JP2020033525A - 顔料組成物、着色組成物及びカラーフィルタ - Google Patents
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Abstract
Description
[式(1)中、X1〜X16は各々独立に水素原子又はハロゲン原子であり、Y1及びY2は各々独立に水素原子又はハロゲン原子であり、Zは炭素数1〜3のアルキレン基である。]
まず、J.Heterocyclic,Chem,30,17(1993)に記載の方法などにより、ビスアニリンを1当量に対し、クロトンアルデヒドを2〜3当量加え、酸化剤存在下、強酸中において反応させ、後記する式(A−1)の化合物を合成する。
さらに、特開2013−61622号公報に記載の方法などにより、得られた式(A−3)の化合物1当量に対し、無水フタル酸及びハロゲン置換フタル酸無水物からなる群より選択される少なくとも一種4〜6当量を酸触媒存在下において反応させることで、式(1)の化合物を得ることができる。酸触媒としては、安息香酸、塩化亜鉛などが挙げられる。
例えば、重合体は、(メタ)アクリレート系モノマーと、(メタ)アクリレート系モノマーとは異なる他のビニル系モノマーとを、それぞれモノマー単位として含むものであってよい。すなわち、重合体は、(メタ)アクリレート系モノマーと、他のビニル系モノマーとの共重合体であってよい。他のビニル系モノマーは、酸性基を有するモノマーであってよく、例えば、(メタ)アクリル酸であってよい。他のビニル系モノマーは、例えば、(メタ)アクリロニトリル等のニトロ基含有ビニル系モノマー類、スチレン、α−メチルスチレン等のビニル系芳香族モノマー類、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジメチロール(メタ)アクリルアミド又はダイアセトンアクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー類、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、又はN−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のアルコキシメチル基含有ビニル系モノマー類、エチレン、プロピレン、又はイソプレン等のオレフィン類、クロロプレン、又はブタジエン等のジエン類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類、3−(メタ)アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アリルオキシエチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、α−メチル−p−スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、ビニルスルファミン酸、(メタ)アリルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、4−(アリルオキシ)ベンゼンスルホン酸、1−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸、1,1−ジメチル−2−プロペン−1−スルホン酸、3−ブテン−1−スルホン酸、1−ブテン−3−スルホン酸、2−アクリルアミド−1−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−n−ブタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−フェニルプロパンスルホン酸、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エタンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類などであってもよい。
酸価=q×r×5.611/p
式中、qは滴定に要した0.1mol/Lエタノール製水酸化カリウム溶液の滴定量(ml)を示し、rは滴定に要した0.1mol/Lエタノール製水酸化カリウム溶液の力価を示し、pは樹脂の質量(g)を示す。
これに対し、式(1)で表される化合物はキノフタロン骨格を二量化させた構造を有するため、上記のキノフタロン化合物は、従来の黄色顔料に比べ、青色領域においてより長波長側にまで広がった吸収スペクトルを有している。このため、キノフタロン化合物の含有量を増やさなくても、高色再現用緑色度に調色できる。よって、この緑色カラーフィルタでは、薄膜でも高色再現性を実現しつつ、高い輝度も達成できる。
一実施形態の着色組成物は、上記式(1)で表される化合物(キノフタロン化合物)と、緑色顔料と、溶剤と、を含有する。
一実施形態のカラーフィルタは、上記のキノフタロン化合物と、上記の緑色顔料とを含有する画素部を有する。カラーフィルタは、典型的には、赤色画素部と、青色画素部と、緑色画素部と、を有している。上記のキノフタロン化合物と、上記の緑色顔料とを含有する画素部は、好ましくは緑色画素部である。
