JP3976646B2 - ラウンドマグロの保存処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、頭、尾、皮のついた丸(ラウンド)のマグロ(以下、「ラウンドマグロ」という。)の保存処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
魚類筋肉の赤色色素は、ミオグロビン(Mb)、ヘモグロビン(Hb)などのヘム鉄を含んだ色素が主である。マグロは代表的な赤身肉魚であり、マグロ普通肉中では、ヘム鉄色素中の90%以上、血合肉中では80%以上がMbと言われている。新鮮なマグロ肉の内部は暗紫色を呈しており、このときのMbは2価の鉄イオンを含んだ還元型Mbになっている。これを空気中にさらすと空気中の酸素(O )と結合して鮮紅色のオキシミオグロビン(O Mb)に変化する。
しかし、さらに長い間空気に触れると、Mbに結合した鉄が2価から3価に酸化され、褐色のメトミオグロビン(MetMb)が生成する。通常、この鮮紅色のオキシミオグロビン(O Mb)の酸化により褐色のメトミオグロビン(MetMb)の生成する反応を、褐変またはメト化と称する。
【0003】
現実には、ラウンドマグロが空気に直接触れない場合でも、−60℃より高い−50℃以上の温度帯の冷凍中においてメト化の進行が認められる。ラウンドマグロからロイン、フィレ等に細かく切れば切るほど空気に触れる表面積が増えるので、当然メト化は早く進行する。−60℃付近で冷凍し、−60℃以下で冷凍保存すると、メト化は抑えられ、褐色に変化はしない。鮮紅色のO Mbの状態のマグロは、新鮮な感じがして好ましく、商品価値が高いが、メト化(褐変)したマグロは見た目も汚く、たとえ鮮度が保たれていても商品価値が無くなる。
【0004】
褐変を防止し肉色を保持するために、現在、刺身用マグロの冷凍には−60℃以下という超低温が採用されている。マグロ肉中の各成分の劣化や変性は、−18℃(家庭用冷蔵庫の冷凍室の温度)の冷凍で充分に抑えられるにもかかわらず、60℃以下の超低温冷凍が採用されているのは、−18℃では冷凍中にメト化が抑えられず刺身やすしネタとしての商品価値がなくなるからである。
【0005】
−60℃以下の超低温冷凍以外のメト化防止方法としては化学的に合成されたCOガスによる処理がある。しかしこのCO処理は、マグロ肉の色を自然の色調でなく過度に鮮やかなピンク系の色調に変える。しかも−18℃冷凍中は1〜2年間は変色せず、解凍後も長期にわたって鮮やかな色を保つという特徴を有する。家庭用の冷蔵庫に保管すれば数ケ月以上も変色しない。そのため消費者が鮮度を見誤り、危険である問題がある。
【0006】
一方、超低温のスモ−クガスに曝す処理を行うことで、刺身や寿司ネタとして用いる生食用のマグロ肉の品質を長期間にわたって維持できることは、本発明者らが先に特開平6−292503号公報で提案している。すなわち、この超低温燻煙処理方法は、木材の燻煙によりスモ−クを発生させ、これをフィルタ−を通して不必要な臭いやタ−ル分をろ過した後、冷却パイプを通して0〜5℃に冷却し、それをマグロ肉表面に接触させることにより、超低温でスモ−ク処理を行うものである。しかしこの方法では、マグロ肉の高効率的な処理のために厚い切り身等を対象とする場合に、スモ−クの表層への浸透は比較的速いが、内部までの浸透には長時間を必要とし、その間にマグロ肉の鮮度が低下する。したがって、スモ−ク処理の対象はマグロ肉のさくである。
【0007】
本発明者は、温度1℃〜3℃のキハダマグロ肉中のCOガスの浸透深さと時間の関係について、以下の結果を得ている。鮮度の良い肉質のキハダマグロを用いてマグロ肉外表面にスモ−クを接触させた場合、浸透深さは、1時間で5mm,6時間で9.5mm,30時間で20mm,48時間で25mmであった。すなわち、厚さ50mmのマグロ肉の外表面(上下両面)にCOガスを接触させた場合、COガスが中心部まで完全に浸透するには48時間を要し、その間における鮮度低下とドリップ流出による味覚、食感の低下は避けられない。
【0008】
