以下、図面を参照して、キュベット搬送装置及び自動分析装置の実施形態について詳細に説明する。なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る自動分析装置100について、図1を用いて説明する。図1は、第1の実施形態に係る自動分析装置100の構成の一例を示す上面図である。
図1に示すように、自動分析装置100は、キュベット搬送装置10と、測光ユニット50と、貯留ユニット60とを備える。貯留ユニット60は、投入された複数のキュベット70を貯留する。
ここで、貯留ユニット60に貯留されたキュベット70について、図2を用いて説明する。図2は、それぞれ、第1の実施形態に係る自動分析装置100で用いられるキュベット70の斜視図である。
図2に示すように、キュベット70は、上面が開口した有底円筒状の部材である。キュベット70は、胴体部70a、頂部70b及びフランジ70cを有する。
胴体部70aは、上面が開口した有底円筒状の部材である。胴体部70aには、4つの測光部位70fが形成されている。4つの測光部位70fは、平面形状であり、4つの測光部位70fのうちのいずれか1つの測光部位70fには、後述の測光ユニット50からの光が照射される。
フランジ70cは、円環状の部材であり、胴体部70aの開口70c1側に設けられる。また、フランジ70cの外径は、胴体部70aの外径よりも大きい。
頂部70bは、中空の角筒状の部材であり、4つの平面70eを有する。4つの平面70eは、フランジ70cの上面に立設している。4つの平面70eは、それぞれ、4つの測光部位70fに対応するように設けられている。また、上面視において、頂部70bの形状は略角型である。
図2に示すキュベット70は、キュベット搬送装置10により貯留ユニット60から測光ユニット50に搬送される。
図1に示すように、キュベット搬送装置10は、供給ユニット11と、移送ユニット12と、回転整列機構13と、挿入機構14とを備える。ここで、図1において、供給ユニット11、移送ユニット12の一部の図示が省略されている。
図3A、図3Bは、第1の実施形態に係る自動分析装置100のキュベット搬送装置10の供給ユニット11及び移送ユニット12の構成の一例を示す側面図である。供給ユニット11は、貯留ユニット60に貯留されているキュベット70を、供給先のユニットである移送ユニット12に供給する。
図3Aに示すように、供給ユニット11は、供給用レール11a、11bを備える。供給用レール11a、11bは、上昇前の位置(基準の位置)において、貯留ユニット60(図1)内に設けられている。供給用レール11a、11bは、キュベット70を整列させるために、所定距離だけ離間して配置されている。ここで、所定距離は、キュベット70のフランジ70cよりも小さく、キュベット70の胴体部70aの外径よりも大きい距離である。例えば、キュベット70の胴体部70aが供給用レール11aと供給用レール11bとの間に配置されている場合、キュベット70は、供給用レール11a、11bに整列されている。
ここで、図示しないが、貯留ユニット60は、すり鉢形状であり、貯留ユニット60の底面の中央部には、供給用レール11a、11bが上昇可能となるように、スリットが形成されている。上面視において、そのスリットと供給用レール11a、11bとの隙間にキュベット70が落下しないように、その隙間は、キュベット70の胴体部70aの外径よりも小さい。
供給ユニット11は、更に、駆動部を備える。駆動部は、貯留ユニット60内で供給用レール11a、11bを上昇させることにより、供給用レール11a、11bに整列されたキュベット70を移送ユニット12に供給する。例えば、駆動部は、図3Aに示すように、支持部材11cと、回動軸11dと、モータ及びアクチュエータなどの駆動機構とを備える。
図3Aに示すように、支持部材11cは、供給用レール11a、11bを支持する部材である。回動軸11dは、支持部材11cの一端部に設けられている。例えば、駆動機構は、回動軸11dを中心に、支持部材11cを、基準の位置に対して、角度θ1だけ回転させることで、供給用レール11a、11bを上昇させる。この場合、供給用レール11a、11bの向きは、水平方向に対して、角度θ1だけ傾き、供給用レール11a、11bは、始端から終端まで下方に傾斜する。
