JP2020041088A - 樹脂化合物付着アルミニウム顔料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、従来の技術にあっては、仕上がり塗膜に外部からの衝撃などが加わると、塗膜表面に偏在する艶消し剤である粒子(例えば、シリカやウレタン樹脂粒子)が削り取られてしまい、その結果、削り取られた艶消し剤部分の光沢が上昇するといった問題がある。
また、上述のような塗料の分野に限らず、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等の高級印刷に使用されるインキの分野においても、意匠性の点でより優れたメタリック調艶消しの実現、特に簡易な方法での実現が要望されているという現状もある。
また、艶消し剤を一切使用しなくても、良好な仕上がりメタリック調艶消し意匠性、及び優れた耐アルカリ性を有する印刷物の作製を可能にし、且つ、水性型のインキ組成物(いわゆる、「インキ」)に使用しても、高い耐水性を示すことが可能な、樹脂化合物付着アルミニウム顔料を提供することを目的とする。そして、艶消し剤を一切使用しない分、簡易に上記効果を有する印刷物を作製することが可能なインキを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は以下の通りである。
フレーク状アルミニウム粉末と、
前記フレーク状アルミニウム粉末の表面に付着している樹脂化合物と、
を含む樹脂化合物付着アルミニウム顔料であって、
前記樹脂化合物が、分子内に一個以上の二重結合を有するラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーの重合体であり、
前記樹脂化合物付着アルミニウム顔料の単位質量あたりの前記樹脂化合物質量の比が少なくとも0.375である、
前記樹脂化合物付着アルミニウム顔料。
〔2〕
前記樹脂化合物付着アルミニウム顔料の最表面に付着している、半径0.2μmの円サイズから突出する部分を有する前記樹脂化合物が、前記樹脂化合物付着アルミニウム顔料の最表面積48μm2あたり、少なくとも9点存在する、前記〔1〕に記載の樹脂化合物付着アルミニウム顔料。
〔3〕
艶消し剤不含有の塗料組成物であって、前記〔1〕又は〔2〕に記載の樹脂化合物付着アルミニウム顔料を含む、前記塗料組成物。
〔4〕
塗料組成物の固形分100部に対する前記樹脂化合物付着アルミニウム顔料の固形分質量割合が5%以上20%以下である、前記〔3〕に記載の塗料組成物。
〔5〕
アート紙に塗布して得られる塗膜の光沢が、入射角と受光角とがそれぞれ60度のときの60度鏡面反射率として30未満を示す、前記〔4〕に記載の塗料組成物。
〔6〕
黒顔料をさらに含む、前記〔3〕乃至〔5〕のいずれかに記載の塗料組成物。
〔7〕
アクリル樹脂板に塗布して得られる塗板の耐アルカリ性が、5Nの水酸化ナトリウム溶液に55℃で4時間浸漬させた時の、浸漬部と未浸漬部との色差ΔEによって表される耐アルカリ性評価方法にしたがって、ΔEが1.0未満の耐アルカリ性を示す、前記〔6〕に記載の塗料組成物。
〔8〕
艶消し剤不含有の水性塗料組成物であって、40℃で72時間保温したときのガス発生量が3ml以下である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の樹脂化合物付着アルミニウム顔料を含む、前記水性塗料組成物。
〔9〕
前記〔3〕乃至〔8〕のいずれかに記載の塗料組成物を含有する塗膜。
〔10〕
艶消し剤不含有のインキ組成物であって、前記〔1〕又は〔2〕に記載の樹脂化合物付着アルミニウム顔料を含む、前記インキ組成物。
〔11〕
前記〔10〕に記載のインキ組成物を含有する印刷物。
〔12〕
有機溶剤中に、フレーク状アルミニウム粉末と、分子内に一個以上の二重結合を有するラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーの重合体の樹脂組成物とを添加することによって得られる分散液であって、前記アルミニウム粉末の濃度が0.1重量%以上40質量%以下で、前記樹脂組成物の濃度が0.06重量%以上27質量%以下である、前記分散液を準備し、次いで、
前記分散液に対して、前記アルミニウム粉末への前記樹脂組成物の付着処理中に、振動的外的作用を付加することを含む、
前記〔1〕又は〔2〕に記載の樹脂化合物付着アルミニウム顔料を製造する方法。
また、本発明によれば、艶消し剤を一切使用しなくても、良好な仕上がりメタリック調艶消し意匠性、及び優れた耐アルカリ性を有する印刷物の作製を可能にし、且つ、水性型のインキに使用しても、高い耐水性を示すことが可能な、樹脂化合物付着アルミニウム顔料が得られる。
