JP2020052209A - 防音材 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄さを維持しながら、実用上、有効な高いレベルの吸音率を有し、さらに吸音可能な周波数領域が拡大された防音材を提供する。【解決手段】防音材10は、順番に積層された第1の吸音層11、第1の接合層12、中間層13、第2の接合層14及び第2の吸音層15を有する。第1の吸音層及び第2の吸音層は、それぞれ独立して、空隙が連通してなる多孔質材から成る。中間層は、1〜17μmの平均繊維径および5〜200cm3/cm2・secの通気量を有する繊維材から成り、第1の接合層における第1の吸音層と中間層との接触面全体に対する接合面積率をS1、第2の接合層における第2の吸音層と中間層との接触面全体に対する接合面積率をS2とした場合、S1及びS2のうち、いずれか一方の接合面積率は、5〜95%の範囲であり、もう一方の接合面積率は、52〜95%の範囲である。【選択図】図1

Description

本発明は防音材に関し、特に、実用上、有効な高いレベルの吸音率を有し、さらに吸音可能な周波数領域が広い防音材に関する。
都市化の進行、又は行政サービスの効率化等のため、近年、人々が狭い地域に密集して生活する傾向が明確になっている。人口密度が高くなると、生活、労働、娯楽等の活動が接近して行われることになり、生活者が騒音に接する頻度及び騒音の種類が増加する。騒音が多い環境下でも快適な生活環境を確保するために、生活の場面で遭遇する生活騒音を全般的に遮断することが可能な防音材が求められている。また、生活騒音の発音体である各種機器等の小型・軽量化に伴い、これらに使用される防音材に対しても薄膜・軽量化が求められている。
生活騒音は、例えば、輸送機器、建設機械・機器、電子・電気機器、家電などから発せられ、種類が多様であり、低周波数から高周波数にわたって幅広い周波数の音が含まれる。
自動車の場合を例にとると、自動車での走行中に室内に侵入する音域は、エンジン音(63〜250Hz程度)の低音域とタイヤ音(500〜1500Hz程度)、風切り音(1000〜4000Hz程度)などの中高音域にピークを示す特性を持つ。一般的に自動車の防音手法は、車外から侵入する音を遮断するための「遮音」と、車内の音の響きを和らげるための「吸音」の二つがあり、低音域には遮音、中高音域には吸音という手法で、侵入音への対策が講じられている。次世代自動車で問題が顕著化すると懸念されるタイヤ音や風切り音の特性である中高音域の音を和らげるために、防音材には従来品以上の吸音性能が求められている。
騒音・異音などを遮断する防音方法の一つの方法として、上記した「吸音」がある。ここで、「吸音」とは、音を吸収することで音の反射を抑える方法のことを指し、吸収によって反射する音の大きさが小さければ小さいほど、吸音性が高い。吸音のメカニズムは、一般的にフェルト、グラスウール、ロックウールなどの繊維材料の骨格部分とその間の空隙から構成される材料に音が入射した際に、音波の持つエネルギーの一部が、空隙中で骨格部分の周壁との摩擦や粘性抵抗、さらに骨格の振動などによって、熱エネルギーに交換・消耗されることで、吸音するものである。音は、音波の粒子速度が大きい位置で、音エネルギーの消耗が最大になるので、例えば、剛壁から粒子速度の大きいλ/4等の位置まで防音材があると吸音率が高くなる。そのため、例えば、剛壁に貼り付けた材料は、高周波になるほど、吸音率が高く、又、防音材料の厚さが大きい程、低周波側の吸音率を持ち上げることができる。
特許文献1には自動車のエンジンルームなどの騒音を車室内に伝播しないようにする超軽量な防音材が記載されている。この防音材は、熱可塑性フェルト等の通気性の材質でなる吸音層と、軽量な発泡体または薄いフィルム体等でなる通気性の共振層とが、接着層により所定の接着強度および接着面積となるように接着された積層体からなるものである。
特許文献1の防音材は、通気性の共振層と吸音層との間にある接着層の利用によって、通気性の超軽量な共振層と吸音層との界面での共振現象を発現させて吸音しており、接着面積や吸音層の密度によって、バネマス系共振や剛性の調整を行い、界面において吸音する音の周波数や吸音率を制御している。しかしながら、この防音材は、低〜高周波領域での吸音率のバランス制御(吸音特性の広帯域化)や薄膜化については、まだ改善の余地があり、吸音可能な周波数領域が十分広いとは言えない。
特許文献2には自動車の内装用などに好適な吸音材が記載されている。この吸音材は、部分熱圧着後、更にカレンダー加工されたスパンボンド法による熱可塑性合成繊維不織布からなる表面材と合成繊維不織布からなる裏面材との接合不織布である。
特許文献2の吸音材は、表面材の平均繊維径を10〜30μmとし、さらに裏面材を厚くすることにより、中程度の周波数領域(2000〜4000Hz)にかけて、高い吸音率を有している。しかしながら、この防音材は、全厚が薄くなると、特に2000Hzの吸音率が低下する傾向にあった。つまり、特許文献2の吸音材は、今後、要求が大きくなる薄膜・軽量化に応えるために厚さをより薄くした場合には、2000Hz以下の周波数領域の吸音率について、まだ改善の余地があり、吸音可能な周波数領域が十分広いとは言えない。また、裏面材を厚くしても、2000Hz以下の周波数領域の吸音率を十分に高くできないおそれがあった。
特許文献3には、騒音を多孔質吸音機能により吸音する2層の吸音層と、吸音層から伝播する騒音を共振作用により吸音するために、2層の吸音層の間に一体化された共振層とを備えた、車両用防音材が記載されている。
特許文献3の防音材は、共振層を薄く、かつ曲げ荷重を小さくすることにより、共振層自体の振動を起き易くさせ、膜振動吸音機能を高めることで、低・中周波数域の騒音を有効に吸音処理できる。また、さらに第2の吸音層の表面に低通気表皮層を積層することにより中・高周波数域の騒音の吸音特性を向上できる。しかしながら、この防音材は、低〜高周波域での吸音率のバランス制御(吸音特性の広帯域化)については、まだ改善の余地があり、吸音可能な周波数領域が十分広いとは言えない。
特開2005−208494号公報 特開2006−28709号公報 特開2009−90845号公報
本発明は上記従来の問題を解決するものであり、その目的とするところは、薄さを維持しながら、実用上、有効な高いレベルの吸音率を有し、さらに吸音可能な周波数領域が拡大された防音材を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討した結果、特定の平均繊維径と通気量を有する構造の繊維材からなる中間層の両面に、空隙が連通している多孔質材からなる吸音層を、接合層により所定の接合面積率となるように、部分的に接合されてなる積層体が、積層体の総厚さを薄くしても、実用上、有効な高いレベルの吸音率を有し、さらに吸音可能な周波数帯域が拡大された防音材として有効であることを見出し、本発明を成すに至った。
本発明は、順番に積層された第1の吸音層、第1の接合層、中間層、第2の接合層、及び第2の吸音層を有し、前記第1の吸音層、及び前記第2の吸音層は、それぞれ独立して、空隙が連通してなる多孔質材から成り、前記中間層は、1〜17μmの平均繊維径及び5〜200cm/cm・secの通気量を有する繊維材から成り、前記第1の接合層における前記第1の吸音層と前記中間層との接触面全体に対する接合面積率をS1、前記第2の接合層における前記第2の吸音層と前記中間層との接触面全体に対する接合面積率をS2とした場合、前記S1、及び前記S2のうち、いずれか一方の接合面積率は、5〜95%の範囲であり、もう一方の接合面積率は、52〜95%の範囲である防音材を提供する。
ある一形態においては、前記S1、及び前記S2のうち、いずれか一方の接合面積率は、5〜95%の範囲であり、もう一方の接合面積率は、80〜95%の範囲である。
ある一形態においては、前記接合材は、塗工された粘着剤又は両面粘着テープである。
ある一形態においては、前記塗工された粘着剤又は両面粘着テープの粘着剤は、25℃におけるせん断貯蔵弾性率が1.0×10〜1.0×10Paの範囲である。
ある一形態においては、前記第1の接合層、及び第2の接合層は、複数の棒状層から形成されている。
ある一形態においては、前記複数の棒状層は、縞模様を形成する。
ある一形態においては、隣り合った棒状層同士の間隔は1mm以上である。
ある一形態においては、前記中間層は、10〜100cm/cm・secの通気量を有する。
ある一形態においては、前記第1の吸音層、及び第2の吸音層は、繊維材であって、前記繊維材の目付量は、100〜300g/mである。
ある一形態においては、前記防音材の総厚さは、10〜30mmである。
ある一形態においては、前記防音材は、JIS A1405−2に準拠して測定した垂直入射吸音率が、1/3オクターブバンドの中心周波数1600、2000、2500、3150および4000Hzの全てにおいて55%以上である。
ある一形態においては、前記防音材は、JIS A1405−2に準拠して測定した垂直入射吸音率が、1/3オクターブバンドの中心周波数1250、1600、2000、2500、3150および4000Hzの全てにおいて55%以上である。
ある一形態においては、前記防音材は、JIS A1405−2に準拠して測定した垂直入射吸音率が、1/3オクターブバンドの中心周波数1000、1250、1600、2000、2500、3150、4000Hzの全てにおいて55%以上である。
本発明の防音材は薄く実用性に優れ、吸音可能な周波数領域が拡大されているので、多様な生活騒音を有効に吸音することが可能である。
図1は、本発明の一実施形態である防音材の構成を模式的に示す斜視図である。 図2は、本発明の接合層の構造の一例を模式的に示す水平断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[防音材の構成]
図1は、本発明の一実施形態である防音材の構成を模式的に示す斜視図である。防音材10は、繊維材からなる中間層13と、前記中間層13の一方の面に積層された、空隙が連通している多孔質材からなる第1の吸音層11と、前記中間層13のもう一方の面に積層された、空隙が連通している多孔質材からなる第2の吸音層15と、前記中間層13と前記第1の吸音層との間に積層された、接合材からなる第1の接合層12と、前記中間層と前記第2の吸音層との間に積層された第2の接合層14とを、備えた積層構成を有する。さらに、防音材10は、前記中間層13と前記第1の吸音層11との間には接合材がない開口部16を、前記中間層13と前記第2の吸音層15との間には接合材がない開口部17を有する。防音材10は、例えば、輸送機器、建設機械・機器、電子・電気機器、家電などの発音体から発せられる音を吸音するための部材として用いられる。
