JP2020050922A - ナトリウム分散体、ナトリウム分散体の製造方法、ナトリウム分散体を用いた合成方法およびナトリウム溶媒の製造方法 - Google Patents

ナトリウム分散体、ナトリウム分散体の製造方法、ナトリウム分散体を用いた合成方法およびナトリウム溶媒の製造方法 Download PDF

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源 坪内
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Abstract

【課題】簡便な方法で合成効率を向上させることのできるナトリウム分散体、ナトリウム分散体の製造方法、ナトリウム分散体を用いた合成方法およびナトリウム溶媒の製造方法を提供する。【解決手段】ナトリウム分散体の製造方法は、金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体と比誘電率が2以上35以下の中極性溶媒とクラウンエーテルとを混合し、分散溶媒を中極性溶媒に溶解させて分散溶媒を除去する除去工程と、除去工程で分散溶媒が除去された金属ナトリウムをクラウンエーテルにより沈殿させ、金属ナトリウムと中極性溶媒とクラウンエーテルとを含むナトリウム分散体を抽出する抽出工程と、を備えている。【選択図】図3

Description

本発明は、ナトリウム分散体、ナトリウム分散体の製造方法、ナトリウム分散体を用いた合成方法およびナトリウム溶媒の製造方法に関する。
モノマーと、金属ナトリウムをノルマルパラフィン油で構成される分散溶媒に分散させた分散体(以下、Sodium Dispersionの略号である「SD」と略する。)と、を反応させて化合物を合成する合成方法が知られている(特許文献1〜2参照)。
特許文献1に記載の合成方法は、モノマーとしての置換基を有してよいピリジン環を含む化合物とSDとを反応溶媒中で反応させることでピリジン化合物を合成するものである。この合成されたピリジン化合物を含む反応液に有機溶媒を添加してピリジン化合物を溶解させ、ピリジン化合物を含む有機溶媒を冷却してピリジン化合物を再結晶させて、ピリジン化合物を回収している。ピリジン化合物を再結晶する際、有機溶媒にはピリジン化合物の他に未反応のモノマーとSDの分散溶媒とが溶解しているため、再結晶されたピリジン化合物を濾過して回収している。
特許文献2に記載の合成方法は、モノマーとしての含窒素複素環化合物とSDとを反応溶媒中で反応させることで二環式窒素複素環化合物を合成するものである。この合成された二環式窒素複素環化合物を含む反応液に有機溶媒を添加して分散溶媒を溶解させて水を添加し、二環式窒素複素環化合物を含む水層と分散溶媒を含む有機層とに液液分離する分液工程を備えている。次いで、水層に低沸点溶媒を添加して二環式窒素複素環化合物を溶解させた後に、蒸留処理をして二環式窒素複素環化合物を析出させて回収している。
特開2017−137245号公報 特開2017−214316号公報
特許文献1に記載の合成方法は、再結晶されたピリジン化合物にノルマルパラフィン油が付着していることがあるため、再度、この回収されたピリジン化合物を有機溶媒に混合してノルマルパラフィン油を除去する必要がある。このため、ノルマルパラフィン油を除去するのに手間を要し、合成効率が低下するおそれがあった。特許文献2に記載の合成方法は、水層にある二環式窒素複素環化合物にノルマルパラフィン油が付着していることがあるため、蒸留処理をしても沸点の高いノルマルパラフィン油が二環式窒素複素環化合物に付着したままとなり、合成効率が低下するおそれがあった。
そこで、簡便な方法で合成効率を向上させることのできるナトリウム分散体、ナトリウム分散体の製造方法、ナトリウム分散体を用いた合成方法およびナトリウム溶媒の製造方法が望まれている。
本発明に係るナトリウム分散体の特徴構成は、金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体と比誘電率が2以上35以下の中極性溶媒とクラウンエーテルとを含み、前記分散溶媒が全体に対して10重量%以下である点にある。
本構成では、中極性溶媒に分散溶媒を溶解させつつクラウンエーテルによりナトリウムを沈殿させることが可能となり、分散溶媒および中極性溶媒を含んだ層と金属ナトリウム,中極性溶媒,クラウンエーテルおよび10重量%以下の分散溶媒を含んだ層とに分離させることができる。よって、金属ナトリウムに付着する分散溶媒が極めて少なくなり、本構成のナトリウム分散体を合成に用いれば、従来のように合成後の化合物から分散溶媒を除去する手間が小さく、化合物に分散溶媒が付着して合成効率が低下することを防止できる。
本発明に係るナトリウム分散体の製造方法の特徴は、金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体と比誘電率が2以上35以下の中極性溶媒とクラウンエーテルとを混合し、前記分散溶媒を前記中極性溶媒に溶解させて前記分散溶媒を除去する除去工程と、前記除去工程で前記分散溶媒が除去された前記金属ナトリウムを前記クラウンエーテルにより沈殿させ、前記金属ナトリウムと前記中極性溶媒と前記クラウンエーテルとを含むナトリウム分散体を抽出する抽出工程と、を備えた点にある。
本方法では、除去工程において中極性溶媒に分散溶媒を溶解させつつクラウンエーテルによりナトリウムを沈殿させることが可能となり、分散溶媒,中極性溶媒およびクラウンエーテルを含んだ層と金属ナトリウム,中極性溶媒,クラウンエーテルおよび少量の分散溶媒を含んだ層とに分離させることができる。このため、抽出工程においてナトリウム分散体を抽出することが容易となる。また、本方法で製造されたナトリウム分散体を合成に用いれば、従来のように合成後の化合物から分散溶媒を除去する手間が小さく、化合物に分散溶媒が付着して合成効率が低下することを防止できる。
他の特徴は、前記除去工程において、前記クラウンエーテルは前記金属ナトリウムに対して0.03モル当量以上1モル当量未満である点にある。