そして、駆動機構は、回動軸11dを中心軸に、支持部材11cを、基準の位置に対して、角度θ1よりも大きい角度θ2だけ回転させることで、供給用レール11a、11bを更に上昇させる。この場合、供給用レール11a、11bの向きは、水平方向に対して、角度θ2だけ傾き、供給用レール11a、11bは、更に、始端から終端まで下方に傾斜する。
このように、駆動機構は、支持部材11cが基準の位置に対して角度θ2だけ回転することで、供給用レール11a、11bを、矢印80が示す円周方向に上昇させる。駆動機構は、供給用レール11a、11bを上昇させる動作を行った後は、上昇前の元の位置(基準の位置)に復帰するために、供給用レール11a、11bを下降させる動作を行う。
図3A、図3Bに示すように、移送ユニット12は、移送用レール12a、12bを備える。移送用レール12a、12bは、キュベット70を整列させるために、所定距離だけ離間して配置されている。ここで、所定距離は、供給用レール11a、11bに設けられた所定距離と同じである。すなわち、所定距離は、キュベット70のフランジ70cよりも小さく、キュベット70の胴体部70aの外径よりも大きい距離である。移送用レール12a、12bの向きは、水平方向に対して、常に、角度θ2だけ傾いており、移送用レール12a、12bは、常に、始端から終端まで下方に傾斜している。
図3Bに示すように、支持部材11cが基準の位置に対して角度θ2だけ回転することで供給用レール11a、11bが上昇し、供給用レール11a、11bの向きが水平方向に対して角度θ2だけ傾いた場合、供給用レール11a、11bの終端と、移送用レール12a、12bの始端とが同じ高さとなり、供給用レール11a、11bに整列されたキュベット70は、矢印81が示す方向にスライドしながら、移送用レール12a、12bに供給される。
図4は、第1の実施形態に係る自動分析装置100の構成の一例を示す側面図である。ここで、図4において、貯留ユニット60、供給ユニット11の図示が省略されている。また、図4において、移送ユニット12、測光ユニット50の一部の図示が省略されている。
移送ユニット12において、移送用レール12a、12bは、供給用レール11a、11bから供給されたキュベット70を、移送先のユニットである回転整列機構13に向けてスライドさせる。具体的には、キュベット70は、キュベット70の自重により、移送用レール12a、12bに沿って回転整列機構13に向けて移動する。
回転整列機構13は、移送用レール12a、12bの終端にスライドされたキュベット70を保持しながら回転することで、キュベット70を所望の向きに整列させる。回転整列機構13は、回転保持機構13aを備える。
回転保持機構13aは、円板状の部材であり、キュベット70を保持しながら回転する。回転保持機構13aには、キュベット70を保持可能な2つの保持ガイドが、回転保持機構13aの周方向に沿って180度分離間して形成されている。すなわち、回転保持機構13aは、キュベット70を複数保持可能である。回転保持機構13aは、鉛直方向と平行な中心軸13bを回転軸として回転する。例えば、回転保持機構13において、キュベット70を保持していない保持ガイドが、移送ユニット12の終端に対向する位置(搬入位置)13yに到達した場合に、移送ユニット12から移送されたキュベット70が上記保持ガイドに嵌め込まれる。そして、回転保持機構13aは、180度回転することにより、搬出位置13zに、上記保持ガイドに嵌め込まれたキュベット70を移動させる。ここで、搬出位置13zとは、例えば、キュベット70を測光ユニット50に運び出すことが可能な位置である。このように、回転保持機構13aは、貯留ユニット60から搬送されたキュベット70を搬入位置13yで保持し、キュベット70を搬出位置13zまで保持しながら回転する。
そして、回転整列されたキュベット70が挿入機構14により測光ユニット50へ挿入されると、回転保持機構13aは、キュベット70を保持していない状態となった保持ガイドが、搬入位置13yに位置するように、更に、180度分回転する。このようにして、回転保持機構13aは、移送ユニット12から移送されるキュベット70を搬入位置13yで次々に保持し、搬出位置13zに移動させる。
