JP2008239230A - 透湿性包装用袋、及び透湿性包装体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透湿性包装用袋20は、吸水性および酸素バリア性を有する基材フィルム2の内側にヒートシール剤層が形成された包装材料から構成され、ヒートシール剤層同士が融着されて全体として開口部を残して三方が閉じられた袋状に形成する。
【選択図】図4
Description
更に詳しくは、飲食品、医薬品、化粧品等の内容物を包装しても、内容物自身から蒸散される水蒸気によってフィルムの内部表面で結露することなく、余分な水蒸気を外部に放出可能であり、かつ、酸素バリア性、密閉性、内容物の外観、衛生性、品質保持性に優れ、内容物と共に脱酸素剤を封入することにより、更に、内容物の酸素による劣化を防止すると共に、好気性微生物の繁殖を防止するものである。
そして、これらの包装用材料は、通常、その最内層にシーラント層を設け、当該シーラント層を対向させて重ね合わせ、その周辺端部をヒ−トシ−ルして、種々の形態の包装用袋を製造し、そして、当該包装用袋の開口部から、例えば、飲食品、医薬品、化粧品、洗剤、化学品、雑貨品、その他等の種々の内容物を充填包装して、各種の包装袋を製造しているものである。
中でも、微生物、植物等の培養用培地の包装分野において、通常、滅菌した寒天培地を無菌状態で分注したシャーレをプラスチック製袋に収納して密封した状態で市販されているものである。上記の市販されているプラスチック製袋は、通常、基材フィルムであるニ軸延伸ポリプロピレンフィルムを使用し、シーラント層である未延伸ポリプロピレンフィルムとを貼り合わせた積層フィルムから構成されている。例えば、従来の培養用培地の包装袋としては、延伸ポリプロピレンとポリエチレンの積層フィルムを使用したプラスチック製袋が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、青果物の包装分野において、フィルムで作った包装袋に例えば青果物を個包装し、密封すると、それ自身から蒸散される水蒸気を外部に十分に放出することができないため、袋の内面で結露を生じてしまい、そのまま長時間保存しておくと、その部分から傷んでしまうという問題があった。
また、従来の通気性袋として、内面に熱接着性膜を有する包材の両端縁の接合部の内面にフィルターテープ(滅菌紙)を熱接着してなる構造のものがある(例えば、特許文献2参照)。
また、透湿性基材フィルムの片側に、熱可塑性樹脂を直線状に多数平行に形成してなる構造の透湿性包装袋について開示されている(特許文献3参照)。
このようなことから、従来、シャーレの表面に結露を生じた寒天培地を使用する際、寒天培地を分注したシャーレをプラスチック製袋から取り出し、クリーンベンチ内にシャーレの蓋を開けた状態で寒天培地を分注したシャーレを放置して、乾燥させることが一般的に行われている。
しかしながら、前者の包装形態では、クリーンベンチ内で乾燥中に、寒天培地を分注したシャーレに空気中に浮遊する微生物や塵等の異物が混入するおそれがあり、コンタミの原因となり、食品中の大腸菌等の細菌の有無を検出する検体数が多いと、シャーレの取り扱いに手間取り、作業効率が低下してしまい、また、長期間、結露を生じた状態で寒天培地を分注したシャーレを保管しておくと、変質してしまう可能性が高まるという問題点がある。
また、吸水性の酸素ガスバリア性のフィルムを用いることにより、外部からの酸素を透過させないため、酸素による内容物の劣化、および好気性菌の繁殖防止が図れるものである。更に、内容物と同時に脱酸素剤を封入することにより、上記効果の向上を図れるという作用効果がある。
