JP2020050922A - ナトリウム分散体、ナトリウム分散体の製造方法、ナトリウム分散体を用いた合成方法およびナトリウム溶媒の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
図1〜図2に示すように、本実施形態におけるナトリウム分散体を用いた合成方法は、金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体と分散溶媒よりも密度および粘度の低く且つ比誘電率が2未満の無極性溶媒とを混合し、分散溶媒を無極性溶媒に溶解させて除去する除去工程と、除去工程で分散溶媒が除去された金属ナトリウムと無極性溶媒とに反応溶媒を加えて混合分散体を抽出する抽出工程と、抽出工程で抽出された混合分散体とモノマーとを反応させて化合物を合成する合成工程と、を備えている。
続いて、図1を用いて、第一実施形態に係るナトリウム分散体を用いた合成方法について説明する。
続いて、図2を用いて、第二実施形態に係るナトリウム分散体を用いた合成方法について説明する。本実施形態において、第一実施形態とは分離工程が異なる。以下、第一実施形態と異なる工程のみを説明し、第一実施形態と同様の工程については説明を省略する。
(ナトリウム分散体,ナトリウム分散体の製造方法:中極性溶媒)
図3に示すように、本実施形態におけるナトリウム分散体を用いた製造方法は、金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体と比誘電率が2以上35以下の中極性溶媒とクラウンエーテルとを混合し、分散溶媒を中極性溶媒に溶解させて分散溶媒を除去する除去工程と、除去工程で分散溶媒が除去された金属ナトリウムをクラウンエーテルにより沈殿させ、金属ナトリウムと中極性溶媒とクラウンエーテルとを含むナトリウム分散体を抽出する抽出工程と、を備えている。製造されたナトリウム分散体は、金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体と比誘電率が2以上35以下の中極性溶媒とクラウンエーテルとを含み、分散溶媒が全体に対して10重量%以下である。さらに、ナトリウム分散体を用いた合成方法は、上記ナトリウム分散体とモノマーとを反応させて化合物を合成する合成工程を備えている。
(1)Na+R−OH ⇒R−ONa+1/2H2
(2)R−ONa+NaHCO3⇒R−OH+Na2CO3
(ナトリウム溶媒の製造方法:強極性溶媒)
図4に示すように、本実施形態におけるナトリウム溶媒の製造方法は、金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体と比誘電率が35より大きい強極性溶媒とを混合し、分散溶媒を強極性溶媒に溶解させて分散溶媒を除去する除去工程と、除去工程で分散溶媒が除去された金属ナトリウムと強極性溶媒とを含むナトリウム溶媒を抽出する抽出工程と、を備えている。また、ナトリウム溶媒を用いた合成方法は、上記ナトリウム分散体とモノマーとを反応溶媒の下で反応させて化合物を合成する合成工程を備えている。
第一実施形態にかかる除去工程および抽出工程において、SDに無極性溶媒を混合することによりSDから分散溶媒を除去して金属ナトリウムを沈殿させ、さらに反応溶媒を加えることにより混合分散体を抽出する点について検証する。本実施例は、SD1.72g(うち分散溶媒1.29g、金属ナトリウム0.43g)に対して無極性溶媒として、ノルマルパラフィン系溶媒のヘキサン8mL(実施例1)又はオクタン8mL(実施例2)を添加して30分間静置する除去工程(第1段階)を3回繰り返し、さらに反応溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)8mLを添加して1時間静置する抽出工程(第2段階)を実行した。実施例1〜2において、無極性溶媒を添加した後(除去工程)は、沈殿した金属ナトリウムおよび無極性溶媒の沈殿液と分散溶媒および無極性溶媒の透明な上澄み液との界面が形成され、THFを添加した後(抽出工程)は、沈殿した金属ナトリウム,無極性溶媒およびTHFの沈殿液(混合分散体)と分散溶媒,無極性溶媒およびTHFの混濁した上澄み液との界面が形成された。つまり、SDから分散溶媒が除去されて金属ナトリウムが沈殿し、無極性溶媒に溶解した分散溶媒は上澄み液となっていることが確認できた。
第三実施形態にかかる除去工程において、SDに中極性溶媒とクラウンエーテルとを混合することにより、SDから分散溶媒を除去して金属ナトリウムを沈殿させる点について検証する。本実施例は、表2に示す混合割合で、SDに中極性溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を混合した比較例と、SDに中極性溶媒としてTHFを混合し、さらにクラウンエーテル(15-クラウン-5)を添加した実施例1〜4とで構成されている。
