以下、図面に基づいて本実施の形態に係る「シフト装置」としてのシフトレバー装置10について説明する。なお、図面に適宜示される矢印FRは車両前側を示し、矢印RHは車両右側(車両幅方向一側)を示し、矢印UPは車両上側を示している。
図1〜図6に示されるように、シフトレバー装置10は、「シフト部材」としてのシフトレバー50を備えている。シフトレバー50は、「支持軸」としてのシャフト40(図4では、図示省略)に軸方向を車両幅方向として回転操作可能に支持されると共に、シャフト40を介して「本体部」としてのボディ90に組付けられている。そして、シフトレバー50が車両後側に回転操作されることで、シフトレバー50のシフト位置が、「P」シフト位置(パーキング位置)から「R」シフト位置(リバース位置)、「N」シフト位置(ニュートラル位置)、「D」シフト位置(ドライブ位置)の順に変更されるようになっている。つまり、シフトレバー装置10は所謂ストレート式のシフトレバー装置である。また、ボディ90は、「固定部材」としてのフレーム12の内側に配置されて、フレーム12によって車両に連結されている。以下、それぞれの構成について説明する。
フレーム12は、マグネシウム合金製とされると共に、鋳造成形によって形成されている。このフレーム12は、フレーム12の上部を構成する上フレーム部14と、フレーム12の下部を構成する下フレーム部22と、を含んで構成されている。
上フレーム部14は、上方から見た平面視で略矩形枠状に形成されている。この上フレーム部14の一対の側壁14Aは、側面視で車両前側へ向かうに従い末広がりに形成されると共に、車両前側へ向かうに従い車両下側へ湾曲されている。さらに、上フレーム部14の側壁14Aの内側面は、車両幅方向に対して直交する方向に配置されており、上フレーム部14の板厚は、車両前側へ向かうに従い厚くなるように設定されている。
側壁14Aの車両前側部には、それぞれ凹部16が形成されており、凹部16は、車両上側及び車両幅方向外側へ開放されている。そして、この凹部16の底壁には、それぞれ円形状の固定孔18が車両上下方向に貫通形成されている。
また、側壁14Aには、それぞれ一対の「荷重受部」としての嵌合突起20が一体に形成されており、嵌合突起20は、側壁14Aから対向する側壁14A側(車両幅方向内側)へ突出されている。この嵌合突起20は略直方体状に形成されており、嵌合突起20の下部が側面視で略半円状に湾曲されている。さらに、車両左側の側壁14Aに形成された車両前側の嵌合突起20は、車両右側の側壁14Aに形成された車両前側の嵌合突起20よりも車両前側に配置されている(図2参照)。
下フレーム部22は、平面視で車両前側に開放された略U字形状に形成されており、下フレーム部22の車両前側の端部が、上フレーム部14の側壁14Aに一体に結合されている。これにより、フレーム12は上下方向に開放されている。この下フレーム部22の側壁22Aの内側面は、上フレーム部14の側壁14Aの内側面と面一に配置されている。
また、下フレーム部22の車両後側の角部は、上方から見て上フレーム部14の側壁14Aの車両幅方向外側に突出されており、この角部には、それぞれ円形状の固定孔24が上下方向に貫通形成されている(図2参照)。そして、固定孔18及び固定孔24内にボルト等の締結部材が挿入されて該締結部材を車両に締結させることで、フレーム12が車両に固定されるようになっている。
さらに、下フレーム部22の側壁22Aには、後述するシャフト40を固定するための円形状の貫通孔26が形成されており、貫通孔26は車両幅方向に沿って貫通されている。
また、上フレーム部14の側壁14Aと下フレーム部22の側壁22Aとの間には、一対の柱部28が一体に設けられており、柱部28は側面視で車両下側へ向かうに従い車両前側に傾斜して配置されている。
さらに、図1及び図5に示されるように、上フレーム部14の前側壁14Bは、側面視で車両上側へ向かうに従い車両前側に傾斜して配置されている。この前側壁14Bには、切欠き部30が形成されており、切欠き部30は、車両前側から見た正面視で車両上側へ開放された略U字形状に形成されている。