本方法のように極性の高いクラウンエーテルを少量にすれば、金属ナトリウムがクラウンエーテルに溶解することなく固体の状態で分散することとなる。したがって、元の分散体の状態を維持されるため、取扱いが容易なナトリウム分散体となる。
他の特徴は、前記抽出工程において前記ナトリウム分散体を抽出した後の残液とアルコールと炭酸水素塩とを混合して、前記金属ナトリウムを失活させる失活工程をさらに備えた点にある。
抽出工程において、残液に金属ナトリウムが混入していることがある。この残液に水を加えて金属ナトリウムを失活させた場合、取扱いに注意を要する。そこで、本方法のように、アルコールと炭酸水素塩とを添加して残液中の金属ナトリウムを失活させれば、温和な条件下で金属ナトリウムを炭酸ナトリウム塩に変化させることができる。
本発明に係るナトリウム分散体を用いた合成方法の特徴は、金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体と前記分散溶媒よりも密度及び粘度の低く且つ比誘電率が2未満の無極性溶媒とを混合し、前記分散溶媒を前記無極性溶媒に溶解させて除去する除去工程と、前記除去工程で前記分散溶媒が除去された前記金属ナトリウムと前記無極性溶媒とに反応溶媒を加えて混合分散体を抽出する抽出工程と、前記抽出工程で抽出された前記混合分散体とモノマーとを反応させて化合物を合成する合成工程と、を備えた点にある。
本方法では、モノマーとナトリウム分散体とを反応させる前に、金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体と無極性溶媒とを混合して分散溶媒を除去し、金属ナトリウムと無極性溶媒と反応溶媒との混合分散体を抽出している。つまり、分散溶媒に分散された状態の金属ナトリウムを合成工程に用いるのではなく、分散溶媒よりも密度および粘度の低い無極性溶媒に分散された状態の金属ナトリウムを合成工程に用いている。一般的に密度および粘度の低い溶媒は沸点が低いため、密度および粘度の低い無極性溶媒を蒸留処理して化合物を析出させることが可能となり、従来のように化合物から分散溶媒を除去する手間を要することが無く、化合物に分散溶媒が付着して合成効率が低下するといった不都合もない。
しかも、本方法では、合成工程の直前に除去工程,抽出工程を実行すると共に合成工程で使用する反応溶媒を添加しているので、分散溶媒が除去された金属ナトリウムが凝集することなく、混合分散体中の金属ナトリウムが無極性溶媒と反応溶媒とに分散された状態となり、金属ナトリウムは大きな表面積を維持している。その結果、合成工程において別途反応溶媒を加える必要がなく、金属ナトリウムが大きな表面積を維持した状態で合成反応が進行するため、所望の収率で化合物を合成することができる。
このように、簡便な方法で合成効率を向上させることのできるナトリウム分散体を用いた合成方法を提供できた。
他の特徴は、前記除去工程において除去槽で除去された前記分散溶媒と前記無極性溶媒と前記反応溶媒との混合液体を、前記除去槽から回収槽に回収する回収工程と、前記回収槽において前記混合液体に含まれる前記金属ナトリウムを固液分離する分離工程と、をさらに備え、前記分離工程は、前記無極性溶媒で希釈した前記金属ナトリウムを前記除去槽に戻す点にある。
除去工程で無極性溶媒と反応溶媒に溶解した分散溶媒には、金属ナトリウムが残存することがある。そこで、本構成のように、分離工程において金属ナトリウムを混合液体から分離し、この固液分離された金属ナトリウムを除去槽に戻すことで、金属ナトリウムを無駄に破棄することが無い。また、除去槽に戻す際、金属ナトリウムを無極性溶媒で希釈しているので、金属ナトリウムに分散溶媒が付着していた場合でも、除去工程において金属ナトリウムから分散溶媒を容易に除去することができる。
他の特徴は、前記除去工程において除去槽で除去された前記分散溶媒と前記無極性溶媒と前記反応溶媒との混合液体を、前記除去槽から回収槽に回収する回収工程と、前記混合液体に含まれる前記金属ナトリウムを水又はアルコールを用いて失活させる失活工程と、をさらに備えた点にある。
除去工程で無極性溶媒と反応溶媒に溶解した分散溶媒には、金属ナトリウムが残存することがある。そこで、本構成のように、回収工程において回収槽に回収された金属ナトリウムを水又はアルコールを用いて失活させることで、金属ナトリウムが空気に触れて発火するおそれを防止することができる。
本発明に係るナトリウム溶媒の製造方法の特徴は、金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体と比誘電率が35より大きい強極性溶媒とを混合し、前記強極性溶媒により前記分散体から前記分散溶媒を分離させて前記分散溶媒を除去する除去工程と、前記除去工程で前記分散溶媒が除去された前記金属ナトリウムと前記強極性溶媒とを含むナトリウム溶媒を抽出する抽出工程と、を備えた点にある。
本方法では、除去工程において強極性溶媒により分散体から分散溶媒を分離させつつ金属ナトリウムを沈殿させることが可能となり、分散溶媒および強極性溶媒を含んだ層と金属ナトリウム,強極性溶媒および少量の分散溶媒を含んだ層とに分離させることができる。このため、抽出工程においてナトリウム分散体を抽出することが容易となる。また、本方法で製造されたナトリウム溶媒を合成に用いれば、従来のように合成後の化合物から分散溶媒を除去する手間が小さく、化合物に分散溶媒が付着して合成効率が低下するといった不都合もない。
第一実施形態に係るナトリウム分散体を用いた合成方法を示すフロー図である。 第二実施形態に係るナトリウム分散体を用いた合成方法を示すフロー図である。 第三実施形態に係るナトリウム分散体の製造方法を示すフロー図である。 第四実施形態に係るナトリウム溶媒の製造方法を示すフロー図である。
以下に、本発明に係るナトリウム分散体、ナトリウム分散体の製造方法、ナトリウム分散体を用いた合成方法およびナトリウム溶媒の製造方法の実施形態について、図面に基づいて説明する。ただし、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
