JP3968082B2 - 自動車用敷設材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は自動車の内装材として敷設される自動車用敷設材料に関するものである。
〔発明の背景〕
自動車の内装材には意匠性の向上、内装面の触感を柔らかくすることによる快適性の向上、室内の騒音低減等を目的としてカーペット等の敷設材料が敷設される。
〔従来の技術〕
従来、カーペットによる車室内の騒音低減の手段としては、カーペット層と、該カーペット層の下に配設された通気性のない質量層と、該質量層の下に配設された異なる流れ抵抗を有する複数の弾性体層とからなる構成Aが提供されている(特許文献1参照)。
更に表皮材層と、不織布からなる吸音層とを熱可塑性樹脂パウダーを加熱溶融することにより形成された通気性樹脂層によって接着した構成Bが提供されている(特許文献2参照)。
特開昭61−70085号公報 特開2002−219989号公報
構成Aにあっては、床パネルと質量層とにより二重壁構造が形成されており、同じ質量の一重壁構造に比べると高周波数域では遮音性が向上するが、低周波数域では二重壁構造の共鳴透過により遮音性が低下する周波数が生じることが避けられない。
このような周波数域は更に質量層の質量を増大せしめるか、あるいはパネルと質量層の間の距離を増大させることによって騒音低減が必要のない周波数域に調節することが出来るが自動車の軽量化、省スペースの観点からみてこのような手段は望ましいものではない。
構成Bは構成Aのように連続した質量層のような非通気層を設けないようにして上記構成Aの問題点を解消しようとするものであり、上記表皮材層と吸音層とを接着する樹脂層を通気性にするために完全な遮音壁を形成することがなく、したがって共鳴透過周波数域での透過損失の低下を回避することが出来る。
しかしながら構成Bにあっては、上記通気性樹脂層を形成するために、接着面に熱可塑性樹脂パウダーを散布する工程が必要になり、そのために工程数が増えて生産合理化に反するものとなる。また熱可塑性樹脂パウダーはパウダー化のためにコスト高になる。
更にパウダーを均一な密度で精度良く散布することが困難であり、その結果、カーペットの通気性にむらが生じ、通気性の制御が難しくなる。
また通気性を制御するためには、パウダーの散布量を変える必要があるため、敷設材料の設計質量の変化を伴う。
本発明は、上記従来の課題を解決するための手段として、立毛繊維シート(1)の裏面に、曲げ強さが0.1N/50mm〜2.0N/50mm、質量が200g/m 〜800g/m 、厚みが2.0mm〜6.0mmである剛性不織布層(2)を重ね、更に該剛性不織布層の裏面に、厚みが50μm〜300μmの樹脂シート(31)を貼着し、ニードリングすることによって該樹脂シート(31)に多孔を設ける方法、立毛繊維シート(1)の裏面に、厚みが50μm〜300μmの樹脂シート(32)を貼着し、該樹脂シート(32)の裏面に、曲げ強さが0.1N/50mm〜2.0N/50mm、質量が200g/m 〜800g/m 、厚みが2.0mm〜6.0mmである剛性不織布層(2)を重ね、ニードリングすることによって該樹脂シート(32)に多孔を設ける方法、立毛繊維シート(1)の裏面に、厚みが50μm〜300μmの樹脂シート(32)を貼着し、該樹脂シートの裏面に、曲げ強さが0.1N/50mm〜2.0N/50mm、質量が200g/m 〜800g/m 、厚みが2.0mm〜6.0mmである剛性不織布層(2)を重ね、更に該剛性不織布層(2)の裏面に、厚みが50μm〜300μmの樹脂シート(31)を貼着し、ニードリングすることによって、該立毛繊維シート(1)の裏面の樹脂シート(32)と該剛性不織布層(2)の裏面の樹脂シート(31)にそれぞれ多孔を設ける方法、という自動車用敷設材料(4A,4B,4C) の製造方法を提供するものである。
該樹脂シート(31,32)には、上記ニードリングによって微小開孔が3.0個/cm 以上設定されていることが望ましい。また上記ニードリングによる該微小開孔の径は0.01mm〜3.5mmであることが望ましい。
なお、本明細書にて通気性の測定方法はJIS L 1096による。

〔作用〕
