JP2005097648A - マグネシウム系合金廃材の回収方法 - Google Patents

マグネシウム系合金廃材の回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 自動車部品やコンピューター関連機器用として有用なマグネシウム−リチウム系合金の廃材を回収する際に金属回収量をできるだけ多くする方法を提供する。
【解決手段】 マグネシウム−リチウム系合金廃材17を加熱して合金成分の一部を液相成分として回収した後、当該廃材を減圧下に維持して残りの合金成分の少なくとも一部を蒸発させて回収する。加熱工程及び減圧蒸留工程を併用することで回収される金属量を最大にする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動車部品やコンピューター関連機器用として使用された後、廃材とされたマグネシウム系合金廃材の回収(リサイクル)方法に関し、より詳細にはマグネシウム−リチウム圧延板製造時に発生する面削屑や端材を効率的に回収するための方法に関する。
自動車、車両、家庭用電化製品、コンピュータ及びその周辺機器、ワードプロセッサ及びその周辺機器における軽量化の流れの中で、より軽量な合金が要請されている。この要請に答え得る合金としてマグネシウム−リチウム系合金があり、前記用途における構造用金属材料として用いられている。この系統の合金としてLA141(Mg−14%Li−1%Al)や、超塑性のMg−9%Li−1%Y合金等が知られている。
このマグネシウム−リチウム系合金は通常圧延板の形態で提供されるため、混合した溶湯から圧延成形されるが、その際に、最終製品の鋳塊100kg当たり約25kgの面削屑と約32kgの圧延端材が発生する。つまり半分以上は製品中に取り込まれない。これらの面削屑や端材等の廃材は、産業廃棄物として処分されるが、処理コストは1kg当たり数百円とかなり割高になっている。
このマグネシウム−リチウム系合金の廃材を回収して再使用することができれば、材料費の節減と産廃処理コストを不要にするという両面からの費用節約が期待できる。
特開平6−88148号公報(段落0016〜0022、図1)
従来からマグネシウム合金の廃材から加熱や減圧を利用して合金回収を行うことが試みられている。例えば特許文献1では、マグネシウム合金(他の主成分はアルミニウム)廃材を加熱して付着している水分や油分を揮発させて除去した後、減圧下加熱してマグネシウムを蒸発させ、減圧のまま他の容器に導いて冷却してマグネシウム分を回収するようにしている。特許文献1をはじめとする従来技術ではマグネシウム合金からマグネシウムを高純度で回収することが主目的であり、従ってマグネシウム合金を減圧下で加熱してマグネシウムのみを蒸発させて、その後マグネシウム蒸気のみを冷却することで高純度マグネシウムを得ることを意図している。
しかし前述した軽量合金として注目されているマグネシウム−リチウム系合金の場合、マグネシウムとリチウムの蒸気圧の値が非常に近く、加熱減圧で両者を分離することは困難であることが知られている。
又近年マグネシウム合金としてマグネシウム−リチウム−イットリウム合金が使用されている。イットリウムはマグネシウム合金の強度向上に寄与することが知られ、4重量%までの添加量まではマグネシウム合金の強度の増大に寄与する。
このイットリウム(約30000円/kg)はマグネシウム(約300円/kg)又はリチウム(約10000円/kg)と比較して非常に高価であり、回収しリサイクルができれば、他の金属以上に有意義である。
前述した合金の構成成分であるマグネシウム、リチウム及びイットリウムはいずれも活性が高く、単独の金属としての固相や、各成分が相互に溶解した液相では発火等の危険性があり、単独の金属成分ごとに分離することが必ずしも望ましいとはいえない。従って従来はマグネシウム−リチウム系合金、又はマグネシウム−リチウム−イットリウム−合金のリサイクルは試みられなかった。
更に前述した減圧下での高純度マグネシウム回収の場合、高蒸気圧のマグネシウムは回収できてもマグネシウムと分離される成分はイットリウム等の低蒸気圧であり、減圧蒸留残渣から前記低蒸気圧成分を回収することは非常に困難である。
