JP2020081580A - 弾球遊技機 - Google Patents

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博夫 中山
Hiroo Nakayama
博夫 中山
博康 水野
Hiroyasu Mizuno
博康 水野
茨田 悦臣
Yoshiomi Ibarada
悦臣 茨田
安藤 繁光
Shigemitsu Ando
繁光 安藤
田中 友和
Tomokazu Tanaka
友和 田中
慶太 久保
Keita Kubo
慶太 久保
美里 神谷
Misato Kamiya
美里 神谷
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Abstract

【課題】管理者により大当り当選確率を変更可能な構成にあって、セットされた大当り当選確率を示唆する遊技の興趣を向上し得る弾球遊技機を提供する。【解決手段】所定の状態変換条件の成立を契機として移行可能な少なくとも一の遊技状態で、当該遊技状態に予め関係付けられた一方の始動口への入球により記憶される保留記憶数が所定閾値以上の場合に、該一方の始動口への入球に基づいて所定の示唆演出条件が成立すると、セットされた大当り当選確率に係る当選確率情報を示唆する示唆演出を実行するようにしたものである。かかる構成によれば、前記一の遊技状態で一方の始動口への入球と当該入球により記憶される保留記憶数とに遊技者の関心を効果的に惹き付けて、従来に無い面白さ生じさせ得るから、前記当選確率情報を示唆するという遊技の興趣を向上できる。【選択図】図17

Description

本発明は、始動口への遊技球の入球を契機として当否判定し、大当りの場合に、大入賞口を開閉する大当り遊技を実行する弾球遊技機に関する。
パチンコ機に代表される弾球遊技機では、始動口への遊技球入球に基づいて記憶された保留記憶を消化することによって、大当りか否かの当否判定を行い、該当否判定結果が大当りであった場合に、大入賞口の開放を所定回数実行する大当り遊技が実行される。ここで、前記当否判定は、予め定められた大当りの当選確率に従って行われる。
近年、前記大当りの当選確率が複数設定され、遊技機の管理者によって、いずれか一の当選確率が任意にセットできるようにした構成が知られている(例えば、特許文献1)。かかる構成によれば、任意に大当りの発生確率を調整できることから、機台毎に利益率を調整でき、遊技店の営業に自由度を持たせることが可能である。
さらに、この従来構成では、セットされた当選確率に応じて、演出パターンやリーチ発生確率などを変更するようにしていることから、該演出パターンやリーチ発生等により遊技者が該当選確率を推測することができ、遊技性を向上できる。
特開2003−205160号公報
ところで、前記当選確率を任意に変更可能な構成にあっては、セットされた当選確率によって遊技者の獲得可能な利益に差が生ずることから、セットされた当選確率に係る情報は、遊技者が機台を変えずに遊技を継続するか否かの判断に用いる極めて有益な情報である。そのため、セットされた当選確率を示唆する遊技は、遊技者の興味を惹き付けることができ、弾球遊技機の魅力を支える要素の一つと言える。
こうしたことから、前記魅力をより高めるために、前記当選確率を示唆する遊技の興趣を向上させることが希求されている。
本発明は、前記した当選確率を示唆する遊技の興趣を向上し得る弾球遊技機を提供するものである。
本発明は、遊技球が流下する第一流下域と第二流下域とを備えた遊技領域に夫々設けられ、該第一流下域を流下する遊技球が入球可能な第一始動口および該第二流下域を流下する遊技球が入球可能な第二始動口と、前記第一始動口と第二始動口への遊技球の入球に起因して、夫々の保留記憶を生成して記憶する保留記憶手段と、前記保留記憶手段により記憶された保留記憶を消化することによって、所定の大当り当選確率に従って大当りか否かを判定する当否判定手段と、前記当否判定手段の当否判定結果が大当りの場合に、前記遊技領域に設けられた大入賞口を開放する大当り遊技を実行する大当り遊技制御手段と、所定の状態変換条件の成立を契機として、遊技者の利得が相互に異なる複数の遊技状態のなかから、一の遊技状態に選択的に移行させる遊技状態変換手段と、相互に異なる複数の前記大当り当選確率を備え、管理者の操作によりいずれか一の大当り当選確率がセットされる確率セット手段とを備えてなる弾球遊技機において、前記遊技状態変換手段により移行可能な少なくとも一の遊技状態に、前記第一始動口と前記第二始動口とのうちの一方の始動口が予め関係付けられており、前記一方の始動口が予め関係付けられた少なくとも一の遊技状態で、当該遊技状態と予め関係付けられた前記一方の始動口への入球に伴って記憶される保留記憶数が所定閾値以上の場合に、当該一方の始動口への入球に基づいて所定の示唆演出条件が成立すると、前記確率セット手段によりセットされた大当り当選確率に係る当選確率情報を示唆する示唆演出を行う示唆演出制御手段を備えていることを特徴とする弾球遊技機である。
ここで、「遊技領域」は、該遊技領域に発射された遊技球が流下する第一流下域と第二流下域とを少なくとも備えていれば良く、さらに別の流下域を備える構成であっても良い。
また、「第一始動口」は、第一流下域を流下する遊技球が入球可能であれば、該第一流下域に設けられていても良いし、該第一流下域よりも下流に設けられていても良い。さらに、「第一始動口」は、遊技領域に一個のみ設けられていても良いし、複数個設けられていても良い。複数個設けた場合には、いずれの第一始動口に入球しても、保留記憶が生成されて記憶される。
また、「第二始動口」は、第二流下域を流下する遊技球が入球可能であれば、該第二流下域に設けられていても良いし、該第二流下域よりも下流に設けられていても良い。さらに、「第二始動口」は、遊技領域に一個のみ設けられていても良いし、複数個設けられていても良い。そして、複数個設けた場合には、いずれの第二始動口に入球しても、保留記憶が生成されて記憶される。
また、「状態変換条件」は、所定の抽選により一の遊技状態を選択することや、他の遊技状態が終了すること等と定めることができ、一の条件だけでなく、相互に異なる複数の条件とすることも可能である。例えば、前記当否判定手段により大当り判定した際に、所定の抽選により一の遊技状態が選択され、且つ大当り遊技が終了することを、本発明の「状態変換条件」と定めることが好適である。さらに、こうして開始された一の遊技状態が終了することを、他の「状態変換条件」として定めることも可能である。
また、各遊技状態の「遊技者の利得」は、獲得可能な賞球量やレア演出の発生などのような直接的な利益だけでなく、遊技者が有利になること(例えば、大当り当選確率が高くなること、特別図柄の変動時間が短くなることなど)であっても良し、さらには、前記第一始動口または第二始動口への入球により前記直接的な利益や有利性に差が生ずることであっても良い。
また、「管理者」は、当該弾球遊技機が設置された遊技施設の経営者や店長だけでなく、該遊技施設の従業員や、試験的に該弾球遊技機を稼動させる者も含まれる。
また、「遊技状態に、一方の始動口が予め関係付けられた」は、当該遊技状態で一方の始動口へ入球することにより遊技者に有利(獲得利益の増加が期待できるなど)となること、当該遊技状態で一方の始動口への入球を狙うことを遊技者に促す(又は、勧める)ことなどを示す。ここで、後者の場合には、単に一方の始動口を狙って遊技球の発射を促すのみであることだけでなく、当該始動口への入球以外の要因に基づいて一方の流下域を狙って遊技球を発射することを遊技者に促すことであっても良い。さらには、これら複数の関係を組合わせても良い。
また、「一方の始動口」は、第一始動口が遊技状態と予め関係付けられている場合にあって、該第一始動口を示し、第二始動口が遊技状態と予め関係付けられている場合にあって、該第二始動口を示す。
また、保留記憶数の「閾値」は、保留記憶を記憶可能な個数に応じて適宜定めることが可能である。例えば、保留記憶数の上限が定められた構成では、この上限の個数を「閾値」としても良いし、該上限の個数よりも少ない所定個数を「閾値」としても良い。
また、「示唆演出条件」は、一方の始動口への入球に伴って記憶される保留記憶数が所定閾値以上の場合に、該一方の始動口へ入球することに基づいて成立する条件であれば、当該場合に該一方の始動口へ入球することであっても良いし、又は当該場合に該一方の始動口へ入球して、さらに別の事象が生ずること(例えば、当該場合に該一方の始動口への入球数が所定個数に達すること、抽選に当選すること等)であっても良い。すなわち、「示唆演出条件」の成立には、一方の始動口への入球による保留記憶数が所定閾値以上の場合に該一方の始動口へ入球することが、必須である。
また、「当選確率に係る当選確率情報」は、確率セット手段でセットされた大当り当選確率を示す情報、該セットされた大当り当選確率が高いか低いかを示す情報、該セットされた大当り当選確率が特定の大当り当選確率であるか否かを示す情報、確率セット手段により大当り当選確率が変更されたことを示す情報等を適用することができる。さらには、示唆演出の表示回数により大当り当選確率を示唆することができる情報としても良い。さらにまた、これら複数の情報のなかから一の情報を選択的に用いることも可能である。
また、「示唆演出」は、演出図柄表示装置(液晶表示器)で当選確率情報を示唆する図柄を表示する演出、スピーカにより当選確率情報を示唆する音声を発生する演出、ランプにより当選確率情報を示唆する光を発生する演出のいずれであっても良いし、さらには、これらのなかの複数の演出であっても良い。
また、「示唆演出制御手段」は、一方の始動口が予め関係付けられた遊技状態で、示唆演出を行うようにする構成が好適である。
かかる構成にあっては、少なくとも一の遊技状態で、当該遊技状態に予め関係付けられた一方の始動口(第一始動口と第二始動口とのいずれか一方)への入球により記憶される保留記憶数(以下、一方の保留記憶数という)が所定閾値である場合に、さらに当該一方の始動口へ入球すると、示唆演出が実行される場合があるようにしたものであり、該示唆演出の実行により当選確率情報を示唆する。これにより、前記一の遊技状態となると、示唆演出の実行を求める遊技者の感情を強く刺激でき、当該遊技状態に関係付けられた一方の始動口への入球と一方の保留記憶数とに遊技者の関心を効果的に惹き付けることができる。ここで、一般的に、遊技中における始動口への入球は、当否判定するための保留記憶を生成するためでしかなく、遊技者の関心を惹き付けることに限界があった。ところが、本発明の構成によれば、前述のように遊技者の関心を効果的に惹き付けることができ、前記一の遊技状態で従来に無い新たな面白さを生じさせ得る。これにより、当選確率情報を示唆するという遊技の興趣を向上でき、当該遊技の魅力を著しく高めることができる。
本発明の弾球遊技機にあって、示唆演出制御手段は、前記一方の始動口への入球に伴って、前記示唆演出を実行するか否かを抽選する示唆抽選手段を備え、該示唆抽選手段の抽選で前記示唆演出の実行が決まることによって、前記示唆演出条件が成立するようにしたものであり、前記示唆抽選手段は、前記一方の始動口以外の他方の始動口への入球に起因して記憶される保留記憶数に応じて、予め定められた複数の抽選確率のなかから一の抽選確率を選択し、選択した抽選確率に従って前記示唆演出の実行か否かを決めるようにしたものである構成が提案される。
ここで、「他の始動口」は、一方の始動口が第一始動口である場合に、第二始動口を示し、一方の始動口が第二始動口である場合に、第一始動口を示す。また、第一始動口と第二始動口との他に別の始動口を備えた構成にあっては、該別の始動口も「他の始動口」に含めても良いし、含めなくても良い。
かかる構成にあっては、他方の始動口への入球に起因して記憶される保留記憶数(以下、他方の保留記憶数という)に応じて、示唆演出を実行するか否かを決める抽選確率が変わるようにしたものであり、該他方の保留記憶数により示唆演出が実行される可能性が変化する。これにより、前記一の遊技状態では、当該遊技状態と予め関係付けられた一方の保留記憶数だけでなく、他方の保留記憶数にも遊技者の関心を惹くことができ、他方の始動口への入球を遊技者に促すことができる。そのため、前記一の遊技状態と関係付けられていない他方の始動口に積極的に入球させるという従来に無い新たな遊技性が発揮される。したがって、当選確率情報を示唆するという遊技の興趣を一層向上できる。
本構成にあって、他方の保留記憶数が多くなるにつれて、示唆演出を実行する確率の高い抽選確率を選択するようにした構成が好適である。この構成によれば、他方の始動口への入球と他方の保留記憶数とへの遊技者の関心を一層高めることができ、遊技の興趣向上効果をさらに高め得る。
本発明にかかるパチンコ機1の正面図である。 パチンコ機1の遊技盤2の正面図である。 パチンコ機1の裏面図である。 パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。 本実施例のパチンコ機1における遊技の仕様の一部を説明する図表である。 (A)第一特別図柄の大当り図柄態様と、大当り遊技の内容および該大当り遊技後の遊技状態との関係を示す図表と、(B)第二特別図柄の大当り遊技態様と、大当り遊技の内容および該大当り遊技後の遊技状態との関係を示す図表である。 メインルーチンの概要を示すフローチャートである。 始動入賞処理を示すフローチャートである。 当否判定処理を示すフローチャート1である。 当否判定処理を示すフローチャート2である。 当否判定処理を示すフローチャート3である。 当否判定処理を示すフローチャート4である。 大当り遊技処理を示すフローチャート1である。 大当り遊技処理を示すフローチャート2である。 大当り遊技処理を示すフローチャート3である。 設定値と第一保留記憶数とに応じて選択される示唆確率を示す図表である。 示唆演出制御処理を示すフローチャートである。 演出図柄表示装置6で表示される示唆演出を示す説明図である。
本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、本発明にかかる実施の形態は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。また、以下の実施例および別例を適宜組み合わせることも可能である。