本発明にあっては、立毛繊維シート(1) の裏面に樹脂シート(31)を裏打ちするので、非通気な遮断層が存在せず、従来構成Aのような二重壁構造が解消され、共鳴透過周波数域における遮音性の低下の問題がなくなり、また該樹脂シート(31)の開孔の径、数により通気性を調節出来るため、吸音特性を調節出来る。
曲げ強さが0.1N/50mm〜2.0N/50mmであり、質量が200g/m〜800g/m、厚さ2.0mm〜6.0mmである剛性不織布層(2) を付加すると、該剛性不織布層(2) に含まれる空気のために、敷設材料(4A,4B,4C)の吸音性を向上させることが出来る。更に敷設材料(4A,4B,4C)の剛性を高め形状安定性が向上し、剛性を付与するための樹脂シートの厚みを薄くすることが出来る。樹脂シートの厚みが大であると、樹脂シートに設けた多孔が成形の際につぶれてしまう不具合が生ずる。本発明では樹脂シートの厚みを50μm〜300μmの薄いものとすることが出来る。
該敷設材料(4B,4C) は該立毛繊維シート(1) の裏面に樹脂シート(32)、剛性不織布層(2) を配してニードリングすることによって製造することが望ましく、上記方法にあっては樹脂シート(32)には該ニードリングによって多孔が設けられ、したがってニードリングに使用するニードル太さ、ニードル密度等によって該樹脂シート(32)の開孔の径、数が容易に変更でき、また均一に孔を散在させることが容易にでき、更に所望なれば、開孔の径や数を敷設材料の部位に応じて変更することも容易にでき、自動車室内において200〜5000Hzの周波数域の騒音に対して最適な防音対策を採ることが容易に出来る。
更にニードリングによれば、立毛繊維シート(1) の繊維と剛性不織布層(2) の繊維とを相互絡合して接着剤を使用することなく結合することが出来る。
このように本発明では樹脂シート(31,32) の孔明け、立毛繊維シート(1) および剛性不織布層(2) を構成する繊維の絡合、および立毛繊維シート(1) と該剛性不織布層(2) との結合をニードリングと云う一つの工程で行うので、工程数が大巾に削減され、生産合理化が実現され、生産コストが低減される。
〔効果〕
本発明にあっては、敷設材料に樹脂シートを裏打ちするが、該樹脂シートに多孔を設けるので二重壁構造の共鳴透過による遮音性の低下を回避することが出来、かつ該多孔は均一に所望の開孔の径、数で形成して通気性を調節することにより、吸音性を向上させることが出来るため、広い範囲の周波数にわたって優れた防音を発揮することが出来る。
本発明を以下に詳細に説明する。図1イ、ロ、ハには本発明の自動車用敷設材料(4A),(4B),(4C)の構成が示されている。敷設材料(4A)(図1イ)にあっては、立毛繊維シート(1) と樹脂シート(31)との間に剛性不織布層(2) が介在せしめられており、敷設材料(4B)(図1ロ)にあっては、立毛繊維シート(1) の裏面に樹脂シート(32)が裏打ちされ、更にその裏面に剛性不織布層(2) が配され、敷設材料(4C)(図1ハ)にあっては、敷設材料(4B)の構成に更に該剛性不織布層(2) の裏面に第2の樹脂シート(31)が貼着される。
本発明にあっては、上記各構成イ、ロ、ハの下側にフェルト、アスファルト含浸フェルト、樹脂発泡体、アスファルト含浸樹脂発泡体等のサイレンサーが設定されてもよい。
以下に上記構成に使用する各要素について詳細に説明する。
〔立毛繊維シート〕
立毛繊維シートとしては、不織布の一面にニードリングによって立毛層を形成したもの(ニードルカーペット)、上記不織布あるいは編織物の一面にタフティングにより立毛層を形成したもの(タフトカーペット)のいずれも使用されてよい。また立毛層としては、ループパイルからなるもの、カットパイルからなるもの等いずれでもよい。
生産性と価格の点からみて、望ましい立毛繊維シートはニードルパンチカーペットである。ニードルパンチカーペットは繊維ウエブをニードリングして繊維を絡合し、更にニードリングして一面に立毛層を形成することによって製造され、タフトカーペットのように基布を使用しないので風合いが良好であり、柔軟で延伸性も良いので所望の形状に成形し易い。また製織の必要がなく、高速で生産することが出来る。
