JP2020050714A - オルガノポリシロキサン、シリコーン樹脂組成物及び光半導体装置 - Google Patents

オルガノポリシロキサン、シリコーン樹脂組成物及び光半導体装置 Download PDF

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吉仁 武井
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Abstract

【課題】密着性に優れるシリコーン樹脂組成物を実現し得るオルガノポリシロキサン、シリコーン樹脂組成物及び光半導体装置の提供。【解決手段】平均単位式(I):(R13SiO1/2)a(R22SiO2/2)b(R32SiO2/2)c(R4SiO3/2)d(R5SiO3/2)e(SiO4/2)f(XO1/2)gで表されるオルガノポリシロキサン。式(I)中、R1、R2及びR4はそれぞれ独立に置換又は非置換の一価炭化水素基であり、2つのR3がそれぞれ独立に式(1)で表される基である又は2つのR3のうちの一方が式(1)で表される基であり、残りが置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、R5は式(1)で表される基であり、Xは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であり、a〜gの合計が1以下であり、a〜gはそれぞれ独立に0又は正数であり、c及びeのうち少なくとも一方が正数であり、式(1)中nは4〜18であり*はケイ素原子との結合位置を表す。【選択図】なし

Description

本発明はオルガノポリシロキサン、シリコーン樹脂組成物及び光半導体装置に関する。
光半導体装置(LED)は、長寿命、低消費電力、耐衝撃性、高速応答性、軽薄短小化の実現などの特徴を有する。このため、液晶ディスプレイ、携帯電話、情報端末などのバックライト、車載照明、屋内外広告、屋内外照明など多方面への光半導体装置の展開が飛躍的に進んでいる。
光半導体装置は、光半導体素子に例えばシリコーン樹脂組成物を塗布し、これを硬化させることにより、光半導体素子を封止して製造される。
光半導体装置の製造に使用でき、接着促進剤又は密着付与剤としてエポキシ基等を有するオルガノポリシロキサンを含有する組成物として、例えば、特許文献1、2が提案されている。
特許文献1には、有機樹脂等の基材に対する初期接着性および接着耐久性が優れ、高屈折率で、光透過性の高い硬化物を形成する硬化性オルガノポリシロキサン組成物等の提供を目的として、平均式:R1 aSiO(4-a)/2(式中、R1は、炭素原子数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、およびエポキシ基含有有機基からなる群より選択される基であり、但し、一分子中、上記アルケニル基の含有量は全R1の少なくとも5モル%であり、上記アリール基の含有量は全R1の少なくとも5モル%であり、上記アルコキシ基の含有量は全R1の少なくとも5モル%であり、上記エポキシ基含有有機基の含有量は全R1の少なくとも5モル%であり、aは1.0≦a<4.0を満たす数である。)で表される接着促進剤、及び、上記接着促進剤等を含有する硬化性オルガノポリシロキサン組成物が記載されている。
特許文献1では、3−グリシドキシプロピル基を有するオルガノポリシロキサンが接着促進剤として製造されている(実施例1〜3)。
特許文献2には、硬化性樹脂組成物に用いた場合に優れた密着性を示す密着付与剤、及び、上記密着付与剤を含有する硬化性樹脂組成物を提供することを目的として、下記平均単位式(1)で表されるオルガノポリシロキサンである密着付与剤、及び、上記密着付与剤等を含有する硬化性樹脂組成物が記載されている。
(R1112SiO2/2a(R2SiO3/2b(R3SiO3/2c(R41/2d…(1)
(平均単位式(1)中、R11及びR12はそれぞれ独立に炭素数6〜20のアリール基又は炭素数1〜20のアルキル基、R2はアルケニル基、R3はエポキシ基含有基又はオキセタニル基含有基、R4は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。a、b、c及びdは、いずれも正数であり、0.80≦a+b+c+d≦1.00、c/(a+b+c)>0.01、d/(a+b+c)>0.02、及び、d/(2a+b+c+d)<0.05の関係式を満たす。)
特許文献2では、3−グリシドキシプロピル基を有するオルガノポリシロキサンが密着付与剤として製造されている(実施例〔密着付与剤の合成〕)。
また、光半導体装置の製造に使用でき、主剤として、エポキシ基等の密着性基を有してもよいオルガノポリシロキサンを含有する組成物として、例えば、特許文献3が提案されている。
特許文献3には、耐湿性に優れた硬化物を形成することのできる、シリコーン系樹脂を含有する硬化性組成物、および上記硬化物を有する光半導体装置を提供することを目的として、下記式(1)で示される少なくとも2つのアルケニル基を有するポリシロキサン(A)と、

(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に、アルキル基、アルケニル基、アリール基または密着性基を示す。ただし、同一のケイ素原子に結合する2つのR2のうち、一方のR2がアリール基である場合には、他方のR2はアリール基ではない。また、すべてのR1、R2およびR3のうちの少なくとも2つはアルケニル基である。RAr1はアリール基を示す。Xは水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を示す。a、c、eおよびfはそれぞれ独立に0以上の整数を示す。bおよびdはそれぞれ独立に1以上の整数を示す。)
式(2)で示されるポリシロキサン(B)と、
ヒドロシリル化反応用触媒(C)とを含有する硬化性組成物が記載されている。なお、本明細書において上記式(2)を省略する。
特許文献3では、3−グリシドキシプロピル基を有するオルガノポリシロキサンが製造されている(実施例[合成例1])。
特開2007−327019号公報 特開2017−200962号公報 特開2013−139547号公報
一方、LEDに使用されるパッケージの材料は、従来、ポリフタルアミド(PPA)が主流であった。
しかし、近年、LED1チップあたりの輝度が高くなることによって、上記パッケージにもより高い耐熱性及び/又は耐光性が求められている。
このため、ポリフタルアミドに代わり、PCT(PolyCyclohexylene−dimethylene Terephthalate)やEMC(Epoxy Molding Compound)を材料とするパッケージが採用されている。
このようななか、本発明者らは特許文献1〜3を参考にしてシリコーン樹脂組成物を調製し、これをEMC等を材料とするパッケージに収容された半導体素子に対して使用し、上記半導体素子を上記組成物の硬化物(封止剤)で封止したLED(半導体装置)を評価したところ、上記組成物は、上記パッケージに対して密着性が低い場合があることが明らかとなった(比較例2−2、3)。
そこで、本発明は、密着性に優れるオルガノポリシロキサンを提供することを目的とする。
また、本発明は、シリコーン樹脂組成物、光半導体装置を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、オルガノポリシロキサンがエポキシ基含有基を有し、上記エポキシ基含有基が所定の構造を有することによって、所望の効果が得られることを見出し、本発明に至った。
本発明は上記知見等に基づくものであり、具体的には以下の構成により上記課題を解決するものである。
[1] 下記平均単位式(I)で表されるオルガノポリシロキサン。
(R1 3SiO1/2)a(R2 2SiO2/2)b(R3 2SiO2/2)c(R4SiO3/2)d(R5SiO3/2)e(SiO4/2)f(XO1/2)g (I)
(式(I)中、R1、R2及びR4は、それぞれ独立に、置換又は非置換の一価炭化水素基であり、
(R3 2SiO2/2)において、2つのR3がそれぞれ独立に下記式(1)で表される基である、又は、2つのR3のうちの一方が下記式(1)で表される基であり、かつ、残りのR3が置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、
5は、下記式(1)で表される基であり、
Xは、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であり、
a+b+c+d+e+f+gが1以下であり、a〜gはそれぞれ独立に0又は正数である。ただし、c及びeのうち少なくとも一方が正数である。)
(式(1)中、nは4〜18であり、*はケイ素原子との結合位置を表す。)
[2] 上記式(1)において、nが、6〜8である、[1]に記載のオルガノポリシロキサン。
[3] 上記平均単位式(I)中、eが正数であり、R5において、上記式(1)が有するnが、8である、[1]又は[2]に記載のオルガノポリシロキサン。
[4] 上記平均単位式(I)中、cが正数であり、(R3 2SiO2/2)において、2つのR3のうちの少なくともいずれかが、上記式(1)で表される基であり、上記式(1)が有するnが8である、[1]〜[3]のいずれかに記載のオルガノポリシロキサン。
[5] 上記平均単位式(I)において、R1、R2、残りのR3及びR4のうちの少なくともいずれかが、アリール基であり、
上記アリール基の含有量が、ケイ素原子に結合する全有機基の含有量に対して、5モル%以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載のオルガノポリシロキサン。
[6] 上記平均単位式(I)において、R1、R2、残りのR3及びR4のうちの少なくともいずれかが、アルケニル基である、[1]〜[5]のいずれかに記載のオルガノポリシロキサン。
[7] [1]〜[6]のいずれかに記載のオルガノポリシロキサン、
ヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサン、及び、
硬化触媒を含有し、
上記[1]〜[6]のいずれかに記載のオルガノポリシロキサンが、アルケニル基を有する、シリコーン樹脂組成物。
[8] アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
ヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサン、
[1]〜[6]のいずれかに記載のオルガノポリシロキサン、及び、
硬化触媒を含有する、シリコーン樹脂組成物。
[9] 光半導体素子が、[7]又は[8]に記載のシリコーン樹脂組成物によって封止されている、光半導体装置。
本発明のオルガノポリシロキサンによれば、密着性に優れる硬化物となり得るシリコーン樹脂組成物が得られる。
本発明のシリコーン樹脂組成物によれば、密着性に優れる硬化物が得られる。
本発明の光半導体装置は、封止性に優れる。
本発明について以下詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、特に断りのない限り、各成分はその成分に該当する物質をそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。成分が2種以上の物質を含む場合、成分の含有量は、2種以上の物質の合計の含有量を意味する。
本発明において「ポリシロキサン」は、シロキサン単位(Si−O)が2個以上連続して結合した分子骨格を有するシロキサンを意味する。
また、「オルガノポリシロキサン」は、上記ポリシロキサンを形成するケイ素原子に有機基が結合するシロキサンを意味する。
平均単位式(I)において示されるa〜gは、オルガノポリシロキサンを構成する全シロキサン単位を1モルとした場合の各シロキサン単位のモル数を表す。なお、本発明において、式(I)における(XO1/2)をシロキサン単位の1種とする。また、平均単位式(I)で表されるポリシロキサンは上記シロキサン単位以外のシロキサン単位を更に有していても良い。
本明細書において、平均単位式(I)を単に式(I)と称する場合がある。
本明細書において、式(1)で表される基を「特定エポキシ基含有基」と称する場合がある。
[オルガノポリシロキサン]
本発明のオルガノポリシロキサン(本発明の化合物)は、下記平均単位式(I)で表されるオルガノポリシロキサンである。
(R1 3SiO1/2)a(R2 2SiO2/2)b(R3 2SiO2/2)c(R4SiO3/2)d(R5SiO3/2)e(SiO4/2)f(XO1/2)g (I)
(式(I)中、R1、R2及びR4は、それぞれ独立に、置換又は非置換の一価炭化水素基であり、
(R3 2SiO2/2)において、2つのR3が、それぞれ独立に、下記式(1)で表される基である、又は、2つのR3のうちの一方が下記式(1)で表される基であり、かつ、残りのR3が置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、
5は、下記式(1)で表される基であり、
Xは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であり、
a+b+c+d+e+f+gが1以下であり、a〜gはそれぞれ独立に0又は正数である。ただし、c及びeのうち少なくとも一方が正数である。)
(式(1)中、nは4〜18であり、*はケイ素原子との結合位置を表す。)
なお、式(I)において、R1は単一であっても異なってもよい。R2〜R5、Xも同様である。
本発明の化合物はこのような構成をとるため、所望の効果が得られるものと考えられる。その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
本発明の化合物は上記特定エポキシ基含有基において炭素数4〜18の炭化水素基を有する。
本発明の化合物を含有するシリコーン樹脂組成物を硬化させた場合、上記炭化水素基の炭素数が4〜18と大きいことによって、上記特定エポキシ基含有基におけるエポキシ基が、得られた硬化物の表面に偏在しやすくなり、このため、上記硬化物と基材(例えばLEDのパッケージ)との密着性が優れると本発明者らは推測する。
<<R1、R2、R4>>
式(I)において、R1、R2及びR4は、それぞれ独立に、置換又は非置換の一価炭化水素基である。
<置換又は非置換の一価炭化水素基>
置換または非置換の一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜20のアルキル基;
アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基などの炭素数6〜18のアリール基);
アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基などの炭素数2〜18のアルケニル基);
ベンジル基、フェネチル基などの炭素数7〜18のアラルキル基;
3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基などの炭素数1〜18のハロゲン化アルキル基が挙げられる。
なお、本発明において、一価炭化水素基は特に断りのない限り、置換を有してもよいものとする。
上記アルキル基は、密着性により優れるという観点から、メチル基、エチル基、プロピル基が好ましい。
上記アリール基は、耐熱性及び/又は耐光性に優れるという観点から、フェニル基が好ましい。上記アリール基は、無置換であることが好ましい。
上記アルケニル基は、耐熱性及び/又は耐光性に優れるという観点から、ビニル基が好ましい。上記アルケニル基は、無置換であることが好ましい。
(置換基)
上記一価炭化水素基が有してもよい置換基としては、例えば、エポキシ基、グリシドキシ基が挙げられる。
置換基を有する一価炭化水素基(上記一価は上記基全体として一価であることを意味する。以下同様。)としては、例えば、エポキシ基又はグリシドキシ基と炭素数1〜3のアルキレン基とを有する一価炭化水素基が挙げられる。具体的には例えば、グリシドキシプロピル基が挙げられる。
本発明の化合物は、上記置換または非置換の一価炭化水素基として、例えば、非置換の一価炭化水素基のみを有する場合、非置換の一価炭化水素基及び置換基を有する一価炭化水素基の両方を有する場合が挙げられる。
式(I)において、R1は、密着性により優れるという観点から、アルキル基、アリール基及びアルケニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。R2及びR4も同様である。
なお、本発明において、R1は、式(1)で表される基(特定エポキシ基含有基)を含まないものとすることができる。
2又はR4は、式(1)で表される基(特定エポキシ基含有基)を含まない。
<<R5:特定エポキシ基含有基>>
式(I)において、R5は、下記式(1)で表される基(特定エポキシ基含有基)である。
式(1)中、nは4〜18であり、*はケイ素原子との結合位置を表す。
なお、式(1)における−(CH2n−は、直鎖状のアルキレン基を表す。
また、式(1)において、グリシドキシ基は、−(CH2n−の末端に結合する。
式(1)において、*はケイ素原子との結合位置を示す。上記ケイ素原子は、本発明の化合物を構成するケイ素原子である(以下同様)。
<炭素数4〜18の炭化水素基>
本発明において、式(1)中のnは4〜18である。nが上記範囲であることによって、本発明の化合物は密着性に優れる。
上記nは、密着性により優れるという観点から、6〜8が好ましく、8がより好ましい。
式(1)中の−(CH2n−としては、例えば、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基、n−ノニレン基、n−デシレン基が挙げられる。
上記−(CH2n−は、密着性により優れるという観点から、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基が好ましく、n−オクチレン基がより好ましい。
−(CH2n−としてn−オクチレン基を有する場合のエポキシ基含有基は、下記式(2)で表される基となる。
式(2)において、*はケイ素原子との結合位置を示す。
<<R3>>
式(I)中、(R3 2SiO2/2)において、(同一のケイ素原子に結合する)2つのR3が、それぞれ独立に、下記式(1)で表される基である、又は、
(同一のケイ素原子に結合する)2つのR3のうちの一方が下記式(1)で表される基であり、かつ、残りのR3が置換若しくは非置換の一価炭化水素基である。
3としての式(1)で表される基は、上記R5としての式(1)で表される基と同様である。
残りのR3としての置換若しくは非置換の一価炭化水素基は、上記R1、R2又はR4としての上記置換若しくは非置換の一価炭化水素基と同様である。
上記平均単位式(I)中、cが正数であり、(R3 2SiO2/2)において、2つのR3がそれぞれ独立に式(1)で表される基である場合、式(1)が有するnは、密着性により優れるという観点から、それぞれ独立に6〜8が好ましく、8であることがより好ましい。
上記2つのR3のうちの一方が式(1)で表される基であり、かつ、残りのR3が置換若しくは非置換の一価炭化水素基である場合のnも同様である。
上記をまとめると、上記平均単位式(I)中、(R3 2SiO2/2)において、(同一のケイ素原子に結合する)2つのR3のうちの少なくともいずれかが、上記式(1)で表される基である場合、密着性により優れるという観点から、式(1)が有するnは、それぞれ独立に、6〜8が好ましく、8であることがより好ましい。
・アリール基
上記平均単位式(I)において、密着性により優れるという観点から、R1、R2、残りのR3及びR4のうちの少なくともいずれかがアリール基であることが好ましく、R1、R2及びR4のうちの少なくともいずれかがアリール基であることがより好ましく、R2及びR4のうちの少なくともいずれかがアリール基であることが更に好ましい。
・アルケニル基
