JP2020068714A - 非加熱食肉製品およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生ハム等の非加熱食肉製品の製造方法、特に塩漬工程において一本針注入法またはその他の原料肉にピックル液を注入する方法を用いる製造方法であって、塩漬工程、乾燥工程それぞれ短期間で水分活性を所定の基準を満たすよう低下させることができる製造方法を提供する。【解決手段】水分活性が0.6700〜0.8999であるピックル液を、注入率が110〜160%となる量で、ピックル用インジェクターを用いて原料肉に注入する塩漬工程を含む、非加熱食肉製品の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は非加熱食肉製品およびその製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、生ハム等の非加熱食肉製品の、原料肉に注入されるピックル液や、その製造時の乾燥工程などに関する。
生ハム、生ベーコン等の、定められた加熱を行わずかつ基準以上の乾燥を行わない食肉製品は、「非加熱食肉製品」と呼ばれており(「食品表示基準」(平成二十七年内閣府令第十号)別表第19参照、旧「食品衛生法施行規則」(昭和23年7月13日、厚生省令第二十三号)第二十一条対応)、その製造基準は厚生労働省の「食品、添加物等の規格基準」(昭和34年厚生省告示第370号、「食肉製品」の項参照)により定められている。非加熱食肉製品の製造方法のうち、肉塊のみを原料肉とし、かつ亜硝酸ナトリウムを使用して塩漬けする場合の概要は次の通りである。所定の要件を満たす豚肉肉塊を使用し、(i)6%以上の食塩、塩化カリウムまたはこれらの組み合わせと200ppm以上の亜硝酸ナトリウムを用いた乾塩法、(ii)15%以上の食塩、塩化カリウムまたはこれらの組み合わせと200ppm以上の亜硝酸ナトリウムを含む塩漬液(本明細書において「ピックル液」と呼ぶ。)を用いた湿塩法、(iii)湿塩法と同じピックル液の、一本針を用いる手作業による注入法(本明細書において「一本針注入法」と呼ぶ。)のいずれかによる塩漬法で、肉の水分活性が0.97未満になるまで塩漬けし、必要なら塩抜きを行った後、製品の温度を20℃以下または50℃以上に保持しながら、水分活性が0.95未満になるまで乾燥または燻煙する。
なお、「水分活性」(Water Activity:「Aw」と表記されることもある。)とは、食品に含まれる水分のうち、分子が自由に動き回れる水である「自由水」の割合を表す。食品中の水分は、その存在状態により上記「自由水」と「結合水」とに分けられるが、食中毒の原因となる大腸菌、黄色ブドウ球菌、サルモネラ属菌、リステリア菌等の微生物が増殖に利用するのは「自由水」である。そのため、自由水の割合が少ない、すなわち水分活性が低いことは、微生物が増殖しにくいことの指標となり、「食品、添加物等の規格基準」において上記のように水分活性の基準が定められている。
しかしながら、上記のような製造基準により製造された生ハム等の非加熱食肉製品は一般的に、高い食塩添加量とその塩抜き方法の困難性から、塩味を強く感じ、ロットごとにあるいは個体ごとに塩分にばらつきが生じやすい。また、製造工程の中途段階および最終段階のそれぞれで所定の基準を満たすように水分活性を低下させるため、通常は、塩漬、塩抜き、燻煙、乾燥いずれの工程も長期間を要する。
生ハム等の非加熱食肉製品の製造方法のうち、水分活性を迅速に下げることを課題とするものとして、例えば次のような製造方法が知られている。
特許文献1には、塩漬した生ハム原木(例えば、塩漬液注入後、マッサージ処理を施し、その後2〜3日静置したもの)を、リテーナーに充填し、リテーナーの両側面に設けたエンドスペーサーに外側から50〜60kg/cm2の圧力をかけたところで固定し、真空環境下で減圧乾燥することを含む、生ハムの製造方法が記載されている。当該文献には、そのような製造方法により、塩分濃度やAw値のばらつきが低下し、かつ乾燥期間を短縮できると記載されている。
特許文献2には、塩漬調味料で原料肉を塩漬処理したものを加圧しながら熟成/乾燥を行う工程を含む、生ハムの製造方法が記載されている。当該文献は、そのような製造方法により、燻煙処理を施すことなく短期熟成が可能であると記載されている。
特許文献3には、畜肉塊を、塩漬剤および畜肉塊100重量部に対して3〜30重量部の糖類を用いて塩漬し、常法により乾燥および燻煙を行う、非加熱食肉製品の製造法が記載されている。また、当該文献には、そのような塩漬剤および塩漬調味料で原料肉を塩漬処理したものを加圧しながら熟成/乾燥を行う工程を含む、生ハムの製造方法が記載されている。さらに、当該文献には、そのような製造方法により、燻煙処理を施すことなく短期熟成が可能であると記載されている。なお、当該文献において「塩漬処理」として実施例を通じて具体的に例示されているのは乾塩法および湿塩法であり、一本針注入法または原料肉にピックル液を注入するその他の方法については記載されていない。
特許文献4には、デシカント(乾燥剤)を用いて、相対湿度が50%以下、かつ温度が−5℃以上20℃以下の常圧下の環境において乾燥することを含む、生ハム等の非加熱食肉製品の製造方法が記載されている。当該文献には、そのような製造方法により、発色よく、風味まろやかで、物性に優れた生ハム等の非加熱食肉製品を短期間で製造することができると記載されている。
特許文献5には、生ハム等の製造方法において、直進水流噴射ノズルを備えた無針型インジェクターを用いて、食肉塊へ液状物質(ピックル液)を注入する際に、液状物質を注入しながら注入圧力の制御を行う、食肉塊への液状物質のインジェクション方法が記載されている。当該文献には、そのようなインジェクション方法により、ピックル液が肉中に均一に分散するため、注入と同時に肉塊の全ての部分が食品衛生法で規定された塩漬肉の水分活性値まで確実に低下すること、それにより、タンブリングマシンやマッサージマシン等で力学的な刺激を長時間与える必要がなく、塩漬時間または調味時間を大幅に短縮することが可能となること、などが記載されている。