上記の実施形態(着色組成物)では、上記のキノフタロン化合物及び緑色顔料が一組成物中に含まれているが、他の一実施形態では、上記のキノフタロン化合物及び緑色顔料は、それぞれ別個の組成物に含まれていてもよい。すなわち、本発明の他の一実施形態は、上記式(1)で表される化合物を含有する第1の組成物(第1の顔料組成物)と、緑色顔料を含有する第2の組成物(第2の顔料組成物)と、を備える組成物セット(顔料組成物セット)である。この組成物セットも、カラーフィルタの形成に好適に用いられ、緑色カラーフィルタ(カラーフィルタの緑色画素部)の形成に特に好適に用いられる。
フラスコ中に4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)5.0g(56.1mmol)、p−クロラニル27.6g(112mmol)、水150ml、濃塩酸150ml、n−ブタノール100mlを添加して95℃で30分間攪拌した。この混合物に、n−ブタノール12mlに溶解したクロトンアルデヒド11.8g(168mmol)を滴下して、さらに1時間攪拌した。温度を80℃に下げ、塩化亜鉛15.3g(112mmol)を少量ずつ加えた後、THF200mlを添加して80℃を保ったまま1時間攪拌した。室温まで放冷した後、減圧ろ過にて黄土色粉末を回収した。得られた黄土色粉末をTHF200mlで洗浄し、再び減圧ろ過にて黄土色粉末を回収した。さらに、得られた黄土色粉末をフラスコに移し、水200mlと28%アンモニア水40mlを加え、室温で2時間攪拌した。減圧ろ過にて粉末を回収し、20.3gの粗生成物を得た。得られた粗生成物をトルエンに溶解し不溶物をろ過により除いた後に再結晶して中間体(A)12.6gを得た。
1H−NMR(CDCl3)δppm:2.81(s,6H),4.24(s,2H),7.34(d,J=8.0Hz,2H),7.49(s,2H),7.67(s,2H),7.99(d,J=8.8Hz,2H)
13C−NMR(CDCl3)δppm:25.8,41.1,123.2,126.2,127.8,130.9,133.1,136.3,137.6,143.1,160.0
FT−IR cm−1:3435,3054,3030,2915,1603,1487,1206
FD−MS:366M+
1H−NMR(CDCl3)δppm:2.86(s,6H),4.27(s,2H),7.56(d,J=8.8Hz,2H),7.62(s,2H),8.08(d,J=8.8Hz,2H)
13C−NMR(CDCl3)δppm:25.7,32.4,119.9,125.6,127.5,130.1,131.1,137.3,143.1,145.9,162.2
FT−IR cm−1:3465,1604,1530,1487,1362
1H−NMR(CDCl3)δppm:2.65(s,6H),3.97(s,2H),5.92(s,4H),7.32(s,2H),7.38(d,J=8.8Hz,2H),8.59(d,J=8.8Hz,2H)
13C−NMR(CDCl3)δppm:25.4,31.9,116.8,117.7,117.9,121.0,131.8,132.2,142.0,143.1,158.9
FT−IR cm−1:3476,3373,1627,1605,1409,1359,1250
FT−IR cm−1:3449,1727,1622,1536,1410,1363,1308,1192,1112,737
FD−MS:1467M+
フラスコ中に濃硫酸55gを仕込み、氷冷下に攪拌しながら文献(Polymer, volume39, No.20(1998), p4949)記載の方法で得られる6,6’−メチレンジキナルジン7.0g(23.5mmol)を添加した。10℃以下を保ちながら60%硝酸6.1gを滴下し、10℃から20℃で1時間攪拌を続けた。反応液を氷水150mlに注ぎ、20wt%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH3に調整した。析出した粉末を減圧ろ過で回収し、水で中性まで洗浄した。得られた固体を70℃で送風乾燥した後、粗生成物を熱酢酸エチル100ml、次いで熱トルエン60mlで洗浄ろ過し、中間体(D)6.52g(16.8mmol)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:2.70(s,6H),4.42(s,2H),7.58(d,J=8.8Hz,2H),7.63(d,J=8.8Hz,2H),8.09(d,J=8.8Hz,2H),8.13(d,J=8.8Hz,2H)
13C−NMR(DMSO−d6)δppm:24.5,32.0,117.7,124.8,127.5,129.8,130.5,131.9,145.8,146.2,160.7
FT−IR(KBr disk)cm−1:3048,1602,1520,1494,1363