そして、図4にも示されるように、前側壁14Bの車両後側には、「保持部材」としてのケーブルプレート32が固定されている。このケーブルプレート32は、樹脂により製作されると共に、略板状に形成されている。またケーブルプレート32は、前側壁14Bの内側面に沿って配置されて、フレーム12に形成された嵌合溝(図示省略)に嵌合固定されている。また、ケーブルプレート32には、切欠き部30と重なる部分において、保持溝34が形成されており、保持溝34は、上方へ開放された略C字形状に形成されている。
図1に示されるように、この保持溝34内には、「ケーブル」としてのコントロールケーブル36の取付金具38が嵌入されており、これにより、コントロールケーブル36がケーブルプレート32に保持されている。そして、コントロールケーブル36は、後述するシフトレバー50と車両の変速機とを連結している。
シャフト40は、略円柱形状を成すと共に、フレーム12の貫通孔26と同軸上に配置されて、貫通孔26内に挿通されている。シャフト40の軸方向一端部(車両右側端部)には、略円板状の鍔部42が形成されており、鍔部42は、シャフト40より大径に形成されている。これにより、シャフト40の車両左側への移動が鍔部42によって制限されている。一方、シャフト40の軸方向他端部は、フレーム12から車両左側へ突出されており、この軸方向他端部には、図示しないクリップが組付けられている。これにより、シャフト40がフレーム12に対して移動不能に固定されている。
ボディ90は、樹脂により製作されると共に、フレーム12内に配置されている。ボディ90は、一対のプレート部92を有しており、プレート部92は、略矩形板状に形成されて、板厚方向を車両幅方向にしてボディ90の車両幅方向両側部に配置されている。プレート部92の下部には、円形状の挿通孔94が車両幅方向に沿ってそれぞれ形成されており、挿通孔94内にシャフト40が挿通されている。これにより、シャフト40を介してボディ90がフレーム12に連結されている。
また、プレート部92の上端部には、前述した嵌合突起20に対応する位置において、一対の嵌合溝部96がそれぞれ形成されており、嵌合溝部96は、側面視で車両上側へ開放された略U字形状を成している。そして、嵌合溝部96内に、フレーム12の嵌合突起20が配置されて、嵌合突起20と嵌合溝部96とが嵌合されている。これにより、ボディ90におけるシャフト40の軸回りの回転が制限されて、ボディ90がフレーム12に組付けられている。
このボディ90の内側には、シフトレバー50が配置されており、シフトレバー50は、レバー本体52を有している。レバー本体52は、レバー本体52の下部を構成するベース部54と、レバー本体52の上部を構成するスリーブ部78と、を含んで構成されて、車両幅方向と直交する方向に延びている。
ベース部54は、略ブロック状に形成されており、ベース部54の下端部には、円形状の支持孔56が車両幅方向に沿って貫通されている。この支持孔56の開口部には、略円筒形状のブッシュ58がそれぞれ嵌入されており、ブッシュ58及び支持孔56内に、前述したシャフト40が挿通されている。これにより、シフトレバー50が、ブッシュ58を介してシャフト40に回転可能に支持されると共に、シャフト40を介してボディ90に組付けられている。
ベース部54の上部には、車両前側部において、ケーブル取付部60が一体に形成されており、ケーブル取付部60は、略円板状を成して板厚方向を車両幅方向にして配置されると共に、ベース部54から車両前側に突出されている。このケーブル取付部60には、取付ピン62が一体に形成されており、取付ピン62は略円柱形状を成してケーブル取付部60から車両左側に突出されている。そして、取付ピン62には、コントロールケーブル36の一端部が係止されている。これにより、シフトレバー50が車両の変速機に連結されている。
また、ベース部54の上部には、車両後側部において、後述する節度スプリングユニット66を組付けるためのスプリング組付部64が一体に設けられている。スプリング組付部64は、略板状に形成されており、側面視で車両後側へ向かうに従い車両下側へ傾斜して配置されている。