<接合層>
上記第1の接合層12、及び第2の接合層14は、それぞれ中間層13と第1の吸音層11、中間層13と第2の吸音層15とを接合するための層であり、中間層13と第1の吸音層13、中間層13と第2の吸音層15とが積層される際に接触する接触面に接合材を使用して、後述する所定の接合面積率の範囲となるように形成する。上記接合材としては、形状及び寸法を容易、正確に実現することができて、連通した空隙を実質的に有しない材料を使用する。
上記接合材は、例えば、粘着剤、接着剤等を含む材料を使用することができる。具体的には、塗工された粘着剤、塗工された接着剤、又はこれらをテープ状、シート状、粉末状に加工したもの等が挙げられる。中でも、作業性、生産性、寸法精度の観点から、塗工された粘着剤又は両面粘着テープ(基材レス両面粘着テープも含む)により第1接合層12、第2接合層14を形成するのが好ましい。
上記の塗工された粘着剤又は両面粘着テープに使用される粘着剤としては、特に限定されるものではなく、従来公知の粘着剤を使用することができる。例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤やエチレン−酢酸ビニル共重合体系粘着剤等が挙げられる。これらの中でも、汎用性、厚さの可変領域の広さ、中間層と吸音層を過度に拘束しない等の観点から、ゴム系粘着剤又はアクリル系粘着剤が好ましい。上記粘着剤の25℃におけるせん断貯蔵弾性率(G’)は、1.0×10〜1.0×10Paの範囲であることが好ましい。上記せん断貯蔵弾性率を、このような範囲とすることにより、第2の吸音層15、中間層13、第1の吸音層11の音の振動による変形や変位はある程度可能であり、該境界層で音を反射させる硬質部分を生じさせず、音波をある程度通過させることができ、第2の吸音層15、中間層13、第1の吸音層11、及び防音材10全体としての吸音機構を問題なく機能させることができる。上記粘着剤の25℃におけるせん断貯蔵弾性率(G’)は、好ましくは5.0×10〜8.0×10Paの範囲であり、より好ましくは1.0×10〜6.0×10Paの範囲である。
上記第1の接合層12、及び第2の接合層14は、上述したように中間層13と第1の吸音層11、中間層13と第2の吸音層15とを接合し固定するための機能を有するが、ここで、本発明者らは、特定の平均繊維径と通気量を有する構造の繊維材からなる中間層13と、空隙が連通している多孔質材からなる第1の吸音層11、第2の吸音層15を用いた場合に、上記第1の接合層12における中間層13と第1の吸音層11との接触面全体に対する接合面積率をS1、上記第2の接合層14における中間層13と第2の吸音層15との接触面全体に対する接合面積率をS2とした場合、上記接合面積率S1及び上記接合面積率S2のうち、いずれか一方を5〜95%の範囲、もう一方を52〜95%の範囲となるように中間層13と第1の吸音層11、中間層13と第2の吸音層15とを接合材により部分的に接合すれば、従来の防音材と比較して、防音材の厚さが薄くても、垂直入射吸音率が最大となる周波数(吸音ピーク周波数)を低周波数方向へシフトすることができる一方で、意外にも、該吸音ピーク周波数に対して低周波数側の帯域および高周波数側の帯域においても垂直入射吸音率が極端に低下することなく、比較的大きな値を維持することを見出した。すなわち、実使用において吸音可能な周波数帯域が拡大するという効果を奏することを見出した。
上記効果を奏するメカニズムの詳細は定かではないが、以下のように推察される。まず、ベースとなる空隙が連通している多孔質材料からなる第1の吸音層11単体の吸音特性は、周波数の増加とともに吸音率が大きくなり、ある周波数でほぼ一定値に達するが、その吸音率は全体的に高いものではない。空隙が連通している多孔質材料からなる吸音率を全体的に増大させるために、一般的には、第1の吸音層11の吸音層単体の厚さを増大させる、あるいは別の第2の吸音層15を第1の吸音層11の上に単に重ね合わせた積層体として総厚さを増大させる等の手法が有効であるが、総厚さをかなり厚くしない限りは、低〜中周波数帯域の吸音率は、十分には増大し難い。一方、1〜17μmの平均繊維径及び5〜200cm/cm・secの通気量を有する構造の繊維材からなる中間層13は、比較的緻密な構造であるため、共鳴型吸音機構と多孔質型吸音機構とを複合したような吸音特性を有すると推定され、繊維と振動空気(音波)とが接触する面積や流れ抵抗も比較的大きくなる傾向があり、中〜高周波数帯域の吸音率を増大させる効果を有する。したがって、音波が入射する側から第2の吸音層15、中間層13、第1の吸音層11の順に接合層で接合せずに単に重ね合わせた積層体とすると、第1の吸音層11単体、あるいは第1の吸音層11と第2の吸音層15を単に重ね合わせた積層体等の吸音特性に対して、中〜高周波数帯域の吸音率が増大するとともに、低〜中周波数帯域の吸音率も付随的に増大する。しかしながら、1600Hz以下の周波数帯域の吸音率は依然として低い。そこで、1600Hz以下の周波数帯域の吸音率を増大させるために、第2の吸音層15、中間層13、第1の吸音層11の各層を、それぞれ粘着剤等の第2の接合層14、及び第1の接合層12により全面接合(接合面積率=100%)し、各接合界面における膜振動型吸音機構を利用し、吸音ピーク周波数を低周波数方向へシフトさせると、確かに吸音ピーク周波数は低周波数方向へシフトし、吸音ピーク周波数近傍の吸音率も増大するが、今度は逆に高周波数帯域の吸音率が低下してしまう。
本発明では、第2の接合層14により、第2の吸音層15と中間層13とを、また、第1の接合層12により、第1の吸音層11と中間層13とを、全面接合するのではなく、第2の接合層14における中間層13と第2の吸音層15との接触面全体に対する接合面積率をS2、上記第1の接合層12における中間層13と第1の吸音層11との接触面全体に対する接合面積率をS1とした場合、上記接合面積率S2、及び上記接合面積率S1のうち、いずれか一方を5〜95%の範囲、もう一方を52〜95%の範囲となるように、言い換えれば、第2の接合層14に所定の範囲の開口率(=100%−接合面積率S2)となるように開口部17、第1の接合層12に所定の範囲の開口率(=100%−接合面積率S1)となるように開口部16を設ける構成としたことにより、第2の吸音層15で吸音されずに透過した音波は、中間層13に侵入することができ、さらに、第2の吸音層15、及び中間層13でも吸音されずに透過した音波は、第1の吸音層11に侵入することができるため、中間層13及び第1の吸音層11の骨格に侵入した該音波を伝達して振動させ、音エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換することが可能となる。その結果、上記の低下した高周波数帯域の吸音率を全面接合した場合よりも持ち上げることができる。この際、特に、第2の接合層14及び第1の接合層12を、粘弾性を有する粘着剤とした場合には、第2の吸音層15と中間層13と第1の吸音層11とは過度に拘束されないため、第2の吸音層15と中間層13と第1の吸音層11の音の振動による変形や変位がある程度可能であり、該境界層で音を反射させる硬質部分を生じさせず、音波をある程度通過させることができ、第2の吸音層15、中間層13、第1の吸音層11及び防音材10全体としての吸音機構を問題なく機能させることができる。さらに、このような開口部16、及び開口部17を設けることにより、接合層12と第1の吸音層11と開口部16を有する積層構造部分、及び接合層14と中間層13と開口部17を有する積層構造部分において、少なくともどちらか一方の積層構造部分は、(1)通気性の開口部16のトータルの開口率(開口率=100%−接合面積率S1)が5〜48%である穴あき粘弾性皮膜(接合層12)の背面に、空隙が連通している多孔質材料(第1の吸音層11)を備えたヘルムホルツの共鳴器型吸音機構を有する吸音層、若しくは、(2)通気性の開口部17のトータルの開口率(開口率=100%−接合面積率S2)が5〜48%である穴あき粘弾性皮膜(接合層14)の背面に、空気層の代わりに直接結合された比較的緻密な構造の繊維材(中間層13)を備えたヘルムホルツの共鳴器型吸音機構を有する吸音層、の一種と捉えることができるので、吸音ピーク周波数を低周波数側へシフトさせる機能をある程度維持することができる。なお、第1の接合層12、及び第2の接合層14の接合面積率を大きくすることは、それぞれの接合層の面密度が大きくなること、及びそれぞれの接合層の開口率が小さくなることを意味しており、面密度が大きくなればピーク吸音周波数は、膜振動型機構および共鳴機型吸音機構に基づき低周波数方向へシフトすると考える。したがって、第1の接合層12の接合面積率S1、及び第2の接合層の接合面積率S2のいずれもが52%未満であると、面密度の増大の効果が不十分となり、防音材10において1600Hz以下の周波数帯域の吸音率は十分に増大しないものと考える。したがって、吸音率のバランスを取りながら、吸音可能な周波数帯域を拡大するためには、上述したように接合面積率S2、及び接合面積率S1のうち、いずれか一方を5〜95%の範囲、もう一方を52〜95%の範囲となるように設定することが重要である。
以上の結果、本発明の防音材10は、それぞれの吸音メカニズムが相乗的にバランス良く発現し、防音材10の総厚さが薄くても実使用において有効な高いレベルの吸音率を有し、さらに吸音可能な周波数帯域が拡大するという効果を奏したものと推察する。
本発明の防音材10において、上記第1の接合層12の接合面積率S1、及び上記第2の接合層14の接合面積率S2のうち、いずれか一方の接合面積率は、5〜95%の範囲、もう一方の接合面積率は、52〜95%の範囲であり、好ましくは80〜95%の範囲である。
すなわち、(1)接合面積率S1が5〜95%の範囲である場合、もう一方の接合面積率S2は52〜95%の範囲であり、好ましくは80〜95%の範囲である。ここで、接合面積率S1が5%未満であると、防音材の2000Hz未満の周波数帯域の吸音率が低下するおそれがあり、接合面積率S1が95%を超えると、防音材の2000〜4000Hzの周波数帯域の吸音率が低下するおそれがある。また、接合面積率S2が52%未満であると、防音材の2000Hz未満の周波数帯域の吸音率が低下するおそれがあり、接合面積率S2が95%を超えると、防音材の3150〜4000Hzの周波数帯域の吸音率が低下するおそれがある。
