JP2020058005A - 電子制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】pチャネル型の駆動スイッチにより誘導性負荷をハイサイド駆動する構成において、電力損失を低減すること。【解決手段】電子制御装置10は、誘導性負荷100に対してハイサイド側に配置されるpチャネル型の駆動スイッチ12、ゲートに電荷を供給する充電経路部30、ゲートの電荷を放電する放電経路部40、放電経路部に設けられた放電スイッチ42a,42b、放電スイッチのオンオフを操作して駆動スイッチのオンオフを制御するマイコン16を備えている。マイコンは、駆動スイッチのオンオフを切り替える第1タイミングから、第1タイミングの次にオンオフを切り替える第2タイミングまでの所定期間のうち、第1タイミングから所定の第1期間と所定期間の残りの期間である第2期間とで放電スイッチの操作状態を異ならせて、放電経路部の電荷移動速度を第1期間において第2期間よりも高くする。【選択図】図1
Description
この明細書における開示は、電子制御装置に関する。
特許文献1には、誘導性負荷の駆動を制御する電子制御装置(負荷駆動回路)が開示されている。電子制御装置は、誘導性負荷を駆動するpチャネル型の駆動スイッチを備えている。駆動スイッチは、誘導性負荷に対してハイサイド側、すなわち電源側に配置され、誘導性負荷に対して直列に接続されている。
上記した構成では、たとえばターンオン時のスイッチング損失を低減すべく、ゲートドライブ能力を高めた構成、すなわち電荷の移動速度(放電速度)を高めた構成とすると、抵抗による電力損失、たとえば駆動スイッチのゲートの電荷を引き抜く放電経路部に設けられた抵抗による電力損失が大きくなる。ターンオフ時のスイッチング損失を低減すべく、ゲートドライブ能力を高めた構成とすると、抵抗による電力損失、たとえばゲートに電荷を供給する充電経路部に設けられた抵抗による電力損失が大きくなる。
抵抗による電力損失を低減するために、ゲートドライブ能力の低い構成とすると、スイッチング損失が増大してしまう。
本開示はこのような課題に鑑みてなされたものであり、pチャネル型の駆動スイッチにより誘導性負荷をハイサイド駆動する構成において、電力損失を低減することを目的とする。
本開示は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、技術的範囲を限定するものではない。
本開示のひとつである電子制御装置は、
電源とグランドとの間において誘導性負荷(100)と直列に接続され、誘導性負荷に対してハイサイド側に配置されるpチャネル型の駆動スイッチ(12)と、
抵抗が設けられ、駆動スイッチのゲートに接続された経路部であって、抵抗としての充電抵抗(31,31a,31b)を有し、ゲートに電荷を供給する充電経路部(30)、及び、抵抗としての放電抵抗(41a,41b)を有し、ゲートの電荷を放電する放電経路部(40)と、
充電経路部及び放電経路部の少なくとも一方に設けられた経路部スイッチ(32,42a,42b)と、
経路部スイッチのオンオフを操作して駆動スイッチのオンオフを制御する制御部(16)と、
を備え、
制御部は、駆動スイッチのオンオフを切り替える第1タイミングから、第1タイミングの次にオンオフを切り替える第2タイミングまでの所定期間のうち、第1タイミングから所定の第1期間と所定期間の残りの期間である第2期間とで経路部スイッチの操作状態を異ならせて、経路部スイッチが設けられた経路部の電荷移動速度を第1期間において第2期間よりも高くする。
電源とグランドとの間において誘導性負荷(100)と直列に接続され、誘導性負荷に対してハイサイド側に配置されるpチャネル型の駆動スイッチ(12)と、
抵抗が設けられ、駆動スイッチのゲートに接続された経路部であって、抵抗としての充電抵抗(31,31a,31b)を有し、ゲートに電荷を供給する充電経路部(30)、及び、抵抗としての放電抵抗(41a,41b)を有し、ゲートの電荷を放電する放電経路部(40)と、
充電経路部及び放電経路部の少なくとも一方に設けられた経路部スイッチ(32,42a,42b)と、
経路部スイッチのオンオフを操作して駆動スイッチのオンオフを制御する制御部(16)と、
を備え、
制御部は、駆動スイッチのオンオフを切り替える第1タイミングから、第1タイミングの次にオンオフを切り替える第2タイミングまでの所定期間のうち、第1タイミングから所定の第1期間と所定期間の残りの期間である第2期間とで経路部スイッチの操作状態を異ならせて、経路部スイッチが設けられた経路部の電荷移動速度を第1期間において第2期間よりも高くする。
この電子制御装置によれば、駆動スイッチのオンオフが切り替わる際、第1期間において電荷移動速度が高められる。すなわち、所定期間において初期的に電荷移動速度が高められる。これにより、スイッチング損失を低減することができる。一方、第2期間においては、第1期間よりも電荷移動速度が低くされる。これにより、抵抗による電力損失を低減することができる。
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的に及び/又は構造的に対応する部分には同一の参照符号を付与する。
(第1実施形態)
先ず、図1に基づき、電子制御装置の概略構成を説明する。
先ず、図1に基づき、電子制御装置の概略構成を説明する。
<電子制御装置の概略構成>
図1に示すように、電子制御装置10は、ソレノイド、インジェクタの電磁コイル、モータの巻線などの、誘導性負荷100の駆動を制御する負荷駆動装置である。電子制御装置10は、たとえば車両に搭載される。電子制御装置10は、ECU(Electronic Control Unit)とも称される。電子制御装置10は、駆動スイッチ12と、ゲート駆動回路14と、マイコン16と、回生素子18を備えている。
