JP2016107795A - 自動二輪車の部品取付構造およびその取付方法 - Google Patents

自動二輪車の部品取付構造およびその取付方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ブリッジプレートに単一の一体ブラケットをボルト締結させ、部品点数を減少させてシートおよびフレームカバーの取付作業性を簡素化し、部品取付精度を向上させ、コストダウンを図ることができる自動二輪車の部品取付技術を提供するもの。【解決手段】自動二輪車の部品取付構造は、車体フレーム11の後方にシートレール36を設け、シートレール36の上方にフロントシートおよびリヤシートをセパレートして設置し、シートレール36の車両側方をフレームカバー61で覆設した自動二輪車のフレーム構造において、シートレール36の後方で、前記リヤシートを設けるブリッジプレート41が、左右対のシートレール36に山形形状に架設して設けられ、ブリッジプレート41に、フロントシート取付部52とフレームカバー取付部53を備えた一体ブラケット50が設けられ、一体ブラケット50はブリッジプレート41にボルト締結されて固定されたことを特徴とするものである。【選択図】 図8

Description

本発明は、自動二輪車の部品取付技術に係り、特にシートおよびフレームカバーの部品を取り付ける自動二輪車の部品取付構造およびその取付方法に関する。
自動二輪車には、ライダー用フロントシートと同乗者用リヤシートとをセパレートして設置した小型車両がある。このタイプの自動二輪車は、シートレール上にフロントシート、リヤシート、フレームカバーの部品が配置されていて、それらの部品はシートレールの部品取付部材に直接固定させたり、左右のシートレールを架設するブラケット上にフックやステーの部品取付部材を設けて固定している。
フロントシート、リヤシート、フレームカバーの部品取付部材は、フレームカバーへの取付け性を考慮して、シートレール上面より上方に突出させて設置される場合が多い。部品取付部材をシートレールより上方に突出させたり、外側方に張り出して設けると、搬送時にシートレール上の部品取付部材が当たって変形する恐れがあり、部品取付部材の設定位置は大きな制約を受け、限定されている。このため、部品取付部材をシートレールの最適位置に設定できない場合がある。
また、セパレートタイプのシートを備えた自動二輪車において、走行時にライダーの体重移動によってシートがフレームカバーに当たり、フレームカバーを変形させる虞があるが、フレームカバーの押付け位置近傍にフレームカバー取付部を設置できないため、シートはフレームカバーに当たって大きく変形し、割れが発生する恐れがある。
特開2014−104811号公報
引用文献1に記載の自動二輪車のシート取付構造では、ライダー用フロントシートの前部および後部は、左右のシートレールにラバーマウントをそれぞれ備えたシート(部品)取付部材で支持される。
しかしながら、ライダーシートのシート(部品)取付部材はライダー用フロントシートの前部および後部が左右のシートレール上にそれぞれ設けられ、複数部品を組み合せた組付け構造や締結構造体で構成されている。シート取付部材は部品点数が多いため、それらの組立てが容易でなく複雑となって手間隙がかかる。
なかでも、ライダー用フロントシート後部のシートレールへの取付けは、手探り状態でクッション(ラバーマウント)の取付穴を探ってピン部材を挿入する構造であるため、組付け性が悪く、組付けが複雑となって、組付け作業時間が長くなる。ライダー用フロントシート後部の締結構造体は左右のシートレールの車体幅方向外方に突出して個々に設けられるため、フレームカバー造形の制約要件となり、車両外観形状は制約を受け、デザイン上の自由度が損なわれる。
さらに、車体フレームのシートレール上に配置されるライダー用フロントシートやフレームカバーの部品は、左右のシートレール上に個々のブラケットやステーの部品取付部材を介してそれぞれ個別に取付けられる。このため、ライダー用フロントシートやフレームカバーの各部品は部品の取付けの際に、部品の合わせや組付け性に不具合が発生し、外観不良が発生したり、組付け工数が増加して手間隙がかかり、コストアップの要因となっている。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、ブリッジプレートにボルト締結される単一の一体ブラケットによりシートおよびフレームカバーの取付け作業性を簡素化し、部品取付け精度を向上させ、コストダウンを図ることができる自動二輪車の部品取付構造およびその取付方法を提供することを目的とする。
