JP4414615B2 - 食品保存用具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエタノールガスを利用した食品保存用具に関する。
【0002】
エタノールに消毒、殺菌作用があることは古くから知られており、これを利用した食品の保存に関する技術が近年関心を集めている。例えば特公昭8−63号公報(1)は、シリカ等の粉末状多孔性吸着剤にエタノール又はエタノール含有率80容量%以上の含水エタノールを担持させた粉末状吸着体を、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)フィルムに和紙を張り合わせたエタノールガス透過性ラミネート紙の袋に入れ開口部をヒートシールした食品保存用具を開示している。この食品保存用具は現在商業的に使用されているものである。しかしながら、この食品保存用具は、ヒートシール時にシール部分の内側に吸着体が付着する、いわゆる粉カミによってシール不良が生じたり、あるいは袋が破れた場合には粉末状の吸着体が飛散して食品に付着する恐れがある。更に、粉末状の吸着体は視覚的に食品と間違えやすいため誤食の恐れがあり、人体に無害とはいえ好ましいことではない。
【0003】
特公昭59−30072号公報(2)には、エタノール含有量50容量%以上の液体を、金属、ガラス、陶器などのコップの上面をエタノールガス透過性フィルムで密封した容器、又は全面的にこのフィルムで構成された袋の中にエタノール液を収容した食品保存用具が開示されている。しかしながら、この容器又は袋が部分的にでも壊れたり破れたりすると、エタノールが全量流出する欠点がある。また、この公報にはエタノールを液体の代わりに固体に吸収させ濡れた状態で前記容器や袋の中に収納させたものも開示されているが、この場合には充填作業が高速にできない欠点がある。
【0004】
特公昭64−6757号公報(3)には、多孔質吸着体の組織ないし表面にエタノールが含浸ないし吸着状態で保持され、このエタノール保持量が前記多孔質吸収体のエタノール含浸飽和含量の90〜200%とされ、このエタノールを保持した多孔質吸着体が袋体の内部に収容され、この袋体が透過層と、この透過層表面に被覆された繊維質の浸出蒸散層とからなり、前記透過層は非吸液性シートにエタノールを液状で通過させる透過孔が形成されてなる食品防腐剤が記載されている。
【0005】
前記袋体を構成する非吸収性の透過層としては、望ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、その他エタノールが浸透しない合成樹脂素材が用いられる。このように透過層の素材にエタノールが浸透しない合成樹脂を用いるとともに、その表面に透過孔を形成した理由は、エタノールを蒸気の状態だけではなく液の状態でも所定量ずつ透過させるためであると述べられている。
【0006】
前記浸出蒸散層としては、紙、布、その他繊維質のものが用いられ、透過層表面に熱融着するなどにより被膜形成される。このように浸出蒸散層として、繊維質のものを用いた理由は、エタノールを液状で含浸させてこれを液状のまま浸出させる一方、その大きな表面積でエタノールを高濃度の蒸気としても蒸散できるようにするためであり、更に浸出蒸散層を透過層に被膜形成した理由は透過層の透過孔から透過したエタノールが浸出蒸散層と透過層との間に留まることなく浸出蒸散層から高濃度蒸気の状態で速やかに放出できるようにするためである、と述べられている。
【0007】
しかしながら、エタノール透過層として非吸収性シートにエタノールを液状で通過させる孔が形成されて液だれ(液体エタノールの漏れだし)が生じ、保管性が悪く、実用性が低い。この傾向は、特にエタノールの濃度が高くゲル化剤に対する吸収率が高い程顕著である。
【0008】
特公昭63−52872号公報(4)には、少なくとも一面がエタノールガス透過性のフィルムにて構成された「いれもの」の内部に、水を0〜50容量%含み常温にてゲル状のエタノールを保持する食品保存用具が記載されている。このようなゲル状エタノールを使用すると上記公報(1)〜(3)の欠点を解消することができる。しかし、以下に述べるようにこの技術にはゲル状エタノールを包装する点で未解決の問題を抱えている。
【0009】
前記「いれもの」は、好ましくは周辺がとじられていて片側が実質的にエタノールガスを通さない薄手材料で他側が前記エタノールガス透過性フィルムで構成される。このようなフィルム/薄手材料の構成とした理由は、片側にエタノールガス透過性で機械的処理性の悪いフィルムを使用しても、他の側に機械的処理性のよい薄手材料を用いれば、全体として機械的処理性のよいシートとなり、生産工程において高速で能率を上げることができるからであると述べられている。例えば、ビニロンフィルム及びセルロースフィルムは高湿度の条件下ではエタノールガスをよく通すが、湿度や温度の変化による湾曲や伸縮が大きく機械的処理性が悪い。また、重合された酢酸ビニルの含量が10wt%以上のEVAのフィルムは極めて腰が弱く機械的処理性が悪い。これら機械的処理性の悪いフィルムは腰の強い薄手材料と組合せて機械的処理に適したものとすることができることが述べられている。