また、本発明の透湿性包装用袋は、包装用フィルムの内面側にヒートシール剤層を形成して、ヒートシール剤層同士が融着されて全体として開口部を残して三方が閉じられた袋状に形成されることにより、従来と比べてヒートシール部の密封性が向上し、外部からの異物混入、好気性微生物の繁殖を防止可能であり、衛生性、フィルム強度、外観、生産性、コスト面に優れた作用効果を奏する。
図1、図2は、本発明に係る透湿性包装用袋を構成する透湿性フィルム1の断面図であり、図3は、本発明に係るヒートシール剤3をパターン状に塗布した透湿性包装用袋を構成する透湿性フィルム1の一例を示す概略図であり、図4、図5は、本発明に係る透湿性包装用袋20を示す斜視図であり、図6は、本発明に係る透湿性包装用袋に内容物を収納した透湿性包装体30の概略図である。
吸水性および酸素バリア性を有する基材フィルム2は、水蒸気透過性、吸水性および酸素バリア性を有するフィルムであることが必要であり、具体的には、40℃、90%R.H.における透湿度が100g/m2以上、吸水率が5%以上、酸素透過度が30cc/m2・24hrs・atm以下であることが必要であり、より好ましくは、透湿度が100g/m2以上、400g/m2以下、吸水率が5%以上、20%以下、酸素透過度が1cc/m2・24hrs・atm以上、20cc/m2・24hrs・atm以下の範囲にあることがより好ましい。
本発明に係る透湿性包装用袋を構成する基材フィルム2の透湿度および吸水率が、上記の範囲を満たさない場合、内容物自身から蒸散される余分な水蒸気を外部へ放出するのに要する時間が長くなってしまい、透湿性包装用袋の内部で結露を生じてしまうので好ましくない。
本発明に係る透湿性包装用袋を構成するフィルム2の酸素透過度が、上記の範囲を超えると、内容物が劣化してしまうので好ましくない。
上記の吸水性および酸素バリア性を有する基材フィルム2としては、具体的に、ポリビニルアルコールフィルム、ナイロンフィルム、MXDナイロン共押し出しナイロンフィルム(株式会社興人製、商品名「スーパーニール」等)、MXDナイロンブレンドナイロンフィルム(出光ユニテック株式会社製、商品名「ユニアスロン」等)、エチレン・ビニルアルコール共重合体共押し出しナイロンフィルム(ユニチカ株式会社製、商品名「エンブレムE300」等)、酸素バリア層コートナイロンフィルム(株式会社興人製、商品名「コーバリア」、呉羽化学工業株式会社製、商品名「ベセーラ」、株式会社クラレ製、商品名「クラリスタ」等)、またはエチレン・ビニルアルコール共重合体フィルムを使用できる。
本発明において、中でも、MXDナイロン共押し出しナイロンフィルム、MXDナイロンブレンドナイロンフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体共押し出しナイロンフィルム、酸素バリア層コートナイロンフィルム、またはエチレン・ビニルアルコール共重合体フィルムは、水蒸気透過量が高く、かつ酸素バリア性に優れ、いわゆる擬似選択透過膜の効果を有するフィルムが得られるので好ましいものである。
上記の吸水性および酸素バリア性を有する基材フィルム2の厚みは、10μm 〜100μm 程度のものを使用することが好ましい。フィルムの厚みが、10μm未満であると、包装用袋を構成するフィルムとしての強度が低下してしまうため、好ましくなく、また、100μmを超えると、透湿度が低下してしまうため、好ましくない。
また、上記のフィルムには、グラビア印刷等により絵柄印刷することもできる。
また、上記のヒートシール剤層3は、吸水性フィルムの片面全面に形成するか、またはグラビア印刷機等によりパターン状に形成することで、包装袋を製袋する際のヒートシール部にのみ、選択的に形成することもできる。
