JP2001164150A - 薄片状顔料 - Google Patents
薄片状顔料Info
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- JP2001164150A JP2001164150A JP34708499A JP34708499A JP2001164150A JP 2001164150 A JP2001164150 A JP 2001164150A JP 34708499 A JP34708499 A JP 34708499A JP 34708499 A JP34708499 A JP 34708499A JP 2001164150 A JP2001164150 A JP 2001164150A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】リーフィング性及び付着性に優れた薄片状顔料
の開発 【解決手段】薄片状顔料表面にカップリング剤及びパー
フルオロアルキル基を有するリン酸エステルあるいはシ
ラン化合物を被覆することによってリーフィング性と顔
料粒子と塗膜（樹脂）との付着性に優れた薄片状顔料が
得られた。従って、当該薄片状顔料は、光輝感及び耐久
性が求められる塗料あるいは印刷インキ用の顔料として
優れている。
の開発 【解決手段】薄片状顔料表面にカップリング剤及びパー
フルオロアルキル基を有するリン酸エステルあるいはシ
ラン化合物を被覆することによってリーフィング性と顔
料粒子と塗膜（樹脂）との付着性に優れた薄片状顔料が
得られた。従って、当該薄片状顔料は、光輝感及び耐久
性が求められる塗料あるいは印刷インキ用の顔料として
優れている。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、リーフィング性及び付
着性に優れた薄片状顔料、詳しくは、カップリング剤及
びパーフルオロアルキル基を有する有機化合物が被覆さ
れたリーフィング性及び薄片状顔料粒子と塗膜層との付
着性に優れた塗料用及び印刷インキ用の薄片状顔料に関
する。
着性に優れた薄片状顔料、詳しくは、カップリング剤及
びパーフルオロアルキル基を有する有機化合物が被覆さ
れたリーフィング性及び薄片状顔料粒子と塗膜層との付
着性に優れた塗料用及び印刷インキ用の薄片状顔料に関
する。
【０００２】
【背景技術】従来、薄片状の形態を有する真珠光沢顔料
や金属顔料の多くは、塗料組成物等に配合した場合、塗
装膜中に薄片状顔料粒子を均一に分散されることによっ
て、光輝感に基づく意匠性の塗膜を形成するものであっ
た。そこで、最近、塗膜の光輝感をより一層高めるため
リーフィングアルミニウムフレーク顔料に代表されるよ
うな薄片状顔料粒子を塗膜表面に浮上（リーフィング性
あるいは平面配向性）させることによって、メッキ調の
光輝感のある意匠性の各種薄片状顔料の開発が進められ
ている。例えば、金属顔料においては、鱗片状銅粉にス
テアリン酸を被覆した顔料（特開平８−１８８７３１号
公報）あるいはアルミニウムフレークをリン酸アルキル
で表面処理した顔料（特開平１１−５７６０５号公報）
などが高リーフィング性を持つ顔料として提案されてい
る。また、真珠光沢顔料については、シラン化合物でコ
−テイングした真珠光沢顔料を含有せしめた樹脂フィル
ムが提案されている（特開平７−６２１５１号公報）。
このシランコ−テイング顔料は、樹脂フィルム中におけ
る、顔料粒子と樹脂との相溶性およびリーフィング性を
高めたというものである。
や金属顔料の多くは、塗料組成物等に配合した場合、塗
装膜中に薄片状顔料粒子を均一に分散されることによっ
て、光輝感に基づく意匠性の塗膜を形成するものであっ
た。そこで、最近、塗膜の光輝感をより一層高めるため
リーフィングアルミニウムフレーク顔料に代表されるよ
うな薄片状顔料粒子を塗膜表面に浮上（リーフィング性
あるいは平面配向性）させることによって、メッキ調の
光輝感のある意匠性の各種薄片状顔料の開発が進められ
ている。例えば、金属顔料においては、鱗片状銅粉にス
テアリン酸を被覆した顔料（特開平８−１８８７３１号
公報）あるいはアルミニウムフレークをリン酸アルキル
で表面処理した顔料（特開平１１−５７６０５号公報）
などが高リーフィング性を持つ顔料として提案されてい
る。また、真珠光沢顔料については、シラン化合物でコ
−テイングした真珠光沢顔料を含有せしめた樹脂フィル
ムが提案されている（特開平７−６２１５１号公報）。
このシランコ−テイング顔料は、樹脂フィルム中におけ
る、顔料粒子と樹脂との相溶性およびリーフィング性を
高めたというものである。
【０００３】しかし、これら公知の薄片状顔料には、リ
ーフィング性において優れた特性を示す顔料も存在する
が、顔料粒子と塗装膜との層間付着性が弱く、従って、
塗料用として用いた場合耐久性の面で欠陥がある。すな
わち、公知の薄片状顔料粒子は、塗膜表面に浮上して、
そのリーフィング性に基づく光輝感によって所望する意
匠性が得られたとしても、その上に保護の目的で塗装さ
れるクリヤー塗膜がセロハンテープ等を貼付して引っ張
ると簡単に剥がれてしまうほど、薄片状顔料粒子とクリ
ヤー塗膜との層間付着性が弱く、それを塗料用顔料とし
て用いても塗料に要求される耐久性は得られない。他
方、塗料用樹脂組成物を含有する有機溶剤系べース塗料
とリーフィングアルミニウムフレーク顔料の有機溶剤分
散液とを塗装直前に混合して使用するという塗装法の工
夫によって、リーフィング性を低下せしめることなく、
クリヤー塗膜層との付着性を高める試みもなされている
（特開平１１−１２８８２８号公報）。
ーフィング性において優れた特性を示す顔料も存在する
が、顔料粒子と塗装膜との層間付着性が弱く、従って、
塗料用として用いた場合耐久性の面で欠陥がある。すな
わち、公知の薄片状顔料粒子は、塗膜表面に浮上して、
そのリーフィング性に基づく光輝感によって所望する意
匠性が得られたとしても、その上に保護の目的で塗装さ
れるクリヤー塗膜がセロハンテープ等を貼付して引っ張
ると簡単に剥がれてしまうほど、薄片状顔料粒子とクリ
ヤー塗膜との層間付着性が弱く、それを塗料用顔料とし
て用いても塗料に要求される耐久性は得られない。他
方、塗料用樹脂組成物を含有する有機溶剤系べース塗料
とリーフィングアルミニウムフレーク顔料の有機溶剤分
散液とを塗装直前に混合して使用するという塗装法の工
夫によって、リーフィング性を低下せしめることなく、
