JP2020028401A - 弾球遊技機 - Google Patents

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弘修 福原
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剛 田井中
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Abstract

【課題】遊技領域に発射された遊技球の一連の動きによって大当りか否かが決定するように見せかけることにより、遊技の興趣を向上し得る弾球遊技機を提案する。【解決手段】入球口112を介して遊技球が入球される内部作動領域111に、第一振分手段121、第二振分手段131、および第三振分手段141が配設された作動入球装置6を備え、第一振分手段121により連通口に入球した遊技球が、第二振分手段131により始動口に入球すると、第三振分手段141に遊技球を供給し、さらに該始動口への入球により実行された当否判定が大当りの場合に、該第三振分手段141に供給された遊技球を特定口へ導く一方、該当否判定がハズレの場合に、該遊技球を非特定口へ導くようにした。【選択図】図15

Description

本発明は、始動口への遊技球の入球を契機として当否判定し、該当否判定の結果が大当りの場合に、大当り遊技を実行する弾球遊技機に関する。
パチンコ機に代表される弾球遊技機には、遊技領域に発射された遊技球が始動口に入球することを契機として当否判定し、該当否判定の結果が大当りであった場合に、大入賞口を開放する大当り遊技を実行するものがある。かかる構成は、前記当否判定の結果を、演出図柄表示装置での演出表示により報知することで、遊技者を楽しませている。
こうした従来構成は、演出図柄表示装置での演出表示により当否判定の結果を報知することから、機種によって多彩な演出表示が行われるものの、いずれも演出にすぎないため、遊技の興趣を向上する効果に限界があった。
一方、例えば特許文献1では、遊技領域に設けられた進入口に入球した遊技球を貯留し、当否判定の結果を予告する予告演出を実行する場合に、該貯留した遊技球を転動板上に放出して、該転動板上で転動する遊技球の動きにより該予告演出を行うようにした構成が提案されている。かかる構成は、遊技球の動きによって当否判定の結果を予告することから、前述した演出図柄表示装置での演出表示と相違する面白さを提供でき、遊技の興趣を向上できる。
特開2006−239251号公報
ところで、前記特許文献1の構成は、転動板上における遊技球の動きにより予告演出を行うものであり、該転動板上に放出される遊技球の個数に応じて大当りの期待度が異なるという予告演出を行う。かかる構成では、転動板上での遊技球の動きが単なる演出にすぎず、大当りか否かの決定(当否判定の結果)に影響しないことを、遊技者が容易に分かってしまう。これでは、前記予告演出の内容に遊技者の興味を強く惹くことができるものの、該予告演出の実行に至る前記遊技球の動きに対して遊技者の興味が低減し易く、該遊技球の動きを用いる面白さが十分に発揮できない。こうしたことから、前記特許文献1の構成では、遊技球の動きにより遊技の興趣を向上させる作用効果に限界があった。
本発明は、大当りか否かの決定に遊技球の動きが関係するように遊技者に思い込ませ易く、遊技の興趣を向上し得る弾球遊技機を提案するものである。
本発明は、始動口への遊技球の入球に起因して、当否判定を行う当否判定手段と、前記当否判定手段による当否判定の結果が大当りであった場合に、遊技者に所定の利得を供与可能な大当り遊技を実行する大当り遊技制御手段とを備えた弾球遊技機において、遊技領域に発射された遊技球が入球可能な入球口を備えると共に、該入球口を介して遊技球が入球される内部作動領域に、前記始動口を備えたものであって、前記内部作動領域に配設され、遊技球を入球可能に設けられた連通口と非連通口とのいずれかに、前記入球口から入球された遊技球を入球させる第一振分手段と、前記内部作動領域の、前記第一振分手段の下方に配設され、遊技球を入球可能に設けられた前記始動口と非始動口とのいずれかに、前記連通口に入球された遊技球を入球させる第二振分手段と、前記内部作動領域の、前記第二振分手段の下方に配設され、遊技球を入球可能に設けられた特定口と非特定口とのいずれかに、遊技球を入球させる第三振分手段とを具備してなる作動入球装置が配設されてなり、遊技領域に発射されて所定の取込口に入球された遊技球を貯留すると共に、前記第二振分手段により前記始動口に遊技球が入球したことに基づいて、該貯留している遊技球を前記第三振分手段に供給する貯留球供給手段と、前記当否判定手段による当否判定の結果が大当りの場合に、前記第三振分手段に供給された遊技球を前記特定口へ導く一方、該当否判定の結果がハズレの場合に、該遊技球を前記非特定口へ導く球誘導手段とを備えてなるものであることを特徴とする弾球遊技機である。
ここで、「入球口」は、遊技球を常に入球可能とする構成であっても良いし、遊技球を入球可能な状態と入球不能な状態とに変換される構成であっても良い。そして、後者の入球口としては、所定条件の成立に伴って入球可能な状態に変換する構成や、予め定められた変換パターンに従って入球可能な状態と入球不能な状態とに随時変換される構成等とすることができる。
また、第一振分手段により遊技球を入球させる「連通口」と「非連通口」とは、それぞれの配設個数を適宜設定できる。すなわち、それぞれ一個ずつ設けられていても良いし、それぞれ複数個ずつ設けられていても良いし、一方を一個とし且つ他方を複数個とすることもできる。
同様に、第二振分手段により遊技球を入球させる「始動口」と「非始動口」とは、それぞれの配設個数を適宜設定できる。それぞれが一個ずつとしたり、複数個ずつとしたり、一方を一個とし且つ他方を複数個とすることもできる。
同様に、第三振分手段により遊技球を入球させる「特定口」と「非特定口」とは、それぞれの配設個数を適宜設定できる。それぞれが一個ずつとしたり、複数個ずつとしたり、一方を一個とし且つ他方を複数個とすることもできる。
また、「取込口」は、作動入球装置と別に、遊技領域に配設されたものであっても良いし、作動入球装置の内部作動領域に配設されたものであっても良い。前者の場合には、例えば、入賞口やアウト口を取込口とする構成としても良いし、入賞口やアウト口と別に取込口を設けても良い。一方、後者の場合には、前記の非連通口や非始動口を取込口とする構成としても良いし、非連通口や非始動口と別に取込口を設けても良い。さらには、始動口を取込口とすることも可能である。
かかる構成にあっては、当否判定の結果が大当りの場合に、第三振分手段により遊技球が特定口に入球し、該当否判定の結果がハズレの場合に、第三振分手段により遊技球が非特定口に入球することから、特定口と非特定口とのいずれかへの入球によって大当りかハズレかを示唆する。すなわち、遊技者は、始動口への入球に伴って第三振分手段に供給された遊技球が特定口と非特定口とのいずれに入球するかを見ることにより、大当りかハズレかを知得できる。
そして、本発明の構成は、第一〜第三振分手段を上下に並べて設け、第一振分手段により連通口に入球した遊技球が第二振分手段へ至り、第二振分手段による始動口への入球に基づいて第三振分手段へ遊技球を供給することから、各第一〜第三振分手段における遊技球の動きを、遊技球による一連の動作として遊技者に見せることができる。特に、第二振分手段による始動口への入球と、第三振分手段による特定口又は非特定口への入球とが連係して進行するように遊技者に見せる作用が高いことから、該第三振分手段による特定口または非特定口への入球によってあたかも大当り又はハズレが決まるように、遊技者に思い込ませ易い。こうしたことから、第二振分手段により始動口に入球した場合に、特定口または非特定口に入球するという遊技球の動きに、遊技者の注意を強く惹き付けることができる。
したがって、本構成によれば、遊技球の動きにより当否判定の結果を示唆するという遊技の面白さが十分に発揮され、該遊技の興趣を飛躍的に向上できる。
また、前述した本発明の弾球遊技機にあって、球誘導手段は、特定口に遊技球を入球可能な状態と入球不能な状態とに変換される特定口入球状態変換手段と、非特定口に遊技球を入球可能な状態と入球不能な状態とに変換される非特定口入球状態変換手段と、当否判定手段による当否判定の結果が大当りの場合に、前記特定口入球状態変換手段により特定口を入球可能な状態とし且つ前記非特定口入球状態変換手段により非特定口を入球不能な状態する一方、該当否判定の結果がハズレの場合に、前記特定口入球状態変換手段により特定口を入球不能な状態とし且つ前記非特定口入球状態変換手段により非特定口を入球可能な状態とする変換制御手段とを備えてなるものである構成が好適である。
かかる構成によれば、当否判定の結果が当りの場合に、第三振分手段に供給された遊技球を、確実かつ安定して特定口へ入球させることができると共に、該当否判定の結果がハズレの場合に、第三振分手段に供給された遊技球を、確実かつ安定して非特定口へ入球させることができる。これにより、特定口または非特定口への入球によって大当りかハズレかを正確に示唆でき、第三振分手段における遊技球の動きに遊技者の注意を一層惹き付け易い。したがって、遊技球の動きにより当否判定の結果を示すという遊技の面白さが一層安定して発揮され得る。
本発明にかかるパチンコ機1の正面図である。 パチンコ機1の遊技盤2の正面図である。 パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。 本実施例のパチンコ機1における遊技の仕様の一部を説明する図表である。 メインルーチンの概要を示すフローチャートである。 始動入賞処理を示すフローチャートである。 当否判定処理を示すフローチャート1である。 当否判定処理を示すフローチャート2である。 当否判定処理を示すフローチャート3である。 当否判定処理を示すフローチャート4である。 大当り遊技処理を示すフローチャート1である。 大当り遊技処理を示すフローチャート2である。 大当り遊技処理を示すフローチャート3である。 大当り遊技処理を示すフローチャート4である。 上入球装置5と作動入球装置6とを示す拡大図である。 上アウト口103から第三クルーン141に至る流路を示す説明図である。 (A)第一クルーン121を示す平面図と、(B)第二クルーン131を示す平面図である。 第三クルーン141を示す平面図である。 (A)非特定口143に誘導する状態と、(B)特定口142に誘導する状態とを示す図18のP−P線断面図である。 (A)非特定口143に誘導する状態と、(B)特定口142に誘導する状態とを示す第三クルーン141の斜視図である。 振分作動処理を示すフローチャートである。 振分演出処理を示すフローチャートである。
本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、本発明にかかる実施の形態は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。また、以下の各実施例及び別例を適宜組み合わせることも可能である。
図1に示すように、本実施例のパチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51によって構成の各部を保持する構造である。外枠51には、その左側上下に設けられたヒンジ53を介して、内枠(図示せず)が該外枠51に対して開閉可能に取り付けられ、さらに、該内枠の前面に、前枠(ガラス枠)52が該内枠に対して開放可能に取り付けられている。そして、前枠52には、板ガラス61が脱着可能に設けられている。また、板ガラス61の奥側(後側)には、内枠に取り付けられた遊技盤2(図2)が配設されている。