1H−NMR(DMSO−d6)δppm:2.57(s,6H),3.45(s,2H),5.66(s,4H),7.06(d,J=8.2Hz,2H),7.16(d,J=8.2Hz,2H),7.23(d,J=8.2Hz,2H),8.49(d,J=8.2Hz,2H)
13C−NMR(DMSO−d6)δppm:24.6,32.1,115.8,116.2,119.5,130.9,131.8,141.5,147.4,157.0
FT−IR(KBr disk)cm−1:3464,3363,3315,3192,1640,1591,1573,1415,1365,801
FT−IR cm−1:1788,1729,1688,1638,1607,1537,1420,1310,732
FD−MS:1400M+
1000mlフラスコに、塩化スルフリル(富士フイルム和光純薬株式会社製)270g、塩化アルミニウム(関東化学株式会社製)315g、塩化ナトリウム(東京化成工業株式会社製)43g、亜鉛フタロシアニン(DIC株式会社製)63g、臭素(富士フイルム和光純薬株式会社製)367gを仕込んだ。80℃まで昇温し、臭素69gを加えた。その後、130℃まで昇温した。反応混合物を水に取り出した後、ろ過、水洗、乾燥することによりハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R1)を得た。ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R1)について、日本電子株式会社のJMS−S3000で質量分析した結果、m/z1780以上1820未満の範囲における最大イオン強度Iaを、m/z1820以上1860以下の範囲における最大イオン強度Ibで除した値(Ia/Ib)は1.24であった。また、その時のDelaytimeは495nsであり、m/z1820以上1860以下のピークのResolving Power Valueは36553であった。
1000mlフラスコに、塩化スルフリル(富士フイルム和光純薬株式会社製)270g、塩化アルミニウム(関東化学株式会社製)347g、塩化ナトリウム(東京化成工業株式会社製)43g、臭素(富士フイルム和光純薬株式会社製)43gを仕込み、よく混合した。亜鉛フタロシアニン(DIC株式会社製)65g、臭素407gを仕込み、80℃まで昇温した後、臭素72gを加え、120℃まで昇温した。反応混合物を水に取り出した後、ろ過、水洗、乾燥することによりハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R2)を得た。ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R2)について、日本電子株式会社のJMS−S3000で質量分析した結果、m/z1780以上1820未満の範囲における最大イオン強度Iaを、m/z1820以上1860以下の範囲における最大イオン強度Ibで除した値(Ia/Ib)は0.81であった。また、その時のDelaytimeは300nsであり、m/z1820以上1860以下のピークのResolving Power Valueは28832であった。
1000mlフラスコに、塩化スルフリル(富士フイルム和光純薬株式会社製)270g、塩化アルミニウム(関東化学株式会社製)315g、塩化ナトリウム(東京化成工業株式会社製)43g、臭素(富士フイルム和光純薬株式会社製)43gを仕込み、よく混合した。亜鉛フタロシアニン(DIC株式会社製)65g、臭素407gを仕込み、80℃まで昇温した後、臭素72gを加え、100℃まで昇温した。反応混合物を水に取り出した後、ろ過、水洗、乾燥することによりハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R3)を得た。ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R3)について、日本電子株式会社のJMS−S3000で質量分析した結果、m/z1780以上1820未満の範囲における最大イオン強度Iaを、m/z1820以上1860以下の範囲における最大イオン強度Ibで除した値(Ia/Ib)は0.57であった。また、その時のDelaytimeは285nsであり、m/z1820以上1860以下のピークのResolving Power Valueは42672であった。
300mlフラスコに、塩化スルフリル(富士フイルム和光純薬株式会社製)45g、塩化アルミニウム(関東化学株式会社製)109g、塩化ナトリウム(東京化成工業株式会社製)15g、亜鉛フタロシアニン(DIC株式会社製)30g、臭素(富士フイルム和光純薬株式会社製)300gを仕込んだ。145℃まで昇温し、反応混合物を水に取り出した後、ろ過、水洗、乾燥することによりハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R4)を得た。ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R4)について、リガク社製のZSX100Eを使用した蛍光X線分析を行い、亜鉛原子、塩素原子及び臭素原子の質量比から、亜鉛原子1個あたりの相対値として、平均塩素原子数及び平均臭素原子数を算出した。なお、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン 1gを加圧成型(25mmφ)したものを測定試料とし、測定径20mmφ、真空雰囲気下にて測定した。その結果、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R4)では、1分子中のハロゲン原子数が平均15.7個であり、そのうち臭素原子数が平均14.1個、塩素原子数が平均1.6個であった。
