以下、第1実施形態に係る鞍乗型車両について説明する。以下の説明では、鞍乗型車両が自動二輪車である例で説明する。しかしながら、鞍乗型車両は、自動二輪車の他、バギー車、自動三輪車、ATV(All Terrain Vehicle)等であってもよい。図1は自動二輪車100を示す概略側面図である。なお、鞍乗型乗物は、運転者がシートに跨った状態で運転する乗物を意味する。
自動二輪車100は、車体フレーム110と、前輪120と、後輪130と、ハンドル装置140と、エンジン150と、リアサイドカバー10とを備える。なお、以下の説明において、上下、前後及び左右について言及する場合、各方向は、次のように定義される。まず、自動二輪車の2つの車輪が路面に接地する側が下であり、その反対側が上である。自動二輪車が走行する際の進行方向が前であり、その反対側が後ろである。さらに、運転者が運転者シートに跨った運転姿勢で、運転者を基準として左右が定義される。
車体フレーム110は、メインフレーム部分を含む。本実施例では、メインフレーム部分は複数のパイプ部材等が溶接されることによって実現されている。
メインフレーム部分には、前輪120及びハンドル140が回転可能に支持されている。具体的には、メインフレーム部分の前部にヘッドパイプが設けられている。ヘッドパイプにステアリングシャフトが回転可能に挿通されている。このステアリングシャフトにブラケットを介してフロントフォーク114が支持されている。フロントフォーク114の下端部に前輪120が回転可能に支持されている。ハンドル140がステアリングシャフトに固定される。運転者がハンドル140をステアリンシャフト軸回りに角変位操作させることで、フロントフォーク114と共に、前輪120が回転し、自動二輪車100が操舵される。
メインフレーム部分は、燃料タンク170、エンジン150およびスイングアーム118を支持する。メインフレーム部分は、ヘッドパイプから後方に向うにつれて下方に傾斜する部分を含む。燃料タンク170は、ヘッドパイプの後方に配置される。エンジン150は、燃料タンク170の下方に配置される。
スイングアーム118が、前後方向に延びる姿勢で、メインフレーム部分に支持される。具体的には、スイングアーム118の前部が、メインフレーム部分に設定されるピボット軸回りに角変位可能に支持される。スイングアーム118の後部は、後輪130を回転可能に支持する。上記エンジン150の駆動力が、変速機およびチェーンまたはベルトなどの駆動力伝達機構を介して後輪130に伝達されることで、後輪130が回転駆動される。
メインフレーム部分には、シート163を支持するためのリアフレーム110bが支持される。リアフレーム110bは、メインフレーム部分の後部の上下方向中間部及び上部から後方に延びる2つの長尺状部分を含む。2つの長尺状分は、後部で連結されている。このリアフレーム110b上に、シート162及びタンデムグリップ70が支持される。
シート162は、運転者用シート部分163と、同乗者用シート部分164とを備える。運転者用シート部分163は、燃料タンク170の後方に配置されている。同乗者用シート部分164は、運転者用シート部分163の後方に配置されている。本実施形態では、運転者用シート部分163と同乗者用シート部分164とは一体に形成されている。
運転者用シート部分163の上面は、着座面とその前後で上方に向う面とを含む。これにより、当該上面は、側面視すると、下向きに凹となるように曲った形状に形成される。また、この上面は、正面視すると上向きに凸となるように曲った曲面形状に形成される。運転者用シート部分163の両側の下側縁部は、側面視すると下向きに凸となるように曲った形状に形成されている。
同乗者用シート部分164の上面は、着座面とその後方で上方に向う面とを含む。これにより、当該上面は、側面視すると前後方向に延在する部分の後端に後方に向けて上向きに延在する部分が連なった形状に形成される。この上面は、正面視すると上向きに凸となるように曲った曲面形状に形成される。同乗者用シート部分164の両側の下側縁部は、側面視すると、運転者用シート部分163の下側縁部の後端部から、後方に向けて上向きとなる方向に延在している(図2参照)。同乗者用シート部分164の着座面は、運転者用シート部分163の着座面よりも高い位置に設定されている。この同乗者用シート部分164の着座面に同乗者が着座する。同乗者用シート部分164の前部は、運転者用シート部分163の後部上に重なっている。
運転者用シート部分163の前端に対して前方に燃料タンク170が配置される。燃料タンク170の外表面は、上向きに凸となる湾曲面に形成されている。運転者用シート部分163の前部は、燃料タンク170の後部の外表面に被さっている。
燃料タンク170の下部の両側からその後方領域にタンクカバー172が設けられる。タンクカバー172は、タンク覆い部173と、後方延長部174とを含む(図3参照)。タンク覆い部173は燃料タンク170の下部の側部を覆っている。
