JP2000325017A - 徐放性鮮度保持材 - Google Patents
徐放性鮮度保持材Info
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- JP2000325017A JP2000325017A JP13657799A JP13657799A JP2000325017A JP 2000325017 A JP2000325017 A JP 2000325017A JP 13657799 A JP13657799 A JP 13657799A JP 13657799 A JP13657799 A JP 13657799A JP 2000325017 A JP2000325017 A JP 2000325017A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 長期間にわたって鮮度保持成分を徐放し続け
る鮮度保持材を得る。 【解決手段】 20℃-65%RHの条件下における酸
素透過度が300ml/m2・atm・24hrs以下
のフィルム又は金属箔を穿孔加工した有孔フィルム及び
該フィルムの少なくとも片面に設けられたシーラント層
からなるラミネートフィルムにて形成された密閉容器中
に、揮発性の鮮度保持成分を吸着した担体を封入してな
る徐放性鮮度保持材。
る鮮度保持材を得る。 【解決手段】 20℃-65%RHの条件下における酸
素透過度が300ml/m2・atm・24hrs以下
のフィルム又は金属箔を穿孔加工した有孔フィルム及び
該フィルムの少なくとも片面に設けられたシーラント層
からなるラミネートフィルムにて形成された密閉容器中
に、揮発性の鮮度保持成分を吸着した担体を封入してな
る徐放性鮮度保持材。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗菌性など優れた鮮度保
持性能を有する揮発性物質を長期間にわたって放出させ
る、すなわち長期徐放性を有する鮮度保持材に関する。
持性能を有する揮発性物質を長期間にわたって放出させ
る、すなわち長期徐放性を有する鮮度保持材に関する。
【0002】
【従来の技術】鮮度保持性能を有するイソチオシアネー
ト化合物の代表例であるアリルイソチオシアネート(以
下AITと略記する)は、食品に発生するカビや細菌の
増殖を抑制する優れた抗菌性を有しており、鮮度保持剤
として幅広く使用されている。しかしながら、AITは
揮発性であるため、短期間しか鮮度保持性能を示さない
という問題点がある。
ト化合物の代表例であるアリルイソチオシアネート(以
下AITと略記する)は、食品に発生するカビや細菌の
増殖を抑制する優れた抗菌性を有しており、鮮度保持剤
として幅広く使用されている。しかしながら、AITは
揮発性であるため、短期間しか鮮度保持性能を示さない
という問題点がある。
【0003】この問題点を解決するために種々の提案が
なされている。例えば、AITを繊維状結晶構造を持つ
粘土鉱物に含有させ、さらにこれを酸素透過度が500
ml/m2・atm・24hrs以上のフィルムでシー
ルする方法(特開平2−113876号)、酸素透過度1
000ml/m2・atm・24hrs以上の通気性材
料に収納する方法(特開平4−79869号)などが提案
されている。しかし、これらの方法では、AITは酸素
と同程度にフィルムや通気性材料を透過するため、AI
Tが短期間に放出されてしまい、長期間にわたって鮮度
保持性能を発揮させることができない。
なされている。例えば、AITを繊維状結晶構造を持つ
粘土鉱物に含有させ、さらにこれを酸素透過度が500
ml/m2・atm・24hrs以上のフィルムでシー
ルする方法(特開平2−113876号)、酸素透過度1
000ml/m2・atm・24hrs以上の通気性材
料に収納する方法(特開平4−79869号)などが提案
されている。しかし、これらの方法では、AITは酸素
と同程度にフィルムや通気性材料を透過するため、AI
Tが短期間に放出されてしまい、長期間にわたって鮮度
保持性能を発揮させることができない。
【0004】また、AITをサイクロデキストリンで包
接した包接化合物を調製し、その揮散を抑制して使用す
る方法(特開平6−92842号、特開平6−1915
62号、特開平6−286775号、特開平6−336
265号、特開平7−80985号、特開平7−469
73号、特開平9−224560号等)も提案されてい
る。これらの技術では、サイクロデキストリンはAIT
を取り込む力が強く、通常の条件下ではAITが殆ど放
出されない。このため、使用に際してはAITを含有す
るサイクロデキストリン包接化合物に食品から出る水を
接触させて、サイクロデキストリンを溶解させることに
より、AITを放出させる機構を提案している。しかし
ながら、このような方法では、サイクロデキストリンが
溶解した際、一度にAITが放出されてしまい長期間に
わたる徐放性が得られない。このように、AITを一週
間ないし一カ月以上にわたって徐々に放出する、長期徐
放性鮮度保持材は存在せず、その技術確立と商品化が強
く望まれている。
接した包接化合物を調製し、その揮散を抑制して使用す
る方法(特開平6−92842号、特開平6−1915
62号、特開平6−286775号、特開平6−336
265号、特開平7−80985号、特開平7−469
73号、特開平9−224560号等)も提案されてい
る。これらの技術では、サイクロデキストリンはAIT
を取り込む力が強く、通常の条件下ではAITが殆ど放
出されない。このため、使用に際してはAITを含有す
るサイクロデキストリン包接化合物に食品から出る水を
接触させて、サイクロデキストリンを溶解させることに
より、AITを放出させる機構を提案している。しかし
ながら、このような方法では、サイクロデキストリンが
溶解した際、一度にAITが放出されてしまい長期間に
わたる徐放性が得られない。このように、AITを一週
間ないし一カ月以上にわたって徐々に放出する、長期徐
放性鮮度保持材は存在せず、その技術確立と商品化が強
く望まれている。
【0005】
