JP2022188375A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】一種二種混合機の遊技の興趣を向上させる。【解決手段】通常遊技状態よりも始動口へ入球容易となる特典遊技状態を、第一の特典遊技状態と第二の特典遊技状態とで構成して、第一の特典遊技状態と第二の特典遊技状態とで、特典遊技状態から通常遊技状態に移行する条件を相違させる。そして、少なくとも、第一の特典遊技状態において、特別図柄が所定図柄態様で停止表示された場合に、第一の特典遊技状態から第二の特典遊技状態へ移行させるよう構成する。【選択図】図10

Description

パチンコ機等の遊技機では、遊技中に大当りになると、大入賞口を繰り返し開閉動作させる大当り遊技作動が実行される。こうした遊技機にあって、第一種遊技機と呼ばれるものは、始動口への入球を契機に変動した特別図柄が大当り図柄態様で停止表示されることが大当り発生の条件となっている。また、第二種遊技機と呼ばれるものは、遊技球が大入賞口内の特定領域を通過することが大当り発生の条件となっている。
さらに、一種二種混合機と呼ばれる遊技機では、第一種遊技機と第二種遊技機の大当り条件を兼備し、二種類の大当り発生の条件を組み合わせることにより独特のゲーム性を実現している。具体的には、第一種遊技機の大当り(特図大当り)の発生を契機として、第二種遊技機の大当り(役物大当り)を発生させ易い特典遊技状態(時短遊技状態等)に移行するよう構成される。特典遊技状態の終了条件には、大当り遊技作動を経由して、次の特典遊技状態に容易に繋げることが可能な継続終了条件と、次の特典遊技状態に繋げるのが困難な非継続終了条件が設定される。かかる特典遊技状態では、非継続終了条件を充足させずに、継続終了条件を充足させ続けることで、短期間に役物大当りを繰り返す、いわゆる連荘を発生させて、多くの出玉を獲得できる場合がある。
また、こうした一種二種混合機にあって、特典遊技状態の開始契機に応じて、当該特典遊技状態の終了条件を変動させる構成が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2020-103616号公報 段落[0235]
上記特許文献1に記載の遊技機では、特典遊技状態の開始時に、複数種類の終了条件が選択的に設定されるが、開始時に設定された終了条件は、当該特典遊技状態が終了するまで変更されることはない。このため、上記特許文献1に係る遊技機では、様々な終了条件が特典遊技状態に設定されるものの、いずれの場合であっても、特典遊技状態中のゲーム性は、設定された非継続終了条件が充足される前に、継続終了条件を充足させて、連荘を目指すという変化に乏しいものであった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、一種二種混合機の遊技の興趣を向上させ得る構成の提供を目的とする。
本発明は、遊技球が常時入球可能な第一の始動口と、遊技球が入球容易な状態と、遊技球が入球困難な状態に変換可能な第二の始動口と、特別図柄を表示する特別図柄表示装置と、前記第一の始動口又は前記第二の始動口への入球に起因して、前記特別図柄を変動表示させた後に停止表示させる特別図柄表示制御手段と、開閉可能な大入賞口と、前記大入賞口の内部に設けられた特定領域と、前記特別図柄が小当り図柄態様で停止表示された場合に、前記大入賞口が1回開放する小当り遊技作動を実行させる小当り制御手段と、前記小当り遊技作動に起因して遊技球が前記大入賞口内の前記特定領域に入球した場合、又は、前記特別図柄が大当り図柄態様で停止表示された場合に、前記大入賞口が複数回開放する大当り遊技作動を実行させる大当り制御手段と、通常遊技状態と、前記通常遊技状態よりも前記第二の始動口へ入球容易となる特典遊技状態とに遊技状態を制御する遊技状態制御手段とを備え、前記遊技状態制御手段は、前記特典遊技状態において、所定の特典終了条件の充足を契機として、遊技状態を前記通常遊技状態に移行させるものであり、前記特典遊技状態は、前記特典終了条件が相違する第一の特典遊技状態と第二の特典遊技状態を含み、前記遊技状態制御手段は、少なくとも、前記第一の特典遊技状態において、前記特別図柄が前記大当り図柄態様と異なる所定図柄態様で停止表示された場合に、前記第一の特典遊技状態から前記第二の特典遊技状態へ移行させることを特徴とする遊技機である。
かかる構成にあっては、特別図柄の所定図柄態様での停止表示を契機として、第一の特典遊技状態から第二の特典遊技状態へ移行することで、特典遊技状態を終了させることなく、当該特典遊技状態の特典終了条件を変化させて、特典遊技状態のゲーム性が変動させることができるため、特典遊技状態中の遊技が、従来よりも変化に富んだものとなる。このため、本発明によれば、一種二種混合機の遊技の興趣を向上させることが可能となる。
本発明にあって、前記第一の始動口への入球に起因する前記特別図柄の変動後よりも、前記第二の始動口への入球に起因する前記特別図柄の変動後の方が、前記特別図柄が前記所定図柄態様及び前記小当り図柄態様で表示され易い構成が提案される。
かかる構成にあっては、第二の始動口への入球が比較的困難な通常遊技状態と、第二の始動口への入球が比較的容易な特典遊技状態の有利度に大きな差をつけることが可能となるため、通常遊技状態と特典遊技状態とでメリハリのある遊技を実現可能となる。
また、本発明にあって、前記第一の特典遊技状態と前記第二の特典遊技状態の一方は、前記特別図柄が小当り図柄態様で所定回数停止表示されることにより前記特典終了条件が充足され、前記第一の特典遊技状態と前記第二の特典遊技状態の他方は、前記特別図柄が小当り図柄態様で前記所定回数停止表示されても、前記特典終了条件が充足されない構成が提案される。
かかる構成にあっては、特別図柄が小当り図柄態様で停止表示された時に、第一の特典遊技状態と第二の特典遊技状態で、異なる遊技内容を楽しむことが可能となる。
本発明に係るパチンコ機1の正面図である。 パチンコ機1の遊技盤2の正面図である。 第二大入賞口装置21の内部に設けられた特定口25の、(A)閉鎖状態と、(B)開放状態とを示す説明図である。 パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。 遊技の仕様の一部を説明する図表である。 遊技状態の内容を説明する図表である。 通常遊技状態におけるゲーム性を示す状態遷移図である。 第一時短遊技状態におけるゲーム性を示す状態遷移図である。 第二時短遊技状態におけるゲーム性を示す状態遷移図である。 遊技の基本的な流れを示す状態遷移図である。 メインルーチンの概要を示すフローチャートである。 始動入賞処理を示すフローチャートである。 特図当否判定処理を示すフローチャート1である。 特図当否判定処理を示すフローチャート2である。 特図当否判定処理を示すフローチャート3である。 特図当否判定処理を示すフローチャート4である。 特図当否判定処理を示すフローチャート5である。 特図当否判定処理を示すフローチャート6である。 大当たり遊技処理を示すフローチャート1である。 大当たり遊技処理を示すフローチャート2である。 大当たり遊技処理を示すフローチャート3である。 小当たり遊技処理を示すフローチャート1である。 小当たり遊技処理を示すフローチャート2である。 小当たり遊技処理を示すフローチャート3である。
本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、本発明に係る実施の形態は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。また、以下の実施例および別例を適宜組み合わせることも可能である。
[構成の説明]
(1)全体の構成について
本実施例のパチンコ機1は、一種二種混合機タイプの遊技機である。
図1に示すように、本実施例のパチンコ機1は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51によって構成の各部を保持する構造である。外枠51には、その左側上下に設けられたヒンジ53を介して、内枠(図示せず)が該外枠51に対して開閉可能に取り付けられ、さらに、該内枠の前面に、前枠(ガラス枠)52が該内枠に対して開放可能に取り付けられている。そして、前枠52には、板ガラス61が脱着可能に設けられている。また、板ガラス61の奥側(後側)には、内枠に取り付けられた遊技盤2(図2)が配設されている。
前枠52には、その上部左右に、スピーカ66が配設されており、該スピーカ66から発せられる遊技音や警報音によって、遊技の趣向性を向上させたり、遊技者に注意喚起したりする。また、前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾用のランプ65が複数配設されており、該発光によって遊技の趣向性を向上させる。さらに、前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体的に設けられており、該下皿63の右方に発射ハンドル64が配設されている。この発射ハンドル64は、遊技者によって時計回りに回動操作されることで、図示しない発射装置を可動させて、上皿55から供給される遊技球を遊技盤2の遊技領域3に向かって発射する。
上皿55には、賞球や貸球が払い出される。また、下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受ける構成で、該下皿63内の遊技球を排出する球抜きレバー(図示せず)を備える。この球抜きレバーが遊技者により操作されることで、下皿63に貯まった遊技球を別箱(ドル箱)に移すことができる。
本実施例のパチンコ機1は、所謂CR機であって、プリペイドカードの読み書きなどを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が隣設されている。パチンコ機1には、貸出ボタン57、精算ボタン58、及び残高表示装置59を有するCR精算表示装置95(図4参照)が設けられている。また、上皿55の中央部には、遊技者が操作可能な演出ボタン67やジョグダイヤル68が設けられている。
図2は、パチンコ機1の遊技盤2の正面図である。遊技盤2には、ガイドレール2a,2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられ、該遊技領域3には多数の遊技釘(図示せず)が植設されている。遊技領域3の中央部には、センターケース5が配設されており、該センターケース5の中央に演出図柄表示装置6(全体の図示は省略)のLCD画面が前方から視認可能に配設されている。このセンターケース5には、図示しないワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
センターケース5の直下には、第一始動口11が配設され、該センターケース5の右方には、普通図柄作動ゲート17と第二始動口12とが上下に並んで配設されている。第一始動口11は、遊技球を常時入球可能に構成されている。一方、第二始動口12は、開閉可能な翼片を備えた普通電動役物13により構成されており、この翼片の開放状態でのみ遊技球を入球可能となるものである。また、普通図柄作動ゲート17は、遊技球を常時通過可能に構成されている。
前記普通電動役物13の下方には、第一大入賞口14を備えた第一大入賞口装置15が配設されている。第一大入賞口装置15は、第一大入賞口14を閉鎖する起立位置と、該起立位置から前方へ傾動して該第一大入賞口14を開放する傾動位置とに位置変換作動する開閉片(図示せず)を備え、該開閉片を前記起立位置とすることで、第一大入賞口14へ遊技球が入球不能な閉鎖状態とし、前記傾動位置とすることで、該第一大入賞口14へ遊技球が入球可能な開放状態とする。この第一大入賞口装置15は、開閉片を開閉作動させる第一大入賞口ソレノイド14b(図4参照)を備えており、該第一大入賞口ソレノイド14bの駆動制御によって該開閉片を前記閉鎖状態と開放状態とに変換制御できる。
さらに、前記第一大入賞口装置15の下方には、第二大入賞口20を備えた第二大入賞口装置21が配設されている。第二大入賞口装置21は、第二大入賞口20を閉鎖する起立位置と、該起立位置から前方へ傾動して該第二大入賞口20を開放する傾動位置とに位置変換作動する開閉片(図示せず)を備え、該開閉片を前記起立位置とすることで、第二大入賞口20へ遊技球が入球不能な閉鎖状態とし、前記傾動位置とすることで、該第二大入賞口20へ遊技球が入球可能な開放状態とする。この第二大入賞口装置21は、開閉片を開閉作動させる第二大入賞口ソレノイド20b(図4参照)を備えており、該第二大入賞口ソレノイド20bの駆動制御によって該開閉片を前記閉鎖状態と開放状態とに変換制御できる。
