JP2020063752A - ケーブルアッセンブリ - Google Patents
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Abstract
Description
操作用ケーブルは、操作側で繰返しの操作ができるように、引き操作によって移動したケーブルを元の位置に戻すためのスプリングも操作用ケーブルに用いられることが多い。また、操作用ケーブルは、操作側へ操作力を伝達するために、操作側から操作対象までの配索経路に固定されるのが通常である。
このような固定においては、他の部材との干渉を避けるためのアウターケーシングの端部が、固定対象となるブラケットに固定される。
このような固定構造としては、例えば、特許文献1においてナットを用いてアウターケーシング(導管)の先端に設けられたキャップをブラケットに固定する構造が開示されている。
本発明は、簡単な構造で容易にキャップをブラケットに固定することができるケーブルアッセンブリを提供することを課題とする。
即ち、本発明のケーブルアッセンブリによれば、簡単な構造で容易にキャップ部材(キャップ)をブラケットに固定することができる。
なお、以下の説明に関しては便宜上、図1乃至図6中に示した矢印の方向によって、ケーブルアッセンブリ1の上下方向、前後方向、及び左右方向を規定して記述する。
先ず、ケーブルアッセンブリ1の全体構成について、図1乃至図4を用いて説明する。
本実施形態におけるケーブルアッセンブリ1は、操作側で引き操作を行うことによって、操作対象に操作力を伝達する操作用ケーブルであって、操作側で繰返しの操作ができるように、引き操作によって移動したケーブルを元の位置に戻すための付勢部材7(コイルスプリング)が設けられたものである。
このようなケーブルアッセンブリ1の一例として、例えば図1に示すように、フューエルリッドによって開閉可能に閉塞された燃料供給部F内において、燃料タンクに繋がる燃料供給口F1に隣接して設けられ、当該燃料タンクの近傍に配置される尿素タンクの供給扉Pの開閉動作を操作するものが挙げられる。
インナーケーブル2の一端部(本実施形態においては、前端部)には、インナーケーブル2に比べて断面積が大きな短柱形状の第一ケーブルエンド21、及び第一ケーブルエンド21の他端部(本実施形態においては、後端部)側において、第一ケーブルエンド21と離間して配置される取付座22が固定されている。
また、第一座22aを介して、インナーケーブル2は付勢部材7と接続される。
なお、インナーケーブル2の他端部の構成については、本実施形態に限定されることはなく、例えば鋳込みや加締めにより固定されたエンド部材や、貫通孔を有する金具等を設け、操作対象との嵌合や締結部材を用いて操作対象と接続するなど、何れの構成を有することとしてもよい。
アウターケーシング3は、インナーケーブル2を保護するための部材である。
アウターケーシング3は、インナーケーブル2の外径に比べて大きな内径を有する管状の部材からなる。また、アウターケーシング3の全長は、インナーケーブル2の全長に比べて短くなるように設定されている。
また、アウターケーシング3の他端部(本実施形態においては、後端部)は、前端部と同様に他端用のキャップ部材に接続してもよく、例えば、操作対象の近傍に設けられる支持部材Qなどに固定される。
キャップ部材4は、インナーケーブル2が挿通されたアウターケーシング3の端部に設けられ、ブラケット5に固定される。
キャップ部材4は、図2(a)に示すように、キャップ本体41を有する。キャップ本体41は、付勢部材を内部に収容する収容空間が設けられ、内側に付勢部材を収容可能に構成されている。またキャップ本体41は、長さを有し、筒状を呈していて、本実施形態では略円筒状であるが、角筒状でもよく、取付相手であるブラケット5に応じて適宜形状を設定することができる。キャップ本体41は、一端部(本実施形態においては、アウターケーシング3が接続する側とは反対側の端部)には、係合部42とガイド部43が設けられている。また、キャップ本体41は、他端部(本実施形態においては、アウターケーシング3が接続する側の端部)に突出部44が設けられている。
キャップ部材4は、例えば熱可塑性樹脂などによって、これらのキャップ本体41、係合部42、ガイド部43、及び突出部44が一体成形された構成からなり、外力によって係合部42が弾性変形可能な構成となっている。
なお、係合部42及びガイド部43の詳細な構成については、後述する。
また、第一底壁部41bには、内側空間45に面する底面側との反対側(本実施形態においては後側)に、アウターケーシング3が延びる方向に向かって突出する突出部44が設けられている。
また、嵌合穴44aの底面(本実施形態においては、嵌合穴44a内の前端側の面)には、嵌合穴44aと同軸上、且つキャップ本体41の収容空間45と連通する貫通孔44bが設けられる。貫通孔44bは、キャップ本体41の内側に、キャップ部材4の外部からキャップ本体41の軸方向にインナーケーブル2が延びるように導入する。貫通孔44bは、インナーケーブル2が摺動自在となるように設けられている。