【発明の目的及び概要】本発明者らは、AITなどのよ
うな揮発性を有する鮮度保持成分を用いた長期除放性鮮
度保持材を開発すべく、種々検討を重ねた結果、鮮度保
持成分を吸着させた担体を、特定の構成を有するフィル
ムからなる包装材中に封入することにより、長期間にわ
たって鮮度保持成分を徐放し得ることを見出し本発明に
到達した。
うな揮発性を有する鮮度保持成分を用いた長期除放性鮮
度保持材を開発すべく、種々検討を重ねた結果、鮮度保
持成分を吸着させた担体を、特定の構成を有するフィル
ムからなる包装材中に封入することにより、長期間にわ
たって鮮度保持成分を徐放し得ることを見出し本発明に
到達した。
【0006】すなわち、本発明は20℃-65%RHの
条件下における酸素透過度が300ml/m2・atm
・24hrs以下であるフィルムを穿孔加工した有孔フ
ィルム及び該フィルムの少なくとも片面に設けられたシ
ーラント層からなるラミネートフィルムにて形成された
密閉容器中に、揮発性の鮮度保持成分を吸着した担体を
封入してなる徐放性鮮度保持材を提供するものである。
条件下における酸素透過度が300ml/m2・atm
・24hrs以下であるフィルムを穿孔加工した有孔フ
ィルム及び該フィルムの少なくとも片面に設けられたシ
ーラント層からなるラミネートフィルムにて形成された
密閉容器中に、揮発性の鮮度保持成分を吸着した担体を
封入してなる徐放性鮮度保持材を提供するものである。
【0007】本発明の鮮度鮮度保持材のフィルムは、ポ
リアミド、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルア
ルコール共重合体若しくはポリエチレンテレフタレート
からなるフィルム又はこれらの少なくとも片面にガスバ
リヤー層を設けたフィルム、又はポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、若しくはセ
ロハンの少なくとも片面にガスバリヤー層を設けたフィ
ルムであるのが好ましい。
リアミド、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルア
ルコール共重合体若しくはポリエチレンテレフタレート
からなるフィルム又はこれらの少なくとも片面にガスバ
リヤー層を設けたフィルム、又はポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、若しくはセ
ロハンの少なくとも片面にガスバリヤー層を設けたフィ
ルムであるのが好ましい。
【0008】さらに、本発明は有孔フィルムの孔径が
0.01〜5mm、開口面積率が0.0001〜20%で
あるのが好ましい。鮮度保持成分としては、イソチオシ
アネート化合物、香辛料抽出物、シンナミックアルデヒ
ド、ゲラニオール、オイゲノール、カルバクロール、チ
モール、ボルネオール及びピネンから選ばれた少なくと
も1種の成分であるのが好ましい。また、担体はサイク
ロデキストリン、天然粘質多糖類、並びに有機酸及びそ
のエステルから選ばれた少なくとも1種の担体であるの
が好ましい。
0.01〜5mm、開口面積率が0.0001〜20%で
あるのが好ましい。鮮度保持成分としては、イソチオシ
アネート化合物、香辛料抽出物、シンナミックアルデヒ
ド、ゲラニオール、オイゲノール、カルバクロール、チ
モール、ボルネオール及びピネンから選ばれた少なくと
も1種の成分であるのが好ましい。また、担体はサイク
ロデキストリン、天然粘質多糖類、並びに有機酸及びそ
のエステルから選ばれた少なくとも1種の担体であるの
が好ましい。
【0009】他の担体としてはシリカ、ゼオライト、セ
ピオライト、珪酸カルシウム及び炭酸カルシウムから選
ばれた1種以上の無機担体に、脂肪酸及びその誘導体、
並びに高級アルコール化合物から選ばれた1種以上の被
覆剤を被覆したものが好ましい。シーラント層として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂
及びエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)から選ばれ
た1種以上を使用するのが好ましい。
ピオライト、珪酸カルシウム及び炭酸カルシウムから選
ばれた1種以上の無機担体に、脂肪酸及びその誘導体、
並びに高級アルコール化合物から選ばれた1種以上の被
覆剤を被覆したものが好ましい。シーラント層として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂
及びエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)から選ばれ
た1種以上を使用するのが好ましい。
【0010】
【発明の詳細な開示】本発明においては、包装材の構成
材料として、酸素透過度(規格ASTM D−1434
に基づき20℃−65%RHの条件下で測定)が300
ml/m2・atm・24hrs以下のフィルム(通常、
シートといわれる厚さ200μmを越えるものも含む)又は
金属箔、すなわちAIT透過量の小さいものを用いる。
このフィルム(以下、金属箔を含めて単にフィルムとい
うことがある)に穿孔加工を施し、所定の孔径と孔数を
有する有孔フィルム、すなわち必要な開口面積率を有す
る有孔フィルムに加工する。つぎに、このフィルムの少
なくとも片面にシーラント層を設け、このシーラント層
を熱ラミネーション法等で融着して包装材を形成する。
材料として、酸素透過度(規格ASTM D−1434
に基づき20℃−65%RHの条件下で測定)が300
ml/m2・atm・24hrs以下のフィルム(通常、
シートといわれる厚さ200μmを越えるものも含む)又は
金属箔、すなわちAIT透過量の小さいものを用いる。
このフィルム(以下、金属箔を含めて単にフィルムとい
うことがある)に穿孔加工を施し、所定の孔径と孔数を
有する有孔フィルム、すなわち必要な開口面積率を有す
る有孔フィルムに加工する。つぎに、このフィルムの少
なくとも片面にシーラント層を設け、このシーラント層
を熱ラミネーション法等で融着して包装材を形成する。
