を上記の揮散成分徐放用包装袋に入れて包装したことを特徴とする包装体であり、揮散成分を発生する内容物を容器に入れ、上記の揮散成分徐放用フィルムを容器の蓋材フィルムとして用いた包装体である。
機能性揮散成分を発生する内容物を揮散成分に応じて、本発明による揮散成分徐放用フィルムを用いることにより最適の徐放性フィルムを提供することができる。当該フィルムの材質を自由に選択でき、従って機能性揮発成分の徐放量を最適な量になるようにコントロールできるため、長期間にわたり安定した徐放効果を持続させることができる。また、低価格で徐放性フィルムが提供できる。また、本発明の揮散成分徐放用フィルムは、柔軟性があり、透明性もあり、穿孔加工が容易で、廃棄量が少なく、コストの低いフィルムである。
本発明の揮散成分を含む内容物は、揮発成分を放出することにより、何らかの有効な効果をその周辺に及ぼす機能を有しているものであり、例えば、殺虫剤、防黴剤、芳香剤、害虫や有害鳥獣の忌避剤、消臭剤、除菌剤、鮮度保持剤、植物ホルモン、農薬、あるいは医薬などであり、意図的に環境に揮散させることで、何らかの効果を期待するものであり、前記に記載されたものに限定されない。上記の揮散成分を含む内容物を本発明のフィルムで包装することにより、機能性の揮発成分の徐放量を最適な量になるようにコントロールし、長期間にわたり安定した徐放効果を持続させることができることを見出した。しかし、例えば、青果物は呼吸により二酸化炭素を放出しており、二酸化炭素を排出し不足した酸素を補うべく包装に孔を開ける事が良く行われているが、排出した二酸化炭素が環境に何らかの効果を与えることを期待しているのではないため本発明には該当しない。本発明の徐放性フィルムを用いることで、適切な揮散量で一定期間継続され、効果を持続させることを目的としている。
本発明に用いられるフィルムの材質としては、フィルムに加工できるものであれば、すべて使用することができる。例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレンなどの各種ポリエチレンやエチレン酢酸ビニル共重合体およびそのケン化物、エチレンーアクリル系共重合体、エチレンープロピレン共重合体、エチレンープロピレン系の3元共重合体などの各種エチレン共重合体、ポリプロピレンおよびその種々の共重合体、種々のオレフィン系樹脂およびその共重合体、ジエン系樹脂およびその共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ乳酸などの各種ポリエステル型樹脂、6ナイロンやMXDなどの各種ポリアミド型樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリウレタン、各種アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリイミド、フッ素樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、セロハン等の半合成樹脂などが挙げられる。また、フィルムはポリ乳酸などの生分解性を有する材質であっても良い。当然のことながら、包装する内容物に対し、徐放性フィルムの材質は、溶解、膨潤、化学反応などの影響を受けない材料を選択すべきである。また、複数の成分を放出する必要がある場合には、それぞれの透過性に大きな差がない材料を選択すべきである。大きな差がある場合には徐々に放出される成分が変化してしまうという問題が発生する。
揮散成分徐放用フィルムに用いられる樹脂は、単体で用いてもかまわないし、共重合体、ブレンド物などとして用いてもかまわない。
さらには前述の樹脂を複数用いて多層にした多層フィルムとしてもかまわない。多層フィルムとするためには、ドライラミネーションや共押出し、押出ラミネーションなどの公知の手段によって行われる。
フィルムに成型するにあたり種々の添加物を混練したり、成型後に延伸や熱処理などを行ってもまったく差し支えない。成型後にコーティング、蒸着などを行ってもかまわない。フィルムが2層以上になっている場合に、そのうち一層が金属箔もしくは金属蒸着膜、もしくは無機蒸着膜層であってもかまわない。
揮散成分徐放用フィルムの厚みは通常5μm以上100μm未満のものが用いられる。5μmより薄いと強度が低いため実用性がなく、100μm以上であるとコストアップ、穿孔加工性の低下、透明性を希望する場合には透明性の低下、柔軟性の不足などの問題につながる可能性がある。より好ましくは、20μm以上70μm以下である。コスト面、使い勝手などの観点からこの範囲がより実用的である。
