JP2020069627A - 振れ止め装置及び工作機械 - Google Patents
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Description
図1及び図2に示すように、ベッドSの上面には一対のリニアガイドS1が設けられている。一対のリニアガイドS1は、Z軸方向に沿って互いに平行となるようにレール状に延びる。
主軸ユニット10は、主軸台11と、主軸台11の後端側(−Z側)に固定される固定振れ止め部15と、ワークWを回転可能に支持する主軸14と、主軸台ベース12と、を備える。
主軸台ベース12は、長方形板状をなし、一対のリニアガイドS1にZ軸方向に沿って移動可能に取り付けられている。主軸台ベース12の上面には主軸台11が固定されている。主軸台11は、主軸14を回転可能に支持する。
主軸14は、何れも図示しない、ワークWを把持するチャックと、チャックで把持したワークWを回転させるワーク回転用モータと、を備える。
ブラケット15aは主軸台11の後端側に開口した有底円筒状をなす。ブラケット15aの前側(+Z側)の端面は主軸台11に固定されている。ブラケット15aは、孔15a2が形成される底板部15a1を備える。底板部15a1は、ブラケット15aの−Z側に位置する。孔15a2は、底板部15a1の中央に形成される。
パイプ支持部15cはZ軸方向に沿って延びる円筒状に形成されている。パイプ支持部15cは、後側(−Z側)の端部に位置する円環状の鍔部15c1を有する。鍔部15c1は、ブラケット15aの後端面にボルト15dを介して固定されている。
振れ止めパイプ15bは、Z軸方向に沿って延びる円筒状に形成され、パイプ支持部15c内に固定される。振れ止めパイプ15bは、ワークWの外周を囲むことによりワークWを支持し、ワークWの振れを抑制する。
図1に示すように、工具機構30は、ベッドSに固定された固定台31と、工具ユニット35と、工具ユニット35をY軸方向に移動させるY軸移動機構32と、図2に示すように、工具ユニット35をX軸方向に移動させるX軸移動機構33と、を備える。
工具ユニット35は、バイト、ドリル等の工具を保持する。工具ユニット35は、図1に示すように、工具として、例えば、ワークWの加工完了部分を切断する突切バイト35aを備える。突切バイト35aの側面は、ワークWの前端に接触させることによりワークWの位置決めを行うストッパとしての機能を有する。
図1に示すように、ワーク供給装置50は、主軸ユニット10の後側(−Z側)に位置し、主軸ユニット10との間で振れ止め装置60を挟み込むように位置する。ワーク供給装置50は、Z軸方向に延びる押棒51と、押棒51の前端に固定されるフィンガー52と、を備える。フィンガー52は、ワークWの後端を回転可能に支持する。本例では、ワークWの後端部はワークWの径よりも小径で形成され、押棒51及びフィンガー52はワークWと同一の径を有する。ワーク供給装置50は、押棒51及びフィンガー52を介してワークWをその軸方向に沿って主軸ユニット10に向けて押す。
図1に示すように、振れ止め装置60は、主軸ユニット10とワーク供給装置50の間に位置し、主軸ユニット10とワーク供給装置50の間におけるワークWの振れを抑制する。
詳しくは、図3に示すように、振れ止め装置60は、振れ止めベース62と、一対の連結部材63と、支持部材64と、駆動部65と、振れ止めパイプ66と、振れ止め機構70と、を備える。
振れ止めベース62は、Z軸方向に沿って移動可能に一対のリニアガイドS1に取り付けられている。振れ止めベース62の上面には支持部材64が固定されている。振れ止めベース62は、主軸台ベース12の後方向(−Z軸方向)に離間して位置する。振れ止めベース62は、固定振れ止め部15の下方向(−Y軸方向)に位置する。
支持部材64は、振れ止めベース62の上面に接触する第1板部64aと、第1板部64aの後端側から上方向に延びる第2板部64bと、第2板部64bの上端から後方向に延びる第3板部64cと、を備える。第2板部64bには、振れ止めパイプ66を保持するための保持孔64b1が形成されている。保持孔64b1はワークWの軸を中心に形成されている。支持部材64は、振れ止め機構70を固定振れ止め部15からZ軸方向に離れた位置に支持する。