【0011】この包装材にAITなどの揮発性の鮮度保
持成分を吸着させた担体を封入すると、これらの鮮度保
持成分はシーラント層を容易に透過するが、フィルム層
の透過度が小さいため、AITなどは優先的にフィルム
の孔部より放出される。このため、有孔フィルムの孔
径、孔数、開口面積率を適宜設定することにより、鮮度
保持成分の放出量を制御することができる。
持成分を吸着させた担体を封入すると、これらの鮮度保
持成分はシーラント層を容易に透過するが、フィルム層
の透過度が小さいため、AITなどは優先的にフィルム
の孔部より放出される。このため、有孔フィルムの孔
径、孔数、開口面積率を適宜設定することにより、鮮度
保持成分の放出量を制御することができる。
【0012】本発明の包装材においては、使用するフィ
ルムの酸素透過度、すなわち鮮度保持成分の透過度は小
さければ小さい程、有孔フィルムの孔径、孔数、開口面
積率の調整により、容易に包装材のAIT徐放性を制御
することができる。かかる観点から、本発明にて使用す
るフィルムの酸素透過度は、300ml/m2・atm
・24hrs以下、好ましくは100ml/m2・at
m・24hrs以下、より好ましくは50ml/m2・
atm・24hrs以下である。
ルムの酸素透過度、すなわち鮮度保持成分の透過度は小
さければ小さい程、有孔フィルムの孔径、孔数、開口面
積率の調整により、容易に包装材のAIT徐放性を制御
することができる。かかる観点から、本発明にて使用す
るフィルムの酸素透過度は、300ml/m2・atm
・24hrs以下、好ましくは100ml/m2・at
m・24hrs以下、より好ましくは50ml/m2・
atm・24hrs以下である。
【0013】(有孔フィルム)本発明に使用されるフィ
ルムの具体例としては、ポリアミド、ポリビニルアルコ
ール、エチレンービニルアルコール共重合体(EVOH)
又はポリエチレンテレフタレートをベースにした延伸な
いし無延伸フィルム及び複合フィルムを挙げることがで
きる。
ルムの具体例としては、ポリアミド、ポリビニルアルコ
ール、エチレンービニルアルコール共重合体(EVOH)
又はポリエチレンテレフタレートをベースにした延伸な
いし無延伸フィルム及び複合フィルムを挙げることがで
きる。
【0014】前記ポリアミド系フィルムの具体例として
は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、メタキ
リレンジアミン−アジピン酸重合体(MXD)等の単独重
合体、及びこれらの共重合体からなるフィルム、あるい
は上記各種ナイロンにヘキサメチレンジアミン−テレフ
タル酸、ヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸等のポ
リアミド形成性成分を共重合したフィルムなどを挙げる
ことができる。
は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、メタキ
リレンジアミン−アジピン酸重合体(MXD)等の単独重
合体、及びこれらの共重合体からなるフィルム、あるい
は上記各種ナイロンにヘキサメチレンジアミン−テレフ
タル酸、ヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸等のポ
リアミド形成性成分を共重合したフィルムなどを挙げる
ことができる。
【0015】ポリビニルアルコール系フィルムの具体例
としては、ポリ酢酸ビニルを完全鹸化ないし部分鹸化し
て得られる各種ポリビニルアルコール系フィルムが挙げ
られ、またEVOH系フィルムとしては、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体、エチレン−ビニルアルコール
−酢酸ビニル共重合体をベースにしたフィルムなどを挙
げることができる。
としては、ポリ酢酸ビニルを完全鹸化ないし部分鹸化し
て得られる各種ポリビニルアルコール系フィルムが挙げ
られ、またEVOH系フィルムとしては、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体、エチレン−ビニルアルコール
−酢酸ビニル共重合体をベースにしたフィルムなどを挙
げることができる。
【0016】また、複合系フィルムとしては、前記ポリ
アミド、ポリビニルアルコール、EVOHなどのベース
ポリマーに他のポリマーをブレンドしたり、多層構造に
したフィルムが挙げられる。例えばナイロン6にナイロ
ン66、ナイロン46、MXD−6等をブレンドしたフ
ィルムなどがある。多層構造からなるフィルムとして
は、ナイロン6/MXD−6/ナイロン6、ナイロン6
/EVOH/ナイロン6の三層構造からなるフィルムを
挙げることができる。
アミド、ポリビニルアルコール、EVOHなどのベース
ポリマーに他のポリマーをブレンドしたり、多層構造に
したフィルムが挙げられる。例えばナイロン6にナイロ
ン66、ナイロン46、MXD−6等をブレンドしたフ
ィルムなどがある。多層構造からなるフィルムとして
は、ナイロン6/MXD−6/ナイロン6、ナイロン6
/EVOH/ナイロン6の三層構造からなるフィルムを
挙げることができる。
【0017】これらのフィルムは単独でも酸素透過度が
300ml/m2・atm・24hrs以下の優れたガス
バリヤー性を有しているが、さらに高いガスバリヤー性
のフィルムを用いてもよい。例えば、これらフィルムの
少なくとも片面にポリ塩化ビニリデン層をコーティング
法等で設けたフィルム、またこれらフィルムの少なくと
も片面にアルミニウム、酸化珪素等の層を蒸着法等で設
けたフィルムを使用してもよい。
300ml/m2・atm・24hrs以下の優れたガス
バリヤー性を有しているが、さらに高いガスバリヤー性
のフィルムを用いてもよい。例えば、これらフィルムの
少なくとも片面にポリ塩化ビニリデン層をコーティング
法等で設けたフィルム、またこれらフィルムの少なくと
も片面にアルミニウム、酸化珪素等の層を蒸着法等で設
けたフィルムを使用してもよい。
【0018】また、前記所定の低酸素透過度を有する他
のフィルムとして、酸素透過度の比較的大きいフィル