図1に示すように、電子制御装置10は、ソレノイド、インジェクタの電磁コイル、モータの巻線などの、誘導性負荷100の駆動を制御する負荷駆動装置である。電子制御装置10は、たとえば車両に搭載される。電子制御装置10は、ECU(Electronic Control Unit)とも称される。電子制御装置10は、駆動スイッチ12と、ゲート駆動回路14と、マイコン16と、回生素子18を備えている。
駆動スイッチ12は、誘導性負荷100の通電経路上に設けられている。駆動スイッチ12は、誘導性負荷100と直列に接続されている。駆動スイッチ12は、電源とグランドとの間において、誘導性負荷100に対してハイサイド側(電源側)に配置されている。駆動スイッチ12は、pチャネル型のスイッチング素子である。
本実施形態では、駆動スイッチ12として、pチャネル型のMOSFETを採用している。駆動スイッチ12のソースは電源と接続され、ドレインは高電位側の端子20aを介して誘導性負荷100の高電位側に接続されている。駆動スイッチ12がオンすると電源と誘導性負荷100とが導通し、誘導性負荷100に電流が流れる。駆動スイッチ12がオフすると、電流の供給が遮断される。
回生素子18は、誘導性負荷100に対して並列に接続されている。本実施形態では、回生素子18としてダイオードを採用している。回生素子18のアノードが、低電位側の端子20bを介して誘導性負荷100の低電位側に接続されている。回生素子18のカソードは、駆動スイッチ12のドレイン及び端子20aに接続されている。回生素子18は、還流素子とも称される。
ゲート駆動回路14は、駆動スイッチ12をオンオフさせる、すなわち駆動させるための回路である。ゲート駆動回路14は、駆動スイッチ12のゲートに電圧を印加する。ゲート駆動回路14は、抵抗(ゲート抵抗)が設けられ、駆動スイッチ12のゲートに接続された経路部として、充電経路部30と、放電経路部40を有している。充電経路部30は、駆動スイッチ12のゲートに電荷を供給する。充電経路部30は、電源、換言すれば、電源と駆動スイッチ12のソースとの接続点と、駆動スイッチ12のゲートとを接続する経路である。充電経路部30には、充電抵抗31が設けられている。充電抵抗31は、ゲート−ソース間抵抗とも称される。
放電経路部40は、駆動スイッチ12のゲートから電荷を引き抜く。放電経路部40は、駆動スイッチ12のゲートとグランドとを接続する経路である。放電経路部40には、放電抵抗41が設けられている。放電経路部40は、放電抵抗41aが設けられた第1放電経路部40aと、放電抵抗41bが設けられた第2放電経路部40bを有している。以下において、第1放電経路部40a及び第2放電経路部40bを、単に放電経路部40a,40bと示す場合もある。放電経路部40a,40bは、互いに並列に接続されている。
ゲート駆動回路14は、さらに経路部スイッチを有している。経路部スイッチは、充電経路部30及び放電経路部40の少なくとも一方に設けられている。本実施形態では、放電経路部40に設けられている。具体的には、第1放電経路部40aに放電スイッチ42aが設けられ、第2放電経路部40bに放電スイッチ42bが設けられている。放電スイッチ42aは、第1放電経路部40aにおいて放電抵抗41aと直列に接続されている。放電スイッチ42bは、第2放電経路部40bにおいて放電抵抗41bと直列に接続されている。
本実施形態では、放電スイッチ42a,42bとして、nチャネル型のMOSFETを採用している。放電スイッチ42a,42bは、いずれも対応する放電抵抗41a,41bに対してローサイド側に配置されている。放電スイッチ42a,42bのドレインが、対応する放電抵抗41a,41bに接続されている。以下において、充電抵抗31及び放電抵抗41を、ゲート抵抗31,41と称する場合もある。
マイコン16は、CPU、ROM、RAM、レジスタ、及びI/Oポートなどを備えて構成されたマイクロコンピュータである。マイコン16において、CPUが、RAMやレジスタの一時記憶機能を利用しつつ、ROMに予め記憶された制御プログラム、外部から取得した各種データなどに応じて信号処理を行う。また、この信号処理で得られた信号を、外部に出力したりする。このようにして、マイコン16は各種機能を実行する。
マイコン16は、駆動スイッチ12をPWM制御する。マイコン16は、たとえば誘導性負荷100を流れる電流が目標電流に追従するようにフィードバック制御、たとえばPI制御を実行する。本実施形態のマイコン16は、放電スイッチ42a,42bのオンオフを操作することで、駆動スイッチ12の駆動を制御する。マイコン16が、制御部に相当する。
<放電スイッチ及び駆動スイッチの動作>
図1及び図2に基づき、放電スイッチ42a,42b及び駆動スイッチ12の動作について説明する。すなわち、駆動スイッチ12のゲート電荷の充放電について説明する。
図1及び図2に基づき、放電スイッチ42a,42b及び駆動スイッチ12の動作について説明する。すなわち、駆動スイッチ12のゲート電荷の充放電について説明する。
図2において、時刻t1は、駆動スイッチ12をオフからオンに切り替えるタイミング、すなわち放電の開始タイミングを示している。時刻t2は、スイッチング損失(ターンオン損失)の発生が終了するタイミングを示している。時刻t3は、駆動スイッチ12をオンからオフに切り替えるタイミング、すなわち充電の開始タイミングを示している。時刻t4は、スイッチング損失(ターンオフ損失)の発生が終了するタイミングを示している。時刻t1から時刻t5までがPWMの一周期Tである。時刻t1〜t5の一周期において、デューティ比は50%となっている。図2では、各スイッチをSWと示している。