逆に、(2)接合面積率S2が5〜95%の範囲である場合、もう一方の接合面積率S1は52〜95%の範囲であり、好ましくは80〜95%の範囲である。ここで、接合面積率S2が5%未満であると、防音材の2000Hz未満の周波数帯域の吸音率が低下するおそれがあり、接合面積率S2が95%を超えると、防音材の2000〜4000Hzの周波数帯域の吸音率が低下するおそれがある。また、接合面積率S1が52%未満であると、防音材の2000Hz未満の周波数帯域の吸音率が低下するおそれがあり、接合面積率S1が95%を超えると、防音材の3150〜4000Hzの周波数帯域の吸音率が低下するおそれがある。
本発明の防音材10は、上記第1の接合層12の接合面積率S1、及び上記第2の接合層14の接合面積率S2のうち、いずれか一方の接合面積率が5〜95%の範囲、もう一方の接合面積率が52〜95%の範囲においては、接合面積率を増大させることにより、防音材10の総厚さが一定であっても、その吸音ピークの周波数を低周波数方向へシフトさせることが可能となる場合がある。
上記第1の接合層12、第2の接合層14の形状は、第1の接合層12の接合面積率S1、及び第2の接合層14の接合面積率S2のうち、いずれか一方の接合面積率が、中間層13と第1の吸音層11、中間層13と第2の吸音層15との接触面全体に対して、5〜95%の範囲、もう一方の接合面積率が52〜95%の範囲となるように、すなわち、上記通気性の開口部16、及び開口部17のうち、いずれか一方の開口部のトータルの開口率が5〜95%の範囲、もう一方の開口部のトータルの開口率が5〜48%の範囲となるように、接触面の一部に通気性の開口部16、開口部17を形成するものであれば特に限定されない。例えば、線状、ドット状、パンチングシート状(シートに穴を開けた形状)等の形状が挙げられる。上記通気性の開口部16、開口部17は接触面全体に均一に複数形成されることが好ましい。
図2は、本発明の第1の接合層12の構造の一例を模式的に示す水平断面図である。作業性、加工性の観点から、好ましい一形態において、第1の接合層12、第2の接合層14(図示はしていない)は、例えば、複数の棒状層である。棒状層とは所定の幅を有する直線状の層をいう。棒状である接合層を接触面全体に均一に形成した場合、複数の棒状層は縞模様を形成する。縞模様とは、直線を一定間隔で平行に並べた線条文をいう。その結果、接触面上の隣り合った2つの棒状層の間に上記通気性の開口部16、開口部17(図示はしていない)が形成される。
上記棒状層の幅は、上記接合面積率及び所望とする吸音特性の他、使用する防音材のサイズ、棒状層の数等を考慮して適宜決定されるが、好ましくは1mm以上である。上記棒状層の幅が1mm未満であると、形状および寸法を正確に維持、加工することが困難となるおそれがある。一方、上記棒状層の幅の上限は、本発明の効果を妨げない限りにおいては、特に限定されるものではないが、後述する垂直入射吸音率の測定に供する試料内(Φ28.8mm)において、少なくとも複数の開口部16、開口部17を有するように設定するのが好ましく、例えば14mm以下とするのが好ましい。また、上記複数の棒状層の各々の幅は同じであっても、異なっていても良い。
上記の隣り合った棒状層同士の間隔は、上記接合面積率及び吸音特性の他、使用する防音材のサイズ、棒状層の数等を考慮して適宜決定されるが、好ましくは1mm以上である。隣り合った棒状層同士の間隔が1mm未満であると、形状および寸法を正確に維持、加工することが困難となるおそれや、隣り合う棒状同志が接触し、開口部が形成されなくなるおそれがある。一方、上記隣り合った棒状層同士の間隔の上限は、本発明の効果を妨げない限りにおいては、特に限定されるものではないが、後述する垂直入射吸音率の測定に供する試料内(Φ28.8mm)において、少なくとも複数の開口部16、開口部17を有するように設定するのが好ましく、例えば6mm以下とするのが好ましい。また、上記複数の棒状層同士の間隔は、同じであっても、異なっていても良い。
上記第1の接合層12、及び第2の接合層14の厚さは、本発明の効果を妨げない限りにおいては、特に限定されるものではないが、0.025〜3mmの範囲であることが好ましい。上記接合層の厚さが0.025mm未満であると、防音材10の吸音率が全体的に低下するおそれや、中間層13と第1の吸音層11との接合強度、中間層13と第2の吸音層15との接合強度が低下するおそれがある。一方、上記接合層の厚さが3mmを超えると、接合面積が大きい場合、高周波数帯域の吸音率が低下するおそれがあり、また、防音材10の厚さや重量が大きくなり、薄型・軽量化にそぐわない。また、上記第1の接合層12、及び第2の接合層14の密度は、本発明の効果を妨げない限りにおいては、特に限定されるものではないが、軽量化の観点から、1.0〜1.5g/cmの範囲であることが好ましい。
一般的に、フェルトやグラスウール等の多孔質材のみからなる防音材は、周波数の増加とともに吸音率が大きくなり、ある周波数でほぼ一定値に達するが、その厚さを厚くすることにより、2000〜4000Hzの周波数帯域(中〜高周波数帯域)の吸音率を増大させると共に、付随的に2000Hz以下の周波数帯域(中〜低周波数帯域)の吸音率もある程度のレベルまで持ち上げ、吸音材として有効な周波数帯域を拡げることができる。すなわち、防音材の厚さを制御することにより有効な吸音周波数帯域を制御している。しかしながら、このような制御方法においては、防音材を取り付けるスペースが制限される場合や防音材をより薄く、又はより軽くしたい場合には、所望の設計(例えば、薄型・軽量化と有効な吸音周波数帯域の拡大との両立)を十分に満足できないといった問題が起こる。本発明の防音材10は、上述したように、防音材10の総厚さを変えることなく、上記第1の接合層12の接合面積率S1、及び上記第2の接合層14の接合面積率S2のうち、いずれか一方の接合面積率を5〜95%の範囲、もう一方の接合面積率を52〜95%の範囲で制御することにより、吸音材として有効な吸音周波数帯域を拡げることができるため、上記課題に対して、有効な解決手段を提供することができる。そして、後述する特定の中間層13を併用することにより、防音材10の総厚さを従来品より薄くした場合においても、吸音材として有効な吸音周波数帯域を拡げることができる。
<中間層>
上記中間層13の繊維材は、1〜17μmの範囲の平均繊維径及び5〜200cm/cm・secの範囲の通気量を有する。繊維材とは、繊維によってその形状が支持されており、繊維と繊維の間に空間を有し、気体がその空間を通過することができる材料をいう。繊維材は、好ましくはシート状である。不織布、織布及び編み物はここでいう繊維材に含まれる。反対に、樹脂発泡体又は樹脂フィルム材は、仮に通気性を有する材料であってもここでいう繊維材に含まれない。
上記中間層13の平均繊維径及び通気量をそれぞれ上記範囲とすることにより、上記中間層13の繊維材は比較的緻密な構造を有しやすくなり、共鳴型吸音機構と多孔質型吸音機構とを複合したような吸音効果、すなわち、中〜高周波数帯域の吸音率を増大させる効果を有する。併せて、付随的に2000Hz以下の周波数帯域(中〜低周波数帯域)の吸音率もある程度のレベルまで持ち上げることができる。したがって、上述したように、該中間層13を、第1の接合層12、及び第2の接合層14を介して第1の吸音層11と第2の吸音層15との間に接合した場合、第1の接合層12と中間層13との積層部分、第2の接合層14と中間層13との積層部分における接合面積率の増大に伴い高周波数側の帯域の吸音率は低下する傾向にあるが、中間層13の特性によっても、この現象をカバーすることができ、その結果、本発明の防音材10は、厚さが薄くても実使用において吸音可能な周波数帯域が拡大するという効果を奏することができる。
本実施の形態において、上記中間層13の繊維材としては、特に限定されるものではないが、合成繊維からなる不織布を用いることが好ましい。上記不織布を構成する繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ナイロン6、ナイロン66、共重合ポリアミド等のポリアミド系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、共重合ポリエステル、脂肪族ポリエステル等のポリエステル系繊維、アクリル系繊維、アラミド繊維、鞘がポリエチレン、ポリプロピレンまたは共重合ポリエステルで芯がポリプロピレンまたはポリエステルなどで構成された芯鞘構造等の複合繊維、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート等の生分解性繊維等の熱可塑性合成繊維を用いることができる。これらの繊維は単独でまたは2種以上を混合して用いることができ、また、扁平糸などの異形断面繊維、捲縮繊維、割繊繊維などを混合または積層して用いることもできる。これらの中でも、特に、汎用性、耐熱性、難燃性等の観点から、ポリエステル系繊維が好ましい。
上記中間層13の繊維材を構成する繊維の平均繊維径は、1〜17μmの範囲であり、好ましくは2〜9μmの範囲であり、より好ましくは2〜6μmの範囲である。上記中間層13を構成する繊維径は、小さな空隙を有する構造とし、中〜高周波数帯域の吸音率を増大させ、併せて2000Hz以下の周波数帯域(中低音帯域)の吸音率もできるだけ増大させるために、小さくすることが好ましい。上記繊維材を構成する繊維の繊維径は同一であっても良いし、異なっていても良い。繊維径が異なる場合は、平均繊維径が1〜17μmの範囲となるように、例えば平均繊維径が17μm以上の太い繊維と平均繊維径が17μm未満の細い繊維を混繊したものを繊維材として供しても構わない。上記繊維材を構成する繊維の平均繊維径が1μm未満であると、強度、剛性、取扱性等が低下するおそれがあり、さらに価格面でも不利となるおそれがある。一方、上記平均繊維径が17μmを超えると中〜高周波数帯域の吸音率が低下するともに、2000Hz以下の周波数帯域(中〜低周波数帯域)の吸音率も低下するおそれがある。
上記中間層13の繊維材の通気量は、5〜200cm/cm・secの範囲であり、好ましくは10〜100cm/cm・secの範囲であり、より好ましくは20〜80cm/cm・secの範囲である。上記中間層13の通気量が5cm/cm・sec未満であると、中〜高周波数帯域での吸音率が低下するおそれがある。一方、上記中間層13の通気量が200cm/cm・secを超えると、2000Hz以下の周波数帯域(中〜低周波数帯域)での吸音率が低下するおそれがある。
