JP6337493B2 - ぱちんこ遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技媒体として遊技球を用いるぱちんこ遊技機に関するものである。
近年のぱちんこ遊技機には、始動口に普通電動役物(いわゆる電チュー)の機能を持たせ、所定条件が充足されると、普通電動役物を作動させて始動口を開放状態として、始動口への入球を容易とするものがある。そして、普通電動役物を作動させるための所定条件としては、作動口を遊技球が通過した場合に実行される普通図柄に係る抽選に当せんすることが挙げられる。さらに、この種のぱちんこ遊技機においては、当せん図柄の種類に応じて、始動口の開放状態の態様を異ならせるとともに、開放状態に至る前に、いずれの開放態様が実行されるかを演出によって報知や示唆(併せて「事前報知」や「予告」などともいう)するものがある。
特開2011−229733号公報 特開2011−234955号公報
ところで、上述のような昨今の始動口の開放制御やこれを活用するための演出制御をもってしても、趣向性において常に遊技者の満足が得られるとは限らず、現在もぱちんこ遊技機に関してより一層の興趣の向上が求められている。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、普通電動役物をより活用でき興趣性の高いぱちんこ遊技機を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、遊技を司る制御を実行する主制御手段(メイン基板など)と、
前記主制御手段からの指令に基づき遊技に係る演出制御を実行する演出制御手段(サブ基板、サブメイン基板など)と、
遊技盤に形成された遊技領域に配置され、前記遊技領域を流下して入球してきた遊技球を検出可能な特別図柄用第1始動口(第1始動入賞口など)と、
前記遊技領域に配置され、前記遊技領域を流下して入球してきた遊技球を検出可能であり、遊技者に相対的に不利な閉鎖状態と、前記閉鎖状態よりも遊技者に有利な開放状態とをとり得る特別図柄用第2始動口(第2始動入賞口など)と、
前記遊技領域に配置され、前記遊技領域を流下して入球してきた遊技球を検出可能な普通図柄用始動口(左作動口、右作動口など)と、
前記遊技領域に配置され、入賞不能状態及び入賞可能状態をとり得る可変入賞口(第1大入賞口、第2大入賞口など)と、を備え、
前記主制御手段は、
前記特別図柄用第1始動口又は前記特別図柄用第2始動口の各々における遊技球の検出に基づき当否抽選値を取得し、取得した前記当否抽選値が当りに該当するか否かの当否判定を行う特別図柄用当否抽選手段(第1抽選手段、第2抽選手段など)と、
前記特別図柄用当否抽選手段による抽選結果を表すための特別図柄を変動表示及び停止表示させるための制御を行う特別図柄用制御手段(第1特図制御手段、第2特図制御手段など)と、
前記当否判定の結果が当りである場合に、前記可変入賞口の状態を遊技者に対して有利な状態に変化させる特別遊技に係る制御を行う特別遊技制御手段と、
前記特別図柄用第1始動口又は前記特別図柄用第2始動口において遊技球が検出され、前記特別図柄用の当否抽選値の取得が行われても、前記特別図柄の変動を開始させるための特別図柄用変動開始条件(第2始動口に係るそれ以前の装図保留情報がないことなど)が成立していない場合に、前記当否抽選に係る情報を特別図柄用保留情報(装図保留情報など)として所定の保留上限数を限度に記憶する特別図柄用保留制御手段(第1保留手段、第2保留手段など)と、
前記普通図柄用始動口における遊技球の検出に基づき普通図柄用の当否抽選値を取得し、取得した前記普通図柄用の当否抽選値が当りに該当するか否かを判定する普通図柄用の当否抽選を行う普通図柄用当否抽選手段(普図抽選手段など)と、
前記普通図柄用当否抽選手段による抽選結果を表すための普通図柄を変動表示及び停止表示させるための制御を行う普通図柄用制御手段(普図制御手段など)と、
前記普通図柄用の当否抽選値が当りであった場合に、前記特別図柄用第2始動口を開放状態とする制御を行う開閉制御手段と、
前記普通図柄用始動口において遊技球が検出され、前記普通図柄用の当否抽選値の取得が行われても、前記普通図柄の変動を開始させるための普通図柄用変動開始条件(何れかの作動口に係るそれ以前の装図保留情報がないことなど)が成立していない場合に、前記普通図柄用の当否抽選に係る情報を普通図柄用保留情報として所定の保留上限数を限度に記憶する普通図柄用保留手段と、
前記特別遊技の終了後に、少なくとも前記特別図柄用第2始動口への入球容易性を高める特定遊技(時短など)に係る制御を行う特定遊技制御手段と、を備え、
前記開閉制御手段は、前記特定遊技が行われていない場合に、前記普通図柄用の当否抽選値が当りであれば、前記特別図柄用第2始動口を所定の開放パターンで長時間開放状態とする通常時長開放機能に係る制御を実行可能であり、
前記演出制御手段は、
前記特定遊技が行われていない場合には、前記特別図柄用第1始動口について、前記保留上限数に達している状況で更なる入球があった場合に、前記特別図柄用第1始動口への入球に係る超過入賞演出を実行可能であり、
前記超過入賞演出は、前記超過入賞に起因して特定オブジェクト(白いバルーンなど)が表示されるものであり、
前記特定オブジェクトは、規定個数(10個など)を上限に蓄積され、前記規定個数を超えた場合には前記規定個数に係る所定規則(10個を超えて表示されないなど)に基づき削除され、
前記特定オブジェクトには特殊態様を含む複数種類の表示態様があり、
前記特殊態様は、前記特別図柄に係る前記当否抽選値が当りに該当して大当りとなる期待度が高いことを表す態様(風船が破裂して文字が表示されるなど)であり、
前記特殊態様でない前記特定オブジェクトに対しては前記所定規則に基づく削除がされる若しくはされやすく、前記特殊態様である前記特定オブジェクトに対しては前記所定規則に基づく削除がされない若しくはされにくいことを特徴とするぱちんこ遊技機である。
本発明によれば、普通電動役物をより活用でき興趣性の高いぱちんこ遊技機を提供できる。
本発明の一実施例のぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 ぱちんこ遊技機の主要な基板構成を示す説明図である。 メイン基板の基本的な構成を示す説明図である。 サブメイン基板及びサブサブ基板の機能的構成を示す説明図である。 (a)は特別図柄等表示装置を示す説明図、(b1)は演出図柄表示装置における装飾図柄の変動中の表示例を示す説明図、(b2)は同じく装飾図柄の停止中の表示例を示す説明図である。 当否判定テーブルを模式的に示す図である。 (a)は第1の抽選に係る図柄判定テーブルを模式的に示す図、(b)は第2の抽選に係る図柄判定テーブルを模式的に示す図、(c)は限定頻度パターン演出に係る図柄判定テーブルを模式的に示す図、(d)は小当りに係る図柄判定テーブルを模式的に示す図である。 変動パターンテーブルを模式的に示す図である。 はずれ用の変動パターンテーブルを詳細に示す図である。 メイン基板における制御開始処理を示すフローチャートである。 図12に続く制御開始処理を示すフローチャートである。 メイン基板における遊技進行割込み処理を示すフローチャートである。 (a)は初期値乱数更新テーブルを示す図表、(b)は初期値更新型乱数更新テーブルを示す同じく図表である。 メイン基板における普通電動役物の作動に係る判定で用いられる各補助遊技テーブルを示す図表である。 サブメイン基板における副制御装置側処理を示すフローチャートである。 サブメイン基板における主遊技用副遊技表示内容決定処理にて用いられる各副遊技テーブルを示す図表である。 サブメイン基板における主遊技用副遊技表示制御処理のフローチャートである。 サブメイン基板における補助遊技用副遊技表示内容決定処理のフローチャートである。 サブメイン基板における補助遊技用副遊技表示内容決定処理にて用いられる各副遊技テーブルを示す図表である。 サブメイン基板における補助遊技用副遊技内容決定処理のフローチャートである。 サブメイン基板における補助遊技用副遊技表示制御処理のフローチャートである。 サブメイン基板における保留情報事前判定・保留表示変更制御処理のフローチャートである。 サブメイン基板における副遊技表示領域サイズ変更制御処理のフローチャートである。 サブメイン基板における保留表示領域非表示制御処理のフローチャートである。 (a)は特普兼用演出を行える期間と行えない期間の制御態様の一例を示す説明図であり、(b)は特普兼用演出の先読み演出として行う場合の制御態様の一例を示す説明図である。 特普兼用演出を連続演出として行う場合の制御態様の一例を示すフローチャートである。 (a)は超過入賞演出の一例を示す説明図であり、(b)は超過入賞演出における所定規則の適用に係る制御態様の一例を示す説明図である。 超過入賞演出における所定規則の適用に係る制御態様の一例を示す説明図である。
以下、本発明の一実施例に係る遊技機であるぱちんこ遊技機について説明する。本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないよう第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプ、複数の大入賞口を備える。
<ぱちんこ遊技機の正面構成及びゲーム性の概要>
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技媒体である遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、皿ユニット200に設けられ、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、同じく皿ユニット200に設けられ、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。下球皿16の下方に位置する下部前板18には複数のスピーカ19が設けられており、遊技状態や演出パターンなどに応じたBGMや各種効果音などが出力される。
遊技盤50は、扉14の陰に隠れた外レールと内レールにより区画された遊技領域52上に、アウト口58、演出図柄表示装置60、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、作動口68(本実施例では左作動口68a及び右作動口68bの2つ)、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
また、遊技領域52の外における正面から見て左下の部位には、特別図柄等表示装置53が設置されており、この特別図柄等表示装置53には、図7(a)に示すように、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71が設けられている。なお、本実施例においては、第1特別図柄表示装置70及び第2特別図柄表示装置71を総称して特別図柄表示装置と称する場合もある。
図1及び図3に示すように、第1始動入賞口62は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動入賞口63は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動入賞口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成(出力)する。第2始動入賞口63は、始動入賞検出装置75と、普通電動役物(所謂「電動チューリップ」。図示略。)と、普通電動役物を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成(出力)する。普通電動役物ソレノイド76の駆動力により普通電動役物が拡開されると、所謂電チューサポートがされている状態となり、第2始動入賞口63への入球容易性が高まる。
なお、第2始動入賞口63は第1始動入賞口62の下、すなわち第1始動入賞口62によって遊技球の入球が阻害される位置に設けられる。そのため、普通電動役物が拡開しない間は、第2始動入賞口63への入球は第1始動入賞口62により阻害されることとなり、第2始動入賞口63は入球困難な状態が維持される。したがって、遊技において第2始動入賞口63への入球を狙うためには、普通電動役物を拡開させる必要がある。なお、本実施例では、普通電動役物が拡開された結果、第2始動入賞口63への入球容易性は、第1始動入賞口62への入球容易性よりも高くなっているが、第1遊技と第2遊技の結果得られる利益等に応じて適宜設定すればよく、普通電動役物が拡開していない場合には一切入球しない構造、或いは第1始動入賞口62と同程度の開口巾を有するようにしても良い。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73(図3のブロック図を参照)を複数備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成(出力)する。なお、一般入賞検出装置73は、一般入賞口に対して個々に有しても良いし、複数の一般入賞口72に入球した遊技球を一括して集合、検出しても良く、或いは各一般入賞口の配置位置(上下・左右)や設定される賞球個数(5個賞球と10個賞球)に応じて適宜グループ化して集合、検出しても良い。
図1に示すように、第1大入賞口91は第1の遊技に対応する大入賞口として設けられ、第2大入賞口92は第2の遊技に対応する大入賞口として設けられる。第1大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78(図3のブロック図を参照)と、第1大入賞口91を開閉させるための第1の開閉扉(図示略)、及び第1の開閉扉を駆動する大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成(出力)する。
第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92を開閉させるための第2の開閉扉、及び第2の開閉扉を駆動する大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成(出力)する。
第1大入賞口91は、第1特別図柄192(図7(a)を参照)が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第1大入賞口91はアウト口58の上方の位置に設けられる。第2大入賞口92は、第2特別図柄193が所定の態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第2大入賞口92はアウト口58の右上方の位置に設けられる。
なお、本実施例においては、第1大入賞口91、第2大入賞口92の前方に装飾板91b,92bが各々設けられており、各装飾板には、遊技領域52を装飾するための文字や図形などが描かれている。この装飾板91b,92bには、第1の開閉扉、第2の開閉扉、第1大入賞口91、及び第2大入賞口92を遊技者が視認できるように透明な材質が採用されているが、装飾板91b,92bを不透明としてもよい。また、第1大入賞口91と第2大入賞口92は1の大入賞口(たとえば第1大入賞口91)のみを配置して共通的に利用しても良い。
遊技領域52の略中央に演出図柄表示装置60が設けられ、その左下方に離れて第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71とが互いに左右に隣接する形で設けられている(図7(a)を参照)。第1特別図柄表示装置70には第1の遊技に対応する第1特別図柄192の変動が表示され、第2特別図柄表示装置71には第2の遊技に対応する第2特別図柄193の変動が表示される。第1特別図柄192は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに大当りが発生し特別遊技(後述する)が実行される。第2特別図柄193は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を契機として行われる第2の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに大当りが発生し特別遊技(後述する)が実行される。
第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71は、例えば右下隅にドットが付加された7セグメントLEDで構成される表示手段であり、第1特別図柄192および第2特別図柄193はそれぞれ「0」〜「9」の10種類の数字と記号αおよび記号βで表される。
なお、記号αと記号βは、7セグメントLEDのセグメント組み合わせで表示できる点灯パターンであって、そのパターン自体が文字等の意味をもつ配置とはなっていないものを示す。そのようなパターンを本明細書では便宜上「記号」と称し、その種類を区別するために「記号α」「記号β」として表記する。ちなみに、図7(a)における第2特別図柄の右側には、特別遊技における単位遊技の回数を示すラウンド数表示装置(図番省略)が2桁の7セグメントLEDとして設けられており、後述する第1又は第2特別遊技の発生に応じて両特別遊技のラウンド数を共用的に表示するようになっている。
図7(b1),(b2)に示すように、演出図柄表示装置60の表示領域194には第1特別図柄192や第2特別図柄193に連動する左の装飾図柄190a、中の装飾図柄190b、右の装飾図柄190cの変動が表示される。演出図柄表示装置60は、たとえば液晶ディスプレイである。装飾図柄190a〜190cは、第1特別図柄192で示される第1の抽選の結果表示または第2特別図柄193で示される第2の抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出図柄表示装置60は、装飾図柄190a〜190cとして、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を表示領域194に表示する。
演出図柄表示装置60は、本実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出図柄表示装置60の左下方の第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出図柄表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。また、本実施例では、装飾図柄190a〜190cを、演出図柄表示装置60において、第1特別図柄192と第2特別図柄193とで共通で採用したものを例示しているが、個別に表示したり、装置自体を別個に設けてもよく、本実施例のように共用する場合にはいずれの特別図柄に対応した表示であるかを示す表示を演出図柄表示装置60の隅部に表示しても良い。
左右の作動口68a,68bのうち、左作動口68aは、遊技盤50の左側方中段位置に設けられ、右作動口68bは、遊技盤50の右側方で且つ第2大入賞口92の右上方の位置に設けられる。各作動口68a,68bは、各々が通過検出装置69a,69b(図3を参照)を含む。通過検出装置69a,69bは、対応する作動口68a,68bにおける遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成(出力)する。作動口68a,68bへの遊技球の通過は第2始動入賞口63の普通電動役物を拡開させるための抽選の契機となる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レールと外レールに案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」、「入球」、「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が第1始動入賞口62に入球すると、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192が変動表示され、演出図柄表示装置60の表示領域194において装飾図柄190a〜190cが変動表示される。遊技球が第2始動入賞口63に入球すると、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193が変動表示され、演出図柄表示装置60の表示領域194において装飾図柄190a〜190cが変動表示される(図7(b1)を参照)。第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190a〜190cの変動表示は、表示に先だって決定された変動時間の経過後に停止される(図7(b2)を参照)。停止時の第1特別図柄192および装飾図柄190a〜190cが大当り態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190a〜190cは、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。停止時の第2特別図柄193および装飾図柄190a〜190cが大当り態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第2大入賞口92の開閉動作が開始される。
特別遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放される単位遊技が複数回繰り返される遊技であり、単位遊技が最大回数である16回(16R(ラウンド))繰り返される特別遊技と、単位遊技が最少回数である4回(4R(ラウンド))だけ繰り返される特別遊技などがある。また、大当りの種類に応じて、16回の単位遊技を行う特別遊技、及び、4回の単位遊技を行う特別遊技の何れにも複数の態様が設定されているが、具体的な大当りの種類や特別遊技の態様については後述する。
停止時の第1特別図柄192および装飾図柄190a〜190cが所定の小当り態様であった場合、小当り遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が実行される。停止時の第2特別図柄193および装飾図柄190a〜190cが小当り態様であった場合もまた小当り遊技に移行し、第2大入賞口92の開閉動作が実行される。本実施例に係るぱちんこ遊技機10の小当り遊技においては、第1大入賞口91または第2大入賞口92が約0.2秒間の開放を4回繰り返すので、外観上は一部の4R大当りと同様の動作態様となる。なお、小当り遊技についても前述した特別遊技のように複数の小当り種類を設け、開放する大入賞口や1単位遊技内の開放回数、開放パターンにバリエーションを持たせても良く、この種類の決定も特別遊技の種類を決定した際の手法と同様、小当りとなった特別図柄に基づき、或いは個別の抽選により行うことができる。また、種類として複数の態様のうち、小当りであることが外観上判別しやすい開放パターンを一部に設けて遊技性を広げることもできる。
特別遊技が発生した場合であって抽選などの所定の条件が満たされた場合、特別遊技の終了後に特定遊技として確率変動遊技(以下、「確変」という)や変動時間短縮遊技(以下、「時短」という)が開始される。確変中は、通常の確率状態より大当りの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。本実施例においては、確変状態は、第1特別図柄192または第2特別図柄193が大当りとなるまで継続される。また、16R大当りの場合、及び、4R大当りの場合の何れにおいても、その特別遊技の終了後に確変が開始される場合とされない場合がある。時短中は、第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動時間が概ね短縮される。
第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短中は、特定遊技の一つである入球容易状態が実施される。この時短中の入球容易状態は、普通図柄(後述する)の時短、開放抽選の確率変動(普通図柄の抽選に係る確率変動)、普通電動役物の開放延長が実施されることにより第2始動入賞口63への入球容易性が高められる状態である。普通図柄の時短は、普通図柄の変動時間が通常状態より短縮される状態である。開放抽選の確率変動は、開放抽選の当り確率を通常状態より高める状態である。普通電動役物の開放延長は、普通電動役物の開放時間を通常状態よりも長くする状態である。このように、入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、第2始動入賞口63への入球容易性も増すため、第2始動入賞口63への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短および入球容易状態により、その期間中は第2始動入賞口63への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさずに遊技し続けることが可能となる。
なお、本実施例における時短中の入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物の開放延長という3つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても第2始動入賞口63への入球容易性を高めることは可能である。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間とで遊技状態に応じて切り替える構成としてもよい。
また、本実施例においては、第1特別図柄192について小当りが発生した場合は、その小当り遊技終了後の第1特別図柄192の図柄変動として限定頻度パターンテーブル(図示略)が参照される。このとき、第2特別図柄193がいずれの図柄で停止しているかに応じて異なる態様で第1特別図柄192の限定頻度パターンテーブルが参照され、変動パターンが選択される。例えば第2特別図柄193がはずれ図柄αで停止表示されているときは小当り遊技終了後の第1特別図柄192の図柄変動として10回分だけ限定頻度テーブルにしたがって変動パターンが選択される。また、第2特別図柄193がはずれ図柄βで停止表示されているときは小当り遊技終了後の第1特別図柄192の図柄変動として20回分だけ限定頻度テーブルにしたがって変動パターンが選択される。これにより、第2特別図柄193がいずれの図柄で停止しているかによって異なる態様で特別な演出を実行することができるので、演出の設計の幅を広げることができる。なお、以下では状況に応じて、限定頻度パターンテーブルを用いて行われる演出を限定頻度パターン演出と称する。
左作動口68a(又は右作動口68b)を遊技球が通過すると、所定時間、前述の普通図柄と呼ばれる図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は特別図柄等表示装置53に設けられており、本実施例では星形の三つのランプが所定の組合せで点灯と消灯を繰り返す形で普通図柄の変動表示を表現し、どのような組合せのランプが最終的に点灯したまま停止するかによって普通図柄の抽選結果を表す。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2始動入賞口63の普通電動役物が所定時間拡開する。なお、本実施における「ランプ」の用語はLED等も含む意味を有している。
演出図柄表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出図柄表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。多数の遊技効果ランプ(LED等、図示しない)がセンター飾り64の内部に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。また、センター飾り64には、可動演出部材93,94が設けられており、これらが演出用のギミックを構成している。さらに、センター飾り64の、正面から見て右側の部位には遊技球通路部65が形成されている。そして、遊技球を遊技領域52の右側に向けて発射する所謂右打ちが行われると、センター飾り64の上方を通った遊技球が、この遊技球通路部65を流下して、右作動口68bや第2大入賞口92が配置された領域へ向かうことが可能となっている。
また、第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ20は第1特別図柄表示装置70の上方に設けられ、第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ21は第2特別図柄表示装置71の上方に設けられ、普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22は普通図柄表示装置59の主に左側に設けられる。
第1特図保留ランプ20および第2特図保留ランプ21は、それぞれ2個のランプからなり、それぞれの点灯個数または点滅個数によって第1の遊技および第2の遊技のそれぞれにおける当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中または特別遊技の実行中に第1始動入賞口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ21における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄193いずれかの変動中または特別遊技の実行中に第2始動入賞口63へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。
すなわち、先に行われている図柄変動が終了していない場合には変動開始条件が成立していないこととなり、当該図柄変動が終了すると変動開始条件が成立し、保留記憶されていた抽選結果(保留抽選結果)に基づき、新たな図柄変動が開始されることとなる。なお、本実施例の場合は、前述のように第2の遊技が優先的に実行されるので、第1特別図柄192については、第2特別図柄193の保留抽選結果に対応する図柄変動が全て終わって、保留抽選結果が全て消化されたことも変動開始条件となる。
普図保留ランプ22もまた3個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68a(又は68b)を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示を入力するために操作するボタンである。この操作ボタン82は、上球皿15の上部の外壁面に設けられており、上球皿15の左右方向の中央近傍に位置している。
操作ボタン82は、ボタン演出が実行された場合に遊技者によって操作され、遊技者に対し、自分が遊技の演出や当否抽選に参加しているような感覚を与える機能を発揮するものである。ボタン演出としては、例えば装飾図柄の変動表示過程で行われるリーチ演出中に、演出図柄表示装置60の表示領域194に操作ボタン82の図柄とともに、「Push」、「連打せよ」、「長押しせよ」等といった文字や、或いは残り時間を示すインジケータの動画などが表示され、遊技者がこれに従って操作ボタン82を操作すると、登場人物がコメントを発するような演出や、味方キャラクタが敵キャラクタに対する攻撃を行うような演出が挙げられる。また、本実施例においては、操作ボタン82の操作に応答して可動演出部材93,94が所定の動作を行った場合には、その時のリーチ演出に係る大当りの信頼度が高く、操作ボタン82を操作しても可動演出部材93,94が所定の動作を行わない場合には、その時のリーチ演出に係る大当りの信頼度が低い、といった態様で演出が実行されることもある。