図1及び図3に示されるように、スプリング組付部64には、節度スプリングユニット66が設けられており、節度スプリングユニット66は、節度スプリング68とローラ70とを含んで構成されている。節度スプリング68は、板バネにより構成されると共に、略長尺板状に形成されている。そして、節度スプリング68の上端部がスプリング組付部64にネジ72によって締結されている。一方、ローラ70は、節度スプリング68の下端部に軸方向を車両幅方向として回転可能に組付けられている。
さらに、図1に示されるように、ベース部54の略中央部には、ディテントスロット74が形成されており、ディテントスロット74は、側面視でシフトレバー50の延出方向を長手方向とした長孔状に形成されて、車両幅方向に貫通されている。
このディテントスロット74内には、略長尺板状の「規制ピン」としてのディテントピン76が長手方向を車両幅方向にして挿入されている。ディテントピン76の長手方向中間部には、上突出片76A及び下突出片76Bが一体に形成されており、上突出片76Aはディテントピン76から車両上側へ延びて、下突出片76Bはディテントピン76から車両下側へ延びている。
一方、スリーブ部78は、円筒状に形成されて、ベース部54から車両上側へ突出されている。このスリーブ部78内には、スライド孔80がスリーブ部78の軸方向に沿って形成されており(図2参照)、スライド孔80は、ベース部54の下端部の手前まで延びると共に、ディテントスロット74に連通されている。
スライド孔80内には、コイルスプリング82が挿入されており、コイルスプリング82は、圧縮コイルバネとして構成されている。このコイルスプリング82の下端部は、スライド孔80の底面に当接されており、コイルスプリング82の上端部にディテントピン76の下突出片76Bが係止されている。
また、スライド孔80内には、略丸棒状のディテントロッド84がスライド可能に挿入されており、ディテントロッド84の下端部にディテントピン76の上突出片76Aが嵌入されている。これにより、ディテントロッド84及びディテントピン76はコイルスプリング82の付勢力によってスリーブ部78の上端側へ付勢されている。そして、ディテントスロット74の上端部または下端部にディテントピン76が当接されることで、ディテントロッド84及びディテントピン76の上下方向への移動が制限されている。
また、図3に示されるように、シフトレバー50は、シフトノブ86を有しており、シフトノブ86は、スリーブ部78の上端部に固定されている。このシフトノブ86には、「操作部」としてのシフトボタン88が設けられている。このシフトボタン88は、スリーブ部78の軸方向に移動可能に構成されると共に、ディテントロッド84の上端部に当接されている。そして、シフトボタン88がスリーブ部78の下端側へ押圧操作されることで、コイルスプリング82の付勢力に抗してディテントロッド84(ディテントピン76)がスリーブ部78の下端側へ移動されるようになっている(以下、この位置を「リリース位置」という)。一方、シフトボタン88の押圧操作を解除することで、コイルスプリング82の付勢力によってディテントピン76が移動されて、ディテントピン76が後述するディテント溝100に係合されるようになっている(以下、この位置を「ロック位置」という)。
一方、図1に示されるように、前述したボディ90のプレート部92における略中央部には、ディテント孔98が貫通形成されている。このディテント孔98は、車両前後方向において一対の嵌合溝部96の間に配置されており、ディテント孔98内にディテントピン76の車両幅方向両側部が配置されている。
ディテント孔98の上部には、「溝部」としてのディテント溝100が形成されており、ディテント溝100は、シフトレバー50の「P」シフト位置、「R」シフト位置、「N」シフト位置、「D」シフト位置に対応して、側面視で凹凸状に形成されている。そして、シフトレバー50が「P」シフト位置に配置された状態では、ディテントピン76がディテント溝100の「P」シフト位置に対応する溝に係合されて、シフトレバー50の回転操作が制限されるようになっている。また、シフトボタン88を押圧操作して、ディテントピン76をリリース位置へ移動させることで、ディテント溝100の「P」シフト位置に対応する溝とディテントピン76との係合が解除されてシフトレバー50の回転操作が許可されるように構成されている。