そのため、当該樹脂化合物付着アルミニウム顔料をインキ組成物成分として使用すれば、シリカやウレタン樹脂粒子などに代表される従来の艶消し剤を添加剤として一切加えることなく、良好な仕上がりメタリック調艶消し意匠性、及び優れた耐アルカリ性を有する印刷物を作成することが可能で、しかも、高い耐水性を示す水性型のインキを提供することができる。艶消し剤を一切使用しない分、簡易に上記効果を有する印刷物を作製することができる。
本実施形態の樹脂化合物付着アルミニウム顔料は、フレーク状アルミニウム粉末と、前記フレーク状アルミニウム粉末の表面に付着している樹脂化合物と、を含む樹脂化合物付着アルミニウム顔料であって、前記樹脂化合物が、分子内に一個以上の二重結合を有するラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーの重合体であり、前記樹脂化合物付着アルミニウム顔料の単位質量あたりの前記樹脂化合物質量の比(A(g/g))が少なくとも0.375である。
本実施形態の樹脂化合物付着アルミニウム顔料は、さらに、前記樹脂化合物付着アルミニウム顔料の最表面に付着している、半径0.2μmの円サイズから突出する部分を有する前記樹脂化合物が、前記樹脂化合物付着アルミニウム顔料の最表面積48μm2あたり、少なくとも9点存在するものが好ましい。
ここで、フレーク状アルミニウム粉末に付着した樹脂化合物は、単にフレーク状アルミニウム粉末と樹脂化合物が混ざっていることのみを意味するのではなく、「フレーク状アルミニウム粉末」と「樹脂化合物」との間に相互作用が有る状態のことを意味する。
相互作用としては、例えば、化学結合、水素結合、イオン結合、ファンデルワールス力等が挙げられる。
なお、「フレーク状アルミニウム粉末」については、後述の「(フレーク状アルミニウム粉末)」という項目で詳述する。
樹脂化合物付着アルミニウム顔料における、アルミニウム顔料に対する樹脂化合物の付着の有無や量については、例えば、以下の方法により確認できる。
樹脂化合物付着アルミニウム顔料を有機溶剤に分散し、濾過することで、アルミニウム顔料に付着していない樹脂化合物を除去し、その後、溶剤分を揮発させることにより、アルミニウム顔料に樹脂化合物が付着している状態の粒子(即ち、本実施形態の樹脂化合物付着アルミニウム顔料)が得られる(B1)。
次に(B1)を電気炉で処理し、アルミニウム顔料に付着している樹脂化合物を除去し、アルミニウム顔料のみの状態にする(B2)。
前記(B1)と前記(B2)の質量差を算出することにより、樹脂付着の有無及び量が確認できる。
電気炉等で、アルミニウム顔料に付着している樹脂化合物を除去する際の条件は、樹脂の分子量や架橋密度によって適宜選択するが、例えば、窒素雰囲気中の350℃温度条件下で3時間の処理を行う方法が挙げられる。
ここで、当該樹脂化合物付着アルミニウム顔料中の付着樹脂化合物は、通常、不定形であり、その大きさを特定することが難しい。そこで、樹脂化合物付着アルミニウム顔料の一次粒子の最表面のSEM像から、最表面積48μm2あたりに点在する付着樹脂化合物を特定し、特定した各付着樹脂化合物の中心部に半径0.2μmの円サイズを充て、その円サイズから突出(即ち、はみ出す)部分が1箇所でも存在すれば、半径0.2μmの円サイズから突出する部分を有する付着樹脂化合物に該当する。そのため、付着樹脂化合物の全ての部分(即ち、付着樹脂化合物全体)が半径0.2μmの円サイズを超えていなければならないということではない。この点について、図1のSEM像を用いて説明すると、以下のとおりである。図1のSEM像に写っている付着樹脂化合物のうち、円周囲が黒のラインの半径0.2μmの円が充てられているものが、半径0.2μmの円サイズから突出する部分を有する付着樹脂化合物に該当する。このSEM像からもわかるように、円周囲が黒のラインの半径0.2μmの円が充てられている付着樹脂化合物の中には、その一部分が半径0.2μmの円サイズ内にあるものも存在し、全ての部分が半径0.2μmの円サイズを超えているわけではない。しかし、円周囲が黒のラインの半径0.2μmの円が充てられている付着樹脂化合物はいずれも、半径0.2μmの円サイズから突出する部分が少なくとも1箇所は存在するので、半径0.2μmの円サイズから突出する部分を有する付着樹脂化合物に該当する。一方で、そのような突出する部分が1箇所も無ければ、即ち、付着樹脂化合物の中心部に半径0.2μmの円サイズを充て、その円サイズ内に全部分が収まる場合には、半径0.2μmの円サイズから突出する部分を有する付着樹脂化合物には該当しない。