通常時は操作ボタン82の操作が無効となっているが、ボタン演出中は操作ボタン82の操作が有効となるボタン操作有効期間となっている。ボタン操作有効期間は、予め設定された一定時間となっている。なお、操作ボタン82に振動モータ(図示略)を組み合わせて、操作ボタン82を振動させる振動演出や、操作ボタン82の動作範囲を拡大して操作ボタン82を突没させるといった演出態様や、操作ボタン82を比較的大きく突出させるといった演出態様を実行することも可能である。
演出図柄表示装置60の表示領域194の下部には、図7(b1),(b2)中に示すように、第1の遊技における当否抽選値の保留数を示す第1保留数表示部196と、第2の遊技における当否抽選値の保留数を示す第2保留数表示部197とが表示される。ちなみに、保留表示については第1の遊技、第2の遊技の保留数が増加すると、夫々の遊技者からみて左側(図7(a)でも左側)を基準として順次表示が変化するようになっており、通常遊技時に多く入賞する第1始動入賞口62側(第1の遊技)の保留表示を基準側(左側)に、通常時にほとんど入賞しない第2始動入賞口63側(第2の遊技)の保留表示を右側に表示している。これは通常時の保留状態を遊技者が直感的に把握しやすくなることが期待できるためである。なお、普通図柄表示装置59の装飾図柄の表示に対応した普通装飾図柄の表示を、例えば演出図柄表示装置60のような、普通図柄表示装置59とは異なる領域で行うことが可能である。そして、本実施例では、演出図柄表示装置60の表示領域194に普通装飾図柄表示領域199が設けられ、この普通装飾図柄表示領域199において、彩色の相違により区別される普通装飾図柄が表示される。
<<本実施例における主要な演出内容の概要>>
本実施例においては、多数の演出パターンが備えられ、遊技の状況に応じて選択された演出パターンに応じて、演出図柄表示装置60に動画が表示される。各状況における演出パターンは、選択された演出パターンに更に、所定のキャラクタやアイテムの動画などを組合わせることで構成される場合もある。さらに、ぱちんこ遊技機10においては、用意された演出パターンの中には、所謂バトル演出が含まれている。このバトル演出は、例えば演出上の複数の登場人物が、主人公側とその敵役側とに分けられ、主人公側の登場人物と敵役側の登場人物とが格闘や戦闘をする様子の動画を表示するものである。
さらに、バトル演出には、主人公側の登場人物が闘いの結果勝利する内容の「バトル成功演出」や、主人公側の登場人物が敗北する内容の「バトル失敗演出」が含まれている。また、多くの種類の演出パターンの中には、「潜伏演出」も設けられている。この「潜伏演出」は、当否抽選が高確率で行われる確変中であっても、演出図柄表示装置60等を用いた演出上は確変中であることを報知せず、高確率中であるのか通常確率中であるのかの区別を遊技者に知覚されないよう表現した内容のものである。この「潜伏演出」については、代表的には、特別遊技が終了した後の遊技において、例えば数十回の第1特別図柄192(及び装飾図柄190a〜190c)の変動表示に亘って実行される、といった使い方がされる。
<<大当りに伴う遊技の概要>>
第1の遊技において大当り(第1特図当り)が発生した場合、第1大入賞口91を用いた特別遊技が実行される。そして、第1の抽選に係る大当りの種類に応じたパターンで第1大入賞口91が開放動作し、出球の有無や出球の量についての結果が得られる。また、発生した大当りの種類に応じて、特別遊技の終了後の確変や時短の有無が決まる。
第1の遊技における大当りが確変を伴うものでなかった場合、本実施例では時短が付与されず、遊技者は、第1始動入賞口62を狙い続ける通常の発射手法である所謂左打ちを継続する。
一方、第1の遊技における大当りが確変を伴うもの(確変大当り)であった場合には、一部の大当りを除いて、特別遊技の後に右打ちを伴う遊技が行われる。すなわち、第1の遊技における特別遊技の終了後、演出図柄表示装置60の画像や音声などによって右打ちを促す演出が実行される。そして、遊技者が、発射ハンドル17の回動量を時計回りに増やして発射力を強め、遊技球を遊技領域52の右側の領域に向けて発射すると、センター飾り64の上方を通った遊技球が、センター飾り64の遊技球通路部65に進入し、センター飾り64を流下する。さらに、センター飾り64から放出された遊技球は、複数の遊技や他の構造物に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。
センター飾り64から放出された多数の遊技球のうちの一部は、右作動口68b(図1参照)を通過して通過検出装置69b(図3を参照)により検出される。そして、前述のように、右作動口68bを遊技球が通過すると、所定時間、前述の普通図柄と呼ばれる図柄が普通図柄表示装置59(図3、図7(a)参照)に変動表示され、普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2始動入賞口63の普通電動役物が所定時間拡開する。
本実施例においては、遊技領域52の右側に達した遊技球を、釘等によって、第2始動入賞口63や第2大入賞口92の周辺に導くことが可能となっており、第2始動入賞口63の普通電動役物が1回拡開した際に、多くの場合は1個、状況によっては数個程度の遊技球が、第2始動入賞口63に入球し得るようになっている。さらに、本実施例では、一部を除いた確変大当りには時短が付加されるようになっており、時短中は普通電動役物の開放延長が行われる。ここで、時短中でない場合に普通電動役物の開放を行ってもよく、この場合の開放パターンも、比較的短時間(例えば0.5秒程度)のものや比較的長時間のもの(例えば2〜3秒程度)、或いはこれらの組合せによるものなど、種々の開放パターンを採用できる。
第2始動入賞口63への入球に基づき、第2の遊技の大当り(第2特図当り)が発生した場合、第2大入賞口92を用いた特別遊技が実行される。そして、前述した第2の抽選に係る大当りの種類に応じたパターンで第2大入賞口92が開放動作し、出球の有無や出球の量についての結果が得られる。また、前述のように、発生した大当りの種類に応じて、特別遊技の終了後の確変や時短の有無が決まる。
なお、大当り、特別遊技、右打ち、時短、電チューサポート等の関係については、上述のものに限らず、例えば、第1の遊技又は第2の遊技に係る特別遊技中に右打ちを行うもの、確変を伴わない通常大当りに係る特別遊技後について時短を付与するもの、一部の確変大当りについては特別遊技後に時短を付与しないものなど、種々の関係を採用することが可能である。
<ぱちんこ遊技機の背面構成及び電気的構成の概要>
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。図2に示すように前枠12の背面には、遊技球を誘導又は回収するための機構を備えたセット基盤39が取着されており、このセット基盤39の下方に、遊技機全体に電源を供給するための電源ユニット48、遊技機枠側の制御を行う払出制御基板45が取り付けられている。また、遊技盤背面には、遊技全体を統括制御するメイン基板102、メイン基板102から受信される情報や独自に入力される情報に基づいて液晶ユニット42(演出図柄表示装置60)等の各種演出装置の動作を制御するサブ基板104がセット基盤39の開口に対応するような位置に取り付けられている。
セット基盤39には、その上部に賞球を貯留する賞球タンク44、賞球タンク44に貯留された遊技球を整流案内する賞球通路、賞球通路と連絡し賞球タンク44内に貯留された球を1球単位で下方に流下排出可能な払出ユニット43、払出ユニット43から流下された遊技球を賞球として球皿(上球皿15又は下球皿16)に案内する賞球排出通路が図2のように遊技盤の上方から背面視右側部に亘って逆L字状に形成・配置されるとともに、遊技盤の背面中央に対応する位置に適宜広さの開口部が設けられている。
電源ユニット48は図2のように遊技機の背面視左下に設けられており、遊技機外部から供給される交流電源を遊技機全体(メイン基板102、サブ基板104を含む制御装置や液晶ユニット42等の演出装置など)で使用する各種の電圧に変換・生成して供給するものである。電源ユニット48の右側には、電源ユニット48から遊技機各部へ供給する電源を遮断するために傾倒スイッチで構成される電源スイッチ40が、遊技球が直撃落下してもオフにならないように、下側に傾倒したとき(スイッチの中央より下を押したとき)にオンとなるように設けられている。
払出制御基板45は、図2のように遊技機の背面視右下に設けられており、主に、メイン基板102からの払出に係る指令や外部からの貸出要求に応じて払出ユニット43を制御する払出制御機能と、発射ハンドル17の操作量に応じた強度で遊技球を遊技領域に発射するように発射装置を制御する発射制御機能とを備えたものであり、CPU・ROM・RWM(リードライトメモリ、以下略。)を中心に適宜入出力回路等を備えている。
メイン基板(主制御基板)102は、図2のように遊技盤50の背面視中央下部に設けられており、主に、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63へ入賞したことに基づく抽選処理等、遊技機の出球に関する処理や、サブ基板(演出制御基板)104、払出制御基板45等に対する制御指令(制御コマンド)、遊技状態情報等を出力する処理など、遊技機全体の中心的な制御機能を備えたものであり、前述の払出制御基板45と同様にCPU・ROM・RWMや適宜入出力回路を備えている。
サブ基板104は、図2のように遊技盤の背面視中央上部に、液晶ユニット42と一体的に設けられており、主に、液晶ユニット42(演出図柄表示装置60)における表示内容を制御する機能を備えたものであり、先のメイン基板102、払出制御基板45と同様にCPU・ROM・RWMや適宜入出力回路を備えている。なお、サブ基板104は画像を制御する機能を有する関係上、サブ基板用の主CPUに加え、画像用のVDP、VDPを制御する画像制御専用のCPUも搭載している。
そして、これらのメイン基板102、払出制御基板45、およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。なお、メイン基板102、払出制御基板45、およびサブ基板104の詳細については後述する。また、サブ基板104については、演出制御の主体的な機能を担う主サブ基板(本実施例ではサブメイン基板301)と、画像作成などの特定の演出機能に特化した副サブ基板(本実施例ではサブサブ基板302)とに分かれているが、「サブ基板」の用語はこれらを総称したものである。そして、サブメイン基板301とサブサブ基板302の詳細については後述する。また、セット基盤39の図2中における右上部には、メイン基板102や払出制御基板45等からの信号をぱちんこ遊技機10の外部の機器へ中継する外部中継端子基板49が設けられている。
<ぱちんこ遊技機の主要な機能ブロック及び機能の概要>
図3は、本実施例のぱちんこ遊技機10における遊技制御装置100と、遊技制御装置100に対する入出力機器とを機能ブロックにより示している。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、作動口68(本実施例では68a,68b)、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出図柄表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ19、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作や遊技の進行を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御する主制御装置としてのメイン基板102と、図柄の演出等を制御する副制御装置としてのサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。なお、実際には遊技制御装置100の機能の一部として存在する払出制御基板45及び、この払出制御基板45により制御される部分の機能については一般的なものと差がないため、図3での記載及び説明は割愛し、必要な部分については、適宜説明する。
また、本実施例においてブロック図中のブロックとして説明されている構成(特に各種の機能的手段や機能的部分)については、CPUやROM、RWMによって実現されている機能に該当するものが含まれている。
<ぱちんこ遊技機の電気的構成の詳細>
次に、前述の各電気的構成(図2,図3参照)のうち主要なものについて説明する。先ず、図4に示すように、ぱちんこ遊技機10には、電源基板251、払出制御基板45、メイン基板102、及びサブ基板104が備えられている。電源基板251には、上記払出制御基板45等が接続されている。払出制御基板45には、上記メイン基板102、遊技球等貸出装置接続端子板252、及びハンドル接続基板253等が接続されており、メイン基板102には、遊技盤接続基板254や、演出インターフェースA基板(図示略)等が接続されている。そして、遊技盤接続基板254には、図柄表示基板256が接続されている。
ここで、電源基板251は、前述の電源ユニット48に備えられている。また、払出制御基板45には、図示を省略するが、エラーの種別の表示などに用いられる状態表示部や、球貸しに係る金銭処理や球貸処理を実行するカードユニットなども接続されている。さらに、遊技球等貸出装置接続端子板は、球貨操作に用いられる球貨操作基板(図示略)等が接続される。ハンドル接続基板253には、発射装置のタッチスイッチ(図示略)や発射停止スイッチ(図示略)等が接続される。また、遊技盤接続基板254には、図柄表示基板256のほか、前述の通過検出装置69、普通電動役物ソレノイド76、第1大入賞口91の入賞検出装置78や大入賞口ソレノイド80、第2大入賞口92の入賞検出装置79や大入賞口ソレノイド81、一般入賞検出装置73,磁気センサや電波センサ(図示略)等が接続されている。さらに、図柄表示基板256は、前述の特別図柄等表示装置53に備えられているものであり、図柄表示基板256には、第1特別図柄表示装置70や第2特別図柄表示装置71が設けられている。
前述の演出インターフェースA基板は、メイン基板102と他の機器とを中継するものであり、この演出インターフェースA基板には、サブ基板104や、演出インターフェースB基板(図示略)が接続されている。また、サブ基板104には、前述の液晶ユニット42が接続されている。
演出インターフェースB基板は、演出インターフェースA基板やサブ基板104と他の機器とを中継するものであり、この演出インターフェースB基板には、図示を省略するが、プラ枠接続基板、各種の枠電飾基板、各種の枠モータ、センター飾り64の各種電飾基板、可動演出部材93,94の各種の可動体モータ等が接続されている。ここで、枠モータは、遊技機枠に備えられた可動演出部材(図示略)の駆動に用いられるものである。
プラ枠接続基板には、上球皿15や下球皿16に設けられた皿電飾接続基板259、各種スピーカ19に接続される各種スピーカ接続基板のうちの下スピーカ接続基板260が接続されており、皿電飾接続基板259には、演出ボタン基板261が接続されている。演出ボタン基板261は、操作ボタン82が備えられたボタン装置に設けられているもので、操作ボタンが押圧操作されたことを検出するスイッチ(図示略)や、操作ボタン用発光体82a(図示略)等を搭載している。
次に、電源基板251やメイン基板102等の構成について説明する。図4に示すように、メイン基板102には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRWM503と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路(図示略)が内蔵されている。なお、ROM502としては、内蔵されたものと外付けされたものを併用してもよい。
RWM503は、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後においても電源基板251からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RWM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリア(図示略)の他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電(瞬間的な電圧降下による停電を含む)などの発生により電源が遮断された場合(電断が生じた場合)において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、バックアップエリア503aの情報に基づいてぱちんこ遊技機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア503aへの書き込みはNMI割込処理(電源断処理)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時の制御開始処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)504には、停電等の発生による電源遮断時に、電源基板251の停電監視回路部542(後述する)からの電断信号が入力されるように構成されており、その電断信号がCPU501へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
払出制御基板45において、演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRWM513とを備えている。
払出制御基板45のRWM513は、メイン基板102のRWM503と同様に、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後においても電源基板251からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RWM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアであり、電源投入時には、このバックアップエリア513aの情報に基づいてぱちんこ遊技機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。バックアップエリア513aへの書き込みはNMI割込処理によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。なお、メイン基板102のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電時の発生による電源遮断時に停電監視回路部542から停電信号が入力されるように構成されており、その停電信号がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理が即座に実行される。
サブ基板104は、サブメイン基板301と、サブサブ基板302とにより構成されている。このうちサブメイン基板301は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRWM523と、入力ポート527と、出力ポート528、バスライン(図示略)などを備えている。そして、入力ポート527の入力側にはメイン基板102の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRWM523、及び出力ポート528などが接続されている。
サブサブ基板302は、ビデオRWM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート530と、出力ポート529と、バスライン(図示略)などを備えている。そして、入力ポート527の入力側にはサブメイン基板301の出力側が接続され、入力ポート530の出力側には、ビデオRWM524、キャラクタROM525と、画像コントローラ526、及び出力ポート529が接続されている。
サブメイン基板301のCPU521は、メイン基板102から送信される図柄表示用の演出制御コマンド(指令)に基づいて演出図柄表示装置60の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRWM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
サブサブ基板302のビデオRWM524は、演出図柄表示装置60に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRWM524の内容を書き替えることにより、演出図柄表示装置60の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、演出図柄表示装置60に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRWM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRWM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出し、更に予め優先順位を定めたレイヤの順に図柄を重ねて演出図柄表示装置60に表示させるものである。
電源基板251は、ぱちんこ遊技機10の各部に電源を供給するための電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路部542と、初期化スイッチ544を有する初期化スイッチ回路部543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、メイン基板102や払出制御基板45等に対して各々に必要な動作電圧を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される所定の電圧を取り込み、各種スイッチ、モータ、ロジック回路等を駆動するための所定量の電圧をメイン基板102や払出制御基板45等に対して供給する。
停電監視回路部542は、停電等の発生による電源遮断時に、メイン基板102のCPU501のNMI端子504、及び払出制御基板45のNMI端子514へ停電信号を出力するための回路である。停電監視回路部542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定(例えば30ボルト)の電圧を監視し、この電圧が所定電圧未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、電断信号をメイン基板102及び払出制御基板45へ出力する。電断信号の出力によって、メイン基板102及び払出制御基板45は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部541は、直流安定電圧が所定電圧未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、メイン基板102及び払出制御基板45は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
なお、停電監視回路部542は、電源基板251以外の部位に配置することも可能である。例えば、メイン基板102上に停電監視回路部542を形成して、メイン基板102上において停電監視回路部542からCPU501のノンマスカブル割込み端子(図示略)に電断信号を入力してもよい。また、払出制御基板45への電断信号の入力を省略することも可能である。
初期化スイッチ回路部543は、電源投入時に例えば遊技場店員等によって初期化スイッチ544が押下された場合に、メイン基板102及び払出制御基板45へ、バックアップデータをクリアするためのRWM消去信号を出力する回路を備えている。メイン基板102及び払出制御基板45は、ぱちんこ遊技機10の電源投入時に、RWM消去信号を入力した場合に、それぞれのバックアップエリア503a,513aのデータをクリアする。
<メイン基板及びサブ基板の機能的構成>
次に、メイン基板102及びサブ基板104について機能的な側面から説明する。本実施例におけるメイン基板102は、図5に示すように、入球判定手段110、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段136、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、条件保持手段176、特別遊技制御手段120、特定遊技制御手段122、開閉制御手段124、小当り遊技制御手段330、事前情報通知手段157、コマンド送信手段332を備える。さらに、メイン基板102は、始動入賞通知手段333を備える。
一方、本実施例におけるサブ基板104は、前述のようにサブメイン基板301とサブサブ基板302とにより構成されており、このうちサブメイン基板301は、図6中に示すように、情報受信手段(コマンド受信手段)601と表示制御手段603とを有している。さらに、サブ基板104には、図示は省略するが、スピーカ出力等の制御を行う音制御手段と、遊技効果ランプ出力等の制御を行う光制御手段とが備えられている。
なお、メイン基板102に含まれる前述の各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブメイン基板301に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブメイン基板301に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブメイン基板301ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブメイン基板301の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブメイン基板301への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブメイン基板301に配置される。このようにメイン基板102からサブメイン基板301へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブメイン基板301に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブメイン基板301へ一方的に送信しない限りサブメイン基板301から参照することはできない。
また、サブサブ基板302は、サブメイン基板301と同じく図6中に示すように、演出態様受信手段308、演出実行手段309などを備えている。そして、サブサブ基板302には、前述の液晶ユニット42を備えた演出図柄表示装置60が接続されている(図3,図4等参照)。
<<メイン基板の主要な機能>>
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動入賞口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動入賞口63に入賞したと判断する。入球判定手段110は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口91に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
第1始動入賞口62への入球に対応する第1の抽選を実行する第1抽選手段126は、第1抽選値取得手段112、第1当否判定手段113、第1パターン決定手段114、第1図柄決定手段320を含む。第2始動入賞口63への入球に対応する第2の抽選を実行する第2抽選手段128は、第2抽選値取得手段115、第2当否判定手段117、第2パターン決定手段119、第2図柄決定手段322を含む。第1の抽選の結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の変動表示の形で示され、演出図柄表示装置60の表示領域194において装飾図柄190a〜190cの変動表示の形で示される。第2の抽選の結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の変動表示の形で示され、演出図柄表示装置60の表示領域194において装飾図柄190a〜190cの変動表示の形で示される。
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段132へ送信する。
第1抽選値取得手段112は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1の抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段115は、第2始動入賞口63への入球を契機に、第2の抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。本実施例では、第1当否抽選値及び第2当否抽選値として取得する乱数は、ハードウエアで構成された1の生成装置を共用したハードウエア乱数(CPU501の内部で生成される内蔵乱数)とソフトウエアの乱数生成プログラム(割込毎に更新するカウンタ等)により抽出したソフトウエア乱数(ソフト乱数)とを演算(加算)した2段構成の乱数発生手段により生成されている。ちなみに、取得タイミングが全く同一であれば第1始動入賞口の入球に基づくハードウエア乱数の値と第2始動入賞口の入球に基づくハードウエア乱数の値とは同一の値が取得されるため一方の乱数取得系のみが故障して想定外の遊技確率とならないように設計されている。第1抽選値取得手段112および第2抽選値取得手段115が第1当否抽選値または第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない範囲で第1当否抽選値と第2当否抽選値が保留される。
第1当否判定手段113は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段117は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定で参照する当否判定テーブルを保持する。
<<当否抽選に係る置数>>
図8は、第1当否抽選値、或いは第2当否抽選値となる乱数値である特別図柄当り乱数(以下では「当否乱数」と称する)と抽選結果との対応を示している。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、及び、はずれの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117(図5参照)は、本判定としての当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段113による第1の抽選と第2当否判定手段117による第2の抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が「63239〜63402」の範囲に該当したときのみ大当りとなる。確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が「63239〜63402」の範囲に該当する場合だけでなく、「63403〜64878」の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。
また、本実施例においては、当否抽選値が「0〜63238」、及び「65535」となった場合、大当り範囲及び小当り範囲に該当しない真正のはずれとなる。すなわち、当否乱数値範囲の下限値である「0」から「06328」までの範囲と、上限値である「65535」に対応する抽選結果がはずれである。