(ナトリウム分散体を用いた合成方法:無極性溶媒)
図1〜図2に示すように、本実施形態におけるナトリウム分散体を用いた合成方法は、金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体と分散溶媒よりも密度および粘度の低く且つ比誘電率が2未満の無極性溶媒とを混合し、分散溶媒を無極性溶媒に溶解させて除去する除去工程と、除去工程で分散溶媒が除去された金属ナトリウムと無極性溶媒とに反応溶媒を加えて混合分散体を抽出する抽出工程と、抽出工程で抽出された混合分散体とモノマーとを反応させて化合物を合成する合成工程と、を備えている。
また、図1に示す第一実施形態のように、除去工程において除去槽3で除去された分散溶媒と無極性溶媒と反応溶媒との混合液体を、除去槽3から回収槽5に回収する回収工程と、回収槽5において混合液体に含まれる金属ナトリウムを固液分離する分離工程と、をさらに備え、分離工程は、無極性溶媒で希釈した金属ナトリウムを除去槽3に戻しても良い。なお、除去工程および回収工程は複数回実行されることが好ましい。また、抽出工程で反応溶媒を加える回数は1回でも良いし、複数回でも良い。
また、図2に示す第二実施形態のように、除去工程において除去槽3で除去された分散溶媒と無極性溶媒と反応溶媒との混合液体を、除去槽3から回収槽5に回収する回収工程と、混合液体に含まれる金属ナトリウムを水又はアルコールを用いて失活させる失活工程と、をさらに備えていても良い。
金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体は、金属ナトリウムを微粒子として不溶性溶媒に分散させたものである。微粒子の平均粒子径として、好ましくは、10μm未満であり、特に好ましくは、5μm未満のものを使用することができる。平均粒子径は、顕微鏡写真の画像解析によって得られた投影面積と同等の投影面積を有する球の径で表した。
分散溶媒としては、金属ナトリウムを微粒子として分散でき、かつモノマーと金属ナトリウムの分散体との反応を阻害しない限り、当該技術分野で公知の溶媒を使用することができる。例えば、炭素原子の数(炭素数)が20以上のアルカンで構成されるノルマルパラフィン油、又はノルマルパラフィン油とキシレン、トルエン等の芳香族系溶媒との混合溶媒などが挙げられる。
以下、金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体につき、「SD」と略する場合がある。SDは、Sodium Dispersionの略号であり、下記で説明する実施形態では金属ナトリウムを用いるため当該分散体にSDの符号を付している。
無極性溶媒としては、分散溶媒(密度0.85g/mL以上0.90g/mL以下、粘度5mPa秒以上、沸点250℃以上)よりも密度および粘度が低く且つ比誘電率が2未満であり、モノマーとSDとの反応を阻害しない限り、当該技術分野で公知の溶媒を使用することができる。例えば、炭素数が5〜20、好ましくは7〜13のノルマルパラフィン系溶媒を使用することができる。ノルマルパラフィン系溶媒としては、ヘキサン(密度0.67g/mL、粘度0.32mPa秒、沸点69℃、比誘電率1.9)やオクタン(密度0.70g/mL、粘度0.54mPa秒、沸点125℃、比誘電率1.9)等が特に好ましい。本実施形態に用いられる無極性溶媒としては、金属ナトリウムを溶解せずに、分散溶媒より沸点が低く、且つ分散溶媒を溶解する溶媒が好ましい。
反応溶媒としては、分散溶媒(密度0.85g/mL以上0.90g/mL以下、粘度5mPa秒以上、沸点250℃以上)よりも粘度および沸点が低く、モノマーとSDとの反応を阻害しない限り、当該技術分野で公知の溶媒を使用することができる。例えば、エーテル系溶媒、炭素数が5〜20、好ましくは7〜13のノルマルパラフィン系溶媒、芳香族系溶媒、アミン系溶媒、複素環化合物溶媒を使用することができる。エーテル系溶媒としては、環状エーテル溶媒が好ましく、ターシャリーブチルメチルエーテル(密度0.74g/mL、粘度0.36mPa秒、沸点55℃)、シクロペンチルメチルエーテル(0.86g/mL、粘度0.55mPa秒、沸点106℃)、又はテトラヒドロフラン(密度0.89g/mL、粘度0.58mPa秒、沸点66℃)が特に好ましい。ノルマルパラフィン系溶媒としては、デカン(密度0.66g/mL、粘度0.32mPa秒、沸点174℃)が特に好ましい。芳香族系溶媒としては、キシレン(密度0.87g/mL、粘度0.76mPa秒、沸点138℃〜144℃)やトルエン(密度0.86g/mL、粘度0.59mPa秒、沸点110℃)等、アミン系溶媒としては、エチレンジアミン(密度0.90g/mL、粘度1.6mPa秒、沸点117℃)等を好ましく使用することができる。また、それらの混合溶媒を使用することもできる。
モノマーや合成工程で合成される化合物は、SDを用いて合成できるものであれば特に限定されず、特許文献1〜2として挙げた特開2017−137245号公報や特開2017−214316号公報に記載のものが一例として挙げられる。特開2017−137245号公報に挙げられた一例は、モノマーとして、2-tert-ブチルピリジン、3-tert-ブチルピリジン、4-tert-ブチルピリジン等のtert-ブチルピリジン化合物を出発物質として、ジ-tert-ブチル-2,2'-ビピリジン化合物、特には4,4'-ジ-tert-ブチル-2,2'-ビピリジン(化合物の一例)を合成する。特開2017−214316号公報に挙げられた一例としては、ピリミジンやピラジン等を出発物質として、4,4’-ビピリミジン、2,2’-ビピラジン等の二環式含窒素複素環化合物(化合物の一例)を合成する。
