JP6940957B2 - 樹脂付着アルミニウム顔料、塗料組成物、塗膜、塗膜を有する物品、インキ組成物、及び印刷物 - Google Patents
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Description
特にミラー調のメタリック意匠と同時に、優れた密着性及び耐アルカリ性が求められる分野においては、樹脂付着アルミニウム顔料が多用されているが、これらの分野においても、緻密感、輝度、光沢等の意匠の向上を図り、優れた外観特性を実現することが求められている。
上述したような優れた外観特性を実現する方法としては、アルミニウム顔料の粒子の微粒子化が挙げられる。アルミニウム顔料の粒子を微粒子化すると、緻密感の向上に効果があることが知られている。
しかしながら、アルミニウム顔料の粒子を微粒子化すると、塗膜中の粒子の配向性が低下して、輝度低下や散乱光の発生が増加するという問題を有している。
例えば、特許文献1においては、原料アルミニウム粉末の磨砕時間を長くすることにより、アルミニウム粒子を薄膜化し、金属光沢に優れ、メッキ調の外観を実現することができるアルミニウム顔料が開示されている。
また、特許文献2、特許文献3においては、所定の薄膜アルミニウム顔料についての開示がなされており、アルミニウム粒子の厚さ分布(相対的幅Δhの範囲)やアスペクト比を特定することにより、分散性等の作業性の向上を図っている。
また、特許文献4においては、金属蒸着法によるアルミニウム顔料の製造方法についての開示がなされており、当該製造方法においては、粉砕機を用いた機械加工によるアルミニウム顔料とは全く異なる製造方法を採用し、アルミニウム粒子膜厚を薄く、かつ単一厚みに設定し、平滑性についても非常に優れているものが得られ、緻密感、高輝度、高光沢を得ることを可能としている。
また、オフセット印刷、スクリーン印刷等の高級印刷インキ分野においても、緻密かつ高輝度のミラー調のメタリック意匠への要求が高まっていると同時に、優れた密着性、耐アルカリ性を実現することが要求されている。
また、特許文献4に記載のアルミニウム顔料においても、蒸着法で製造することにより高い緻密感と高輝度を有しているが、上記と同様に、高い緻密感と、正反射領域での高輝度と、低い散乱光の発生とを、全て実現させるという観点においては、未だ十分な特性が得られていないという問題を有している。
上述したように、従来提案されている技術は、いずれにおいても、高い緻密感と正反射領域での高輝度と、低い散乱光の発生とを全て実現し得るアルミニウム顔料は得られていないという問題を有している。
一方において、従来公知のアルミニウム顔料に樹脂を付着する場合は、塗膜中のアルミニウム顔料粒子の連続層に凹凸が生じてしまい、塗膜の光沢が低下するおそれがあるという問題を有している。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
アルミニウム顔料と、当該アルミニウム顔料の表面に付着している樹脂と、を含む樹脂付着アルミニウム顔料であって、
当該樹脂付着アルミニウム顔料の単位質量あたりの前記樹脂質量(A(g/g))と、
前記樹脂付着アルミニウム顔料の単位質量あたりの粒子の総表面積(B(m2/g))との比((A)/(B))が、0.0035g/m2〜0.0165g/m2であり、
粒子の平均粒子径d50が4μm〜15μmであり、
かつ、凝集していない一次粒子の平面性(最短長さ/粒子断面長さ)が0.95〜1.00である一次平面粒子を、一次粒子全体に対し、60%〜100%の個数割合で含有する、
樹脂付着アルミニウム顔料。
〔2〕
前記粒子の平均厚みtが、0.03μm〜0.12μmである、前記〔1〕に記載の樹脂付着アルミニウム顔料。
〔3〕
前記粒子の平均厚みt(μm)に対する平均粒子径d50(μm)の比(d50/t)が、90〜250である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の樹脂付着アルミニウム顔料。
〔4〕
2個以上の一次粒子で形成されている粒子凝集体の粒子数(X)と、凝集していない一次粒子の粒子数(Y)とが、下記の関係を有する、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の樹脂付着アルミニウム顔料。
0.3≦Y/(X+Y)≦1
〔5〕
前記アルミニウム顔料の表面に付着している樹脂の層の平均表面粗さが、25nm以下である、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の樹脂付着アルミニウム顔料。
〔6〕
前記樹脂付着アルミニウム顔料と黒顔料とを含む塗料によりアクリル樹脂板上に形成した塗膜を、0.1Nの水酸化ナトリウム溶液に55℃で4時間浸漬させ、浸漬部と未浸漬部との色差ΔEによって耐アルカリ性を評価する評価方法において、ΔE=1.0未満の耐アルカリ性を示す、前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の樹脂付着アルミニウム顔料。
〔7〕
前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載の樹脂付着アルミニウム顔料を含む塗料組成物。
〔8〕
前記〔7〕に記載の塗料組成物を含有する塗膜。
〔9〕
前記〔8〕に記載の塗膜を有する物品。
〔10〕
前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載の樹脂付着アルミニウム顔料を含むインキ組成物。
〔11〕
前記〔10〕に記載のインキ組成物を含む印刷物。
以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施できる。
本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料は、
アルミニウム顔料と、当該アルミニウム顔料の表面に付着している樹脂と、を含む樹脂付着アルミニウム顔料である。