ム、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、セロハン等の延伸または無延伸フ
ィルムの少なくとも片面にポリ塩化ビニリデン層、アル
ミニウム、酸化珪素等のガスバリヤー層を設けて、酸素
透過度を小さくしたフィルムを使用してもよい。また金
属箔としてはアルミ箔などを用いることができる。
のフィルムとして、酸素透過度の比較的大きいフィル
ム、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、セロハン等の延伸または無延伸フ
ィルムの少なくとも片面にポリ塩化ビニリデン層、アル
ミニウム、酸化珪素等のガスバリヤー層を設けて、酸素
透過度を小さくしたフィルムを使用してもよい。また金
属箔としてはアルミ箔などを用いることができる。
【0019】本発明に使用される有孔フィルムは、公知
の方法、例えば熱針法、溶融穿孔法、レーザー光線法
等、各種穿孔加工法を用いて製造することができる。そ
の孔径、孔数、開口面積率は使用するフィルムの酸素透
過度および目標とする鮮度保持成分の徐放性能に応じて
適宜調整してよい。通常は、孔径0.01〜5mm、開
口面積率0.0001〜20%、好ましくは孔径0.05〜3m
m、開口面積率0.03〜10%、さらに好ましく孔径
0.05〜1mm、開口面積率0.05〜5%のフィルムが
使用される。かかるフィルム(又は金属箔)の厚さは5〜
300μm、好ましくは10〜50μmである。
の方法、例えば熱針法、溶融穿孔法、レーザー光線法
等、各種穿孔加工法を用いて製造することができる。そ
の孔径、孔数、開口面積率は使用するフィルムの酸素透
過度および目標とする鮮度保持成分の徐放性能に応じて
適宜調整してよい。通常は、孔径0.01〜5mm、開
口面積率0.0001〜20%、好ましくは孔径0.05〜3m
m、開口面積率0.03〜10%、さらに好ましく孔径
0.05〜1mm、開口面積率0.05〜5%のフィルムが
使用される。かかるフィルム(又は金属箔)の厚さは5〜
300μm、好ましくは10〜50μmである。
【0020】(シーラント層の形成)有孔フィルムに設
けられるシーラント層としては、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、アイオノマー樹脂、EVA等を挙げることが
できるが、通常は各種ポリエチレンが好ましい。かかる
シーラント層の厚さは5〜200μm、好ましくは10
〜80μmである。
けられるシーラント層としては、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、アイオノマー樹脂、EVA等を挙げることが
できるが、通常は各種ポリエチレンが好ましい。かかる
シーラント層の厚さは5〜200μm、好ましくは10
〜80μmである。
【0021】有孔フィルムにポリエチレン等のシーラン
ト層を設けるには、まずフィルムを穿孔加工して有孔フ
ィルムを作製し、これとポリエチレンなどのシーラント
層を各種接着剤を用いてラミネートするのが−般的であ
るが、この方法では使用する接着剤の種類によっては、
接着剤がフィルムの孔を通って裏移りし、加工時トラブ
ルの原因になることがある。このような問題を解決する
ためには、まず、無孔フィルムとポリエチレンを接着剤
を用いてラミネートし、このラミネートフィルムを穿孔
加工した後、前記ポリエチレン層にポリエチレンフィル
ムなどのシーラント層を接着剤を用いずに、熱でラミネ
ートする方法が好ましい。
ト層を設けるには、まずフィルムを穿孔加工して有孔フ
ィルムを作製し、これとポリエチレンなどのシーラント
層を各種接着剤を用いてラミネートするのが−般的であ
るが、この方法では使用する接着剤の種類によっては、
接着剤がフィルムの孔を通って裏移りし、加工時トラブ
ルの原因になることがある。このような問題を解決する
ためには、まず、無孔フィルムとポリエチレンを接着剤
を用いてラミネートし、このラミネートフィルムを穿孔
加工した後、前記ポリエチレン層にポリエチレンフィル
ムなどのシーラント層を接着剤を用いずに、熱でラミネ
ートする方法が好ましい。
【0022】ここで、接着剤を用いてラミネートするに
は、水系接着剤を使用するウエットラミネート法、溶剤
系接着剤を使用するドライラミネート法、ホットメルト
法等の公知の方法をいずれも用いることができる。前記
ウエットラミネート法にて使用される接着剤としては、
例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル
−アクリル系樹脂、ウレタン−アクリル系樹脂等からな
る水系エマルジョンなど挙げられる。
は、水系接着剤を使用するウエットラミネート法、溶剤
系接着剤を使用するドライラミネート法、ホットメルト
法等の公知の方法をいずれも用いることができる。前記
ウエットラミネート法にて使用される接着剤としては、
例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル
−アクリル系樹脂、ウレタン−アクリル系樹脂等からな
る水系エマルジョンなど挙げられる。
【0023】また、ドライラミネート法において使用さ
れる接着剤としては、例えば、アクリル系樹脂、変性ビ
ニル共重合系樹脂、ポリエーテル型ポリウレタン樹脂、
脂肪族ポリエステル型ポリウレタン樹脂、芳香族ポリエ
ステル型ポリウレタン樹脂、エポキシ系樹脂等の溶剤
型、無溶剤型接着剤を挙げることができる。ホットメル
ト法において使用される接着剤としては、エチレン−酢
酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル
系樹脂等がある。このようなラミネートフィルムを貼り
あわせて包装材(包装袋)を形成する。なお、本発明の
容器としては袋の形態のもののほか、自己形態保持性を
有する多孔性の容器の少なくとも片面にシーラントが設
けられたものであればよい。
れる接着剤としては、例えば、アクリル系樹脂、変性ビ
ニル共重合系樹脂、ポリエーテル型ポリウレタン樹脂、