本実施形態の樹脂化合物付着アルミニウム顔料においては、樹脂化合物付着アルミニウム顔料の最表面積48μm2あたり、当該樹脂化合物付着アルミニウム顔料の最表面に付着している、半径0.2μmの円サイズから突出する部分を有する当該樹脂化合物は、少なくとも9点存在(点在)することが好ましく、15点以上存在することがより好ましい。他方、樹脂化合物付着アルミニウム顔料の最表面積48μm2あたり、当該樹脂化合物付着アルミニウム顔料の最表面に付着している、半径0.2μmの円サイズから突出する部分を有する当該樹脂化合物は、メタリック調艶消し意匠性の観点から、87点以下とするのが好ましく、66点以下とするのがより好ましい。
つまり、本実施形態の樹脂化合物付着アルミニウム顔料を含む、艶消し剤不含有の塗料組成物としては、アート紙に塗布して得られる塗膜の光沢が、入射角と受光角とがそれぞれ60度のときの60度鏡面反射率として30未満を示すものが好ましい。
上記塗料組成物は、本実施形態の樹脂化合物付着アルミニウム顔料と黒顔料とを調合することにより調製できる。また、上記色差ΔEは、測色計により測定することができる。具体的には、後述する方法(即ち、実施例の<4.耐アルカリ性>という項目を参照)により測定することができる。
本実施形態の樹脂化合物付着アルミニウム顔料に用いる「フレーク状アルミニウム粉末」としては、表面光沢性、白度、光輝性等メタリック用顔料に要求される表面性状、粒径、形状を有するものが適している。
形状としては、粒状、板状、塊状、鱗片状等の種々の形状がありうるが、塗膜に優れたメタリック感、輝度を与えるためには、鱗片状であることが好ましい。
フレーク状アルミニウム粉末は、0.001μm以上1μm以下の範囲の厚さを有し、1μm以上100μm以下の範囲の長さと幅を有するものが好ましい。
フレーク状アルミニウム粉末のアスペクト比は、10以上20000以下の範囲にあることが好ましい。
ここで、アスペクト比とは、フレーク状アルミニウム粉末の平均長径をフレーク状アルミニウム粉末の平均厚さで割った値である。
また、フレーク状アルミニウム粉末の純度は特に限定するものではないが、塗料用として用いられているものは純度99.5%以上であることが好ましい。
フレーク状アルミニウム粉末は、公知の方法、例えば国際公開第99/54074号に記載された製造方法で得ることができるが、通常ペースト状態で市販されており、これを用いることもできる。
「ラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマー」としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。
前記ラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル類の他、アミド基含有ビニル単量体、水酸基含有ビニル系単量体、エポキシ基含有ビニル単量体、カルボニル基含有ビニル単量体、アニオン型ビニル単量体、リン酸又はホスホン酸のモノ、もしくはジエステル、シリル基を有するビニル単量体が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられる。
(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレートとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。
この他、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジ−トリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ−ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジ−ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジ−ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートモノプロピオネート等も挙げられる。
さらには、環式不飽和化合物(例えば、シクロヘキセン)や、芳香族系不飽和化合物(例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、シクロヘキセンビニルビニルモノオキシド、ジビニルベンゼンモノオキシド、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アリルベンゼンまたはジアリルベンゼン)も好適に使用できる。
本実施形態の樹脂化合物付着アルミニウム顔料を製造する際には、重合開始剤を用いることが好ましい。
本実施形態の樹脂化合物付着アルミニウム顔料の製造方法については、後述する(即ち、「〔樹脂化合物付着アルミニウム顔料の製造方法〕」という項目を参照)。
重合開始剤は、一般に、ラジカル発生剤として知られるものであり、その種類は特に制限されない。