詳しくは、振れ止め機構70は、一対のローラ支持板71,72と、4つのローラ73a,73b,73c,73dと、を備える。ローラ支持板71,72は、その厚さ方向がZ軸方向に沿うY軸方向に長い長方形板状をなし、それぞれX軸方向に対向して位置する。図3に示すように、ローラ支持板71,72の上端は、L字状の連結部78を介して駆動部65の出力軸65aに連結されている。連結部78は、出力軸65aの前端から下方に延びる第1辺部78aと、第1辺部78aの下端から後方向に延び、ローラ支持板71,72の上端に連結される第2辺部78bと、を有する。連結部78により、振れ止め機構70を主軸ユニット10から離れた位置に設けることができる。
ローラ支持板71,72は、駆動部65が動作することにより、互いに接近する接触位置と互いに離間する離間位置の間で変位する。ローラ支持板71,72が接触位置にあるとき、ローラ73a,73b,73c,73dがワークWの周囲に接触することにより、ワークWの振れが抑制される。ローラ支持板71,72が離間位置にあるとき、ローラ73a,73b,73c,73dがワークWの周囲から離れる。
図1に示すように、制御部90は、工作機械1全体を制御するものであり、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、CPU(Central Processing Unit)と、を備える。制御部90は、オペレータによって作成されたNC(Numerical Control)プログラムに従って、ワーク供給装置50、主軸14、Z軸移動機構13、X軸移動機構33及びY軸移動機構32を動作させる。
次に、図5のフローチャートに沿って工作機械1の加工処理について説明する。この加工処理は、NCプログラムに従って制御部90の制御のもと実行される。
まず、ワーク供給装置50は、主軸14の内部を経て、ワークWの前端が突切バイト35aの側面に接触する位置、すなわち基準刃先位置までワークWを移動させる(ステップS101)。この際、ローラ支持板71,72は離間位置に存在する。
次に、主軸ユニット10は、Z軸移動機構13により、加工完了品の長さ分だけ後退する(ステップS102)。そして、主軸14は、図示しないコレットを介してワークWを把持する(ステップS103)。この際、ローラ支持板71,72は、駆動部65の動作により、離間位置から接触位置に変位する。
主軸14は、把持したワークWを加工する(ステップS104)。詳しくは、主軸ユニット10は、主軸14によりワークWを軸回転させつつZ軸方向に沿って移動させる。このとき、工具機構30は、工具ユニット35の工具の刃先をワークWに接触させる。これにより、ワークWの加工が行われる。
一方、制御部90は、加工回数が閾値に到達した旨判定すると(ステップS107;YES)、当該加工処理を終了する。
以上、説明した一実施形態によれば、以下の効果を奏する。
この構成によれば、振れ止め機構70が振れ止めベース62に設置されるため、たとえ、振れ止め機構70が主軸ユニット10の後端から離れた位置にあっても、振れ止め機構70が主軸ユニット10に対して片持ち梁のように支持されることがない。よって、振れ止め機構70の主軸14に対する中心位置のずれが抑制され、振れ止め機構70の主軸14に対する芯合わせが容易となる。また、振れ止め装置60によるワークW(素材)の支持剛性を高めることができ、これにより、ワークWの振動を抑えることができる。
また、振れ止め装置60は、連結部材63を介して主軸ユニット10に高精度で追従させることができる。この際、振れ止め装置60を駆動させる新たな駆動手段が不要であり、簡易で、かつ安価な構成を実現することができる。
さらに、振れ止め装置60を既存の工作機械に後付けする際には、振れ止めベース62をリニアガイドS1に設置したうえで、連結部材63を主軸ユニット10に連結するだけでよい。このため、振れ止め装置60の後付けが簡単である。
この構成によれば、駆動部65及び振れ止め機構70は主軸ユニット10の後端から離れた位置に設けられる。よって、振れ止め機構70は、主軸ユニット10の後端から離れた位置にてワークWを支持できる。従って、ワークWが撓むことが抑制される。
この構成によれば、駆動部65及び振れ止め機構70は、支持部材64の形状により主軸ユニット10の後端から離れた位置に設けられる。具体的には、駆動部65及び振れ止め機構70は、支持部材64の形状により振れ止めベース62よりも後方向に設けられる。このため、振れ止め装置60によりワークWにおける主軸ユニット10とワーク供給装置50の間の部位が支持される。従って、ワークWが撓むことが抑制される。
この構成によれば、振れ止め装置60において、振れ止め機構70と振れ止めパイプ66においてワークWの振れが抑制される。
この構成によれば、振れ止め装置60は、ワーク供給装置50と主軸ユニット10の間のワークWの振れを抑制できる。