ニードルパンチカーペットの中でもディロアニードルパンチカーペットは本発明にとって望ましいものである。該ディロアニードルパンチカーペットにあっては、ブラシヘッド上に繊維フェルトをセットし、上からニードリングを行い、ニードリングにより下面に形成されたパイルがブラシヘッド中に突入することによってパイル倒れが防止されるので、風合いが更に良好になり感触も柔らかになり、本発明にとって特に適するものである。
上記立毛繊維シートに使用される繊維としては、例えばポリエステル繊維、脂肪族または芳香族ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオレフィン繊維、ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリウレタン繊維、ビニロン、レーヨン、キュプラ、アセテート繊維等のような有機合成繊維であり、上記繊維は2種以上混合されてもよいし、またガラス繊維、岩綿、セラミック繊維、カーボン繊維等の無機繊維、あるいはパルプ、木片等の木質繊維、木綿、竹繊維、ヤシ繊維、ケナフ繊維、麻繊維等の植物繊維の若干量が混合されてもよい。繊維太さは通常2d〜30d、繊維長さは通常31mm〜102mmのものが使用される。
〔樹脂シート〕
本発明に使用される樹脂シートとしては、主としてポリプロピレン、ポリエチレン、低融点ポリエステル、低融点ポリアミド等の融点が200℃以下の低融点樹脂シートがある。該シートは例えばTダイ押出し成形法および/またはカレンダー法あるいはインフレーション法によって製造され、通常厚さは50μm〜300μmで単位面積当り質量50g/m2 〜300g/m2 のものが使用される。
該樹脂シートには多孔が設けられるが、該開孔の径は0.01mm〜3.5mm、望ましくは0.01mm〜3mm、より望ましくは0.01mm〜2.5mmに設定し、また孔の数は1cm2あたり3.0個以上、より望ましくは5.0個以上に設定する。この開孔は音響的な観点から該樹脂シートを使用して製造される敷設材料の通気性が5〜40cc/cm2/secになるようにする。
上記微小開孔は後記するニードリングによって設けられる。
〔剛性不織布層〕
本発明に使用される剛性不織布層は、敷設材料の剛性を高めかつ通気性を制御する効果もあり、低融点繊維100%あるいは低融点繊維を通常繊維に混合したニードル不織布、樹脂バインダーを使用して繊維を結着した樹脂不織布等が使用される。低融点繊維からなるニードル不織布あるいは低融点繊維を混合したニードル不織布の場合にはニードル密度を立毛繊維シートに使用するニードルカーペットよりも高くして繊維を強固に絡合し突き固める。該低融点繊維としては融点200℃以下のポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維等が例示され、該ニードル不織布中該低融点繊維は10〜100質量%混合される。また樹脂不織布の場合には主としてアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、スチレン−ブタジェン樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂バインダーを使用するが、剛性を高めるためにフェノール樹脂、レゾルシン樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂バインダーを混合してもよい。更に上記ニードル不織布に上記熱可塑性樹脂や上記熱硬化性樹脂を含浸させて剛性を高めてもよい。該剛性不織布の剛性は、曲げ強さが0.5N/50mm〜1.5N/50mmになるように、質量を200g/m2 〜800g/m2 、厚みを2.0mm〜6.0mmにする。また通気性は、音響的観点から50cc/cm2/sec 以上とすることが望ましい。
〔敷設材料の製造〕
本発明の自動車用敷設材料(4A)を製造するには、図1に示すように剛性不織布層(2)の裏面に加熱軟化状態の樹脂シート(31)を圧着する。この場合には樹脂シート(31)を加熱溶融して圧着するか、あるいはTダイから樹脂シート(31)を押出し成形し、加熱溶融状態を維持している間に該樹脂シート(31)を該剛性不織布層(2) の裏面に圧着する。
そして、立毛繊維シート(1) の裏面に上記のようにして加熱軟化状態の樹脂シート(31)を裏面に圧着することによって裏打ちした該剛性不織布層(2) を重ね、裏面からニードリングし、該樹脂シート(31)に多孔を設ける。