これを改善するために、本発明者らは特開平8−168337号公報において、一定間隔で並列配置した多数のスモ−ク注入針をマグロ肉に刺入して、マグロ肉内へスモ−クの気泡状噴出を間欠的に繰り返しながらスモ−ク針を抜き出すことにより、マグロ肉内に3次元的に均一に一定圧力、一定体積のスモ−ク気泡を打ち込み、これによりマグロ肉に保存処理を施す生食用マグロの高能率保存処理方法を既に提案している。この方法では、燻煙処理が1〜2時間以内という短時間で完了するので、特に冷却したスモ−クを用いる必要はない。この方法により、スモ−ク処理の対象はさくからロインやブロックにまで拡張される。この方法により、生食用マグロの長期保存に−60℃といった超低温冷凍を採用しなくても、−18℃(家庭用冷蔵庫の冷凍室の温度)程度の温度での冷凍でメト化が抑えられるが、無処理マグロ肉中のCO濃度(バックグラウンド値)をも考慮して常に適量のスモ−ク処理を行う必要があった。
【0009】
そこで、さらに本発明者は、バックグラウンド値、K値、pH等をも考慮して上記スモ−クの適量注入を行い、それによりマグロ肉中における残留CO濃度を1500μg/kgから2400μg/kg(熊沢法による測定値)の範囲に設定することにより、約−18℃での冷凍中の褐変防止期間を、流通のために必要な2.5〜3.5ケ月程度とし、しかも解凍後はCO100%ガスで処理したマグロのように過度に鮮やかなピンク色になることはなく、解凍後におけるスモ−ク処理マグロ肉のメト化を無処理マグロ肉のメト化とほぼ同様にして、無処理マグロと同様な色調の変化を起こし、結果的に、消費者が鮮度を見誤ることがないようにできることを確かめた(特許申請中)。
【0010】
上記の残留CO濃度1500〜2400μg/kgの範囲は、本発明者が実験的及び経験的に確認したものであるが、スモ−クCOガスを肉中に正確にかつ均一に配置または分配(溶解)させることは、現在、二−ドルパンチャ−型スモ−ク処理機以外には達成できない。スモ−クとして打ち込むガス量は、スモ−ク中のガス濃度の調整、スモ−クの圧力、打ち込み量、打ち込み間隔等の調節により、任意に設定することができる。注意すべきは、上記残留CO濃度範囲の数値は、試料のK値18以下のキハダマグロに対するものである点である。市場に流通している刺身、寿司ネタ用の生食用マグロでは、実際には鮮度を反映するK値が10から50付近まで広く分布しているので、スモ−ク処理時にK値に応じて残留CO濃度の範囲を調整する必要がある。
【0011】
ここで、COガスで処理したマグロ肉(COマグロ)の色調(過度に鮮やかなピンク系の色調)とスモ−クガスで処理したマグロ肉の色調は本質的に異なることについて言及しておく。色素タンパクであるミオグロビンはスモ−クガスに含まれる多くの成分ガスを配位し、配位生成物特有の色調を呈する。その色調の度合は配位反応の平衡定数の大きさに依存する。スモ−クガスに含まれ色調に影響する成分ガス、配位反応生成物名およびその色調を表1に示す。
【0012】
【表1】
Figure 0003976646
【0013】
COガスのみで処理したマグロの過度に鮮やかな色調はカルボニシルミオグロビンのみに起因する色調である。それに対して、スモ−クガス処理マグロの色調は、スモ−クガスに含まれるガスの種類、濃度および成分ガスとミオグロビンの配位反応の平衡定数値(大きさ)によって決まる。
上記のスモ−ク処理方法は、いずれもラウンドマグロには適用できない。現在ラウンドマグロは−60℃の超低温冷凍状態または鮮魚として輸送されているが、丸のマグロ肉にロインやブロックと同様にスモ−ク処理を施すことができれば、生食用マグロに対する保存処理能率を飛躍的に高めることになる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような知見に基づいてなされたもので、その技術的課題は、頭、尾、皮のついた丸(ラウンド)のままのマグロを対象に、−18℃近辺の設備費及びエネルギー量が少なくて済む冷凍温度においても十分にマグロ肉の各成分の劣化や変性を抑えることができ、従って、その温度での必要期間にわたる冷凍輸送中における品質保持を可能にすると共に、当該冷凍中のマグロ肉のメト化を防止し、また、解凍後は無処理マグロ肉の色の経時変化と同様にマグロ肉の色が変化し、過度の保存処理によって消費者が鮮度等を見誤ることのないラウンドマグロの保存処理方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明のラウンドマグロの保存処理方法は、生きたマグロまたは死後直後で血栓ができる前のマグロの大動脈からまず血液凝固阻止液を供給すると共に該マグロの大静脈から血液を流出させ、次いで、燻材を燻すことにより発生したCOガスを含むスモークを含有させた処理液を上記大動脈から供給することによりマグロ全体の血管に該処理液を灌流する方法であって、上記処理液が、上記スモークを溶解したクエン酸ナトリウム水溶液から成る第1の処理液と、上記スモークを溶解した還元液、鮮度保持液またはエマルジョンから成る第2の処理液と、スモークガスを配位または溶解した人工血液から成る第3の処理液とから成り、該第3の処理液を上記マグロの大動脈から供給した後に、該第1の処理液及び第2の処理液を上記マグロの大動脈から順次供給することを特徴とし、それによって上記ラウンドマグロを−18℃近辺で長期間にわたり冷凍保存可能にするものである。