クリヤー塗膜層との付着性を高める試みもなされている
（特開平１１−１２８８２８号公報）。
【０００４】一方、パーフルオロアルキル基を有するリ
ン酸化合物（特開平５−９３１５３号公報）又はシラン
化合物（特開平２−２１８６０３号公報）で処理した顔
料、あるいはこれらのパーフルオロアルキル基を有する
化合物と反応性有機ケイ素化合物とを同時被覆処理した
顔料（特開平８−２１７９８９号公報）なども提案され
ているが、これらの顔料は、いずれも、顔料の撥水性、
撥油性の改善を目的として開発されたものであって、主
に化粧料用として使われる顔料である。
ン酸化合物（特開平５−９３１５３号公報）又はシラン
化合物（特開平２−２１８６０３号公報）で処理した顔
料、あるいはこれらのパーフルオロアルキル基を有する
化合物と反応性有機ケイ素化合物とを同時被覆処理した
顔料（特開平８−２１７９８９号公報）なども提案され
ているが、これらの顔料は、いずれも、顔料の撥水性、
撥油性の改善を目的として開発されたものであって、主
に化粧料用として使われる顔料である。
【０００５】
【発明の開示】そこで、本発明者らは、塗料用あるいは
印刷インキ用としてリーフィング性及び顔料粒子と保護
塗膜との層間付着性に優れた薄片状顔料を開発すべく鋭
意研究を行った結果、薄片状顔料をカップリング剤及び
パーフルオロアルキル基を有する化合物で被覆処理した
顔料は、リーフィング性と層間付着性の両特性が向上
し、特に耐久性が求められる塗料用および印刷インキ用
の顔料として優れていることを見出した。
印刷インキ用としてリーフィング性及び顔料粒子と保護
塗膜との層間付着性に優れた薄片状顔料を開発すべく鋭
意研究を行った結果、薄片状顔料をカップリング剤及び
パーフルオロアルキル基を有する化合物で被覆処理した
顔料は、リーフィング性と層間付着性の両特性が向上
し、特に耐久性が求められる塗料用および印刷インキ用
の顔料として優れていることを見出した。
【０００６】すなわち、本発明は、下記〜項に記載
のリーフィング性及び層間付着性に優れた新規な樹脂組
成物用薄片状顔料を提供するものである。 薄片状顔料表面にカップリング剤及びパーフルオロア
ルキル基を有する有機化合物が被覆された樹脂組成物用
薄片状顔料。 薄片状顔料が、真珠光沢顔料又は金属顔料から選択さ
れた１種もしくは２種以上のものである上記項記載の
樹脂組成物用薄片状顔料。
のリーフィング性及び層間付着性に優れた新規な樹脂組
成物用薄片状顔料を提供するものである。 薄片状顔料表面にカップリング剤及びパーフルオロア
ルキル基を有する有機化合物が被覆された樹脂組成物用
薄片状顔料。 薄片状顔料が、真珠光沢顔料又は金属顔料から選択さ
れた１種もしくは２種以上のものである上記項記載の
樹脂組成物用薄片状顔料。
【０００７】薄片状顔料が、真珠光沢顔料表面に次亜
リン酸塩の存在下ジルコニル化合物を加水分解させて生
成する含水酸化ジルコニウム及び/又は、コバルト、マ
ンガン及びセリウムよりなる群から選択された１種又は
２種以上の金属の水溶性化合物を加水分解させて生成す
る含水化合物とを付着せしめたものである上記項又は
項記載の樹脂組成物用薄片状顔料。
リン酸塩の存在下ジルコニル化合物を加水分解させて生
成する含水酸化ジルコニウム及び/又は、コバルト、マ
ンガン及びセリウムよりなる群から選択された１種又は
２種以上の金属の水溶性化合物を加水分解させて生成す
る含水化合物とを付着せしめたものである上記項又は
項記載の樹脂組成物用薄片状顔料。
【０００８】パーフルオロアルキル基を有する有機化
合物が、下記一般式（Ｉ）〜(ＩＩＩ)で表される化合物
から選択された１種もしくは２種以上のものである上記
項〜項記載のいずれかの樹脂組成物用薄片状顔料。 一般式(I) ［Ｒｆ（ＣｎＨ２ｎＯ）ｍ］ｙＰＯ（ＯＭ）３−ｙ （Ｉ） （式中、Ｒｆは直鎖又は分枝鎖の炭素数が６〜２１のパ
ーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルキルオキシ
基、Ｍは水素、アルカリ金属、アンモニウム、置換アン
モニウムを表し、ｎは１〜４、ｍは０〜１０及びｙは１
〜３の数をそれぞれ表す）で表されるパーフルオロアル
キル基を有するリン酸エステル。 一般式（ＩＩ) （ＲｆＳＯ２ＮＲＣｎＨ２ｎＯ）ｙＰＯ（ＯＭ）３−ｙ （ＩＩ） （式中、Ｒｆは直鎖又は分枝鎖の炭素数が６〜２１のパ
ーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルキルオキシ
基、Ｍは水素、アルカリ金属、アンモニウム、置換アン
モニウムを表し、Ｒは水素又は炭素数１〜３のアルキル
基を表し、ｎは１〜４、ｍは０〜１０及びｙは１〜３の
数をそれぞれ表す）で表されるパーフルオロアルキル基
を有するリン酸エステル。 一般式(ＩＩＩ) Ｒｆ（ＣＨ２）ｎＳｉＸ３ (ＩＩＩ) (式中、Ｒｆは直鎖又は分枝鎖の炭素数が1〜１２のパー
フルオロアルキル基、Ｘは同一でも異なっても良く、ア
ルコキシ基、ハロゲン基又はアルキル基(但し全てがア
ルキル基の場合を除く)を表し、ｎは1〜５の数を表す）
で表されるパーフルオロアルキルシラン。
合物が、下記一般式（Ｉ）〜(ＩＩＩ)で表される化合物
から選択された１種もしくは２種以上のものである上記
項〜項記載のいずれかの樹脂組成物用薄片状顔料。 一般式(I) ［Ｒｆ（ＣｎＨ２ｎＯ）ｍ］ｙＰＯ（ＯＭ）３−ｙ （Ｉ） （式中、Ｒｆは直鎖又は分枝鎖の炭素数が６〜２１のパ
ーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルキルオキシ
基、Ｍは水素、アルカリ金属、アンモニウム、置換アン
モニウムを表し、ｎは１〜４、ｍは０〜１０及びｙは１
〜３の数をそれぞれ表す）で表されるパーフルオロアル
キル基を有するリン酸エステル。 一般式（ＩＩ) （ＲｆＳＯ２ＮＲＣｎＨ２ｎＯ）ｙＰＯ（ＯＭ）３−ｙ （ＩＩ） （式中、Ｒｆは直鎖又は分枝鎖の炭素数が６〜２１のパ
ーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルキルオキシ
基、Ｍは水素、アルカリ金属、アンモニウム、置換アン
モニウムを表し、Ｒは水素又は炭素数１〜３のアルキル
基を表し、ｎは１〜４、ｍは０〜１０及びｙは１〜３の
数をそれぞれ表す）で表されるパーフルオロアルキル基
を有するリン酸エステル。 一般式(ＩＩＩ) Ｒｆ（ＣＨ２）ｎＳｉＸ３ (ＩＩＩ) (式中、Ｒｆは直鎖又は分枝鎖の炭素数が1〜１２のパー