前記第二大入賞口装置21は、図3に示すように、第二大入賞口20に入球した遊技球が流下する内部領域23を備えており、該内部領域23に、該第二大入賞口20に入球した遊技球が該内部領域23内に流出する球流出口24と、該球流出口24から流出した遊技球が入球可能な特定口25および一般口26,26と、該特定口25を開閉するシャッター片27,27とが配設されている。シャッター片27,27は、特定口25を開放する起立位置(図3(B))と、該起立位置から内側へ夫々傾動して該特定口25を閉鎖する傾動位置(図3(A))とに位置変換作動されるものであり、第二大入賞口装置21に設けられた特定口ソレノイド25b(図4参照)によって該起立位置と傾動位置とに作動される。図3(A)に示すように、シャッター片27,27が傾動位置にある場合には、第二大入賞口20に流入した遊技球が特定口25へ入球できず、一般口26,26に入球する。一方、図3(B)に示すように、シャッター片27,27が起立位置にある場合には、第二大入賞口20に流入した遊技球のほとんどが特定口25へ入球できる。
尚、第二大入賞口装置21は、その内部領域23の前面を覆う透明板(図示せず)を備えており、該透明板が遊技盤2と面一となるように、該遊技盤2に埋め込まれるように配設されている。これにより、第二大入賞口20に入球した遊技球の、特定口25または一般口26,26に入球するまでの帰趨を、遊技者が視認可能である。
また、図2に示すように、第一始動口11の左方には、四個の一般入賞口31が配設されている。これら一般入賞口31は、遊技球を常時入球可能な構成である。さらに、遊技領域3の最下流部には、アウト口16が配設されており、該遊技領域3に発射された遊技球がいずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった場合に、該アウト口16に入球する。
こうした遊技領域3は、中央のセンターケース5の左側を遊技球が流下する左流下域3aと、該センターケース5の右側を遊技球が流下する右流下域3bとを備えており、遊技球の右打ちによって、センターケース5の上側を通過した遊技球が前記右流下域3bを流下し、遊技球の左打ちによって、遊技球が前記左流下域3aを流下する。そして、右流下域3bには、前記した普通図柄作動ゲート17、第二始動口12、第一大入賞口14、および第二大入賞口20が設けられている。そのため、右流下域3bを狙い打つこと(所謂、右打ち)により、これら普通図柄作動ゲート17、第二始動口12、第一大入賞口14、および第二大入賞口20に入球可能である。一方、センターケース5の直下に配設された前記第一始動口11は、遊技盤2に植設された遊技釘によって、前記左流下域3aを流下した遊技球が入球可能となっている。そのため、左流下域3aを狙い打つこと(所謂、左打ち)により、第一始動口11、および前記した四個の一般入賞口31に入球できる。このように左流下域3aと右流下域3bとが構成されていることにより、遊技者は、右打ちと左打ちとを使い分けることで、各始動口11,12や各大入賞口14,20を狙った遊技を行うことができる。尚、本実施例の第一始動口11は、遊技釘によって、右流下域3bを流下した遊技球が入球不能となっている。
遊技盤2の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7、普通図柄保留数表示装置8、第一特別図柄保留数表示装置18、および第二特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第一特別図柄表示装置9および第二特別図柄表示装置10とが配設されている。第一特別図柄表示装置9は第一特別図柄を表示するものであり、第二特別図柄表示装置は第二特別図柄を表示するものである。
(2)電気的構成について
図4は、パチンコ機1の電気配線を示すブロック図である。このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。そして、これら各制御装置のCPUにより、2ms周期の割込信号により各ROMに搭載されたプログラムを開始し、各種制御を実行する。
主制御装置80には、遊技盤中継端子板74を介して、第一始動口11に入球した遊技球を検出する第一始動口スイッチ11a、第二始動口12に入球した遊技球を検出する第二始動口スイッチ12a、普通図柄作動ゲート17を通過した遊技球を検出する普通ゲートスイッチ17a、第一大入賞口14に入球した遊技球を計数するための第一カウントスイッチ14a、第二大入賞口20に入球した遊技球を計数するための第二カウントスイッチ20a、および一般入賞口31に入球した遊技球を夫々検出する各一般入賞口スイッチ31a等からの検出信号が入力される。さらに、主制御装置80には、第二大入賞口装置21の特定口25に入球した遊技球を検出する特定口スイッチ25aと、該第二大入賞口装置21の一般口26,26に入球した遊技球を検出する一般口スイッチ26aとからの検出信号が、遊技盤中継端子板74を介して入力される。
主制御装置80は、そのROMに搭載されたプログラムに従って動作して、上記の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、該コマンドを払出制御装置81およびサブ統合制御装置83へ出力する。また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板75を介して、第一特別図柄表示装置9、第二特別図柄表示装置10、および普通図柄表示装置7の表示制御を行うと共に、第一特別図柄保留数表示装置18、第二特別図柄保留数表示装置19、および普通図柄保留数表示装置8の点灯制御を行う。さらに、主制御装置80には、遊技盤中継端子板74を介して、第一大入賞口ソレノイド14b、第二大入賞口ソレノイド20b、特定口ソレノイド25b、および普通電役ソレノイド13aも接続されている。主制御装置80は、第一大入賞口ソレノイド14bを駆動制御することで第一大入賞口14を開閉制御し、第二大入賞口ソレノイド20bを駆動制御することで第二大入賞口20を開閉制御する。そして、特定口ソレノイド25bを駆動制御することで特定口25を開閉制御する。さらに、普通電役ソレノイド13aを駆動制御することで、第二始動口12を開閉制御する。また、主制御装置80は、図柄変動や大当り等の管理用の信号を、外部接続端子板78を介してホールコンピュータ87に出力する。
払出制御装置81は、主制御装置80と双方向通信が可能に構成されており、主制御装置80から送信されるコマンドに応じて払出モータ90を駆動させて賞球を払い出す。本実施例では、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ91の検出信号が、主制御装置80と払出制御装置81とに入力され、両者で賞球の計数を行う構成である。
さらに、払出制御装置81には、満杯スイッチ92および球切れスイッチ93からの信号が入力される。満杯スイッチ92は、下皿63が満杯であることを検出するものであり、この検出に伴って信号を払出制御装置81に出力する。球切れスイッチ93は、球タンク(図示せず)で遊技球の貯留量が少ないこと又は貯留量が無いことを検出するものであり、この検出に伴って信号を払出制御装置81に出力する。払出制御装置81は、これら満杯スイッチ92および球切れスイッチ93から信号を入力すると、払出モータ90を駆動停止させて、賞球の払出作動を停止させる。尚、満杯スイッチ92および球切れスイッチ93は、前記検出した状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、該信号の入力停止によって、払出モータ90の駆動を再開する。
払出制御装置81は、CRユニット端子板79を介してCRユニット56と交信可能であり、貸出コマンドに応じて払出モータ90を駆動させて貸球を払い出す。CRユニット端子板79は、精算表示装置94とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置94に設けられた球貸スイッチと精算スイッチとからの信号が入力される。球貸スイッチは、貸出ボタン57の操作を検出して信号を出力するものであり、精算スイッチは、精算ボタン58の操作を検出して信号を出力するものである。また、払出制御装置81は、発射制御装置84にも接続されており、所定契機で該発射制御装置84へ発射停止コマンドを送信する。
発射制御装置84は、発射モータ97を制御して遊技球を遊技領域3に発射させるものである。この発射制御装置84には、上記した払出制御装置81の他に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ98からのタッチ信号、発射停止スイッチ99からの発射停止信号が入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を回動操作することで出力され、タッチ信号は、遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止信号は、遊技者が発射停止スイッチ99を押すことで出力される。尚、発射制御装置84は、タッチ信号を入力していなければ、遊技球を発射しないように制御すると共に、発射停止信号が入力されているときにも、発射ハンドル64の操作に関わらず、遊技球を発射しないように制御している。
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されたデータおよびコマンドを受信し、これらを演出表示制御用、音制御用およびランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンドなどを演出図柄制御装置82へ送信し、音制御用およびランプ制御用のデータを自身に含まれている各制御部位(音声制御装置およびランプ制御装置しての機能部品)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによって、スピーカ66から音声を出力制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって、各種LEDやランプ65を発光制御する。
さらに、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68、および決定スイッチ69等の操作を夫々検出するスイッチが接続されており、各スイッチが遊技者による操作を検出すると、その信号が入力される。尚、ジョグダイヤル68は、演出図柄制御装置82に接続される構成であっても良い。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から送信されたデータおよびコマンド(主制御装置80から送信されたものと、サブ統合制御装置83で主制御装置80からの入力および演出ボタン等の入力に基づいて生成されたもの)に基づく制御を行い、特別演出図柄などの演出画像を演出図柄表示装置6の表示画面に表示させる。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80との間は、演出中継端子板を介して主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82との間は、サブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信回路として構成されている。
図示しない電源基板は、外部のAC電源から供給される電力により直流電圧を生成する直流電源として構成されており、該電源基板に設けられた電源スイッチの操作によってパチンコ機1を構成する各部位に電力を供給する。この電源基板は、コンデンサなどから構成されるバックアップ電源を備えており、AC電源から電力供給中に該バックアップ電源に電力を蓄える。これにより、停電時には、主制御装置80等(例えば、主制御装置80のRAM等)に電力供給し、AC電源からの電力供給が停止後も、一定期間にわたって主制御装置80のRAM内のデータが保持される。尚、バックアップ電源は、主制御装置80に設けても良いし、電源基板以外の他の装置に設けて良い。この場合には、電源基板は、AC電源から電力供給されている状態で、バックアップ電源を備えた装置へ供給信号を出力し、電力供給が停止した状態で、バックアップ電源を備えた装置へ停電信号を出力する。
[動作の説明]
(1)基本動作について
次に、本実施例のパチンコ機1の基本動作について説明する。
図5に示すように、各始動口11,12、各大入賞口14,20、および一般入賞口31に入球すると、夫々に設定された数の賞球が払い出される。具体的には、第一始動口11への入球毎に2個の賞球が、第二始動口12への入球毎に1個の賞球が、第一大入賞口14への入球毎に10個の賞球が、第二大入賞口20への入球毎に10個の賞球が、一般入賞口31への入球毎に5個の賞球が、夫々払い出される。
