以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
図1は、本実施例におけるパチンコ機の遊技盤8の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられ、多数の遊技釘27が植設されている。遊技領域26の略中央には、窓部28aを有する液晶枠飾り28が設けられており、演出図柄表示装置54b(図2参照)のLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
また、窓部28aの上方左には、7セグメントLED等の発光部材により構成される第1特別図柄表示装置29、上方右には左と同一部材の第2特別図柄表示装置30と、中央には4個の発光部材で構成される第2特別図柄保留数表示装置30aが設けられており、窓部28a下には同様に4個の発光部材で構成される第1特別図柄保留数表示装置29aが設けられている。
液晶枠飾り28の左側には普通図柄作動ゲート42が設けられており、下側には第1始動口31と開放時のみ入賞可能となる普通電動役物40(本発明の可変入賞装置に該当)が第2始動口32として設けられている。また普通電動役物40には、7セグメントLED等の発光部材により構成される普通図柄表示装置41が配置されている。第2始動口32の下方には、アタッカー式の大入賞口33aを備える大入賞口ユニット33が配置され、該大入賞口ユニット33の下方にはアウト口34が設けられている。大入賞口33aの左側には4個のLEDで構成される普通図柄保留数表示装置41aが設けられている。また、大入賞口ユニット33の左側には、左一般入賞口35aを備える入賞口ユニット35が設けられ、大入賞口ユニット33の右側にも、右一般入賞口35aを備える入賞口ユニット35が設けられている。
上記のように遊技盤8を構成することによって、普通図柄作動ゲート42に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ42a(図2参照)が遊技球を検出し入賞と判定)すると、普通図柄表示装置41で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、普通電動役物40の羽根部材が駆動して、普通電動役物40への入球が可能となるように構成されている。
普通電動役物40の羽根部材が駆動する開放時間は、通常時においては、0.100秒の開放を1回(ショート開放)、又は0.100秒の開放を1回行ったあとに5.400秒の開放を1回(ロング開放)行う2種類の開放パターンのいずれかとなり、普通図柄の当り図柄の種類に応じて何れかの開放パターンが実施される。また、時短状態(開放延長状態)では1回の普通図柄の当りで1.880秒の開放を3回実施する。
なお、通常時の1回の当り時に行う「0.100秒の開放を行ったあとに5.400秒の開放」(ロング開放)が、本発明の可変入賞装置の比較して長い時間で作動に該当し、同様に通常時の1回の当り時に行う「1回の0.100秒の開放」(ショート開放)が短い時間で作動に該当する。また、普通図柄がロング開放図柄で当った場合、0.100秒の開放を行ってから5.400秒の開放を行うが、0.100秒の開放は、遊技者にロング開放のタイミングをわかりやすくする(打つ準備をさせる)効果がある。
第1始動口31に遊技球が入球(第1始動口スイッチ31a(図2参照)が遊技球を検出し入賞と判定)すると、第1特別図柄表示装置29において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2始動口32である普通電動役物40に遊技球が入球(第2始動口スイッチ32a(図2参照)が遊技球を検出し入賞と判定)すると、第2特別図柄表示装置30において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、窓部28aに配置された演出図柄表示装置54bにおいて各々の特別図柄の変動に連動した擬似図柄の演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、第1始動口と第2始動口への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動停止(当否判定)を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し且つ第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。第1特別図柄及び第2特別図柄の態様に応じて大入賞口ユニット33の扉部材が駆動して、大入賞口33aへの入球が可能となるように構成されている。
なお、本実施例のパチンコ遊技機では、第1始動口31への入球時よりも第2始動口32への入球時の方が遊技者に有利な構成となっている。具体的には、第2始動口32への入球に基づく当否判定で大当りとなった場合は、毎回大入賞口33aが15回の開放動作を実施する大当り遊技が獲得できるが、第1始動口31への入球に基づく当否判定で大当りとなった場合は、15回の開放動作を行う大当り遊技が獲得できる確率は50%となり、残りの50%はそれよりも少ない開放回数(6回)となる。また、遊技球が1個入賞した際に獲得する賞球数は、第1始動口31と普通電動役物40(第2始動口32)は3個、大入賞口33aは14個、左右一般入賞口35aは10個に設定されている。
続いて、図2に本実施例におけるパチンコ機の電気配線を示すブロック図を示し説明する。図2には煩雑になる電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に供給される構成となっている。尚、遊技盤8を装着するパチンコ機本体に関する部品は図示を省略している。
主制御装置50の入力端には、遊技盤中継端子板を介して第1始動口31に入球した遊技球を検出する第1特図始動スイッチ31aと、第2始動口32である普通電動役物40に入球した遊技球を検出する第2特図始動スイッチ32aと、普通図柄作動ゲート42に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ42aと、大入賞口33aに入球した遊技球を検出するカウントスイッチ33bと、左右一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ35bとが接続されている。