フルオロアルキル基、Ｘは同一でも異なっても良く、ア
ルコキシ基、ハロゲン基又はアルキル基(但し全てがア
ルキル基の場合を除く)を表し、ｎは1〜５の数を表す）
で表されるパーフルオロアルキルシラン。
【０００９】カップリング剤が、シランカップリング
剤、チタン系カップリング剤又はジルコニウム系カップ
リング剤から選択された1種もしくは２種以上のもので
ある上記項〜項記載の樹脂組成物用薄片状顔料。 被覆量が、薄片状顔料に対して、カップリング剤及び
一般式(I)〜一般式(III)で表される化合物のいずれも
が、それぞれ０．０５〜２０重量％である上記項〜
項記載のいずれかの樹脂組成物用薄片状顔料。 以下、本発明に係る樹脂組成物用薄片状顔料について、
その態様を項目別に詳細に説明する。
剤、チタン系カップリング剤又はジルコニウム系カップ
リング剤から選択された1種もしくは２種以上のもので
ある上記項〜項記載の樹脂組成物用薄片状顔料。 被覆量が、薄片状顔料に対して、カップリング剤及び
一般式(I)〜一般式(III)で表される化合物のいずれも
が、それぞれ０．０５〜２０重量％である上記項〜
項記載のいずれかの樹脂組成物用薄片状顔料。 以下、本発明に係る樹脂組成物用薄片状顔料について、
その態様を項目別に詳細に説明する。
【００１０】１）薄片状顔料 本発明に係る樹脂組成物用薄片状顔料に使用される薄片
状顔料としては、特に限定されるものではないが、本発
明は、特に塗料用あるいは印刷インキ用として用いられ
る薄片状の真珠光沢顔料及び金属顔料を指向している。
ここで、真珠光沢顔料と金属顔料とは、機能と材料とい
う異なった概念による分類であるので、同一の顔料ある
いは基材がいずれの概念にも該当する場合があることに
留意されるべきである。真珠光沢顔料としては、薄片状
雲母（天然及び合成雲母）を基材とする単一あるいは複
合金属酸化物被覆雲母、例えば、各種の酸化チタン被覆
雲母、酸化鉄被覆雲母、チタンと酸との金属複合酸化物
覆雲母、チタン酸コバルト被覆雲母、薄片状グラファイ
トを基材とする金属酸化物被覆グラファイトフレーク、
例えば、二酸化チタン被覆グラファイトフレーク、薄片
状アルミナを基材とする各種の金属酸化物被覆アルミナ
フレーク、例えば、二酸化チタン被覆アルミナフレー
ク、酸化鉄被覆アルミナフレークなどが例示され、その
他、金属酸化物被覆シリカフレーク、金属酸化物被覆ガ
ラスフレーク、金属被覆ガラスフレーク、金属酸化物被
覆雲母状酸化鉄、二酸化チタン被覆雲母状酸化鉄、金属
酸化物被覆板状硫酸バリウム等が例示される。金属酸化
物被覆雲母等は、商品名イリオジン（Ｉｒｉｏｄｉｎ）
（登録商標）としてメルク（Ｅ．Ｍｅｒｃｋ）社等から
市販されている。
状顔料としては、特に限定されるものではないが、本発
明は、特に塗料用あるいは印刷インキ用として用いられ
る薄片状の真珠光沢顔料及び金属顔料を指向している。
ここで、真珠光沢顔料と金属顔料とは、機能と材料とい
う異なった概念による分類であるので、同一の顔料ある
いは基材がいずれの概念にも該当する場合があることに
留意されるべきである。真珠光沢顔料としては、薄片状
雲母（天然及び合成雲母）を基材とする単一あるいは複
合金属酸化物被覆雲母、例えば、各種の酸化チタン被覆
雲母、酸化鉄被覆雲母、チタンと酸との金属複合酸化物
覆雲母、チタン酸コバルト被覆雲母、薄片状グラファイ
トを基材とする金属酸化物被覆グラファイトフレーク、
例えば、二酸化チタン被覆グラファイトフレーク、薄片
状アルミナを基材とする各種の金属酸化物被覆アルミナ
フレーク、例えば、二酸化チタン被覆アルミナフレー
ク、酸化鉄被覆アルミナフレークなどが例示され、その
他、金属酸化物被覆シリカフレーク、金属酸化物被覆ガ
ラスフレーク、金属被覆ガラスフレーク、金属酸化物被
覆雲母状酸化鉄、二酸化チタン被覆雲母状酸化鉄、金属
酸化物被覆板状硫酸バリウム等が例示される。金属酸化
物被覆雲母等は、商品名イリオジン（Ｉｒｉｏｄｉｎ）
（登録商標）としてメルク（Ｅ．Ｍｅｒｃｋ）社等から
市販されている。
【００１１】また、本出願人による既出願の次亜リン酸
塩の存在下ジルコニル化合物を加水分解させて生成する
含水酸化ジルコニウム及び／又は、コバルト、マンガン
及びセリウムよりなる群から選ばれた１種以上の金属の
水溶性化合物を加水分解させて生成する含水酸化物とを
付着した耐候性の真珠光沢顔料（特開昭６３−１３０６
７３号公報、特開平１−２９２０６７号公報）は、薄片
状顔料として特に好適である。他方、金属顔料として
は、アルミニウムフレーク、雲母状酸化鉄、真鍮、ステ
ンレスフレーク、チタンフレーク、窒化ホウ素フレー
ク、銅紛等が例示されるこれら薄片状顔料の大きさは、
特に限定されるものではなく、通常使用されている粒子
径が２〜２００μm、厚さが０．２〜１．０μmのものか
ら、使用目的と所望する色相と光輝度が得られる大きさ
のものが適宜選定される。
塩の存在下ジルコニル化合物を加水分解させて生成する
含水酸化ジルコニウム及び／又は、コバルト、マンガン
及びセリウムよりなる群から選ばれた１種以上の金属の
水溶性化合物を加水分解させて生成する含水酸化物とを
付着した耐候性の真珠光沢顔料（特開昭６３−１３０６
７３号公報、特開平１−２９２０６７号公報）は、薄片
状顔料として特に好適である。他方、金属顔料として
は、アルミニウムフレーク、雲母状酸化鉄、真鍮、ステ
ンレスフレーク、チタンフレーク、窒化ホウ素フレー
ク、銅紛等が例示されるこれら薄片状顔料の大きさは、
特に限定されるものではなく、通常使用されている粒子
径が２〜２００μm、厚さが０．２〜１．０μmのものか
ら、使用目的と所望する色相と光輝度が得られる大きさ
のものが適宜選定される。
【００１２】２）パーフルオロアルキル基を有する有機
化合物 パーフルオロアルキル基を有する有機化合物としては、
下記一般式（Ｉ）又は、（ＩＩ）で表されるリン酸エス
テル及び一般式(ＩＩＩ)で表されるシラン化合物の１種
もしくは２種以上を組み合わせて使用される。 [Ｒｆ(ＣｎＨ２ｎＯ)m］yＰＯ（ＯＭ）３−y （Ｉ） (ＲｆＳＯ２ＮＲＣｎＨ２ｎＯ)yＰＯ（ＯＭ）３−y （ＩＩ） （上記各式中において、Ｒｆは直鎖又は分枝鎖の炭素数
６〜２１のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロア
ルキルオキシ基、Ｍは水素、アルカリ金属、アンモニウ
ム又は置換アンモニウムを表し、Ｒは水素又は炭素数１
〜３のアルキル基を表し、ｎは１〜４、ｍは０〜１０及