上記中間層13の厚さは、0.01〜5mmの範囲が好ましく、0.05〜4mmの範囲がより好ましい。また、上記中間層13の目付は、5〜300g/mの範囲が好ましく、15〜100g/mの範囲がより好ましい。またさらに、上記中間層13の平均みかけ密度は、0.01〜1.0g/cmの範囲が好ましく、0.02〜1.0g/mの範囲がより好ましい。
上記中間層13の厚さ、平均みかけ密度、及び目付を、このような構成とすることにより、繊維材を透過する音波の音エネルギーを、空隙入口近傍部での空気摩擦と繊維骨格の内壁との粘性摩擦等により、より効果的に消耗することができる。上記中間層13の厚さが0.01未満、平均みかけ密度が0.01g/cm未満、また目付が5g/m未満であると、強度、剛性、繊維密度等が低下し、取扱性および吸音効果が低下するおそれがある。一方、上記中間層13の厚さが5mmを超え、平均みかけ密度が1.0g/mを超え、また、目付が300g/mを超えると、強度、繊維密度は大きくなるが、剛性が大きすぎて裁断性、取扱性が低下するおそれがある。また、薄型・軽量化にそぐわない。
上記中間層13の繊維材の製造方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の湿式法、乾式法又は紡糸直結(スパンボンド、メルトブロー等)による不織布の製造方法等が挙げられる。これらの中でも、繊維材の強度、取扱性、細孔の均一性の観点から、例えば、経糸と緯糸とがほぼ直交するように配列された経緯直交不織布又は経糸の一方向のみに配列された不織布の製造方法、又は、太い繊維と細い繊維がバインダーにより繊維間結合された不織布の製造方法が好ましいが、これらは一例にすぎず、これらに限定されるものではない。
上記経緯直交不織布は、先ず、ポリエステル等上述した原料樹脂から直接紡糸した繊維を、延伸した後、縦、横それぞれの方向に繊維が配列した2種類のウェブに加工・準備し、次いでこの2種のウェブを配列した繊維が直交するように積層し、熱エンボスによるポイント熱融着で接合することで製造される。また、縦・横ウェブを積層する方法として、熱エンボス以外にも、エマルションで含侵接着する方法、ウォータージェットで短繊維を絡めて複合化し一体化する方法が挙げられる。また、同様に縦方向のみに繊維配列した不織布も製造可能であり、この不織布を繊維材として供しても構わない。このような方法により製造された不織布は、従来のスパンボンド法により製造された不織布とは異なり、縦横それぞれの方向又は縦方向に、あらかじめ延伸された平均繊維径が数μmの極細繊維が配列されているので、荷重を掛けた時の変形が小さく、形態を維持できるので、低目付であっても張力を必要とする二次加工(ロール・ツー・ロール加工)等が容易にできる。これらの不織布の引張強度(ASTM D882に準拠)は、MD方向において、20〜300N/50mmの範囲であることが好ましい。
上記太い繊維と細い繊維がバインダーにより繊維間結合された不織布は、先ず、ポリエステル等上述した原料樹脂から溶融紡糸又は湿式紡糸した繊維径の異なる繊維を、例えば繊維長10mm以下のフロック状にカットし、バインダーとなるポリビニルアルコール系等の繊維とともに混繊、均一分散した懸濁液を作製した後、通常の抄紙法により製造される。繊維径の異なる繊維は、同じ材質であっても良いし、異なる材質であっても良い。シート化に際しては、湿式法である上記抄紙法以外に、短繊維をカード機と空気流によるウエッバー(エアーレイド法)等によりシート化する乾式法を用いても構わない。繊維の配列はクロス、ランダムのいずれであっても良い。
<吸音層>
上記第1の吸音層11、及び第2の吸音層15は、空隙が連通している多孔質材からなる。空隙が連通している多孔質材としては、吸音材として使用されるものであれば限定されるものではないが、フェルト、合成繊維からなる不織布(ニードルパンチによる合成繊維の混合品又は合成繊維100 %のフェルトを含む)等の繊維材や連続気泡を有するフォーム材等が挙げられる。
上記繊維材としては、例えば、綿、羊毛、木毛、クズ繊維等を熱硬化性樹脂でフェルト状に加工したもの(一般名:レジンフェルト);ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維フェルト、ナイロン系繊維フェルト、ポリエチレン系繊維フェルト、ポリプロピレン系繊維フェルト、アクリル系繊維フェルト、鞘がポリエチレン、ポリプロピレンまたは共重合ポリエステルで芯がポリプロピレンまたはポリエステルなどで構成された芯鞘構造を有する複合繊維フェルト、ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート等の生分解性繊維フェルト等の合成繊維系フェルト;シリカ−アルミナセラミックスファイバーフェルト、シリカ繊維フェルト、グラスウール、ロックウール、岩綿長繊維等の無機繊維系フェルトが挙げられる。また、上記連続気泡を有するフォーム材としては、例えば、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、フェノールフォーム、メラミンフォーム;ニトリルブタジエンラバー、クロロプレンラバー、スチレンラバー、シリコーンゴム、ウレタンゴム、EPDM等のゴムを連通気泡状に発泡させたもの、又はこれらを発泡後にクラッシング加工等を施しフォ−ムセルに孔を明けて連通気泡化したもの等が挙げられる。これらの中でも、汎用性の観点から、合成繊維系フェルトが好ましく、さらに、耐熱性、難燃性等の観点から、ポリエステル系繊維フェルトがより好ましい。
上記第1の吸音層11、及び第2の吸音層15として繊維材を用いる場合、上記繊維材を構成する繊維の平均繊維径は、10〜30μmの範囲が好ましい。また、上記繊維材の厚さは、5〜15mmの範囲が好ましい。さらに、上記繊維材の目付は、50〜1500g/mの範囲が好ましく、100〜300g/mの範囲がより好ましく、200〜280g/mの範囲が特に好ましい。またさらに、上記繊維材の平均見かけ密度は、0.01〜0.1g/cmの範囲が好ましい。
上記第1の吸音層11、及び第2の吸音層15として連続気泡を有するフォーム材を用いる場合、上記フォーム材の厚さは、5〜15mmの範囲が好ましい。また、上記フォーム材の目付は、50〜4500g/mの範囲が好ましく、100〜2000g/mの範囲がより好ましく、100〜1000g/mの範囲が特に好ましい。また、上記フォーム材の平均見かけ密度は、0.01〜0.3g/cmの範囲が好ましい。
上記第1の吸音層11、及び第2の吸音層15の繊維の平均繊維径、厚さ、平均みかけ密度、及び目付を、このような構成とすることにより、第2の吸音層15に入射した音波はもちろんのこと、第2の吸音層15及び中間層13により吸収されずに透過した音波も、効率よく第1の吸音層11の繊維材又は連続気泡を有するフォーム材に伝達させ、音波のエネルギーの一部を、骨格部分の周壁との摩擦や粘性抵抗、さらに骨格の振動などによって、熱エネルギーに交換・消耗させることができる。上記第1の吸音層11、及び第2の吸音層15において、繊維の平均繊維径、厚さ、平均見かけ密度、及び目付が上記範囲未満であると、吸音率が全体的に低下するおそれがある。一方、繊維の平均繊維径、厚さ、平均見かけ密度、及び目付が上記範囲を超えると、薄膜・軽量化にそぐわない。
上記第1の吸音層11、及び第2の吸音層15の通気量は、特に限定されるものではないが、中間層13の通気量と同等以上であることが好ましく、具体的には、5〜1000cm/cm・secの範囲であることが好ましく、100〜300cm/cm・secの範囲であることがより好ましい。上記第1の吸音層11、及び第2の吸音層15の通気量が5cm/cm・sec未満であると、防音材10の吸音率が全体的に低下するおそれがある。一方、上記第1の吸音層11、及び第2の吸音層15の通気量が1000cm/cm・secを超えると、取り扱い性や機械的強度が低下するおそれがある。上記第1の吸音層11、及び第2の吸音層15の通気量を、このような構成とすることにより、第2の吸音層15に入射した音波はもちろんのこと、第2の吸音層15及び中間層13により吸収されずに透過した音波も、効率よく第1の吸音層11の繊維材又は連続気泡を有するフォーム材に伝達させ、音波のエネルギーの一部を、骨格部分の周壁との摩擦や粘性抵抗、さらに骨格の振動などによって、熱エネルギーに交換・消耗させることができる。
上記第1の吸音層11、及び第2の吸音層15に用いる合成繊維系フェルトの製造方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の製造方法が挙げられる。具体的は、乾式法(カーディング法又はエアーレイド法)により、上述した合成繊維を解繊混合し、フェルト振分機で層上積層されたフェルト状マットに成型し、フェルトの保形性、層状剥離性を防止するため、ニードルパンチ法により層間縫合を施すことにより、合成繊維系フェルトを得ることができる。ニードルパンチ法以外に、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、水流交絡法等を用いて層間縫合、繊維間結合を行っても良い。
上記第1の吸音層11、及び第2の吸音層15に用いる連続気泡を有するフォーム材の製造方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の製造方法が挙げられる。例えば、ポリイソシアネートとポリオールとを、触媒、発泡剤、整泡剤等と混合し、泡化反応と樹脂化反応を同時に行うことによりウレタンフォーム材を得ることができる。また、あらかじめ独立気泡タイプのポリオレフィン系フォーム材を製造し、これに対して、異方向に回転する2本のロール間隙を通過させて圧縮する圧縮処理を行うことにより、気泡膜を破裂させて気泡を連通化させる方法により連続気泡ポリオレフィン系フォーム材を得ることもできる。
<防音材>
本発明の防音材10は、比較的緻密な構造の繊維材からなる中間層13と、空隙が連通している粗な構造の多孔質材からなる第1の吸音層11、及び第2の吸音層15とを用い、該中間層13の一方の面に第1の吸音層11を、もう一方の面に第2の吸音層15を、それぞれ第1の接合層12、第2の接合層14により接合して得られる。中間層13と第1の吸音層11、中間層13と第2の吸音層15との結合方法としては、前述したように、各々の層を、塗工された粘着剤又は両面粘着テープ(基材レス両面粘着テープも含む)を用いて、所定の接合面積率となるように貼り合わせる方法が好ましい。具体的には、まず、第1の吸音層11又は中間層13のいずれか一方の面に、あらかた所定の幅にスリットされた両面粘着テープ(基材レス両面テープも含む)、パンチングされた両面テープ又は離型フィルムにストライプ状やドット状に粘着剤を塗工したシート等からなる第1の接合層12を所定の接合面積率となるように貼り合わせ、又は転写した後、両層を圧着・接合する。中間層13と第1の吸音層11との圧着は、常温の環境下において、非加熱で行うことができる。しかしながら、必要に応じて加熱しながら圧着を行うこともできる。次いで、同様にして、得られた中間層13と第1の吸音層11からなる積層体の中間層13の表面に、第2の吸音層15を、第2の接合層14により、所定の接合面積率となるように貼り合わせ、又は転写した後、両層を圧着・接合する。