前枠52には、その上部左右に、スピーカ66が配設されており、該スピーカ66から発せられる遊技音や警報音によって、遊技の趣向性を向上させたり、遊技者に注意喚起する。また、前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾用のランプ65が複数配設されており、該発光によって遊技の趣向性を向上させる。さらに、前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体的に設けられており、該下皿63の右方に発射ハンドル64が配設されている。この発射ハンドル64は、遊技者によって時計回りに回動操作されることで、図示しない発射装置を可動させて、上皿55から供給される遊技球を遊技盤2の遊技領域3に向かって発射する。
上皿55には、賞球や貸球が払い出される。また、下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受ける構成で、該下皿63内の遊技球を排出する球抜きレバー(図示せず)を備える。この球抜きレバーが遊技者により操作されることで、下皿63に貯まった遊技球を別箱(ドル箱)に移すことができる。
本実施例のパチンコ機1は、所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きなどを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が隣接されている。パチンコ機1には、貸出ボタン57、精算ボタン58、及び残高表示装置59を有するCR精算表示装置95(図3参照)が設けられている。また、上皿55の中央部には、遊技者が操作可能な演出ボタン67やジョグダイヤル68が設けられている。
図2は、パチンコ機1の遊技盤2の正面図である。遊技盤2には、ガイドレール4a,4bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられ、該遊技領域3には多数の遊技釘(図示せず)が植設されている。遊技領域3には、上入球装置5と作動入球装置6とが上下に並んで配設されている。これら上入球装置5と作動入球装置6とは、本発明の要部にかかることから、詳細は後述する。
前記作動入球装置6の右方には、上下に開口された右サイドケース20が配設されており、該右サイドケース20の内部に、上大入賞口14、下大入賞口15、および第二始動口12が上下に並んで配設されている。かかる右サイドケース20には、その上部開口(図示せず)から遊技球が入球可能であり、該上部開口から遊技球が入球すると、該遊技球が前記上大入賞口14、下大入賞口15、又は第二始動口12に入球するか、いずれにも入球せずに下部開口(図示せず)から流出する。
前記上大入賞口14を備えた上大入賞口装置21は、該上大入賞口14を閉鎖する起立位置と、該起立位置から前方へ傾動して該上大入賞口14を開放する傾動位置とに位置変換作動する開閉片(図示せず)を備え、該開閉片を前記起立位置とすることで、上大入賞口14へ遊技球が入球不能な閉鎖状態とし、前記傾動位置とすることで、該上大入賞口14へ遊技球が入球可能な開放状態とする。この上大入賞口装置21は、開閉片を開閉作動させる上大入賞口ソレノイド14b(図3参照)を備えており、該上大入賞口ソレノイド14bの駆動制御によって上大入賞口14を開閉制御させる。
また、下大入賞口15を備えた下大入賞口装置22は、該下大入賞口15を閉鎖する起立位置と、該起立位置から前方へ傾動して該下大入賞口15を開放状態とする傾動位置とに位置変換作動する開閉片(図示せず)を備え、該開閉片を前記起立位置とすることで該下大入賞口15へ遊技球が入球不能な閉鎖状態とし、前記傾動位置とすることで該下大入賞口15へ遊技球が入球可能な開放状態とする。そして、下大入賞口装置22は、開閉片を開閉作動させる下大入賞口ソレノイド15b(図3参照)を備えており、該下大入賞口ソレノイド15bの駆動制御によって下大入賞口15を開閉制御させる。
また、第二始動口12を備えた普通電動役物23は、該第二始動口12を閉鎖する起立位置と、該起立位置から前方へ傾動して該第二始動口12を開放状態とする傾動位置とに位置変換作動する開閉片(図示せず)を備え、該開閉片を前記起立位置とすることで該第二始動口12へ遊技球が入球不能な閉鎖状態とし、前記傾動位置とすることで該第二始動口12へ遊技球が入球可能な開放状態とする。そして、普通電動役物23は、開閉片を開閉作動させる第二始動口ソレノイド12b(図3参照)を備えており、該第二始動口ソレノイド12bの駆動制御によって第二始動口12を開閉制御させる。
上入球装置5の上方には、三個の普通図柄作動ゲート17が配設され、該上入球装置5の左方と右方とには、それぞれ一個の普通図柄作動ゲート17が配設されている。これら各普通図柄作動ゲート17は、遊技球を常時通過可能な構成である。また、作動入球装置6の右下方には、遊技球を常時入球可能な右入賞口27が配設されており、該作動入球装置6の左下方には、遊技球を常時入球可能な左入賞口28が配設されている。さらに、遊技領域3の最下部の左右には、アウト口16a,16bが夫々配設されている。
こうした遊技領域3は、上入球装置5の上方の上遊技領域3aと、該上入球装置5および作動入球装置6の右方の右遊技領域3bと、該上入球装置5および作動入球装置6の左方の左遊技領域3cとにより構成されている。そして、遊技領域3に発射された遊技球は、上遊技領域3aを介して右遊技領域3bを流下した場合に、前記した右サイドケース20の上大入賞口14、下大入賞口15、および第二始動口12と、右入賞口27とのいずれかに入球可能であり、いずれにも入球しなければ、右側のアウト口16aに入球する。一方、左遊技領域3cを流下した場合には、前記した左入賞口28に入球可能であり、入球しなければ、左側のアウト口16bに入球する。
遊技盤2の左下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7、普通図柄保留数表示装置8、第一特別図柄表示装置9、第二特別図柄表示装置10、第一特別図柄保留数表示装置18、および第二特別図柄保留数表示装置19が配設されている。
図3は、パチンコ機1の電気配線を示すブロック図である。このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。そして、これら各制御装置のCPUにより、2ms周期の割込信号により各ROMに搭載されたプログラムを開始し、各種制御を実行する。
主制御装置80には、遊技盤中継端子板74を介して、後述の第一始動口11に入球した遊技球を検出する第一始動口スイッチ11a、前記第二始動口12に入球した遊技球を検出する第二始動口スイッチ12a、各普通図柄作動ゲート17を通過した遊技球を夫々検出する普通ゲートスイッチ17a、上大入賞口14に入球した遊技球を計数するための上カウントスイッチ14a、下大入賞口15に入球した遊技球を計数するための下カウントスイッチ15a、右入賞口27に入球した遊技球を検出する右入賞口スイッチ27a、左入賞口28に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ28a等からの検出信号が入力される。
主制御装置80は、そのROMに搭載されたプログラムに従って動作して、上記の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、該コマンドを払出制御装置81及びサブ統合制御装置83へ出力する。また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板71を介して、普通図柄表示装置7、普通図柄保留数表示装置8、第一特別図柄表示装置9、第二特別図柄表示装置10、第一特別図柄保留数表示装置18、及び第二特別図柄保留数表示装置19の点灯制御を行う。さらに、主制御装置80には、遊技盤中継端子板74を介して、第二始動口ソレノイド12b、上大入賞口ソレノイド14b、及び下大入賞口ソレノイド15bも接続されている。主制御装置80は、第二始動口ソレノイド12bを駆動制御することで第二始動口12を開閉制御し、上大入賞口ソレノイド14bを駆動制御することで上大入賞口14を開閉制御し、下大入賞口ソレノイド15bを駆動制御することで、下大入賞口15を開閉制御する。また、主制御装置80は、図柄変動や大当り等の管理用の信号を出力し、該出力信号は、外部接続端子板78を介してホールコンピュータ87に送られる。
払出制御装置81は、主制御装置80と双方向通信が可能に構成されており、主制御装置80から送信されるコマンドに応じて払出モータ90を駆動させて賞球を払い出す。本実施例では、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ91の検出信号が、主制御装置80と払出制御装置81とに入力され、両者で賞球の計数を行う構成である。
さらに、払出制御装置81には、満杯スイッチ92及び球切れスイッチ93からの信号が入力される。満杯スイッチ92は、下皿63が満杯であることを検出するものであり、この検出に伴って信号を払出制御装置81に出力する。球切れスイッチ93は、球タンク(図示せず)で遊技球の貯留量が少ないこと又は貯留量が無いことを検出するものであり、この検出に伴って信号を払出制御装置81に出力する。払出制御装置81は、これら満杯スイッチ92及び球切れスイッチ93から信号を入力すると、払出モータ90を駆動停止させて、賞球の払出作動を停止させる。尚、満杯スイッチ92及び球切れスイッチ93は、前記検出した状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、該信号の入力停止によって、払出モータ90の駆動を再開する。
払出制御装置81は、CRユニット端子板79を介してCRユニット56と交信可能であり、貸出コマンドに応じて払出モータ90を駆動させて貸球を払い出す。CRユニット端子板79は、精算表示装置95とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置95に設けられた球貸スイッチ57aと精算スイッチ58aとからの信号が入力される。球貸スイッチ57aは、貸出ボタン57の操作を検出して信号を出力するものであり、精算スイッチ58aは、精算ボタン58の操作を検出して信号を出力するものである。また、払出制御装置81は、発射制御装置84にも接続されており、所定契機で該発射制御装置84へ発射停止コマンドを送信する。
発射制御装置84は、発射モータ97を制御して遊技球を遊技領域3に発射させるものである。この発射制御装置84には、前記した払出制御装置81の他に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ98からのタッチ信号、発射停止スイッチ99からの発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を回動操作することで出力され、タッチ信号は、遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止信号は、遊技者が発射停止スイッチ99を押すことで出力される。尚、発射制御装置84は、タッチ信号を入力していなければ、遊技球を発射しないように制御すると共に、発射停止信号が入力されているときにも、発射ハンドル64の操作に関わらず、遊技球を発射しないように制御している。
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されたデータ及びコマンドを受信し、これらを疑似演出制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、疑似演出制御用のコマンドを後述の第一疑似演出表示装置31と第二疑似演出表示装置30へ送信し、音制御用及びランプ制御用のデータを自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置しての機能部品)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによって、スピーカ66から音声を出力制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって、各種LEDやランプ65を発光制御する。