重合開始剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルパーオキサイド、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート等のパーオキサイド類、2,2’−アゾビス−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。
重合開始剤の使用量は、ラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーの反応速度によってそれぞれ調整されるため特に限定されないが、フレーク状アルミニウム粉末100質量部に対して、0.1質量部以上25質量部以下の範囲が好ましい。
本実施形態の樹脂化合物付着アルミニウム顔料は、後述するように、フレーク状アルミニウム粉末を所定の有機溶剤中に分散後、上述したラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーとともに、反応生成物の分子量を制御する目的で、連鎖移動剤を添加してもよい。
当該連鎖移動剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンのようなアルキルメルカプタン類;ベンジルメルカプタン、ドデシルベンジルメルカプタンのような芳香族メルカプタン類;チオリンゴ酸のようなチオカルボン酸又はそれらの塩、若しくはそれらのアルキルエステル類、又はポリチオール類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジ(メチレントリメチロールプロパン)キサントゲンジスルフィド及びチオグリコール、さらにはα−メチルスチレンのダイマー等のアリル化合物等が挙げられる。
これら連鎖移動剤の使用量は、樹脂に対して、好ましくは0.001質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上10質量%以下の範囲である。
本実施形態の樹脂化合物付着アルミニウム金属顔料は、フレーク状アルミニウム粉末を有機溶剤中に分散後、加温し、攪拌しながらラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマー、必要に応じて重合開始剤を加え、この分散液に対して振動的外的作用を付加(例えば、超音波発生装置による超音波を照射)しながら反応させることにより製造できる。
有機溶剤としては、フレーク状アルミニウム粉末に対して不活性であればよく、以下に限定されるものではないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素;ナフテン系炭化水素;イソパラフィン系炭化水素;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類;エタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;エチレングリコールモノエチルエーテル等のセロソルブ類が挙げられる。
フレーク状アルミニウム粉末への樹脂化合物付着を効率的に行う観点から、有機溶剤中のフレーク状アルミニウム粉末の質量濃度は、0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは1質量%以上である。また、フレーク状アルミニウム粉末の分散状態を均一に保つ観点から、有機溶剤中のフレーク状アルミニウム粉末の質量濃度は、40質量%以下が好ましく、より好ましくは35質量%以下である。
せん断的外的作用とは、アルミニウム顔料を有機溶媒中に分散させる際、及びその分散液に単量体を添加する際に、高いせん断力を付加して物理的分散を促進する作用をいい、そのための方法としては、例えば、ディスパーを用いてアルミニウム顔料や単量体を分散させる方法が挙げられる。
振動的外的作用とは、振動発性装置や超音波発生装置等を用いて、上記分散液や重合反応中の混合溶液を、機械的に強力に振動させ、物理的分散を促進する作用のことをいう。
前記振動的外的作用の付加の態様としては、重合反応中に間欠的に付加する態様、重合反応中に連続的に付加する態様、重合反応中に間欠的付加と連続的付加を組み合わせる態様等の種々の態様が挙げられる。
また、振動的外的作用の付加方法は、振動の付加及び超音波の照射が振動発生装置及び超音波振動子からの外的作用を間接的に反応器に付加する方法、反応器内の処理分散液に直接的に付加する方法、外部循環型容器に処理分散液を循環させてその外部循環型容器に間接的又は直接的に振動的外的作用を付加する方法等がある。
振動発生装置等による外的作用の振動は、周波数10Hz以上24kHz以下であることが好ましい。