300mlフラスコに、塩化スルフリル(富士フイルム和光純薬株式会社製)91g、塩化アルミニウム(関東化学株式会社製)109g、塩化ナトリウム(東京化成工業株式会社製)15g、亜鉛フタロシアニン(DIC株式会社製)30g、臭素(富士フイルム和光純薬株式会社製)59gを仕込んだ。130℃まで昇温し、反応混合物を水に取り出した後、ろ過、水洗、乾燥することによりハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R5)を得た。ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R5)について、合成例6と同様にして、平均塩素原子数及び平均臭素原子数を算出した。ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R5)では、1分子中のハロゲン原子数が平均12.7個であり、そのうち臭素原子数が平均10.2個、塩素原子数が平均2.5個であった。
300mlフラスコに、塩化スルフリル(富士フイルム和光純薬株式会社製)91g、塩化アルミニウム(関東化学株式会社製)109g、塩化ナトリウム(東京化成工業株式会社製)15g、亜鉛フタロシアニン(DIC株式会社製)30g、臭素(富士フイルム和光純薬株式会社製)44gを仕込んだ。130℃まで昇温し、反応混合物を水に取り出した後、ろ過、水洗、乾燥することによりハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R6)を得た。ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R6)について、合成例6と同様にして、平均塩素原子数及び平均臭素原子数を算出した。ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R6)では、1分子中のハロゲン原子数が平均12.0個であり、そのうち臭素原子数が平均9.0個、塩素原子数が平均3.0個であった。
300mlフラスコに、塩化スルフリル(富士フイルム和光純薬株式会社製)90g、塩化アルミニウム(関東化学株式会社製)105g、塩化ナトリウム(東京化成工業株式会社製)14g、亜鉛フタロシアニン(DIC株式会社製)27g、臭素(富士フイルム和光純薬株式会社製)52gを仕込んだ。130℃まで昇温し、反応混合物を水に取り出した後、ろ過、水洗、乾燥することによりハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R7)を得た。ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R7)について、合成例6と同様にして、平均塩素原子数及び平均臭素原子数を算出した。ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R7)では、1分子中のハロゲン原子数が平均11.9個であり、そのうち臭素原子数が平均9.9個、塩素原子数が平均2.0個であった。
300mlフラスコに、塩化スルフリル(富士フイルム和光純薬株式会社製)70g、塩化アルミニウム(関東化学株式会社製)105g、塩化ナトリウム(東京化成工業株式会社製)14g、亜鉛フタロシアニン(DIC株式会社製)27g、臭素(富士フイルム和光純薬株式会社製)54gを仕込んだ。80℃まで昇温し、反応混合物を水に取り出した後、ろ過、水洗、乾燥することによりハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R8)を得た。ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R8)について、合成例6と同様にして、平均塩素原子数及び平均臭素原子数を算出した。ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R8)では、1分子中のハロゲン原子数が平均11.4個であり、そのうち臭素原子数が平均10.2個、塩素原子数が平均1.2個であった。
