JPH05319411A - 包装方法及び包装材料 - Google Patents

包装方法及び包装材料

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JPH05319411A
JPH05319411A JP12876292A JP12876292A JPH05319411A JP H05319411 A JPH05319411 A JP H05319411A JP 12876292 A JP12876292 A JP 12876292A JP 12876292 A JP12876292 A JP 12876292A JP H05319411 A JPH05319411 A JP H05319411A
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JP
Japan
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packaging
synthetic resin
resin film
article
bacteriostatic agent
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JP12876292A
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English (en)
Inventor
Kenji Suzuki
健司 鈴木
Hiroaki Matsubara
弘明 松原
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】嫌気性菌の増殖を抑制する包装材料及びそれを
用いた包装方法を提供する。 【構成】ゼオライト系制菌剤含有低密度ポリエチレン/
低密度ポリエチレン/二軸延伸ナイロンからなる層比
(%)8.3/69.2/23.1の酸素ガスバリヤー
性積層フィルムを製袋した包装材料を用いて、真空包装
及びガス置換包装する(実施例1)。 【効果】真空包装及びガス置換包装において、嫌気性菌
の増殖が著しく抑制された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、包装方法及び包装材料
に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフイルム製の袋に食品等を
充填した後、脱気してヒ−トシ−ルにより密封するとい
う真空包装方法は、食品の鮮度低下の原因たる好気性菌
の増殖を効果的に抑制できるので良く行われている。
【0003】また真空包装方法同様に、好気性菌の増殖
を効果的に抑制できる包装方法としては、プラスチック
フイルム製の袋に食品等を充填した後、袋内の空気を好
気性菌が増殖しにくい不活性ガスで置換してヒ−トシ−
ルにより密封するというガス置換方法がある。
【0004】上記したような包装方法は、いずれも好気
性菌についてはその抑制効果が比較的高いので、特に菌
の増殖が抑制されるような殺菌処理を施していない包装
袋が従来から使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年食品の鮮度低下の
原因として、酸素が存在しない状況下でしか生育しない
絶対嫌気性菌や、酸素が存在しない状況下でも生育可能
な通性嫌気性菌の存在が注目されており、特に好気性菌
の増殖のみを抑制しているだけでは、食品の鮮度保持は
不十分であることがわかってきた。
【0006】しかしながら、通常の包装袋を用いた真空
包装やガス置換包装では、絶対嫌気性菌や通性嫌気性菌
の増殖は抑制されにくい。また制菌作用を与えると思わ
れる炭酸ガス、エタノ−ルガス等のみで制菌効果をもた
せようとガス置換包装を行うとガスが過剰量必要にな
り、食品の風味低下やコストアップを引き起こす。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記実状を鑑
みて鋭意検討したところ、制菌剤を表面に固定した酸素
ガスバリア−性合成樹脂フイルムを用い、制菌剤固定表
面が充填すべき物品側となる様に物品を包装することに
より、絶対嫌気性菌や通性嫌気性菌の増殖をより効果的
に抑制できることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】以下に本発明を更に詳述する。本発明では