図1に示すように、本実施例のパチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51によって構成の各部を保持する構造である。外枠51には、その左側上下に設けられたヒンジ53を介して、内枠(図示せず)が該外枠51に対して開閉可能に取り付けられ、さらに、該内枠の前面に、前枠(ガラス枠)52が該内枠に対して開放可能に取り付けられている。そして、前枠52には、板ガラス61が脱着可能に設けられている。また、板ガラス61の奥側(後側)には、内枠に取り付けられた遊技盤2(図2)が配設されている。
前枠52には、その上部左右に、スピーカ66が配設されており、該スピーカ66から発せられる遊技音や警報音によって、遊技の趣向性を高めたり、遊技者に注意喚起したりする。また、前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65が複数配設されており、該発光によって遊技の趣向性を向上させる。さらに、前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体的に設けられており、該下皿63の右方に発射ハンドル64が配設されている。この発射ハンドル64は、遊技者によって時計回りに回動操作されることで、図示しない発射装置を可動させて、上皿55から供給される遊技球を遊技盤2の遊技領域3に向かって発射する。
上皿55には、賞球や貸球が払い出される。また、下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受ける構成で、該下皿63内の遊技球を排出する球抜きレバー(図示せず)を備える。この球抜きレバーが遊技者により操作されることで、下皿63に貯まった遊技球を別箱(ドル箱)に移すことができる。
本実施例のパチンコ機1は、所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きなどを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が隣接されている。パチンコ機1には、貸出ボタン57、精算ボタン58、および残高表示装置59を有する精算表示装置94(図4参照)が設けられている。また、上皿55の中央部には、遊技者が操作可能な演出ボタン67、ジョグダイヤル68、および決定スイッチが設けられている。
図2は、パチンコ機1の遊技盤2の正面図である。遊技盤2には、ガイドレール2a,2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられ、該遊技領域3には多数の遊技釘(図示せず)が植設されている。遊技領域3の中央部には、センターケース5が配設されており、該センターケース5の中央に演出図柄表示装置6(全体の図示は省略)のLCD画面が前方から視認可能に配設されている。このセンターケース5には、図示しないワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
センターケース5の直下には、第一始動口11が配設され、該センターケース5の右方には、普通図柄作動ゲート17と第二始動口12とが上下に並んで配設されている。第一始動口11は、常時遊技球を入球可能に構成されている一方、第二始動口12は、開閉可能な翼片を備えた普通電動役物13により構成されており、この翼片の開放状態でのみ遊技球を入球可能とする構成である。また、普通図柄作動ゲート17は、遊技球を常時通過可能に構成されている。
さらに、センターケース5の右下方(普通電動役物13の下方)には、大入賞口14が配設されている。大入賞口14は特別電動役物15により構成されており、該特別電動役物15は、大入賞口14を閉鎖する起立位置と該起立位置から前方へ傾動して開放する傾動位置とに位置変換作動する開閉片を備え、該開閉片を前記起立位置とすることで、大入賞口14へ遊技球を入球不能な閉鎖状態とし、前記傾動位置とすることで、大入賞口14へ遊技球を入球可能な開放状態とする。こうした特別電動役物15は、前記開閉片を開閉作動させる大入賞口ソレノイド14b(図4参照)を備えており、該大入賞口ソレノイド14bを駆動制御することによって大入賞口14を前記閉鎖状態と開放状態とに夫々変換制御できる。
また、第一始動口11の左方には、三個の一般入賞口31が配設され、該第一始動口11の右方には、一個の一般入賞口31が配設されている。これら一般入賞口31は、遊技球を常時入球可能な構成である。さらに、遊技領域3の最下流部には、アウト口16が配設されており、該遊技領域3に発射された遊技球がいずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった場合に、該アウト口16に入球する。
こうした遊技領域3は、中央のセンターケース5の左側を遊技球が流下する第一流下域3aと、該センターケース5の右側を遊技球が流下する第二流下域3bとを備えており、遊技球の右打ちによって、センターケース5の上側を通過した遊技球が前記第二流下域3bを流下し、遊技球の左打ちによって、遊技球が前記第一流下域3aを流下する。そして、第二流下域3bには、前記した普通図柄作動ゲート17、第二始動口12、および大入賞口14が設けられている。そのため、第二流下域3bを狙い打つこと(所謂、右打ち)により、これら普通図柄作動ゲート17、第二始動口12、および大入賞口14に入球可能である。一方、センターケース5の直下に配設された前記第一始動口11は、遊技盤2に植設された遊技釘によって、前記第一流下域3aを流下した遊技球が入球可能となっている。そのため、第一流下域3aを狙い打つこと(所謂、左打ち)により、第一始動口11または前記した三個の一般入賞口31に入球できる。このように第一流下域3aと第二流下域3bとが構成されていることにより、遊技者は、右打ちと左打ちとを使い分けることで、各始動口11,12や大入賞口14を狙った遊技を行うことができる。尚、本実施例の第一始動口11は、遊技釘によって、第二流下域3bを流下した遊技球が入球困難となっている。
遊技盤2の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7、普通図柄保留数表示装置8、第一特別図柄保留数表示装置18、および第二特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第一特別図柄表示装置9および第二特別図柄表示装置10とが配設されている。
図3は、パチンコ機1の裏面図である。パチンコ機1の裏側には、前記遊技盤2を脱着可能に取り付けた内枠70が外枠51に収納されている。内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72、及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤2に設けられた前記の各入賞口等に遊技球の入球があると、球タンク71からタンクレール72を介して供給される遊技球が、賞球として、払出装置73により上皿55へ払い出される。また、上記したCRユニット56の貸出ボタン57および精算ボタン58が操作されると、払出装置73によって貸球が払い出される。
また、パチンコ機1の裏側には、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が配設されている。主制御装置80、演出図柄制御装置82,およびサブ統合制御装置83は、遊技盤2に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84(図4参照)、および電源基板85は、内枠70に設けられている。尚、図3では、発射制御装置84が描かれていないが、払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子板78が設けられており、該外部接続端子板78を介して、遊技状態や遊技結果を示す信号(情報)が外部(ホールコンピュータ87等)に送られる(図4参照)。尚、従来は、前記外部接続端子板78には、盤用(遊技盤側から出力される信号を外部へ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号を外部へ出力するための端子)との二種類を用いているが、本実施例では、一の外部接続端子板78を介して外部へ信号を送信している。
また、本実施例の主制御装置80には、確率設定スイッチ95と設定変更ボタン96が操作可能な位置に設けられている。これら確率設定スイッチ95と設定変更ボタン96とは、予め設定された複数の設定値のなかからいずれか一の設定値を選択してセットするためのものであり、遊技店の管理者により操作される。ここで、本実施例では、設定値1〜6の六種類が予め設定されており、各設定値1〜6には、相互に異なる大当り当選確率が割り当てられている。具体的には、図5に示すように、設定値1の大当り当選確率(低確率モード:1/300、高確率モード:1/100)が大当りに当選する確率が最も低く、設定値2(低確率モード:1/280、高確率モード:1/90)、設定値3(低確率モード:1/260、高確率モード:1/80)、設定値4(低確率モード:1/240、高確率モード:1/70)、設定値5(低確率モード:1/220、高確率モード:1/60)の順で高くなっていき、設定値6の大当り当選確率(低確率モード:1/200、高確率モード:1/50)が最も高い。このように設定値6の当選確率が、遊技者に最も有利であり、設定値1の当選確率が、最も不利である。
こうした設定値1〜6のセット方法を以下に説明する。
上記した管理者が所定の鍵を確率設定スイッチ95に挿入して所定方向(例えば、右方向)に回転させて該確率設定スイッチ95をONにして、主制御装置80のRAMクリアボタン(図示せず)を押圧操作したまま、電源を入れることにより、上記の設定値を変更可能な状態となる。この状態で、管理者が設定変更ボタン96を押圧操作することで、設定値1〜6のいずれかを選択できる。詳述すると、設定変更ボタン96を押圧操作する毎に、第一特別図柄表示装置9に「1」〜「6」の数値が順番に表示される。そして、所望の数値を第一特別図柄表示装置9に表示することで、当該数値に対応する設定値1〜6のいずれかが選択される。こうして選択した状態で、確率設定スイッチ95に挿入した鍵を回転させて初期位置に戻す操作を行うことにより、選択した設定値が確定された状態となり、当該設定値に含まれる大当りの当選確率がセットされる。このようにして、遊技店の管理者が、パチンコ機1毎に、設定値1〜6のいずれかをセットできる。尚、本実施例にあっては、一の設定値をセットすると、セットされた設定値を示す信号を、主制御装置80からサブ統合制御装置83へ送信し、サブ統合制御装置83では、受信した該信号に示された設定値をRAMに記憶する。これにより、サブ統合制御装置83では、電源OFFとなるまで、RAMに記憶した設定値が保持される。
また、確率設定スイッチ95に前記鍵を挿入して所定方向に回転させることで該確率設定スイッチ95をONにして、前記RAMクリアボタンを操作せずに、電源を入れると、現状でセットされている設定値が第一特別図柄表示装置9に表示される。この操作により、現状でセットされている設定値を確認することができる。そして、確率設定スイッチ95に挿入した鍵を回転させて初期位置に戻す操作を行うことにより、設定値の表示が終了して、通常の処理に移行する。
尚、本実施例では、確率設定スイッチ95と設定変更ボタン96との操作により、設定値を選択してセットする構成としたが、これに限定されるものでなく、他の操作手段を適用することも可能である。例えば、専用のボタンや摘まみを操作することで、設定値の選択とセットとを実行できるものであっても良い。また、本実施例では、設定値1〜6を第一特別図柄表示装置9で表示したが、これに限らず、他の表示装置で表示するようにしても良い。又は、音声により設定値を報知したり、所定のLEDの点灯態様によって設定値を報知したりすることも可能である。
図4は、パチンコ機1の電気配線を示すブロック図である。このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。そして、これら各制御装置のCPUにより、2ms周期の割込信号により各ROMに搭載されたプログラムを開始し、各種制御を実行する。
主制御装置80には、遊技盤中継端子板74を介して、第一始動口11に入球した遊技球を検出する第一始動口スイッチ11a、第二始動口12に入球した遊技球を検出する第二始動口スイッチ12a、普通図柄作動ゲート17を通過した遊技球を検出する普通ゲートスイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、一般入賞口31に入球した遊技球を夫々検出する各一般入賞口スイッチ31a等からの検出信号が入力される。
主制御装置80は、そのROMに搭載されたプログラムに従って動作して、上記の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、該コマンドを払出制御装置81およびサブ統合制御装置83へ出力する。また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板75を介して、第一特別図柄表示装置9、第二特別図柄表示装置10、および普通図柄表示装置7の表示制御を行うと共に、第一特別図柄保留数表示装置18、第二特別図柄保留数表示装置19、および普通図柄保留数表示装置8の点灯制御を行う。さらに、主制御装置80には、遊技盤中継端子板74を介して、大入賞口ソレノイド14bおよび普通電役ソレノイド13aも接続されている。主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを駆動制御することで大入賞口14を開閉制御し、普通電役ソレノイド13aを駆動制御することで、第二始動口12を開閉制御する。また、主制御装置80は、図柄変動や大当り等の管理用の信号を、外部接続端子板78を介してホールコンピュータ87に出力する。
払出制御装置81は、主制御装置80と双方向通信が可能に構成されており、主制御装置80から送信されるコマンドに応じて払出モータ90を駆動させて賞球を払い出す。本実施例では、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ91の検出信号が、主制御装置80と払出制御装置81とに入力され、両者で賞球の計数を行う構成である。