【0016】
上記ラウンドマグロの保存処理方法は、上記マグロの心臓を切ってその一方の心室の大動脈に管を挿入し該管から上記血液凝固阻止液や上記処理液を流し込み、該心臓の他方の心室の大静脈に管を挿入し該管から上記血液を流出させるのが適している
【0017】
た、上記ラウンドマグロの保存処理方法は、上記マグロの表皮と筋肉との間の表皮下層にスモーク注入針を挿入し、該スモーク注入針を介して該表皮下層に上記スモークガスを圧入する方法を併用するのが適しており、また、上記マグロの脊髄の背側及び腹側の脊動脈へスモーク注入針を挿入し、該スモーク注入針を介して該脊動脈へ上記スモークガスを圧入する方法を併用するのが好ましい。
【0018】
また、上記ラウンドマグロの保存処理方法は、上記スモ−クがスモーク成分及びCO濃度が適量に調整されたスモ−クであり、上記処理液が該スモークの含有量を調整することにより処理液中のCO濃度を調整可能であり、上記マグロへ供給する上記処理液のCO濃度及び供給量を調整することにより、上記マグロ肉中の残留CO濃度を、1100〜2400μg/kgとするのが適しており、また、上記スモ−クがスモーク成分及びCO濃度が適量に調整されたスモ−クであり、上記処理液が該スモークの含有量を調整することにより処理液中のCO濃度を調整可能であり、上記スモ−ク注入針を介して上記マグロへ供給するスモ−クガスのCO濃度及び供給量、並びに上記マグロへ供給する上記処理液のCO濃度及び供給量をそれぞれ調整することにより、上記マグロ肉中の残留CO濃度を、1100〜2400μg/kgとするのが好ましい。
【0019】
上記ラウンドマグロの保存処理方法によれば、ラウンドマグロに対し、実質的に生の状態を保持させながらも、スモークの利用により防腐、殺菌効果を付与し、−18℃近辺での冷凍温度においても十分にマグロ肉中の各成分の劣化や変性を抑えることができ、流通のための冷凍輸送中の品質保持が可能になる。
ここで注目すべきは、−18℃における冷凍・保存等の流通に要する設備費及びエネルギー量は、明らかに、−60℃における超冷凍・貯蔵に要する設備費及びエネルギー量よりはるかに少ないということであり、そのため、上記方法によれば流通のための経費を著しく低減することができる。
【0020】
また、上記方法によればラウンドマグロの残留CO濃度を短時間で均一にすることができ、解凍後のスモーク処理マグロ肉のメト化を無処理マグロ肉のメト化とほぼ同様にするという、消費者が鮮度等を見誤ることのないマグロの保存処理を行うことができる。しかも、残留CO濃度を調整することにより、解凍後のメト化が起こる期間を7日間とか9日間のように自由に調整でき、これらによって、均一な残留CO濃度で品質の優れたラウンドマグロの保存処理を行うことが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の方法によってラウンドマグロの保存処理を行うに際しては、まず、所期の成分のスモークを発生させる必要があり、そのため、図1に例示するようなスモーク発生機構を用いてスモークを発生させる。
該スモーク発生機構1は、予め大きさ、水分、種類等を調整した、燻材となる木材チップが投入されるホッパー5と、該ホッパー5から供給される上記木材チップを移送する加熱手段7を備えたスクリュウ式移送手段6と、該スクリュウ式移送手段6の後方に設けられた高圧洗浄水が供給される出気筒8と、該出気筒から排出された気体が導かれる気液分離筒9と、該気液分離筒9で分離されたスモークを移送するダイヤフラムポンプ10と、該ダイヤフラムポンプ10に接続されたスモーク濾過装置(脱臭塔)11と、これらの機器の動作を制御し、木材チップの移送速度や加熱手段の加熱温度やスモークの発生流量やスモーク中のCO濃度を制御可能な制御手段(図示せず)からなる。
【0022】