また、裏配線中継端子板を介して前面枠が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチと、意匠枠が閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチと、が接続されている。なお、主制御装置50の入力端に接続された各種入賞検出スイッチ(第1特図始動スイッチ31a、第2特図始動スイッチ32a、普通図柄作動スイッチ42a、カウントスイッチ33b、一般入賞口スイッチ35b)は、電波(電磁波)ゴトに有効(遊技球検出状態時のみ電波の影響を受ける)なスイッチとしてノーマルクローズタイプ(NCタイプ)の近接スイッチ(遊技球通過孔を備えた形状)を用いている。
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板を介して大入賞口33aの扉部材を駆動する大入賞口ソレノイド33cと、普通電動役物40の羽根部材を駆動する普通電役ソレノイド42cとが接続されており、図柄表示装置中継端子板64を介して第1特別図柄を表示する第1特図表示装置29と、第1特別図柄の保留数を表示する第1特図保留数表示装置29aと、第2特別図柄を表示する第2特図表示装置30と、第2特別図柄の保留数を表示する第2特図保留数表示装置30aと、普通図柄を表示する普通図柄表示装置41と、普通図柄の保留数を表示する普図保留数表示装置41aとが接続されており、裏配線中継端子板及び外部接続端子板を介して図示しないホールコンピュータと、が接続されている。
主制御装置50はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51及びサブ統合制御装置53に出力する。ここで、主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合制御装置53とは主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成されている。
払出制御装置51の入力端には、裏配線中継端子板を介して球タンク又はタンクレール内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチと、裏配線中継端子板及び払出中継端子板を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチと、各種端子板を介することなく下皿への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチとが接続されている。払出制御装置51の出力端には、裏配線中継端子板及び払出中継端子板を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータが接続されている。
払出制御装置51はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50及び発射制御装置に出力する。ここで、払出制御装置51と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置51と発射制御装置とは払出制御装置51から発射制御装置への一方向通信回路として構成されている。
また、払出制御装置51は、外部接続端子板を介して賞球に関する情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置52に対して発射停止信号を送信する。発射制御装置52は発射モータを制御して、遊技球を遊技領域26に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置52には払出制御装置51以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチからのタッチ信号、発射停止スイッチから発射停止スイッチ信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチを押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
サブ統合制御装置53の入力端には、遊技者により操作可能な遊技スイッチ14aが接続されている。サブ統合制御装置53の出力端には、図示しない意匠枠及び遊技盤8に備えられる各種LED・ランプ37と、前面枠及びスピーカユニットに備えられるスピーカ10と、が接続されている。尚、サブ統合制御装置53と主制御装置50とは主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置54aとはサブ統合制御装置53から演出図柄制御装置54aへの一方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニット54の演出図柄制御装置54aに出力する。
また、サブ統合制御装置53には、音量を調節する音量調節スイッチ10aが備えられ、音量調節スイッチ10aの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカ10へ送信する内容とを判断し、スピーカ10から出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
演出図柄制御装置54aは、サブ統合制御装置53から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置50から送信されてきたものとサブ統合制御装置53が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置54bを制御して、演出図柄(本発明の擬似図柄に該当)等の演出画像を窓部28aに表示させる。