後方延長部174は、タンク覆い部173の後部に一体形成され、当該タンク覆い部173の後方に延出している。後方延長部174の上縁は、同乗者用シート部分164の側部の下縁に沿っている。後方延長部174の下縁のうち前側部分は、後方に向けて下方に向い、後方延長部174の下縁のうち後側部分は、後方に向けて上方に向うように延在している。
タンクカバー172の前後方向中間部とエンジン150との間にフレーム部110aが設けられている。フレーム部110aは、メインフレーム部分の一部をなす部材であり、車体フレームの他の部分と組合わされている。
リアサイドカバー10は、運転者用シート部分163の下縁及び同乗者用シート部分164の下縁に隣接している。また、リアサイドカバー10は、同乗者用シート部分164の前端よりも後方領域から運転者用シート部分163の前部にわたって前後方向に延びて、車体フレーム110を車幅方向外側から覆っている。
リアフレーム110bの後部の下方にリアフェンダ50が設けられる。リアフェンダ50は、同乗者用シート部分164の下方において、リアフレーム110bの下方及び両側方を覆っている。
リアフレーム110bの両側部に一対のタンデムグリップ70が設けられている。タンデムグリップ70は、同乗者用シート部分164の車幅方向両外側に設けられている。同乗者用シート部分164に着座した同乗者が、このタンデムグリップ70を把持する。本実施形態では、一対のタンデムグリップ70の後端部に、リアキャリア180が支持されている。
リアサイドカバー10及びその周辺構成についてより詳細に説明する。図2は自動二輪車100のうちリアサイドカバー10が設けられた部分を示す側面図であり、図3は図2においてリアサイドカバー10を取外した状態を示す側面図であり、図4は自動二輪車100のうちリアサイドカバー10が設けられた部分を示す斜視図であり、図5はフック部74pと膨出部32とを示す平面図である。
タンデムグリップ70は、同乗者が同乗者用シート部分164に着座した状態で、同乗者により把持される部分である。タンデムグリップ70は、基部72、一対の突出支持部74、76、及び、把持棒状部分78を備える。本実施形態では、タンデムグリップ70は、金属等で一体形成された部材で形成される。
基部72は、前後方向に沿った長尺状に形成されている(図3参照)。基部72は、同乗者用シート部分164の下方において、後方に向けて上向きとなる傾斜姿勢で、リアフレーム110bに直接又はブラケット等を介して支持される。
一対の突出支持部74、76は、基部72の前後両端部から車幅方向外側に突出している。つまり、基部72は、一対の突出支持部74、76の基端部を繋ぐ部分である。
前側の突出支持部74に、フック部74pが設けられている。フック部74pは、リアキャリア180又は同乗者用シート部分164上に載置された荷物を保持するためのベルト等を引っ掛けて保持するためのフックである。本実施形態では、前側の突出支持部74の前部に前方に向けて下方に向うフック部74pが突設されている。フック部74pは、先端に向けて順次細くなる形状に形成されている。
把持棒状部分78は、一対の突出支持部74、76の先端部を繋ぐ棒状の部分である。把持棒状部分78は、同乗者用シート部分164の側部の下縁部の延在方向に沿って延びる細長い棒状に形成された部分と、この部分の前端から前方に向けて下方に向うように延びる部分とを含む。
把持棒状部分78の前部が前側の突出支持部74の前部の上部であって車幅方向外側の部分に支持され、把持棒状部分78の後部が後側の突出支持部76の上端部に支持されている。これにより、把持棒状部分78が、基部及び一対の突出支持部74、76の上側であって同乗者用シート部分164の車幅方向外側に支持される。把持棒状部分78のうち一対の突出支持部74で支持された部分の間の部分は、同乗者により把持される把持部分78gである。
このタンデムグリップ70は、同乗者用シート部分164の下方の車幅方向外側領域で、当該同乗者用シート部分164よりも車幅方向外側に突出する突出部材の一例である。
リアフェンダ50は、リアサイドカバー10の下方から車体フレーム110のリアフレーム110bを覆う。リアフェンダ50は、底部51と、一対の側部52とを含む板状部材である。車幅方向視では、リアフェンダ50の下部は、リアサイドカバー10の下方に露出している。リアフェンダ50の表面には、それ自体を形成する材料の色が表れている。つまり、リアフェンダ50は、塗装によって着色されていない。リアフェンダは、塗装によって着色されていてもよい。底部51は、前後方向に対して直交する横断面がU字状をなす板状に形成されており、同乗者用シート部分164の下方領域を覆える前後長及び幅に形成されている。底部51の両側部から一対の側部52が立上がっている。一対の側部52は、リアフレーム110bのうち車幅方向外側を覆っている。また、一対の側部52には、上記突出支持部74、76の形状に応じた一対の凹部52aが形成されている(図3参照)。一対の凹部52a内に、突出支持部74、76が配設される。一対の側部52のうち一対の凹部52a間の部分は、タンデムグリップ70の基部72の少なくとも一部を車幅方向外側から覆っている。