特開2006−238748号(特許第4290130号) 特開平11−266782号 特開平6−284877号 特許第6163603号 特開平10−309180号(特許第3025458号)
特許文献1〜5に記載されているような従来の非加熱食肉製品の製造方法では、得られる製品が塩辛く風味の点で不十分であったり、塩漬工程または乾燥工程を行うために特別な装置が必要であったりと、実用化する上では課題があった。
本発明は、生ハム等の非加熱食肉製品の製造方法、特に塩漬工程において一本針注入法または原料肉にピックル液を注入するその他の方法を用いる製造方法であって、塩漬工程、乾燥工程それぞれ短期間で水分活性を所定の基準を満たすよう低下させることができる製造方法、好ましくはそのような工程期間の短縮化と、最終的な非加熱食肉製品の風味および食感の良好さとを同時に実現できる製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、原料肉に注入するピックル液自体の水分活性と、その注入率(原料肉の質量に対する、原料肉および注入したピックル液の合計質量の比率)を所定の範囲内とすることにより、上記の課題を解決することができることを見出した。
すなわち、本発明は下記の事項を包含する。
[1]
水分活性が0.6700〜0.8999であるピックル液を、注入率が110〜160%となる量で含む、非加熱食肉製品。
[2]
前記水分活性が0.6700〜0.6999であり、前記注入率が110〜160%である、項1に記載の非加熱食肉製品。
[3]
前記水分活性が0.7000〜0.7499であり、前記注入率が110〜160%である、項1に記載の非加熱食肉製品。
[4]
前記水分活性が0.7500〜0.7999であり、前記注入率が115〜160%である、項1に記載の非加熱食肉製品。
[5]
前記水分活性が0.8000〜0.8499であり、前記注入率が120〜160%である、項1に記載の非加熱食肉製品。
[6]
前記水分活性が0.8500〜0.8999であり、前記注入率が120〜160%である、項1に記載の非加熱食肉製品。
[7]
前記ピックル液が、少なくとも、(A)食塩、(B)糖類、グリセリンおよびプロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも一種、および(C)発色剤を含有する、項1〜6のいずれか一項に記載の非加熱食肉製品。
[8]
前記ピックル液が、少なくとも、それぞれピックル液全体の質量を100%としたとき、(A)15〜20質量%の食塩、(B)10〜40質量%の、糖類、グリセリンおよびプロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも一種、および(C)0.02〜0.2質量%の発色剤を含有する、項7に記載の非加熱食肉製品。
[9]
前記ピックル液が、さらに、(D)調味料および/または(E)酸化防止剤を含有する、項7または8に記載の非加熱食肉製品。
[10]
水分活性が0.6700〜0.8999であるピックル液を、注入率が110〜160%となる量で、ピックル用インジェクターを用いて原料肉に注入する塩漬工程を含む、非加熱食肉製品の製造方法。
[11]
前記塩漬工程において、前記ピックル液を原料肉に注入した後、温度1〜5℃、かつ常圧または0.5〜1気圧の条件下で、3〜191時間静置する、項10に記載の製造方法。
[12]
さらに、温度10〜20℃、湿度60〜80%、かつ常圧または0.5〜1気圧の条件下で、3〜95時間の乾燥工程を含む、項10または11に記載の製造方法。
なお、注入率とは、下記式により算出される値である。
注入率(%)=[(原料肉質量+ピックル液質量)/原料肉質量]×100
本明細書において、「湿度」は、特に断らない限り「相対湿度」(%RH)を意味する。
「非加熱食肉製品の製造方法」に係る項10の発明における「水分活性が0.6700〜0.8999であるピックル液」として、「非加熱食肉製品」に係る項2〜9の発明それぞれにおけるピックル液を使用することも可能である。
前記[1]および[10]はそれぞれ、例えば下記[1’]および[10’]のように変換することも可能である。「推定」の方法、推定式等の詳細については本明細書中に別記する。
[1']
塩漬工程において、水分活性が0.6700〜0.8999であるピックル液を、注入率が110〜160%となる量で注入されたと推定される、タンパク質およびその他の成分を含む、非加熱食肉製品。
[10']
水分活性が0.6700〜0.8999であるピックル液を、注入率が110〜160%となる量で、ピックル用インジェクターを用いて原料肉に注入したと推定される塩漬工程を含む、非加熱食肉製品の製造方法。
従来は、塩漬工程終了時の水分活性を下げるために当該工程の期間を延ばす必要があり、それにより塩辛く、消費者に受け入れられにくい味の非加熱食肉製品となってしまうことがあった。また、前掲の各特許文献に記載されているような実施形態では、塩漬工程や乾燥工程において特別な設備が必要であったり、実用化する上で課題があった。これに対して本発明は、特別な設備を用いなくとも、普通の条件下で、塩漬工程および乾燥工程において水分活性を短期間で(例えば乾燥工程なら3〜95時間で)それぞれの工程の所定の基準値未満まで低下させることができ、しかも良好な風味および食感を有する製品が得られるようになる。
−非加熱食肉製品−
本発明の非加熱食肉製品は、水分活性が0.6700〜0.8999であるピックル液を、注入率が110〜160%となる量で含む。このような非加熱食肉製品は、後述する本発明の非加熱食肉製品の製造方法中、塩漬工程において、水分活性が0.6700〜0.8999であるピックル液を、注入率が110〜160%となる量で、ピックル用インジェクターを用いて原料肉に注入することにより得られる。
