JP2023115765A - 着色金属顔料 - Google Patents

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Abstract

【課題】高光沢、高彩度、および樹脂との密着性を有し、かつ塗膜およびインキ層においても優れている配向性を有する着色金属顔料を提供する。【解決手段】(A)金属顔料の表面に(B)樹脂化合物と、さらに前記(B)の上に(C)有機酸と有機塩基の反応生成物と、を含む着色金属顔料であって、前記(B)樹脂化合物は、(D)ラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーの重合体を含み、(D)ラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーは、85質量%以上の炭素数10以下のラジカル重合性不飽和カルボン酸を含み、前記(C)有機酸と有機塩基の反応生成物は、(E)着色顔料を含有し、(F)1個のカルボキシル基を有する飽和脂肪酸と(G)1個のアミノ基を有する脂環式アミンの反応生成物である、着色金属顔料。【選択図】なし

Description

本発明は、着色金属顔料に関する。
従来より、メタリック塗料用、印刷インキ用、プラスチック練りこみ用等に、メタリック感を重視する美粧効果を得る目的でアルミニウム顔料などの金属顔料が使用されている。また近年、様々なメタリック色調を発現する着色アルミニウム顔料も開発されている。
このような着色アルミニウム顔料としては、一般にアルミニウム顔料の表面に着色顔料を含有した樹脂層を形成したものが知られている。
例えば、特許文献1には、アルミニウム顔料の表面に、二重結合を有するカルボン酸を熱重合した、1個以上の二重結合と2個以上のカルボキシル基とを有するカルボン酸を介して着色顔料を化学吸着させてなる着色アルミニウム顔料が開示されている。
また、特許文献2には、分子中に2個のアミノ基を有し、カルボキシル基を持たないアミノ化合物で表面処理された着色顔料をアルミニウムフレークなどの基本粒子に付着させてなる着色アルミニウム顔料が開示されている。
特開平01-315470号広報 特開平09-124973号広報
しかしながら、近年、着色金属(例えば、アルミニウム)顔料に対する要求はさらに増えており、高光沢、高彩度、および樹脂との密着性有することに加えて、塗膜およびインキ層における優れた配向性を有することも要求されるようになっている。
そこで本発明においては、上述した従来技術の問題点に鑑み、高光沢、高彩度、および樹脂との密着性を有し、かつ塗膜およびインキ層においても優れている配向性を有する着色金属顔料を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、(A)金属顔料の表面に(B)樹脂化合物を含み、前記(B)の上に、さらに(C)着色顔料を含む、有機酸と有機塩基の反応生成物と、を構成させることで着色金属顔料が、金属顔料と着色顔料を含む層との間に強固な付着状態を有し、高光沢、高彩度、および樹脂との密着性を有し、かつ平滑性の高い金属顔料の表層を有することにより、塗膜およびインキ層においても優れている配向性を有することを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
(A)金属顔料の表面に(B)樹脂化合物と、さらに前記(B)の上に(C)有機酸と有機塩基の反応生成物と、を含む着色金属顔料であって、
前記(B)樹脂化合物は、(D)ラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーの重合体を含み、
(D)ラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーは、85質量%以上の炭素数10以下のラジカル重合性不飽和カルボン酸を含み、
前記(C)有機酸と有機塩基の反応生成物は、
(E)着色顔料を含有し、(F)1個のカルボキシル基を有する飽和脂肪酸と(G)1個のアミノ基を有する脂環式アミンの反応生成物である、着色金属顔料。
〔2〕
前記(A)金属顔料:100質量部に対して、
前記(B)樹脂化合物:0.1以上5質量部以下を、
含有する〔1〕に記載の着色金属顔料。
〔3〕
前記(A)金属顔料:100質量部に対して、
前記(F)1個のカルボキシル基を有する飽和脂肪酸:0.6以上30質量部以下と、
前記(G)1個のアミノ基をもつ脂環式アミン:0.4以上20質量部以下と、を
含有する〔1〕または〔2〕に記載着色金属顔料。
〔4〕
前記(A)金属顔料:100質量部に対して、
前記(E)着色顔料:5以上150質量部以下を、
含有する〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の着色金属顔料。
〔5〕
前記(F)1個のカルボキシル基を有する飽和脂肪酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナメント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の飽和脂肪酸である、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の着色金属顔料。
〔6〕
前記(G)1個のアミノ基をもつ脂環式アミンは、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シキロヘキシルアミン、シクロヘプチルアミン、シクロオクチルアミン、N-シクロヘキシルメチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、シクロヘキサンメチルアミン、ジシクロヘキシルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の1個のアミノ基をもつ脂環式アミンである、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の着色金属顔料。
〔7〕
最表層に保護層が形成されている、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の着色金属顔料。