さらに、当否抽選値が「64879〜65429」の場合には、第1の抽選においてのみ抽選結果が小当りとなり、第2の抽選おいては、抽選結果がはずれとなる。さらに、当否抽選値が「65430〜65534」の場合には、第1の抽選及び第2の抽選の何れにおいても、抽選結果は小当りとなる。つまり、第2の抽選よりも第1の抽選の方が小当りに該当する範囲が広く、小当りが発生しやすい。本実施例においては、大当りに該当しなかった場合を広義にはずれと定めているが、広義のはずれの一部に小当りの抽選結果を割当てるゲーム性を採用していることから、説明を簡潔にするため、ここでは真正のはずれのみを狭義に「はずれ」と称する。
このように、当否乱数の数値範囲に対して、抽選結果毎に連続する数値からなるグループが形成されている。そして、例えば第1の抽選においては、図8中に示すように、数値範囲「0〜63238」が第1のはずれグループ、「63239〜63402」が第1の大当りグループ、「63403〜64878」が第2の大当りグループ、「64879〜65534」が小当りグループ、「65535」が第2のはずれグループとなっている。
そして、第1のはずれに対応する乱数個数は63239個である。さらに、大当り1に対応する乱数個数は164個であり、大当り2に対応する乱数個数は1476個である。そして、第1の遊技における通常確率時の大当り確率は164/65536であり、高確率時の大当り確率は1640(=1476+164)/65536である。さらに、小当りに対応する乱数個数は656個であり、小当り確率は656/65536である。
また、上述のように、当否乱数は「0〜65535」の範囲の値をとり得るものであり、本実施例では、当否乱数は「0〜65535」の数値範囲の内蔵乱数(ハードウエア乱数)と、「0〜65520」の数値範囲の特別図柄当りソフト乱数(ソフトウエア乱数)との合算により得られている。内蔵乱数は、内蔵乱数テーブルから抽出された値である。内蔵乱数テーブルにおいては、所定範囲の数値(例えば「0〜65535」)が任意の順序で配列されており、CPU501に入力されるクロックを用いハードウエア(カウンタ回路)によりカウント値が1ずつ加算される毎に、内蔵乱数テーブル中に任意に配列された数値が、数値の大小関係と直接には関係なく、配列された順序に従って取得対象となる。そして、取得された内蔵乱数テーブル中の数値が、抽出されてソフト乱数との演算に用いられる。このような内蔵乱数は、ハードウエア的な構成を含む乱数生成装置による乱数であるともいえる。
一方、ソフトウエア乱数は、プログラミングされたカウンタにより割込み毎にカウント値を1ずつ加算して、昇順或いは降順に配列された数値を取得対象とするソフトウエア的な構成の乱数生成装置による乱数であるといえる。そして、本実施例では、特別図柄当りソフト乱数の乱数個数は、素数である「65521」となっており、加算元である内蔵乱数に対して加算されるソフトウエア乱数のほうが、内蔵乱数よりも、乱数値範囲(乱数の大きさ)が小さく設定されている。なお、当否乱数の生成にあたっては、内蔵乱数とソフトウエア乱数とを単純に合算することに限らず、例えば積算する、或いは、所定数の加減乗除のうちの何れかをしたうえで互いに合算する等、他の演算により行ってもよい。
<<図柄抽選に係る置数>>
図5に示す第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、別途取得する前述の図柄抽選値(特別図柄当り図柄乱数。以下では「図柄乱数」ともいう。)と、上述の当否判定の結果とに基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルを保持する。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。
図9は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図9(a)は第1の抽選に係る当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図9(b)は第2の抽選に係る当否判定結果が大当りであった場合に参照するテーブルであり、図9(c)は当否判定結果がはずれであった場合に参照するテーブルであり、図9(d)は当否判定結果が小当りであった場合に参照するテーブルである。第1図柄決定手段320および第2図柄決定手段322は、図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、「0」〜「8」の数字および文字以外の記号α、記号βで表される特別図柄と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、はずれの当否判定結果と対応付けられており、所定の奇数の数字が大当りに対応し、偶数の数字が小当りに対応し、記号α、記号βがはずれに対応する。
図9(a)に示すように、第1の抽選においては、特別図柄「0」〜「8」のうち所定の奇数の数字である特別図柄「7」,「5」,「3」,「1」、及び、偶数の数字である「0」,「2」が、各々図柄抽選値「0〜124」,「125〜499」,「500〜714」,「715〜734」,「735〜799」,「800〜999」に対応付けられている。さらに、特別図柄「7」,「5」,「3」,「1」,「0」,「2」には、後述する16R確変、16R確変(実4R)、4R確変(バトル成功)、4R確変(バトル失敗/潜伏)、4R確変(出球無/潜伏)、及び、4R通常(バトル失敗/時短無)の各種大当りが各々対応付けられている。ここで、第1の抽選に係る特別図柄について、前述の第1特別図柄のほか、第1特図、特図1、特別図柄1、図柄1などと称することがある。
また、図9(b)に示すように、第2の抽選においては、特別図柄「7」,「3」,「0」、「2」が、各々図柄抽選値「0〜499」,「500〜669」,「670〜799」,「800〜999」に対応付けられている。さらに、特別図柄「7」,「3」,「0」、「2」には、後述する16R確変、4R確変、4R確変(出球無)、及び、4R通常(出球無/時短制限)の各種大当りが各々対応付けられている。ここで、第2の抽選に係る特別図柄について、前述の第2特別図柄のほか、第2特図、特図2、特別図柄2、図柄2などと称することがある。
以下に、上述の第1の抽選及び第2の抽選における大当りの種類について説明する。先ず、本実施例では、単位遊技を16回繰り返す大当り(以下、適宜「16R大当り」とも称する)や、単位遊技を4回繰り返す大当り(以下、適宜「4R大当り」とも称する)などがある。このうち、16R大当りについては、特別遊技において、第1大入賞口91または第2大入賞口92は約30秒間開放されたとき、または第1大入賞口91または第2大入賞口92に9球以上の遊技球が落入したときに大入賞口を一旦閉鎖して1回の単位遊技を終了させるものがある。このような特別遊技は、遊技者に遊技球を獲得させることを目的とする所謂出球あり当りであるとともに、遊技者により多くの遊技球を獲得させようとするものである。
また、16R大当りには、特別遊技中に遊技者が、単位遊技が4回のみ繰り返される特別遊技と同程度の出球しか得られないようにしたものがある。このような16R大当りは、遊技者に対し多くの出球の獲得を可能とする通常の16R大当りよりも少ない量(例えば数分の一程度)の出球の獲得を可能とするものであり、出球の面からは実質的に4R大当りと変わらないものといえる。このような16R大当りを、「実4R」の記載を付加して、「16R(実4R)大当り」と称している。この16R(実4R)大当りにおける特別遊技として、16回の大入賞口の開放のうち、4回を16R大当りと同様なパターンで実行し、残りを極短時間(例えば0.2秒程度)の開放とするものなどが挙げられる。
なお、16R(実4R)大当りにおける大入賞口の開放パターンとして、相対的に長時間の4回の開放を特別遊技の開始当初に連続して実行し、短時間の開放をその後に連続して行うものや、短時間の開放を特別遊技の開始当初に連続して実行し、長時間の開放をその後に連続して行うものなどを採用することが可能である。また、長時間の各開放の前後や間に1回又は複数回の短時間の開放を介在させる開放パターンや、或いは、これらの開放パターンをラウンド毎に切換えて実行する特別遊技制御態様なども採用が可能である。
さらに、4R大当りについては、全ての単位遊技において、第1大入賞口91または第2大入賞口92が約30秒間開放されたとき、または第1大入賞口91または第2大入賞口92に9球以上の遊技球が落入したときに大入賞口を一旦閉鎖して1回の単位遊技を終了させるものがある。このような4R大当りにおける特別遊技は、遊技者に遊技球を獲得させることを目的とする所謂出球あり当りであるとともに、遊技者に通常の16R大当りよりも少ない量(例えば数分の一程度)の出球の獲得を可能とするものである。
また、4R大当りには、特別遊技中に遊技者が出球を獲得できないようにした所謂出球なし当りがある。本実施例では、このように出球のない大当りについては、「出球無」の記載を付加して表している。そして、出球のない4R大当りは、「4R(出球無)大当り」や、「4R(出球無)」とも称する。この4R(出球無)大当りにおける特別遊技として、4回の大入賞口の開放を、何れも極短時間(例えば0.2秒程度)の開放とするものを挙げることができる。なお、前述のように、小当りに当せんした場合の小当り遊技における第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)の1回の開放時間は約0.2秒であり、第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)の開放態様は遊技球の入球をさせないようにするものであるから、小当りもここでいう出球なし当りに含まれると考えることができる。
また、本実施例では、前述の確変や時短等といった特定遊技状態は各種大当りに伴って発生するが、この特定遊技状態との組み合わせによっても大当りの種類は区別される。本実施例においては、大当りと特定遊技状態とは、第1始動入賞口62に係る第1の抽選、及び、第2始動入賞口63に係る第2の抽選毎に、以下のように組み合わされている。
先ず、第1の抽選においては、16R大当り及び4R大当りの何れについても、大当りに伴う特別遊技の終了後に確変状態となる大当りが設けられている。このような大当りを、「16R確変」、「4R確変」と称している。また、本実施例では、第1の抽選については、前述の16R(実4R)が設けられており、この16R(実4R)にも確変が組み合わされている。そして、確変が組み合わされた16R(実4R)を、「16R確変(実4R)」と称する。さらに、本実施例では、第1の抽選に設けられた16R大当りは、図9(a)中に図柄「7」や図柄「5」に対応した大当りとして示すように、16R確変と16R確変(実4R)の2種類のみとなっている。
また、第1の抽選については、前述の4R(出球無)大当りに確変が組み合わされており、この確変が組み合わされた4R(出球無)を、「4R確変(出球無)」と称する。また、第1の抽選については、大当りに伴う特別遊技の終了後に確変状態とならない大当りが設けられており、以下では、この確変とならない4R大当りを「4R通常」と称する。
さらに、大当りの種類は、リーチ中に実行される演出(リーチ演出)の内容との関係によっても分かれており、本実施例においては、第1の抽選について前述のように、「バトル成功演出」、「バトル失敗演出」、「潜伏演出」との組み合わせによる大当りが設けられている。
具体的には、先ず、図9(a)中に図柄「3」に対応した大当りとして示すように、4R確変に「バトル成功演出」を組合わせた、4R確変(バトル成功)の大当りが設けられている。そして、この4R確変(バトル成功)に当せんした場合には、リーチ時のバトル成功演出の後に4R確変が発生する。また、図9(a)中に図柄「1」に対応した大当りとして示すように、4R確変に「バトル失敗演出」及び「潜伏演出」を組合わせた4R確変(バトル失敗/潜伏)の大当りが設けられている。そして、この4R確変(バトル失敗/潜伏)に当せんした場合には、リーチ時のバトル失敗演出の後に4Rの特別遊技が実行され、その後の確変状態での遊技が「潜伏演出」を実行しながら行われる。なお、「バトル失敗演出」と「潜伏演出」のように複数の特性を備えた大当りについては、「/」(スラッシュ)の記号を介在させて、「4R確変(バトル失敗/潜伏)」のように表している。
さらに、本実施例においては、4R確変(出球無)に「潜伏演出」を組合わせた4R確変(出球無/潜伏)の大当りが設けられており、この4R確変(出球無/潜伏)に当せんした場合には、第1大入賞口91を出球がない開放パターンで動作させる4Rの特別遊技が実行され、その後の確変状態での遊技が「潜伏演出」を実行しながら行われる。さらに、4R通常(時短無)に「バトル失敗演出」を組合わせた4R通常(バトル失敗/時短無)の大当りが設けられており、この4R通常(バトル失敗/時短無)に当せんした場合には、リーチ時のバトル失敗演出の後に4Rの特別遊技が実行され、その後の通常確率状態での遊技が、時短を伴わずに行われる。
上述のように大当りの種類は、特定遊技の一つである時短の有無や内容によっても分かれており、本実施例では、第1の抽選における16R確変、16R確変(実4R)、4R確変(バトル成功)、及び、第2の抽選における16R確変、4R確変、4R確変(出球無)については、期間を次回の大当りまでとした時短が組み合わされている。そして、第1の遊技に係る4R確変(バトル失敗/潜伏)、4R確変(出球無/潜伏)、及び、上述の4R通常(バトル失敗/時短無)については、時短は付与されていない。
また、本実施例においては、第2の遊技の大当りに関し、図9(b)中に示すように、4R通常(出球無)にも時短が組み合わされたものがある。この4R通常(出球無)は、図柄「2」の当否結果に割り振られており、時短期間は、第1特別図柄192の変動回数及び第2特別図柄193の変動回数の合計を以って100回に満たない数に制限されている。ここでは、制限された時短回数を合計で20回としている。このように時短回数が制限された大当りについて、「時短制限」の記載を付加し、「4R通常(時短制限)」のように表す。なお、制限された時短回数を、例えば80回、60回、或いは40回などとしてもよく、これらうちの少なくとも2種類の回数を、異なる種類の大当りに割り振ってもよい。
以上説明したように本実施例では、第1の抽選については、16R確変、16R確変(実4R)、4R確変(バトル成功)、4R確変(バトル失敗/潜伏)、4R確変(出球無/潜伏)、及び、4R通常(バトル失敗/時短無)の6種類の大当りが設けられており、第2の抽選については、16R確変、4R確変、4R確変(出球無)、及び、4R通常(出球無/時短制限)の4種類の大当りが設けられている。
続いて、図9(c)に示す通り、記号αは図柄抽選値の範囲「0〜479」に対応付けられ、記号βは図柄抽選値の範囲「480〜999」に対応付けられる。
図9(d)に示す通り、特別図柄「0」〜「8」のうち偶数の数字である特別図柄「4」「6」「8」が小当りに対応付けられている。特別図柄「4」は図柄抽選値の範囲「0〜332」に対応付けられ、特別図柄「6」は図柄抽選値の範囲「333〜665」に対応付けられ、特別図柄「8」は図柄抽選値の範囲「666〜999」に対応付けられる。
ここで、記号α,βに対応する図柄は、以下のような演出制御(限定頻度パターン演出制御)に用いられるものである。すなわち、第1特別図柄192について小当りが発生した場合、その小当り遊技終了後の第1特別図柄192の図柄変動として限定頻度パターンテーブルが参照される。このとき、第2特別図柄193がいずれの図柄で停止しているかに応じて異なる態様で第1特別図柄192の限定頻度パターンテーブルが参照され、変動パターンが選択される。例えば第2特別図柄193がはずれ図柄αで停止表示されているときは小当り遊技終了後の第1特別図柄192の図柄変動として10回分だけ限定頻度テーブルにしたがって変動パターンが選択される。また、第2特別図柄193がはずれ図柄βで停止表示されているときは小当り遊技終了後の第1特別図柄192の図柄変動として20回分だけ限定頻度テーブルにしたがって変動パターンが選択される。これにより、第2特別図柄193がいずれの図柄で停止しているかによって異なる態様で特別な演出を実行することができるので、演出の設計の幅を広げることができる。
また、本実施例では記号α、記号βは何れも限定頻度パターン演出に対応付けられているが、はずれに限定頻度パターン演出に対応づけられていない記号(例えば、「−」(ハイフン)など)を付加してもよい。このようにすることにより、はずれの場合における限定頻度パターン演出の発生確率を更に細やかに設定できるようになる。例えば、記号「−」の図柄抽選値の割合を、記号α及び記号βの割合よりも十分に大きく設定することにより、はずれの殆どの場合は限定頻度パターン演出が実行されないという遊技制御を実現できる。
また、本実施例では当否抽選の結果が大当りである場合、前述の図柄乱数の数値範囲における上限値である「999」には、確変を伴わず非確変となる特別図柄(非確変図柄)が割当てられている。また、これに限らず、下限値である「0」に非確変図柄の抽選結果を割当ててもよく、更に上限値及び下限値の双方に非確変図柄の抽選結果を割当ててもよい。
上述した図柄抽選は、ソフトウエア乱数により行われており、ソフトウエア乱数とハードウエア乱数の双方を用いる当否抽選に比べて、乱数の生成過程が簡略化されている。これは、当否抽選が不正行為の対象となり易いのに対し、図柄抽選は、当否抽選に比べれば不正行為の対象となり難いため、図柄抽選については、ハードウエア乱数を生成するのに必要な水晶発振器等の部品を用いずに済む構成としたためである。
また、前述のように、図柄乱数の数値範囲に対して、抽選結果毎に連続する数値からなるグループが形成されている。そして、例えば、第1の抽選において、大当りの場合は、図9(a)中に示すように、数値範囲「0〜124」、「125〜499」、「500〜714」、「715〜734」、「735〜799」、及び、「800〜999」が、それぞれ特別図柄「7」、「5」、「3」、「1」、「0」、及び、「2」に対応付けられた各グループとなっている。さらに、第2の抽選において、大当りの場合は、図9(b)中に示すように、数値範囲「0〜499」、「500〜669」、「670〜799」、及び、「800〜999」が、それぞれ特別図柄「7」、「3」、「0」、及び、「2」に対応付けられた各グループとなっている。また、限定頻度パターン演出に関しては、例えば、図9(c)中に示すように、数値範囲「0〜479」が記号αに対応付けられたグループとなっており、「480〜999」が記号βに対応付けられたグループとなっている。さらに、小当りの場合には、数値範囲「0〜332」、「333〜665」、「666〜999」が、それぞれ特別図柄「4」、「6」、及び、「8」に対応付けられた各グループとなっている。
<<変動パターン抽選に係る置数>>
図5に戻り、第1パターン決定手段114は、第1特別図柄表示装置70および演出図柄表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2パターン決定手段119は、第2特別図柄表示装置71および演出図柄表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターンを決定するために参照する変動パターン選択基準として複数の変動パターンテーブルをそれぞれ保持または共有する。
変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。複数の変動パターンテーブルは、変動パターンと抽選値との対応関係としてそれぞれ変動時間の選択傾向(選択される変動パターンの変動表示時間の長短に係る傾向)が異なるように定められている。
複数の変動パターンテーブルには、他の変動パターンテーブルとは演出内容の傾向が異なる選択基準である限定頻度パターンテーブルが含まれる。限定頻度パターンテーブルは、第1図柄決定手段320により決定された第1特別図柄192が小当りに該当した場合に、その小当り遊技終了後の限定的な期間において参照される。
図10は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119は、当否判定結果がはずれのときは図10(a)に示されるはずれ用の変動パターンを参照する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターン判定において本図の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が16R大当りのときは図10(b)に示される16R大当り用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が4R大当りまたは小当りのときは図10(c)に示される4R大当りおよび小当り用の変動パターンテーブルを参照する。
図10(a)においては、パターン抽選値「0〜2599」には「スーパー1」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値「2600〜4999」には「スーパー2」というスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値「5000〜49999」には「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のいずれかの変動パターンが対応付けられている。このように、当否判定結果がはずれの場合、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしのいずれも選択される可能性がある。なお、はずれ用の変動パターンテーブルにおいて、特に「リーチなし」の変動パターンを選択するとき、時短状態においては通常状態よりもさらに変動時間が概ね短い変動パターンが選択されるよう異なるテーブルを参照する。また、はずれ用の変動パターンテーブルは保留数ごとに参照すべき欄が異なるように規定されるが、通常状態を例とするその詳細は後述する図11において説明する。
図10(b)においては、パターン抽選値「0〜23519」には「スーパー1」のスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値「23520〜47039」には「スーパー2」のスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値「47040〜48999」には「ノーマル1」のリーチが対応付けられ、パターン抽選値「49000〜49999」には「ノーマル2」のリーチが対応付けられている。このように、当否判定結果が16R大当りの場合はリーチ付きの変動パターンが選択される。
図10(c)においては、パターン抽選値「0〜23999」には「スーパー3」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値「24000〜49999」には「ノーマル3」というノーマルリーチが対応付けられている。このように当否判定結果が4R大当りまたは小当りの場合は「スーパー3」または「ノーマル3」がそれぞれ約50%の確率で選択される。
上述したパターン抽選は、図柄抽選と同様に、ソフトウエア乱数により行われており、ソフトウエア乱数とハードウエア乱数の双方を用いる当否抽選に比べて、乱数の生成過程が簡略化されている。これは、図柄抽選と同様に、当否抽選が不正行為の対象となり易いのに対し、パターン抽選は、当否抽選に比べれば不正行為の対象となり難いため、パターン抽選については、ハードウエア乱数を生成するのに必要な水晶発振器等の部品を用いずに済む構成としたためである。
また、前述のように、変動パターン抽選値(以下、「変動パターン乱数」ともいう)の数値範囲に対して、抽選結果毎に連続する数値からなるグループが形成されている。そして、はずれの場合には、図10(a)中に示すように、パターン抽選値「0〜2599」、「2600〜4999」、「5000〜49999」は、それぞれ「スーパー1」のグループ、「スーパー2」のグループ、「ノーマル1」、「ノーマル2」、「リーチなし」が対応付けられたグループとなっている。また、16R大当りの場合には、図10(b)に示すように、パターン抽選値「0〜23519」、「23520〜47039」、「47040〜48999」、及び、「49000〜49999」は、それぞれ「スーパー1」、「スーパー2」、「ノーマル1」、「ノーマル2」の各リーチが対応付けられたグループとなっている。さらに、4R大当りまたは小当りの場合は、図10(c)に示すように、パターン抽選値「0〜23999」、「24000〜49999」は、それぞれ「スーパー3」、「ノーマル3」の各リーチが対応付けられたグループとなっている。なお、上述の「スーパー1」、「スーパー2」、「ノーマル1」、「ノーマル2」、及び、「リーチなし」の他の変動パターンを追加してもよく、更にこれらの各変動パターンを、例えば異なる変動時間の変動パターンに細分化してもよい。
図11は、はずれ用の変動パターンテーブルを詳細に示す図である。本図の変動パターンテーブル210aにおいては、保留数ごとにそれぞれ変動パターンに対応付けられたパターン抽選値の範囲が異なる。具体的には、保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンに割当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら変動時間の長い変動パターンが選択される確率を高めている。そのため、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなる。したがって、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が所定数、例えば1〜2個より少なくなった場合に、変動時間の長い変動パターンの選択確率が通常より高くなり、変動時間が比較的長くなりやすい。
第1欄212aには、第1保留手段144による第1の抽選の結果保留数または第2保留手段146による第2の抽選の結果保留数が1の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。同様に、第2欄214aa、第3欄216a、第4欄218aaに、第1保留手段144による第1の抽選の結果保留数または第2保留手段146による第2の抽選の結果保留数がそれぞれ2、3、4の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。すなわち、第1欄212a、第2欄214aa、第3欄216a、第4欄218aaが保留数ごとの変動パターンテーブルを示すと考えることができる。本図では、はずれのときに選択され得る複数の変動パターンを変動時間別に5種類に分類した例を説明するが、実際にはそれらの分類ごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類ごとの抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
第1範囲222には、抽選値が0から2599までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212a、第2欄214aa、第3欄216a、第4欄218aaのいずれにも「スーパー1」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。第2範囲224には、抽選値が2600から4999までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212a、第2欄214aa、第3欄216a、第4欄218aaのいずれにも「スーパー2」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。このように、抽選値が0から2599までのパターン抽選値と抽選値が2600から4999までのパターン抽選値の場合には、保留数にかかわらず同じ変動時間の変動パターンが選択される。
第3範囲226には、抽選値が5000から49999までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212a、第2欄214aa、第3欄216a、第4欄218aaにはそれぞれノーマルリーチである「ノーマル1」「ノーマル2」と「リーチなし」の3種類の変動パターンが対応付けられる。ただし、それぞれの変動パターンが対応付けられるパターン抽選値の範囲は保留数によって異なる。第1欄212aでは、「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のそれぞれが対応付けられる抽選値範囲の大きさがそれぞれほぼ等しく、5000から49999をほぼ3等分した範囲が対応付けられている。これに対し、第2欄214aaでは、「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさが「リーチなし」に対応付けられる抽選値範囲よりやや小さい。また、第3欄216aでは「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさがさらに小さくなり、第4欄218aaにて「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさはまたさらに小さくなっている。
「ノーマル1」「ノーマル2」の変動時間は「リーチなし」の変動時間より長くてもよく、また「リーチなし」のときは時短状態のように変動時間が短縮される場合もあるため、上記の第3範囲226の設定内容に応じて平均的な変動時間が異なることとなる。保留数が1から2、3、4と多くなるにつれて「ノーマル1」および「ノーマル2」のパターン抽選値範囲は小さくなり、逆に「リーチなしはずれ」のパターン抽選値範囲が大きくなる。したがって、保留数が多いほど平均的な変動時間は短くなり、逆に保留数が少ないほど平均的な変動時間は長くなる。このように保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現することができる。また、装飾図柄190の変動パターンとして、第1特別図柄192及び第2特別図柄193の各々の連続した複数回の変動に跨って適用されるような変動パターンを設定してもよい。
さらに、変動パターンの選択傾向に関して、確変中であるか否か、当否抽選の結果、第1の抽選に係る保留数、及び、第2の抽選に係る保留数との関係において、選択傾向を設定するようにしてもよい。このようにすることにより、例えば、確変中で且つ当否抽選の結果がはずれである場合には、第1特別図柄192については、第1の抽選に係る保留数及び第2の抽選に係る保留数に関わらず、変動時間が相対的に長いものとして規定された変動パターンが選択される確率を相対的に高く設定し、第2特別図柄193については、第1の抽選に係る保留数に関わらず、第2の抽選に係る保留数に応じて、変動時間が相対的に長いものとして規定された変動パターンが選択される確率を相対的に低く設定する、といったことが可能である。また、確変中で且つ当否抽選の結果が大当り(又は小当り)である場合には、第1の抽選に係る保留数及び第2の抽選に係る保留数に関わらず、変動時間が相対的に短いものとして規定された変動パターンが選択される確率を相対的に低く設定する、といったことも可能である。
<<メイン基板におけるその他の主要な機能>>
図5に戻り、普図抽選手段136は、各作動口68a,68bにおける遊技球の通過の検出に基づき普図(普通図柄)抽選を実行するものであり、普図抽選値取得手段137、普図当否判定手段138、普図パターン決定手段139、普図図柄決定手段140を含む。普図抽選の結果は、普通図柄表示装置59(図3,図7(a)参照)においては、普通図柄の変動表示及び停止表示の形で示される。