駆動スイッチ12のオン期間において、時刻t1が駆動スイッチ12のオンオフを切り替える第1タイミングに相当し、時刻t3が時刻t1の次のオンオフタイミングである第2タイミングに相当する。時刻t1から時刻t3までの期間が、所定期間に相当する。また、時刻t1から時刻t2までの期間が第1期間に相当し、時刻t2から時刻t3までの期間が第2期間に相当する。
駆動スイッチ12をオンオフさせるために、マイコン16は、ゲート駆動回路14の放電スイッチ42a,42bに対して制御信号を出力する。制御信号により、放電スイッチ42a,42bはオンオフ操作される。放電スイッチ42aは、駆動スイッチ12をオンオフさせる主たるスイッチであり、放電スイッチ42bは従たるスイッチである。駆動スイッチ12は、放電スイッチ42aに同期してオンオフされる。
放電スイッチ42aは、第1制御信号がHレベルのときにオンし、第1制御信号がLレベルのときにオフする。時刻t1において、第1制御信号がLレベルからHレベルに切り替わり、放電スイッチ42aがオンする。時刻t3において、第1制御信号がHレベルからLレベルに切り替わり、放電スイッチ42aがオフし、これにより駆動スイッチ12もオフする。そして、時刻t5において、第1制御信号がLレベルからHレベルに切り替わり、放電スイッチ42a(及び駆動スイッチ12)が再びオンする。図2では、便宜上、放電スイッチ42aと駆動スイッチ12のオンオフタイミングを一致させている。
このように、時刻t1〜t3までの所定期間(オン期間)において、マイコン16は第1制御信号としてHレベルの信号を出力する。これにより、放電スイッチ42aはオン操作される。放電スイッチ42aのオンにより、第1放電経路部40aを介した電源からグランドの導通経路が形成される。放電スイッチ42aのオンにより、駆動スイッチ12のゲートが第1放電経路部40aを介してグランドと接続され、ゲート電荷がグランドに放電される。また、時刻t3〜t5のオフ期間において、マイコン16は第1制御信号としてLレベルの信号を出力し、これにより放電スイッチ42aはオフ操作される。
放電スイッチ42bは、第2制御信号がHレベルのときにオンし、第2制御信号がLレベルのときにオフする。時刻t1において、第2制御信号がLレベルからHレベルに切り替わり、放電スイッチ42bがオンする。時刻t2において、第2制御信号がHレベルからLレベルに切り替わり、放電スイッチ42bがオフする。マイコン16は、第2制御信号として、第1制御信号と同じタイミングでHレベルの信号を出力し、第1制御信号よりも早いタイミングで、第2制御信号をLレベルの信号に切り替える。マイコン16は、時刻t1から所定時間が経過すると、第2制御信号をLレベルに切り替える。所定時間は、時刻t1から時刻t2までの第1期間を規定する、所定時間は予め設定され、メモリに記憶されている。
第1期間は、駆動スイッチ12のターンオン損失が生じる期間の少なくとも一部と重なるように設けられている。ターンオン損失は、駆動スイッチ12がオンする際に、駆動スイッチ12のドレイン−ソース間電圧Vds及びドレイン電流Idが変化する期間である。本実施形態では、第1期間がターンオン損失の生じる期間とほぼ一致するよう、所定時間を理想的に設定している。
時刻t1〜t2の第1期間において、マイコン16は、第2制御信号としてHレベルの信号を出力する。これにより放電スイッチ42bはオン操作される。放電スイッチ42bのオンにより、駆動スイッチ12のゲートが第2放電経路部40bを介してグランドと接続され、ゲート電荷がグランドに放電される。また、時刻t2〜t5の期間において、マイコン16は第2制御信号としてLレベルの信号を出力する。これにより放電スイッチ42bはオフ操作される。マイコン16は、第2期間において、第2制御信号としてLレベルの信号を出力する。
時刻t1〜t2の第1期間において、駆動スイッチ12のゲートは、第1放電経路部40a及び第2放電経路部40bを介してグランドに接続される。第1放電経路部40aと、第2放電経路部40bが、ゲート電荷を逃がす経路部として機能する。これにより、放電経路部40における放電抵抗41のトータルの抵抗値を、第2期間よりも小さくすることができる。したがって、放電経路部40における電荷の移動速度(放電速度)を、第2期間よりも高めることができる。換言すれば、放電経路部40を流れる電流を大きくすることができる。
時刻t2〜t3の第2期間において、駆動スイッチ12のゲートは、第2放電経路部40bを介さず、第1放電経路部40aを介してグランドに接続される。これにより、駆動スイッチ12はオン状態が維持される。第1放電経路部40aのみを用いるため、放電経路部40における放電抵抗41のトータルの抵抗値を、第1期間よりも大きくすることができる。すなわち、放電経路部40を流れる電流を、第1期間よりも小さくすることができる。放電スイッチ42a,42bの少なくとも一方がオンされている期間において、電源とグランドとの間に、充電抵抗31及び放電抵抗41を介した通電経路部が形成される。
時刻t3において、放電スイッチ42aもオフされると、駆動スイッチ12のゲートはグランドに対して遮断される。これにより、充電経路部30を介して、駆動スイッチ12のゲートに電荷が蓄積される。すなわち、ゲートが充電される。時刻t3〜t5まで、駆動スイッチ12のゲートはグランドに対して遮断される。
<電子制御装置の効果>