包装方法として、真空包装方法及びガス置換包装方法が
採用される。
【0009】いずれの包装方法においても、制菌剤を表
面に固定した酸素ガスバリアー性合成樹脂フィルムを用
い、制菌剤固定表面が物品側となるように製袋された包
装材料を用いる点が本発明の特徴である。
【0010】本発明の包装材料を得るための酸素ガスバ
リア−性合成樹脂としては、公知慣用な合成樹脂が何れ
も使用できるが熱可塑性樹脂が望ましい。酸素ガスバリ
アー値が50〜500cc/m2・24hr・atm
(20℃・90%RH)である酸素ガスバリア−性熱可
塑性樹脂、特に50〜200cc/m2・24hr・a
tm(20℃・90%RH)である中程度のガスバリア
−性が必要な場合は、ポリアミド樹脂、飽和ポリエステ
ル樹脂等が使用される。又層構成としては少なくとも1
層が上記合成樹脂であればよく、単層フィルムであって
も、複層フイルムであってもよい。
【0011】複層フイルムとしては、例えばポリエチレ
ンテレフタレート(以下、PETという)等の飽和ポリ
エステル樹脂/ポリエチレン(以下、PEという)、ナ
イロン等のポリアミド(以下、PA)/PE、PE/P
A/PE、ポリプロピレン(以下、PPという)/PA
/PP、などの層構成を持つ積層体がある。
【0012】又、50cc/m2・24hr・atm
(20℃・90%RH)以下、なかでも特に10cc/
m2・24hr・atm(20℃・90%RH)以下の
ハイガスバリアー性が必要な場合には、例えばエチレ
ン−ビニルアルコ−ル共重合体(以下、EVOHとい
う)、ポリ塩化ビニリデン(以下、PVDCという)
又は塩化ビニリデン樹脂をコ−チングしたフイルム(例
えば二軸延伸PPにPVDCをコ−トしたKOPPフィ
ルム、PETにPVDCをコ−トしたKPET、セロハ
ンにPVDCをコ−トしたKセロハン、PAにPVDC
をコ−トしたKPA)アルミニウム箔またはアルミニ
ウム、シリカをPETフイルムに真空蒸着した蒸着PE
T(以下、VMPETという)、蒸着延伸ポリプロピレ
ン(以下、VMOPPという)等がある。又層構成とし
ては少なくとも1層が上記合成樹脂であればよく、単層
フィルムであっても、複層フイルムであってもよい。
【0013】制菌剤が物品側になる様、制菌剤をフイル
ムの表面に固定する方法としては、例えば上記した様な
制菌剤を含有しない単層の合成樹脂フイルムの少なくと
も片側に、直接、溶融押出法により制菌剤を分散させた
合成樹脂を押し出してフイルムを作成すれば良い。この
様にすれば必要充分の制菌剤の使用量で済み、経済性の
点でも好ましい。
【0014】単層の制菌剤を表面に固定した酸素ガスバ
リアー性合成樹脂フィルムを想定した場合でも、該フイ
ルムの膜厚が厚くなる場合、同様に制菌剤の使用量が多
くなり経済性の点で好ましくないので、その表面近傍に
制菌剤を分散させる様にする事が好ましい。
【0015】制菌剤を表面に固定した酸素ガスバリアー
性合成樹脂フィルムは、酸素透過度0.01〜200c
c/m2・24hr・atm・20℃・90%RHであ
れば、単層でも複層でもよいのは勿論である。
【0016】表面近傍に制菌剤が分散した酸素ガスバリ
アー性合成樹脂フイルムの製造方法としては、例えば次
のような方法がある。 1)溶融押出法で得た制菌剤含有合成樹脂と制菌剤不含
の合成樹脂とを同時溶融押出して多層化する方法。 2)制菌剤含有合成樹脂フイルムと制菌剤不含の合成樹
脂フイルムとを接着剤でラミネ−トする方法。 3)制菌剤含有合成樹脂を制菌剤不含の合成樹脂フイル
ムに押し出しコ−チングする方法。
【0017】これらの方法において制菌剤含有合成樹脂
層の厚さは、特に制限されないが、通常0.1〜20μ
mであること制菌効果が顕著で、しかも経済性にも優れ
る点で1〜7μmであることが好ましい。
【0018】又、上記〜で例示した合成樹脂のうち
機械適性、ヒ−トシ−ル性等の作業性に劣るものを用い
る場合には、ヒ−トシ−ル性が付与できる様、制菌剤が
表面に固定された包装材料の基材は、ポレオレフィン系
樹脂とすることが好ましい。
【0019】この様な包装材料の層構成としては、例え
ばの樹脂を含む構成として、EVOH/PA/PE、
EVOH/PA/EVA、PP/EVOH/PP等があ
る。の樹脂を含む構成としては、例えばKOPP/P