脂肪族ポリエステル型ポリウレタン樹脂、芳香族ポリエ
ステル型ポリウレタン樹脂、エポキシ系樹脂等の溶剤
型、無溶剤型接着剤を挙げることができる。ホットメル
ト法において使用される接着剤としては、エチレン−酢
酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル
系樹脂等がある。このようなラミネートフィルムを貼り
あわせて包装材(包装袋)を形成する。なお、本発明の
容器としては袋の形態のもののほか、自己形態保持性を
有する多孔性の容器の少なくとも片面にシーラントが設
けられたものであればよい。
【0024】(鮮度保持成分)本発明において使用され
る揮発性を有する鮮度保持成分としては、イソチオシア
ネート化合物、香辛料抽出物、シンナミックアルデヒ
ド、ゲラニオール、オイゲノール、カルバクロール、チ
モール、ボルネオール、ピネン等が挙げられ、特にイソ
チオシアネート化合物が有用である。
る揮発性を有する鮮度保持成分としては、イソチオシア
ネート化合物、香辛料抽出物、シンナミックアルデヒ
ド、ゲラニオール、オイゲノール、カルバクロール、チ
モール、ボルネオール、ピネン等が挙げられ、特にイソ
チオシアネート化合物が有用である。
【0025】イソチオシアネート化合物の具体例として
はアリルイソチオシアネートのほか、アリル基をメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、アミル、イソアミル、フェニル、ニトロフェニ
ル、ベンジル基等で置換した各種イソチオシアネート化
合物を挙げることができる。
はアリルイソチオシアネートのほか、アリル基をメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、アミル、イソアミル、フェニル、ニトロフェニ
ル、ベンジル基等で置換した各種イソチオシアネート化
合物を挙げることができる。
【0026】(担体)担体は、鮮度保持成分を吸着する
ものであればよいが、通常は以下に示す各種有機系化合
物、無機系化合物を使用するのが好ましい。有機系化合
物としてはサイクロデキストリン、天然粘質多糖類およ
び有機酸等が挙げられる。天然粘質多糖類の具体例とし
てはジュランガム、グアーガム、ローカストビーンガ
ム、キサンタンガム、タラガム、カラギーナン、寒天、
ファーセラン、ダンマリンドガム、カードラン、メトキ
シペクチン、プルラン、アラビアゴム、アルギン酸及び
その塩類、カルボキシメチルセルロース、可溶性デンプ
ン等が挙げられる。特にキサンタンガム、タマリンド種
子多糖類、グアーガムが好ましい。
ものであればよいが、通常は以下に示す各種有機系化合
物、無機系化合物を使用するのが好ましい。有機系化合
物としてはサイクロデキストリン、天然粘質多糖類およ
び有機酸等が挙げられる。天然粘質多糖類の具体例とし
てはジュランガム、グアーガム、ローカストビーンガ
ム、キサンタンガム、タラガム、カラギーナン、寒天、
ファーセラン、ダンマリンドガム、カードラン、メトキ
シペクチン、プルラン、アラビアゴム、アルギン酸及び
その塩類、カルボキシメチルセルロース、可溶性デンプ
ン等が挙げられる。特にキサンタンガム、タマリンド種
子多糖類、グアーガムが好ましい。
【0027】また、有機酸としては、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、ウンデシル酸などの脂肪酸;乳酸、リンゴ
酸、酒石酸、クエン酸等のオキシカルボン酸;セバシン
酸、アジピン酸、マロン酸、コハク酸等の脂肪族二塩基
酸;あるいはソルビン酸等の不飽和脂肪酸;安息香酸、
オキシ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳
香族カルボン酸等が挙げられ、特にセバシン酸、アジピ
ン酸、リンゴ酸が好ましい。
酸、酪酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、ウンデシル酸などの脂肪酸;乳酸、リンゴ
酸、酒石酸、クエン酸等のオキシカルボン酸;セバシン
酸、アジピン酸、マロン酸、コハク酸等の脂肪族二塩基
酸;あるいはソルビン酸等の不飽和脂肪酸;安息香酸、
オキシ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸などの芳
香族カルボン酸等が挙げられ、特にセバシン酸、アジピ
ン酸、リンゴ酸が好ましい。
【0028】また、有機酸のエステルとしては、種々の
エステルが用いられるが、特にグリセリン脂肪酸エステ
ル(ステアリン酸グリセリドなど)、エチレングリコール
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどが好ま
しい。
エステルが用いられるが、特にグリセリン脂肪酸エステ
ル(ステアリン酸グリセリドなど)、エチレングリコール
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルなどが好ま
しい。
【0029】一方、無機系化合物としては、シリカ、ゼ
オライト、セピオライト、珪酸カルシウム、炭酸カルシ
ウムなどの各種無機化合物が挙げられる。これらの有機
化合物、無機化合物からなる担体は、各々単独で用いて
もよく、2種以上を混合、併用して用いてもよい。2種
以上の担体を併用する場合、単に混合して用いるほか、
無機化合物に脂肪酸及びその誘導体、あるいは高級アル
コール化合物を被覆剤として被覆してもよい。被覆剤の
具体例として、例えばステアリン酸、ベヘン酸、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、ウンデシル酸及びこれらの誘導体
が挙げられる。これら誘導体としては、グリセリン脂肪
酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ソル
ビタン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステルが挙げられ
る。
オライト、セピオライト、珪酸カルシウム、炭酸カルシ