さらに、払出制御装置81には、満杯スイッチ92および球切れスイッチ93からの信号が入力される。満杯スイッチ92は、下皿63が満杯であることを検出するものであり、この検出に伴って信号を払出制御装置81に出力する。球切れスイッチ93は、球タンク(図示せず)で遊技球の貯留量が少ないこと又は貯留量が無いことを検出するものであり、この検出に伴って信号を払出制御装置81に出力する。払出制御装置81は、これら満杯スイッチ92および球切れスイッチ93から信号を入力すると、払出モータ90を駆動停止させて、賞球の払出作動を停止させる。尚、満杯スイッチ92および球切れスイッチ93は、前記検出した状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、該信号の入力停止によって、払出モータ90の駆動を再開する。
払出制御装置81は、CRユニット端子板79を介してCRユニット56と交信可能であり、貸出コマンドに応じて払出モータ90を駆動させて貸球を払い出す。CRユニット端子板79は、精算表示装置94とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置94に設けられた球貸スイッチと精算スイッチとからの信号が入力される。球貸スイッチは、貸出ボタン57の操作を検出して信号を出力するものであり、精算スイッチは、精算ボタン58の操作を検出して信号を出力するものである。また、払出制御装置81は、発射制御装置84にも接続されており、所定契機で該発射制御装置84へ発射停止コマンドを送信する。
発射制御装置84は、発射モータ97を制御して遊技球を遊技領域3に発射させるものである。この発射制御装置84には、上記した払出制御装置81の他に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ98からのタッチ信号、発射停止スイッチ99からの発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を回動操作することで出力され、タッチ信号は、遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止信号は、遊技者が発射停止スイッチ99を押すことで出力される。尚、発射制御装置84は、タッチ信号を入力していなければ、遊技球を発射しないように制御すると共に、発射停止信号が入力されているときにも、発射ハンドル64の操作に関わらず、遊技球を発射しないように制御している。
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されたデータおよびコマンドを受信し、これらを演出表示制御用、音制御用およびランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンドなどを演出図柄制御装置82へ送信し、音制御用およびランプ制御用のデータを自身に含まれている各制御部位(音声制御装置およびランプ制御装置しての機能部品)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによって、スピーカ66から音声を出力制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって、各種LEDやランプ65を発光制御する。
さらに、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68、および決定スイッチ等の操作を夫々検出するスイッチが接続されており、各スイッチが遊技者による操作を検出すると、その信号が入力される。尚、ジョグダイヤル68は、演出図柄制御装置82に接続される構成であっても良い。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から送信されたデータおよびコマンド(主制御装置80から送信されたものと、サブ統合制御装置83で主制御装置80からの入力および演出ボタン等の入力に基づいて生成されたもの)に基づく制御を行い、特別演出図柄などの演出画像を演出図柄表示装置6の画面に表示させる。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80との間は、演出中継端子板を介して主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82との間は、サブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信回路として構成されている。
図示しない電源基板は、外部のAC電源から供給される電力により直流電圧を生成する直流電源として構成されており、該電源基板に設けられた電源スイッチの操作によってパチンコ機1を構成する各部位に電力を供給する。この電源基板は、コンデンサなどから構成されるバックアップ電源を備えており、AC電源から電力供給中に該バックアップ電源に電力を蓄える。これにより、停電時には、主制御装置80等(例えば、主制御装置80のRAM等)に電力供給し、AC電源からの電力供給が停止後も、一定期間にわたって主制御装置80のRAM内のデータが保持される。尚、バックアップ電源は、主制御装置80に設けても良いし、電源基板以外の他の装置に設けて良い。この場合には、電源基板は、AC電源から電力供給されている状態で、バックアップ電源を備えた装置へ供給信号を出力し、電力供給が停止した状態で、バックアップ電源を備えた装置へ停電信号を出力する。
次に、本実施例のパチンコ機1の動作について説明する。
遊技領域3に発射された遊技球が前記第一流下域3aを流下して第一始動口11に入球(図4の第一始動口スイッチ11aが遊技球を検出)すると、第一特別図柄表示装置9で第一特別図柄が変動を開始すると共に、該入球に起因して抽出された乱数を当否判定する。そして、変動開始から所定変動時間が経過すると、第一特別図柄を停止表示することで、この当否判定の結果が報知される。
ここで、第一始動口11への入球に伴って抽出された乱数は、後述するように、第一保留記憶として記憶される。この第一保留記憶は最大四個(後述の上限値)まで記憶され、該第一保留記憶の記憶数(以下、第一保留記憶数という)は、第一特別図柄保留数表示装置18の点灯数により表される。こうして記憶された第一保留記憶を消化することにより、前記当否判定と第一特別図柄の変動とが実行される。尚、第一保留記憶数は、第一保留記憶の未消化数を示している。
一方、遊技領域3に発射された遊技球が前記第二流下域3bを流下して普通図柄作動ゲート17を通過(図4の普通ゲートスイッチ17aが遊技球を検知)すると、普通図柄表示装置7で普通図柄が変動表示を開始すると共に、該入球に起因して抽出された乱数を当否判定する。そして、変動開始から所定時間後に停止した普通図柄が所定の当り態様であると、普通電動役物の羽根部材が駆動して、第二始動口12へ遊技球が入賞可能となる。ここで、普通電動役物の羽根部材は、一回の普通図柄の当りによって、後述の非開放延長モードで0.2秒間の開放を一回実行し、後述の開放延長モードで1秒間の開放を三回実行する。
この第二始動口12に遊技球が入球(図4の第二始動口スイッチ12aが遊技球を検出)すると、第二特別図柄表示装置10で第二特別図柄が変動を開始すると共に、該入球に起因して抽出された乱数を当否判定する。そして、変動開始から所定変動時間が経過すると、第二特別図柄を停止表示することで、この当否判定の結果が報知される。
ここで、第二始動口12への入球に伴って抽出された乱数は、後述するように、第二保留記憶として記憶される。この第二保留記憶は最大四個(後述の上限値)まで記憶され、該第二保留記憶の記憶数(以下、第二保留記憶数という)は、第二特別図柄保留数表示装置19の点灯数により表される。こうして記憶された第二保留記憶を消化することにより、前記当否判定と第二特別図柄の変動とが実行される。尚、第二保留記憶数は、第二保留記憶の未消化数を示している。
こうした第一特別図柄および第二特別図柄の変動中は、演出図柄表示装置6で各特別図柄の変動に連動した特別演出図柄の変動表示を行う。この演出図柄表示装置6での特別演出図柄の変動表示と該特別演出図柄の停止態様の表示とによって、遊技者は各特別図柄の変動や当否判定の結果(大当り、小当り、又はハズレ)を知得できる。
ここで、本実施例にあって、第一特別図柄と第二特別図柄とは、第一始動口11と第二始動口12への入球順に関係無く、第二特別図柄の変動を優先して実行する。すなわち、未消化の第二保留記憶がある場合(第二保留記憶数が1個以上の場合)、未消化の第一保留記憶の有無に関係無く、該第二保留記憶が消化されて第二特別図柄の変動が開始される。そして、未消化の第二保留記憶が無い状態でのみ、第一保留記憶が消化されて第一特別図柄の変動が開始される。
前記第一保留記憶の消化により実行された当否判定結果が大当りであると、第一特別図柄表示装置9で第一特別図柄を所定の大当り図柄態様で停止させると共に、演出図柄表示装置6で特別演出図柄を大当り図柄態様により停止表示させる。これにより、大当りを確定する。同様に、前記第二保留記憶の消化により実行された当否判定結果が大当りであると、第二特別図柄表示装置10で第二特別図柄を所定の大当り図柄態様で停止させると共に、演出図柄表示装置6で特別演出図柄を大当り図柄態様により停止表示させる。これにより、大当りを確定する。このように大当りを確定すると、大入賞口14を開閉する大当り遊技を実行する。また、前記当否判定結果が小当りであると、第一特別図柄または第二特別図柄を所定の小当り図柄態様で停止させると共に、演出図柄表示装置6で特別演出図柄を小当り図柄態様により停止表示させる。これにより、小当りを確定し、大入賞口14を一回開閉する小当り遊技を実行する。
大当り遊技は、大入賞口14を開放する開放ラウンドを所定回数繰り返し実行する。大入賞口14には、後述する大入賞口ソレノイド14bの駆動によって開閉作動する扉部材が設けられている。そして、この扉部材の開閉作動により、大入賞口14が遊技球を入球可能な開放状態と入球不能な閉鎖状態とに変換される。大当り遊技では、大入賞口14を開閉する開放ラウンドが、インターバルを介して所定回数繰り返される。
ここで、本実施例では、開放ラウンドのラウンド数が異なる三種類の大当り遊技を備えており、前記した第一保留記憶または第二保留記憶の消化による当否抽選で大当りと判定された場合に、いずれか一の大当り遊技を選択的に実行する。この大当り遊技の選択は、後述するように、第一始動口11と第二始動口12への入球により抽出される乱数(後述する第一,第二大当り図柄決定用乱数)に基づいて行われる。
三種類の大当り遊技は、図5,6に示すように、大入賞口14を開放する開放ラウンドを10回実行するロングタイプと、該開放ラウンドを7回実行するミドルタイプと、該開放ラウンドを4回実行するショートタイプとであり、各開放ラウンドはインターバルを挟んで繰り返される。そして、いずれのタイプにあっても、各開放ラウンドでは、大入賞口14の開放時間が30秒経過するか、該大入賞口14に10個(規定数)の遊技球が入賞すると、該大入賞口14を閉鎖して終了する。こうした大当り遊技では、ラウンド数の最も多いロングタイプが実行された場合に、最も多くの遊技球を大入賞口14に入球可能であり、最も多くの賞球を獲得可能である。そして、前記ミドルタイプが実行された場合には、ショートタイプに比して、多くの賞球を獲得できる。
また、前記した小当り遊技は、大入賞口14を1.5秒間開放する作動を一回行うものである。こうした小当り遊技では、前記した大当り遊技に比して、賞球の獲得が困難である。
次に、本実施例のパチンコ機1の仕様について説明する。以下では、賞球数、大当り当選確率、小当り当選確率、普通図柄の当選確率、第一,第二特別図柄の変動時間、普通図柄の変動時間、および各遊技状態について説明する。その他の仕様については、従来と同様であることから、説明を省略した。
図5に示すように、各始動口11,12、大入賞口14、および一般入賞口31に入球すると、夫々に設定された数の賞球が払い出される。具体的には、第一始動口11への入球毎に3個の賞球が、第二始動口12への入球毎に5個の賞球が、大入賞口14への入球毎に13個の賞球が、一般入賞口31への入球毎に5個の賞球が、夫々払い出される。
また、本実施例の構成は、前記した当否判定で大当りに当選する確率を高くする機能を有するものであり、いわゆる確率変動機として構成されている。大当り当選確率には、低当選確率と、該低当選確率よりも高い高当選確率とが定められており、該低当選確率は、大当り遊技の終了後に低確率モードとなった場合に前記当否判定で用いられ、該高当選確率は、大当り遊技の終了後に高確率モードとなった場合に前記当否判定で用いられる。
本実施例にあっては、前述した各設定値1〜6に低当選確率と高当選確率とが夫々定められており、低確率モードの場合には、セットされた設定値1〜6により定められた低当選確率を有効とする一方、高確率モードの場合には、セットされた設定値1〜6により定められた高当選確率を有効とする。詳述すると、設定値1がセットされている場合には、低確率モードで、1/300の低当選確率を有効として当否判定を行い、高確率モードで、1/100の高当選確率を有効として当否判定を行う。また、設定値2がセットされている場合には、低確率モードで、1/280の低当選確率を有効として当否判定を行い、高確率モードで、1/90の高当選確率を有効として当否判定を行う。また、設定値3がセットされている場合には、低確率モードで、1/260の低当選確率を有効として当否判定を行い、高確率モードで、1/80の高当選確率を有効として当否判定を行う。また、設定値4がセットされている場合には、低確率モードで、1/240の低当選確率を有効として当否判定を行い、高確率モードで、1/70の高当選確率を有効として当否判定を行う。また、設定値5がセットされている場合には、低確率モードで、1/220の低当選確率を有効として当否判定を行い、高確率モードで、1/60の高当選確率を有効として当否判定を行う。また、設定値6がセットされている場合には、低確率モードで、1/200の低当選確率を有効として当否判定を行い、高確率モードで、1/50の高当選確率を有効として当否判定を行う。こうした低当選確率と高当選確率とは、第一保留記憶の消化と第二保留記憶の消化とのいずれの場合も同じものが用いられる。
尚、大当り遊技後に低確率モードと高確率モードとのいずれとなるかは、後述するように、第一始動口11と第二始動口12への入球により抽出される乱数(後述する第一,第二大当り図柄決定用乱数)に基づいて決定される。
