JP2020030998A - 加熱コイル及び加熱方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークを均一に且つ効率よく加熱できる加熱コイル及び加熱方法を提供する。【解決手段】加熱コイル1は、複数のループ部10,11,12と、第1リード部14及び第2リード部15と、複数のループ部10,11,12と第1リード部14と第2リード部15とを直列に接続している接続部16と、を備え、複数のループ部10,11,12それぞれのギャップ10g,11g,12gは、軸Aを中心とする周方向に互いにずれており、接続部16は、複数のループ部10,11,12それぞれの外周面に沿って延びる複数の円弧状接続部21,31,51,61を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、加熱コイル及び加熱方法に関する。
軸状のワークに対して焼入れ等の熱処理が施される場合のワークの加熱方法として、環状の加熱コイルを用いた誘導加熱が知られている。ワークが挿通された加熱コイルに交流電流が供給されると、加熱コイルの周囲に磁界が形成され、加熱コイルの内部で磁束と鎖交するワークの表層に渦電流が生じ、ワークが誘導加熱される。そして、加熱コイルに交流電力が供給されている状態でワークが軸方向に送られることにより、ワークが連続的に加熱される(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された加熱コイルは、第1のワンターン部及び第2のワンターン部と、第1のワンターン部と第2のワンターン部とを直列に接続するリード部とを備える。第1のワンターン部の両端部間のギャップと、第2のワンターン部の両端部間のギャップとは、軸を中心とする周方向にずれている。リード部は、第1のワンターン部及び第2のワンターン部の外側に配置され、第1のワンターン部の一方の端部と、第2のワンターン部の一方の端部とを接続している。
特許第5578465号公報
例えば特許文献1に記載された加熱コイルにおいて、第1のワンターン部及び第2のワンターン部それぞれのギャップの近傍に形成される磁界の強度は相対的に低い。このような磁界強度分布に対し、ワークを均一に加熱する観点から、典型的には、ワークが軸を中心にして回転されるが、装置構成上、ワークを回転させることができない場合がある。
ワークを回転させることができない場合にもワークを均一に加熱するために、特許文献1に記載された加熱コイルでは、軸を中心する円周の接線方向に直線状に延びるリード中間部がリード部に設けられており、第1のワンターン部のギャップと第2のワンターン部のギャップとの周方向の間隔が拡大されている。これにより、第1のワンターン部が第2のワンターン部のギャップを周方向に横断し、第2のワンターン部が第1のワンターン部のギャップを周方向に横断し、ギャップ近傍における磁界強度の低下が補われている。
しかし、特許文献1に記載された加熱コイルでは、リード中間部が、軸を中心とする円周の接線方向に直線状に延びている。このため、リード中間部と第1のワンターン部及び第2のワンターン部との距離、換言すればリード中間部とワークとの距離がリード中間部の長手方向に変化し、例えばリード中間部の一方の端部から他方の端部に向けて次第に拡大する。リード中間部にも交流電流が流れ、リード中間部の周囲にも磁界が形成されるが、ワークとの距離が広がる程に電磁誘導作用は減弱し、リード中間部の周囲に形成される磁界を有効に利用する観点で改善の余地がある。
そして、延長されるほどに第1のワンターン部及び第2のワンターン部から離間するリード中間部では、ギャップ間の間隔の拡大量が自ずと制限される。このため、磁界の強度が相対的に低いギャップが周方向に十分に分散されず、ワークを均一に加熱する観点でも改善の余地がある。
本発明は、ワークを均一に且つ効率よく加熱できる加熱コイル及び加熱方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様の加熱コイルは、一つの軸に沿って並び且つ同軸状に配置されている複数のループ部と、電源と電気的に接続される第1リード部及び第2リード部と、上記複数のループ部と上記第1リード部と上記第2リード部とを直列に接続している接続部と、を備え、上記複数のループ部は、周方向にギャップをあけて対向する第1端部及び第2端部を有し、上記第1端部から上記第2端部に向けて上記軸を所定方向にまわっており、上記複数のループ部それぞれの上記ギャップは、上記軸を中心とする周方向に互いにずれており、上記接続部は、上記複数のループ部それぞれの外周に沿って延びる複数の円弧状接続部を有し、上記複数の円弧状接続部は、隣り合う二つのループ部のうち一方のループ部の第2端部と他方のループ部の第1端部とを電気的に接続し、上記第2端部から上記第1端部に向けて上記軸を上記所定方向にまわっている一つ以上のループ間円弧状接続部と、上記複数のループ部の直列接続において一端側に配置されているループ部の第1端部と上記第1リード部とを電気的に接続し、上記第1リード部から上記第1端部に向けて上記軸を上記所定方向にまわっている第1リード側円弧状接続部、及び/又は上記複数のループ部の直列接続において他端側に配置されているループ部の第2端部と上記第2リード部とを電気的に接続し、上記第2端部から上記第2リード部に向けて上記軸を上記所定方向にまわっている第2リード側円弧状接続部と、を有する。