E、KPET/PE、KPA/PE、PA/PVDC/
PE、PP/Kコ−トセロハン/PE等がある。
【0020】の樹脂を含む構成としては、例えばPE
T/AL/PE、PET/AL/PP、PET/VM/
PE、OPP/VM/PE等がある。本発明の包装材料
を真空包装、ガス置換包装に使用の際には、外気から酸
素等が包装材料内に透過しない様に、またガスが外気へ
揮散しない様に酸素透過度500cc/m2・24hr
・atm(20℃・90%RH)以下とするのが好まし
い。
【0021】中でも0.1〜200cc/m2・24h
r・atm(20℃・90%RH)のものが多く使用さ
れる。本発明で使用できる抗菌剤としては、大別してフ
ェノ−ルエ−テル系殺菌剤、天然抗菌剤、グリセリン脂
肪酸エステル、抗菌作用を有する金属イオンで置換した
ゼオライト系化合物などが挙げられる。フェノ−ルエ−
テル系殺菌剤としては、分子内骨格にフェノ−ル基を有
するもの例えば、10,10’−オキシビスフェノキサ
アルシンなどが、天然抗菌剤としてはトロポンを中心骨
格とするもの例えば、ヒノキチオ−ル、β−ドラアブリ
ンなどが、グリセリン脂肪酸エステルとしては、低級脂
肪酸モノグリセリンエステル、ショ糖脂肪酸エステル、
ポリグリセリン脂肪酸エステルとして例えば、カプリル
酸モノグリセライド、カプリン酸モノグリセライド、ラ
ウリン酸モノグリセライド、パルミチン酸シュガ−エス
テル、デカグリセルモノカプリレ−ト、ヘキサグリセル
モノカプリレ−トなどがそれぞれ挙げられる。
【0022】前記ゼオライト系化合物としては、ゼオラ
イト系化合物中のイオン交換可能なイオン、例えばナト
リウムイオン、カルシウムイオン、カリウムイオン、マ
グネシウムイオン、鉄イオン等のその一部又は全部を制
菌性を有する銀イオン、銅イオン、亜鉛イオン、アンモ
ニウムイオン等で置換したゼオライト系化合物が挙げら
れ、通常この様なものはゼオライト系化合物の総量(無
水ゼオライト基準)に対する制菌性を有する銀の重量割
合が0.001〜30重量%中でも0.001〜5重量
%のものである。
【0023】ゼオライト系化合物としては、例えばM
n/2・SiO2・Al23で表せる金属イオン錯化合物
(Mは銀、銅、亜鉛、第4級アンモニウムからなる群か
ら選ばれた1種叉は2種以上のイオンである。nは金属
イオンの原子価である)が挙げられ、市販品ではバクテ
キラ−[カネボウ(株)製]、ゼオミック[シナネンニ
ュ−セラミック(株)製]等の粉粒体が挙げられる。
【0024】一方、制菌性を有するイオンが銀、銅また
は亜鉛の場合のゼオライト系化合物は0.001〜35
重量%中でも0.01〜15重量%のものである。銀、
銅および亜鉛イオンを併用されたゼオライト系化合物の
場合は、制菌性を有する前記金属イオンの合計量が0.
001〜15重量%の範囲のものが多用される。これら
の制菌剤は、単独で使用しても、2種以上混合併用して
も良い。
【0025】混合形態としては例えばオキシビスフェノ
キサアルミン等のフェニルエ−テル系殺菌剤とヒノキチ
オ−ル等の天然制菌剤との混合物、グリセリン脂肪酸エ
ステルとゼオライト系化合物との混合物等が挙げられ
る。中でも特に長期にわたって制菌性を保持することが
出来る点でゼオライト系粒子を含む混合形態が好まし
い。
【0026】上記した様にして得たフィルムを製袋し
て、包装袋を得、この包装袋に物品を充填して包装す
る。包装袋は、公知慣用の方法がいずれも採用できる。
本発明では包装方法として、真空包装方法及びガス置換
包装方法が採用される。
【0027】まず真空包装とは、包装袋に物品を充填し
少なくとも包装袋内を脱気して真空状態とした後に、そ
の包装袋を密封する包装方法であり、包装袋の密封は通
常熱溶融接着(いわゆるヒートシール)という手段で行
われることが多い。
【0028】真空包装方法の形態は、包装袋内部の減圧
度と外気圧の差で包装材料は包装しようとする物品の全
表面に押し付けられ、皮膜状態になっているのが特徴で
ある。 包装材料内に物品を充填した後の真空包装の方
法の手順としては、具体的には次の様なものがある。 1)予め包装袋内に物品を充填した後、袋口部にノズル
を設置し、真空ポンプで包装袋内を脱気し、熱溶融接
着、密封するノズル方式。 2)真空チャンバー内に袋ずめした物品を入れ(袋口は
開放)、チャンバー内部を真空脱気にし、袋口を真空チ