300mlフラスコに、塩化スルフリル(富士フイルム和光純薬株式会社製)91g、塩化アルミニウム(関東化学株式会社製)109g、塩化ナトリウム(東京化成工業株式会社製)15g、亜鉛フタロシアニン(DIC株式会社製)30g、臭素(富士フイルム和光純薬株式会社製)30gを仕込んだ。130℃まで昇温し、反応混合物を水に取り出した後、ろ過、水洗、乾燥することによりハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R9)を得た。ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R9)について、合成例6と同様にして、平均塩素原子数及び平均臭素原子数を算出した。ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R9)では、1分子中のハロゲン原子数が平均10.0個であり、そのうち臭素原子数が平均6.9個、塩素原子数が平均3.1個であった。
11質量%の発煙硫酸375gを10℃に冷却しながら攪拌し、C.I.ピグメント イエロー138(大日精化工業株式会社製)75gを加えた。次いで、90℃で6時間攪拌した。反応液を氷水1600gに加え、15分間攪拌した後、沈殿物をろ過した。得られたウェットケーキを800gの水で3回洗浄した。ウェットケーキを80℃で真空乾燥し、粉砕することでキノフタロン誘導体(S1)を得た。キノフタロン誘導体(S1)について、高速液体クロマトグラフ質量分析計(島津製作所製LC−MS−8040)を使用した平均スルホン化率測定を行った。キノフタロン誘導体(S1)をジメチルスルホキシドで定容し、10mmol/L炭酸水素アンモニウム水溶液/メタノール/テトラヒドロフランの混合溶媒を移動相としてグラジエント溶離したプロファイルを使用した。得られたピークは質量分析(イオン化モード:DUIS)によりそれぞれ定性し、平均スルホン化率はピーク面積比により算出した。キノフタロン誘導体(S1)の平均スルホン化率は1個であることを確認した。
キノフタロン二量体(Q1)5g、粉砕した塩化ナトリウム50g、ジエチレングリコール8gを双腕型ニーダーに仕込み、80℃で8時間混練した。混練後、混合物を80℃の水6000gに取り出し、1時間攪拌後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、黄色顔料であるキノフタロン顔料(QY1)を得た。日本電子社製透過電子顕微鏡JEM−2010で得られたキノフタロン顔料(QY1)を撮影した。二次画像上の凝集体を構成する一次粒子40個につき長い方の径(長径)と短い方の径(短径)の平均値から平均アスペクト比を算出し、長径の平均値を平均一次粒子径とした。平均アスペクト比は3.00未満であった。平均一次粒子径は100nm以下であった。
キノフタロン二量体(Q1)をキノフタロン二量体(Q2)に代えたこと以外は顔料化例1と同様にして、キノフタロン顔料(QY2)を得た。平均アスペクト比は3.00未満であった。平均一次粒子径は100nm未満であった。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R1)40g、粉砕した塩化ナトリウム400g、ジエチレングリコール63gを双腕型ニーダーに仕込み、80℃で8時間混練した。混練後、混合物を80℃の水2kgに取り出し、1時間攪拌後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(RP1)を得た。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R1)に代えてハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R2)〜(R3)をそれぞれ用いたこと以外は顔料化例3と同様にして、緑色顔料であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(RP2)〜(RP3)をそれぞれ作製した。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R4)20g、粉砕した塩化ナトリウム140g、ジエチレングリコール32g、キシレン1.8gを双腕型ニーダーに仕込み、30℃で15時間混練した。混練後、混合物を30℃の水2kgに取り出し、1時間攪拌後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(RP4)を得た。得られたハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(RP4)の一次粒子の平均粒子径は、日本電子社製透過電子顕微鏡JEM−2010による粒子径測定から、0.02μmであった。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R4)20g、粉砕した塩化ナトリウム140g、ジエチレングリコール32g及びキシレン1.8gをTS−1316(星光PMC株式会社製アクリル樹脂)1.5gと共に双腕型ニーダーに仕込み混練したこと以外は顔料化例6と同様にして、緑色顔料であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(RP5)を含む緑色顔料組成物(RG5)を作製した。