〔8〕
前記(A)金属顔料が、アルミニウム顔料である、〔1〕~〔7〕のいずれかに記載着色金属顔料。
〔9〕
〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の着色金属顔料を含有する塗料。
〔10〕
〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の着色金属顔料を含有するインキ。
〔11〕
〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の着色金属顔料を含有する着色物。
本発明の着色金属顔料(組成物)は、着色顔料が金属顔料に強固に付着し、高光沢、高彩度、および樹脂との密着性を有し、かつ平滑性の高い金属顔料の表層を有することにより、塗膜およびインキ層においても優れている配向性を有するという優れた効果を有する。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について、詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施できる。
((A)金属顔料)
本発明の着色金属顔料(好ましくは、樹脂化合物付着アルミニウム顔料)に用いる金属顔料は、好ましくは、「フレーク状アルミニウム粉末」であり、表面光沢性、白度、光輝性等メタリック用顔料に要求される表面性状、粒径、形状を有するものが適している。
形状としては、粒状、板状、塊状、フレーク状等の種々の形状がありうるが、塗膜に優れたメタリック感、輝度を与えるためには、鱗片状であることが好ましい。
フレーク状アルミニウム粉末は、0.001μm以上1μm以下の範囲の厚さを有し、1μm以上100μm以下の範囲の粒径を有するものが好ましい。
フレーク状アルミニウム粉末のアスペクト比は、10以上20000以下の範囲にあることが好ましい。
ここで、アスペクト比とは、フレーク状アルミニウム粉末の平均粒径をフレーク状アルミニウム粉末の平均厚さで割った値である。
また、フレーク状アルミニウム粉末の純度は特に限定するものではないが、塗料用として用いられているものは純度99.5%以上であることが好ましい。
フレーク状アルミニウム粉末は、公知の方法、例えば国際公開第99/54074号に記載された製造方法で得ることができるが、通常アルミニウムペースト状態で市販されているアルミニウムペースト製造メーカーの製品、これらを用いることもできる。
((B)樹脂化合物)
本実施形態の着色金属顔料に用いる(B)樹脂化合物は、(D)ラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーを重合して得られる重合体である。
ラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーは、85質量%を超える炭素数10以下のラジカル重合性不飽和カルボン酸を有する。これにより、(A)鱗片状金属顔料と(A)表面の(B)樹脂化合物と、さらに(C)着色顔料を含む有機酸と有機塩基の反応生成物との密着性と隠ぺい性の両立が図れる。
ラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマー中の炭素数10以下のラジカル重合性不飽和カルボン酸の含有量は、87.5質量%以上であることが好ましく、92.5質量%以上であることがより好ましい。
前記炭素数10以下のラジカル重合性不飽和カルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、無水マレイン酸、又はイタコン酸、マレイン酸、フマール酸などの2塩基酸のハーフエステル等が挙げられ、これらの中でアクリル酸が密着性の観点から好ましい。
また、前記ラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーは、反応性の観点から、分子内に一個以上の二重結合を有するものであることが好ましい。
前記炭素数10以下のラジカル重合性不飽和カルボン酸以外のラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーも追加で使用することができ、その種類としては、特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。使用量は、特に限定されないが、例えば、ラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーの全量中に1~50質量%で使用することができる。
以下に限定されるものではないが、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル類の他、アミド基含有ビニル単量体、水酸基含有ビニル系単量体、エポキシ基含有ビニル単量体、カルボニル基含有ビニル単量体、アニオン型ビニル単量体、リン酸又はホスホン酸のモノ、もしくはジエステル、シリル基を有するビニル単量体が挙げることができる。
なお、本明細書中で、(メタ)アクリルとはメタアクリル又はアクリルを簡便に表記したものである。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、アルキル部の炭素数が1~50の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、エチレンオキシド基の数が1~100個の(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられる。
(ポリ)オキシエチレンジ(メタ)アクリレートとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。
この他、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジ-トリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ-ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジ-ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジ-ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートモノプロピオネート等も挙げられる。