また、図1及び図5に示されるように、車両右側に配置されたプレート部92には、一対の係止爪102が形成されており、係止爪102はプレート部92から車両左側へ突出されている。この係止爪102の間には、P位置検出スイッチ104が設けられており、P位置検出スイッチ104は、係止爪102に係止されると共に、車両の制御部(図示省略)に電気的に接続されている。そして、シフトレバー50が「P」シフト位置に回転操作されて、ディテントピン76がロック位置に移動されると、ディテントピン76にP位置検出スイッチ104が押されるようになっている。
また、図1に示されるように、ボディ90には、一対のプレート部92の間にフロント連結部106が形成されている。このフロント連結部106には、後述するソレノイド120を収容するためのソレノイド収容部108が形成されており、ソレノイド収容部108の底面は、車両上下方向に対して直交する方向に配置されている。また、ソレノイド収容部108の底壁には、ソレノイド係止爪110が一体に形成されており、ソレノイド係止爪110は上下方向に弾性変形可能に構成されている。また、ソレノイド係止爪110の先端部には、フック部112が形成されている。さらに、ソレノイド収容部108の周壁114には、車両幅方向両側部において、スライド溝116がそれぞれ形成されており、スライド溝116は車両幅方向内側に開放されると共に、車両前後方向に沿って延びている。
ソレノイド収容部108には、ソレノイド120(広義には、「シフトロック機構」として把握される要素である)が収容されており、ソレノイド120は車両の制御部に電気的に接続されている。ソレノイド120は略矩形筒状のケース122を備えており、ケース122は車両幅方向外側に開放されている。ケース122の底壁には、車両幅方向両側部において、係合片124が形成されており(図1では、車両左側の係合片124のみ図示されている)、係合片124はケース122から車両幅方向外側へ突出されている。そして、ケース122の係合片124がスライド溝116内に挿入されると共に、ケース122がソレノイド係止爪110のフック部112に係合されて、ソレノイド120がボディ90に組付けられている。
このケース122内には、略円柱状のソレノイド本体126が設けられている。このソレノイド本体126の軸線方向一端部(車両後側の端部)には、プランジャ126Aが設けられており(図2参照)、プランジャ126Aはソレノイド本体126から車両後側へ突出されている。このプランジャ126Aには、一対のシフトロックプレート128が設けられている。このシフトロックプレート128の車両後側端部には、上下方向に延びるアーム部130が形成されている。
そして、シフトレバーが「P」シフト位置に配置されて、ディテントピン76にP位置検出スイッチ104が押されることで、P位置検出スイッチ104がON状態にされて、ソレノイド120が作動されるようになっている。この場合には、プランジャ126A及びシフトロックプレート128が車両後側へ移動されて、アーム部130がディテントピン76の真下に配置されるようになっている。これにより、シフトボタン88の押圧操作がソレノイド120によってロック(阻止)されるように構成されている。一方、乗員が車両のフットブレーキを踏み込むことで、プランジャ126A及びシフトロックプレート128が車両前側へ移動されて、シフトボタン88の押圧操作が許可されるように構成されている。
さらに、図3及び図6に示すように、ボディ90には、一対のプレート部92の間でかつフロント連結部106の車両後側において、節度プレート132が一体に形成されている。節度プレート132は、略板状に形成されると共に、側面視で挿通孔94を中心とした円弧状に湾曲して配置されている。