また、本実施例にあっては、前記した普通図柄の当選確率に、前記した非開放延長モードで有効とする低当選確率と、前記した開放延長モードで有効とする高当選確率とが定められている。そして、普図保留記憶の消化により普通図柄の抽選が行われる際に、非開放延長モードの場合に前記低当選確率により当否抽選され、開放延長モードの場合に前記高当選確率により当否抽選される。ここで、非開放延長モードで有効とする低当選確率には、1/10が定められ、開放延長モードで有効とする高当選確率には、9/10が定められている。
こうした開放延長モードでは、前述したように、普通図柄が当りとなった場合に、該普通電動役物13の翼片を易入球作動パターン(1秒開放を3回)により開放作動する一方、非開放延長モードでは通常作動パターン(0.2秒開放を1回)により開放作動する。さらに、開放延長モードでは、普通図柄の変動開始から停止までに要する変動時間を、非開放延長モードに比して短くする。
また、本実施例の構成は、前述した第一特別図柄と第二特別図柄とを、非時短モードに設定された変動時間と時短モードに設定された変動時間とに従って、夫々変動する。時短モードにおける変動時間は、主に小当り確定する場合とハズレ確定する場合とで、非時短モードに比して短く設定されている。具体的には、非時短モードにおける変動時間が、小当りとハズレとの場合に平均15秒、大当りの場合に平均2分であり、時短モードにおける変動時間が、小当りとハズレとの場合に平均5秒、大当りの場合に平均2分である。
尚、第一特別図柄と第二特別図柄との変動時間には、非時短モードで選択可能となる大当り用の変動時間とハズレ用(および小当り用)の変動時間とが夫々複数設定されていると共に、時短モードで選択可能となる大当り用の変動時間とハズレ用(および小当り用)の変動時間とが夫々複数設定されている。そして、選択可能な複数の変動時間のなかから、第一,第二保留記憶の乱数(第一大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数など)に従って、一の変動時間が決定される。
また、本実施例では、大当り遊技の終了後に、通常遊技状態と確変遊技状態とのいずれか一方に移行する。ここで、通常遊技状態は、「低確率モード/非時短モード/非開放延長モード」とする遊技状態であり、確変遊技状態は、「高確率モード/時短モード/開放延長モード」とする遊技状態である。確変遊技状態は、通常遊技状態に比して遊技者に有利な遊技状態である。
そして、前記した確変遊技状態は、大当り遊技の終了後に、第一特別図柄の変動回数と第二特別図柄の変動回数との合計数(以下、特図変動回数という)が所定の上限数値に達すること、または第一特別図柄と第二特別図柄とのいずれかが後述の大当り図柄態様で確定表示されること(大当り遊技が開始されること)を終了条件として、終了する。ここで、確変遊技状態で前記特図変動回数が上限数値に達した場合には、前記通常遊技状態へ移行する。尚、終了条件に設定された上限数値は、第一特別図柄の大当り図柄態様と第二特別図柄の大当り図柄態様とに応じて夫々設定されていることから、詳細は後述する。
さらに、本実施例の構成は、リミッタ機能を備えており、前記確変遊技状態が大当り遊技を介して所定回数連続すると、次の大当り遊技の終了後には、通常遊技状態へ移行するようにしている。具体的には、確変遊技状態が大当り遊技を介して5回連続すると、5回目の大当り遊技後に通常遊技状態へ移行する。このように確変遊技状態の連続発生可能な上限回数(リミット回数)を5回に設定している。
また、本実施例では、前記した小当り当選確率が、第一特別図柄と第二特別図柄とで夫々一律(例えば、1/60)に設定されている。そのため、小当り当選確率は、前記した設定値1〜6や遊技状態(通常遊技状態、確変遊技状態)に関係無く、同じである。尚、本実施例では、小当り当選確率を一律としたが、これに限らず、上記の大当り当選確率と同様に、相互に異なる複数の小当り当選確率が各設定値に設定され、セットされた設定値の小当り当選確率を有効とするものであっても良い。
次に、第一,第二特別図柄の大当り図柄態様について、図6を用いて説明する。
前述したように、第一特別図柄は、第一保留記憶の消化に基づいて第一特別図柄表示装置9で変動表示され、変動時間の経過後に、当否判定の結果を示す図柄態様で停止表示される。同様に、第二特別図柄は、第二保留記憶の消化に基づいて第二特別図柄表示装置10で変動表示され、変動時間の経過後に、当否判定の結果を示す図柄態様で停止表示される。これら第一特別図柄と第二特別図柄とは、当否判定により大当り、小当り、又はハズレ判定することから、大当りを示す図柄態様(大当り図柄態様)、小当りを示す図柄態様(小当り図柄態様)、またはハズレを示す図柄態様(ハズレ図柄態様)で停止表示して、大当り、小当り、またはハズレを確定する。
第一特別図柄と第二特別図柄とには、夫々10種類の大当り図柄態様が予め定められており、当否判定により大当り判定された場合に、第一,第二保留記憶の大当り図柄決定用乱数に従って、いずれか一の大当り図柄態様が決定される。
本実施例にあって、第一特別図柄には、図6(A)に示すように、第1〜第10大当り図柄態様が定められており、各大当り図柄態様に、大当り遊技の内容と該大当り遊技後の遊技状態とが夫々割り当てられている。
第1〜第4大当り図柄態様には、10回のラウンド数を定めた大当り遊技と、前記した通常遊技状態とが割り当てられている。すなわち、第一特別図柄が第1〜第4大当り図柄態様のいずれかで停止表示して確定すると、開放ラウンドを10回繰り返す大当り遊技が実行され、該大当り遊技後に通常遊技状態(低確率モード/非時短モード/非開放延長モード)に移行する。
第5〜第8大当り図柄態様には、4回のラウンド数を定めた大当り遊技と、前記した確変遊技状態とが割り当てられている。すなわち、第一特別図柄が第5〜第8大当り図柄態様のいずれかで停止表示して確定すると、開放ラウンドを4回繰り返す大当り遊技が実行され、該大当り遊技後に確変遊技状態(高確率モード/時短モード/開放延長モード)に移行する。
第9,第10大当り図柄態様には、10回のラウンド数を定めた大当り遊技と、前記した確変遊技状態とが割り当てられている。すなわち、第一特別図柄が第9,第10大当り図柄態様のいずれかで停止表示して確定すると、開放ラウンドを10回繰り返す大当り遊技が実行され、該大当り遊技後に確変遊技状態(高確率モード/時短モード/開放延長モード)に移行する。
そして、前記第5〜第10大当り図柄態様により大当り遊技後に移行する確変遊技状態の終了条件として、第一特別図柄の変動回数と第二特別図柄の変動回数との合計数(特図変動回数)が100回(前記の上限数値)に達することと、第一特別図柄と第二特別図柄とのいずれかが大当り図柄態様で確定表示されること(大当り遊技が開始されること)とが設定されている。これにより、確変遊技状態は、前記二の終了条件のうちで一方が成立することによって終了する。ここで、確変遊技状態で前記特図変動回数が100回に達すると、該確変遊技状態を終了して前記通常遊技状態に移行する。
尚、本実施例にあっては、第5〜第10大当り図柄態様による大当り遊技後に確変遊技状態へ移行する際に、特図変動回数の上限数値(100回)を夫々設定する。
こうした第1〜第10大当り図柄態様を選択する確率が夫々定められている。すなわち、第一保留記憶の消化による当否抽選で大当り判定すると、各選択確率に従って第1〜第10大当り図柄態様が選択され、第一特別図柄を変動した後に、いずれかの大当り図柄態様で停止して確定表示される。具体的には、第1〜第4大当り図柄態様の選択確率が10/20、第5〜第8大当り図柄態様の選択確率が8/20、第9,10大当り図柄態様の選択確率が2/20に定められている。さらに、前記したリミッタ機能を有していることから、確変遊技状態を5回(リミット回数)連続した場合には、大当り確定すると、第1〜第4大当り図柄態様の選択確率が20/20となり、大当り遊技後に必ず通常遊技状態へ移行する。
第二特別図柄には、図6(B)に示すように、第11〜第20大当り図柄態様が定められており、上述の第一特別図柄と同様に、各大当り図画態様に、大当り遊技の内容と該大当り遊技後の遊技状態とが夫々割り当てられている。
第11,第12大当り図柄態様には、10回のラウンド数を定めた大当り遊技と、前記した通常遊技状態とが割り当てられている。すなわち、第二特別図柄が第11,12大当り図柄態様のいずれかで停止表示して確定すると、開放ラウンドを10回繰り返す大当り遊技が実行され、該大当り遊技後に通常遊技状態(低確率モード/非時短モード/非開放延長モード)に移行する。
第13,第14大当り図柄態様には、4回のラウンド数を定めた大当り遊技と、前記した確変遊技状態とが割り当てられている。すなわち、第二特別図柄が第13,第14大当り図柄態様のいずれかで停止表示して確定すると、開放ラウンドを4回繰り返す大当り遊技が実行され、該大当り遊技後に確変遊技状態(高確率モード/時短モード/非開放延長モード)に移行する。
第15〜第17大当り図柄態様には、7回のラウンド数を定めた大当り遊技と、前記した確変遊技状態とが割り当てられている。すなわち、第二特別図柄が第15〜第17大当り図柄態様のいずれかで停止表示して確定すると、開放ラウンドを7回繰り返す大当り遊技が実行され、該大当り遊技後に確変遊技状態(高確率モード/時短モード/非開放延長モード)に移行する。
第18〜第20大当り図柄態様には、10回のラウンド数を定めた大当り遊技と、前記した確変遊技状態とが割り当てられている。すなわち、第二特別図柄が第18〜第20大当り図柄態様のいずれかで停止表示して確定すると、開放ラウンドを10回繰り返す大当り遊技が実行され、該大当り遊技後に確変遊技状態(高確率モード/時短モード/非開放延長モード)に移行する。
そして、前記第13〜第20大当り図柄態様により大当り遊技後に移行する確変遊技状態の終了条件として、第一特別図柄の変動回数と第二特別図柄の変動回数との合計数(特図変動回数)が100回(前記の上限数値)に達することと、第一特別図柄と第二特別図柄とのいずれかが大当り図柄態様で確定表示されること(大当り遊技が開始されること)とが設定されており、いずれか一方の成立によって、確変遊技状態が終了する。ここで、確変遊技状態で前記特図変動回数が100回に達すると、該確変遊技状態を終了して前記通常遊技状態に移行する。
尚、本実施例にあっては、第13〜第20大当り図柄態様による大当り遊技後に確変遊技状態に移行する際に、特図変動回数の上限数値(100回)を設定する。
こうした第11〜第20大当り図柄態様を選択する確率が夫々定められている。すなわち、第二保留記憶の消化による当否抽選で大当り判定すると、各選択確率に従って第11〜第20大当り図柄態様が選択され、第二特別図柄を変動した後に、いずれかの大当り図柄態様で停止して確定表示される。具体的には、第11,第12大当り図柄態様の選択確率が10/20、第13,第14大当り図柄態様の選択確率が2/20、第15〜第17大当り図柄態様の選択確率が4/20、第18〜第20大当り図柄態様の選択確率が4/20に夫々定められている。さらに、前記したリミッタ機能により、確変遊技状態を5回連続した場合には、大当り確定すると、第11,第12大当り図柄態様の選択確率が20/20となり、大当り遊技後に必ず通常遊技状態へ移行する。
本実施例にあっては、通常遊技状態で、第一始動口11への入球が遊技者にとって有利であり、主に左打ちによる遊技が進行され易い。一方、確変遊技状態では、第二始動口12への入球が遊技者にとって有利であることから、主に右打ちによる遊技が進行され易い。
詳述すると、通常遊技状態は、「低確率モード/非時短モード/非開放延長モード」であることから、普通図柄の当選確率(1/10)が低く且つ該普通図柄の変動時間が長い。そのため、第二始動口12への入球が困難であり、常時入球可能な第一始動口11を狙った遊技を進めることが遊技者に有利と言える。一方、確変遊技状態は、「高確率モード/時短モード/開放延長モード」であることから、普通図柄の当選確率(9/10)が極めて高く且つ該普通図柄の変動時間が短いと共に、優先消化される第二特別図柄の変動時間が短い。さらに、大当り当選確率が通常遊技状態に比して高いと共に、ラウンド数の多い(7回、10回)大当りに当選する可能性が高い。そのため、普通図柄作動ゲート17と第二始動口12とを狙った遊技を進めることが遊技者に有利であり、主に右打ちによる遊技が進行され易い。こうしたことから、第一始動口11が通常遊技状態に関係付けられ且つ第二始動口12が確変遊技状態に関係付けられていると換言できる。
次に、主制御装置80で実行される各種プログラムの処理について説明する。
図7に、メインルーチンのフローチャートを示す。メインルーチンは、S10〜S80までの本処理と、該本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返されるS85の残余処理とから構成され、2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。マイコンによるハード割り込みが実行されると、先ず正常割込であるか否かを判断する(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いか否かを判断するためのものである。
S10で否定判定(すなわち、正常割り込みでないと判定)されると(S10:No)、初期設定(S15)を実行し、残余処理(S85)に移行する。この初期設定では、例えば、上記RAMの所定領域への所定値の書き込み、第一および第二特別図柄を初期図柄とする等のRAMの作業領域への各初期値の書き込み等が実行される。一方、S10で肯定判定(すなわち、正常割り込みであると判定)されると(S10:Yes)、初期値乱数の更新処理(S20)、大当り決定用乱数の更新処理(S25)、第一大当り図柄決定用乱数の更新処理(S30)、第二大当り図柄決定用乱数の更新処理(S35)、小当り図柄判定用乱数の更新処理(S40)、当り決定用乱数の更新処理(S45)、リーチ判定用乱数の更新処理(S50)、変動パターン決定用乱数の更新処理(S55)、入賞確認処理(S60)、当否判定処理(S65)、特別遊技処理(S70)、不正監視処理(S75)、画像出力処理等の各出力処理(S80)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内で初期値乱数の更新処理(S85)をループ処理する。
次に、主制御装置80で実行する始動入賞処理を、図8のフローチャートを用いて説明する。この始動入賞処理は、前記したメインルーチンの入賞確認処理(S60)でコールされるサブルーチンの一つである。