該樹脂シート(31)に多孔を設けるには、上記したように該剛性不織布層(2)の裏面に裏打ちし、該剛性不織布(2)を該立毛繊維シート(1)の裏面に重ねてからニードリングによって多孔を設ける。この場合には立毛繊維シート(1) を構成する繊維も該ニードリングによって絡合され、強度、剛性が向上する。
また立毛繊維シート(1) に代えて繊維フェルトを使用し、上記ニードリングの際に樹脂シート(31)に多孔を設けると同時に該繊維フェルトの繊維を絡合しかつ立毛して立毛繊維シート(1) を形成してもよい。
本発明の自動車用敷設材料(4B)を製造するには、立毛繊維シート(1) の裏面に加熱軟化状態の樹脂シート(32)を圧着することによって裏打ちするか、あるいは剛性不織布層(2) 上に加熱軟化状態の樹脂シート(32)を圧着し、両者を重ね合わせて該剛性不織布層(2) 側からニードリングして該樹脂シート(32)に多孔を設ける。この場合立毛繊維シート(1) と剛性不織布層(2) との接着は樹脂シート(32)の融着によって行うことができ、接着剤は特に必要としない。
本発明の自動車用敷設材料(4C)を製造するには、敷設材料(4C)の剛性不織布層(2) の裏面に更に加熱軟化状態の樹脂シート(31)を圧着することによって裏打ちするか、あるいは剛性不織布層(2) の裏面に加熱軟化状態の樹脂シート(31)を圧着することによって裏打ちしたものを、立毛繊維シート(1) の裏面に加熱軟化状態の樹脂シート(32)を圧着することによって裏打ちしたものの下側に配してニードリングすることによって該樹脂シート(31,32) に多孔を設ける方法、あるいは剛性不織布層(2) の両面に加熱軟化状態の樹脂シート(31,32) を圧着したものを立毛繊維シート(1) の裏面に重ねてニードリングすることによって該樹脂シート(31,32) に多孔を設ける方法等が適用される。この場合も立毛繊維シート(1) と剛性不織布層(2) との接着は樹脂シート(32)の融着によって行うことができ、接着剤は特に必要としない。
なお上記カーペットの製造において樹脂シート(31,32) と立毛繊維シート(1) または剛性不織布層(2) との接着には接着剤を使用してもよいし、またニードリングによって結合してもよい。
ニードリングは周知のように下面にニードルを多数植設した振動基板からなるニードリング装置を上下振動させ、その下に図1イ、ロに示す構造を導入し、該ニードルによって該樹脂シート(31,32) に多孔を設ける。上記ニードリングには主としてノーバーブニードル、バーブニードルを使用する。
ニードリングに使用するニードルの種類、ニードルの太さ、ニードル植設密度により樹脂シートの微小開孔の径、数、剛性不織布層の剛性、敷設材料の通気度等を調節することが出来る。また微小開孔を部分的に設けることができ、開孔の径、数を部分的に変えることも出来る。敷設材料の好ましい通気度は前記したように5〜40cc/cm2/secである。
該基板には異種のニードルを植設してもよく、また長さの異なるニードルを植設してもよい。長さの異なるニードルを植設した場合、図1ハの構造において、樹脂シート(31)までは長いニードルと短いニードルが混在するからニードル密度が高くなるため、開孔の数が多くなり、短いニードルより先の部分では長いニードルのみ存在するので樹脂シート(32)においてはニードル密度が低くなるため、開孔数が少なくなる。
図2に敷設材料(4B)を製造する装置システムを示す。図において、立毛繊維シート(1) はロール(1A)から引出され、ベルトコンベア(5) 上にガイドロール(6) を介して載置され、該立毛繊維シート(1) 上にはTダイ(7) からシート状に押出された溶融樹脂(32)が重ねられ、更にその上にはロール(2A)から引出された剛性不織布層(2) が重ねられ、該立毛繊維シート(1) と加熱溶融状態の樹脂シート(32)と剛性不織布層(2) とを圧着ロール(8) によって圧着した積層物LをロールRに巻き取る。
このようにロールRに巻き取られた積層物Lをニードリング装置(9) によってニードリングして樹脂シート(32)に多孔を設ける。ニードリング後に該積層物L即ち長尺敷設材料(4B)はロールRに巻きとられる。
以下に本発明の実施例を示す。
1.試料1(敷設材料(4A))