挿入機構14は、回転整列機構13によって回転整列された向きのままキュベット70を測光ユニット50に挿入する。例えば、挿入機構14は、回転保持機構13aに保持されたキュベット70が測光可能な向きで搬出位置13zに配置された場合には、キュベット70を測光可能な向きのまま測光ユニット50に挿入する。すなわち、挿入機構14は、キュベット70が搬出位置13zに到達した状態で、回転整列機構13によって回転整列されたキュベット70を測光ユニット50に挿入する。挿入機構14は、押し込み部材14aと駆動部14bとを備える。
押し込み部材14aは、棒状の部材である。押し込み部材14aの長手方向が鉛直方向と一致し、かつ、鉛直方向に移動可能なように押し込み部材14aが挿入機構14の本体に支持される。なお、回転保持機構13aにおける搬出位置13zとは、例えば、挿入機構14の押し込み部材14aを通る線分であって鉛直方向に延びる線分と、回転保持機構13aの上面とが交差する位置である。すなわち、搬出位置13zとは、押し込み部材14aの鉛直方向下側の位置でもある。
駆動部14bは、モータ及びアクチュエータなどの駆動機構を備え、押し込み部材14aを鉛直方向に移動させる。例えば、駆動部14bは、キュベット70が搬出位置13zに移動した場合、押し込み部材14aを鉛直方向下側に移動させる。押し込み部材14aが鉛直方向下側に移動されることで、押し込み部材14aの鉛直下側に配置されたキュベット70が押し込み部材14aにより測光ユニット50側に押し込まれる。
駆動部14bは、キュベット70を押し込むために押し込み部材14aを鉛直方向下側に移動させる動作を行った後は、移動前の元の位置に復帰するために、押し込み部材14aを鉛直方向上側に移動させる動作を行う。
測光ユニット50は、キュベット搬送装置10により搬送されたキュベット70に試料及び試薬を投入し、試料及び試薬の混合液を含むキュベット70に光を照射し、キュベット70を透過した光の光量を測定する。例えば、自動分析装置100が臨床検査用の自動分析装置である場合には、試料として、血液や尿などの生体試料が投入される。そして、測定された光量に基づいて、図示しない分析装置により試料の定量分析が行われる。例えば、分析装置により、測定対象物質の濃度や活性値、又は、変化に要する時間などが分析される。
図1に示すように、測光ユニット50は、保持ユニット51と、分注ユニット52と、測定ユニット53とを備える。
図1、図4に示すように、保持ユニット51は、円板状の部材であり、キュベット70を保持しながら回転する。保持ユニット51には、キュベット70を保持可能な複数の保持ガイドが、保持ユニット51の周方向に沿って形成されている。なお、図1に示す円形の破線は、周方向に形成された複数の保持ガイドに保持された複数のキュベット70を示す。保持ユニット51は、鉛直方向と平行な中心軸51aを回転軸として回転する。
例えば、保持ユニット51の保持ガイドが、上述した搬出位置13zに配置されたキュベット70の鉛直方向下側に位置すると、上述した挿入機構14により、キュベット70が上記保持ガイドに嵌め込まれる。具体的には、図4において、キュベット70が押し込み部材14aにより押し込まれることで、キュベット70の鉛直方向下側に位置する保持ユニット51の保持ガイドに、押し込み部材14aにより押し込まれたキュベット70が挿入される。
そして、図1において、保持ユニット51は、キュベット70を保持したまま、分注ユニット52による試料の分注が可能な位置(試料分注位置86)及び試薬の分注が可能な位置(試薬分注位置87)にキュベット70が配置されるように回転する。そして、保持ユニット51は、分注ユニット52により試料及び試薬が分注されたキュベット70を保持したまま、測定ユニット53による光量の測定が可能な位置(測定可能位置88)にキュベット70が配置されるように回転する。なお、光量の測定が完了したキュベット70は、図示しない取り出し機構により保持ユニット51から取り出されて、廃棄される。
図1において、分注ユニット52は、試料分注位置86に配置されたキュベット70に試料を分注する。その後、分注ユニット52は、試料が分注され、かつ、試薬分注位置87に配置されたキュベット70に試薬を分注する。このように、分注ユニット52は、キュベット70に試料を分注した後に試薬を分注するが、キュベット70に試薬を分注した後に試料を分注するように構成されてもよい。