さらに、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67の操作を検出する演出ボタンスイッチ67aやジョグダイヤル68の操作を検出するジョグダイヤルセンサ68a等が接続されており、各スイッチが遊技者による操作を検出すると、その信号が入力される。
尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80との間は、演出中継端子板を介して主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成されている。
図示しない電源基板は、外部のAC電源から供給される電力により直流電圧を生成する直流電源として構成されており、該電源基板に設けられた電源スイッチの操作によってパチンコ機1を構成する各部位に電力を供給する。この電源基板は、コンデンサなどから構成されるバックアップ電源を備えており、AC電源から電力供給中に該バックアップ電源に電力を蓄える。これにより、停電時には、主制御装置80等(例えば、主制御装置80のRAM等)に電力供給し、AC電源からの電力供給が停止後も、一定期間にわたって主制御装置80のRAM内のデータが保持される。尚、バックアップ電源は、主制御装置80に設けても良いし、電源基板以外の他の装置に設けても良い。この場合には、電源基板は、AC電源から電力供給されている状態で、バックアップ電源を備えた装置へ供給信号を出力し、電力供給が停止した状態で、バックアップ電源を備えた装置へ停電信号を出力する。
次に、本実施例のパチンコ機1の動作について説明する。
遊技領域3に発射された遊技球がいずれかの普通図柄作動ゲート17を通過(図3の普通ゲートスイッチ17aが遊技球を検出)すると、普通図柄表示装置7で普通図柄が変動表示を開始すると共に、該通過に起因して抽出された乱数によって当りか否かの当否抽選を行う。そして、変動開始から所定時間後に普通図柄を停止表示することで、この当否抽選の結果が報知される。
ここで、当否抽選の結果が当りであると、普通図柄が所定の当り態様で停止表示された後に、第二始動口12を開放する普通当り遊技を実行する。この普通当り遊技は、普通電動役物23の開閉片を開放作動して、第二始動口12へ遊技球を入球可能とする遊技である。ここで、普通当り遊技は、非開放延長モードの場合に0.5秒間の開放を7回実行し、開放延長モードの場合に6秒間の開放を一回実行する(図4参照)。さらに、普通当り遊技は、前記非開放延長モードと開放延長モードとのいずれの場合にあっても、第二始動口12に入球した遊技球の個数が9個に達することにより終了する。すなわち、普通当り遊技は、非開放延長モードの場合に、第二始動口12を0.5秒間開放する作動を7回終了するか、該第二始動口12に遊技球が9個入球するかのいずれを満足することにより終了し、開放延長モードの場合に、第二始動口12の開放時間が6秒経過するか、該第二始動口12に遊技球が9個入球するかのいずれかを満足することにより終了する。
尚、本実施例にあっては、普通図柄作動ゲート17の通過により抽出された乱数(数値データ)が、最大四個まで保留記憶として記憶され、普通図柄保留数表示装置8で保留記憶の数が表示される。そして、この保留記憶が消化されることによって、普通図柄の当りか否かの当否抽選を行う。
このように入球可能となった第二始動口12に遊技球が入球(図3の第二始動口スイッチ12aが遊技球を検出)すると、第二特別図柄表示装置10で第二特別図柄が変動を開始すると共に、該入球に起因して抽出された乱数によって大当りか否かの当否判定が行われる。そして、変動開始から所定時間後に第二特別図柄を停止表示することで、この当否判定の結果が報知される。
同様に、後述する第一始動口11に遊技球が入球(図3の第一始動口スイッチ11aが遊技球を検出)すると、第一特別図柄表示装置9で第一特別図柄が変動を開始すると共に、該入球に起因して抽出された乱数によって大当りか否かの当否判定が行われる。そして、変動開始から所定時間後に第一特別図柄を停止表示することで、この当否判定の結果が報知される。
前記第二特別図柄の変動と並行して、作動入球装置6の上部に配設された略V字形の第二疑似演出表示装置30(図15参照)で、該第二特別図柄の変動に連動させた演出表示を行う。具体的には、第二特別図柄の変動開始に従って、第二疑似演出表示装置30を点滅表示し、該第二特別図柄の停止表示に伴って該点滅表示を終了して、所定の点灯態様または消灯態様で表示する。ここで、第二疑似演出表示装置30の点灯態様により、第二特別図柄の大当りを報知し、消灯態様により、第二特別図柄のハズレを報知する。
また、前記第一特別図柄の変動と並行して、前記作動入球装置6の上部に配設された一個のLEDからなる第一疑似演出表示装置31(図15参照)で、該第一特別図柄の変動に連動させた演出表示を行う。具体的には、第一特別図柄の変動開始に従って、第一疑似演出表示装置31を点滅表示し、該第一特別図柄の停止表示に伴って該点滅表示を終了して、所定の点灯態様または消灯態様で表示する。ここで、第一疑似演出表示装置31の点灯態様により、第一特別図柄の大当りを報知し、消灯態様により、第一特別図柄のハズレを報知する。
尚、図15に示すように、第一疑似演出表示装置31は、一個のLEDからなるものであり、略V字形の第二疑似演出表示装置30に比して小さく、目立たないことから、該第一疑似演出表示装置31での点滅や点灯を遊技者が気付き難い。こうした構成により、遊技者が、第一疑似演出表示装置31により、第一特別図柄の変動や、大当りか否かの報知を知得し難くなっている。
また、本実施例の構成では、第一始動口11への入球により抽出された乱数(数値データ)が、最大一個まで保留記憶(以下、第一保留記憶という)として記憶され、第一特別図柄保留数表示装置18で第一保留記憶の数が表示される。同様に、第二始動口12への入球により抽出された乱数(数値データ)が、最大一個まで保留記憶(以下、第二保留記憶という)として記憶され、第二特別図柄保留数表示装置19で第二保留記憶の数が表示される。そして、これら保留記憶が消化されることによって、前述した大当りか否かの当否判定を行う。この当否判定の結果が大当りであると、第一,第二特別図柄表示装置9,10で大当りを示す図柄を確定表示する。ここで、本実施例では、第一保留記憶と第二保留記憶とは、夫々の保留記憶の発生順に関係無く、第二保留記憶を優先して消化する。
第一特別図柄または第二特別図柄が大当りで確定すると、上大入賞口14と下大入賞口15とを順次開放する大当り遊技を実行する。大当り遊技は、上大入賞口14を開放する開放ラウンドと下大入賞口15を開放する開放ラウンドとを一回ずつ、インターバルを挟んで連続して行うものであり、合計二回の開放ラウンドを行う。上大入賞口14の開放ラウンドは、30秒経過するか、該上大入賞口14に3個の遊技球が入球することで終了し、下大入賞口15の開放ラウンドは、30秒経過するか、該下大入賞口15に3個の遊技球が入球することで終了する(図4参照)。
また、本実施例では、前記した大当り遊技の終了後に、第一特別図柄と第二特別図柄と普通図柄との各当選確率が高くなる確変モードと、第一特別図柄と第二特別図柄と普通図柄との各変動時間を短縮する時短モードと、普通電動役物23の開放時間を延長する開放延長モードとに移行する。これら確変モードと時短モードと開放延長モードとは、同期して実行されるものであり、大当り遊技の終了に伴って開始されて、所定の終了条件の成立に伴って終了する。この終了条件は、第一特別図柄または第二特別図柄が大当りになることと、これら確変モード等の実行中における第一特別図柄および第二特別図柄の変動回数が所定回数(例えば、10000回)に達することとのいずれかを満足することにより成立する条件である。さらに、リミッタ機能を備えており、これら各モードが大当り遊技を介して所定回数(例えば、60回)連続すると、次の大当り遊技の終了後には、確変モードと時短モードと開放延長モードとに移行しない(非確変モードと非時短モードと非開放延長モードとを維持する)。
ここで、第一、第二特別図柄の当選確率(大当り当選確率)には、前記確変モードで有効とする高当選確率と、非確変モードで有効とする低当選確率とが設定されている。同様に、普通図柄の当選確率には、前記確変モードで有効とする高当選確率と、非確変モードで有効とする低当選確率とが設定されている。具体的には、図4に示すように、第一、第二特別図柄の低当選確率が1/16に設定されており、高当選確率が1/8に設定されている。そして、普通図柄の低当選確率が1/100に設定されており、高当選確率が1/1に設定されている。
一方、前記時短モードでは、第一特別図柄および第二特別図柄の変動時間と普通図柄の変動時間とを、非時短モードに比して短縮する。
また、開放延長モードは、前述したように、普通図柄の当りによって開放される第二始動口12の開放時間が、非開放延長モードに比して延長されて長くなる。具体的には、非開放延長モードの場合に0.5秒間の開放を最大7回実行し、開放延長モードの場合に最大6秒間の開放を1回実行する。
また、各始動口11,12、各大入賞口14,15、及び左右の入賞口27,28に遊技球が入球すると、夫々に設定された数の賞球が払い出される。さらに、後述する第一クルーン121に設けられた第一中入賞口123と第二クルーン131に設けられた第二中入賞口133とに遊技球が入球すると、夫々に設定された数の賞球が払い出される。具体的には、図4に示すように、第一始動口11への入球毎に15個の賞球が、第二始動口12への入球毎に1個の賞球が、上下の大入賞口14,15への入球毎に13個の賞球が、右入賞口27への入球毎に3個の賞球が、左入賞口28への入球毎に4個の賞球が払い出される。そして、第一中入賞口123への入球毎に3個の賞球が、第二中入賞口133への入球毎に7個賞球が払い出される。
次に、主制御装置80で実行される各種プログラムの処理について説明する。
図5に、メインルーチンのフローチャートを示す。メインルーチンは、S10〜S70までの本処理と、該本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返されるS75の残余処理とから構成され、2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。マイコンによるハード割り込みが実行されると、先ず正常割込であるか否かを判断する(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いか否かを判断するためのものである。
ここで、否定判定(すなわち、正常割り込みでないと判定)されると(S10:No)、初期設定(S15)を実行し、残余処理(S75)に移行する。この初期設定では、例えば、前記RAMの所定領域への所定値の書き込み、第一及び第二特別図柄を初期図柄とする等のRAMの作業領域への各初期値の書き込み等が実行される。一方、肯定判定(すなわち、正常割り込みであると判定)されると(S10:Yes)、初期値乱数の更新処理(S20)、大当り決定用乱数の更新処理(S25)、大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)、当り決定用乱数更新処理(S35)、リーチ判定用乱数更新処理(S40)、変動パターン決定用乱数更新処理(S45)、入賞確認処理(S50)、当否判定処理(S55)、特別遊技処理(S60)、不正監視処理(S65)、ホールコンピュータ等に各種情報を送信する各出力処理(S70)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内で初期値乱数の更新処理(S75)をループ処理する。
次に、主制御装置80で実行する始動入賞処理を、図6のフローチャートを用いて説明する。この始動入賞処理は、上記したメインルーチンの入賞確認処理(S50)でコールされるサブルーチンの一つである。