本発明で用いるピックル液の水分活性および原料肉への注入率(原料肉の質量に対する、原料肉およびピックル液の合計質量の比率)は、製造工程における水分活性の低下速度を考慮し、乾燥工程等の期間が所望の範囲となるように、好ましくはさらに、非加熱食肉製品の最終的な味および/または食感を考慮し、それらが所望の評価のものとなるよう、互いのバランスを適宜調整することができる。全般的な傾向として、注入率が低すぎると、一定の期間内に(特に乾燥工程を従来よりも短くした場合に)水分活性が所定の基準まで低下しない場合があり、味および/または食感も好ましいものとならないおそれがあり、注入率が高すぎると、水分活性は所定の基準まで低下したとしても、やはり味および/または食感が好ましいものとならないおそれがある。
例えば、後述するような成分により所定の水分活性に調節されているピックル液を用いる場合、その原料肉への注入率は、一般的には110〜160%の範囲で調節される。より具体的には、ピックル液の水分活性に応じて、注入率は次のように調節することができる。
(1)ピックル液の水分活性が0.6700〜0.6999の場合、注入率は通常110%〜160%、好ましくは120〜130質量%である。
(2)ピックル液の水分活性が0.7000〜0.7499の場合、注入率は、通常110〜160%、好ましくは120〜130質量%である。
(3)ピックル液の水分活性が0.7500〜0.7999の場合、注入率は、通常115〜160%、好ましくは120〜130質量%である。
(4)ピックル液の水分活性が0.8000〜0.8499の場合、注入率は、通常120〜160%、好ましくは120〜130質量%である。
(5)ピックル液の水分活性が0.8500〜0.8999の場合、注入率は、通常120〜160%、好ましくは120〜130質量%である。
後述するように、非加熱食肉製品は塩漬け後、最終的に水分活性が0.95未満になるまで乾燥または燻煙されるが、そのようにして得られた最終的な製品である非加熱食肉製品が「水分活性が0.6700〜0.8999であるピックル液を、注入率が110〜160%となる量で含む」ものであるかどうかは、次のような方法により確認することができる。
まず、ピックル液の注入率(Q)は、非加熱食肉製品および非加熱食肉製品の原料肉のタンパク質量(g/100g)の測定値と、乾燥歩留まり(β)、好ましくは塩漬歩留まり(α)および乾燥歩留まり(β)とによって、計算することができる。
塩漬歩留まりとは、(後記塩漬工程において)ピックル液を原料肉に注入した後に静置する際に、一旦注入したピックル液の一部が原料肉から吐き出されるが、タンパク質は吐き出されず原料肉中に留まるため、タンパク質の量が原料肉重量に対して高く算出されることを補正するための係数である。なお、本発明では、ピックル液を原料肉に注入した後の静置は、ピックル液に浸漬しない状態で行うものであり、原料肉からのピックル液の吐出は浸透圧によって起きるものではない。塩漬歩留まり(α)は、式:静置後の中間製品の質量/静置前の中間製品の質量、で表される値であり、静置後の中間製品について測定されたタンパク質の計算値に掛けるために用いられる。塩漬歩留まり(α)は、塩漬工程における静置の時間などによって変動するが、後述するように静置時間を3〜191時間(例えば48〜72時間)とする場合は、一般的に0.89〜0.95となる。当業者であれば、塩漬工程における静置の条件から塩漬歩留まりを推定すること、または塩漬歩留まりの代表値を用いることが可能である。
乾燥歩留まりとは、ピックル液を注入後の原料肉を乾燥させる工程(後記燻煙・乾燥工程)において、原料肉中から水分が減少するため、タンパク質の量が原料肉重量に対して高く算出されることを補正するための係数である。乾燥歩留まり(β)は、式:乾燥後の中間製品の質量/乾燥前の中間製品の質量、で表される値であり、塩漬後の中間製品について測定されたタンパク質の計算値に掛けるために用いられる。乾燥歩留まり(β)は、乾燥工程の温度、湿度、時間などによって変動する値である。0.95未満の水分活性を有する非加熱食肉製品を製造するための乾燥歩留まりは、一般的に0.80〜0.96、好ましくは0.85〜0.96である。言い換えれば、0.95未満の水分活性を有する非加熱食肉製品を製造するために、温度が3〜20℃、湿度が50〜80%、乾燥時間が24〜144時間、0〜5m/sの風が流れる条件下で乾燥工程を行えば、乾燥歩留まりは上記数値範囲内にあると推定できる。例えば、後記実施例で行ったような実施形態(温度16.5℃、湿度60%、乾燥時間24〜48時間)においては、乾燥歩留まりは0.80〜0.90であり、代表値として0.85を用いることができる。当業者であれば乾燥工程における乾燥条件から乾燥歩留まりを推定すること、または乾燥歩留まりの代表値を用いることが可能である。
ピックル液の注入率(Q)の計算手順をより具体的に示せば、次の通りである。まず、非加熱食肉製品のサンプルについて、タンパク質(P)の量(g/100gサンプル)を測定し、その測定値をpとおく。タンパク質量は、ケルダール法(JAS認定法)により測定することができる。一方、非加熱食肉製品の原料肉のサンプルについても同様にそのタンパク質量を測定し、その値をp0とおく。ここで、原料肉にピックル液が注入されることにより、通常、p<p0、すなわちp0/p>1となる(単位質量あたりのタンパク質量が減少する)。また、pは塩漬工程および乾燥工程を経たあとの非加熱食肉製品におけるタンパク質の質量であるから、上述したように塩漬歩留まりおよび乾燥歩留まりを考慮する必要がある。これら2つの歩留まりを考慮すると、注入率算出のためには、pに、塩漬歩留まりα(α≦1)および乾燥歩留まりβ(β≦1)を乗じた値、p'=pαβが、非加熱食肉製品の原料肉のタンパク質量と対比すべき非加熱食肉製品のタンパク質量として、より正確な値といえる。このとき、注入率Q(%)=(p0/p')×100=(p0/pαβ)×100として算出することができる。注入率の計算の一例を挙げれば次の通りである。pが20g/100g、p0が22.9g/100g、塩漬歩留まりα=0.95、乾燥歩留まりβ=0.90のとき、注入率Q={22.9/(20×0.95×0.90)}×100≒134%である。