リアサイドカバー10について説明する。リアサイドカバー10は、樹脂で形成された部材であり、前後方向に細長い板状に形成されている。リアサイドカバー10のうち少なくとも外側の面は塗装によって着色されている。塗装による着色とは、元の材料に塗料を付着させることによって、元の材料の表面が塗料に応じた色を呈するようにすることをいう。本実施形態では、塗料の色は、元の材料の地色とは異なる色である。別例として、リアサイドカバーは塗装によって着色されていなくてもよい。本実施形態では、リアサイドカバー10の外側の面は、リアフェンダ50の外側の面に対して、異なる色を呈している。
リアサイドカバー10は、同乗者用シート部分164の前端よりも後方領域から、運転者用シート部分163の前部にわたって前後方向に延在する長さ寸法に形成されている。ここで、同乗者用シート部分164の前端よりも後方領域は、同乗者用シート部分164の最も前側の端よりも後方の領域をいう。従って、リアサイドカバー10の後端が、同乗者用シート部分164の最も前側の端よりも後方に延在していればよい。
運転者用シートの前部は、たとえば運転者用シートの着座位置の前端として設定されてもよい。前述したように着座位置は、シート上面のうちで、上方に向かって傾斜する部分よりも後方に設定される。また運転者用シートの前部は、運転者シート全体の前端として設定されてもよい。また運転者用シートの前後方向における前端から1/4の部分が、運転者用シート部分の前部に含まれるとして設定されてもよい。運転者用シートの前部は、燃料タンク170とシート162とを前後方向で隔てる境界線の下端位置として設定されてもよい。
リアサイドカバー10は、燃料タンク170の後部に隣接する位置まで延びる長さ寸法に形成されていてもよく、本実施形態では、そのような長さ寸法に形成されている。ここでは、リアサイドカバー10は、運転者用シート部分163の下縁の前端を前方に超える。リアサイドカバー10は、さらに、運転者用シート部分163のうち燃料タンク170の後部に被さっている部分を前方に超えている。そして、リアサイドカバー10の前部が、運転者用シート部分163の下縁の前方延長上において、燃料タンク170及びタンクカバー172の車幅方向外側を覆っている。タンクカバー172は、運転者用シート部分163の下方の前寄りの部分にも延在していることから、リアサイドカバー10のうち運転者用シート部分163の下方の前寄りの部分も、タンクカバー172の一部を車幅方向外側から覆っている。このように、リアサイドカバー10の前部がタンクカバー172の一部に重なっていることから、リアサイドカバー10の前部が比較的広い領域で車幅方向内側から支えられるため、変形が防がれて、運転者がニーグリップし易い。
リアサイドカバー10は、同乗者用シート部分164の後端まで延びていてもよい。例えば、同乗者用シート部分164の周囲の縁のうち鉛直姿勢よりも水平姿勢に近い縁の後端は、同乗者用シート部分164の後部に含まれるとしてもよい。また、同乗者用シート部分164の前後方向における後から1/4度の部分は、同乗者用シート部分164の後部に含まれると把握してもよい。同乗者用シート部分164のうち同乗者が着座する部分よりも後側の部分(例えば、着座面のうち後方に向けて上方に向う部分)は同乗者用シート部分164の後部に含まれると把握してもよい。
また、同乗者用シート部分164の車幅方向外側にタンデムグリップ70が設けられている場合、リアサイドカバー10は、タンデムグリップ70の把持部分78gよりも後方の領域まで延びていてもよい。
本実施形態においては、リアサイドカバー10は、タンデムグリップ70の把持部分78gよりも後方の領域まで延びる。リアサイドカバー10は、さらに、同乗者用シート部分164の後端まで延びる。
このように、シート部分163、164に沿って前後に長く形成されていることから、これらの部分を覆う部分を、複数部品を組合わせて構成する場合と比較して、当該部分の部品点数削減を図ることができる。
リアサイドカバー10の上縁は、運転者用シート部分163及び同乗者用シート部分164のそれぞれの下縁に沿う形状に形成されている。より具体的には、リアサイドカバー10の上縁のうち前後方向において運転者用シート部分163に対応する領域に配設される部分は、運転者用シート部分163の下縁の形状に合せて、下向きに凹となる形状に形成されている。リアサイドカバー10の上縁のうち前後方向において同乗者用シート部分164に対応する領域に配設される部分は、同乗者用シート部分164の下縁の形状に合せて後方に向けて上方に向う傾斜形状に形成されている。このため、リアサイドカバー10は、運転者用シート部分163及び同乗者用シート部分164のそれぞれの下縁に隣接する。なお、リアサイドカバー10の前部の上縁は、運転者用シート部分163の下縁からさらに前方に延出して、タンクカバー172の上縁に沿って延びている。