上記平均単位式(I)において、密着性により優れるという観点から、R1、R2、残りのR3及びR4のうちの少なくともいずれかがアルケニル基であることが好ましく、R1、R2及びR4のうちの少なくともいずれかがアルケニル基であることがより好ましい。
同一のシロキサン単位において、複数のR1のうちの1つがアルケニル基であることが好ましい態様の1つとして挙げられる。R2についても同様である。
<<X>>
式(I)において、Xは水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。
上記炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
Xは、水素原子、メチル基及びエチル基からなる少なくとも1種であることが好ましい態様の1つとして挙げられる。
<<a+b+c+d+e+f+g>>
式(I)において、a+b+c+d+e+f+gは、1以下である。
なお、a+b+c+d+e+f+gは、0よりも大きい。
a+b+c+d+e+f+gが1であることが好ましい態様の1つとして挙げられる。
a+b+c+d+e+fは、0.8以上であることが好ましい。
<<a〜g>>
式(I)において、a〜gはそれぞれ独立に0又は正数である。c及びeのうち少なくとも一方が正数である。
aは、0又は1未満とできる。
bは、0又は1未満とできる。
dは、0又は1未満とできる。
fは、0又は1未満とできる。
gは、0〜0.5とできる。
本発明において、c、eは上述のとおりそれぞれ独立に0又は正数である。ただし、c及びeのうち少なくとも一方が正数である。また、cが正数である場合、1未満とできる。eも同様である。
・e
本発明の化合物は、密着性により優れるという観点から、eが0より大きいことが好ましく、0より大きく0.9以下がより好ましく、0.01〜0.7が更に好ましい。
本発明の化合物が後述する添加剤として使用される場合、eは、密着性により優れるという観点から、0.05〜0.7が好ましく、0.3〜0.6がより好ましい。
・c
cは0とできる。また、cは、密着性により優れるという観点から、0より大きいことが好ましく、0より大きく0.9以下がより好ましく、0.01〜0.7が更に好ましい。
・組合せ1,2
本発明の化合物は、耐熱性、耐光性又は硬化性に優れるという観点から、R1又はR2がアルケニル基を含み(a>0又はb>0)、
2又はR4がアリール基を含み(b>0又はd>0)、
5を有する(e>0)組合せ1、
2がアリール基を含み(b>0)、
2又はR4がアルケニル基を含み(R4がアルケニル基を含む場合、d>0)、
5を有する(e>0)組合せ2が挙げられる。
上記いずれの組み合わせであっても、cは0とできる。
上記組合せ2において、a又はfは0であってもよい。
・式(1)で表される基の含有量
本発明の化合物が有する式(1)で表される基の含有量は、密着性により優れるという観点から、本発明の化合物が有するケイ素原子に結合する全有機基の含有量に対して、0.3〜50モル%であることが好ましい。
本発明の化合物を、後述する、シリコーン樹脂組成物の主剤として使用する場合又は本発明の第1の態様の組成物に使用する場合、式(1)で表される基の含有量は、本発明の化合物が有するケイ素原子に結合する全有機基の含有量に対して、0.3〜10モル%が好ましく、0.3モル%以上1モル%未満がより好ましく、0.5〜0.8モル%が更に好ましい。
本発明の化合物を、後述する、添加剤として使用する場合又は本発明の第2の態様の組成物に使用する場合、式(1)で表される基の含有量は、本発明の化合物が有するケイ素原子に結合する全有機基の含有量に対して、0.8モル%を超える量とでき、1〜50モル%が好ましく、10〜40モル%がより好ましく、20〜40モル%がさらに好ましい。
・アリール基の含有量
本発明の化合物がアリール基を有する場合(式(I)においてR1、R2、上記残りのR3及びR4のうちの少なくともいずれかが、アリール基である場合)、上記アリール基の含有量は、得られる硬化物の屈折率が高く、相溶性に優れるという観点から、本発明の化合物が有するケイ素原子に結合する全有機基の含有量に対して、5モル%以上であることが好ましく、20〜50モル%がより好ましい。
なお、「式(I)においてR1、R2、上記残りのR3及びR4のうちの少なくともいずれか」とは、「式(I)における、3つのR1、2つのR2、1つのR3及びR4のうちの少なくともいずれか」を意味する(以下同様)。
・アルケニル基の含有量
本発明の化合物がアルケニル基を有する場合(式(I)においてR1、R2、上記残りのR3及びR4のうちの少なくともいずれかが、アルケニル基である場合)、上記アルケニル基の含有量は、密着性により優れ、硬化性に優れるという観点から、本発明の化合物が有するケイ素原子に結合する全有機基の含有量に対して、5モル%以上であることが好ましく、10〜50モル%がより好ましい。
(重量平均分子量)
本発明の化合物の重量平均分子量は、密着性により優れ、相溶性に優れるという観点から、500〜10,000であることが好ましく、1,000〜5,000であることがより好ましく、1,000〜1,900が更に好ましく、1,000〜1,800が特に好ましい。
なお、本発明において、重量平均分子量とは、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量であるものとする。
(製造方法)
本発明の化合物の製造方法としては、例えば、上記式(1)で表される基を有する原料シラン(モノマー)以外の原料シラン(モノマー)を予め反応(例えば加水分解縮合。以下同様)させた後、ここに、上記式(1)で表される基を有する原料シラン(モノマー)を加え、これらを反応させることによって、平均単位式(I)で表されるオルガノポリシロキサンを製造する方法;
上記式(1)で表される基を有する原料シランを含む全ての原料シラン(モノマー)を反応系内に一括して加えて、これらを反応させることによって、平均単位式(I)で表されるオルガノポリシロキサンを製造する方法が挙げられる。
上記各方法において、必要に応じて、水、触媒等を使用することができる。
上記各方法において、反応温度、反応時間を適宜調整することができる。
上記各方法において使用できる原料シランは、特に制限されない。例えば従来公知の原料シランが挙げられる。
(用途)
本発明の化合物は、例えば、ヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサンと反応可能なポリシロキサン、又は、加水分解縮合が可能なポリシロキサンとして使用することができる。
シリコーン樹脂組成物に本発明の化合物を使用する際、本発明の化合物がアルケニル基を有する場合、本発明の化合物は上記シリコーン樹脂組成物においてヒドロシリル化反応することが可能となる。
シリコーン樹脂組成物に本発明の化合物を使用する際、本発明の化合物におけるgが0より大きい場合、本発明の化合物は上記シリコーン樹脂組成物において縮合反応することが可能となる。
・機能的用途
また、本発明の化合物は、例えば、シリコーン樹脂組成物の主剤;密着付与剤のような添加剤(具体的例えば、シリコーン樹脂組成物に含有されうる、密着付与剤のような添加剤)として使用することができる。
[シリコーン樹脂組成物(第1の態様)]
本発明のシリコーン樹脂組成物(本発明の第1の態様の組成物)は、
本発明のオルガノポリシロキサン、
ヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサン、及び、
硬化触媒を含有し、
上記本発明のオルガノポリシロキサンが、アルケニル基を有する、シリコーン樹脂組成物である。
なお、本明細書において、本発明の第1の態様の組成物に含有される、アルケニル基を有する本発明のオルガノポリシロキサンを、「オルガノポリシロキサンA」と称する場合がある。
また、本明細書において、本発明の第1又は第2の態様の組成物に含有されるヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサンを「オルガノポリシロキサンB」と称する場合がある。
<オルガノポリシロキサンA>
本発明の第1の態様の組成物に含有されるオルガノポリシロキサンAは、本発明のオルガノポリシロキサン(本発明の化合物)であり、アルケニル基を有するものであれば特に制限されない。
上記オルガノポリシロキサンAについて、本発明のオルガノポリシロキサン(本発明の化合物)であり、アルケニル基を有するものとは、本発明のオルガノポリシロキサンを表す平均単位式(I)において、R1、R2、残りのR3及びR4のうちの少なくともいずれかが、アルケニル基を含むことを意味する。
オルガノポリシロキサンAは、オルガノポリシロキサンBと、ヒドロシリル化反応して、硬化物の主体となることができる。
本発明の第1の態様の組成物において、オルガノポリシロキサンAは、組成物の主成分であってもよい。
上記オルガノポリシロキサンAは、1分子中、アルケニル基を複数(2個以上)有することが好ましい。
上記オルガノポリシロキサンAは、密着性により優れるという観点から、上記組合せ1の化合物が好ましい。
上記オルガノポリシロキサンAは、ヒドロシリル基を有さないことが好ましい。
上記オルガノポリシロキサンAの含有量は、上記オルガノポリシロキサンAが本発明の第1の態様の組成物における主剤となりうるという観点から、本発明の第1の態様の組成物全量に対して、40質量%以上であることが好ましい。
(アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンA′)
第1の態様の組成物は、アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン(オルガノポリシロキサンA′)を、更に、含有することができる。
上記オルガノポリシロキサンA′は、1分子中に、少なくとも1個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンであれば特に制限されない。