図3は、電子制御装置の比較例を示している。この比較例は、従来構成を示している。図3では、本実施形態に示した要素と関連する要素の符号に対し、末尾にrを付与している。
図3は、電子制御装置の比較例を示している。この比較例は、従来構成を示している。図3では、本実施形態に示した要素と関連する要素の符号に対し、末尾にrを付与している。
図3に示す電子制御装置10rでは、駆動スイッチ12rのゲートとグランドとの間に設けられた放電経路部40rが、複数の経路部による並列回路ではなく、単一の経路部によって構成されている。放電経路部40rにおいて、放電抵抗41rと放電スイッチ42rとが直列に接続されている。それ以外の構成は、本実施形態と同じである。充電経路部30rは、単一の経路部によって構成されている。
ここで、駆動スイッチ12rのオン抵抗を30mΩ、駆動スイッチ12rのターンオン損失(スイッチイング損失)に関わる電荷を20nC、周波数を5kHz、デューティ比を50%とした。ターンオン損失に関わる電荷は、ゲート−ソース間電荷Qgsと、ゲート−ドレイン間電荷Qgdとの和である。また、電源の電圧VBを14V、誘導性負荷100rに流れる電流Irを2A、充電抵抗31rの抵抗値を1000Ωとした。ゲート抵抗31r,41rによる損失及び駆動スイッチ12rのオン抵抗による損失は、P=IVより算出した。駆動スイッチ12rの電力損失のうち、スイッチング損失については、Vds×Id×1/2より算出した。なお、ドレイン−ソース間電圧Vdsは電源電圧VBに一致し、ドレイン電流Idは電流Iに一致する。
比較例において、放電抵抗41rの抵抗値が大きい場合、放電経路部40rに流れる電流が小さくなる。これにより、ターンオン時間が長くなる。たとえば放電抵抗41rの抵抗値を330Ωとすると、図4(a)に示すように、ターンオン時間は1μsとなる。また、上記した条件から、ターンオフ時間は3μs、ターンオン損失及びターンオフ損失、すなわちスイッチング損失はそれぞれ14Wとなる。また、オン抵抗による損失は、0、12Wとなる。よって、周期Tにおいて駆動スイッチ12rが生じる電力損失の平均は0.34Wとなる。
放電経路部40rに流れる電流が小さいため、駆動スイッチ12r及び放電スイッチ42rのオン期間において、ゲート抵抗31r,41rによる損失は0.13Wとなる。また、駆動スイッチ12r及び放電スイッチ42rのオフ期間において、充電抵抗31rによる損失は0.2Wとなる。よって、周期Tにおいてゲート抵抗31r,41rが生じる電力損失の平均は0.07Wとなる。以上より、駆動スイッチ12r及びゲート抵抗31r,41rのトータルの電力損失は、0.41Wとなる。
比較例において、放電抵抗41rの抵抗値が小さい場合、放電経路部40rに流れる電流が大きくなる。これにより、ターンオン時間が短くなる。たとえば放電抵抗41rの抵抗値を165Ωとすると、図4(b)に示すように、ターンオン時間は0.5μsとなる。ターンオフ時間、スイッチング損失(ターンオン損失、ターンオフ損失)、オン抵抗による損失は、図4(a)と同じである。よって、周期Tにおいて駆動スイッチ12rが生じる電力損失の平均は0.3Wとなる。
放電経路部40rに流れる電流が大きいため、駆動スイッチ12r及び放電スイッチ42rのオン期間において、ゲート抵抗31r,41rによる損失は0.26Wとなる。オフ期間において、充電抵抗31rによる損失は図4(a)と同じである。よって、周期Tにおいてゲート抵抗31r,41rが生じる電力損失の平均は0.13Wとなる。以上より、駆動スイッチ12r及びゲート抵抗31r,41rのトータルの電力損失は、0.43Wとなる。
なお、オフ期間において、ターンオフ後は電力損失が生じない。また、放電スイッチ42rによる電力損失は、駆動スイッチ12rの電力損失に対して非常に小さい(たとえば3桁以上小さい)ため、図示を省略している。
このように、比較例に示す構成では、放電抵抗41rの値を大きくしてゲートドライブ能力(放電能力)を下げると、ゲート抵抗31r,41rの電力損失を低減することができる。その反面、駆動スイッチ12rの電力損失が増大してしまう。一方、放電抵抗41rの値を小さくしてゲートドライブ能力(放電能力)を上げると、駆動スイッチ12rの電力損失(特にターンオン損失)を低減することができる。その反面、ゲート抵抗31r,41rの電力損失が増大してしまう。
これに対し、本実施形態では、駆動スイッチ12のオン期間の初期においてゲートドライブ能力を上げる。具体的には、上記したように、時刻t1〜t2の第1期間において放電スイッチ42aとともに放電スイッチ42bをオンさせ、第2期間よりも放電経路部40の電荷移動速度(放電速度)を高くする。これにより、ターンオン時間を短くし、ターンオン損失、ひいては駆動スイッチ12の電力損失を低減することができる。また、オン期間の残りにおいてゲートドライブ能力を下げる。具体的には、時刻t2〜t3の第2期間において、放電スイッチ42bをオフ、放電スイッチ42aのみオンを継続させ、放電経路部40の電荷移動速度を低くする。これにより、ゲート抵抗31,41の電力損失を低減することができる。このように、オン期間のうちの第1期間と第2期間とで放電スイッチ42の操作状態を異ならせることで、トータルの電力損失を低減することができる。
ここで、放電抵抗41a,41bの抵抗値をそれぞれ330Ωとし、それ以外の条件を比較例と同じとする。この場合、第1期間において、放電スイッチ42a,42bをともにオンさせるため、放電経路部40に流れる電流が大きくなる。これにより、図2に示すように、ターンオン時間を短くすることができる。具体的には、放電抵抗41のトータルの抵抗値が165Ωとなり、ターンオン時間は図4(b)と同じ0.5μsとなる。よって、周期Tにおいて駆動スイッチ12が生じる電力損失の平均は0.3Wとなる。