本発明はこのようなマグネシウム合金に関する従来技術の認識とは異なり、マグネシウム−リチウム系合金をマグネシウムの単離にこだわらず、マグネシウムとリチウムの混合物として回収し、マグネシウム−リチウム−イットリウム合金の場合にはマグネシウムとリチウムの混合物の回収に加えて、非常に高価なイットリウムの回収率を可能な限り向上させることのできるマグネシウム−リチウム系合金廃材の回収方法を提供することを目的とする。
更にマグネシウム系合金特にマグネシウム系二元合金の中にはイットリウムのようにマグネシウムより高価な金属が少量含まれているものがある。このような金属は蒸気圧が低く揮発しにくいものが多く、従来の蒸留法では回収できないことが多い。本発明はこのようなマグネシウム系合金から低蒸気圧金属を回収することも目的とする。
本発明は、マグネシウム−リチウム系合金廃材の回収方法において、前記廃材を加熱して合金成分の一部を液相成分として回収した後、当該廃材を減圧下に維持して残りの合金成分の少なくとも一部を蒸発させて回収することを特徴とするマグネシウム−リチウム系合金の回収方法(以下第1発明という)、マグネシウム−リチウム系合金廃材の回収方法において、前記廃材を液透過体上で加熱して合金成分の一部を液相成分として前記液透過体を通して下方に滴下させ回収することを特徴とするマグネシウム−リチウム系合金の回収方法(以下第2発明という)、マグネシウム−リチウム−第3金属成分系合金廃材の回収方法において、前記廃材を加熱してマグネシウム、リチウム及び前記第3成分の一部を液相成分として回収した後、当該廃材を減圧下に維持して残りの合金成分中の高蒸気圧成分を蒸発させて回収することを特徴とするマグネシウム−リチウム系合金の回収方法(以下第3発明という)及びマグネシウム−リチウム系合金廃材の回収において、前記廃材を回収装置内に収容して加熱し合金成分の一部を液相成分として回収した後、当該廃材を前記装置内で減圧下に維持して残りの合金成分の少なくとも一部を蒸発させて回収し、加熱回収及び減圧回収を同一装置で行うことを特徴とするマグネシウム−リチウム系合金の回収方法(以下第4発明という)、及びマグネシウムと少なくとも1種のマグネシウムより蒸気圧の低い金属を含んで成る合金廃材の回収において、前記廃材を加熱して前記マグネシウムより低蒸気圧の金属を液相成分として回収した後、当該廃材を減圧下に維持して残りの合金成分の少なくとも一部を蒸発させて回収することを特徴とするマグネシウム系合金の回収方法(以下第5発明という)である。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明によるマグネシウム−リチウム系合金の回収方法では、マグネシウム−リチウム系合金中の各成分の単離は直接的な目的とはせず、回収成分の合計量を可能な限り増加させることを主眼とする。
前述した通り従来のマグネシウム系合金の回収方法では、マグネシウムを高純度で回収することに主眼が置かれていた。
これに対し本発明(第1〜第4発明)では、マグネシウム及びリチウムという高活性の金属成分を対象とし、それぞれの成分に単離すると高活性故に発火等の自体を引き起こす虞があるため、マグネシウムとリチウムの混合物あるいは混合として回収しリサイクルを行う。
従来のマグネシウム系合金廃材からの成分回収は、高純度マグネシウムの回収を意図しているため、加熱下で減圧蒸留を行って高蒸気圧成分であるマグネシウムを選択的に蒸発させ、回収する手法を採用していた。
図1は、マグネシウム、リチウム、亜鉛及びイットリウムの各金属の温度と飽和蒸気圧の関係を示すグラフである。このグラフから判るように、本発明の対象とするマグネシウム−リチウム系合金ではマグネシウムとリチウムの蒸気圧値が近接しているため、両金属を減圧蒸留で分離することは実用的でない。又イットリウムに関してはマグネシウムやリチウムと蒸気圧差が大きいが、マグネシウム系合金中のイットリウム含有量が僅少であり、減圧蒸留によりマグネシウム及びリチウムが廃材中から除去できても、廃材残渣中のイットリウムを有効利用することができず、実質的なリサイクルは不可能である。