得られた緑色顔料組成物(RG5)中のハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(RP5)の一次粒子の平均粒子径は、日本電子社製透過電子顕微鏡JEM−2010による粒子径測定から、0.02μmであった。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R5)20g、粉砕した塩化ナトリウム140g、ジエチレングリコール32g、キシレン1.8gを双腕型ニーダーに仕込み、100℃で6時間混練した。混練後、混合物を80℃の水2kgに取り出し、1時間攪拌後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(RP6)を得た。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R5)をハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R6)に代えたこと以外は顔料化例8と同様にして、緑色顔料であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(RP7)を作製した。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R7)40g、TS−1316(星光PMC社製アクリル樹脂)1.2g、粉砕した塩化ナトリウム400g、ジエチレングリコール63gを双腕型ニーダーに仕込み、80℃で8時間混練した。混練後、混合物を80℃の水2kgに取り出し、1時間攪拌後、ろ過、湯洗、乾燥、粉砕することにより、緑色顔料であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(RP8)を含む緑色顔料組成物(RG8)を得た。得られた緑色顔料組成物(RG8)中のハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(RP8)を日本電子社製透過電子顕微鏡JEM−2010で撮影した。二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個につき長い方の径(長径)と短い方の径(短径)の平均値から平均アスペクト比を算出した。平均アスペクト比は1.39であった。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R5)をハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R8)に代えたこと以外は顔料化例8と同様にして、緑色顔料であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(RP9)を得た。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R7)をハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R8)に代えたこと以外は顔料化例10と同様にして、緑色顔料であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(RP10)を含む緑色顔料組成物(RG10)を作製した。得られた緑色顔料組成物(RG10)中のハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(RP10)を日本電子社製透過電子顕微鏡JEM−2010で撮影した。二次元画像上の凝集体を構成する一次粒子40個につき長い方の径(長径)と短い方の径(短径)の平均値から平均アスペクト比を算出した。平均アスペクト比は1.55であった。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R5)をハロゲン化亜鉛フタロシアニン(R9)に代えたこと以外は顔料化例8と同様にして、緑色顔料であるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(RP11)を作製した。
キノフタロン顔料(QY1)0.66gを、キノフタロン誘導体(S1)0.04g、BYK LPN−21116(ビックケミー社製)1.40g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート12.60gと共に0.3〜0.4mmのジルコンビーズを用いて、東洋精機株式会社製のペイントシェーカーで2.5時間分散して、黄色顔料分散体(QMY1)を得た。黄色顔料分散体(QMY1)4.0gに、ユニディックZL−295(DIC株式会社製、商品名、固形分:40質量%)0.6g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.22gを加えて、ペイントシェーカーで混合することで黄色調色用組成物(QTY1)を得た。