本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料は、当該樹脂付着アルミニウム顔料の単位質量あたりの前記樹脂質量(A(g/g))と、当該樹脂付着アルミニウム顔料の単位質量あたりの粒子の総表面積(B(m2/g))との比((A)/(B))が0.0035〜0.0165g/m2であり、粒子の平均粒子径d50が4μm〜15μmであり、かつ、凝集していない一次粒子の平面性(最短長さ/粒子断面長さ)が0.95〜1.00である一次平面粒子を一次粒子全体に対し60%〜100%の個数割合で含有する。
アルミニウム顔料に対する樹脂の「付着」とは、単にアルミニウム顔料と樹脂が混在することのみの意味するのではなく、「アルミニウム顔料」と「アルミニウム顔料表面に付着している樹脂」との間に相互作用が有る状態のことを意味する。
相互作用としては、例えば、化学結合、水素結合、イオン結合、ファンデルワールス力等が挙げられる。
なお、アルミニウム顔料に対する樹脂の付着については、例えば、以下の方法で確認できる。
アルミニウム顔料を有機溶剤に分散し、濾過することで、アルミニウム顔料に付着していない樹脂を除去し、その後、溶剤分を揮発させることにより、アルミニウム顔料に樹脂が付着している状態の粒子が得られる(E1)。
次に(E1)を電気炉等で処理し、アルミニウム顔料に付着している樹脂を除去し、アルミニウム顔料のみの状態にする(E2)。
前記(E1)と前記(E2)の質量差を算出することにより、樹脂付着の有無が確認できる。
電気炉等で、アルミニウム顔料に付着している樹脂を除去する際の条件は、樹脂の分子量や架橋密度によって異なるが、例えば、350℃の温度条件下で2時間の処理を行う方法が挙げられる。
当該比((A)/(B))が0.0035g/m2以上であることにより、密着性、耐アルカリ性に優れる傾向にある。
当該比((A)/(B))が0.0165g/m2以下であることにより、密着性、ミラー調のメタリック意匠性に優れる傾向にある。
上述の観点から、前記比((A)/(B))は、0.0037g/m2〜0.0155g/m2であることが好ましく、0.0040g/m2〜0.0145g/m2であることがより好ましい。
前記比((A)/(B))は、アルミニウム顔料を形成する粒子の総表面積を測定し、総表面積に対してその粒子の表面に付着させる樹脂量を調整することにより、上述した数値範囲に制御することができる。
アルミニウム顔料表面に付着している樹脂の含有量は、アルミニウム顔料100質量部に対して9〜19質量部であることがより好ましい。
本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料の粒子の平均粒子径d50は4μm〜15μmである。
本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料の粒子の平均粒子径d50は、前記数値範囲内であればよく、最終的に目的とする意匠性に合わせて、微粒子、小粒子を選択すればよい。
粒子の平均粒子径d50が4μm以上であることにより、本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料を用いた塗膜中で粒子が一定方向に配向し、光の散乱を低下させることができ、さらに輝度も高くでき好ましい。
また、平均粒子径が15μm以下であることにより、後述する粒子の平面性(最短長さ/粒子断面長さ)を好ましい範囲に調整しやすく、緻密感があるメタリック塗膜を得ることができ好ましい。
本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料の平均粒子径d50は、好ましくは5μm以上13μm以下であり、より好ましくは6μm以上12μm以下である。
樹脂付着アルミニウム顔料の平均粒子径d50は、後述する樹脂付着アルミニウム顔料の製造方法において、原料アトマイズドアルミニウム粉を、ボールミルを用いて磨砕する工程で、原料アトマイズドアルミニウム粉の粒子径、磨砕ボールの1個あたりの質量、磨砕装置の回転数を適宜調整することにより制御することができる。
計測方法について説明する。
前記塗膜の断面のFE−SEM像において、凝集していない一次粒子の断面の両先端を直線で結んだ計測値を「最短長さ」とする。また、粒子断面の両先端を粒子断面の形状に沿って結んだ線の計測値を「粒子断面長さ」とする。
粒子断面長さに対する最短長さの比(最短長さ/粒子断面長さ)の値を粒子の平面性として定義する。
粒子の平面性は、1.00に近いほど粒子の反り・歪みが小さいことを示す。
前記の定義により100個の粒子の平面性を求める。
粒子の平面性の度合については、区別する閾値を0.95とし、0.95〜1.00の範囲の粒子を平面粒子と定義し、その比率を(%:個数割合)として求める。
塗膜断面の作製、FE−SEM像の取得、画像解析は、後述する実施例に記載する方法により実施することができる。
一次平面粒子の割合が60%以上であることにより、正反射領域での輝度を高くし、散乱光を減少させることができ、好ましい意匠が得られる。
すなわち、本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料においては、平面性が0.95〜1.00の範囲の一次平面粒子を60%〜100%含み、これにより正反射領域での輝度が極めて高く、さらに、散乱光が非常に少ないミラー調のメタリック意匠が得られる。
平面性が0.95〜1.00の範囲の一次粒子の含有比率は、好ましくは65%以上98%以下であり、より好ましくは70%以上98%以下である。
一次平面粒子の割合が98%以下であることにより、本実施形態のアルミニウム顔料を製造するために必要な磨砕時間が極端に長くならず、生産性に優れる。
具体的には、塗膜断面のFE−SEM像において凝集していない一次粒子からランダムに100個を選択し、粒子の断面厚さの自動計測を実施し、100個の算術平均値を算出することにより求めることができる。
本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料の粒子の平均厚みt(μm)は、0.03μm〜0.12μmであることが好ましい。
平均厚みtが0.03μm以上であることにより、上述した一次粒子の平面性(最短長さ/粒子断面長さ)を0.95〜1.00の範囲に制御することが容易となり、正反射領域での輝度を高く、散乱光を低下でき、好ましい。