その他の一例としては、モノマーとして、ジクロロメチルフェニルシラン、フェニルトリクロロシラン等のシラン化合物を出発物質として、ポリシラン(化合物の一例)を合成する。また、モノマーとして、アニリンを出発物質として、アゾベンゼン(化合物の一例)を合成する。また、モノマーとして、アニリンおよび2-クロロピリジンを出発物質として、2-フェニルアミノピリジン(化合物の一例)を合成する。また、モノマーとして、4-シクロヘキシルピリジンを出発物質として、4,4’-ジシクロヘキシル-2,2’-ビピリジン(化合物の一例)を合成する。また、モノマーとして、クロロベンゼンを出発物質として、フェニルナトリウム(化合物の一例)を合成し、得られたフェニルナトリウムとハロゲン化亜鉛化合物やホウ素化合物、ハロゲン化マグネシウム化合物と反応させてクロスカップリングを行う。
[第一実施形態]
続いて、図1を用いて、第一実施形態に係るナトリウム分散体を用いた合成方法について説明する。
SDと無極性溶媒とを混合し、分散溶媒を無極性溶媒に溶解させて除去する除去工程では、SDを貯留したSDタンク1と無極性溶媒を貯留した溶媒タンク2とからポンプ等の駆動力により、SDおよび無極性溶媒を除去槽3に導入する。次いで、除去槽3において、SDおよび無極性溶媒を撹拌し、SDに含まれる分散溶媒を無極性溶媒に溶解させる(除去工程)。このとき、除去槽3を撹拌せずに静置しても良いし、除去槽3を加温しながら撹拌しても良いし、濾過装置を用いてSDに含まれる金属ナトリウムを濾過しながら分散溶媒を無極性溶媒に溶解させても良い。
除去工程において、SDから分散溶媒が除去された金属ナトリウムは沈殿し、無極性溶媒に溶解した分散溶媒は上澄み液(混合液体の一例)となる。沈殿した金属ナトリウムは、分散した状態で無極性溶媒に取り囲まれており、金属ナトリウムと無極性溶媒との混合分散体となっている。上澄み液は、ポンプ等の機動力により、除去槽3から回収槽5に回収される(回収工程)。この除去工程と回収工程を複数回繰り返す。そして、除去槽3から上澄み液を除去して残った混合分散体に反応溶媒タンク8からポンプ等の駆動力により、反応溶媒を除去槽3に導入する。次いで、沈殿した金属ナトリウムに無極性溶媒および反応溶媒が混合した状態を作り出し、さらに無極性溶媒と反応溶媒と分散溶媒とが混合した上澄み液を除去することで、金属ナトリウムを無極性溶媒と反応溶媒とに分散させた混合分散体が得られる。この混合分散体は、開閉弁等を操作することにより抽出され、除去槽3から反応槽4に導入される(抽出工程)。一方、上澄み液は、ポンプ等の機動力により、除去槽3から回収槽5に回収される(回収工程)。この抽出工程と回収工程を複数回繰り返すことが好ましい。
反応槽4では、モノマーと、抽出工程で抽出された金属ナトリウム,無極性溶媒および反応溶媒の混合分散体とが反応し、化合物が合成される(合成工程)。本実施形態では、金属ナトリウムを分散させた無極性溶媒および反応溶媒を合成工程で使用する溶媒として機能させるので、溶媒を有効活用することができる。なお、合成工程では、混合分散体に含まれる溶媒に加えて、更に同じ溶媒を反応槽4に添加しても良いし、異なる溶媒を反応槽4に添加しても良い。
また、合成工程の後工程において、密度および粘度の低い無極性溶媒および反応溶媒を蒸留処理して化合物を析出させることができるので、従来のように化合物から分散溶媒を除去する手間を要することが無く、化合物に分散溶媒が付着して合成効率が低下するといった不都合もない。しかも、合成工程の直前に除去工程,抽出工程を実行しているので、分散溶媒が除去された金属ナトリウムが凝集することなく、混合分散体中の金属ナトリウムが無極性溶媒および反応溶媒に分散された状態となる。その結果、合成工程において金属ナトリウムが大きな表面積を維持した状態で合成反応が進行するため、所望の収率で化合物を合成することができる。
ところで、除去槽3において、分散溶媒を無極性溶媒および反応溶媒に溶解させた上澄み液には、金属ナトリウムが混入していることがある。このため、回収工程において、除去槽3から回収槽5に回収された上澄み液には、金属ナトリウムが含まれている。そこで、本実施形態では、回収槽5において上澄み液に含まれる金属ナトリウムを固液分離することとしている(分離工程)。
分離工程では、金属ナトリウムの微粒子を通過させない細孔を有する分離膜51を用いて、上澄み液から金属ナトリウムを分離させる。具体的には、回収槽5に貯留された上澄み液をポンプ等の駆動力により蒸留槽6に移動させる際に、分離膜51を介して金属ナトリウムを分離させる。そして、所定時間経過後、ポンプを停止して、回収槽5から蒸留槽6に上澄み液を移動させることを停止する。次いで、溶媒タンク2の無極性溶媒を、ポンプ等の駆動力により、分離膜51を介して回収槽5に導入する。これによって、分離膜51に付着した金属ナトリウムを剥離させ、回収槽5に貯留された金属ナトリウムを含む上澄み液が無極性溶媒で希釈される。その結果、分離膜51に目詰まりが発生することなく、金属ナトリウムが除去された上澄み液を後段の蒸留槽6へと円滑に移動させることができる。
次いで、無極性溶媒で希釈された金属ナトリウムを含む上澄み液を、ポンプ等の駆動力によって回収槽5から除去槽3に戻す。このように、分離工程において金属ナトリウムを上澄み液から分離し、この固液分離された金属ナトリウムを除去槽3に戻すことで、金属ナトリウムを無駄に破棄することが無い。また、除去槽3に戻す際、金属ナトリウムを無極性溶媒で希釈しているので、金属ナトリウムに分散溶媒が付着していた場合でも、除去工程において金属ナトリウムから分散溶媒を容易に除去することができる。
蒸留槽6に送られた上澄み液は、加熱部61によって加熱し、分散溶媒より沸点の低い無極性溶媒および反応溶媒を蒸発させる。これによって、上澄み液に含まれる無極性溶媒および反応溶媒と分散溶媒とを分離させることができる。次いで、蒸発した無極性溶媒および反応溶媒を冷却器62で冷却して液体にした後、溶媒タンク2に戻して再利用する。なお、蒸発した無極性溶媒および反応溶媒を冷却器62で冷却して液体にした後、除去槽3に戻して再利用しても良い。
[第二実施形態]
