JP2017139991A - 乾燥食肉製品の製造方法 - Google Patents

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【課題】直進水流噴射ノズルを用いて、生ハム原木等の食肉塊に均一に液状物質をインジェクションする際の食肉塊の乾燥時間を短縮し、呈味や食感に優れた生ハム等の乾燥食肉製品を効率よく製造する方法を提供すること。【解決手段】直進水流噴射ノズルを用いて食肉塊へ液状物質を注入するに際し、液状物質を注入しながら注入圧力を変化させるインジェクション方法により、液状物質をインジェクションした食肉塊を、(1)恒率乾燥を促進するために吸水シートで包装した後に、成型のためのモールドに収容し、その後乾燥する。(2)恒率乾燥を促進するために、通気性ケーシングに充填包装した後に、下面、上面、側面の少なくとも一箇所に吸水シートを敷いた成型のためのモールドに収容し、その後乾燥する。前記吸水シートとしては、ポリエチレン/ポリプロピレンからなる上層及び下層と、レーヨンとポリエチレン/ポリプロピレンとからなる中間層とから形成された不織布を挙げることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、液状物質が直進水流噴射ノズルによりインジェクションされた食肉塊を、吸水シートを用いることにより恒率乾燥させる乾燥食肉製品の製造方法に関する。
生ハム等の乾燥食肉製品の最終製品の塩分を均一化させるためには、塩漬終了後乾燥工程に入る前の時点で食肉に塩漬剤や調味料を均一に分散させる必要がある。本出願人は、先に、直進水流噴射ノズルを用いて食肉塊に均一に液状物質をインジェクションする方法を開発している(特許文献1)。
食肉塊の脱水・乾燥方法としては、食肉表面を多数の通水孔を有する第一シートで包むと共に、この第一シートを吸水性の第二シートで包み、この第一及び第二シートで包んだ包装食肉を袋体内に封入し、袋体を真空若しくは減圧下で所定時間保持して脱水処理する、魚肉や畜肉などの食肉に含まれる水分の短時間脱水方法(特許文献2)や、塩漬調味料で原料肉を6〜10℃で塩漬処理し、塩漬された肉を加圧しながら、3〜20℃、3〜20気圧の加圧下で熟成/乾燥を行い、常圧下10〜20℃で第二熟成/乾燥を行う工程を含む生ハム類の製造方法(特許文献3)や、豚肉または牛肉等の畜肉塊に、食塩、必要な発色剤、発色助剤、調味料、安定剤と糖類とを同時に、または前者の浸透を待って後者を加えて、塩漬肉として要求される水分活性、堅さ、熟成風味、光沢になるまで低温で6日間塩漬し、常法によりファイブラスケーシングに充填し、これを温度18℃、湿度70%で2日1夜、約64時間乾燥してから温度18℃、湿度65%で2時間燻煙し、製品生ハムとして冷蔵庫中に保管する非加熱生ハムの製造法(特許文献4)や、生ハム原木に塩漬液を注入し、塩漬液注入後マッサージ処理を施し、その後、2〜3日静置して、塩漬液を生ハム原木に均一に分散させ、リテーナーに充填し、リテーナーの両側面に設けたエンドスペーサーに外側から50〜60kg/cmの圧力をかけたところで固定し、台車に乗せて燻煙した後、温度17℃、湿度75%に設定された乾燥室で一昼夜静置した後、独自に開発した真空倉庫に台車ごと搬入し、−745mmHgの真空倉庫内で2時間減圧乾燥する生ハムの製造法(特許文献5)が知られている。
特許第3025458号公報 特開2001−224302号公報 特開平11−266782号公報 特開平6−284877号公報 特開2006−238748公報