粒子の平均厚みtが0.12μm以下であることにより、粒子端部の陰影面積を好適に調整でき、緻密感が得られ、また、散乱光を小さくでき、好ましい。
本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料の粒子の平均厚みt(μm)は、より好ましくは0.03μm以上0.10μm以下であり、さらに好ましくは0.04μm以上0.09μm以下である。
樹脂付着アルミニウム顔料の平均厚みtは、後述する樹脂付着アルミニウム顔料の製造方法において、原料アトマイズドアルミニウム粉を、ボールミルを用いて磨砕する工程で、磨砕ボールの1個あたりの質量、磨砕装置の回転数を適宜調整することにより制御することができる。
アスペクト比が90以上であることにより、正反射領域でのより高い輝度、並びに、より高い隠蔽力が得られ、薄膜塗装に用いた場合に、塗膜においてミラー調で高級感が得られる。
また、アスペクト比が250以下であることにより、粒子の反り、歪み、及びクラックを防止することができ、粒子の破断が生じず、散乱光の発生を非常に少なくすることができる。
本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料の粒子のアスペクト比(d50/t)は、より好ましくは100以上250以下であり、さらに好ましくは130以上250以下である。
0.3≦Y/(X+Y)≦1
2個以上の一次粒子で形成されている粒子数(X)と凝集していない一次粒子数(Y)は、樹脂付着アルミニウム顔料を溶剤に分散し、分散液を乾燥させた後に粒子状態を観察することにより計測することができる。
Y/(X+Y)が0.3以上であることにより、塗膜中の粒子配向が良好な状態に保ち、緻密感があるミラー調のメタリック塗膜が得られる。
Y/(X+Y)は、後述する本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料を製造する際に外的作用としてせん断的外的作用と振動的外的作用とを併用することにより、前記数値範囲に制御することができる。
アルミニウム顔料表面に付着している樹脂は特に限定されないが、好ましくはラジカル重合性二重結合を1個以上有する単量体の重合体からなるものが挙げられる。
具体例としては、以下に限定されないが、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、クロトン酸、マレイン酸または無水マレイン酸)、リン酸またはホスホン酸のモノ、またはジエステル(例えば2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジ−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、トリ−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジ−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、トリ−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジオクチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、2−メタクリロイロキシプロピルホスフェート、ビス(2−クロロエチル)ビニルホスホネート、ジアリルジブチルホスホノサクシネート、2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、2−アクロイロキシエチルホスフェート)、カップリング剤(例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル・トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、ジルコアルミネート)、不飽和カルボン酸のニトリル(例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル)、または不飽和カルボン酸のエステル(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸シクロヘキシル、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールプロパンメタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、ジ−トリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジ−ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジ−ペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジ−ペンタエリスリトールペンタアクリレートモノプロピオネート、トリアクリルホルマール、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸ブトキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸シクロヘキシル)、などを好適に使用できる。
さらには、環式不飽和化合物(例えば、シクロヘキセン)や、芳香族系不飽和化合物(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、シクロヘキセンビニルモノオキシド、ジビニルベンゼンモノオキシド、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アリルベンゼンまたはジアリルベンゼン)も好適に使用できる。
タジエン、アクリル変性ポリエステル、アクリル変性ポリエーテル、アクリル変性ウレタン、アクリル変性エポキシ、アクリル変性スピラン等が挙げられ、その一種または二種以上を混合して使用することができる。
重合開始剤としては、一般に、ラジカル発生剤として知られるものであり、その種類は特に制限されない。