始動入賞処理では、S100で、第一始動口スイッチ11aが遊技球を検出したか否かを判定する。否定判定の場合には(S100:No)、S120に進み、肯定判定の場合には(S100:Yes)、S105に進む。S105では、第一保留記憶の数が上限値(1個)に達しているか否かを判定する。肯定判定の場合には(S105:Yes)、S120へ進み、否定判定の場合には(S105:No)、S110に進む。S110では、第一抽出乱数保留記憶処理を実行する。この第一抽出乱数保留記憶処理では、大当り決定用乱数、第一大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、第一保留記憶として記憶すると共に、第一保留記憶の数を示す第一保留数カウンタに1を加算して、該第一保留数カウンタの情報の情報に従って第一特別図柄保留数表示装置18を点灯させるために必要な処理を行う。
S120では、第二始動口スイッチ12aが遊技球を検出したか否かを判定する。否定判定の場合には(S120:No)、始動入賞処理を終了し、肯定判定の場合には(S120:Yes)、S125に進む。S125では、第二保留記憶の数が上限値(1個)に達しているか否かを判定する。肯定判定の場合には(S125:Yes)、始動入賞処理を終了し、否定判定の場合には(S125:No)、S130に進む。S130では、第二抽出乱数保留記憶処理を実行する。この第二抽出乱数保留記憶処理では、大当り決定用乱数、第二大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、第二保留記憶として記憶すると共に、第二保留記憶の数を示す第二保留数カウンタに1を加算して、該第二保留数カウンタの情報に従って第二特別図柄保留数表示装置19を点灯させるために必要な処理を行う。
次に、主制御装置80で実行する当否判定処理を、図7〜図10のフローチャートを用いて説明する。当否判定処理は、メインルーチンから実行される処理である。
当否判定処理では、図7に示すように、上大入賞口装置21または下大入賞口装置22の作動中(すなわち、大当り遊技の実行中)であるか否かを判定する(S150)。そして、肯定判定の場合には(S150:Yes)、当否判定処理を終了し、否定判定の場合には(S150:No)、S155に進む。S155では、第一特別図柄または第二特別図柄の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S155:Yes)、図9のS300に進み、否定判定の場合には(S155:No)、S160に進む。S160では、第一,第二特別図柄の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S160:Yes)、図10のS350に進み、否定判定の場合には(S160:No)、S165に進む。
S165では、第二保留記憶があるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S165:Yes)、S170に進み、否定判定の場合には(S165:No)、S175に進む。S170では、第二保留記憶の数をデクリメントすると共に、第二保留記憶に記憶された情報(乱数値等の数値データ)を大当り判定用の所定のバッファに移動させる。このS170の後に、S185に進む。
S175では、第一保留記憶があるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S175:Yes)、S180に進み、否定判定の場合には(S175:No)、当否判定処理を終了する。S180では、第一保留記憶の数をデクリメントすると共に、第一保留記憶に記憶された情報を大当り判定用の所定のバッファに移動処理させる。このS180の後に、S182に進む。S182では、第一始動フラグ=1として、S185に進む。
尚、本実施例の当否判定処理では、第一保留記憶よりも第二保留記憶を優先して、当否判定の対象とする。そのため、第一保留記憶は、第二保留記憶が無い場合にのみ、当否判定の対象となる。
S185では、確変フラグが1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S185:Yes)、S190に進み、否定判定の場合には(S185:No)、S195に進む。
ここで、前記確変フラグは、該フラグ=1の場合に前記確変モードかつ時短モードであることを示し、該フラグ=0の場合に前記非確変モードかつ非時短モードであることを示す。
S190では、確変モードに対応する当否判定用テーブル(確変テーブル)を選択し、該確変テーブルに基づいて、大当り判定用のバッファに移動された大当り判定用乱数を、大当りか否か判定し、当該大当り判定用乱数に係る保留記憶を消化する。このS190の処理後に、図8のS200に進む。
一方、S195では、非確変モードに対応する当否判定用テーブル(非確変テーブル)を選択し、該非確変テーブルに基づいて、大当り判定用のバッファに移動された大当り判定用乱数を、大当りか否か判定し、当該大当り判定用乱数に係る保留記憶を消化する。このS195の処理後に、図8のS200に進む。
図8のS200では、S190又はS195の判定結果に基づいて、大当りか否かを判定し、肯定判定の場合には(S200:Yes)、S205に進み、否定判定の場合には(S200:No)、S220に進む。
S205では、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき大当り図柄を決定する。そして、S210に進む。S210では、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、特別図柄の変動時間等を決定し、S215に進む。S215では、大当り遊技のラウンド数、大入賞口の開放パターン、大当り遊技に係る演出時間、及びインターバル時間等を設定し、S230に進む。
前記したS200での否定判定により実行されるS220では、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、特別図柄の変動時間等を決定すると共に、これに先だって、ハズレ図柄を決定する処理を行う。このS220の後に、S225に進む。S225では、確変モード及び時短モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数(確変回数)を示すカウンタや、開放延長モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数(開放延長回数)を示すカウンタの更新などを行う。そして、S230に進む。尚、本実施例では、S220でハズレ図柄を決定する処理を行うようにしたが、これに限らず、S220の前に、ハズレ図柄を決定する処理を備えた構成であっても良い。
S230では、前記S170又はS180でデクリメントした保留記憶の数を示す保留数コマンド、前記S190又はS195で当否判定結果の情報(大当り又はハズレ)、特別図柄の変動時間、および特別図柄の停止態様等を含む変動開始コマンド等をサブ統合制御装置83に送信する。そして、第一特別図柄表示装置9または第二特別図柄表示装置10を駆動制御して、第一特別図柄または第二特別図柄の変動を開始する。さらに、本実施例のS230では、第一保留記憶の消化による当否判定か、第二保留記憶の消化による当否判定かの情報(前記第一始動フラグが1か0かの情報)も、サブ統合制御装置83に送信する。
尚、サブ統合制御装置83は、こうした変動開始コマンドを受信すると、該コマンドに示された情報(前記第一始動フラグの情報、特別図柄の変動時間、大当り抽選結果、特別図柄の停止態様など)を所定のバッファに記憶する。そして、サブ統合制御装置83は、前記変動開始コマンドの受信に伴って、大当り抽選結果と特別図柄の変動時間とに基づいて、前記第一疑似演出表示装置31または第二疑似演出表示装置30で演出表示を実行する。ここで、第一保留記憶の消化(第一始動フラグ=1)の場合には、前記変動開始コマンドの受信に伴って第一疑似演出表示装置31を変動表示(点滅)させる一方、第二保留記憶の消化(第一始動フラグ=0)の場合には、前記変動開始コマンドの受信に伴って第二疑似演出表示装置30を変動表示(点滅)させる。
前記したS155の肯定判定から続く図9のS300では、第一又は第二特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S300:Yes)、S305に進み、否定判定の場合には(S300:No)、当否判定処理を終了する。S305では、第一又は第二特別図柄の変動表示を終了し、第一又は第二特別図柄の確定図柄(すなわち、前記したS205で決定した大当り図柄、またはS220で決定したハズレ図柄)を表示させると共に、サブ統合制御装置83に、前記第一疑似演出表示装置31または第二疑似演出表示装置30での変動表示を停止させる図柄確定コマンドを送信し、当否判定処理を終了する。
尚、本実施例では図柄確定コマンドをサブ統合制御装置83に送信する構成だが、変動開始コマンドにて変動時間を指定していることから、図柄確定コマンドを送信しない構成でもよい。この構成ならば送信数を抑えながら同等に演出表示を実行することができる。
また、前記したS160の肯定判定から続く図10のS350では、第一又は第二特別図柄の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S350:Yes)、S355に進み、否定判定の場合には(S350:No)、当否判定処理を終了する。S355では、第一又は第二特別図柄の確定表示を終了し、S360に進む。S360では、確定表示された第一又は第二特別図柄が大当りを示す図柄か否かを判定し、肯定判定の場合には(S360:Yes)、S365に進み、否定判定の場合には(S360:No)、S410に進む。S365では、確変モードかつ時短モードであることを示す確変フラグを参照すると共に、確変フラグ=1である場合には確変フラグをクリアし(S370)、S375に進む。S375では、開放延長モードであることを示す開放延長フラグを参照すると共に、開放延長フラグ=1である場合には開放延長フラグをクリアし(S380)、S390に進む。その後、状態指定コマンド送信処理(S390)、条件装置作動開始処理(S395)、役物連続作動装置作動開始処理(S400)、大当り開始演出処理(S405)を順次実行することで、大当り遊技の態様を示すコマンドや、大当り遊技の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置83に送信する等して大当り遊技を開始し、当否判定処理を終了する。
一方、上記のS360での否定判定により実行されるS410では、確変フラグを参照し、該フラグ=1である場合には(S410:Yes)、確変モード(および時短モード)中に実行可能な大当り抽選の残り回数(確変回数)を参照する(S415)。そして、確変回数=0である場合には(S415:Yes)、確変フラグをクリアし(S420)、S425に進む。S425では、開放延長フラグを参照し、該フラグ=1である場合には(S425:Yes)、開放延長モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数(開放延長回数)を参照する(S430)。そして、開放延長回数=0である場合には(S430:Yes)、開放延長フラグをクリアし(S435)、S440に進む。S440では、状態指定コマンド送信処理を実行し、当否判定処理を終了する。
次に、主制御装置80で実行する大当り遊技処理を、図11〜14のフローチャートを用いて説明する。この大当り遊技処理は、前述の当否判定処理により大当りとなった場合に、上記したメインルーチンの特別遊技処理から実行される処理である。
大当り遊技処理では、図11に示すように、主制御装置80が、先ず、役物連続作動装置の作動中(すなわち、大当り遊技の実行中)であるか否かを判定する(S500)。ここで、肯定判定の場合には(S500:Yes)、S505に進み、否定判定の場合には(S500:No)、大当り遊技処理を終了する。