なお、上記オルガノポリシロキサンA′は、上記オルガノポリシロキサンA(本発明のオルガノポリシロキサンであり、アルケニル基を有するもの)を含まない。
上記オルガノポリシロキサンA′が有するアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基などの炭素数2〜18のアルケニル基が挙げられ、ビニル基(以下、「Vi」で示すことがある)であるのが好ましい。
・アルケニル基の数
上記オルガノポリシロキサンA′は、1分子中に、上記アルケニル基を、複数(2個以上)有することができる。
・重量平均分子量
オルガノポリシロキサンA′の重量平均分子量(Mw)は、1,000〜300,000であるのが好ましく、1,000〜100,000であるのがより好ましい。重量平均分子量の測定方法は上記と同様である。
オルガノポリシロキサンA′は、更に、アリール基を有ることが好ましい。
上記アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基などの炭素数6〜18のアリール基が挙げられ、フェニル基であるのが好ましい。
上記アリール基の含有量は、オルガノポリシロキサンA′が有するケイ素原子結合全有機基の少なくとも30モル%であることが好ましく、少なくとも40モル%であることがより好ましい。
オルガノポリシロキサンA′中、ケイ素原子に結合し得るその他の基としては、例えば、アルケニル基およびアリール基を除く、置換または非置換の一価炭化水素基が挙げられる。
具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜18のアルキル基;
ベンジル基、フェネチル基などの炭素数7〜18のアラルキル基;
3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基などの炭素数1〜18のハロゲン化アルキル基;等が挙げられ、その他少量の基として、ケイ素原子結合水酸基やケイ素原子結合アルコキシ基を有してもよい。上記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
上記オルガノポリシロキサンA′としては、例えば、少なくとも2個のアルケニル基および少なくとも1個のアリール基を有する、分岐鎖状又は直鎖状のオルガノポリシロキサンが挙げられる。上記分岐鎖状のオルガノポリシロキサンを「分岐鎖状オルガノポリシロキサンa−1」と称し、上記直鎖状のオルガノポリシロキサンを「直鎖状オルガノポリシロキサンa−2」と称する場合がある。
・分岐鎖状オルガノポリシロキサンa−1
オルガノポリシロキサンA′は、1分子中に、少なくとも2個のアルケニル基および少なくとも1個のアリール基を有する分岐鎖状オルガノポリシロキサンa−1を含むのが好ましい。
上記分岐鎖状オルガノポリシロキサンa−1は、下記平均単位式(4)で表されるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。ここで、平均単位式は、オルガノポリシロキサンを構成する全シロキサン単位を1モルとした場合の各シロキサン単位のモル数を表したものである。
(R3SiO3/2a(R3 2SiO2/2b(R3 3SiO1/2c(SiO4/2d(X11/2e (4)
式(4)中、各R3は独立に、置換または非置換の一価炭化水素基である。上記一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜18のアルキル基;
ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基などの炭素数2〜18のアルケニル基;
フェニル基、トリル基、キシリル基などの炭素数6〜18のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基などの炭素数7〜18のアラルキル基;
3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基などの炭素数1〜18のハロゲン化アルキル基;等が挙げられる。
1分子中、R3の少なくとも1個はアリール基であることが好ましい。アリール基の含有量は、平均単位式(4)で表されるオルガノポリシロキサンが有するケイ素原子に結合する全有機基に対して、少なくとも30モル%であるのが好ましく、少なくとも40モル%であるのがより好ましい。
式(4)中、X1は水素原子またはアルキル基である。このアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜18のアルキル基が挙げられ、メチル基であるのが好ましい。
式(4)中、aは正数であり、bは0または正数であり、cは0または正数であり、dは0または正数であり、eは0または正数である。
b/aは0〜10の範囲内の数であることが好ましい。
c/aは0〜5の範囲内の数であることが好ましい。
d/(a+b+c+d)は0〜0.3の範囲内の数であることが好ましい。
e/(a+b+c+d)は0〜0.4の範囲内の数であることが好ましい。
(直鎖状オルガノポリシロキサンa−2)
少なくとも2個のアルケニル基および少なくとも1個のアリール基を有する、直鎖状のオルガノポリシロキサン(直鎖状オルガノポリシロキサンa−2)としては、例えば、ビニル基を有する直鎖状フェニルメチルオルガノポリシロキサンのような、ビニル基を有する直鎖状アリールアルキルオルガノポリシロキサンが挙げられる。
上記直鎖状オルガノポリシロキサンa−2としては、両末端にアルケニル基を有することが好ましい。
上記オルガノポリシロキサンA′の製造方法は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
第1の態様の組成物が更に上記オルガノポリシロキサンA′を含有する場合、上記オルガノポリシロキサンA′に対する上記オルガノポリシロキサンAの質量比(オルガノポリシロキサンA/オルガノポリシロキサンA′)は、1より大きく、5以下が好ましい。
<ヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサン>
本発明の第1の態様の組成物に含有される、ヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサン(オルガノポリシロキサンB)は、1分子中に、少なくとも1個の、ケイ素原子に結合した水素原子(Si−H。これを以下「ケイ素原子結合水素原子」とも称する。)を有するオルガノポリシロキサンであれば特に制限されない。
(Si−Hの数)
上記オルガノポリシロキサンBは、1分子中に、上記Si−Hを、複数(2個以上)有することが好ましい。
上記オルガノポリシロキサンBは、アルケニル基のような、ヒドロシリル基と反応し得る基を有さないことが好ましい。
・アリール基
オルガノポリシロキサンBは、得られる硬化物の光の屈折、反射、散乱等による減衰が小さいことから、更に、少なくとも1個のアリール基を有することが好ましい。
上記アリール基の含有量は、上記オルガノポリシロキサンBが有するケイ素原子に結合する全有機基の少なくとも30モル%であるのが好ましく、少なくとも40モル%であるのがより好ましい。
上記アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基などの炭素数6〜18のアリール基が挙げられ、フェニル基であるのが好ましい。
オルガノポリシロキサンBにおいて、ケイ素原子に結合しうる、水素原子又はアリール基以外の基としては、例えば、脂肪族不飽和基を有さない置換または非置換の一価炭化水素基が挙げられる。
具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数1〜18のアルキル基;
ベンジル基、フェネチル基などの炭素数7〜18のアラルキル基;
3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基などの炭素数1〜18のハロゲン化アルキル基;等が挙げられる。
(重量平均分子量)
オルガノポリシロキサンBの重量平均分子量(Mw)は、硬化物に靱性が生じやすいという理由から、300〜1,000,000が好ましく、1,000〜150,000がより好ましい。重量平均分子量の測定方法は、上記と同様である。
なお、オルガノポリシロキサンが低分子化合物である場合(例えば、1,1,5,5−TETRAMETHYL−3,3−DIPHENYLTRISILOXANEなど)、その分子量は、必ずしも重量平均分子量でなく、一般的な低分子化合物の分子量と同様の測定によって測定された分子量であってもよい。
(粘度)
オルガノポリシロキサンBの25℃における粘度は、20〜1,000,000mPa・sが好ましく、200〜100,000mPa・sがより好ましい。
本発明において、粘度とは、JIS K7117−1の4.1(ブルックフィールド形回転粘度計)に準拠し、25℃において測定されたものとする。
オルガノポリシロキサンBとしては、例えば、1分子中に、少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子および少なくとも1個のアリール基を有する、直鎖状又は分岐鎖状のオルガノポリシロキサンが挙げられる。
(直鎖状オルガノポリシロキサンb−1)
オルガノポリシロキサンBは、1分子中に、少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子および少なくとも1個のアリール基を有する直鎖状オルガノポリシロキサンb−1であるのが好ましい。
直鎖状オルガノポリシロキサンb−1の重合度は、2以上(直鎖状オルガノポリシロキサンb−1が有する−Si−O−による繰り返し単位が2以上連続して結合する。)であればよく、15以上であるのが好ましく、30超であるのがより好ましく、30超1,000以下であるのがさらに好ましく、30超500以下であるのが特に好ましい。
(分岐鎖状オルガノポリシロキサンb−2)