次に、図3を用いて、主制御装置50が行う始動入賞処理について説明する。始動入賞処理は、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置50に格納する処理である。以後、第1始動口31に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口32に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄始動ゲート42を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
なお、主制御装置50に格納されている第1、第2、及び普図保留記憶の保留記憶数は各々、図1で示した第1特別図柄保留数表示装置29a、第2特別図柄保留数表示装置30a、普通図柄保留数表示装置41aの点灯により、遊技者が認識できるようになっている。本実施形態においては、普通図柄保留数表示装置41a、第1特別図柄保留数表示装置29a、第2特別図柄保留数表示装置30aによる各々の点灯数の最大個数は4個となっている。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したときに取得される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置50に格納される。
始動入賞処理を開始すると、第1特図始動スイッチ31aが遊技球を検出したか否か判定する(S10)。否定判定なら(S10:no)S30に進み、肯定判定なら(S10:yes)、主制御装置50に格納されている第1保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S15)。否定判定なら(S15:no)S30に進み、肯定判定であれば(S15:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1保留記憶として記憶し(保留記憶手段)、第1保留記憶数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算し(S20)、加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信する(S25)(保留記憶数送信手段)。
S10、S15が否定判定(S10:no、S15:no)、又はS25の処理を終えると、第2特図始動スイッチ32aが遊技球を検出したか否か判定する(S30)。否定判定なら(S30:no)S50に進み、肯定判定なら(S30:yes)、主制御装置50に格納されている第2保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S35)。否定判定なら(S35:no)S50に進み、肯定判定であれば(S35:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第2保留記憶として記憶し(保留記憶手段)、第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算し(S40)、加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信する(S45)(保留記憶数送信手段)。
S30、S35が否定判定(S30:no、S35:no)、又はS45の処理を終えると、普通図柄作動スイッチ42aが遊技球を検出したか否か判定する(S50)。否定判定なら(S50:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S50:yes)、主制御装置50に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S55)。否定判定なら(S55:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S55:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し(保留記憶手段)、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S60)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信し(S65)(保留記憶数送信手段)、リターンする。サブ統合制御装置53は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置54b上で表示する各保留記憶数表示を変化させる制御を行う。また、本実施例では、演出図柄表示装置54b上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。
以上が始動入賞処理となるが、S20、S40、及びS60の処理後に先読判定処理を行いその判定結果をサブ統合制御装置53に送信して先読演出を行う構成としてもよい。先読演出は、後述する当否判定処理を行う以前に保留記憶された第1、第2、普図保留記憶の内容を確認し、当否判定以前の各乱数値の保留記憶時から遊技者に期待を持たせる演出を行う構成となる。
具体的には、第1、第2保留記憶であれば、保留記憶された大当り判定用乱数の値が予め定められた大当りと判定される値と一致しているか否か、また、不一致の場合でも変動パターン決定用乱数の値が大当りの期待が持てる特定の変動パターンを示すものであるかを判定し(先読判定手段)判定結果をサブ統合制御装置53に送信する。
普図保留記憶であれば、保留記憶された当り判定用乱数の値が、予め定められた当りと判定される値と一致しているか否か、更に、当り値であれば当り図柄決定用乱数を確認し、当り図柄に応じて決定する普通電動役物40の作動時間を判定し(先読判定手段)判定結果をサブ統合制御装置53に送信する。なお、先読判定手段による判定結果は、先読判定コマンドとしてサブ統合制御装置53に送信(先読判定結果送信手段)してもよいし、S25、S45、S65で送信する保留数指示コマンドに先読判定の結果を合成して送信してもよい。