図1において、測定ユニット53は、試料及び試薬が分注され、かつ、測定可能位置88に配置されたキュベット70に光を照射し、キュベット70を透過した光の光量を測定する。ここで、測定ユニット53の光を出射する光出射部に対して、キュベット70の4つの測光部位70fのいずれかが対向すれば、測光ユニット50により測光されることにより得られた光量に基づいて分析された分析結果の信頼性が、所定の基準以上となる。
以上、第1の実施形態に係る自動分析装置100の全体構成について説明した。かかる構成のもと、第1の実施形態に係る自動分析装置100は、正しく整列されないキュベットを事前に排除することができる。
上述のように、第1の実施形態に係る自動分析装置100のキュベット搬送装置10では、キュベット70を測光ユニット50まで搬送する際に、レールを用いてキュベットを正しく整列させる。例えば、キュベット搬送装置10の供給ユニット11は、貯留ユニット60に貯留されているキュベット70を供給先のユニット(移送ユニット12)に供給する際に、レール(供給用レール11a、11b)を用いてキュベット70を正しく整列させる。しかし、供給ユニット11が供給用レール11a、11bを上昇させる段階で、供給用レール11a、11b上には、供給用レール11a、11bに正しく整列されないキュベット70が存在する場合がある。以降、供給用レール11a、11bに正しく整列されないキュベット70を、不整列キュベット71と記載する。
図5A、図5Bは、不整列キュベット71の一例を説明するための図である。図5Aに示す不整列キュベット71では、その胴体部70aが、供給用レール11a、11bにほぼ平行に配置されているが、供給用レール11a、11bに既に整列されているキュベット70の頂部70bに接触してしまうことにより、供給用レール11a、11bに正しく整列されていない。図5Bに示す不整列キュベット71では、その胴体部70aが、供給用レール11a、11bにほぼ垂直に配置されていることにより、供給用レール11a、11bに正しく整列されていない。このように、不整列キュベット71が存在すると、機械的なエラーが発生し、自動分析装置100全体の動作が停止される可能性がある。そのため、不整列キュベット71を事前に排除する必要がある。
そこで、第1の実施形態に係る自動分析装置100のキュベット搬送装置10では、供給ユニット11は、供給用レール11a、11bの上方に配置された板状部材を更に備え、その板状部材が、供給用レール11a、11bの上昇に応じて不整列キュベット71を落下させる。
図6A、図6Bは、第1の実施形態に係る自動分析装置100のキュベット搬送装置10の供給ユニット11の構成の一例を示す側面図である。
図6Aに示すように、供給ユニット11は、更に、板状部材としてフラップ板110を備える。フラップ板110は、供給用レール11a、11bの片側(例えば、供給用レール11a)の上方に配置されている。フラップ板110が設けられる位置は、上昇前の供給用レール11a、11bの位置よりも高い。
図6Aに示すように、フラップ板110の一端部110aには、回動軸120が設けられている。例えば、回動軸120の向きは、水平方向に対して、角度θ2だけ傾いている。回動軸120は、供給用レール11a、11bの上昇及び下降の妨げにならない位置に設けられている。
図6A、図6Bに示すように、フラップ板110の形状は、例えば、一端部110aから他端部110bに向けて先細りする形状である。又は、図7に示すように、フラップ板110の形状は、他端部110bがフラップ板110の下面から上面に向けて先細りするテーパー形状である。図7は、第1の実施形態に係る自動分析装置100のキュベット搬送装置10の供給ユニット11のフラップ板110の他の構成の一例を示す図である。
ここで、図6Aに示すように、供給ユニット11が供給用レール11a、11bを上昇させる段階で、供給用レール11a、11b上には、供給用レール11a、11bに正しく整列されないキュベット70(不整列キュベット71)が存在する場合がある。例えば、供給用レール11a、11bの向きが水平方向に対して角度θ1だけ傾いた段階で、供給用レール11a、11b上に不整列キュベット71が存在しているものとする。