始動入賞処理では、S100で、第一始動口スイッチ11aが遊技球を検知したか否かを判定する。否定判定の場合には(S100:No)、S120に進み、肯定判定の場合には(S100:Yes)、S105に進む。S105では、第一保留記憶数が上限値(例えば、4個)に達しているか否かを判定する。肯定判定の場合には(S105:Yes)、S120へ進み、否定判定の場合には(S105:No)、S110に進む。
S110では、第一抽出乱数保留記憶処理を実行する。この第一抽出乱数保留記憶処理では、第一大当り決定用乱数、第一大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、第一保留記憶として記憶すると共に、第一保留記憶数を示す第一保留数カウンタに1を加算して、該第一保留数カウンタの情報に従って第一特別図柄保留数表示装置18を点灯させるために必要な処理を行う。
S110から続くS115では、第一保留コマンド送信処理を実行する。第一保留コマンド送信処理は、該S110により更新された第一保留数カウンタ(第一保留記憶数)の情報を、サブ統合制御装置83に送信する。
S120では、第二始動口スイッチ12aが遊技球を検知したか否かを判定する。否定判定の場合には(S120:No)、始動入賞処理を終了し、肯定判定の場合には(S120:Yes)、S125に進む。S125では、第二保留記憶数が上限値(例えば、4個)に達しているか否かを判定する。肯定判定の場合には(S125:Yes)、S140に進み、否定判定の場合には(S125:No)、S130に進む。
S130では、第二抽出乱数保留記憶処理を実行する。この第二抽出乱数保留記憶処理では、第二大当り決定用乱数、第二大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、第二保留記憶として記憶すると共に、第二保留記憶数を示す第二保留数カウンタに1を加算して、該第二保留数カウンタの情報に従って第二特別図柄保留数表示装置19を点灯させるために必要な処理を行う。
S130から続くS135では、第二保留コマンド送信処理を実行する。第二保留コマンド送信処理は、S130により更新された第二保留数カウンタ(第二保留記憶数)の情報を、サブ統合制御装置83に送信する。このS135の後に、始動入賞処理を終了する。
S125の肯定判定から続くS140では、確変遊技状態(確変フラグ=1)であるか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S140:Yes)、S145に進み、否定判定の場合には(S140:No)、始動入賞処理を終了する。
S145では、第二入球コマンド送信処理を実行する。第二入球コマンド送信処理は、第二保留記憶数が満杯である情報と第二始動口12に入球したことを示す情報とを、サブ統合制御装置83に送信する。このS145の後に、始動入賞処理を終了する。
次に、主制御装置80で実行する当否判定処理を、図9〜12のフローチャートを用いて説明する。この当否判定処理は、前記したメインルーチンの当否判定処理(S65)でコールされるサブルーチンの一つである。
当否判定処理では、図9に示すように、特別電動役物の作動中(すなわち、大当り遊技または小当り遊技の実行中)であるか否かを判定する(S150)。そして、肯定判定の場合には(S150:Yes)、当否判定処理を終了し、否定判定の場合には(S150:No)、S155に進む。S155では、第一特別図柄または第二特別図柄の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S155:Yes)、図11のS300に進み、否定判定の場合には(S155:No)、S160に進む。S160では、第一特別図柄または第二特別図柄の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S160:Yes)、図12のS350に進み、否定判定の場合には(S160:No)、S165に進む。
S165では、未消化の第二保留記憶があるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S165:Yes)、S170に進み、否定判定の場合には(S165:No)、S175に進む。S170では、第二保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い未消化の第二保留記憶を選択して、当該第二保留記憶に記憶された情報(乱数等の数値データ)を第二大当り判定用の所定のバッファに移動させる。こうして第二保留記憶を消化する。
S175では、未消化の第一保留記憶があるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S175:Yes)、S180に進み、否定判定の場合には(S175:No)、当否判定処理を終了する。S180では、第一保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い未消化の第一保留記憶を選択して、当該第一保留記憶に記憶された情報(乱数等の数値データ)を第一大当り判定用の所定のバッファに移動させる。こうして第一保留記憶を消化する。
尚、本実施例の当否判定処理では、第一保留記憶よりも第二保留記憶を優先して、当否判定の対象とする。そのため、第一保留記憶は、未消化の第二保留記憶が無い場合にのみ、当否判定の対象となる。
S185では、確変フラグが1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S185:Yes)、S190に進み、否定判定の場合には(S185:No)、S195に進む。ここで、確変フラグ=1は、前記した確変遊技状態(「高確率モード/時短モード/開放延長モード」)であることを示し、該確変フラグ=0は、前記した通常遊技状態(「低確率モード/非時短モード/非開放延長モード」)であることを示す。
S190では、セットされた設定値1〜6と高確率モードとに対応する当否判定用テーブル(確変テーブル)を選択し、選択した確変テーブルに基づいて、大当り判定用のバッファに移動された大当り判定用乱数を、大当りか否か判定する。ここで、本実施例では、選択した確変テーブルに基づいて、大当り判定用乱数が、小当りか否かも判定する。さらに、S190では、確変遊技状態(確変フラグ=1)で実行可能な当否判定の残り回数(特図変動回数の上限数値に達するまでの残数)をデクリメントする。この残り回数(以下、特図変動回数の残数という)は、第一保留記憶の消化と第二保留記憶の消化とのいずれでもデクリメントされる。
このS190の処理後に、S200に進む。
一方、S195では、セットされた設定値1〜6と低確率モードとに対応する当否判定用テーブル(通常テーブル)を選択し、選択した通常テーブルに基づいて、大当り判定用のバッファに移動された大当り判定用乱数を、大当りか否か判定する。ここで、本実施例では、選択した通常テーブルに基づいて、大当り判定用乱数が、小当りか否かも判定する。このS195の処理後に、S200に移行する。
S200では、S190又はS195の判定結果に基づいて、大当りか否かを判定し、肯定判定の場合には(S200:Yes)、S205に進み、否定判定の場合には(S200:No)、S220に進む。
S205では、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数(大当り判定用のバッファ内の大当り図柄決定用乱数)に基づいて、特別図柄の大当り図柄態様を決定する。詳述すると、第一保留記憶を消化した場合には、大当り図柄決定用乱数に基づいて、前記した第1〜第10大当り図柄態様のなかから一の大当り図柄態様を決定する(図6(A)参照)。一方、第二保留記憶を消化した場合には、大当り図柄決定用乱数に基づいて、前記した第11〜第20大当り図柄態様のなかから一の大当り図柄態様を決定する(図6(B)参照)。これら第1〜第10大当り図柄態様の決定と第11〜第20大当り図柄態様の決定とは、前述したように、予め定められた選択確率に従って行われる。
ここで、第一保留記憶を消化した場合にあっては、第1〜第4大当り図柄態様のいずれかを選択する確率が50%であり、第5〜第8大当り図柄態様のいずれかを選択する確率が40%であり、第9,第10大当り図柄態様のいずれかを選択する確率が10%である。すなわち、第一保留記憶の消化により大当り判定した場合に、大当り遊技後に前記した通常遊技状態(低確率モード/非時短モード/非開放延長モード)に移行する確率が50%であり、確変遊技状態(高確率モード/時短モード/開放延長モード)に移行する確率が50%である。また、確変遊技状態(確変フラグ=1)では、大当り遊技を介して確変遊技状態が連続した回数(確変回数)を参照して、該確変回数が前記リミット回数(5回)に達したか否かを判定する。そして、リミット回数に達していない場合には、前記の選択確率により、第1〜第10大当り図柄態様が選択決定される一方、該リミット回数に達している場合には、第1〜第4大当り図柄態様のみを選択する選択確率(100%)に従って、該第1〜第4大当り図柄態様のいずれか一を決定する。
一方、第二保留記憶を消化した場合にあっては、第11,第12大当り図柄態様のいずれかを選択する確率が50%であり、第13,第14大当り図柄態様のいずれかを選択する確率が10%であり、第15〜第17大当り図柄態様のいずれかを選択する確率が20%であり、第18〜第20大当り図柄態様のいずれかを選択する確率が20%である。すなわち、第二保留記憶の消化により大当り判定した場合に、大当り遊技後に前記した通常遊技状態(低確率モード/非時短モード/非開放延長モード)に移行する確率が50%であり、確変遊技状態(高確率モード/時短モード/開放延長モード)に移行する確率が50%である。また、確変遊技状態(確変フラグ=1)では、大当り遊技を介して確変遊技状態が連続した回数(確変回数)を参照して、該確変回数が前記リミット回数(5回)に達したか否かを判定する。そして、リミット回数に達していない場合には、前記の選択確率により、第11〜第20大当り図柄態様が選択決定される一方、該リミット回数に達している場合には、第11,第12大当り図柄態様のみを選択する選択確率(100%)に従って、該第11,第12大当り図柄態様のいずれか一を決定する。
尚、確変回数は、後述するように大当り遊技を介して確変遊技状態が連続する毎にカウントされる(図15のS630参照)。
続くS210の変動パターン決定処理では、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等(大当り判定用のバッファ内の変動パターン決定用乱数等)と前記確変フラグとに基づいて、特別図柄の変動時間を決定し、該変動時間に応じて特別図柄の変動パターンを決定する。
詳述すると、確変フラグに応じて、選定可能な特別図柄の変動時間が予め定められており、前記した変動パターン決定用乱数等に従って特別図柄の変動時間が決定される。すなわち、確変フラグ=0の場合(通常遊技状態)には、非時短モードであることから、非時短モードに対応する特別図柄の変動時間を選択可能とし、消化した保留記憶の変動パターン決定用乱数等により特別図柄の変動時間を決定する。一方、確変フラグ=1の場合(確変遊技状態)には、時短モードであることから、時短モードに対応する特別図柄の変動時間を選択可能とし、変動パターン決定用乱数等により変動時間を決定する。
続くS215では、前記S205で決定した大当り遊技内容に従って、大当り遊技のラウンド数と、大当り遊技後の遊技状態とを設定する(図6参照)。ここで、大当り遊技後に通常遊技状態に移行する場合には、前記低確率モード、非時短モード、および非開放延長モードにすることを決定する。一方、確変遊技状態に移行する場合には、前記した高確率モード、時短モード、および開放延長モードにすることを決定すると共に、前記特図変動回数の上限数値を決定する。さらに、S215では、大当り遊技に係る演出時間や演出パターン(大当り開始演出と大当り終了演出との演出時間や演出パターン)、およびインターバル時間等も設定する。
このS215の後に、S250に進む。
S220では、前記S190又はS195の判定結果に基づいて、小当りか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S220:Yes)、S225に進み、否定判定の場合には(S220:No)、S240に進む。
S225では、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき小当り図柄を決定し、S230に進む。
S230の変動パターン決定処理では、前記S210と同様に、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等(大当り判定用のバッファ内の変動パターン決定用乱数等)と前記確変フラグとに基づいて、特別図柄の変動時間を決定し、該変動時間に応じて特別図柄の変動パターンを決定する。
続くS235では、小当り遊技における大入賞口14の開放作動パターンや小当り遊技に係る演出時間等を設定し、S250に進む。
さらに、前記S220の否定判定から続くS240では、前記S210と同様に、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等(大当り判定用のバッファ内の変動パターン決定用乱数等)と前記確変フラグとに基づいて、特別図柄の変動時間や変動パターンを決定する。さらにS240では、これに先だって、ハズレ図柄を決定する処理を行う。続くS245では、ハズレにかかる処理を行い、S250に進む。
尚、本実施例では、S240でハズレ図柄を決定する処理を行うようにしたが、これに限らず、S240の前に、ハズレ図柄を決定する処理を備えた構成であっても良い。
S250では、前記S170およびS180でデクリメントした後における第一保留記憶数と第二保留記憶数とを示す保留数コマンドと、前記S190およびS195で判定された当否判定結果の情報(大当り、小当り、又はハズレ)の情報を含むコマンドと、前記S205で決定した大当り遊技内容や特別図柄の変動時間や特別図柄の停止態様等を含む変動開始コマンドとをサブ統合制御装置83に送信する。この変動開始コマンドには、消化された保留記憶が第一保留記憶か第二保留記憶かを示す情報も含む。さらに、消化された保留記憶に応じて、第一特別図柄表示装置9または第二特別図柄表示装置10を駆動制御して第一特別図柄または第二特別図柄を変動開始させ、当否判定処理を終了する。