続いて、図2を用いて、第二実施形態に係るナトリウム分散体を用いた合成方法について説明する。本実施形態において、第一実施形態とは分離工程が異なる。以下、第一実施形態と異なる工程のみを説明し、第一実施形態と同様の工程については説明を省略する。
第一実施形態では、分離工程において、回収槽5において固液分離された金属ナトリウムを無極性溶媒で希釈して、回収槽5から除去槽3に戻した。本実施形態では、回収槽5において、固液分離された金属ナトリウムを水又はアルコールで構成される失活液で失活させる(失活工程)。
失活工程では、固液分離された金属ナトリウムを、開閉弁等を操作して回収槽5から失活槽7に移動させる。次いで、失活槽7に水又はアルコールで構成される失活液を導入して、金属ナトリウムを水酸化ナトリウムや金属アルコキシド等に変化させて失活させる。失活工程で用いられるアルコールとしては、イソプロピルアルコール、メタノールやエタノールなどの低級アルコールが好ましいが、高級アルコールでも良く特に限定されない。なお、失活工程は、失活槽7の内部をアルゴンガスや窒素ガスなどの不活性ガスで充填した不活性ガス雰囲気下で行う必要がある。
本実施形態では、回収工程において回収槽5に回収された金属ナトリウムを水又はアルコールを用いて失活させることで、金属ナトリウムが空気に触れて発火するおそれを防止することができる。なお、回収槽5に水又はアルコールを導入して金属ナトリウムを失活させても良い。
[第三実施形態]
(ナトリウム分散体,ナトリウム分散体の製造方法:中極性溶媒)
図3に示すように、本実施形態におけるナトリウム分散体を用いた製造方法は、金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体と比誘電率が2以上35以下の中極性溶媒とクラウンエーテルとを混合し、分散溶媒を中極性溶媒に溶解させて分散溶媒を除去する除去工程と、除去工程で分散溶媒が除去された金属ナトリウムをクラウンエーテルにより沈殿させ、金属ナトリウムと中極性溶媒とクラウンエーテルとを含むナトリウム分散体を抽出する抽出工程と、を備えている。製造されたナトリウム分散体は、金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体と比誘電率が2以上35以下の中極性溶媒とクラウンエーテルとを含み、分散溶媒が全体に対して10重量%以下である。さらに、ナトリウム分散体を用いた合成方法は、上記ナトリウム分散体とモノマーとを反応させて化合物を合成する合成工程を備えている。
除去工程において、クラウンエーテルは金属ナトリウムに対して0モル当量よりも大きく1モル当量未満(好ましくは、0.01モル当量以上0.3モル当量以下、さらに好ましくは、0.03モル当量以上0.3モル当量以下)であることが好ましい。また、抽出工程においてナトリウム分散体を抽出した後の残液とアルコールと炭酸水素塩とを混合して、金属ナトリウムを失活させる失活工程をさらに備えていると好ましい。
金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体は、上述した実施形態と同様であるので、説明を省略する。
中極性溶媒としては、分散溶媒(密度0.85g/mL以上0.90g/mL以下、粘度5mPa秒以上、沸点250℃以上)よりも粘度および沸点が低く且つ比誘電率が2以上35以下(好ましくは、比誘電率が5以上25以下)であり、モノマーとSDとの反応を阻害しない限り、当該技術分野で公知の溶媒を使用することができる。例えば、エーテル系溶媒、芳香族系溶媒、アミン系溶媒、複素環化合物溶媒を使用することができる。エーテル系溶媒としては、環状エーテル溶媒が好ましく、テトラヒドロフラン(密度0.89g/mL、粘度0.58mPa秒、沸点66℃、比誘電率7.58)が特に好ましい。ノルマルパラフィン系溶媒としては、デカン(密度0.66g/mL、粘度0.32mPa秒、沸点174℃、比誘電率2.00)が特に好ましい。芳香族系溶媒としては、キシレン(密度0.87g/mL、粘度0.76mPa秒、沸点138℃〜144℃、比誘電率2.3)やトルエン(密度0.86g/mL、粘度0.59mPa秒、沸点110℃、比誘電率2.3)等、アミン系溶媒としては、エチレンジアミン(密度0.90g/mL、粘度1.6mPa秒、沸点117℃、比誘電率12.9)等を好ましく使用することができる。また、それらの混合溶媒を使用することもできる。
除去工程において、中極性溶媒に金属ナトリウムと化学反応しない極性溶媒を添加するのが好ましい。この極性溶媒は、SDに含まれるナトリウムの物質量に対して1モル当量以下(好ましくは、0.3モル当量以下)で添加すると好適である。極性溶媒としては、クラウンエーテル(15-クラウン-5)、18-クラウン-6等が挙げられる。この場合、分散溶媒から金属ナトリウムを分離させて、金属ナトリウムを速やかに沈殿させることができる。中極性溶媒としてテトラヒドロフランを使用する場合、分散溶媒と混合しても金属ナトリウムが沈殿し難いため、極性溶媒の添加が特に好ましい。このとき、好ましい極性溶媒はクラウンエーテル(15-クラウン-5)である。テトラヒドロフラン以外の中極性溶媒を使用する場合は、極性溶媒を添加しなくても金属ナトリウムが沈殿するため、極性溶媒の添加を省略しても良い。
モノマーや合成工程で合成される化合物は、SDを用いて合成できるものであれば特に限定されず、上述した実施形態と同様であるので詳細な説明を省略する。
続いて、図3を用いて、第三実施形態に係るナトリウム分散体の製造方法およびナトリウム分散体を用いた合成方法について説明する。
SDと中極性溶媒とクラウンエーテルとを混合し、分散溶媒を中極性溶媒に溶解させて除去する除去工程では、SDを貯留したSDタンク1と中極性溶媒を貯留した溶媒タンク2とクラウンエーテルを貯留した極性溶媒タンク9とからポンプ等の駆動力により、SD,中極性溶媒および0.3モル当量以下のクラウンエーテルを除去槽3に導入する。次いで、除去槽3において、SD,中極性溶媒およびクラウンエーテルを撹拌し、SDに含まれる分散溶媒を中極性溶媒に溶解させる(除去工程)。このとき、除去槽3を撹拌せずに静置しても良いし、除去槽3を加温しながら撹拌しても良いし、濾過装置を用いてSDに含まれる金属ナトリウムを濾過しながら分散溶媒を中極性溶媒に溶解させても良い。