ここで、前記した遊技盤2の遊技領域3は、その略中央にセンターケース5が配設されていることから、左打ちによって、遊技球が該センターケース5の左側を流下し、右打ちによって、該センターケース5の上部を通過した遊技球が該センターケース5の右側を流下する(図2参照)。そして、第一始動口11及び一般入賞口31は、その配設位置及び遊技領域3に植設された遊技釘(図示せず)によって、センターケース5の左側を流下した遊技球のみが流入可能となっている。一方、普通図柄作動ゲート17、第二始動口12、第一大入賞口14、及び第二大入賞口20は、その配設位置及び遊技釘によって、センターケース5の右側を流下した遊技球のみが流入可能となっている。すなわち、本実施例のパチンコ機1は、左打ちをしなければ、第一始動口11及び一般入賞口31に入球させることができず、右打ちをしなければ、普通図柄作動ゲート17、第二始動口12、第一大入賞口14、及び第二大入賞口20に入球させることができないよう構成される。
遊技領域3に発射された遊技球が第一始動口11に入球(図4の第一始動口スイッチ11aが遊技球を検出)すると、第一特別図柄表示装置9で第一特別図柄が変動を開始すると共に、該入球に起因して抽出された乱数によって大当りか否かの当否抽選が行われる。そして、変動開始から所定時間後に第一特別図柄を停止表示することで、この当否抽選の結果が報知される。
ここで、第一始動口11への入球に伴って抽出された乱数は、後述するように、第一保留記憶として記憶される。この第一保留記憶は最大四個まで記憶され、該第一保留記憶の記憶数(以下、第一保留記憶数という)は、第一特別図柄保留数表示装置18の点灯数により表される。こうして記憶された第一保留記憶を消化することにより、前記当否抽選と第一特別図柄の変動とが実行される。尚、第一保留記憶数は、第一保留記憶の未消化数を示している。
一方、遊技領域3に発射された遊技球が普通図柄作動ゲート17を通過(図4の普通ゲートスイッチ17aが遊技球を検知)すると、普通図柄表示装置7で普通図柄の変動表示を開始すると共に、該入球に起因して抽出された乱数を当否抽選する。そして、変動開始から所定時間後に停止した普通図柄が所定の当り態様であると、普通電動役物13の翼片が駆動して、一時的に第二始動口12へ遊技球が入球可能となる。
普通電動役物13の駆動により開放された第二始動口12に遊技球が入球(図4の第二始動口スイッチ12aが遊技球を検出)すると、第二特別図柄表示装置10で第二特別図柄が変動を開始すると共に、該入球に起因して抽出された乱数によって、大当りと小当りと時短当りの当否抽選が行われる。そして、変動開始から所定変動時間が経過すると、第二特別図柄を停止表示することで、この当否抽選の結果が報知される。
ここで、第二始動口12への入球に伴って抽出された乱数は、後述するように、第二保留記憶として記憶される。この第二保留記憶は最大一個まで記憶され、該第二保留記憶の記憶数(以下、第二保留記憶数という)は、第二特別図柄保留数表示装置19の点灯数により表される。こうして記憶された第二保留記憶を消化することにより、前記当否抽選と第二特別図柄の変動とが実行される。尚、第二保留記憶数は、第二保留記憶の未消化数を示している。
このように本実施例にあっては、第一始動口11に入球すると、第一特別図柄を変動させると共に、大当りか否かの当否判定を行う一方、第二始動口12に入球すると、第二特別図柄を変動させると共に、大当りと小当りと時短当りの当否判定を行う。さらに、本実施例にあっては、前記第一保留記憶と第二保留記憶とは、夫々の発生順に関係無く、第二保留記憶を優先して消化する。すなわち、第一保留記憶と第二保留記憶とがある場合には、第二保留記憶が消化されて第二特別図柄の変動が実行され、第一保留記憶のみがある場合に限って、該第一保留記憶が消化されて第一特別図柄の変動が実行される。なお、本実施例では、図5に示すように、大当り当選確率は第一特別図柄と第二特別図柄で共通であり、1/320に設定される。また、第二特別図柄についての、小当り当選確率は1/10に、時短当り当選確率は1/20に夫々設定される。なお、第一特別図柄では、大当りに当選しない場合はハズレとなり。第二特別図柄では、大当り、小当り、及び時短当りに当選しない場合はハズレとなる。また、上述の普通図柄の当選確率は1/1.01に設定され、普通図柄の変動時間は約1秒に設定されている。
さらに、前述した第一特別図柄及び第二特別図柄の変動と並行して、演出図柄表示装置6で各特別図柄の変動に連動させて特別演出図柄(図示省略)の変動演出を表示させた後に、該変動演出を停止させて、該特別演出図柄の停止図柄態様により前記抽選結果(大当り、小当り、時短当り又はハズレ)を報知する。
前記第一保留記憶の消化により実行された当否判定結果が大当りであると、第一特別図柄表示装置9で第一特別図柄を所定の大当り図柄態様で停止表示させると共に、演出図柄表示装置6で特別演出図柄を大当り図柄態様により停止表示させる。これにより、大当り(以下、「第一特図大当り」ともいう)が発生して、第一大入賞口14を複数回開放する第一大当り遊技作動を実行する。具体的には、第一大当り遊技作動は、インターバルを介して該第一大入賞口14の開放を10回(10R)繰り返す作動であり、一回の開放は、第一大入賞口14への入球数が10個に達するか、30秒経過するかのいずれかにより終了する。
一方、前記第二保留記憶の消化により実行された当否判定結果が大当りであると、第二特別図柄表示装置10で第二特別図柄を所定の大当り図柄態様で停止させると共に、演出図柄表示装置6で特別演出図柄を大当り図柄態様により停止表示させる。これにより、大当り(以下、「第二特図大当り」ともいい、第一特図大当りとまとめて「特図大当り」ともいう)が発生して、第二大入賞口20を複数回開放する第二大当り遊技作動を実行する。第二大当り遊技作動は、インターバルを介して第二大入賞口20の開放を10回(10R)繰り返す作動であり、一回の開放は、第二大入賞口20への入球数が10個に達するか、30秒経過するかのいずれかにより終了する。かかる第二大当り遊技作動では、特定口25が閉鎖状態で保持される(図3(A)参照)。このため、第二大当り遊技作動中に第二大入賞口20に入球した遊技球は、特定口25へは入球せず、一般口26,26に入球して、前記一般口スイッチ26aにより検出されることとなる。
また、第二保留記憶の消化による当否判定結果が小当りであると、第二特別図柄を所定の小当り図柄態様で停止させると共に、演出図柄表示装置6で特別演出図柄を小当り図柄態様により停止表示させる。これにより、小当りが発生し、第二大入賞口20を1回開放する小当り遊技作動を実行する。上述のように、本実施例では、第一保留記憶の消化では、小当りか否かを判定しないため、第一特別図柄の変動時に小当りが発生することはない。小当り遊技作動では、第二大入賞口20が1.5秒間だけ開放され、1.5秒間が経過すると、遊技球が入球したか否かに関わらず第二大入賞口20が閉鎖される。かかる小当り遊技作動では、特定口25が開放状態で保持される(図3(B)参照)。このため、小当り遊技作動中に第二大入賞口20に入球した遊技球は、特定口25へ入球して、特定口スイッチ25aにより検出される。
また、前記小当り遊技作動で第二大入賞口20に入球した遊技球が特定口25に入球すると、大当り(以下、役物大当りという)となって、第二大入賞口20を開放する第二大当り遊技作動を実行する。かかる第二大当り遊技作動は、前述した第二特図大当りを契機に実行されるものと同じである。すなわち、小当り発生時には、直後の小当り遊技作動において遊技球が特定口25に入球させることにより、大当り(役物大当り)に発展させることができる。本実施例では、小当り遊技作動中に右打ちをすれば、開放された第二大入賞口20へ容易に入球させることができ、また、小当り遊技作動中は、特定口25が常時開放状態で保持されるため、小当り発生時に第二大入賞口20を狙って右打ちすれば、ほぼ確実に役物大当りに発展させることができる。尚、当然ながら、小当り遊技作動中に第二大入賞口20に入球しなければ、役物大当りは発生しない。
このように、小当り発生時には、ほぼ確実に大当り(役物大当り)を発生させることができる。上述のように、第一始動口11の入球時には、大当りの当否判定しかされないのに対して、第二始動口12の入球時には、大当りだけでなく、小当りの当否判定も行われるため、本実施例では、第二始動口12へ入球させる方が、第一始動口11へ入球させるよりも、大当りを容易に発生させることができる。具体的には、上述のように、本実施例では、小当り当選確率が1/10に、大当り当選確率が1/320に設定されるため、第一始動口11の入球時には、1/320の確率でしか大当りが発生しないのに対して、第二始動口12の入球時には、概ね1/10の確率で大当りが発生することとなる。
本実施例では、小当りは、第一小当りと第二小当りの二種類が用意される。いずれの種類の小当りの当選であるかは、第二保留記憶の消化による当否判定時に決定されて、第二特別図柄や特別演出図柄は、当選した小当りの種類に応じた図柄態様で停止表示される。具体的には、図5に示すように、第二保留記憶の消化による当否判定結果が小当りとなった場合に、65%の確率で第一小当りと決定され、35%の確率で第二小当りと決定される。小当りを契機に実行される小当り遊技作動の内容は、第一小当りと第二小当りで共通であるが、第一小当りの発生から発展した役物大当りは、第一役物大当りとなり、第二小当りの発生から発展した役物大当りは、第二役物大当りとなる。第一役物大当りと第二役物大当りは、大当り発生後の第二大当り遊技作動の内容は共通であるが、後述するように、第一役物大当りを契機とする大当り遊技作動と、第二役物大当りを契機とする大当り遊技作動とで、大当り遊技作動終了後の遊技状態が相違するよう構成される。
また、第二保留記憶の消化による当否判定結果が時短当りであると、第二特別図柄を所定の時短当り図柄態様で停止させると共に、演出図柄表示装置6で特別演出図柄を時短当り図柄態様により停止表示させる。これにより、時短当りが発生する。時短当りは、後述する時短遊技状態の移行契機となるものであり、時短当りの詳細については後述する。なお、上述のように、本実施例では、第一保留記憶の消化時には、時短当りか否かを判定しないため、第一特別図柄の変動時に時短当りが発生することはない。
(2)遊技状態について
本実施例のパチンコ機1は、通常遊技状態と時短遊技状態の二種類の遊技状態を備えている。時短遊技状態は、通常遊技状態に比して、前記した普通電動役物13(第二始動口12)の開放時間が延長されると共に、前記第一特別図柄の平均変動時間と前記第二特別図柄の平均変動時間とが短縮される遊技状態である。
具体的には、図6(A)に示すように、普通電動役物13の開放時間は、通常遊技状態で0.1秒間であるのに対して、時短遊技状態では2秒間になる。また、通常遊技状態では、第一特別図柄と第二特別図柄の平均変動時間が、ハズレの場合に約30秒間、当り(大当り、小当り、及び時短当り)の場合に約120秒間であるのに対して、時短遊技状態では、第一特別図柄と第二特別図柄の平均変動時間が、ハズレの場合に約1秒間、当りの場合に約3秒間になる。一方で、各種当りの当選確率(大当り当選確率、小当り当選確率、時短当り当選確率、普通図柄当選確率)と、普通図柄の平均変動時間に関しては、通常遊技状態および時短遊技状態で同じに設定されている(図5参照)。
上述のように、本実施例では、第一始動口11へ入球させるよりも、第二始動口12の入球時の方が大当りが発生し易いため、基本的には、第二始動口12へ入球させる方が有利である。しかしながら、通常遊技状態では、右打ちをして遊技球を普通図柄作動ゲート17に通過させたとしても、普通電動役物13(第二始動口12)の開放時間が極めて短いため、第二始動口12への入球は殆ど期待できない。このため、通常遊技状態では、遊技者は、左打ちをして、第一始動口11への入球を契機とする第一特図大当りを狙う方が有利となる。これに対して、時短遊技状態では、普通電動役物13(第二始動口12)の開放時間が比較的長く、第二始動口12への入球が比較的容易となるため、遊技者は、右打ちをして、第二始動口12へ入球させることにより、通常遊技状態に比べて高い頻度で大当りを発生させることが可能となる。すなわち、時短遊技状態は、通常遊技状態に比べて、大当りを発生させ易い、遊技者に有利な状態である。
[要部の説明]
以下に、本発明の要部を説明する。
(1)2種類の時短遊技状態
上述のように、本実施例では、通常遊技状態と時短遊技状態が設けられており、時短遊技状態では、通常遊技状態よりも第二始動口12に入球容易となって、大当りが発生し易くなることにより、遊技者は、通常遊技状態よりも有利に遊技を行うことが可能となる。ここで、本実施例では、時短遊技状態は、第一時短遊技状態と第二時短遊技状態の二種類からなる。第一時短遊技状態と第二時短遊技状態は、図6(A)に示すように、時短遊技状態の終了条件が相違している。特別図柄の平均変動時間や、普通電動役物の開放時間は、二種類の時短遊技状態で共通であり、第二始動口12への入球し易さは、どちらの時短遊技状態でも変わらない。