ウムなどの各種無機化合物が挙げられる。これらの有機
化合物、無機化合物からなる担体は、各々単独で用いて
もよく、2種以上を混合、併用して用いてもよい。2種
以上の担体を併用する場合、単に混合して用いるほか、
無機化合物に脂肪酸及びその誘導体、あるいは高級アル
コール化合物を被覆剤として被覆してもよい。被覆剤の
具体例として、例えばステアリン酸、ベヘン酸、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、ウンデシル酸及びこれらの誘導体
が挙げられる。これら誘導体としては、グリセリン脂肪
酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ソル
ビタン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステルが挙げられ
る。
【0030】また、高級アルコールとしては、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリ
セリン等が挙げられる。これら被覆剤の使用割合は、無
機化合物に対して重量比で0.01〜10倍、好ましく
は0.2〜3倍である。これら担体は粉末状、粒状、球
状、板状、繊維状、紙状、不織布状、ゲル状、液状な
ど、各種形態のものを使用することができる。このよう
な担体に前記鮮度保持成分を吸着させるには、例えば、
液体の鮮度保持成分又は溶媒と混合した鮮度保持成分を
前記担体と混合する方法、あるいは減圧下に保持した担
体に対して気化した鮮度保持成分又は鮮度保持成分と二
酸化炭素、窒素などとの混合ガスを接触させた後、減圧
を解いて添着させる方法などを採用することができる。
鮮度保持成分の吸着量は担体100gに対して0.1〜70
g、好ましくは 0.5〜15gである。
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリグリ
セリン等が挙げられる。これら被覆剤の使用割合は、無
機化合物に対して重量比で0.01〜10倍、好ましく
は0.2〜3倍である。これら担体は粉末状、粒状、球
状、板状、繊維状、紙状、不織布状、ゲル状、液状な
ど、各種形態のものを使用することができる。このよう
な担体に前記鮮度保持成分を吸着させるには、例えば、
液体の鮮度保持成分又は溶媒と混合した鮮度保持成分を
前記担体と混合する方法、あるいは減圧下に保持した担
体に対して気化した鮮度保持成分又は鮮度保持成分と二
酸化炭素、窒素などとの混合ガスを接触させた後、減圧
を解いて添着させる方法などを採用することができる。
鮮度保持成分の吸着量は担体100gに対して0.1〜70
g、好ましくは 0.5〜15gである。
【0031】本発明による有孔フィルムにシーラント層
を設けたラミネートフィルムより、シーラント層同志を
熱融着させて袋等の包装材を作製し、これにAITなど
の鮮度保持成分を吸着させた揮発成分保持担体を封入す
ると、鮮度保持成分はシーラント層を透過するが、フィ
ルム層の透過量が小さいため、優先的にフィルムの孔部
を通って放出されてくる。この際、封入する鮮度保持成
分の量と有孔フィルムの孔径、孔数すなわち開口面積率
を選定することにより、その徐放性(徐放期間)を制御す
ることができる。
を設けたラミネートフィルムより、シーラント層同志を
熱融着させて袋等の包装材を作製し、これにAITなど
の鮮度保持成分を吸着させた揮発成分保持担体を封入す
ると、鮮度保持成分はシーラント層を透過するが、フィ
ルム層の透過量が小さいため、優先的にフィルムの孔部
を通って放出されてくる。この際、封入する鮮度保持成
分の量と有孔フィルムの孔径、孔数すなわち開口面積率
を選定することにより、その徐放性(徐放期間)を制御す
ることができる。
【0032】
【実施例】つぎに本発明を実施例、比較例によりさらに
具体的に説明する。
具体的に説明する。
【0033】[実施例1]厚さ15μmのナイロンフィ
ルム(ユニチカ製エンブレムONM−15;50ml/
m2・atm・24hrs)と厚さ15μmポリエチレン(LLDPE)
フィルムをウレタン系接着剤でラミネートした。このラ
ミネートフィルムに、熱針法により穿孔加工を行ない、
孔径0.25mm、孔数20,000個/m2、開口面積
率0.1%の有孔ラミネートフィルムを作製した。この
有孔ラミネートフィルムのポリエチレン層に、シーラン
ト層として、厚さ45μmのポリエチレン(LLDPE)を熱
ラミネート法により貼り合わせて、有孔ナイロンフィル
ム(厚さ15μm)/ポリエチレン(厚さ60μm)のラミ
ネートフィルムを作製した。このラミネートフィルムの
ポリエチレン層側をヒートシールして小袋(5×5cm
角)を製造した。
ルム(ユニチカ製エンブレムONM−15;50ml/
m2・atm・24hrs)と厚さ15μmポリエチレン(LLDPE)
フィルムをウレタン系接着剤でラミネートした。このラ
ミネートフィルムに、熱針法により穿孔加工を行ない、
孔径0.25mm、孔数20,000個/m2、開口面積
率0.1%の有孔ラミネートフィルムを作製した。この
有孔ラミネートフィルムのポリエチレン層に、シーラン
ト層として、厚さ45μmのポリエチレン(LLDPE)を熱
ラミネート法により貼り合わせて、有孔ナイロンフィル
ム(厚さ15μm)/ポリエチレン(厚さ60μm)のラミ
ネートフィルムを作製した。このラミネートフィルムの
ポリエチレン層側をヒートシールして小袋(5×5cm
角)を製造した。
【0034】一方、セバシン酸とアリルイソチオシアネ
ートを混合して、アリルイソチオシアネート(AIT)4
万ppmを添着したセバシン酸2gを調製し、これを前
記の小袋に封入して本発明の鮮度保持材を作製した。そ
のうちの1個を用いて25℃に放置した。AITの徐放
性を調べた結果を表1に示した。一カ月後でも優れた徐
放性を有していた。
ートを混合して、アリルイソチオシアネート(AIT)4
万ppmを添着したセバシン酸2gを調製し、これを前
記の小袋に封入して本発明の鮮度保持材を作製した。そ
のうちの1個を用いて25℃に放置した。AITの徐放
性を調べた結果を表1に示した。一カ月後でも優れた徐