THF5mLに対し、SD1gとクラウンエーテル(15-クラウン-5)66mgを添加し、これを1時間静置分離させてナトリウムを沈殿させた。この上澄み液を抜出して1-ブタノール740mgとの反応熱を反応熱測定装置C-80(Setaram社製)を用いて測定したところ、瞬間的な熱流束は最大約80w/kgとなった。アルコールとの混合の際にはジャケットの冷却能力に従って上澄みを滴下すれば発熱を抑制可能で安全な処理が可能である。さらにこの反応液に重曹を84mg添加したところ、顕著な吸発熱反応は検出されなかった。この反応液を濾過し、蒸留することでTHFのような蒸留操作のみでは水と分離することが難しい溶媒中に含まれる金属ナトリウムを安全に失活し、更に蒸留操作によって再生させることが可能となる。
(1)除去工程において、SDに金属ナトリウムと化学反応しない強極性溶媒と無極性溶媒を混合し、無極性溶媒に分散溶媒を溶解させ、極性溶媒に金属ナトリウムを溶解又は移行させることで、SDから分散溶媒を除去しても良い。この場合、極性溶媒には分散溶媒が溶解しないので、SDから分散溶媒を確実に除去することができる。ここで無極性溶媒は比誘電率が10未満の溶媒が望ましく、5未満であれば更に望ましい。極性溶媒は比誘電率が25以上の溶媒が望ましく、35以上あれば更に望ましい。金属ナトリウムは分散溶媒の比重よりも大きいため、比重は無極性溶媒よりも極性溶媒の方が大きいことがより望ましい。これによって比重の大きな金属ナトリウムが比重の大きな極性溶媒側に移行し、分離操作がより容易になる。下記表5には、極性溶媒として1,3-ジメチル-2-イミダゾジリノン(DMI)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、又はN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)を用い、無極性溶媒としてヘキサンを用いた場合の特性を例示する。
2 :溶媒タンク
3 :除去槽
4 :反応槽
5 :回収槽
6 :蒸留槽
7 :失活槽
8 :反応溶媒タンク
9 :極性溶媒タンク
10 :抽出槽
51 :分離膜
61 :加熱部
62 :冷却器
Claims (8)
- 金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体と比誘電率が2以上35以下の中極性溶媒とクラウンエーテルとを含み、前記分散溶媒が全体に対して10重量%以下であるナトリウム分散体。
- 金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体と比誘電率が2以上35以下の中極性溶媒とクラウンエーテルとを混合し、前記分散溶媒を前記中極性溶媒に溶解させて前記分散溶媒を除去する除去工程と、
前記除去工程で前記分散溶媒が除去された前記金属ナトリウムを前記クラウンエーテルにより沈殿させ、前記金属ナトリウムと前記中極性溶媒と前記クラウンエーテルとを含むナトリウム分散体を抽出する抽出工程と、を備えたナトリウム分散体の製造方法。 - 前記除去工程において、前記クラウンエーテルは前記金属ナトリウムに対して0.03モル当量以上1モル当量未満である請求項2に記載のナトリウム分散体の製造方法。
- 前記抽出工程において前記ナトリウム分散体を抽出した後の残液とアルコールと炭酸水素塩とを混合して、前記金属ナトリウムを失活させる失活工程をさらに備えた請求項2又は3に記載のナトリウム分散体の製造方法。
- 金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体と前記分散溶媒よりも密度および粘度の低く且つ比誘電率が2未満の無極性溶媒とを混合し、前記分散溶媒を前記無極性溶媒に溶解させて前記分散溶媒を除去する除去工程と、
前記除去工程で前記分散溶媒が除去された前記金属ナトリウムと前記無極性溶媒とに反応溶媒を加えて混合分散体を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程で抽出された前記混合分散体とモノマーとを反応させて化合物を合成する合成工程と、を備えたナトリウム分散体を用いた合成方法。 - 前記除去工程において除去槽で除去された前記分散溶媒と前記無極性溶媒と前記反応溶媒との混合液体を、前記除去槽から回収槽に回収する回収工程と、
前記回収槽において前記混合液体に含まれる前記金属ナトリウムを固液分離する分離工程と、をさらに備え、
前記分離工程は、前記無極性溶媒で希釈した前記金属ナトリウムを前記除去槽に戻す請求項5に記載のナトリウム分散体を用いた合成方法。 - 前記除去工程において除去槽で除去された前記分散溶媒と前記無極性溶媒と前記反応溶媒との混合液体を、前記除去槽から回収槽に回収する回収工程と、
前記混合液体に含まれる前記金属ナトリウムを水又はアルコールを用いて失活させる失活工程と、をさらに備えた請求項5に記載のナトリウム分散体を用いた合成方法。 - 金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体と比誘電率が35より大きい強極性溶媒とを混合し、前記強極性溶媒により前記分散体から前記分散溶媒を分離させて前記分散溶媒を除去する除去工程と、
前記除去工程で前記分散溶媒が除去された前記金属ナトリウムと前記強極性溶媒とを含むナトリウム溶媒を抽出する抽出工程と、を備えたナトリウム溶媒の製造方法。
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2018
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