揮散成分徐放用フィルムは、その目的に応じて、透明で使用することができ、また、添加物を混入させることにより不透明で使用することができ、印刷を付したものであっても何等差し支えはない。
揮散成分徐放用フィルムには微孔加工が施されている。穿孔方法は特に限定されないが、例えば、機械的に抜き刃により打ち抜く方法、加熱した針により開ける方法、微細で鋭利な突起物を有するロールとゴムロールでフィルムを挟み込む方法、レーザー光による方法、放電による方法などが知られており、これらの中から最適な方法を用いる。穿孔は、フィルム形成直後、スリット時、印刷前、印刷中、印刷後、製袋中、製袋後、内容物充填前、内容物充填後、設置直前などいかなるタイミングで行なわれても構わない。微孔は貫通孔、非貫通孔いずれでもよく、これらが混在していてもかまわない。要は適切な加工を行うことで最適な透過量に調節することが肝要である。なお、穿孔では、フィルムの厚みが薄い方が好ましく、100μm以上になると、例えばレーザー光による方法などでは穿孔加工に時間を要するようになる場合がある。
揮散成分徐放用フィルムは適度な徐放性を有するために微孔を有し、微孔は内容物の拡散しやすさ、揮散させたい量により適度にコントロールする必要がある。揮散成分徐放用フィルムに設けられる微孔は、平均開孔面積10mm以下の孔が1個以上あることが必要である。これ以上孔が大きければ徐放量が安定しない。孔数もより多い方が徐放量を安定させやすい。孔1個の平均開孔面積としては、5mm以下が好ましく、1×10−11〜5mmの範囲がより望ましく、1×10−8〜5×10−2mmの範囲にあることがさらに望ましく、1×10−5〜5×10−2mmの範囲にあることが更に望ましい。平均開孔面積が10mmを越えると放出量が安定しなかったり、短期間で内容物が出てしまったり、あるいはフィルム自体の強度低下を引き起こすなどの問題が発生する可能性がある。
揮散成分徐放用フィルムに設けられる微孔の総開口面積比率としては、1×10−11以上5%未満の範囲が望ましいが、1×10−10〜10−2%の範囲がより望ましく、1×10−10〜10−2%の範囲がより望ましく、更に言えば1×10−7〜5×10−2%がより望ましい。1×10−11%未満であると加工が難しく実用性が乏しいのに対し、5%を越えると放出量が安定しなかったり、短期間で内容物が出てしまったり、あるいはフィルム自体の強度低下を引き起こすなどの問題が発生する可能性がある。
ここで言う開口面積は貫通孔、非貫通孔にかかわらず、穿孔部のいずれか大きい面側から見た面積を意味する。また、微孔の形状としては、円形が望ましいが、特に形状に特定されず、四角形、三角形、楕円形などでも良い。
フィルムには微孔の代わりに切り込みの形になっていてもかまわない。形状は直線、曲線、十文字など形状は問われないが、加工部1つあたりの長さは0.01mm以上3mm以下が適している。これより短くすることは加工性が悪く、機能性成分の放出量も小さすぎ実用的でなく、これより長いと放出量のコントロールが困難となり、フィルム自体の強度も低下し実用に耐えなくなる可能性がある。フィルムへの切り込みの加工方法は特に限定されないが、例えば機械的に抜き刃により切り込みを設ける方法などがある。
なお、揮散成分徐放用フィルムは微孔と切り込みが混在していても良い。
揮散成分徐放用フィルムの微孔又は切り込みより揮散する成分の量が微孔又は切り込み以外から揮散する成分の量と比較して、10倍以上であることが好ましい。
これより低い場合には、揮散成分の透過量が不足し効果がでない、内容物、揮散成分により徐放用フィルムが何らかの好ましくない影響を受ける、揮散成分が複数である場合、放出されず組成が経時変化する、などの問題が発生する可能性がある。
揮散成分徐放用フィルムを用いて包装袋を製作する場合、どのような袋形態に加工してもかまわない。三方シール袋、合掌背貼り袋、封筒貼り袋、溶断シール(サイドウェルド)袋、横ガゼット袋、底ガゼット袋、スタンディングパウチなどのの袋は言うまでもなく、円形、楕円形、三角形、ドーナツ状、半円状、三日月状など任意の形にしてよい。
袋に加工する製造方法も特に限定されない。また、揮散成分徐放用フィルムを包装袋の全部もしくは一部に用いて包装袋としても良い。例えば、片面に本発明の揮散成分徐放用フィルム、他面に通常の未穿孔のフィルムを用いるなどの手段で片面のみに微細孔が存在する袋としてもかまわない。例えば、液状物を包装し、液状物が分解や反応により有効成分を気体の形で放出す場合においては、穿孔面を上に向けることで適切な徐放性がえられるのみならず、液状物がこぼれにくすることができる。適切な位置に孔を付与することはきわめて重要である。これらにリクローズ性を持たせるため袋にジッパーなどを付けても構わない。