放性を有していた。
【0035】また同時に、採りたての蜜柑10kg入り
のダンボール箱に、鮮度保持材を5個入れたものと、鮮
度保持材を入れていないものを室温下、20日間放置
し、カビ発生の有無を観察した。鮮度保持材を入れてい
ないものは、カビの発生した蜜柑が多数認められたのに
対して、鮮度保持材を入れたものではカビの発生は殆ど
認められなかった。
のダンボール箱に、鮮度保持材を5個入れたものと、鮮
度保持材を入れていないものを室温下、20日間放置
し、カビ発生の有無を観察した。鮮度保持材を入れてい
ないものは、カビの発生した蜜柑が多数認められたのに
対して、鮮度保持材を入れたものではカビの発生は殆ど
認められなかった。
【0036】(徐放性の試験方法)AITを封入した袋を
一定温度に放置した後、測定のl時間前に、ビーカー(1
リットル)内に移して密閉し、一定温度下、1時間に放出
されるAITの量をガスクロマトグラフ法で測定した。
一定温度に放置した後、測定のl時間前に、ビーカー(1
リットル)内に移して密閉し、一定温度下、1時間に放出
されるAITの量をガスクロマトグラフ法で測定した。
【0037】 [表1] 経通時間(日) 1 10 15 20 30 AIT放出量(ppm) 46 25 16 13 8
【0038】[実施例2]実施例1と同じ有孔ラミネート
フィルムを用いて袋(7×7cm角)を作製した。ステア
リン酸トリグリセリド(固体有機酸エステル)にAIT2
gを配合したロウ状体8gを前記の小袋中に封入し、2
5℃−90%RHに放置し、AITの徐放性を調べた。
結果を表2に示す。また同時に、割り箸100本封入し
たポリエチレンの袋に鮮度保持材を入れ25℃−90%
RHの条件下に60日間放置し、カビ発生の有無を調べ
た。対照として、鮮度保持材を入れないものも用意し
た。鮮度保持材を入れない場合にはカビの発生が認めら
れたのに対して、鮮度保持材を入れたものではカビの発
生は認められなかった。
フィルムを用いて袋(7×7cm角)を作製した。ステア
リン酸トリグリセリド(固体有機酸エステル)にAIT2
gを配合したロウ状体8gを前記の小袋中に封入し、2
5℃−90%RHに放置し、AITの徐放性を調べた。
結果を表2に示す。また同時に、割り箸100本封入し
たポリエチレンの袋に鮮度保持材を入れ25℃−90%
RHの条件下に60日間放置し、カビ発生の有無を調べ
た。対照として、鮮度保持材を入れないものも用意し
た。鮮度保持材を入れない場合にはカビの発生が認めら
れたのに対して、鮮度保持材を入れたものではカビの発
生は認められなかった。
【0039】 [表2] 経過時間(日) 1 10 20 40 60 AIT徐放量(ppm) 49 38 21 13 6
【0040】[実施例3]片面にポリ塩化ビニリデン層
を設けた、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート
(ユニチカ製エンブレットKPT;4ml/m2・atm・
24hrs)に熱針法により穿孔加工を行ない、孔径0.8m
m、孔数3,200個/m2、開口面積率0.16%の有
孔フィルムを得た。溶剤型ポリウレタン系接着剤を用い
て、この有孔フィルムのポリ塩化ビニリデン層に、厚さ
45μmの無延伸ポリプロピレンフィルムを貼り合わせ
たラミネートフィルムを作製した。
を設けた、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート
(ユニチカ製エンブレットKPT;4ml/m2・atm・
24hrs)に熱針法により穿孔加工を行ない、孔径0.8m
m、孔数3,200個/m2、開口面積率0.16%の有
孔フィルムを得た。溶剤型ポリウレタン系接着剤を用い
て、この有孔フィルムのポリ塩化ビニリデン層に、厚さ
45μmの無延伸ポリプロピレンフィルムを貼り合わせ
たラミネートフィルムを作製した。
【0041】このラミネートフィルムを用いて実施例1
と同様に小袋(5×5cm角)を作製した。これにAIT
を8万ppm添着したリンゴ酸3gを封入した鮮度保持
材を作製し、これを10℃に放置した際のAIT徐放性
を調べた。結果を表3に示したが、本鮮度保持材は長期
間にわたって優れた徐放性を有している。
と同様に小袋(5×5cm角)を作製した。これにAIT
を8万ppm添着したリンゴ酸3gを封入した鮮度保持
材を作製し、これを10℃に放置した際のAIT徐放性
を調べた。結果を表3に示したが、本鮮度保持材は長期
間にわたって優れた徐放性を有している。
【0042】 [表3] 経過時間(日) 1 10 15 20 30 A1T徐放性(ppm) 63 44 28 18 12
【0043】[実施例4]AIT 10万ppmを包摂さ
せたサイクロデキストリン4gを、前記実施例3と同様
の小袋に封入して鮮度保持材を製造した。同様にその鮮
度保持効果を評価したところ、実施例3と同様の優れた
効果が得られた。
せたサイクロデキストリン4gを、前記実施例3と同様
の小袋に封入して鮮度保持材を製造した。同様にその鮮
度保持効果を評価したところ、実施例3と同様の優れた
効果が得られた。
【0044】[実施例5]AIT 10万ppmを包摂さ
せたキサンタンガム4gを、前記実施例3と同様の小袋
に封入して鮮度保持材を製造した。同様にその鮮度保持
効果を評価したところ、実施例3と同様の優れた効果が
得られた。
せたキサンタンガム4gを、前記実施例3と同様の小袋
に封入して鮮度保持材を製造した。同様にその鮮度保持
効果を評価したところ、実施例3と同様の優れた効果が
得られた。
【0045】
【発明の効果】本発明の鮮度保持材は、鮮度保持成分の
徐放性(徐放期間)を容易に制御することができる。この
鮮度保持材を野菜、柑橘類、肉、魚介類等のケース等に
入れると、長期間にわたって鮮度を保持することができ
る。
徐放性(徐放期間)を容易に制御することができる。この
鮮度保持材を野菜、柑橘類、肉、魚介類等のケース等に