(1) 立毛繊維シート(1)
ポリエステル繊維ディロアニードルパンチカーペット:質量250g/m
(2) 樹脂シート(31)
低密度ポリエチレンシート:質量100g/m、厚み110μm
微小開孔:開孔径0.5mm、開孔数300個/100cm
(3) 剛性不織布層(2)
ポリエステル繊維ニードルパンチ不織布:曲げ強さ0.7N/50mm、
質量300g/m、厚み:2mm(密度150kg/cm3
(4) 積層開孔方法:ニードリング
(5) 敷設材料通気性:30cc/cm/sec
2.試料2(敷設材料(4C))
(1) 立毛繊維シート(1)
ポリエステル繊維ディロアニードルパンチカーペット:質量250g/m
(2) 樹脂シート(32)
低密度ポリエチレンシート:質量100g/m、厚み110μm
微小開孔:開孔径0.6mm、開孔数600個/100cm
(3) 剛性不織布層(2)
ポリエステル繊維ニードルパンチ不織布:曲げ強さ0.7N/50mm、
質量300g/m、厚み:2mm(密度150kg/cm3
(4) 樹脂シート(31)
低密度ポリエチレンシート:質量100g/m、厚み110μm
微小開孔:開孔径0.6mm、開孔数1500個/100cm
(5) 積層開孔方法:ニードリング
(6) 敷設材料通気性:35cc/cm/sec
3.試料3(敷設材料(4C))
(1) 立毛繊維シート(1)
ポリエステル繊維ディロアニードルパンチカーペット:質量250g/m
(2) 樹脂シート(32)
低密度ポリエチレンシート:質量100g/m、厚み110μm
微小開孔:開孔径0.2mm、開孔数550個/100cm
(3) 剛性不織布層(2)
ポリエステル繊維ニードルパンチ不織布:曲げ強さ0.7N/50mm、
質量300g/m、厚み:2mm(密度150kg/cm
(4) 樹脂シート(31)
低密度ポリエチレンシート:質量100g/m、厚み110μm
微小開孔:開孔径0.6mm、開孔数1500個/100cm
(5) 積層開孔方法:ニードリング
(6) 敷設材料通気性:20cc/cm/sec
4.試料4(敷設材料(4C))
(1) 立毛繊維シート(1)
ポリエステル繊維ディロアニードルパンチカーペット:質量250g/m
(2) 樹脂シート(32)
低密度ポリエチレンシート:質量100g/m、厚み110μm
微小開孔:開孔径0.2mm、開孔数300個/100cm
(3) 剛性不織布層(2)
ポリエステル繊維ニードルパンチ不織布:曲げ強さ0.7N/50mm、
質量300g/m、厚み:2mm(密度150kg/cm
(4) 樹脂シート(31)
低密度ポリエチレンシート:質量100g/m、厚み110μm
微小開孔:開孔径0.6mm、開孔数1500個/100cm
(5) 積層開孔方法:ニードリング
(6) 敷設材料通気性:10cc/cm/sec
5.比較試料1
(1) 立毛繊維シート(1)
ポリエステル繊維ディロアニードルパンチカーペット:質量250g/m
(2) 樹脂層
低密度ポリエチレン質量層(非通気性):質量500g/m
6.比較試料2
(1) 立毛繊維シート(1)
ポリエステル繊維ディロアニードルパンチカーペット:質量250g/m
(2) 樹脂層(樹脂シート(32)相当)
樹脂パウダー散布層:質量200g/m
(3) 不織布層(剛性不織布層(2) 相当)
ポリエステル繊維ニードルパンチ不織布:質量300g/m
(4) 樹脂層(樹脂シート(31)相当)
樹脂パウダー散布層:散布量100g/m
(5) 敷設材料通気性:35cc/cm/sec
7.比較試料3(敷設材料(4C)相当)
(1) 立毛繊維シート(1)
ポリエステル繊維ディロアニードルパンチカーペット:質量250g/m
(2) 樹脂層(樹脂シート(32)相当)
樹脂パウダー散布層:散布量350g/m
(3) 不織布層(剛性不織布層(2) 相当)
ポリエステル繊維ニードルパンチ不織布:質量500g/m
(4) 樹脂層(樹脂シート(31)相当)
樹脂パウダー散布層:質量100g/m
(5) 敷設材料通気性:20cc/cm2/sec
8.比較試料4(敷設材料(4C)相当)
(1) 立毛繊維シート(1)
ポリエステル繊維ディロアニードルパンチカーペット:質量250g/m
(2) 樹脂層(樹脂シート(32)相当)
樹脂パウダー散布層:質量400g/m