さらには、環式不飽和化合物(例えば、シクロヘキセン)や、芳香族系不飽和化合物(例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、シクロヘキセンビニルビニルモノオキシド、ジビニルベンゼンモノオキシド、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アリルベンゼンまたはジアリルベンゼン)も好適に使用できる。
また、上記水酸基含有ビニル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステルや、ジ-2-ヒドロキシエチルフマレート、モノ-2-ヒドロキシエチルモノブチルフマレート、アリルアルコールやエチレンオキシド基の数が1~100個の(ポリ)オキシエチレンモノ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド基の数が1~100個の(ポリ)オキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート、さらには、「プラクセルFM、FAモノマー」(ダイセル化学(株)製の、カプロラクトン付加モノマーの商品名)や、その他のα,β-エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル類等が挙げられる。
上記(ポリ)オキシエチレンモノ(メタ)アクリレートとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸エチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等が挙げられる。
また、(ポリ)オキシプロピレンモノ(メタ)アクリレートとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール等が挙げられる。
また、上記エポキシ基含有ビニル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルジメチルグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、前記リン酸又はホスホン酸のモノ、若しくはジエステルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、2-メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジ-2-メタクリロイロキシエチルホスフェート、トリ-2-メタクリロイロキシエチルホスフェート、2-アクリロイロキシエチルホスフェート、ジ-2-アクリロイロキシエチルホスフェート、トリ-2-アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル-2-アクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル-2-メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジオクチル-2-アクリロイロキシエチルホスフェート、2-メタクリロイロキシプロピルホスフェート、ビス(2-クロロエチル)ビニルホスホネート、ジアリルジブチルホスホノサクシネート、2-メタクリロイロキシエチルホスフェート、2-アクロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
また、前記シリル基を有するビニル単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、3-(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリn-プロポキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、2-トリメトキシシリルエチルビニルエーテル等が挙げられる。
その他、樹脂化合物を得るために使用される単量体及び/又はオリゴマーとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリルアミド、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類;ブタジエン等のジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデンフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン等のハロオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n-酪酸ビニル、安息香酸ビニル、p-t-ブチル安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2-エチルヘキサン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;酢酸イソプロペニル、プロピオン酸イソプロペニル等のカルボン酸イソプロペニルエステル類;エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類;スチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物、酢酸アリル、安息香酸アリル等のアリルエステル類;アリルエチルエーテル、アリルフェニルエーテル等のアリルエーテル類;さらに4-(メタ)アクリロイルオキシ-2,2,6,6,-テトラメチルピペリジン、4-(メタ)アクリロイルオキシ-1,2,2,6,6,-ペンタメチルピペリジン、パーフルオロメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピロメチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸アリル等が挙げられる。樹脂化合物は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の着色金属顔料においては、上述した(A)金属顔料100質量部と(B)樹脂化合物0.1以上5質量部以下を含有する。