本発明に係る自動二輪車の部品取付構造は、上述した課題を解決するために、車体フレームの後方にシートレールを設け、前記シートレールの上方にフロントシートおよびリヤシートをセパレートして設置し、前記シートレールの車両側方をフレームカバーで覆設した自動二輪車のフレーム構造において、前記シートレールの後方で、前記リヤシートを設けるブリッジプレートが、左右対の前記シートレールに山形形状に架設して設けられ、前記ブリッジプレートに、フロントシート取付部とフレームカバー取付部を備えた一体ブラケットが設けられ、前記一体ブラケットは前記ブリッジプレートにボルト締結されて固定されたことを特徴とするものである。
また、本発明に係る自動二輪車の部品取付方法は、上述した課題を解決するために、車体フレームの後方にシートレールを取り付け、前記シートレールの上方にフロントシートおよびリヤシートをセパレートして設置し、前記シートレールの車両側方をフレームカバーで覆う自動二輪車の部品取付方法において、前記シートレールの後方で、前記リヤシートを設置するブリッジプレートを、左右対の前記シートレールに山形形状に跨設して取り付け、前記ブリッジプレートに、フロントシート取付部とフレームカバー取付部を備えた一体ブラケットを取り付け、前記一体ブラケットは前記ブリッジプレートにボルト締結により取り付けることを特徴とする取付方法である。
本発明においては、ブリッジプレートにボルト締結される一体ブラケットを別体取付構造とすることで、シートレール上に個々の部品取付部材が不要となって廃止することができ、しかも、シートおよびフレームカバーの部品取付作業性を簡素化して部品取付精度を向上させ、コストダウンを図ることができる。
また、フロントシート取付部およびフレームカバー取付部を備えた単一の一体ブラケットにより、部品搬送時の変形を防ぐことができ、フロントシートおよびフレームカバーの部品同士の隙間が安定し、相対部品取付精度が向上し、外観品位も向上させることができる。
セパレートタイプのシートを設置した自動二輪車の左側面図。 図1に示された自動二輪車の平面図。 車体フレームに燃料タンク、セパレートタイプのシートおよびフレームカバーを取り付けた自動二輪車のフレーム組付構造を示す左側面図。 自動二輪車の車体フレーム構造例を示す斜視図。 車体フレームのリヤフレームに一体ブラケットを組み付けた斜視図。 リヤフレームに跨設のブリッジプレートに一体ブラケットを組み付けた車体フレームのリヤフレーム構造を示す平面図。 リヤフレームのシートレール上に設置されるフロントシートを示す左側面図。 車体フレームのリヤフレームを覆設するフレームカバーの取付構造を示す平面図。 車体フレームのリヤフレームを覆うフロントシートおよびフレームカバーの設置状態を示す平面図。 車体フレームのリヤフレームを覆設するフレームカバーを示す車両後部の斜視図。 車体フレームのリヤフレームとリヤフェンダの取付状態を示す斜視図。 図3のA−A線に沿う横断面図。 図2のB−B線に沿う縦断面図。
以下、本発明に係る実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明が適用される自動二輪車の全体を示す左側面図であり、図2は、自動二輪車の平面図を示す。図3は、自動二輪車を構成する燃料タンク、セパレートされたシートおよびフレームカバーを取り付けた車体フレームの締付け状態を示す左側面図である。本明細書において、「左側」および「右側」は車両に乗車したライダーから見た方向を示し、符号「L」および「R」でそれぞれ表わす。また、車両前方側を「FW」で、車両後方側を「RW」でそれぞれ表わす。
図1乃至図3に示すように、自動二輪車10の車体フレーム11は、車両前半部を構成するメインフレーム12と車両後半部を構成するリヤフレーム13とを有する。車体フレーム11は、車両前端側のヘッドパイプ14から左右一対のメインフレーム12が後方斜め下方に延びており、メインフレーム12、12の後端部から下方に一体に延びるセンターフレーム15が設けられる。