S505では、上大入賞口14が開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S505:Yes)、図12のS550に進み、否定判定の場合には(S505:No)、S510に進む。S510では、下大入賞口15が開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S510:Yes)、図12のS570に進み、否定判定の場合には(S510:No)、S515に進む。S515では、大当り遊技における開閉ラウンド間のインターバル中であるか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S515:Yes)、図13のS590に進み、否定判定の場合には(S515:No)、S520に進む。S520では、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S520:Yes)、図14のS600に進み、否定判定の場合には(S520:No)、S525に進む。
S525では、大当り遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S525:Yes)、S530に進み、否定判定の場合には(S525:No)、大当り遊技処理を終了する。
S530では、上大入賞口14を開放させる上大入賞口開放処理を実行する。この上大入賞口開放処理では、上大入賞口14の開放開始と同期して、一回の開閉ラウンドにおける上大入賞口14の最大開放時間として予め設定された上記の開放制限時間(例えば、30秒)の時間消化を開始する。この上大入賞口開放処理の後に、大当り遊技処理を終了する。ここで、開放制限時間の時間消化は、開放制限タイマの減算処理により行う。具体的には、開放制限タイマは、開放制限時間(30秒)に相当するカウンタ値が予め設定されており、大当り遊技処理の実行毎に(タイマ割り込み処理毎に)当該カウンタ値を減算する処理を実行し、当該カウンタ値=0となった時点で開放制限時間が経過したとするものである。尚、当然ながら、開放制限時間の計測手段は、こうした開放制限タイマの減算処理に限らず、他の手段を用いることも可能である。
前記のS505の肯定判定により実行される図12のS550では、上大入賞口14に入賞した遊技球の数が3個(規定入賞数)となったか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S550:Yes)、S560に進み、否定判定の場合には(S550:No)、S555に進む。S555では、前記した上大入賞口14の開放制限時間(30秒)の時間消化により該開放制限時間が経過したか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S555:Yes)、S560に進み、否定判定の場合には(S555:No)、大当り遊技処理を終了する。S560では、上大入賞口14を閉鎖させる上大入賞口閉鎖処理を実行し、S565に進む。この上大入賞口閉鎖処理では、上記した開放制限時間(開放制限時間のカウンタ値)をリセットする。S565では、大当り遊技の開放ラウンド間のインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、大当り遊技処理を終了する。
前記のS510の肯定判定により実行される図12のS570では、下大入賞口15に入賞した遊技球の数が3個(規定入賞数)となったか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S570:Yes)、S580に進み、否定判定の場合には(S570:No)、S575に進む。S575では、前記した下大入賞口15の開放制限時間(30秒)の時間消化により該開放制限時間が経過したか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S575:Yes)、S580に進み、否定判定の場合には(S575:No)、大当り遊技処理を終了する。S580では、下大入賞口15を閉鎖させる下大入賞口閉鎖処理を実行し、S585に進む。この下大入賞口閉鎖処理では、上記した開放制限時間(開放制限時間のカウンタ値)をリセットする。S585では、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行し、大当り遊技処理を終了する。
一方、上記のS515の肯定判定により実行される図13のS590では、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S590:Yes)、S595に進み、否定判定の場合には(S590:No)、大当り遊技処理を終了する。S595では、下大入賞口15を開放させる下大入賞口開放処理を実行する。この下大入賞口開放処理では、下大入賞口15の開放開始と同期して、一回の開閉ラウンドにおける下大入賞口15の最大開放時間として予め設定された上記の開放制限時間(例えば、30秒)の時間消化を開始する。この下大入賞口開放処理の後に、大当り遊技処理を終了する。ここで、開放制限時間の時間消化は、前記した上大入賞口14の場合と同様に実行する。
また、上記のS520の肯定判定により実行される図14のS600では、終了演出の時間が終了したか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S600:Yes)、S605に進み、該S605とS610とを順次実行する一方、否定判定の場合には(S600:No)、大当り遊技処理を終了する。S605とS610とでは、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、S615に進む。S615では、確変モード、時短モード、および開放延長モードの連続回数が所定のリミット回数値(60回)に達したか否かを確認して、該確変モード、時短モード、および開放延長モードに移行するか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S615:Yes)、S620に進み、否定判定の場合には(S615:No)、S640に進む。S620では、確変モード(および時短モード)中に実行可能な大当り抽選の回数(確変回数)を設定する。そして、確変フラグをセットして(S625)、S630に進む。S630では、開放延長モード中に実行可能な大当り抽選の回数(開放延長回数)を設定する。そして、開放延長フラグをセットして(S635)、S640に進む。S640とS645とでは、サブ統合制御装置83に対して、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドを送信する処理と、状態指定コマンド送信処理とを実行し、大当り遊技処理を終了する。
本発明の要部について、以下に説明する。
前記のように、遊技盤2には、前記した上入球装置5と作動入球装置6とが上下に並設されている(図2参照)。上入球装置5は、図15に示すように、上方開口する通過口102を備えると共に、該通過口102を介して遊技領域3と連通された上区画領域101に、左右の上アウト口103,103と可動翼片104,104とが設けられてなる。通過口102は、遊技球を常時入球可能であり、遊技領域3に発射された遊技球は、この通過口102を介してのみ上区画領域101に入球可能となっている。こうした通過口102の直下に、前記可動翼片104,104が傾動可能に配設されており、該可動翼片104,104の左右両側に、前記上アウト口103,103が夫々設けられている。
可動翼片104,104は、夫々の先端部が近接する閉鎖位置(図15参照)と、該閉鎖位置から左右へ夫々傾動した開放位置とに位置変換される。この可動翼片104,104を前記閉鎖位置とすることにより、遊技球が該可動翼片104,104の間を通過不能であり、前記開放位置とすることにより、遊技球が該可動翼片104,104の間を通過可能となる。上入球装置5は、可動翼片104,104を開閉作動させる可動ソレノイド104a(図3参照)を備えており、該可動ソレノイド104aは、主制御装置80に接続されている。主制御装置80は、可動ソレノイド104aを駆動制御することにより、該可動翼片104,104を開放位置と閉鎖位置とに位置変換作動させる。ここで、主制御装置80は、予め定められた開閉作動パターンに従って可動ソレノイド104aを駆動制御する。具体的には、可動翼片104,104を前記閉鎖位置と開放位置とに夫々所定時間(例えば、3秒間)保持する作動を繰り返す開放作動パターンが設定されており、主制御装置80は、該開放作動パターンに従って、可動翼片104,104の開閉作動を連続的に実行する。このように本実施例では、可動翼片104,104の開閉作動を、遊技の進行に関係無く行っている。
可動翼片104,104が閉鎖位置にある状態では、上区画領域101に入球した遊技球が、左右の上アウト口103,103のいずれかに入球する。上アウト口103,103は、図16に示すように、遊技盤2の背面側に設けられた流下路106に連通されており、さらに、該流下路106を介して、所定個数の遊技球を貯留可能な球貯留部107に連通されている。そのため、上アウト口103,103に入球した遊技球は、該流下路106を流下して、球貯留部107に貯留される。この球貯留部107は、流下路106から流入した遊技球を一列に整列した状態で貯留するものであり、その下端部に球送り装置108が配設されている。球送り装置108は、遊技球を送り出す球送り機構(図示せず)と該球送り機構を作動させる球送りモータ108aとを備え、該球送り機構の作動により、前記球貯留部107に貯留する遊技球を供給路109に送り出すものである。そして、球送り装置108により供給路109に送り出された遊技球は、該供給路109を流下して、後述する第三クルーン141上に流出する。
ここで、本実施例にあって、球送り装置108の球送りモータ108aは、サブ統合制御装置83に接続されて、該サブ統合制御装置83より駆動制御される。そして、サブ統合制御装置83が球送りモータ108aを駆動制御することにより、球送り装置108は、球貯留部107に貯留中の遊技球を一個ずつ供給路109に送り出すことができる。
また、球貯留部107には、該球貯留部107に貯留中の遊技球を検出するセンサ(図示せず)が配設されており、サブ統合制御装置83は、このセンサにより、該球貯留部107に貯留中の遊技球の個数を認識できる。さらにまた、前記した流下路106は、その下流側部位で、球貯留部107と排出路(図示せず)とに分岐しており、該球貯留部107に所定個数(例えば、50個)の遊技球が貯留されると、流下路106を流下した遊技球が該排出路を流下して機外へ排出されるようになっている。
前記した可動翼片104,104の直下には、図15に示すように、作動入球装置6の上部に開口形成された入球口112が配設されている。この入球口112には、前記開放位置にある可動翼片104,104の間を通過した遊技球が入球する。換言すると、可動翼片104,104の開閉作動により、前記入球口112が、遊技球を入球可能な状態と入球不能な状態とに変換される。
作動入球装置6は、遊技領域3と区画された内部作動領域111を備え、前記入球口112が該内部作動領域111と連通している。内部作動領域111には、第一〜第三クルーン121,131,141が上下に並んで配設されている。そして、最も上に位置する第一クルーン121には、前記入球口112に入球した遊技球が供給される。すなわち、作動入球装置6には、入球口112に入球した遊技球を第一クルーン121まで流下させる第一流通路118が設けられており、該入球口112に入球した遊技球が、該第一流通路118を介して第一クルーン121上に流出されるようになっている。
図17(A)に示すように、前記第一クルーン121には、その中央寄り部分に、一個の連通口122と二個の第一中入賞口123とが夫々開口されている。これら連通口122と第一中入賞口123とは、遊技球を常時入球可能に設けられている。第一中入賞口123に入球した遊技球は、主制御装置80に接続された第一中入賞口スイッチ123a(図3参照)により検出されて、図示しない排出路を介して機外へ排出される。また、連通口122に入球した遊技球は、第一クルーン121の下方に配設された第二クルーン131に供給される。すなわち、作動入球装置6には、連通口122に入球した遊技球を第二クルーン131まで流下させる第二流通路128が設けられており(図15参照)、該連通口122に入球した遊技球が、該第二流通路128を介して第二クルーン131上に流出されるようになっている。