普図抽選手段136は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブル(後述する)を保持する。その図柄判定テーブルには、抽選値と抽選結果との対応関係が定められており、普図抽選手段136は、普図抽選値取得手段137、普図当否判定手段138、普図パターン決定手段139、及び普図図柄決定手段140により、普通図柄の変動パターンや停止図柄を、図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が第2始動入賞口63の普通電動役物を所定時間拡開する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段116は、第1保留手段144、第2保留手段146、普図保留手段147を含む。第1保留手段144は、新たに第1の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第1の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保持する。第2保留手段146は、新たに第2の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第2の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第2の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保持する。普図保留手段147は、作動口68a,68bにける遊技球の通過に伴い普図抽選手段136により取得された普通図柄用保留情報としての普図抽選値を、各々4個を上限とし、保留球として保持する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留ランプ20、第2特図保留ランプ21、普図保留ランプ22の点灯数または点滅数により表される。第1保留手段144および第2保留手段146による保留の数は演出図柄表示装置60の表示領域194にも表示される。
第2保留手段146に保留された抽選値は第1保留手段144に保留された抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1保留手段144に大当りの抽選値が保留されていても第2保留手段146に保留がある限りは第1保留手段144の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1保留手段144に大当りの保留したまま、さらに第2保留手段146へ大当りの保留が生起するまで打ち続けることで、特図2に係る大当りを連続的に獲得できる可能性がある。
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄192の変動を第1特別図柄表示装置70に表示させる。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄193の変動を第2特別図柄表示装置71に表示させる。
第1特図制御手段148は、第2保留手段146により第2の抽選の結果が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段150は、第1保留手段144により第1の抽選の結果が保留されているか否かにかかわらず第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1保留手段144と第2保留手段146の双方によって抽選値が保留されていた場合、第2保留手段146によって保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2保留手段146の保留数が0になるまでは第1保留手段144に保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段148および第2特図制御手段150は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを前述のサブメイン基板301へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともにサブメイン基板301へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともにサブメイン基板301へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118による第1特別図柄192又は第2特別図柄193の変動表示、およびサブメイン基板301による装飾図柄190a〜190cの変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段136による抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
条件保持手段176は、大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための条件として特別遊技作動条件を保持する。特別遊技作動条件は、第1の抽選または第2の抽選で特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
特別遊技制御手段120は、第1抽選手段126による第1の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段120は、第2抽選手段128による第2の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第2大入賞口92を開放させることにより特別遊技を実行する。
小当り遊技制御手段330は、第1抽選手段126による第1の抽選が小当り遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91を開放させることにより小当り遊技を実行する。同様に、小当り遊技制御手段330は、第2抽選手段128による第2の抽選が小当り遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の小当り態様で停止されたときに小当り遊技作動条件が成立したと判定し、第2大入賞口92を開放させることにより小当り遊技を実行する。
さらに、小当り遊技制御手段330には、小当り連続回数をサブメイン基板301へ通知する機能を備えており、小当り遊技が、間にはずれや大当りを挟まずに連続して発生した回数を計数して出力する。なお、サブメイン基板301に対して小当り連続回数を通知することに限らず、小当り連続回数が所定回数に達したか否か、或いは、所定の期間内に小当り連続回数が所定回数に達したか否か、といった事項を判定し、小当り連続回数が所定回数に達した場合には、その旨をサブメイン基板301に通知するようにしてもよい。
特定遊技制御手段122は、確変および時短の状態における通常遊技を制御する。特定遊技制御手段122は、大当りの種類に応じて、その特別遊技の終了後に時短状態へ移行させる。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、第1図柄決定手段320または第2図柄決定手段322により決定された図柄が確変への移行を伴う大当り図柄であった場合に限られる。時短状態は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示回数の合計が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、たとえば100回に達するまで継続される。第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が変動時間の短い変動パターンを選択する。一方、確変状態は、大当りの種類に応じて、次の大当りによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は第1当否判定手段113または第2当否判定手段117による当否判定結果が大当りとなる確率が高い値のまま維持される。
事前情報通知手段157は、第1始動入賞口62に入球があった際、その入球に対応する図柄変動表示が開始されるか否かにかかわらず、その入球に対する第1抽選手段126による抽選結果を示す情報をサブメイン基板301へ送信する。また、第2始動入賞口63に入球があった際、その入球に対応する図柄変動表示が開始されるか否かにかかわらず、その入球に対する第2抽選手段128による抽選結果を示す情報をサブメイン基板301へ送信する。これらの抽選結果を示す情報を以下では「保留抽選結果」とも呼ぶこととする。保留抽選結果には、第1始動入賞口62と第2始動入賞口63のいずれへの入球かを示す情報と、事前判定結果としての当否範囲・図柄範囲・パターン範囲とが含まれる。
開閉制御手段124は、第2始動入賞口63の普通電動役物や第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動入賞口63の普通電動役物を開放させる。開閉制御手段124は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド80または大入賞口ソレノイド81に開放指示を送り、第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放させる。また、開閉制御手段124は、通常特別遊技後の確変状態および時短状態においては第2始動入賞口63の拡開機構を通常状態に比べて長い時間拡開させる開放延長を実行する。
<<普通図柄の抽選に係る具体例>>
次に、前述の普図抽選手段136による抽選について、具体例を説明する。先ず、ここでの説明や以降の説明において用いられる「主遊技」、「副遊技」、「補助遊技」、「主遊技用副遊技」、「補助遊技用副遊技」の用語の意義の概要について説明する。これらのうち「主遊技」は、メイン基板102により直接的に制御される遊技の意味を有しており、「副遊技」は、メイン基板102からのコマンドに基づきサブ基板104により制御される遊技の意味を有している。また、「補助遊技」は、普通図柄に係る遊技の意味を有している。
さらに、サブ基板104に係る説明において「主遊技用副遊技」及び「補助遊技用副遊技」などの用語が用いられているが、これらのうち「補助遊技用副遊技」は、サブ基板104による普通図柄の演出表示に係る遊技の意味を有しており、サブ基板104による「補助遊技用副遊技」を除いた他の遊技について上述の「主遊技用副遊技」の用語が用いられている。また、「主遊技用副遊技」とは、主に特別図柄の演出表示に係る遊技の意味を有している。このため、「副遊技」に係る説明において「主遊技」の用語が用いられている場合には、特別図柄に係る装飾図柄の演出や、装飾図柄の演出に付加的に組み合わされた演出(予告演出)などを含むことがある。
以上を前提として、前述の普図抽選手段136による抽選について具体例を説明する。本実施例においては、図16中に示すように複数の図柄判定テーブルが設けられており、遊技の状況に応じて所定の図柄判定テーブルが使い分けられるようになっている。そして、図16に示す図柄判定テーブルは、上段から、普通電動役物の開放に係る抽せんの当否を決定するための補助遊技テーブル1、普通図柄の変動パターンを決定するための補助遊技テーブル2、普通電動役物の開閉パターンを決定するための補助遊技テーブル3−1及び3−2である。
また、補助遊技テーブル1、補助遊技テーブル3−1及び3−2については、前述の特定遊技のうちの時短が実行されている状況であるか否かに応じて、図中の左右に示すように、テーブルが分けられている。そして、時短中ではない非時間短縮遊技時と、時短中である時間短縮遊技時とでは、補助遊技側乱数値(特に、当否抽選用乱数値)が同一であっても、抽選結果が相違し得るよう構成されている。ここで、抽選結果としては、「当り」又は「ハズレ」のいずれかであり、「当り」である際には、補助遊技図柄(普通図柄)の停止図柄として「当り図柄L」が選択される場合と、「当り図柄S」が選択される場合とに細分化されている。そして、「当り図柄L」が選択される割合(確率)に関しては、非時間短縮遊技時の方が時間短縮遊技時よりも高くなるよう構成されている一方、「当り図柄S」が選択される割合(確率)に関しては、非時間短縮遊技時の方が時間短縮遊技時よりも低くなるよう構成されている。尚、後述するように、「当り図柄L」及び「当り図柄S」のいずれが選択されたか(加えて、非時間短縮遊技時及び時間短縮遊技時のいずれであるか)によって、第2主遊技始動口電動役物(第2始動入賞口63に係る普通電動役物)の最大開放時間が異なることとなる。
尚、本例では、非時間短縮遊技時と時間短縮遊技時とで、抽選結果が「当り」であった際における「当り図柄L」と「当り図柄S」との選択比率が相違する(非時間短縮遊技時には、当該選択比率が10対10である一方、時間短縮遊技時には、当該選択比率が2対1018となる)よう構成されているが、これには限定されず、非時間短縮遊技時と時間短縮遊技時とで、抽選結果が「当り」であった際における「当り図柄L」と「当り図柄S」との選択比率が同一となるよう構成してもよい。このような例については、例えば、図16中に補助遊技テーブル1の変更例(上から2段目の図表参照)として示しており、この変更例においては、非時間短縮遊技時には、当該選択比率が10対90である一方、時間短縮遊技時には、当該選択比率が100対900となっている。
次に、補助遊技テーブル2は、補助遊技変動態様決定用参照テーブルの一例であり、本実施例においては、左右に分けて示すように、補助遊技側の保留数が所定数(本例では2)未満の場合と当該所定数以上の場合とでは、補助遊技側乱数値(特に変動時間決定用乱数値)が同一であっても、抽選結果が相違し得るよう構成されている。ここで、抽選結果としては、複数の変動時間候補(本例では、4.0秒、5.5秒、7.0秒、8.5秒、10.0秒)の内の一の変動時間となるが、夫々の変動時間が選択される割合(確率)に基づき、変動時間の期待値を導出した場合、補助遊技側の保留数が所定数未満の場合における変動時間の期待値は、当該所定数以上の場合における変動時間の期待値よりも、短くなるよう構成されている。但し、これには限定されず、当該選択される割合を均一としてもよい。
次に、補助遊技テーブル3−1は、「当り図柄L」時の電動役物開放時間決定用参照テーブルの一例であり、補助遊技テーブル3−2は、「当り図柄S」時の電動役物開放時間決定用参照テーブルの一例である。本実施例においては、補助遊技側の遊技状態(非時間短縮遊技時又は時間短縮遊技時)と補助遊技図柄(普通図柄)の停止図柄とに基づき、第2主遊技始動口電動役物の開放態様及び駆動時間が決定される。ここで、特に、補助遊技側の遊技状態が非時間短縮遊技時であって、補助遊技図柄の停止図柄が「当り図柄L」である場合には、第2主遊技始動口電動役物の開放態様が「0.5秒間の開放→0.5秒間の閉鎖→5.0秒間の開放」となり、駆動時間が6.0秒となる一方、補助遊技側の遊技状態が非時間短縮遊技時であって、補助遊技図柄の停止図柄が「当り図柄S」である場合には、第2主遊技始動口電動役物の開放態様が「0.5秒間の開放」となり、駆動時間が0.5秒となる。
すなわち、遊技者にとっては、補助遊技図柄が停止表示された後、第2主遊技始動口電動役物の開放態様が「0.5秒間の開放」を行ったことを視認するのみでは、以降、第2主遊技始動口電動役物が長期間に亘って開放駆動するか否かが判別困難となるよう構成されている。尚、以下の説明において、補助遊技側の遊技状態が非時間短縮遊技時であって、補助遊技図柄の停止図柄が「当り図柄L」である場合の第2主遊技始動口電動役物の開放態様を、特殊開閉態様と呼ぶことがある。さらに、非時短時における特殊開閉態様について、通常時長開放、通常時長開放態様、或いは、通常時長開放機能による開放態様などと称する場合がある。
<<超過入賞コマンドの送信に係る構成>>
本実施例に係るぱちんこ遊技機10には、後述するように超過入賞演出(オーバー入賞演出)の機能が備えられている。この超過入賞演出は、保留記憶数が上限値に達している状況下に更なる入球があった場合に、例えば演出図柄表示装置60で所定の演出を行い、始動入賞に係る演出の趣向性を高めるものである。本実施例では、超過入賞演出の対象となる始動入賞があった場合に、その旨がメイン基板102から超過入賞コマンドとして、サブ基板104に通知される。
超過入賞演出の対象となる始動入賞の検出や、超過入賞コマンドの送信は、図5に示す前述の入球判定手段110や始動入賞通知手段333、及び、コマンド送信手段332を用いて行われている。具体的には、入球判定手段110の判定結果に基づき、始動入賞通知手段333により、第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63の何れの入賞であるかを区別する。さらに、第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63に係る入賞が、保留記憶数が上限値に達している状況下での更なる入球により発生したものであるか否かが判定され、上限値に達した状況下のものである場合には、コマンド送信手段332を介して、超過入賞コマンドがサブメイン基板301に送信される。なお、普通図柄に係る超過入賞コマンドを送信するようにしてもよい。
<<サブメイン基板の主要な機能>>
サブメイン基板301においては、前述のように、情報受信手段601と表示制御手段603とが備えられている。このうち、情報受信手段(コマンド受信手段)601は、メイン基板102側からのコマンド等の各種情報を受信するためのものであり、表示制御手段603は、メイン基板102側からの各種情報に基づき、サブサブ基板302に演出図柄表示装置60上で演出表示を行わせるための表示制御制を行うものである。以下に、情報受信手段601及び表示制御手段603について更に説明する。
先ず、情報受信手段601は、図6中に示すように、メイン基板102側からの各種情報を一時記憶するためのメイン側情報一時記憶手段602を有している。そして、メイン側情報一時記憶手段602に一時記憶された情報は、以下で説明する各処理において、必要に応じ適宜参照される。
次に、表示制御手段603は、装飾図柄表示制御手段604と、装図保留情報(保留記憶情報)表示制御手段609と、演出表示関連情報一時記憶手段612と、ルーレット演出表示制御手段613と、演出表示領域サイズ変更制御手段617と、を有している。さらに、表示制御手段603は、超過入賞演出表示制御手段619を有している。なお、装飾図柄については「装図」と略す場合がある。
これらのうち、装飾図柄表示制御手段604は、演出図柄表示装置60の表示領域194での装飾図柄190a〜190cの変動表示や停止表示に関する制御を行うものである。さらに、装飾図柄表示制御手段604は、メイン側情報一時記憶手段602内に一時記憶されたメイン基板102側からの図柄情報に基づき、装飾図柄190a〜190cの停止図柄と変動態様を決定するための装図表示内容決定手段605と、装飾図柄の変動時間を計時するための装図変動時間管理タイマ608と、を有している。装図表示内容決定手段605は、装飾図柄の変動態様を決定する際に参照するための装図変動内容決定用抽選テーブル606と、装飾図柄の停止図柄を決定する際に参照するための停止図柄決定用抽選テーブル607と、を更に有している。なお、装図表示内容決定手段605に備えられた各種テーブルのうちのうちの一部テーブルの内容については後述する。
また、装飾図柄表示制御手段604は、その時に実行される変動表示(又は実行されている変動表示)に関する抽選結果と、メイン基板102の事前情報通知手段157(図5参照)により予め通知されてバッファ領域に格納した保留抽選結果とにしたがって予告演出に係る制御を行う。具体的には、将来時点において図柄変動が行われる保留抽選結果における大当りの発生有無を示唆するための前兆となる予告演出を表示させる。なお、装飾図柄表示制御手段604は、予告演出を表示させるか否かを決定するための所定の予告抽選を実行し、(例えば予め定められた確率にて)その予告抽選に当選したことを条件として、予告演出を表示させる。このように保留抽選結果中の事前判定結果に応じて設定される予告演出は「先読み演出」と呼ばれる。
さらに、装図保留情報表示制御手段609は、第2の抽選の結果が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。第2の抽選に対応する図柄変動表示は、第1の抽選の結果が保留されているか否かにかかわらず開始される。これにより、第1の抽選に係る抽選値及び第2の抽選に係る抽選値の双方が保留されていた場合は、第2の抽選に係る抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。その場合、第2の抽選に係る保留数が0になるまでは、保留された第1の抽選に係る抽選値は読み出されず、その装飾図柄の変動も開始されない。
装飾図柄190a〜190cの停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、メイン基板102の第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否判定結果が16R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「555」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄190a〜190cとして揃える数字には、第1特別図柄192や第2特別図柄193(図7(a)参照)と同じ数字に係る装飾図柄を選択することが可能である。たとえば、第1特別図柄192または第2特別図柄193が「7」の場合は装飾図柄190a〜190cが「777」となる。あるいは、3つの図柄の少なくとも一つに当りであることを示す特定の図柄が含まれる図柄の組み合わせによっても、その大当りを示すようにしてもよい。
当否判定結果が4R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せが選択されるが、例えば「333」のような所謂ぞろ目の組合せが表示される場合や、「757」のようなリーチはずれの表示が行われる場合や、「357」のような全て異なる図柄の組合せが表示される場合もある。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、リーチはずれの組合せや、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが表示される。なお、大当りでも小当りでもない場合には、4R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せを選択するようにしてもよい。
装飾図柄の変動演出パターンデータには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの変動過程と演出過程が定義される。変動演出パターンには、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経てから当り態様またははずれ態様である停止図柄組合せを表示するリーチパターンと、リーチ状態を経ずにはずれ態様である停止図柄組合せを表示するリーチなしパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、前述のように、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
サブメイン基板301における上述のノーマルリーチ、スーパーリーチは、前述のメイン基板102における「ノーマル1」、「ノーマル2」、「スーパー1」、「スーパー2」といった変動パターンに対応したものである。また、サブメイン基板301における上述のリーチなしパターンは、同じくメイン基板102における「リーチなし」の変動パターンに対応したものである。そして、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、メイン基板102の各変動パターンに対応して、サブメイン基板301の変動パターンが多数設けられており、メイン基板102で選択された変動パターンがサブメイン基板301にコマンドとして通知されると、サブメイン基板301では、指定された変動パターンに対して選択可能な複数の変動パターンのうちから、何れかの変動パターンが選択される。なお、メイン基板102における変動パターンが更に細分化されている場合には、サブメイン基板301における変動パターンも、メイン基板102における細分化に対応してより多数設けられる。また、サブメイン基板301における各種変動パターンは、前述の各種の予告演出パターンとの組合せで用いられることもある。
次に、装図保留情報表示制御手段609は、演出図柄表示装置60の第1保留数表示部196や第2保留数表示部197での保留情報の表示処理に関する制御を行うものである。そして、装図保留情報表示制御手段609は、現在の保留球数及び保留情報を一時記憶するための装図保留情報一時記憶手段610と、保留情報を事前判定して保留表示ランプの表示態様を変化させる保留表示変更制御手段611と、を有している。
装図保留情報表示制御手段609は、前述の各種始動入賞情報に設定された第1始動入賞口62に係る保留数(以下、「第1の保留数」とも呼ぶ。)と第2始動入賞口63に係る保留数(以下、「第2の保留数」とも呼ぶ。)、および、図柄変動の実行状況(すなわち保留の消化状況)に応じて、現在時点での第1の保留数および第2の保留数を特定し、この保留数を、演出図柄表示装置60の第1保留数表示部196および第2保留数表示部197に表示させる。そして、保留数が新たに特定されると、第1保留数表示部196および第2保留数表示部197の表示は逐次更新される。
次に、演出表示関連情報一時記憶手段612は、サブ基板(サブメイン基板301及びサブサブ基板302)側で実行される処理に関する情報(フラグも含む)を一時記憶するためのものである。
次に、ルーレット演出表示制御手段613は、主に補助遊技側の遊技結果を報知するための後述するルーレット演出に係る表示制御を司るものである。ルーレット演出表示制御手段613は、後述するルーレット演出の表示内容を決定するためのルーレット演出内容決定手段614と、ルーレット演出の実行開始及び実行終了を監視するために参照されるルーレット演出実行監視タイマ616と、を有している。ここで、ルーレット演出内容決定手段614は、ルーレット演出の演出態様と実行開始タイミングを決定するために参照されるルーレット演出内容決定用抽選テーブル615を、更に有している。
本実施例においてルーレット演出表示制御手段613は、前述の普通装飾図柄表示領域199における普通装飾図柄の表示制御をも実行するものとなっている。つまり、ルーレット演出表示制御手段613は、メイン基板102から送信された普図抽選の結果に基づき、選択された変動演出パターンデータにしたがって普通装飾図柄を変動表示させた後に停止表示させる。
次に、演出表示領域サイズ変更制御手段617は、複数の演出表示領域にて実行される演出結果を遊技者が認識容易となるよう演出表示領域の表示領域サイズを変更するものである。演出表示領域サイズ変更制御手段617は、演出表示領域の表示領域サイズを変更した際、特定の状況下において保留表示ランプが非表示とされた場合において、当該非表示とされた保留表示ランプを再度表示させ得るための保留表示領域復活表示制御手段618を有している。
次に、超過入賞演出表示制御手段619は、前述の超過入賞演出に係る表示制御を行うものである。超過入賞演出表示制御手段619は、第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63に係る保留の上限値に達している状況下で、更に第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63への入球があった場合に、メイン基板102からの超過入賞コマンドに基づき、所定の超過入賞演出(オーバー入賞演出)を実行する。なお、超過入賞演出の具体的な内容については後述する。
<<先読み演出の各種パターン>>
前述の先読み演出が実行される場合は、それ以前に出現している通常の演出パターンとは異なる演出パターン(視覚的なものや聴覚的なもの等を含む)が実行されるが、このような先読み演出に係る演出パターンの具体的態様や実行開始タイミングは一様ではなく、変化に富んでいる。
例えば、先読み演出の一例として、図7(b1),(b2)中に示す第1保留数表示部196や第2保留数表示部197での保留表示を用いるもの挙げることができる。さらに、保留表示において行われる通常と異なる演出パターン(以下では「保留変化」と称する)としては、保留球表示の色彩、形状、或いは模様等を変化させるものや、フラッシュを繰返すように保留表示を点滅させるもの、又はこれらの組合せによるものなどを挙げることができる。そして、これらのうち保留球表示の形態を変化させるものとしては、保留球表示の色彩を、例えば通常は緑色であるのに対し、所定のタイミングで赤色や金色に変化させるもの等を例示できる。さらに、保留球表示の形状を変化させるものとしては、通常の真円形状から演出のストーリーに関係する各種アイテムや人物の形態(いずれも動画を含む)に変化させるものや、保留変化前の形態に対して相似形を保ったまま拡大させるものなどを例示することができる。また、保留球表示の模様を変化させるものとしては、通常の模様なしの単色柄の表示から動物体表模様に変化させるものなどを例示することができる。さらに、保留表示を点滅させるものとしては、点滅の周期を異ならせるものなどを例示することができる。
さらに、このような保留変化のタイミングも多様であり、例示すれば、保留変化の対象となる始動入賞(遊技球の検出。以下では「対象入賞」と称する場合がある。)を基準としたものや、他の始動入賞(同様に以下では「他入賞」と称する場合がある)を基準としたものを挙げることができる。さらに、他入賞を基準とする保留変化のタイミングには、対象入賞よりも先に発生した始動入賞(以下では「先行入賞」と称する場合がある)に係る変動表示(以下では「先行変動」と称する場合がある)の状態を基準とするものや、対象入賞よりも後に発生した始動入賞(以下では「後行入賞」と称する場合がある)を基準としたものなどがある。
これらのうち、対象入賞を基準とする保留変化としては、サブ基板104に備えられた機能的手段である表示制御手段が、対象入賞に係る事前判定結果に基づき、対象入賞に対応した保留表示の開始当初から保留変化を実行する態様がある。また、対象入賞に対応した保留表示を当初は通常の保留表示パターンで開始し、所定時間が経過すると保留変化させるものなども考えられる。
また、先行入賞や先行変動の状態を基準とした保留変化としては、以下のようなものを挙げることができる。例えば、対象入賞に係る保留表示は通常の表示パターンで開始され、この後、対象入賞が発生した際に実行されていた変動表示が終了する。そして、それまで保留されていた先行入賞に係る始動入賞情報のうち、最も早く保留記憶されたもの(1個目の保留記憶であったもの)に係る変動表示が開始される。そして、対象入賞に係る保留表示が一つ下位の保留表示(例えば、4個目から3個目の保留表示に移行されたもの)にシフトされた際に、通常の保留表示パターンから特殊な表示パターンに変化する。