車体フレーム11のヘッドパイプ14には、ステアリングシャフト(図示せず)が回動自在に挿通され、このステアリングシャフトにアッパーブラケット17およびアンダーブラケット18が取り付けられる。アッパーブラケット17およびアンダーブラケット18によりフロントフォーク19が支持される。フロントフォーク19の下端部に前輪20が設けられ、フロントフォーク19のアッパーブラケット17上方にハンドル21が取り付けられる。
メインフレーム12後端部のセンターフレーム15には、中程にピボット部24が設けられ、このピボット部24にスイングアーム25が上下揺動自在に支持される。スイングアーム25はアーム後端部に後輪26が回転自在に支持される。スイングアーム25には、中央部前側下部に懸架ブラケットが取付けられ、この懸架ブラケットは、4節リンクのリンク機構27を介してセンターフレーム15の下端部後側の懸架ブラケットに連結される。リンク機構27は三角形状のリングプレート28を備え、このリングプレート28の1つの隅部がリヤクッションユニット29の下端に連結される。リヤクッションユニット29の上端はメインフレーム12の後端部の支持軸に支持される。スイングアーム25は、リヤクッションユニット29およびリング機構27の協働作用により、ピボット部24廻りに上下揺動自在に支持される。
また、車体フレーム11の左右対をなすメインフレーム12およびセンターフレーム15には複数、例えば3つの懸架ブラケット31a,31b,31cが図3に示すように、それぞれ設けられ、これらの懸架ブラケット31a,31b,31cにエンジン31が懸架されて設けられる。エンジン31はチェーンのような動力伝達機構32を介して後輪26を駆動するようになっている。エンジン31の上方には燃料タンク33が設けられる。
車体フレーム11には、メインフレーム12の上部に燃料タンク33が取り付けられており、車体フレーム11の車両前半部は、ハンドル21の前方から車体前部の側方にかけての領域を覆う樹脂製のカウリング34が装着され、覆われている。
車両後半部を構成する車体フレーム11のリヤフレーム13は、図3および図4に示すように、左右一対をなすシートレール36と、このシートレール36を補強する同じく左右一対のサイドフレーム37とから構成される。シートレール36やサイドフレーム37はパイプや鋼製部材で構成される。シートレール36は、メインフレーム12の後端部上方の左右から後方に斜め上方に延びる一方、サイドフレーム37はセンターフレーム15の上部側後端から後上方に延びる。サイドフレーム37にはシートレール36の後端部が連結されて一体化される。シートレール36とサイドフレーム37とは中間部が補強ブリッジ38で連結され、物理的、機械的強度が補強される。シートレール36の後端部をサイドフレーム37に連結する代りに、サイドフレーム37の後端部をシートレール36に連結させ、シートレール36を連結部より後方に延設させてもよい。
また、リヤフレーム13の左右対をなすシートレール36,36は、図4に示すように前側が前部ブリッジプレート40で、レール後端部が上面に平面部を有する山形形状のブリッジプレート41でそれぞれ連結される。サイドフレーム37は、図5に示すようにシートレール36の後端部からさらに後方に延びており、左右対のサイドフレーム37の後端部側は、後部ブリッジプレート42が連結されて補強される。後部ブリッジプレート42は、一体化した単一のブリッジプレートで構成しても、複数のブリッジプレートを跨設して構成してもよい。左右対をなすサイドフレーム37は、図6に示すように前側に前部ブリッジプレート44が掛け渡されて、補強構造に構成される。
さらに、図1,図2および図4に示すように、車体フレーム11のメインフレーム12上に燃料タンク33が設置され、燃料タンク33の後方にライダ用フロントシート45が設けられる。フロントシート45の後方に同乗者用のリヤシート46がセパレートして設置される。