第1期間において流れる電流が大きくなるため、ゲート抵抗31,41による損失は0.26Wとなる。しかしながら、放電スイッチ42bのオフにより第2期間において流れる電流が小さくなるため、ゲート抵抗31,41による損失は0.13Wとなる。また、オフ期間の損失は、比較例同様0.2Wとなる。第1期間が第2期間に対して十分に短いため、周期Tにおいてゲート抵抗31,41が生じる電力損失の平均はほぼ0.07Wとなる。
以上より、駆動スイッチ12及びゲート抵抗31,41のトータルの電力損失は、0.37Wとなる。このように、本実施形態によれば、従来の構成(比較例)に較べて、トータルの電力損失を10%程度、低減することができる。なお、放電スイッチ42a,42bによる電力損失は、駆動スイッチ12の電力損失に対して非常に小さいため、ここではほぼゼロとして取り扱っている。
なお、ターンオン損失は、ゲート電圧が閾値電圧に達してから生じるため、時刻t1(第1タイミング)との間にずれがある。しかしながら、時間的なずれはごくわずかである。したがって、第1タイミングから所定の第1期間は、ターンオン損失が生じる期間を少なからず含む。第1期間において電荷移動速度(放電速度)を高め、残りの第2期間において電荷移動速度を低めることで、従来よりも電力損失を低減することができる。
第1期間を設定する所定時間は、上記したように、駆動スイッチ12のターンオン損失が生じる期間の少なくとも一部と重なるように設けられればよい。これにより、ターンオン時間を短くすることができる。好ましくは、デューティ比が変化してもターンオン損失が生じる期間の全体を含むように、第1期間(所定時間)を設定するとよい。第1期間を長めに設定してもnsオーダであり、第2期間において放電スイッチ42bをオフさせるため、ゲート抵抗31,41による電力損失の増加を抑制し、トータルの電力損失を低減することができる。
放電抵抗41a,41bの抵抗値が互いに等しい例を示したが、これに限定されない。互いに異なる抵抗値としてもよい。たとえば初期的に電荷を引き抜く第2放電経路部40b側の放電抵抗41bの抵抗値を放電抵抗41aの抵抗値より小さくしてもよい。これによりスイッチング損失(ターンオン損失)をさらに低減することができる。
(第2実施形態)
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した電子制御装置10と共通する部分についての説明は省略する。
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した電子制御装置10と共通する部分についての説明は省略する。
本実施形態の電子制御装置10は、オン期間だけでなくオフ期間についても電力損失を低減できる構成とされている。このような電子制御装置10の一例を図5に示す。
図5に示す電子制御装置10において、充電抵抗31を有する充電経路部30は、複数の経路部による並列回路として構成されている。充電経路部30は、充電抵抗31aが設けられた第1充電経路部30aと、充電抵抗31bが設けられた第2充電経路部30bを有している。以下において、第1充電経路部30a及び第2充電経路部30bを、単に充電経路部30a,30bと示す場合もある。充電経路部30a,30bは、互いに並列に接続されている。
第2充電経路部30bには、経路部スイッチとしての充電スイッチ32が設けられている。充電スイッチ32は、第2充電経路部30bにおいて充電抵抗31bと直列に接続されている。本実施形態では、充電スイッチ32として、pチャネル型のMOSFETを採用している。充電スイッチ32は充電抵抗31bに対してローサイド側に配置されており、充電スイッチ32のソースが対応する充電抵抗31bに接続されている。充電スイッチ32がオンされた状態で、第2充電経路部30bは、駆動スイッチ12のゲートに電荷を供給する経路部として機能する。
また、ゲート駆動回路14は、充電経路部30に設けられた充電スイッチ32をオンオフさせるために、スイッチ35及び抵抗36,37を有している。スイッチ35、抵抗36、及び抵抗37は、電源とグランドとの間で直列に接続されている。電源側から、抵抗36、抵抗37、スイッチ35の順に配置されている。本実施形態では、スイッチ35としてnチャネル型のMOSFETを採用している。スイッチ35のドレインは抵抗37に接続されており、ソースはグランドに接続されている。抵抗36,37の接続点に充電スイッチ32のゲートが接続されている。それ以外については、先行実施形態と同じ構成とされている。
マイコン16は、スイッチ35のゲートに対して、第3制御信号を出力する。マイコン16が、第3制御信号としてHレベルの信号を出力すると、スイッチ35がオンし、抵抗37がグランドに接続される。これにより、充電スイッチ32のゲート電荷が引き抜かれ、充電スイッチ32がオンする。充電スイッチ32がオンすることで、第1充電経路部30aと第2充電経路部30bの2つの経路部にて、駆動スイッチ12のゲートに電荷を供給する、すなわち充電することができる。第1充電経路部30a及び第2充電経路部30bを用いるため、第1充電経路部30aのみを用いる場合よりも電荷移動速度(充電速度)を高めることができる。換言すれば、充電経路部30の抵抗値を小さくし、流れる電流を大きくすることができる。
一方、充電スイッチ32がオフされた状態では、第1充電経路部30aのみを介して電源と駆動スイッチ12のゲートとが接続された状態となる。充電スイッチ32がオフされた状態では、充電抵抗31aのみがゲートに接続され、充電スイッチ32がオンされた状態では、充電抵抗31a,31bがゲートに接続される。