食肉塊に均一に液状物質をインジェクションすることにより、食肉塊の塩漬時間や調味時間を大幅に短縮することが可能となった。半面、食肉塊に加水していることから食肉塊の乾燥時間はやや長くなり、乾燥庫を長く占拠するため、次のロットの製品を乾燥庫に入庫できず、生産性の低下に繋がっていた。本発明の課題は、直進水流噴射ノズルを用いて、生ハム原木等の食肉塊に均一に液状物質をインジェクションする際の食肉塊の乾燥時間を短縮し、呈味や食感に優れた生ハム等の乾燥食肉製品を効率よく製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、直進水流噴射ノズルを用いて食肉塊に均一に液状物質をインジェクションした場合の食肉塊の乾燥過程について検討していたところ、予め水で濡らせておいた吸水シートを用いて食肉塊を包装し、成型のためのモールドに収容した後、食肉塊表面が水に濡れた状態で恒率乾燥を促進することにより、吸水シートを用いずに乾燥する場合に比べて乾燥工程がむしろ短縮されることを見いだした。また、上記食肉塊を通気性ケーシングに充填包装した後に、予め水で濡らせておいた吸水シートを敷いた成型のためのモールドに収容すると、通気性ケーシングの毛管現象により、食肉塊表面が水に濡れた状態となり、その状態で恒率乾燥を促進することにより、吸水シートを用いずに乾燥する場合に比べて乾燥工程がむしろ短縮されることを見いだした。物質の乾燥には、余熱期間、恒率(定率)乾燥期間、減率乾燥期間の三段階が存在する。一般的に乾燥効率がよいとされる恒率乾燥とするために、予め水で濡らせておいた不織布からなる吸水シートを用いて食肉塊の表面を水膜で覆い、恒率乾燥期間を持続すると、結果として乾燥時間が短縮できることを確認した。本発明は、以上の知見に基づき完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]直進水流噴射ノズルを用いて食肉塊へ液状物質を注入するに際し、液状物質を注入しながら注入圧力を変化させるインジェクション方法を用いて、液状物質をインジェクションした食肉塊を、恒率乾燥を促進するために吸水シートで包装した後に、成型のためのモールドに収容し、その後乾燥することを特徴とする乾燥食肉製品の製造方法。
[2]直進水流噴射ノズルを用いて食肉塊へ液状物質を注入するに際し、液状物質を注入しながら注入圧力を変化させるインジェクション方法を用いて、液状物質をインジェクションした食肉塊を、通気性ケーシングに充填包装した後に、恒率乾燥を促進するために下面、上面、側面の少なくとも一箇所に吸水シートを敷いた成型のためのモールドに収容し、その後乾燥することを特徴とする乾燥食肉製品の製造方法。
[3]吸水シートが不織布であることを特徴とする上記[1]又は[2]記載の乾燥食肉製品の製造方法。
[4]不織布が、ポリエチレン/ポリプロピレンからなる上層及び下層と、レーヨンとポリエチレン/ポリプロピレンからなる中間層とから形成されていることを特徴とする上記[3]記載の乾燥食肉製品の製造方法。
[5]通気性ケーシングが、ファイブラスケーシングであることを特徴とする上記[2]〜[4]のいずれか記載の乾燥食肉製品の製造方法。
[6]食肉塊がハム原木である上記[1]〜[5]のいずれか記載の乾燥食肉製品の製造方法。
本発明によると、直進水流噴射ノズルを用いて液状物質をインジェクションすることにより調製した食肉塊を用いて、呈味や食感に優れた乾燥食肉製品を効率よく製造することができる。また、乾燥期間が短縮され、乾燥室内の製品の回転がよくなり、生産性を高めることができる。
本発明の乾燥食肉製品の製造方法としては、直進水流噴射ノズルを用いて食肉塊へ液状物質を注入するに際し、液状物質を注入しながら注入圧力を変化させるインジェクション方法を用いて、液状物質をインジェクションした食肉塊を、恒率乾燥を促進するために吸水シートで包装した後に、成型のためのモールドに収容し、その後乾燥する方法(以下「乾燥方法[I]」ということがある)や、液状物質をインジェクションした食肉塊を、通気性ケーシングに充填包装した後に、恒率乾燥を促進するために下面、上面、側面の少なくとも一箇所に吸水シートを敷いた成型のためのモールドに収容し、その後乾燥する方法(以下「乾燥方法[II]」ということがある)であれば特に制限されないが、上記吸収シートは恒率乾燥を促進する点で、予め水に濡らしておくことが好ましい。固体食品を乾燥する場合、乾燥の初期においては固体食品の表面は、内部からの水分の移動拡散が十分なため、常に水で濡れているが、予め水に濡らしておいた吸収シートを用いると、恒率乾燥をより促進することができる。