ャンバー内で熱溶融接着、密封するチャンバ−方式。 3)1)と2)方式を合わせもったノズルチャンバ−併
用方式。 4)包装容器に物品を充填して上、蓋材をかぶせ、真空
脱気してさらに包装容器の周辺を蓋材と熱溶融接着、密
封する方式。
【0029】真空包装形態は上記のとおり、包装材料と
物品が密着するため、包装材料中の制菌剤含有層と包装
される物品の接触面積が、含気包装よる場合よりも上昇
する。
【0030】そこで例えば食品を包装する場合におい
て、食品の腐敗の原因となる表面の菌を有効に抑制でき
るという利点が生じる。一方、ガス置換包装は、包装袋
に物品を充填し、少なくとも袋内の空気を不活性ガスで
置換した後に、その包装袋を密封する包装方法であり、
真空包装同様、包装袋の密封は通常熱溶融接着という手
段で行われることが多い。
【0031】ガス置換包装は、包装すべき物品が例えば
カステラやパン粉の様な多孔性の物品と、果物や飲料の
様な内部が密の物品の包装にいずれにも適用できるが、
特に前者の様な多孔性物品のガス置換包装において、本
発明の包装材料は著しく顕著な効果を発現する。
【0032】本発明の包装材料を用いて同じ物品を真空
包装とガス置換包装した場合の、菌の増殖抑制効果は、
真空包装のほうがより大きくなる傾向がある。包装材料
内に物品を充填した後のガス置換包装の方法の手順とし
ては、具体的には次の様なものがある。
【0033】ガス置換に使用する機械のタイプは、例え
ば(1)真空ガス置換タイプ(2)ガス吹き込みガス置
換タイプがあり、(1)は上記の真空包装方法により容
器内を、真空にした後置換ガスを導入する方法、(2)
は容器内に直接不活性ガスを吹き込むことにより置換す
る方法である。
【0034】ガス置換包装に使用する不活性ガスとして
は、例えば炭酸ガス、窒素ガスなどが挙げられる。また
制菌作用をもたせるためにエタノ−ルガスも使用される
ことがある。これらは単独であるいは併用して使用して
も良い。混合ガス組成比率は効果があるように適宜選択
する。
【0035】従来から炭酸ガスには制菌作用が確認され
ておりかつ炭酸ガス濃度と制菌作用とは比例関係が成立
している。しかしながら、高濃度の炭酸ガスをそのまま
用いると食品のpH低下、刺激臭の発生などにより商品
価値を下げることもあるので、窒素ガスを主体として用
いることが好ましい。
【0036】本発明の包装材料でガス置換包装行うに当
たって、不活性ガスとして炭酸ガスを用いる場合には、
その使用量も少量ですむため食品の品質を劣化させるこ
となく、かつ経済性の点でも極めて有利である。
【0037】
【実施例】次に本発明を実施例により詳しく説明する。 製造例1 低密度ポリエチレン(密度0.90)100重量部に制
菌性金属イオンを置換したゼオライト系化合物2重量部
を予め溶融混合して制菌性低密度ポリエチレン組成物を
得た。
【0038】低密度ポリエチレン/低密度ポリエチレン
/制菌性低密度ポリエチレン組成物の層比10:80:
10で、全体の膜厚が50μmになる様、Tダイにより
温度230℃で共溶融押出を行いフイルムを得た。
【0039】このフイルムの制菌剤を含有しない低密度
ポリエチレン面に二軸延伸ナイロンフイルム(膜厚60
μm)を接着剤により貼り合わせた積層フイルム(A−
1)を得た。この積層フィルム(A−1)の酸素透過度
は、80cc/m2・24hr・atm(20℃・90
%RH)であった。 製造例2 低密度ポリエチレンのみを用いて製造例1と同様な操作
を行い、制菌剤を含有しない同様な膜厚の単層フイルム
(A−2)を得た。この単層フィルム(A−2)の酸素
透過度は、2300cc/m2・24hr・atm(2
0℃・90%RH)であった。 製造例3 製造例2で作成した単層フィルム(A−2)に二軸延伸
ナイロンフイルムを接着剤により貼り合わせて、積層フ
イルム(A−3)を得た。この積層フィルム(A−3)
の酸素透過度は、80cc/m2・24hr・atm
(20℃・90%RH)であった。 製造例4 製造例1と同じ制菌性低密度ポリエチレンを用い、さら
に酸素透過度が低くなるように低密度ポリエチレン/エ
チレン−ビニルアルコ−ル共重合体/制菌性低密度ポリ
エチレン組成物の層比40:20:40で全体膜厚が5
0μmとなるよう製造例1と同様にTダイで共溶融押出
し、積層フイルム(B−1)を得た。
【0040】この積層フィルム(B−1)の酸素透過度