超音波発生装置等による外的作用の超音波は、弾性体を伝わる弾性振動の一種であり、通常は波の進行方向に圧縮、膨張が伝わる縦波であるが、反応槽壁及びその接触面等においては横波が存在することもある。なお、直接聞くことを目的としない音波も技術的な定義として超音波に含まれ、また、液体や固体の表面や内部を伝わる音波も全て超音波に含まれる。超音波としては、周波数15kHz以上10000kHz以下で、出力5W以上が好ましく使用され得る。
重合開始剤を添加する際の温度は、ラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーの重合反応が生ずればよく、特に限定されないが、40℃以上150℃以下が好ましい。また、反応効率を高めるために窒素、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下で添加したり反応させたりすることが好ましい。
有機溶剤としては、環境負荷や乾燥性の観点からエステル系の溶剤が好ましい。
特に酢酸プロピルを用いると、乾燥温度が低い場合でも残留溶剤量が少なく、密着性や臭気の観点から好ましい。
本実施形態の樹脂化合物付着アルミニウム顔料は塗料組成物やインキ組成物用の顔料(即ち、塗料組成物成分顔料やインキ組成物成分顔料)として用いることができる。
ここで、本実施形態の樹脂化合物付着アルミニウム顔料を含む塗料組成物やインキ組成物においては、艶消し剤を一切使用せずに艶消し効果を提供できるため、当該艶消し剤を必要としない。ここで、艶消し剤とは、艶消し効果を与える目的で使用される固体粒子の添加剤を意味し、通常、顔料とは区別される。具体的には、例えば、シリカ粒子、セラミック粒子、石灰粒子等の無機系粒子、ウレタン樹脂粒子(ウレタンビーズ)、アクリル樹脂粒子(アクリルビーズ)、ポリエチレン樹脂粒子(ポリエチレンビーズ)、ポリオレフィンワックス及びその誘導体粒子、モンタンワックス及びその誘導体粒子、及びパラフィンワックス及びその誘導体粒子等の有機系粒子が挙げられる。但し、当該塗料組成物やインキ組成物において、このような艶消し剤を任意に加えることは可能である。
溶剤型の塗料やインキ組成物において、本実施形態の樹脂化合物付着アルミニウム顔料を使用する場合、塗料組成物用又はインキ組成物用樹脂としては、従来のメタリック塗料及びメタリックインキで用いられている塗料用又はインキ用樹脂を用いることができる。
当該塗料組成物用又はインキ組成物用樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、オイルフリーアルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、セルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
これらは一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
希釈剤の組成は塗料用及びインキ用樹脂に対する溶解性、塗膜形成特性、塗装作業性等を考慮して適宜決定すればよい。
ただし、アルミニウム顔料を用いる場合は、水性塗料及びインキ中で水と反応する可能性がある。このような場合には、反応阻害剤を添加することが必要である。
ここで水性塗料用樹脂とは、水溶性樹脂又は水分散性樹脂であって、一種のみを単独で用いてもよく、二種以上の混合物であってもよい。その種類は目的、用途により適宜選択すればよく、特に限定されるものではないが、塗料用では、一般にはアクリル系、アクリル−メラミン系、ポリエステル系、ポリウレタン系等の水性塗料用樹脂が挙げられ、中でもアクリル−メラミン系が最も汎用的に使用されている。
本実施形態の樹脂化合物付着アルミニウム属顔料を含む塗料やインキを用いた塗装方法としては、公知の方法を適用することが可能である。
例えば、スプレー吹き付け法、フローコーティング法、ロールコート法、刷毛塗り法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等が挙げられる。
また塗装後に、所望により好ましくは20℃以上500℃以下、より好ましくは40℃以上250℃以下での熱処理や、紫外線照射等を行うことも可能である。また、40℃以上250℃以下に熱した基材に対して塗料を塗布することも可能である。
本実施形態の樹脂化合物付着アルミニウム顔料は、自動車用、一般家電用、携帯電話に代表される情報家電用の塗装、又は所定の印刷用途に用いることができる。
それぞれ鉄やマグネシウム合金などの金属、あるいはプラスチック等の、所定の材料よりなる基材を塗装し、印刷でき、メタリック調艶消し意匠性を発揮できる。
〔物性の測定方法〕