上記スクリュウ式移送手段6は、上記ホッパー5の出口に接続される円筒状のシリンダー15と、該シリンダー15内に設けられその軸方向に沿って伸びるスクリュウ軸17に取付けられた螺旋状のスクリュウ16と、該シリンダー15の外に設けられシリンダー15を貫通して上記スクリュウ軸17に連結し上記スクリュウ16を駆動するスクリュウモータ18とを有し、スクリュウ16を回転させることによりシリンダー15内の木材チップを移送する。
上記加熱手段7は、上記シリンダー15を構成する円筒の一部を両端が閉じられ中央に径方向隔壁20aを有する大径円筒20で覆い、該シリンダー15を構成する円筒の一部と大径円筒20との間に形成された隔壁20aにより仕切られた2室21a,21bのそれぞれに第1ヒータ22及び第2ヒータ23を配置し、該第1ヒータ22及び第2ヒータ23で上記シリンダー15を構成する円筒の一部を加熱することにより、シリンダー15内を移送される木材チップを加熱し、スモークを発生させる。
【0023】
上記加熱手段7は、第1ヒータ22及び第2ヒータ23による二段に分かれており、前段の第1ヒータ22による加熱は、低温加熱(予熱)用であり、木材チップの熱分解直前温度まで加熱するためのものである。
後段の第2ヒータ23による加熱は、ごく少量の酸素の存在下で熱分解を行い、スモークを発生させる。
上記加熱手段7は、二段に分かれて加熱するので、原材料の含水率が異なってもスモーク成分が安定する。
上記シリンダー15の上記加熱手段7より後方部分には、上記出気筒8が設けられ、上記スクリュウ16は該出気筒8内まで延出しており、該出気筒8には木材チップが上記加熱手段7により加熱されて生じた気体、液体、固体の混合物が移送されると共に、該出気筒8に貯水槽70からの水が、ポンプ71、配管72及び開閉弁73,74を介して、高圧洗浄水としてスプレーされる。
上記出気筒8に移送される気体には、多量のカーボン粒やガス状態のタール分が含まれるが、高圧洗浄水がスプレーされることにより、該出気筒8の気体接触面は高圧洗浄水で洗浄されるから、接触面へのカーボンやタールの付着は防止される。
【0024】
上記スクリュウ軸17は洗浄水によって冷却される構造になっているが、適正な冷却が維持されないと該スクリュウ軸先端に設けているパッキン部よりガス漏れが生じる恐れがある。
上記出気筒8に移送された気体、液体、固体の混合物は、該出気筒8内で気体、液体、固体が分離され、気体は途中で開閉弁75を介して高圧洗浄水がスプレーされる排気管81を通って気液分離筒9へ導かれ、固体と液体は排炭受皿83に洗浄水と共に連続的に落下し、該排炭受皿83でオーバーフローして金網84上に落ち、水は貯水槽70へ導かれ、固体は排炭槽85へ導かれる。
貯水槽70の水は高圧洗浄水として循環使用されるが、貯水槽70には必要に応じ補給水が補給される。
排炭の状態で該スモーク発生機構1の状態を間接的に把握でき、例えば、排炭の焼結粒が大きいときはタール分の多い木材であり、ガス発生が不安定になりやすい。このときには燻材に籾殻、活性炭等を混ぜることもある。
【0025】
上記ダイヤフラムポンプ10は、気液分離筒9に取付けられた圧力検知手段を有する圧力維持手段92に連結されており、気液分離筒9で分離したスモークを一定圧力のもとで移送している。
スモーク中の空気の混合割合は、圧力維持手段92における圧力設定で比較的正確になされる。排気管81内の圧力を負圧に設定するとホッパー5より空気を吸引し、スモークは希釈される。
排気管81内の圧力を正圧に設定するとホッパー5からの空気の混入は少なくなるが、高圧に設定しすぎると発生したスモークがホッパー5に逆流する。
【0026】
該スモーク発生機構1は外部加熱方式で、その制御は完全に電気的に行われるが、スモーク発生量は熱源の容量で決定される。
該スモーク発生機構1は、スモーク発生流量が4〜6L/minの範囲であり、一気に大量のスモークを発生させることは困難であるが、一気に大量のスモークを必要とする場合には、事前に生成したスモークをバッグ等の貯留部に溜めた上でスモーク処理に使用する。
上述のように、該スモーク発生機構1は、スモークの発生流量を調節できるという特徴を有するが、さらにスモーク中のCO濃度も調整可能であるという特徴を有する。
具体的には、スモーク中のCO濃度の調整は、ヒーター温度の制御とスクリュウの送り速度の調整で達成される。したがって、好みのCO濃度のスモークが定常的且つ安定的に確実に生成される。
【0027】
上記スモーク発生機構1に用いる燻材としては、一般に燻煙処理のために用いられている各種樹種のものを用いることができ、例えば、かし、なら、ぶな、さくら、はんのき、しなのき、かしわ、くるみ、くり、しらかば、ヒッコリー、ポプラ、プラタナス、その他を用いることができる。