この場合、図6Bに示すように、フラップ板110は、矢印80が示す円周方向に供給用レール11a、11bが上昇するときに、不整列キュベット71をフラップ板110の他端部110bに接触させることにより、不整列キュベット71を落下させる。例えば、供給用レール11a、11bの向きが水平方向に対して角度θ2だけ傾くまでの間に、フラップ板110は、供給用レール11a、11bの上昇に応じて、不整列キュベット71をフラップ板110の他端部110bに接触させる。不整列キュベット71は、フラップ板110の他端部110bに接触することにより、供給用レール11a、11b上で、矢印83が示す方向に転がる。そして、供給用レール11a、11b上を転がった不整列キュベット71は、矢印84が示す方向に落下する。すなわち、不整列キュベット71は、キュベット70として、再度、貯留ユニット60に貯留される。
このように、第1の実施形態に係る自動分析装置100のキュベット搬送装置10において、供給ユニット11は、フラップ板110を用いることにより、供給用レール11a、11bの上昇に応じて不整列キュベット71を落下させることができる。
ここで、供給用レール11a、11bの向きが水平方向に対して角度θ2だけ傾いた場合、供給用レール11a、11bの終端と、移送用レール12a、12bの始端とが同じ高さとなる。このため、供給用レール11a、11bに整列されたキュベット70は、矢印81が示す方向にスライドしながら、移送用レール12a、12bに供給される。前述のように、移送用レール12a、12bに供給されたキュベット70は、回転整列機構13に移動し、回転整列機構13により回転整列される。そして、回転整列されたキュベット70は、挿入機構14により測光ユニット50へ挿入され、測光ユニット50に挿入されたキュベット70には、試料及び試薬が投入され、光が照射される。
次に、不整列キュベット71がフラップ板110の他端部110bに接触することにより、供給用レール11a、11bから貯留ユニット60に落下する様子について、詳細に説明する。図8A〜図8Hは、第1の実施形態に係る自動分析装置100のキュベット搬送装置10の供給ユニット11の処理の一例を説明するための図である。
まず、図8Aに示すように、供給用レール11a、11bが上昇していない場合、フラップ板110の他端部110bは、供給用レール11a、11b間の上方の初期位置である位置91に設けられている。この段階において、不整列キュベット71が供給用レール11a、11b上に存在しない。
ここで、図8Bに示すように、何等かの要因により、不整列キュベット71が供給用レール11a、11b上に存在したものとする。供給用レール11a、11b上の不整列キュベット71は、例えば、その胴体部70aが、供給用レール11a、11bにほぼ平行に配置されているが、供給用レール11a、11bに既に整列されているキュベット70の頂部70bに接触してしまうことにより、供給用レール11a、11bに正しく整列されていない。
次に、図8Cに示すように、供給用レール11a、11bは、上述の矢印80が示す円周方向に、上昇前の位置から、矢印80aが示す高さだけ上昇する。このとき、不整列キュベット71は、フラップ板110の他端部110bに接触する。
次に、図8Dに示すように、供給用レール11a、11bは、上述の矢印80が示す円周方向に、更に、矢印80bが示す高さだけ上昇する。このとき、供給用レール11a、11bの上昇に応じて、供給用レール11a、11b上の不整列キュベット71が持ち上げられる。ここで、供給用レール11a、11b上の不整列キュベット71が持ち上げられることにより、フラップ板110は、回動軸120を中心に回転し、フラップ板110の他端部110bは、位置91から、位置91よりも僅かに高い位置92まで持ち上げられる。
次に、図8Eに示すように、供給用レール11a、11bは、上述の矢印80が示す円周方向に、更に、矢印80cが示す高さだけ上昇する。このとき、供給用レール11a、11bの上昇に応じて、供給用レール11a、11b上の不整列キュベット71が更に持ち上げられる。ここで、供給用レール11a、11b上の不整列キュベット71が持ち上げられることにより、フラップ板110は、回動軸120を中心に回転し、フラップ板110の他端部110bは、位置92から、位置92よりも僅かに高い位置93まで持ち上げられる。その結果、供給用レール11a、11b上の不整列キュベット71は、フラップ板110の他端部110bに押されながら、供給用レール11a、11bとほぼ垂直な方向(矢印83が示す方向)に転がり始める。