(2)時短遊技状態の開始契機
時短遊技状態は、基本的に、大当りを契機に開始される。具体的には、大当りが発生すると、当該大当り発生に基づく大当り遊技作動の終了後に、時短遊技状態が開始される。開始される時短遊技状態の種類は、大当り発生時の遊技状態に応じて決定される。具体的には、図6(B)に示すように、通常遊技状態で大当りが発生した場合は、大当り遊技作動後に第一時短遊技状態が開始される。ただし、例外的に、第二役物大当りの発生時は、時短遊技状態が開始されず、大当り遊技作動後に通常遊技状態となる。一方、時短遊技状態で大当りが発生した場合は、発生した大当りの種類に関わらず、大当り遊技作動後に第二時短遊技状態が開始される。また、本実施例では、前記の時短当りが発生した場合にも、時短遊技状態(第二時短当り)が開始される。
(3)時短遊技状態の終了条件
時短遊技状態は、以下の(イ)~(ハ)が終了条件となっており、時短遊技状態において、(イ)~(ハ)のいずれかが充足されると通常遊技状態に移行する。
(イ)大当り
(ロ)規定回数(以下「小当り上限値」という。)の小当り
(ハ)規定回数(以下「変動上限値」という。)の特別図柄の変動(第一特別図柄と第二特別図柄の合計変動回数)
ここで、図6(A)に示すように、第一時短遊技状態と第二時短遊技状態には、小当り上限値と変動上限値に異なる値が設定される。具体的には、第一時短遊技状態は、小当り上限値が1回、変動上限値が100回に設定され、第二時短遊技状態は、小当り上限値が15回、変動上限値が15回に設定される。
時短遊技状態の終了条件は、大当り遊技作動を経由して、次の時短遊技状態に繋げることが可能な継続終了条件と、次の時短遊技状態に繋げることが困難な非継続終了条件とに大別される。
具体的には、第一時短遊技状態では、(イ)「大当り」、(ロ)「小当り1回」、(ハ)「特別図柄の変動100回」が時短遊技状態の終了条件となる。この中で、(ハ)「特別図柄の変動100回」は非継続終了条件に相当する。当該終了条件が充足されて、通常遊技状態に移行した場合には、次の時短遊技状態の開始は困難となるためである。
一方、第一時短遊技状態にあって、(イ)「大当り」は継続終了条件に相当する。大当りの発生により時短遊技状態が終了しても、その後の大当り遊技作動が終了した時に、時短遊技状態(第二時短遊技状態)が開始されるためである(図6(B)参照)。なお、第一時短遊技状態では、役物大当りは発生しない。役物大当りの契機となる小当りが発生した時点で、(ロ)「小当り1回」の終了条件が充足されて、時短遊技状態が終了してしまうためである。すなわち、第一時短遊技状態で小当りが発生した場合は、当該小当りを契機とする小当り遊技作動は、通常遊技状態で実行される。
また、第一時短遊技状態にあって、(ロ)「小当り1回」は、第一小当りについては継続終了条件となり、第二小当りについては非継続終了条件となる。上述のように、第一時短遊技状態で小当りが発生した場合は、小当り遊技作動が通常遊技状態で実行され、役物大当りが通常遊技状態で発生するためである。すなわち、第一小当りの発生時は、通常遊技状態で第一役物大当りが発生するため、その後の大当り遊技作動の終了後に、次の時短遊技状態(第一時短遊技状態)が開始される(図6(B)参照)。一方、第二小当りの発生時は、通常遊技状態で第二役物大当りが発生するため、その後の大当り遊技作動の終了後は、通常遊技状態となり、次の時短遊技状態の開始は困難となる。
また、第二時短遊技状態では、(イ)「大当り」、(ロ)「小当り15回」、(ハ)「特別図柄の変動15回」が時短遊技状態の終了条件となる。
この中で、(イ)「大当り」は、継続終了条件に相当する。大当りの種類に関わらず、その後の大当り遊技作動の終了時に、時短遊技状態(第二時短遊技状態)が開始されるためである(図6(B)参照)。
一方、(ハ)「特別図柄の変動15回」は非継続終了条件に相当する。当該終了条件が充足されて、通常遊技状態に移行した場合には、次の時短遊技状態の開始は困難となるためである。
(ロ)の「小当り15回」は、継続終了条件に相当するが、基本的に、第二時短遊技状態で当該終了条件が充足されることはない。通常は、小当りを契機に役物大当りが発生して、(イ)「大当り」の終了条件が先に充足されるためである。
このように、時短遊技状態の終了条件は、次の時短遊技状態に繋げることが可能な継続終了条件と、次の時短遊技状態に繋げることが困難な非継続終了条件に大別される。すなわち、本実施例では、継続終了条件が、時短遊技状態の実質的な継続条件となり、非継続終了条件が、時短遊技状態の実質的な終了条件となっている。上述のように、時短遊技状態は、大当りが発生し易い遊技状態であり、継続終了条件の充足時は、大当り遊技作動を経由して、次の時短遊技状態が開始されるため、本実施例では、時短遊技状態において、非継続終了条件を充足させず、継続終了条件を繰り返し充足させていくことで、短期間に大当りを繰り返し発生させる連荘に繋げて、遊技者が多くの利益を獲得できる場合がある。
なお、本実施例では、非継続終了条件の充足により時短遊技状態が終了した場合でも、時短遊技状態の終了時に未消化であった第二保留記憶は、通常遊技状態で消化される。このため、非継続終了条件が充足された場合でも、通常遊技状態への移行直後は、かかる第二保留記憶で小当りや時短当りに当選することにより、短時間で時短遊技状態に復帰するチャンスが残されている。
(4)ゲーム性について
以下に、本実施例のパチンコ機1のゲーム性について説明する。
上述のように、時短遊技状態は、通常遊技状態に比して大当りを発生させ易く、また、連荘も期待できる遊技者に有利な遊技状態であるため、本実施例のパチンコ機1の基本的なゲーム性は、通常遊技状態から時短遊技状態へ移行して、時短遊技状態において繰り返し大当りを発生させて出玉を稼ぐものとなる。
通常遊技状態では、大当りにより時短遊技状態へ移行することが主目的となる。図6(B)、図7に示すように、通常遊技状態では、第一特図大当り、第二特図大当り、又は第一役物大当りが発生すれば、大当り遊技作動を経由して、第一時短遊技状態へ移行する。また、時短当りが発生した場合には、第二時短遊技状態へ移行する。しかしながら、上述のように、通常遊技状態では、第二始動口12への入球は困難であり、遊技者は、第一始動口11への入球を狙って左打ちをする。このため、基本的に、通常遊技状態では、第二特別図柄に係る当り(第二特図大当り、小当り、時短当り)は発生せず、役物大当りや時短当りの発生を契機として、時短遊技状態に移行することはない。
上述のように、第一時短遊技状態では、遊技者は、右打ちをして第二始動口12へ入球させることで、通常遊技状態よりも高い頻度で大当りを発生させることができる。また、上述のように、第一時短遊技状態では、「大当り(特図大当り)」及び「第一小当り(1回)」が継続終了条件に相当し、「特別図柄の変動100回」及び「第二小当り(1回)」が非継続終了条件となっており、継続終了条件が充足された場合は、大当り遊技作動を経由して、次の時短遊技状態に繋げることができる。
ここで、第二特別図柄(第二始動口12)については、小当り当選確率(1/10)が大当り当選確率(1/320)よりも極めて大きいため、第一時短遊技状態において「大当り(特図大当り)」の終了条件が充足されるのは稀である。また、第二特別図柄の変動10回に1回程度は小当りに当選するため、第一時短遊技状態において「特別図柄の変動100回」の終了条件が充足されるのは稀である。このため、図8に示すように、第一時短遊技状態では、継続終了条件である「第一小当り」と、非継続終了条件である「第二小当り」のいずれに当選するかによって、実質的に、次の時短遊技状態へ繋げられるかが決まる。第一時短遊技状態で第一小当りに当選した場合には、大当り遊技作動の終了後に、第一時短遊技状態が開始されるため、第一時短遊技状態では、第二小当りに当選せず、第一小当りの当選を繰り返すことで、第一時短遊技状態のまま、連荘を継続可能となる。
一方、第一時短遊技状態では、第二特別図柄(第二始動口12)に関して、1/20という比較的高確率で時短当りに当選する。図8に示すように、第一時短遊技状態で時短当りに当選した場合には、時短当りが発生した時点で第二時短遊技状態に移行して、時短遊技状態の終了条件が変更される。この時、時短遊技状態の終了条件に係る小当り回数や特別図柄の変動回数のカウントはクリアされ、第二時短遊技状態の開始時点から、夫々のカウントを一からやり直す。
このように、第一時短遊技状態では、「第一小当り」が時短遊技状態の実質的な継続条件に、「第二小当り」が時短遊技状態の実質的な終了条件となっており、第一小当りの方に当選して、第一時短遊技状態を継続させることにより、できるだけ多くの大当りを発生させる、というゲーム性が実現される。さらに、第一時短遊技状態では、時短当りの発生により、時短遊技状態の終了条件の異なる第二時短遊技状態に移行できる、というゲーム性も実現される。
上述のように、第二時短遊技状態では、遊技者は、右打ちをして第二始動口12へ入球させることで、通常遊技状態よりも高い頻度で大当りを発生させることができる。また、上述のように、第二時短遊技状態では、「大当り」及び「小当り15回」が継続終了条件に相当し、「特別図柄の変動15回」が非継続終了条件となっており、継続終了条件が充足された場合は、大当り遊技作動を経由して、次の時短遊技状態に繋げることができる。
ここで、上述のように、第二時短遊技状態では、基本的に「小当り15回」の終了条件は充足されない。このため、図9に示すように、第二時短遊技状態では、このため、第二時短遊技状態では、非継続終了条件である「特別図柄の変動15回」が充足されるまでに、継続終了条件である「大当り」が充足されるによって、実質的に、次の時短遊技状態へ繋げられるかが決まる。第二時短遊技状態で大当り(特図大当り、又は役物大当り)が発生した場合には、大当り遊技作動の終了後に、第二時短遊技状態が開始されるため、第二時短遊技状態では、特別図柄の変動15回以内での大当りを繰り返すことで、第二時短遊技状態のまま、連荘を継続可能となる。
なお、第二時短遊技状態において、特別図柄の15回目の変動で小当りが発生した場合には、小当り図柄態様が停止表示された時点で時短遊技状態が終了する。このため、第一時短遊技状態の時と同様に、第一小当りの発生であれば、第一役物大当りに基づく大当り遊技作動の終了後に第一時短遊技状態に移行し、第二小当りの発生であれば、第二役物大当りに基づく大当り遊技作動の終了後に通常遊技状態に移行する。
また、第二時短遊技状態では、第二保留記憶の消化時に、1/20という比較的高確率で時短当りに当選する。第二時短遊技状態で時短当りに当選した場合は、第二時短遊技状態がそのまま継続される。ただし、時短当りが発生した時点で、時短遊技状態の終了条件に係る小当り回数や特別図柄の変動回数のカウントがクリアされ、夫々のカウントを一からやり直す。すなわち、第二時短遊技状態では、時短当りが発生することにより、非継続終了条件(特別図柄の変動15回)の充足を先送りできる。
このように、第二時短遊技状態では、実質的に、「大当り」が時短遊技状態の実質的な継続条件に、「特別図柄の変動15回」が時短遊技状態の実質的な終了条件となっており、特別図柄が15回変動するまでに大当りを発生させて、第二時短遊技状態を継続させることにより、できるだけ多くの大当りを発生させる、というゲーム性が実現される。また、第二時短遊技状態においては、時短当りの発生により、非継続終了条件(特別図柄の変動15回)の充足を先送りできる、というゲーム性も実現される。
図10は、本実施例のパチンコ機1の遊技内容をまとめたものである。
上述のように、本実施例の基本的なゲーム性は、大当りを発生させ易く、連荘を期待できる時短遊技状態において、できるだけ多くの大当りを発生させて出玉を稼ぐものとなる。図10に示すように、基本的に、通常遊技状態から、大当りを経由して時短遊技状態に移行する場合は、第一時短遊技状態となる。このため、時短遊技状態の開始時には、まず、第一時短遊技状態において、第二小当り(非継続終了条件)の発生前に、第一小当り(継続終了条件)を発生させて、第一時短遊技状態を継続させることにより、できるだけ多くの大当りを発生させる、というゲーム性の遊技が行われる。また、第一時短遊技状態で時短当りが発生した場合には、時短遊技状態の終了条件の異なる第二時短遊技状態へ移行する。そして、第二時短遊技状態では、特別図柄の変動15回(非継続終了条件)より前に、大当り(継続終了条件)を発生させて、第二時短遊技状態を継続させることにより、できるだけ多くの大当りを発生させる、というゲーム性の遊技が行われる。