上記スモーク成分及びCO濃度が適量に調整されたスモークは、スモーク濾過装置(脱臭塔)11に導入し、発生させたスモークをフィルタに通して、主としてスモーク中のタール分及び臭いを除去し、防腐、殺菌、変色抑制効果の高い成分を含むスモークを通過させる。臭いを除去するフィルタとしては活性炭等が適している。上記スモーク濾過装置11の出口側には、パイプを介してバキュームポンプ等の吸引装置を接続し、それによって引き出したスモークをビニール袋等の気嚢、あるいは適宜容器に収容する。
【0028】
このようにして得られたスモーク成分及びCO濃度が適量に調整されたスモークをクエン酸ナトリウム水溶液に溶解させて第1の処理液を作成し、また、該スモークを還元液、鮮度保持液またはエマルジョンに溶解させて第2の処理液を作成する。該第1の処理液はスモ−クガスとクエン酸ナトリウム水溶液を同時に新静止型混合器であるラモンド・ス−パ−ミキサ−を通過させることにより連続的に生成され、該第2の処理液はスモ−クガスと還元液、鮮度保持液またはエマルジョンを同時にラモンド・ス−パ−ミキサ−を通過させることにより連続的に生成される。
【0029】
上記第1及び第2の処理液はスモークの含有量を調整することにより処理液中のCO濃度を調整可能であり、処理液中のスモ−ク溶解濃度は飽和が望ましいが、不飽和でもよい。
また、還元液や鮮度保持液の成分や組成は魚種によって選定、調整する必要があり、該還元液や鮮度保持液は鮮度保持液や還元液は変色防止と油の酸化防止に寄与する。
【0030】
上記ラモンド・ス−パ−ミキサ−を通過する際、スモ−クガスは微細気泡としてクエン酸ナトリウム水溶液あるいは還元液、鮮度保持液またはエマルジョン中に分散する。ラモンド・ス−パ−ミキサ−は、桁違いに多い分散数を与えることができ、そのため気液および液液の混合、分散能力がきわめて高いという特徴を有する。以下の現象はその一端を示すものである。気泡は極めて細かいため(約20μm)、10ユニットのラモンド・ス−パ−ミキサ−を通過した気液分散物の液相部分には、気泡中のガスが飽和溶解している。
スモ−クを飽和溶解したクエン酸溶液を、全身血管系中を複数回通過させるか、または全身血管系内に複数回満たすことにより、マグロ肉中へのスモ−クガス配位量または溶解量を調節出来る。鮮度保持液が水相と油相からなる場合には10ユニットのラモンド・ス−パ−ミキサ−1回通過後には3μm前後の油滴が分散したO/Wエマルジョンが得られる。
【0031】
なお、上記の気泡分散及びO/Wエマルジョン作成に新静止型混合器「ラモンド・ス−パ−ミキサ−」を用いているが、従来から一般に用いられているガス分散器、機械的撹拌機、ホモジナイザ−等でも間に合う。気泡分散の目的はスモ−クを液またはエマルジョン中に飽和溶解させることにあるので、効率を問題にしなければ従来から一般に用いられているガス分散器を用いることが出来る。
このようにして得られた第1の処理液及び第2の処理液は、後述する方法によりラウンドマグロの全身血管系に供給される。
【0032】
魚類の血管系は心臓からエラの毛細血管を経由し、再び動脈となって体の各種器官、筋肉組織の毛細血管に至り、静脈を経て心臓に戻ってくる。この全身血管系を利用する処理は、生きたマグロまたは死後直後で血液が凝固して血栓が出来る前のマグロを対象とする。まず水中より獲り揚げたマグロは直ちに用意した水槽に入れる。用意した水槽は、通常遊泳中のマグロの体温に合わせた海水温度に保たれ、麻酔薬を溶解する水が満たされている。さらにその中に酸素ボンベから酸素ガスを吹き込み、溶存酸素を常時飽和濃度近傍の高い濃度に保つ必要がある。これらの手順は被処理マグロが苦悶することによって起こる生態防御反応熱の過度な発生を抑制し、乳酸の急激な増大やpHの急激な低下を防止することで、マグロの品質劣化を防止するために必要である。
【0033】
次に、生きたマグロまたは死後直後で血栓ができる前のマグロの心臓を切ってその一方の心室の大動脈及びその他方の心室の大静脈にそれぞれ管を挿入する。そして、上記大動脈に挿入した管を介してまず血液凝固阻止液を流し込み、同時に上記大静脈に挿入した管を介して全身の血液を流出させる。
次いで、上記大動脈に挿入した管を介して上記第1及び第2の処理液を順次流し込み、同時に上記大静脈に挿入した管を介して全身の血液を流出させ、このことにより上記第1の処理液及び第2の処理液をマグロの全身血管系を利用して灌流させる。
【0034】