キノフタロン顔料(QY1)をキノフタロン顔料(QY2)に代えたこと以外は製造例1と同様にして、黄色顔料分散体(QMY2)及び黄色調色用組成物(QTY2)を作製した。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(RP1)2.48gを、BYK LPN−6919(ビックケミー社製、固形分:60質量%)1.24g、ユニディックZL−295(DIC株式会社製、固形分:40質量%)1.86g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.92gと共に0.3〜0.4mmのジルコンビーズを用いて、東洋精機株式会社製のペイントシェーカーで2時間分散して、緑色顔料分散体(RMG1)を得た。緑色顔料分散体(RMG1)4.0gに、ユニディックZL−295(DIC株式会社製、固形分:40質量%)0.98g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.22gを加えて、ペイントシェーカーで混合することで緑色調色用組成物(RCG1)を得た。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(RP1)に代えて、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(RP2)〜(RP4)、(RP6)、(RP7)、(RP9)及び(RP11)をそれぞれ用いたこと以外は、製造例3と同様にして、緑色顔料分散体(RMG2)〜(RMG4)、(RMG6)、(RMG7)、(RMG9)及び(RMG11)、並びに、緑色調色用組成物(RCG2)〜(RCG4)、(RCG6)、(RCG7)、(RCG9)及び(RCG11)をそれぞれ作製した。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(RP1)2.48gに代えて緑色顔料組成物(RG5)2.48g、緑色顔料組成物(RG8)2.48g又は緑色顔料組成物(RG10)2.48gをそれぞれ用いたこと以外は、製造例3と同様にして、緑色顔料分散体(RMG5)、(RMG8)及び(RMG10)、並びに、緑色調色用組成物(RCG5)、(RCG8)及び(RCG10)をそれぞれ作製した。
C.I.ピグメント イエロー138(大日精化工業株式会社製、クロモファイン イエロー6206EC、以下では「Y138」ともいう)0.66gを、キノフタロン誘導体(S1)0.04g、BYK−161(ビックケミー社製)1.87g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート12.13gと共に0.3〜0.4mmのジルコンビーズを用いて、東洋精機株式会社製のペイントシェーカーで2時間分散して、黄色顔料分散体(QMY3)を得た。黄色顔料分散体(QMY3)4.0gに、ユニディックZL−295(DIC株式会社製、固形分:40質量%)0.6g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.22gを加えて、ペイントシェーカーで混合することで黄色調色用組成物(QTY3)を得た。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(RP1)に代えてC.I.ピグメント グリーン58(DIC株式会社製、以下では「G58」ともいう)、C.I.ピグメント グリーン36(DIC株式会社製、以下では「G36」ともいう)又はC.I.ピグメント グリーン59(DIC株式会社製、以下では「G59」ともいう)をそれぞれ用いたこと以外は、製造例3と同様にして、緑色顔料分散体(RMG12)〜(RMG14)及び緑色調色用組成物(RCG12)〜(RCG14)をそれぞれ作製した。
C.I.ピグメント グリーン7(DIC株式会社製、以下では「G7」ともいう)2.48gを、BYK LPN−6919(ビックケミー社製、固形分:60質量%)1.24g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート10.92gと共に0.3〜0.4mmのジルコンビーズを用いて、東洋精機株式会社製のペイントシェーカーで2時間分散した後、ユニディックZL−295(DIC株式会社製、固形分:40質量%)1.86gを加えて緑色顔料分散体(RMG15)を得た。緑色顔料分散体(RMG15)4.0gに、ユニディックZL−295(DIC株式会社製、固形分:40質量%)0.98g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.22gを加えて、ペイントシェーカーで混合することで緑色調色用組成物(RCG15)を得た。
緑色調色用組成物(RCG4)及び(RCG5)を、それぞれ、ソーダガラス基板上にスピンコートし、90℃で3分乾燥して評価用ガラス基板を得た。この評価用ガラス基板上に形成された着色膜の単色分光透過スペクトルを、日立ハイテクサイエンス社製U−3900を用いて測定した。なお、スピンコートする際にスピン回転数を調整することにより、極大透過波長における透過率が80%となるように、着色膜の厚さを調整した。