このように構成することで、防音材10の中〜高周波数帯域の吸音性が増強される。第1の吸音層、及び第2の吸音層は、上述した吸音層としての条件を充足する空隙が連通してなる多孔質材である。第1の吸音層、及び第2の吸音層の空隙が連通してなる多孔質材は、同一種類でも異なる種類でもよい。
本発明の防音材10の厚さは、10〜30mmの範囲が好ましい。上記防音材10の厚さが10mm未満であると、吸音率が全体的に低下するおそれがある。一方、上記防音材10の厚さが30mmを超えると、薄型・軽量化にそぐわない。
本発明の防音材10は、JIS A1405−2に準拠して測定した垂直入射吸音率が、1/3オクターブバンドの中心周波数1600、2000、2500、3150および4000Hzの全てにおいて55%以上であることが好ましく、1/3オクターブバンドの中心周波数1250、1600、2000、2500、3150および4000Hzの全てにおいて55%以上であることがより好ましく、1/3オクターブバンドの中心周波数1000、1250、1600、2000、2500、3150、4000Hzの全てにおいて55%以上であることが特に好ましい。
防音材の中程度の周波数領域(2000〜4000Hz)における吸音率は、防音材の厚みを大きくし、表面材の平均みかけ密度を増加させることによって向上させることができるが、一方においてコスト高、嵩高になるなどの問題を生じる。本発明では、防音材の厚さ及び防音材を構成する中間層と第1の吸音層、及び中間層と第2の吸音層との各々の接合層における接合面積率を上記範囲とすることにより、吸音可能な周波数領域を広範囲に確保しつつ、巻取加工性、裁断加工性、重ね梱包や運搬時等の取扱性に優れた防音材を得ることができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、実施例および比較例の各特性値については、下記の方法により測定した。
(1)吸音率
JIS A 1405−2に準拠した音響インピーダンス管(内径:Φ29.0mm)を用いて、第2の吸音層を音源側として、1/3オクターブバンド中心周波数1000〜4000Hzの周波数範囲で垂直入射吸音率を測定した。具体的には、1000、1250、1600、2000、2500、3150,4000Hzの垂直入射吸音率を測定した。測定は、背後空気層を取らない剛壁密着で行った。吸音可能な周波数帯域が拡大された防音材として実用上有効か否かについての判定を以下の基準に従い評価した。
Figure 2020052209
(2)平均繊維径
顕微鏡で500倍の拡大写真を取り、100本の繊維を任意に選び出し、その平均値を求め、小数点以下1桁を四捨五入し、平均繊維径を求めた。
(3)通気量
JIS L 1096に準拠したフラジール形通気性試験機により測定した。フラジール形通気性試験機は、大栄科学精器製作所社製のDAP−360(製品型番)を使用した。測定条件は、差圧125Pa、測定孔径Φ70mmとし、3箇所以上を測定し、その平均値で求めた。
(4)中間層と吸音層の厚さ
JIS−L−1913−B法に準じて測定した。荷重に関しては、中間層の場合は20kPa、吸音層の場合は0.02kPaの荷重とし、3箇所以上測定し、その平均値で求めた。
(5)中間層と吸音層の目付
JIS−L−1913に準じて測定した。
(6)接合層の厚さ
ダイヤルゲージにて、測定子の径10mm、終圧0.8Nで3箇所以上測定し、その平均値で求めた。
(7)接合材の貯蔵弾性率(G’)
接合層に用いた材料について、厚さ500μmの試料を準備し、株式会社日立ハイテクサイエンス社製の粘弾性測定装置DMA6100(製品名)を用いて、動的粘弾性を測定し、貯蔵弾性率を求めた。測定条件は、周波数1Hzのせん断ひずみを与えながら、昇温速度5℃/分とし、−80℃から80℃まで温度を変化させ、貯蔵弾性率(G’)を測定し、25℃における値を求めた。
<実施例1>
(中間層)
中間層として、3μmの平均繊維径、21cm/cm・secの通気量、20g/mの目付、0.33g/cmの平均見かけ密度及び0.06mmの厚さを有するポリエステル繊維材を準備した。このポリエステル繊維材は、繊維が縦方向に配列している。
(第1の吸音層、第2の吸音層)
第1の吸音層、第2の吸音層として、19μmの平均繊維径、165cm/cm・secの通気量、200g/mの目付、0.02g/cmの平均見かけ密度及び10mmの厚さを有するポリエステル繊維フェルトを準備した。
(接合層の形成及び接合)
ブチルゴム系粘着剤を使用したマクセル社製両面粘着テープ「No.5938スーパーブチルテープ」(商品名、基材:ポリエチレンネット、粘着テープ厚さ:0.5mm、片面セパ、粘着剤の貯蔵弾性率:3.5×10Pa)を幅2.6mmの棒状に裁断した。第1の吸音層のフェルトを広げ、その表面に、棒状の粘着テープを、ライン(粘着テープ接合部)/スペース(開口部)/ライン=2.6mm/23.6mm/2.6mmとなるように平行に配置・貼合し、第1の接合層(セパ付き)を形成した。
次いで、第1の吸音層に配置・貼合された粘着テープの離型紙(セパ)を剥がした後、その上に、中間層の繊維材を広げて載せ、常温環境下で圧着して、両層を接合した。
次いで、ブチルゴム系粘着剤を使用したマクセル社製両面粘着テープ「No.5938スーパーブチルテープ」(商品名、基材:ポリエチレンネット、粘着テープ厚さ:0.5mm、片面セパ、粘着剤の貯蔵弾性率:3.5×10Pa)を幅5mm及び幅6mmの棒状に裁断した。第2の吸音層のフェルトを広げ、その表面に、棒状の粘着テープを、ライン(粘着テープ接合部)/スペース(開口部)/ライン/スペース/ライン=6mm/5.9mm/5mm/5.9mm/6mmとなるように平行に配置・貼合し、第2の接合層(セパ付き)を形成した。
次いで、第2の吸音層に配置・貼合された粘着テープの剥離紙(セパ)を剥がした後、その上に、先ほど作製した中間層と第1の吸音層との積層体の中間層のもう一つの面(第1の吸音層が接合されていない面)が対面するように広げて載せ、常温環境下で圧着して、両層を接合させることにより防音材を得た。この防音材を、Φ28.8mmの円状に切断して、吸音率の測定に供した。
得られた防音材の総厚さは、21.1mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は9%、第2の接合層の接合面積率は52%であった。
<実施例2>
第2の接合層の形成を下記とした以外は、実施例1と同様にして防音材を得た。
(接合層の形成)
ブチルゴム系粘着剤を使用したマクセル社製両面粘着テープ「No.5938スーパーブチルテープ」(商品名、基材:ポリエチレンネット、粘着テープ厚さ:0.5mm、片面セパ、粘着剤の貯蔵弾性率:3.5×10Pa)を幅13.85mmの棒状に裁断した。第2の吸音層のフェルトを広げ、その表面に、棒状の粘着テープを、ライン(粘着テープ接合部)/スペース(開口部)/ライン=13.85mm/1.1mm/13.85mmとなるように平行に配置・貼合し、第2の接合層(セパ付き)を形成した。
得られた防音材の総厚さは、21.1mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は9%、第2の接合層の接合面積率は95%であった。
<実施例3>
第1の接合層の形成を下記とした以外は、実施例1と同様にして防音材を得た。
(接合層の形成)
ブチルゴム系粘着剤を使用したマクセル社製両面粘着テープ「No.5938スーパーブチルテープ」(商品名、基材:ポリエチレンネット、粘着テープ厚さ:0.5mm、片面セパ、粘着剤の貯蔵弾性率:3.5×10Pa)を幅4.8mmの棒状に裁断した。第1の吸音層のフェルトを広げ、その表面に、棒状の粘着テープを、ライン(粘着テープ接合部)/スペース(開口部)/ライン=4.8mm/19.2mm/4.8mmとなるように平行に配置・貼合し、第1の接合層(セパ付き)を形成した。
得られた防音材の総厚さは、21.1mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は22%、第2の接合層の接合面積率は52%であった。
<実施例4>
第2の接合層の形成を下記とした以外は、実施例3と同様にして防音材を得た。
(接合層の形成)
ブチルゴム系粘着剤を使用したマクセル社製両面粘着テープ「No.5938スーパーブチルテープ」(商品名、基材:ポリエチレンネット、粘着テープ厚さ:0.5mm、片面セパ、粘着剤の貯蔵弾性率:3.5×10Pa)を幅4.8mmの棒状に裁断した。第2の吸音層のフェルトを広げ、その表面に、棒状の粘着テープを、ライン(粘着テープ接合部)/スペース(開口部)/ライン/スペース/ライン/スペース/ライン/スペース/ライン=4.8mm/1.2mm/4.8mm/1.2mm/4.8mm/1.2mm/4.8mm/1.2mm/4.8mmとなるように平行に配置・貼合し、第2の接合層を形成(セパ付き)した。
得られた防音材の総厚さは、21.1mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は22%、第2の接合層の接合面積率は81%であった。
<実施例5>
第1の接合層の形成を下記とした以外は、実施例2と同様にして防音材を得た。
(接合層の形成)
ブチルゴム系粘着剤を使用したマクセル社製両面粘着テープ「No.5938スーパーブチルテープ」(商品名、基材:ポリエチレンネット、粘着テープ厚さ:0.5mm、片面セパ、粘着剤の貯蔵弾性率:3.5×10Pa)を幅4.8mmの棒状に裁断した。第1の吸音層のフェルトを広げ、その表面に、棒状の粘着テープを、ライン(粘着テープ接合部)/スペース(開口部)/ライン=4.8mm/19.2mm/4.8mmとなるように平行に配置・貼合し、第1の接合層(セパ付き)を形成した。
得られた防音材の総厚さは、21.1mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は22%、第2の接合層の接合面積率は95%であった。
<実施例6>
第1の接合層及び第2の接合層の形成をそれぞれ下記とした以外は、実施例1と同様にして防音材を得た。