(B)樹脂化合物の含有量は、密着性の観点から0.1質量部以上とし、光沢、彩度の観点から5質量部以下とする。
(B)樹脂の含有量は、(A)金属顔料100質量部に対して0.5~3.5質量部であることが好ましい。
<重合開始剤>
本実施形態の着色金属顔料を製造する際には、開始剤が前記フレーク状アルミニウム粉末表面に固定化されないパーオキサイド類やアゾ化合物類の重合開始剤を用いることが好ましい。
本実施形態の着色金属顔料の製造方法については、後述する(即ち、「〔着色金属顔料の製造方法〕」という項目を参照)。
重合開始剤は、一般に、ラジカル発生剤として知られるものであり、その種類は特に制限されない。
重合開始剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルパーオキサイド、ビス-(4-t-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート等のパーオキサイド類、2,2’-アゾビス-イソブチロニトリル、2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、2,2’-アゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。
重合開始剤の使用量は、ラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーの反応速度によってそれぞれ調整されるため特に限定されないが、フレーク状アルミニウム粉末100質量部に対して、0.1質量部以上25質量部以下の範囲が好ましい。
<その他の成分>
本実施形態の着色金属顔料は、後述するように、フレーク状アルミニウム粉末を所定の有機溶剤中に分散後、上述したラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーとともに、反応生成物の分子量を制御する目的で、連鎖移動剤を添加してもよい。
当該連鎖移動剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、n-オクチルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、t-ドデシルメルカプタンのようなアルキルメルカプタン類;ベンジルメルカプタン、ドデシルベンジルメルカプタンのような芳香族メルカプタン類;チオリンゴ酸のようなチオカルボン酸又はそれらの塩、若しくはそれらのアルキルエステル類、又はポリチオール類、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ジ(メチレントリメチロールプロパン)キサントゲンジスルフィド及びチオグリコール、さらにはα-メチルスチレンのダイマー等のアリル化合物等が挙げられる。
これら連鎖移動剤の使用量は、樹脂に対して、好ましくは0.001質量%以上30質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上10質量%以下の範囲である。
((C)有機酸と有機塩基の反応生成物)
<(E)着色顔料>
本実施形態の着色金属顔料を構成する着色顔料は、従来公知の顔料を特に限定することなく使用することができ、例えば、青色顔料、赤色顔料、黄色顔料などを使用することができる。
本実施形態の金属顔料は、主として金属光沢を付与する作用を有するものであり、無彩色となることが多い。ここで有彩色の着色顔料は、金属顔料に色彩を付与する作用を有するものである。しかし、有彩色のみに限定されることはなく、例えば黒色や白色等の無彩色を付与する作用を有していても良い。
着色顔料としては、例えば、フタロシアニン系、ペリレン系、スレン系、結合アゾ系、イソインドリノン系、キナクリドン系、キノフタロン系、ジオキサジン系、ペリノン系、ジケトピロロピロール系等の有機顔料、カーボンブラック、酸化鉄、酸化チタン等の無機顔料を挙げることができる。
金属顔料への密着性、耐候性及び着色力の観点からとくに好ましい着色顔料としては、フタロシアニンブルー、ペリレンマルーン、アントラピリミジンイエロー、キナクリドンゴールド、フタロシアニングリーン、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット、超微粒子酸化チタン等を挙げることができる。
着色顔料の一次粒子径は、特に限定されないが、好ましくは0.01~0.8μmの範囲内、より好ましくは0.05~0.5μmの範囲内のものが使用できる。一次粒子径が0.05~0.5μmの場合には原料の分散が良好で、金属顔料表面に均一に付着させることができる。
着色顔料の付着量は、金属顔料100質量部に対して、5質量部以上150質量部以下であることが好ましい。10質量部以上100質量部以下であることがより好ましい。付着量が5質量部未満の場合は着色金属顔料の十分な彩度が得られず、また付着量が150質量部を超える場合は、着色金属顔料の光輝度感が低下する。
<(F)1個のカルボキシル基を有する飽和脂肪酸(有機酸)>
本実施形態の着色金属顔料に使用する有機酸としての1個のカルボキシル基を有する飽和脂肪酸は、従来公知の1個のカルボキシル基を有する飽和脂肪酸を特に限定することなく使用することができる。
具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナメント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸などを例示することができる。
<(G)1個のアミノ基を有する脂環式アミン(有機塩基)>
本実施形態の着色金属顔料に使用する有機塩基としての1個のアミノ基を有する脂環式アミンは、従来公知の1個のカルボキシル基を有する飽和脂肪酸を特に限定することなく使用することができる。