(3) 不織布層(剛性不織布層(2) 相当)
ポリエステル繊維ニードルパンチ不織布:質量500g/m
(4) 樹脂層(樹脂シート(31)相当)
樹脂パウダー散布層:質量100g/m
(5) 敷設材料通気性:10cc/cm/ssec
上記剛性不織布の曲げ強さは、図5に示すように、長さ200mm、巾50mmのテストピースTPの両端から25mm内側の位置を径10mmの丸棒Bにて支持し、中点に荷重Lをかけて撓み量を調べることによって測定した。
上記試料1〜4および比較試料2〜4の下側にサイレンサーとして反毛繊維のフェルト20mm、60kg/cmを設定し垂直入射吸音率を測定した結果を図3に示す。垂直入射吸音率はISO−10534−2に従い立毛繊維シート側からノイズを入射させて測定を行なった。また上記試料1〜5、および比較試料1の下側にサイレンサーとして反毛繊維のフェルト20mm、60kg/cmと鉄板0.8mmを設定して透過損失を測定した結果を図4に示す。
透過損失は図6に示す装置を使用し、鉄板側からノイズを入射させて測定した。図6において(11)は容積36mの残響室であり、内部には4個のスピーカー(12)とマイクロホン(13)とが設置されており、(14)は容積22.5mの無響室であり、内部にはインテンシティブローブ(15)が設置されており、測定試料Sは残響室(11)と無響室(14)との境界部にセットされる。
図3より、本発明の全ての試料が比較試料1より吸音率が高いこと、および本発明の敷設材料(4C)の試料3〜5は比較試料2〜4のように樹脂層(樹脂パウダー)、不織布層の質量を変化させて通気性を制御するのではなく、樹脂シート(低密度ポリエチレンシート)の開孔の径、数のみを変えて通気性を制御することにより、吸音特性を調節出来ることがわかる。また図4より、本発明の全ての試料が二重壁構造の比較試料1で生じている共鳴透過周波数域での透過損失の低下が生じないことがわかる。
本発明の敷設材料は、広い範囲の周波数にわたって優れた防音遮音効果を有し、自動車用敷設材料として極めて有用である。
イ、ロ、ハは本発明の種々の敷設材料構造を示す側断面図 敷設材料製造装置システムの説明図 垂直入射吸音率グラフ 透過損失グラフ 曲げ強さ試験方法説明図 透過損失測定方法説明図
符号の説明
1 立毛繊維シート
2 剛性不織布層
4A,4B,4C 自動車用敷設材料
31,32 樹脂シート

Claims (5)

  1. 立毛繊維シートの裏面に、曲げ強さが0.1N/50mm〜2.0N/50mm、質量が200g/m〜800g/m、厚みが2.0mm〜6.0mmである剛性不織布層を重ね、更に該剛性不織布層の裏面に、厚みが50μm〜300μmの樹脂シートを貼着し、ニードリングすることによって該樹脂シートに多孔を設けることを特徴とする自動車用敷設材料の製造方法。
  2. 立毛繊維シートの裏面に、厚みが50μm〜300μmの樹脂シートを貼着し、該樹脂シートの裏面に、曲げ強さが0.1N/50mm〜2.0N/50mm、質量が200g/m〜800g/m、厚みが2.0mm〜6.0mmである剛性不織布層を重ね、ニードリングすることによって該樹脂シートに多孔を設けることを特徴とする自動車用敷設材料の製造方法。
  3. 立毛繊維シートの裏面に、厚みが50μm〜300μmの樹脂シートを貼着し、該樹脂シートの裏面に、曲げ強さが0.1N/50mm〜2.0N/50mm、質量が200g/m〜800g/m、厚みが2.0mm〜6.0mmである剛性不織布層を重ね、更に該剛性不織布層の裏面に、厚みが50μm〜300μmの樹脂シートを貼着し、ニードリングすることによって、該立毛繊維シートの裏面の樹脂シートと該剛性不織布層の裏面の樹脂シートにそれぞれ多孔を設けることを特徴とする自動車用敷設材料の製造方法。
  4. 該樹脂シートには、上記ニードリングによって微小開孔が3.0個/cm以上設定されている請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の自動車用敷設材料の製造方法。
  5. 上記ニードリングによる該微小開孔の径は0.01mm〜3.5mmである請求項4に記載の自動車用敷設材料の製造方法
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