【0010】
また、実施例においては、片側がKOPフィルム(塩化ビニリデンをコートした延伸ポリプロピレンフィルム)で、他側がポリビニルアルコール(PVA)であるフィルムの間にエタノールゲルを収納し、PVA側を内側にして2つ折りして袋にし、食品を収納してヒートシールする例と、EVA及び和紙のラミネートをEVAを内側にしてヒートシールして開口部を有する袋とし、上記ゲル状エタノールを収納しヒートシールしてなる食品保存用具の例が記載されている。
【0011】
例えば、食品保存用具製造のためEVAと和紙のラミネートを用い、EVA同士が接触するようにしてヒートシールすることを含む自動包装は現在日常的に行われている。この場合、熱シール部から融解したEVAがシール圧力により包み内部に移行して、EVA層に切れ(隙間が生じたその隙間)が生じることがある。そうすると、内容ゲルから外側の紙層にエタノールが吸い出され、液だれを生じる。これは食品汚染の原因となり、また、食品保存用具の貯蔵を著しく困難にする。
【0012】
特開平9−201183号公報(5)には、N−ビニルカルボン酸アミド系吸収剤に自重の10〜1000倍程度までのエタノールを吸収させた非流動性体を、エタノールガス透過性(20g/m2/hr(50%RH・40℃)以上)フィルムを構成要素の少なくとも一部に有する収納体に収納してなる食品保存用具が開示されている。このような吸収剤は、エタノール吸収能の大きさが画期的なものであり、瞠目に値する。しかしながら、その吸収体の包装については何らの工夫も開示されていない。例えば、実施例ではEVAフィルムを2つ折りにし、一辺を残してヒートシールし、鮮度保持剤(含水エタノールを吸収させてなる吸収体)をこの袋の中に入れ、開口部をヒートシールして食品保存用具を作っている。このようにEVAを用いるのは、上記公報(4)で述べられているように、機械的処理性が悪く、自動包装には向かない。この公報(5)には、エタノールガス透過性材料として低密度ポリエチレンやEVA等のフィルム材料と紙や不織布等の通気性材料とを積層させた複合材料を用いることもできる旨が記載されている。しかしながら、上記従来技術を考慮すれば、ここに挙げられた不織布は、EVA等のフィルムを機械的処理に適したものとすることを目的として使用することを、この公報は示しているに過ぎない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術に鑑みて、本発明の課題は、ゲル状のエタノールを収納した収納体であって、エタノールガスが、エタノールガス透過性フィルムを透過する機構によって放出される当該収納体を製造するに当たり、前記エタノールガス透過性フィルムを前記収納体の構成要素と接触させてヒートシールしたときヒートシール部に切れの生じない当該収納体からなる食品保存用具を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題解決のために鋭意検討を重ねた結果、エタノールガス透過性フィルムがヒートシール時に融解したとき流れ去らないように、そのフィルムを補強するシート材料に、融解したエタノールガス透過性フィルムを吸収させることに思い至って本発明に到達した。即ち、本発明は、融点(融点が特定できないプラスチックについては軟化点)が120℃以上の高融点(高軟化点)プラスチックの繊維から構成され目付10〜60g/mの不織布が、前記高融点プラスチックよりも融点が低く通液孔のないエタノールガス透過性フィルムと張り合わされている複合シートを前記エタノールガス透過性フィルムをヒートシール材としてヒートシールした部分を、少なくとも一部に有する収納体内に、ゲル状のエタノールを収納してなることを特徴とする食品保存用具である。
【0015】
【発明の実施の形態】
前記不織布の素材はシール時の変形(つぶれ等)がない高融点(高軟化点)のプラスチックでなくてはならない。低融点(低軟化点)であると、この不織布はシール時につぶれを生じ、溶解したエタノールガス透過性フィルムが食い込むことができずに切れが生じる。従って、前記不織布を構成する繊維は融点(融点が特定できないプラスチックについては軟化点)が120℃以上であることが必要である。
【0016】
前記高融点(高軟化点)プラスチックは、熱収縮の少ないものが適当で、その例としては、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン等を挙げることができる。もし、これらプラスチックの熱収縮が大きいと、これらから形成される不織布が変形しやすく、エタノールガス透過性フィルムの切れの原因となるからである。また、これらの不織布は手では容易に切れないため、小袋状にして食品に添付梱包した場合、消費者が誤って開封し、誤食する恐れがない、という利点もある。