なお、非加熱食肉製品の原料肉のサンプルが入手できないなど、p0を直接的に測定することができない場合は、文献値等の公知の情報による標準的なタンパク質量をP0とみなしてもよい。例えば、文部科学省から公表されている日本食品標準成分表に記載のタンパク質量を用いることができる。日本食品標準成分表には、非加熱食肉製品が原料肉として豚ロース肉(赤肉)を使用した生ハムの場合、そのタンパク質量は標準的には22.9g/100gであることが記載されているので、この値をp0として用いることが可能である。
一方、ピックル液の水分活性は、非加熱食肉製品および非加熱食肉製品の原料肉に含まれる、タンパク質以外の各種の成分の含有量を測定することにより計算することができる。具体的には、非加熱食肉製品の原料肉に含まれておらず、非加熱食肉製品には含まれている成分を、注入されたピックル液に含まれていた成分とみなすことができる。また、原料肉にも非加熱食肉製品にも含まれているが含有量(濃度)が異なる成分も、ピックル液に含まれていた成分とみなすことができる。そのような成分の有無または測定された含有量(濃度)の違いに基づいて、原料肉に注入されたピックル液を再現して、その水分活性を測定することにより、本発明の非加熱食肉製品が含む、または本発明の非加熱食肉製品の製造方法の塩漬工程で用いた、ピックル液の水分活性とみなすことができる。
ここで、非加熱食肉製品の原料肉に含まれておらず、非加熱食肉製品には含まれている成分の全てを、ピックル液の水分活性の算出のために用いることが理想的であるが、現実的にそのようにすることが難しい場合は、なるべく多くの成分を測定してもよく、さらには、水分活性に与える影響が大きな成分をなるべく優先的に測定してもよい。そのような測定結果に基づいて再現されたピックル液の水分活性を、原料肉に注入されたピックル液の水分活性(もしくはその近似値)とみなすことも許容される。
測定誤差等により、ピックル液の水分活性および注入率の推定値、あるいはそれらの推定値の算出の根拠となる各成分の含有量は、それぞれの実際の値と多少相違している可能性がある。本明細書に記載したピックル液の水分活性および注入率の数値範囲(上限値および下限値)を、推定値との関係で適用する場合は、測定誤差等の影響を考慮して、±20%、±10%、±5%、±3%、±1%などの変動幅を有する数値範囲(上限値および下限値)として取り扱うことも可能である。例えば、「水分活性が0.6700〜0.8999であるピックル液を、注入率が110〜160%となる量で含む、非加熱食肉製品」は、測定誤差等による±5%の変動を考慮して、「水分活性が0.6365(=0.6700の95%値)〜0.9449(=0.8999の105%値)であるピックル液を、注入率が105(=110の95%値)〜168(=160の105%値)%となる量で含むと推定される、非加熱食肉製品」に置き換えることも可能である。あるいは、本明細書に記載したピックル液の水分活性および注入率の数値範囲(上限値および下限値)は、±20%、±10%、±5%、±3%、±1%などの誤差がある可能性を想定した上で規定されている、推定値としての水分活性および注入率の数値範囲(上限値および下限値)として扱うことも可能である。ピックル液の水分活性および注入率の推定値の精度を高めるために、それらの推定値の算出の根拠となる各成分の含有量を複数のサンプルについて測定し、その平均値を用いるようにしてもよい。
本発明の実施形態の一つとして、水分活性に影響する可能性のある成分として、(A)食塩、(B)糖類、グリセリンおよびプロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも一種、(C)発色剤、(D)調味料、(E)酸化防止剤が挙げられ、これらのうち比較的その影響が大きな成分として、成分(A)、(B)および(D)が挙げられる。したがって、注入されたピックル液の水分活性を算出するに当たっては、非加熱食肉製品に注入された成分(A)、(B)および(D)の含有量を優先的に測定し、さらに成分(C)および(E)も測定し、さらにその他の成分も可能な限り測定することにより、より忠実にピックル液を再現して、その水分活性をより精度よく推定することができる。
成分(A)〜(E)及びその他の成分のそれぞれの含有量は、非加熱食肉製品のサンプルおよび非加熱食肉製品の原料肉のサンプルから、公知の任意の手法を用いることにより、測定することができる。成分(A)〜(E)の含有量は、例えば本明細書において後述するような測定方法を用いることにより測定することができる。それら以外の成分の含有量も、例えば液体クロマトグラフィーを用いることにより測定することが可能であり、そのクロマトグラムに現れているなるべく多くのピーク、すなわちなるべく多くの成分について、含有量を測定することが好ましい。必要に応じて、水分の含有量も、常圧加熱乾燥法など、食品の水分量を測定する際に用いられている一般的な方法により測定することができる(例えば、平成30年9月21日消食表第492号「食品表示基準について」別添「栄養成分等の分析方法等」参照)。非加熱食肉製品の原料肉のサンプルが入手できないなど、非加熱食肉製品の原料肉中の成分の含有量を測定できない場合は、文献値等の公知の情報による標準的な含有量をその非加熱食肉製品の原料肉中の含有量とみなしてもよい。原料肉中に含まれていないことが明らかな成分は、原料肉中の含有量をゼロとみなし、非加熱食肉製品中の含有量をすべて注入されたピックル液中の含有量とみなしてもよい。