実施例1〜4及び比較例2〜3で得られた樹脂化合物付着アルミニウム顔料(アルミニウムペースト)1gを100mlビーカーに秤量し、石油ベンゼン50mlを加えて十分に分散した後、40℃恒温水槽の上で1時間加温した。
加温後の分散液を濾過し、回収する前に十分にアセトンで洗浄した。濾過後に得られた固形状の試料をデシケーター中で24時間以上乾燥させた。
乾燥した試料の一部を熱重量・示差熱TG−DTAにて分析し、樹脂化合物付着アルミニウム顔料中の、樹脂化合物付着アルミニウム顔料の単位質量あたりの樹脂化合物質量の比(A(g/g))を求めた。
各実施例と各比較例の樹脂化合物付着アルミニウム顔料中の、樹脂化合物付着アルミニウム顔料の単位質量あたりの樹脂化合物質量の比(A(g/g))は、具体的には、表1に示すとおりである。
実施例1〜4及び比較例2〜3で得られた樹脂化合物付着アルニウム顔料1gに対して、酢酸エチル5g、メチルエチルケトン5gを加えて、マグネットスターラーで5分攪拌し、分散液を得た。分散液の一滴を走査型電子顕微鏡(HITACHI製S−2600H)観察専用の試料台に滴下し、その後50℃乾燥機中に入れ3hr乾燥させた。
樹脂化合物付着アルミニウム顔料の一次粒子の最表面状態を、上記走査型電子顕微鏡を用いて15000倍率で全面観察した。最表面積48μm2あたりを1視野として150視野を観察した。樹脂化合物付着アルミニウム顔料の一次粒子のエッジ部に点在する樹脂化合物を除いて、樹脂化合物付着アルミニウム顔料の一次粒子の平面部の最表面に付着している半径0.2μmの円サイズよりも大きいサイズの樹脂化合物の数をカウントし、メタリック調艶消し性と関連付けて下記のように評価した。○は、メタリック調艶消し性が最も良好で、従来の艶消し剤を使用する場合と比較しても同等以上のレベルであり、△は、〇より劣るものの実用性の点では問題の無いレベルである。しかし、×は、実用性の点で問題があるレベルである。そこで、○と△を合格とし、×を不合格とした。
なお、図1に、実施例1で得られた樹脂化合物付着アルミニウム顔料の一次粒子について、その最表面における1視野のSEM像を示す。
評価
○:150視野中の全視野において9点以上存在する。
△:150視野中に9点以上存在する視野が、90視野以上120視野未満である。
×:150視野中に9点以上存在する視野が、90視野未満である。
後述する各実施例及び比較例で得られた樹脂化合物付着アルミニウム顔料を使用して、下記の組成を有するメタリックベース塗料組成物を作製した。
メタリックベース塗料組成物
・樹脂付着アルミニウム顔料(実施例1〜4及び比較例2〜3):(C1)=3.23g(固形分質量)
・フレーク状アルミニウム粉末ペースト0.92gとアクリル樹脂粒子2.31(比較例1):(C2)=3.23g(固形分質量)
・シンナー(関西ペイント株式会社、商品名「アクリック2000GL」:(D)g
ここで、各樹脂付着アルミニウム顔料の(C1)又はフレーク状アルミニウム粉末ペーストの(C2)と(D)との合計量は13gなるように、(D)の質量で調整した。
・クリヤー(アクリル樹脂と混合溶剤を含有するクリヤー、アクリル樹脂分30%):97g
得られたメタリックベースを、アート紙に対して乾燥膜厚が30μmになるようにアプリケーターで塗装し塗膜を得た。
得られた塗膜を20℃で24時間乾燥させたものを評価用サンプルとした。
光沢計(スガ試験機(株)製、デジタル変角光沢計UGV−5D)を用いて60度光沢(入射角、反射角とも60度)を測定して、鏡面光沢度の基準面の光沢度を100としたときの百分率で表した。評価基準は以下の通りで、実用性を考慮して、○を合格とし、△と×を不合格とした。
評価
○:60度鏡面反射率の値が30未満
△:60度鏡面反射率の値が30以上40未満
×:60度鏡面反射率の値が40以上
各実施例及び比較例で得られた樹脂化合物付着アルミニウム顔料を使用して、下記の組成でメタリックベース塗料組成物を作製した。
メタリックベース塗料組成物
・樹脂化合物付着アルミニウム顔料(実施例1〜4及び比較例2〜3):(E1)=2g
・フレーク状アルミニウム粉末ペースト0.57gとアクリル樹脂粒子1.43(比較例1):(E2)=2g
ここで、各樹脂付着アルミニウム顔料の(E1)又はフレーク状アルミニウム粉末ペーストの(E2)は、下記材料と混合して塗料とした。
・酢酸エチル:2g
・黒顔料含有アクリル樹脂(オリジン電気株式会社製、SV‐9):21g
・シンナー(オリジン電気株式会社製、#174):30g
エアスプレー装置を用いて上記塗料をABS樹脂板に乾燥膜厚が20μmになるように塗装し、60℃のオーブンで30分乾燥し、評価用塗板を得た。