ここで、本実施例では、第二時短遊技状態の方が、第一時短遊技状態よりも、継続終了条件が充足され易い、より有利な遊技状態となっている。具体的には、第一時短遊技状態では、継続終了条件(第一小当り)と非継続終了条件(第二小当り)が、概ね65:35の比率で充足されるため、約65%の確率で、次回の第一時短遊技状態に繋げて連荘できる。これに対して、第二時短遊技状態では、第二時短遊技状態では、継続終了条件(大当り)と非継続終了条件(特図変動15回)が、概ね80:20の比率で充足されるため、約80%の確率で、次回の第二時短遊技状態に繋げて連荘できる。
[実施例の特徴]
以上のように、本実施例では、時短遊技状態が、終了条件の相違する第一時短遊技状態と第二時短遊技状態とからなるため、遊技者は時短遊技状態において、二種類のゲーム性を楽しむことができる。特に、第一時短遊技状態にあっては、時短当りが発生すると、小当り遊技作動や大当り遊技作動を経ることなく第二時短遊技状態へ移行して、時短遊技状態のゲーム性が即座に変化するため、第一時短遊技状態には、継続終了条件の充足により時短遊技状態で連荘を継続できるか、非継続終了条件の充足により時短遊技状態が終了してしまうか、という二通りのルートだけでなく、時短当りにより時短遊技状態のゲーム性を変化させる、という第三のルートが用意されている。このため、第一時短遊技状態にあっては、従来構成に比べて多様性に富んだゲーム性が実現される。したがって、本実施例によれば、一種二種混合機の遊技の興趣を向上させることが可能となる。
また、本実施例では、第一時短遊技状態よりも、第二時短遊技状態の方が有利な遊技状態となっている。このように、第一時短遊技状態と第二時短遊技状態の有利度を相違させれば、時短当りの重要度が高くなり、遊技者は、第一時短遊技状態において、時短当りの発生を強く期待(又は心配)することとなるため、遊技の興趣を一層高めることができる。
また、本実施例では、第一始動口11への入球に起因する第一特別図柄の変動後は、第一特別図柄が時短当り図柄態様や小当り図柄態様で停止表示されず、第二始動口12への入球に起因する第二特別図柄の変動後には、第二特別図柄が時短当り図柄態様や小当り図柄態様で停止表示されるよう構成されている。このため、本実施例では、第二始動口12へ入球困難な通常遊技状態と、第二始動口12へ入球容易な時短遊技状態の有利度に大きな差をつけて、メリハリのある遊技を実現できる。
また、本実施例では、第一時短遊技状態において、小当りが1回発生しただけで終了条件が充足されて時短遊技状態が終了するのに対して、第二時短遊技状態は、小当り上限値が15回に設定されており、小当りが1回発生しただけでは終了条件が充足されないよう構成されている。このため、本実施例では、第一時短遊技状態と第二時短遊技状態で、小当り発生時に、異なる遊技内容を楽しむことが可能となる。
[制御処理の説明]
次に、主制御装置80で実行される各種プログラムの処理について説明する。
(1)メインルーチンについて
図11に、メインルーチンのフローチャートを示す。メインルーチンは、S10~S80までの本処理と、該本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返されるS85の残余処理とから構成され、2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。マイコンによるハード割り込みが実行されると、先ず正常割込であるか否かを判断する(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いか否かを判断するためのものである。
S10で否定判定(すなわち、正常割り込みでないと判定)されると(S10:No)、初期設定(S15)を実行し、残余処理(S85)に移行する。この初期設定では、例えば、上記RAMの所定領域への所定値の書き込み、第一および第二特別図柄を初期図柄とする等のRAMの作業領域への各初期値の書き込み等が実行される。一方、S10で肯定判定(すなわち、正常割り込みであると判定)されると(S10:Yes)、初期値乱数の更新処理(S20)、大当り決定用乱数の更新処理(S25)、第一大当り図柄決定用乱数の更新処理(S30)、第二大当り図柄決定用乱数の更新処理(S35)、小当り図柄決定用乱数の更新処理(S40)、時短当り決定用乱数の更新処理(S45)、リーチ判定用乱数の更新処理(S50)、変動パターン決定用乱数の更新処理(S55)、入賞確認処理(S60)、当否判定処理(S65)、特別遊技処理(S70)、不正監視処理(S75)、画像出力処理等の各出力処理(S80)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内で初期値乱数の更新処理(S85)をループ処理する。
(2)始動入賞処理について
次に、主制御装置80で実行する始動入賞処理を、図12のフローチャートを用いて説明する。この始動入賞処理は、前記したメインルーチンの入賞確認処理(S60)でコールされるサブルーチンの一つである。
始動入賞処理では、S100で、第一始動口スイッチ11aが遊技球を検知したか否かを判定する。否定判定の場合には(S100:No)、S120に進み、肯定判定の場合には(S100:Yes)、S105に進む。S105では、第一保留記憶数が上限値(4個)に達しているか否かを判定する。肯定判定の場合には(S105:Yes)、S120へ進み、否定判定の場合には(S105:No)、S110に進む。
S110では、第一抽出乱数保留記憶処理を実行する。この第一抽出乱数保留記憶処理では、第一大当り決定用乱数、第一大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、第一保留記憶として記憶すると共に、第一保留記憶数を示す第一保留数カウンタに1を加算して、該第一保留数カウンタの情報に従って第一特別図柄保留数表示装置18を点灯させるために必要な処理を行う。
S120では、第二始動口スイッチ12aが遊技球を検知したか否かを判定する。否定判定の場合には(S120:No)、始動入賞処理を終了し、肯定判定の場合には(S120:Yes)、S125に進む。S125では、第二保留記憶数が上限値(1個)に達しているか否かを判定する。肯定判定の場合には(S125:Yes)、始動入賞処理を終了し、否定判定の場合には(S125:No)、S130に進む。
S130では、第二抽出乱数保留記憶処理を実行する。この第二抽出乱数保留記憶処理では、第二大当り決定用乱数、第二大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、第二保留記憶として記憶すると共に、第二保留記憶数を示す第二保留数カウンタに1を加算して、該第二保留数カウンタの情報に従って第二特別図柄保留数表示装置19を点灯させるために必要な処理を行う。
(3)特図当否判定処理について
次に、主制御装置80で実行する特図当否判定処理を、図13~図18のフローチャートを用いて説明する。この特図当否判定処理は、前記したメインルーチンの当否判定処理(S65)でコールされるサブルーチンの一つである。
特図当否判定処理では、図13に示すように、第一,第二大入賞口装置15,21の作動中(すなわち、第一,第二大当り遊技作動または小当り遊技作動の実行中)であるか否かを判定する(S150)。そして、肯定判定の場合には(S150:Yes)、特図当否判定処理を終了し、否定判定の場合には(S150:No)、S155に進む。S155では、第一,第二特別図柄の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S155:Yes)、図16のS390に進み、否定判定の場合には(S155:No)、S160に進む。S160では、第一,第二特別図柄の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S160:Yes)、図17のS400に進み、否定判定の場合には(S160:No)、S165に進む。
S165では、未消化の第二保留記憶があるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S165:Yes)、S170に進み、否定判定の場合には(S165:No)、S180に進む。S170では、第二保留記憶の数をデクリメントすると共に、未消化の第二保留記憶を選択して、当該第二保留記憶に記憶された情報(乱数値等の数値データ)を大当り判定用の所定のバッファに移動させる。その後に、S175に進む。
S175では、第二特別図柄の当否判定用テーブルを有効とし、この当否判定用テーブルに基づいて、大当り判定用バッファに記憶された第二保留記憶の大当り判定用乱数を、大当り、小当り、又はハズレと判定し、当該大当り判定用乱数に係る第二保留記憶を消化する。第二保留記憶の当否判定用テーブルは、大当りの当選確率が1/320に、小当りの当選確率が1/10に、時短当りの当選確率が1/20に設定されている(図5参照)。このS175の処理後に、図15のS300に進む。
S180では、未消化の第一保留記憶があるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S180:Yes)、S185に進み、否定判定の場合には(S180:No)、特図当否判定処理を終了する。S185では、第一保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い未消化の第一保留記憶を選択して、上記S170と同様に、当該第一保留記憶に記憶された情報を大当り判定用の所定のバッファに移動させ、その後に、S190に進む。尚、本実施例の特図当否判定処理では、第一保留記憶よりも第二保留記憶を優先して、当否判定の対象とする。そのため、第一保留記憶は、第二保留記憶が無い場合にのみ、当否判定の対象となる。
S190では、第一保留記憶の当否判定用テーブルを有効とし、この当否判定用テーブルに基づいて、大当り判定用バッファに記憶された第一保留記憶の大当り判定用乱数を、大当り又はハズレと判定し、当該大当り判定用乱数に係る保留記憶を消化する。第一保留記憶の当否判定用テーブルは、大当りの当選確率が1/320に設定されている(図5参照)。ここで、本実施例にあって、第一保留記憶の当否判定用テーブルでは、小当り及び時短当りの抽選を行わない。このS190の処理後に、図14のS200に進む。
図14のS200では、S190の判定結果が大当りであるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S200:Yes)、S205に進み、否定判定の場合には(S200:No)、S230に進む。
S205では、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数(大当り判定用のバッファ内の大当り図柄決定用乱数)に基づいて、第一特別図柄の大当り図柄態様を決定する。ここで、第一特別図柄には、複数の大当り図柄態様が予め設定されている
続くS210の変動パターン決定処理では、消化した第一保留記憶に係る変動パターン決定用乱数およびリーチ判定乱数等(大当り判定用のバッファ内の変動パターン決定用乱数およびリーチ判定乱数等)に基づいて、第一特別図柄の変動時間を決定し、該変動時間に応じて第一特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、本実施例にあっては、通常遊技状態(時短フラグ=0)で選択可能な第一特別図柄の変動時間と、時短遊技状態(時短フラグ=1)で選択可能な第一特別図柄の変動時間とが夫々設定されており、各遊技状態で選択可能な変動時間のなかから一の変動時間が決定される。
続くS215では、大当り遊技に係る演出時間、インターバル時間、及び大当り遊技の演出態様等を設定し、S250に進む。
一方、S200の否定判定から続くS230では、ハズレ図柄を決定する処理を行う。そして、続くS235では、前記S210と同様に、消化した第一保留記憶に係る変動パターン決定用乱数およびリーチ判定乱数等(大当り判定用のバッファ内の変動パターン決定用乱数およびリーチ判定乱数等)とに基づいて、第一特別図柄の変動時間や変動パターンを決定する。ここで、ハズレの場合にあっても、前記した大当りと小当りとの場合と同様に、通常遊技状態(時短フラグ=0)で選択可能な第一特別図柄の変動時間と、時短遊技状態(時短フラグ=1)で選択可能な第一特別図柄の変動時間とが夫々設定されており、各遊技状態で選択可能な変動時間のなかから一の変動時間が決定される。さらにS240では、ハズレにかかる処理を行い、S250に進む。
S250では、前記S185でデクリメントした保留記憶の数を示す保留数コマンドと、前記S190による抽選結果(大当り、小当り、又はハズレ)の情報を含むコマンドと、前記S205等で決定した第一特別図柄の停止態様や第一特別図柄の変動時間等を含む変動開始コマンドとをサブ統合制御装置83に送信する。この変動開始コマンドには、消化された保留記憶が第一保留記憶であることを示す情報と、リーチ演出を実行するか否かの情報などとを含む。また、S250では、さらに、消化された第一保留記憶に応じて、第一特別図柄表示装置9を駆動制御して第一特別図柄を変動開始させ、特図当否判定処理を終了する。