除去工程において、SDから分散溶媒が除去された金属ナトリウムはクラウンエーテルをキレート錯体としたキレート反応により沈殿し、中極性溶媒に溶解した分散溶媒は上澄み液となる。つまり、分散溶媒,中極性溶媒および少量のクラウンエーテルを含んだ上澄み液と金属ナトリウム,中極性溶媒,クラウンエーテルおよび少量の分散溶媒を含んだ層とに分離させることができる。そして、上澄み液は、ポンプ等の機動力により、除去槽3から回収槽5に回収される(回収工程)。この除去工程と回収工程を複数回繰り返しても良い。一方、沈殿した金属ナトリウムは、分散した状態で中極性溶媒とクラウンエーテルとに取り囲まれており、金属ナトリウムと中極性溶媒とクラウンエーテルとを含むナトリウム分散体となっている。そして、除去槽3から上澄み液を除去して残ったナトリウム分散体を開閉弁等の操作により抽出して、抽出槽10にて保管する(抽出工程)。本実施形態におけるナトリウム分散体は、クラウンエーテルによりキレートされて微粒子の状態が維持されているため、長期保存に適している。
反応槽4では、モノマーと抽出槽10に保管されているナトリウム分散体とが反応し、化合物が合成される(合成工程)。本実施形態では、ナトリウム分散体に含まれる中極性溶媒を合成工程で使用する溶媒として機能させるので、溶媒を有効活用することができる。なお、合成工程では、ナトリウム分散体に含まれる溶媒に加えて、更に同じ溶媒を反応槽4に添加しても良いし、異なる溶媒を反応槽4に添加しても良い。
また、合成工程の後工程において、沸点の低い中極性溶媒を蒸留処理して化合物を析出させることができるので、従来のように化合物から分散溶媒を除去する手間が小さく、化合物に分散溶媒が付着して合成効率が低下することを防止できる。しかも、金属ナトリウムが中極性溶媒に分散された状態であるので、合成工程において金属ナトリウムが大きな表面積を維持した状態で合成反応が進行し、所望の収率で化合物を合成することができる。
ところで、除去槽3において、分散溶媒を中極性溶媒に溶解させた上澄み液には、金属ナトリウムが混入していることがある。このため、回収工程において、除去槽3から回収槽5に回収された上澄み液には、金属ナトリウムが含まれている。そこで、本実施形態では、失活槽7において、金属ナトリウムをアルコールで構成される失活液と炭酸水素塩とで失活させる(失活工程)。炭酸水素塩の塩はアルカリ金属又はアルカリ土類金属が好適に用いられ、好ましくは炭酸水素ナトリウム(重曹)である。なお、硫酸水素塩又はリン酸水素塩を用いても良い。また、失活工程で用いられるアルコールとしては、イソプロピルアルコール、メタノールやエタノールなどの低級アルコールが好ましいが、高級アルコールでも良く特に限定されない。なお、失活工程は、失活槽7の内部をアルゴンガスや窒素ガスなどの不活性ガスで充填した不活性ガス雰囲気下で行う必要がある。
失活工程では、上澄み液をポンプ等の駆動力により、除去槽3から失活槽7に移動させる。次いで、失活槽7にアルコールで構成される失活液と炭酸水素ナトリウム(炭酸水素塩の一例)を導入して、金属ナトリウムを下記反応式(1)〜(2)により炭酸ナトリウムに変化させて失活させる。
(1)Na+R−OH ⇒R−ONa+1/2H
(2)R−ONa+NaHCO⇒R−OH+NaCO
蒸留工程や合成工程等は、上述した実施形態と同様であるので詳細な説明を省略する。
[第四実施形態]
(ナトリウム溶媒の製造方法:強極性溶媒)
図4に示すように、本実施形態におけるナトリウム溶媒の製造方法は、金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体と比誘電率が35より大きい強極性溶媒とを混合し、分散溶媒を強極性溶媒に溶解させて分散溶媒を除去する除去工程と、除去工程で分散溶媒が除去された金属ナトリウムと強極性溶媒とを含むナトリウム溶媒を抽出する抽出工程と、を備えている。また、ナトリウム溶媒を用いた合成方法は、上記ナトリウム分散体とモノマーとを反応溶媒の下で反応させて化合物を合成する合成工程を備えている。
強極性溶媒は、金属ナトリウムと反応せず、かつ金属ナトリウムを溶解させ、分散溶媒を溶解しない比誘電率が35以上の溶媒である。例えば、1,3-ジメチル-2-イミダゾジリノン(DMI、比誘電率37.6)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF、比誘電率38)、又はN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc、比誘電率37.8)が挙げられる。強極性溶媒に金属ナトリウムを溶解又は移行させることで、SDから分散溶媒が除去される(除去工程)。この場合、強極性溶媒には分散溶媒が溶解しないので、SDから分散溶媒を確実に除去することができる。そして、分散溶媒と強極性溶媒との上澄み液を除去して、金属ナトリウムと強極性溶媒とを含むナトリウム溶媒を抽出する(抽出工程)。なお、より確実に分離するには、極性溶媒に加え、さらに無極性溶媒(例えばn-パラフィン)を混合すると、強極性溶媒層と無極性溶媒層の界面が明確になるので好ましい。反応溶媒は、上述した反応溶媒と同様であるので、説明を省略する。また、合成工程も上述した実施形態と同様であるので、説明を省略する。
[第1実施例]