上記乾燥食肉製品としては、生ハム、パンチェッタ、生ベーコン、生サラミソーセージ、生ジャーキー等の非加熱乾燥食肉製品や、サラミソーセージ、ジャーキー等の加熱乾燥食肉製品を例示することができるが、中でも生ハムを特に好適に例示することができる。また、本発明において用いることのできる食肉塊としては、豚肉、牛肉、馬肉、羊肉、家禽肉、及びこれらの内臓肉、骨付き肉、皮付き肉等を例示することができるが、特にハム原木を好適に例示することができる。
本発明において、食肉塊にインジェクションする液状物質としては、塩漬用のピックル液、調味用の調味液の他、脂質等の組織改良剤、天然保存剤、天然色素、酵素、微生物等の溶液、分散懸濁液を例示することができ、直進水流噴射ノズルから噴射しうる液状のものであれば、気体状のガスを含むものなど、いかなるものでも使用することができる。
本発明において、直進水流噴射ノズルを用いて食肉塊へ液状物質を注入するに際し、液状物質を注入しながら注入圧力を変化させるインジェクション方法は前記特許文献1に詳細に説明されている。例えば、本発明において直進水流とは、同心円状に拡散して噴出することなく、直線状に収束して噴出する液状物質の流れをいい、直進水流噴射ノズルとは、直進水流を噴射させるノズルをいう。また、本発明において注入圧力とは、直進水流噴射ノズルから噴出された直後の液状物質の液圧をいい、通常は高圧水発生装置と直進水流噴射ノズルとの間の配管中の液圧として、例えば圧力センサにより測定される。圧力センサを備えることにより、注入圧力をその設定値に一層正確に調整することができる。
本発明において、注入圧力を変化させる手段としては、高圧水発生装置の出力を、サーボモータやステッピングモータを用いて、モータの回転数を制御する方法、油圧、水圧、空気圧等の流体圧を用いて液状物質の圧力を制御する方法を例示することができ、また、高圧水発生装置の出力を一定にして注入圧力を変化させる方法としては、ノズルの孔の径を変化させる方法、噴射部に連結するノズル数を変化させる方法、流量調節弁等を用いて流量を制限する方法、高圧配管に設けられたバルブの開閉速度を調節したり、2以上のバルブの開閉を調節したりする方法等を例示することができるが、制御の簡便性・正確性及び多様な圧力制御を可能にする点から、サーボモータ等を用いて、モータの回転数を制御する方法が望ましい。例えば、モータとドライバとプログラマブルコントローラ(PLC)から構成されているサーボモータを用いる場合について説明すると、ドライバはPLCと接続され、モータの運転状態のPLCへの出力とPLCの指令を受けてモータの駆動を行う。モータはドライバがPLCより受けたパルス数に比例して回転を行い、そのパルスの速さ(時間的密度)に応じて回転速度を変化させる。そして、サーボモータにより高圧ポンプを駆動する場合、概略、液体の流量はモータの回転数(位置決め)に比例し、液体の圧力はモータの回転数に比例することになる。
本発明における食肉塊への液状物質のインジェクション方法としては、直進水流噴射ノズルを用いて食肉塊へ液状物質を注入するに際し、液状物質を注入しながら注入圧力を変化させる方法であれば特に制限されないが、直進水流噴射ノズルを備え、注入圧力をゼロ又は低圧から漸次上昇させながら食肉塊に塩漬液を注入する方法を好適に例示することができる。ロースハム原木のように、硬い部位(モモ側)と軟らかい部位(肩側)とを有する食肉塊を用いる場合、硬い部位から軟らかい部位に向かって塩漬液の注入量が徐々に減少するように、あるいは、柔らかい部位から硬い部位に向かって塩漬液の注入量が徐々に増加するように、食肉塊に塩漬液を注入する方法が好ましい。
塩漬液が注入されマッサージ処理を施し塩漬液を均一に分散させた食肉塊は、2〜3日静置することが好ましい。静置せずに脱水乾燥処理を行うと、塩漬液がそのまま流出してしまう可能性がある。食肉塊を静置することにより塩漬液が肉塊になじむため、続いて脱水乾燥処理を行うとほぼ水分だけしか出てこない。このように、食肉塊を2〜3日静置した後に、恒率乾燥を促進するため吸水シートで包装した後に、成型のためのモールド(金型)に入れて乾燥させる乾燥方法[I]、あるいは、食肉塊を2〜3日静置した後、通気性ケーシングに食肉塊を充填包装し、次いで恒率乾燥を促進するために下面、上面、側面の少なくとも一箇所に吸水シートを敷いた成型のためのモールドに収容して乾燥させる乾燥方法[II]を採用することが好ましい。