次に、図8Fに示すように、供給用レール11a、11bは、上述の矢印80が示す円周方向に、更に、矢印80dが示す高さだけ上昇する。このとき、供給用レール11a、11bの上昇に応じて、供給用レール11a、11b上の不整列キュベット71が更に持ち上げられる。この場合、供給用レール11a、11b上の不整列キュベット71は、フラップ板110の他端部110bに押されながら、更に、供給用レール11a、11bとほぼ垂直な方向に転がる。ここで、不整列キュベット71が供給用レール11a、11b上を転がることにより、フラップ板110の他端部110bは、重力により、位置93から、位置93よりも僅かに低い位置94に下げられる。
次に、図8Gに示すように、供給用レール11a、11bは、上述の矢印80が示す円周方向に、更に、矢印80eが示す高さだけ上昇する。このとき、供給用レール11a、11bの上昇に応じて、供給用レール11a、11b上の不整列キュベット71が更に持ち上げられる。この場合、供給用レール11a、11b上の不整列キュベット71は、フラップ板110の他端部110bに押されながら、更に、供給用レール11a、11bとほぼ垂直な方向に転がる。ここで、供給用レール11a、11b上を転がった不整列キュベット71は、矢印84が示す方向に落下し、キュベット70として、再度、貯留ユニット60に貯留される。また、不整列キュベット71が落下することにより、フラップ板110の他端部110bは、重力により、位置94から、位置94よりも僅かに低い位置95に下げられる。
次に、図8Hに示すように、供給用レール11a、11bは、上述の矢印80が示す円周方向に、更に、矢印80fが示す高さだけ上昇する。このとき、供給用レール11a、11bの上昇に応じて、フラップ板110が回動軸120を中心に回転することで、フラップ板110の他端部110bは、位置95から、位置95よりも高い位置96まで持ち上げられる。
その後、供給用レール11a、11bは、上述の矢印80が示す円周方向とは逆方向に下降する。供給用レール11a、11bの下降時において、フラップ板110の他端部110bは、重力により、位置96から、初期位置である位置91に下げられる。
ここで、供給ユニット11がキュベット70を供給先のユニット(移送ユニット12)に供給する際に、余計な振動が発生しないことが好ましい。上述のように、フラップ板110の他端部110bは、重力により、初期位置(位置91)に下げられる。すなわち、供給ユニット11では、アクチュエータ等の動力を使わずに、重力により、フラップ板110の他端部110bを初期位置に戻している。このため、供給ユニット11において、アクチュエータ等の動力による振動が発生しない。
なお、供給ユニット11は、アクチュエータ等の動力を使わずに、重力により、フラップ板110の他端部110bを初期位置に戻しているが、これに限定されない。例えば、供給ユニット11は、バネの力により、フラップ板110の他端部110bを初期位置に戻してもよい。
また、フラップ板110は、不整列キュベット71をフラップ板110の他端部110bに接触させることで落下させるため、フラップ板110の材料としては、キュベット70とフラップ板110との接触による切削粉が発生しない材料が用いられることが好ましい。また、フラップ板110の材料としては、キュベット70とフラップ板110との間で、なるべく静電気が発生しない材料が用いられることが好ましい。例えば、フラップ板110の材料としては、エンジニアリング・プラスチックなどの樹脂が用いられる。エンジニアリング・プラスチックとしては、POM(ポリアセタール樹脂)などが挙げられる。
また、フラップ板110の他端部110bが位置95から位置96まで持ち上げられるときに、供給用レール11aとフラップ板110の他端部110bとが接触するため、フラップ板110の他端部110bの形状としては、供給用レール11aとフラップ板110の他端部110bとの接触による切削粉が発生しない形状であることが好ましい。例えば、図7に示すように、フラップ板110の他端部110bの形状は、フラップ板110の下面から上面に向けて先細りするテーパー形状であることが好ましい。
(第1の変形例)
第1の実施形態に係る自動分析装置100のキュベット搬送装置10の供給ユニット11において、フラップ板110は1枚で構成されているが、これに限定されず、不整列キュベット71を事前に排除する確率を上げるために、フラップ板110は複数枚で構成されてもよい。