尚、本実施例にあって、第一クルーン121は、前記連通口122と各第一中入賞口123とへの入球確率が同じとなるように設けられている。そのため、第一クルーン121に供給された遊技球が連通口122を介して第二クルーン131へ到達する確率は、1/3である。
図17(B)に示すように、第二クルーン131には、その中央寄り部分に、一個の第一始動口11と三個の第二中入賞口133とが夫々開口されている。これら第一始動口11と第二中入賞口133とは、遊技球を常時入球可能に設けられている。第一始動口11に入球した遊技球は、前記した第一始動口スイッチ11aにより検出される。これに伴って、前記した当否判定処理による当否判定の結果が大当りとなると、前記した大当り遊技処理により大当り遊技が実行される。そして、第一始動口スイッチ11aに検出された遊技球は、図示しない排出路を介して機外へ排出される。一方、第二中入賞口133に入球した遊技球は、主制御装置80に接続された第二中入賞口スイッチ133a(図3参照)により検出されて、図示しない排出路を介して機外へ排出される。
尚、本実施例にあって、第二クルーン131は、第一始動口11と各第二中入賞口133とへの入球確率が同じとなるように設けられている。そのため、第二クルーン131に供給された遊技球が第一始動口11に入球する確率は、1/4である。
図15に示すように、第三クルーン141は、前記第二クルーン131の下方に配設されている。この第三クルーン141の中央寄り部分には、図18に示すように、一個の特定口142と四個の非特定口143とが開口されている。そして、特定口142の口内には、図19に示すように、昇降作動する風役物146が設けられており、該風役物146は、サブ統合制御装置83に接続された風役物ソレノイド146a(図3参照)により駆動制御される。風役物146は、特定口142の口周縁に沿って周回するように並べられた複数の透明なプラスチック製丸棒から構成され、前記風役物ソレノイド146aによって、該丸棒の先端部が特定口142の開口縁に近接する上部位置(図19(A))と、該上部位置よりも下方の下部位置(図19(B))とに昇降動される。こうした風役物146は、複数の前記丸棒に囲まれた空域の内径が、遊技球の外径よりも小さくなるように形成されている。そのため、図19(A)及び図20(A)に示すように風役物146を前記上部位置とした状態では、特定口142に遊技球が入球不能である一方、図19(B)及び図20(B)に示すように該風役物146を前記下部位置とした状態では、該特定口142に遊技球が入球可能である。尚、風役物146は、前記したように透明な丸棒から構成されてることから、遊技者により視認され難くなっている。
サブ統合制御装置83は、前記風役物ソレノイド146aを駆動制御することによって前記風役物146を前記上部位置と下部位置とに位置変換作動する。こうした風役物146の位置変換作動によって、特定口142を入球可能な状態と入球不能な状態とに変換させる。
さらに、前記非特定口143は、図19に示すように、シャッター片147により開閉される。本実施例では、各非特定口143毎にシャッター片147が夫々配設されており、各シャッター片147を開閉作動させる開閉ソレノイド147aがサブ統合制御装置83により駆動制御される。各シャッター片147は、夫々の非特定口143を開放する開放位置(図19(A))と,該非特定口143を閉鎖する閉鎖位置(図19(B))とに位置変換作動するように設けられており、サブ統合制御装置83が開閉ソレノイド147aを駆動制御することにより該開放位置と閉鎖位置とに位置変換作動する。そして、図19(A)及び図20(A)に示すようにシャッター片147を前記開放位置とした状態では、非特定口143に遊技球を入球可能である一方、図19(B)及び図20(B)に示すように該シャッター片147を前記閉鎖位置とした状態では、非特定口143に遊技球を入球不能である。本実施例のシャッター片147は、透明なプラスチック製板から構成されている。そのため、前記閉鎖位置にある状態であっても、遊技者により視認され難くなっている。
サブ統合制御装置83は、前記開閉ソレノイド147aを駆動制御することによって全てのシャッター片147を夫々の開放位置と閉鎖位置とに同期して位置変換作動させる。こうしたシャッター片147の開閉作動によって、全ての非特定口143を入球可能な状態と入球不能な状態とに変換させる。
また、前記サブ統合制御装置83には、特定口142に入球した遊技球を検出する特定口スイッチ142aと、非特定口143に入球した遊技球を検出する非特定口スイッチ143aとが接続されている(図3参照)。これにより、特定口142に遊技球が入球すると、特定口スイッチ142aが該遊技球を検出して、その検出信号をサブ統合制御装置83に出力する。同様に、非特定口143に遊技球が入球すると、非特定口スイッチ143aが該遊技球を検出して、その検出信号をサブ統合制御装置83に出力する。尚、特定口142または非特定口143に入球した遊技球は、図示しない排出路を介して機外へ排出される。
そして、サブ統合制御装置83は、前記特定口スイッチ142aから検出信号を入力すると、所定の大当り示唆演出態様に従って、機台に配設されたLEDやランプ65を発光制御すると共に、該大当り示唆演出態様に従って、スピーカ66から演出音を発生制御する。ここで、大当り示唆演出態様は、前記第一始動口11への入球による当否判定の結果が大当りであることを示唆する演出を行うものである。一方、サブ統合制御装置83は、前記非特定口スイッチ143aから検出信号を入力すると、所定のハズレ示唆演出態様に従って、前記LEDやランプ65を発光制御すると共に、該ハズレ示唆演出態様に従って、スピーカ66から演出音を発生制御する。ここで、ハズレ示唆演出態様は、前記第一始動口11への入球による当否判定の結果がハズレであることを示唆する演出を行うものである。
また、本実施例にあっては、前記した第三クルーン141が揺動可能に配設されており、振動モータ149の駆動により該第三クルーン141を振動させることができる。この振動モータ149は、サブ統合制御装置83に接続されており、該サブ統合制御装置83により駆動制御される。
次に、前記した第三クルーン141に遊技球を供給する作動を実行制御する振分作動処理を、図21のフローチャートを用いて説明する。この振分作動処理は、サブ統合制御装置83で定期的(例えば、2ms周期のタイマ割り込み処理)に実行される処理であり、上記した当否判定処理における特図変動開始コマンド送信処理(S230)により主制御装置80から変動開始コマンドを受信した際に実行される。
振分作動処理は、S1000により、主制御装置80から前記した変動開始コマンド(前記当否判定処理を参照)を受信したか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S1000:Yes)、S1005に進み、否定判定の場合には(S1000:No)、振分作動処理を終了する。S1005では、第一始動フラグ=1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S1005:Yes)、S1010に進み、否定判定の場合には(S1005:No)、振分作動処理を終了する。第一始動フラグ=1は、第一始動口11への入球に伴って生成された第一保留記憶が消化されたこと(すなわち、第一特別図柄が変動すること)示しており、前記変動開始コマンドによりサブ統合制御装置83が得る情報である。
S1010では、球供給処理を実行する。この球供給処理では、前記した球送り装置108の球送りモータ108aを駆動制御して、球貯留部107に貯留している遊技球を供給路109へ送り出す。ここで、本実施例にあっては、供給路109へ一個の遊技球を送出するように球送りモータ108aを駆動制御する。
続くS1015では、当否判定の結果が大当りか否かを判定し、肯定判定の場合には(S1015:Yes)、S1020に進み、否定判定の場合には(S1015:No)、S1030に進む。ここで、大当りか否かの情報は、前記変動開始コマンドにより得られる情報である。
S1020では、シャッター閉鎖作動処理を実行する。このシャッター閉鎖作動処理では、前記開閉ソレノイド147aを駆動して、全てのシャッター片147を開放位置から閉鎖位置に位置変換作動させる。これにより、全ての非特定口143を閉鎖して、該非特定口143へ入球不能な状態とする。この状態では、第三クルーン141に供給された遊技球は、特定口142にのみ入球可能である。尚、本実施例にあっては、常態で、シャッター片147を開放位置(非特定口143を入球可能な状態)に保持し且つ風役物146を下部位置(特定口142を入球可能な状態)に保持している。
こうしたS1020の後に、S1025に進む。S1025では、大当り誘導フラグ=1とし、S1040に進む。
一方、S1030では、風役物昇動処理を実行する。この風役物昇動処理では、前記風役物ソレノイド146aを駆動して、前記風役物146を下部位置から上部位置へ昇動させる。これにより、特定口142を入球不能な状態とする。この状態では、第三クルーン141に供給された遊技球は、非特定口143のいずれかのみに入球可能である。
こうしたS1030の後に、S1035に進む。S1035では、ハズレ誘導フラグ=1とし、S1040に進む。
S1040では、振動開始処理を実行する。この振動開始処理では、前記振動モータ149を駆動開始して、第三クルーン141を振動させる。このS1040の後に、S1045に進む。S1045では、第一始動フラグ=0とし、振分作動処理を終了する。
次に、前記した大当り示唆演出態様またはハズレ示唆演出態様に従って演出を実行制御する振分演出処理を、図22のフローチャートを用いて説明する。この振分演出処理は、サブ統合制御装置83で定期的(例えば、2ms周期のタイマ割り込み処理)に実行される処理である。
振分演出処理は、S1100により大当り誘導フラグ=1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S1100:Yes)、S1105に進み、否定判定の場合には(S1100:No)、S1125に進む。
S1105では、特定口142に遊技球が入球したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S1105:Yes)、S1110に進み、否定判定の場合には(S1105:No)、振分演出処理を終了する。
S1110では、大当り演出処理を実行し、前記した大当り示唆演出態様に従って、LEDやランプ65を発光制御すると共にスピーカ66から演出音を発生制御する。これにより、大当りの発生を示唆する演出を実行する。続くS1115では、シャッター開放作動処理を実行する。このシャッター開放作動処理では、前記開閉ソレノイド147aを駆動して、全てのシャッター片147を閉鎖位置から開放位置へ位置変換作動させる。これにより、全ての非特定口143を開放する。このS1115の後に、S1120に進む。S1120では、大当り誘導フラグ=0とし、S1160に進む。
一方、前記S1100の否定判定から続くS1125では、ハズレ誘導フラグ=1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S1125:Yes)、S1130に進み、否定判定の場合には(S1125:No)、振分演出処理を終了する。
S1130では、非特定口143に遊技球が入球したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S1130:Yes)、S1135に進み、否定判定の場合には(S1130:No)、振分演出処理を終了する。