重合開始剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ベンゾイルペルオキシド、ラウオイルパーオキサイド、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート等のパーオキサイド類、2,2'−アゾビス-イソブチロニトリル、2,2'−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2'−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。
重合開始剤の使用量は、ラジカル重合性単量体の反応速度によってそれぞれ調整されるため特に限定されないが、アルミニウム顔料100質量部に対して、0.1質量部〜25質量部が好ましい。
当該連鎖移動剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンのようなアルキルメルカプタン類;ベンジルメルカプタン、ドデシルベンジルメルカプタンのような芳香族メルカプタン類;チオリンゴ酸のようなチオカルボン酸又はそれらの塩、若しくはそれらのアルキルエステル類、又はポリチオール類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジ(メチレントリメチロールプロパン)キサンドゲンジスルフィド及びチオグリコール、さらにはα−メチルスチレンのダイマー等のアリル化合物等が挙げられる。
これら連鎖移動剤の使用量は、アルミニウム顔料表面に付着している樹脂に対して好ましくは0.001〜30質量%、より好ましくは0.05〜10質量部%の範囲で用いることができる。
本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料においては、アルミニウム顔料の表面に付着している樹脂の層の平均表面粗さが、散乱光が非常に少ないミラー調のメタリック意匠が得られる観点から、25nm以下であることが好ましい。
前記アルミニウム顔料の表面に付着している樹脂の層の平均表面粗さは、20nm以下であることがより好ましく、10nm以下であることがさらに好ましい。
前記樹脂の層の平均表面粗さは、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
前記樹脂の層の平均表面粗さは、後述する本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料を製造する際に外的作用としてせん断的外的作用と振動的外的作用とを併用することにより、25nm以下に制御することができる。
本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料は、本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料と黒顔料とを含む塗料によりアクリル板上に形成した塗膜を、0.1Nの水酸化ナトリウム溶液に55℃で4時間浸漬させ、浸漬部と未浸漬部との色差ΔEによって耐アルカリ性を評価する試験方法において、ΔE=1.0未満の耐アルカリ性を示すことが好ましい。ΔE=1.0未満の耐アルカリ性を示すことにより高い耐アルカリ性を求める分野向けに作業性の優れる1コート仕様の塗膜が得られ、ΔEは、0.5以下であることがより好ましく、0.3以下であることがさらに好ましい。
前記塗料は、本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料と黒顔料とを調合することにより調製できる。前記色差ΔEは、測色計により測定することができる。具体的には、後述する実施例に記載する方法により測定することができる。
前記色差ΔEは、アルミニウム顔料を形成する粒子の総表面積に対してその粒子の表面に規定量の樹脂を付着させることにより、1.0未満に制御することができる。
本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料は、未処理のアルミニウム顔料を有機溶剤に分散後、加温し、撹拌しながらこれにラジカル重合性不飽和カルボン酸、ラジカル重合性二重結合を1個以上有する単量体と重合開始剤と、必要に応じて連鎖移動剤を加えて重合反応させることにより製造できる。重合反応工程において、外的作用としてせん断的外的作用と振動的外的作用との併用することが好ましく、超音波による振動処理を付加することが、粒子凝集体に対する凝集していない一次粒子の割合を多くする観点から好ましい。
前記有機溶剤としては、アルミニウム顔料に対して不活性であればよく、以下に限定されるものではないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ミネラルスピリット等の脂肪族系炭化水性;ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等芳香族系炭化水素;ナフテン系炭化水素;イソパラフィン系炭化水素;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類;エタノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;エチレングリコールモノエチルエーテル等のセロソルブ類が挙げられる。
有機溶剤中のアルミニウム顔料の質量濃度は、0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは1〜24質量量である。
アルミニウム顔料への樹脂付着を効率的に行う観点から、有機溶剤中のアルミニウム顔料の質量濃度は0.1質量%以上が好ましく、また、アルミニウム顔料の分散状態を均一に保つ観点から30質量%以下が好ましい。
せん断的外的作用とは、アルミニウム顔料を有機溶媒中に分散させる際、及びその分散液に単量体を添加する際に、高いせん断力を付加して物理的分散を促進する作用をいい、そのための方法としては、例えば、ディスパーを用いてアルミニウム顔料や単量体を分散させる方法が挙げられる。
