JP2013058441A - 誘導加熱式液体加熱器と誘導加熱式液体加熱装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 発熱体の表面積を大きくして加熱効率を高めた誘導加熱式液体加熱器とそれを利用した誘導加熱式液体加熱装置を提供する。
【解決手段】 螺旋状に巻かれた発熱コイルが長尺ホース内に挿入され、長尺ホースと発熱コイルの間に液体通路が形成され、発熱コイル入りの長尺ホースがリング状に一回又は二回以上巻かれ、リング状のホースの外側に誘導コイルが螺旋状に巻かれ、誘導コイルに高周波電流が流れると電磁誘導加熱によりホース内の発熱コイルが発熱し、前記液体通路内の液体が加熱されるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】 螺旋状に巻かれた発熱コイルが長尺ホース内に挿入され、長尺ホースと発熱コイルの間に液体通路が形成され、発熱コイル入りの長尺ホースがリング状に一回又は二回以上巻かれ、リング状のホースの外側に誘導コイルが螺旋状に巻かれ、誘導コイルに高周波電流が流れると電磁誘導加熱によりホース内の発熱コイルが発熱し、前記液体通路内の液体が加熱されるようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は高周波誘導加熱を利用して液体を加熱(加温)する誘導加熱式液体加熱器とそれを利用した誘導加熱式液体加熱装置に関する。
液体の加熱には各種加熱器が使用されており、その一つとして高周波誘導加熱を利用するものが知られている(特許文献1、2)。
特許文献1記載の誘導加熱温水器は、誘導加熱を利用するものではあるが、水用の配管とガス用の配管を必要としたガス温水器の施工上の面倒を改善するものであり、誘導加熱による加熱効率の向上を目的とするものではない(段落番号:0003、0004)。
特許文献2の誘導加熱温水器は、誘導加熱を利用するものではあるが、従来は抑制の対象とされていたコイル外側の磁束を熱交換の対象として利用するものである(段落番号:0040)。
本発明の解決課題は、発熱体の表面積を大きくして加熱効率を高めた誘導加熱式液体加熱器とそれを利用した誘導加熱式液体加熱装置を提供することにある。
本発明の誘導加熱式液体加熱器は、誘導コイルに高周波電流を流すと発熱して液体を加熱できるようにした誘導加熱式液体加熱器において、螺旋状に巻かれた発熱コイルが長尺ホース内に挿入され、長尺ホースと発熱コイルの間に液体通路が形成され、発熱コイル入りの長尺ホースがリング状に巻かれ、リング状のホースの外側に加熱コイル(誘導コイル)が螺旋状に巻かれ、誘導コイルに高周波電流が流れると電磁誘導加熱によりホース内の発熱コイルが発熱し、前記液体通路内の液体が加熱されるようにしたものである。この場合巻き回数は一回又は二回以上とすることができる。また、発熱コイル入りのホースを同じ巻き径で巻く、又は異なる巻き径で同心円状に一連に巻くこともできる。
本発明の誘導加熱式液体加熱装置は、誘導コイルに高周波電流を流すと発熱して液体を加熱できるようにした誘導加熱式液体加熱器を用いた誘導加熱式液体加熱装置において、前記誘導加熱式液体加熱器と、誘導加熱式液体加熱器の誘導コイルに高周波電流を供給する高周波発振器を備えたものである。この場合、誘導コイルと高周波発振器の間に両者間のインピーダンス整合用のマッチングトランスを設けることができる。
本発明の誘導加熱式液体加熱器及び誘導加熱式液体加熱装置は次のような効果がある。
(1)螺旋状に巻かれた発熱コイルが長尺ホース内に挿入され、長尺ホースと発熱コイルの間に液体通路が形成され、発熱コイル入りの長尺ホースがリング状に巻かれているので、小型であっても液体通路を長く確保でき、加熱効率を高めることができる。
(2)ホースを数回巻けば液体通路長が長くなり発熱量が多くなる。
(3)誘導コイルが、リング状に巻かれたホースの外側に螺旋状に巻かれ、リングの巻き方向全長又は略全長に巻かれているため、リング状のホース内の発熱コイルが効率良く加熱される。また、数回巻いたリング状のホースの巻きが崩れることもない。
(1)螺旋状に巻かれた発熱コイルが長尺ホース内に挿入され、長尺ホースと発熱コイルの間に液体通路が形成され、発熱コイル入りの長尺ホースがリング状に巻かれているので、小型であっても液体通路を長く確保でき、加熱効率を高めることができる。
(2)ホースを数回巻けば液体通路長が長くなり発熱量が多くなる。
(3)誘導コイルが、リング状に巻かれたホースの外側に螺旋状に巻かれ、リングの巻き方向全長又は略全長に巻かれているため、リング状のホース内の発熱コイルが効率良く加熱される。また、数回巻いたリング状のホースの巻きが崩れることもない。
(誘導加熱式液体加熱器の実施形態)