オルガノポリシロキサンBとしては、上記直鎖状オルガノポリシロキサンb−1のほかに、例えば、少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子および少なくとも1個のアリール基を有する分岐鎖状オルガノポリシロキサンb−2が挙げられる。
分岐鎖状オルガノポリシロキサンb−2としては、例えば、フェニルトリス(ジメチルシロキシ)シランのような、アリールトリス(ジアルキルシロキシ)シランが挙げられる。
オルガノポリシロキサンBの製造方法は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
(オルガノポリシロキサンBの含有量)
オルガノポリシロキサンBのケイ素原子結合水素原子と、オルガノポリシロキサンAのアルケニル基(本発明の第1の態様の組成物が更に上記オルガノポリシロキサンA′を含有する場合は、オルガノポリシロキサンAのアルケニル基とオルガノポリシロキサンA′のアルケニル基の合計)とのモル比(以下、便宜的に「Si−H/Si−Viモル比」ともいう)は、0.05〜5.0であるのが好ましく、0.1〜2.0であるのがより好ましく、0.5〜1.5であるのがさらに好ましい。
<硬化触媒>
本発明の第1の態様の組成物に含有される硬化触媒としては、例えば、ヒドロシリル化反応用触媒が挙げられる。
ヒドロシリル化反応用触媒としては、従来公知のものを用いることができ、例えば、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒等の金属触媒が挙げられ、白金系触媒であることが好ましい。
白金系触媒の具体例としては、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸−オレフィン錯体、塩化白金酸−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、塩化白金酸−アルコール配位化合物、白金のジケトン錯体、白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記硬化触媒(例えばヒドロシリル化反応用触媒)の含有量については、上記硬化触媒に含まれる金属(例えば、白金原子)の質量が、組成物の硬化性が優れるという理由から、本発明の第1の態様の組成物全体の質量に対して、0.1〜100ppmであるのが好ましく、1〜10ppmであるのがより好ましい。
[シリコーン樹脂組成物(第2の態様)]
本発明のシリコーン樹脂組成物(本発明の第2の態様の組成物)は、
アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
ヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサン、
本発明のオルガノポリシロキサン、及び、
硬化触媒を含有する、シリコーン樹脂組成物である。
なお、本明細書において、本発明の第2の態様の組成物に含有される、アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンを「オルガノポリシロキサンA′」と称し、ヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサンを「オルガノポリシロキサンB」と称し、本発明のオルガノポリシロキサンを「オルガノポリシロキサンC」と称する場合がある。
なお、本発明の第2の態様の組成物において、上記オルガノポリシロキサンA′は、本発明の化合物であって、アルケニル基を有するものを含まない。
オルガノポリシロキサンA′又はオルガノポリシロキサンCは、ヒドロシリル基を有さないことが好ましい態様として挙げられる。
<アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン>
第2の態様の組成物に含有される、アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン(オルガノポリシロキサンA′)は、1分子中に、少なくとも1個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンであれば特に制限されない。
本発明の第2の態様における上記アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンA′は、本発明の第1の態様の組成物に含有されうるオルガノポリシロキサンA′と同様とできる。
上記オルガノポリシロキサンA′としては、例えば、少なくとも2個のアルケニル基および少なくとも1個のアリール基を有する、分岐鎖状又は直鎖状のオルガノポリシロキサン(分岐鎖状オルガノポリシロキサンa−1、直鎖状オルガノポリシロキサンa−2)が挙げられる。
本発明の第2の態様の組成物に含有される上記オルガノポリシロキサンA′の製造方法は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
<ヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサン>
本発明の第2の態様の組成物に含有される、ヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサン(オルガノポリシロキサンB)は、本発明の第1の態様の組成物に含有されるオルガノポリシロキサンBと同様である。
上記オルガノポリシロキサンBは、上記オルガノポリシロキサンA′が有するアルケニル基(又は、後述するオルガノポリシロキサンCがアルケニル基を有する場合、両者のアルケニル基)に対して付加反応(ヒドロシリル化反応)し得る。
このとき、オルガノポリシロキサンBが少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有する場合、オルガノポリシロキサンA′同士を架橋する架橋剤として機能し得る。
オルガノポリシロキサンCがアルケニル基を有する場合、オルガノポリシロキサンA′及びCを架橋し得る。
(オルガノポリシロキサンBの含有量)
オルガノポリシロキサンBのケイ素原子結合水素原子と、オルガノポリシロキサンA′のアルケニル基(又は、後述するオルガノポリシロキサンCがアルケニル基を有する場合、両者のアルケニル基の合計量)とのモル比(以下、便宜的に「Si−H/Si−Viモル比」ともいう)は、耐熱性及び/又は接着性に優れるという観点から、0.05〜5.0であるのが好ましく、0.1〜2.0であるのがより好ましく、0.5〜1.5であるのがさらに好ましい。
<オルガノポリシロキサンC>
本発明の第2の態様の組成物に含有されるオルガノポリシロキサンCは、本発明のオルガノポリシロキサンであれば特に制限されない。
上記オルガノポリシロキサンCは、アルケニル基を有することが好ましい。
上記オルガノポリシロキサンCがアルケニル基を有する場合、本発明のオルガノポリシロキサンを表す平均単位式(I)において、R1、R2、残りのR3及びR4のうちの少なくともいずれかが、アルケニル基を含むことを意味する。
本発明の第2の態様の組成物において、オルガノポリシロキサンCは、例えば密着付与剤として機能できる。
上記オルガノポリシロキサンCは、1分子中、アルケニル基を複数(2個以上)有することが好ましい。
上記オルガノポリシロキサンCは、密着性により優れるという観点から、上記組合せ2の化合物が好ましい。
上記オルガノポリシロキサンCは、ヒドロシリル基を有さないことが好ましい。
上記オルガノポリシロキサンCの含有量は、上記オルガノポリシロキサンCが本発明の第2の態様の組成物において例えば密着付与剤として機能できるという観点から、本発明の第2の態様の組成物全量に対して、50質量%未満(又は40質量%未満)とすることができ、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
<硬化触媒>
本発明の第2の態様の組成物に含有される硬化触媒は、本発明の第1の態様の組成物に含有される硬化触媒と同様である。
上記硬化触媒がヒドロシリル化反応用触媒である場合、ヒドロシリル化反応用触媒は、上記オルガノポリシロキサンA′が有するアルケニル基又はオルガノポリシロキサンCが有しうるアルケニル基と上記オルガノポリシロキサンBが有するヒドロシリル基との付加反応(ヒドロシリル化反応)を促進する触媒として機能することができる。
上記硬化触媒(例えばヒドロシリル化反応用触媒)の含有量については、上記硬化触媒に含まれる金属(例えば、白金原子)の質量が、組成物の硬化性が優れるという理由から、本発明の第2の態様の組成物全体の質量に対して、0.1〜100ppmであるのが好ましく、1〜10ppmであるのがより好ましい。
以下、上記本発明の第1及び第2の態様の組成物をまとめて、「本発明の組成物」と称する。
(添加剤)
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、例えば、紫外線吸収剤、充填剤(例えばシリカ)、老化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、分散剤、酸化防止剤、消泡剤、艶消し剤、光安定剤、染料、顔料、エチニルシクロヘキサノールのような硬化遅延剤等を、添加剤として更に含有することができる。
(シリコーン樹脂組成物の製造方法)
本発明の組成物の製造方法は、特に限定されない。例えば、上述した必須成分および任意成分を混合することによって、本発明の組成物を製造する方法が挙げられる。
また、本発明の組成物を硬化して硬化物を得る方法も特に限定されない。例えば、本発明の組成物を、80〜200℃の条件下で加熱する方法が挙げられる。
(用途)
本発明の組成物は、例えば、ディスプレイ材料、光記録媒体材料、光学機器材料、光部品材料、光ファイバー材料、光・電子機能有機材料、又は、半導体集積回路周辺材料等の分野において、例えば、接着剤、プライマー、封止材等として使用できる。
[光半導体装置]
本発明の光半導体装置(本発明の装置)は、
光半導体素子が、本発明のシリコーン樹脂組成物によって封止されている、光半導体装置である。