振動的外的作用とは、振動発性装置や超音波発生装置等を用いて、前記分散液や重合反応中の混合溶液を、機械的に強力に振動させ、物理的分散を促進する作用のことをいう。
前記振動的外的作用の付加の態様としては、重合反応中に間欠的に付加する態様、重合反応中に連続的に付加する態様、重合反応中に間欠的付加と連続的付加を組み合わせる態様等の種々の態様が挙げられる。
また、振動的外的作用の付加方法は、振動の付加及び超音波の照射が振動発生装置及び超音波振動子からの外的作用を間接的に反応器に付加する方法、反応器内の処理分散液に直接的に付加する方法、外部循環型容器に処理分散液を循環させてその外部循環型容器に間接的又は直接的に振動的外的作用を付加する方法等がある。
振動発生装置等による外的作用の振動は、周波数10Hz〜24kHzであることが好ましい。
外的作用の超音波は弾性体を伝わる弾性振動の一種であり、通常は波の進行方向に圧縮、膨張が伝わる縦波であるが、反応槽壁及びその接触面等においては横波が存在することもある。なお、直接聞くことを目的としない音波も技術的な定義として超音波に含まれ、また、液体や固体の表面や内部を伝わる音波も全て超音波に含まれる。超音波としては、周波数15〜10000kHzで、出力5W以上が好ましく使用され得る。
上述した、外的作用としてせん断的外的作用と振動的外的作用とを併用した製造方法によって製造された樹脂付着アルミニウム顔料は、光輝性及び隠蔽性が、未処理のアルミニウム顔料と比べてもほとんど低下しない傾向にあり、これは、アルミニウム顔料粒子のこれまでにない好適な分散状態下で、アルミニウム顔料粒子の表面に、樹脂をより一層均一に付着させることできるためである。
本実施形態の塗料組成物は、上述した本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料を含む。
本実施形態の塗料組成物は、樹脂付着アルミニウム顔料に加え、マイカや着色顔料等を併用することができる。
また、本実施形態の塗料組成物には、各種樹脂や、酸化防止剤、光安定剤、重合禁止剤、界面活性剤等の各種の添加剤を併用してもよい。
本実施形態の塗料組成物は、アルミニウム顔料と、その他必要に応じて各種の材料を混合することにより製造することができる。
本実施形態の塗料組成物は、メタリック塗料として用いることができる。
本実施形態の塗膜は、上述した本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料を含み、上述した塗料組成物を所定の基材に塗布することにより形成することができる。
前記基材としては各種の物品を選択することができ、当該選択された物品により目的とするものに本実施形態の塗膜を形成することができる。
当該物品としては、以下に限定されるものではないが、例えば、自動車ボディ、自動車内装用部品、家電、携帯電話機、スマートホン、PC、タブレット、カメラ、テレビ等の光学機器等が挙げられる。
塗膜の形成方法としては、特に限定されるものではなく、目的とする物品に応じて適宜従来公知の方法を適用することができる。
本実施形態のインキ組成物は、上述した本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料を含む。
本実施形態のインキ組成物は、本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料に加え、所定の着色顔料、溶剤等を併用することができる。
また、本実施形態のインキ組成物には、各種樹脂や、酸化防止剤、光安定剤、重合禁止剤、界面活性剤等の各種の添加剤を併用してもよい。
本実施形態のインキ組成物は、本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料と、その他必要に応じて各種の材料を混合することにより製造することができ、メタリックインキとして用いることができる。
また、本実施形態の印刷物は、上述した本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料を含み、上述したインキ組成物を用いて印刷を行うことにより形成することができる。印刷物としては、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等で塗膜を形成するインキ印刷物が挙げられる。
その他、本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料は、樹脂等と混練して、耐水性のバインダー、フィラーとして用いることもできる。
本実施形態は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例中で用いた各種物性の測定方法は以下の通りである。
実施例及び比較例で得られた樹脂付着アルミニウム顔料1gを100mlビーカーに秤量し、石油ベンゼン50mlを加えて十分に分散した後、40℃恒温水槽の上で1時間加温した。
加温後の分散液を濾過し、回収する前に十分にアセトンで洗浄した。濾過後に得られた固形状の試料をデシケーター中で90分以上乾燥させた。
乾燥した試料の一部を熱重量・示差熱TG−DTAにて分析し、樹脂付着アルミニウム顔料の単位質量あたりの樹脂質量(A(g/g))を求めた。
残りの試料の一部をMicromeritics製DeSorbIIIにて350℃×6時間で更なる加温処理した後、Micromeritics製FlowSorbIIIを用いて測定を行い、樹脂付着アルミニウム顔料の単位質量あたりの粒子の総表面積(Bm2/g)を求めた。
前記(A)及び(B)により、(A)/(B)を算出した。
((1)塗装板の作製)
実施例及び比較例で得られた樹脂付着アルミニウム顔料を使用して、下記の組成でメタリックベース塗料を作製した。
樹脂付着アルミニウム顔料: 2g
シンナー: 50g
(武蔵塗料株式会社製、商品名「プラエースシンナー No.2726」)
アクリル樹脂: 33g
(武蔵塗料株式会社製、商品名「プラエース No.7160」)
次に、エアスプレー装置を用いて、前記メタリックベース塗料をABS樹脂板に乾燥膜厚が20μmになるように塗装し、60℃のオーブンで30分乾燥し、メタリックベース塗装板を得た。