第一実施形態にかかる除去工程および抽出工程において、SDに無極性溶媒を混合することによりSDから分散溶媒を除去して金属ナトリウムを沈殿させ、さらに反応溶媒を加えることにより混合分散体を抽出する点について検証する。本実施例は、SD1.72g(うち分散溶媒1.29g、金属ナトリウム0.43g)に対して無極性溶媒として、ノルマルパラフィン系溶媒のヘキサン8mL(実施例1)又はオクタン8mL(実施例2)を添加して30分間静置する除去工程(第1段階)を3回繰り返し、さらに反応溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)8mLを添加して1時間静置する抽出工程(第2段階)を実行した。実施例1〜2において、無極性溶媒を添加した後(除去工程)は、沈殿した金属ナトリウムおよび無極性溶媒の沈殿液と分散溶媒および無極性溶媒の透明な上澄み液との界面が形成され、THFを添加した後(抽出工程)は、沈殿した金属ナトリウム,無極性溶媒およびTHFの沈殿液(混合分散体)と分散溶媒,無極性溶媒およびTHFの混濁した上澄み液との界面が形成された。つまり、SDから分散溶媒が除去されて金属ナトリウムが沈殿し、無極性溶媒に溶解した分散溶媒は上澄み液となっていることが確認できた。
表1には、除去工程(第1段階)における上澄み液を採取し、水を加えてナトリウムを水酸化ナトリウムとした後にシュウ酸でナトリウム量を測定すると共に、上澄み液を蒸発濃縮して分散溶媒の重量を測定した結果(ノルマルパラフィン系溶媒の列)が示されている。また、表1には、抽出工程(第2段階)における上澄み液と沈殿液を採取し、水を加えてナトリウムを水酸化ナトリウムとした後にヘキサンを加えて油水分離し、シュウ酸を用いて水層に含まれるナトリウム量を測定すると共に、上澄み液を蒸発濃縮して分散溶媒の重量を測定した結果(THFの列、沈殿液の列)が示されている。また、上澄み液に含まれる分散溶媒から分散溶媒の含有率(上澄み液又は沈殿液に含まれる分散溶媒重量/SDに含まれる分散溶媒重量)を演算し、上澄み液に含まれる金属ナトリウムから沈殿液に含まれる金属ナトリウムの含有率(上澄み液又は沈殿液に含まれる金属ナトリウム重量/SDに含まれる金属ナトリウム重量)を演算した。表1から明らかなように、上澄み液には金属ナトリウムがほとんど含まれず、沈殿液には分散溶媒がほとんど含まれないことが分かる。また、沈殿液における金属ナトリウム含有率も、85.6%、79.4%と高い割合となっており、多くの金属ナトリウムが低極性溶媒およびTHFに混合された混合分散体を得ることができた。
Figure 2020050922
[第2実施例]
第三実施形態にかかる除去工程において、SDに中極性溶媒とクラウンエーテルとを混合することにより、SDから分散溶媒を除去して金属ナトリウムを沈殿させる点について検証する。本実施例は、表2に示す混合割合で、SDに中極性溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を混合した比較例と、SDに中極性溶媒としてTHFを混合し、さらにクラウンエーテル(15-クラウン-5)を添加した実施例1〜4とで構成されている。
Figure 2020050922
実施例1〜4において、表2に示す混合液を試験管内で静置したところ、上澄み液とナトリウムが沈殿した沈殿液との界面が形成され、該界面が次第に上昇した。つまり、SDから分散溶媒が除去されてクラウンエーテルにより金属ナトリウムが沈殿し、中極性溶媒に溶解した分散溶媒は上澄み液となっていることが確認できた。表3には、表2に示す混合液を試験管内で静置してから3時間経過後における上澄み液1mLを採取し、水を加えてナトリウムを水酸化ナトリウムとした後、シュウ酸でナトリウム量を測定した結果が示されている。また、上澄み液に含まれる分散溶媒に基づいてSD中の分散溶媒の除去率(上澄み液に含まれる分散溶媒重量/SDに含まれる分散溶媒重量)を演算し、上澄み液に含まれる金属ナトリウムから沈殿液に含まれる金属ナトリウムの抽出率(沈殿液に含まれる金属ナトリウム重量/SDに含まれる金属ナトリウム重量)を演算した。ただし、実施例4は上澄み液を全量抜出し、金属ナトリウムおよび分散溶媒の重量を求めた。表3から、中極性溶媒にクラウンエーテルを0.03モル当量以上1モル当量未満で添加することで、ナトリウムを沈殿させることが検証できた。
Figure 2020050922
[第3実施例]
THF5mLに対し、SD1gとクラウンエーテル(15-クラウン-5)66mgを添加し、これを1時間静置分離させてナトリウムを沈殿させた。この上澄み液を抜出して1-ブタノール740mgとの反応熱を反応熱測定装置C-80(Setaram社製)を用いて測定したところ、瞬間的な熱流束は最大約80w/kgとなった。アルコールとの混合の際にはジャケットの冷却能力に従って上澄みを滴下すれば発熱を抑制可能で安全な処理が可能である。さらにこの反応液に重曹を84mg添加したところ、顕著な吸発熱反応は検出されなかった。この反応液を濾過し、蒸留することでTHFのような蒸留操作のみでは水と分離することが難しい溶媒中に含まれる金属ナトリウムを安全に失活し、更に蒸留操作によって再生させることが可能となる。
また、表4に示すように、分散溶媒の除去操作により、金属ナトリウムの活性低下が生じていないか確認した。金属ナトリウムの活性低下の評価方法は、2モル当量の4-tert-ブチルピリジン(t-Bupy)と2モル当量の金属ナトリウムとを反応させることによって生じる4,4’-ジ-tert-ブチル-2,2’-ビピリジン(t-Bubpy)の収量を測ることによって求めた。実施例1〜2は、SD2mLに対して無極性溶媒を8mL添加し、上澄みを除去したものを試料とした。この試料の抽出にあたり、混合時間を5分間、静置時間を30分間とし、溶媒置換を3回実施した。そして、分散溶媒を除去した後のSDにt-Bupyと反応溶媒としてのTHF溶液とを添加し、50℃で6時間反応させた(上述の第一実施形態)。また、実施例3は、SDに対し15-クラウン-5を0.1モル当量添加すると共に、反応溶媒としてのTHFを8mL添加し、上澄みを除去したものを試料とした。そして、分散溶媒を除去した後のSDにt-Bupyを添加し、50℃で6時間反応させた(上述の第三実施形態)。
反応後の液を純水で失活し、吸引ろ過してろ紙上に残ったサンプルを乾燥させて二量体の重量を求め、反応に寄与した金属ナトリウムの量を、添加した金属ナトリウム量で除した値をナトリウム効率と定義してこれを求めた。実験の結果、ナトリウム効率は70%〜89%となり、溶媒置換を行ってもSD中の金属ナトリウムは有効に機能することを確認した。