上記のヒートシール剤層3としては、加熱によって溶融し相互に融着し得るヒ−トシ−ル性を有する樹脂であればよく、例えば、ポリオレフィン系樹脂のエマルジョン、ポリエチレン・イミン等を使用することができる。また、上記のヒートシール剤のコート量としては、0.5g/m2〜5g/m2位が好ましい。
上記の積層フィルムは、40℃、90%R.H.における透湿度が100g/m2以上、吸水率が5%以上、酸素透過度が30cc/m2・24hrs・atm以下であることが必要である。
本発明に係る透湿性包装用袋を構成するフィルムの透湿度および吸水率が、上記の範囲を満たさない場合、内容物自身から蒸散される余分な水蒸気を外部へ放出するのに要する時間が長くなってしまい、包装袋の内部で結露を生じてしまうので好ましくない。
本発明に係る透湿性包装用袋を構成するフィルムの酸素透過度が、上記の範囲を超えると、内容物が劣化してしまうので好ましくない。
上記の複数の吸水性および酸素バリア性を有する基材フィルム2を積層する方法は、ドライラミネーション、またはウェットラミネーションが好ましい。なお、溶融樹脂の押し出しラミネーションは、接着層の樹脂がフィルムの透湿性を著しく損なうため好ましくない。
また、吸水性および酸素バリア性を有する基材フィルム2同士を対向させ、熱融着した包装用袋では、内容物によっては乾燥が進み過ぎてしまう場合があるため、片側に透湿度の低いフィルムを使用することにより、内容物の乾燥が抑えられる点で好ましい場合もある。
ヒートシール剤の形成部11は、吸水性および酸素バリア性を有する基材フィルム2または吸水性および酸素バリア性を有するフィルムの積層フィルム4上にパターン状、またはシートの全面に形成することができる。
本発明において、中でも、ヒートシール剤3をパターン状に形成することにより、ヒートシール剤を厚塗りした場合でも、ヒートシール剤の形成部11をフィルムの全面に形成する場合と比べて、透湿度の低下を抑えることが可能であり、また、ヒートシール剤が内容物Mに接触し難くなるため、衛生的に好ましいものである。
本発明に係る透湿性包装用袋20の製袋方法は、ヒートシール部のみにヒートシール剤3を形成した透湿性フィルム1を、縦方向の中心線で二つ折りにするか、または縦方向の中心線でフィルムを半切し、ヒートシール面同士を向かい合わせて重ね合わせた後、開口部を残して縦方向及び横方向にヒートシール部13を形成し、製袋線12よりカットして透湿性包装用袋を得ることができる。
図4に示すように、本発明に係る透湿性包装袋20は、吸水性および酸素バリア性を有する基材フィルム2の内側のヒートシール部予定部にヒートシール剤が形成された包装材料から構成され、ヒートシール剤の形成部11同士が融着されて全体として開口部を残して三方がヒートシール部13で閉じられた透湿性包装袋20である。
本発明にかかる透湿性包装用袋20としては、その目的、用途等により、三方シール袋、ピロー袋、ガゼット袋、スタンドパック、その他等の種々の形態からなる包装袋を製造することができるものである。中でも、本発明において、四方シール袋が、密封性の点から好ましい形態である。
なお、ヒートシール部にノッチ14を設けることにより、包装体30の開封が容易になる。
図5に示すように、本発明に係る透湿性包装用袋20は、本発明に係るヒートシール剤を全面に形成した透湿性包装用袋の構成フィルムのヒートシール剤層の形成部11同士を対向するように重ね合わせ、開口部を残して三方をヒートシールしてヒートシール部13を形成して製袋した包装袋である。
このように、本発明に係る透湿性包装用袋は、包装袋を構成する包装材料を透湿度の低いフィルムとすることにより、内容物が乾燥しすぎるのを防止できる場合がある。
尚、特に図示しないが、複数の吸水性および酸素バリア性を有する基材フィルム2とを積層した積層フィルムから透湿性包装袋20を製袋することもできる。