具体的には、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シキロヘキシルアミン、シクロヘプチルアミン、シクロオクチルアミン、N-シクロヘキシルメチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、シクロヘキサンメチルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどを例示することができる。
本実施形態の着色金属顔料を構成する有機酸及び有機塩基はそれぞれ、1個のカルボキシル基を有する飽和脂肪酸、及び、1個のアミノ基を有する脂環式アミンである。このような有機酸と有機塩基を反応させることにより、着色顔料を前記の樹脂化合物付着金属顔料((A)と(B)の構成物)の表面に付着させる作用を有するものである。
ここで、着色金属顔料に含有する1個のカルボキシル基を有する飽和脂肪酸の量は、使用する金属顔料の比表面積と使用する着色顔料の量によって異なるが、金属顔料100質量部に対して0.6以上30質量部以下であることが好ましく、特に1.0以上20質量部以下であることがより好ましい。0.6質量部未満では着色顔料を金属顔料の表面に十分に付着させることが出来ず、30質量部を超えた場合ではかかる効果に変化がなく経済的に不利となる。
また、前記脂肪酸との反応性の観点から、着色金属顔料に含有する1個のアミノ基を有する脂環式アミンの量は、金属顔料100質量部に対して0.4以上20質量部以下であることが好ましく、特に0.7以上14質量部以下であることがより好ましい。0.4質量部未満では着色顔料を金属顔料の表面に十分に付着させることが出来ず、20質量部を超えた場合ではかかる効果に変化がなく経済的に不利となる。
<保護層>
本実施形態の着色金属顔料は、最表層に保護層が形成されていることが好ましい。着色金属顔料を保護層で緻密に被覆することにより、着色顔料を含有する、飽和脂肪酸と脂環式アミンの反応生成物層と金属顔料の付着性をさらに向上させると共に、耐アルカリ性、耐水性を付与する作用を有するものである。なお、ここでいう耐アルカリ性とは、着色金属顔料を含む塗装膜をアルカリ溶液に浸漬させた場合に、アルカリ溶液による着色金属顔料の腐食が抑制する作業という。また、ここでいう耐水性とは、着色金属顔料を水性塗料や水性インキ中に配合して水分を接触させた場合に、ガス発生を抑制する作用という。
前記保護層は、1個以上のラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーを反応(重合)させることにより得られる樹脂化合物、またはSi、Ti、Al、Cr、Zr、Ce及びMoからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素の酸化物または水酸化物で構成されていることが好ましい。また保護層は樹脂化合物と酸化物または水酸化物より構成されていてもよい。この場合、樹脂化合物と酸化物または水酸化物との層形成の順序は特に限定されない。
ここで、着色金属顔料に含有する保護層の量は、使用する金属顔料の比表面積と使用する着色顔料の量などによって異なるが、金属顔料100質量部に対して0.01以上20質量部以下であることができ、0.1以上5質量部以下であることもできる。0.01質量部未満では、保護層による効果を十分に発揮することが難しい場合があり、20質量部を超えた場合では、着色金属顔料の本来の特性を損なう場合がある。
〔着色金属顔料の製造方法〕
本実施形態の着色金属顔料は、未処理の金属顔料を有機溶剤中に分散後、加温し、撹拌しながら(D)ラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマー、重合開始剤を加え、反応させた後に、(E)着色顔料と(F)1個のカルボキシル基を有する飽和脂肪酸と(G)1個のアミノ基を有する脂環式アミンと、を加え、この分散液に対して振動的外的作用を付加(例えば、超音波発生装置による超音波を照射)しながら反応させることにより製造できる。
有機溶剤として、(A)金属顔料に対して不活性であればよく、以下に限定されるものではないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類;エタノール、2-プロパノール、ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、エチレングリコールモノエチルエーテル等のセロソルブ類が挙げられる。
有機溶剤中の(A)金属顔料の質量濃度は、0.1以上40質量%以下が好ましく、より好ましくは1以上35質量%以下である。
反応速度の観点から0.1質量%以上が好ましく、また、分散性の観点から40質量%以下が好ましい。
未処理の(A)金属顔料を、有機溶剤中に分散後、加温し、撹拌しながら(D)ラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーを加える際には、製造性の観点から、第1段階として炭素10以下のラジカル重合性不飽和カルボン酸を加え、第2段階として、前記炭素数10以下のラジカル重合性不飽和カルボン酸以外の(D)ラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーを加えることが好ましい。
なお、前記第2段階に炭素数10以下のラジカル重合性不飽和カルボン酸が含まれていてもよく、逆に炭素数10以下のラジカル重合性不飽和カルボン酸のみで樹脂化合物を構成する場合は、第2段階は不要となる。
(D)ラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーの重合反応の際に重合開始剤を用いる場合、当該重合開始剤を添加するタイミングについては、特に限定されるものではないが、(D)ラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーと同時、及び/又は後から加えることが好ましい。
重合開始剤を添加する際の温度は、(D)ラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーの重合反応が生ずればよく、特に限定されるものではないが、60℃~150℃が好ましい。また、反応効率を高めるために窒素、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下での添加、反応することが好ましい。