びｙは１〜３の数をそれぞれ表す）。両式におけるＭの
置換アンモニウムとは、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン等のアルカノールアミン類あるいは塩基性
アミノ酸類を表すものである。そして上記一般式（Ｉ）
及び（ＩＩ）の代表的化合物として、（ＣＦ３（Ｃ
Ｆ２）７ＣＨ２ＣＨ２Ｏ）2ＰＯ[ＯＮＨ２(ＣＨ２ＣＨ
２ＯＨ)2]、（ＣＦ３（ＣＦ２）７ＳＯ２Ｎ（Ｃ3Ｈ7）
Ｃ2Ｈ4Ｏ）２ＰＯ（ＯＨ）等を挙げることができる。
化合物 パーフルオロアルキル基を有する有機化合物としては、
下記一般式（Ｉ）又は、（ＩＩ）で表されるリン酸エス
テル及び一般式(ＩＩＩ)で表されるシラン化合物の１種
もしくは２種以上を組み合わせて使用される。 [Ｒｆ(ＣｎＨ２ｎＯ)m］yＰＯ（ＯＭ）３−y （Ｉ） (ＲｆＳＯ２ＮＲＣｎＨ２ｎＯ)yＰＯ（ＯＭ）３−y （ＩＩ） （上記各式中において、Ｒｆは直鎖又は分枝鎖の炭素数
６〜２１のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロア
ルキルオキシ基、Ｍは水素、アルカリ金属、アンモニウ
ム又は置換アンモニウムを表し、Ｒは水素又は炭素数１
〜３のアルキル基を表し、ｎは１〜４、ｍは０〜１０及
びｙは１〜３の数をそれぞれ表す）。両式におけるＭの
置換アンモニウムとは、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン等のアルカノールアミン類あるいは塩基性
アミノ酸類を表すものである。そして上記一般式（Ｉ）
及び（ＩＩ）の代表的化合物として、（ＣＦ３（Ｃ
Ｆ２）７ＣＨ２ＣＨ２Ｏ）2ＰＯ[ＯＮＨ２(ＣＨ２ＣＨ
２ＯＨ)2]、（ＣＦ３（ＣＦ２）７ＳＯ２Ｎ（Ｃ3Ｈ7）
Ｃ2Ｈ4Ｏ）２ＰＯ（ＯＨ）等を挙げることができる。
【００１３】 Ｒｆ（ＣＨ２）ｎＳｉＸ３ (ＩＩＩ) （式中、Ｒｆは直鎖又は分枝鎖の炭素数１〜１２の パ
ーフルオロアルキル基、Ｘは同一でも異なっても良く、
アルコキシ基、ハロゲン基、アルキル基（但し、全てア
ルキル基の場合は除く）を表し、ｎは１〜５の数を表
す） この一般式(ＩＩＩ)のシラン化合物として以下のものが
例示される。 ＣＦ３（ＣＦ２）7（ＣＨ２）２Ｓｉ（ＯＣＨ３）３ ＣＦ３（ＣF２）11（ＣＨ２）２ＳｉＣl３ ＣＦ３（ＣＦ２）4（ＣＨ２）２ＳｉＣl３, ＣＦ３（ＣＦ２）２ＳｉＣl３、 ＣＦ３（ＣＦ２）10（ＣＨ２）２Ｓｉ（ＯＣＨ３）３ ＣＦ３（ＣＦ２）5（ＣＨ２）２Ｓｉ（ＯＣＨ３）３ ＣＦ３（ＣＦ２）9（ＣＨ２）２Ｓｉ（ＯＣ2Ｈ5）３ ＣＦ３（ＣＦ２）7（ＣＨ２）２Ｓｉ（ＯＣ2Ｈ5）３ ＣＦ３（ＣＦ２）4（ＣＨ２）２Ｓｉ（ＯＣ2Ｈ5）３ ＣＦ３（ＣＦ２）2（ＣＨ２）２Ｓｉ（ＯＣ2Ｈ5）３ ＣＦ３（ＣＨ２）２Ｓｉ（ＯＣＨ３）３
ーフルオロアルキル基、Ｘは同一でも異なっても良く、
アルコキシ基、ハロゲン基、アルキル基（但し、全てア
ルキル基の場合は除く）を表し、ｎは１〜５の数を表
す） この一般式(ＩＩＩ)のシラン化合物として以下のものが
例示される。 ＣＦ３（ＣＦ２）7（ＣＨ２）２Ｓｉ（ＯＣＨ３）３ ＣＦ３（ＣF２）11（ＣＨ２）２ＳｉＣl３ ＣＦ３（ＣＦ２）4（ＣＨ２）２ＳｉＣl３, ＣＦ３（ＣＦ２）２ＳｉＣl３、 ＣＦ３（ＣＦ２）10（ＣＨ２）２Ｓｉ（ＯＣＨ３）３ ＣＦ３（ＣＦ２）5（ＣＨ２）２Ｓｉ（ＯＣＨ３）３ ＣＦ３（ＣＦ２）9（ＣＨ２）２Ｓｉ（ＯＣ2Ｈ5）３ ＣＦ３（ＣＦ２）7（ＣＨ２）２Ｓｉ（ＯＣ2Ｈ5）３ ＣＦ３（ＣＦ２）4（ＣＨ２）２Ｓｉ（ＯＣ2Ｈ5）３ ＣＦ３（ＣＦ２）2（ＣＨ２）２Ｓｉ（ＯＣ2Ｈ5）３ ＣＦ３（ＣＨ２）２Ｓｉ（ＯＣＨ３）３
【００１４】３）カップリング剤 本発明で使用されるカップリング剤は、特に限定される
ものではなく、シラン系カップリング剤、チタン系カッ
プリング剤、ジルコニウム系カップリング剤が使用可能
でり、経済性の面から特にシランカップリング剤が好適
である。それぞれのカップリング剤の代表的物質として
以下の化合物が例示される。
ものではなく、シラン系カップリング剤、チタン系カッ
プリング剤、ジルコニウム系カップリング剤が使用可能
でり、経済性の面から特にシランカップリング剤が好適
である。それぞれのカップリング剤の代表的物質として
以下の化合物が例示される。
【００１５】イ）シラン系カップリング剤 メタクリロキシアルコキシプロピルトリメトキシシラン γ−（２−アミノエチル）アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−（２−アミノエチル）アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、Ｎ−β−（Ｎ−ビニルベンジルアミノ
エチル）−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン γ−グリシドキシプロピルトリメトキシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセト
キシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、
シラン、γ−（２−アミノエチル）アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、Ｎ−β−（Ｎ−ビニルベンジルアミノ
エチル）−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン γ−グリシドキシプロピルトリメトキシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセト
キシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、
【００１６】オクタデシルジメチル［３−（トリメトキ
シリル）プロピル］アンモニウムクロライド、γ−メル
カプトプロピルメチルジメトキシシン、メチルトリクロ
ロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロ
シラン ビニルトリメトキシシラン 特に、γ−（２−アミノエチル）アミノプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシラン
が好適である。
シリル）プロピル］アンモニウムクロライド、γ−メル