節度プレート132の外周部には、車両幅方向中間部において、節度付与部134が一体に形成されている。節度付与部134は、節度プレート132の周方向に沿って延びると共に、節度プレート132の径方向外側へ突出されている。この節度付与部134には、複数(本実施の形態では4つ)の節度溝136が形成されており、節度溝136は側面視でV字形状に形成されて、節度プレート132の径方向外側へ開放されている。この節度溝136は、シフトレバー50の各シフト位置に対応した位置に形成されており、節度溝136内に節度スプリングユニット66のローラ70が配置されている。そして、シフトレバー50が車両前後方向に回転操作されると、ローラ70が節度付与部134上を摺動しつつ隣接する節度溝136へ移動される。この際には、節度スプリング68が弾性変形することで、シフトレバー50に節度感が付与されるように構成されている。
次に本実施の形態の作用及び効果について説明する。
シフトレバー装置10では、シフトレバー50が「P」シフト位置に配置された際には、ソレノイド120のシフトロックプレート128のアーム部130がシフトレバー50のディテントピン76の真下に配置されている。これにより、ディテントピン76のリリース位置への移動(シフトボタン88の押圧操作)がソレノイド120によってロック(阻止)されて、シフトレバー50の回転操作が制限されている。
そして、シフトレバー50が「P」シフト位置に配置された状態でシフトレバー50のシフト位置を変更する際には、乗員が車両のフットブレーキを踏み込むことで、ソレノイド120のプランジャ126A及びシフトロックプレート128が車両前側へ移動される。これにより、ソレノイド120によるディテントピン76(シフトボタン88)に対するロック状態が解除される。
この状態で、シフトボタン88が押圧操作されると、ディテントピン76がリリース位置へ移動されて、シフトレバー50の回転操作が可能となる。そして、シフトレバー50を各シフト位置へ回転操作させて、シフトボタン88に対する押圧操作を解除することで、ディテントピン76がロック位置へ移動されて、ディテントピン76が、各シフト位置に対応するディテント溝100に係合される。これにより、シフトレバー50のシフト位置が変更される。そして、シフトレバー50が回転操作される際には、シフトレバー50のディテントピン76等を介してシフトレバー50の操作荷重がボディ90に作用する。
一方、シフトレバー50を各シフト位置から「P」シフトへ回転操作させるには、シフトボタン88が押圧操作されることで、ディテントピン76がリリース位置へ移動される。そして、シフトレバー50を「P」シフト位置へ配置して、シフトボタン88の押圧操作を解除させる。これにより、ディテントピン76がロック位置へ移動されて、ディテントピン76にP位置検出スイッチ104が押される。
P位置検出スイッチ104がディテントピン76に押されると、ソレノイド120が作動されて、プランジャ126Aが車両後側へ移動されることで、シフトロックプレート128のアーム部130がディテントピン76の真下に配置される。これにより、ソレノイド120によってディテントピン76(シフトボタン88)がロック状態となり、シフトレバー50の回転操作が制限される。
ここで、ボディ90には、嵌合溝部96が形成されており、嵌合溝部96内にフレーム12の嵌合突起20が嵌合されている。このため、ボディ90に作用するシフトレバー50の操作荷重が嵌合突起20(フレーム12)に伝達される。これにより、ボディ90が当該操作荷重をフレーム12に伝達するための荷重伝達部材として作用すると共に、フレーム12が当該操作荷重を受けてシフトレバー装置10の強度を確保する強度部材として作用する。
そして、フレーム12は、マグネシウム合金で形成されている。これにより、例えば、フレーム12を樹脂で形成する場合に比して、フレーム12の強度を強くできるため、フレーム12の強度を維持しつつフレーム12を小型軽量化できる。したがって、シフトレバー装置10を小型軽量化できる。
ところで、一般に、成形品をマグネシウム合金の鋳造成形で形成する際には、成形品を樹脂の射出成型で形成する場合に比して、成形品の寸法精度が悪い。そして、フレーム12は、マグネシウム合金製とされて、鋳造成形によって形成されているため、フレーム12の寸法精度が必要な部位には2次加工が必要になる。