本発明の誘導加熱式液体加熱器の実施形態の一例を、図面を参照して説明する。図示した誘導加熱式液体加熱器は、螺旋状に巻かれた発熱コイル1が長尺ホース2内に挿入されて、長尺ホース2と発熱コイル1の間に液体通路3が形成され、発熱コイル入りの長尺ホース2がリング状に数回巻かれ、誘導コイル4がリング状のホース2の外側に螺旋状に巻かれ、誘導コイル4に高周波電流が流れると電磁誘導加熱によりホース2内の発熱コイル1が発熱して、前記液体通路3内の液体が加熱されるようにしてある。誘導コイル4は密巻きするのが望ましい。
本発明の誘導加熱式液体加熱器の実施形態の一例を、図面を参照して説明する。図示した誘導加熱式液体加熱器は、螺旋状に巻かれた発熱コイル1が長尺ホース2内に挿入されて、長尺ホース2と発熱コイル1の間に液体通路3が形成され、発熱コイル入りの長尺ホース2がリング状に数回巻かれ、誘導コイル4がリング状のホース2の外側に螺旋状に巻かれ、誘導コイル4に高周波電流が流れると電磁誘導加熱によりホース2内の発熱コイル1が発熱して、前記液体通路3内の液体が加熱されるようにしてある。誘導コイル4は密巻きするのが望ましい。
前記長尺ホース2には、例えば、ゴム、樹脂等の絶縁材製で耐熱性のホースを使用することができる。その長さや直径等は用途に合わせて選択できるが、一例としては、外径φ12mm、内径φ9mm、長さ200mmのものを使用することができる。
前記発熱コイル1には市販の螺旋状のニクロム線を使用することができるが、螺旋状に巻いた電熱線であれば他の材質のコイルも使用でき、独自に製作することもできる。線径、巻き径等は用途に合わせて設計することができる。材質はステンレス、金、銀、銅、アルミといった熱伝導率の高い他のものとすることもできる。一例としては、線径φ1mm、コイル径φ8mmの線材を螺旋状に巻いたものを、前記ホース2内に挿入することができる。
前記発熱コイル1を挿入したホース2は、リング状に所望回数巻いてある。巻き数は一回でも、二回以上であれば何回でもよい。リング径はホースの直径や材質、硬さ等により選択することができるが、図1の場合は、リングの直径φ250mm、巻き数5回(5ターン:5T)としてある。ちなみこの場合の全長は、3.14(π)×250(φ)×5T=3925≒4mである。図1、図2では5回巻いた発熱コイル入りホース2を巻き径を全て同じにしてあるが、巻き径を変えて渦巻き状にして一連に巻くこともできる。図1では発熱コイル入りホース2の巻き方向のうち始端側2aと終端側2bの交差部分を残して誘導コイル4を巻いてあるが、図2のように発熱コイル入りホース2の巻き方向全長に巻くこともできる。
前記誘導コイル4には、高周波誘導加熱に適した材質製のものを使用でき、一例としてリッツ線を使用することができる。その線径、巻き数等は用途に合わせて選択することができる。一例として、リッツ線をリング径φ250mmのホース2の巻き径方向に数十回(例えば、20〜30回)巻くのが適する。
本発明の誘導加熱式液体加熱器では、誘導コイル4に高周波電流を流すことにより、発熱コイル1に磁界が生じ、発熱コイル1に渦電流が流れて発熱する。
(誘導加熱式液体加熱装置の実施形態)
本発明の誘導加熱式液体加熱装置は、図1、図2に示すように、前記実施形態の誘導加熱式液体加熱器を使用し、その誘導コイル4に高周波発振器RFを接続して、ホース2内の液体通路3に液体を流し、高周波発振器RFから誘導コイル4に高周波電流を流すと、発熱コイル2に磁界が生じ、それに渦電流が流れて発熱し、その熱で液体通路3内を流れる液体が加熱されて温水になるようにしてある。液体通路3内の液体は一時的に流れを中断して間欠的に流れるようにすることもできる。高周波発振器RFには各種のものを使用可能であるが、例えば、富士電機株式会社製のHFR5.0CK(5kW、30kHz)を用いることができる。本発明では、必要であれば、誘導コイル4と高周波発振器RFの間にマッチングトランスMTを挿入して、誘導コイル4と高周波発振器RFのインピーダンスをマッチングさせるのが望ましい。
本発明の誘導加熱式液体加熱装置は、図1、図2に示すように、前記実施形態の誘導加熱式液体加熱器を使用し、その誘導コイル4に高周波発振器RFを接続して、ホース2内の液体通路3に液体を流し、高周波発振器RFから誘導コイル4に高周波電流を流すと、発熱コイル2に磁界が生じ、それに渦電流が流れて発熱し、その熱で液体通路3内を流れる液体が加熱されて温水になるようにしてある。液体通路3内の液体は一時的に流れを中断して間欠的に流れるようにすることもできる。高周波発振器RFには各種のものを使用可能であるが、例えば、富士電機株式会社製のHFR5.0CK(5kW、30kHz)を用いることができる。本発明では、必要であれば、誘導コイル4と高周波発振器RFの間にマッチングトランスMTを挿入して、誘導コイル4と高周波発振器RFのインピーダンスをマッチングさせるのが望ましい。