これに対し、本発明、特に第3発明では近年、比較的僅少量ながら、マグネシウム−リチウム系合金の成分として含まれることのあるイットリウムの回収をも意図している。
このような回収を行うために、第1、第3及び第4発明では第1段階として、マグネシウム−リチウム系合金廃材を加熱して合金成分の一部を液相成分として回収する。その後第2段階として前記廃材を減圧下で蒸発させて加熱のみでは回収されなかった合金成分を回収する。
前記廃材の加熱を行うと、廃材中の合金成分の一部が溶融して廃材表面から外部へ流出する。この加熱による成分流出は廃材成分の融点(及び廃材成分の廃材表面への到達しやすさ)に依存し、各成分の蒸気圧には無関係である。
第2発明では、この廃材の加熱を、前記廃材を有孔板、網状体又は漏斗体等の液透過体上で行う。該液透過体上で廃材加熱を行うと、廃材中の合金成分の一部が液相成分として前記液透過体を通して下方に滴下し、凝縮して各成分の混合物又は合金として回収できる。特にこの態様では、回収成分が塊状で回収でき、そのままリサイクルすることが可能になる。
第1、第3及び第4発明では、加熱工程に続いて減圧蒸留を行う。この蒸留工程では、既に加熱工程で合金成分の一部が除去されているため、蒸留工程単独としての合金成分回収量は大きくならないが、加熱工程と減圧蒸留工程の合計の回収量は加熱工程単独あるいは減圧蒸留工程単独より大きくなる。
本発明者の検討によると、減圧蒸留工程における金属回収率に対する温度は550〜600℃に臨界点があることが判った。つまり500℃、550℃、600℃、700℃及び800℃における金属回収率は順に18%、20%、90%、92%及び93%であった。
更に減圧蒸留工程における蒸留時間は2時間でほぼ飽和に達し、2時間を越えて減圧蒸留を継続しても金属回収率は殆ど上昇しないことが判った。つまり開始後1時間における600℃、700℃及び800℃での金属回収率は順に、70%、78%及び80%であり、開始後2時間での700℃における金属回収率は92%、開始後3時間における600℃及び800℃での金属回収率はそれぞれ89%及び93%であり、開始後5時間における700℃での金属回収率は92%であった。
加熱工程と減圧蒸留工程を行う第1、第3発明では、両工程を同じ炉や容器等の装置内で行うことが望ましく、第4発明では必須になる。これにより作業効率が大きく上昇する。
更に本発明における加熱工程では、蒸気圧の大小にかかわらず合金成分が回収され、従って蒸気圧の低いイットリウムも回収され、非常に高価なイットリウムの回収が実現することにより本発明の回収方法の経済的なメリットも大きくなる。換言すると、第1、第3及び第4発明では、加熱と減圧を組合わせることにより、マグネシウムやリチウム等の高蒸気圧成分とイットリウム等の低蒸気圧成分を共に効率良く回収することが可能になる。更に第5発明では、イットリウムを必須成分としないため、イットリウム、ネオジム、ランタン、セリウムなどの希土類金属(サマリウムやユウロピウムは蒸気圧が高いため除く)、金、コバルト及びジルコニウムなどが回収できる。
本発明のマグネシウム−リチウム系合金廃材は、自動車、車両、家庭用電化製品、玩具、容器、コンピュータ及びその周辺機器、ワードプロセッサ及びその周辺機器用部材で使用され、その後廃棄された材料であり、その中の合金成分を回収対象とする。前記合金はマグネシウム及びリチウムを必須成分とし、他に前述のイットリウムや、希土類金属、亜鉛、カルシウム、ナトリウム、カドミウム、アルミニウム、シリコン、銅、ニッケル、マンガン、銀、金、ジルコニウム、鉄及びコバルト等を含んでいても良い。
第1発明によると、加熱工程と減圧蒸留工程を組合わせることにより、加熱工程単独又は減圧蒸留工程単独よりも成分の合計回収量を多く維持するマグネシウム−リチウム系合金の回収方法が提供できる。更に第2発明によると、廃材を液透過体上で加熱して合金成分の一部を液相成分として前記液透過体を通して下方に滴下させると、蒸気圧の大小にかかわらず、合金成分の合金物又は合金が回収でき、しかも滴下が凝縮した塊状物として回収できるため、そのままリサイクルに使用できる。
第3発明によると、加熱工程と減圧蒸留工程を組合わせることにより、加熱工程単独又は減圧蒸留工程単独では困難であった高蒸気圧成分と低蒸気圧成分を共に効率良く回収することが加熱になる。更に第4発明によると、加熱工程と減圧蒸留工程を同じ装置内で行うため、作業効率が大きく上昇する。