また、本発明の一態様の加熱方法は、上記加熱コイルの上記複数のループ部にワークを挿通し、上記加熱コイルに交流電力を供給している状態で、上記加熱コイルと上記ワークとを軸方向にのみ相対移動させることにより、上記ワークを誘導加熱する。
本発明によれば、ワークを均一に且つ効率よく加熱できる加熱コイル及び加熱方法を提供できる。
本発明の実施形態を説明するための、加熱コイルの一例と、この加熱コイルによって加熱されるワークの一例の斜視図である。 図1の加熱コイルの単体の斜視図である。 図2の加熱コイルの分解斜視図である。 図2の加熱コイルの正面図である。 図2の加熱コイルのV−V線断面図である。 本発明の実施形態を説明するための、加熱コイルの他の例の斜視図である。 図6の加熱コイルの分解斜視図である。 本発明の実施形態を説明するための、加熱コイルの他の例の斜視図である。 図8の加熱コイルの分解斜視図である。 比較例の加熱コイルの斜視図である。 図10の加熱コイルの分解斜視図である。 図10の加熱コイルを用いて加熱されたワークの加熱温度分布を示すグラフである。 図2の加熱コイルを用いて加熱されたワークの加熱温度分布を示すグラフである。
図1は、本発明の実施形態を説明するための、加熱コイルの一例と、この加熱コイルによって加熱されるワークの一例を示す。
加熱コイル1は軸状のワーク2を誘導加熱するものであり、加熱コイル1には電源3から交流電流が供給される。ワーク2は、例えば鋼等の金属材料からなる断面円形状の棒材又は管材である。加熱コイル1は、ワーク2が挿通可能な環状に形成されており、ワーク2は、図示しない搬送装置によって、ワーク2の軸方向にのみ移動される。ワーク2が挿通された加熱コイル1に交流電流が供給されると、加熱コイル1の周囲に磁界が形成され、加熱コイル1の内部で磁束と鎖交するワーク2の表層に渦電流が生じ、ワーク2が誘導加熱される。そして、加熱コイル1に交流電力が供給されている状態でワーク2が軸方向に送られることにより、ワーク2が連続的に加熱される。
図2から図5は、加熱コイル1の構成を示す。
図2及び図3に示すように、加熱コイル1は、第1ループ部10、第2ループ部11及び第3ループ部12と、電源3と電気的に接続される第1リード部14及び第2リード部15と、第1ループ部10、第2ループ部11、第3ループ部12、第1リード部14及び第2リード部15を直列に接続している接続部16とを備える。第1ループ部10、第2ループ部11、第3ループ部12、第1リード部14、第2リード部15及び接続部16は、例えば銅等の良導体からなる管材によって形成されており、これらの内部には、冷却媒体が流通される一続きの流路が形成される。冷却媒体としては、典型的には水が用いられる。
第1ループ部10、第2ループ部11及び第3ループ部12は、いずれも円環状に形成されており、同一の外径及び同一の内径を有する。第1ループ部10、第2ループ部11及び第3ループ部12は、一つの軸Aに沿って第1ループ部10、第2ループ部11及び第3ループ部12の順に並び、且つ同軸状に配置されている。ワーク2は、第1ループ部10、第2ループ部11及び第3ループ部12それぞれの内側に挿通される。
第1ループ部10は、周方向にギャップ10gをあけて対向する第1端部10a及び第2端部10bを有し、第1端部10aから第2端部10bに向けて軸Aを所定方向Bにまわっている。第2ループ部11及び第3ループ部12もまた、第1ループ部10と同様に構成されている。第1ループ部10のギャップ10g、第2ループ部11のギャップ11g及び第3ループ部12のギャップ12gは、軸Aを中心とする周方向に互いにずれており、図2及び図3に示す例では、軸Aを中心に120°間隔で配置されている。
第1リード部14及び第2リード部15は、第1ループ部10、第2ループ部11及び第3ループ部12の外側に配置されており、適宜な隙間をあけ、軸Aを中心とする径方向に互いに平行に延びている。第1リード部14と第2リード部15とは、図示しない絶縁材を挟んで一体に接合されてもよい。図2及び図3に示す例では、軸A側に配置されている第1リード部14の基端部14aと、第2リード部15の基端部15aとは、いずれも第2ループ部11の外周面上に配置されている。
接続部16は、第1ループ部10の第2端部10bと第2ループ部11の第1端部11aとを接続している第1−第2ループ間接続部20と、第2ループ部11の第2端部11bと第3ループ部12の第1端部12aとを接続している第2−第3ループ間接続部30と、第1リード部14の基端部14aと第1ループ部10の第1端部10aとを接続している第1リード側接続部50と、第3ループ部12の第2端部12bと第2リード部15の基端部15aとを接続している第2リード側接続部60とを有する。
第1−第2ループ間接続部20は、第1ループ部10の第2端部10bと第2ループ部11の第1端部11aとを電気的に接続する第1−第2ループ間円弧状接続部21を含む。第1−第2ループ間円弧状接続部21は、第1ループ部10と同心に配置されており、第1ループ部10の外周面に沿って延びている。第1−第2ループ間円弧状接続部21は、第1ループ部10の第2端部10b側から第2ループ部11の第1端部11a側に向けて軸Aを所定方向Bにまわっている。
第1−第2ループ間円弧状接続部21の一方の端部21aと、第1ループ部10の第2端部10bとは、延設部22を介して接続されている。延設部22は、第1−第2ループ間円弧状接続部21の一方の端部21aの内周部から第1ループ部10の第2端部10bの外周部に向けて、軸Aを中心とする径方向に直線状に延びている。第1−第2ループ間円弧状接続部21と、第1ループ部10のギャップ10gとは、径方向に重なり合っている。第1−第2ループ間円弧状接続部21の他方の端部21bと、第2ループ部11の第1端部11aとは、延設部23を介して接続されている。延設部23は、第1−第2ループ間円弧状接続部21の他方の端部21bの第2ループ部側の側部から第2ループ部11の第1端部11aの外周部に向けて、軸Aを中心とする径方向に直線状に延びている。