フロントシート45は、図7に示すようにシート前側下部が左右一対のシートフック部47に差し込まれて取り付けられ、シート後側は一体ブラケット50のフロントシート取付部52に固定される。シートフック部47は、図6に示すように、前部ブリッジプレート40上の左右に固着される。一体ブラケット50は、図5および図6に示すように、山形形状のブリッジプレート41内に収容され、ブリッジプレート41の左右両側のプレート脚部前側に締付ボルト48で締め付けられ、ボルト固定される。
具体的には、ブリッジプレート41は、車両前後方向両端部(プレート幅方向両端部)側面に長手方向に沿うリブが形成され、このリブは山形形状のブリッジプレート41の内側に突出してブリッジプレート41を補強している。ブリッジプレート41は左右対のシートレール36の後端部を跨ぐように架設されて固定される。ブリッジプレート41は少なくともプレート脚部の車両前側リブ部41aに、一体ブラケット50の両端部が締付ボルト48で締付固定される。
一体ブラケット50は、図5に示すように、ブリッジプレート41の左右プレート脚部間に掛け渡され、両持ち支持構造のブラケット本体51と、ブラケット本体51の車幅方向中央部に位置するフロントシート取付部52と、フロントシート取付部52の両側に位置するフレームカバー取付部53とが一体に成形される。フレームカバー取付部53は、ブラケット本体51の車幅方向中央部から前方に突出するフロントシート突出部54より車両前方に延びており、一体ブラケット50は、ブリッジプレート41の山形形状に囲まれた内側に配置される。
一体ブラケット50上のフロントシート取付部52は、図7〜図9に示すように、ブリッジプレート41より平面視前方側で車両上方から臨むことができる位置に設置される。具体的には、フロントシート取付部52は、フロントシート45の後端部より後方かつブリッジプレート41より前方で上方から臨むことができる位置に設置されており、フロントシート45の着脱が容易に行なうことができるようになっている。
フロントシート45の前側は、図7に示すように前部ブリッジプレート40のシートフック部49に差し込まれて取付けられ、フロントシート45の後側は、シート後端より後方に突出するフロントシート突出部54が一体ブラケット50のフロントシート取付部52に上方から重ね合わされて、取付ボルト等の締付手段で締め付けられ、固定される。締付手段は、フロントシート45の後端部とブリッジプレート41の前側との間隙上方から取付ボルト等の着脱操作を行なうことができるので、フロントシート45単独で着脱操作を容易に行なうことができる。
リヤシート46はフロントシート45の後方にそのシート45からセパレートしてリヤフレーム13上に設置される。リヤフレーム13のサイドフレーム37には、図10および図11に示すように左右のサイドフレーム37の後端部あるいは取付ブラケット67間に掛止めリンク68が掛け渡されて固定される。掛止めリンク68は車幅方向中央部に上方凸形状の係止部69が設けられ、この係止部69にリヤシート46の車両後方に突出するボトム突出部が挿入されて係止される。リヤシート46の前側下部は開閉ロック機構70によりブリッジプレート41上に設置される。リヤシート46の開閉ロック機構70は、ブリッジプレート41の上方平坦部の取付穴71に取り付けられる。
また、車体フレーム11のリヤフレーム13は、図3に示すように、燃料タンク33の後端部側からフロントシート45およびリヤシート46下部の車両側方を覆う樹脂製のフレームカバーアッセンブリ60が装着される。フレームカバーアッセンブリ60は、フレームカバー61、フレームカバーフロント62、フレームカバーロア63およびフレームカバーリヤ64の複数のカバー部品を組み合わせたカバーアッセンブリ構成を示すが、カバーアッセンブリ構成でなく、全体が1つのフレームカバーで構成したものであってもよい。
フレームカバーアッセンブリ60は、フロントシート45の下部側方で左右対をなすシートレール36およびサイドフレーム37の外側方を覆っており、フレームカバー61は、フロントシート45の後端部付近頂部がカバー側方から車幅方向内方に湾曲して突出している。フレームカバー61の頂部突出部65が一体ブラケット50のカバー取付部53に上方から重なって、取付ボルト等の締付手段で締め付けられ、固定される。フレームカバー61の後端部頂部もカバー側方から車幅方向内方に突出しており、突出したリブ部66がサイドフレーム37の後端部に固定された取付ブラケット67に取付ボルト等の締付手段で締め付けられ、固定される。