【0017】
この不織布の目付は、本発明にとって重要なもので、10〜60g/m2 である。60g/m2 より大きいと、不織布の隙間が少なく、また柔軟性に欠けるため、エタノールガス透過性フィルムとの接触が不十分で、自動包装においてシール時に溶解したエタノールガス透過性フィルムが不織布に食い込むことができず、シール部に保持されずにシール圧力により流去するため、シートに切れが生じて内容物(ゲル状エタノール)からエタノールがしみ出すことがある。不織布の目付が10g/m2 より小さいと、この複合シートの腰が弱く、実用性がない。
【0018】
本発明における不織布は、通常の短繊維のからまった不織布、ワリフ、スパンボンド等を包含する。
【0019】
前記不織布の高融点(高軟化点)プラスチック繊維が融点(融点が特定できないプラスチックについては軟化点)100℃以下の低融点(低軟化点)プラスチックで被覆されており、前記エタノールガス透過性フィルムがその低融点(低軟化点)のプラスチック皮膜を介して前記不織布に張り合わされているか、又は前記高融点(高軟化点)プラスチックの不織布に融点(融点が特定できないプラスチックについては軟化点)100℃以下の低融点(低軟化点)プラスチックの不織布を積層し、この低融点(低軟化点)プラスチックの不織布を介して前記エタノールガス透過性フィルムが前記高融点(高軟化点)プラスチックの不織布に張り合わされていてもよい。前記低融点(低軟化点)プラスチックは自動包装において熱融着可能なものである。この場合には、シール時に不織布側も溶解してエタノールガス透過性フィルムに付着するため、融着したエタノールガス透過性フィルムにおける切れは極めて生じにくいものとなる。このような工夫は、後述のような内容物が50%以上の高濃度エタノールを重量基準で5倍以上の高倍率で含有する、エタノールがしみ出しやすいゲル状物であるときは、特に好ましい。
【0020】
シール時のエタノールガス透過性フィルムの切れは、手作りではなく実際に工業的に自動包装機械を使用したときに初めて生じる問題であり、従来このような実際的な検討はなされていなかったため、不織布について具体的な構成、数値の限定の必要性は認識されていなかった。
【0021】
前記低融点(低軟化点)のプラスチックの例としては、低密度ポリエチレン、EVA等を挙げることができる。
【0022】
前記エタノールガス透過性フィルムは通液孔を有しないことが必要である。通液孔があると、液だれの原因となるからである。このフィルムのエタノールガス透過率は、20g/m/hr(50%RH・40℃)以上であることが好ましい。ここで、本発明におけるエタノールガス透過率は、温度40℃、相対湿度50%の環境下で24時間の間にその材料1m当たりを通過するエタノールガスの量(g)で示されるもので、その値は、95度局方エタノール(92.4wt%エタノール)を用いて、一般に樹脂のフィルムの水蒸気透過量の測定に使用されるJISZ−2080に準じて測定される。前記エタノールガス透過性フィルムの例としては、低密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、EVA、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、アイオノマー、ナイロン、三酢酸セルロース、ポリ乳酸又はこれらの組合せ(混合物やラミネート等)等のフィルムを挙げることができる。
【0023】
前記不織布がエタノールガス透過性フィルムと張り合わされている複合シートのエタノールガス透過率は20g/m2/hr(50%RH・40℃)以上であることが好ましい。エタノール蒸散型の食品保存用具として、この程度のエタノールガス透過性を持つことが望ましい。
【0024】
前記複合シートをヒートシールする相手方は、前記収納体を構成する同様な複合シートであってもよいし、アルミニウム箔のように全く別な材料のものであってもよい。
【0025】
前記ゲル状エタノール中に存在するエタノールは、100%のエタノール又はエタノール含量42.5wt%(50容量%)以上の含水エタノール(以下100%エタノールと含水エタノールを合わせて「(含水)エタノール」と記述する)であることが好ましい。42.5wt%(50容量%)未満であると、ゲル状物内部に保水され、エタノール残存が多いという問題がある。一方、吸収剤又はゲル化剤の重量を基準として5倍以上のエタノール含量42.5wt%(50容量%)以上の(含水)エタノールが吸収剤又はゲル化剤中に存在することが好ましい。この存在倍率が高い場合、エタノール蒸散後は内容物の殆どが無くなるので、エタノールが蒸散したことが視覚で判断できるという利点がある。小型化のためにも上記倍率は高いほどよいが、一方でエタノールガス透過性フィルムに切れが生じた際にエタノールが吸い出されやすくなるから、本発明のシール方法の価値が増す。前記倍率は高いほどよいが、ゲル状を保つことが条件で、液状部分ができると自動包装が困難となる。