Figure 2020050922
[その他の実施形態]
(1)除去工程において、SDに金属ナトリウムと化学反応しない強極性溶媒と無極性溶媒を混合し、無極性溶媒に分散溶媒を溶解させ、極性溶媒に金属ナトリウムを溶解又は移行させることで、SDから分散溶媒を除去しても良い。この場合、極性溶媒には分散溶媒が溶解しないので、SDから分散溶媒を確実に除去することができる。ここで無極性溶媒は比誘電率が10未満の溶媒が望ましく、5未満であれば更に望ましい。極性溶媒は比誘電率が25以上の溶媒が望ましく、35以上あれば更に望ましい。金属ナトリウムは分散溶媒の比重よりも大きいため、比重は無極性溶媒よりも極性溶媒の方が大きいことがより望ましい。これによって比重の大きな金属ナトリウムが比重の大きな極性溶媒側に移行し、分離操作がより容易になる。下記表5には、極性溶媒として1,3-ジメチル-2-イミダゾジリノン(DMI)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、又はN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)を用い、無極性溶媒としてヘキサンを用いた場合の特性を例示する。
Figure 2020050922
(2)第一実施形態において、無極性溶媒で希釈された金属ナトリウムを含む上澄み液を、ポンプ等の駆動力によって回収槽5から除去槽3に戻したが、希釈された上澄み液を戻すタイミングは特に限定されない。例えば、無極性溶媒で希釈された上澄み液を除去槽3に戻した後、無極性溶媒を数回除去槽3に導入して、金属ナトリウムから分散溶媒を除去しても良い。この場合、無極性溶媒で希釈された上澄み液に含まれる金属ナトリウムに、更に無極性溶媒を添加することで、金属ナトリウムに付着した分散溶媒を確実に除去することができる。
また、SDと無極性溶媒と反応溶媒とを除去槽3に導入した後、無極性溶媒で希釈された上澄み液を除去槽3に戻しても良い。この場合、無極性溶媒で希釈された上澄み液により、除去槽3には無極性溶媒が多量に存在することとなるので、金属ナトリウムに付着した分散溶媒を確実に除去することができる。
本発明は、ナトリウム分散体、ナトリウム分散体の製造方法、金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体(ナトリウム分散体)を用いた合成方法、ナトリウム溶媒の製造方法に利用可能である。
1 :SDタンク
2 :溶媒タンク
3 :除去槽
4 :反応槽
5 :回収槽
6 :蒸留槽
7 :失活槽
8 :反応溶媒タンク
9 :極性溶媒タンク
10 :抽出槽
51 :分離膜
61 :加熱部
62 :冷却器

Claims (8)

  1. 金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体と比誘電率が2以上35以下の中極性溶媒とクラウンエーテルとを含み、前記分散溶媒が全体に対して10重量%以下であるナトリウム分散体。
  2. 金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体と比誘電率が2以上35以下の中極性溶媒とクラウンエーテルとを混合し、前記分散溶媒を前記中極性溶媒に溶解させて前記分散溶媒を除去する除去工程と、
    前記除去工程で前記分散溶媒が除去された前記金属ナトリウムを前記クラウンエーテルにより沈殿させ、前記金属ナトリウムと前記中極性溶媒と前記クラウンエーテルとを含むナトリウム分散体を抽出する抽出工程と、を備えたナトリウム分散体の製造方法。
  3. 前記除去工程において、前記クラウンエーテルは前記金属ナトリウムに対して0.03モル当量以上1モル当量未満である請求項2に記載のナトリウム分散体の製造方法。
  4. 前記抽出工程において前記ナトリウム分散体を抽出した後の残液とアルコールと炭酸水素塩とを混合して、前記金属ナトリウムを失活させる失活工程をさらに備えた請求項2又は3に記載のナトリウム分散体の製造方法。
  5. 金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体と前記分散溶媒よりも密度および粘度の低く且つ比誘電率が2未満の無極性溶媒とを混合し、前記分散溶媒を前記無極性溶媒に溶解させて前記分散溶媒を除去する除去工程と、
    前記除去工程で前記分散溶媒が除去された前記金属ナトリウムと前記無極性溶媒とに反応溶媒を加えて混合分散体を抽出する抽出工程と、
    前記抽出工程で抽出された前記混合分散体とモノマーとを反応させて化合物を合成する合成工程と、を備えたナトリウム分散体を用いた合成方法。
  6. 前記除去工程において除去槽で除去された前記分散溶媒と前記無極性溶媒と前記反応溶媒との混合液体を、前記除去槽から回収槽に回収する回収工程と、
    前記回収槽において前記混合液体に含まれる前記金属ナトリウムを固液分離する分離工程と、をさらに備え、
    前記分離工程は、前記無極性溶媒で希釈した前記金属ナトリウムを前記除去槽に戻す請求項5に記載のナトリウム分散体を用いた合成方法。
  7. 前記除去工程において除去槽で除去された前記分散溶媒と前記無極性溶媒と前記反応溶媒との混合液体を、前記除去槽から回収槽に回収する回収工程と、
    前記混合液体に含まれる前記金属ナトリウムを水又はアルコールを用いて失活させる失活工程と、をさらに備えた請求項5に記載のナトリウム分散体を用いた合成方法。
  8. 金属ナトリウムを分散溶媒に分散させた分散体と比誘電率が35より大きい強極性溶媒とを混合し、前記強極性溶媒により前記分散体から前記分散溶媒を分離させて前記分散溶媒を除去する除去工程と、
    前記除去工程で前記分散溶媒が除去された前記金属ナトリウムと前記強極性溶媒とを含むナトリウム溶媒を抽出する抽出工程と、を備えたナトリウム溶媒の製造方法。
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