尚、サブ統合制御装置83は、こうしたコマンドを受信すると、該コマンドに示された情報(第一保留記憶数および第二保留記憶数、特別図柄の変動時間、当否判定結果、特別図柄の停止態様、大当り遊技内容など)を所定のバッファに記憶する。そして、サブ統合制御装置83は、前記変動開始コマンドに伴って演出図柄制御装置82へコマンドを送信し、該演出図柄制御装置82は、受信した該コマンドに従って演出図柄表示装置6を駆動制御して、特別図柄の停止図柄態様および変動パターンの情報に対応する特別演出図柄の表示を開始する。
前記したS155の肯定判定から続く図11のS300では、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S300:Yes)、S305に進み、否定判定の場合には(S300:No)、当否判定処理を終了する。S305では、特別図柄の変動表示を終了し、特別図柄の確定図柄(すなわち、上記したS205で決定した大当り図柄、S225で決定した小当り図柄、又はS240で決定したハズレ図柄)を表示させると共に、サブ統合制御装置83に、演出図柄の確定表示を実行させる図柄確定コマンドを送信し、当否判定処理を終了する。
前記したS160の肯定判定から続く図12のS350では、特別図柄の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S350:Yes)、S355に進み、否定判定の場合には(S350:No)には、当否判定処理を終了する。S355では、特別図柄の確定表示を終了し、S360に進む。S360では、確定表示された特別図柄が大当り図柄態様か否かを判定し、肯定判定の場合には(S360:Yes)、S365に進み、否定判定の場合には(S360:No)、S410に進む。S365では確変フラグを参照し、該確変フラグ=1である場合には、確変フラグをクリアする(S370)と共に前記特図変動回数の残数をクリアして(S380)、S390に進む。その後、状態指定コマンド送信処理(S390)、条件装置作動開始処理(S395)、役物連続作動装置作動開始処理(S400)、大当り開始演出処理(S405)を順次実行することで、大当り遊技の態様を示すコマンドや、大当り遊技の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置83に送信する等して大当り遊技を開始し、当否判定処理を終了する。
ここで、本実施例の状態指定コマンド送信処理(S390)にあっては、確変フラグがクリアされた場合に(S370)、確変遊技状態の終了を示す情報を、サブ統合制御装置83に送信する。
一方、前記S360の否定判定から続くS410では、確変フラグを参照し、確変フラグ=1である場合には(S410:Yes)、確変モード中に実行可能な当否判定の残り回数(特図変動回数の残数)を参照する(S415)。そして、特図変動回数の残数=0である場合には(S415:Yes)、確変フラグをクリアし(S420)、S440に進む。一方、S415の否定判定の場合には(S415:No)、S440に進む。
S440では、状態指定コマンド送信処理を実行する。本実施例の状態指定コマンド送信処理(S440)では、確変フラグがクリアされた場合に(S420)、確変遊技状態の終了を示す情報を、サブ統合制御装置83に送信する。
続くS445では、確定表示された特別図柄が小当りになる図柄か否かを判定し、肯定判定の場合には(S445:Yes)、S450に移行し、特別電動役物作動開始処理(S450)、小当り開始演出処理(S455)を順次実行することで、小当り遊技の態様を示すコマンドや、小当り遊技の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置83に送信する等して小当り遊技を開始し、当否判定処理を終了する。また、S445で否定判定の場合(S445:No)には、当否判定処理を終了する。
次に、主制御装置80で実行する大当り遊技処理を、図13〜15のフローチャートを用いて説明する。この大当り遊技処理は、上記した当否判定処理により大当りとなった場合に、上記したメインルーチンの特別遊技処理(S60)から実行される処理である。
大当り遊技処理では、図13に示すように、役物連続作動装置の作動中(すなわち、大当り遊技の実行中)であるか否かを判定する(S500)。ここで、肯定判定の場合には(S500:Yes)、S505に進み、否定判定の場合には(S500:No)、大当り遊技処理を終了する。
S505では、大入賞口14の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S505:Yes)、図14のS550に進み、否定判定の場合には(S505:No)、S510に進む。
S510では、大当り遊技における開放ラウンド間のインターバル中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S510:Yes)、図14のS570に進み、否定判定の場合には(S510:No)、S515に進む。S515では、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S515:Yes)、図15のS600に進み、否定判定の場合には(S515:No)、S520に進む。
S520では、大当り遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S520:Yes)、S525に進み、否定判定の場合には(S520:No)、大当り遊技処理を終了する。
S525では、大入賞口14を開放させる大入賞口開放処理を実行する。この大入賞口開放処理では、大入賞口14の開放開始と同期して、開放ラウンドにおける大入賞口14の最大開放時間として予め設定された開放時間(例えば、30秒)の時間消化を開始する。この大入賞口開放処理の後に、大当り遊技処理を終了する。ここで、開放時間の時間消化は、開放タイマの減算処理により行う。具体的には、開放タイマは、前記開放時間(30秒)に相当するカウンタ値が予め設定されており、大当り遊技処理の実行毎に(タイマ割り込み処理毎に)当該カウンタ値を減算する処理を実行し、当該カウンタ値=0となった時点で開放時間が経過したとするものである。尚、当然ながら、開放時間の計測手段は、こうした開放タイマの減算処理に限らず、他の手段を用いることも可能である。
前記S505の肯定判定から続く図14のS550では、大入賞口14に入球した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。肯定判定の場合には(S550:Yes)、S560に進み、否定判定の場合には(S550:No)、S555に進む。S555では、上記した開放タイマの時間消化により開放時間(30秒)が経過したか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S555:Yes)、S560に進み、否定判定の場合には(S555:No)、大当り遊技処理を終了する。S560では、大入賞口閉鎖処理を実行し、大入賞口14を閉鎖させる(開放ラウンドを終了する)。続くS565では、大当り遊技の各開放ラウンド間のインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、大当り遊技処理を終了する。
前記S510の肯定判定から続く図14のS570では、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S570:Yes)、S575に進み、否定判定の場合には(S570:No)、大当り遊技処理を終了する。S575では、最終ラウンドの終了か否かを判定し、肯定判定の場合には(S575:Yes)、S580に進み、否定判定の場合には(S575:No)、S585に進む。
S580では、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行する。このS580の後に、大当り遊技処理を終了する。
S585では、大入賞口開放処理を実行する。この処理では、前記したS525と同様の処理を行い、大入賞口14を開放させると共に、開放時間(30秒)の時間消化を開始する。
また、S515の肯定判定から続く図15のS600では、大当り終了演出の時間が終了したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S600:Yes)、S605に進み、該S605とS610とを順次実行する一方、否定判定の場合には(S600:No)、大当り遊技処理を終了する。S605とS610とでは、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、S615に進む。S615では、大当り遊技後に前記確変遊技状態に移行するか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S615:Yes)、確変遊技状態中に実行可能な当否判定の回数(特図変動回数の上限数値)を設定し(S620)、確変フラグ=1とする(S625)。
ここで、確変遊技状態に移行する場合には、高確率モード、時短モード、および開放延長モードとすることから、S620で、前記当否判定処理のS215で決定した特図変動回数の上限数値を参照して、当該上限数値を特図変動回数の残数に設定する。
続くS630では、リミット回数カウント処理を実行し、確変回数をインクリメントする。この確変回数は、前述したように、大当り遊技を介して連続する確変遊技状態の回数を示すものであり、該確変遊技状態に移行する毎にカウントされる。そして、大当り遊技後に通常遊技状態へ移行される場合に、確変回数がリセットされる。こうして確変回数をカウントし、該確変回数がリミット回数(5回)に達すると、前述したように当否判定処理で通常遊技状態へ移行する大当り図柄態様(第1〜第4、第11,第12大当り図柄態様)が選択される。このS630の後に、S640に進む。
S640とS645とでは、サブ統合制御装置83に対して、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドを送信する処理と、状態指定コマンド送信処理とを実行し、大当り遊技処理を終了する。ここで、本実施例にあっては、S645で、大当り遊技後に移行する遊技状態(通常遊技状態または確変遊技状態)の情報を、サブ統合制御装置83へ送信する。
次に、本発明の要部について説明する。
本実施例の構成にあって、確変遊技状態は、前述したように、普通図柄作動ゲート17と第二始動口12とを狙う右打ちによる遊技が遊技者にとって有利であり、該右打ちにより第二流下域3bを流下する遊技球が該第二始動口12に入球し易い。そして、第二保留記憶が第一保留記憶より優先して消化されることから、確変遊技状態では、第二保留記憶が貯まり易く且つ該第二保留記憶が次々と消化される。
こうした確変遊技状態では、第二保留記憶数の上限値(4個)を超える第二始動口12への入球に基づいて、遊技店の管理者によりセットされた前記設定値1〜6を示唆する示唆図柄101(図18参照)を、演出図柄表示装置6で表示する。具体的には、確変遊技状態で、第二保留記憶数が上限値に達している状況において、第二始動口12に入球する毎に入球数をカウントする。そして、この入球数が所定単位数増加する毎に、抽選により前記示唆図柄101を表示するか否かを決定する。
本実施例では、サブ統合制御装置83が、前記した第二保留記憶数の上限値を超える第二始動口12への入球数をカウントする処理と、該入球数の所定単位数増加毎に示唆図柄101を表示するか否かを抽選する処理と、演出図柄表示装置6を駆動制御して示唆図柄101を表示させる処理とを実行する。これら各処理は、後述する示唆演出制御処理(図17)により行う。
ここで、前記した示唆図柄101を表示するか否かの抽選は、セットされている設定値1〜6と該抽選時点での前記第一保留記憶数とにより選択される示唆確率に従って行う。具体的には、示唆図柄101の表示を抽選するための乱数(以下、示唆抽選乱数という)を抽出し、この示唆抽選乱数を、前記示唆確率により定められた示唆確率テーブルに従って判定する。そして、この判定結果により、示唆図柄101を表示するか否かを決定する。
本実施例にあっては、図16に示すように、相互に異なる複数の示唆確率が設定されており、各示唆確率により夫々定められた複数の示唆確率テーブル(図示せず)を備えている。そして、セットされている設定値1〜6と抽選時点での第一保留記憶数とにより、一の示唆確率が定められた示唆確率テーブルが選択され、選択された示唆確率テーブルを用いて前記示唆抽選乱数を判定する。
セットされている設定値1〜6の情報は、電源投入時に主制御装置80から送信される。サブ統合制御装置83は、受信した設定値の情報をRAMに記憶することから、少なくとも電源が入っている状態ではRAMに記憶された設定値を随時確認することができる。一方、第一保留記憶数の情報は、前述したように、始動入賞処理のS115により主制御装置80から送信される。サブ統合制御装置83は、主制御装置80から第一保留記憶数の情報を受信する毎に更新し、常に最新の該情報を記憶する。尚、第一保留記憶数は、前述したように、第一始動口11への入球により記憶された第一保留記憶の未消化数であり、主に右打ちによる遊技が進行する確変遊技状態では増加し難いものの、該第一保留記憶が消化され難いことから、第一始動口11を狙う左打ちにより貯めることも可能である。
図16に示すように、こうした設定値1〜6の情報と第一保留意記憶数の情報とにより選択可能な示唆確率テーブルの示唆確率が設定されている。
本実施例にあって、設定値1,2がセットされている場合には、第一保留記憶数に関係無く、選択可能な示唆確率テーブルが設定されていない。すなわち、設定値1,2がセットされている機台では、示唆確率が0%であるため、示唆図柄101が表示されない。
設定値3がセットされている場合には、第一保留記憶数が2個以下であると、示唆確率=10%の示唆確率テーブルが選択され、該第一保留記憶数が3個であると、示唆確率=20%の示唆確率テーブルが選択され、該第一保留記憶数が上限値(4個)であると、示唆確率=30%の示唆確率テーブルが選択される。