上記吸水シートとしては、水分を吸収及び蒸発することができるシート状の部材であれば特に制限されないが、吸収性の高い不織布が好ましく、なかでも、ポリエチレン(PE)/ポリプロピレン(PP)からなる上層及び下層と、レーヨンとPE/PPとからなる中間層とから形成された不織布を好適に例示することができる。前記上層及び下層と中間層とは、エンボスロール加工、エアエンボス加工、開孔加工等による綴着により三層が一体化されていることが好ましい。また、前記上層及び下層のPE/PPを100%とするとき、中間層のレーヨンは65〜75%、同PE/PPは35〜25%とすることがよく、最も好ましくはレーヨン70%、PE/PPが30%とするのがよい。前記上層及び下層を8〜12g/mとするとき、中間層を26〜34g/mとすることがよく、最も好ましくは上、下層を10g/m、中間層を30g/mとするのがよい。さらに上層、下層、及び中間層を含む総厚を30φ測定子8.3hpa荷重ダイヤルゲージによる測定値0.35〜0.60mmとするのがよい。また、吸水シートとして、フレッシュマット(福助工業社製)、Kシート(極東貿易社製)等の市販品を有利に用いることができる。
上記ケーシングとしては、塩漬肉、調味肉等の食肉塊を直接充填する一次包装用の資材で、水分を吸収及び蒸発することができる素材でできていればよく、ケーシングは食肉製品に燻煙等の処理を施すことによって保存性を付加したり、整形したりする品質上極めて重要な役割を果たすものである。かかるケーシングの種類としては、ケーシング充填包装後、加熱処理、脱塩処理、乾燥処理等を行うことができる、ファイブラスケーシングといった通気性ケーシングを用いることが好ましい。
モールドに収容した食肉塊の乾燥としては、乾燥食肉製品の種類ごとに通常実施されている乾燥処理であればよく、例えば生ハム製品の場合、必要に応じて燻煙処理を施した後、室温18℃±2℃、湿度70%±10%に設定された乾燥庫内、例えば温度17℃、湿度75%に設定された乾燥庫内での3〜7日、好ましくは4〜6日の静置乾燥を例示することができる。
上記乾燥方法[I]では、食肉塊を吸水シートで包装することにより、食肉塊の表面が水膜で覆われることになり、上記乾燥方法[II]では、モールドの下面、上面、側面の少なくとも一箇所、好ましくは下面、より好ましくは下面、上面及び側面のすべてに敷いた吸水シートを介して通気性ケーシング(ファイブラスケーシング)により、食肉塊の表面が水膜で覆われることになり、減率乾燥に先立ってまず恒率(定率)乾燥が行われることになる。
一般に熱風乾燥の場合、材料の表面が水膜で覆われている限り、材料の温度は熱風の温度と平衡に達して一定に維持される。また、材料の含水率は乾燥時間に比例して減少するので、乾燥速度も一定、すなわち恒率乾燥の状態となる。そして、流入熱量のすべてが材料表面の水分蒸発潜熱として消費され、材料の温度は近似的に熱風の湿球温度となる。このような恒率乾燥の挙動は、少なくとも材料表面の水分蒸発速度に相当する速度で材料内から水分が補給され,材料全表面が水膜で覆われている限り継続する。他方、材料内部からの水の移動速度が材料表面の水分蒸発速度より小さくなって、材料表面の水膜形成に必要な水の供給が不十分になると、材料全表面にわたって水膜を保持することが困難になる。このため局所的に材料が熱風に対して露出する。さらに、水分の蒸発面も材料内部に後退し始める。材料表面が部分的に乾燥した状態になると、流入熱量は水分蒸発潜熱だけでなく、材料の顕熱としても消費されるために材料温度が上昇するとともに、乾燥速度も徐々に減少する。さらに、乾燥が進行して材料の含水率が平衡含水率に到達した時点で乾燥が終了する。このように乾燥速度の減少により特徴付けられるのが減率乾燥である。