は、1.5cc/m2・24hr・atm(20℃・9
0%RH)であった。 製造例5 制菌性低密度ポリエチレン組成物を低密度ポリエチレン
に代えた以外は製造例4と同様な操作を行い、同様な層
比、膜厚の制菌剤を含有しない積層フイルム(B−2)
を得た。この積層フィルム(B−2)の酸素透過度は、
1.5cc/m 2・24hr・atm(20℃・90%
RH)であった。 実施例1 試験菌として黄色ブドウ球菌(通性嫌気性菌)、緑膿菌
(絶対嫌気性菌)をそれぞれ用い、これらの菌を各々普
通ブイヨン培地〔極東製薬(株)製〕で37℃で一昼夜
培養した後、普通ブイヨン培地を10倍希釈した滅菌培
地を用いて1mlあたりの菌数が102〜103個になる
様に調整した菌液をそれぞれ得た。
【0041】製造例1の合成フイルムA−1をポリエチ
レン層を有する面同士を重ね合わせ縦10cm、横8c
mになる様ヒ−トシ−ルをし、製袋した。この袋中に上
記で調整した菌液50mlを各々別々に封入し、真空ま
たはガス置換包装をおこなった。なおガス置換に使用し
た混合ガスは窒素と炭酸ガスでその比率は80:20と
した。このA−1から成る製袋品を15℃、4日間保存
した。
【0042】その袋中の生菌数を前記と同様の普通ブイ
ヨン培地を用いて通常の混釈希釈培養法により袋中の生
菌数を算出した。この結果を表−1及び表−2に示し
た。 実施例2 製造例4で得られた合成フイルムB−1を用いて、抗菌
性低密度ポリエチレン層が重なりあう様に実施例1と同
様な大きさに製袋した。またその後の操作も実施例1と
全く同様な操作を行い菌数を算出した。この結果を表−
1及び表−2に示した。 比較例1 合成樹脂フイルム(A−1)の代わりに、合成樹脂フイ
ルム(A−3)を用いた以外は実施例1と全く同様な操
作を行って、菌数を算出した。この結果を表−1及び表
−2に示した。 比較例2 合成樹脂フイルム(B−1)の代わりに、合成樹脂フイ
ルム(B−2)を用いた以外は実施例2と全く同様な操
作を行って、菌数を算出した。この結果を表−1及び表
−2に示した。
【0043】
【表1】 菌数7×108及び8×108は、膜厚110μmの低密
度ポリエチレン単層フイルムを用いて同様に得た包装袋
による各々のブランク値。
【0044】
【表2】 菌数8×108は、いずれも膜厚110μmの低密度ポ
リエチレン単層フイルムを用いて同様に得た包装袋によ
る各々のブランク値。
【0045】保存試験の結果表−1及び表−2からわか
る様に、本発明の包装材料及び包装方法を用いると嫌気
性菌の増殖が有効に抑制されていることが明らかであ
る。
【0046】
【発明の効果】本発明の包装方法では、制菌剤を表面に
固定した酸素ガスバリアー性合成樹脂フィルムを用い、
制菌剤固定表面が物品側となるように製袋された包装材
料を用いるので、単に制菌剤が固定されていない包装袋
を用いて真空包装したり、ガス置換包装したのでは、増
殖の抑制が出来なかった嫌気性菌までもカビ等の好気性
菌と同様、有効に抑制できる。
【0047】更に包装材料が酸素ガスバリアー性合成樹
脂フィルムでできているので、より長期にわたって袋内
を真空あるいは不活性ガス充填状態に保てる利点もあ
る。
【手続補正書】
【提出日】平成4年6月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】このフイルムの制菌剤を含有しない低密度
ポリエチレン面に二軸延伸ナイロンフイルム(膜厚15
μm)を接着剤により貼り合わせた積層フイルム(A−
1)を得た。この積層フィルム(A−1)の酸素透過度
は、80cc/m 2・24hr・atm(20℃・90
%RH)であった。 製造例2 低密度ポリエチレンのみを用いて製造例1と同様な操作
を行い、制菌剤を含有しない同様な膜厚の単層フイルム
(A−2)を得た。この単層フィルム(A−2)の酸素
透過度は、2300cc/m2・24hr・atm(2
0℃・90%RH)であった。 製造例3 製造例2で作成した単層フィルム(A−2)に二軸延伸
ナイロンフイルムを接着剤により貼り合わせて、積層フ
イルム(A−3)を得た。この積層フィルム(A−3)
の酸素透過度は、80cc/m2・24hr・atm
(20℃・90%RH)であった。 製造例4 製造例1と同じ制菌性低密度ポリエチレンを用い、さら
に酸素透過度が低くなるように低密度ポリエチレン/エ