また、アウターケーシング3に挿通されたインナーケーブル2の前端部は、キャップ本体41の内側空間45内に第一ケーブルエンド21及び取付座22が設けられ、内側空間45内に配置される。なお、第一ケーブルエンド21と取付座22とは相対移動が不能な状態で設けられ、本実施形態においては第一ケーブルエンド21と取付座22とは固定されている。
これにより、インナーケーブル2が挿通されたアウターケーシング3は、キャップ部材4を介してブラケット5に固定される。
ブラケット5は、ケーブルアッセンブリ1を車体等の基体における所定の部位に固定するための部材であり、例えば一つの用途として、車体に設けられた燃料供給部Fを構成する内壁F2にケーブルアッセンブリ1を固定する。
また、ブラケット5は、キャップ部材4が固定され、操作レバー6を移動可能に支持する。
なお、図1に示すように、本実施形態においては、内壁F2に沿って湾曲した略板状に取付面52が構成されるが、これに限定されることはなく、内壁F2に対してソケット部51を堅固に固定可能な構成である限り、何れのような構成であってもよい。取付面52は、内壁F2の表面と当接可能な面を有する構成として認識できればよい。
収容穴53は、開口を有する有底の穴として設けられており、収容穴53の一端部(本実施形態においては、前端部)には、第二底壁部51aが設けられている。第二底壁部51aには、操作レバー6のロッド61が貫通可能な貫通孔54が設けられる。一方、収容穴53の他端部(本実施形態においては、後端部)は開口されている。収容穴53の他端部の開口は、キャップ部材41が貫通可能な径を有している。
なお、被係合部55は、収容穴53の内部に設けられ、キャップ部材4の係合部42と係合してキャップ部材4がブラケット5から離間するのを抑制する。
操作レバー6は、図1に示すように、インナーケーブル2を介して、操作対象を引き操作するための部材である。
例えば、本実施形態においては、操作レバー6の引き操作によってインナーケーブル2を牽引することにより、操作対象である尿素タンクの供給扉Pが移動して開状態となる。
一方、上述したブラケット5のソケット部51に設けられる貫通孔54は、ロッド61の断面形状と略同等の断面形状に設定されている。
また、キャップ部材4は、ブラケット5のソケット部51における収容穴53内に挿入され、堅固に支持された状態となっている。
付勢部材7は、操作レバー6を介してインナーケーブル2を付勢する。
図1に示すように、付勢部材7は、本実施形態においては、コイルスプリングにより構成され、ロッド61と略同軸となる位置に配置され、ブラケット5の第二底壁部51a及びインナーケーブル2の取付座22によって挟持されている。
ロッド61は、コイルスプリングである付勢部材7の内側空間71に挿通される。
つまり、付勢部座7は、後端側の端部が第二座22bを付勢することにより、取付座22が付勢部材7の付勢力によって移動して、操作レバー6とインナーケーブル2とを移動させることができる。
次に、キャップ部材4及びブラケット5の係合構造について、図2、図3、図5、及び図6を用いて説明する。
前述したように、キャップ部材4をブラケット5に接続する場合において、キャップ部材4の係合部42及びブラケット5の被係合部55は、互いに係合しあって係合構造を構成し、キャップ部材4が、ブラケット5に固定される。
このような係合構造を構成する、キャップ部材4の係合部42、及びブラケット5の被係合部55の構成について、以下に説明する。
図2(c)に示すように、キャップ本体41の前端部には、キャップ本体の軸方向に対して垂直方向となる方向の一方(左右方向)に対向して配置される一対の係合部42・42が設けられ、キャップ本体の軸方向に対して垂直方向となる方向の他方(上下方向)に対向して配置される一対のガイド部43・43が設けられている。
また、第二弾性爪42Bは、第一弾性爪42Aの下方に配置され、前方に向かって延びる第二支持部42B1、及び第二支持部42B1の先端部(前端部)において上方に突出する第二突出部42B2により構成される。
さらに、これらの第一弾性爪42A及び第二弾性爪42Bは、図2(c)に示すように、前方から見て、キャップ本体41の断面形状に即した湾曲形状に、各々形成されている。
また、各ガイド部43は、図2(c)に示すように、前方から見て、キャップ本体41の断面形状に即した湾曲形状に、各々形成されている。
その結果、キャップ部材4の係合部42が、ブラケット5の被係合部55に係合する際、当該係合部42の弾性変形をより容易に行うことができる。
図3(c)に示すように、ブラケット5において、ソケット部51の内周面51bには、左右方向に対向して配置される一対の被係合部55・55が設けられている。
また、各被係合部55において、接触端面55a側との反対側、即ち後側には、後方に向かって「L」字形状に屈曲された平面からなるガイド面55cが設けられる。
具体的には、図6(a)に示すように、収容穴53に挿入されたキャップ部材4は、第一弾性爪42Aの第一突出部42A2、及び第二弾性爪42Bの第二突出部42B2において、被係合部55のガイド面55cと当接される。