緑色調色用組成物(RCG6)、(RCG7)及び(RCG9)〜(RCG11)を、それぞれ、ソーダガラス基板上にスピンコートし、90℃で3分乾燥した後に、230℃で1時間加熱した。これにより、着色膜をソーダガラス基板上に有する、評価用ガラス基板を作製した。なお、スピンコートする際にスピン回転数を調整することにより、230℃で1時間加熱して得られる着色膜の膜厚を調整し、各緑色調色用組成物について、着色膜の膜厚が1.5μmである評価用ガラス基板、着色膜の膜厚が1.9μmである評価用ガラス基板及び着色膜の膜厚が2.4μmである評価用ガラス基板をそれぞれ作製した。この評価用ガラス基板について、日立ハイテクサイエンス社製U−3900を用いてC光源における色度(x,y)を測定し、日立ハイテクサイエンス社製白色干渉顕微鏡VS1330で膜厚を測定した。
膜厚:1.5μm、色度x:0.182、色度y:0.436
膜厚:1.9μm、色度x:0.171、色度y:0.462
膜厚:2.4μm、色度x:0.158、色度y:0.494
膜厚:1.5μm、色度x:0.163、色度y:0.391
膜厚:1.9μm、色度x:0.154、色度y:0.407
膜厚:2.4μm、色度x:0.142、色度y:0.428
膜厚:1.5μm、色度x:0.167、色度y:0.400
膜厚:1.9μm、色度x:0.157、色度y:0.419
膜厚:2.4μm、色度x:0.146、色度y:0.443
膜厚:1.5μm、色度x:0.166、色度y:0.409
膜厚:1.9μm、色度x:0.159、色度y:0.426
膜厚:2.4μm、色度x:0.149、色度y:0.447
膜厚:1.5μm、色度x:0.127、色度y:0.343
膜厚:1.9μm、色度x:0.123、色度y:0.346
膜厚:2.4μm、色度x:0.118、色度y:0.350
(着色組成物の調製)
緑色調色用組成物(RCG)と黄色調色用組成物(QTY)を、表1に記載の組み合わせ及び配合比で混合して着色組成物を作製した。
得られた着色組成物をソーダガラス基板上にスピンコートし、90℃で3分乾燥し、230℃で1時間加熱した。これにより、ソーダガラス基板上に着色膜を有する評価用基板を作製した。この際、スピンコートする際のスピン回転数を調整することによって、着色膜のC光源における色度(x,y)が、特開2011−117986号公報で使用されている緑色色度(0.240,0.615)となるように調整した。色度は株式会社日立ハイテクサイエンス製の分光光度計(U−3900)によって測定される値である。
緑色調色用組成物と黄色調色用組成物を、表2に記載の組み合わせ及び配合比で混合して着色組成物を作製した。次いで、着色膜のC光源における色度(x,y)が、特開2010−2550号公報で使用されている緑色色度(0.260,0.650)となるようにスピンコートする際のスピン回転数を調整したこと以外は、実施例1〜12及び比較例1と同様にして、ソーダガラス基板上に着色膜を有する評価用基板を作製し、得られた評価用基板における着色膜について、輝度Y及び膜厚を測定した。
緑色調色用組成物と黄色調色用組成物を、表3に記載の組み合わせ及び配合比で混合して着色組成物を作製した。次いで、着色膜のC光源における色度(x,y)が、特開2017−16132号公報で使用されている緑色色度(0.210,0.670)となるようにスピンコートする際のスピン回転数を調整したこと以外は、実施例1〜12及び比較例1と同様にして、ソーダガラス基板上に着色膜を有する評価用基板を作製し、得られた評価用基板における着色膜について、輝度Y及び膜厚を測定した。
緑色調色用組成物と黄色調色用組成物を、表4に記載の組み合わせ及び配合比で混合して着色組成物を作製した。次いで、KSF光源(NS2W364F−HG光源)を用いたときに、高色再現用色規格であるDCI−P3(デジタルシネマイニシアティブ)規格の一般座標(0.265,0.690)の緑色色度を示す着色膜が得られるように、スピンコートする際のスピン回転数を調整したこと以外は、実施例1〜12及び比較例1と同様にして、ソーダガラス基板上に着色膜を有する評価用基板を作製し、得られた評価用基板における着色膜について、輝度Y及び膜厚を測定した。
Claims (6)
- 前記緑色顔料が、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料である、請求項1に記載の顔料組成物。
- 前記緑色顔料が、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料である、請求項3に記載の着色組成物。
- 前記緑色顔料が、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料である、請求項5に記載のカラーフィルタ。
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