(D)ラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマー、重合開始剤を加え、反応させた後に、継続して(E)着色顔料と(F)1個のカルボキシル基を有する飽和脂肪酸を加え、30分~3時間の撹拌を継続して行う。
上記処理を終えて(G)1個のアミノ基を有する脂環式アミンを加え、30分~3時間でさらなる反応を行うことにより着色顔料を金属顔料に付着させる。
また、(D)ラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーの反応、及び(E)着色顔料を含有する、(F)1個のカルボキシル基を有する飽和脂肪酸と(G)1個のアミノ基を有する脂環式アミンの反応の際には、必要に応じて溶剤を添加したり、又は置換したりすることもできる。
本実施形態の着色金属顔料を製造する際には、外的作用としてせん断的外的作用と振動的外的作用とを併用することが好ましい。
せん断的外的作用とは、金属顔料を有機溶媒中に分散させる際、及びその分散液に単量体を添加する際に、高いせん断力を付加して物理的分散を促進する作用をいい、そのための方法としては、例えば、ディスパーを用いて金属顔料や単量体を分散させる方法が挙げられる。
振動的外的作用とは、振動発性装置や超音波発生装置等を用いて、上記分散液や重合反応中の混合溶液を、機械的に強力に振動させ、物理的分散を促進する作用のことをいう。
前記振動的外的作用の付加の態様としては、重合反応中に間欠的に付加する態様、重合反応中に連続的に付加する態様、重合反応中に間欠的付加と連続的付加を組み合わせる態様等の種々の態様が挙げられる。
また、振動的外的作用の付加方法は、振動の付加及び超音波の照射が振動発生装置及び超音波振動子からの外的作用を間接的に反応器に付加する方法、反応器内の処理分散液に直接的に付加する方法、外部循環型容器に処理分散液を循環させてその外部循環型容器に間接的又は直接的に振動的外的作用を付加する方法等がある。
振動発生装置等による外的作用の振動は、周波数10Hz以上24kHz以下であることが好ましい。
超音波発生装置等による外的作用の超音波は、弾性体を伝わる弾性振動の一種であり、通常は波の進行方向に圧縮、膨張が伝わる縦波であるが、反応槽壁及びその接触面等においては横波が存在することもある。なお、直接聞くことを目的としない音波も技術的な定義として超音波に含まれ、また、液体や固体の表面や内部を伝わる音波も全て超音波に含まれる。超音波としては、周波数15kHz以上10000kHz以下で、出力5W以上が好ましく使用され得る。
〔着色金属顔料の使用態様〕
本実施形態の着色金属顔料は着色物に関わる塗料組成物、インキ組成物等の顔料として用いることができる。塗料組成物、インキ組成物としては、溶剤型、水性型のいずれも用いることができる。
溶剤型の塗料及びインキにおいて本実施形態の着色金属顔料を使用する場合、塗料用樹脂又はインキ用樹脂としては、従来メタリック塗料及びメタリックインキで用いられている塗料用又はインキ用樹脂を用いることができる。
当該塗料用又はインキ用樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、オイルフリーアルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、セルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
これらは一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
溶剤型塗料及びインキ用の顔料として本実施形態の着色金属顔料を用いる場合、当該着色金属顔料の使用量は、塗料用又はインキ用樹脂100質量部に対して0.1質量部~300質量部が好ましく、0.2~200質量部がより好ましい。金属光沢性の観点から0.1質量部以上が好ましく、塗膜物性の観点から300質量部以下が好ましい。
溶剤型塗料及びインキの希釈剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族系化合物;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族系化合物;エタノール、プタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メチルエチルケトン等のケトン類;トリクロロエチレン等の塩素化合物;エチレングリコールモノエチルエーテル等のセロソルブ類が挙げられる。これらの希釈剤は、一種のみを単独で用いてもよく、二種以上混合して使用してもよい。
希釈剤の組成は塗料用及びインキ用樹脂に対する溶解性、塗膜形成特性、塗装作業性等
を考慮して適宜決定すればよい。
さらに、塗料やインキには、塗料業界で一般に使用されている顔料、染料、湿潤剤、分散剤、色分れ防止剤、レベリング剤、スリップ剤、皮張り防止剤、ゲル化防止剤、消泡剤等の添加剤を、さらに加えてもよい。
また、塗料及びインキは、水性塗料用樹脂を用いることにより水性塗料としても使用可能である。
ただし、着色金属顔料を用いる場合は、水性塗料及びインキ中で水と反応する可能性がある。このような場合には、反応阻害剤を添加することが必要である。
ここで水性塗料用樹脂とは、水溶性樹脂又は水分散性樹脂であって、一種のみを単独で用いてもよく、二種以上の混合物であってもよい。その種類は目的、用途により適宜選択すればよく、特に限定されるものではないが、塗料用では、一般にはアクリル系、アクリル-メラミン系、ポリエステル系、ポリウレタン系等の水性塗料用樹脂が挙げられ、中でもアクリル-メラミン系が最も汎用的に使用されている。
水性型の塗料又はインキとして使用する場合の、本実施形態の着色金属顔料の使用量は、水性塗料用樹脂100質量部に対して0.1~300質量部であることが好ましく、0.2質量部~200質量部であることがより好ましい。金属光沢を得る観点から0.1質量部以上であることが好ましく、塗膜物性の観点から300質量部以下であることが好ましい。