尚、サブ統合制御装置83は、こうしたコマンドを受信すると、該コマンドに示された情報(第一保留記憶数、第一特別図柄の変動時間、当否判定結果、第一特別図柄の停止態様、大当り遊技内容など)を所定のバッファに記憶する。そして、サブ統合制御装置83は、前記変動開始コマンドに伴って演出図柄制御装置82へコマンドを送信し、該演出図柄制御装置82は、受信した該コマンドに従って演出図柄表示装置6を駆動制御して、第一特別図柄の停止図柄態様および変動パターンの情報に対応する特別演出図柄の表示を開始する。
図15のS300では、S175の判定結果が大当りであるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S300:Yes)、S305に進み、否定判定の場合には(S300:No)、S320に進む。
S305では、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数(大当り判定用のバッファ内の大当り図柄決定用乱数)に基づいて、第二特別図柄の大当り図柄態様を決定する。ここで、第二特別図柄には、複数の大当り図柄態様が予め設定されている。
続くS310の変動パターン決定処理では、消化した第二保留記憶に係る変動パターン決定用乱数およびリーチ判定乱数等(大当り判定用のバッファ内の変動パターン決定用乱数およびリーチ判定乱数等)に基づいて、第二特別図柄の変動時間を決定し、該変動時間に応じて第二特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、本実施例にあっては、後述するように、通常遊技状態(時短フラグ=0)で選択可能な第二特別図柄の変動時間と、時短遊技状態(時短フラグ=1)で選択可能な第二特別図柄の変動時間とが夫々設定されており、各遊技状態で選択可能な変動時間のなかから一の変動時間が決定される。
続くS315では、大当り遊技に係る演出時間、インターバル時間、及び大当り遊技の演出態様等を設定し、S380に進む。
一方、S300の否定判定から続くS320では、前記S175の判定結果に基づいて、小当りか否かを判定し、肯定判定の場合には(S320:Yes)、S330に進み、否定判定の場合には(S320:No)、S345に進む。
S330では、消化した第二保留記憶に係る小当り図柄決定用乱数(大当り判定用のバッファ内の小当り図柄決定用乱数)に基づいて、第二特別図柄の小当り図柄態様を決定する。
本実施例にあっては、第一小当りと第二小当りに対応する二種類の小当り図柄態様が予め設定されており、かかるS330で決定される小当り図柄態様に応じて、第一小当りと第二小当りのいずれかに振り分けられる。なお、かかるS330では、65%の確率で第一小当りに、35%の確率で第二小当りに振り分けるように、小当りの図柄態様に決定される。
S335の変動パターン決定処理では、第二保留記憶に係る変動パターン決定用乱数およびリーチ判定乱数等(大当り判定用のバッファ内の変動パターン決定用乱数およびリーチ判定乱数等)と前記時短フラグとに基づいて、第二特別図柄の変動時間を決定し、該変動時間に応じて第二特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、小当りの場合にあっても、前記した大当りの場合(S310)と同様に、通常遊技状態(時短フラグ=0)で選択可能な第二特別図柄の変動時間と、時短遊技状態(時短フラグ=1)で選択可能な第二特別図柄の変動時間とが夫々設定されており、各遊技状態で選択可能な変動時間のなかから一の変動時間が決定される。
続くS340では、小当り遊技における第二大入賞口20の開放作動パターンや小当り遊技に係る演出時間等を設定し、S380に進む。
前記S320の否定判定から続くS345では、前記S175の判定結果に基づいて、時短当りか否かを判定し、肯定判定の場合には(S345:Yes)、S350に進み、否定判定の場合には(S345:No)、S365に進む。
S350では、消化した第二保留記憶に係る時短当り図柄決定用乱数(大当り判定用のバッファ内の時短当り図柄決定用乱数)に基づいて、第二特別図柄の時短当り図柄態様を決定する。
続くS355では、前記S310と同様に、消化した第二保留記憶に係る変動パターン決定用乱数およびリーチ判定乱数等(大当り判定用のバッファ内の変動パターン決定用乱数およびリーチ判定乱数等)とに基づいて、第二特別図柄の変動時間や変動パターンを決定する。ここで、時短当りの場合にあっても、前記した大当りと小当りとの場合と同様に、通常遊技状態(時短フラグ=0)で選択可能な第二特別図柄の変動時間と、時短遊技状態(時短フラグ=1)で選択可能な第二特別図柄の変動時間とが夫々設定されており、各遊技状態で選択可能な変動時間のなかから一の変動時間が決定される。さらにS360では、時短当りにかかる処理を行い、S380に進む。
一方、S345の否定判定から続くS365では、ハズレ図柄を決定する処理を行う。そして、続くS370では、前記S310と同様に、消化した第二保留記憶に係る変動パターン決定用乱数およびリーチ判定乱数等(大当り判定用のバッファ内の変動パターン決定用乱数およびリーチ判定乱数等)とに基づいて、第二特別図柄の変動時間や変動パターンを決定する。ここで、ハズレの場合にあっても、前記した大当りや小当り、時短当りの場合と同様に、通常遊技状態(時短フラグ=0)で選択可能な第二特別図柄の変動時間と、時短遊技状態(時短フラグ=1)で選択可能な第二特別図柄の変動時間とが夫々設定されており、各遊技状態で選択可能な変動時間のなかから一の変動時間が決定される。さらにS375では、ハズレにかかる処理を行い、S380に進む。
S380では、前記S170でデクリメントした保留記憶の数を示す保留数コマンドと、前記S175による抽選結果(大当り、小当り、時短当り又はハズレ)の情報を含むコマンドと、前記S305等で決定した第二特別図柄の停止態様や第二特別図柄の変動時間等を含む変動開始コマンドとをサブ統合制御装置83に送信する。この変動開始コマンドには、消化された保留記憶が第二保留記憶であることを示す情報と、リーチ演出を実行するか否かの情報などとを含む。さらに、本実施例にあって、この変動開始コマンドには、大当り遊技作動の開放ラウンド数、小当り遊技作動から発展する役物大当りでの開放ラウンド数、大当り遊技作動と小当り遊技作動との終了後に移行する遊技状態の情報が含まれている。また、S360では、さらに、消化された第二保留記憶に応じて、第二特別図柄表示装置10を駆動制御して第二特別図柄を変動開始させ、特図当否判定処理を終了する。
尚、サブ統合制御装置83は、こうしたコマンドを受信すると、該コマンドに示された情報(第二保留記憶数、第二特別図柄の変動時間、当否判定結果、第二特別図柄の停止態様、大当り遊技内容など)を所定のバッファに記憶する。そして、サブ統合制御装置83は、前記変動開始コマンドに伴って演出図柄制御装置82へコマンドを送信し、該演出図柄制御装置82は、受信した該コマンドに従って演出図柄表示装置6を駆動制御して、第二特別図柄の停止図柄態様および変動パターンの情報に対応する特別演出図柄の表示を開始する。
前記したS155の肯定判定から続く図16のS390では、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S390:Yes)、S395に進み、否定判定の場合には(S390:No)、特図当否判定処理を終了する。S395では、特別図柄の変動表示を終了し、特別図柄の確定図柄(すなわち、上記したS205、S230、S305、S330,S350,S365で決定した図柄態様)を表示させると共に、サブ統合制御装置83に、特別演出図柄の確定表示を実行させる図柄確定コマンドを送信し、特図当否判定処理を終了する。
また、前記したS160の肯定判定から続く図17のS400では、特別図柄の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S400:Yes)、S405に進み、否定判定の場合には(S400:No)には、特図当否判定処理を終了する。S405では、特別図柄の確定表示を終了し、S410に進む。S410では、確定表示された特別図柄が大当り図柄態様であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S410:Yes)、S415に進み、否定判定の場合には(S410:No)、S450に進む。
S415では、前記時短遊技状態であることを示す時短フラグを参照して、時短フラグ=1(時短遊技状態)であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S415:Yes)、S420に進み、否定判定の場合には(S415:No)、S430に進む。
S420では、時短フラグ=0として、S425に進む。S425では、時短遊技状態で時短大当りフラグ=1として、S430に進む。時短大当りフラグは、時短遊技状態で大当りが発生したことを示すフラグである。
S430に進んだ後は、状態指定コマンド送信処理(S430)、条件装置作動開始処理(S435)、役物連続作動装置作動開始処理(S440)、大当り開始演出処理(S445)を順次実行することで、大当り遊技の態様を示すコマンドや、大当り遊技の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置83に送信する等して大当り遊技を開始し、特図当否判定処理を終了する。
一方、S410の否定判定から続くS450では、確定表示された第二特別図柄が時短当りの図柄態様であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S450:Yes)、S455に進み、否定判定の場合には(S450:No)、S475に進む。尚、第一特別図柄を確定表示した場合には、S450で常に否定判定されて、S475に進む。
S455では、時短フラグ=1として、S460に進む。S460では、第二時短遊技状態の変動上限値15回を変動回数カウンタにセットして、S465に進む。変動回数カウンタは、時短遊技状態の終了条件に係る特別図柄の変動回数を計数するためのカウンタである。S460では、第二時短遊技状態の小当り上限値15回を小当り回数カウンタにセットして、S470に進む。小当り回数カウンタは、時短遊技状態の終了条件に係る小当りの回数を計数するためのカウンタである。
S470では、状態指定コマンド送信処理を実行する。この状態指定コマンド送信処理では、時短フラグの情報、第二時短遊技状態の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置83に送信する。このS470の後に、特図当否判定処理を終了する。
S450の否定判定から続くS475では、時短フラグを参照して、時短フラグ=1であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S475:Yes)、S480に進み、否定判定の場合には(S475:No)、図18のS500に進む。
S480では、変動回数カウンタをデクリメントしてS485に進む。S485では、変動回数カウンタ=0であるか否かを判定する。そして、否定判定の場合は(S475:No)、そのまま、図18のS500に進み、肯定判定の場合には(S485:Yes)、S490で時短フラグ=0にしてから、図18のS500に進む。
図18のS500では、確定表示された第二特別図柄が小当りの図柄態様であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S500:Yes)、S505に進み、否定判定の場合には(S500:No)、S550に進む。
S505では、確定表示された小当りの図柄態様が、第一小当りに対応する図柄態様であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S505:Yes)、S510で小当り種別フラグ=0にしてS520に進み、否定判定の場合には(S505:No)、S515で小当り種別フラグ=1にしてS520に進む。小当り種別フラグは、小当りの種別を確認するためのフラグであり、第一小当りでは「0」がセットされ、第二小当りでは「1」がセットされる。
S520では、時短フラグを参照して、時短フラグ=1であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S520:Yes)、S525に進み、否定判定の場合には(S520:No)、S540に進む。