第2−第3ループ間接続部30は、第2ループ部11の第2端部11bと第3ループ部12の第1端部12aとを電気的に接続する第2−第3ループ間円弧状接続部31を含む。第2−第3ループ間円弧状接続部31は、第3ループ部12と同心に配置されており、第3ループ部12の外周面に沿って延びている。第2−第3ループ間円弧状接続部31は、第2ループ部11の第2端部11b側から第3ループ部12の第1端部12a側に向けて軸Aを所定方向Bにまわっている。
第2−第3ループ間円弧状接続部31の一方の端部31aと、第2ループ部11の第2端部11bとは、延設部32を介して接続されている。延設部32は、第2−第3ループ間円弧状接続部31の一方の端部31aの第2ループ部側の側部から第2ループ部11の第2端部11bの外周部に向けて、軸Aを中心とする径方向に直線状に延びている。第2−第3ループ間円弧状接続部31の他方の端部31bと、第3ループ部12の第1端部12aとは、延設部33を介して接続されている。延設部33は、第2−第3ループ間円弧状接続部31の他方の端部31bの内周部から第3ループ部12の第1端部12aの外周部に向けて、軸Aを中心とする径方向に直線状に延びている。第2−第3ループ間円弧状接続部31と、第3ループ部12のギャップ12gとは、径方向に重なり合っている。
第1リード側接続部50は、第1リード部14の基端部14aと第1ループ部10の第1端部10aとを電気的に接続する第1リード側円弧状接続部51を含む。第1リード側円弧状接続部51は、第2ループ部11と同心に配置されており、第2ループ部11の外周面に沿って延びている。第1リード側円弧状接続部51は、第1リード部14の基端部14a側から第1ループ部10の第1端部10a側に向けて軸Aを所定方向Bにまわっている。
第1リード側円弧状接続部51の一方の端部51aと、第1リード部14の基端部14aとは直接に接続されている。第1リード側円弧状接続部51の他方の端部51bと、第1ループ部10の第1端部10aとは、延設部52を介して接続されている。延設部52は、第1リード側円弧状接続部51の他方の端部51bの内周部から第1ループ部10の第1端部10aの外周部に向けて、軸Aを中心とする径方向にクランク状に延びており、第1ループ部10と第1−第2ループ間円弧状接続部21との間に入り込んで第1ループ部10の第1端部10aに接続されている。
第2リード側接続部60は、第2リード部15の基端部15aと第3ループ部12の第2端部12bとを電気的に接続する第2リード側円弧状接続部61を含む。第2リード側円弧状接続部61は、第2ループ部11と同心に配置されており、第2ループ部11の外周面に沿って延びている。第2リード側円弧状接続部61は、第3ループ部12の第2端部12b側から第2リード部15の基端部15a側に向けて軸Aを所定方向Bにまわっている。
第2リード側円弧状接続部61の一方の端部61aと、第3ループ部12の第2端部12bとは、延設部62を介して接続されている。延設部62は、第2リード側円弧状接続部61の一方の端部61aの内周部から第3ループ部12の第2端部12bの外周部に向けて、軸Aを中心とする径方向にクランク状に延びており、第3ループ部12と第2−第3ループ間円弧状接続部31との間に入り込んで第3ループ部12の第2端部12bに接続されている。第2リード側円弧状接続部61の他方の端部61bと、第2リード部15の基端部15aとは直接に接続されている。
図4に示すように、第1ループ部10のギャップ10g、第2ループ部11のギャップ11g及び第3ループ部12のギャップ12gが、軸Aを中心に120°間隔で配置されている本例において、第1−第2ループ間円弧状接続部21の円弧中心角度θ1、第2−第3ループ間円弧状接続部31の円弧中心角度θ2、第1リード側円弧状接続部51及び第2リード側円弧状接続部61の合計の円弧中心角度θ3は、いずれも120°であり、円弧中心角度θ1,θ2,θ3の合計は360°である。換言すれば、第1−第2ループ間円弧状接続部21と、第2−第3ループ間円弧状接続部31と、第1リード側円弧状接続部51及び第2リード側円弧状接続部61とを同一円周上に配置した場合に、これらの円弧状接続部21,31,51,61は、軸Aを1周する。
なお、第1ループ部10のギャップ10g、第2ループ部11のギャップ11g及び第3ループ部12のギャップ12gが、軸Aを中心に240°間隔で配置される場合に、第1−第2ループ間円弧状接続部21の円弧中心角度θ1、第2−第3ループ間円弧状接続部31の円弧中心角度θ2、第1リード側円弧状接続部51及び第2リード側円弧状接続部61の合計の円弧中心角度θ3は、いずれも240°となり、これらの円弧状接続部21,31,51,61は軸Aを2周する。
図5に示すように、第1ループ部10の内周面の幅は外周面の幅よりも小さい。同様に、第2ループ部11の内周面の幅は外周面の幅よりも小さく、第3ループ部12の内周面の幅は外周面の幅よりも小さい。第1ループ部10、第2ループ部11及び第3ループ部12に流れる交流電流は、各ループ部の最短経路である内周部を流れる。第1ループ部10、第2ループ部11及び第3ループ部12それぞれの内周面の幅を相対的に小さくすることによって、冷却媒体が流通される内部の流路の断面積を確保しつつ、電流密度を高めることができる。そして、電流密度を高めることにより、第1ループ部10、第2ループ部11及び第3ループ部12の周囲に形成される磁界の強度を高め、ワーク2の加熱効率を向上させることができる。