カプトプロピルメチルジメトキシシン、メチルトリクロ
ロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロ
シラン ビニルトリメトキシシラン 特に、γ−（２−アミノエチル）アミノプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシラン
が好適である。
【００１７】ロ）チタン系カップリング剤 テトラ（２．２−ジアリルオキシメチル−１−ブチル）
ビス（ジ−トリデシル）ホスファイト）チタネート、 ビス（ジオクチルパイロホスフェート）オキシアセテー
トチタネート イソプロピルトリ（Ｎ−アミノエステル−アミノエチ
ル）チタネート
ビス（ジ−トリデシル）ホスファイト）チタネート、 ビス（ジオクチルパイロホスフェート）オキシアセテー
トチタネート イソプロピルトリ（Ｎ−アミノエステル−アミノエチ
ル）チタネート
【００１８】ハ）ジルコアルミネート系カップリング剤 カルボキシジルコアルミネート メタクリルオキシジルコアルミネート
【００１９】４）被覆量 カップリング剤及び上記一般式（Ｉ）〜一般式（ＩＩ
Ｉ）で表されるパーフルオロアルキル基を有する化合物
の被覆量は、薄片状顔料に対して、いずれも同割合でよ
く、０．０５〜２０重量％、好ましくは、０．０５〜１
５重量％である。いずれについても、被覆量が0.05重量
％未満では、充分なリーフィング効果及び塗膜層への付
着性が得られない。他方、２０重量％を超える被覆量
は、それによって所望するリーフィング効果等を得るこ
とは出来るが、さらに効果の向上は期待できず、経済性
を考慮すると意味がない。
Ｉ）で表されるパーフルオロアルキル基を有する化合物
の被覆量は、薄片状顔料に対して、いずれも同割合でよ
く、０．０５〜２０重量％、好ましくは、０．０５〜１
５重量％である。いずれについても、被覆量が0.05重量
％未満では、充分なリーフィング効果及び塗膜層への付
着性が得られない。他方、２０重量％を超える被覆量
は、それによって所望するリーフィング効果等を得るこ
とは出来るが、さらに効果の向上は期待できず、経済性
を考慮すると意味がない。
【００２０】５）製法 本発明の樹脂組成物用薄片状顔料の製法としては、従来
顔料の製法に用いられている湿式法及び乾式法のいずれ
も採用することができる。しかし、均一な特性をもつ顔
料が効率的に得られ易いこと、また副材料の取扱い易さ
などから、本発明の薄片状顔料の製法には、水溶媒系を
用いた湿式法が最も適している。湿式法による一製法例
を概説すると、薄片状顔料を水溶媒に懸濁させ、この懸
濁液に、まず、カップリング剤を添加又はその溶液を滴
下により加える。次に、パーフルオロアルキル基を有す
るリン酸エステル又はシラン化合物が添加またはその溶
液を滴下により加えられる。これらの被覆処理は、取り
扱う物質によって適したｐＨおよび温度に制御され、ま
たそれぞれが均一に被覆されるように攪拌下で行われ
る。被覆処理を終えた後、通常の手法により、濾取、水
洗、乾燥を経て目的の顔料を得る。カップリング剤及び
パーフルオロアルキル基を有する化合物の添加順序は、
均一な特性の顔料が得られやすいことから、概説したよ
うに、カップリング剤の被覆を先に行ったほうが好まし
いが、両化合物を同時にあるいは混合物とし添加する方
法を採ることもできる。
顔料の製法に用いられている湿式法及び乾式法のいずれ
も採用することができる。しかし、均一な特性をもつ顔
料が効率的に得られ易いこと、また副材料の取扱い易さ
などから、本発明の薄片状顔料の製法には、水溶媒系を
用いた湿式法が最も適している。湿式法による一製法例
を概説すると、薄片状顔料を水溶媒に懸濁させ、この懸
濁液に、まず、カップリング剤を添加又はその溶液を滴
下により加える。次に、パーフルオロアルキル基を有す
るリン酸エステル又はシラン化合物が添加またはその溶
液を滴下により加えられる。これらの被覆処理は、取り
扱う物質によって適したｐＨおよび温度に制御され、ま
たそれぞれが均一に被覆されるように攪拌下で行われ
る。被覆処理を終えた後、通常の手法により、濾取、水
洗、乾燥を経て目的の顔料を得る。カップリング剤及び
パーフルオロアルキル基を有する化合物の添加順序は、
均一な特性の顔料が得られやすいことから、概説したよ
うに、カップリング剤の被覆を先に行ったほうが好まし
いが、両化合物を同時にあるいは混合物とし添加する方
法を採ることもできる。
【００２１】６）樹脂組成物用顔料としての使用 本発明の薄片状顔料の特性は、既に述べてきたように、
有機溶媒系塗料組成物、水系塗料組成物、印刷インキ等
に代表される樹脂を成分として含んでいる組成物へ配合
することによって効果を奏する物である。従って、本発
明の薄片状顔料は、紙、木板、金属板、布、皮革、プラ
スチック等様々な材質のものに適用される塗料や印刷用
インキはど樹脂を含む組成物に添加される顔料として利
用される。
有機溶媒系塗料組成物、水系塗料組成物、印刷インキ等
に代表される樹脂を成分として含んでいる組成物へ配合
することによって効果を奏する物である。従って、本発
明の薄片状顔料は、紙、木板、金属板、布、皮革、プラ
スチック等様々な材質のものに適用される塗料や印刷用
インキはど樹脂を含む組成物に添加される顔料として利
用される。
【００２２】
【発明の効果】本発明は、薄片状顔料表面にカップリン
グ剤及びパーフルオロアルキル基を有する有機化合物を
組合せて被覆を行うことにより、薄片状顔料粒子の塗膜
上でのリーフィング効果を有し、且つ、薄片状顔料粒子
と塗装膜との層間付着性に優れた新規な薄片状顔料を見
出したものである。かかる特性を持つことによって、薄
片状顔料粒子が緻密に塗膜上で配向し、メッキ調の光輝
感が増強され、特に真珠光沢顔料における真珠光沢がよ
り効果的に発現される。また、層間付着性の向上効果
は、クリヤコート塗膜の剥離が防止されることから、光
輝感を持続せしめ、かつ塗料あるいは印刷インキの耐久
性を改善せしめる。次に、実施例、比較例及び試験例を
示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は
これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
グ剤及びパーフルオロアルキル基を有する有機化合物を
組合せて被覆を行うことにより、薄片状顔料粒子の塗膜
上でのリーフィング効果を有し、且つ、薄片状顔料粒子
と塗装膜との層間付着性に優れた新規な薄片状顔料を見