(接合層の形成)
ブチルゴム系粘着剤を使用したマクセル社製両面粘着テープ「No.5938スーパーブチルテープ」(商品名、基材:ポリエチレンネット、粘着テープ厚さ:0.5mm、片面セパ、粘着剤の貯蔵弾性率:3.5×10Pa)を幅6mm及び幅5mmの棒状に裁断した。第1の吸音層のフェルトを広げ、その表面に、棒状の粘着テープを、ライン(粘着テープ接合部)/スペース(開口部)/ライン/スペース/ライン=6mm/5.9mm/5mm/5.9mm/6mmとなるように平行に配置・貼合し、第1の接合層(セパ付き)を形成した。
次いで、ブチルゴム系粘着剤を使用したマクセル社製両面粘着テープ「No.5938スーパーブチルテープ」(商品名、基材:ポリエチレンネット、粘着テープ厚さ:0.5mm、片面セパ、粘着剤の貯蔵弾性率:3.5×10Pa)を幅2.6mmの棒状に裁断した。第2の吸音層のフェルトを広げ、その表面に、棒状の粘着テープを、ライン(粘着テープ接合部)/スペース(開口部)/ライン/スペース/ライン=2.6mm/23.6mm/2.6mmとなるように平行に配置・貼合し、第2の接合層(セパ付き)を形成した。
得られた防音材の総厚さは、21.1mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された接合層の接合面積率は第1の接合層の接合面積率は52%、第2の接合層の接合面積率は9%であった
<実施例7>
第2の接合層の形成を下記とした以外は、実施例6と同様にして防音材を得た。
(接合層の形成)
ブチルゴム系粘着剤を使用したマクセル社製両面粘着テープ「No.5938スーパーブチルテープ」(商品名、基材:ポリエチレンネット、粘着テープ厚さ:0.5mm、片面セパ、粘着剤の貯蔵弾性率:3.5×10Pa)を幅4.8mmの棒状に裁断した。第2の吸音層のフェルトを広げ、その表面に、棒状の粘着テープを、ライン(粘着テープ接合部)/スペース(開口部)/ライン=4.8mm/19.2mm/4.8mmとなるように平行に配置・貼合し、第2の接合層(セパ付き)を形成した。
得られた防音材の総厚さは、21.1mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は52%、第2の接合層の接合面積率は22%であった。
<実施例8>
第2の接合層形成を下記とした以外は、実施例6と同様にして防音材を得た。
(接合層の形成)
ブチルゴム系粘着剤を使用したマクセル社製両面粘着テープ「No.5938スーパーブチルテープ」(商品名、基材:ポリエチレンネット、粘着テープ厚さ:0.5mm、片面セパ、粘着剤の貯蔵弾性率:3.5×10Pa)を幅6mm及び幅5mmの棒状に裁断した。第2の吸音層のフェルトを広げ、その表面に、棒状の粘着テープを、ライン(粘着テープ接合部)/スペース(開口部)/ライン/スペース/ライン=6mm/5.9mm/5mm/5.9mm/6mmとなるように平行に配置・貼合し、第2の接合層(セパ付き)を形成した。
得られた防音材の総厚さは、21.1mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は52%、第2の接合層の接合面積率は52%であった。
<実施例9>
第1の接合層の形成を下記とした以外は、実施例7と同様にして防音材を得た。
(接合層の形成)
ブチルゴム系粘着剤を使用したマクセル社製両面粘着テープ「No.5938スーパーブチルテープ」(商品名、基材:ポリエチレンネット、粘着テープ厚さ:0.5mm、片面セパ、粘着剤の貯蔵弾性率:3.5×10Pa)を幅4.8mmの棒状に裁断した。第1の吸音層のフェルトを広げ、その表面に、棒状の粘着テープを、ライン(粘着テープ接合部)/スペース(開口部)/ライン/スペース/ライン/スペース/ライン/スペース/ライン=4.8mm/1.2mm/4.8mm/1.2mm/4.8mm/1.2mm/4.8mm/1.2mm/4.8mmとなるように平行に配置・貼合し、第1の接合層(セパ付き)を形成した。
得られた防音材の総厚さは、21.1mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1接合層の接合面積率は81%、第2の接合層の接合面積率は22%であった。
<実施例10>
第2の接合層の形成を下記とした以外は、実施例9と同様にして防音材を得た。
(接合層の形成)
ブチルゴム系粘着剤を使用したマクセル社製両面粘着テープ「No.5938スーパーブチルテープ」(商品名、基材:ポリエチレンネット、粘着テープ厚さ:0.5mm、片面セパ、粘着剤の貯蔵弾性率:3.5×10Pa)を幅4.8mmの棒状に裁断した。第2の吸音層のフェルトを広げ、その表面に、棒状の粘着テープを、ライン(粘着テープ接合部)/スペース(開口部)/ライン/スペース/ライン=4.8mm/7.2mm/4.8mm/7.2mm/4.8mmとなるように平行に配置・貼合し、第2の接合層(セパ付き)を形成した。
得られた防音材の総厚さは、21.1mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は81%、第2の接合層の接合面積率は43%であった。
<実施例11>
第2の接合層の形成を下記とした以外は、実施例10と同様にして防音材を得た。
(接合層の形成)
ブチルゴム系粘着剤を使用したマクセル社製両面粘着テープ「No.5938スーパーブチルテープ」(商品名、基材:ポリエチレンネット、粘着テープ厚さ:0.5mm、片面セパ、粘着剤の貯蔵弾性率:3.5×10Pa)を幅4.8mmの棒状に裁断した。第2の吸音層のフェルトを広げ、その表面に、棒状の粘着テープを、ライン(粘着テープ接合部)/スペース(開口部)/ライン/スペース/ライン/スペース/ライン/スペース/ライン=4.8mm/1.2mm/4.8mm/1.2mm/4.8mm/1.2mm/4.8mm/1.2mm/4.8mmとなるように平行に配置・貼合し、第2の接合層(セパ付き)を形成した。
得られた防音材の総厚さは、21.1mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は81%、第2の接合層の接合面積率は81%であった。
<実施例12>
第1の接合層の形成を下記とした以外は、実施例2と同様にして防音材を得た。
(接合層の形成)
ブチルゴム系粘着剤を使用したマクセル社製両面粘着テープ「No.5938スーパーブチルテープ」(商品名、基材:ポリエチレンネット、粘着テープ厚さ:0.5mm、片面セパ、粘着剤の貯蔵弾性率:3.5×10Pa)を幅13.85mmの棒状に裁断した。第1の吸音層のフェルトを広げ、その表面に、棒状の粘着テープを、ライン(粘着テープ接合部)/スペース(開口部)/ライン=13.85mm/1.1mm/13.85mmとなるように平行に配置・貼合し、第1の接合層(セパ付き)を形成した。
得られた防音材の総厚さは、21.1mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は95%、第2の接合層の接合面積率は95%であった。
<実施例13>
第2の接合層の形成を下記とした以外は、実施例12と同様にして防音材を得た。
(接合層の形成)
ブチルゴム系粘着剤を使用したマクセル社製両面粘着テープ「No.5938スーパーブチルテープ」(商品名、基材:ポリエチレンネット、粘着テープ厚さ:0.5mm、片面セパ、粘着剤の貯蔵弾性率:3.5×10Pa)を幅2.6mmの棒状に裁断した。第2の吸音層のフェルトを広げ、その表面に、棒状の粘着テープを、ライン(粘着テープ接合部)/スペース(開口部)/ライン=2.6mm/23.6mm/2.6mmとなるように平行に配置・貼合し、第2の接合層(セパ付き)を形成した。
得られた防音材の総厚さは、21.1mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は95%、第2の接合層の接合面積率は9%であった。
<実施例14>
中間層を下記とした以外は、実施例3と同様にして防音材を得た。
(中間層)
中間層として、10μmの平均繊維径、80cm/cm・secの通気量、94g/mの目付、0.02g/cmの平均見かけ密度及び4mmの厚さを有するアクリル/ポリエステル混合繊維材を準備した。このアクリル/ポリエステル混合繊維材は、アクリル繊維とポリエステル繊維の混合比率がアクリル繊維/ポリエステル繊維=63/37(質量比)であり、繊維の配列はランダムである。
得られた防音材の総厚さは、25.0mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は22%、第2の接合層の接合面積率は52%であった。
<実施例15>
中間層を下記とした以外は、実施例7と同様にして防音材を得た。
(中間層)
中間層として、10μmの平均繊維径、80cm/cm・secの通気量、94g/mの目付、0.02g/cmの平均見かけ密度及び4mmの厚さを有するアクリル/ポリエステル混合繊維材を準備した。このアクリル/ポリエステル混合繊維材は、アクリル繊維とポリエステル繊維の混合比率がアクリル繊維/ポリエステル繊維=63/37(質量比)であり、繊維の配列はランダムである。
得られた防音材の総厚さは、25.0mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は52%、第2の接合層の接合面積率は22%であった。
<実施例16>
中間層を下記とした以外は、実施例10と同様にして防音材を得た。
(中間層)
中間層として、10μmの平均繊維径、80cm/cm・secの通気量、94g/mの目付、0.02g/cmの平均見かけ密度及び4mmの厚さを有するアクリル/ポリエステル混合繊維材を準備した。このアクリル/ポリエステル混合繊維材は、アクリル繊維とポリエステル繊維の混合比率がアクリル繊維/ポリエステル繊維=63/37(質量比)であり、繊維の配列はランダムである。
得られた防音材の総厚さは、25.0mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は81%、第2の接合層の接合面積率は43%であった。
<実施例17>
第1の接合層及び第2の接合層の接合材として、アクリル系粘着剤を使用した新タック化成社製基材レス両面粘着テープ「KF4#100」(商品名、基材:なし、粘着テープ厚さ:0.1mm、両面セパ付、粘着剤の貯蔵弾性率:1.1×10Pa)を用いた以外は、実施例9と同様にして防音材を得た。
得られた防音材の総厚さは、20.3mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は81%、第2の接合層の接合面積率は22%であった。