S1135では、ハズレ演出処理を実行し、前記したハズレ示唆演出態様に従って、LEDやランプ65を発光制御すると共にスピーカ66から演出音を発生制御する。これにより、ハズレの発生を示唆する演出を実行する。続くS1140では、風役物降動処理を実行する。この風役物降動処理では、前記風役物ソレノイド146aを駆動して、前記風役物146を上部位置から下部位置へ降動させる。これにより、特定口142が入球可能な状態となる。このS1140の後に、S1145に進む。S1145では、ハズレ誘導フラグ=0とし、S1160に進む。
S1160では、振動停止処理を実行する。この振動停止処理では、振動モータ149の駆動を停止して、第三クルーン141の振動を停止させる。このS1160の後に、振動演出処理を終了する。
次に、上入球装置5と作動入球装置6とによる遊技球の動作と、該動作に従って進行する遊技とについて説明する。
遊技領域3に発射された遊技球は、常時入球可能な通過口102を介して、上入球装置5の上区画領域101に入球する。上区画領域101では、前記した可動翼片104,104が常に開閉作動していることから、通過口102に入球したタイミングに応じて、該入球した遊技球が入球口112または上アウト口103,103に入球する。すなわち、上区画領域101に入球したタイミングが、可動翼片104,104を開放位置とするタイミングと合えば、遊技球が作動入球装置6の入球口112に入球できる。一方、上区画領域101に入球したタイミングが、可動翼片104,104を閉鎖位置としたタイミングであると、遊技球が上アウト口103,103に入球する。ここで、上アウト口103に入球した遊技球は、前述したように球貯留部107に貯留される。
前記入球口112に入球した遊技球は、前記第一流通路118を流下して、第一クルーン121上に流出される。そして、第一クルーン121上に流出した遊技球は、第一クルーン121上を転動して、連通口122と第一中入賞口123とのいずれかに入球する。ここで、第一クルーン121は、遊技球を連通口122と第一中入賞口123との一方に作為的に誘導する構造を有さず、一定の確率で連通口122又は第一中入賞口123に入球させるものである。
第一クルーン121上を転動する遊技球が、第一中入賞口123に入球すると、所定個数の賞球が発生する(図4参照)。一方、連通口122に入球すると、前記第二流通路128を流下して、第二クルーン131上に流出される。
第二クルーン131上に流出した遊技球は、該第二クルーン131上を転動して、第一始動口11と第二中入賞口133とのいずれかに入球する。ここで、第二クルーン131は、前記第一クルーン121と同様に、遊技球を第一始動口11と第二中入賞口133との一方に作為的に誘導する構造を有さず、一定の確率で第一始動口11又は第二中入賞口133に入球させるものである。
第二クルーン131上を転動する遊技球が、第二中入賞口133に入球すると、所定個数の賞球が発生する(図4参照)。一方、第一始動口11に入球すると、主制御装置80は、前述した始動入賞処理により第一保留記憶を生成し、前記当否判定処理により該第一保留記憶を消化して大当りか否かを判定する。そして、大当りと判定した場合には、前記大当り遊技処理により大当り遊技が実行される。
さらに、前記第一始動口11への入球により生成された第一保留記憶が前記当否判定処理で消化されると、サブ統合制御装置83は、前記球送り装置108を駆動して、球貯留部107に貯留している遊技球を供給路109へ送出する。こうして球送り装置108により送出された遊技球は、供給路109を流下して、第三クルーン141上に流出する。さらに、サブ統合制御装置83は、前記当否判定処理による大当りかハズレかの判定結果に従って、前記風役物146またはシャッター片147を作動制御する。ここで、前述したように、当否判定処理により大当りが決定された場合には、前記開閉ソレノイド147aを駆動制御して全てのシャッター片147を閉鎖位置とする。これにより、第三クルーン141上に流出された遊技球が非特定口143に入球不能となるから、該遊技球が特定口142に入球する。一方、当否判定処理によりハズレが決定された場合には、前記風役物ソレノイド146aを駆動制御して風役物146を上部位置とする。これにより、第三クルーン141上に流出された遊技球が特定口142に入球不能となるから、該遊技球が非特定口143のいずれかに入球する。このように大当りの場合には、第三クルーン141上を転動する遊技球を特定口142へ誘導して入球させ、ハズレの場合には、該遊技球を非特定口143へ誘導して入球させる。
本実施例にあっては、前述したように、振動モータ149により第三クルーン141を振動させる。これにより、第三クルーン141上を転動する遊技球の動きを予測不能にできると共に、前記風役物146により特定口142を入球不能とした状態やシャッター片147により非特定口143を入球不能とした状態で、遊技者が遊技球の動きに不自然さを感じ難くしている。
第三クルーン141上を転動する遊技球が特定口142に入球すると、前記した大当り示唆演出態様による演出が実行される。大当り示唆演出態様による演出は、大当りとなる場合に実行されることから、該演出の実行後には、該大当りが確定して、大当り遊技が開始される。一方、前記非特定口143に入球すると、前記したハズレ示唆演出態様による演出が実行される。ハズレ示唆演出態様による演出は、ハズレとなる場合に実行されることから、該演出の実行後には、該ハズレが確定する。
このように大当り示唆演出態様またはハズレ示唆演出態様による演出の実行後に、大当り又はハズレが確定することから、第三クルーン141上における遊技球の動きと、大当り示唆演出態様またはハズレ示唆演出態様による演出とによって、遊技者は、第一特別図柄の確定前に大当りか否かを知ることができる。
ここで、本実施例にあっては、第一特別図柄表示装置9における第一特別図柄の変動時間が、球送り装置108の駆動開始から特定口142又は非特定口143への入球までに要する時間よりも長い時間に設定されている。これにより、前記のように第一特別図柄の確定停止前に、前記大当り示唆演出態様またはハズレ示唆演出態様による演出が実行される。さらに、本実施例の構成は、第一特別図柄の確定表示前に必ず特定口142又は非特定口143に入球するように、風役物146、シャッター片147、および振動モータ149の駆動タイミングや駆動態様などを制御する機能を備えている。具体的には、サブ統合制御装置83は、第一特別図柄の変動時間を把握していることから、該変動時間に応じて、前記風役物146、シャッター片147、および振動モータ149の駆動開始タイミングを変えたり、該変動時間に近くなっても入球しない場合に、振動モータ149の駆動態様を変化させる(振動を強くするなど)を行う。
次に、本実施例の特徴を以下にまとめて説明する。
本実施例の構成は、作動入球装置6の入球口112に入球した遊技球を、第一クルーン121により所定確率(1/3)で第二クルーン131へ流下させ、該第二クルーン131により所定確率(1/4)で第一始動口11に入球させるようにしたものであり、各クルーン121,131上での遊技球の動きを遊技者に視認可能とすることで、遊技球の帰趨を視るという面白さが発揮される。これにより、第一始動口11の入球に至る遊技球の動きに、遊技者の興味を強く惹き付けることができ、該第一始動口11への入球を求める遊技者の期待感を刺激できることから、遊技の興趣を向上できる。
さらに、本実施例の構成では、前記第一始動口11への入球に基づいて、前記第二クルーン131の下方に配設した第三クルーン141に遊技球を供給し、該第一始動口11への入球による当否判定の結果が大当りの場合に、該遊技球を特定口142へ誘導する一方、該当否判定の結果がハズレの場合に、該遊技球を非特定口143へ誘導する。そして、特定口142への入球に伴って大当り示唆演出態様による演出を実行し、非特定口143への入球に伴ってハズレ示唆演出態様による演出を実行する。
かかる構成にあっては、第一クルーン121と第二クルーン131とを介して第一始動口11への入球に至る遊技球の動きと、第三クルーン141に供給されて特定口142又は非特的口143に入球するまでの遊技球の動きとが、一の遊技球による一連の動作であるように見せかけることができる。これにより、第一〜第三クルーン121,131,141により遊技が段階的に進行して、特定口142又は非特定口143に入球することによってあたかも大当り又はハズレが決まるように、遊技者に思い込ませ易い。こうしたことから、第一始動口11に入球するまでは、第一クルーン121と第二クルーン131とにおける遊技球の動きに遊技者の注意を惹き付けることができる。そして、第一始動口11に入球した場合には、第三クルーン141での遊技球の動きに該遊技者の注意を強く惹き付けることができ、特定口142への入球を望む遊技者の感情を効果的に刺激できる。
したがって、本実施例によれば、遊技球の動きによって大当りか否かが決定するように見せるという遊技の面白さが十分かつ安定して発揮でき、遊技の興趣を飛躍的に向上できる。さらに、本実施例の構成では、特定口142又は非特定口143への入球により大当りか否かを示唆することから、前記遊技球の動きによる面白さを一層高めることができる。
尚ここで、第三クルーン141に供給される遊技球は、上アウト口103への入球によって賞球発生の契機となる役割を終えたものであり、該第三クルーン141上での転動を介した特定口142又は非特定口143への入球は、賞球や当否判定に影響しない演出と言える。本実施例の構成は、こうした演出としての遊技球の動きによって、大当りか否かが決定するように見せかけるものである。そして、こうした演出である遊技球の動きを、前述のように大当りか否かを決定するように遊技者の思い込ませることにより、前述の作用効果を奏する。
さらに、本実施例は、第一始動口11への入球により当否判定した場合(変動開始コマンドが送信された場合)に、球送り装置108を駆動して第三クルーン141へ遊技球を供給する。そのため、第一始動口11へ入球しても、第一保留記憶を消化しない場合(第一特別図柄や第二特別図柄の変動中や大当り遊技の実行中など)では、第三クルーン141に遊技球を供給しない。また、第一始動口11に複数の遊技球が連続して入球した場合にも、最初の遊技球の入球により第三クルーン141に遊技球を供給するものの、全ての入球に応じて遊技球を供給しない。こうすることにより、遊技が安定かつスムーズに進行するように制御している。
また、本実施例の構成にあっては、特定口142に入球可能な状態と入球不能な状態とに変換する風役物146を、透明な丸棒により構成することで遊技者に視認され難くしている。同様に、非特定口143を開閉するシャッター片147を、透明な板により構成することで遊技者に視認され難くしている。これにより、特定口142と非特定口143との一方を強制的に入球不能とすること(他方へ誘導すること)を遊技者が気付き難く、第三クルーン141上での遊技球の動きによって該特定口142と非特定口143とのいずれかに入球するように見せかけるという、前記した本実施例の作用効果が安定して発揮され得る。さらに、第三クルーン141を振動させて、該第三クルーン141上で遊技球を比較的激しく転動させることにより、風役物146やシャッター片147で特定口142と非特定口143との一方に入球できないことを、該振動で入球できなかったように見せかけている。これにより、第三クルーン141上で遊技球の動きが不自然に見えないようにでき、前記した遊技球の動きにより特定口142と非特定口143とのいずれかに入球するように見せかけるという前記作用効果を、一層安定して発揮できる。
尚、本実施例の構成は、第一始動口11への入球に基づいて第三クルーン141に遊技球を供給する構成であり、球貯留部107に遊技球が貯留していることを前提としている。一般的に、第一始動口11に入球する確率よりも上アウト口103の入球確率が高いことから、前記した本構成は成り立つ。しかし、球貯留部107に遊技球が貯留していない状態で、第一始動口11に入球する可能性もあり、この場合には、第三クルーン141に遊技球が供給されない。そして、第三クルーン141に遊技球が供給される否かに関わらず、前記第一疑似演出表示装置31での演出表示(点滅した後に、点灯又は消灯する表示)が実行される。