先読判定結果を受信したサブ統合制御装置53は、該判定結果に応じて、対応する保留記憶の表示態様や後述する示唆図柄を用いて、当該変動中以外の変動(当否判定)に対する大当り期待度演出(先読演出)を行う。これにより、後述する示唆演出の実施契機を多様にすることが可能になり、普通図柄と特別図柄の両方の抽選結果に対して遊技者がより長い期間興味を抱けるようになる。
次に、図4、5、6を用いて、主制御装置50が行う普図当否判定処理について説明する。普図当否判定処理は、本発明の作動判定手段と判定結果コマンド送信手段とを含む処理となる。なお、普通電動役物40は普図当否判定で当たったことに起因して作動し、普通電動役物40が作動することで第2始動口32(遊技者に有利な始動口)への入球が可能になる。
普図当否判定処理を開始すると、普通電動役物が非作動中か否か判定する(S100)。否定判定なら(S100:no)、リターンし、肯定判定なら(S100:yes)、普通図柄が非変動中か否か(S105)、普通図柄が非確定表示中か否か(S110)、判定する。どちらも肯定判定なら(S105:yes、S110:yes)、普通図柄保留記憶があるか否か判定し(S115)、否定判定なら(S115:no)リターンし、肯定判定なら(S115:yes)、時短フラグが0か否か判定する(S120)。
時短フラグは、主制御装置50が記憶する値であり、値が「0」のときは、普通電動役物40の作動時間を通常時よりも長くする開放延長機能が未作動の非時短状態であることを、値が「1」のときは、開放延長機能が作動中の時短状態であることを主制御装置50が判断するための値である。これにより本実施例では時短フラグが立つことで開放延長機能(1回の普通図柄当選に対する普通電動役物40の作動時間を長くするための機能)が作動し、時短フラグが落ちると開放延長機能が終了する構成となっている。
S120が否定判定、即ち時短状態なら(S120:no)、時短状態中の処理を行うが、時短状態では普通図柄の変動パターンを選択する変動パターンテーブルの内容が異なる(非時短時よりも変動時間が短い)と共に、後述するS165の処理を行わない内容となり、従来技術と何ら変わらないため、説明は割愛する。S120が肯定判定なら(S120:yes)普図保留記憶のシフト処理を行い、これにより最も古い普図保留記憶を当否判定の対象とするとともに、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタから1を減算する(S125)。
続く、当り判定用乱数比較処理(S135)では、当否判定の対象とした普図保留記憶の当り判定用乱数と、予め設定された普図当否判定テーブルとを比較して、当り判定用乱数の値が普図当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する。当否判定は通常確率(低確率)と高確率の2種類あり、当否判定時の遊技状態が通常遊技であれば通常確率(50/100)で比較し、高確率の遊技状態であれば高確率(100/100)で比較する。
続いて、S135の比較結果が当りであるか否か判定する(S140)。肯定判定なら(S140:yes)、当り図柄選択(S145)、変動パターン決定(S155)を行うが、当り図柄選択(S145)では、当り図柄決定用乱数を用いて1/50の確率で普通電動役物40がロング開放をする当り図柄を選択する。従って、普通図柄が普通電動役物40のロング開放で当る確率は1/100((50/100)×(1/50))となる。本実施例ではロング開放とショート開放の2種類に振分けられるが、ミドル開放を加え振分け数を増やす構成も当然考えられる。
S140が否定判定なら(S140:no)、はずれ図柄の決定(S150)、変動パターンの決定(S155)が行われる。S155に続いては、判定を行った普図保留記憶の判定結果(ロング開放当り、ショート開放当り、はずれ)を、判定結果コマンド(本発明における判定結果コマンドに該当)としてサブ統合制御装置53に送信し(S165)、上記処理結果に応じた普通図柄の変動開始処理を行い(S170)リターンする。
S105が否定判定、即ち普通図柄の変動中なら(S105:no)、図5のフローチャートに進み、普通図柄の変動時間(通常時6.0秒、開放延長時0.5秒)が経過したか否か判定する(S200)。否定判定なら(S200:no)、リターンに抜け、肯定判定なら(S200:yes)、変動中の普通図柄をS145又はS150で決定した図柄で停止表示する処理を行い(S205)、停止表示した図柄が普通電動役物40を作動させる当り図柄か否か判定する(S210)。否定判定なら(S210:no)、はずれ図柄に応じた確定表示時間を設定し(S220)リターンに抜ける。
S210が肯定判定なら(S210:yes)、当り図柄の種類に応じた確定表示時間を設定し(S215)、時短フラグが0か否か判定する(S225)。肯定判定、即ち通常状態なら(S225:yes)、表示設定した当り図柄の種類がロング開放図柄か否か判定する(S230)、肯定判定なら(S230:yes)、普通電動役物40の当り動作としてロング開放パターンを設定し(S235)、否定判定なら(S230:no)、ショート開放パターンを設定する(S235)。S225が否定判定なら(S225:no)、開放延長機能が作動した状態であるため普通電動役物40の当り動作として1.880秒×3回の開放動作を設定する(S245)。S235、S240、又はS245に続いては、普通電動役物40の作動開始処理を行い(S250)、リターンする。
図4のS110が否定判定なら(S110:no)、図6のフローチャートに進み、確定図柄の表示時間が終了したか否か判定する(S300)。否定判定なら(S300:no)リターンし、肯定判定なら(S300:yes)、確定図柄表示終了処理を行い(S305)、リターンする。
以上が主制御装置50が実行する普図当否判定処理となる。本実施例では、普通図柄は普通図柄表示装置41のみでの表示となるが、当否判定結果に応じた普図変動指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信し、サブ統合制御装置53は受信した普図変動指示コマンドに応じて、普通図柄に対応した演出用の擬似図柄を選択し、演出図柄表示装置54bに該擬似図柄を用いて演出変動と確定図柄を表示する構成も考えられる。なお、普図変動指示コマンドは、指示内容をS165の判定結果コマンドと合成してサブ統合制御装置53に送信してもよい。