上記で作製した塗板の下半分を5.0NのNaOH水溶液を入れたビーカーに浸漬し、55℃で4時間放置した。試験後の塗板を水洗、乾燥したのち、浸漬部と未浸漬部を、JIS−Z−8722の(8−d法)により測色し、JIS−Z−8730により色差ΔEを求めた。色差ΔEの値に応じて、下記のように評価した。値が小さいほど、塗板には耐アルカリ性に優れる塗膜が形成されたと判断した。実用性を考慮して、○を合格とし、×を不合格とした。
評価
○:ΔE1.0未満
×:ΔE1.0以上
各実施例及び比較例で得られた樹脂化合物付着アルミニウム顔料を使用して、下記の組成で特定の水性塗料を作製した。
水性塗料組成物
・樹脂化合物付着アルミニウム顔料(実施例1〜4及び比較例2〜3):(F1)=5g
・フレーク状アルミニウム粉末ペースト1.43gとアクリル樹脂粒子3.57(比較例1):(F2)=5g
ここで、各樹脂化合物付着アルミニウム顔料の(F1)又はフレーク状アルミニウム粉末ペーストの(F2)は、下記材料と混合して水性塗料とした。
・メトキシプロパノール:40g
・水:50g
・アクリルエマルジョン(DSM製、商品名「NeoCryl A−2091」):110g
このようにして作製した各水性塗料を200mlの三角フラスコに入れ、ゴム栓付きメスピペットを取り付け、40℃で72時間放置後のガス発生量を測定した。評価基準は以下の通りで、ガス発生量が少ないほど優れると判断した。実用性を考慮して、○を合格とし、×を不合格とした。
評価
○:3ml未満
×:3ml以上
フレーク状アルミニウム粉末ペースト0−2100(旭化成株式会社製、平均粒径10μm、不揮発分74%)81gを容積2Lの四つ口フラスコに入れ、ミネラルスピリット567gを加え、窒素ガスを導入しながら撹拌し、系内の温度を50℃に昇温し、60分撹拌を続けた。
次いで、アクリル酸1.80gを添加し50℃で60分撹拌を続けた。
次に、ジビニルベンゼン10.70g、トリメチロールプロパントリメタクリレート17.98g、ジ−トリメチロールプロパンテトラアクリレート7.19g、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル0.30g、ミネラルスピリット100g、からなる溶液を作製し、一括添加した。
系内の温度を50℃に保ちながら合計12時間の重合工程を行った。
なお、重合工程中は超音波洗浄器(日本エマソン株式会社製、B5510J−DTH)を用いて、周波数42kHz、出力180Wの超音波を間接的に2Lの四つ口フラスコ内の混合物に照射した。重合中の超音波による振動的外的作用の付加方法は以下の通りとした。
重合開始から重合1時間目までは連続超音波照射を施した。重合1時間目から重合12時間目までは間欠超音波照射(重合経過15分毎に5分間の超音波照射)を施した。
次いで、12時間の重合工程を終えた時点でビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート0.30g、ミネラルスピリット10g、からなる溶液を作製し、一括追加添加した。
系内の温度を50℃に保ちながら継続1時間の重合工程を行った。
重合終了後でサンプリングした、ろ液中のトリメチロールプロパントリメタクリレートの未反応量をガスクロマトグラフィで分析したところ、添加量の99%以上が反応していた。
重合終了後、自然冷却し、スラリーを濾過し、ペースト状の樹脂化合物付着アルミニウム顔料を得た。
このペーストの不揮発分(JIS−K−5910による)は、35.2質量%であった。
実施例1で、超音波洗浄器(日本エマソン株式会社製、B8510J−DTH)を用いて、周波数44kHz、出力320Wの超音波に変更した以外は実施例1と同様にして樹脂化合物付着アルミニウム顔料を得た。JIS−K−5910によるこのペーストの不揮発分は35.6質量%であった。
〔実施例3〕
実施例1で、ジビニルベンゼン17.98g、トリメチロールプロパントリメタクリレート29.97g、ジ−トリメチロールプロパンテトラアクリレート11.99gに変更した以外は実施例1と同様にして樹脂化合物付着アルミニウム顔料を得た。JIS−K−5910によるこのペーストの不揮発分は33.3質量%であった。
〔実施例4〕
実施例1で、ジビニルベンゼン21.58g、トリメチロールプロパントリメタクリレート35.96g、ジ−トリメチロールプロパンテトラアクリレート14.39gに変更した以外は実施例1と同様にして樹脂化合物付着アルミニウム顔料を得た。JIS−K−5910によるこのペーストの不揮発分は30.1質量%であった。
実施例1のフレーク状アルミニウム粉末ペースト0−2100と艶消し効果を与える目的で使用されるアクリル樹脂粒子(積水化成品工業社製、平均粒子径20μm)とを組み合わせて物性の測定を行った。
〔比較例2〕