【0026】
前記エタノール又は含水エタノールをゲル状にするための、これら(含水)エタノール又はその水溶液の吸収剤又はゲル化剤の例としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、N−ビニルカルボン酸アミドポリマー、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリグリセリンエステル、エタノールにステアリン酸を溶解しこのステアリン酸溶液にKOHエタノール溶液を添加して形成されるゲルを構成するゲル化剤等を挙げることができる。
【0027】
本発明でいう、ゲル状とは、本来のコロイド粒子が独立した運動性を失ってゲルとなったときのゲルという意味だけでなく、一定の形状を有する固体ポリマー(例えば、特開平9−201183号公報の実施例に記載されているようなN−ビニルアセトアミドとテトラアリルオキシエタンとの共重合体)がエタノールを吸収してゼラチンのようになったものや、微粒子状のそのようなポリマーにエタノールを吸収させてクリーム、のり状粘稠物等としたものを包含する。前記一定の形状を有する固体ポリマーがエタノールを吸収してゼラチンのようになったものの当該形状は、ひも状、フィルム状、シート状、板状等を包含する。
【0028】
前記ゲル状エタノールは、エタノール及び吸収剤又はゲル化剤の他に、必要に応じて脱臭剤、脱酸素剤、エタノール刺激臭を緩和するための炭素原子数2〜6の有機脂肪酸(特開平9−140363号公報参照)や、食用香料、色素等の食品添加物として許容されている適宜の添加物を含有していてもよい。
【0029】
【実施例】
(実施例1)
N−ビニルアセトアミドポリマー(昭和電工社製)1重量部に92.4wt%(95容量%)エタノールを25重量部吸収させ、ゲル状のエタノールを得た。包材としてナイロン不織布(30g/m2)/EVAフィルム(厚さ30μm)で、エタノールガス透過率1223g/m2/hr(50%RH・40℃)のものを使用し、自動包装機(小松製作所製JKL−1300V)にて、35mmの3方シール型の小袋に製袋しながら、前記ゲル状エタノール0.66gを充填し、ヒートシールしてエタノール蒸散食品保存用具を得た。この食品保存用具はシール強度14.6N/15mmで、はがれにくく、かつ、包みからのエタノールの液だれも見られなかった。この食品保存用具をパン菓子(水分活性0.84)2個70gに添付し、ガスバリヤ性袋に密封し、1ヶ月間25℃で保存した結果、カビの発生は見られなかった。一方、食品保存用具を添付しなかったものは2週間でカビ発生が見られた。本発明食品保存用具の効果は明らかである。前記保存後、本発明食品保存用具を包装から取り出して観察したところ、内容物の殆どが無くなっており、エタノールがほぼ完全に蒸散したことが視覚的に判断できたほか、内容物の誤食の恐れもないことが分かった。
【0032】
(実施例
実施例1において、不織布として石ワリフを用いた他は同様な試験をしたところ、同様な結果が得られた。
【0033】
(比較例1)
N−ビニルアセトアミドポリマー(昭和電工社製)1重量部に92.4wt%(95容量%)エタノールを25重量部吸収させ、ゲル状のエタノールを得た。包材として和紙(45g/m2)/EVAフィルム(厚さ30μm)、エタノールガス透過率500g/m2/hr(50%RH・40℃)を使用し、自動包装機(小松製作所JKL−1300V)にて、35mmの3方シール型の小袋に製袋しながら、前記ゲル状エタノール0.66gを充填し、ヒートシールしてエタノール蒸散食品保存用具を得た。この包みからの液だれが見られ、実用に供することのできないものであった。この包みを開封してシール部を観察したところ、EVAが溶けて包み内方に移行し、フィルム層に切れが生じていた。
【0034】
(比較例2)
N−ビニルアセトアミドポリマー(昭和電工社製)1重量部に92.4wt%(95容量%)エタノールを25重量部吸収させ、ゲル状のエタノールを得た。目付70g/m2のポリプロピレン不織布に、EVA(厚さ30μm)をラミネートした包材を作製した。自動包装機(小松製作所製製JKL−1300V)にて、35mm×30mmの3方シール型の小袋に製袋しながら、ゲル状エタノール0.66gを充填し、ヒートシールしてエタノール蒸散食品保存用具を得た。包みからのエタノールの液だれが見られ、実用に供することのできないものであった。包みを開封してシール部を観察したところ、EVAが溶けて包み内に移行し、フィルム層に切れが生じていた。その原因は、不織布の目が細かくてEVAが不織布に食い込むことができなかったことと、この不織布の熱伝導がしにくくて自動充填機のシール温度を高める必要がありその制御が困難であったため、EVAが必要以上に溶融し、流れ、切れが生じたものと推定される。