本実施形態では、車体フレーム11のリヤフレーム13上にフロントシート45とリヤシート46とが車両前後方向にセパレートして設置され、左右のシートレール36後端部間に跨って山形形状のブリッジプレート41が装架される。ブリッジプレート41は山形形状の内側部下方がラゲッジスペース74として構成される。
ブリッジプレート41は左右両側のプレート脚部前側に両持ち支持構造の単一の一体ブラケット50が掛け渡されてボルト固定される。ブリッジプレート41の山形形状の内側で、車両前後方向前方のリブ部41aに一体ブラケット50をボルト固定し、取り付けることで、ブリッジプレート41のプレート脚部間に掛け渡される一体ブラケット50は、ラゲッジスペース74の車両前側の仕切壁を兼ねることができる。ラゲッジスペース74の車両後側仕切壁は、例えばサイドフレーム37の後端部から立上がる取付ブラケット67で構成することができる。このようにして、山形形状のブレッジプレート41の内側下方と、一体ブラケット50と左右対のサイドフレーム37およびその取付ブラケット67とリヤフェンダ75で囲まれた空間にラゲッジスペース74が構成される。ラゲッジスペース74は図13に2点鎖線で示す領域に形成される。
ラゲッジスペース74は、山形形状のブリッジプレート41の内側下方に位置する一体ブラケット50のブラケット本体51がラゲッジスペース74の前側仕切壁として形成され、後側仕切壁が後上方に立上がる取付ブラケット67等で構成される。ラゲッジスペース74は広範囲の仕切壁で構成されるので、雨合羽や車検証等の収納物の前方への移動を確実に防止することができる。
また、ラゲッジスペース74の前側下部で、リヤフェンダ75上にツールボックス76が収容され、このツールボックス76内に各種工具類やウェス(布切れ)等が収納される。
さらに、山形形状のブリッジプレート41内の前側に収容される一体ブラケット50には、図5に示すようにリレー取付プレート77が一体に設けられ、この取付プレート77にスタータ用リレー78が取り付けられる。
一体ブラケット50は、山形形状のブリッジプレート41の左右のプレート脚部間に掛け渡され、締付ボルト48で締結される。一体ブラケット50はボルト締結される別体構造の部品取付部材とすることで、左右のシートレール上の部品取付部材を廃止することができる。シートレール36に部品取付部材をなくしてスッキリさせ、簡素化することができるので、部品搬送時に変形が生じるのを未然に防ぐことができる。
また、フロントシート取付部52とフレームカバー取付部53は、単一ブラケットである一体ブラケット50に一体成形で設けられ、一体ブラケット50はブリッジプレート41の左右のプレート脚部にボルト締結され、各部品取付部52,53が単一のブラケット本体51に一体に形成され、取付部品同士の隙間が安定し、相対部品取付精度やデザイン上の自由度が向上し、外観品位を向上させることができる。
さらに、ブリッジプレート41は、車幅方向中央部に平面部が、その車幅方向左右両側にプレート脚部がそれぞれ備えられて山形形状に構成される。山形形状のブリッジプレート41は、その両端部がシートレール36の後端部上面に溶着等で固定され、左右対のシートレール36に掛け渡され、装架される。一体ブラケット50はブリッジプレート41の車両前方側でプレート脚部のリブ部66にボルト締結される。このため、一体ブラケット50を取り付けるための専用ブラケットをシートレール36に設けなくてよく、部品点数の削減やコスト低減を図ることができる。
加えて、一体ブラケット50は、ブリッジプレート41のボルト締結部とフロントシート取付部52とを近接させて設定することができ、ブリッジプレート41のプレート脚部間に掛け渡される一体ブラケット50は両持ち支持構造に構成されるので、一体ブラケット50の板厚低減を図ることができ、単一の一体ブラケット形状の小形化を図ることができる。したがって、重量軽減を図ることができる。