また、リアサイドカバー10の上縁のうち運転者用シート部分163の下縁及び同乗者用シート部分164の下縁に沿う部分には、車幅方向内側に退避する退避部分と、その退避部分の内側縁から上方に向う上向き部分とが形成されている。退避部分は、リアサイドカバー10の上縁よりも下方の残余の部分と比べて、車幅方向内側に退避するように形成されている。上向き部分は、前記残余の部分よりも車幅方向内側に退避した位置で上方に延在している。そして、シート162の側部の下縁が、退避部分の上方に配設されると共に、上向き部分を車幅方向外側から覆っている。
リアサイドカバー10を、前側領域20と後側領域30とに分けて説明する。前側領域20はリアサイドカバー10のうち前側の領域であり、後側領域30はリアサイドカバー10のうち後側の領域である。前側領域20は主として運転者用シート部分163の下方及び運転者用シート部分163より前方に広がる。ここでは、前側領域20は、運転者用シート部分163の下側縁部に連続している。後側領域30は主として同乗者用シート部分164の下方に広がる。ここでは、後側領域30は、同乗者用シート部分164の下側縁部に連続している。後側領域30は、運転者用シート部分163の後部と同乗者用シート部分164の前部との境界近傍(ここでは、シート部分163、164が上下で重なる領域)で、前側領域20の後部の上部に連なっている。
前側領域20は、平たい又はなだらかに湾曲する板状に形成されている。前側領域20の前部の下縁12aは、リアサイドカバー10の前端から後方に向けて下方に向うように延びる。下縁12aの延在方向中間部から後方部分は、フレーム部110aの後ろ側斜め上方の縁部に沿って延びている。
リアサイドカバー10のうち運転者用シート部分163の下方の下縁12bは、下縁12aの後端から後方に向けて上方に向うように延在する。下縁12bは、上方に向けて凹となるようになだらかに湾曲しつつ延在している。
下縁12bのうち後部には、前記下縁12bよりも大きく傾いた状態で、後方に向けて上方に向うように延在する下縁が連続して形成される。
このため、前側領域20を車幅方向に沿った方向視で、運転者用シート部分163の前後方向中間部で最も幅狭となり、その部分から前方及び後方に向うにつれて幅広となる形状に形成されている。また、前側領域20の前部は前方に向うにつれて幅狭になる形状に形成されている。また、前側領域20の後部は、前方に向うにつれて幅狭になる形状に形成されている。
後側領域30は、上側領域では下方に向けて車幅方向外側に膨出し、下側領域では上側領域の下部から下方に向けて延出する板状に形成されている。
後側領域30の下縁は、一対の突出支持部74、76に対応する位置で上方に凹む下縁13aと、下縁13aの間で下方に突出する下縁13bとを含む。
下縁13aは、一対の突出支持部74、76の上部の周囲に配設される。このため、後側領域30のうち下縁13aの上側領域は、同乗者用シート部分164と一対の突出支持部74、76との間の領域を覆う。一対の突出支持部74、76は、リアサイドカバー10の下縁13aと、リアフェンダ50の一対の凹部52aとで上下方向に挟まれることになる。
リアサイドカバー10は、タンデムグリップ70のうち把持部分78gに車幅方向内側から対向する部分31aを含む。本実施形態では、後側領域30のうち一対の突出支持部74、76の間の下縁13bが、タンデムグリップ70のうち把持部分78gを下方に超えている。ここでは、下縁13bは、一対の突出支持部74、76の間に達している。このため、後側領域30のうち下縁13bの上側領域は、同乗者用シート部分164の下縁からタンデムグリップ70の把持部分78gの内側を経て一対の突出支持部74、76の間に達する領域を覆う。つまり、後側領域30のうち下縁13bの上側領域は、タンデムグリップ70の2箇所の固定部の間に上方から延在する。このため、下縁13bの上側領域であって一対の突出支持部74、76間の部分よりも上側に、把持部分78gに車幅方向内側から対向する部分31aが設けられる。また、リアサイドカバー10のうち下縁13bに近い領域は、把持部分78gの下方に延出して一対の突出支持部74の間に位置している。このため、自動二輪車100を車幅方向外側から見ると、リアサイドカバー10のうち下縁13bに近い領域が露出する。よって、リアサイドカバー10は、車幅方向外側から見て把持部分78gの下方に露出する領域を含む。
また、リアサイドカバー10の一部である下縁13bに近い領域は、タンデムグリップ70の基部72を車幅方向外側から覆っている。把持部分78gは、基部72に対して上方向に離れており、リアサイドカバー10の後側領域30の上領域は、下領域に比べて車幅方向内側に退避している。これらから、リアサイドカバー10の一部で基部72を覆う構成としても、把持部分78gとリアサイドカバー10との車幅方向の隙間が小さくなることを抑制できる。