次に、図7のフローチャートを用いて主制御装置50が実行する普電作動処理を説明する。普電作動処理を開始すると、普通電動役物40が作動中か否か判定する(S350)。肯定判定なら(S350:yes)、第2特図始動スイッチ32aが作動中の規定入賞数(本実施例では10個)となる遊技球を検出したか否か判定する(S355)。否定判定なら(S355:no)、S235、S240、又はS245で設定した普通電動役物40の作動時間が終了したか否か判定する(S360)。S360が否定判定なら(S360:no)リターンに抜け、S355又はS360が肯定判定なら(S355:yes、S360:yes)、普電作動終了処理を行い(S365)リターンする。
次に、図8のフローチャートを用いて主制御装置50が実行する特図当否判定処理を説明する。特図当否判定処理は、本発明における表示制御コマンド送信手段を含む処理となる。特図当否判定処理を開始すると、特別図柄の始動条件が成立しているか否か判定する(S400)。この判定処理では、大当り遊技中でないこと、特図変動中又は確定表示中でないことを確認する。S400が否定判定なら(S400:no)リターンし、肯定判定なら(S400:yes)、第2保留記憶があるか否か判定する(S405)。肯定判定なら(S405:yes)S420に進み、否定判定なら(S405:no)、第1保留記憶があるか否か判定する(S410)。否定判定なら(S410:no)リターンし、肯定判定なら(S410:yes)S420に進む。このS405とS410の判定順により、第2保留記憶の当否判定を第1保留記憶よりも優先して実施する構成となっている。
S420では、時短フラグが0か否か判定する(S420)。否定判定なら(S420:no)、時短状態中の処理に進むが、この処理は公知の処理と何ら変わりないため説明は割愛する。S420が肯定判定なら(S420:yes)保留記憶のシフト処理を行い、これにより最も古い保留記憶を当否判定の対象とするとともに、対象となった第1又は第2保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算し(S425)、該減算した保留記憶カウンタの値を示す保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信する(S430)。
続く、大当り判定用乱数比較処理(S435)では、特図当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数と予め設定された特図当否判定テーブルとを比較して、大当り判定用乱数の値が特図当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する(S435)。特図当否判定テーブルは通常確率(低確率1/358.1148)用と高確率用(1/37.6855)の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常遊技であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率の遊技状態であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
続いて、S435の比較結果が大当りであるか否か判定する(S440)。肯定判定なら(S440:yes)、図柄モード設定処理を行う(S445)。図柄モード設定処理では、当否判定の対象とした保留記憶の種類(第1保留記憶又は第2保留記憶)と、判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する。次に、設定した図柄モードの種類と判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S450)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当りの種類(大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態)を大当り図柄によって報知するために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から表示する図柄を決定する処理となる。
次にS445で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S455)。モードバッファは当否判定時に決定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する確変フラグ及び時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容(確変機能および開放延長機能(時短機能)の作動とその作動回数)は記憶せず、具体的な遊技内容を複数種類記憶したテーブルの中から図柄モードの値によって選択される遊技内容を、該遊技内容に対応した値として記憶する構成となっている。
次に、S445で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる大入賞口の開放パターン設定処理を行い(S460)、特図当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置29又は第2特別図柄表示装置30、及び演出図柄表示装置54bに表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、変動パターン選択テーブルから選択する(S465)。