一体ブラケット50のフロントシート取付部52は、平面視において、図6に示すように、山形形状のブリッジプレート41の車両前方側に突出しており、一体ブラケット50のフロントシート取付部52上に、フロントシート45のシート後端側底部より車両後方に突出する突出部45aが、図7、図9および図13に示すように重なり合って締付ねじ等の締付手段79で締め付けられ、固定される。リヤシート46を取り外せば、フロントシート取付部52に簡単にアクセスすることができ、フロントシート45の着脱を容易に行なうことができる。シートの作業性が向上し、サービス性が良好となる。
一方、左右対をなすシートレール36間に掛け渡されるブリッジプレート41は、山形形状に囲まれた内側で、リヤシート46下方に、図13に示すようにラゲッジスペース74が構成される。ラゲッジスペース74は、ブリッジプレート41の山形形状の内側部と後方斜め上方に延びる部分のリヤフェンダ75との間に雨合羽、車検証、ウェス(布切れ)等の収納物の車載スペースとして形成される。ラゲッジスペース74の一部、例えばスペース前方下部のリヤフェンダ75上にツールボックス76が車幅方向に設置される。
また、ブリッジプレート41は、山形形状の内側において、車両前方側で左右のプレート脚部間に一体ブラケット50が掛け渡される。一体ブラケット50は左右のシートレール36上のブリッジプレート取付面を下方に延長させることとなり、ラゲッジスペース74の前側仕切壁として兼用させることができる。ラゲッジスペース74は仕切壁を広範囲に形成できるので、収納物の前方への移動を確実に防止することができる。
さらに、ブリッジプレート41の左右フレーム脚部にボルト締結される一体ブラケット50は、左右のフレームカバー取付部53が、図8、図9および図11に示すように、平面視でフロントシート取付部52の車幅方向両側外方に位置して、フロントシート取付部52より車両前方側に突出して設けられる。左右のフレームカバー取付部53は、フロントシート取付部52より車両前方側に突出して設けられ、しかもフレームカバー取付部53は、フロントシート45の取付状態において、図9の平面視で示すように、フロントシート45のシートプロフィール内に設置されている。左右のフレームカバー取付部53を平面視でフロントシート45のシートプロフィール内に設定できる。したがって、フレームカバー取付部53が車両外部に露出することもなく、車両外観を向上させることができる。
本実施形態の自動二輪車10においては、曲線走行時にライダーの左右への過度の体重移動によって、フロントシート45がフレームカバー61に当接して押し付けることがある。このフレームカバー61の押付け位置は、図10に示すように、ライダーからの加圧点Cとして知られている。
しかし、本実施形態の自動二輪車10では、フレームカバー61の締付け位置をライダーからの加圧点Cに近い位置に設定することができるので、フレームカバー61が変形して割れるリスクを軽減させることができる。
本実施形態の自動二輪車の部品取付構造では、単一の一体ブラケット50を別体部品取付構造としてブリッジプレート41のプレート脚部にボルト締結させることができ、さらに一体ブラケット50にリレー取付プレート77が設けられ、このリレー取付プレート77にスタータ用リレー78が設けられる。リレー取付プレート77を一体ブラケット50に設けたので、リレー取付プレート77をシートレール36等の車体フレーム11に取り付ける必要がなく、また、シートレール36上に専用シート取付ブラケット等の部品取付部材を廃止することができるので、部品点数を削減できる。
[本実施形態の作用]
本実施形態は、シートを車両前後方向にセパレートして設置される自動二輪車の小型車両に適用される。
本実施形態に係る自動二輪車10は、車体フレーム11の後方にリヤフレーム13を取り付け、リヤフレーム13のシートレール36上方にフロントシート45およびリヤシート46をセパレートして設置し、シートレール36の車両側方をフレームカバーアッセンブリ60で覆うタイプの自動二輪車に適用される。