また、この先行入賞や先行変動の状態を基準とした保留変化として、先行変動を利用し、複数の変動表示(複数の始動入賞情報)に跨り、連続して実行されるものを挙げることができる。そして、この連続した保留変化の演出パターンとしては、以下のようなものを例示できる。例えば、図7(b1),(b2)中の第1保留数表示部196における第4番目の位置(4個目の位置(左端の位置))で対象入賞に係る保留表示が行われる際に、他の位置(例えば第1〜第3の位置)にある通常の保留表示の色彩(例えば緑色)とは異なる色彩(例えば赤色)で表示する。そして、保留の消化が進み、対象入賞に係る保留表示の位置が第3番目の位置、第2番目の位置、第1番目の位置へと右側(第2保留数表示部197の場合は左側)へシフトする度に、保留表示の色彩が、オレンジ色、金色、虹色と順次変化する。
また、前述の後行入賞を基準とした保留変化として、以下のようなものを例示できる。例えば、始動入賞が検出される度に、前述の演出決定手段が、対象入賞に係る保留変化を行うか否かの抽選(保留変化実行抽選)を行い、抽選結果が保留変化を行う旨のものであった場合に、対象入賞に係る保留表示がどの位置に表示されるかに関係なく、その際に行われる対象入賞の保留表示を保留変化させる。また、これに限らず、保留変化実行抽選の結果が保留変化を行う旨のものであった場合に、対象入賞に係る保留表示が所定の位置(例えば第2番目の位置)にシフトされた際に、それまでとは異なる態様に保留変化させることも考えられる。なお、保留変化実行抽選を、毎回の始動入賞について行うことに限らず、例えば所定の条件が成立した場合(例えば、特定の演出モード中や、所定の演出が実行されている間、など)に限って行うようにしてもよい。
なお、本実施例では、先読み演出に係る演出パターンとして保留表示を例に挙げているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、演出パターンの停止のための制御にも適用可能である。そして、演出パターンの停止のための制御の態様としては、例えば、複数回の変動表示に亘り連続性のある演出(以下では「連続予告」と称する。擬似的なものを含む。)が実行された場合に、当該連続予告を終了するか否かの抽選を、先読みした遊技状態の抽選結果に基づいて決定することが挙げられる。
以上例示したような先読み演出に関して、特別図柄の図柄群の種別を伝える構成を採用することが可能である。すなわち、前述の第1特別図柄192(或いは第2特別図柄193)として、例えば各々256種類等の多数の図柄を設定し、第1特別図柄表示装置70(或いは第2特別図柄表示装置71)を構成するLEDの点灯パターンの違いによって多数の図柄を区別できるようにする。そして、これらの多数の図柄を、当否抽選の結果に紐付けた態様で、例えば16種類に分類し、各々が複数の図柄群からなる複数のグループを形成する。さらに、各図柄群に対して、サブメイン基板301で識別可能な符号を割当て、メイン基板102からサブメイン基板301へ、乱数抽選により取得された数値が属する図柄群の符号を、演出パターンを指定するコマンドに含めて送信する。そして、サブメイン基板301は、メイン基板102からのコマンドに基づき、何れの図柄群に係るコマンドであるかを判定し、判定結果に基づき、当否抽選の結果に関連付けて先読み演出を実行する。
ここで、図柄群としては、例えば、小当りのパターン(装飾図柄190a〜190cの停止組合せ態様、大入賞口の開放パターン、など)の違い、或いは、時短の有無、時短のパターン(大当り後50回、100回、次回の大当りまで、など)の違い毎に割当てられたものを考えることができる。
なお、先読み演出に係るコマンドは、当否、当り図柄、変動パターン、保留球数の4つの情報を1セットとして含むよう、構成することが可能である。さらに、当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数は、前述のようにグループ分けされているので、グループを示す情報をコマンドに含めて通信を行うことが可能である。なお、「グループ分け」の用語を「ブロック分け」、「群分け」等の用語に置き換えても、技術上の意義が同様のものとすることができる。
また、状況に応じて先読みコマンドの送信条件を変更設定し、送信条件が設定された状況においては、送信条件に応じたコマンド送信を行うという構成も採用が可能である。例えば、大当り中(特別遊技中)は、第2の遊技に係る第2特別図柄193のみを有効とし、第2特別図柄193に係るコマンドのみを送信することが考えられる。また、第1の遊技及び第2の遊技の何れに係る抽選であるのかといった点や、通常の遊技状態であるのか又は確変(或いは時短や電チューサポート)などがある特定遊技状態であるのかといった点、などに応じ、使用するテーブル類(例えば、当否判定テーブル、図柄判定テーブル、変動パターンテーブル、など)を切換えることも可能である。
なお、保留表示については、上述のような先読み演出を行う遊技状態に限らず、他の種々の遊技状態に応じた態様で行うことが可能である。例えば、大当り抽選の確率が通常確率の場合と高確率の場合で互いの保留表示の態様を異ならせること、普通電動役物の開放延長を行っている場合(開放延長機能作動中の場合)と開放延長を行っていない場合(開放延長機能未作動の場合)で互いの保留表示の態様を異ならせること、などが可能である。保留表示の具体的な態様としては、第1保留数表示部196(または第2保留数表示部197)の形状を、真円から特定のキャラクタやアイテムの形状に変える、といったことを挙げることができる。なお、遊技状態に応じ異ならせた保留表示態様での演出の開始や終了のタイミングを、対応する遊技状態が発生したタイミングに対し遅延させたり、早めたりすることも可能である。
<メイン基板からサブメイン基板へ送信される各種コマンド>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される各種コマンドについて説明する。先ず、コマンドの送信タイミングとしては、初期画面表示中、客待ちデモ(待機デモ)中、特別図柄の図柄変動開始時、特別図柄の図柄確定時、特別図柄の図柄確定中、大当り開始デモ時、小当り開始デモ時、大当り中大入賞口開放時、大当り中大入賞口閉鎖時、当り終了デモ時、大当り終了デモ終了時などがある。このうち初期画面表示中は、ぱちんこ遊技機10の電源投入後、客待ちデモが開始されて定常状態に入るまでの期間である。また、始動入賞時、電断復帰時、及び、エラー検出時は、何れの場合であってもコマンド送信が行われる。さらに、RAMクリア時にもコマンド送信が実行される。
これらのうち、RAMクリア時のコマンドとしては、演出表示器初期化、演出LED初期化、各種エラーのコマンドがある。演出表示器初期化コマンドは、演出図柄表示装置60に所定のはずれ図柄を表示するためのものである。演出LED初期化コマンドは、通信が正常である場合に遊技効果ランプ90の一部を点灯させるものである。各種エラーコマンドは、エラーの状態に合わせた演出表示等を行うためのものである。
客待ちデモのコマンドとしては、客待ちデモコマンドがある。この客待ちデモコマンドは、演出図柄表示装置60や遊技効果ランプ90を客待ちデモ用に設定し、音声を消去するためのものである。
特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとしては、図柄1記憶数、図柄2記憶数、通信検査1、通信検査2、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、変動付加情報、図柄1演出パターン、図柄2演出パターン、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出のコマンドがある。図柄1記憶数コマンドは、第1特別図柄192の保留記憶数を示すものであり、図柄2記憶数コマンドは、第2特別図柄193の保留記憶数を示すものである。通信検査1コマンド及び通信検査2コマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。演出回数A〜Zの各種コマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2の各種コマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。変動付加情報コマンドは、変動時間を加減するための情報を示すものである。図柄1演出パターンコマンドは、第1特別図柄192の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2演出パターンコマンドは、第2特別図柄193の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものである。図柄1キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄192の図柄に対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第2特別図柄193の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
特別図柄の図柄確定時のコマンドとしては、図柄1演出パターン停止、図柄2演出パターン停止のコマンドがある。図柄1演出パターン停止コマンド、及び、図柄2演出パターン停止コマンドは、それぞれ、第1特別図柄192や第2特別図柄193に基づく装飾図柄190a〜190cを停止させるためのものである。
特別図柄の図柄確定中のコマンドとしては、変動時間短縮回数0(低確率時)、変動時間短縮回数A〜Z(低確率時)、変動時間短縮回数0(高確率時)、確率変動中(時短次回大当りまで)のコマンドがある。これらは、その時の遊技状態に関するコマンドを送信するためのものであり、演出モード表示や時短回数表示などに使用される。
大当り開始デモ時のコマンドとしては、図柄1大当り開始デモ、図柄2大当り開始デモ、発射位置指定のコマンドがある。図柄1大当り開始デモコマンド、及び、図柄2大当り開始デモコマンドは、第1特別図柄192や第2特別図柄193の大当り図柄に基づいた開始デモを表示させるためのものである。発射位置指定コマンドは、所謂左打ちや右打ちにより、遊技者に、第1大入賞口91及び第2大入賞口92の間で遊技球の打ち分けを行わせる場合に発射位置を報知するためのものである。
小当り開始デモ時のコマンドとしては、前述の特別図柄の図柄確定中のコマンドに加え、図柄1小当り開始デモ、図柄2小当り開始デモ、発射位置指定のコマンドがある。小当りは確率変動を伴うことがなく遊技状態が変化しないため、特別図柄の図柄確定中コマンドは、低確率時の遊技状態に関するものとなる。図柄1小当り開始デモコマンド、及び、図柄2小当り開始デモコマンドは、第1特別図柄192や第2特別図柄193の小当り図柄に基づいた開始デモ演出を表示させるためのものである。発射位置指定コマンドは、大当り開始デモ時と同様に、所謂左打ちや右打ちにより、遊技者に、第1大入賞口91及び第2大入賞口92の間で遊技球の打ち分けを行わせる場合に発射位置を報知するためのものである。
大当り中大入賞口開放時のコマンドとしては、図柄1大当り中デモ1〜16、図柄2大当り中デモ1〜16のコマンドがある。これらは、第1特別図柄192や第2特別図柄193の大当り図柄及びラウンド数に基づいた演出を表示させるためのものである。
大当り中大入賞口閉鎖時のコマンドとしては、大入賞口閉鎖演出コマンドがある。これは、大入賞口閉鎖演出を表示させるためのものである。
当り終了デモ時のコマンドとしては、図柄1当り終了デモ、図柄2当り終了デモのコマンドがある。これらは、第1特別図柄192や第2特別図柄193の当り図柄に基づいた当り終了デモ演出を表示させるためのものである。
大当り終了デモ終了時のコマンドとしては、発射位置指定コマンドがある。これは、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、及び、第2大入賞口92の位置関係などの理由によって、発射位置の打ち分けが必要な場合に、発射位置を報知するためのものである。
始動入賞時のコマンドとしては、当り予告、図柄予告、変動予告、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドは、事前情報通知手段157による先読みコマンドである。そして、当り予告コマンドは、当否乱数の乱数値範囲を送信するためものであり、図柄予告コマンドは、図柄乱数の乱数値範囲を送信するためのものである。さらに、変動予告コマンドは、変動パターンの乱数範囲を送信するためのものである。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄192や第2特別図柄193の保留記憶数を伝えるためのものである。また、前述の超過入賞コマンドの送信タイミングも、この始動入賞時である。
電断復帰時のコマンドとしては、通信検査1、通信検査2、電断復帰用遊技状態A〜E、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出、電断復帰当り状態、電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態、発射位置指定、エラーa〜d、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。
通信検査1、通信検査2のコマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。電断復帰用遊技状態A〜Eのコマンドは、電断時の遊技状態に応じて異なるコマンドを送信するためのものである。演出回数A〜Zのコマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2のコマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄192や第2特別図柄193の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
電断復帰当り状態コマンドは、大当り及び小当りの当り中か否かに応じて異なるコマンドを送信するためのものである。電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態のコマンドは、第1特別図柄192や第2特別図柄193の、待機中・変動中・当たり中などの状態に応じたコマンドを送信するためのものである。発射位置指定コマンドは、前述のように、状況に応じた適切な発射位置を指定するためのものである。エラーa〜dは、エラーの有無及び種類を送信するためのものである。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄192や第2特別図柄193の保留記憶数を伝えるためのものである。
<メイン基板における主要な制御処理>
次に、上述の構成のぱちんこ遊技機10のメイン基板102における主要な制御処理について、図12〜図16に基づいて説明する。なお、説明に先立ち、以下で用いる「特別電動役物」、「条件装置」、「役物連続作動装置」の用語について説明する。これらは何れもぱちんこ遊技機10の制御処理における概念上の機器を表しており、これらのうち「特別電動役物」は、第1大入賞口91、第2大入賞口92を作動させることとなるものである。また、「条件装置」は、第1大入賞口91や第2大入賞口92に進入した遊技球が検出された場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」は、特別電動役物を連続して複数回作動させることができるものである。
また、ここで説明するぱちんこ遊技機10の主要な制御処理は、図12及び図13に示す制御開始処理と電源断処理、図14に示す遊技進行割込み処理、及び電源断確認情報設定の処理であり、これらはメイン基板102において実行される。さらには、メイン基板102における制御処理と関係する払出制御基板45の制御処理についても説明する。
<<制御開始処理>>
図12及び図13に示す制御開始処理においては、ぱちんこ遊技機10の電源投入によりCPU501の製造コードを利用したセキュリティチェックが行われた後に開始される制御処理であり、この制御開始処理においては、後述する電源投入時に必要な設定(S1〜S4)を実行後、初期化スイッチ544の操作状態(S5)、電断時状況確認処理(S6〜S8)における電源断情報フラグの値、及びRWM領域の加算結果(チェックサムデータ)に対応して、電源断復帰時の処理(S9〜S17)、RWMの初期化時の処理(S24〜S26)、遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)、循環処理(S33(S28〜S32))、電源断確認情報設定時の処理(S301〜S307)等を実行する。
<<<電源投入時に必要な設定>>>
電源投入時に必要な設定として、スタックポインタの設定(S1)、割込みモードの設定(S2)、及びRWM503へのアクセス許可の設定(S3)が行われ、続いて内蔵レジスタの初期設定が行われる(S4)。
これらのうちスタックポインタの設定(S1)の処理においては、スタック領域を確保するため、スタックポインタにスタックポインタの初期値としてセットし、スタックポインタが特定の番地にセットされる。次に、割込みモードの設定(S2)においては、所定番号のモードを設定し、RWMのアクセス許可設定(S3)においては、RWMへのアクセスを許可するため、所定のレジスタにアクセス許可データをセットする。これにより、マスカブル割込みが特定の割込みモードに設定され、CPU内蔵RWMがアクセス許可にされる。さらに、内蔵レジスタの設定(S4)においては、内蔵レジスタ初期設定テーブルを用いて、遊技進行割込み使用設定値やクロック源選択値等といった対応する各種の設定値がセットされる。なお、メイン基板102における割込みについては後述する。
<<<RWMクリアスイッチの操作状態の確認>>>
初期化スイッチ544の操作状態の確認の処理(S5)においては、入力ポートを介して入力される初期化スイッチ544の出力信号の状態が確認される。RWMクリアスイッチが押されたか(オンされたか)否かが判定され、押されていなければ(S5:NO)、後述する電断時状況判定処理(S6〜S8)中の電源断情報フラグの値の判定処理(S6)へ進む。一方、初期化スイッチ544が押されていれば(S5:YES)、RWMの初期化時の処理(S24〜S26)の処理が行われる。
ここで、初期化スイッチ544は、対応する入力ポートのRWMクリアスイッチビットが5回連続でオンと判定された場合に操作されたと判断される。また、初期化スイッチ544が押されたか否かの情報の判定はこのとき1回だけ行われ、以降は判定が行われない。
また、この初期化スイッチ544の状態確認の処理(S5)においては、RWM先頭アドレス(番地)が相対アドレスの基準値としてセットされ、入力確認回数(ここでは5回)のセット、対応する入力ポート値の入力、当該入力ポートの値のうちのRWMクリアスイッチビットの検査、検査結果の確認、セットされた入力確認回数に亘り繰り返される入力確認、等の制御処理を実行する。
<<<電断時状況確認処理>>>
初期化スイッチ544の操作がなかった場合の電断時状況確認処理(S6〜S8)においては、電源断情報フラグの値が読込まれ、読込まれた値が所定の電源断正常データに一致するか否かが判定される(S6)。電源断正常データは、電源がオフする電源断(電断)が生じた際に、電源断の処理が正常に行われた場合に保存されるものである。そして、電源断情報フラグの値が電源断正常データに一致せず、S6における判定結果がNOとなった場合には、初期化スイッチ544の操作があった場合と同様に、制御処理は後述するRWMの初期化時の処理(S24以降)へ移行する。
電源断情報フラグの値が電源断正常データに一致した場合(S6:YES)場合には、チェックサムデータが算出される(S7)。このチェックサムデータの算出の処理においては、図示は省略するが、チェックサムデータとして初期値がセットされ、チェックサムデータに対して所定の演算が行われた後、演算後のチェックサムデータが0と異なるか否かの判定が実行される。
チェックサムデータが0でなかった場合(S8:NO)、即ち再開準備処理実行条件が成立していない場合には、相対アドレスの基準値の上位にRWM先頭上位がセットされ、この場合にもRWMの初期化時の処理(S24以降)へ移行する。一方、チェックサムデータが0であった場合(S8:YES)には、後述する電源断復帰時の処理(S9〜S17)へ移行する。
<<<電源断復帰時の処理>>>
電源断復帰時の処理においては、スタックポインタにスタックポインタバッファの値がセットされ、スタックポインタが電源断時に保存した値に戻される(S9)。さらに、メイン基板102とサブ基板104との通信線の検査を行うため、演出制御コマンドをサブ基板104へ送信する要求がされ(S10,S11)、装飾ランプ(遊技効果ランプ)及び効果音(音響演出)の演出を電源断発生前の状態に戻すため、演出制御コマンドをサブ基板104へ送信する要求がされる(S10,S11)。また、特別図柄表示装置(70,71)の作動保留球数に対応したコマンドの要求を行うため、図柄記憶数コマンド要求処理が実行される(S12)。
さらに、ソレノイドが電源断発生前の出力状態に戻される(S13)。具体的には、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させるため、普通電動役物ソレノイド76、大入賞口ソレノイド80,81についてのソレノイド作動ビットが順に検査される。普通電動役物ソレノイド制御のソレノイド作動ビットがオンの場合、電源断前に第2始動入賞口63が開放中と判断し、第2始動入賞口63を開放させるため、ソレノイド作動設定値を普通電動役物ソレノイド制御に格納する。続いて、第1大入賞ソレノイド制御のソレノイド作動ビットがオンの場合、電源断前に第1大入賞口91が開放中と判断し、第1大入賞口91を開放させるため、ソレノイド作動設定値を普通電動役物ソレノイド制御に格納する。また、第2大入賞ソレノイド制御のソレノイド作動ビットがオンの場合、電源断前に第2大入賞口92が開放中と判断し、第1大入賞口91を開放させるため、ソレノイド作動設定値を普通電動役物ソレノイド制御に格納する。
この後、以降の特別図柄の設定の処理(S14)へ進み、特別図柄表示装置(70,71)の確率変動機能の作動状態の情報が設定される。この処理においては、特別図柄モードフラグの値がロードされ(言換えれば、特別図柄モードフラグの値が組み込まれ)、所定のレジスタにストアされる。次に、電源復帰の設定(S15)、及びデータ格納処理(S16)が実行される、さらに、払出制御基板との通信線異常の検出設定(S17)が実行され、ここでは、エラーフラグのアドレスがセットされ、エラー1フラグの内容の通信線異常ビットがセットされる。そして、制御処理は、後述する遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)へ進む。
<<<RWMの初期化時の処理>>>
RWMの初期化時の処理(S24〜S28)においては、RWM領域をクリアした後(S24)、RWMの初期設定(S25)、演出表示器(演出図柄表示装置60)の初期化(S26)、及び遊技進行割込み用の計時設定(S27)を行う。このうちRWM領域のクリア(S24)からRWMの初期設定(S25)の処理においては、RWM全領域にクリアデータ(00H)がセットされ、クリアデータが相対アドレスの基準値としてストアされ、この基準値が+1される。さらに、この基準値のビット7が検査され、検査結果の判定が実行される。検査結果の判定の処理において、検査結果が0であれば、前述のクリアデータを上記基準値にストアする処理に戻り、検査結果が0であれば、初期化データ設定テーブルのアドレスがセットされる。これにより、RWMの初期値が設定される。なお、RWM領域のクリアは、全領域に対して行うものに限定されず、例えば特定の情報が記憶された一部の領域のみや、未使用の領域を除いた領域のみをクリアするようにしてもよい。
演出表示器の初期化(S26)においては、演出図柄表示装置60の初期化、エラー状態及び不正賞球監視情報のコマンド送信要求を行うため、演出初期コマンド設定テーブルのアドレスを引数としてコマンド要求データ設定処理を実行する。
<<<遊技進行割込み用の計時設定の処理>>>
遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)においては、遊技進行割込みを起動させるため、対応するカウンタ設定レジスタに所定の大きさのカウント値をセットし、遊技進行割込みを例えば4ms毎に発生させる。
<<<循環処理>>>
遊技進行割込み用の計時設定(S27)の後には、割込み処理時間監視手段である所定のタイマの再帰(リスタート)準備や、各種乱数の初期値の生成に用いられる乱数関係値の更新を行う循環処理(S33(S28〜S32))が実行される。この循環処理(S33)においては、遊技機の管理を行うため、先ず、割込みを禁止する(S28)。さらに、割込み処理時間監視手段を再帰させる準備のため、割込み処理時間監視手段クリアレジスタに第1再帰情報となる所定の値をセットする(S29)。この第1再帰情報は、予め定められた例えば55H等の値である。また、電源断確認情報が設定されているか否かが判定され(S30)、設定されている場合には(S30:YES)、後述する電源断処理(S34〜S41)に移行する。
前述の電源断確認情報が設定されているか否かの判定(S30)において、設定されていないと判定された場合には(S30:No)、初期値乱数更新処理を実行し(S31)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。この後、割込みを許可した後(S32)、再度割込み禁止(S28)の処理に戻り、それ以降の処理(S28〜S32)を順次繰り返して制御処理を循環させる。
割込み許可(S28)が実行される毎に前述の遊技進行割込みが可能となり、遊技進行割込み処理は、S27で設定された周期情報に基づいて、所定の周期(ここでは4ms周期)毎に繰返される。
<<<電源断処理>>>
電源断確認情報が設定されているか否かの判定(S30)において、設定されていると判定された場合には(S30:YES)、CPU501が強制再帰手段として機能し、第22再帰情報の設定が行われ(S301)、割込み処理時間監視手段の監視用計時が強制的に初期化され、計時が再帰させられる。この強制的な第2再帰情報の設定(S301)により、電力供給が再開された場合には、監視用計時が再帰した状態で、制御処理が開始される。つまり、電源断発生時に監視用計時を強制的に再帰させておくことにより、電力供給を再開した直後の制御処理において、監視用計時が再帰しないまま、制御処理が進行することを防止できるようになっている。
続いて、電源投入時の情報フラグ(電源断情報フラグ)のアドレスがセットされ、当該電源断情報フラグの値が読み出されて、電源投入時の情報が正常に保存されているか否かが判定される(S302)。そして、電源投入時の情報が正常に保存されていた場合には(S302:YES)、電源断正常データ(ここでは55H)が設定され(S304)、電源断となる際のRWMのチェックサムが算出されて(S305)、チェックサムデータが作成される。そして、アクセス禁止の設定を行い(S306)、電源断時ループ処理(S307)により、供給電圧が所定値以下となって電源断となるのを待つ。
前述の電源投入時の情報が正常に保存されているか否かの判定(S302)において、判定結果が正常に保存されていない(S302:NO)となった場合には、電源断異常データが設定(S303)された後、前述のアクセス禁止の処理(S306)に移行する。
<<<初期値乱数更新処理>>>
前述の初期値乱数更新処理(S31)においては、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新テーブルから乱数の更新回数取得し、更新回数分、初期値乱数の更新を行う。乱数の更新回数の取得においては、初期値乱数更新テーブル(図15(a)参照)の左列1行目の欄のデータアドレス(0D10H)の示す内容(乱数個数)を乱数の更新回数とする。なお、ここでは、乱数個数は、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数の3つになる。さらに、更新回数分の初期値乱数の更新の処理においては、更新回数分、初期値乱数更新テーブルの普通図柄当り初期値乱数のアドレス(下位)のデータアドレス(0D13H)を引数として2バイトソフト乱数更新処理(後述する)を実行する。なお、更新回数が2回以上の場合、前回実行した2バイトソフト乱数更新処理で取得した相対アドレスの基準値を引数とする。そして、2バイトソフト乱数更新処理で得られた乱数値を用い、初期値乱数更新処理(S31)における乱数関係値が生成される。
具体的には、相対アドレスの基準値として初期値乱数更新テーブルのアドレスがセットされ、乱数個数として上記基準値の内容がロードされる(言換えれば、上記基準値の内容が組み込まれる)。次に、上記基準値が+1され、乱数個数の退避が行われた後、2バイトソフト乱数更新処理が実行される。さらに、乱数個数の復帰が行われ、乱数個数を−1した結果が0でなければ前述の乱数個数の退避の処理に戻り、0であれば初期値乱数更新処理(S31)を抜ける。
また、初期値乱数更新処理(S31)においては、乱数関係値に異常があった場合に、その乱数関係値の補正が行われる。この乱数関係値の補正の処理においては、2バイトソフト乱数更新処理において得られた乱数値を基にして乱数関係値が生成され、この乱数関係値から所定値を減算する。減算した結果が0であれば、乱数関係値が正常であると判定して乱数関係値をストアするが、0未満の場合、乱数関係値が正常であると判定し、乱数関係値の最大値+1を補正値としてセットし、この補正値を乱数関係値に加算してから、得られた乱数関係値のストアを実行する。これにより、乱数関係値の異常が検出されるとともに、異常であった乱数関係値が補正される。
<<<2バイトソフト乱数更新処理>>>
前述の2バイトソフト乱数更新処理においては、入力された相対アドレスの基準値から乱数の最大値、乱数の格納アドレスを取得し、乱数の更新を行う。乱数の最大値の取得においては、上記基準値+0の示す内容を乱数最大値下位、上記基準値+1の示す内容を乱数最大値上位とする。乱数の格納アドレスの取得においては、上記基準値+2の示す内容を乱数格納アドレス下位とし、RWM先頭上位アドレスを乱数格納アドレス上位とする。乱数の更新においては、乱数を+1し、乱数最大値を超える場合には0にするため、取得した乱数格納アドレスの示す内容から2バイトの乱数を取得し、取得した乱数を+1する。加算した結果、取得した乱数最大値を超えた場合、0をセットする。なお、更新した乱数は、取得した乱数格納アドレスに格納した後、出力する乱数データにセットする。また、上記基準値+3を出力する上記基準値にセットする。
<<遊技進行割込み処理>>
次に、遊技進行割込み用の計時設定(S27)の処理において設定された周期情報に基づき4ms周期で繰返される遊技進行割込み処理について説明する。図14に示すように、遊技進行割込み処理においては、割込み動作条件の設定(S41,S42)、割込み処理時間監視手段の再帰(S43)、遊技機の管理(S45〜S68)、割込みの許可(S69)を順に行い、遊技進行割込みが発生する前の処理に復帰させる。
具体的には、割込み動作条件の設定の処理(S41,S42)においては、割込みフラグをクリアするため、割込み動作条件設定値が、遊技進行割込み制御レジスタに格納され(S41)、割込み動作条件設定値が、所定の入力端子に対応した制御レジスタにセットされる(S42)。この後、第2再帰情報がセットされ(S43)、更に第2再帰情報が割込み処理時間監視手段レジスタにセットされる(S44)。第2再帰情報は、後述するように、先にセットされた第1再帰情報とともに、割込み処理時間監視手段の監視用計時を再帰させてリスタートさせるための条件となるものである。