以上のように構成された加熱コイル1において、例えば交流電流が第1ループ部10を第1端部10aから第2端部10bに向けて流れるタイミングで、第1ループ部10を流れる交流電流と、第1−第2ループ間円弧状接続部21を流れる交流電流とは、いずれも軸Aを所定方向Bにまわる。したがって、第1−第2ループ間円弧状接続部21の周囲に形成される磁界は、第1ループ部10の周囲に形成される磁界を増強させる。そして、第1ループ部10の外周面に沿って延びる第1−第2ループ間円弧状接続部21と第1ループ部10との距離、換言すれば第1−第2ループ間円弧状接続部21とワーク2との距離は、第1−第2ループ間円弧状接続部21の長手方向に一定である。したがって、第1−第2ループ間円弧状接続部21の周囲に形成される磁界が、第1−第2ループ間円弧状接続部21の全長にわたってワーク2の誘導加熱に有効に利用される。特に、第1−第2ループ間円弧状接続部21は、第1ループ部10のギャップ10gと径方向に重なり合っており、第1−第2ループ間円弧状接続部21の周囲に形成される磁界によってギャップ10gの近傍における磁界強度の低下が補われるので、ワーク2の加熱効率が一層高まる。
同様に、第3ループ部12の外周面に沿って延びる第2−第3ループ間円弧状接続部31の周囲に形成される磁界は、第3ループ部12の周囲に形成される磁界を増強させ、第2−第3ループ間円弧状接続部31の全長にわたってワーク2の誘導加熱に有効に利用される。また、第2ループ部11の外周面に沿って延びる第1リード側円弧状接続部51及び第2リード側円弧状接続部61の周囲に形成される磁界は、第2ループ部11の周囲に形成される磁界を増強させ、第1リード側円弧状接続部51及び第2リード側円弧状接続部61の全長にわたってワーク2の誘導加熱に有効に利用される。
そして、第1−第2ループ間円弧状接続部21と第1ループ部10との距離は、第1−第2ループ間円弧状接続部21の長さによらず一定である。同様に、第2−第3ループ間円弧状接続部31と第3ループ部12との距離は、第2−第3ループ間円弧状接続部31の長さによらず一定であり、第1リード側円弧状接続部51及び第2リード側円弧状接続部61と第2ループ部11との距離は、第1リード側円弧状接続部51及び第2リード側円弧状接続部61の長さによらず一定である。したがって、第1ループ部10のギャップ10g、第2ループ部11のギャップ11g及び第3ループ部12のギャップ12gの配置の自由度が高まり、磁界の強度が相対的に低いこれらのギャップ10g,11g,12gを、軸Aを中心とする周方向に十分に分散させ、ワーク2の加熱温度を均一化できる。
好ましくは、図4に示したように、第1−第2ループ間円弧状接続部21の円弧中心角度θ1と、第2−第3ループ間円弧状接続部31の円弧中心角度θ2と、第1リード側円弧状接続部51及び第2リード側円弧状接続部61の合計の円弧中心角度θ3との合計は360°以上である。これにより、第1ループ部10のギャップ10g、第2ループ部11のギャップ11g及び第3ループ部12のギャップ12gを、軸Aを中心とする周方向に十分に分散させることができ、ワーク2の加熱温度をさらに均一化できる。さらに、好ましくは、第1ループ部10のギャップ10g、第2ループ部11のギャップ11g及び第3ループ部12のギャップ12gは、軸Aを中心に等角度間隔(120°間隔)で配置される。これにより、第1ループ部10のギャップ10g、第2ループ部11のギャップ11g及び第3ループ部12のギャップ12gを、軸Aを中心とする周方向に均等に分散させることができ、ワーク2の加熱温度をさらに均一化できる。
図6及び図7は、加熱コイルの他の例を示す。
図6及び図7に示す加熱コイル101は、第1ループ部110及び第2ループ部111と、電源と電気的に接続される第1リード部114及び第2リード部115と、第1ループ部110、第2ループ部111、第1リード部114及び第2リード部115を直列に接続している接続部116とを備える。第1ループ部110及び第2ループ部111は、いずれも円環状に形成されており、同一の外径及び同一の内径を有する。
第1ループ部110は、周方向にギャップ110gをあけて対向する第1端部110a及び第2端部110bを有し、第1端部110aから第2端部110bに向けて軸Aを所定方向Bにまわっている。第2ループ部111もまた、第1ループ部110と同様に構成されている。第1ループ部110のギャップ110g及び第2ループ部111のギャップ111gは、軸Aを中心とする周方向に互いにずれており、図6及び図7に示す例では、軸Aを中心に180°間隔で配置されている。
第1リード部114及び第2リード部115は、第1ループ部110及び第2ループ部111の外側に配置されており、適宜な隙間をあけ、軸Aを中心とする径方向に互いに平行に延びている。図6及び図7に示す例では、軸A側に配置されている第1リード部114の基端部114aと、第2リード部115の基端部115aとは、いずれも第1ループ部110の外周面上に配置されている。