チレン−ビニルアルコ−ル共重合体/制菌性低密度ポリ
エチレン組成物の層比40:20:40で全体膜厚が5
0μmとなるよう製造例1と同様にTダイで共溶融押出
し、積層フイルム(B−1)を得た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】この積層フィルム(B−1)の酸素透過度
は、1.5cc/m2・24hr・atm(20℃・9
0%RH)であった。 製造例5 制菌性低密度ポリエチレン組成物を低密度ポリエチレン
に代えた以外は製造例4と同様な操作を行い、同様な層
比、膜厚の制菌剤を含有しない積層フイルム(B−2)
を得た。この積層フィルム(B−2)の酸素透過度は、
1.5cc/m 2・24hr・atm(20℃・90%
RH)であった。 実施例1 試験菌として黄色ブドウ球菌(通性嫌気性菌)、緑膿菌
(好気性菌)をそれぞれ用い、これらの菌を各々普通ブ
イヨン培地〔極東製薬(株)製〕で37℃で一昼夜培養
した後、普通ブイヨン培地を10倍希釈した滅菌培地を
用いて1mlあたりの菌数が102〜103個になる様に
調整した菌液をそれぞれ得た。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】包装袋に物品を充填し脱気密封する物品の
    真空包装方法において、前記包装袋として、制菌剤を表
    面に固定した酸素ガスバリアー性合成樹脂フィルムを用
    い、制菌剤固定表面が物品側となるように物品を充填す
    ることを特徴とする物品の真空包装方法。
  2. 【請求項2】制菌剤を表面に固定した酸素ガスバリアー
    性合成樹脂フィルムを用い、制菌剤固定表面が物品側と
    なるように製袋された真空包装用包装材料。
  3. 【請求項3】制菌剤が、イオン化した遷移金属を骨格構
    造内にイオン結合させた合成ゼオライトである請求項2
    記載の包装材料。
  4. 【請求項4】酸素ガスバリアー性合成樹脂フィルムが、
    酸素透過度0.01〜200cc/m2・24hr・a
    tm・20℃・90%RHの合成樹脂フィルムである請
    求項2記載の包装材料。
  5. 【請求項5】制菌剤が、イオン化した遷移金属を骨格構
    造内にイオン結合させた合成ゼオライトであり、かつ酸
    素ガスバリアー性合成樹脂フィルムが、酸素透過度0.
    01〜200cc/m2・24hr・atm・20℃・
    90%RHの合成樹脂フィルムである請求項2記載の包
    装材料。
  6. 【請求項6】包装袋に物品を充填し、袋内の空気を不活
    性ガスで置換して密封する物品のガス置換包装方法にお
    いて、前記包装袋として、制菌剤を表面に固定した酸素
    ガスバリアー性合成樹脂フィルムを用い、制菌剤固定表
    面が物品側となるように物品を充填することを特徴とす
    る物品のガス置換包装方法。
  7. 【請求項7】制菌剤を表面に固定した酸素ガスバリアー
    性合成樹脂フィルムを用い、制菌剤固定表面が物品側と
    なるように製袋されたガス置換包装用包装材料。
  8. 【請求項8】制菌剤が、イオン化した遷移金属を骨格構
    造内にイオン結合させた合成ゼオライトである請求項7
    記載の包装材料。
  9. 【請求項9】酸素ガスバリアー性合成樹脂フィルムが、
    酸素透過度0.01〜200cc/m2・24hr・a
    tm・20℃・90%RHの合成樹脂フィルムである請
    求項7記載の包装材料。
  10. 【請求項10】制菌剤が、イオン化した遷移金属を骨格
    構造内にイオン結合させた合成ゼオライトであり、かつ
    酸素ガスバリアー性合成樹脂フィルムが、酸素透過度
    0.01〜200cc/m2・24hr・atm・20
    ℃・90%RHの合成樹脂フィルムである請求項7記載
    の包装材料。
  11. 【請求項11】酸素ガスバリアー性合成樹脂フィルム
    が、酸素透過度0.01〜200cc/m2・24hr
    ・atm・20℃・90%RHの合成樹脂フィルムであ
    り、水蒸気透過度0.1〜500g/m2・24hr・
    atm・40℃・90%RHである請求項7記載の包装
    材料。
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