前記のメタリックベース塗装板の上に、下記の組成で作製したトップコート塗料を、エアスプレー装置を用いて塗装した。
ヒタロイドワニス3685S (日立化成製): 25g
混合シンナー: 20g
(溶剤混合比率/トルエン:45質量%、酢酸ブチル:30質量%、酢酸エチル:
20質量%、2−アセトキシ−1−メトキシプロパン:5質量%)
デュラネート TPA100 (旭化成製): 5g
前記のトップコート塗料を塗装した後、60℃のオーブンで30分乾燥し、評価用の塗装板を得た。
前記((1)塗装板の作製)で製造した評価用の塗装板を用いて、下記の手順で塗膜断面を作製した。
ハサミを使い、前記評価用の塗装板を2cm四方の大きさに分断した。
分断した2cm四方の評価用の塗装板を、大型回転式ミクロトーム(大和光機工業製/RV−240)を使用して、塗膜断面を繰り返し切削し、断面に突起したミクロなアルミ・アクリル樹脂を取り除いた。
前記により得られた塗膜断面を、イオンミリング装置(日本電子製/IB−09010CP)を使用して、塗膜断面から20μm離れた部分までイオンビーム照射が可能なよう設定し、イオンミリング処理を行い、後述するFE−SEM像取得用の塗膜断面を作製した。
前記((2)塗膜の断面作製)で得られたFE−SEM像取得用の塗膜断面(塗装板)を、SEM試料台に平行になるように接着し、電界放出形のFE−SEM(HITACHI製/S−4700)を使用して、前記塗膜断面のFE−SEM像を取得した。
FE−SEM観察・取得の条件は、加速電圧の設定を5.0kVで調整し、像倍率は1万倍又は5千倍とした。粒子の厚みは、高倍率の1万倍で測定を行った。一方、後述する平面性(最短長さ/粒子断面長さ)の測定も高倍率の1万倍が適するが、粒子径が大きく撮影画面からはみ出してしまうものについては5千倍で測定を行った。
また、FE−SEM像を取得(キャプチャー)する前に、電子工学軸アライメント処理を行い、FE−SEM像のアルミニウム粒子とアクリル樹脂の境界線に歪みがでないように実施した。
前記((3)粒子断面(FE−SEM像)の取得)で得られたFE−SEM像を、画像解析ソフトWin Roof version 5.5(MITANI CORPORATION製)を用いて、アルミニウム粒子断面における粒子の平均厚みの計測を実施した。
計測方法は、ファイルより選択したアルミニウム粒子の断面における粒子の厚み計測を実施するFE−SEM像を画像表示し、ROIラインを選択して画像の5μmスケールにROIラインを合わせ、登録・変更から長さ・単位を入力して設定した。
次に、アルミニウム粒子の断面の厚み計測を実施すべき画像を表示させ、長方形ROIを選択して、粒子の断面に長方形ROIを合わせて2値処理を実施した。
次に、計測の垂直弦長の測定項目を選択させた後、計測実行をさせ、画像解析ソフトによる自動計測値(垂直弦長値)を画像に表示した。
このように、前記の画像解析ソフトWin Roof version 5.5を用いて、後述する〔(V)平均粒子径:d50〕の、平均粒子径:d50の±50%以内のものを100個選択したアルミニウム粒子の断面における厚みの自動計測を実施し、100個の算術平均値を算出し、粒子の平均厚みtを求めた。
前記((II)−(3))粒子断面(FE−SEM像)の取得手順で得たSEM像を、前記((II)−(4))解析で使用した画像解析ソフトを用いて、アルミニウム一次粒子の平面性(最短長さ/粒子断面長さ)の評価を実施した。
一次粒子の平面性(最短長さ/粒子断面長さ)の評価を行う一例の画像を図1に示す。
前記画像解析ソフトWin Roof version 5.5の直線ツールと曲線ツールを選択し、アルミニウム一次粒子の断面の両先端を直線で結んだ計測値を最短長さ、両先端をアルミニウム一次粒子の断面に沿って結んだ線の計測値を粒子断面長さとし、(最短長さ/粒子断面長さ)の値をアルミニウム一次粒子の平面性とした。凝集していない一次粒子を測定対象の粒子として測定を行った。
この前記の手順を繰り返し実施し、100個の粒子の平面性の値を求めた。
また、平面性の値を求めるため選択したアルミニウム一次粒子は、後述する〔V〕の平均粒子径:d50の±50%以内のものとした。
一次粒子の平面性の値は、1.00に近いほど、粒子の反り、歪み等の程度が小さいことを示す。
前記の(III)により求めた100個の粒子の平面性(最短長さ/粒子断面長さ)の値から、粒子の平面性の閾値を0.95とし、0.95〜1.00の範囲に収まっているアルミニウム一次平面粒子の個数割合を求めた。
本実施形態の樹脂付着アルミニウム顔料は、凝集していない一次粒子の平面性が0.95〜1.00の範囲の一次平面粒子の個数割合が60%〜100%である。
樹脂付着アルミニウム顔料の粒子の平均粒子径(d50)を、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(LA−300/株式会社 堀場製作所)により測定した。
測定溶剤としては、ミネラルスピリットを使用した。
測定は機器取扱説明書に従い実施したが、留意事項として、試料となる樹脂付着アルミニウム顔料は、前処理として2分間の超音波分散を行った後、分散槽の中に投入し適正濃度になったのを確認後、測定を開始した。
測定終了後、d50は自動表示された。
前記(V)で測定した平均粒子径:d50値を、前記で解析・算術平均値を求めた粒子の平均厚み:tで割った値(d50/t)をアスペクト比とした。
実施例及び比較例で得られた樹脂付着アルミニウム顔料を、下記の組成でマイクロスパチュラを用いて、手動により、シンナーに分散させた。
目視で分散液に金属顔料の塊がないことを確認した後、先端毛細管付ピペットを用いて一滴の分散液をマイクログラスカバーの上に滴下し、60℃のオーブンで30分乾燥し、光学顕微鏡を用いて樹脂付着アルミニウム顔料の分散状態を観察し、粒子数を数えることで評価した。
本評価では、デジタルマイクロスコープHI−SCOPE Advanced KH−3000を用いて3500倍の倍率で12視野を観察した。
樹脂付着アルミニウム顔料: 0.25g
シンナー: 25g
(酢酸ブチル30質量%、トルエン45質量%、イソプロピルアルコール20質量%、エチルセロソルブ5質量%を混合したもの)