<シリコーン樹脂組成物>
本発明の装置に使用されるシリコーン樹脂組成物は、本発明の組成物であれば特に制限されない。
<光半導体素子>
本発明の組成物を適用できる光半導体素子は特に制限されず、例えば、発光ダイオード(LED)、有機電界発光素子(有機EL)、レーザーダイオード、LEDアレイ等が挙げられる。
上記光半導体素子は、パッケージに収容されていることが好ましい態様の1つとして挙げられる。
(パッケージ)
上記光半導体素子を有する収容するパッケージは等に制限されない。例えば、ポリフタルアミド、PCT(PolyCyclohexylene−dimethylene Terephthalate)、EMC(Epoxy Molding Compound)のような材料のパッケージが挙げられる。
(製造方法)
本発明の装置の製造方法としては、例えば、上記光半導体素子を収容したパッケージ内に本発明の組成物を付与(充填)し、本発明の組成物が付与されたパッケージを加熱して本発明の組成物を硬化させ、上記光半導体素子を本発明の組成物の硬化物で封止する(より具体的には上記硬化物はパッケージ表面と密着して、光半導体素子を封止する)方法が挙げられる。
本発明の組成物をパッケージ内に付与する方法は特に制限されず、例えば、ディスペンサーを使用する方法、ポッティング法、スクリーン印刷、トランスファー成形、インジェクション成形等が挙げられる。
本発明の組成物を硬化する方法は特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。本発明の組成物を硬化させる際の温度は、例えば、80〜200℃とできる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし本発明はこれらに限定されない。
<平均単位式(I)で表されるオルガノポリシロキサンの製造>
各実施例において使用された各原料(モノマー)及びその配合量を下記第1−1表に示した。
また、第1−1表の「合成法」欄において、「合成法1」は、エポキシ基を有する原料(モノマー)以外の原料(モノマー)を予め反応させた後、ここに、エポキシ基を有する原料(モノマー)を加え、これらを反応させることによって、平均単位式(I)で表されるオルガノポリシロキサン等を製造する方法である。なお、後述する比較例1−1では、エポキシ基を有する原料(モノマー)を使用しない以外は、上記合成法1とほぼ同様の手順で反応を行った。
「合成法2」は、全ての原料(モノマー)を反応系内に一括して加えて、これらを反応させることによって、平均単位式(I)で表されるオルガノポリシロキサン等を製造する方法である。
次に、各実施例の詳細を示す。なお、各実施例において、下記のとおり製造された各オルガノポリシロキサンを表す平均組成式において、「Me」はメチル基を、「Vi」はビニル基を、「Ph」はフェニル基を、「EpPr」は3−グリシドキシプロピル基を、「EpOc」は8−グリシドキシオクチル基を表すものとする。
[実施例1−1]
温度計、スターラー、還流冷却管を備えた500mlのフラスコに、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン18.6g(0.10mol)、フェニルトリメトキシシラン156.6g(0.79mol)、トリフルオロメタンスルホン酸0.20gを仕込み、滴下ロートにて蒸留水39.6g(2.2mol)を滴下した後、これらを70℃の条件下で1晩反応させた。
その後、反応液にトルエンを加え、分液し有機層を取り出した。上記有機層に10質量%KOHメタノール溶液を2.0g、8−グリシドキシオクチルトリメトキシシラン(KBM−4803、信越化学工業社製。以下同様)を3.1g(0.01mol)を加え、これらを50℃の条件下で6時間反応させた。反応後、反応液にケイ酸アルミニウム(KW700、協和化学社製)を上記反応液が中性になるまで添加した。中和した後、ろ過し、下記式(I−1)で表されるオルガノポリシロキサンA−1を得た。なお、オルガノポリシロキサンA−1は、本発明のオルガノポリシロキサンに該当する。
(ViMe2SiO1/2)0.19(PhSiO3/2)0.78(EpOcSiO3/2)0.01(XO1/2)0.02 (I−1)
上記式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。
オルガノポリシロキサンA−1において、フェニル基の含有量は、ケイ素原子に結合する全有機基の含有量に対して、56.4モル%である。
オルガノポリシロキサンA−1において、8−グリシドキシオクチル基の含有量は、ケイ素原子に結合する全有機基の含有量に対して、0.91モル%である。
オルガノポリシロキサンA−1の重量平均分子量は、2,000である。
[実施例1−2]
温度計、スターラー、還流冷却管を備えた500mlのフラスコに、ヘキサメチルジシロキサン16.2g(0.10mol)、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン18.6g(0.10mol)、フェニルトリメトキシシラン134.8g(0.68mol)、トリフルオロメタンスルホン酸0.20gを仕込み、滴下ロートにて蒸留水39.6g(2.2mol)を滴下した後、これらを70℃の条件下で1晩反応させた。
その後、反応液にトルエンを加え、分液し有機層を取り出した。上記有機層に10質量%KOHメタノール溶液を2.0g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2.4g(0.01mol)、8−グリシドキシオクチルトリメトキシシランを3.1g(0.01mol)を加え、これらを50℃の条件下で6時間反応させた。反応後、反応液にケイ酸アルミニウム(KW700、協和化学社製)を上記反応液が中性になるまで添加した。中和した後、ろ過し、下記式(I−2)で表されるオルガノポリシロキサンA−2を得た。なお、オルガノポリシロキサンA−2は、本発明のオルガノポリシロキサンに該当する。
(Me3SiO1/20.17(ViMe2SiO1/2)0.17(PhSiO3/2)0.61(EpPrSiO3/20.01(EpOcSiO3/2)0.01(XO1/2)0.03 (I−2)
上記式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。
オルガノポリシロキサンA−2において、フェニル基の含有量は、ケイ素原子に結合する全有機基の含有量に対して、35.7モル%である。
オルガノポリシロキサンA−2において、8−グリシドキシオクチル基の含有量は、ケイ素原子に結合する全有機基の含有量に対して、0.5モル%である。
オルガノポリシロキサンA−2において、3−グリシドキシプロピル基の含有量は、ケイ素原子に結合する全有機基の含有量に対して、0.5モル%である。
オルガノポリシロキサンA−2の重量平均分子量は、1800である。
[実施例1−3]
温度計、スターラー、還流冷却管を備えた500mlのフラスコに、ジメチルジメトキシシラン24.0g(0.20mol)、ジフェニルジメトキシシラン48.9g(0.20mol)、ビニルメチルジメトキシシラン25.1g(0.19mol)、フェニルトリメトキシシラン59.5g(0.30mol)、8−グリシドキシオクチルトリメトキシシラン3.1g(0.01mol)、テトラエトキシシラン20.8g(0.10mol)を加え、蒸留水39.6g(2.2mol)、水酸化ナトリウム0.6gの混合液を滴下し、これらを50℃の条件下で6時間撹拌して反応させた。反応後、反応液にトルエンを101.1g加え、分液し有機層を取り出した。上記有機層にケイ酸アルミニウム(KW700、協和化学社製)を上記反応液が中性になるまで添加した。中和した後、ろ過し、下記式(I−3)で表されるオルガノポリシロキサンA−3を得た。なお、オルガノポリシロキサンA−3は、本発明のオルガノポリシロキサンに該当する。
(Me2SiO2/20.19(Ph2SiO2/20.19(ViMeSiO2/20.19(PhSiO3/2)0.29(EpOcSiO3/2)0.01(SiO4/20.10(XO1/2)0.03 (I−3)
上記式中、Xは水素原子、メチル基又はエチル基を表す。
オルガノポリシロキサンA−3において、フェニル基の含有量は、Si原子に結合する全有機基の含有量に対して、45.6モル%である。
オルガノポリシロキサンA−3において、8−グリシドキシオクチル基の含有量は、Si原子に結合する全有機基の含有量に対して、0.7モル%である。
オルガノポリシロキサンA−3の重量平均分子量は、1800である。
[実施例1−4]
温度計、スターラー、還流冷却管を備えた500mlのフラスコに、ジフェニルシランジオール75.7g(0.35mol)、ビニルメチルジメトキシシラン19.8g(0.15mol)、8−グリシドキシオクチルトリメトキシシラン153.2g(0.50mol)を加え、蒸留水39.6g(2.2mol)、水酸化ナトリウム0.6gの混合液を滴下し、これらを50℃の条件下で6時間撹拌して反応させた。反応後、反応液にトルエンを101.1g加え、分液し有機層を取り出した。上記有機層にケイ酸アルミニウム(KW700、協和化学社製)を上記反応液が中性になるまで添加した。中和した後、ろ過し、下記式(I−4)で表されるオルガノポリシロキサンC−1を得た。なお、オルガノポリシロキサンC−1は、本発明のオルガノポリシロキサンに該当する。
(Ph2SiO2/20.34(ViMeSiO2/20.15(EpOcSiO3/2)0.49(XO1/2)0.02 (I−4)
上記式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。
オルガノポリシロキサンC−1において、フェニル基の含有量は、ケイ素原子に結合する全有機基の含有量に対して、46.7モル%である。
オルガノポリシロキサンC−1において、8−グリシドキシオクチル基の含有量は、ケイ素原子に結合する全有機基の含有量に対して、33モル%である。
オルガノポリシロキサンC−1の重量平均分子量は、1500である。