リアフェンダ50の後側領域30の前部は、タンデムグリップ70の前方領域で車幅方向外側に突出する膨出部32を含む。膨出部32は、その周囲部分33と比べて車幅方向外側に突出している。また、膨出部32は、前記周囲部分33に対してなだらかに繋がる形状に形成されている。ここで、膨出部32が周囲部分33になだらかに繋がるとは、膨出部32が、角張った箇所を介さず、曲面を介して周囲部分33に繋がっていることをいう。
膨出部32は、タンデムグリップ70の前端のフック部74pの周囲の少なくとも一部を囲った状態で車幅方向外側に膨出する。より具体的には、膨出部32は、タンデムグリップ70の前端のフック部74pの前方領域から当該フック部74pの上下領域にわたって膨出するように形成されている。ここでは、膨出部32は、フック部74pを前方及び上下から囲む横向きU字状に膨出するように形成されている。この膨出部32の前部及び上下部位は、なだらかな曲面で車幅方向内側に向い、リアサイドカバー10のうち膨出部32の前方及び上下の領域になだらかに繋がる。上記膨出部32の車幅方向の内側面は、車幅方向の外側面の膨出形状に応じて凹む形状に形成されている。
膨出部32のうちタンデムグリップ70の前端のフック部74pを前方及び上下から囲む部分から車幅方向内側に向かう囲部33aが延出している。囲部33aは、フック部74pを前方及び上下方向から囲っている。
上記リアサイドカバー10の固定構造について説明する。リアサイドカバー10には、複数の固定部が形成されている。本実施形態では、複数の固定部として、ネジ挿通孔40、クリップ41、係合片44、46、48が形成されている(図2、図3参照)。
ネジ挿通孔40は、リアサイドカバー10をネジ止固定するための部分である。本実施形態では、ネジ挿通孔40は、リアサイドカバー10の前部及び前後方向中間部等に形成されている。ネジSがネジ挿通孔40を通ってタンクカバー172等に形成されたネジ孔に螺合される。
クリップ41は、リアサイドカバー10自体に形成された抜け止固定部分である。本実施形態では、クリップ41は、リアサイドカバー10の前側領域20の内面側に突出して形成されている。クリップ41がタンクカバー172に形成されたクリップ固定用孔174bに抜け止係止する。
係合片44、46、48は、リアサイドカバー10自体に形成された係合固定部分である。本実施形態では、係合片48は、リアサイドカバー10の前部に形成されている。係合片44、46は、後側領域30の下縁13b、13aに形成されている。これらの係合片44、46、48は、タンクカバー172或はリアフェンダ50に係合する。
係合片44の係合構造について図6を参照して説明する。なお、係合片46は、係合片44と同様構成である。図6はリアサイドカバー10の後側領域30の下縁13bに形成された係合片44が、リアフェンダ50の側部52に係止する構成を示す斜視図である。図6は車幅方向内側から係合構造を視た図である。
係合片44は、リアフェンダ50に係合することで、リアサイドカバー10をリアフェンダ50に対して固定するための部分である。ここでは、係合片44は、リアフェンダ50の上縁に車幅方向内側から対向する部分を含む。この状態で、リアサイドカバー10は、リアフェンダ50の上縁に車幅方向外側から対向する部分を含む。これにより、係合片44のうち上記対向部分とリアサイドカバー10のうち上記対向部分との間で、リアフェンダ50の上縁が挟まれ、もって、リアサイドカバー10がリアフェンダ50に固定される。
本実施形態では、リアサイドカバー10の後側領域30の下縁13aは、一対の突出支持部74、76の間において、リアフェンダ50の上縁53を車幅方向外側から覆う。リアフェンダ50には、係合片44が係合する係合部分が形成されている。本実施形態では、上縁53の延在方向中間部に、係合片44が係合する係合部分が形成されている。ここでは、係合部分として、上縁53に、その内側に向けて凹む係合凹部54が形成されている。係合凹部54の奥側の面54aは、上縁53に対して平行姿勢で延在する。
リアサイドカバー10に、係合片44が形成されている。本実施形態では、リアサイドカバー10の下縁13bのうち係合凹部54に対向する部分に係合片44が形成されている。係合片44は、上記係合凹部54内に配置される突出部分44aと、リアサイドカバー10の後側領域30の下縁13aの内側に対向して配置される内側対向部分44bとを含む。ここでは、突出部分44aは、リアサイドカバー10の内面から突出している。内側対向部分44bは、突出部分44aの先端部から下縁13b側に向けて突出している。つまり、ここでは、係合片44は、L字状に突出する形状に形成されている。突出部分44aは、リアサイドカバー10の内面のうち下縁13bよりも内側の部分から突出している。内側対向部分44bは、突出部分44aに対して直交姿勢で連なり、リアサイドカバー10の内面に対して平行姿勢で、下縁13b側に向けて延在する。突出部分44a及び内側対向部分44bの外向き面の両側部には、一対のリブ44cが突設されており、一対のリブ44cによって係合片44が一定形状を保つように維持される。