また、各種添加剤として、例えば、分散剤、増粘剤、タレ防止剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、成膜助剤、界面活性剤、その他の有機溶剤、水等、当該分野に於いて通常使用され得るものであって、本発明の効果を損なわないものをいずれも使用でき、また、本発明の効果を損なわない程度の量で、添加することが好ましい。
〔塗装方法〕
本実施形態の着色金属顔料を含む塗料やインキを用いた塗装方法としては、公知の方法を適用することが可能である。
例えば、スプレー吹き付け法、フローコーティング法、ロールコート法、刷毛塗り法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、スクリーン印刷法、キャスティング法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法等が挙げられる。
また塗装後に、所望により好ましくは20~500℃、より好ましくは40~250℃での熱処理や、紫外線照射等を行うことも可能である。また、40~250℃に熱した基材に対して塗料を塗布することも可能である。
〔用途〕
本実施形態の着色金属顔料は、自動車用、一般家電用、携帯電話に代表される情報家電用の塗装、又は所定の印刷用途に用いることができる。
それぞれ鉄やマグネシウム合金などの金属、あるいはプラスチック等の、所定の材料よりなる基材を塗装し、印刷でき、高い発色意匠性を発揮できる。
以下、具体的な実施例と比較例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
フレーク状アルミニウム粉末ペーストGX-40A(旭化成社製、平均粒径19μm、不揮発分74%)209.5gを2L超音波溶解分散槽(GSC50AG:ソニックテクノロジー社製)に入れ、ミネラルスピリット410.6gを加え、窒素ガスを導入しながら撹拌し、系内の温度を70℃に昇温し、1時間撹拌を続けた。
次いで、アクリル酸7.38g、トリメチロールプロパントリメタクリレート0.39g、2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル1.16g、ミネラルスピリット15g、からなる溶液を作製し、超音波溶解分散槽内に一括添加した。添加後に系内の温度を70℃に保ちながら継続3時間の第1の重合工程を行った。
次いで、3時間の第1の重合工程を終えた時点でビス-(4-t-ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート1.16g、ミネラルスピリット5g、からなる溶液を作製し、一括追加添加した。系内の温度を70℃に保ちながら継続1時間の第2の重合工程を行った。
次に、ギ酸23.30gを系内に一括添加し、30分撹拌した後に、溶剤としてミネラルスピリット440g、着色顔料青色顔料(Fastogen Blue AE-8:DIC社製)77.65gを一括添加し、引き続き30分の第3の処理工程を行った。
次いで、N-シクロヘキシルメチルアミン15.53gを系内に一括添加し、70℃で30分~1.5時間の第4の反応処理工程を行った。第4の反応処理工程を行うことにより、上記着色顔料(青色顔料)が上記有機酸(ギ酸)と有機塩基(N-シクロヘキシルメチルアミン)の反応生成物と共に、アルミニウム顔料の表面上に形成された樹脂化合物の上に付着した着色顔料を含有するスラリーを得た。
引き続き、上記で得られた着色アルミニウム顔料を含有スラリーに、アクリル酸1.55g、トリメチロールプロパントリメタクリレート7.77g、2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル1.16g、ミネラルスピリット99.34g、からなる溶液を一括添加した。添加後に系内の温度を70℃に保ちながら3時間の第5の重合工程を行った。
なお、前記の第1の重合工程から第5の重合工程を終えるまでは超音波溶解分散装置GSC50AG内の混合物に出力30Wの超音波を照射した。
第5の重合工程終了後でサンプリングした、ろ液中のトリメチロールプロパントリメタクリレートの未反応量をガスクロマトグラフィで分析したところ、添加量の99%以上が反応していた。
重合終了後、自然冷却し、スラリーを濾過することにより、表面に樹脂化合物から成る保護層が形成された着色アルミニウム顔料を得た。
このペーストの不揮発分(JIS-K-5910による)は、50.2質量%であった。
[実施例2]
有機酸としてギ酸23.30gをカプリル酸23.30gに、有機塩基としてN-シクロヘキシルメチルアミン15.53gをシキロヘキシルアミン15,53gに変更した以外は実施例1と同様にして着色アルミニウム顔料を得た。JIS-K-5910によるこのペーストの不揮発分は50.9質量%であった。
[実施例3]
有機酸としてギ酸23.30gを酢酸23.30gに、有機塩基としてN-シクロヘキシルメチルアミン15.53gをジシクロヘキシルアミン15,53gに変更した以外は実施例1と同様にして着色アルミニウム顔料を得た。JIS-K-5910によるこのペーストの不揮発分は50.5質量%であった。
[実施例4]
着色顔料である青色顔料77.65gを赤色顔料(Paliogen Maroon L3920:BASFジャパン社製)85.10gに変更した以外は実施例1と同様にして着色アルミニウム顔料を得た。JIS-K-5910によるこのペーストの不揮発分は50.1質量%であった。
[実施例5]
着色顔料である青色顔料77.65gを黄色顔料(Irgazin Yellow L0800:BASFジャパン社製)75.50gに変更した以外は実施例1と同様にして着色アルミニウム顔料を得た。JIS-K-5910によるこのペーストの不揮発分は50.5質量%であった。
[比較例1]
第1及び第2の重合工程を行わなかったことを除き、実施例1と同様にして着色アルミニウム顔料を得た。JIS-K-5910によるこのペーストの不揮発分は62.5質量%であった。
[比較例2]
有機酸としてギ酸23.30gをアクリル酸23.30gに変更した以外は実施例1と同様にして着色アルミニウム顔料を得た。JIS-K-5910によるこのペーストの不揮発分は40.9質量%であった。
[比較例3]