この構成によれば、固定振れ止め部15と振れ止め機構70においてワークWの振れが抑制される。また、振れ止め装置60は、既存のリニアガイドS1を利用するため、既存の工作機械の主軸台ベース12に連結部材63を連結するだけでよく、振れ止め装置60の既存の工作機械への後付けが簡単である。
この振れ止め機構70によれば、簡易な構成にて確実にワークWの振れ止めを実現することができる。
上記実施形態においては、工作機械1は振れ止めパイプ66及び固定振れ止め部15を備えていたが、振れ止めパイプ66及び固定振れ止め部15のうち少なくとも何れかが省略されてもよい。
また、ワーク供給装置50は、ローラ支持板71,72を、接触位置として、2段階の接触位置の間で変位可能に構成されていてもよい。この場合、ワーク供給装置50は、押棒51及びフィンガー52が振れ止め機構70を通る際、ローラ支持板71,72を、ワークWの径に応じた第1の接触位置から、押棒51及びフィンガー52の径に応じた第2の接触位置に変位させる。
また、振れ止め機構70は、各ローラ73a,73b,73c,73dをワークWの径方向に沿って移動可能に構成されていてもよい。
なお、図6では、振れ止め機構70は、駆動部65の下方向で、かつ後方向に位置していたが、これに限らず、駆動部65の直下に位置していてもよい。この場合、第1辺部79aが省略され、第2辺部79bの上端が出力軸65aの下端に連結されてもよい。
10 主軸ユニット
11 主軸台
12 主軸台ベース
13 Z軸移動機構
14 主軸
15 固定振れ止め部
30 工具機構
35 工具ユニット
35a 突切バイト
50 ワーク供給装置
60 振れ止め装置
62 振れ止めベース
63 連結部材
64 支持部材
64a 第1板部
64b 第2板部
64c 第3板部
64b1 保持孔
65 駆動部
66 振れ止めパイプ
70 振れ止め機構
71,72 ローラ支持板
73a,73b,73c,73d ローラ
90 制御部
S ベッド
S1 リニアガイド
W ワーク
Claims (7)
- 主軸ユニットに供給されるワークの振れを抑制する振れ止め装置であって、
前記ワークの軸方向に沿って移動可能にリニアガイドに取り付けられる振れ止めベースと、
前記振れ止めベースに設置され、前記ワークの周囲に接触する振れ止め機構と、
前記主軸ユニットの前記軸方向に沿う移動に伴って前記振れ止めベースを移動させるように、前記振れ止め装置と前記主軸ユニットの間を連結する連結部材と、を備える、
振れ止め装置。 - 前記振れ止め機構を前記ワークの周囲に接触する接触位置と前記ワークの周囲から離れた離間位置の間で変位させる駆動部と、
前記振れ止めベースの上面に固定され、前記駆動部及び前記振れ止め機構を前記主軸ユニットから離れた位置に支持する支持部材と、を備える、
請求項1に記載の振れ止め装置。 - 前記支持部材は、
前記振れ止めベースの上面に接触する第1板部と、
前記第1板部における前記主軸ユニットから遠い端部に位置し、前記第1板部に交わる方向に延びる第2板部と、
前記第2板部における前記第1板部から遠い端部に位置し、前記主軸ユニットから離れる方向に延びる第3板部と、を備え、
前記第3板部には前記駆動部が固定され、
前記振れ止め機構は前記駆動部の下方向に設けられる、
請求項2に記載の振れ止め装置。 - 前記支持部材は、
前記振れ止めベースの上面に接触する第1板部と、
前記第1板部における前記主軸ユニットから遠い端部に位置し、前記第1板部に交わる方向に延びる第2板部と、を備え、
前記第2板部における前記主軸ユニットから遠い外面には前記駆動部が固定され、
前記振れ止め機構は前記駆動部により支持される、
請求項2に記載の振れ止め装置。 - 前記振れ止め装置は、前記ワークの周囲に接触する振れ止めパイプを備え、
前記第2板部には、前記振れ止めパイプを保持する保持孔が形成される、
請求項3又は4に記載の振れ止め装置。 - 請求項1から5の何れか1項に記載の振れ止め装置と、
前記主軸ユニットと、
前記ワークを前記振れ止め装置を経て前記主軸ユニットに供給するワーク供給装置と、を備える、
工作機械。 - 前記主軸ユニットは、
主軸台と、
前記主軸台に回転可能に支持され前記ワークを把持しつつ軸回転させる主軸と、
前記主軸台が設置され、前記軸方向に沿って移動可能に前記リニアガイドに取り付けられる主軸台ベースと、
前記主軸台における前記主軸と反対側の端部に固定され、前記ワークの周囲に接触する固定振れ止め部と、を備え、
前記連結部材は、前記主軸台ベースと前記振れ止めベースの間を連結する、
請求項6に記載の工作機械。
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