計算の一例を示せば次の通りである。ある成分Xについて、非加熱食肉製品の原料肉のサンプル中の含有量をx0(g/100gサンプルまたはmg/100gサンプル)とし、非加熱食肉製品のサンプル中の含有量をx(g/100gサンプルまたはmg/100gサンプル)とする。このとき、タンパク質との関係で前述した塩漬歩留まり(α)および乾燥歩留まり(β)を、成分X(タンパク質以外の成分)についても考慮すると、非加熱食肉製品のサンプル中の含有量をより正確な値として知ることができる。しかしながら、ピックル液によって注入される成分Xは、前述したように一旦注入したピックル液の一部が原料肉から吐き出される際に、タンパク質と違って、ピックル液と一緒に原料肉から吐き出されてしまうので、その分だけ成分Xの量が食肉重量に対して低く算出されてしまうことになる。したがって、塩漬歩留まり(α)は、タンパク質の含有量に対しては掛けるために用いられたが、成分Xの含有量(x)に対しては割るために用いられる。これに対して乾燥歩留まり(β)は、タンパク質の含有量に対してと同様、成分Xの含有量(x)に対しても掛けるために用いられる。すなわち、成分Xの含有量(x)は、上記xをαで割り、βを掛けた値、x’=xβ/αとみなした方が、より正確な値といえる。そうすると、Δx=x'−x0(g/100gサンプルまたはmg/100gサンプル)に相当する量の成分Xが、ピックル液によって非加熱食肉製品のサンプルに注入されたと考えられる。一方、その非加熱食肉製品のサンプル100gに注入されたピックル液の質量q(g)は、前述したようにして求めることのできる注入率Q(%)を用いれば、(100/(100−q))×100=Qの関係式より、q=(100(Q−100))/Q(g)と表すことができる。そうすると、このピックル液100gは、Δx×100/q=Δx×Q/(Q−100)(gまたはmg)の成分Xを含有していたことになる。このようなピックル液を再現し、その水分活性を測定することで、原料肉に注入したピックル液の水分活性を求めることができる。
また、ピックル液の水分活性や非加熱食肉製品の水分活性は、水分活性測定装置(例えば商品名「AquaLab Series 4TE」、METER社)を用いて、所定の温度(例えば25℃)で測定することができる。
本発明で用いる「水分活性が0.6700〜0.8999であるピックル液」は、規定された通りの水分活性を満たし、かつ「食品、添加物等の規格基準」で規定されている「15質量%以上の食塩」および「200ppm以上の亜硝酸ナトリウム」を少なくとも含有するものであれば、その組成(成分および各成分の含有量)は特に限定されるものではない。
本発明の典型的な実施形態において、ピックル液は、少なくとも、(A)食塩、(B)糖類、グリセリンおよびプロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも一種、および(C)発色剤を含有し、必要に応じてその他の成分、例えば(D)調味料および/または(E)酸化防止剤をさらに含有してもよい。また、別の実施形態のピックル液は、少なくとも成分(A)、(C)および(D)を含有し、必要に応じて成分(B)、(E)および/またはその他の成分をさらに含有してもよい。当業者であれば、上記成分(A)〜(E)およびその他の成分として用いる化合物または物質の種類や、それぞれの含有量を調節することにより「水分活性が0.6700〜0.8999であるピックル液」を調製することが可能である。本発明では、成分(A)の含有量、成分(B)(特に糖類)の種類および含有量、ならびに成分(D)の種類および含有量が、ピックル液の水分活性の値に与える影響が相対的に大きいが、当業者であれば、これらの成分の種類および含有量を主に調節し、必要に応じてその他の成分の種類および含有量も調節することにより、所望の水分活性を有するピックル液を調製することが可能である。
成分(A):「食塩」としては、非加熱食肉製品およびその他の食品の製造に用いられているものと同様の、一般的な食塩を用いることができる。本発明で用いるピックル液中の成分(A)の含有量は、ピックル液全体の質量を100%としたとき、例えば15〜20質量%、好ましくは15質量%である。なお、「食品、添加物等の規格基準」においては、食塩はピックル液中「15(質量)%以上」と定められている。ピックル液中の成分(A)、すなわち食塩(NaCl)の含有量は、ピックル液の調製に用いる原材料(水および食塩)の質量から算出することができるが、事後的には、例えばピックル液から採取した試料を用いた、ホルハート法によりCl量として、または原子吸光法によりNa量として、確認することができる。
成分(B):「糖類、グリセリンおよびプロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも一種」としては、非加熱食肉製品およびその他の食品の製造に用いられているものと同様の、一般的な糖類、グリセリンおよびプロピレングリコールを用いることができる。
「糖類」としては、例えば次の物質が挙げられる:砂糖(ショ糖、スクロース)、ぶどう糖(グルコース)、果糖(フルクトース)、ぶどう糖果糖液糖、果糖ぶどう糖液糖、高果糖液糖、砂糖混合ぶどう糖果糖液糖、砂糖混合果糖ぶどう糖液糖、砂糖混合高果糖液糖、乳糖(ラクトース)、麦芽糖(マルトース)、水あめ及び還元水あめ、はちみつ、糖アルコール、オリゴ糖。「水あめ及び還元水あめ」は、DE40〜60程度の粘稠な液状のもの(水飴)であってもよいし、DE20〜40程度の液状の水あめを真空ドライヤー又は噴霧乾燥によって粉末化したもの(粉末水飴、粉飴)であってもよい。「ぶどう糖」および「水あめ及び還元水あめ」は、でん粉を加水分解(糖化)して製造される糖類(澱粉糖類、澱粉分解糖)であってもよい。「ぶどう糖」または「ぶどう糖果糖液糖」としては「コーンシラップ」を用いてもよい。「糖アルコール」としては、例えば、キシリトール、D−キシロース、スクラロース、D−ソルビトール、マンニトールが挙げられる。「オリゴ糖」としては、例えばマルトデキストリンが挙げられる。その他、非加熱食肉製品に添加することが許容される単糖類、二糖類(例えばトレハロース)、オリゴ糖なども本発明における「糖類」として用いることが可能である。なお、実施例で用いた「糖類」は上記具体例に含まれているものである。