[実施例1−5]
温度計、スターラー、還流冷却管を備えた500mlのフラスコに、ジフェニルシランジオール75.7g(0.35mol)、ビニルメチルジメトキシシラン19.8g(0.15mol)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン59.1g(0.25mol)、8−グリシドキシオクチルトリメトキシシラン76.6g(0.25mol)を加え、蒸留水39.6g(2.2mol)、水酸化ナトリウム0.6gの混合液を滴下し、これらを50℃の条件下で6時間撹拌して反応させた。反応後、反応液にトルエンを101.1g加え、分液し有機層を取り出した。上記有機層にケイ酸アルミニウム(KW700、協和化学社製)を上記反応液が中性になるまで添加した。中和した後、ろ過し、下記式(I−5)で表されるオルガノポリシロキサンC−2を得た。なお、オルガノポリシロキサンC−2は、本発明のオルガノポリシロキサンに該当する。
(Ph2SiO2/20.34(ViMeSiO2/20.15(EpPrSiO3/2)0.24(EpOcSiO3/2)0.24(XO1/2)0.03 (I−5)
上記式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。
オルガノポリシロキサンC−2において、フェニル基の含有量は、ケイ素原子に結合する全有機基の含有量に対して、46.7モル%である。
オルガノポリシロキサンC−2において、8−グリシドキシオクチル基の含有量は、ケイ素原子に結合する全有機基の含有量に対して、16.7モル%である。
オルガノポリシロキサンC−2において、3−グリシドキシプロピル基の含有量は、ケイ素原子に結合する全有機基の含有量に対して、16.7モル%である。
オルガノポリシロキサンC−2の重量平均分子量は、1900である。
[実施例1−6]
温度計、スターラー、還流冷却管を備えた500mlのフラスコに、ジメチルジメトキシシラン36.1g(0.30mol)、フェニルメチルジメトキシシラン54.7g(0.30mol)、メチルトリメトキシシラン13.6g(0.10mol)、ビニルトリメトキシシラン14.8g(0.10mol)、8−グリシドキシオクチルトリメトキシシラン61.3g(0.20mol)を加え、蒸留水39.6g(2.2mol)、水酸化ナトリウム0.6gの混合液を滴下し、これらを50℃の条件下で6時間撹拌して反応させた。反応後、反応液にトルエンを101.1g加え、分液し有機層を取り出した。上記有機層にケイ酸アルミニウム(KW700、協和化学社製)を上記反応液が中性になるまで添加した。中和した後、ろ過し、下記式(I−6)で表されるオルガノポリシロキサンC−3を得た。なお、オルガノポリシロキサンC−3は、本発明のオルガノポリシロキサンに該当する。
(Me2SiO2/20.30(MePhSiO2/20.30(MeSiO3/20.09(ViSiO3/20.10(EpOcSiO3/2)0.19(XO1/2)0.02 (I−6)
上記式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。
オルガノポリシロキサンC−3において、フェニル基の含有量は、ケイ素原子に結合する全有機基の含有量に対して、18.8モル%である。
オルガノポリシロキサンC−3において、8−グリシドキシオクチル基の含有量は、ケイ素原子に結合する全有機基の含有量に対して、12.5モル%である。
オルガノポリシロキサンC−3の重量平均分子量は、1500である。
[実施例1−7]
温度計、スターラー、還流冷却管を備えた500mlのフラスコに、ジメチルジメトキシシラン36.1g(0.30mol)、フェニルメチルジメトキシシラン54.7g(0.30mol)、メチルトリメトキシシラン13.6g(0.10mol)、ビニルトリメトキシシラン14.8g(0.10mol)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン35.5g(0.15mol)、8−グリシドキシオクチルトリメトキシシラン15.3g(0.05mol)を加え、蒸留水39.6g(2.2mol)、水酸化ナトリウム0.6gの混合液を滴下し、これらを50℃の条件下で6時間撹拌して反応させた。反応後、反応液にトルエンを101.1g加え、分液し有機層を取り出した。上記有機層にケイ酸アルミニウム(KW700、協和化学社製)を上記反応液が中性になるまで添加した。中和した後、ろ過し、下記式(I−7)で表されるオルガノポリシロキサンC−4を得た。なお、オルガノポリシロキサンC−4は、本発明のオルガノポリシロキサンに該当する。
(Me2SiO2/20.30(MePhSiO2/20.30(MeSiO3/20.09(ViSiO3/20.09(EpPrSiO3/2)0.14(EpOcSiO3/2)0.05(XO1/20.03 (I−7)
上記式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。
オルガノポリシロキサンC−4において、フェニル基の含有量は、ケイ素原子に結合する全有機基の含有量に対して、18.8モル%である。
オルガノポリシロキサンC−4において、8−グリシドキシオクチル基の含有量は、ケイ素原子に結合する全有機基の含有量に対して、3.1モル%である。
オルガノポリシロキサンC−4において、3−グリシドキシプロピル基の含有量は、ケイ素原子に結合する全有機基の含有量に対して、9.4モル%である。
オルガノポリシロキサンC−4の重量平均分子量は、2000である。
[比較例1−1]
温度計、スターラー、還流冷却管を備えた500mlのフラスコに、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン18.6g(0.10mol)、フェニルトリメトキシシラン158.6g(0.80mol)、トリフルオロメタンスルホン酸0.20gを仕込み、滴下ロートにて蒸留水39.6g(2.2mol)を滴下した後、これらを70℃の条件下で1晩反応させた。
その後、反応液にトルエンを加え、分液し有機層を取り出した。上記有機層を入れた容器にディーンスタークを取り付け、上記有機層に10質量%KOH水溶液を2.0gを加えて、これらを110℃の条件下で共沸させ水の生成がなくなるまで反応させた。反応後、反応液にケイ酸アルミニウム(KW700、協和化学社製)を上記反応液が中性になるまで添加した。中和した後、ろ過し、下記式(I−8)で表される(比較)オルガノポリシロキサンA−4を得た。なお、(比較)オルガノポリシロキサンA−4は、分岐鎖状であり、エポキシ基を有さない。
(ViMe2SiO1/2)0.20(PhSiO3/2)0.80(XO1/2)0.00 (I−8)
上記式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。
[比較例1−2]
温度計、スターラー、還流冷却管を備えた500mlのフラスコに、ジメチルジメトキシシラン37.3g(0.31mol)、フェニルメチルジメトキシシラン56.5g(0.31mol)、メチルトリメトキシシラン15.0g(0.11mol)、ビニルトリメトキシシラン21.8g(0.11mol)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン37.8g(0.16mol)を加え、蒸留水39.6g(2.2mol)、水酸化ナトリウム0.6gの混合液を滴下し、これらを50℃の条件下で6時間撹拌して反応させた。反応後、反応液にトルエンを101.1g加え、分液し有機層を取り出した。上記有機層にケイ酸アルミニウム(KW700、協和化学社製)を上記反応液が中性になるまで添加した。中和した後、ろ過し、下記式(I−8)で表される(比較)オルガノポリシロキサンC−5を得た。なお、(比較)オルガノポリシロキサンC−5は、所定のエポキシ基含有基を有さない。
(Me2SiO2/20.30(MePhSiO2/20.30(MeSiO3/20.11(ViSiO3/20.11(EpPrSiO3/2)0.15(XO1/2)0.03 (I−8)
上記式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。
[比較例1−3]
温度計、スターラー、還流冷却管を備えた500mlのフラスコに、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン18.6g(0.10mol)、フェニルトリメトキシシラン156.6g(0.79mol)、トリフルオロメタンスルホン酸0.20gを仕込み、滴下ロートにて蒸留水39.6g(2.2mol)を滴下した後、これらを70℃の条件下で1晩反応させた。
その後、反応液にトルエンを加え、分液し有機層を取り出した。上記有機層に10質量%KOHメタノール溶液を2.0g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを2.4g(0.01mol)を加え、これらを50℃の条件下で6時間反応させた。反応後、反応液にケイ酸アルミニウム(KW700、協和化学社製)を上記反応液が中性になるまで添加した。中和した後、ろ過し、下記式(I−9)で表される(比較)オルガノポリシロキサンA−7を得た。なお、(比較)オルガノポリシロキサンA−7は、所定のエポキシ基含有基を有さない。
(ViMe2SiO1/2)0.20(PhSiO3/2)0.77(EpPrSiO3/2)0.01(XO1/2)0.02 (I−9)
上記式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。
上記のとおり製造された各オルガノポリシロキサンの詳細を以下の表にまとめた。
<組成物の製造>
下記第2表の各成分を同表に示す組成(質量部)で用いて、これらを撹拌機で混合し、組成物を製造した。第3表についても第2表と同様にして組成物を製造した。
なお、第2表で使用された各オルガノポリシロキサンの量は、上記各オルガノポリシロキサンの正味の量(固形分量)である。第3表も同様である。