図6は、本実施形態の電子制御装置10において、駆動スイッチ12、充電スイッチ32、スイッチ35、放電スイッチ42a,42bの動作を示している。図6に示す時刻t11は先行実施形態(図2参照)の時刻t1に対応し、時刻t13は時刻t3に対応している。また、時刻t14は時刻t4に対応し、時刻t15は時刻t5に対応している。
マイコン16は、駆動スイッチ12をオンからオフに切り替えるタイミング(時刻t13)において、スイッチ35のゲートに、第3制御信号としてHレベルの信号を出力する。これにより、スイッチ35がオンする。スイッチ35のオンにより、充電スイッチ32がオンする。
時刻t13から、時刻t13の次のオンオフタイミングである時刻t15までのオフ期間のうち、時刻t13〜t14の期間において、スイッチ35及び充電スイッチ32がオンする。また、オフ期間の残りの期間、すなわち時刻t14〜t15の期間において、スイッチ35及び充電スイッチ32がオフする。マイコン16は、駆動スイッチ12のターンオフ時において、初期的に充電スイッチ32をオンさせる。時刻t13〜t15のオフ期間が所定期間に対し、時刻t13〜t14の期間が第1期間に相当し、時刻t14〜t15の期間が第2期間に相当する。図6では、便宜上、充電スイッチ32とスイッチ35のオンオフタイミングを一致させている。
マイコン16は、時刻t11から時刻13までのオン期間において、第3制御信号としてLレベルの信号を出力する。これにより充電スイッチ32がオフされ、オン期間において、第1充電経路部30aのみが電源と放電経路部40とをつなぐ経路部として機能する。充電経路部30の電荷移動速度が低くなり、ゲート抵抗31,41、特に充電抵抗31の電力損失を低減することができる。
マイコン16は、時刻t13になると、第3制御信号としてHレベルの信号を出力する。これにより、充電スイッチ32がオンされる。マイコン16は、時刻t13から所定時間が経過すると、第3制御信号をLレベルに切り替える。所定時間は、時刻t13〜t14の期間(第1期間)を規定する。所定時間は予め設定され、メモリに記憶されている。
オフ期間のうちの第1期間は、駆動スイッチ12のターンオフ損失が生じる期間の少なくとも一部と重なるように設けられている。ターンオフ損失は、駆動スイッチ12がオフする際に、駆動スイッチ12のドレイン−ソース間電圧Vds及びドレイン電流Idが変化する期間である。本実施形態では、第1期間がターンオフ損失の生じる期間とほぼ一致するよう、所定時間を理想的に設定している。
上記したように、本実施形態では、オフ期間の初期においてゲートドライブ能力(充電能力)を上げる。具体的には、上記したように、時刻t13〜t14の第1期間において充電スイッチ32をオンさせ、第2期間よりも充電経路部30の電荷移動速度(充電速度)を高くする。これにより、ターンオフ時間を短くし、ターンオフ損失、ひいては駆動スイッチ12の電力損失を低減することができる。
また、時刻t14〜t15の第2期間において充電スイッチ32をオフさせ、第1期間よりも充電経路部30の電荷移動速度を低くする。本実施形態では、時刻t14でターンオフが終了するため、第2期間では、充電経路部30を電荷が移動しない。充電スイッチ32をオフさせる、すなわちスイッチ35をオフさせるため、抵抗36,37による電力損失の発生を抑制することができる。このように、第2期間において電荷移動速度を低くすることで、ゲート駆動回路14の生じる電力損失を低減することができる。
ここで、駆動スイッチ12のゲート電荷Qgを40nCとする。また、充電スイッチ32のオン抵抗を2Ω、上昇時間(ターンオン時間)を9ns、下降時間(ターンオフ時間)を45nsとする。スイッチ35のオン抵抗を1Ω、上昇時間を5ns、下降時間を28nsとする。さらに、充電抵抗31a,31bの抵抗値をともに1000Ω、抵抗36を30kΩ、抵抗37を10kΩとし、それ以外の条件を先行実施形態と同じとする。
オン期間において、充電スイッチ32をオフさせるため、充電経路部30を流れる電流が小さくなる。これにより、オン期間におけるゲート抵抗31,41の電力損失の増加を抑制することができる。
オフ期間のうちの第1期間では、充電スイッチ32をオンさせるため、充電経路部30に流れる電流が大きくなる。これにより、駆動スイッチ12のターンオフ時間を短くすることができる。具体的には、充電抵抗31のトータルの抵抗値が500Ωとなり、ターンオフ時間は先行実施形態に対して半分の1.5μsとなる。よって、周期Tにおいて駆動スイッチ12が生じる電力損失の平均は0.2Wとなる。
第1期間において流れる電流が大きくなるため、充電抵抗31による損失は0.4Wとなる。しかしながら、ターンオフ時間が短くなるため、周期Tにおいてゲート抵抗31,41が生じる電力損失の平均はほぼ0.07Wとなる。また、抵抗36,37に生じる電力損失は、0.005Wである。以上より、駆動スイッチ12、ゲート抵抗31,41、及び抵抗36,37のトータルの電力損失は、約0.28Wとなる。このように、本実施形態によれば、オン時の効果及びオフ時の効果をあわせて、従来の構成(比較例)よりもトータルの電力損失を30%程度、低減することができる。
なお、充電スイッチ32、スイッチ35、及び放電スイッチ42a,42bによる電力損失は、駆動スイッチ12の電力損失に対して非常に小さいため、図示を省略している。