S525では、小当り回数カウンタをデクリメントして、S530に進む。S530では、小当り回数カウンタ=0であるか否かを判定し、否定判定の場合は(S530:No)、そのまま、S540に進み、肯定判定の場合には(S530:Yes)、S535で時短フラグ=0にしてから、S540に進む。
S540では、第二大入賞口装置作動開始処理を実行し、次のS545では、小当り開始演出処理を実行する。このS545の後に、S550に進む。
S550では、状態指定コマンド送信処理を実行する。この状態指定コマンド送信処理では、時短フラグの情報、時短遊技状態を終了する場合は該時短遊技状態の終了を指示するコマンド、小当りの場合に小当り遊技の態様を示すコマンドや小当り遊技の開始を指示するコマンド等を、サブ統合制御装置83に送信する。このS550の後に、特図当否判定処理を終了する。
(4)大当り遊技処理について
次に、主制御装置80で実行する大当り遊技処理を、図19~図21のフローチャートを用いて説明する。この大当り遊技処理は、第一大当り遊技作動及び第二大当り遊技作動の実行制御に係る処理であり、上記したメインルーチンの特別遊技処理(S70)から実行される。
大当り遊技処理では、図19に示すように、大当り遊技作動実行中であるか否かを判定する(S600)。ここで、肯定判定の場合には(S600:Yes)、S605に進み、否定判定の場合には(S600:No)、大当り遊技処理を終了する。
S605では、第一,第二大入賞口14,20の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S605:Yes)、図20のS650に進み、否定判定の場合には(S605:No)、S610に進む。
S610では、大当り遊技作動における開放ラウンド間のインターバル中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S610:Yes)、図20のS670に進み、否定判定の場合には(S610:No)、S615に進む。S615では、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S615:Yes)、図21のS700に進み、否定判定の場合には(S615:No)、S620に進む。
S620では、大当り遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S620:Yes)、S625に進み、否定判定の場合には(S620:No)、大当り遊技処理を終了する。
S625では、第一,第二大入賞口14,20を開放させる大入賞口開放処理を実行する。この大入賞口開放処理では、第一,第二大入賞口14,20の開放開始と同期して、開放ラウンドにおける第一,第二大入賞口14,20の最大開放時間として予め設定された開放時間(30秒)の時間消化を開始する。この大入賞口開放処理の後に、大当り遊技処理を終了する。ここで、開放時間の時間消化は、開放タイマの減算処理により行う。具体的には、開放タイマは、前記開放時間(30秒)に相当するカウンタ値が予め設定されており、大当り遊技処理の実行毎に(タイマ割り込み処理毎に)当該カウンタ値を減算する処理を実行し、当該カウンタ値=0となった時点で開放時間が経過したとするものである。尚、当然ながら、開放時間の計測手段は、こうした開放タイマの減算処理に限らず、他の手段を用いることも可能である。
前記S605の肯定判定から続く図20のS650では、第一,第二大入賞口14,20に入球した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。肯定判定の場合には(S650:Yes)、S660に進み、否定判定の場合には(S650:No)、S655に進む。S655では、上記した開放タイマの時間消化により開放時間(30秒)が経過したか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S655:Yes)、S660に進み、否定判定の場合には(S655:No)、大当り遊技処理を終了する。S660では、大入賞口閉鎖処理を実行し、第一,第二大入賞口14,20を閉鎖させる(開放ラウンドを終了する)。続くS665では、第一,第二大当り遊技作動における各開放ラウンド間のインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、大当り遊技処理を終了する。
前記S610の肯定判定から続く図20のS670では、第一,第二大当り遊技作動におけるインターバル時間が経過したか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S670:Yes)、S675に進み、否定判定の場合には(S670:No)、大当り遊技処理を終了する。S675では、最終ラウンドの終了か否かを判定し、肯定判定の場合には(S675:Yes)、S680に進み、否定判定の場合には(S675:No)、S685に進む。
S680では、大当り遊技を終了させる際の演出を指示するコマンドを、サブ統合制御装置83に送信する大当り終了演出処理を実行する。このS680の後に、大当り遊技処理を終了する。
S685では、大入賞口開放処理を実行する。この処理では、前記したS625と同様の処理を行い、第一,第二大入賞口14,20を開放させると共に、開放時間(30秒)の時間消化を開始する。
また、S615の肯定判定から続く図21のS700では、大当り終了演出の時間が終了したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S700:Yes)、S705に進み、該S705とS710とを順次実行する一方、否定判定の場合には(S700:No)、大当り遊技処理を終了する。S705とS710とでは、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、S715に進む。
S715では、時短当りフラグ=1であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S715:Yes)、S720に進み、否定判定の場合には(S715:No)、S735に進む。
S720に進んだ場合は、第二時短遊技状態に移行するために、変動回数カウンタに15回をセットするとともに(S720)、小当り回数カウンタに15回をセットし(S725)、さらに、時短フラグ=1として(S730)、S755に進む。
また、S715の否定判定から続くS735では、第二役物フラグ=1であるか否かを判定する。第二役物フラグは、第二役物大当りを契機とする第二大当り遊技作動時に「1」となるものである。そして、否定判定の場合には(S735:No)、第一時短遊技状態に移行するために、変動回数カウンタに100回をセットするとともに(S740)、小当り回数カウンタに1回をセットし(S745)、さらに、時短フラグ=1として(S730)、S755に進む。一方、S735で肯定判定の場合には(S735:Yes)、時短遊技状態には移行しないため、S750で第二役物フラグ=0にして、S755に進む。
S755では、サブ統合制御装置83に対して、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドを送信する大当り終了コマンド送信処理を実行し、S760に進む。続くS760では、時短フラグの情報や遊技状態の移行を指示するコマンド等をサブ統合制御装置83に送信する状態指定コマンド送信処理を実行し、特図当否判定処理を終了する。
(5)小当り遊技処理について
次に、主制御装置80で実行する小当り遊技処理を、図22~図24のフローチャートを用いて説明する。この小当り遊技処理は、小当り遊技作動の実行制御に係る処理であり、上記したメインルーチンの特別遊技処理(S70)から実行される。
小当り遊技処理では、図22に示すように、小当り遊技作動中であるか否かを判定する(S800)。肯定判定の場合には(S800:Yes)、S805に進み、否定判定の場合には(S800:No)、小当り遊技処理を終了する。
S805では、第二大入賞口20の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S805:Yes)、図23のS850に進み、否定判定の場合には(S805:No)、S810に進む。
S810では、小当り遊技の終了演出中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S810:Yes)、図24のS900に進み、否定判定の場合には(S810:No)、S820に進む。
S820では、小当り遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S820:Yes)、S825に進み、否定判定の場合には(S820:No)、小当り遊技処理を終了する。
S825では、第二大入賞口開放処理を実行する。この第二大入賞口開放処理では、第二大入賞口20を開放すると共に、第二大入賞口20を開放する開放時間の時間消化を開始する。続くS830では、特定口開放処理を実行する。特定口開放処理では、第二大入賞口装置21に設けられた特定口25を開放させる処理を行う。そして、特定口25を開放した状態で保持する。このS830の後に、小当り遊技処理を終了する。
前記S805の肯定判定から続く図23のS850では、前記特定口25に入球したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S850:Yes)、S855に進み、否定判定の場合には(S850:No)、S860に進む。S855では、発展フラグ=1として、S860に進む。
S860では、第二大入賞口20の開放時間が経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S860:Yes)、S865に進み、否定判定の場合には(S860:No)、小当り遊技処理を終了する。
S865では、第二大入賞口閉鎖処理を実行し、第二大入賞口20を閉鎖作動する。続くS870では、
特定口閉鎖処理を実行する。この特定口閉鎖処理では、特定口25を閉鎖させる処理を実行し、該特定口25を閉鎖状態で保持する。このS870の後に、S875に進み、小当り遊技を終了させる際の演出を指示するコマンドを、サブ統合制御装置83に送信する小当り終了演出処理を実行する。そして、S875の後に、小当り遊技処理を終了する。
前記S810の肯定判定から続く図24のS900では、小当り終了演出の時間が終了したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S900:Yes)、S905に進み、否定判定の場合には(S900:No)、小当り遊技処理を終了する。S905では、第二大入賞口装置21の作動を停止させ、続くS910では、小当り遊技に関する演出を終了させる小当り終了コマンドを、サブ統合制御装置83に送信する。
続くS915では、発展フラグ=1か否かを判定する。肯定判定の場合には(S915:Yes)、S920に進み、否定判定の場合には(S915:No)、S955に進む。S920では、発展フラグ=0として、S925に進む。
S925では、小当りの種類を示す小当り種別フラグを参照し、小当り種別フラグ=1であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S925:Yes)、S930で、第二役物大当りを示す第二役物フラグに「1」をセットして、S935に進む。否定判定の場合には(S925:No)、そのまま第S935に進む。
S935では、状態指定コマンド送信処理を実行し、その後に、条件装置作動開始処理(S940)、役物連続作動装置作動開始処理(S945)、大当り開始演出処理(S950)を順次実行することで、第二大当り遊技作動の態様を示すコマンドや、第二大当り遊技作動の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置83に送信する等して第二大当り遊技作動を開始し、小当り遊技処理を終了する。
一方、S955では、状態指定コマンド送信処理を実行して、時短フラグ等の情報をサブ統合制御装置83へ送信する。そして、S955の後に、小当り遊技処理を終了する。
[特許請求の範囲との対応]
以下に、前述した実施例で用いた用語と、特許請求の範囲に記載した用語との対応関係を説明する。
パチンコ機1が、本発明に係る遊技機の一例に相当する。
第一始動口11が本発明の第一の始動口に、第二始動口12が、本発明に係る第二の始動口の一例に相当する。
第一特別図柄と第二特別図柄が、本発明に係る特別図柄の一例に相当する。
第一特別図柄表示装置9及び第二特別図柄表示装置10が、本発明に係る特別図柄表示装置の一例に相当する。
特図当否判定処理のS300~S395が、本発明に係る特別図柄表示制御手段の一例に相当する。