第5発明は、第1〜第4発明の必須成分であるリチウムを必須成分とせず、マグネシウム−希土類金属系等の2元又は3元以上の合金からマグネシウムより蒸気圧の低い比較的高価な金属を回収できる。
本発明に使用可能なマグネシウム−リチウム系合金の回収装置及びそれを使用する回収方法について図面に示す実施形態例に基づいて説明する。
図2A〜Cは、第1発明の実施形態を例示する真空容器の概略縦断面図である。
図に示す円筒形の真空容器11は、中央やや上方の周囲に冷却用の水冷管12を有し、上面に不活性ガス導入口13及び導出口14が形成されている。前記真空容器11の底面には、上面が開口するステンレス製坩堝15が載置され、この坩堝15内には三脚上に固定された有孔板16が設置され、この有孔板16上にはマグネシウム−リチウム−イットリウム合金の面削屑ブリケット17が3層に重ねられて保持されている。なおこの面削屑ブリケット17の代わりに、圧延板屑やドロス(溶融合金表面に生じる合金のカスで主として酸化物)を使用することもできる。
前記坩堝15の上縁部には、中央に開口を有する円板18が設置され、該円板18の周縁部にはステンレス製の第1円筒19が立設されている。該第1円筒19の上縁には、中央に開口を有する第1コンデンサー20が設置され、更にこの第1コンデンサー20の周縁部には、ステンレス製の第2円筒21が立設されている。該第2円筒21の上縁には、中央に開口を有する第2コンデンサー22が設置され、更にこの第1コンデンサー22の周縁部には、ステンレス製の第3円筒23が立設されている。該第3円筒23の上縁には、2個の開口を有する蓋板24が設置されている。
前記円板18、ブリケット17及び該ブリケットが重ねられた有孔板16に対応する前記真空容器11の周囲には、電気炉25が設置され、前記ブリケット17が加熱されるよう構成されている。
次にこのような構成から成る真空容器11を使用するマグネシウム−リチウム系合金の回収方法について説明する。
まず図2Aの状態にある真空容器11に不活性ガス導入口13からアルゴンガスを供給しながら、電気炉25に通電することにより加熱し、これにより前記ブリケット17に熱を加える(図2B)。この熱によりブリケット17の一部の合金成分が溶融して液相となってブリケット17内を降下して有孔板16上面に達する。有孔板16上の合金成分は孔を通して有孔板16下面に達し、その後自重により液滴状になって前記坩堝15の底面上に滴下する。該坩堝15底面部は前記電気炉25により加熱されていないため、滴下した合金成分は冷却され、マグネシウム−リチウム−イットリウムの混合物又は合金の塊状物26として回収され、加熱により溶融しない成分が減容化したブリケット17として前記有孔板16上に残る。
図2Bの状態にある真空容器11の加熱を継続し又は停止した後、前記不活性ガス導入口13を封止し(図2C)、前記水冷管12に水を流しながら前記不活性ガス導出口14から真空ポンプで吸引して真空容器11内を減圧にする。加熱により溶融せず従って有孔板16を通して滴下しなかったブリケット17の合金成分が蒸発して、第1、第2コンデンサー20、22の下面、及び第1、第2円筒19、21の上内面にマグネシウム及びリチウムの凝縮混合物又は凝縮合金27として付着し、前記ブリケット17の減容化は更に進行する。なおイットリウムは非常に蒸気圧が低く、凝縮する成分には含まれない。
この減圧凝縮工程では、電気炉25による加熱、又は加熱工程の余熱により真空容器11内は高温に維持されるが、加熱工程で凝縮したマグネシウム−リチウム−イットリウムの塊状物26は電気炉25で直接加熱される真空容器11の箇所より下方にあり、加熱又は余熱が及び難く、凝縮状態に維持される。
このように第1発明の実施形態例によると、加熱工程前のマグネシウム−リチウム−イットリウム合金廃材であるブリケット17は、坩堝15内の塊状物26又はコンデンサー等の表面の凝縮物27として回収される。本実施形態例では、ブリケットはマグネシウムとリチウム(及びイットリウム)の混合物又は合金として回収され、高純度の単体として回収されることはないが、加熱工程及び減圧凝縮工程を経ることにより、回収量が単一工程の場合より増加する。