実施例1で、ジビニルベンゼン5.40g、トリメチロールプロパントリメタクリレート8.99g、ジ−トリメチロールプロパンテトラアクリレート3.60gに変更した以外は実施例1と同様にして樹脂化合物付着アルミニウム顔料を得た。JIS−K−5910によるこのペーストの不揮発分は42.1質量%であった。
〔比較例3〕
実施例1で、ジビニルベンゼン10.61g、トリメチロールプロパントリメタクリレート17.68g、ジ−トリメチロールプロパンテトラアクリレート7.07gに変更した以外は実施例1と同様にして樹脂化合物付着アルミニウム顔料を得た。JIS−K−5910によるこのペーストの不揮発分は30.4質量%であった。
上記結果から、本発明の樹脂化合物付着アルミニウム顔料を含有する塗料組成物は、外部からの衝撃等により塗膜中から削り取られる可能性がある艶消し剤を一切使用することなく、優れたメタリック調艶消し意匠性、耐アルカリ性を有し、且つ、水性型の塗料組成物成分として使用しても高い耐水性を示すことが確認された。そのため、本発明の樹脂化合物付着アルミニウム顔料は、外部からの衝撃等により塗膜中から削り取られる可能性がある艶消し剤を一切使用しなくても、良好な仕上がりメタリック調艶消し意匠性、及び優れた耐アルカリ性を有する塗膜の形成を可能にし、且つ、水性型の塗料に使用しても、高い耐水性を示すことが可能な顔料であることが分かった。
また、実施例1〜4と比較例1の結果から、本発明の塗料組成物によれば、艶消し剤を使用することなく、従来のような、艶消し剤を使用するアルミニウム含有塗料組成物と同等以上のメタリック調艶消し意匠性を得ることが可能で、また、実施例3と4の結果から、樹脂化合物付着アルミニウム顔料の単位質量あたりの樹脂化合物質量(A(g/g))が0.412以上0.545以下の範囲内にあると、優れたメタリック調艶消し意匠性をより安定して提供することが可能であることも分かった。
Claims (12)
- フレーク状アルミニウム粉末と、
前記フレーク状アルミニウム粉末の表面に付着している樹脂化合物と、
を含む樹脂化合物付着アルミニウム顔料であって、
前記樹脂化合物が、分子内に一個以上の二重結合を有するラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーの重合体であり、
前記樹脂化合物付着アルミニウム顔料の単位質量あたりの前記樹脂化合物質量の比が少なくとも0.375である、
前記樹脂化合物付着アルミニウム顔料。 - 前記樹脂化合物付着アルミニウム顔料の最表面に付着している、半径0.2μmの円サイズから突出する部分を有する前記樹脂化合物が、前記樹脂化合物付着アルミニウム顔料の最表面積48μm2あたり、少なくとも9点存在する、請求項1に記載の樹脂化合物付着アルミニウム顔料。
- 艶消し剤不含有の塗料組成物であって、請求項1又は2に記載の樹脂化合物付着アルミニウム顔料を含む、前記塗料組成物。
- 塗料組成物の固形分100部に対する前記樹脂化合物付着アルミニウム顔料の固形分質量割合が5%以上20%以下である、請求項3に記載の塗料組成物。
- アート紙に塗布して得られる塗膜の光沢が、入射角と受光角とがそれぞれ60度のときの60度鏡面反射率として30未満を示す、請求項4に記載の塗料組成物。
- 黒顔料をさらに含む、請求項3乃至5のいずれか一項に記載の塗料組成物。
- アクリル樹脂板に塗布して得られる塗板の耐アルカリ性が、5Nの水酸化ナトリウム溶液に55℃で4時間浸漬させた時の、浸漬部と未浸漬部との色差ΔEによって表される耐アルカリ性評価方法にしたがって、ΔEが1.0未満の耐アルカリ性を示す、請求項6に記載の塗料組成物。
- 艶消し剤不含有の水性塗料組成物であって、40℃で72時間保温したときのガス発生量が3ml以下である、請求項1又は2に記載の樹脂化合物付着アルミニウム顔料を含む、前記水性塗料組成物。
- 請求項3乃至8のいずれか一項に記載の塗料組成物を含有する塗膜。
- 艶消し剤不含有のインキ組成物であって、請求項1又は2に記載の樹脂化合物付着アルミニウム顔料を含む、前記インキ組成物。
- 請求項10に記載のインキ組成物を含有する印刷物。
- 有機溶剤中に、フレーク状アルミニウム粉末と、分子内に一個以上の二重結合を有するラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーの重合体の樹脂組成物とを添加することによって得られる分散液であって、前記アルミニウム粉末の濃度が0.1重量%以上40質量%以下で、前記樹脂組成物の濃度が0.06重量%以上27質量%以下である、前記分散液を準備し、次いで、
前記分散液に対して、前記アルミニウム粉末への前記樹脂組成物の付着処理中に、振動的外的作用を付加することを含む、
請求項1又は2に記載の樹脂化合物付着アルミニウム顔料を製造する方法。
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