遊技機の管理(S45〜S68)においては、遊技機の管理を行うため、以下の処理を順に実行する。先ず、特定の信号の入力を監視するため、入力処理(S45)を実行する。ここで監視の対象となっているのは、遊技盤面に取り付けられている各種スイッチ、受け皿満タンスイッチ、開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、ガラス未検出信号、及び断線短絡電源異常検知信号である。
続いて、各種乱数更新処理(S46)を実行し、普通図柄変動パターン乱数、及び変動パターン乱数を更新する。さらに、初期値更新型乱数更新処理(S47)を実行し、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。次に、初期値乱数更新処理(S48)を実行し、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。また、2バイトタイマの更新を行うため、タイマ減算処理(S49)を実行し、第2始動入賞口63の有効期間を設定するため、第2始動口の有効期間設定処理(S50)を実行する。
さらに、入賞監視処理(S51)が実行され、賞球を払い出す回数の記憶、盤用外部情報の出力要求の作成、及びサブ基板104に送信するコマンドの送信要求が行われる。続いて、払出制御基板45を制御するため、賞球制御処理(S52)を実行する。
次に、遊技球が普通図柄作動ゲート(作動口68a,68b)を通過したとき、普通図柄に係る乱数を記憶するため、普通図柄作動ゲート監視処理(S53)を実行し、普通図柄表示装置又は普通図柄電動役物に係る処理を行うため、普通図柄制御処理(S54)を実行する。さらに、普通図柄の変動開始の監視を行うため、普通図柄変動開始監視処理(S55)を実行する。また、遊技球の第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63の入賞の監視を行うため、始動口監視制御処理(S56)を実行し、第1特別図柄表示装置70又は第2特別図柄表示装置71に係る処理を行うため、特別図柄制御処理(S57)を実行する。続いて、特別電動役物に係る処理を行うため、特別電装役物制御処理(S58)を実行し、第1大入賞口91又は第2大入賞口92の有効期間に係る処理を行うため、大入賞口有効期間設定処理(S59)を実行し、第1特別図柄192及び第2特別図柄193の変動開始の監視を行うため、特別図柄変動開始監視制御処理(S60)を実行する。
次に、磁気の監視、断線・短絡・電源の監視、電波の監視、ガラス枠セット・遊技盤の枠の開閉状態の監視、及びペアガラスの監視を行うため、異常検知処理(S61)を実行し、入球通過時間異常の検出を行うため、入球通過時間異常検出処理(S62)を実行する。さらに、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄表示装置の作動保留球数、及び特別図柄表示装置の作動保留球数の表示要求を行うため、遊技状態表示処理(S63)を実行し、発射ハンドル17のタッチ状態(操作量の状態を含む)の監視を行うため、ハンドル状態信号検査処理(S64)を実行する。また、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄表示装置(70,71)の作動保留球数の表示、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、及びエラーの表示を行うため、LED出力処理(S65)を実行する。
続いて、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、発射制御信号出力処理(S66)を実行し、試験装置に出力する信号を作成し出力するため、試験信号出力処理(S67)を実行する。さらに、普通電動役物ソレノイド、第1大入賞口開放ソレノイド、及び第2大入賞口開放ソレノイドの出力データの出力を行うため、ソレノイド出力処理(S68)を実行し、演出制御コマンドを送信するため、演出制御コマンド送信処理(S69)を実行し、外部端子(外部中継端子基板49(図2参照)の各種外部出力端子)に信号を出力するため、外部情報出力処理(S70)を実行する。
この後、割込み許可(S71)が実行され、制御処理がリターン(RET)に抜ける。そして、次回の遊技割込みが実行されるまでの残余時間を利用して、制御開始処理の前述の循環処理(S32)が実行される。
<<<入力処理>>>
入力処理(S45)は、スイッチ入力に係る制御モジュールであり、この入力処理(S45)においては、遊技盤面に取り付けられている各スイッチや、断線短絡電源異常検知信号、開放信号、電波検知信号、及び、タッチ状態信号の各種信号の入力を監視するため、入力情報テーブルから検査回数、入力ポートアドレス、レベルマスクデータ、レベルアドレス、立ち上りマスクデータを取得し、スイッチ入力を検査回数分行う。
検査回数、入力ポートアドレス、レベルマスクデータ、レベルアドレス、立ち上りマスクデータの取得においては、入力情報テーブルのアドレス(入力情報テーブル+0)が示す内容を検査回数とし、入力情報テーブル+1から入力ポートアドレス、レベルマスクデータ、レベルアドレス、立ち上りマスクデータを検査回数分取得する。
スイッチ入力においては、取得した入力ポートのレベルデータを作成した後、取得した立ち上がりマスクデータが0以外の場合、立ち上がりデータを作成する。レベルデータの作成においては、取得したレベルマスクデータが示すビットの状態を、取得した入力ポートから所定期間(例えば5μs)以上の間隔を開けて、所定回数(例えば5回)連続で読み込み、5回の読み込みが全て一致したビットを今回のレベルデータとして、取得したレベルアドレスに格納する。レベルデータの上位アドレス(レベル上位アドレス)はRWM先頭上位アドレス(0F0H)としている。また、5回の読み込みで1回も一致しなかったビットとしては、前回のレベルデータを格納する。
立ち上がりデータの作成においては、取得した立ち上がりマスクデータが示すビットの立ち上がりデータを作成するため、今回と前回のレベルデータの排他的論理和を演算し、排他的論理和の結果と今回のレベルデータの論理積を演算する。さらに、作成した立ち上がりデータと、取得した立ち上がりマスクデータの論理積を演算し、この論理積の結果を取得したレベルアドレスのアドレスに+1したアドレスの領域に格納する。
<<<各種乱数更新処理>>>
各種乱数更新処理(S46)においては、普通図柄変動パターン乱数及び変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数の更新においては、普通図柄変動パターン乱数を+1し、最大値(ここでは232)を超える場合は0にするため、普通図柄変動パターン乱数の下位アドレス及び普通図柄変動パターン乱数最大値+1(ここでは223)を引数としてRWM更新処理を実行する。変動パターン乱数の更新においては、変動パターン乱数を更新するため、変動パターン乱数の値から所定値(ここでは3511)を減算する。減算した結果が0未満の場合、減算した結果に変動パターン乱数最大値+1(ここでは50000)を加算する。演算した結果は、変動パターン乱数に格納する。
<<<初期値更新型乱数更新処理>>>
初期値更新型乱数更新処理(S47)においては、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新するため、初期値更新型乱数更新テーブル(図15(b)参照)から更新する乱数の数、乱数の最大値、初期値更新型乱数のアドレス、初期値ワークのアドレスを取得し、初期値更新型乱数の更新を行う。
更新する乱数の数、乱数の最大値、初期値更新型乱数のアドレス、及び初期値ワークのアドレスの取得においては、初期値更新型乱数更新テーブルの左列1行目の欄のデータアドレス(0D30H)の示す内容(乱数個数)を更新する乱数の数とし、初期値更新型乱数更新テーブルの左列2行目の欄以降から乱数の最大値、初期値更新型乱数のアドレス、及び初期値ワークのアドレスを、更新する乱数の数分、順次取得する。
初期値更新型乱数の更新においては、初期値更新型乱数を+1し、最大値を超える場合は0にするため、初期値更新型乱数更新テーブル内の初期値更新型乱数の最大値が記載されているアドレスを引数として、2バイトソフト乱数更新処理を実行する。実行の結果、更新した初期値更新型乱数の値が取得した初期値ワークの内容と一致した場合、初期値更新型乱数の初期値を更新するため、取得した初期値ワークのアドレスから2行下のアドレス(0D37H),3行下のアドレス(0D38H)が示す初期値乱数の内容を新しい初期値とし、取得した初期値更新型乱数のアドレス及び取得した初期値ワークのアドレスに格納する。
<<<初期値乱数更新処理>>>
初期値乱数更新処理については、制御開始処理で実行される初期値乱数更新処理と同じプログラムモジュールが用いられているが、乱数関係値の更新の周期が遊技進行割込みの周期(ここでは4ms)となる点で、制御開始処理中に実行される場合とは異なっている。
<<<タイマ減算処理>>>
タイマ減算処理(S49)においては、2バイトタイマの更新を行うため、2バイトタイマ更新テーブルのアドレス(2バイトタイマ更新テーブルのアドレス+0)の内容をタイマ数とし、次のアドレス(2バイトタイマ更新テーブルのアドレス+1)からタイマ数分、2バイトタイマの下位アドレスの取得を行う。また、取得した2バイトタイマの検査を行い、検査の結果、2バイトタイマの値が0以外の場合、2バイトタイマの更新(2バイトタイマの内容−1)を行う。検査の結果、2バイトタイマの値が0の場合、2バイトタイマの更新は行わない。
<<<始動口2有効期間設定処理>>>
始動口2の有効期間設定処理(S50)においては、第2始動入賞口63の有効期間を設定するため、普通図柄ステイタス(後述する)の値及び始動口2有効延長タイマの値に対応した値を始動口2有効期間フラグ(の記憶領域)に格納する。普通図柄ステイタスの値、及び、始動口2有効延長タイマの値に対応した始動口2有効期間フラグに格納する値の関係は、普通図柄ステイタスの値が普通電動役物作動中を示す3である場合、始動口2有効延長タイマの値は何も設定されず、始動口2有効期間フラグに格納する値として所定の始動口2有効期間データ(1)が用いられる。一方、普通図柄ステイタスの値が普通電動役物作動中以外の値を示す場合、始動口2有効延長タイマの値が0でなければ、始動口2有効期間フラグに格納する値として所定の始動口2有効期間データ(1)が用いられる。また、普通図柄ステイタスの値が普通電動役物作動中以外の値を示す場合、始動口2有効延長タイマの値が0であれば、始動口2有効期間フラグに格納する値として所定の始動口2無効期間データ(0)が用いられる。
<<<入賞監視処理>>>
入賞監視処理(S51)においては、賞球を払出す回数の記憶、外部端子(前述の外部中継端子基板49(図2参照)の各種外部出力端子)へ出力するセキュリティの出力要求の作成、及び、演出制御基板(ここではサブメイン基板301)に送信するコマンドの送信要求を行うため、入賞監視テーブルのアドレス(入賞監視テーブル+0)の示す内容を検査回数とし、検査回数分、遊技球のスイッチ通過検査を行う。スイッチ通過検査の結果、遊技球がスイッチを通過したと判断した場合、賞球回数の記憶、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成、及び、コマンドの送信要求を行う。ここで、入賞監視テーブルの構成は、検査回数、及び、各種遊技球検出装置(遊技球スイッチ)の検査データからなり、検査データの構成は、スイッチビットデータ、EVENTデータ、MODEデータ、賞球判定データ、無効期間有無判定データからなる。
<<<賞球制御処理>>>
賞球制御処理(S52)においては、払出制御基板45を制御するため、払出制御基板45からのデータ受信の監視、払出制御基板45へのコマンド送信要求、払出制御基板45へのコマンド送信及び払出制御基板45からの受信データ検査を順に行う。払出制御基板45からのデータ受信の監視においては、データ受信監視処理を実行する。払出制御基板45へのコマンド送信要求においては、払出コマンド要求処理を実行する。払出制御基板45へのコマンド送信及び払出制御基板45からの受信データ検査においては、払出コマンド制御処理を実行する。
<<<普通図柄作動ゲート監視処理>>>
普通図柄作動ゲート監視処理(S53)においては、遊技球の普通図柄作動ゲート(ここでは作動口68a,68b)通過を監視し、普通図柄作動ゲートを通過していると判断した場合には、普通図柄作動保留球数(普通図柄の保留数)の更新を行う。更新の結果、普通図柄作動保留球数の値が最大数である4未満のときに遊技球の通過を確認した場合、普通図柄に係る乱数の記憶を行う。
<<<普通図柄制御処理>>>
普通図柄制御処理(S54)においては、普通図柄表示装置59又は普通電動役物に係る処理を行うため、普通図柄の状態を監視し、普通図柄制御中と判断した場合に、普通図柄表示装置59又は普通電動役物に係る処理を実行する。普通図柄の状態の監視においては、前述の普通図柄ステイタスが0の以外の場合、普通図柄制御中と判断する。普通図柄制御処理中、普通図柄ステイタスの値は1〜4をとり、各普通図柄ステイタス1〜4において対応する制御モジュールが実行される。そして、普通図柄ステイタス1は普通図柄変動中、普通図柄ステイタス2は普通図柄停止図柄表示中、普通図柄ステイタス3は普通電動役物作動中、普通図柄ステイタス4は普通電動役物作動終了デモ中に対応している。
<<<普通図柄変動開始監視処理>>>
普通図柄変動開始監視処理(S55)においては、普通図柄の作動状態を監視し、普通図柄の変動を開始させると判断した場合、普通図柄作動保留球数の更新、当り判定、停止図柄の決定、普通図柄の変動設定を行う。普通図柄の作動状態の監視においては、普通図柄ステイタスの値が、普通図柄変動待機中を示す0の場合、かつ、普通図柄作動保留球数の値が0以外の場合、普通図柄の変動を開始させると判断する。普通図柄作動保留球数の更新においては、普通図柄作動保留球数の内容を−1する。当り判定、停止図柄の決定においては、普通図柄当り判定処理を実行する。普通図柄の変動設定においては、普通図柄変動パターン番号の設定、普通図柄の変動時間の設定の後、普通図柄の状態設定及び当り判定、変動パターン決定に使用したRWMのクリアを行う。
普通図柄変動パターン番号の設定においては、確率変動機能検査処理を実行し、実行の結果、取得した普通確変作動データ及び普通図柄変動制御テーブルのアドレスを引数としてバイトデータ取得処理を実行する。実行の結果、取得した基底アドレスと取得した1バイトデータを加算して算出したアドレス及び普通図柄変動パターン判定領域の値を引数として1バイト選択番号取得処理を実行する。実行の結果、取得した選択番号を普通図柄変動パターン番号とする。普通図柄の変動時間の設定においては、普通図柄変動時間テーブルアドレスを基準として(−2して)得た値及び普通図柄変動パターン番号を引数として1バイト選択番号取得処理を実行する。実行の結果、取得した2バイトデータを普通図柄タイマに格納する。普通図柄の状態設定及び当り判定、変動パターン決定に使用したRWMのクリアにおいては、普通図柄の状態を普通図柄変動中にするため、普通図柄変動中状態設定テーブルのアドレスを引数としてデータ格納処理を実行する。また、当り判定に使用した普通図柄当り判定領域及び変動パターンの決定に使用した普通図柄変動パターン判定領域を0でクリアする。
<<<始動口監視制御処理>>>
始動口監視制御処理(S56)においては、遊技球の始動口1(第1始動入賞口62)入賞及び始動口2(第2始動入賞口63)入賞の監視を行う。始動口1及び始動口2の何れについても、対応する監視テーブル(始動口1監視テーブル又は始動口2監視テーブル)を用いて始動口監視処理が実行されるが、始動口2については、始動口2有効期間フラグの値を検査し、検査の結果、始動口2有効期間フラグの値が所定の始動口2有効期間データである場合に、始動口監視処理が実行される。
<<<特別図柄制御処理>>>
特別図柄制御処理(S57)においては、当り待ちの状態の検査を行い、当り待ちの状態と判断した場合、特別図柄表示装置1(第1特別図柄表示装置70)又は特別図柄表示装置2(第2特別図柄表示装置71)に係る処理を実行する。当り待ち状態の検査においては、特電遊技ステイタス(後述する)の値が0の場合、当り待ちの状態であると判断する。特別図柄表示装置1又は特別図柄表示装置2に係る処理においては、特別図柄表示装置1又は特別図柄表示装置2に係る処理の何れかを行うため、特図2遊技ステイタスの値を検査する。検査の結果、0の場合、特別図柄表示装置1に係る処理を行うと判断し、0以外の場合、特別図柄表示装置2に係る処理を行うと判断する。特別図柄表示装置1に係る処理、及び、特別図柄表示装置2に係る処理の各々においては、対応する特図遊技ステイタス(特図1遊技ステイタス又は特図2遊技ステイタス)のアドレス及び特図制御テーブル(特図1制御テーブル又は特図2制御テーブル)のアドレスを引数として特別図柄制御汎用処理を実行する。
<<<特別電装役物制御処理>>>
特別電装役物制御処理(S58)においては、特別電動役物に係る処理を行うため、条件装置及び特別電動役物の作動状態を検査し、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断した場合、特別電動役物に係る処理を実行する。条件装置及び特別電動役物の作動状態の検査においては、特電遊技ステイタスの値が0以外の場合、条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中と判断する。条件装置が作動中又は特別電動役物が作動中、特電遊技ステイタスの値は1〜8をとり、各特電遊技ステイタス1〜8において対応する制御モジュールが実行される。そして、特電遊技ステイタス1は大入賞口開放準備中、特電遊技ステイタス2は特別電動役物作動中、特電遊技ステイタス3は大入賞口閉鎖中、特電遊技ステイタス4は大当り終了デモ中、特電遊技ステイタス5は小当り開始デモ中、特電遊技ステイタス6は小当り特電作動中、特電遊技ステイタス7は小当り大入賞口閉鎖中、特電遊技ステイタス8は小当り終了デモ中に対応している。
<<<大入賞口有効期間設定処理>>>
大入賞口有効期間設定処理(S59)においては、大入賞口有効期間バッファの値に対応した値を大入賞口有効期間フラグに格納する。例えば、大入賞口有効期間バッファの値が0の場合、大入賞口無効期間データを大入賞口有効期間フラグに格納し、大入賞口有効期間バッファの値が0以外の場合、大入賞口有効期間データを大入賞口有効期間フラグに格納する。本実施例では、大入賞口として第1大入賞口91及び第2大入賞口92を備えているが、何れについても同様の制御処理を適用することが可能である。
<<<特別図柄変動開始監視制御処理>>>
特別図柄変動開始監視制御処理(S60)においては、特別図柄1(ここでは第1特別図柄192)及び特別図柄2(ここでは第1特別図柄192の変動開始の監視を行う。特別図柄1及び特別図柄2の何れにおいても、特図遊技ステイタス(特図1遊技ステイタス又は特図2遊技ステイタス)のアドレス及び特図変動開始監視テーブル(特図1変動開始監視テーブル又は特図2変動開始監視テーブル)のアドレスを引数として特別図柄変動開始監視処理を実行する。
<<<異常検知処理>>>
異常検知処理(S61)においては、磁気の監視、断線・短絡・電源の監視、電波の監視、ガラス枠セット・遊技盤の枠・裏セット(ここではセット基盤39)の開閉状態の監視等を行うためエラー判定値の作成を行う。その後、エラー状態の検査、エラー状態の記憶、及び、演出制御基板(ここではサブメイン基板301)への遊技機のエラー状態演出の表示要求を順に行う。なお、エラー状態の検査でエラー状態に変化無しと判断した場合、エラー状態の記憶、及び、演出制御基板への遊技機のエラー状態演出の表示要求は行わない。
エラー判定値の作成においては、エラー判定値を作成するため、磁気検知信号の検査、断線短絡電源異常検知信号の検査、電波検知信号の検査、及び、開放信号の検査を順に行う。ただし、これらの検査に使用する検査データは、受信信号レベルの値とエラーフラグの値を排他的論理和した結果に通信異常マスクデータで論理積した値としている。エラー状態の検査においては、エラー状態の検査を行うため、エラーフラグ比較値とエラーフラグの値を比較し、一致した場合、エラー状態に変化無しと判断する。なお、エラーフラグの比較値は、エラー判定値の作成で作成したエラー判定値のビット0に通信線異常判定の値のビット0を反映した値としている。エラー状態の記憶においては、エラー状態の検査で作成したエラーフラグ比較値をエラーフラグに格納する。演出制御基板への遊技機のエラー状態演出の表示要求においては、MODE(エラーA)データ、及び、エラー状態の検査で作成したエラーフラグ比較値を引数としてコマンド要求設定処理を実行する。
<<<入球通過時間異常検出処理>>>
入球通過時間異常検出処理(S62)においては、入球通過時間異常の検出を行うため、各スイッチ(各入賞検出装置)レベルの連続オン時間の監視を行い、監視の結果、前回から変化があったと判断した場合、入球通過時間異常の設定、コマンドの送信要求、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成を順に行う。ただし、各スイッチレベルの連続オン時間の監視で、連続オン時間が異常ではないと判断した場合、外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成は行わない。
各スイッチレベルの連続オン時間の監視においては、各スイッチレベルの連続オン時間の監視を行うため、連続スイッチテーブルのアドレスの示す内容を検査回数とし、検査回数分、スイッチビットデータを順次取得する。取得した各スイッチビットデータに対応したタイマアドレスの取得、スイッチレベルのオン時間の計測を行い、連続オン時間が異常と判断した場合、各スイッチビットデータに対応したアドレスに記憶されたEVENTデータの取得を行う。連続オン時間が異常ではないと判断した場合、EVENT(エラーB0)データ(00H)を設定する。なお、取得したEVENTデータと入球通過時間異常フラグ(後述する)の値が異なる場合、前回から変化があったと判断する。入球通過時間異常の設定においては、EVENTデータを入球通過時間異常フラグに格納する。コマンドの送信要求においては、MODE(エラーB)データ(9EH)及びEVENTデータを引数としてコマンド要求設定処理を実行する。外部端子へ出力するセキュリティの出力要求の作成においては、異常センサ検知タイマのアドレス+1を引数として信号出力要求処理を実行する。
<<<遊技状態表示処理>>>
遊技状態表示処理(S63)においては、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄表示装置の作動保留球数、及び、特別図柄表示装置の作動保留球数の表示要求を行うため、特別電動役物が連続して作動する回数の表示データ作成、エラー状態の表示データ作成、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示データ作成、及び、特別図柄表示装置の作動保留球数の表示データ作成を行う。
特別電動役物が連続して作動する回数の表示データ作成においては、特別電動役物が連続して作動する回数の表示データを作成するため、最大作動回数比較テーブルのアドレスから検査回数を取得する。取得した検査回数分、最大作動回数比較テーブルの最終ラウンドデータと大入賞口最大開放回数の値を順次比較し、一致した場合、一致した時の検査回数を特別電動役物が連続して作動する回数の表示データとして特電作動回数表示番号の領域に格納する。全て一致しなかった場合、0を表示データとして特電作動回数表示番号の領域に格納する。
エラー状態の表示データ作成においては、エラー状態の表示データを作成するため、状態表示灯1及び状態表示灯2の表示データの作成並びに主制御エラー表示灯の表示データの作成を行う。普通図柄表示装置の作動保留球数の表示データ作成、及び、特別図柄表示装置の作動保留球数の表示データ作成においては、作動保留球数更新テーブルのアドレスの示す内容を更新回数として、更新回数分、作動保留球数の下位アドレス及び点滅タイマの下位アドレスを順次取得し、点滅タイマの更新及び表示パターン番号の作成を行う。
<<<ハンドル状態信号検査処理>>>
ハンドル状態信号検査処理(S64)においては、発射ハンドル17のタッチ状態の監視を行うため、ハンドル状態の検査を行い、検査の結果、ハンドル状態に変化ありと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの減算、ハンドル状態の更新、ハンドル状態監視タイマの設定、及び、ハンドル状態演出のコマンド送信要求を行う。検査の結果、ハンドル状態に変化なしと判断した場合、ハンドル状態監視タイマの設定を行う。なお、ハンドル状態監視タイマの減算において、ハンドルタイマ減算中と判断した場合、ハンドル状態に関する以降の処理は行わない。
ハンドル状態の検査においては、ハンドル状態の検査を行うため、受信信号レベルの値及びハンドル状態フラグの値を検査する。そして、受信信号レベルの値を示すビットが0で、ハンドル状態フラグの値が00Hの場合、ハンドル状態に変化なしと判断し、ハンドル状態フラグの値が01Hの場合、ハンドル状態に変化ありと判断する。また、受信信号レベルの値を示すビットが1で、ハンドル状態フラグの値が00Hの場合、ハンドル状態に変化ありと判断し、ハンドル状態フラグの値が01Hの場合、ハンドル状態に変化なしと判断する。
ハンドル状態監視タイマの減算においては、ハンドル状態監視タイマの減算を行うため、ハンドル状態監視タイマの内容を−1する。減算の結果、0以外の場合、タイマ減算中と判断する。ハンドル状態の更新においては、ハンドル状態の更新を行うため、ハンドル状態フラグの値に対応した値をハンドル状態フラグに格納する。ハンドル状態フラグの値が00Hの場合、ハンドル状態フラグに格納する値は01Hとなり、ハンドル状態フラグの値が01Hの場合、ハンドル状態フラグに格納する値は00Hとなる。
ハンドル状態監視タイマの設定においては、ハンドル状態監視タイマの設定を行うため、ハンドル状態監視タイマにハンドル状態監視時間を格納する。ハンドル状態演出のコマンド送信要求においては、ハンドル状態演出のコマンド送信要求を行うため、MODE(ハンドル状態情報)データと、所定の値である7FHを論理積した結果、及び、ハンドル状態フラグの下位アドレスを引数としてコマンド要求設定処理を実行する。
<<<LED出力処理>>>
LED出力処理(S65)においては、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄表示装置の作動保留球数の表示、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、役物連続作動装置未作動時の特別電動役物置の作動状態の表示、(右打ちや左打ちの)打ち分け表示、及び、エラー表示を行うため、表示の初期化、表示データの出力を順次行う。
表示の初期化においては、表示を初期化するため、クリアデータをセグメント出力ポートへ出力する。表示データの出力においては、表示データを出力するため、表示するデータに対応したデジット(ここでは7セグメントLEDの各セグメントやこれに付加されたドットなどのうちの何れか)を出力した後、表示するデータを出力する。このうち、表示するデータに対応したデジットの出力においては、表示するデータに対応したデジットを出力するため、デジットカウンタの更新後、デジットのデータ出力を取得し、取得した出力データを出力する。
表示するデータの出力においては、表示するデータを出力するため、基底アドレスを取得する。取得した基底アドレスを使用し、出力データを作成後、作成した出力データをセグメント出力ポートへ出力する。基底アドレスの取得においては、デジットカウンタの値の2倍値とデジットデータテーブルのアドレスを加算して算出されるアドレス+1の値をテーブルアドレスとし、テーブルアドレスの示す内容をテーブルアドレス算出値とする。次に、テーブルアドレスとテーブルアドレス算出値を加算して得られるアドレスを基底アドレスとする。出力データの作成においては、基底アドレスが示す内容を検査回数とし、基底アドレスを用いた所定の演算の処理を検査回数分繰り返し、出力データを作成する。
<<<発射制御信号出力処理>>>
発射制御信号出力処理(S66)においては、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、払出制御基板45との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定及び発射の禁止/許可の出力データの取得後、発射の禁止/許可の信号の出力を行う。払出制御基板45との通信状態及び断線短絡電源異常に対応した発射の禁止/許可の設定及び発射の禁止/許可の出力データの取得においては、ビット設定要求を反映したフラグを作成し、出力データを取得する。
ビット設定要求を反映したフラグの作成においては、エラーフラグの通信異常ビット又はエラーフラグの断線短絡電源異常ビットがオンの場合、ビットクリア要求ありとフラグに反映し、それ以外の場合、ビットセット要求ありとフラグに反映する。出力データの取得においては、ビット設定要求を反映したフラグ、デジット等バッファのアドレス、及び、発射許可信号ビットデータを引数としてビットデータ設定処理を実行する。実行の結果、取得したビットデータを出力データとする。発射の禁止/許可の信号の出力においては、発射の禁止/許可の信号を出力するため、取得した出力データをデジット等出力ポートへ出力する。
<<<試験信号出力処理>>>
試験信号出力処理(S67)においては、試験装置に出力する信号を作成し、対応した出力ポートに出力する。複数の試験信号出力ポートのうち、試験信号出力ポート1は、各特別図柄の変動中、小当り、大当り、役物連続作動装置作動中、条件装置作動中の信号を対応付けられた各端子から出力する。試験信号出力ポート2は、普通電動役物開放延長状態、普通図柄変動時間短縮状態、普通図柄高確率状態、特別図柄変動時間短縮状態、特別図柄高確率状態の信号を対応付けられた各端子から出力する。試験信号出力ポート3は、普通電動役物作動中信号、普通図柄変動中信号、普通図柄当り信号、特別電動役物作動中信号を対応付けられた各端子から出力する。各試験信号出力ポート1〜3に出力する信号の作成のため、試験信号データテーブル1〜3のうち対応する試験信号データテーブルのアドレスを引数として出力データ作成処理を行う。
試験信号出力ポート5は、遊技機エラー状態、発射位置指定、図柄データの信号を対応付けられた各端子から出力する。試験信号出力ポート5に出力する信号の作成においては、普通図柄組合せ番号の下位2ビットを図柄データのビット0,1とする。また、試験端子エラー出力マスクデータを引数としてエラー検査処理を実行する。実行の結果、エラー検出ありの場合、遊技機エラー中と判断し、遊技機エラー状態信号のオンを作成する。それ以外の場合、遊技機エラー状態信号のオフを作成する。打ち分け状態フラグの値が0の場合、発射位置指定信号1〜3のオフを作成する。それ以外の場合は、発射位置指定信号1のオン、発射位置指定信号2及び発射位置指定信号3のオフを作成する。試験信号出力ポート6及び試験信号出力ポート7は、図柄データの信号を対応付けられた各端子から出力する。
<<<ソレノイド出力処理>>>
ソレノイド出力処理(S68)においては、普通電動役物ソレノイド及び大入賞口開放ソレノイドの出力データの出力を行うため、普通電動役物ソレノイドの出力データの取得、大入賞口開放ソレノイドの出力データの取得、及び、出力データの出力を行う。普通電動役物ソレノイドの出力データの取得、及び、大入賞口開放ソレノイドの出力データの取得においては、それぞれ、ソレノイド作動フラグ及びソレノイド作動タイマの取得、出力データの取得、ソレノイド作動タイマの更新を順に行う。出力データの出力においては、取得した普通電動役物ソレノイドの出力データ、及び、大入賞口開放ソレノイドの出力データの論理和の結果をソレノイド出力ポートへ出力する。