リアサイドカバー10を自動二輪車100に取付けると、係合片44がリアフェンダ50の側部52に次のように係合する。すなわち、リアサイドカバー10の下縁13bがリアフェンダ50の側部52の車幅方向外側に重ね合される。この際、リアサイドカバー10の下縁13bのうち係合凹部54の周囲を車幅方向内側から覆う部分は、外側対向部分の一例である。
また、係合片44のうち内側対向部分44bは、リアフェンダ50の内面のうち係合凹部54よりも内側の部分に当接し、リアフェンダ50の側部52の上縁に車幅方向内側から対向する。これにより、外側対向部分を含むリアサイドカバー10と内側対向部分44bとが、リアフェンダ50の側部52の上縁を両面側から挟込む。
上記係合部分は、リアサイドカバー10の上記対向部分の前後方向の移動を規制する規制面を含む。本実施形態では、係合部分としての係合凹部54は、係合片44が係合凹部54に対して嵌り込む方向において、順次幅狭になる形状に形成されている。係合片44が係合凹部54の奥に嵌り込んでいくことで、係合片44が係合凹部54の奥側の幅狭な部分に位置し、もって、前後方向の移動が規制される。
より具体的には、係合凹部54の両側の側面54bは、上縁53から係合凹部54の奥側の面54aの両端に向けて順次幅狭となるように延在する。係合凹部54の奥側の面54aの幅寸法は、突出部分44aの幅寸法と同じに設定されている。係合凹部54の奥側で、2つの側面54bの間隔寸法は、突出部分44aの幅寸法と同じになる。このため、係合片44のうち突出部分44aが係合凹部54内に嵌り込んだ状態で、突出部分44aの両側部が係合凹部54の一対の側面54bの奥側の部分に当接する。これにより、内側対向部分44bを含むリアサイドカバー10がリアフェンダ50に対して下縁13bの延在方向、特に、前後方向に沿って移動することが規制される。この観点からは、係合凹部54の一対の側面54bは、内側対向部分44bの前後方向の移動を規制する規制面の一例である。
本実施形態では、係合片44に、がたつき抑制のための当接リブ44Lが形成されている。当接リブ44Lは、係合片44がリアフェンダ50に係合した状態で、リアフェンダ50の上縁とリアサイドカバー10が当該上縁に対向する部分との間に介在して、それらの間でのがたつきを抑制する部分である。ここでは、リアサイドカバー10の下縁13bのうち係合片44の両側に、一対の当接リブ44Lが突設されている。当接リブ44Lは、係合片44から離れた位置に形成されている。当接リブ44Lは、下縁13bに直交する方向に沿って延在する細長突起状に形成されている。当接リブ44Lは、外側に向けて順次高さ寸法が低くなる形状であってもよい。
上記のように、係合片44が係合凹部54に係合した状態で、リアサイドカバー10の内面に形成された当接リブ44Lがリアフェンダ50の側部52の外面に当接する。この当接リブ44Lがリアサイドカバー10の内面とリアフェンダ50の側部52の外面との間に介在することで、内側対向部分44bと外側対向部分との間で、リアフェンダ50の側部52ががたつくことが抑制される。この際、当接リブ44Lは、係合片44から離れている。このため、リアフェンダ50自体及びリアサイドカバー10自体の弾性変形をも利用して、当接リブ44Lをリアサイドカバー10の内面とリアフェンダ50の側部52の外面との間に圧入でき、よりがたつきを抑制できることが期待できる。係合片46も、係合片44と同様にリアフェンダ50の側部52に係合する。
以上のように構成された自動二輪車100によると、リアサイドカバー10の前部が運転者用シート部分163の前部にまで延びることで、乗車姿勢の同乗者の衣服と、リアサイドカバー10の前部とを離間させた位置関係するとことができる。また、同乗者の脚部に隣接する領域で、カバーを構成する部材による上下に延びる継目部分を無くすることができる。このため、同乗者の乗り降りの際に、同乗者の衣服がリアサイドカバー10に引っ掛かることを抑えることができる。
また、リアサイドカバー10が、同乗者用シート部分164から運転者用シート部分163を超えて燃料タンク170まで延びることで、運転者用シート部分163付近の下方で、下方に延びる継目部分を無くすることができる。このため、運転者の乗り降りの際に、継目部分による衣服の引っ掛かりをさらに抑えることができる。
また、リアサイドカバー10は、タンデムグリップ70の把持部分78gに車幅方向外側から対向する対向部分を含む。これにより、把持部分78g付近で、上下方向に延びる継目を無くすることができ、グリップ把持又はグリップ把持解除の際に、継目部分による同乗者のグローブの引っ掛かりを抑えることができる。
また、リアサイドカバー10が同乗者用シート部分164の後端まで延びることで、タンデムグリップ70の周囲において、カバーを構成する部材による、上下に延びる継目部分を無くすることができ、継目部分による同乗者の衣服の引っ掛かりをさらに抑えることができる。