実施例2−1〜7は、上記第1の態様の組成物に相当する(第2表)。
実施例2−8〜11は、上記第2の態様の組成物に相当する(第3表)。
<評価>
密着性について以下の評価を行った。結果を第2表、第3表に示す。
(サンプルの調製)
まず、半導体素子を準備した。上記半導体素子は、材料がEMC(Epoxy Molding Compoundであるパッケージ内に収容されている。
次に、上記のとおり製造された各組成物を、上記パッケージ内に充填し、各組成物が充填されたパッケージを100℃の条件下で1時間加熱し、その後更に150℃の条件下で2時間加熱して各組成物を硬化させて各サンプル(LED)を調製した。なお、上記各サンプル(組成物を硬化させた後のLED)において、上記組成物が硬化した部分を封止剤と称する場合がある。各組成物についてサンプルを10個ずつ作製した。
(ヒートショック試験)
上記のとおり調製した各サンプルに対して、ヒートショック試験機(ES−105LH 日立社製)を使用し、「−40℃の条件下で30分間」及び「+125℃の条件下で30分間」で1サイクルとする加熱および冷却試験を100サイクル繰り返す、ヒートショック試験を行った。
上記ヒートショック試験後の各サンプルにつき10個全ての状態を顕微鏡で観察した。
個々のサンプルについて、組成物の硬化物(封止剤)がパッケージから剥がれなかったのを合格品と評価した。
一方、組成物の硬化物(封止剤)がパッケージから剥がれたものを不合格品と評価した。
・評価基準
上記観察の結果、各サンプル10個中、合格品の数が10個であった場合、パッケージに対する、封止剤の密着性に非常に優れると評価し、これを「A」と表示した。
合格品の数が8又は9個であった場合、密着性にやや優れると評価し、これを「B」と表示した。
合格品の数が7個であった場合、密着性にやや劣るが使用上問題がないと評価し、これを「C」と表示した。
10サンプル中、合格品が6個以下であった場合、密着性が悪いと評価し、これを「D」と表示した。
第2表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
(アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンA)
・A−1〜3:上記のとおり製造したオルガノポリシロキサンA−1〜3。アルケニル基を有する。
なお、上記A−1〜3は、上記第1の態様の組成物に含有されるオルガノポリシロキサンA(本発明の化合物)に相当する。
(アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンA′)
・A−4:上記のとおり製造したオルガノポリシロキサンA−4。アルケニル基を有する。エポキシ基を有さない。分岐鎖状である。
・A−5:低粘度レジン。平均組成式(PhSiO3/20.60(ViMe2SiO1/20.40で表される分岐鎖状オルガノポリシロキサン。エポキシ基を有さない。
・A−6:商品名PMV−9925、Gelest社製。両末端にビニル基を有する直鎖状フェニルメチルオルガノポリシロキサン。エポキシ基を有さない。
(グリシドキシプロピル基を有するオルガノポリシロキサン)
・(比較)A−7:上記のとおり製造したオルガノポリシロキサンA−7。特定エポキシ基含有基を有さず、代わりに、グリシドキシプロピル基を有する。
(オルガノポリシロキサンB:ヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサン)
・B−1:商品名PF−8801、Powerchemical社製。下記構造。以下同様。
・B−2:商品名DiPhSiH−2、横浜ゴム社製。Si−Hを2個有するジフェニルポリシロキサン。H−Me2SiO−(Ph2SiO)2~4−SiMe2−H
・B−3:商品名フェニルトリス(ジメチルシロキシ)シラン、Gelest社製。Si−Hを3個有する。
・B−4:商品名MethylPhenylsiloxane polymer、横浜ゴム社製。両末端SiH直鎖フェニルメチルポリシロキサン
なお、上記B−1〜4は、上記第1の態様の組成物に含有されるオルガノポリシロキサンBに相当する。
(硬化触媒)
・D−1:白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(商品名:3%Pt−VTS−VTS、エヌ・イーケムキャット社製)
(硬化遅延剤)
・E−1:エチニルシクロヘキサノール(東京化成工業社製)
第3表に示した各成分の詳細は以下のとおりである。
(アルケニル基を有するオルガノポリシロキサンA′)
・A−4:上記のとおり製造したオルガノポリシロキサンA−4。アルケニル基を有する。エポキシ基を有さない。分岐鎖状である。
・A−6:商品名PMV−9925、Gelest社製。両末端にビニル基を有する直鎖状フェニルメチルオルガノポリシロキサン。エポキシ基を有さない。
(オルガノポリシロキサンB:ヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサン)
・B−1:商品名PF−8801、Powerchemical社製。
なお、上記B−1は、上記第2の態様の組成物に含有されるオルガノポリシロキサンBに相当する。
(オルガノポリシロキサンC:本発明の化合物。)
・C−1〜4:上記のとおり製造したオルガノポリシロキサンC−1〜4。
なお、上記C−1〜4は、上記第2の態様の組成物に含有されるオルガノポリシロキサンCに相当する。C−1〜4はいずれもアルケニル基を有する。
(グリシドキシプロピル基を有するオルガノポリシロキサン)
・(比較)C−5:上記のとおり製造した(比較)オルガノポリシロキサンC−5。所定のエポキシ基含有基を有さず、代わりに、グリシドキシプロピル基を有する。
(硬化触媒)
・D−1:白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体(商品名:3%Pt−VTS−VTS、エヌ・イーケムキャット社製)
(硬化遅延剤)
・E−1:エチニルシクロヘキサノール(東京化成工業社製)
第2表、第3表に示す結果から明らかなように、所定のオルガノポリシロキサンを含有しない比較例2−1は、密着性が悪かった。
所定のオルガノポリシロキサンを含有せず、代わりに、グリシドキシプロピル基を有するオルガノポリシロキサンを含有する比較例2−2、2−3は、密着性が悪かった。
これに対して、本発明の組成物は密着性に優れた。

Claims (9)

  1. 下記平均単位式(I)で表されるオルガノポリシロキサン。
    (R1 3SiO1/2)a(R2 2SiO2/2)b(R3 2SiO2/2)c(R4SiO3/2)d(R5SiO3/2)e(SiO4/2)f(XO1/2)g (I)
    (式(I)中、R1、R2及びR4は、それぞれ独立に、置換又は非置換の一価炭化水素基であり、
    (R3 2SiO2/2)において、2つのR3がそれぞれ独立に下記式(1)で表される基である、又は、2つのR3のうちの一方が下記式(1)で表される基であり、かつ、残りのR3が置換若しくは非置換の一価炭化水素基であり、
    5は、下記式(1)で表される基であり、
    Xは、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であり、
    a+b+c+d+e+f+gが1以下であり、a〜gはそれぞれ独立に0又は正数である。ただし、c及びeのうち少なくとも一方が正数である。)
    (式(1)中、nは4〜18であり、*はケイ素原子との結合位置を表す。)
  2. 前記式(1)において、nが、6〜8である、請求項1に記載のオルガノポリシロキサン。
  3. 前記平均単位式(I)中、eが正数であり、R5において、前記式(1)が有するnが、8である、請求項1又は2に記載のオルガノポリシロキサン。
  4. 前記平均単位式(I)中、cが正数であり、(R3 2SiO2/2)において、2つのR3のうちの少なくともいずれかが、前記式(1)で表される基であり、前記式(1)が有するnが8である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサン。
  5. 前記平均単位式(I)において、R1、R2、残りのR3及びR4のうちの少なくともいずれかが、アリール基であり、
    前記アリール基の含有量が、ケイ素原子に結合する全有機基の含有量に対して、5モル%以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサン。
  6. 前記平均単位式(I)において、R1、R2、残りのR3及びR4のうちの少なくともいずれかが、アルケニル基である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサン。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサン、
    ヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサン、及び、
    硬化触媒を含有し、
    前記請求項1〜6のいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサンが、アルケニル基を有する、シリコーン樹脂組成物。
  8. アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、
    ヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサン、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサン、及び、
    硬化触媒を含有する、シリコーン樹脂組成物。
  9. 光半導体素子が、請求項7又は8に記載のシリコーン樹脂組成物によって封止されている、光半導体装置。
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