出したものである。かかる特性を持つことによって、薄
片状顔料粒子が緻密に塗膜上で配向し、メッキ調の光輝
感が増強され、特に真珠光沢顔料における真珠光沢がよ
り効果的に発現される。また、層間付着性の向上効果
は、クリヤコート塗膜の剥離が防止されることから、光
輝感を持続せしめ、かつ塗料あるいは印刷インキの耐久
性を改善せしめる。次に、実施例、比較例及び試験例を
示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は
これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【００２３】
【実施例】実施例１ オキシ塩化ジルコニウム ZrOCl2・8H2O 5.76g を含む3
重量％の水溶液に攪拌下、室温で次亜リン酸ナトリウム
NaH2PO2・H2O 5.68gを含む水溶液を白沈が出ないよう
に徐々に加えて透明な水溶液とした後、35〜37％塩酸水
溶液 6.0g を加えてオキシ塩化ジルコニウムと次亜リン
酸ナトリウムの混合溶液を調製した。別にルチル型酸化
チタンで被覆された青の反射色と黄色の透過色を呈する
粒度10〜60μの雲母チタンフレーク（E.Merck社製、IRI
ODIN 225 Rutile Blue）100ｇを水1000mlに懸濁し、攪
拌下、75℃まで昇温した。塩酸を加えて懸濁液のpH値を
３に調整して、塩化セリウム CeCl3・7H2O 1.14g の10重
量％水溶液を加えた後、前記オキシ塩化ジルコニウムと
次亜リン酸ナトリウムの混合溶液を約1時間かけて滴下
し、この間 NaOHの32重量％の水溶液を用いて懸濁液のp
H値を３に維持した。混合溶液の全量を滴下終了後、75
℃で30分間攪拌を続け、次いでγ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン（ＣＨ２＝Ｃ（ＣＨ３）ＣＯＯ
（ＣＨ２）３Ｓｉ（ＯＣＨ３）(東レダウコーニング製
／SZ6030）2g を添加し、75℃で15分間攪拌を続けた
後、NaOHによって pH7.0まで上昇させた。この懸濁液
に、パーフルオロアルキルリン酸エステル（ＣＦ３（Ｃ
Ｆ２）７ＣＨ２ＣＨ２Ｏ）２ＰＯ［ＯＮＨ２（ＣＨ２Ｃ
Ｈ２ＯＨ）２］（ダイキン工業(株)製、ユニダインＴＧ
１０１）10.00gの10重量％水溶液を約1時間かけて滴下
したものを75℃で30分間攪拌した。懸濁液中の固体生成
物を濾取し、水洗した後、130℃で乾燥した。以上の操
作により、粉末の色が青の反射色と黄色の透過色を呈す
る分散性良好な真珠光沢顔料が得られた。尚、この顔料
はトルエンやキシレン等の低極性有機溶剤に懸濁する
と、溶剤表面に顔料粒子が浮上し、緻密に配向すること
による、光輝感に優れ、真珠光沢顔料の持つ反射光色の
際立った意匠性が確認された。
重量％の水溶液に攪拌下、室温で次亜リン酸ナトリウム
NaH2PO2・H2O 5.68gを含む水溶液を白沈が出ないよう
に徐々に加えて透明な水溶液とした後、35〜37％塩酸水
溶液 6.0g を加えてオキシ塩化ジルコニウムと次亜リン
酸ナトリウムの混合溶液を調製した。別にルチル型酸化
チタンで被覆された青の反射色と黄色の透過色を呈する
粒度10〜60μの雲母チタンフレーク（E.Merck社製、IRI
ODIN 225 Rutile Blue）100ｇを水1000mlに懸濁し、攪
拌下、75℃まで昇温した。塩酸を加えて懸濁液のpH値を
３に調整して、塩化セリウム CeCl3・7H2O 1.14g の10重
量％水溶液を加えた後、前記オキシ塩化ジルコニウムと
次亜リン酸ナトリウムの混合溶液を約1時間かけて滴下
し、この間 NaOHの32重量％の水溶液を用いて懸濁液のp
H値を３に維持した。混合溶液の全量を滴下終了後、75
℃で30分間攪拌を続け、次いでγ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン（ＣＨ２＝Ｃ（ＣＨ３）ＣＯＯ
（ＣＨ２）３Ｓｉ（ＯＣＨ３）(東レダウコーニング製
／SZ6030）2g を添加し、75℃で15分間攪拌を続けた
後、NaOHによって pH7.0まで上昇させた。この懸濁液
に、パーフルオロアルキルリン酸エステル（ＣＦ３（Ｃ
Ｆ２）７ＣＨ２ＣＨ２Ｏ）２ＰＯ［ＯＮＨ２（ＣＨ２Ｃ
Ｈ２ＯＨ）２］（ダイキン工業(株)製、ユニダインＴＧ
１０１）10.00gの10重量％水溶液を約1時間かけて滴下
したものを75℃で30分間攪拌した。懸濁液中の固体生成
物を濾取し、水洗した後、130℃で乾燥した。以上の操
作により、粉末の色が青の反射色と黄色の透過色を呈す
る分散性良好な真珠光沢顔料が得られた。尚、この顔料
はトルエンやキシレン等の低極性有機溶剤に懸濁する
と、溶剤表面に顔料粒子が浮上し、緻密に配向すること
による、光輝感に優れ、真珠光沢顔料の持つ反射光色の
際立った意匠性が確認された。
【００２４】実施例２ 実施例１と同じルチル型酸化チタンで被覆された青の反
射色と黄色の透過色を呈する粒度10〜60μの雲母チタン
フレーク（E.Merck社製、IRIODIN 225 RutileBlue）100
ｇを使用し、パーフルオロアルキルリン酸エステルをパ
ーフルオロアルキルシランＣＦ３（ＣＦ２）７（Ｃ
Ｈ２）２Ｓｉ（ＯＣＨ２ＣＨ３）３(東レダウコーニン
グ社製／AY43-158E) 2gに置き換える以外は実施例１と
同じ材料成分の同量を用いて同様の操作を行った。以上
の操作により、粉末の色が青の反射色と黄色の透過色を
呈する分散性良好な真珠光沢顔料が得られた。尚、この
顔料はトルエンやキシレン等の低極性有機溶剤に懸濁す
ると、溶剤表面に顔料粒子が浮上し、緻密に配向するこ
とによる、光輝感に優れ、真珠光沢顔料の持つ反射光色
の際立った意匠性が確認された。
射色と黄色の透過色を呈する粒度10〜60μの雲母チタン
フレーク（E.Merck社製、IRIODIN 225 RutileBlue）100
ｇを使用し、パーフルオロアルキルリン酸エステルをパ
ーフルオロアルキルシランＣＦ３（ＣＦ２）７（Ｃ
Ｈ２）２Ｓｉ（ＯＣＨ２ＣＨ３）３(東レダウコーニン
グ社製／AY43-158E) 2gに置き換える以外は実施例１と
同じ材料成分の同量を用いて同様の操作を行った。以上
の操作により、粉末の色が青の反射色と黄色の透過色を
呈する分散性良好な真珠光沢顔料が得られた。尚、この
顔料はトルエンやキシレン等の低極性有機溶剤に懸濁す
ると、溶剤表面に顔料粒子が浮上し、緻密に配向するこ