本発明で用いるピックル液中の成分(B)の含有量は、ピックル液全体の質量を100%としたとき、例えば10〜40質量%、好ましくは20〜39質量%、より好ましくは22〜38質量%である。成分(B)の含有量は、成分(B)として用いる化合物の種類に応じて、製造工程における水分活性の低下速度とともに、非加熱食肉製品の最終的な味および/または食感を考慮しながら、特に成分(A)の含有量とのバランスを考慮しながら、調整することが好ましい。ピックル液中の成分(B)の含有量は、ピックル液の調製に用いる原材料(水および糖類等)の質量から算出することができるが、事後的には、例えばピックル液から採取した試料を用いた液体クロマトグラフィーにより確認することができる。
成分(C):「発色剤」としては、例えば、亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウムおよび硝酸ナトリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種(但し、亜硝酸ナトリウムを必ず含有すること)が挙げられる。本発明で用いるピックル液中の成分(A)の含有量は、ピックル液全体の質量を100%としたとき、例えば0.02〜0.2質量%(およそ200〜2000ppm)、好ましくは0.05〜0.1質量%(およそ500〜1000ppm)である。なお、「食品、添加物等の規格基準」より、ピックル液は、成分(C)として、200ppm以上の亜硝酸ナトリウムを含有する必要がある。ピックル液中の成分(C)の含有量は、ピックル液の調製に用いる原材料(水および発色剤)の質量から算出することができるが、事後的には、例えばピックル液から採取した試料を用いた、ジアゾ化法により亜硝酸根として確認することができる。
本発明で用いるピックル液が必要に応じて含有することのできるその他の成分としては、例えば、(D)調味料、および(E)酸化防止剤が挙げられる。
成分(D):「調味料」としては、例えば、L−グルタミン酸ナトリウム、5’−イノシン酸二ナトリウム、乳酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸カリウム、グリシン、DL−アラニンおよび塩化カリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種が挙げられる。なお、実施例で用いた「調味料」は上記具体例に含まれているものである。
本発明において成分(D)を用いる場合、そのピックル液中の含有量は、ピックル液全体の質量を100%としたとき、例えば3〜15質量%、好ましくは5〜10質量%である(用いない場合は0質量%である)。成分(D)の含有量は、成分(D)として用いる化合物の種類に応じて、製造工程における水分活性の低下速度とともに、非加熱食肉製品の最終的な味および/または食感を考慮しながら、特に他の成分の含有量とのバランスを考慮しながら、調整することが好ましい。ピックル液中の成分(D)の含有量は、ピックル液の調製において成分(D)として用いる原材料の質量から算出することができるが、事後的には、例えばピックル液から採取した試料を用いた液体クロマトグラフィーにより確認することができる。
成分(E):「酸化防止剤」としては、例えば、L−アスコルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、dl−α−トコフェロールおよびミックストコフェロールからなる群より選ばれる少なくとも一種が挙げられる。
本発明において成分(E)を用いる場合、そのピックル液中の含有量は、ピックル液全体の質量を100%としたとき、例えば0.1〜1質量%、好ましくは0.2〜0.5質量%である(用いない場合は0質量%である)。ピックル液中の成分(E)の含有量は、ピックル液の調製において成分(E)として用いる原材料の質量から算出することができるが、事後的には、例えばピックル液から採取した試料を用いた液体クロマトグラフィーにより確認することができる。
また、本発明で用いるピックル液は基本的に、上記成分(B)の「糖類」が「甘味料」としても作用して非加熱食肉製品に甘味を賦与するが、本発明で用いるピックル液はそれ以外にも必要に応じて、一般的に「糖類」(糖アルコール糖)には分類されないその他の甘味料、例えばアスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK、グリチルリチン酸ジカリウムなどの高甘味度甘味料を含有してもよい。なお、高甘味度甘味料を用いる場合には、成分(B)を含有せず、少なくとも成分(A)および(C)を含有するピックル液を用いることもできる。高甘味度甘味料を微量配合することで、非加熱食肉製品の塩辛さを抑え、味を調整することができる。本実施例で用いた「高甘味度甘味料」は上記具体例に含まれているものである。
−非加熱食肉製品の製造方法−
本発明の非加熱食肉製品の製造方法は、水分活性が0.6700〜0.8999であるピックル液を、注入率が110〜160%となる量で、ピックル用インジェクターを用いて、原料肉(例えば生ハムを製造する場合は豚のモモ肉の肉塊)に注入する塩漬工程を含む。換言すれば、本発明の非加熱食肉製品の製造方法は、従来の非加熱食肉製品の製造方法と対比したとき、塩漬工程において、水分活性が0.6700〜0.8999であるピックル液を、注入率が110〜160%となる量で、ピックル用インジェクターを用いて原料肉に注入することが特徴的である。その他の工程は、従来と同様の一般的な実施形態とするか、本発明の作用効果を考慮して従来の実施形態を適宜変更したものとすることができる。