本実施形態では、オン期間において放電スイッチ42bを初期的にオンさせ、オフ期間において充電スイッチ32(及びスイッチ35)を初期的にオンさせる例を示した。しかしながら、少なくともオフ期間において充電スイッチ32(及びスイッチ35)を初期的にオンさせる構成であればよい。たとえば放電経路部40が単一の経路部とされた構成に適用することもできる。
第1期間を設定する所定時間は、上記したように、駆動スイッチ12のターンオフ損失が生じる期間の少なくとも一部と重なるように設けられればよい。これにより、ターンオフ時間を短くすることができる。好ましくは、デューティ比が変化してもターンオフ損失が生じる期間の全体を含むように、第1期間(所定時間)を設定するとよい。第1期間をnsオーダで長くしても、第2期間において充電スイッチ32(スイッチ35)をオフさせるため、抵抗36,37による電力損失の増加を抑制し、トータルの電力損失を低減することができる。
充電抵抗31a,31bの抵抗値が等しい例を示したが、これに限定されない。互いに異なる抵抗値としてもよい。たとえば初期的に電荷を供給する第2充電経路部30b側の充電抵抗31bの抵抗値を充電抵抗31aの抵抗値より小さくしてもよい。
(第3実施形態)
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した電子制御装置10と共通する部分についての説明は省略する。
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した電子制御装置10と共通する部分についての説明は省略する。
本実施形態の電子制御装置10は、電源電圧VBに基づいて、ゲートドライブ能力を高める所定時間を補正する機能を有している。図7は、その一例を示している。
図7に示す電子制御装置10は、先行実施形態に示した構成に加えて、電圧モニタ回路22を備えている。電圧モニタ回路22は、電子制御装置10に入力される電源電圧を検出する。電圧モニタ回路22による電圧検出信号は、マイコン16に出力される。
マイコン16は、制御部50と、時間補正部51を有している。制御部50は、先行実施形態に示したゲート駆動回路14を介した駆動スイッチ12のオンオフ制御を実行する。時間補正部51は、電圧モニタ回路22から取得した電源電圧情報に基づいて、第1期間を設定する所定時間を補正する。たとえばオン期間のうちの第1期間を規定する所定時間を補正する。
電源電圧VBが変化すると、充放電する電荷量も変化する。よって、スイッチング時間も変化する。時間補正部51は、取得した電源電圧VB、メモリに記憶された所定時間tm1を用いて、数式1により、補正された所定時間tc1を算出する。所定時間tm1は、電源電圧VBが理想的な電圧である14Vのときのスイッチング時間である。
(式1)tc1=tm1×14/VB
(式1)tc1=tm1×14/VB
そして、数式1により算出された所定時間tc1を用いて、制御部50が制御を実行する。具体的には、オン期間において第1タイミングから所定時間tc1が経過すると、放電スイッチ42bをオフさせる。なお、オン期間における所定時間について説明したが、オフ期間のうちの第1期間を規定する所定時間についても、同様に算出し、補正することができる。
本実施形態によれば、電源電圧VBの変動に応じてゲートドライブ能力を高める第1期間を設定することができる。これにより、電源電圧VBが変化しても、スイッチング損失を低減し、且つ、抵抗による電力損失を低減できるタイミングで、経路部スイッチをオンからオフに切り替えることができる。したがって、電力損失を効果的に低減することができる。
(第4実施形態)
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した電子制御装置10と共通する部分についての説明は省略する。
本実施形態は、先行実施形態を参照できる。このため、先行実施形態に示した電子制御装置10と共通する部分についての説明は省略する。
本実施形態の電子制御装置10は、電子制御装置10の温度に基づいて、ゲートドライブ能力を高める所定時間を補正する機能を有している。図8は、その一例を示している。
図8に示す電子制御装置10は、先行実施形態に示した構成に加えて、温度モニタ回路24を備えている。温度モニタ回路24は、電子制御装置10の温度を検出する。温度モニタ回路24は、たとえば電子制御装置10の筐体内部の温度、ゲート駆動回路14が形成された図示しない回路基板の温度を検出する。温度モニタ回路24による温度検出信号は、マイコン16に出力される。
マイコン16の時間補正部51は、温度モニタ回路24から取得した温度情報に基づいて、第1期間を設定する所定時間を補正する。たとえばオン期間のうちの第1期間を規定する所定時間を補正する。
100℃の温度変化に対して、スイッチング時間は1割程度変化する。時間補正部51は、取得した温度A(℃)、メモリに記憶された所定時間tm2を用いて、数式2により、補正された所定時間tc2を算出する。所定時間tm2は、基準温度(たとえば25℃)のときのスイッチング時間である。
(式2)tc2=tm2×0.1×(A−25)/100
(式2)tc2=tm2×0.1×(A−25)/100
そして、数式2により算出された所定時間tc2を用いて、制御部50が制御を実行する。具体的には、オン期間において第1タイミングから所定時間tc2が経過すると、放電スイッチ42bをオフさせる。なお、オン期間における所定時間について説明したが、オフ期間のうちの第1期間を規定する所定時間についても、同様に算出し、補正することができる。
本実施形態によれば、温度Aの変動に応じてゲートドライブ能力を高める第1期間を設定することができる。これにより、温度Aが変化しても、スイッチング損失を低減し、且つ、抵抗による電力損失を低減できるタイミングで、経路部スイッチをオンからオフに切り替えることができる。したがって、電力損失を効果的に低減することができる。