接続部116は、第1ループ部110の第2端部110bと第2ループ部111の第1端部111aとを接続している第1−第2ループ間接続部120と、第1リード部114の基端部114aと第1ループ部110の第1端部110aとを接続している第1リード側接続部150と、第2ループ部111の第2端部111bと第2リード部115の基端部115aとを接続している第2リード側接続部160とを有する。
第1−第2ループ間接続部120は、第1ループ部110の第2端部110bと第2ループ部111の第1端部111aとを電気的に接続する第1−第2ループ間円弧状接続部121を含む。第1−第2ループ間円弧状接続部121は、第2ループ部111と同心に配置されており、第2ループ部111の外周面に沿って延びている。第1−第2ループ間円弧状接続部121は、第1ループ部110の第2端部110b側から第2ループ部111の第1端部111a側に向けて軸Aを所定方向Bにまわっている。第1−第2ループ間円弧状接続部121と、第2ループ部111のギャップ111gとは、径方向に重なり合っている。
第1リード側接続部150は、第1リード部114の基端部114aと第1ループ部110の第1端部110aとを電気的に接続する第1リード側円弧状接続部151を含む。第1リード側円弧状接続部151は、第1ループ部110と同心に配置されており、第1ループ部110の外周面に沿って延びている。第1リード側円弧状接続部151は、第1リード部114の基端部114a側から第1ループ部110の第1端部110a側に向けて軸Aを所定方向Bにまわっている。第1リード側円弧状接続部151と、第1ループ部110のギャップ110gとは、径方向に重なり合っている。
第2リード側接続部160は、第2リード部115の基端部115aと第2ループ部111の第2端部111bとを電気的に接続する第2リード側円弧状接続部161を含む。第2リード側円弧状接続部161は、第1ループ部110と同心に配置されており、第1ループ部110の外周面に沿って延びている。第2リード側円弧状接続部161は、第2ループ部111の第2端部111b側から第2リード部115の基端部115a側に向けて軸Aを所定方向Bにまわっている。
第2ループ部111の外周面に沿って延びる第1−第2ループ間円弧状接続部121の周囲に形成される磁界は、第2ループ部111の周囲に形成される磁界を増強させ、第1−第2ループ間円弧状接続部121の全長にわたってワーク2の誘導加熱に有効に利用される。第1ループ部110の外周面に沿って延びる第1リード側円弧状接続部151及び第2リード側円弧状接続部161の周囲に形成される磁界は、第1ループ部110の周囲に形成される磁界を増強させ、第1リード側円弧状接続部151及び第2リード側円弧状接続部161の全長にわたってワーク2の誘導加熱に有効に利用される。
そして、第1−第2ループ間円弧状接続部121と第2ループ部111との距離は、第1−第2ループ間円弧状接続部121の長さによらず一定であり、第1リード側円弧状接続部151及び第2リード側円弧状接続部161と第1ループ部110との距離は、第1リード側円弧状接続部151及び第2リード側円弧状接続部161の長さによらず一定である。したがって、第1ループ部110のギャップ110g及び第2ループ部111のギャップ111gの配置の自由度が高まり、磁界の強度が相対的に低いこれらのギャップ110g,111gを、軸Aを中心とする周方向に十分に分散させ、ワーク2の加熱温度を均一化できる。
図8及び図9は、加熱コイルの他の例を示す。
図8及び図9に示す加熱コイル201は、第1ループ部210、第2ループ部211、第3ループ部212、及び第4ループ部213と、電源と電気的に接続される第1リード部214及び第2リード部215と、第1ループ部210、第2ループ部211、第3ループ部212、第4ループ部213、第1リード部214及び第2リード部215を直列に接続している接続部216とを備える。第1ループ部210、第2ループ部211、第3ループ部212及び第4ループ部213は、いずれも円環状に形成されており、同一の外径及び同一の内径を有する。
第1ループ部210は、周方向にギャップ210gをあけて対向する第1端部210a及び第2端部210bを有し、第1端部210aから第2端部210bに向けて軸Aを所定方向Bにまわっている。第2ループ部211、第3ループ部212及び第4ループ部213もまた、第1ループ部210と同様に構成されている。第1ループ部210のギャップ210g、第2ループ部211のギャップ211g、第3ループ部212のギャップ212g及び第4ループ部213のギャップ213gは、軸Aを中心とする周方向に互いにずれており、図8及び図9に示す例では、軸Aを中心に90°間隔で配置されている。
第1リード部214及び第2リード部215は、第1ループ部210、第2ループ部211、第3ループ部212及び第4ループ部213の外側に配置されており、適宜な隙間をあけ、軸Aを中心とする径方向に互いに平行に延びている。図8及び図9に示す例では、軸A側に配置されている第1リード部214の基端部214aは、第2ループ部211の外周面上に配置されており、第2リード部215の基端部215aは、第3ループ部212の外周面上に配置されている。
接続部216は、第1ループ部210の第2端部210bと第2ループ部211の第1端部211aとを接続している第1−第2ループ間接続部220と、第2ループ部211の第2端部211bと第3ループ部212の第1端部212aとを接続している第2−第3ループ間接続部230と、第3ループ部212の第2端部212bと第4ループ部213の第1端部213aとを接続している第3−第4ループ間接続部240と、第1リード部214の基端部214aと第1ループ部210の第1端部210aとを接続している第1リード側接続部250と、第4ループ部213の第2端部213bと第2リード部215の基端部215aとを接続している第2リード側接続部260とを有する。