「ピックル用インジェクター」は、代表的には、「食品、添加物等の規格基準」に記載されている「一本針注入法」で用いられる「一本針インジェクター」であるが、本発明においては、「多針型インジェクター」または「無針型インジェクター」(例えば前掲特許文献5参照)などのその他の公知のピックル用インジェクターであってもよい。「食品、添加物等の規格基準」では、ピックル用インジェクターを用いる場合は一本針インジェクターのみが認められ、多針型インジェクターおよび無針型インジェクターは認められていないが、発明の作用効果は、一本針インジェクターを用いた場合のみならず、多針型インジェクターまたは無針型インジェクターを用いた場合にも同等に奏される。多針型インジェクターは、針によって原料肉の深部を微生物が汚染するおそれがあること、また注入時に原料肉から漏出したピックルを回収して使用する構造となっていることから、非加熱食肉製品の製造方法(塩漬工程)における使用が認められていない。無針型インジェクターは上記の多針型インジェクターの問題を回避することができるが、上記規格基準上は非加熱食肉製品の製造方法(塩漬工程)における使用が認められていない。一本針インジェクターは、針による原料肉の深部における微生物の汚染や、ピックル液の原料肉からの漏出の問題がなく、非加熱食肉製品の製造方法(塩漬工程)における使用が認められている。
ピックル用インジェクターを用いてピックル液を原料肉(原木)に注入した後、一般的な製造方法においては、タンブリングマシン(タンブラー)等を用いたマッサージ処理が行われることがある。ピックル液と原木をタンブリングすることで、原木がピックル液を吸収し、タンパク質量が変化することが考えられるが、このタンブリング処理は時間がかかることや衛生面で問題がある。所定のピックル液を一本針注入法またはその他の方法により注入する本発明においては、そのようなマッサージ処理を行わなくとも、塩漬工程および乾燥工程を短縮化したり、速やかに調味したりすることが可能であるため、マッサージ処理を行う必要はない。本発明の好ましい実施形態においては、マッサージ処理は行われない。
本発明の非加熱食肉製品の製造方法における塩漬工程では、上記のようにしてピックル用インジェクターを用いて原料肉にピックル液を注入した後は、従来の製造方法における塩漬工程と同様の処理を行うことができる。例えば、ピックル液が注入された原料肉を台車に網載せして、1〜5℃、常圧(減圧または加圧を行わない)または0.5〜1気圧(穏やかな条件下で減圧されていてもよい)の冷蔵庫内で、3〜191時間(1〜7日間)静置する。本発明では、特定のピックル液を用いることにより塩漬工程の短縮化を図ることができるため、塩漬工程において冷蔵庫内を減圧したり、その他の特殊な装置や手段(例えば前掲先行技術文献において利用されているもの)を用いたりする必要はない。冷蔵庫内は、好ましくは常圧である。塩漬時間は、好ましくは3〜71時間(0〜2日間)であり、より好ましくは3〜48時間である。「食品、添加物等の規格基準」に従い、塩漬工程は、ピックル液を注入した原料肉の水分活性が0.97未満(0.9699以下)となるまで継続される。
本発明の非加熱食肉製品の製造方法において、塩漬工程の後に行われる燻煙・乾燥工程は、従来と同様の一般的な条件下で行うことができる。燻煙処理は、例えば、温度10〜20℃で20〜60分間、行われる(冷燻される)。続く乾燥処理は、例えば、温度10〜20℃、相対湿度60〜80%、常圧または0.5〜1気圧の乾燥庫内で、3〜95時間(0〜3日間)、乾燥させる。本発明では、特定のピックル液を用いることにより乾燥工程の短縮化を図ることができるため、乾燥工程において乾燥庫内を減圧したり、その他の特殊な装置や手段(例えば前掲先行技術文献において利用されているもの)を用いたりする必要はない。乾燥庫内は、好ましくは常圧である。乾燥時間は、好ましくは3〜71時間(0〜2日間)であり、より好ましくは3〜50時間である。乾燥庫内は、実質的に無風であってもよい(送風手段を用いなくてもよい)し、必要に応じて、例えば0.03〜5m/sの風が流れていてもよい。「食品、添加物等の規格基準」に従い、燻煙・乾燥工程は、乾燥処理後の最終的な非加熱食肉製品の水分活性が0.95未満(0.9499以下)となるまで継続される。
本発明の非加熱食肉製品の製造方法におけるその他の工程、例えば、塩漬工程前の原料肉の準備工程、燻煙・乾燥工程後の非加熱食肉製品の加工、包装等の製品化工程については、従来と同様の一般的な条件下で行うことができ、本発明において特に限定されるものではない。
本発明の非加熱食肉製品およびその製造方法における「非加熱食肉製品」は、特に限定されるものではない。本発明は、例えば生ハム、生ベーコンなど、「食品、添加物等の規格基準」上の肉塊(食肉(内臓を除く。)の単一の塊)のみを原料肉とし、「一本針注入法」により製造される(発明の作用効果の観点からはそれ以外のピックル用インジェクターを用いても製造可能な)非加熱食肉製品全般に対して適用可能である。
本明細書に特に明記されていない技術的事項については、当業者であれば、非加熱食肉製品の技術分野に関する従来の一般的な技術的事項、または公知の技術的事項を適宜適用することができ、それによって本明細書の記載事項に基づいて本発明を実施することが可能である。
以下の試験において、生ハムの原料肉としては、直径80〜120mm、長さ600mmのロースハム原木を用いた。ピックル液としては、下記表に示す配合により、水分活性が0.6840、0.7258、0.7756、0.8213および0.8783の5種類のピックル液(ピックル液1〜5)を予め調製して用いた。また、当該ピックル液(その一部を採取した試料)の水分活性、並びに下記中間製品および最終製品(その一部を採取して、フードプロセッサーにより下処理した試料)の水分活性はいずれも、水分活性測定装置「AquaLab Series 4TE」(METER社)を用いて、温度25℃で測定した。
各試験区において、下記表に示す水分活性(Aw)および注入率のピックル液を、ピックル用インジェクターを用いて原料肉に注入した。常法に従って、台車に網載せして、4℃、常圧の冷蔵庫内で、3時間以上24時間未満(1日間)静置した。
次に、上記塩漬工程を経た中間製品を16℃で40分間冷燻し、続いて16.5℃、相対湿度60%、常圧、無風の乾燥庫内で24時間以上48時間未満(2日間)、乾燥させて、最終製品とし、各試験区の最終製品の水分活性を測定した。