また、CO運搬体として人工血液を利用することが考えられる。すなわち、上記実施例ではマグロの全身血管系に上記第1及び第2の処理液を供給しているが、スモ−クガスを配位または溶解した人工血液を第3の処理液としてマグロの全身血管系に供給することができる。
該スモ−クガスを配位または溶解した人工血液は、人工血液中にスモ−クガスの微細気泡が分散されたものであり、スモ−クガスを人工血液とともにラモンド・ス−パ−ミキサ−内に流すことにより作成できるが、必ずしもこの方法に限定される必要はなく、従来から一般的に用いられているガス分散器、機械的撹拌機等を用いて人工血液中にスモ−クガスの微細気泡を分散させて作成しても良い。
また、上記第3の処理液は上記第1及び第2の処理液と同様にスモークの含有量を調整することにより処理液中のCO濃度を調整可能であり、該処理液中のスモ−ク溶解濃度は飽和が望ましいが、不飽和でもよい。
【0035】
上記第3の処理液の供給は上記第1及び第2の処理液の供給の前になされるのが適しており、スモ−クガスを配位または溶解した人工血液が上記大動脈に挿入した管を介してマグロの血管系に供給されると、該人工血液に配位、溶解したスモ−クガスが毛細血管壁から筋肉中のMbに受け渡される。
以上の方法により、マグロの全身血管系を利用してラウンドマグロの内側からマグロの肉中へスモ−クを拡散させることができる。また鮮度保持液を内部から吸収させることができる。
【0036】
また、ラウンドマグロの全身血管系へ供給する処理液のCO濃度及び供給量を調整することにより、該マグロ肉中の残留CO濃度を、1100〜2400μg/kg(より望ましくは1500〜2400μg/kg)とすることができる。
上記マグロ肉中における残留CO濃度の値は、熊沢英博氏(富山大学工学部教授)によって開発された残留CO濃度の測定法(熊沢法)による測定値であり、一定量の沸騰した水中においてピックアップガスを吹き込みながらマグロ肉を加熱することにより、該マグロ肉中のミオグロビン(MB)に配位したCOをはずし、ピックアップガス中に放散させ、それらのガスをテドラーバックに収容し、該バッグ中のガス濃度を検知管又はガスクロマトグラフィで測定した値である。
【0037】
以下に、スモ−クを溶解したクエン酸水溶液によるマグロ血管系灌流とマグロ肉中のミオグロビンへの配位量関係についてCOガスを例に説明する。
25℃、1気圧の下で水1cc中にCOが0.021cc溶解する。クエン酸水溶液もCOの溶解にとっては水とみなしてよい。したがって、水(クエン酸水溶液)20リットル(L)(20,000cc)中に溶解するCOの体積(cc)は、0.021×20,000=420ccとなる。
COの分子量は28g/モル,1モル=22.4Lであるから、CO420ccの質量は、(0.42/22.4)×28=0.525gである。
すなわち、水(クエン酸水溶液)20L中にCOは0.525g溶解する。この溶解量は100%COガスに対するものである。もし、CO濃度20%のスモ−クガスとクエン酸水溶液を接触させるときには、20Lのクエン酸水溶液に飽和溶解するCO量は0.525×0.2=0.105gとなる。
【0038】
いま、マグロの重量を50kgとし、その全身血管系に、0.105gのCOを溶解するクエン酸水溶液20Lを、灌流するか、または満たすとすると、マグロ50kgにCOが0.105g持ち込まれたことになる。これはマグロ1kgあたりCO2100μg(2100μg/kg)に相当する。
持ち込まれたCOがすべてミオグロビンに配位するとは限らないので、0.105gのCOを溶解するクエン酸水溶液20Lを複数回灌流するか、または複数回満たすことにより、上記のマグロ肉中残留CO濃度の望ましい範囲、1100〜2400μg/kg(より望ましくは1500〜2400μg/kg)を達成できる。また、灌流回数または満液回数を調節することにより、残留CO濃度をコントロ−ルすることも可能である。
【0039】
−18℃近辺で冷凍・貯蔵中のマグロ肉の褐変の抑制は、主として、スモーク中の一酸化炭素(CO)によって行われるものである。
すなわち、2価の鉄イオンを含んだ還元型MbへのCOの結合(配位)によりOの配位が著しく抑制され(還元型Mbに対するCOの親和力はOの20倍以上)、それにより2価から3価への鉄の酸化(褐変)が抑えられる。スモーク中の一酸化炭素濃度が高く、それによってマグロ中の残留CO濃度が高くなるほど褐変抑制効果は大きい。
【0040】