第1−第2ループ間接続部220は、第1ループ部210の第2端部210bと第2ループ部211の第1端部211aとを電気的に接続する第1−第2ループ間円弧状接続部221を含む。第1−第2ループ間円弧状接続部221は、第2ループ部211と同心に配置されており、第2ループ部211の外周面に沿って延びている。第1−第2ループ間円弧状接続部221は、第1ループ部210の第2端部210b側から第2ループ部211の第1端部211a側に向けて軸Aを所定方向Bにまわっている。第1−第2ループ間円弧状接続部221と、第2ループ部211のギャップ211gとは、径方向に重なり合っている。
第2−第3ループ間接続部230は、第2ループ部211の第2端部211bと第3ループ部212の第1端部212aとを電気的に接続する第2−第3ループ間円弧状接続部231を含む。第2−第3ループ間円弧状接続部231は、第3ループ部212と同心に配置されており、第3ループ部212の外周面に沿って延びている。第2−第3ループ間円弧状接続部231は、第2ループ部211の第2端部211b側から第3ループ部212の第1端部212a側に向けて軸Aを所定方向Bにまわっている。第2−第3ループ間円弧状接続部231と、第3ループ部212のギャップ212gとは、径方向に重なり合っている。
第3−第4ループ間接続部240は、第3ループ部212の第2端部212bと第4ループ部213の第1端部213aとを電気的に接続する第3−第4ループ間円弧状接続部241を含む。第3−第4ループ間円弧状接続部241は、第4ループ部213と同心に配置されており、第4ループ部213の外周面に沿って延びている。第3−第4ループ間円弧状接続部241は、第3ループ部212の第2端部212b側から第4ループ部213の第1端部213a側に向けて軸Aを所定方向Bにまわっている。第3−第4ループ間円弧状接続部241と、第4ループ部213のギャップ213gとは、径方向に重なり合っている。
第1リード側接続部250は、第1リード部214の基端部214aと第1ループ部210の第1端部210aとを電気的に接続する第1リード側円弧状接続部251を含む。第1リード側円弧状接続部251は、第1ループ部210と同心に配置されており、第1ループ部210の外周面に沿って延びている。第1リード側円弧状接続部251は、第1リード部214の基端部214a側から第1ループ部210の第1端部210a側に向けて軸Aを所定方向Bにまわっている。第1リード側円弧状接続部251と、第1ループ部210のギャップ210gとは、径方向に重なり合っている。
第2ループ部211の外周面に沿って延びる第1−第2ループ間円弧状接続部221の周囲に形成される磁界は、第2ループ部211の周囲に形成される磁界を増強させ、第1−第2ループ間円弧状接続部221の全長にわたってワーク2の誘導加熱に有効に利用される。第3ループ部212の外周面に沿って延びる第2−第3ループ間円弧状接続部231の周囲に形成される磁界は、第3ループ部212の周囲に形成される磁界を増強させ、第2−第3ループ間円弧状接続部231の全長にわたってワーク2の誘導加熱に有効に利用される。第4ループ部213の外周面に沿って延びる第3−第4ループ間円弧状接続部241の周囲に形成される磁界は、第4ループ部213の周囲に形成される磁界を増強させ、第3−第4ループ間円弧状接続部241の全長にわたってワーク2の誘導加熱に有効に利用される。第1ループ部210の外周面に沿って延びる第1リード側円弧状接続部251の周囲に形成される磁界は、第1ループ部210の周囲に形成される磁界を増強させ、第1リード側円弧状接続部251の全長にわたってワーク2の誘導加熱に有効に利用される。
そして、第1−第2ループ間円弧状接続部221と第2ループ部211との距離は、第1−第2ループ間円弧状接続部221の長さによらず一定であり、第2−第3ループ間円弧状接続部231と第3ループ部212との距離は、第2−第3ループ間円弧状接続部231の長さによらず一定であり、第3−第4ループ間円弧状接続部241と第4ループ部213との距離は、第3−第4ループ間円弧状接続部241の長さによらず一定であり、第1リード側円弧状接続部251と第1ループ部210との距離は、第1リード側円弧状接続部251の長さによらず一定である。したがって、第1ループ部210のギャップ210g、第2ループ部211のギャップ211g、第3ループ部212のギャップ212g及び第4ループ部213のギャップ213gの配置の自由度が高まり、磁界の強度が相対的に低いこれらのギャップ210g,211g,212g,213gを、軸Aを中心とする周方向に十分に分散させ、ワーク2の加熱温度を均一化できる。
ここまで、2つから4つのループ部を有する加熱コイルについて説明したが、ループ部は5以上の複数設けられてもよい。
以下、実施例及び比較例について説明する。
<実施例>
S45Cからなる外径35mm、厚み2mmの管材をワークとし、このワークを軸方向にのみ150mm/秒の移動速度で移動させながら、図2及び図3に示した加熱コイル1を用いて誘導加熱した際の、ワークの周方向の加熱温度分布をシミュレーションにより求めた。加熱コイル1に供給する交流電流の周波数は10kHzとし、ワークの目標加熱温度は1000℃とした。第1ループ部10、第2ループ部11及び第3ループ部12の内径は、いずれも39mmであり、第1ループ部10のギャップ10g、第2ループ部11のギャップ11g及び第3ループ部12のギャップ12gの間隔は120°である。