図3及び図4は、それぞれ図2におけるブリケットの保持の態様の変形例を示すもので、図2と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
図3では、図2の三脚上に設置した有孔板の代わりに、ステンレス製網28を使用してこのステンレス製網を真空容器11´の内壁に固定し、このステンレス製網28上にブリケット17´を載置している。
この真空容器11´を使用して加熱及び減圧蒸留を行う場合でも、加熱されたブリケット17´内の合金成分が溶融して液相となってブリケット17´内を降下してステンレス製網28に達して、網目を通り、その後自重により液滴状になって前記坩堝15´の底面上に滴下する。この場合も図2の場合と同様に、該坩堝15´の底面部は前記電気炉25により加熱されていないため、滴下した合金成分は冷却され、凝縮体として回収される。
図4は、図3のステンレス製網28の代わりに、漏斗体29を使用した例を示す。図4では図3のステンレス製網28の中央に開口を形成し、この開口に漏斗体29を係合させている。
この態様では、ブリケット17´の溶融成分が漏斗体の上部傾斜面に捕捉されて中央の縦孔の上端に達し、当該縦孔を流下するため、溶融成分が確実に坩堝15´内に到達し、凝縮体が得られる。
次に本発明に係わるマグネシウム−リチウム系合金の回収方法の実施例を説明するが、該実施例は本発明を限定するものではない。
図4に示す真空容器を使用してマグネシウム−リチウム−イットリウム合金廃材(面削屑ブリケット)の回収を行った。使用した面削屑ブリケットの組成はMg−10.1wt%Li−0.82wt%Yとした。
この面削屑ブリケット111.1g(初期重量)を図4に示すように、真空容器内のステンレス製網の開口に係合させて固定した漏斗体の傾斜面に置き、該漏斗体の下方の真空容器底面に黒鉛製坩堝を置いた。電気炉で前記真空容器内を750℃に2時間加熱し、その後真空容器内の減圧度を90Paにし(真空容器内温度700℃)、2時間保持した。
真空容器を室温及び常圧に戻し、蒸発して第1円筒19、第2円筒21、第1コンデンサー20及び第2コンデンサー22の内面に凝縮した各金属(蒸発金属)の総重量、坩堝中で凝縮した各金属(滴下金属)の総重量、及び面削屑ブリケットとして残った合金(残合金)の重量を測定したところ、順に46.2g、53.7g及び10.2gであり、金属回収率(%)は90.8%であった。
これらの結果を表1及び図5に纏めた。
なお金属回収率は次式のように定義できる。
金属回収率(%)=[(初期試料重量−残渣重量)/初期試料重量]x100
更に本実施例で得られた蒸発金属(第2円筒及び第2コンデンサーの内壁に凝縮した上部蒸発金属と、第1円筒及び第1コンデンサーの内壁に凝縮した下部蒸発金属に分けた)、滴下金属及び残合金のそれぞれの組成(マグネシウム含有量、リチウム含有量及びイットリウム含有量を測定したところ、表2に示す通りであった。
又第1コンデンサー、第1円筒上部、第1円筒下部に凝縮した合金中のリチウム及びイットリウムの重量%を測定したところ、リチウムは順に3.4重量%、5.9重量%及び17.4重量%であり、高温で凝縮するほどリチウム含有量が大きくなることが判った。なおイットリウムは検出限界未満であった。
面削屑ブリケット111.1gに代えて圧延板屑108.8gを使用したこと以外は実施例1と同一条件で合金廃材の回収を行った。蒸発金属の総重量、滴下金属の総重量、及び残合金の重量を測定したところ、順に8.0g、92.7g及び6.1gであり、金属回収率は92.6%であった。これらの結果を表1及び図5に纏めた。
比較例1
面削屑ブリケット110.0を、真空容器内の底面上の三脚上に固定された有孔板に置き、電気炉で前記真空容器内を750℃に2時間加熱した。
真空容器を室温に戻し、滴下金属量及び残合金量を測定したところ、それぞれ40.0g及び68.0gであり、金属回収率は36.4%であった。これらの結果を表1及び図5に纏めた。
比較例2
面削屑ブリケット89.0を、真空容器内の底面上に置いたこと以外は図2の真空容器を使用して合金廃材の回収を行った。