次に、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示コマンドとしてサブ統合制御装置53へ送信する(S485)(本発明における表示制御コマンド送信手段)。この情報を受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づいて、演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、大当り図柄および変動パターンの情報に対応する擬似図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に、主制御装置50は、第1特別図柄表示装置29又は第2特別図柄表示装置30を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S440が否定判定、即ちハズレなら(S440:no)、大当り判定用乱数の比較処理(S435)の比較結果が小当りであるか否か判定し(1/150)(S470)、肯定判定なら(S470:yes)、小当り図柄を選択し(S475)、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行い(S460)、小当り図柄に対応する変動パターン選択処理を行い(S465)、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置53へ送信する(S485)(本発明における表示制御コマンド送信手段)。この情報を受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づき演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に対応する擬似図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に、主制御装置50は、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S470が否定判定なら(S470:no)、ハズレ図柄を選択し(S480)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S465)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示コマンドをサブ統合制御装置53へ送信する(S485)(本願発明における表示制御コマンド送信手段)。この情報を受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づき演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に対応する擬似図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に主制御装置50は、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
以上が当否判定処理の説明となり、抽選の結果に応じた変動指示コマンド(本発明の表示制御コマンドに該当)をサブ統合制御装置53に送信する、本発明における表示制御コマンド送信手段が実施される処理となる。
次に、図9のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置53が実行する判定結果コマンド受信処理を説明する。この判定結果受信処理は、主制御装置50から判定結果コマンドを受信すると、普通図柄の抽選結果であるコマンド内容を記憶して、記憶したコマンド内容の参照有効期間を示すタイマを設定し、該タイマを構成するカウンタを管理する処理を行うとともに、判定結果コマンドの受信を契機に実施する示唆図柄演出の実行判定(示唆図柄選択、示唆図柄表示指示)を行う。従って、この判定結果受信処理は、本発明の判定結果コマンド記憶手段を含む処理となる。
判定結果コマンド受信処理を開始すると、判定結果コマンドを受信したか否か判定する(S500)。肯定判定なら(S500:yes)、受信した判定結果コマンドが示す「ロング開放当り」「ショート開放当り」「はずれ」のいずれかを普通図柄の判定結果として記憶し(S505)、記憶した普通図柄判定結果の参照可能期間を規制する参照タイマをセットし(S510)、普図参照可能フラグに1をセットして(S515)リターンする。
本実施例では、判定結果コマンド受信時にセットする参照タイマ(参照有効期間)は、毎回2.0秒となっている。これは、示唆図柄演出の演出時間が4.0秒に設定されているため、普通図柄(変動時間6.0秒)の変動開始から2.0秒以内に示唆図柄演出を開始しないと、示唆図柄が確定表示を行う以前に普通図柄の確定表示が行われるからである。
S515に続いては、判定結果コマンドの受信を契機とした示唆図柄演出を実行するか否かの判定に用いる実行判定乱数を抽出し(S520)、抽出した乱数値が示唆図柄演出の実行値か否か判定する(S525)。否定判定なら(S525:no)リターンし、肯定判定なら(S525:yes)、擬似図柄が、判定結果コマンドの受信を契機に示唆図柄演出の実施が可能な期間(擬似図柄参照可能期間)で変動中か否か判定する(S530)。否定判定なら(S530:no)リターンし、肯定判定なら(S530:yes)、記憶した判定結果コマンドの内容を参照する(S535)。
続いて、参照した判定結果コマンドの内容を基に確定表示する示唆図柄を選択し(S540)、選択した示唆図柄を変動表示後に確定表示する示唆図柄演出を演出図柄表示装置54bに表示する指示を演出図柄制御装置54aに送信して(S545)リターンする。
S500の判定が否定判定なら(S500:no)、S510でセットした参照タイマとなるカウンタ値が0よりも大きいか否か判定する(S550)。否定判定なら(S550:no)リターンし、肯定判定なら(S550:yes)、カウンタから−1するデクリメント処理を行い(S555)、カウンタ値が0か否か判定する(S560)。否定判定なら(S560:no)リターンし、肯定判定なら(S560:yes)、普図参照可能フラグに0をセットして(S565)リターンする。