第一大入賞口14と第二大入賞口20とが、本発明に係る大入賞口の一例に相当する。
特定口25が、本発明に係る特定領域の一例に相当する。
小当り遊技処理(図22~図24)が、本発明に係る小当り制御手段の一例に相当する。
大当り遊技処理(図19~図21)が、本発明に係る大当り制御手段の一例に相当する。
時短遊技状態が、本発明に係る特典遊技状態の一例に相当し、第一時短遊技状態が、本発明に係る第一の特典遊技状態の一例に相当し、第二時短遊技状態が、本発明に係る第二の特典遊技状態の一例に相当する。
第一大当り遊技作動及び第二大当り遊技作動が、本発明に係る大当り遊技作動の一例に相当する。
小当りの発生が、本発明に係る特別図柄が小当り図柄態様で停止表示された場合の一例に相当し、1回の小当り発生が、本発明に係る特別図柄が小当り図柄態様で所定回数停止表示されることに相当する。
時短当り図柄態様が、本発明に係る所定図柄態様の一例に相当し、時短当りの発生が、本発明に係る特別図柄が所定図柄態様で停止表示された場合の一例に相当する。
特図当否判定処理のS450~S490、S520~S535、大当り遊技処理のS715~S750が、本発明に係る遊技状態制御手段の一例に相当する。
「大当り」、「小当り1回」、及び、「特別図柄の変動100回」が、本発明に係る第一の特典遊技状態の特典終了条件の一例に相当し、「大当り」、「小当り15回」、及び、「特別図柄の変動15回」が、本発明に係る第二の特典遊技状態の特典終了条件の一例に相当する。
[別例について]
以下に、本発明の別の実施例について説明する。
上記実施例は、次の時短遊技状態に繋げられる確率(継続率)が、第一時短遊技状態で約65%、第二時短遊技状態では約80%となっており、第二時短遊技状態の方が遊技者にとって有利であったが、小当り当選時の第一小当りと第二小当りの振分率を変更したり、第二特典遊技状態における変動上限値を減少したりすることにより、第一特典遊技状態の方が、第二特典遊技状態よりも継続率の高い、有利な遊技状態となるようにしてもよい。
また、第一時短遊技状態と第二時短遊技状態の有利度(継続率や平均連荘回数等)を、ほぼ同じにしてもよい。第一時短遊技状態から第二時短遊技状態への移行時に有利度が変化しなくても、ゲーム性が変化することにより遊技の興趣が増して、遊技者を飽きさせ難くなるためである。
また、第一時短遊技状態と第二時短遊技状態のゲーム性は、上記実施例の構成に限らず、適宜変更可能である。例えば、第一時短遊技状態において、非継続終了条件に係る変動上限値を少なめに設定して、限られた変動回数内に大当りが発生しなければ、通常遊技状態に移行するようにしたり、第二時短遊技状態の方に、非継続終了条件に相当する大当りを設定したりしてもよい。
また、上記実施例では、第一始動口11に入球した場合には、大当りか否かの当否判定のみを行って、時短当りや小当りの当否判定をしないが、第一始動口11に入球した場合にも時短当りや小当りの当否判定をして、第一特別図柄に係る時短当りや小当りを経由して時短遊技状態に移行可能にしてもよい。
また、上記実施例では、時短遊技状態は、第一時短遊技状態と第二時短遊技状態の二種類のみであったが、さらに終了条件の異なる第三、第四の時短遊技状態を設けるようにしてもよい。
また、時短当り図柄態様は、1種類でも複数種類でもよく、時短当り図柄態様によって、終了条件の異なる時短遊技状態に移行するようにしてもよい。例えば、第一の時短当り図柄態様が停止表示された場合は、小当り上限値15回、変動上限値15回の時短遊技状態へ移行し、第二の時短当り図柄態様が停止表示された場合は、小当り上限値20回、変動上限値20回の時短遊技状態へ移行するようにしてもよい。また、第一の時短当り図柄態様が停止表示された場合は、第一時短遊技状態から第二時短遊技状態へ移行し、第二の時短当り図柄態様が停止表示された場合は、第二時短遊技状態から第一時短遊技状態へ移行するようにしてもよい。
また、上記実施例では、小当り遊技作動中に右打ちをすれば、ほぼ確実に第二大入賞口20へ入球させて、入球させた遊技球を、ほぼ確実に特定口25に入球させることができるが、小当り遊技作動における特定口25への入球容易度を下げて、特定口25への入球に失敗する場合が度々生じるようにしてもよい。かかる構成とした場合には、第一時短遊技状態で、継続終了条件に相当する第一小当りに当選した場合でも、その後の小当り遊技作動で特定口25への入球に失敗すると、通常遊技状態に移行してしまうため、新たなゲーム性が生じる。また、第二時短遊技状態にあっては、特定口25への入球に繰り返し失敗すると、小当り上限値15回が充足されて通常遊技状態へ移行してしまうため、新たなゲーム性が生じる。
また、上記実施例では、小当りが、第一小当りと第二小当りの二種類で構成されていたが、小当りは一種類でもよいし、三種類以上であってもよい。上記実施例にあって、三種類目の第三小当りを追加して、第三小当りを時短遊技状態の終了条件に組み込むようにすれば、時短遊技状態のゲーム性を一層高めることができる。例えば、第一時短遊技状態の終了条件に、「第三小当り2回」を追加して、1回目の第三小当りで役物大当りに発展した場合は第二時短遊技状態に移行して、2回目の第三小当りで役物大当りに発展した場合は第一時短遊技状態に移行するような構成にすることが提案される。また、第二時短遊技状態の終了条件に、「第三小当り5回」を追加して、「特別図柄の変動回数15回」に達する前に、「第三小当り5回」の充足により第二時短遊技状態が終了し得るような構成も提案される。
また、小当り発生時に、第一小当りと第二小当りのどちらに当選したかについては、遊技者に明示してもよいし、遊技者がわかりづらいようにしてもよい。
また、時短遊技状態の終了条件に係る小当り回数や特別図柄の変動回数については、当該時短遊技中に遊技者が把握し易いように随時報知してもよいし、遊技者に報知しないようにしてもよい。
また、上記実施例にあって、遊技状態毎に背景画像や図柄等の演出態様を相違させることにより、遊技者が現在どの遊技状態で遊技をしているか認識できるようにしてもよい。一方、時短当り図柄態様を遊技者が判別し難いものにして、時短遊技状態中に、第一時短遊技状態と第二時短遊技状態のいずれで遊技しているのか、遊技者が分りづらくなるようにしてもよい。かかる構成では、遊技者は、第一時短遊技状態と第二時短遊技状態を取り違え易くなるため、第一時短遊技状態と思っていたら、第二時短遊技状態の終了条件充足により時短遊技状態が不意に終了してしまったり、第一時短遊技状態の終了条件充足により時短遊技状態が終了してしまうと思っていたら、実際には第二時短遊技状態であったため、時短遊技状態の終了を回避できたりするような、意外性のある遊技を提供可能となる。
また、現在の遊技状態を分りづらくする場合には、遊技状態の変化を報知しない場合の専用の演出画像を表示し、所定のタイミングで現在の遊技状態を示唆する演出画像を表示するようにしてもよい。
また、上記実施例では、第二時短遊技状態で時短当りが発生した時に、時短遊技状態の終了条件に係る小当り回数や特別図柄の変動回数のカウントをクリアして、夫々のカウントを一からやり直しているが、これらのカウントをクリアせずに小当り回数や変動回数を引き継ぐようにしてもよい。第二時短遊技状態における時短当りの発生時に、小当り回数や変動回数のカウントを引き継ぐ構成にした場合には、上記実施例の構成よりも、第二時短遊技状態で非継続終了条件(小当り上限値と変動上限値)が充足され易くなるため、第二時短遊技状態における継続率が低下することとなる。また、当選した時短当りの種類に応じて、小当り回数や変動回数のカウントを引き継ぐ場合と、引き継がない場合が生じるようにしてもよい。
また、上記実施例では、第二特別図柄について、大当り、小当り、及び時短当りの当否判定の結果、いずれにも当選しない場合はハズレとなるが、第二特別図柄について、ハズレを設定せず、必ず、大当り、小当り、及び時短当りのいずれかに当選する構成にしてもよい。かかる構成にあっては、時短当り(時短当り図柄態様)を複数種類設け、時短当りの種類に応じて異なる時短遊技状態に移行させるよう構成すれば、さらなるゲーム性を付与できる。また、かかる構成とした場合には、第二特別図柄で時短当りが発生した時に、時短遊技状態の終了条件に係る小当り回数や特別図柄の変動回数のカウントをクリアせず、小当り回数や変動回数を引き継ぐようにすることが望ましい。
また、第二特図大当りとなった場合には、停止表示された大当り図柄態様に応じて、大当り遊技作動後に夫々異なる時短遊技状態に移行するようにしてもよい。この時、移行先の各時短遊技状態は、時短当り発生時と同様の時短遊技状態であってもよいし、時短当り発生時とは異なる時短遊技状態であってもよい。
また、上記実施例では、第二保留記憶数の上限値が1個となっているが、第二保留記憶数の上限値は1個に限られず、適宜変更可能である。例えば、第二保留記憶数の上限値を、第一保留記憶数と同じ4個にしてもよい。上述のように、時短遊技状態の終了直後は、未消化の第二保留記憶で小当りや時短当りに当選することで、時短遊技状態に短時間で復帰できるチャンスがあるため、第二保留記憶数の上限値が4個の構成では、かかるチャンスが大きくなる。また、第二保留記憶数の上限値を0個にしてもよい。かかる場合には、時短遊技状態の終了直後に第二保留記憶が消化されないため、時短遊技状態に短時間で復帰するのは困難となる。
また、上記実施例では、通常遊技状態において時短当りが発生すると、時短遊技状態(第二時短遊技状態)に移行するよう構成されているが、通常遊技状態では、時短当りが発生しない(時短図柄態様が停止表示されない)ようにしたり、時短当りが発生しても、時短遊技状態に移行しないようにしてもよい。また、通常遊技状態で時短当りが発生したときは、第二始動口への入球が困難で、通常遊技状態とほぼ有利度の変わらない時短遊技状態に移行させるようにしてもよい。
また、上記実施例では、通常遊技状態で特図大当りが発生した場合は、大当り遊技作動後に第一時短遊技状態に移行するよう構成されているが、通常遊技状態において、大当り遊技作動後に第二時短遊技状態に移行する、特殊な特図大当りを設けるようにしてもよい。
また、上記実施例では、時短遊技状態で特図大当りが発生した場合は、大当り遊技作動後に第二時短遊技状態に移行するよう構成されているが、特図大当りが第一時短遊技状態で発生した場合は、大当り遊技作動後に第一時短遊技状態に移行するといった具合に、特図大当り発生時と同じ時短遊技状態に移行させてもよい。また、特図大当りが第一時短遊技状態で発生した場合は第二時短遊技状態へ移行させ、第二時短遊技状態で発生した場合は第一時短遊技状態へ移行させるといった具合に、特図大当り発生時と異なる時短遊技状態に移行させてもよい。このようにすれば、時短遊技状態において、時短当りや役物大当りを一層期待するゲーム性を実現可能となる。
1 パチンコ機(遊技機)
9 第一特別図柄表示装置(特別図柄表示装置)
10 第二特別図柄表示装置(特別図柄表示装置)
11 第一始動口(第一の始動口)
12 第二始動口(第二の始動口)
14 第一大入賞口(大入賞口)
20 第二大入賞口(大入賞口)
25 特定口(特定領域)

Claims (1)

  1. 遊技球が常時入球可能な第一の始動口と、
    遊技球が入球容易な状態と、遊技球が入球困難な状態に変換可能な第二の始動口と、
    特別図柄を表示する特別図柄表示装置と、
    前記第一の始動口又は前記第二の始動口への入球に起因して、前記特別図柄を変動表示させた後に停止表示させる特別図柄表示制御手段と、
    開閉可能な大入賞口と、
    前記大入賞口の内部に設けられた特定領域と、
    前記特別図柄が小当り図柄態様で停止表示された場合に、前記大入賞口が1回開放する小当り遊技作動を実行させる小当り制御手段と、
    前記小当り遊技作動に起因して遊技球が前記大入賞口内の前記特定領域に入球した場合、又は、前記特別図柄が大当り図柄態様で停止表示された場合に、前記大入賞口が複数回開放する大当り遊技作動を実行させる大当り制御手段と、
    通常遊技状態と、前記通常遊技状態よりも前記第二の始動口へ入球容易となる特典遊技状態とに遊技状態を制御する遊技状態制御手段と
    を備え、
    前記遊技状態制御手段は、前記特典遊技状態において、所定の特典終了条件の充足を契機として、遊技状態を前記通常遊技状態に移行させるものであり、
    前記特典遊技状態は、前記特典終了条件が相違する第一の特典遊技状態と第二の特典遊技状態を含み、
    前記遊技状態制御手段は、少なくとも、前記第一の特典遊技状態において、前記特別図柄が前記大当り図柄態様と異なる所定図柄態様で停止表示された場合に、前記第一の特典遊技状態から前記第二の特典遊技状態へ移行させることを特徴とする遊技機。
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