本発明の誘導加熱式液体加熱器は、湯沸かし器の熱交換機、温泉の加温、農業用ハウス用の温水といった、あらゆる用途の温水器として使用することができる。
1 発熱コイル
2 ホース
2a (発熱コイル入りホースの巻き方向)始端側
2b (発熱コイル入りホースの巻き方向)終端側
3 液体通路
4 加熱(誘導)コイル
MT マッチングトランス
RF 高周波発振器
2 ホース
2a (発熱コイル入りホースの巻き方向)始端側
2b (発熱コイル入りホースの巻き方向)終端側
3 液体通路
4 加熱(誘導)コイル
MT マッチングトランス
RF 高周波発振器
Claims (4)
- 誘導コイルに高周波電流を流すと発熱して液体を加熱できるようにした誘導加熱式液体加熱器において、
螺旋状に巻かれた発熱コイルが長尺ホース内に挿入され、長尺ホースと発熱コイルの間に液体通路が形成され、発熱コイル入りの長尺ホースがリング状に巻かれ、リング状ホースの外側に誘導コイルが螺旋状に巻かれ、誘導コイルに高周波電流が流れると電磁誘導加熱によりホース内の発熱コイルが発熱し、前記液体通路内の液体が加熱されることを特徴とする誘導加熱式液体加熱器。 - 請求項1記載の誘導加熱式液体加熱器において、発熱コイル入りのホースが一回又は二回以上巻かれたことを特徴とする誘導加熱式液体加熱器。
- 請求項2記載の誘導加熱式液体加熱器において、発熱コイル入りのホースが同じ巻き径で巻かれ、又は異なる巻き径で同心円状に一連に巻かれたことを特徴とする誘導加熱式液体加熱器。
- 誘導コイルに高周波電流を流すと発熱して液体を加熱できるようにした誘導加熱式液体加熱器を用いた誘導加熱式液体加熱装置において、
前記誘導加熱式液体加熱器が請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の誘導加熱式液体加熱器であり、
前記誘導加熱式液体加熱器の誘導コイルに高周波電流を供給する高周波発振器を備えたことを特徴とする誘導加熱式液体加熱装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011197170A JP2013058441A (ja) | 2011-09-09 | 2011-09-09 | 誘導加熱式液体加熱器と誘導加熱式液体加熱装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011197170A JP2013058441A (ja) | 2011-09-09 | 2011-09-09 | 誘導加熱式液体加熱器と誘導加熱式液体加熱装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2013058441A true JP2013058441A (ja) | 2013-03-28 |
Family
ID=48134131
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2011197170A Withdrawn JP2013058441A (ja) | 2011-09-09 | 2011-09-09 | 誘導加熱式液体加熱器と誘導加熱式液体加熱装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013058441A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105188173A (zh) * | 2015-08-05 | 2015-12-23 | 哈尔滨工业大学 | 一种基于感应加热的结构热环境模拟方法及装置 |
CN105562864A (zh) * | 2014-10-17 | 2016-05-11 | 上海交通大学 | 高频感应加热用线圈、配管的钎焊装置及方法 |
WO2024069757A1 (ja) * | 2022-09-27 | 2024-04-04 | 株式会社アドテックス | 加熱装置及びそれを備えた温度調整装置 |
-
2011
- 2011-09-09 JP JP2011197170A patent/JP2013058441A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105562864A (zh) * | 2014-10-17 | 2016-05-11 | 上海交通大学 | 高频感应加热用线圈、配管的钎焊装置及方法 |
CN105188173A (zh) * | 2015-08-05 | 2015-12-23 | 哈尔滨工业大学 | 一种基于感应加热的结构热环境模拟方法及装置 |
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