但し、残留CO濃度が高すぎると、処理したマグロが不自然な鮮紅色を呈するとともに、解凍後鮮やかな赤い色が長時間保たれる(褐変は起こらない)という不都合を生じるので、上記マグロ肉中の残留CO濃度を2400μg/kg以下に設定する必要があり、また、冷凍マグロの流通を考慮に入れ、−18℃近辺で冷凍中の褐変抑止期間が2.5〜3.5ケ月になるようにするには上記マグロ肉中の残留CO濃度を1100μg/kg以上(より望ましくは1500μg/kg以上)に設定する必要がある。
上記スモーク処理に伴う、防腐、殺菌、風味向上等の効果の付与は、スモーク中のCO以外の微量成分によって初めて可能である。
【0041】
上記実施例ではマグロの全身血管系に処理液を供給してラウンドマグロの保存処理を行っているが、本発明は必ずしもこの実施例に限定されるものではなく、上記マグロの全身血管系に処理液を供給する保存処理方法に、マグロの表皮と筋肉との間の表皮下層にスモ−クガスを圧入する方法及び/またはマグロの脊髄の背側及び腹側の脊動脈へスモ−クガスを圧入する方法を併用することができる。
【0042】
更に詳述すると、上記マグロの表皮と筋肉との間の表皮下層にスモ−クガスを圧入する方法は、丸(ラウンド)のマグロには表皮がついていることを逆に利用して、表皮と筋肉との間の表皮下層にスモ−クガスを圧入するものであり、上記気嚢あるいは適宜容器に収納されたスモークをスモーク打込機(図示せず)のスモーク供給口に接続し、該スモーク打込機のスモ−ク注入針を上記マグロの表皮と筋肉との間の表皮下層に挿入し、該スモ−ク注入針を介して該表皮下層に上記スモ−クガスを圧入するものである。
上記スモ−クガスの注入はマグロの頭部、尾部および腹部から行うことができ、それにより、表皮下層に圧入されたスモ−クガスは、マグロ肉中に拡散し、マグロ肉中に配位、溶解する。すなわち、この方法により、表皮下層から肉中へスモ−クガスを(ラウンドマグロの外側から内側に向かって)拡散させることができる。
【0043】
上記マグロの脊髄の背側及び腹側の脊動脈へスモ−クガスを圧入する方法は、脊髄の背側(延髄)及び腹側に脊髄に沿って存在する背動脈に上記スモ−クガスを圧入するものであり、上記スモーク打込機のスモ−ク注入針を上記マグロの脊髄の背側及び腹側の脊動脈へ挿入し、該スモ−ク注入針を介して該脊動脈へ上記スモ−クガスを圧入する。該マグロの延髄及び脊髄腹側の背動脈に圧入されたスモ−クガスは、それぞれ脊髄の背側及び血合い部分を通して腹側に拡散し、脊髄の背と腹の両側の肉中に配位、溶解する。この方法もマグロ肉へのスモ−クガスの配位、溶解には効果的である。
なお、上記マグロの表皮と筋肉との間の表皮下層にスモ−クガスを圧入する方法及び上記マグロの脊髄の背側及び腹側の脊動脈へスモ−クガスを圧入する方法は、死んだラウンドマグロにも施すことができる保存処理方法である。
【0044】
上記マグロの全身血管系に処理液を供給する保存処理方法に、マグロの表皮と筋肉との間の表皮下層にスモ−クガスを圧入する方法及び/またはマグロの脊髄の背側及び腹側の脊動脈へスモ−クガスを圧入する方法を併用した場合には、上記スモ−ク注入針を介して上記マグロへ供給するスモ−クガスのCO濃度及び供給量、並びに上記マグロへ供給する上記処理液のCO濃度及び供給量をそれぞれ調整することにより、該マグロ肉中の残留CO濃度が1100〜2400μg/kg(より望ましくは1500〜2400μg/kg)となるようにする。
【0045】
本発明のラウンドマグロの保存処理方法によれば、ラウンドマグロに対し、実質的に生の状態を保持させながらも、スモークの利用により防腐、殺菌効果を付与し、−18℃近辺での冷凍温度においても十分にマグロ肉中の各成分の劣化や変性を抑えることができ、鮮魚で輸送されるラウンドマグロの鮮度保持とメト化抑制を同時に可能にする。
本発明の方法により保存処理がなされたラウンドマグロは、−18℃近辺での通常の冷凍保存をしながら消費地に輸送されるが、長期間にわたる流通のための冷凍輸送中の品質保持と冷凍中の褐変抑止期間のマグロ肉のメト化防止を、−60℃といった高価な超低温冷凍設備でなく、−18℃程度の安価な冷凍設備で達成できるので、省エネルギーになると共に経済的である。
なお、−60℃の超低温冷凍設備は、アメリカ、ヨーロッパ等日本以外の国々には現在設置されていない。
【0046】
また、本発明の方法によればラウンドマグロの残留CO濃度を短時間で均一にすることができ、解凍後のスモーク処理マグロ肉のメト化を無処理マグロ肉のメト化とほぼ同様にすることができるため、消費者が鮮度等を見誤ることのないマグロの保存処理を行うことができる。しかも、残留CO濃度を調整することにより、解凍後のメト化が起こる期間を7日間とか9日間のように自由に調整でき、これらによって、均一な残留CO濃度で品質の優れたラウンドマグロの保存処理を行うことが可能になる。