本発明においては、直進水流噴射ノズルを用いて食肉塊へ液状物質を注入するに際し、液状物質を注入しながら注入圧力を変化させるインジェクションにより、水分を均一に含んだ食肉塊に対して、吸水シートを適用して恒率乾燥を促進すると共に恒率乾燥を長時間にわたり実施することにより、乾燥効率を高める点に特徴を有する。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。なお、Aw値は水分活性測定装置(ロトロニック社製)により測定した。
直径90mm、長さ1600mmのロースハム原木を用い、また、塩漬液として、食塩20質量%、水あめ20質量%、香辛料1質量%、調味料2質量%、酸化防止剤1質量%、甘味料0.5質量%、発色剤2質量%、添加水約50.5質量%を用いた。この塩漬液を特開2001−78719号公報に記載されたピックルインジェクターを用いてロースハム原木に注入し(原料肉当たり20質量%)、マッサージ処理を施して、塩漬液をロースハム原木に均一に分散させた後、2日間静置した。静置後のロースハム原木を、以下試験に供した。上記ピックルインジェクターによる注入条件は、注入最高圧力3000kg/cm、注入最高圧力に到達するまでの注入時間1.5秒、圧力上昇速度2000kg/cmであった。
前記ロースハム原木を不織布製の吸水シート(福助工業社製「フレッシュマット」)で包装した後、モールドに入れて温度17℃、湿度75%に設定された乾燥庫内で静置乾燥した。また対照として、前記ロースハム原木をファイブラスケーシングで包装した後、モールドに入れて温度17℃、湿度75%に設定された乾燥庫内で静置乾燥した。ロースハム原木の水分活性(Aw)値を経時的に測定し、Aw値が0.95未満となるまでに要した日数を比較したところ、実施例製品では5日でAw値0.95未満となったが、対照製品ではAw値0.95未満となるまでに6日を要した。
実施例1と同様の方法で作製したロースハム原木を、ファイブラスケーシングに充填包装し、モールドに入れて乾燥させる際に、モールドの下に不織布製の吸水シート(福助工業社製「フレッシュマット」)を敷き、温度17℃、湿度75%に設定された乾燥庫内で静置乾燥した。またモールドの下に不織布製の吸水シートを敷かなかったものを対照とした。ロースハム原木の水分活性(Aw)値を経時的に測定し、Aw値が0.95未満となるまでに要した日数を比較したところ、実施例製品では5日でAw値0.95未満となったが、対照製品ではAw値0.95未満となるまでに6日を要した。
本発明によると、食肉塊を効率よく乾燥させることができるため、本発明は乾燥食肉製品の分野で有用である。

Claims (6)

  1. 直進水流噴射ノズルを用いて食肉塊へ液状物質を注入するに際し、液状物質を注入しながら注入圧力を変化させるインジェクション方法を用いて、液状物質をインジェクションした食肉塊を、恒率乾燥を促進するために吸水シートで包装した後に、成型のためのモールドに収容し、その後乾燥することを特徴とする乾燥食肉製品の製造方法。
  2. 直進水流噴射ノズルを用いて食肉塊へ液状物質を注入するに際し、液状物質を注入しながら注入圧力を変化させるインジェクション方法を用いて、液状物質をインジェクションした食肉塊を、通気性ケーシングに充填包装した後に、恒率乾燥を促進するために下面、上面、側面の少なくとも一箇所に吸水シートを敷いた成型のためのモールドに収容し、その後乾燥することを特徴とする乾燥食肉製品の製造方法。
  3. 吸水シートが不織布であることを特徴とする請求項1又は2記載の乾燥食肉製品の製造方法。
  4. 不織布が、ポリエチレン/ポリプロピレンからなる上層及び下層と、レーヨンとポリエチレン/ポリプロピレンからなる中間層とから形成されていることを特徴とする請求項3記載の乾燥食肉製品の製造方法。
  5. 通気性ケーシングが、ファイブラスケーシングであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか記載の乾燥食肉製品の製造方法。
  6. 食肉塊がハム原木である請求項1〜5のいずれか記載の乾燥食肉製品の製造方法。
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