本実施形態に係る自動二輪車10は、シートレール36の後方で、リヤシート46を設置するブリッジプレート41を、左右対のシートレール36に山形形状に跨設して取り付ける。左右のシートレール36間に掛け渡されるブリッジプレート41に単一の一体ブラケット50が両持ち支持構造にボルト締結にて固定される。一体ブラケット50は、山形形状のブリッジプレート41の内側で、ブラケット本体51にフロントシート取付部52と、この両側にフレームカバー取付部53とを一体に備える。したがって、左右対をなすシートレール36に、個々の取付ブラケット等の部品取付部材を取り付ける必要がなく、シートレール36上への部品取付部材を廃止でき、簡素化させてスッキリさせることができる。
両持ち支持構造の一体ブラケット50は、山形形状のブリッジプレート41の左右のプレート脚部に、ボルト締結により取り付ける。具体的には、ブリッジプレート41は、その車両前後方向両側に内側に向かうリブを形成し、ブリッジプレート41のプレート脚部の車両前方側のリブ部41aに一体ブラケット50の両端部を締付ボルト48により締結して取り付けられる。
このようにして、車体フレーム11のリヤフレーム13には、車両側面にフレームカバーアッセンブリ60が取り付けられ、装着される。リヤフレーム13のシートレール36上にフロントシート45とリヤシート46とが車両前後方向にセパレートして設置される。
[実施形態の効果]
本実施形態では、自動二輪車の車体フレームの軽量化に対応することができる。自動二輪車10では車体フレーム11の軽量化のために、鉄製フレームからアルミニウムやマグネシウムの軽金属フレームへと材料置換が進んでおり、将来的には炭素繊維強化プラスチック(CFRP)のフレームへと材料置換が進むことが予想される。このとき、CFRPフレームは材料特性上、溶接による一体化が困難であり、溶接固着はできないが、本実施形態の車体フレーム構造のように、ブリッジプレート41に一体ブラケット50をボルト締結(ボルトオン)する取付構造とすることで、シートフレーム周辺部品を取り付ける艤装ブラケット(部品取付部材)の取付技術に応用でき、将来のCFRPフレームに対応することも可能となる。
また、車体フレーム11のリヤフレーム13に跨設されるブリッジプレート41の内側に単一の一体ブラケット50を両持ち支持構造でボルト締結するので、部品搬送時の一体ブラケット50の変形を確実に防止でき、無視することができるため、フロントシート取付部およびリヤシート取付部の配置自由度が大きくなり、意匠的な外観や部品取付構造の自由度が向上する。
さらに、左右対のシートレール36間に架設されるブリッジプレート41のプレート脚部に掛け渡される一体ブラケット50は、シート下方でラゲッジスペース74の仕切り板の役割りを果すことができる。一体ブラケット50をブリッジプレート41のプレート脚部間に掛け渡すことで、リヤフェンダ75に仕切り用リブを立てる必要がなく、リヤフェンダ75にヒケの発生を防止することができる。
ブリッジプレート41内側で、単一の一体ブラケット50が両持ち支持構造でボルト締結され、一体ブラケット50にフロントシート取付部52とフレームカバー取付部53が一体に備えられるので、フロントシート45やフレームカバー61の組付けばらつきの影響がなく、フレームカバー61とシートの合わせに関する歪みが発生せず、隙間の管理を容易に行なうことができる。
本実施形態では、自動二輪車に乗車して曲線走行する際、ライダーが体重移動しても、ライダーの荷重点(加圧点)に近い位置に一体ブラケット50のフレームカバー取付部53が位置して、一体ブラケット50がライダーの荷重を受けフレームカバー61を支持するので、フレームカバー61の変形による割れのリスクを軽減させることができる。
また、一体ブラケット50のフレームカバー取付部53は、フロントシート45の取付状態における平面視でシートプロフィール内に設定されているので、デザイン上の自由度を規制させず、外観を損なうことを防止できる。
以上、本発明の実施形態では、セパレート設置されるシートを備えた自動二輪車について説明したが、本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