以上が判定結果コマンド受信処理となる。本実施例では、S505で記憶した普通図柄の判定内容は、次回の新たな判定内容を記憶する時点で削除する構成とするが、参照タイマが0になった時点で削除する構成も考えられる。この場合、コマンド内容が記憶されていれば参照可能な期間となり、記憶されていなければ参照不可能な期間となる。また、判定結果コマンド受信処理においても示唆図柄演出の実行判定を行うが、後述する変動指示コマンド受信時では示唆図柄演出を開始するタイミングを複数とすることで、遊技者は開始した示唆図柄演出が普通図柄の抽選を契機としたものなのか特別図柄の抽選を契機にしたものかの判別が難しくなり、双方の図柄の抽選結果に対して注目度をあげることになる。
次に、図10のフローチャートを用いて実施例1においてサブ統合制御装置53が実行する変動指示コマンド受信処理1を説明する。この変動指示コマンド受信処理1は、主制御装置50から受信した変動指示コマンドの内容に応じて演出図柄表示装置54bに表示する擬似図柄の表示態様を選択し、その選択した内容を演出図柄表示装置54bに表示する指示を演出図柄制御装置54aに行うとともに、受信した変動指示コマンドの内容と、直近で記憶した判定結果コマンドの内容を参照して示唆図柄を選択し、選択した示唆図柄による示唆図柄演出を演出図柄表示装置54bに表示する指示を演出図柄制御装置54aに行う処理となる。従って、変動指示コマンド受信処理1は、本発明における擬似図柄選択手段、擬似図柄表示手段、示唆演出決定手段、示唆図柄選択手段、示唆図柄表示手段とを含む処理となる。
変動指示コマンド受信処理1を開始すると、主制御装置50から変動指示コマンドを受信したか否か判定する(S600)。否定判定なら(S600:no)リターンし、肯定判定なら(S600:yes)振分け乱数を抽出し(S605)、受信した変動指示コマンド(特別図柄の抽選結果に応じた図柄および変動パターンの情報)とS605で抽出した振分け乱数の値に応じてサブ統合制御装置53が記憶する複数種類の擬似図柄及び変動態様の中から演出図柄表示装置54bに表示する擬似図柄の変動態様と確定表示する擬似図柄の種類を選択し(S610)(本発明の擬似図柄選択手段に該当)、上記処理によって選択された変動態様を演出図柄表示装置54bに表示する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S615)(本発明の擬似図柄表示手段に該当)。
続いて、S605で抽出した振分け乱数が、示唆図柄演出の実行値か否か判定する(S620)。否定判定なら(S620:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S620:yes)、受信した変動指示コマンドの内容を参照し(S625)、参照した内容が大当りか否か判定する(S630)。肯定判定なら(S630:yes)、普図参照可能フラグ(S515、S565で設定)が1か否か判定する(S635)。否定判定なら(S635:no)リターンし、肯定判定なら、即ち普通図柄の判定結果が参照可能な期間(有効期間)であれば(S635:yes)、記憶している判定結果コマンドの内容を参照し(S640)、変動指示コマンドが示す大当りと、判定結果コマンドの内容に応じて(それぞれの結果の組合せに応じて)示唆図柄を選択する(S645)(本発明の示唆図柄選択手段に該当)。
S630が否定判定なら(S630:no)、参照した変動指示コマンドの内容がスーパーリーチか否か判定する(S650)。肯定判定なら(S650:yes)、普図参照可能フラグが1か否か判定する(S655)。否定判定なら(S655:no)リターンし、肯定判定なら、即ち普通図柄の判定結果が参照可能であれば(S655:yes)、記憶している判定結果コマンドの内容を参照し(S660)、変動指示コマンドが示すスーパーリーチと、判定結果コマンドの内容に応じて(それぞれの結果の組合せに応じて)示唆図柄を選択する(S665)(本発明の示唆図柄選択手段に該当)。
S650が否定判定、即ち受信した変動指示コマンドの内容が、スーパーリーチ以外のはずれなら(S650:no)、普図参照可能フラグが1か否か判定する(S670)。否定判定なら(S670:no)リターンし、肯定判定なら(S670:yes)、記憶している判定結果コマンドの内容を参照し(S660)、判定結果コマンドのみの内容に応じて示唆図柄を選択する(S680)(本発明の示唆図柄選択手段に該当)。
S645、S665又はS680に続いては、S615の指示による擬似図柄変動開始から示唆図柄演出を開始するまでの時間を、複数の時間設定の中から選択し(S685)、上記処理によって決定した示唆図柄の種類と開始時間を示す指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S690)(本発明における示唆図柄表示手段に該当)リターンする。なお、本実施例の示唆図柄演出の実施時間は毎回4.0秒となっている。
以上がサブ統合制御装置53が実行する変動指示コマンド受信処理となり、S620以降の処理が本発明における示唆演出決定手段に該当する。S685で選択する時間変動パターンは、擬似図柄が変動を開始してから何秒後に示唆図柄演出を開始するかを決定する処理となり、S615での指示によって開始する擬似図柄の変動表示がスーパーリーチであれば、スーパーリーチに発展するまでの時間内で時間変動パターンが選択され、通常変動であれば通常変動で確定表示をするまでの時間内で時間変動パターンが選択される。
次に、図11を用いて演出図柄表示装置54bの表示内容を説明する。特別図柄に対応した擬似図柄は、左、中、右の3種類で構成され、画面中央に表示して、主制御装置50から変動指示コマンドを受信する毎に上から下への変動表示を行う。
示唆図柄は、S545又はS685により指示信号が送信されると、中擬似図柄の下に出現し、出現した枠の中で上から下に変動する4秒間の示唆図柄演出表示(確定表示含む)を行う。従って示唆図柄演出表示期間以外では示唆図柄は演出図柄表示装置54b上には表示されていない。
図12は、変動指示コマンドの受信を契機に表示する示唆図柄の種類(6種類)を示し、それぞれの図柄が異なる内容を示唆する。具体的には、表の1に示す図柄(熊の達吉「笑顔」)は、特別図柄が大当りとなり且つ普通電動役物40がロング開放で当選することを示唆する(S645で選択)。表の2に示す図柄(熊の達吉)は、特別図柄が大当りとなり普通電動役物40のショート開放で当選するか又は普通電動役物40が作動しないはずれであることを示唆する(S645で選択)。表の3に示す図柄は、特別図柄がはずれで変動中の擬似図柄演出がスーパーリーチに発展し、普通電動役物40がショート開放で当選するか又は普通電動役物40が作動しないはずれであることを示唆する(S665で選択)。