<<<演出制御コマンド送信処理>>>
演出制御コマンド送信処理(S69)においては、演出制御基板へ送信するコマンドの送信要求を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファのクリアを行い、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順次行う。コマンドデータの送出タイミングは、演出データストローブにより規定され、演出データストローブ信号のオン時間(ここでは2μs以上)の後の所定時間(ここでは46μs以上)が演出データ保持時間となっている。
コマンドの送信要求の検査においては、コマンド要求書き込み位置(領域)の値とコマンド要求読み込み位置(領域)の値を比較し、値が一致しない場合、コマンドの送信要求があると判断する。要求するコマンドデータの取得においては、コマンド要求読み込み位置に格納されたアドレス算出値と位置補正ビットデータの論理積の2倍値とコマンドバッファのアドレスを加算し、加算の結果、取得したアドレスの内容をコマンドデータとする。なお、コマンド要求読み込み位置に格納されたアドレス算出値の取得後、コマンドデータの読み込み位置の内容を更新するため、コマンド要求読み込み位置を+1する。コマンドバッファのクリアにおいては、コマンドバッファをクリアするため、取得したコマンドデータが格納されていたコマンドバッファを0でクリアする。
取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得においては、取得したコマンドデータ上位をMODEデータとする。MODEデータの出力においては、取得したMODEデータを演出コマンド出力ポートに出力した後、演出データストローブを出力するため、ストローブ出力処理を実行する。MODEデータの保持においては、MODEデータの保持のため、所定時間(ここでは46μs以上)ウェイトする。取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得においては、取得したコマンドデータ下位をEVENTデータとする。EVENTデータの出力においては、取得したEVENTデータを演出コマンド前述のものと同じ出力ポートに出力した後、演出データストローブを出力するため、ストローブ出力処理を実行する。
<<<外部情報出力処理>>>
外部情報出力処理(S70)においては、外部入力端子に出力する信号を作成し、作成した信号の出力を行う。外部情報出力ポートの構成には、外部情報1〜外部情報6、及び、セキュリティを含み、残りの一つビットは未使用である。外部情報1、外部情報3〜外部情報6の作成においては、外部情報データテーブルのアドレスを引数として出力データ作成処理を実行する。当りフラグの値が特図1小当りデータの場合、かつ、確率変動機能検査処理を実行し、実行の結果、普通図柄表示装置の確率変動機能が未作動の場合、外部情報3ビットのオンを作成する。
外部情報2の作成においては、外部情報2を作成するため、始動口情報タイマの所定のビットの検査を行い、検査の結果、始動口情報タイマの所定のビットのオン/オフに合わせて外部情報2のオン/オフを作成する。セキュリティの作成においては、外部情報エラー出力マスクデータを引数としてエラー検査処理を実行する。実行の結果、エラー検出あの場合、出力データのセキュリティビットのオンを作成する。それ以外の場合、出力データのセキュリティビットのオフを作成する。作成した信号の出力においては、作成した外部情報1〜外部情報6及びセキュリティを外部情報出力ポートに出力する。
<<メイン基板における割込み>>
次に、メイン基板102における割込みについて説明する。メイン基板102においてはマスカブル割込みとノンマスカブル割込みが行われ、このうちマスカブル割込みはPT0Iによるものである。PT0Iによるマスカブル割込みは、システムクロックを分周して4msの割込み周期を実現しており、この割込み周期で前述の遊技進行割込み処理(PTC0割込み処理)を実行させる。
一方、ノンマスカブル割込みは、メイン基板102が電源断を検知して電断信号を出力し、この電断信号がノンマスカブル割込み端子504に入力されると発生する。
遊技進行割込み処理は、割込み処理時間監視手段により監視されており、この割込み処理時間監視手段が、CPU501のプログラム管理エリアの機能設定に設定されたタイムアウト時間内に初期化されてリスタートすることができない場合は、タイムアウトとなってユーザーリセットが発生する。そして、CPU501のコアがリセットされ、制御開始処理が実行される。割込み処理時間監視手段のリスタートは、制御開始処理内の循環処理中と、遊技進行割込み処理中のそれぞれで再帰情報が設定されて内蔵タイマが初期化されると実行される。
<<メイン基板における乱数>>
次に、メイン基板102において用いられる乱数について説明する。本実施例における乱数は、役物作動に係る乱数と、遊技の用に供されるその他の乱数に分かれる。役物作動に係る乱数には、普通図柄当り乱数、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当り図柄初期値乱数の7種類がある。
普通図柄当り乱数は、普通図柄表示装置の抽選に使用する乱数である。乱数の値は「0〜282」をとり、乱数の大きさは283である。更新方法は、先ず前回の乱数に1を加算し、加算した結果が最大値を超えた場合は0に戻し、乱数が1周した場合は、その時の普通図柄当り初期値乱数の値を普通図柄当り乱数の値とするものである。更新時期は、遊技進行割込み毎であり、遊技進行割込み毎に1回更新される。取得時期は、作動口68a,68bの通過検出装置69a,69bにより遊技球の通過を検出した時である。当せんすることとなる乱数値の数は、低確率の場合と高確率の場合で異なり、低確率時は11個、高確率時は282個である。
普通図柄当り初期値乱数は、普通図柄当り乱数の初期値、及び普通図柄当り乱数の終了値を決定するための乱数である。乱数の値は「0〜282」をとり、乱数の大きさは283である。更新方法は、先ず前回の乱数に1を加算し、加算した結果が最大値を超えた場合は0に戻すものである。更新時期は、遊技進行割込み毎であり、また、遊技進行割込みを実行していない間も更新がされる。
特別図柄当り乱数は、CPU501の乱数回路のch(チャネル)Aで生成した乱数(ハードウエア乱数)をソフトウエアで取り込んで取得し、特別図柄表示装置(70,71)の抽選に使用する乱数である。乱数の値は「0〜065535」をとり、乱数の大きさは65536である。更新方法は、CPU501のRCK(乱数用クロック)端子に入力された水晶発振器の2クロックで1回更新するものである。乱数のスタート値は、CPU501のIDナンバーを基にした値で、電源のオン(またはオフ)に伴って実行されるシステムリセット毎に変更される。乱数列の変更方法は、乱数列が一巡する度に、自動的に乱数列を更新するものである。更新時期は、RCK端子に入力されたクロックの2分周クロックによって設定されるタイミングである。
取得時期は、第1始動入賞口62の始動入賞検出装置74又は第2始動入賞口63の始動入賞検出装置75で異なる。第1始動入賞口62の始動入賞検出装置74の場合は、入力信号がOFF→ONとなることによって、CPU501のP0端子にロウレベルが入力され、乱数回路のchAから取り込まれた乱数値(ハードウエア乱数の乱数値)が、乱数値レジスタ(RA0D)に格納される。ソフトウエアにより、第1始動入賞口62の始動入賞検出装置74の入力信号がOFF→ONとなったと判断した時に乱数値レジスタ(RA0D)に格納された内蔵乱数(ハードウエア乱数)を取得する。なお、特別図柄当り乱数は、取得した内蔵乱数に特別図柄当りソフト乱数を加算した値となる。
一方、第2始動入賞口63の始動入賞検出装置75の場合は、入力信号がOFF→ONとなった場合に、CPU501のP1端子にロウレベルが入力され、乱数回路のチャネルAから取り込まれた乱数値が、乱数値レジスタ(RA1D)に格納される点で、第1始動入賞口62の始動入賞検出装置74の場合と異なっている。
特別図柄当り乱数について、当せんすることとなる乱数の値の数は、条件装置が作動することとなる図柄の組合せを表示する場合、即ち大当りとなる場合と、条件装置が作動せず、かつ、特別電動役物が作動することとなる図柄の組合せを表示する場合、即ち小当りとなる場合とで異なる。大当りに当せんすることとなる乱数の値の数は、低確率の場合と高確率の場合で異なり、低確率時は164個、高確率時は1640個である。
一方、小当りに当せんすることとなる乱数の値の数は、第1特別図柄表示装置70と第2特別図柄表示装置71とで異なり、第1特別図柄表示装置70については656個、第2特別図柄表示装置71については105個である。
また、特別図柄当り乱数に関し、乱数の周期は、大きさが65536である乱数が所定のスピードで更新がされることから、約0.013s(秒)となる。
特別図柄当りソフト乱数は、特別図柄表示装置(70,71)の抽選に使用する乱数であり、前述のように乱数回路のchAで生成した内蔵乱数の取得時、取得した内蔵乱数に加算される。乱数の値は「0〜65520」をとり、乱数の大きさは65521である。更新方法は、先ず前回の乱数に1を加算し、加算した結果が最大値を超えた場合は0に戻し、乱数が1周した場合は、その時の特別図柄当りソフト初期値乱数の値を特別図柄当りソフト乱数の値とするものである。更新時期は、遊技進行割込み毎であり、遊技進行割込み毎に1回更新される。取得時期は、第1始動入賞口62の始動入賞検出装置74又は第2始動入賞口63の始動入賞検出装置75により遊技球の入賞を検出した時である。
特別図柄当りソフト初期値乱数は、特別図柄当りソフト乱数の初期値及び特別図柄当りソフト乱数の終了値を決定するための乱数であり、乱数の値は「0〜65520」をとり、乱数の大きさは65521である。更新方法は、先ず前回の乱数に1を加算し、加算した結果が最大値を超えた場合は0に戻すものである。更新時期は、遊技進行割込み毎であり、また、遊技進行割込みを実行していない間も更新がされる。
特別図柄当り図柄乱数は、大当りとなる図柄の組合せの決定に使用する乱数である。乱数の値は「0〜999」をとり、乱数の大きさは1000である。更新方法は、先ず前回の乱数に1を加算し、加算した結果が最大値を超えた場合は0に戻し、乱数が1周した場合は、その時の特別図柄当りソフト初期値乱数の値を特別図柄当り図柄乱数の値とするものである。更新時期は、遊技進行割込み毎であり、遊技進行割込み毎に1回更新される。取得時期は、第1始動入賞口62の始動入賞検出装置74又は第2始動入賞口63の始動入賞検出装置75により遊技球の入賞を検出した時である。
特別図柄当り図柄初期値乱数は、特別図柄当り図柄乱数の初期値及び特別図柄当り図柄乱数の終了値を決定するための乱数であり、乱数の値は「0〜999」をとり、乱数の大きさは1000である。更新方法は、先ず前回の乱数に1を加算し、加算した結果が最大値を超えた場合は0に戻すものである。更新時期は、遊技進行割込み毎であり、また、遊技進行割込みを実行していない間も更新がされる。
遊技の用に供されるその他の乱数には、普通図柄変動パターン乱数、変動パターン乱数の2種類がある。これらのうち普通図柄変動パターン乱数は、普通図柄表示装置の変動パターン選択に使用する乱数であり、乱数の値は「0〜232」をとり、乱数の大きさは233である。更新方法は、先ず前回の乱数に1を加算し、加算した結果が最大値を超えた場合は0に戻すものである。更新時期は、遊技進行割込み毎であり、遊技進行割込み毎に1回更新される。取得時期は、作動口68a,68bの通過検出装置69a,69bにより遊技球の通過を検出した時である。
変動パターン乱数は、特別図柄表示装置(70,71)の変動パターン選択に使用する乱数であり、乱数の値は「0〜49999」をとり、乱数の大きさは50000である。更新方法は、先ず前回の乱数から3511を減算し、減算した結果が0未満の場合には、減算した結果に50000を加算するものである。更新時期は、遊技進行割込み毎であり、遊技進行割込み毎に1回更新される。取得時期は、第1始動入賞口62の始動入賞検出装置74又は第2始動入賞口63の始動入賞検出装置75により遊技球の入賞を検出した時である。
<その他の個々の制御処理態様>
<<コマンド送信タイミングに係る制御態様>>
本実施例では、メイン基板102からサブメイン基板301に出力される演出制御コマンドは、送信の前に、コマンド要求により、コマンドバッファに一旦格納される。コマンドバッファは、複数のバッファをリングバッファとして機能させたものであり、コマンド送信のための制御処理(ここでは演出制御コマンド送信処理(S69))において、コマンドバッファに蓄積された順に、コマンドバッファから取出されて送信される。なお、優先順位が高く設定されたコマンドから先に送信するような手法も採用可能である。また、各種の制御処理において、送信が必要となったコマンドが発生した場合に、随時コマンド送信を行うことも可能である。このような手法を採用した場合には、1回の遊技進行割込み処理中に、例えば演出制御コマンド送信処理(S69)のような一つの制御処理モジュール内で集約的に演出コマンドの送信が行われるのではなく、コマンド送信の必要が生じる都度、各制御処理モジュール内で、逐次的にコマンド送信が行われることになる。このため、コマンド送信が次回以降の遊技進行割込み処理に持ち越されるといった事態が生じ難い。そして、例えば始動入賞時のコマンドや、特別図柄の変動開始時のコマンド送信に遅れを生じることがなく、迅速なコマンド処理が可能となる。
<<保留記憶の更新に係る制御態様>>
本実施例では、前述のように、第2の遊技が優先される構成が採用されており、第1及び第2の複数の遊技の実行順序に規則性が設けられているため、保留記憶の更新は、第2の遊技、或いは、第1の遊技毎に順に行われる。したがって、第2の遊技、或いは、第1の遊技毎に、保留記憶された情報の更新のみを行えば、保留記憶された情報の更新が完了する。しかし、これに限定されず、例えば、第1の遊技を優先する構成や、何れかの遊技を優先させるのではなく、始動入賞が発生し保留記憶された順に、保留記憶を消化する構成なども採用が可能である。このうち、始動入賞が発生した順に保留記憶を消化する構成を採用した場合には、消化に応じた保留記憶情報の更新、複数の遊技の合計保留数の更新、及び、入賞順序の記憶を行うことにより、全体として、保留記憶された情報の更新を行うことができる。
また、本実施例では、保留記憶が更新されたことをサブメイン基板301に伝えるため、前述のように図柄記憶数コマンド(図柄1記憶数コマンドや図柄2記憶数コマンド)の要求が行われるが、1つのコマンドに図柄1記憶数コマンド、及び、図柄2記憶数コマンドの双方を含めることにより、必要なプログラムやメモリの容量を削減できる。
<<変動パターンの抽選に係る制御態様>>
続いて、変動パターンの抽選に係る各種態様について説明する。ここで説明する変動パターンの決定の態様は、一のぱちんこ遊技機10において、何れかが選択されて適用されてもよく、或いは、適宜併用されていてもよい。そして、複数の態様を併用する場合には、例えば、当否結果等の要素に基づき、態様の使い分けを行うことが可能である。
本実施例では、変動パターンの決定には、前述のように、当否結果、保留球数、特別図柄(図柄群の場合もある)、及び、変動パターン選択状態(特別図柄のステイタス情報)が決定要素として用いられているが、これらの決定要素の組合せに対応した変動パターンが選択される。そして、変動パターンの決定に伴い、変動パターンと紐付けされ対になっている変動時間が決定される。さらに、本実施例では、変動パターンの決定に関し、当否抽選の結果が大当りの場合と、はずれの場合とで、決定の要素を異ならせることが行われている。すなわち、大当りの場合には、演出状態(特別図柄のステイタス情報など)、特別図柄群、当否乱数を基に、これらに紐付けされた中から変動パターンが選択される。一方、はずれの場合には、演出状態、保留球数、当否乱数を基に、これらに紐付けされた中から変動パターンが選択される。このうち、大当りの場合で、演出上の再抽選の時間が付与される変動パターンについては、演出状態(特定の演出の有無など)と、特別図柄群とに基づき、再抽選の時間の付与の有無が決定され、決定された結果が、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される。
また、変動パターン及び変動時間の決定に際して、決定された演出パターン番号(別の言い方をすれば、演出パターンの内容)に応じた後続的な変動時間の決定を行うことが可能である。例えば、選択された変動パターンが、限定頻度パターン演出に対応したものである場合に、それに応じた変動時間の延長分を事後的に決定するといったことが考えられる。
また、前述のように特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとして変動付加情報のコマンドを設定することにより、遊技状態や当り図柄といった要素に関係づけて先に決定した変動時間に、後発的に付加時間を加算する演出が行うことができる。そして、この様な態様で、総合的な変動時間を決定する場合には、以下のように、予め設けられる変動パターンの数を少なく抑えつつ、多様な変動パターンを作成することが可能である。すなわち、擬似的な連続予告(所謂「擬似連」)を行う場合について考えれば、擬似連の変動パターンを単に個別に設定した場合には、演出の種類数と同じ数の変動パターンを予め設けておく必要がある。そして、このように全て個別に演出パターンを用意した場合には、変動パターンの合計数が大となって、例えば256個を超えるほどの数に達することも考えられる。このため、多数の変動パターンに対して識別可能な符号を与えるためには、従来よりも符号を表すためのビット数やバイト数を増やす必要が生じてしまう。
しかし、変動付加情報(変動付加パターン)を用いることにより、相対的に少ない数の基本の変動パターンに対し、例えば乱数抽選した変動付加情報を繋げて、事後的に変動パターンを形成することが可能である。そして、このことにより、変動パターンの組合せにより新たな変動パターンを形成できるので、予め設けておく変動パターンの数を過大とすることなく、多様な変動パターンを作成できる。なお、変動付加情報に係る乱数値も、先読み演出用のコマンドとして、始動入賞発生時に、メイン基板102からサブメイン基板301に送信することが可能である。また、限定頻度パターン演出が実行される場合に変動付加情報の付加が行われ易くなるよう、変動付加パターンの出現確率を設定しておくことなども可能である。なお、変動付加情報を用いる例を更に挙げれば、装飾図柄190a〜190cの組合せとして最初から確変図柄である「777」が表示された場合には変動付加情報の設定は行わず、装飾図柄190a〜190cの組合せとして、一旦非確変図柄である「666」が表示された場合には、「777」に昇格させるか否かの結果が表示されるまでの演出(例えば、揺れ変動の演出や、変動態様の展開を表す演出など)を、変動付加情報を設定して行う、といったことがある。
また、本実施例では、変動パターンは、保留球数を要素として決定されており、保留球数が幾つであるかに応じて、参照される変動パターンテーブルが異なる。変動パターンテーブルは、保留球数0〜4に対応して設けられている。保留0〜3の4つだけではなく、保留4に対応する変動パターンテーブルが設けられているのは、以下の理由による。例えば、保留球数が4つの状況から新たな変動表示が開始され、保留球数が3となった場合を考える。その時点で実行されている遊技進行割込み処理中の、未だ制御処理が、後の遊技進行割込み処理中の処理である変動パターンの決定に至らない段階において、保留球数が3となっている状態から新たな始動入賞が発生すると、変動パターンの決定時には、保留球数が加算されて4となっている。したがって、このような状況も変動パターンの決定の要素とし得るよう、保留球数0〜4に対応して変動パターンテーブルが設けられているのである。
ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、変動パターンテーブルは、保留球数0〜3に対応して設けるようにしてもよい。この場合、制御処理上、保留球数3の状態から変動パターンの決定までの間の始動入賞が加算されない構成とすることが可能である。なお、何れの態様についても、4個以外の最大保留数(例えば8)が設定されたタイプのぱちんこ遊技機にも適用が可能である。
また、変動パターン乱数の取得タイミングとしては、変動パターン抽選時とすることが可能である。すなわち、変動パターン乱数は、特別電動役物等の役物作動に係る乱数ではないので、適正な遊技を行うための要素としては、当否乱数などに比べて、例えば公正な遊技を目指すうえでの制約を設ける必要性が低くなる。したがって、始動入賞時には敢えて変動パターン乱数の取得はせず、例えば、別途設けられたタイミングとして変動パターン抽選時に、変動パターン乱数を取得し、記憶することが考えられる。このようにすることにより、始動入賞時に記憶すべき情報の数を減らすことができ、プログラムやメモリの容量削減が可能となる。
<<図柄の指定に係る制御態様>>
本実施例においては、前述のように、確変とするか否かの決定は特別図柄により決定される。このため、特別図柄当り図柄乱数(図柄乱数)により図柄が決定されるとともに、確変の有無も決定される。さらに、確変となる確率(割合)は、確変と対応付けられた図柄の選択確率によって決まる。なお、図柄乱数を示す符号の上位バイトの値に基づき使用する図柄判定テーブルを決定し、その後、図柄乱数の下位バイトの値に基づき、決定した図柄判定テーブルから図柄を決定することなども可能である。本実施例では、図柄乱数の数値範囲が「0〜999」に設定されているので、これらの数値の二値符号コードを利用することができる。そして、このようにすることにより、メモリやプログラムの容量を削減できる。また、当り図柄(図柄群であってもよい)に対してラウンド数や時短回数等の遊技状態の振分けを行い、当り図柄に応じて、その後のラウンド数や時短回数等が決定されるようにしてもよい。このようにすることにより、遊技状態の固有のデータの記憶や制御処理を行う必要がなく、メモリやプログラムの容量を削減できる。さらに、メイン基板102からサブメイン基板301へ当り図柄等を伝えるコマンド(例えば、本実施例では、図柄1演出パターン、図柄2演出パターンの各コマンド)に、遊技状態を伝える情報(遊技状態指定情報)を付加することも可能である。このコマンドは、作成されてから直ぐにサブメイン基板301へ送信されるものではなく、作成されて一時記憶され、所定のタイミングを待ってからサブメイン基板301へ送信されるものである。また、本実施例では、小当り図柄を複数種類設定しているが(図9(d)の各偶数図柄を参照)、例えば小当り図柄を1種類のみ設定し、乱数を使用する構成とせず、小当り図柄を直接指定(特定)できるようにしてもよい。
<<特別図柄と装飾図柄の変動時間の関係>>
前述のように、特別図柄(第1特別図柄192又は第2特別図柄193)と、これに対応した装飾図柄190a〜190cとは、互いに同期して変動開始及び変動停止するよう制御されるものであるが、状況によっては、装飾図柄190a〜190cの変動時間が、特別図柄(第1特別図柄192又は第2特別図柄193)の変動時間に対してある程度短くなり得るものである。
すなわち、特別図柄の変動や変動パターンの決定がされ、特別図柄の変動が開始される際に、メイン基板102からサブメイン基板301に対し装飾図柄の変動開始コマンド(変動開始時のコマンド)が送信されるが、所定のコマンド(例えば変動開始時のコマンドの最初のコマンド)の送信及び受信に要する時間や、コマンドバッファ(本実施例ではリングバッファタイプが用いられている)にセットされ待機しているコマンド(先入れのコマンド)が全て送出されるまでの時間などの影響を受け、その分、装飾図柄の変動開始が特別図柄の変動開始よりも遅延することが考えられる。さらに、特別図柄の変動停止時には、変動停止コマンド(特別図柄の図柄確定時のコマンド)がサブメイン基板301に送信されるが、所定のコマンド(例えば図柄確定時変動開始時のコマンドの最初のコマンド)の送信及び受信に要する時間や、コマンドバッファの混み具合(送信待機中のコマンドの数の程度)により、装飾図柄の変動停止が遅延することも考えられる。
このように、装飾図柄の変動時間は、特別図柄の変動時間に対してある程度短くなり得るものであり、特別図柄が変動開始した後に装飾図柄が変動開始し、特別図柄が変動停止した後に装飾図柄が変動停止するということが生じ得る。なお、装飾図柄の変動開始時と変動停止時との遅延の程度についは、通常は、変動開始時には送信すべきコマンドの数が相対的に多く、停止時には相対的に少ないことから、変動停止時の遅延の程度は、変動開始時に比べて小さい(少ない)と考えられる。
<サブ基板における演出パターンの決定の具体例>
次に、サブ基板104における演出パターンの決定の具体的態様について、図17〜図27に基づき説明する。先ず、図17は、サブメイン基板301における演出制御手段600の代表的な処理を示している。図17に示すように、演出制御手段600は、保留情報管理・保留表示制御処理(S5200)、主遊技用副遊技表示内容決定処理(S5400)、主遊技用副遊技表示制御処理(S5600)、補助遊技用副遊技表示内容決定処理(S5800)、補助遊技用副遊技表示制御処理(S6000)、保留情報事前判定・保留表示変更制御処理(S6200)、副遊技表示領域サイズ変更制御処理(S6400)、保留表示領域非表示制御処理(S6600)、特別遊技中(大当り中)表示制御処理(S6800)を順次実行する。
これらのうち保留情報管理・保留表示制御処理(S5200)においては、図示は省略するが、普通図柄に係る遊技、第1特別図柄に係る遊技(以下では「第1主遊技」と称する場合がある。)、及び第2特別図柄に係る遊技(以下では「第2主遊技」と称する場合がある。)の各々について、新たな保留記憶情報の受信の有無を判定し、判定結果に応じて、以降の主遊技用副遊技表示内容決定処理(S5400)や補助遊技用副遊技表示内容決定処理(S5800)などで参照されるフラグの設定に係る処理、及び、第1保留数表示部196や第2保留数表示部197(図7(b1)等参照)における保留数の表示に係る処理、などを実行する。
<<主遊技用副遊技表示内容決定処理>>
次に、主遊技用副遊技表示内容決定処理(S5400)においては、同様に図示は省略するが、上述の保留情報管理・保留表示制御処理(S5200)で設定されたフラグに基づき、第1主遊技、又は、第2主遊技に係る装飾図柄190a〜190cに係る表示内容の決定が行われる。第1主遊技、又は、第2主遊技に係る装飾図柄190a〜190cに係る表示内容の決定にあたっては、図18中の上段に示す装飾図柄変動態様決定テーブル1−1、及び、下段に示す装図演出パターン決定テーブル1−2などを用いることが可能である。また、サブメイン基板301で決定される変動パターンやリーチパターンなどについては、メイン基板102で決定される「変動パターン」や「リーチパターン」等と混同しないよう、各々について状況に応じ「変動態様」や「リーチ態様」の用語を用いる場合がある。
ここでは、
図18中に示す副遊技テーブル1−1(装図変動内容決定テーブル(装図変動態様決定テーブル))は、メイン基板102で決定された変動パターンに基づき、装飾図柄190a〜190cの変動内容を抽選により決定するためのものである。ここでは、メイン基板102から指令される各種の変動パターンとして、A0〜A3、B0〜B3の8種類が設けられているものとする。また、ここでは説明を簡潔にするため、変動パターンA0〜A3を第1主遊技用とし、変動パターンB0〜B3を第2主遊技用としている。また、サブメイン基板301における変動態様の決定のための乱数値範囲は0〜511に設定されており、各種変動パターンA0〜A3,B0〜B3に対し、当りやはずれの状況に応じて、全停止、非リーチ、及び、各種リーチなどの変動態様が割り当てられている。
例えば、メイン基板102で決定された変動パターンが「A2」又は「B2」であって、当否結果が「はずれ」である場合、図中の「A2、B2(はずれ)」の欄から、はずれのリーチ態様の一部である「Nリーチ1(はずれ)」、「Nリーチ2(はずれ)」の変動態様のうちの何れかが決定される。本実施例では、「Nリーチ1(はずれ)」には抽選値0〜383が割り当てられており、「Nリーチ1(はずれ)」の選択確率は384/512である。また、「Nリーチ2(はずれ)」には抽選値384〜511が割り当てられており、「Nリーチ2(はずれ)」の選択確率は128/512である。また、「Nリーチ1(はずれ)」、「Nリーチ2(はずれ)」の変動時間は、図表中の右欄に示すように、30秒となっている。なお、変動態様の種類や選択確率はあくまで一例であり、これには何ら限定されない。また、「Nリーチ」はノーマルリーチの意味を有しており、図中の「Sリーチ」はスペシャルリーチ或いはスーパーリーチの意味を有している。
さらに、このように決定されたサブメイン基板301側の変動態様に基づき、装飾図柄190a〜190cの仮停止タイミング、予告演出の表示タイミング及び表示すべき予告演出種別などが、図18中に示す副遊技テーブル1−2を用いて決定される。
この副遊技テーブル1−2は、上述のようにして決定された変動態様に基づき、装飾図柄の仮停止タイミング、予告演出の表示タイミング及び表示すべき予告演出種別などを決定するためのものである。本実施例においては、全停止、非リーチ、及び、各種リーチ態様などの場合について、左列の装飾図柄190a、右列の装飾図柄190c、中列の装飾図柄190bごとに、変動開始後の仮停止タイミングが決められている。さらに、図中に示すように、各リーチ態様については、変動開始後の予告演出の表示タイミングが決められている。
例えば、決定された変動態様が「Nリーチ1(はずれ)」であった場合、装飾図柄の仮停止タイミングは、図柄変動開始時からの経過時間として、左列=「7秒」、右列=「8秒」、中列=「29秒」である。また、この場合には、所定の予告演出である「予告演出種別1」に対応した予告演出画像が、図柄変動開始時からの経過時間として、「5秒」のタイミングで、表示開始される。ここで、予告演出画像の具体的態様の一例としては、キャラクタのカットイン画像等を挙げることができる。なお、本例はあくまで一例であり、これには何ら限定されない。
なお、本実施例では、上述のように、決定された変動態様に基づき、装飾図柄の仮停止タイミング、予告演出の表示タイミング及び表示すべき予告演出種別が一義的に決定されるのを原則としている。しかし、このような決定態様以外に、保留数や他の演出との関係を踏まえて、装飾図柄の仮停止タイミング、予告演出の表示タイミング及び表示すべき予告演出種別が決定される場合もある。
例えば、本実施例では、後述するように、普通電動役物の開放の抽せんに係る演出として「ルーレット演出」が実行される場合があり、このルーレット演出と他の演出(予告演出を含む)とが重複した場合には、ルーレット演出の表示が中止される場合がある。そして、当該重複判定に際しては、夫々の演出の表示タイミング及び表示期間に基づき重複するか否かが事前に予測される。即ち、副遊技テーブル1−1や1−2を用いて決定された変動態様に対し、更に他の予告演出を重畳して実行するような場合は、変動態様が決定されても、重畳される予告演出の実行タイミングまでは確定されない場合もあるが、このような場合には、予告演出の表示タイミングが判明したことを契機としてルーレット演出の表示が中止される場合がある。
<<主遊技用副遊技表示制御処理>>