このようにして、作製した袋に機能性を有する揮散成分を放出する内容物を入れた後、ヒートシールやジッパー等により密封する。密封する方法は、例えば、食料品を包装袋に入れて密封するような通常の方法で良い。また、製袋部と充填シール部が一体となっているフォームフィルシール機を用いてもかまわない。このフォームフィルシール機中で本発明の穿孔を行ってもかまわない。
また、機能性を有する揮散成分を放出する内容物をプラスチックのトレー、カップ等の容器にいれ、本発明の揮散成分徐放用フィルムを蓋材として用いても何ら差し支えない。
また、微細孔、切り込みを開けた部分を粘着テープなどで塞ぎ、設置直前に剥がすなどの手段を講じてもかまわない。当然、使用直前に内容物を充填してもかまわない。
機能性を有する揮散成分を含む内容物はどのような形態、状態であってもかまわない。内容物の状態としては、固体もしくはゲル状物、液体、液状物、などで、これらの2種類以上の組み合わせた状態であってもかまわない。微孔より揮散される成分は当然、気体もしくは気体状になっているものである。内容物と放出される成分が化学的にまったく同じものであってもかまわないし、異なっていてもかまわない。たとえば、包装後に昇華、気化、分解、化学反応等の化学変化あるいは物理変化がおこり発生した成分が放出されるという形態でもかまわない。たとえば、2種類以上の物質の化学反応によって特定成分を発生させそれを放出するという形態において、使用開始前に化学反応が起こることを防ぐため、包装内に他の容器、袋、しきりなどを設けてもかまわない。また、それらの容器、袋、しきりを設ける場合に、機械的な衝撃により、容易にその容器、袋、しきりの一部もしくは全部が破壊することで内容物が混合され、反応を開始させることができるようあらかじめ加工を行ってもかまわない。
一定時間の経過や周辺温度の上昇など種々の要因により容器、袋、しきりの一部もしくは全部が破壊や溶解するなどして取り除かれることで内容物が混合され、反応が開始するようにしてもかまわない。
内容物が液体を含む場合、穿孔する場所を袋や容器上面に相当する場所のみ行ってもかまわない。
内容物が液体と固体を含む場合、固体が液体を吸収するような材料を選択するかあらかじめ混合することで、反応後に微細孔より液体が染み出すことを防止するなどの手段を講じてもかまわない。
一般家庭用のニーズとして、種々の殺虫剤、防黴剤、防虫剤、消臭剤、除菌剤等を包装することで、放出量を必要最小限に抑え、効果を長期間持続し、過剰な放出を抑えることにより悪臭などによる使用環境を悪化を防ぎ、過剰な成分を吸引や接触することによる健康被害がでる危険性も避けられる。
その他、香り成分や害虫の繁殖をおさえるためのフェロモンなどや有害鳥獣、害虫などの忌避剤などへの応用もできる。
また、微量で青果物に対し大きな効果を有するアリルイソチオシアネート、1−メチルシクロペンテン(1MCP)、エチレンなどの成分を低い濃度で長期間発生させ続けることができるため、低コストの処理が可能となる。
複数の機能性揮散成分が含まれる場合、従来に比べて、長期間成分比が一定に保たれるように自由に包装材を設計することが可能となる。芳香剤のようなものにおいては、内容物の揮散速度、透過速度、包装材への収着性が異なるため使用中に香りが変化してしまうと言う問題があったが、本発明により包装材を適切に選択することで改善できる。
《実施例1》 12μmの延伸PETフィルムと30μmの低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネートしたフィルムを100×150mmの袋状に加工した。この袋の片面にはレーザーにより直径50μmの孔(開孔面積1.97×10−3mm)を5個(開口面積比率3.3×10−5%)もうけた。これに、ガーゼにバニラエッセンスを適量含浸させたガーゼを入れ密封した。
《実施例2》 12μmの延伸PETフィルムと30μmの低密度ポリエチレンフィルムをドライラミネートしたフィルムを100×150mmの袋状に加工した。この袋の片面にはレーザーにより直径100μmの孔(開孔面積7.85×10−3mm)を20個(開口面積比率5.2×10−4%)もうけた。これに、ガーゼにバニラエッセンスを適量含浸させたガーゼを入れ密封した。