吸水性および酸素バリア性を有する基材フィルム2として、厚み15μm のバリアコートナイロンフィルム(呉羽化学工業株式会社製、製品名「ベセーラR」)を使用し、その片面に、ヒートシール剤3として、エチレン・酢酸ビニル共重合体エマルジョン(中央理化工業株式会社製、製品名「EC−1700」)を、グラビア印刷機を用いて縦100mm×横180mm、塗布幅15mmの連続パターンを乾燥温度70℃、塗布量2g/m2で塗布して、本発明に係る透湿性フィルム1を製造した。
しかる後、内容物Mとして表面温度50℃の笹蒲鉾(長さ約100mm、幅約60mm、厚さ約10mm)を、上記で得られた本発明に係る透湿性包装袋20の袋開口部から収納し、開口部を10mm巾でヒートシールして密封し、本発明に係る透湿性包装体30を作製した。しかる後、上記で得られた透湿性包装体30を室温で4日間保存した。
その結果、本発明に係る透湿性包装体30は、内容物が乾燥しすぎることなく、余分な水蒸気を外部に放出可能であったため、透湿性包装袋20の内面と内容物Mが貼り付く現象は認められず、外観も良好であった。
内容物Mとしては、直径90mm、高さ14mmのポリスチレン製シャーレに普通寒天培地(栄研化学株式会社製)を調製、分注したものを用いた。
しかる後、内容物Mである上記の普通寒天培地を分注し、倒置したシャーレを10枚重ねた状態で、上記で得られた本発明に係る透湿性包装用袋20の開口部から収納し、開口部に10mm巾のヒートシールして密封し、本発明に係る透湿性包装体30を作製した。
しかる後、上記で得られた包装体30を庫内温度約5℃の冷蔵庫中に2週間保存した。
その結果、内容物自身から蒸散される水蒸気によってフィルムの内部表面で結露することなく、また、内容物が乾燥しすぎることなく、余分な水蒸気を外部に放出可能であった。
従って、従来行っていたシャーレ表面の水分乾燥のために一晩放置する工程が必要でなくなった。
また、本発明に係る透湿性包装体30は、内容物である普通寒天培地の鮮度の維持、保存性、衛生性、外観、フィルム強度、シール強度、生産性、コスト面に優れるものであった。
また、内容物Mとして実施例1と同様の笹蒲鉾(1枚)を用い、脱酸素剤(製品名「エージレスFM−100」、三菱瓦斯化学株式会社製)と共に、透湿性包装用袋20(ピロー袋)の開口部から収納し、袋開口部に10mm巾のヒートシールして密封し、本発明に係る透湿性包装体30を作製した。
しかる後、上記で得られた透湿性包装体30を庫内温度約25℃のインキュベーター中に1週間保存した。
その結果、本発明に係る透湿性包装体30は、内容物Mが乾燥しすぎることなく、余分な水蒸気を外部に放出可能であるため、透湿性包装袋20の内面フィルムと内容物が貼り付く現象は認められず、良好な外観であり、また、カビの繁殖も認められなかった。
しかる後、上記で得られた積層フィルムを縦280mm、横200mmに2枚切り取り、対向させて重ね合わせ、ヒートシール巾10mmの側部シールと底シールの三方をヒートシールして、縦280mm、横200mmの本発明に係る透湿性包装袋20(ピロー袋)を作製した。
内容物Mとして、直径90mm、高さ14mmのポリスチレン製シャーレにポテトデキストロース寒天培地(栄研化学株式会社製)を調製、分注したものを用い、倒置したシャーレを10枚重ねた状態で、上記で得られた本発明に係る透湿性包装用袋の開口部から脱酸素剤(製品名「エージレスFM−100」、三菱瓦斯化学株式会社製)と共に収納し、袋開口部に10mm巾のヒートシールして密封し、本発明に係る透湿性包装体30を作製した。
しかる後、上記で得られた透湿性包装体30を庫内温度25℃のインキュベーター中に1週間保存した。