リアサイドカバー10がタンデムグリップ70の把持部分よりも後方の領域まで延びている。このため、同乗者が把持部分78gを把持するにあたって、把持部分78gの下方領域に指先を移動させる場合において、当該指先が移動しそうな領域で、カバーを構成する部材による継目部分を無くすることができる。これにより、継目部分に対する同乗者の指先又はグローブの引っ掛かりを抑えることができる。
また、リアサイドカバー10とリアフェンダ50との係止部分においては、リアサイドカバー10の外側対向部分と内側対向部分44bとがリアフェンダ50の側部52の上縁を車幅方向両側から挟むことで、リアサイドカバー10とリアフェンダ50との相対移動を抑制することができる。これにより、リアサイドカバー10とリアフェンダとで生じる段差の拡大を抑制することができ、段差での衣服、指等の引っ掛かりを抑えることができる。
また、リアサイドカバー10の外側対向部分と内側対向部分44bとがリアフェンダ50の側部52の上縁を挟む部分で、規制面の一例である係合凹部54の一対の側面54bによって、リアフェンダ50に対するリアサイドカバー10の前後方向の移動が規制される。これにより、リアサイドカバー10とリアフェンダ50とで生じる段差の拡大をより抑制することができ、段差での衣服、指等の引っ掛かりをより抑えることができる。
また、リアサイドカバー10は、突出部分の一例であるタンデムグリップ70の前方領域で、周囲部分33と比べて車幅方向外側に突出して、当該周囲部分33になだらかに繋がる膨出部を含む。このため、タンデムグリップ70、特に、フック部74pに対して前方から近づいた衣服は、膨出部32によってタンデムグリップ70の先端部の外方に案内され、当該突出部分に近接することが抑制される。これにより、衣服がタンデムグリップ70、特に、フック部74pに引っ掛かり難くなる。
突出部分がタンデムグリップ70である例で説明したが、ここでの突出部分は、専用の荷掛フックであってもよいし、フック部74pを有さないタンデムグリップであってもよい。
また、膨出部32は、タンデムグリップ70の前方領域からタンデムグリップ70の前端(特に、フック部74p)の上下領域にわたって膨出するように形成され、膨出部32の内周部が外周部の膨出形状に応じて凹む形状に形成されている。このため、膨出部32が肉厚になるのを抑制しつつ、リアサイドカバー10の膨出部32の剛性を高めることができる。また、この膨出部32によって、タンデムグリップ70の前端(特に、フック部74p)に、その前、上下等から接近する衣服が引っ掛かることを抑制できる。
また、運転者用シート部分163及び同乗者用シート部分164に沿って前後に広範囲に延びる領域に、塗装によって着色されたリアサイドカバー10を設けることができ、このリアサイドカバー10は、上下方向に延びる継目が無い。このため、当該広範囲に延びる領域において、継目に起因する塗装の剥がれ、汚れの付着等を防ぐことができ、美観を維持させやすくすることができる。
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
本明細書は、下記の各態様を含んでいる。
第1の態様は、運転者用シート部分の後方に同乗者用シート部分が設けられる鞍乗型車両であって、前記運転者用シート部分の下縁及び前記同乗者用シート部分の下縁に隣接して、前記同乗者用シート部分の前端よりも後方領域から、前記運転者用シート部分の前部にわたって前後方向に延びて、車体フレームを車幅方向外側から覆うリアサイドカバーを備える鞍乗型車両である。
このように、リアサイドカバーの前部が運転者用シート部分の前部まで延びることで、乗車姿勢の同乗者の衣服と、リアサイドカバーの前部とを離間して配置させることができる。また、同乗者の脚部に隣接する領域で、カバーを構成する部材による、上下に延びる継目部分を無くすることができる。結果、同乗者の乗降りの際に、同乗者の衣服がリアサイドカバーに引っ掛かることを抑えることができる。
第2の態様は、第1の態様に係る鞍乗型車両であって、前記運転者用シート部分の前方に配置される燃料タンクをさらに備え、記リアサイドカバーは、前記燃料タンク後部に隣接する位置まで延びている、鞍乗型車両である。
このように、リアサイドカバーが、同乗者用シート部分から運転者用シート部分を超えて燃料タンクまで延びることで、運転者用シート部分付近の下方で、上下に延びる継目部分を無くすることができる。結果、継目部分による衣服の引っ掛かりをさらに抑えることができる。
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る鞍乗型車両であって、前記同乗者用シート部分の車幅方向外側に設けられ、乗車姿勢の同乗者が把持するためのタンデムグリップをさらに備え、前記リアサイドカバーは、前記タンデムグリップのうちの把持部分に車幅方向内側から対向する対向部分を含む、鞍乗型車両である。