《比較例1》 実施例1と同様の包装体を作製した。ただし、孔は設けなかった。
《比較例2》 実施例1と同様の包装体を作製した。孔は直径4mmの孔(開孔面積12.6mm)を1個(開口面積比率4.2×10−2%)設けた。
《比較例3》 実施例1と同様の包装体を作製した。孔は直径1mmの孔(開孔面積0.785mm)を2,000個(開口面積比率5.2%)設けた。穿孔加工は実施例1と同様の方法で行ったが、実施例1に比べて、1%弱の加工速度で行わなければならなかった。
《比較例4》 フィルムの材質として厚み150μmのポリエチレンシートを用い、実施例1と同様のレーザー加工機で穿孔加工を行おうとしたが加工できなかった。
評価方法は、実施例1、2および比較例1、2、3のサンプルを50cmずつ離れた位置に静置し、5人のオペレーターが定期的に香りを官能で評価した。事前に臭いの強さの異なる種々のサンプルを作り、オペレーターの感度のすりあわせを行った。評価は5段階で、4点:強く香る、3点:香る、2点:少し臭う、1点:かすかに臭う、0点:臭わない、とし、各n=4のサンプル評価をして5人の平均点であらわした。その結果を表1に示す。
Figure 2007169467
実施例1、2では長期間香りが保たれていた。
本発明は、機能性を有する揮散成分を発生する内容物に応じて、包装するフィルムの材質を自由に選べ、徐放量を種々選択でき、低価格で小ロット生産が可能な揮散成分を発生する内容物を包装した包装体を提供することができ、例えば、種々の殺虫剤、防黴剤、防虫剤、消臭剤、除菌剤等を包装することで、放出量を必要最小限に抑え、効果を長期間持続し、過剰な放出を抑えることにより悪臭などによる使用環境を悪化を防ぎ、過剰な成分を吸引や接触することによる健康被害がでる危険性も避けられる。

Claims (15)

  1. 揮散成分を発生する内容物を包装するフィルムにおいて、前記フィルムの厚みが5μm以上100μm未満であり、前記フィルムに平均開孔面積10mm以下の貫通又は/及び非貫通の微孔を有することを特徴とする揮散成分徐放用フィルム。
  2. 揮散成分を発生する内容物を包装するフィルムにおいて、前記フィルムの厚みが5μm以上100μm未満であり、前記フィルムに長さ0.01mm以上3mm以下の切り込みを有することを特徴とする揮散成分徐放用フィルム。
  3. 前記フィルムの微孔又は切り込みより包装外に放出される揮散成分の量が微孔又は切り込み以外から放出される揮散成分の量と比較して、10倍以上である請求項1又は2に記載の揮散成分徐放用フィルム。
  4. 微孔の平均開孔面積が5mm以下である請求項1又は3に記載の揮散成分徐放用フィルム。
  5. 微孔の平均開孔面積が1×10−11〜5mmである請求項1又は3に記載の揮散成分徐放用フィルム。
  6. 微孔の平均開孔面積が1×10−8〜5×10−2mmである請求項1又は3に記載の揮散成分徐放用フィルム。
  7. 微孔の開口面積比率が1×10−11以上5%未満である請求項1、3、4、5又は6に記載の徐放性フィルム。
  8. 微孔の開口面積比率が1×10−10〜10−2%である請求項項請求項1、3、4、5又は6に記載の揮散成分徐放用フィルム。
  9. フィルムが生分解性を有するフィルムである請求項1〜8のいずれかに記載の揮散成分徐放用フィルム。
  10. 揮散成分を発生する内容物が固体もしくはゲル状物であり、昇華、蒸発、分解、酸化により揮散成分が放出される内容物である請求項1〜9のいずれかに記載の揮散成分徐放用フィルム。
  11. 揮散成分を発生する内容物が液体もしくは粘稠体であり、気化、分解、酸化により揮散成分が放出される内容物である請求項1〜9のいずれかに記載の揮散成分徐放用フィルム。
  12. 揮散成分を発生する内容物が、2種類以上の物質が化学反応することにより揮散成分を発生する内容物である請求項1〜9のいずれかに記載の揮散成分徐放用フィルム。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の揮散成分徐放用フィルムを一部又は全てに用いたことを特徴とする揮散成分徐放用包装袋。
  14. 揮散成分を発生する内容物を請求項13に記載の揮散成分徐放用包装袋に入れて包装したことを特徴とする包装体。
  15. 揮散成分を発生する内容物を容器に入れ、請求項1〜12いずれかに記載の揮散成分徐放用フィルムを容器の蓋材フィルムとして用いたことを特徴とする包装体。
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