ここで、本実施例では、球貯留部107に貯留された遊技球を検出するセンサを備えていることから、該センサの検出に従って、遊技球を供給するか否かを選択することができる。尚、かかるセンサ(検出手段)としては、貯留している遊技球の個数を検出するものに限らず、遊技球が貯留しているか否かを検出するものや、貯留する個数が所定下限値(例えば、2個)以上か否かを検出するものであっても良い。
前述した本実施例にあって、パチンコ機1が、本発明にかかる弾球遊技機の一例に相当する。第一始動口11が、本発明にかかる始動口の一例に相当する。当否判定処理のS165〜S200が、本発明にかかる当否判定手段の一例に相当する。大当り遊技処理(図11〜14)が、本発明にかかる大当り遊技手段の一例に相当する。入球口112が、本発明にかかる入球口の一例に相当する。第一クルーン121が、本発明にかかる第一振分手段の一例に相当し、第一中入賞口123が、本発明にかかる非連通口の一例に相当する。第二クルーン131が、本発明にかかる第二振分手段の一例に相当し、第二中入賞口133が、本発明にかかる非始動口の一例に相当する。第三クルーン141が、本発明にかかる第三振分手段の一例に相当する。上アウト口103が、本発明にかかる取込口の一例に相当する。球貯留部107、球送り装置108、および振分作動処理のS1000〜S1010が、本発明にかかる貯留球供給手段の一例に相当する。風役物146、風役物ソレノイド146a、シャッター片147、開閉ソレノイド147a、および振分作動処理のS1015〜S1035が、本発明にかかる球誘導手段の一例に相当する。
次に、前述した実施例の別例を以下に説明する。
前述の実施例では、第一〜第三振分手段として第一〜第三クルーンを配設した構成であるが、各振分手段はクルーンに限らず、他のものを適用することも可能である。例えば、開放位置と閉鎖位置とに開閉作動する開閉片により各振分手段が構成されていても良い。具体的には、連通口を開閉する開閉片により第一振分手段を構成し、第一始動口を開閉する開閉片により第二振分手段を構成することも可能である。さらに、第三振分手段も、同様の開閉片により構成することも可能である。
また、前述の実施例では、上アウト口103に入球した遊技球を球貯留部107に貯留し、該遊技球を第三クルーン141に供給するようにしたものであるが、これに限らず、第一中入賞口123や第二中入賞口133に入球した遊技球を貯留して、第三クルーン141に供給する構成としても良い。この場合には、第一中入賞口123や第二中入賞口133が、本発明の取込口に相当する。又は、第一始動口11に入球した遊技球を球貯留部107で貯留するようにしても良い。この場合には、第一始動口11が本発明の始動口と取込口とを兼ねる。
また、前述の実施例では、第一クルーン121に一個の連通口122と二個の第一中入賞口123とを設けた構成であるが、これに限らず、夫々の配設個数は適宜変更して設定可能である。例えば、一個の連通口と一個の第一中入賞口とを設けた構成や、一個の連通口と四個の第一中入賞口とを設けた構成などとすることも可能である。さらには、連通口を複数個設けることも可能である。こうした連通口と第一中入賞口との夫々の配設個数により、該連通口への入球確率が変わる。
同様に、第二クルーン131に三個の第二中入賞口133を設けた構成であるが、該第二中入賞口の配設個数を適宜変更して設定することも可能である。さらには、第二クルーンに複数の第一始動口を設けることも可能である。こうした夫々の配設個数により、第一始動口への入球確率が変わる。
尚、実施例では、第一クルーン121に連通口122と第一中入賞口123とを設けたが、該第一中入賞口に代えてアウト口を設けることも可能である。さらに、第一クルーンは、連通口、第一中入賞口、およびアウト口を設けた構成としても良い。同様に、第二クルーンは、第二中入賞口に代えてアウト口を設けることも可能である。さらに、第二クルーンは、第一始動口、第二中入賞口、およびアウト口を設けた構成としても良い。
また、前述の実施例の構成は、可動翼片104,104の開閉作動により入球口112を入球可能な開放状態と入球不能な閉鎖状態とに変換するものとしたが、これに限らず、入球口112を常時入球可能な構成とすることもできる。すなわち、可動翼片104,104を備えない構成としても良い。又は、可動翼片の閉鎖位置を、入球口に入球できるものの、入球することが難しい位置とすることも可能である。すなわち、可動翼片を、入球口に入球容易な開放状態と入球困難な閉鎖位置とに位置変換するものとしても良い。
さらに、可動翼片104,104を開閉する開放作動パターンは、実施例に限らず、適宜変更して設定可能である。例えば、2秒間の開放と4秒間の閉鎖とを繰り返す開放作動パターンに従って、可動翼片104,104を開閉作動させるようにしても良い。又は、相互に異なる複数の開閉作動パターンを設定し、いずれかの開閉作動パターンを適宜選択して開閉作動させるようにしても良い。
また、前述の実施例の構成は、作動入球装置6の直上に上入球装置5を備えた構成としたが、これに限らず、該上入球装置5を備えない構成としても良い。
また、前述の実施例の構成は、風役物146の昇降動により特定口142を入球可能な状態と入球不能な状態とに変換するようにしたが、これに限らず、他の手段により該特定口を入球可能な状態と入球不能な状態とに変換する構成としても良い。例えば、風役物の代わりに、特定口を開閉する透明のシャッター片を用いることも可能である。同様に、非特定口のシャッター片に代えて、風役物により該非特定口を入球可能な状態と入球不能な状態とに変換する構成としても良い。
また、前述の実施例の構成は、第三クルーン141に供給した遊技球が特定口142または非特定口143に入球すると、直ちに大当り又はハズレを示唆する演出(大当り示唆演出態様またはハズレ示唆演出態様に従う演出)を行うようにした構成であるが、こうした大当り又はハズレを示唆する演出の実行タイミングは適宜変更して設定することが可能である。例えば、第三クルーン141に供給した遊技球が特定口142または非特定口143に入球すると、第一特別図柄表示装置9で第一特別図柄を確定表示した後に、大当り又はハズレを示唆する演出(大当り示唆演出態様またはハズレ示唆演出態様に従う演出)を行うようにしても良い。または、第一特別図柄の確定表示と同期して(又は略同期して)、大当り又はハズレを示唆する演出を行うようにしても良い。
尚、いずれの構成であっても、第一特別図柄の確定表示前に、第三クルーン141に供給した遊技球が特定口142または非特定口143に入球させる。そのため、前記のように、風役物146、シャッター片147、および振動モータ149の駆動タイミングや駆動態様などを制御することにより、第一特別図柄の確定表示前に必ず遊技球を特定口142または非特定口143に入球させる構成が好適である。
また、前述の実施例の構成は、第一疑似演出表示装置31を作動入球装置6の上部に備えた構成であるが、該第一疑似演出表示装置の配設位置を適宜変更することも可能である。例えば、演出用に配設された複数のランプやLEDの中の一個を、第一疑似演出表示装置として構成したり、ボタンに配設されたLEDを、第一疑似演出表示装置として構成することも可能である。すなわち、第一疑似演出表示装置は、その演出表示を遊技者ができるだけ気付き難い位置に配設することが好ましい。
また、前述の実施例の構成は、第一始動口11への入球に基づいて前記第一疑似演出表示装置31で演出表示(点滅した後に、点灯又は消灯する表示)を実行する構成であるが、これに限らず、該第一疑似演出表示装置31を備えない構成としても良い。すなわち、第一始動口11に入球した場合には、第一特別図柄の当否判定結果を報知する演出を、第三クルーン141に供給する遊技球の動きのみとする。
さらにまた、第一始動口11の入球に基づいて第二疑似演出表示装置30を変動表示する構成とすることもできる。この構成は、第二疑似演出表示装置30が、第一疑似演出表示装置を兼ねるものである。そして、この構成では、第二疑似演出表示装置30で、第一特別図柄の変動と当否判定結果とを表示する場合に、第二特別図柄に比して目立たない表示(遊技者が視認し難い表示)とすることが好ましい。
また、前述の実施例の構成にあって、演出表示を行う演出図柄表示装置(液晶表示装置)を備えた構成とすることもできる。この場合には、第二特別図柄の変動停止に合わせて、演出図柄表示装置で疑似特別図柄を演出表示し、該疑似特別図柄の表示により第二特別図柄の当否判定を報知することができる。さらに、演出図柄表示装置で第一特別図柄の当否判定を報知する構成としても良い。この場合には、第一特別図柄の当否判定を演出図柄表示装置で報知する前に、第三クルーンで特定口又は非特定口に入球させるようにすることが好適である。
また、前述の実施例の構成は、第一始動口11への入球に基づいて一個の遊技球を第三クルーン141に供給する構成であるが、これに限らず、第一始動口11への入球に基づいて複数個の遊技球を第三クルーン141に供給する構成としても良い。さらには、第一始動口11への入球に基づいて、第三クルーンに供給する遊技球の個数を選択するようにしても良い。具体的には、第一始動口11に入球すると、供給個数(例えば、1個〜5個)を抽選により決定し、決定した供給個数の遊技球を第三クルーン141上に供給する。又は、変動開始コマンド(大当りか否かの判定結果や、変動時間、リーチの有無など)に基づいて、前記供給個数を決定する構成としても良い。
また、前述の実施例の構成は、第一保留記憶と第二保留記憶との上限数を夫々一個としたが、これに限らず、該上限数は適宜変更した設定可能である。
1 パチンコ機(弾球遊技機)
3 遊技領域
6 作動入球装置
11 第一始動口(始動口)103 上アウト口(取込口)111 内部作動領域112 入球口121 第一クルーン(第一振分手段)122 連通口123 第一中入賞口(非連通口)131 第二クルーン(第二振分手段)133 第二中入賞口(非始動口)141 第三クルーン(第三振分手段)142 特定口143 非特定口

Claims (1)

  1. 始動口への遊技球の入球に起因して、当否判定を行う当否判定手段と、前記当否判定手段による当否判定の結果が大当りであった場合に、遊技者に所定の利得を供与可能な大当り遊技を実行する大当り遊技制御手段とを備えた弾球遊技機において、
    遊技領域に発射された遊技球が入球可能な入球口を備えると共に、該入球口を介して遊技球が入球される内部作動領域に、前記始動口を備えたものであって、前記内部作動領域に配設され、遊技球を入球可能に設けられた連通口と非連通口とのいずれかに、前記入球口から入球された遊技球を入球させる第一振分手段と、前記内部作動領域の、前記第一振分手段の下方に配設され、遊技球を入球可能に設けられた前記始動口と非始動口とのいずれかに、前記連通口に入球された遊技球を入球させる第二振分手段と、前記内部作動領域の、前記第二振分手段の下方に配設され、遊技球を入球可能に設けられた特定口と非特定口とのいずれかに、遊技球を入球させる第三振分手段とを具備してなる作動入球装置が配設されてなり、
    遊技領域に発射されて所定の取込口に入球された遊技球を貯留すると共に、前記第二振分手段により前記始動口に遊技球が入球したことに基づいて、該貯留している遊技球を前記第三振分手段に供給する貯留球供給手段と、前記当否判定手段による当否判定の結果が大当りの場合に、前記第三振分手段に供給された遊技球を前記特定口へ導く一方、該当否判定の結果がハズレの場合に、該遊技球を前記非特定口へ導く球誘導手段とを備えてなるものであることを特徴とする弾球遊技機。


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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021074507A (ja) * 2020-08-07 2021-05-20 株式会社ユニバーサルエンターテインメント 遊技機

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