入れると、長期間にわたって鮮度を保持することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 593093065 株式会社山陽テクノ 兵庫県加古川市別府町新野辺1504−4 (72)発明者 倉成 賢治 福岡県福岡市城南区茶山6丁目16番25号 (72)発明者 岡田 徹 兵庫県加古川市加古川町美乃利688−3 (72)発明者 岡本 孝士 大阪府大阪市中央区久太郎町4丁目1番3 号ユニチカ株式会社大阪本社内 (72)発明者 前田 健治 兵庫県加古川市別府町新野辺1504−4 Fターム(参考) 3E067 AA11 AB02 AB04 AB08 AB09 BB14A BB15A BB16A BB22A BB25A CA06 EE32 GB02 GC05 GD01 4B069 HA14 KA01 KB05 KC07 KC13 KC17 KC21 KC24 KC27 KC29 KD03 KD04
Claims (7)
- 【請求項1】 20℃-65%RHの条件下における酸
素透過度が300ml/m2・atm・24hrs以下のフィル
ム又は金属箔を穿孔加工した有孔フィルム及び該フィル
ムの少なくとも片面に設けられたシーラント層からなる
ラミネートフィルムにて形成された密閉容器中に、揮発
性の鮮度保持成分を吸着した担体を封入してなる徐放性
鮮度保持材。 - 【請求項2】 フィルムがポリアミド、ポリビニルアル
コール、エチレン−ビニルアルコール共重合体若しくは
ポリエチレンテレフタレートからなるフィルム又はこれ
らの少なくとも片面にガスバリヤー層を設けたフィル
ム、あるいはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ
レン、ポリ塩化ビニル又はセロハンからなるフィルムの
少なくとも片面にガスバリヤー層を設けたフィルムであ
る請求項1の鮮度保持材。 - 【請求項3】 有孔フィルムの孔径が0.01〜5m
m、開口面積率が0.0001〜20%である請求項1
又は2の鮮度保持材。 - 【請求項4】 鮮度保持成分がイソチオシアネート化合
物、香辛料抽出物、シンナミックアルデヒド、ゲラニオ
ール、オイゲノール、カルバクロール、チモール、ボル
ネオール及びピネンから選ばれた少なくとも1種の成分
である請求項1〜3のいずれかの鮮度保持材。 - 【請求項5】 担体がサイクロデキストリン、天然粘質
多糖類、並びに有機酸及びそのエステルから選ばれた少
なくとも1種の担体である請求項1〜4のいずれかの鮮
度保持材。 - 【請求項6】 担体がシリカ、ゼオライト、セピオライ
ト、珪酸カルシウム及び炭酸カルシウムから選ばれた少
なくとも1種の無機担体に、脂肪酸及びその誘導体、並
びに高級アルコール化合物から選ばれた少なくとも1種
の被覆剤を被覆したものである請求項1〜4のいずれか
の鮮度保持材。 - 【請求項7】 シーラント層として、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、アイオノマー樹脂及びエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体から選ばれた少なくとも1種の樹脂を使用
する請求項1〜6のいずれかの鮮度保持材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13657799A JP2000325017A (ja) | 1999-05-18 | 1999-05-18 | 徐放性鮮度保持材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13657799A JP2000325017A (ja) | 1999-05-18 | 1999-05-18 | 徐放性鮮度保持材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000325017A true JP2000325017A (ja) | 2000-11-28 |
Family
ID=15178537
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13657799A Pending JP2000325017A (ja) | 1999-05-18 | 1999-05-18 | 徐放性鮮度保持材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000325017A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007169467A (ja) * | 2005-12-22 | 2007-07-05 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 揮散成分徐放用フィルム、揮散成分徐放用包装袋、及び包装体 |
CN103129819A (zh) * | 2013-03-07 | 2013-06-05 | 国家农产品保鲜工程技术研究中心(天津) | 一种蒜薹贮藏用气调保鲜袋及其应用 |
CN110200066A (zh) * | 2019-05-07 | 2019-09-06 | 重庆市中药研究院 | 一种纳米微胶囊保鲜剂及制备方法和应用 |
-
1999
- 1999-05-18 JP JP13657799A patent/JP2000325017A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007169467A (ja) * | 2005-12-22 | 2007-07-05 | Sumitomo Bakelite Co Ltd | 揮散成分徐放用フィルム、揮散成分徐放用包装袋、及び包装体 |
CN103129819A (zh) * | 2013-03-07 | 2013-06-05 | 国家农产品保鲜工程技术研究中心(天津) | 一种蒜薹贮藏用气调保鲜袋及其应用 |
CN110200066A (zh) * | 2019-05-07 | 2019-09-06 | 重庆市中药研究院 | 一种纳米微胶囊保鲜剂及制备方法和应用 |
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