観察結果に応じて2個以上の一次粒子で形成されている粒子凝集体の粒子数(X)と凝集していない一次粒子の粒子数(Y)との関係を(Y)/((X)+(Y))の割合として算出し、下記のように評価した。
◎:0.9以上
○:0.6以上〜0.9未満
△:0.3以上〜0.6未満
×:0.3未満
実施例及び比較例で得られた樹脂付着アルミニウム顔料を使用して、下記の組成でメタリック塗料を作製した。
樹脂付着アルミニウム顔料: 5g
シンナー: 50g
(武蔵塗料株式会社製、商品名「プラエースシンナー No.2726」)
アクリル樹脂: 33g
(武蔵塗料株式会社製、商品名「プラエース No.7160」)
エアスプレー装置を用いて上記のようにして作製したメタリック塗料をABS樹脂板に乾燥膜厚が20μmになるように塗装し、60℃のオーブンで30分乾燥し、評価用の塗板を得た。
前記評価用の塗板を用いて、密着性の評価を行った。
上述のようにして作製した評価用の塗板を用い、セロテープ(登録商標:ニチバン(株)製、CT405AP−18)を塗膜に密着させ、45度の角度で引っ張り、アルミニウム顔料粒子の剥離度合いを目視で観察した。
観察結果に応じて、下記のように評価した。
○:剥離なし
△:やや剥離あり
×:剥離あり
実施例及び比較例で得られた樹脂付着アルミニウム顔料を使用して、下記の組成でメタリック塗料を作製した。
樹脂付着金属顔料: 2g
酢酸エチル: 2g
黒顔料含有アクリル樹脂: 21g
(オリジン電気株式会社製、SV−9)
シンナー: 30g
(オリジン株式会社製、#174)、
及びエアスプレー装置を用いて上記塗料をABS樹脂板に乾燥膜厚が20μmになるように塗装し、60℃のオーブンで30分乾燥し、評価用塗板を得た。
上記で作製した塗板の下半分を0.1NのNaOH水溶液を入れたビーカーに浸漬し、55℃で4時間放置した。試験後の塗板を水洗、乾燥したのち、浸漬部と未浸漬部を、JIS−Z−8722の(8−d法)により測色し、JIS−Z−8730により色差ΔEを求めた。色差ΔEの値に応じて、下記のように評価した。
値が小さいほど良好であると判断した。
○:1.0未満
×:1.0以上
走査型プローブ顕微鏡(HITACHI AFM5100N:汎用小型プローブ顕微鏡ユニット、HITACHI AFM5000II:走査型プローブ顕微鏡用コントローラ)を用いて樹脂付着金属顔料の1視野5μm四方のラインプロファイル(画質:標準512×256)を求めた。これより算術平均表面粗さを求めた。同様の操作を合計12視野について行い、それらの算術平均値を求めて樹脂層の平均表面粗さ:Saとした。
((1)メタリックベース塗料、塗装板の作製方法)
後述する実施例及び比較例により得られた樹脂付着アルミニウム顔料を使用して、下記の組成でメタリックベース塗料を作製した。
実施例及び比較例の樹脂付着アルミニウム顔料: 2g
混合シンナー: 6g
(溶剤混合比率/メチルエチルケトン:40質量%、酢酸エチル:40質量%、イソプロピルアルコール:20質量%)
ポリウレタン樹脂: 8g
(三洋化成工業株式会社製 商品名「サンプレンIBシリーズ 1700D」)
次に、バーコーター(No.6)を用いて、前記メタリックベース塗料をPETフィルム上に乾燥膜厚が3μmになるように塗装し、室温にて乾燥し、後述する輝度、緻密感、及び散乱光量の評価用の塗装板を得た。
輝度は、変角測色計(スガ試験機株式会社製)を用いて評価した。
入射角を45度とし、前記評価用の塗装板の塗膜表面で反射する鏡面反射領域の光を除いた、正反射光に近い受光角5度(L5)の設定で測定した。
輝度は、アルミニウム顔料からの正反射光強度に比例するパラメーターであり、測定値が大きいほど正反射光強度が高く、優れていると判断した。
散乱光量は、MA68II多角度分光測色計(アメリカ エックスライト株式会社製)を用いて評価した。
幾何条件は、入射45度、フルレンジの受光(正反射角より)15度、25度、45度、75度、110度とした。
散乱光量は、受光110度のLの値に相当するパラメーター(L110)であり、測定値が小さいほど塗装板の散乱光が少なく光学的特性として優れていると判断した。
緻密感は、BYK−mac(BYKガードナー製)を用いて、指標として粒子感の評価をした。
測定は、拡散光(−15度、45度、75度)をカメラ検出器(0度)で検出し、明、暗の部分の均一性を数値として表示した。
測定値は、Graininessの値を読み取った。
得られた数値は、小さいほど緻密感が得られていることを表すものとして判断した。
内径2m、長さ30cmのボールミル内に、原料アトマイズドアルミニウム粉(平均粒子径:2.2μm)9.5kg、ミネラルスピリット45.8kg、及び、オレイン酸570gからなる配合物を充填し、直径0.8mmのジルコニアボールを309kg用いて磨砕した。
ジルコニアボールは、ZrO2主成分が94質量%以上含まれ、かつ、円形率が95%以上のものとした。
ボールミルの運転条件は、回転数13rpmとし、130時間の磨砕を行った。
磨砕終了後、ミル内のスラリーをミネラルスピリットで洗い出し、400メッシュの振動篩にかけ、通過したスラリーをフィルターで濾過した。
このようにして得られたフレーク状アルミニウム粉末はペースト状であり、加熱残分は76質量%、ミネラルスピリット24質量%であった。
そのフレーク状アルミニウム粉末ペーストの平均粒子径は9.5μmで、平均厚みt(μm)に対する平均粒子径d50(μm)の比(d50/t)は161であった。
得られたフレーク状アルミニウム粉末ペースト130gを容積1Lの四つ口フラスコに入れ、ミネラルスピリット487.5gを加え、窒素ガスを導入しながら撹拌し、系内の温度を50℃に昇温し、60分撹拌を続けた。
次いで、アクリル酸0.99gを添加し50℃で60分撹拌を続けた。
次に、トリメチロールプロパントリメタクリレート10.87g、2,2'−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル0.49g、ミネラルスピリット 100g、からなる溶液を作製し、市販の定量ポンプにより約0.20g/min.の速度で前記混合物にこの溶液を添加し、系内の温度を50℃に保ちながら合計12時間の重合工程を行った。