各試験区の最終製品について「味」および「食感」の評価を行った。いずれもピックル1(Aw=0.6840)を注入率105%で用いた試験区(以下「基準区」と呼ぶ。)の評価得点を「0」とし、それよりも優れる場合を+の得点、劣る場合を−の得点とした相対的な、段階的な評価である。それぞれの評価得点の基準は次の通りである。
[味]
3:基準区より著しく優れる
2:基準区より優れる
1:基準区よりやや優れる(これ以上の評価は製品として問題のない水準)
0:基準区の水準
[食感]
1:基準区よりやや優れる
0:基準区の水準
−1:基準区よりやや劣る(これ以上の評価は製品として問題のない水準)
−2:基準区より劣る
各試験区の塩漬工程後の水分活性(塩漬Aw)および最終製品の水分活性(製品Aw)の測定結果、ならびに味および食感の評価結果を、下記表にあわせて示す。
[参考例]
最終製品を分析することにより、製造工程で用いたピックル液の注入率および水分活性が推定可能であることを、次のようにして確認した。参考例の生ハムの製造工程は、前記実施例と同様である。
まず、原料肉のサンプルおよび製品または中間製品のサンプルを採取し、(P)タンパク質、(A)食塩、(B)ソルビトール、(C)亜硝酸、(D1)グルタミン酸、(D2)乳酸、(E)アスコルビン酸、および(W)水分のそれぞれの含有量を、本明細書に記載した標準的な方法により測定した。すなわち、タンパク質はケルダール法(JAS認定法)により、食塩はホルハート法により、グルタミン酸、アスコルビン酸は液体クロマトグラフィーにより、亜硝酸はジアゾ化法により、水分は常圧加熱乾燥法により、それぞれ含有量を測定した。
結果を下記表に示す。タンパク質の定量結果から、注入率の推定値を求めた。一方で、ピックル液注入前の原料肉の重量と、ピックル液注入後(静置前)の原料肉(中間製品)の重量から、注入率の実際の値を求めた。注入率の推定値(138%)と実際の値(130%)は近似しており、タンパク質量に基づく推定が妥当性を有することが確認された。
続いて、上記表に示した、(A)食塩、(B)ソルビトール、(C)亜硝酸、(D1)グルタミン酸、(D2)乳酸、(E)アスコルビン酸それぞれの、サンプル中に注入された成分量(Δ値)から、注入されたピックル液を調製するために用いられた各成分の資材の配合を推定し、その配合に基づくピックル液を再現して水分活性を測定した。なお、配合における水の量は、100(質量%)からその他の成分の割合の合計を差し引いた残部とみなした。また(C)亜硝酸、(D1)グルタミン酸、(D2)乳酸、(E)アスコルビン酸は、それぞれ資材としてはナトリウム塩を用いているため、資材の重量を推定する際には、化合物の分子量に基づく所定の係数(Na補正係数)を用いて、重量の補正を行った(例えば、亜硝酸の重量を0.67で割ることにより、亜硝酸ナトリウムの重量に換算することができる)。(C)亜硝酸の資材として用いた「1/10亜硝酸ナトリウム」は、亜硝酸ナトリウム:デキストリン=1:9の混合物である。(D2)乳酸に関しては、60%乳酸Na溶液が5質量%になるようなピックル液を110%、120%、130%または140%添加した標準試料液を調製、分析し、得られた検量線から138%注入時の乳酸の含有量を算出した。資材として60%乳酸Na溶液を用いているため、推定式では係数0.60(60%)で割っている。
結果を下記表に示す。推定によるピックル液の配合および水分活性は、それぞれ実際のものに近似しており、推定が妥当性を有することが確認された。

Claims (12)

  1. 水分活性が0.6700〜0.8999であるピックル液を、注入率が110〜160%となる量で含む、非加熱食肉製品。
  2. 前記水分活性が0.6700〜0.6999であり、前記注入率が110〜160%である、請求項1に記載の非加熱食肉製品。
  3. 前記水分活性が0.7000〜0.7499であり、前記注入率が110〜160%である、請求項1に記載の非加熱食肉製品。
  4. 前記水分活性が0.7500〜0.7999であり、前記注入率が115〜160%である、請求項1に記載の非加熱食肉製品。
  5. 前記水分活性が0.8000〜0.8499であり、前記注入率が120〜160%である、請求項1に記載の非加熱食肉製品。
  6. 前記水分活性が0.8500〜0.8999であり、前記注入率が120〜160%である、請求項1に記載の非加熱食肉製品。
  7. 前記ピックル液が、少なくとも、(A)食塩、(B)糖類、グリセリンおよびプロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも一種、および(C)発色剤を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の非加熱食肉製品。
  8. 前記ピックル液が、少なくとも、それぞれピックル液全体の質量を100%としたとき、(A)15〜20質量%の食塩、(B)10〜40質量%の、糖類、グリセリンおよびプロピレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも一種、および(C)0.02〜0.2質量%の発色剤を含有する、請求項7に記載の非加熱食肉製品。
  9. 前記ピックル液が、さらに、(D)調味料および/または(E)酸化防止剤を含有する、請求項7または8に記載の非加熱食肉製品。
  10. 水分活性が0.6700〜0.8999であるピックル液を、注入率が110〜160%となる量で、ピックル用インジェクターを用いて原料肉に注入する塩漬工程を含む、非加熱食肉製品の製造方法。
  11. 前記塩漬工程において、前記ピックル液を原料肉に注入した後、温度1〜5℃、かつ常圧または0.5〜1気圧の条件下で、3〜191時間静置する、請求項10に記載の製造方法。
  12. さらに、温度10〜20℃、湿度60〜80%、かつ常圧または0.5〜1気圧の条件下で、3〜95時間の乾燥工程を含む、請求項10または11に記載の製造方法。
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