<比較例>
実施例と同一のワークを、実施例と同様に軸方向にのみ150mm/秒の移動速度で移動させながら、図10及び図11に示す加熱コイル301を用いて誘導加熱した際の、ワークの周方向の加熱温度分布をシミュレーションにより求めた。加熱コイル301に供給する交流電流の周波数は10kHzとし、ワークの目標加熱温度は1000℃とした。以下、比較例の加熱コイル301について説明する。
図10及び図11に示す加熱コイル301は、第1ループ部310、第2ループ部311及び第3ループ部312と、電源3と電気的に接続される第1リード部314及び第2リード部315と、第1ループ部310、第2ループ部311、第3ループ部312、第1リード部314及び第2リード部315を直列に接続している接続部316とを備える。第1ループ部310、第2ループ部311及び第3ループ部312は、いずれも円環状に形成されており、同一の外径及び同一の内径を有する。
第1ループ部310は、周方向にギャップ310gをあけて対向する第1端部310a及び第2端部310bを有し、第1端部310aから第2端部310bに向けて軸Aを所定方向Cにまわっている。第2ループ部311及び第3ループ部312もまた、第1ループ部310と同様に構成されている。第1ループ部310のギャップ310g、第2ループ部311のギャップ311g及び第3ループ部312のギャップ312gは、軸Aを中心とする周方向に互いにずれている。
接続部316は、第1ループ部310の第2端部310bと第2ループ部311の第1端部311aとを接続している第1−第2ループ間接続部320と、第2ループ部311の第2端部311bと第3ループ部312の第1端部312aとを接続している第2−第3ループ間接続部330と、第1リード部314の基端部314aと第1ループ部310の第1端部310aとを接続している第1リード側接続部350と、第3ループ部312の第2端部312bと第2リード部315の基端部315aとを接続している第2リード側接続部360とを有する。
第1−第2ループ間接続部320は、第1ループ部310の外側で、軸Aを中心とする円周の接線方向に直線状に延びる中間部321を含む。第2−第3ループ間接続部330は、第3ループ部312の外側で、軸Aを中心とする円周の接線方向に直線状に延びる中間部331を含む。
以上のように構成された加熱コイル301において、第1ループ部310、第2ループ部311及び第3ループ部312の内径は、いずれも39mmであり、第1ループ部310のギャップ310g、第2ループ部311のギャップ311g及び第3ループ部312のギャップ12gの間隔は35°である。
図12は、比較例のワークの加熱温度分布のシミュレーション結果を示し、図13は、実施例のワークの加熱温度分布のシミュレーション結果を示す。なお、図12及び図13において、横軸は、ワーク各部の周方向の位置を中心軸まわりの回転角度(°)によって示し、第1リード部と第2リード部との間の隙間と径方向に重なる点を原点としている。
図12に示すように、比較例では、ワーク各部の温度差の最大値が80℃(最高温度1010℃、最低温度930℃)となり、この加熱温度分布を得るにあたって加熱コイル301に供給される電力は149kWとなった。比較例の加熱コイル301では、第1ループ部310のギャップ310g、第2ループ部311のギャップ311g及び第3ループ部312のギャップ312gが35°間隔で配置されており、これらのギャップ310g、311g、312gが集まる原点近傍において、ワークの加熱が不足することがわかる。
一方、図13に示すように、実施例では、ワーク各部の温度差の最大値が18℃(最高温度1010℃、最低温度992℃)となり、この加熱温度分布を得るにあたって加熱コイル301に供給される電力は153kWとなった。実施例の加熱コイル1では、第1ループ部10のギャップ10g、第2ループ部11のギャップ11g及び第3ループ部12のギャップ12gが120°間隔で配置されており、これらのギャップ10g、11g、12gが周方向に十分に分散されることによってワークの加熱温度が均一化されていることがわかる。また、加熱コイルに供給される電力が実施例と比較例とで略同じであり、複数のループ部10,11,12それぞれの外周面に沿って延びる複数の円弧状接続部21,31,51,61の周囲に形成される磁界がワークの加熱に有効に利用されることによってワークの加熱効率が向上していることがわかる。
以上、説明したとおり、本明細書に開示された加熱コイルは、一つの軸に沿って並び且つ同軸状に配置されている複数のループ部と、電源と電気的に接続される第1リード部及び第2リード部と、上記複数のループ部と上記第1リード部と上記第2リード部とを直列に接続している接続部と、を備え、上記複数のループ部は、周方向にギャップをあけて対向する第1端部及び第2端部を有し、上記第1端部から上記第2端部に向けて上記軸を所定方向にまわっており、上記複数のループ部それぞれの上記ギャップは、上記軸を中心とする周方向に互いにずれており、上記接続部は、上記複数のループ部それぞれの外周面に沿って延びる複数の円弧状接続部を有し、上記複数の円弧状接続部は、隣り合う二つのループ部のうち一方のループ部の第2端部と他方のループ部の第1端部とを電気的に接続し、上記第2端部から上記第1端部に向けて上記軸を上記所定方向にまわっている一つ以上のループ間円弧状接続部と、上記複数のループ部の直列接続において一端側に配置されているループ部の第1端部と上記第1リード部とを電気的に接続し、上記第1リード部から上記第1端部に向けて上記軸を上記所定方向にまわっている第1リード側円弧状接続部、及び/又は上記複数のループ部の直列接続において他端側に配置されているループ部の第2端部と上記第2リード部とを電気的に接続し、上記第2端部から上記第2リード部に向けて上記軸を上記所定方向にまわっている第2リード側円弧状接続部と、を有する。