なお、重合工程中は市販の超音波洗浄機を用いて、周波数42kHz、出力180Wの超音波で間接的に四つ口フラスコ内の混合物に照射し、重合中の超音波による振動的外的作用の付加タイミングを15分毎に約5分間施した。
重合終了後でサンプリングした、ろ液中のトリメチロールプロパントリメタクリレートの未反応量をガスクロマトグラフィで分析したところ、添加量の99%以上が反応していた。
重合終了後、自然冷却し、スラリーを濾過し、ペースト状の樹脂付着アルミニウム顔料を得た。
このペーストの不揮発分(JIS−K−5910による)は、40.2質量%であった。
前記〔実施例1〕中の重合工程において、トリメチロールプロパントリメタクリレートを19.76gとした。
その他の条件は、〔実施例1〕と同様にして、ペースト状の樹脂付着アルミニウム顔料を得た。
このペーストの不揮発分(JIS−K−5910による)は、40.1質量%であった。
前記〔実施例1〕中の重合工程において、トリメチロールプロパントリメタクリレートを4.94gとした。
その他の条件は、〔実施例1〕と同様にして、ペースト状の樹脂付着アルミニウム顔料を得た。
このペーストの不揮発分(JIS−K−5910による)は、40.0質量%であった。
原料アトマイズドアルミニウム粉の平均粒子径を2.2μmとし、ボールミル回転数11rpm、磨砕160時間とした。
その他の磨砕条件は、前記〔実施例1〕と同様の操作を行い、フレーク状アルミニウム粉末ペーストを得た。
そのフレーク状アルミニウム粉末ペーストの平均粒径は9.7μmで、平均厚みt(μm)に対する平均粒子径d50(μm)の比(d50/t)は170であった。
その他の重合条件は、前記フレーク状アルミニウム粉末ペーストを用いた以外は、前記〔実施例1〕と同様の操作を行い、ペースト状の樹脂付着アルミニウム顔料を得た。
このペーストの不揮発分(JIS−K−5910による)は、40.1質量%であった。
前記〔実施例1〕中の重合工程において、トリメチロールプロパントリメタクリレートを3.95gとした。
その他の条件は、〔実施例1〕と同様にして、ペースト状の樹脂付着アルミニウム顔料を得た。
このペーストの不揮発分(JIS−K−5910による)は、40.5質量%であった。
前記〔実施例1〕中の重合工程において、トリメチロールプロパントリメタクリレートを20.75gとした。
その他の条件は、〔実施例1〕と同様にして、ペースト状の樹脂付着アルミニウム顔料を得た。
このペーストの不揮発分(JIS−K−5910による)は、39.9質量%であった。
ボールミル回転数を24rpmとし、80時間磨砕を行った。
その他の磨砕条件は前記〔実施例1〕と同様の操作を行い、フレーク状のアルミニウム粉末ペーストを得た。
そのフレーク状のアルミニウム粉末ペーストの平均粒径は9.2μmで、平均厚みt(μm)に対する平均粒子径d50(μm)の比(d50/t)は192であった。
その他の重合条件は、前記フレーク状アルミニウム粉末ペーストを用いた以外は、前記〔実施例1〕と同様の操作を行い、ペースト状の樹脂付着アルミニウム顔料を得た。
このペーストの不揮発分(JIS−K−5910による)は、39.8質量%であった。
評価結果を表1に示す。
Claims (12)
- アトマイズドアルミニウム粉のボールミル磨砕物であるアルミニウム顔料と、当該アルミニウム顔料の表面に付着している樹脂と、を含む樹脂付着アルミニウム顔料であって、
当該樹脂付着アルミニウム顔料の単位質量あたりの前記樹脂質量(A(g/g))と、
前記樹脂付着アルミニウム顔料の単位質量あたりの粒子の総表面積(B(m2/g))との比((A)/(B))が、0.0035g/m2〜0.0165g/m2であり、
粒子の平均粒子径d50が4μm〜15μmであり、
かつ、凝集していない一次粒子の平面性(最短長さ/粒子断面長さ)が0.95〜1.00である一次平面粒子を、一次粒子全体に対し、60%〜100%の個数割合で含有する、樹脂付着アルミニウム顔料。 - 前記アルミニウム顔料100質量部と、前記樹脂6〜21質量部と、を含有する、請求項1に記載の樹脂付着アルミニウム顔料。
- 前記粒子の平均厚みtが、0.03μm〜0.12μmである、請求項1又は2に記載の樹脂付着アルミニウム顔料。
- 前記粒子の平均厚みt(μm)に対する平均粒子径d50(μm)の比(d50/t)が、90〜250である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の樹脂付着アルミニウム顔料。
- 2個以上の一次粒子で形成されている粒子凝集体の粒子数(X)と、凝集していない一次粒子の粒子数(Y)とが、下記の関係を有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の樹脂付着アルミニウム顔料。
0.3≦Y/(X+Y)≦1 - 前記アルミニウム顔料の表面に付着している樹脂の層の平均表面粗さが、25nm以下である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の樹脂付着アルミニウム顔料。
- 前記樹脂付着アルミニウム顔料と黒顔料とを含む塗料によりアクリル樹脂板上に形成した塗膜を、0.1Nの水酸化ナトリウム溶液に55℃で4時間浸漬させ、浸漬部と未浸漬部との色差ΔEによって耐アルカリ性を評価する評価方法において、ΔE=1.0未満の耐アルカリ性を示す、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の樹脂付着アルミニウム顔料。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の樹脂付着アルミニウム顔料を含む塗料組成物。
- 請求項8に記載の塗料組成物を含有する塗膜。
- 請求項9に記載の塗膜を有する物品。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の樹脂付着アルミニウム顔料を含むインキ組成物。
- 請求項11に記載のインキ組成物を含む印刷物。
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