有機塩基としてN-シクロヘキシルメチルアミン15.53gをジブチルアミン15.53gに変更した以外は実施例1と同様にして着色アルミニウム顔料を得た。JIS-K-5910によるこのペーストの不揮発分は60.7質量%であった。
〔物性の測定方法〕
実施例1~5及び比較例1~3で得られた各着色アルミニウム顔料5.0gを市販のアクリルラッカー(アクリック#2000クリヤー:関西ペイント社製)97.0gに分散して塗料組成物を作製した。塗料組成物を両面アート紙上に9milアプリケータを用いて塗布することにより塗板を作製した。
<光沢度(G60)>
上記で得られた各塗板の光沢度を光沢計(デジタル変角光沢計UGV-5D:スガ試験機社製、)を用いて60度光沢(入射角、反射角とも60度)を測定した。光沢度は、数値が高いほど、高光沢であることを示す。結果表1に示す。
<彩度値>
上記で得られた各塗板の彩度をマルチアングル分光測色計(X-Rite MA-94 、X-Rite社製)を用いて測定した。彩度値(C*)は、入射角45°、オフセット角15°における測定であるa*値及びb*値を用い、次式により計算した。彩度値(C*)は、数値が高いほど、高彩度であることを示す。結果を表1に示す。
<密着性>
50mlスクリュー管瓶に、実施例1~5及び比較例1~3で得られた各着色アルミニウム顔料1.0g及びアセトン30gを加え、よく振って分散させた後、3hr静置し、着色アルミニウム顔料における着色顔料の溶け出す状況を観察し、評価した。アルミニウム顔料と着色顔料との密着性が不十分な場合には上澄み液が溶出した着色顔料によって着色する。一方、密着性が良好な場合には上澄みが透明である。評価基準は以下の通りで、実用性を考慮して、○を合格とし、×を不合格とした。結果を表1に示す。
評価
〇:上澄み液が無色透明である
×:上澄み液が不透明で着色している
<塗膜中の配向性>
塗膜中の配向性について上記で得られた各塗板の粒子感で評価する。粒子感はメタリック塗装の光輝缶測定機(BYK-mac i : BYKジャパン社製)を用いて測定した。粒子感は、数値が低い程、塗膜中の配向性が良好であることを示す。結果を表1に示す。
表1より明確であるように、各実施例の着色アルミニウム顔料は、比較例の着色アルミニウム顔料に比べて良好な光沢度、高彩度を有し、塗膜中の配向性も良好である。また、アルミニウム顔料と着色顔料との密着性においても優れている。従って、本実施形態の着色アルミニウム顔料は、アルミニウム顔料と着色顔料との密着性が強固で、塗膜中の配向性が良好であり、かつ良好な光沢度と高彩度を有するという優れた効果を発揮することが確認できた。
今回開示された実施の形態及び実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本実施形態の着色金属顔料は、自動車産業(自動二輪車も含む)、航空機産業、家電産業などの塗料、例えば、自動車及び航空機用の各種部品や一般家電や携帯電話に代表される情報家電用の各種部品の塗料として、又は印刷産業などのインキ、例えば、印刷用のインキとしての産業上の利用可能性があり、具体的には、これらの鉄やマグネシウム合金等の金属、あるいはプラスチック等の基材に対する塗料及びインキ用途に産業上の利用可能性を有している。

Claims (11)

  1. (A)金属顔料の表面に(B)樹脂化合物と、さらに前記(B)の上に(C)有機酸と有機塩基の反応生成物と、を含む着色金属顔料であって、
    前記(B)樹脂化合物は、(D)ラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーの重合体を含み、
    (D)ラジカル重合性単量体及び/又はオリゴマーは、85質量%以上の炭素数10以下のラジカル重合性不飽和カルボン酸を含み、
    前記(C)有機酸と有機塩基の反応生成物は、
    (E)着色顔料を含有し、(F)1個のカルボキシル基を有する飽和脂肪酸と(G)1個のアミノ基を有する脂環式アミンの反応生成物である、着色金属顔料。
  2. 前記(A)金属顔料:100質量部に対して、
    前記(B)樹脂化合物:0.1以上5質量部以下を、
    含有する請求項1に記載の着色金属顔料。
  3. 前記(A)金属顔料:100質量部に対して、
    前記(F)1個のカルボキシル基を有する飽和脂肪酸:0.6以上30質量部以下と、
    前記(G)1個のアミノ基をもつ脂環式アミン:0.4以上20質量部以下と、を
    含有する請求項1または2に記載着色金属顔料。
  4. 前記(A)金属顔料:100質量部に対して、
    前記(E)着色顔料:5以上150質量部以下を、
    含有する請求項1~3のいずれかに記載の着色金属顔料。
  5. 前記(F)1個のカルボキシル基を有する飽和脂肪酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナメント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の飽和脂肪酸である、請求項1~4のいずれかに記載の着色金属顔料。
  6. 前記(G)1個のアミノ基をもつ脂環式アミンは、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シキロヘキシルアミン、シクロヘプチルアミン、シクロオクチルアミン、N-シクロヘキシルメチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、シクロヘキサンメチルアミン、ジシクロヘキシルアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の1個のアミノ基をもつ脂環式アミンである、請求項1~5のいずれかに記載の着色金属顔料。
  7. 最表層に保護層が形成されている、請求項1~6のいずれかに記載の着色金属顔料。
  8. 前記(A)金属顔料が、アルミニウム顔料である、請求項1~7のいずれかに記載着色金属顔料。
  9. 請求項1~8のいずれかに記載の着色金属顔料を含有する塗料。
  10. 請求項1~8のいずれかに記載の着色金属顔料を含有するインキ。
  11. 請求項1~8のいずれかに記載の着色金属顔料を含有する着色物。
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