とによる、光輝感に優れ、真珠光沢顔料の持つ反射光色
の際立った意匠性が確認された。
【００２５】実施例３ オキシ塩化ジルコニウム ZrOCl2・8H2O 5.76g を含む3
重量％の水溶液に攪拌下、室温で次亜リン酸ナトリウム
NaH2PO2・H2O 5.68gの水溶液を白沈が出ないように徐
々に加えて透明な水溶液とした後、35〜37％塩酸水溶液
6.0g を加えてオキシ塩化ジルコニウムと次亜リン酸ナ
トリウムの混合溶液を調整した。別に酸化鉄で被覆され
たワインレッドの反射色を呈する粒度10〜60μの酸化鉄
被覆雲母フレーク（E.Merck社製、IRIODIN 504 Red）10
0ｇを水1000mlに懸濁し、攪拌下、75℃まで昇温した。
塩酸を加えて懸濁液のpH値を３に調整して、前記オキシ
塩化ジルコニウムと次亜リン酸ナトリウムの混合溶液を
約1時間かけて滴下し、この間 NaOHの32重量％の水溶液
を用いて懸濁液のpH値を３に維持した。混合溶液の全量
を滴下終了後、75℃で30分間攪拌を続け、次いでγ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レダウコ
ーニング社製／SZ6030）2g を添加し、75℃でさらに15
分間攪拌を続けた後、NaOHによって pH7.0まで上昇させ
た。この懸濁液に、パーフルオロアルキルリン酸エステ
ル（ダイキン工業（株）製、ユニダインＴＧ１０１）の
5.00gの10重量％水溶液を約1時間かけて滴下したものを
75℃で30分間攪拌した。懸濁液中の固体生成物を濾取
し、水洗した後、130℃で乾燥した。以上の操作によ
り、粉末の色がワインレッドの反射色を呈する分散性良
好な真珠光沢顔料が得られた。尚、この顔料はトルエン
やキシレン等の低極性有機溶剤に懸濁すると、溶剤表面
に顔料粒子が浮上し、緻密に配向することによる、光輝
感に優れ、真珠光沢顔料の持つ反射光色の際立った意匠
性が確認された。
重量％の水溶液に攪拌下、室温で次亜リン酸ナトリウム
NaH2PO2・H2O 5.68gの水溶液を白沈が出ないように徐
々に加えて透明な水溶液とした後、35〜37％塩酸水溶液
6.0g を加えてオキシ塩化ジルコニウムと次亜リン酸ナ
トリウムの混合溶液を調整した。別に酸化鉄で被覆され
たワインレッドの反射色を呈する粒度10〜60μの酸化鉄
被覆雲母フレーク（E.Merck社製、IRIODIN 504 Red）10
0ｇを水1000mlに懸濁し、攪拌下、75℃まで昇温した。
塩酸を加えて懸濁液のpH値を３に調整して、前記オキシ
塩化ジルコニウムと次亜リン酸ナトリウムの混合溶液を
約1時間かけて滴下し、この間 NaOHの32重量％の水溶液
を用いて懸濁液のpH値を３に維持した。混合溶液の全量
を滴下終了後、75℃で30分間攪拌を続け、次いでγ−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レダウコ
ーニング社製／SZ6030）2g を添加し、75℃でさらに15
分間攪拌を続けた後、NaOHによって pH7.0まで上昇させ
た。この懸濁液に、パーフルオロアルキルリン酸エステ
ル（ダイキン工業（株）製、ユニダインＴＧ１０１）の
5.00gの10重量％水溶液を約1時間かけて滴下したものを
75℃で30分間攪拌した。懸濁液中の固体生成物を濾取
し、水洗した後、130℃で乾燥した。以上の操作によ
り、粉末の色がワインレッドの反射色を呈する分散性良
好な真珠光沢顔料が得られた。尚、この顔料はトルエン
やキシレン等の低極性有機溶剤に懸濁すると、溶剤表面
に顔料粒子が浮上し、緻密に配向することによる、光輝
感に優れ、真珠光沢顔料の持つ反射光色の際立った意匠
性が確認された。
【００２６】
【比較例】比較例１ 実施例１と同じルチル型酸化チタンで被覆された青の反
射色と黄色の透過色を呈する粒度10〜60μの雲母チタン
フレーク（E.Merck社製、IRIODIN 225 RutileBlue）100
ｇを使用し、パーフルオロアルキルリン酸エステルを使
用しない以外は実施例１と同じ材料成分の同量を用い同
様の操作により顔料を得た。
射色と黄色の透過色を呈する粒度10〜60μの雲母チタン
フレーク（E.Merck社製、IRIODIN 225 RutileBlue）100
ｇを使用し、パーフルオロアルキルリン酸エステルを使
用しない以外は実施例１と同じ材料成分の同量を用い同
様の操作により顔料を得た。
【００２７】比較例２ 実施例１と同じルチル型酸化チタンで被覆された青の反
射色と黄色の透過色を呈する粒度10〜60μの雲母チタン
フレーク（E.Merck社製、IRIODIN 225 RutileBlue）100
ｇを使用し、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シランを使用しない以外は実施例１と同じ材料成分の同
量を用い同様の操作により顔料を得た。
射色と黄色の透過色を呈する粒度10〜60μの雲母チタン
フレーク（E.Merck社製、IRIODIN 225 RutileBlue）100
ｇを使用し、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シランを使用しない以外は実施例１と同じ材料成分の同
量を用い同様の操作により顔料を得た。
【００２８】比較例３ 実施例３と同じ酸化鉄で被覆されたワインレッドの反射
色を呈する粒度10〜60μの酸化鉄被覆雲母フレーク（E.
Merck社製、IRIODIN 504 Red）100ｇを使用しパーフル
オロアルキルリン酸エステルを使用しない以外は実施例
３と同じ材料成分の同量を用い同様の操作により顔料を
得た。
色を呈する粒度10〜60μの酸化鉄被覆雲母フレーク（E.
Merck社製、IRIODIN 504 Red）100ｇを使用しパーフル
オロアルキルリン酸エステルを使用しない以外は実施例
３と同じ材料成分の同量を用い同様の操作により顔料を
得た。
【００２９】比較例４ 実施例３と同じ酸化鉄で被覆されたワインレッドの反射
色を呈する粒度10〜60μの酸化鉄被覆雲母フレーク（E.
Merck社製、IRIODIN 504 Red）100ｇを使用しγ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン使用しない以外
は実施例３と材料成分の同量を用い同様の操作により顔
料を得た。
色を呈する粒度10〜60μの酸化鉄被覆雲母フレーク（E.