設定値4がセットされている場合には、第一保留記憶数が2個以下であると、示唆確率=20%の示唆確率テーブルが選択され、該第一保留記憶数が3個であると、示唆確率=30%の示唆確率テーブルが選択され、該第一保留記憶数が上限値(4個)であると、示唆確率=40%の示唆確率テーブルが選択される。
設定値5がセットされている場合には、第一保留記憶数が2個以下であると、示唆確率=30%の示唆確率テーブルが選択され、該第一保留記憶数が3個であると、示唆確率=40%の示唆確率テーブルが選択され、該第一保留記憶数が上限値(4個)であると、示唆確率=50%の示唆確率テーブルが選択される。
設定値6がセットされている場合には、第一保留記憶数が2個以下であると、示唆確率=40%の示唆確率テーブルが選択され、該第一保留記憶数が3個であると、示唆確率=50%の示唆確率テーブルが選択され、該第一保留記憶数が上限値(4個)であると、示唆確率=60%の示唆確率テーブルが選択される。
こうした選択可能な示唆確率テーブルは、設定値が大きくなるにつれて(遊技者が有利になるにつれて)、示唆確率の高いものが選択されると共に、第一保留記憶数が多くなるにつれて、示唆確率の高いものが選択される。すなわち、遊技者に有利な設定値がセットされていると、示唆図柄101が表示される確率が高くなり、また、第一保留記憶数が多いほど、該示唆図柄101が表示される確率が高くなる。そして、遊技者に不利な設定値1,2がセットされていると、第一保留記憶数に関係無く、示唆図柄101が表示されない。
次に、前記した示唆演出制御処理を、図17に示すフローチャートを用いて説明する。この示唆演出制御処理は、サブ統合制御装置83で定期的(例えば、2ms周期のタイマ割り込み処理)に実行される処理であり、前記した始動入賞処理、当否判定処理、および大当り遊技処理により主制御装置80から送信される情報に従って実行される。
示唆演出制御処理は、S800で、確変遊技状態であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S800:Yes)、S805に進み、否定判定の場合には(S800:No)、示唆演出制御処理を終了する。ここで、サブ統合制御装置83には、前述したように、確変遊技状態に移行することを示す情報が、大当り遊技処理のS645により主制御装置80から送信され、該確変遊技状態の終了を示す情報が、当否判定処理のS390とS440とにより主制御装置80から送信される。S800では、これら確変遊技状態の開始と終了とを示す情報を参照して判定を行う。
S805では、前述した始動入賞処理のS145により発せられた信号(情報)を受信したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S805:Yes)、S810に進み、否定判定の場合には(S805:No)、示唆演出制御処理を終了する。ここで、始動入賞処理のS145では、前述したように、第二保留記憶数が上限値(4個)に達している状態で第二始動口12に入球すると、該入球を示す信号(情報)を送信する。そのため、この信号を受信したか否かにより、第二保留記憶数が上限値(4個)に達している状態で第二始動口12に入球したか否かがわかる。
S810では、第二始動口12に入球した入球数を示す入球カウンタに1加算する処理を行う。この処理により、確変遊技状態で第二保留記憶数の上限値を超える第二始動口12への入球数がカウントされる。
続くS820では、前記入球カウンタ(入球数)が予め定められた単位数以上か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S820:Yes)、S825に進み、否定判定の場合には(S820:No)、示唆演出制御処理を終了する。ここで、本実施例では、前記単位数=1としている。そのため、前記入球カウンタが増加する毎(第二保留記憶数が上限値(4個)に達している状態で、第二始動口12へ入球する毎)に、S820は肯定判定される。
尚、前記単位数=1とした場合には、前記S810とS820とを省略することが可能である。すなわち、前記S805で肯定判定した場合にS825に進む構成としても、S810とS820とを介してS825に進む構成と、実質的に同じである。
S825では、前記示唆抽選乱数を抽出する処理を行う。この示唆抽選乱数は、所定個数(例えば、100個)の整数値をとり、定期的(前記のタイマ割り込み処理毎)に昇順に作成される。このS825の後に、S830に進む。
S830では、前記示唆確率テーブルを選択する処理を行う。ここで、示唆確率テーブルは、前述したように、示唆図柄101を表示する示唆確率により定められており、該示唆確率に従って、S825で抽出した示唆抽選乱数を判定するものである。このS830の処理では、セットされている設定値1〜6の情報と第一保留記憶数の情報とにより、一の示唆確率テーブル(示唆確率)を選択して有効とする(図16参照)。例えば、設定値4がセットされており、第一保留記憶数=3である場合には、示唆確率=30%に設定された示唆確率テーブルが選択される。
尚、セットされている設定値1〜6の情報は、前述したように、電源投入時に送信されてRAMに記憶していることから、サブ統合制御装置83は、該RAMに記憶された設定値の情報を随時確認することができる。さらに、第一保留記憶数の情報は、前述したように、始動入賞処理のS115により主制御装置80から送信される毎に更新されて記憶されていることから、サブ統合制御装置83は、記憶された第一保留記憶数の情報を随時確認できる。
S835では、前記S825で抽出した示唆抽選乱数を、前記S830で有効とした示唆確率テーブルを用いて判定して、前記示唆図柄101を表示するか否かを決定する。このS835の後にS840へ進み、入球カウンタをクリアし、S845に進む。
S845では、前記S835で示唆図柄101の表示を決定したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S845:Yes)、S850に進み、否定判定の場合には(S845:No)、示唆演出制御処理を終了する。
S850では、示唆図柄101を演出図柄表示装置6で表示する処理を実行する。この処理では、演出図柄表示装置6で表示中の演出を制御する演出表示パターンに、示唆図柄101を表示するための示唆表示パターンを重ねることにより、該示唆図柄101を表示する。これにより、例えば、前記した特別演出図柄の変動表示中の状態では、演出図柄表示装置6で該特別演出図柄の変動と示唆図柄101とが一緒に表示される。同様に、リーチ演出中では、該リーチ演出と示唆図柄101とが一緒に表示される。尚、このように二種類の表示パターンを重ね合わせて表示する処理は、従来から公知のものを適用できるため、その詳細を省略する。
次に、前記示唆図柄101を表示する態様について、図18を用いて説明する。
例えば、確変遊技状態では、遊技者が積極的に右打ちすることにより、第二始動口12に入球し易く、第二保留記憶が貯まっていくと共に、前記時短モードにより第二特別図柄の変動時間が短いことから、該第二保留記憶が次々と消化される。
こうした確変遊技状態で、第二特別図柄の変動中は、第二保留記憶を消化しないことから、第二始動口12への入球に伴って第二保留記憶数が増加する。そして、第二保留記憶数が上限値(4個)に達すると、第二始動口12への入球により新たな第二保留記憶が生成されない。確変遊技状態では、前述したように第二始動口12へ入球し易いことから、第二保留記憶数が上限値(4個)に達し易い。
確変遊技状態にあって、演出図柄表示装置6では、第二特別図柄の変動に伴って、図18(A)に示すように特別演出図柄110a〜110cが変動表示される。さらに、本実施例にあっては、演出図柄表示装置6の画面左下部に定められた第一保留記憶数表示領域115に、第一保留記憶数を示す第一保留図柄116が表示され、画面右下部に定められた第二保留記憶数表示領域118に、第二保留記憶数を示す第二保留図柄119が表示される。第一保留記憶数表示領域115では、第一保留図柄116の表示数により第一保留記憶数を報知し、第二保留記憶数表示領域118では、第二保留図柄119の表示数により第二保留記憶数を報知する。また、演出図柄表示装置6の画面では、確変遊技状態であることを示すメッセージ図柄112が表示される。
前記第二特別図柄の変動中に第二保留記憶数が上限値(4個)に達すると、図18(B)に示すように、第二保留記憶数表示領域118で、四個の第二保留図柄119が表示される。この状態で、さらに第二始動口12へ遊技球が入球すると、該入球の信号が主制御装置80からサブ統合制御装置83へ送信される。これに伴って、サブ統合制御装置83では、前記した示唆演出制御処理(図17)により、抽出した示唆抽選乱数を示唆確率テーブルに従って判定し、示唆図柄101の表示か非表示かを決定する。
ここで、設定値5がセットされた機台であって、前記上限値を超える第二始動口12への入球時点で第一保留記憶数が1個であると、示唆確率=30%に定められた示唆確率テーブルが選択され、当該示唆確率テーブルにより示唆抽選乱数を判定する。そして、この判定結果により示唆図柄101の表示を決定すると、図18(C)に示すように、演出図柄表示装置6で示唆図柄101が表示される。本実施例の示唆図柄101は、花吹雪の図柄であり、前記特別演出図柄110a〜110cの変動表示に重ねて表示される。
尚、こうして表示される示唆図柄101は、予め定められた終了条件の成立を契機として、表示終了する。本実施例にあって、この終了条件として、示唆図柄101の表示開始から所定時間(例えば、3秒)を経過することと、新たな保留記憶が消化されることとが設定されており、いずれか一方を満足することにより成立する。
一方、示唆確率テーブルによる判定で示唆図柄101の非表示を決定した場合には、図18(D)に示すように、示唆図柄101を表示することなく、特別演出図柄110a〜110cの変動表示が継続する。
本実施例では、相互に異なる複数の示唆確率により夫々定められた複数の示唆確率テーブルから一を選択し、選択した示唆確率テーブルに従って示唆図柄101の表示か非表示かを判定することから、選択する示唆確率テーブルに応じて、該示唆図柄101を表示する確率が異なる。そして、表示する示唆図柄101は、花吹雪を模した一種類の図柄であり、セットされている設定値1〜6を直接的に示唆するもので無く、該示唆図柄101の出現率(上限数値を超えて入球した回数に対する、示唆図柄101の表示割合)によって該設定値1〜6を示唆するものである。すなわち、確変遊技状態で、第二保留記憶数の上限値を超える第二始動口12への入球を生じた状況が、複数回発生し、そのなかで示唆図柄101が表示される出現率をみることによって、セットされている設定値1〜6を遊技者が推測できる。
具体的に述べると、確変遊技状態で第二保留記憶数が上限値に達している場合に、第二始動口12への入球に伴って、演出図柄表示装置6で示唆図柄101が表示されると、設定値1,2以外の設定値3〜6がセットされているとわかる。これは、設定値1,2での示唆確率が0%であることに因る(図16参照)。逆に、第二保留記憶数が上限値に達している場合に、第二始動口12への入球が幾度発生しても、示唆図柄101が表示されなければ、設定値1,2がセットされていると推測できる。また、示唆図柄101の前記出現率が多いほど、大当り当選確率の高い設定値がセットされていると推測できる。さらに、第一保留記憶数が多くなるにつれて、示唆確率の高い示唆確率テーブルが選択されることから、該第一保留記憶数が上限値または該上限値に近い状態では、示唆図柄101が表示され易い。そのため、示唆図柄101の出現率を確認し易く、セットされている設定値を絞り込み易い。
かかる本実施例の構成にあっては、確変遊技状態における第二保留記憶数と第二始動口12への入球とに基づいて示唆図柄101の表示が決まることから、該確変遊技状態となると、該第二始動口12への入球と第二保留記憶数とに遊技者の関心を効果的に惹き付けることができる。ここで、従来の(一般的な)確変遊技状態では、遊技者に有利な第二流下域3bを狙う右打ちを続ければ、知らないうちに第二保留記憶数が貯まっていくことから、もっぱら遊技者の関心は、第二特別図柄の大当りか否かでしかなかった。これに対して、本実施例の構成では、確変遊技状態で第二保留記憶数の上限値を超える第二始動口12へ入球により示唆図柄101が表示されることから、第二保留記憶数を上限値に達することと、該上限値に達した状態でさらに第二始動口12へ入球することとを望む遊技者の感情が刺激されると共に、該第二始動口12への入球毎に示唆図柄101の表示を期待する遊技者の感情が刺激され得る。こうしたことから、本構成によれば、確変遊技状態で、第二保留記憶数と第二始動口12への入球とに遊技者の関心を惹き付けることができ、従来に無い新たな面白さを生じさせ得る。したがって、セットされた設定値1〜6を示唆図柄101の表示により示唆するという遊技の興趣を、飛躍的に向上できる。
また、セットされている設定値1〜6と第一保留記憶数とに応じて前記示唆確率が変わることから、確変遊技状態で第一保留記憶数にも遊技者の関心を向けることができる。すなわち、確変遊技状態で第二始動口12への入球が遊技者にとって有利である従来構成では、第一始動口11への入球や第一保留記憶数に、遊技者がほとんど関心を向けていない。これに対して、本実施例の構成では、前述のように第一保留記憶数に応じて示唆確率が変わることから、第一始動口11への入球と第一保留記憶数とに遊技者の関心を向けることができることに加えて、確変遊技状態で該第一始動口11を狙った遊技が実行され得るという従来に無い新たな遊技性が生ずる。したがって、前記した遊技の興趣向上効果を一層高め得る。
さらに、本実施例では、大当り当選確率の高い設定値がセットされているほど、示唆図柄101を表示する示唆確率が高くなることから、該示唆図柄101の表示を求める遊技者の感情を強く刺激できる。これにより、第二保留記憶数が上限値に達している状態であっても、第二始動口12を狙う遊技球の発射が積極的に行われ得ることから、遊技者を遊技に一層集中させることができ、確変遊技状態を通じて遊技の興趣を高めることができる。さらに、第二保留記憶数が上限値に達した状態でも遊技球が発射されることにより、該上限値に達したことによる打ち止めを抑制できるという利点もある。同様に、第一保留記憶数が多くなるほど、示唆図柄101を表示する示唆確率が高くなることから、確変遊技状態であっても、第一始動口11を狙う遊技球の発射が積極的に行われ得る。これも、前記した確変遊技状態での遊技の興趣向上効果に寄与する。