【0035】
(比較例3)
不織布の目付を5g/m2としたこと以外は比較例2と同様にして食品保存具を得た。包みからのエタノールの液だれが見られた。これは、不織布の密度が低く、また薄いため、ヒートシール時に溶融したEVAが不織布を貫通して表面に抜け出し、結果的にEVA層に不連続な箇所が出来てしまったものと推定される。また、この不織布は腰が弱く、自動包装への実用に供することのできないものであった。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、高エタノール濃度、高エタノール含有量のゲル状エタノールを収納した食品保存用具で、液だれがなく、自動包装によって製造可能なものが提供される。

Claims (7)

  1. 融点(融点が特定できないプラスチックについては軟化点)が120℃以上の高融点(高軟化点)プラスチックの繊維から構成され目付10〜60g/mの不織布が、前記高融点プラスチックよりも融点が低く通液孔のないエタノールガス透過性フィルムと張り合わされているシートを前記エタノールガス透過性フィルムをヒートシール材としてヒートシールした部分を、少なくとも一部に有する収納体内に、ゲル状のエタノールを収納してなり、
    前記不織布の高融点(高軟化点)プラスチック繊維が融点(融点が特定できないプラスチックについては軟化点)100℃以下の低融点(低軟化点)プラスチックで被覆されており、前記エタノールガス透過性フィルムがその低融点(低軟化点)のプラスチック皮膜を介して前記不織布に張り合わされていることを特徴とする食品保存用具。
  2. 融点(融点が特定できないプラスチックについては軟化点)が120℃以上の高融点(高軟化点)プラスチックの繊維から構成され目付10〜60g/mの不織布が、前記高融点プラスチックよりも融点が低く通液孔のないエタノールガス透過性フィルムと張り合わされているシートを前記エタノールガス透過性フィルムをヒートシール材としてヒートシールした部分を、少なくとも一部に有する収納体内に、ゲル状のエタノールを収納してなり、
    前記高融点(高軟化点)プラスチックの不織布に融点(融点が特定できないプラスチックについては軟化点)100℃以下の低融点(低軟化点)プラスチックの不織布を積層し、この低融点(低軟化点)プラスチックの不織布を介して前記エタノールガス透過性フィルムが前記高融点(高軟化点)プラスチックの不織布に張り合わされていることを特徴とする食品保存用具。
  3. 前記高融点(高軟化点)プラスチックが、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、又はこれらの組合せから本質的になる請求項1または2に記載の食品保存用具。
  4. 前記エタノールガス透過性フィルムが低密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン,エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、アイオノマー、ナイロン、三酢酸セルロース、ポリ乳酸又はこれらの組合せから構成されるフィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の食品保存用具。
  5. 前記ゲル状のエタノールがエタノール濃度42.5wt%(50容量%)以上のエタノール又はその水溶液をその吸収剤に吸収させ又はゲル化剤でゲル化させたものであり、これら吸収剤又はゲル化剤に対するエタノール又はその水溶液の倍率が重量基準で5倍以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の食品保存用具。
  6. 前記エタノール又はその水溶液の吸収剤又はゲル化剤がカルボキシビニルポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、N−ビニルカルボン酸アミドポリマー、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリグリセリンエステル、エタノールにステアリン酸を溶解しこのステアリン酸溶液にKOHエタノール溶液を添加して形成されるゲルを構成するゲル化剤、又はこれらの組合せから選ばれることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の食品保存用具。
  7. 前記不織布がエタノールガス透過性フィルムと張り合わされている複合シートのエタノールガス透過率が20g/m/hr(50%RH・40℃)以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の食品保存用具。
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