Merck社製、IRIODIN 504 Red）100ｇを使用しγ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン使用しない以外
は実施例３と材料成分の同量を用い同様の操作により顔
料を得た。
【００３０】
【試験例】前記実施例及び比較例で得られた顔料につい
て以下に示す試験方法により各試験を行った。各試験の
結果を纏めて表−１に示す。 １）耐水性試験（温水浸漬試験）方法 熱硬化性アクリルメラミン樹脂（大日本インキ社製、ア
クリディック47−712とスーパーベッカミンG821-60の重
量比７：３の混合物）に10重量％濃度で混合し、黒エナ
メルをリン酸亜鉛処理鋼板（7cm×15cm）に乾燥膜厚と
して約20μｍで塗布し160℃×20分間焼き付けた塗板に
乾燥膜厚で約15μｍで塗布し、5分間放置した後、得ら
れた顔料7重量％キシレン分散液をエアスプレーにて塗
布し、10分間放置した後、140℃×30分加熱硬化させ
た。又、硬化させた塗装面に熱硬化性アクリルメラミン
樹脂（大日本インキ社製、アクリディック47−179とス
ーパーベッカミンＬ117-60の重量比７：３の混合物）の
トップクリヤーを乾燥膜厚として約30μｍで塗布し、10
分間放置した後、140℃×30分加熱硬化させた。以上の
方法で作成した試験板を80℃の温水に浸漬して8時間保
った後、温水の温度を室温まで徐冷してから取り出し、
目視観察して外観の変化を調べた。表−１中の記号は、
10から１の順で白化／ちぢみ性能が劣ることを示す。
て以下に示す試験方法により各試験を行った。各試験の
結果を纏めて表−１に示す。 １）耐水性試験（温水浸漬試験）方法 熱硬化性アクリルメラミン樹脂（大日本インキ社製、ア
クリディック47−712とスーパーベッカミンG821-60の重
量比７：３の混合物）に10重量％濃度で混合し、黒エナ
メルをリン酸亜鉛処理鋼板（7cm×15cm）に乾燥膜厚と
して約20μｍで塗布し160℃×20分間焼き付けた塗板に
乾燥膜厚で約15μｍで塗布し、5分間放置した後、得ら
れた顔料7重量％キシレン分散液をエアスプレーにて塗
布し、10分間放置した後、140℃×30分加熱硬化させ
た。又、硬化させた塗装面に熱硬化性アクリルメラミン
樹脂（大日本インキ社製、アクリディック47−179とス
ーパーベッカミンＬ117-60の重量比７：３の混合物）の
トップクリヤーを乾燥膜厚として約30μｍで塗布し、10
分間放置した後、140℃×30分加熱硬化させた。以上の
方法で作成した試験板を80℃の温水に浸漬して8時間保
った後、温水の温度を室温まで徐冷してから取り出し、
目視観察して外観の変化を調べた。表−１中の記号は、
10から１の順で白化／ちぢみ性能が劣ることを示す。
【００３１】２）付着性 耐水性試験で作成した試験板の塗装面にカッターで素地
に達するようにカット線を入れ、大きさ1ｍｍ×1ｍｍの
ゴバン目を100個つくり、その表面にセロファンテープ
を貼付し、それを急激に剥離した後の塗装面を観察し
た。○はゴバン目塗膜の剥離が10個未満、×はゴバン目
塗膜の剥離が10個以上認められたことを示す。
に達するようにカット線を入れ、大きさ1ｍｍ×1ｍｍの
ゴバン目を100個つくり、その表面にセロファンテープ
を貼付し、それを急激に剥離した後の塗装面を観察し
た。○はゴバン目塗膜の剥離が10個未満、×はゴバン目
塗膜の剥離が10個以上認められたことを示す。
【００３２】３）色調測定（彩度値） 変角測色計ＧＣＭＳ３（村上色彩社製）を使用して、入
射角２５度、受光角２０度のＣ値（彩度値）を測定し
た。Ｃ値は、真珠光沢顔料の反射色の強さの度合いを示
し、数値が大きい程反射光の色みの強いことを表す。こ
れは顔料のリーフィング効果による粒子の緻密さに相関
する。
射角２５度、受光角２０度のＣ値（彩度値）を測定し
た。Ｃ値は、真珠光沢顔料の反射色の強さの度合いを示
し、数値が大きい程反射光の色みの強いことを表す。こ
れは顔料のリーフィング効果による粒子の緻密さに相関
する。
【００３３】４）意匠性 塗膜を目視により評価した。表−１中、○はメッキ調の
光輝感に優れた意匠性を持つことを示し、×は通常の真
珠光沢顔料を使用した場合の意匠性を持つものを示す。
光輝感に優れた意匠性を持つことを示し、×は通常の真
珠光沢顔料を使用した場合の意匠性を持つものを示す。
【００３４】
【表１】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） // Ｃ０９Ｄ 11/02 Ｃ０９Ｄ 11/02 Ｆターム(参考） 4J037 AA01 AA08 AA09 AA18 AA25 AA26 AA30 CA09 CB22 CB23 CC00 DD10 EE03 EE08 EE28 FF17 4J038 EA011 HA036 HA066 HA166 HA316 HA476 HA486 HA546 KA06 KA08 KA15 KA20 NA01 NA11 4J039 BA03 BA06 BA12 BA17 BA18 BA24 BA26 BE01 CA05 EA33 EA36
Claims (6)
- 【請求項１】薄片状顔料表面にカップリング剤及びパー
フルオロアルキル基を有する有機化合物が被覆された樹
脂組成物用薄片状顔料。 - 【請求項２】薄片状顔料が、真珠光沢顔料又は金属顔料
から選択された１種もしくは２種以上のものである請求
項1記載の樹脂組成物用薄片状顔料。 - 【請求項３】薄片状顔料が、真珠光沢顔料表面に次亜リ
ン酸塩の存在下ジルコニル化合物を加水分解させて生成
する含水酸化ジルコニウム及び/又は、コバルト、マン
ガン及びセリウムよりなる群から選択された１種又は２
種以上の金属の水溶性化合物を加水分解させて生成する
含水化合物とを付着せしめたものである請求項1又は請
求項２記載の樹脂組成物用薄片状顔料。 - 【請求項４】パーフルオロアルキル基を有する有機化合
物が下記一般式（Ｉ）〜(ＩＩＩ)で表される化合物から
選択された１種もしくは２種以上のものである請求項１
〜請求項３記載のいずれかの樹脂組成物用薄片状顔料。 一般式(I) ［Ｒｆ（ＣｎＨ２ｎＯ）ｍ］ｙＰＯ（ＯＭ）３−ｙ （Ｉ） （式中、Ｒｆは直鎖又は分枝鎖の炭素数が６〜２１のパ
ーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルキルオキシ
基、Ｍは水素、アルカリ金属、アンモニウム、置換アン
モニウムを表し、ｎは１〜４、ｍは０〜１０及びｙは１
〜３の数をそれぞれ表す）で表されるパーフルオロアル
キル基を有するリン酸エステル。 一般式（ＩＩ) （ＲｆＳＯ２ＮＲＣｎＨ２ｎＯ）ｙＰＯ（ＯＭ）３−ｙ （ＩＩ） （式中、Ｒｆは直鎖又は分枝鎖の炭素数が６〜２１のパ
ーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルキルオキシ
基、Ｍは水素、アルカリ金属、アンモニウム、置換アン
モニウムを表し、Ｒは水素又は炭素数１〜３のアルキル
基を表し、ｎは１〜４、ｍは０〜１０及びｙは１〜３の
数をそれぞれ表す）で表されるパーフルオロアルキル基
を有するリン酸エステル。 一般式(ＩＩＩ) Ｒｆ（ＣＨ２）ｎＳｉＸ３ (ＩＩＩ) (式中、Ｒｆは直鎖又は分枝鎖の炭素数１〜１２のパー
フルオロアルキル基、Ｘは同一でも異なっても良く、ア
ルコキシ基、ハロゲン基又はアルキル基(但し全てがア
ルキル基の場合を除く)を表し、ｎは１〜５の数を表
す）で表されるパーフルオロアルキルシラン。 - 【請求項５】カップリング剤が、シラン系カップリング
剤、チタン系カップリング剤又はジルコニウム系カップ
リング剤から選択された1種もしくは２種以上のもので
ある請求項１〜請求項４記載のいずれかの樹脂組成物用
薄片状顔料。 - 【請求項６】被覆量が、薄片状顔料に対して、カップリ
ング剤及び一般式(Ｉ)〜一般式(ＩＩＩ)で表される合物
のいずれもが、それぞれ０．０５〜２０重量％である請
求項１〜請求項５記載のいずれかの樹脂組成物用薄片状
顔料。
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