以下に、前述した実施例で用いた用語と、特許請求の範囲に記載した用語との対応関係を説明する。パチンコ機1が、本発明にかかる弾球遊技機の一例に相当する。第一保留記憶と第二保留記憶とが、本発明の保留記憶の一例に相当する。始動入賞処理のS100〜S110とS120〜S130とが、本発明にかかる保留記憶手段の一例に相当する。当否判定処理のS165〜S205が、本発明にかかる当否判定手段の一例に相当する。大当り遊技処理(図13〜図15)が、本発明にかかる大当り遊技制御手段の一例に相当する。当否判定処理のS205により第5〜第10大当り図柄態様または第13〜第20大当り図柄態様を確定した後に大当り遊技状態(図13〜図15)で大当り遊技を終了すること、該当否判定処理により大当り確定すること(又は、大当り遊技を開始すること)、および特図変動回数が所定の上限数値(100回)に達することが、本発明にかかる状態変換条件の一例に相当する。通常遊技状態と確変遊技状態とが、本発明にかかる遊技状態の一例に相当する。当否判定処理のS165〜S205,S365〜S380,およびS410〜S420と、大当り遊技処理のS615〜S630とが、本発明にかかる遊技状態変換手段の一例に相当する。主制御装置80、確率設定スイッチ95、および設定変更ボタン96が、本発明にかかる確率セット手段の一例に相当する。第二始動口12が、本発明にかかる一方の始動口の一例に相当し、確変遊技状態が、本発明にかかる一方の始動口に予め関係付けられた遊技状態の一例に相当する。第二保留記憶数の上限値(4個)が、本発明にかかる所定閾値の一例に相当する。第二始動口12への入球に伴って選択される示唆確率テーブル(示唆確率)により示唆図柄101の表示を決定することが、本発明にかかる示唆演出条件の一例に相当する。演出図柄表示装置6で表示する示唆図柄101が、本発明にかかる示唆演出の一例に相当する。示唆演出制御処理(図17)が、本発明にかかる示唆演出制御手段の一例に相当する。設定値1〜6が、本発明にかかる当選確率情報の一例に相当する。示唆演出制御処理のS820〜S840が、本発明にかかる示唆抽選手段の一例に相当する。第一始動口11が、本発明にかかる他方の始動口の一例に相当する。示唆確率が、本発明にかかる抽選確率の一例に相当する。
以下に、前述した実施例の別例について説明する。
実施例では、確変遊技状態で第二保留記憶数の上限値(4個)を超える第二始動口への入球があると、抽選結果に従って直ちに示唆図柄101を表示するようにしたが、これに限らず、示唆図柄101を予め定めたタイミングで表示するようにしても良い。例えば、前記抽選結果により示唆図柄101の表示を決定すると、リーチ演出中に示唆図柄101を表示するようにしても良い。または、第二特別図柄が大当りまたはハズレを確定するタイミングで示唆図柄101を表示しても良い。さらには、確変遊技状態で示唆図柄101の表示を決定すると、次の大当り遊技中に該示唆図柄101を表示するようにしても良い。このように、様々なタイミングで示唆図柄101の表示を行うことが可能である。
また、前述の実施例では、第二保留記憶数の上限値を超えて第二始動口へ1個入球する毎に、示唆図柄101の表示か否かを抽選するようにした構成であるが、これに限らず、前記上限値を超える第二始動口への入球数が2個増加する毎に該抽選を行うようにしても良いし、該入球数が5個増加する毎に該抽選を行うようにしても良い。このように前記上限値を超える第二始動口への入球数の所定単位数は、適宜変更して設定可能である。
また、前述の実施例では、第二保留記憶数の上限値を超えた第二始動口への入球により示唆図柄101の表示か否かを抽選する構成であるが、これに限らず、第二保留記憶数が前記上限値(4個)よりも少ない所定個数(例えば、3個や2個など)を閾値として、該閾値を超える第二始動口への入球により前記抽選を行う構成とすることも可能である。
また、前述の実施例にあって、示唆図柄101を表示するか否かの示唆確率(図16)は、適宜変更して設定することが可能である。例えば、実施例では、設定値1,2の場合に示唆確率を0%としたが、他の設定値3〜6と同様に、設定値1,2の示唆確率を0%より大きい所定確率(例えば、1%〜10%等)に定めることもできる。さらに、前記実施例と逆に、設定値が小さくなるにつれて(大当り当選確率が低くなるにつれて)、高い示唆確率を選択可能とするようにしても良い。
さらにまた、実施例では、セットされた設定値1〜6と第一保留記憶数とに応じて前記示唆確率が変わるものであるが、これに限らず、該第一保留記憶数に関係無く、セットされた設定値1〜6にのみ応じて前記示唆確率が変わる構成としても良い。
また、前述の実施例では、確変遊技状態でのみ示唆図柄101を表示する場合があるようにしたが、これに限らず、通常遊技状態で該示唆図柄101を表示する場合がある構成としても良い。具体的には、通常遊技状態で、第一保留記憶数の上限値を超えて第一始動口11に入球すると、示唆図柄101を表示するか否かを抽選し、該抽選結果に従って該示唆図柄101を表示する構成とする。尚、通常遊技状態で示唆図柄101の抽選を行う構成では、第二保留記憶数と関係無く示唆確率を選択するか、該通常遊技状態では第一保留記憶を優先して消化するかのいずれかとすることが必要である。さらに、こうした通常遊技状態と確変遊技状態との両方で示唆図柄101が表示されるようにしても良いし、遊技の進行状況などに応じて通常遊技状態と確変遊技状態とのいずれか一方で示唆図柄101が表示されるようにしても良い。
また、前述の実施例にあって、通常遊技状態と確変遊技状態と別の遊技状態への移行可能な構成とすることも可能である。例えば、時短モードのみを有効とする時短遊技状態、開放延長モードのみを有効とする開放延長遊技状態、小当り遊技を頻繁に発生させる小当りラッシュ遊技状態などを定め、大当り遊技後に、通常遊技状態、確変遊技状態、小当りラッシュ遊技状態、時短遊技状態、開放延長遊技状態のいずれかに移行するものとしても良い。そして、こうした各遊技状態を第一始動口への入球と第二始動口への入球とのいずれかで有利となるものとし(各遊技状態に第一始動口または第二始動口を予め関係付けて)、前記実施例の確変遊技状態と同様に、示唆図柄101の表示か否かの抽選に従って該示唆図柄101を表示する構成とすることもできる。
前述の実施例では、第二保留記憶数の上限値を超えて第二始動口12へ入球した回数(抽選回数)に対する、示唆図柄101の表示回数の割合(出現率)によって、セットされた設定値を推測させるようにした構成であるが、これに限らず、各設定値を直接的に示唆する示唆図柄(一回の表示で設定値を知得可能な図柄)を表示したり、所定設定値以上を示唆する示唆図柄を表示したりする構成などとすることも可能である。又は、奇数の設定値を示唆する示唆図柄や偶数の設定値を示唆する示唆図柄を表示するようにしても良いし、これら各示唆図柄を所定の確率で選択的に表示する構成とすることも可能である。例えば、第一保留記憶数に応じて、これら各示唆図柄を選択する確率が変わるようにすることも可能である。
さらに、こうした各設定値を示唆する示唆図柄、設定値以上を示唆する示唆図柄、および奇数や偶数を示唆する示唆図柄は、必ずしも正確に設定値を示唆するものに限らず、夫々の示唆する設定値の可能性が高いことを示すものであっても良い。例えば、第二保留記憶数の上限値を超えて第二始動口12へ入球することにより表示される示唆図柄として、設定値6を高確率で示唆する第一示唆図柄と、中確率で示唆する第二示唆図柄と、低確率で示唆する第三示唆図柄とを備え、設定値6がセットされている場合には、第一保留記憶数が4個(上限値)であると、前記第一示唆図柄を選択する確率が高く、該第一保留記憶数が2個以上であると、前記第二示唆図柄を選択する確率が高く、該第一保留記憶数が2個未満であると、前記第三示唆図柄を選択する確率が高くなるようにする。同様に、設定値4〜6を高確率、中確率、低確率で夫々示唆する三種類の示唆図柄を備え、第一保留記憶数に応じて該示唆図柄の選択確率が異なるようにする。こうした構成によれば、第一保留記憶数が多くなるにつれて、大当り当選確率の高い設定値4〜6を高確率で示唆する示唆図柄が表示され得ることから、示唆図柄の表示という遊技の興趣を一層効果的に高めることができる。
また、前述の実施例では、第一保留記憶の消化と第二保留記憶の消化とで同じ大当り当選確率に従って当否判定するものとしたが、これに限らず、相互に異なる大当り当選確率を用いることも可能である。例えば、通常遊技状態では、第一保留記憶と第二保留記憶とで同じ大当り当選確率を用いて当否判定する一方、確変遊技状態では、第二保留記憶の消化に用いる大当り当選確率を、第一保留記憶に比して高い確率とする。この構成では、確変遊技状態で、第二始動口への入球が遊技者にとって一層有利となることから、該確変遊技状態に第二始動口を一層明確に関係付けることができる。
また、前述の実施例では、相互に異なる大当り当選確率を定めた六段階の設定値1〜6を備えた構成としたが、これに限らず、設定値の段階数は適宜変更して設定可能である。すなわち、三段階の設定値1〜3や十段階の設定値1〜10等とすることも可能である。さらに、各設定値に定められた大当り当選確率にあっても、実施例に限らず、適宜変更して設定可能である。
さらに、前述の実施例では、セットされた設定値の情報を、電源投入時のタイミングでサブ統合制御装置83へ送信する構成としたが、これに限らず、該設定値の情報を送信するタイミングを適宜変更することも可能である。例えば、第一,第二特別図柄の変動開始タイミング(当否判定したタイミング)で、前記設定値の情報を送信するようにしてもよい。さらには、保留記憶を消化するタイミング、第一始動口や第二始動口に入球したタイミング、第一保留記憶数や第二保留記憶数が上限値に達したタイミングなどとすることも可能である。
また、前述の実施例の構成では、セットされた設定値1〜6を示唆する示唆演出を、演出図柄表示装置6で示唆図柄101の表示により実行するものであるが、これに限らず、示唆演出を、ランプによる点灯または点滅により実行するものとしても良いし、スピーカからの音により実行するものとしても良い。さらに、演出図柄表示装置6での表示と、ランプによる発光と、スピーカによる発音とを適宜組合わせたものとしても良い。
また、前述の実施例の構成にあって、第二保留記憶数の上限値を超える第二始動口への入球に基づいて示唆図柄を表示する機能に加えて、他の設定示唆条件の成立を契機として示唆図柄を表示する機能を備えた構成とすることも可能である。例えば、後者の機能として、第二特別図柄が特定の停止態様で確定停止した場合(特別演出図柄が、「3,5,7」で停止表示した場合など)に、前記示唆図柄を表示するものがあり得る。又は、第二特別図柄が大当り確定することや、特定のリーチ演出が実行されることなどにより前記設定示唆条件が成立して、前記示唆図柄を表示するようにしても良い。そして、こうした別条件により表示する示唆図柄は、前述の実施例と同様の示唆図柄であっても良いし、異なる示唆図柄であっても良い。ここで、異なる示唆図柄としては、一回の表示のみで各設定値を示唆できるものや、所定設定値以上であることを示唆できるものや、奇数または偶数の設定値を示唆できるもの等が好適に用いられる。
また、実施例のパチンコ機1は、上皿55と下皿63とを備えた構成であるが、これに限らず、いわゆる封入式のパチンコ機であっても良い。封入式のパチンコ機は、内部に封入した所定個数の遊技球を循環させることによって遊技を行うものである。こうした封入式のパチンコ機に、前述の実施例を適用可能であり、同様の作用効果を奏し得る。また、実施例のパチンコ機は、いわゆる管理遊技機であっても良い。管理遊技機は、主制御装置への外部からのアクセスを不能とするものであり、主制御装置から枠制御装置(実施例の払出制御装置に相当)へ一方向にのみ通信可能とし、枠制御装置を介してのみホールコンピュータと通信可能な構成である。こうした管理遊技機に、前述した実施例や別例の構成を適用可能であり、同様の作用効果を奏し得る。
1 パチンコ機(弾球遊技機)
3 遊技領域
6 演出図柄表示装置
11 第一始動口
12 第二始動口
14 大入賞口101 示唆図柄

Claims (2)

  1. 遊技球が流下する第一流下域と第二流下域とを備えた遊技領域に夫々設けられ、該第一流下域を流下する遊技球が入球可能な第一始動口および該第二流下域を流下する遊技球が入球可能な第二始動口と、前記第一始動口と第二始動口への遊技球の入球に起因して、夫々の保留記憶を生成して記憶する保留記憶手段と、前記保留記憶手段により記憶された保留記憶を消化することによって、所定の大当り当選確率に従って大当りか否かを判定する当否判定手段と、前記当否判定手段の当否判定結果が大当りの場合に、前記遊技領域に設けられた大入賞口を開放する大当り遊技を実行する大当り遊技制御手段と、所定の状態変換条件の成立を契機として、遊技者の利得が相互に異なる複数の遊技状態のなかから、一の遊技状態に選択的に移行させる遊技状態変換手段と、相互に異なる複数の前記大当り当選確率を備え、管理者の操作によりいずれか一の大当り当選確率がセットされる確率セット手段とを備えてなる弾球遊技機において、
    前記遊技状態変換手段により移行可能な少なくとも一の遊技状態に、前記第一始動口と前記第二始動口とのうちの一方の始動口が予め関係付けられており、
    前記一方の始動口が予め関係付けられた少なくとも一の遊技状態で、当該遊技状態と予め関係付けられた前記一方の始動口への入球に伴って記憶される保留記憶数が所定閾値以上の場合に、当該一方の始動口への入球に基づいて所定の示唆演出条件が成立すると、前記確率セット手段によりセットされた大当り当選確率に係る当選確率情報を示唆する示唆演出を行う示唆演出制御手段を備えていることを特徴とする弾球遊技機。
  2. 示唆演出制御手段は、前記一方の始動口への入球に伴って、前記示唆演出を実行するか否かを抽選する示唆抽選手段を備え、該示唆抽選手段の抽選で前記示唆演出の実行が決まることによって、前記示唆演出条件が成立するようにしたものであり、
    前記示唆抽選手段は、前記一方の始動口以外の他方の始動口への入球に起因して記憶される保留記憶数に応じて、予め定められた複数の抽選確率のなかから一の抽選確率を選択し、選択した抽選確率に従って前記示唆演出の実行か否かを決めるようにしたものであることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。

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