なお、本実施形態に示した構成を、第3実施形態に示した構成と組み合わせてもよい。スイッチング時間に与える影響は電源電圧VBのほうが温度Aよりも大きい。このため、第1ステップで上記数式1により電源電圧VB変化による補正を行い、第1ステップで算出した補正値tc1をtm2として、第2ステップで、上記数式2により温度A変化による補正を行うとよい。
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。たとえば、開示は、実施形態において示された要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものと解されるべきである。
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウエア論理回路により、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウエア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
10…電子制御装置、12…駆動スイッチ、14…ゲート駆動回路、16…マイコン、18…ダイオード、20a,20b…端子、22…電圧モニタ回路、24…温度モニタ回路、30…充電経路部、30a…第1充電経路部、30b…第2充電経路部、31,31a,31b…充電抵抗、32…充電スイッチ、35…スイッチ、36,37…抵抗、40…放電経路部、40a…第1放電経路部、40b…第2放電経路部、41,41a,41b…放電抵抗、42a,42b…放電スイッチ、50…制御部、51…時間補正部、100…誘導性負荷
Claims (5)
- 電源とグランドとの間において誘導性負荷(100)と直列に接続され、前記誘導性負荷に対してハイサイド側に配置されるpチャネル型の駆動スイッチ(12)と、
抵抗が設けられ、前記駆動スイッチのゲートに接続された経路部であって、前記抵抗としての充電抵抗(31,31a,31b)を有し、前記ゲートに電荷を供給する充電経路部(30)、及び、前記抵抗としての放電抵抗(41a,41b)を有し、前記ゲートの電荷を放電する放電経路部(40)と、
前記充電経路部及び前記放電経路部の少なくとも一方に設けられた経路部スイッチ(32,42a,42b)と、
前記経路部スイッチのオンオフを操作して前記駆動スイッチのオンオフを制御する制御部(16)と、
を備え、
前記制御部は、前記駆動スイッチのオンオフを切り替える第1タイミングから、前記第1タイミングの次にオンオフを切り替える第2タイミングまでの所定期間のうち、前記第1タイミングから所定の第1期間と前記所定期間の残りの期間である第2期間とで前記経路部スイッチの操作状態を異ならせて、前記経路部スイッチが設けられた前記経路部の電荷移動速度を前記第1期間において前記第2期間よりも高くする電子制御装置。 - 前記経路部スイッチとして、前記放電経路部に設けられた放電スイッチ(42a,42b)を有し、
前記放電経路部は、互いに並列に接続され、それぞれに前記放電抵抗が設けられた複数の経路部を有し、
前記第1タイミングは、前記駆動スイッチをオフからオンに切り替えるタイミングであり、前記第2タイミングは、前記第1タイミングの次のオンオフ切替タイミングであって前記駆動スイッチをオンからオフに切り替えるタイミングであり、
前記制御部は、前記第1タイミングから前記第2タイミングまでの所定期間のうち、前記第1タイミングから所定の第1期間と前記所定期間の残りの期間である第2期間とで前記放電スイッチの操作状態を異ならせて、前記放電経路部の抵抗の値を前記第1期間において前記第2期間よりも小さくする請求項1に記載の電子制御装置。 - 前記経路部スイッチとして、前記充電経路部に設けられた充電スイッチ(32)を有し、
前記充電経路部は、互いに並列に接続され、それぞれに前記充電抵抗が設けられた複数の経路部を有し、
前記第1タイミングは、前記駆動スイッチをオンからオフに切り替えるタイミングであり、前記第2タイミングは、前記第1タイミングの次のオンオフ切替タイミングであって前記駆動スイッチをオフからオンに切り替えるタイミングであり、
前記制御部は、前記第1タイミングから前記第2タイミングまでの所定期間のうち、前記第1タイミングから所定の第1期間と前記所定期間の残りの期間である第2期間とで前記充電スイッチの操作状態を異ならせて、前記充電経路部の抵抗の値を前記第1期間において前記第2期間よりも小さくする請求項1又は請求項2に記載の電子制御装置。 - 前記制御部は、前記電源の電圧に基づいて、前記第1期間を補正する請求項1〜3いずれか1項に記載の電子制御装置。
- 前記制御部は、前記電子制御装置の温度に基づいて、前記第1期間を補正する請求項1〜4いずれか1項に記載の電子制御装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11691272B2 (en) | 2021-06-29 | 2023-07-04 | Seiko Epson Corporation | Motor drive circuit for motor and robot system |
-
2018
- 2018-10-04 JP JP2018189345A patent/JP2020058005A/ja active Pending
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