その結果、本発明に係る透湿性包装袋20は、内容物自身から蒸散される水蒸気によってフィルムの内部表面で結露することなく、また、内容物が乾燥しすぎることなく、余分な水蒸気を外部に放出可能であり、内容物Mである普通寒天培地の鮮度維持、保存性に優れるものであった。
このため、従来、コンタミ防止のために実施していた、使用前のシャーレ表面の水分乾燥のための一晩放置する工程を省略することが可能となり、また、培地が乾燥するまでであれば、冷蔵保存する必要が無くなった。
基材フィルムとして、厚み15μmの酸化ケイ素蒸着ナイロンフィルム(大日本印刷株式会社製、製品名「IB−ON−FRC」)を使用し、その片面に、ヒートシール樹脂層として、エチレン・酢酸ビニル共重合体エマルジョン(中央理化工業株式会社製、製品名「EC−1700」)を、グラビア印刷機を用いて縦100mm×横180mm、塗布幅15mmの連続パターンを、乾燥温度70℃、塗布部塗布量2g/m2で塗布してフィルムを製造した。
しかる後、上記の酸化ケイ素蒸着ナイロンフィルムを使用して、縦100mm、横180mmに2枚切り取り、ヒートシール巾10mmの側部シールと底シールをヒートシールして、縦100mm、横180mmの比較例1に係る包装袋を作製した。
一方、内容物として、実施例1と同様に幅約60mm、長さ約100mm、厚さ約10mmの笹蒲鉾を、表面温度50℃の出来立ての状態のまま、上記で得られた比較例1に係る包装袋の開口部から収納し、しかる後、袋開口部に10mm巾でヒートシールして密封し、比較例1に係る包装体を作製した。
しかる後、上記で得られた包装体を室温で4日間保存した。
その結果、比較例1に係る包装袋は、内容物自身から蒸散される水蒸気、及び離水によってフィルムと内容物が貼り付く現象が認められ、見苦しい外観を呈した。また、袋内には水が溜まり、細菌が繁殖して異臭を放っていた。
基材フィルムとして、厚み15μmの酸化ケイ素蒸着ナイロンフィルム(大日本印刷株式会社製、製品名「IB−ON−FRC」)を使用し、その一方の面の全面に、ヒートシール剤層として、エチレン・酢酸ビニル共重合体エマルジョン(製品名「EC−1700」、中央理化工業株式会社製)を、グラビア印刷機を用いて縦100mm×横180mm、塗布幅15mmの連続パターンを、乾燥温度70℃、塗布部塗布量2g/m2で塗布してフィルムを製造した。
上記で得られた包装用フィルムを縦280mm、横200mmに2枚切り取り、ヒートシール巾10mmの背部シールと底シールをヒートシールして、縦280mm、横200mmの包装用袋(ピロー袋)を作製した。
しかる後、実施例2と同様の内容物である上記の普通寒天培地を分注したシャーレを10枚重ねて倒置した状態で、袋の開口部から収納し、しかる後、袋開口部に10mm巾のヒートシールして密封し、比較例2の包装体を作製した。
上記で得られた包装体を庫内温度約5℃の冷蔵庫中に2週間保存した。
その結果、内容物自身から蒸散される水蒸気によって包装用袋の内部表面で結露を生じ、シャーレ外面にも水滴が付着しており、余分な水蒸気を包装用袋の外部に放出できていないことがわかった。
積層フィルムとして、厚み15μm の塩化ビニリデンコートナイロンフィルム(株式会社興人製、製品名「ボニール−KPC」)と、厚み15μm のナイロンフィルム(東洋紡績株式会社製、製品名「N5152」)を二液硬化型ウレタン樹脂系接着剤を介して貼り合わせたフィルムを使用し、その「N5152」側の片面に、実施例1と同様に、ヒートシール剤層として、エチレン・酢酸ビニル共重合体エマルジョン(製品名「EC−1700」、中央理化工業株式会社製)を、グラビア印刷機を用いて縦100mm×横180mm、塗布幅15mmの連続パターンを、乾燥温度70℃、塗布部塗布量2g/m2で塗布してフィルムを製造した。