【0047】
【発明の効果】
以上に詳述したように、本発明の方法によれば、実質的に生の状態を保持させながら、防腐、殺菌効果を付与し、−18℃の冷凍温度においても十分にマグロ肉中の各成分の劣化や変性を抑えることができ、長期間にわたる流通のための冷凍輸送中の品質保持を可能にすると共に、冷凍中の褐変抑止期間はマグロ肉のメト化を防止し、解凍後は無処理マグロ肉の色の経時変化と同様にマグロ肉の色が変化するところの、マグロの保存処理方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法において所期の成分のスモークを発生させるために用いるスモーク発生機構を示す図である。
【符号の説明】
1 スモーク発生機構
5 ホッパー
6 スクリュウ式移送手段
9 気液分離筒
11 スモーク濾過装置(脱臭塔)

Claims (7)

  1. 生きたマグロまたは死後直後で血栓ができる前のマグロの大動脈からまず血液凝固阻止液を供給すると共に該マグロの大静脈から血液を流出させ、
    次いで、燻材を燻すことにより発生したCOガスを含むスモークを含有させた処理液を上記大動脈から供給することによりマグロ全体の血管に該処理液を灌流する方法であって、
    上記処理液が、上記スモークを溶解したクエン酸ナトリウム水溶液から成る第1の処理液と、上記スモークを溶解した還元液、鮮度保持液またはエマルジョンから成る第2の処理液と、スモークガスを配位または溶解した人工血液から成る第3の処理液とから成り、
    該第3の処理液を上記マグロの大動脈から供給した後に、該第1の処理液及び第2の処理液を上記マグロの大動脈から順次供給する、
    ことを特徴とするラウンドマグロの保存処理方法。
  2. 上記マグロの心臓を切ってその一方の心室の大動脈に管を挿入し該管から上記血液凝固阻止液や上記処理液を流し込み、該心臓の他方の心室の大静脈に管を挿入し該管から上記血液を流出させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のラウンドマグロの保存処理方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法において、上記マグロの表皮と筋肉との間の表皮下層にスモーク注入針を挿入し、該スモーク注入針を介して該表皮下層に上記スモークガスを圧入する方法を併用する、
    ことを特徴とするラウンドマグロの保存処理方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法において、上記マグロの脊髄の背側及び腹側の脊動脈へスモーク注入針を挿入し、該スモーク注入針を介して該脊動脈へ上記スモークガスを圧入する方法を併用する、
    ことを特徴とするラウンドマグロの保存処理方法。
  5. 請求項1または2に記載の方法において、上記スモークがスモーク成分及びCO濃度が適量に調整されたスモークであり、上記処理液が該スモークの含有量を調整することにより処理液中のCO濃度を調整可能であり、上記マグロへ供給する上記処理液のCO濃度及び供給量を調整することにより、上記マグロ肉中の残留CO濃度を、1100〜2400μg/kgとする、
    ことを特徴とするラウンドマグロの保存処理方法。
  6. 請求項3または4に記載の方法において、上記スモークがスモーク成分及びCO濃度が適量に調整されたスモークであり、上記処理液が該スモークの含有量を調整することにより処理液中のCO濃度を調整可能であり、上記スモーク注入針を介して上記マグロへ供給するスモークガスのCO濃度及び供給量、並びに上記マグロへ供給する上記処理液のCO濃度及び供給量をそれぞれ調整することにより、上記マグロ肉中の残留CO濃度を、1100〜2400μg/kgとする、
    ことを特徴とするラウンドマグロの保存処理方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の方法において、保存処理された上記ラウンドマグロを−18℃近辺で冷凍保存する、
    ことを特徴とするラウンドマグロの保存処理方法。
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