10…自動二輪車、11…車体フレーム、12…メインフレーム、13…リヤフレーム、14…ヘッドパイプ、15…センターフレーム、17…アッパーブラケット、18…アンダーブラケット、19…フロントフォーク、20…前輪、21…ハンドル、24…ピボット部、25…スイングアーム、26…後輪、27…リンク機構、28…リングプレート、29…リヤクッションユニット、30…エンジン、32…動力伝達機構、33…燃料タンク、34…カウリング、36…シートレール、37…サイドフレーム、38…補強ブリッジ、40,44…前部ブリッジプレート、41…ブリッジプレート、41a…リブ部、42…後部ブリッジプレート、45…フロントシート、46…リヤシート、47…シートフック部、48…締付ボルト、50…一体ブラケット、51…ブラケット本体、52…フロントシート取付部、53…フレームカバー取付部、54…フロントシート突出部、60…フレームカバーアッセンブリ、61…フレームカバー、62…フレームカバーフロント、63…フレームカバーロア、64…フレームカバーリヤ、65…突出部、66…リブ部、67…取付ブラケット、68…掛止めリンク、69…係止部、70…開閉ロック機構、71…取付穴、74…ラゲッジスペース、75…リヤフェンダ、76…ツールボックス、77…リレー取付プレート、78…スタータ用リレー。

Claims (8)

  1. 車体フレームの後方にシートレールを設け、前記シートレールの上方にフロントシートおよびリヤシートをセパレートして設置し、前記シートレールの車両側方をフレームカバーで覆設した自動二輪車のフレーム構造において、
    前記シートレールの後方で、前記リヤシートを設けるブリッジプレートが、左右対の前記シートレールに山形形状に架設して設けられ、
    前記ブリッジプレートに、フロントシート取付部とフレームカバー取付部を備えた一体ブラケットが設けられ、前記一体ブラケットは前記ブリッジプレートにボルト締結されて固定されたことを特徴とする自動二輪車の部品取付構造。
  2. 前記ブリッジプレートは、車幅方向中央部に平面部を、車幅方向左右両側部にプレート脚部を、それぞれ備えて山形形状に形成され、
    前記ブリッジプレートは車両前後方向両側に内側に向かうリブが形成され、前記プレート脚部の車両前方側リブに前記一体ブラケットの両端部がボルト締結された請求項1に記載の自動二輪車の部品取付構造。
  3. 前記一体ブラケットのフロントシート取付部は、平面視で前記ブリッジプレートの車両前方側に突出して設けられ、
    前記フロントシートのシート後端より車両後方側に突出する突出部が、前記一体ブラケットのフロントシート突出部に重ね合わされて取り付けられた請求項1に記載の自動二輪車の部品取付構造。
  4. 前記ブリッジプレートの山形形状に囲まれた内側に前記一体ブラケットが配設され、
    前記一体ブラケットは車幅方向中央部にフロントシート取付部が、その車幅方向外方両側にフレームカバー取付部がそれぞれ一体に構成された請求項1に記載の自動二輪車の部品取付構造。
  5. 前記一体ブラケットのフレームカバー取付部は、前記フロントシート取付部より車両前方側に突出するとともに前記フロントシート取付部の車幅方向外方両側に位置され、
    前記フレームカバー取付部は、平面視で前記フロントシートのシートプロフィール内に設定された請求項1、3および4のいずれか1項に記載の自動二輪車の部品取付構造。
  6. 前記一体ブラケットにリレー取付用プレートが設けられた請求項1ないし5のいずれか1項に記載の自動二輪車の部品取付構造。
  7. 車体フレームの後方にシートレールを取り付け、前記シートレールの上方にフロントシートおよびリヤシートをセパレートして設置し、前記シートレールの車両側方をフレームカバーで覆う自動二輪車の部品取付方法において、
    前記シートレールの後方で、前記リヤシートを設置するブリッジプレートを、左右対の前記シートレールに山形形状に跨設して取り付け、
    前記ブリッジプレートに、フロントシート取付部とフレームカバー取付部を備えた一体ブラケットを取り付け、
    前記一体ブラケットは前記ブリッジプレートにボルト締結により取り付けることを特徴とする自動二輪車の部品取付方法。
  8. 前記ブリッジプレートは、その車両前後方向両側に内側に向かうリブを形成し、
    前記ブリッジプレートのプレート脚部の車両前方側リブに前記一体ブラケットの両端部をボルト締結して取り付ける請求項7に記載の自動二輪車の部品取付方法。
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