図9、図10は、第1の実施形態に係る自動分析装置100のキュベット搬送装置10の供給ユニット11の他の構成(第1の変形例)の一例を示す図である。図9に示すように、フラップ板110は、回動軸120に対して2枚設けられ、2枚のフラップ板110は、それぞれ独立に回動する。又は、フラップ板110は、回動軸120に対して3枚以上設けられてもよい。例えば、図10に示すように、フラップ板110は、回動軸120に対して9枚設けられ、9枚のフラップ板110は、それぞれ独立に回動する。
このように、第1の実施形態の第1の変形例では、フラップ板110が回動軸120に対して複数枚設けられていることにより、不整列キュベット71を事前に排除する確率を上げることができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態に係る自動分析装置100のキュベット搬送装置10の供給ユニット11において、フラップ板110は1段で構成されているが、これに限定されない。第2の実施形態に係る自動分析装置100のキュベット搬送装置10の供給ユニット11において、不整列キュベット71を事前に排除する確率を上げるために、フラップ板110は多段構成でもよい。
図11は、第2の実施形態に係る自動分析装置100のキュベット搬送装置10の供給ユニット11の構成の一例を示す図である。図11に示すように、フラップ板110は、供給用レール11a、11bの片側(例えば、供給用レール11a)の上方に、多段に設けられている。例えば、フラップ板110が2段構成である場合、まず、供給ユニット11は、供給用レール11a、11bの上昇に応じて、不整列キュベット71を、1段目のフラップ板110により落下させる。次に、供給ユニット11は、供給用レール11a、11bの上昇に応じて、1段目のフラップ板110により落下できなかった不整列キュベット71を、2段目のフラップ板110により落下させる。
このように、第2の実施形態では、フラップ板110が、供給用レール11a、11bの片側(供給用レール11a)の上方に、多段に設けられていることにより、不整列キュベット71を事前に排除する確率を上げることができる。なお、フラップ板110は2段構成である場合を例に挙げているが、3段以上の多段構成でもよい。
(第1の変形例)
第2の実施形態に係る自動分析装置100のキュベット搬送装置10の供給ユニット11において、フラップ板110は、供給用レール11a、11bの片側(供給用レール11a)の上方に、多段に設けられているが、これに限定されず、供給用レール11a、11bの両側の上方に設けられてもよい。
図12は、第2の実施形態に係る自動分析装置100のキュベット搬送装置10の供給ユニット11の他の構成(第1の変形例)の一例を示す図である。図12に示すように、フラップ板110は、供給用レール11a、11bの両側の上方に設けられている。例えば、フラップ板110が2段構成であり、1段目のフラップ板110が供給用レール11bの上方に設けられ、2段目のフラップ板110が供給用レール11aの上方に設けられている。この場合、まず、供給ユニット11は、供給用レール11a、11bの上昇に応じて、不整列キュベット71を、1段目のフラップ板110により落下させる。次に、供給ユニット11は、供給用レール11a、11bの上昇に応じて、1段目のフラップ板110により落下できなかった不整列キュベット71を、2段目のフラップ板110により落下させる。
このように、第2の実施形態の第1の変形例では、フラップ板110が、供給用レール11a、11bの両側の上方に設けられていることにより、不整列キュベット71を事前に排除する確率を上げることができる。なお、フラップ板110は2段構成である場合を例に挙げているが、3段以上の多段構成でもよい。
以上、説明したとおり、各実施形態によれば、正しく整列されないキュベットを事前に排除することができる。
本発明の実施形態を説明したが、本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。本発明の実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本発明の実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。