これにより、把持部分付近で、上下に延びる継目部分を無くすることができる。結果、継目部分による衣服の引っ掛かりをさらに抑えることができる。
第4の態様は、第3の態様に係る鞍乗型車両であって、前記リアサイドカバーは、前記同乗者用シート部分の後端まで延びている、鞍乗型車両である。
リアサイドカバーが、同乗者用シート部分の後端まで延びることで、タンデムグリップの周囲において、カバーを構成する部材による、上下に延びる継目部分を無くすることができる。結果、継目部分による衣服の引っ掛かりをさらに抑えることができる。
第5の態様は、第3又は第4の態様に係る鞍乗型車両であって、前記リアサイドカバーは、前記タンデムグリップの前記把持部分よりも後方の領域まで延びている、鞍乗型車両である。
リアサイドカバーがタンデムグリップの把持部分よりも後方の領域まで延びることで、把持部分を把持するにあたって、把持部分の下方領域に指先を移動させる場合において、当該指先が移動しそうな領域で、カバーを構成する部材による継目部分を無くすることができる。これにより、継目に対する同乗者の指、グローブの引っ掛かりを抑えることができる。
第6の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様に係る鞍乗型車両であって、前記リアサイドカバーの下方から、前記車体フレームを覆うリアフェンダをさらに備え、前記リアサイドカバーは、前記リアフェンダの上縁を車幅方向外側から覆う外側対向部分と、前記リアフェンダの前記上縁に車幅方向内側から対向する内側対向部分とを含み、前記外側対向部分と前記内側対向部分とが、前記リアフェンダの前記上縁を両側から挟込んでいる、鞍乗型車両である。
リアサイドカバーの外側対向部分と内側対向部分とがリアフェンダの上縁を車幅方向両側から挟むことで、リアサイドカバーとリアフェンダとの相対移動を抑制することができる。これにより、リアサイドカバーとリアフェンダとで生じる段差の拡大を抑制することができ、段差による引っ掛かりを抑えることができる。
第7の態様は、第6の態様に係る鞍乗型車両であって、前記リアフェンダに、前記リアサイドカバーの前記内側対向部分が係合する係合部分が形成され、前記係合部分は、前記内側対向部分の前後方向の移動を規制する規制面を含む、鞍乗型車両である。
リアサイドカバーの外側対向部分と内側対向部分とがリアフェンダの上縁を車幅方向両側から挟む部分で、規制面によって、リアフェンダに対するリアサイドカバーの前後方向の移動が規制される。これにより、リアサイドカバーとリアフェンダとで生じる段差の拡大を抑制することができ、段差による引っ掛かりをより抑えることができる。
第8の態様は、第1から第7のいずれか1つの態様に係る鞍乗型車両であって、前記同乗者用シート部分の下方の車幅方向外側領域で、車幅方向外側に突出する突出部材をさらに備え、前記リアサイドカバーは、前記突出部材の前方領域で、周囲部分と比べて車幅方向外側に突出して、前記周囲部分に滑らかに連なる膨出部を含む、鞍乗型車両である。
膨出部によって、同乗者の衣服等が突出部分に近接することが抑制され、突出部分に衣服等が引っ掛かることを抑えることができる。
第9の態様は、第8の態様に係る鞍乗型車両であって、前記膨出部は、前記突出部材の前方領域から前記突出部材の前端の上下領域にわたって膨出するように形成され、前記膨出部の内側面が外側部の膨出形状に応じて凹む形状に形成されている、鞍乗型車両である。
膨出部は、突出部材の前方領域から突出部材の前端の上下領域にわたって膨出するように形成され、膨出部の内側面が外側部の膨出形状に応じて凹む形状に形成されているため、膨出部が肉厚になるのを抑制しつつリアサイドカバーの剛性を高めることができる。また、この膨出部によって、突出部分への衣服の接近を抑えることができる。
第10の態様は、第1から第9のいずれか1つの態様に係る鞍乗型車両であって、前記リアサイドカバーは、塗装によって着色されている、鞍乗型車両である。
各シート部分に沿って前後に広範囲に延びる領域については、着色塗装される部材が用いられ、その部材が上下に継目無く形成される。これによって、継目に起因する塗装の剥がれ、汚れを防ぐことができ、美観を維持させ易くすることができる。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
例えば、上記実施形態では、自動二輪車100がエンジンを搭載する例で説明したが、自動二輪車はエンジンに代えて電気モータを搭載していてもよい。また、自動二輪車は、エンジンに加えて電気モータを搭載したハイブリットタイプの動力システムを備えていてもよい。また、メインフレーム部分は、型成形された部材によっても構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、運転者用シート部分と同乗者用シート部分とが一体に形成されている例を説明したが、運転者用シート部分と同乗者用シート部分とが前後に分割されて別々に形成されていてもよい。また、リアキャリア180は省略されてもよい。