電気炉で前記真空容器内を700℃に加熱し、かつ真空容器内の減圧度を90Paにし、2時間保持した。
真空容器を室温及び常圧に戻し、蒸発金属の総重量、及び残合金の重量を測定したところ、それぞれ80.0g及び8.5gであり、金属回収率は89.9%であった。これらの結果を表1及び図5に纏めた。
比較例3
面削屑ブリケット110.0gに代えて圧延板屑98.3gを使用したこと以外は比較例1と同一条件で合金廃材の回収を行った。滴下金属の総重量、及び残合金の重量を測定したところ、それぞれ67.5g及び30.8gであり、金属回収率は68.7%であった。これらの結果を表1及び図5に纏めた。
比較例4
面削屑ブリケット89.0gに代えて圧延板屑116.4gを使用したこと以外は比較例2と同一条件で合金廃材の回収を行った。滴下金属の総重量、及び残合金の重量を測定したところ、それぞれ104.0g及び12.0gであり、金属回収率は89.4%であった。これらの結果を表1及び図5に纏めた。
実施例1及び2、比較例1〜4の結果から判るように、減圧蒸留(同時加熱を含む)単独で行うよりも加熱工程、次いで減圧蒸留工程を実施することにより金属回収率が向上することが判った。更に合金廃材としては面削屑ブリケットを使用するよりも圧延板屑を使用する方が金属回収率が良く、最初に実施する加熱工程における滴下金属量が多くなることが判った。
Figure 2005097648
Figure 2005097648
各回収プロセスの回収率を比較すると表3の通りであった。
Figure 2005097648
マグネシウム、リチウム、亜鉛及びイットリウムの各金属の温度と飽和蒸気圧の関係を示すグラフ。 図2A〜Cは、第1発明の実施形態で使用可能な真空容器を例示する概略縦断面図。 図2におけるブリケットの保持の態様の変形例を示す概略縦断面図。 図2におけるブリケットの保持の態様の他の変形例を示す概略縦断面図。 実施例及び比較例における蒸発金属及び滴下金属の回収率を示すグラフ。
符号の説明
11 真空容器
15 坩堝
16 有孔板
17 面削屑ブリケット
19、21、23 円筒
20、22 コンデンサー
25 電気炉
26 塊状物(マグネシウム−リチウム−イットリウム合金)
27 凝縮合金(マグネシウム−リチウム合金)

Claims (6)

  1. マグネシウム−リチウム系合金廃材の回収方法において、前記廃材を加熱して合金成分の一部を液相成分として回収した後、当該廃材を減圧下に維持して残りの合金成分の少なくとも一部を蒸発させて回収することを特徴とするマグネシウム−リチウム系合金の回収方法。
  2. マグネシウム−リチウム系合金廃材の回収方法において、前記廃材を液透過体上で加熱して合金成分の一部を液相成分として前記液透過体を通して下方に滴下させ回収することを特徴とするマグネシウム−リチウム系合金の回収方法。
  3. マグネシウム−リチウム系合金がイットリウムを含有する請求項1又は2に記載のマグネシウム−リチウム系合金の回収方法。
  4. マグネシウム−リチウム−第3金属成分系合金廃材の回収方法において、前記廃材を加熱してマグネシウム、リチウム及び前記第3成分の一部を液相成分として回収した後、当該廃材を減圧下に維持して残りの合金成分中の高蒸気圧成分を蒸発させて回収することを特徴とするマグネシウム−リチウム系合金の回収方法。
  5. マグネシウム−リチウム系合金廃材の回収において、前記廃材を回収装置内に収容して加熱し合金成分の一部を液相成分として回収した後、当該廃材を前記装置内で減圧下に維持して残りの合金成分の少なくとも一部を蒸発させて回収し、加熱回収及び減圧回収を同一装置で行うことを特徴とするマグネシウム−リチウム系合金の回収方法。
  6. マグネシウムと少なくとも1種のマグネシウムより蒸気圧の低い金属を含んで成る合金廃材の回収において、前記廃材を加熱して前記マグネシウムより低蒸気圧の金属を液相成分として回収した後、当該廃材を減圧下に維持して残りの合金成分の少なくとも一部を蒸発させて回収することを特徴とするマグネシウム系合金の回収方法。
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