また、本明細書に開示された加熱コイルは、上記複数の円弧状接続部それぞれの円弧中心角度の合計は、360°以上である。
また、本明細書に開示された加熱コイルは、上記複数のループ部それぞれの上記ギャップは、上記軸を中心に等角度間隔で配置されている。
また、本明細書に開示された加熱コイルは、上記複数のループ部のうち少なくとも一つのループ部の上記ギャップと、このループ部の外周面に沿って配置されている円弧状接続とは、径方向に重なり合っている。
また、本明細書に開示された加熱コイルは、上記複数のループ部それぞれの内周面の幅は、外周面の幅よりも小さい。
また、本明細書に開示された加熱方法は、上記加熱コイルの上記複数のループ部にワークを挿通し、上記加熱コイルに交流電力を供給している状態で、上記加熱コイルと上記ワークとを軸方向にのみ相対移動させることにより、上記ワークを誘導加熱する。
1 加熱コイル
2 ワーク
3 電源
10 第1ループ部
11 第2ループ部
12 第3ループ部
14 第1リード部
15 第2リード部
16 接続部
20 第1−第2ループ間接続部
21 第1−第2ループ間円弧状接続部
30 第3ループ間接続部
31 第3ループ間円弧状接続部
50 第1リード側接続部
51 第1リード側円弧状接続部
60 第2リード側接続部
61 第2リード側円弧状接続部
101 加熱コイル
110 第1ループ部
111 第2ループ部
114 第1リード部
115 第2リード部
116 接続部
120 第2ループ間接続部
121 第2ループ間円弧状接続部
150 第1リード側接続部
151 第1リード側円弧状接続部
160 第2リード側接続部
161 第2リード側円弧状接続部
201 加熱コイル
210 第1ループ部
211 第2ループ部
212 第3ループ部
213 第4ループ部
214 第1リード部
215 第2リード部
216 接続部
220 第1−第2ループ間接続部
221 第1−第2ループ間円弧状接続部
230 第2−第3ループ間接続部
231 第2−第3ループ間円弧状接続部
240 第3−第4ループ間接続部
241 第3−第4ループ間円弧状接続部
250 第1リード側接続部
251 第1リード側円弧状接続部
260 第2リード側接続部
A 軸
B 所定方向

Claims (6)

  1. 一つの軸に沿って並び且つ同軸状に配置されている複数のループ部と、
    電源と電気的に接続される第1リード部及び第2リード部と、
    前記複数のループ部と前記第1リード部と前記第2リード部とを直列に接続している接続部と、
    を備え、
    前記複数のループ部は、周方向にギャップをあけて対向する第1端部及び第2端部を有し、前記第1端部から前記第2端部に向けて前記軸を所定方向にまわっており、
    前記複数のループ部それぞれの前記ギャップは、前記軸を中心とする周方向に互いにずれており、
    前記接続部は、前記複数のループ部それぞれの外周面に沿って延びる複数の円弧状接続部を有し、
    前記複数の円弧状接続部は、
    隣り合う二つのループ部のうち一方のループ部の第2端部と他方のループ部の第1端部とを電気的に接続し、前記第2端部から前記第1端部に向けて前記軸を前記所定方向にまわっている一つ以上のループ間円弧状接続部と、
    前記複数のループ部の直列接続において一端側に配置されているループ部の第1端部と前記第1リード部とを電気的に接続し、前記第1リード部から前記第1端部に向けて前記軸を前記所定方向にまわっている第1リード側円弧状接続部、及び/又は前記複数のループ部の直列接続において他端側に配置されているループ部の第2端部と前記第2リード部とを電気的に接続し、前記第2端部から前記第2リード部に向けて前記軸を前記所定方向にまわっている第2リード側円弧状接続部と、
    を有する加熱コイル。
  2. 請求項1記載の加熱コイルであって、
    前記複数の円弧状接続部それぞれの円弧中心角度の合計は、360°以上である加熱コイル。
  3. 請求項1又は2記載の加熱コイルであって、
    前記複数のループ部それぞれの前記ギャップは、前記軸を中心に等角度間隔で配置されている加熱コイル。
  4. 請求項1から3のいずれか一項記載の加熱コイルであって、
    前記複数のループ部のうち少なくとも一つのループ部の前記ギャップと、当該ループ部の外周面に沿って配置されている円弧状接続とは、径方向に重なり合っている加熱コイル。
  5. 請求項1から4のいずれか一項記載の加熱コイルであって、
    前記複数のループ部それぞれの内周面の幅は、外周面の幅よりも小さい加熱コイル。
  6. 請求項1から5のいずれか一項記載の加熱コイルの前記複数のループ部にワークを挿通し、
    前記加熱コイルに交流電力を供給している状態で、前記加熱コイルと前記ワークとを軸方向にのみ相対移動させることにより、前記ワークを誘導加熱する加熱方法。
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