ここで、フレーム12にはケーブルプレート32が組付けられており、ケーブルプレート32の保持溝34にコントロールケーブル36が保持されている。そして、ケーブルプレート32では、コントロールケーブル36の保持溝34からの外れを防止するために、保持溝34の部位を精度良く形成する必要がある。このため、仮に保持溝34をフレーム12に形成すると、寸法精度を必要とする保持溝34に対するフレーム12の2次加工が必要となるが、保持溝34がケーブルプレート32に形成されているため、フレーム12における保持溝34に対する当該2次加工を省略できる。したがって、フレーム12をマグネシウム合金で形成してもフレーム12のコストアップを抑制でき、ひいてはシフトレバー装置10のコストアップを抑制できる。
また、節度付与部134の節度溝136内に節度スプリングユニット66のローラ70が配置されている。そして、シフトレバー50が回転操作される際には、ローラ70が節度付与部134上を摺動しつつ隣接する節度溝136に移動される。これにより、シフトレバー50が各シフト位置に移動される際に、節度スプリングユニット66の節度スプリング68が弾性変形することで、シフトレバー50に節度感が付与される。すなわち、節度付与部134では、節度溝136の位置とシフトレバー50のシフト位置とを対応させる必要があるため、節度溝136の部位を精度よく形成する必要がある。
ここで、節度付与部134はボディ90に形成されている。このため、マグネシウム合金で形成されたフレーム12に節度付与部134を形成する必要がないため、シフトレバー装置10のコストアップを一層抑制できる。つまり、仮に節度付与部134をフレーム12に形成すると、寸法精度を必要とする節度溝136に対するフレーム12の2次加工が必要になるが、フレーム12に節度付与部134を形成することで、当該2次加工を省略できる。
さらに、シフトレバー50が各シフト位置に回転操作された際には、シフトレバー50のディテントピン76はボディ90のディテント孔98に形成されたディテント溝100に係合される。このため、ディテント溝100の位置とシフトレバー50のシフト位置とを対応させる必要があるため、ディテント溝100を精度よく形成する必要がある。
ここで、上述したようにディテント溝100はボディ90に形成されている。これにより、ディテント溝100をフレーム12に形成する必要がないため、シフトレバー装置10のコストアップをより一層抑制できる。つまり、仮にディテント溝100をフレーム12に形成すると、寸法精度を必要とするディテント溝100に対するフレーム12の2次加工が必要になるが、ボディ90にディテント溝100を形成することで、当該2次加工を省略できる。
また、上述したように、フレーム12がマグネシウム合金で形成されると共に、シフトレバー装置10として寸法精度が必要な部位がボディ90やケーブルプレート32に設けられている。このため、例えば、各種車両の変速機に対応してボディ90を変更することで、小型軽量化されたシフトレバー装置10を各種の車両に容易に対応させることができる。
また、嵌合溝部96(嵌合突起20)がディテント溝100に対して車両前側及び車両後側に各々配置されている。すなわち、シフトレバー50が回転操作される際には、主にディテントピン76を介してボディ90に操作荷重が作用するため、一対の嵌合溝部96(嵌合突起20)間で、ボディ90に作用する操作荷重をフレーム12へ伝達できる。これにより、フレーム12が、ボディ90に作用するシフトレバー50の操作荷重を効率よく受けることができる。
さらに、嵌合溝部96は、車両上側へ開放されて、嵌合溝部96内に嵌合突起20が嵌合されている。これにより、ボディ90をフレーム12の車両下側から挿入させて、嵌合溝部96内に嵌合突起20を嵌合させつつ、シャフト40を貫通孔26及び挿通孔94内に挿入させることで、ボディ90をフレーム12に容易に組付けできる。これにより、ボディ90のフレーム12に対する組付性を向上できる。
なお、本実施の形態では、ケーブルプレート32が樹脂で形成されているが、ケーブルプレート32を板金のプレス加工によって形成してもよい。
また、本実施の形態では、ケーブルプレート32がフレーム12に嵌合固定されているが、ケーブルプレート32を接着等によってフレーム12に固定させてもよい。