<実施例18>
第1の接合層及び第2の接合層の接合材として、アクリル系粘着剤(2−メトキシエチルアクリレート/2−エチルヘキシルアクリレート/4−ヒドロキシブチルアクリレート/ヘキサメチレンジイソシアネート系架橋剤=40質量部/59質量部/1質量部/0.7質量部)を使用した基材レス両面粘着テープ(基材:なし、粘着テープ厚さ:0.1mm、両面セパ付、粘着剤の貯蔵弾性率:6.0×10Pa)を用いた以外は、実施例9と同様にして防音材を得た。
得られた防音材の総厚さは、20.3mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は81%、第2の接合層の接合面積率は22%であった。
<実施例19>
第1の接合層及び第2の接合層の接合材として、ブチルゴム系粘着剤を使用したマクセル社製両面粘着テープ「No.5933スーパーブチルテープ」(商品名、基材:ポリエチレンネット、粘着テープ厚さ:3.0mm、片面セパ、粘着剤の貯蔵弾性率:3.6×10Pa)を用いた以外は、実施例9と同様にして防音材を得た。
得られた防音材の総厚さは、26.1mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は81%、第2の接合層の接合面積率は22%であった。
<実施例20>
中間層を下記とした以外は、実施例9と同様にして防音材を得た。
(中間層)
中間層として、6μmの平均繊維径、9cm/cm・secの通気量、60g/mの目付、0.12g/cmの平均見かけ密度及び0.5mmの厚さを有するアクリル/ポリエステル混合繊維材を準備した。このアクリル/ポリエステル混合繊維材は、アクリル繊維とポリエステル繊維の混合比率がアクリル繊維/ポリエステル繊維=80/20(質量比)であり、繊維の配列はランダムである。
得られた防音材の総厚さは、21.5mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は81%、第2の接合層の接合面積率は22%であった。
<実施例21>
中間層を下記とした以外は、実施例9と同様にして防音材を得た。
(中間層)
10μmの平均繊維径、190cm/cm・secの通気量、85g/mの目付、0.14g/cmの平均見かけ密度及び0.6mmの厚さを有するポリエステル繊維材を準備した。このポリエステル繊維材は、繊維の配列はランダムである
得られた防音材の総厚さは、21.6mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は81%、第2の接合層の接合面積率は22%であった。
<実施例22>
第1の吸音層及び第2の吸音層を下記とした以外は、実施例9と同様にして防音材を得た。
(第1の吸音層、第2の吸音層)
第1の吸音層及び第2の吸音層として、19μmの平均繊維径、265cm/cm・secの通気量、100g/mの目付、0.02g/cmの平均見かけ密度及び5mmの厚さを有するポリエステル繊維フェルトを準備した。
得られた防音材の総厚さは、11.1mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は81%、第2の接合層の接合面積率は22%であった。
<実施例23>
第1の吸音層及び第2の吸音層を下記とした以外は、実施例9と同様にして防音材を得た。
第1の吸音層及び第2の吸音層として、19μmの平均繊維径、113cm/cm・secの通気量、280g/mの目付、0.02g/cmの平均見かけ密度及び14mmの厚さを有するポリエステル繊維フェルトを準備した。
得られた防音材の総厚さは、29.1mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は81%、第2の接合層の接合面積率は22%であった。
<実施例24>
中間層及び第2の接合層の形成を下記とした以外は、実施例9と同様にして防音材を得た。
(中間層)
中間層として、17μmの平均繊維径、197cm/cm・secの通気量、85g/mの目付、0.14g/cmの平均見かけ密度及び0.6mmの厚さを有するポリエステル繊維材を準備した。
(接合層の形成)
ブチルゴム系粘着剤を使用したマクセル社製両面粘着テープ「No.5933スーパーブチルテープ」(商品名、基材:ポリエチレンネット、粘着テープ厚さ:0.5mm、片面セパ、粘着剤の貯蔵弾性率:3.5×10Pa)を幅6mm及び幅5mmの棒状に裁断した。第2の吸音層のフェルトを広げ、その表面に、棒状の粘着テープを、ライン(粘着テープ接合部)/スペース(開口部)/ライン/スペース/ライン=6mm/5.9mm/5mm/5.9mm/6mmとなるように平行に配置・貼合し、第2の接合層(セパ付き)を形成した。
得られた防音材の総厚さは、21.6mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は81%、第2の接合層の接合面積率は52%であった。
<比較例1>
中間層を接合層により接合せず、第2の吸音層を使用しない以外は、実施例1と同様にして防音材を得た。すなわち、厚さが10mmの第1の吸音層のみの防音材を得た。
<比較例2>
中間層を接合層により接合せず、第2の吸音層を使用せず、第1の吸音層を下記とした以外は、実施例1と同様にして防音材を得た。すなわち、厚さが20mmの第1の吸音層のみの防音材を得た。
(第1の吸音層)
第1の吸音層として、19μmの平均繊維径、96cm/cm・secの通気量、400g/mの目付、0.02g/cmの平均見かけ密度及び20mmの厚さを有するポリエステル繊維フェルトを準備した。
<比較例3>
比較例2で用いた第1の吸音層の上に、第2の吸音層として、比較例1で用いた第1の吸音層を粘着テープで接合せずに、単に重ね合わせたものを防音材とした。防音材の総厚さは、30mmであった。
<比較例4>
第1の接合層及び第2の接合層の形成及び接合を下記とした以外は、実施例1と同様にして防音材を得た。
(接合層の形成及び接合)
ブチルゴム系粘着剤を使用したマクセル社製両面粘着テープ「No.5938スーパーブチルテープ」(商品名、基材:ポリエチレンネット、粘着テープ厚さ:0.5mm、片面セパ、粘着剤の貯蔵弾性率:3.5×10Pa)を100mm×100mmの大きさに裁断した。第1の吸音層のフェルトを広げ、その表面に、上記粘着テープを配置・貼合し、第1の接合層(セパ付き)を形成した。
次いで、第1の吸音層に配置・貼合された粘着テープの離型紙を剥がした後、その上に、中間層の繊維材を広げて載せ、常温環境下で圧着して、両層を接合させることにより防音材を得た。
次いで、ブチルゴム系粘着剤を使用したマクセル社製両面粘着テープ「No.5938スーパーブチルテープ」(商品名、基材:ポリエチレンネット、粘着テープ厚さ:0.5mm、片面セパ、粘着剤の貯蔵弾性率:3.5×10Pa)を100mm×100mmの大きさに裁断した。第2の吸音層のフェルトを広げ、その表面に、上記粘着テープを配置・貼合し、第2の接合層(セパ付き)を形成した。
次いで、第2の吸音層に配置・貼合された粘着テープの剥離紙(セパ)を剥がした後、その上に、先ほど作製した中間層と第1の吸音層との積層体の中間層のもう一つの面(第1の吸音層が接合されていない面)が対面するように広げて載せ、常温環境下で圧着して、両層を接合させることにより防音材を得た。
得られた防音材の総厚さは、21.1mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は100%、第2の接合層の接合面積率は100%であった。
<比較例5>
第1の接合層の形成を下記とした以外は、実施例7と同様にして防音材を得た。
(接合層の形成)
ブチルゴム系粘着剤を使用したマクセル社製両面粘着テープ「No.5938スーパーブチルテープ」(商品名、基材:ポリエチレンネット、粘着テープ厚さ:0.5mm、片面セパ、粘着剤の貯蔵弾性率:3.5×10Pa)を幅4.8mmの棒状に裁断した。第1の吸音層のフェルトを広げ、その表面に、棒状の粘着テープを、ライン(粘着テープ接合部)/スペース(開口部)/ライン/スペース/ライン=4.8mm/7.2mm/4.8mm/7.2mm/4.8mmとなるように平行に配置・貼合し、第1の接合層(セパ付き)を形成した。
得られた防音材の総厚さは、21.1mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は43%、第2の接合層の接合面積率は22%であった。
<比較例6>
第2の接合層の形成を下記とした以外は、実施例3と同様にして防音材を得た。
(接合層の形成)
ブチルゴム系粘着剤を使用したマクセル社製両面粘着テープ「No.5938スーパーブチルテープ」(商品名、基材:ポリエチレンネット、粘着テープ厚さ:0.5mm、片面セパ、粘着剤の貯蔵弾性率:3.5×10Pa)を幅4.8mmの棒状に裁断した。第2の吸音層のフェルトを広げ、その表面に、棒状の粘着テープを、ライン(粘着テープ接合部)/スペース(開口部)/ライン=4.8mm/19.2mm/4.8mmとなるように平行に配置・貼合し、第2の接合層(セパ付き)を形成した。
得られた防音材の総厚さは、21.1mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は22%、第2の接合層の接合面積率は22%であった。
<比較例7>
第2の接合層の形成を下記とした以外は、実施例1と同様にして防音材を得た。
(接合層の形成)
ブチルゴム系粘着剤を使用したマクセル社製両面粘着テープ「No.5938スーパーブチルテープ」(商品名、基材:ポリエチレンネット、粘着テープ厚さ:0.5mm、片面セパ、粘着剤の貯蔵弾性率:3.5×10Pa)を幅2.6mmの棒状に裁断した。第2の吸音層のフェルトを広げ、その表面に、棒状の粘着テープを、ライン(粘着テープ接合部)/スペース(開口部)/ライン=2.6mm/23.6mm/2.6mmとなるように平行に配置・貼合し、第2接合層を形成した。
得られた防音材の総厚さは、21.1mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は9%、第2の接合層の接合面積率は9%であった。
<比較例8>
実施例1で用いた第1の吸音層、中間層及び第2の吸音層を、粘着テープで接合せずに、単に重ね合わせたものを防音材とした。防音材の総厚さは、20.1mmであった。
<比較例9>
第2の接合層の形成を下記とした以外は、実施例3と同様にして防音材を得た。
(接合層の形成)