しかる後、上記の積層フィルムを使用して、実施例1と同様にして、縦100mm、横180mmに2枚切り取り、ヒートシール巾10mmの側部シールと底シールをヒートシールして、縦100mm、横180mmの比較例3に係る包装袋を作製した。
また、内容物として、笹蒲鉾(1枚)と脱酸素剤(製品名「エージレスFM−100」、三菱瓦斯化学株式会社製)を用い、包装用袋の開口部から収納し、しかる後、袋開口部に10mm巾のヒートシールして密封し、比較例3に係る透湿性包装体を作製した。
しかる後、上記で得られた包装体を庫内温度約25℃のインキュベーター中に1週間保存した。
その結果、内容物自身から蒸散される水蒸気、及び離水による水分によってフィルムと内容物が貼り付く現象が認められ、見苦しい外観を呈した。また、脱酸素剤の効能によりカビの繁殖は認められなかったが、酵母が繁殖してしまい、異臭を呈した。
実施例1〜4、比較例1〜3の透湿性包装用フィルムについて、水蒸気透過度、ヒートシール強度について次のようにして評価した。評価結果は表1にまとめて示す。
上記で得られた透湿性包装用フィルム1の水蒸気透過度を測定の結果を表1に示す。
すなわち、上記の透湿性包装用フィルム1は、吸水性および酸素バリア性を有する基材フィルム2の片面にヒートシール剤層3として、エチレン・酢酸ビニル共重合体エマルジョン(製品名「EC−1700」、中央理化工業株式会社製)を、グラビア印刷機を用いて、塗布部塗布量2g/m2で塗布たものである。
水蒸気透過度の測定方法は、JIS Z0208(防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法))に基いて温度40℃、相対湿度90%RHにて測定したものである。
また、実施例1〜実施例4に係る透湿性包装用フィルムの酸素透過度は、20cc/m2・24hrs・atm以下であり、酸素バリア性に優れるものであった。
また、実施例1〜実施例4に係る透湿性包装用フィルムのヒートシール強度が、5N/15mm以上であり、流通過程においても密封状態を保持するため、包装袋としての内容物の劣化を防ぐことができるという優れるものであった。
しかし、比較例1〜3では、水蒸気透過度が10g/m2・24hr以下であるため、内容物自身から蒸散される水蒸気によってフィルムの内部表面で結露してしまうため、好ましくなかった。
2 吸水性および酸素バリア性を有する基材フィルム
3 ヒートシール剤層
4 吸水性積層フィルム
5 接着剤層
11 ヒートシール剤層の形成部
12 製袋線
13 ヒートシール部
14 ノッチ
15 脱酸素剤
20 透湿性包装用袋
30 透湿性包装体
M 内容物
Claims (3)
- 吸水性および酸素バリア性を有する基材フィルムの内側にヒートシール剤層が形成された包装材料から構成され、前記のヒートシール剤層同士が融着されて全体として開口部を残して三方が閉じられた袋状に形成されることを特徴とする透湿性包装用袋。
- 前記の吸水性および酸素バリア性を有する基材フィルムが、ポリビニルアルコールフィルム、ナイロンフィルム、MXDナイロン共押し出しナイロンフィルム、MXDナイロンブレンドナイロンフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体共押し出しナイロンフィルム、酸素バリア層コートナイロンフィルム、またはエチレン・ビニルアルコール共重合体フィルムからなる単層または接着剤層を介して積層した多層構造を有していることを特徴とする請求項1に記載の透湿性包装用袋。
- 内容物を、少なくとも一部に通気性シートからなる包装材料で脱酸素剤を包装した脱酸素剤包装体と共に請求項1〜2のいずれかに記載する透湿性包装用袋内に収納してなることを特徴とする透湿性包装体。
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