これにより、第一弾性爪42A及び第二弾性爪42Bの弾性変形は一旦停止することとなり、これらの第一弾性爪42A及び第二弾性爪42Bは、第一突出部42A2及び第二突出部42B2を介して、被係合部55を挟持した状態にて一時的に保持される。
つまり、キャップ部材4の係合部42は、ブラケット5の被係合部55によって、第一弾性爪42A及び第二弾性爪42Bが上下方向に開口された状態(以下、「変形状態」と記載する)に弾性変形される。
以上のように、本実施形態におけるケーブルアッセンブリ1は、インナーケーブル2と、インナーケーブル2が挿通するアウターケーシング3と、アウターケーシング3の端部(前端部)に設けられるキャップ部材4と、キャップ部材4が係合するブラケット5と、インナーケーブル2を付勢する付勢部材7とを備えたケーブルアッセンブリ1であって、キャップ部材4は、付勢部材7を内部に収容する内側空間45(収容空間)を有する筒状のキャップ本体41と、ブラケット5と係合する係合部42とを有し、ブラケット5は、キャップ部材4の係合部42と係合する被係合部55を有し、付勢部材7は、取付座22の第一座22aを介してインナーケーブル2と接続する接続部を有し、キャップ部材4の係合部42は、キャップ本体41の周回り方向に変形して、定常状態と変形状態とに遷移し、キャップ部材4の係合部42が変形状態から定常状態となることで、キャップ部材4の係合部42とブラケット5の被係合部55とが係合する構成となっている。
一方、ケーブルアッセンブリ1における操作レバー6側に付勢部材7を配置する場合、操作レバー6とブラケット5との間に付勢部材を配置することも考えられるが、構造が複雑化し、部品点数も増えて大きな構成となる。
本実施形態におけるケーブルアッセンブリ1によれば、キャップ部材4の係合部42が、キャップ本体41の周回り方向に変形して、定常状態と変形状態とに遷移するように構成されているため、弾性変形する際の係合部42と干渉することなく、キャップ本体41の内側空間45(収容空間)内に付勢部材7を収容することが可能となり、ケーブルアッセンブリ1をよりコンパクトに構成することができる。つまり、係合部42がキャップ部材4の径方向に移動をすることがないので、係合部42が径方向に変形した場合に係合部42がソケット部51に干渉することを防止するためのソケット部51とキャップ本体41との間のスペースを設けたり、係合部42が付勢部材7と干渉することを防止するための付勢部材7の外周とキャップ本体41の内周との間のスペースを設ける必要がない。
即ち前述したように、キャップ部材4の収容空間45(収容空間)内においては、付勢部材7の他に、操作レバー6のロッド61やインナーケーブル2の取付座22が配置されるところ、コイルスプリングからなる付勢部材7の内側空間71にロッド61を挿通することにより、ロッド61の外周側における限られたスペースを利用して、容易に付勢部材7を組付けることができる。また、操作側に付勢部材7が用いられているので、操作対象側に付勢部材を用いるスペースがなくても、コントロールケーブルアッシーとして状態を元に戻すこともできる。
2 インナーケーブル
3 アウターケーシング
4 キャップ部材
5 ブラケット
6 操作レバー
7 付勢部材
8 シール部材
21 第一ケーブルエンド
22 取付座
22a 第一座
22b 第二座
23 第二ケーブルエンド
41 キャップ本体
41a 内周面
41b 第一底壁部
42 係合部
42A 第一弾性爪
42A1 第一支持部
42A2 第一突出部
42B 第二弾性爪
42B1 第二支持部
42B2 第二突出部
43 ガイド部
44 突出部
44a 嵌合穴
44b 貫通孔
45 内側空間(収容空間)
51 ソケット部
51a 第二底壁部
51b 内周面
52 取付面
53 収容穴
54 貫通孔
55 被係合部
55a 接触端面
55b 摺動端面
55c ガイド面
61 ロッド
61a 嵌合穴
62 取手部
71 内側空間
Claims (3)
- インナーケーブルと、前記インナーケーブルが挿通するアウターケーシングと、前記アウターケーシングの端部に設けられるキャップ部材と、前記キャップ部材が係合するブラケットと、前記インナーケーブルを付勢する付勢部材とを備えたケーブルアッセンブリであって、
前記キャップ部材は、前記付勢部材を内部に収容する収容空間を有する筒状のキャップ本体と、前記ブラケットと係合する係合部とを有し、
前記ブラケットは、前記キャップ部材の前記係合部と係合する被係合部を有し、
前記付勢部材は、前記インナーケーブルと接続する接続部を有し、
前記キャップ部材の前記係合部は、前記キャップ本体の周回り方向に変形して、定常状態と変形状態とに遷移し、
前記キャップ部材の前記係合部が変形状態から定常状態となることで、前記キャップ部材の前記係合部と前記ブラケットの前記被係合部とが係合するケーブルアッセンブリ。 - 前記付勢部材が、コイルスプリングである請求項1に記載のケーブルアッセンブリ。
- 前記インナーケーブルの前記キャップ部材側の端部がロッドと接続し、
前記ロッドが前記コイルスプリングの内側空間に挿通された請求項2に記載のケーブルアッセンブリ。
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