ブチルゴム系粘着剤を使用したマクセル社製両面粘着テープ「No.5938スーパーブチルテープ」(商品名、基材:ポリエチレンネット、粘着テープ厚さ:0.5mm、片面セパ、粘着剤の貯蔵弾性率:3.5×10Pa)を100mm×100mmの大きさに裁断した。第2の吸音層のフェルトを広げ、その表面に、上記粘着テープを配置・貼合し、第2の接合層(セパ付き)を形成した。
得られた防音材の総厚さは、21.1mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は22%、第2の接合層の接合面積率は100%であった。
<比較例10>
中間層を下記とした以外は、比較例6と同様にして防音材を得た。
(中間層)
中間層として、17μmの平均繊維径、197cm/cm・secの通気量、85g/mの目付、0.14g/cmの平均見かけ密度及び0.6mmの厚さを有するポリエステル繊維材を準備した。
得られた防音材の総厚さは、21.6mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は22%、第2の接合層の接合面積率は22%であった。
<比較例11>
中間層を下記とした以外は、実施例24と同様にして防音材を得た。
(中間層)
中間層として、0.2cm/cm・secの通気量、66g/mの目付、0.03g/cmの平均見かけ密度及び2mmの厚さを有する独立気泡タイプのポリエチレンフォーム材を準備した。
得られた防音材の総厚さは、23.0mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は81%、第2の接合層の接合面積率は52%であった。
<比較例12>
中間層を下記とした以外は、実施例24と同様にして防音材を得た。
(中間層)
中間層として、46g/mの目付、0.92g/cmの平均見かけ密度及び0.05mmの厚さを有するポリエチレンフィルム材を準備した。
得られた防音材の総厚さは、21.1mmであった。また、Φ28.8mmの吸音率の測定試料において、粘着テープにより形成された第1の接合層の接合面積率は81%、第2の接合層の接合面積率は52%であった。
実施例1〜24、比較例1〜12の各防音材について、その構成と共に垂直入射吸音率の測定結果を表1〜5に示した。
Figure 2020052209
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Figure 2020052209
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表1〜5から明らかなように、本発明の実施例1〜24の全ての防音材は、総厚さが10〜30mmの範囲で薄いにもかかわらず、垂直入射吸音率が1/3オクターブバンドの中心周波数1600、2000、2500、3150および4000Hzの全てにおいて55%以上と実用上、有効な高いレベルとなっており、特に、実施例2、4、5、実施例9〜14、実施例16、17、19、20及び実施例23は、吸音材として有効な吸音周波数帯域も拡大していることが分かる。
以下、実施例を詳細に比較する。第1の接合層の接合面積率が9%と同じである実施例1、2において、第2の接合層の接合面積率が95%である実施例2は、第2の接合層の接合面積率が52%である実施例1と比較して、高周波数帯域の垂直入射吸音率はやや低下するものの、吸音材として有効な吸音周波数帯域(垂直入射吸音率が55%以上の周波数帯域)がより拡大していることが分かる。
また、第1の接合層の接合面積率が22%と同じである実施例3〜5において、第2の接合層の接合面積率がそれぞれ81%、95%である実施例4、実施例5は、第2の接合層の接合面積率が52%である実施例3と比較して、高周波数帯域の垂直入射吸音率はやや低下するものの、吸音材として有効な吸音周波数帯域(垂直入射吸音率が55%以上の周波数帯域)がより拡大していることが分かる。
また、第2の接合層の接合面積率が9%と同じである実施例6、13において、第1の接合層の接合面積率が95%である実施例13は、第2の接合層の接合面積率が52%である実施例6と比較して、高周波数帯域の垂直入射吸音率はやや低下するものの、吸音材として有効な吸音周波数帯域(垂直入射吸音率が55%以上の周波数帯域)がより拡大していることが分かる。
また、第2の接合層の接合面積率が22%と同じである実施例7、9において、第1の接合層の接合面積率が81%である実施例9は、第2の接合層の接合面積率が52%である実施例7と比較して、高周波数帯域の垂直入射吸音率はやや低下するものの、吸音材として有効な吸音周波数帯域(垂直入射吸音率が55%以上の周波数帯域)がより拡大していることが分かる。
またさらに、第1の接合層の接合面積率が81%、第2の接合層の接合面積率が22%と同じである実施例9、20、21において、中間層の通気量が21cm/cm・secである実施例9は、中間層の通気量が9cm/cm・secである実施例20と比較して、垂直入射吸音率が相対的に高く、中間層の通気量が190cm/cm・secである実施例21と比較して、高周波数帯域の垂直入射吸音率はやや低下するものの、吸音材として有効な吸音周波数帯域(垂直入射吸音率が55%以上の周波数帯域)がより拡大していることが分かる。
またさらに、第1の接合層の接合面積率が81%、第2の接合層の接合面積率が22%と同じである実施例9、22、23において、第1及び第2の吸音層の目付が200g/mである実施例9は、第1の吸音層及び第2の吸音層の目付が100g/mである実施例22と比較して、垂直入射吸音率が相対的に高く、吸音材として有効な吸音周波数帯域(垂直入射吸音率が55%以上の周波数帯域)もより拡大していることが分かる。同様に、第1及び第2の吸音層の目付が280g/mである実施例23は、第1の吸音層及び第2の吸音層の目付がそれぞれ200g/m、100g/m、である実施例9、22と比較して、垂直入射吸音率が相対的に高く、吸音材として有効な吸音周波数帯域(垂直入射吸音率が55%以上の周波数帯域)もより拡大していることが分かる。
またさらに、第1の接合層の接合面積率が81%、第2の接合層の接合面積率が22%と同じで、接合材の種類や厚さが異なる実施例9、実施例17〜19において、実施例17〜19は、いずれも、実施例9と同様に良好な吸音特性を示しており、特に接合材の厚さが3mmである実施例19は、実施例9、17、18と比較して、2000Hz以下の吸音周波数帯域(垂直入射吸音率が55%以上の周波数帯域)において、垂直入射吸音率が高くなっていることが分かる。
またさらに、中間層の繊維材の平均繊維径が17μmである実施例24は、接合面積率が類似した中間層の繊維材の平均繊維径がそれぞれ3μm、10μmである実施例10、16と比較して、2000Hz以下の吸音周波数帯域において、垂直入射吸音率がやや低く、吸音材として有効な吸音周波数帯域(垂直入射吸音率が55%以上の周波数帯域)もやや狭くなっていることが分かる。
これに対し、本願発明の請求範囲を満足していない比較例1〜12のいずれの防音材も、実施例1〜24と比較して、相対的に垂直入射吸音率が低く、また、吸音材として有効な吸音周波数帯域(垂直入射吸音率が55%以上の周波数帯域)が狭い、又は低〜高周波数帯域の吸音特性のバランスが劣ることが分かる。
本発明は、薄さを維持しながら、実用上、有効なレベルの高い吸音率を有し、さらに吸音可能な周波数領域が拡大された防音材を提供できる。
10、20 防音材
11 第1の吸音層
12 第1の接合層
13 中間層
14 第2の接合層
15 第2の吸音層
16、17 通気性の開口部

Claims (13)

  1. 順番に積層された第1の吸音層、第1の接合層、中間層、第2の接合層、及び第2の吸音層を有し、
    第1の吸音層、及び第2の吸音層は、それぞれ独立して、空隙が連通してなる多孔質材から成り、
    前記中間層は、1〜17μmの平均繊維径および5〜200cm/cm・secの通気量を有する繊維材から成り、
    前記第1の接合層における前記第1の吸音層と前記中間層との接触面全体に対する接合面積率をS1、前記第2の接合層における前記第2の吸音層と前記中間層との接触面全体に対する接合面積率をS2とした場合、前記S1、及び前記S2のうち、いずれか一方の接合面積率は、5〜95%の範囲であり、もう一方の接合面積率は、52〜95%の範囲である防音材。
  2. 前記S1、及び前記S2のうち、いずれか一方の接合面積率は、5〜95%の範囲であり、もう一方の接合面積率は、80〜95%の範囲である請求項1に記載の防音材。
  3. 前記接合材は、塗工された粘着剤又は両面粘着テープである請求項1又は2に記載の防音材。
  4. 前記塗工された粘着剤又は両面粘着テープの粘着剤は、25℃におけるせん断貯蔵弾性率が1.0×10〜1.0×10Paの範囲である請求項3に記載の防音材。
  5. 前記第1の接合層、及び第2の接合層は、複数の棒状層から形成されている請求項1に記載の防音材。
  6. 前記複数の棒状層は、縞模様を形成する請求項5に記載の防音材。
  7. 隣り合った棒状層同士の間隔は1mm以上である請求項6に記載の防音材。
  8. 前記中間層は、10〜100cm/cm・secの通気量を有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の防音材。
  9. 前記第1の吸音層、及び第2の吸音層は、繊維材であって、前記繊維材の目付量は、100〜300g/mである請求項1〜8のいずれか一項に記載の防音材。
  10. 前記防音材の総厚さは、10〜30mmである請求項1〜9のいずれか一項に記載の防音材。
  11. 前記防音材は、JIS A1405−2に準拠して測定した垂直入射吸音率が、1/3オクターブバンドの中心周波数1600、2000、2500、3150および4000Hzの全てにおいて55%以上である請求項1〜10のいずれか一項に記載の防音材。
  12. 前記防音材は、JIS A1405−2に準拠して測定した垂直入射吸音率が、1/3オクターブバンドの中心周波数1250、1600、2000、2500、3150および4000Hzの全てにおいて55%以上である請求項1〜10のいずれか一項に記載の防音材。
  13. 前記防音材は、JIS A1405−2に準拠して測定した垂直入射吸音率が、1/3オクターブバンドの中心周波数1000、1250、1600、2000、2500、3150、4000Hzの全てにおいて55%以上である請求項1〜10のいずれか一項に記載の防音材。
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