表の4に示す図柄は、特別図柄がはずれで変動中の擬似図柄演出がスーパーリーチに発展し、普通電動役物40がロング開放で当選する場合と、特別図柄がはずれで変動中の擬似図柄演出がノーマルリーチ又ははずれの通常変動で、普通電動役物40がロング開放で当選する場合とを示唆する(S665又はS680で選択)。表の5に示す図柄は、特別図柄がはずれで変動中の擬似図柄演出がノーマルリーチまたははずれの通常変動で、普通電動役物40がショート開放で当選することを示唆する(S680で選択)。表の6に示す図柄は、特別図柄がはずれで変動中の擬似図柄演出がノーマルリーチまたははずれの通常変動で、普通電動役物40が作動しないはずれであることを示唆する(S680で選択)。
これらの示唆図柄は、図10を用いて説明したように、特別図柄の抽選結果(変動指示コマンドの内容)と、普通図柄の抽選結果(判定結果コマンドの内容)の組合せに基づいて決定される。なお、示唆図柄選択時の示唆図柄の種類に応じた優先順位は、表の番号が1>2>4>3>5>6の順となっている。
図13は、サブ統合制御装置53が変動指示コマンドを受信してから示唆図柄を選択するまでの流れを示した図である。変動指示コマンドを受信し、抽出した実行判定乱数が実行値であれば、受信した変動指示コマンドの内容を参照し、参照結果が特別図柄の大当りを示していれば、記憶した判定結果コマンドの内容が参照可能な期間であれば該内容を参照し、参照結果が普通電動役物40のロング開放であれば図12の1に示す示唆図柄を選択して表示し、参照結果が普通電動役物40のショート開放又は、普通電動役物40が作動しないはずれであれば図12の2に示す示唆図柄を選択して表示する。
変動指示コマンドの参照結果が特別図柄のはずれで変動中の擬似図柄演出がスーパーリーチに発展であれば、記憶した判定結果コマンドの内容が参照可能な期間であれば該内容を参照し、参照結果が普通電動役物40のロング開放であれば図12の4に示す示唆図柄を選択して表示し、参照結果が普通電動役物40のショート開放又は、普通電動役物40が作動しないはずれであれば図12の3に示す示唆図柄を選択して表示する。
変動指示コマンドの参照結果が特別図柄のはずれで変動中の擬似図柄演出がノーマルリーチ若しくは通常変動であれば、記憶した判定結果コマンドの内容が参照可能な期間であれば該内容を参照し、参照結果が普通電動役物40のロング開放であれば図12の4に示す示唆図柄を選択して表示し、参照結果が普通電動役物40のショート開放であれば図12の5に示す示唆図柄を選択して表示し、参照結果が普通電動役物40が作動しないはずれであれば図12の6に示す示唆図柄を選択して表示する。
図14は、判定結果コマンドの受信を契機に表示する示唆図柄の種類(3種類)を示し、それぞれの図柄が異なる内容を示唆する。具体的には、表の1に示す図柄は、普通電動役物40がロング開放で当選することを示唆する。表の2に示す図柄は、普通電動役物40がショート開放で当選することを示唆する。表の3に示す図柄は、変動中の普通図柄がはずれとなることを示唆する。
図15は、サブ統合制御装置53が判定結果コマンドを受信してから示唆図柄を表示するまでの流れを示した図である。判定結果コマンドを受信し、抽出した実行判定乱数が実行値で、特別図柄(擬似図柄)が変動中であれば、受信した(記憶した)判定結果コマンドの内容を参照する。この場合、特別図柄(擬似図柄)が変動していなくても、単独で示唆図柄演出を行う構成も考えられる。
この時、判定結果コマンドの参照結果が普通電動役物40のロング開放を示していれば、確定表示する示唆図柄として図14の1を選択し、判定結果コマンドの参照結果が普通電動役物40のショート開放を示していれば、確定表示する示唆図柄として図14の2を選択し、判定結果コマンドの参照結果が普通電動役物40が作動しないはずれを示していれば、確定表示する示唆図柄として図14の3を選択する。
以上が実施例1の説明となる。特別図柄の抽選結果を起因に開始する示唆図柄演出と、普通図柄の判定結果受信を起因に開始する示唆図柄演出を備え、且つそれぞれの示唆図柄演出で表示する示唆図柄の一部が重複することにより、示唆図柄演出の開始タイミングが不規則になり、示唆図柄と抽選結果の関係を特定し難くすることができる。これにより、遊技者の特別図柄と普通図柄との両方の図柄への注目度を増加させることが可能となる。
本実施例では、図10を用いて説明した変動指示コマンド受信処理1において、変動指示コマンドの受信を契機に示唆図柄演出の実行を判断する場合、普通図柄が変動中で且つ参照有効期間(普図参照可能フラグ1)であるかを条件としたが、図3を用いて説明した始動入賞処理において、普図保留記憶の先読判定を行い(先読判定手段)、その結果をサブ統合制御装置53に送信(先読判定結果送信手段)することによって、本実施例とは異なる条件で示唆図柄演出を実行するか否かの判断を行う構成も考えられる。
具体的には、サブ制御装置53では、受信した普図先読判定結果を該当する保留記憶が変動を開始するまで記憶し、示唆図柄演出実行判定時の普通図柄抽選結果の参照先を記憶した全ての普図先読判定結果とし、記憶された全普図先読判定結果の中から遊技者に最も有利な先読判定結果(ロング開放>ショート開放>はずれ)を示唆図柄選択の基とし、参照した先読判定結果に対応する普図保留記憶の変動が開始すると示唆図柄演出を開始する構成が考えられる。
この構成により、普通図柄の抽選結果が参照有効期間外であることにより参照不可ということがなくなり、普通図柄の抽選結果を示唆図柄の選択に有効に用いることができる。また、示唆図柄演出を実施する機会が増加し、より遊技者を特別図柄と普通図柄の両方の図柄に注目させることが可能となる。
なお、本実施例では特別図柄起因の示唆図柄演出、普通図柄起因の示唆図柄演出は各々で判断して実行しているが、既に一方の演出が実行中である場合、他方は演出を実行するか否かの判定処理は行わない構成が考えられる。