前述のように決定された演出態様に基づき、前述の主遊技用副遊技表示制御処理(S5600)においては、図25中の最下段のイメージ図に示すように、演出図柄表示装置60の表示領域194に設定された装飾図柄の表示領域(以下では「表示領域1」と称する。)において、装飾図柄190a〜190cの変動表示が開始される(S5608)。
なお、本実施例では、主遊技用副遊技表示内容決定処理(S5400)で装飾図柄190a〜190cに係る演出態様が決定されている場合には、演出態様決定フラグが立てられており、この主遊技用副遊技表示制御処理(S5600)において、演出態様決定フラグの判定が行われる(S5602)。そして、演出態様決定フラグがオンしていれば(S5602:YES)、演出態様決定フラグのオフ(S5604)、装図変動中フラグのオンが実行される(S5606)。
次に、S5610で、装図変動時間管理タイマ608がスタートされ、S5612にて装図変動中フラグがオンであるか否かが判定される。装図変動中フラグがオンである場合(S5612:YES)、S5614で、装図変動時間管理タイマ608が参照され、装飾図柄の仮停止タイミングに到達したか否かが判定される。装飾図柄の仮停止タイミングに到達している場合(S5614:YES)、S5616で、当該仮停止タイミングに到達した表示列上にて装飾図柄の停止図柄を表示し、S5618に移行する。尚、S5614でNOの場合には、S5616を経ずにS5618に移行する。
次に、S5618においては、装図変動時間管理タイマを参照し、予告演出の表示タイミングに到達したか否かが判定され、予告演出の表示タイミングに到達している場合(S5618:YES)、S5620で、当該表示タイミングが、特定の予告演出に係る表示タイミングであるか否かを判定する。本実施例では、「予告演出種別2」は、図18中の副遊技テーブル1−2に示すように、表示可能期間(例えば変動経過時間が10秒〜15秒の期間)が予め定められており、後述するように、予告演出の表示可否が操作ボタン82の操作などによって決定される演出である。
予告演出が「予告演出種別2」である場合(S5620:YES)、S5622で、演出図柄表示装置60上にて、操作ボタン82の操作を促すメッセージが表示される。次に、S5624で、操作ボタン82からの送信情報に基づき、操作ボタン82が操作されていないか否かが判定される。操作ボタン82が操作されていない場合(S5624:YES)には、続くS5630に移行する。他方、操作ボタン82が操作されている場合(S5624:NO)、又は予告演出が「予告演出種別2」でなかった場合(S5620:NO)、S5626で、当該表示タイミングに到達した予告演出種別に基づき、演出図柄表示装置60上にて対応する何れかの予告演出画像を表示し、S5630に移行する。尚、先のS5618で、予告演出の表示タイミングに到達していなかった場合(S5618:NO)にもS5630に移行する。なお、「予告演出種別2」に関して、装飾図柄の変動態様とは独立して表示可否及び表示内容(表示タイミング)を決定してもよい。
次に、S5630で、主遊技図柄(装飾図柄)が停止表示されたか否かが判定され、主遊技図柄(装飾図柄)が停止表示されている場合(S5630:YES)、S5632で、装図変動時間管理タイマ608を停止すると共にリセット(ゼロクリア)する。次に、S5634で、装飾図柄190a〜190cを確定表示(装飾図柄の停止図柄として決定した図柄画像を表示)する。次に、S5636で、装図変動中フラグをオフにし、次の補助遊技用副遊技表示内容決定処理(S5800)に移行する。尚、S5612で装図変動中フラグがオンでない場合(S5612:NO)又はS5630で主遊技図柄が停止していない場合(S5630:NO)にも、次の補助遊技用副遊技表示内容決定処理(S5800)に移行する。
なお、図25中の最下段のイメージ図では、保留数表示部が「第1主遊技保留:●●●○」、「第1主遊技保留:●●○○」として表示領域の右上隅に記載されているが、これは表示領域1と表示領域2の説明が煩雑にならないよう、図7(b1),(b2)に示す態様とは位置を変更したためである。なお、実際に、演出図柄表示装置60の画面上で、このように、状況に応じて保留数表示部の表示位置を変更することも可能である。また、このイメージ図中には、「●●○○:補助遊技保留」として、普通図柄に係る保留数の表示を行ているが、これは後に説明する各種の制御態様での説明に対応した記載であり、図面数が過度に増えて、図面の記載が却って煩雑になるのを防ぐものである。
<<補助遊技用副遊技表示内容決定処理>>
次に、図20は、補助遊技用副遊技表示内容決定処理(S5800)を示している。本実施例においては、補助遊技図柄に対応した装飾図柄の変動表示(以下、ルーレット演出と呼ぶことがある)を実行可能に構成することを目的としているが、後述するように、当該変動表示結果は、補助遊技側の遊技結果を報知又は示唆(以下では両者を併せて「予告」と称する場合がある)するもののみならず、主遊技側(特別図柄側)の遊技結果をも報知又は示唆可能に構成されている。
まず、S5802で、ルーレット演出内容決定手段614は、演出表示関連情報一時記憶手段612内の補助遊技用副遊技内容決定許可フラグがオンであるか否かを判定する。さらに、S5802でYESの場合、S5804で補助遊技用副遊技内容決定許可フラグをオフにする。次に、S5806で、ルーレット演出内容決定手段614は、情報受信手段(コマンド受信手段)601のメイン側情報一時記憶手段602に一時記憶されたメイン基板102側からの補助遊技に係る遊技状態情報を確認する。次に、S5808で、当該確認結果に基づき、補助遊技に係る技状態が非時間短縮遊技中であるか否かを判定する。
先のS5808でYESの場合、S5900で、ルーレット演出内容決定手段614は、後述する補助遊技用副遊技内容決定処理を実行する。次に、S5820で、演出表示関連情報一時記憶手段612内のルーレット演出実行許可フラグ(後述する補助遊技用副遊技内容決定処理にてオン/オフが決定されるフラグ)がオンであるか否かを判定する。そして、S5820でYESの場合、S5822で、演出表示関連情報一時記憶手段612内のルーレット演出実行許可フラグをオフにする。
次に、S5824で、ルーレット演出内容決定手段614は、ルーレット演出の最終結果、メイン基板102側からの図柄情報(特に、補助遊技図柄(普通図柄)の変動に要する時間(変動時間値))に基づき、ルーレット演出内容決定用抽選テーブル615(図21に示す副遊技テーブル2−1、2−2)を参照して、ルーレット演出の演出態様及び実行タイミングを決定し、決定結果を演出表示関連情報一時記憶手段612内に一時記憶する。ルーレット演出の最終結果は、後述する補助遊技用副遊技内容決定処理にて決定され、本例では、「ハズレ」、「補助遊技当選」及び「主遊技当選」のいずれかが決定される。
次に、S5826で、ルーレット演出内容決定手段614は、ルーレット演出に係る演出態様の決定結果に基づき、ルーレット演出内容決定用抽選を参照して、ルーレット演出にて表示されるルーレット配列パターンを決定し、演出表示関連情報一時記憶手段612内に一時記憶する。なお、テーブルを参照せず、ルーレット演出の最終結果及び補助遊技図柄の変動時間値に基づき、ルーレット配列パターンを決定するようにしてもよい。
図21の上段に示す副遊技テーブル2−1は、ルーレット演出の演出態様、及び実行タイミングの決定のためのルーレット演出内容決定用抽選テーブル615の一例(補助遊技図柄の変動時間が10.0秒の場合)である。本実施例においては、補助遊技図柄の変動時間値及びルーレット演出の最終結果に基づき、ルーレット演出の演出態様及び実行タイミングが抽選によって決定される。
例えば、補助遊技図柄の変動時間値が「10.0秒」であって、ルーレット演出の最終結果が「ハズレ」である場合、ルーレット演出の演出態様として「ルーレット演出1」、「ルーレット演出2」のいずれかが、それぞれ選択確率「500/512」、「12/512」の割合で決定されると共に、ルーレット演出の実行タイミングが「5.0秒」と決定される。そして、後述するように、決定されたルーレット演出の演出態様に基づきルーレット演出にて表示されるルーレット配列パターンが決定され、ルーレット演出の実行タイミングに到達したことを契機として、当該決定されたルーレット配列パターンの表示が開始されることとなる。尚、ルーレット演出の演出態様及び実行タイミング並びに選択確率はあくまで一例であり、これには何ら限定されない。
図21の下段に示す副遊技テーブル2−2は、ルーレット配列パターンの決定のためのルーレット演出内容決定用抽選テーブル615の一例(補助遊技図柄の変動時間が10.0秒の場合)である。本実施例では、ルーレット演出の演出態様に基づきルーレット演出にて表示されるルーレット配列パターンが一義的に決定される。
例えば、ルーレット演出の演出態様がルーレット配列パターン1を有する「ルーレット演出1」であった場合、ルーレットコマ番号0〜9の夫々のコマにて、「─」、「電動役物開放」、「大入賞口開放」のいずれかが配された配列パターン(ルーレット配列パターン1)が表示されるよう構成されている。ここで、「電動役物開放」とは、第2主遊技始動口電動役物(第2始動入賞口63の普通電動役物)が開放されることを報知する表示内容を意味している一方、「大入賞口開放」とは、第1大入賞口91又は第2大入賞口92が開放されることを報知する表示内容であることを意味している。また、「─」は、予告演出が非表示となることを意味している。即ち、後述するように、ルーレット演出の最終結果として報知され得る内容は、補助遊技側の当否結果のみならず主遊技側(特別図柄側)の当否結果をも含まれるよう構成されているのである。
尚、夫々のコマにて配される表示内容は、これには限定されず、補助遊技側の当否結果及び主遊技側(特別図柄側)の当否結果を示唆するような表示内容であってもよい。例えば、ルーレット配列パターン2(ルーレット演出2)にて示されるように、「開放!?」とのコマが停止表示された場合には、第2主遊技始動口電動役物が開放される可能性があることを報知する表示内容とし、「チャンス!」とのコマが停止表示された場合には、特別遊技へ移行する可能性があることを報知する表示内容とし、「開放!!」とのコマが停止表示された場合には、第2主遊技始動口電動役物が開放されることが確定する旨を報知する表示内容とし、更に「激アツ!!」とのコマが停止表示された場合には、特別遊技へ移行することが確定する旨を報知する表示内容とする、等を例示できる。
前述の副遊技テーブル2−2に示す「ルーレット演出3」はルーレット配列パターン3を有するものであり、ルーレット演出の最終結果がルーレット配列パターンによって明白となるような演出態様である。すなわち、ルーレット演出3のルーレット配列パターンは、図21中の副遊技テーブル2−2に示すように、全てが「大当り!!!」となっており、ルーレット演出3が実行されるのは、特別図柄に係る遊技結果が何れかの大当りの場合のみである。なお、わずかな確率(例えば0.1%など)で、特別図柄に係る遊技結果が大当りとならない場合にも、ルーレット演出3が選択されるようにしてもよい。
図20に戻り、S5828で、ルーレット演出内容決定手段614は、ルーレット演出の最終結果及びルーレット配列パターンに基づき、最終結果を報知するための停止表示位置となるルーレットコマ番号を決定し、演出表示関連情報一時記憶手段612内に一時記憶する。次に、S5850で、演出表示関連情報一時記憶手段612内の補助遊技用副遊技内容決定フラグをオンにし、S6000の補助遊技用副遊技表示制御処理に移行する。尚、S5802、S5808又はS5820でNOの場合にも、S6000の補助遊技用副遊技表示制御処理に移行する。また、上述のルーレットコマ番号の決定においては、例えば、最終結果=「ハズレ」の場合には、「─」が配されたコマのいずれかを決定し、最終結果=「補助遊技当選」の場合には、「電動役物開放」が配されたコマのいずれかを決定し、最終結果=「主遊技当選」の場合には、「大入賞口開放」が配されたコマのいずれかを決定することを例示できる。
<<補助遊技用副遊技内容決定処理>>
次に、図22は、図20でのS5900のサブルーチンに係る、補助遊技用副遊技内容決定処理のフローチャートである。先ず、S5902で、ルーレット演出内容決定手段614は、メイン側情報一時記憶手段602を参照し、メイン基板102側から送信された補助遊技図柄の停止図柄を確認する。次に、S5904で、当該確認結果に基づき、補助遊技図柄の停止図柄が「当り図柄L」であるか否か、換言すれば、補助遊技図柄の停止表示後にて、第2主遊技始動口電動役物が前述の特殊開閉態様を実行する予定であるか否かを判定する。
さらに、S5904で補助遊技図柄の停止図柄が「当り図柄L」であった場合(S5904:YES)、S5910で、ルーレット演出内容決定手段614は、ルーレット演出の最終結果を「補助遊技当選」として決定する。そして、S5980で、ルーレット演出実行許可フラグをオンにし、本サブルーチンの呼び出し元に復帰する。
他方、S5904で補助遊技図柄の停止図柄が「当り図柄L」でなかった場合(S5904:NO)、S5920で、ルーレット演出内容決定手段614は、ルーレット演出の最終結果を「ハズレ」として決定する。ここで、当該決定は暫定的な決定であり、後述するように、所定条件を充足した場合には、ルーレット演出の最終結果が「ハズレ」から「主遊技当選」に差替えられることとなる。尚、本実施例においては、当該所定条件の判定が行われる処理として、以下に、「主遊技図柄の保留数に基づく実行可否決定処理」、「主遊技図柄の変動状況に基づく実行可否決定処理」、「主遊技用副遊技の実行状況に基づく実行可否決定処理1」及び「主遊技用副遊技の実行状況に基づく実行可否決定処理2」の4例を説明する。
(主遊技図柄の保留数に基づく実行可否決定処理)
次に、S5922で、ルーレット演出内容決定手段614は、装図保留情報一時記憶手段610内の第1主遊技用装図保留カウンタ値に基づき、所定の抽選確率にてルーレット演出の実行可否抽選を実行する。ここで、当該実行可否抽選の一例としては、第1主遊技用装図保留カウンタ値が所定数(例えば、保留記憶数が2)未満の場合には、当該所定数以上の場合と比して、高確率で当選するよう構成することを挙げることができる。次に、S5924で、当該実行可否抽選に当選したか否かを判定し、S5924でYESの場合には、続く「主遊技図柄の変動状況に基づく実行可否決定処理」のS5932に移行する一方、S5924でNOの場合には、本サブルーチンの呼び出し元に復帰する。
(主遊技図柄の変動状況に基づく実行可否決定処理)
次に、S5932で、ルーレット演出内容決定手段614は、演出表示関連情報一時記憶手段612内の装図変動中フラグがオンであるか否か、換言すれば、主遊技図柄に対応した副遊技である装飾図柄190a〜190cが変動表示中であるか否かを判定する。装飾図柄190a〜190cが変動表示中でない場合(S5932:NO)には、S5980に移行する。一方、装飾図柄190a〜190cが変動表示中であった場合(S5932:YES)には、S5934で、装図変動時間管理タイマ606のタイマ値(その時点の残り時間)に係るタイマの値)Tsと、メイン基板102側から送信された補助遊技図柄の変動時間値Thとを確認し、「Ts+Th」を算出すると共に、この算出値を、演出表示関連情報一時記憶手段612内に一時記憶された、装飾図柄の最終仮停止タイミング(本例では、中列の仮停止タイミング)となる時間値Teと比較する。
次に、S5936で、ルーレット演出内容決定手段614は、当該比較結果に基づき、「Ts+Th<Te」となる条件を充足したか否かを判定する。当該条件が充足された場合(S5936:YES)には、続く「主遊技用副遊技の実行状況に基づく実行可否決定処理1」のS5940に移行する一方、当該条件が充足されない場合(S5936:NO)には、本サブルーチンの呼び出し元に復帰する。
ここで、本処理について補足説明すると、「Ts+Th<Te」となる条件を充足するケースは、主遊技側の遊技結果(特別図柄又は装飾図柄の停止図柄内容)が確定的に報知されるよりも前に、ルーレット演出の最終結果が報知される状況下である。即ち、ルーレット演出の最終結果として、同時並行的に実行されている主遊技側の遊技結果を報知するに際し、当該主遊技側の遊技結果が変化し得ないことを担保しているのである。
なお、これには限定されず、主遊技側の遊技結果が変化し得る状況下、換言すれば、主遊技図柄の複数の変動に跨って、ルーレット演出を実行するよう構成してもよい。その場合には、ルーレット演出の最終結果は、ルーレット演出の終了時において実行されている主遊技側の遊技結果(ルーレット演出内容の決定時においては未消化である主遊技側(特別図柄側)の保留に係る遊技結果)を事前判定した内容とすればよい。また、本例のように、メイン基板102側において、補助遊技図柄の変動時間値として複数種類の変動時間を選択可能に構成されている場合、メイン基板102側にて「Ts+Th<Te」となる条件を充足するよう、換言すれば、主遊技図柄の変動残り時間内に収まるよう、補助遊技図柄の変動時間値としてより短時間となる変動時間を強制的に選択することで調整し得るよう構成してもよい。
(主遊技用副遊技の実行状況に基づく実行可否決定処理1)
次に、S5940で、ルーレット演出内容決定手段614は、演出表示関連情報一時記憶手段612内に一時記憶された装飾図柄の変動態様、予告演出の表示タイミング及び表示すべき予告演出種別、並びに、装図変動時間管理タイマ608のタイマ値Tsに基づき、特定の予告演出(本例では、図18中の予告演出種別2)に係る予告演出表示期間を確認する。例えば、タイマ値Tsが5秒(装飾図柄の変動開始から5秒経過後)であって、予告演出種別2の表示が決定されていた場合、5秒後〜10秒後が予告演出種別2に係る予告演出表示期間となる。
次に、S5942で、ルーレット演出内容決定手段614は、当該確認結果に基づき、予告演出表示期間がルーレット演出の実行期間と重複しないか否かを判定する。予告演出表示期間がルーレット演出の実行期間と重複しない場合(S5942:YES)には、続く「主遊技用副遊技の実行状況に基づく実行可否決定処理2」のS5950に移行する一方、重複する場合(S5942:NO)には、本サブルーチンの呼び出し元に復帰する。
ここで、本処理について補足説明すると、上述の特定の予告演出とは、サブ入力ボタン(前述の操作ボタン82)の操作可否によって予告演出の表示可否が決定される演出を意味しており、予告演出表示期間においてサブ入力ボタンの操作を促すメッセージが表示される演出である。即ち、このように、遊技者による操作行為を必要とする演出が実行されている場合には、ルーレット演出の実行をキャンセルするよう構成されているのである。
(主遊技用副遊技の実行状況に基づく実行可否決定処理2)
次に、S5950で、ルーレット演出内容決定手段614は、演出表示関連情報一時記憶手段612内に一時記憶された装飾図柄の変動態様及び装図変動時間管理タイマ606のタイマ値Tsに基づき、所定の抽選確率にてルーレット演出の実行可否抽選を実行する。ここで、当該実行可否抽選の一例としては、装飾図柄の図柄変動がリーチ発生前となる期間内にルーレット演出の実行期間が収まる場合には、リーチ発生前となる期間内にルーレット演出の実行期間が収まらない場合と比して高確率で当選するよう構成することを挙げることができる。
次に、S5952で、ルーレット演出内容決定手段614は、当該実行可否抽選に当選したか否かを判定する。実行可否抽選に当選した場合(S5952:YES)には、S5960に移行する一方、実行可否抽選に当選しなかった場合(S5952:NO)には、本サブルーチンの呼び出し元に復帰する。ここで、本処理について補足説明すると、リーチ後にて実行されている演出は遊技者にとって注視すべき演出であり、特に、リーチ後の所定期間においては、主遊技側の遊技結果が如何なる結果となるかを興趣性の高い演出によって表現される場合がある。即ち、このように、興趣性の高い演出が実行されている場合には、ルーレット演出の実行がキャンセルされ易くなるよう構成されているのである。
以上のような、ルーレット演出の実行可否決定処理が為された後、S5960で、ルーレット演出内容決定手段614は、メイン側情報一時記憶手段602を参照し、停止表示予定である主遊技図柄の停止図柄(又は装飾図柄190a〜190cの停止図柄)を確認する。次に、S5962で、当該確認結果に基づき、大当り図柄にて停止表示予定であるか否かを判定する。確認結果が大当り図柄にて停止表示予定でない場合(S5962:NO)には、S5980に移行する一方、大当り図柄にて停止表示予定の場合(S5962:YES)、ルーレット演出の最終結果を「ハズレ」から「主遊技当選」に差替え(S5964)、S5980に移行する。
<<補助遊技用副遊技表示制御処理>>
次に、図23は、図17でのS6000のサブルーチンに係る、補助遊技用副遊技表示制御処理のフローチャートである。まず、S6002で、ルーレット演出表示制御手段613は、演出表示関連情報一時記憶手段612内の補助遊技用副遊技内容決定フラグがオンであるか否かを判定する。そして、補助遊技用副遊技内容決定フラグがオンであった場合(S6002:YES)、S6004で、演出表示関連情報一時記憶手段612内の補助遊技用副遊技内容決定フラグをオフにする。次に、S6006で、演出表示関連情報一時記憶手段612内のルーレット演出実行監視中フラグをオンにし、S6008で、ルーレット演出実行監視タイマ616をスタートさせ、S6010に移行する。尚、S6002で補助遊技用副遊技内容決定フラグがオンでなかった場合(S6002:NO)には、S6010に移行する。
次に、S6010で、ルーレット演出表示制御手段613は、演出表示関連情報一時記憶手段612内のルーレット演出実行監視中フラグがオンであるか否かを判定する。ルーレット演出実行監視中フラグがオンである場合(S6010:YES)、S6012で、ルーレット演出実行監視タイマ616のタイマ値が、演出表示関連情報一時記憶手段612内に一時記憶されたルーレット演出の実行タイミングに到達したか否かを判定する。
ルーレット演出の実行タイミングに到達していた場合(S6012:YES)、S6014で、ルーレット演出表示制御手段613は、演出図柄表示装置60の表示領域194にて、前述の「表示領域1」とは異なる表示領域であって、ルーレット配列パターンにおける所定コマ数(3コマ)分の表示領域となる「表示領域2」を表示する。次に、S6016で、演出表示関連情報一時記憶手段612内に一時記憶されたルーレット配列パターンに基づき、夫々のコマ(本例では、ルーレットコマ番号0〜9の夫々)を順次「表示領域2」内にて低速変動表示(例えば、1コマの通過秒数=0.3コマにて変動表示)する。
次に、S6018で、ルーレット演出表示制御手段613は、当該変動表示によって、ルーレット配列パターンが1周したか否かを判定する。ルーレット配列パターンが1周した場合(S6018:YES)、S6020で、演出表示関連情報一時記憶手段612内に一時記憶されたルーレット配列パターンに基づき、夫々のコマ(本例では、ルーレットコマ番号0〜9の夫々)を順次「表示領域2」内にて高速変動表示(例えば、1コマの通過秒数=0.1コマにて変動表示)し、S6030に移行する。尚、S6012又はS6018でNOの場合には、S6030に移行する。
次に、S6030で、ルーレット演出表示制御手段613は、メイン側情報一時記憶手段602を参照し、補助遊技図柄が停止表示されたか否かを判定する。補助遊技図柄が停止表示された場合(S6030:YES)の場合、S6032で、ルーレット演出の最終結果が報知され得るタイミングに到達した旨、換言すれば、第2主遊技始動口電動役物が長期間開放され得る旨を報知する。この時の報知態様としては、例えば、変動表示中のルーレット演出において、停止表示位置となるルーレットコマ番号及び前後のコマ番号を「表示領域2」内にて揺れ変動表示させることなどが考えられる。
次に、S6034で、ルーレット演出表示制御手段613は、当該報知後から所定期間(例えば、0.5秒)が経過したか否かを判定する。所定期間が経過している場合(S6034:YES)、S6036で、ルーレット演出実行監視タイマ616を停止してタイマ値をリセット(ゼロクリア)する。次に、S6038で、ルーレット演出における停止表示位置となるルーレットコマ番号を「表示領域2」内にて確定表示する。次に、S6040で、演出表示関連情報一時記憶手段612内のルーレット演出実行監視中フラグをオフにし、次の処理(図17中のS6200の保留情報事前判定・保留表示変更制御処理)に移行する。尚、S6010、S6030又はS6034でNOの場合には、保留情報事前判定・保留表示変更制御処理(S6200)に移行する。
尚、本実施例においては、S6016にて表示されたルーレット配列パターンと、S6020にて表示されたルーレット配列パターンとが同一となるよう構成されているが、これには限定されない。例えば、ルーレット演出の演出態様として「ルーレット演出3」が実行されている場合、換言すれば、ルーレット演出の最終結果がルーレット配列パターンによって明白となるような演出態様である場合、S6016にて表示されるルーレット配列パターンは、ルーレット演出の最終結果が明白とならないような配列パターン(例えば、ルーレット配列パターン1や2)を表示しておき、S6020にてルーレット演出の最終結果が明白となるルーレット配列パターンに差替えるよう構成することを例示することができる。
また、本実施例では、ルーレット演出の最終結果が報知され得るタイミングを、補助遊技図柄が停止表示された後の所定期間経過時としているが、これには限定されず、補助遊技図柄が停止表示されるよりも前にてルーレット演出の最終結果を報知するよう構成してもよい。
<<保留情報事前判定・保留表示変更制御処理>>
次に、図24は、図17でのS6200のサブルーチンに係る、保留情報事前判定・保留表示変更制御処理のフローチャートである。先ず、S6202で、保留表示変更制御手段611は、装図保留情報一時記憶手段610内の補助遊技用装図保留カウンタ値を確認する。次に、S6204で、当該確認結果に基づき、補助遊技用装図保留カウンタ値が増加したか否か、換言すれば、補助遊技側の保留数(普通図柄に係る保留数)が増加したか否かを判定する。保留数が増加している場合(S6204:YES)、S6210で、当該増加した補助遊技側の保留に係る補助遊技側乱数に基づき、補助遊技図柄の停止図柄を事前判定する。
次に、S6212で、保留表示変更制御手段611は、当該事前判定結果に基づき、補助遊技図柄の停止図柄が「当り図柄L」であるか否かを判定する。停止図柄が「当り図柄L」であった場合(S6212:YES)、S6230で、当該増加した補助遊技側の保留に係る補助遊技用装図保留ランプの表示態様を、ルーレット演出が実行予定である旨を報知可能な特定表示態様に変更(例えば、白色から赤色に変色)し、次の処理(図17中のS6400の副遊技表示領域サイズ変更制御処理)に移行する。他方、S6212で停止図柄が「当り図柄L」でなかった場合(S6212:NO)、S6220で、所定の抽選確率(例えば、1/100)に基づき、補助遊技用装図保留ランプに係る特定表示態様への変更可否抽選を実行する。
次に、S6224で、保留表示変更制御手段611は、当該変更可否抽選に当選したか否かを判定する。変更可否抽選に当選した場合(S6224:YES)には、S6230に移行する一方、変更可否抽選に当選しなかった場合(S6224:NO)には、副遊技表示領域サイズ変更制御処理(S6400)に移行する。尚、S6204でカウンタ値が増加していない場合(S6204:NO)には、副遊技表示領域サイズ変更制御処理(S6400)に移行する。
<<副遊技表示領域サイズ変更制御処理>>
次に、図25は、図17でのS6400のサブルーチンに係る、副遊技表示領域サイズ変更制御処理のフローチャートである。まず、S6402で、演出表示領域サイズ変更制御手段617は、演出表示関連情報一時記憶手段612内のルーレット演出実行監視中フラグがオンであるか否か、換言すれば、ルーレット演出が実行中(又は実行待機中)の状況下であるか否かを判定する。このS6402でYESの場合、S6404で、当該実行中(又は実行待機中)のルーレット演出に係る最終結果を確認する。
次に、S6406で、演出表示領域サイズ変更制御手段617は、当該確認結果に基づき、ルーレット演出の最終結果が「補助遊技当選」であるか否かを判定する。ルーレット演出の最終結果が「補助遊技当選」であった場合(S6406:YES)、S6408で、ルーレット演出が実行中であるか否か(ルーレット演出の実行タイミングに到達したか否か)を判定する。このS6408でYESの場合、S6410で、演出図柄表示装置60の表示領域194において、「表示領域2」の表示サイズを「表示領域1」の表示サイズよりも拡大して表示し(欄外にて表示イメージを図示する)、次の処理(図17中のS6600の保留表示領域非表示制御処理)に移行する。
尚、S6402、S6406又はS6408でNOの場合、S6420で、演出表示領域サイズ変更制御手段617は、演出図柄表示装置60の表示領域194において、「表示領域1」の表示サイズを「表示領域2」の表示サイズよりも拡大して表示し(欄外にて表示イメージを図示するが、「表示領域2」を消去するよう構成してもよい)、保留表示領域非表示制御処理(S6600)に移行する。尚、S6406の、ルーレット演出の最終結果が「補助遊技当選」であるか否かを判定する処理においては、ルーレット演出の最終結果が「ハズレ」又は「主遊技当選」の一部においても当該判定をYESとするよう構成してもよい。
<<保留表示領域非表示制御処理>>
次に、図26は、図17でのS6600のサブルーチンに係る、保留表示領域非表示制御処理のフローチャートである。まず、S6602で、演出表示領域サイズ変更制御手段617は、演出表示関連情報一時記憶手段612内の装図変動中フラグがオンであるか否かを判定する。装図変動中フラグがオンである場合(S6602:YES)、S6604で、演出表示関連情報一時記憶手段612内に一時記憶された副遊技側の変動態様及び装図変動時間管理タイマ608のタイマ値に基づき、装飾図柄の変動状況を確認する。
次に、S6606で、演出表示領域サイズ変更制御手段617は、当該確認結果に基づき、リーチ(ここでは何れかのスーパーリーチ)後の所定期間内であるか否かを判定する。ここでいうリーチ後の所定期間は、主遊技側の遊技結果(装飾図柄の停止図柄内容)が如何なる結果となるかが興趣性の高い演出によって表現されている期間である。リーチ後の所定期間内である場合(S6606:YES)、S6608で、演出図柄表示装置60の表示領域194において、「表示領域1」の表示サイズが「表示領域2」の表示サイズよりも拡大して表示されている期間中であるか否かを判定する。このS6608でYESの場合、S6610で、「表示領域1」の表示サイズを演出図柄表示装置60上の全面に拡大すると共に、第1(第2)主遊技用装図保留表示ランプの表示領域(ここでは第1保留数表示部196と第2保留数表示部197)を、視認困難な状態に縮小する。
なお、演出図柄表示装置60で補助遊技用装図保留表示ランプの表示(第1保留数表示部196や第2保留数表示部197の表示)を行う場合には、これを縮小するようにしてもよい。さらに、縮小される対象に「表示領域2」を含めてもよい。また、縮小する代わりに消去してもよく、更に縮小の後に消去するようにしてもよい。なお、消去には、対象となる画像の透明度を100%としたり、遊技者が視認できない程度に低い透明度とすることなどを含む。また、所定のリーチであるスーパーリーチのことを、スペシャルリーチ、SPリーチ、或いはSリーチなどという場合もある。
次に、S6612で、保留表示領域復活表示制御手段618は、メイン側情報一時記憶手段602を参照し、現在の遊技状態が非時短遊技状態中であるか否かを判定する。現在の遊技状態が非時短遊技状態中である場合(S6612:YES)、S6614で、装図保留情報一時記憶手段610内の第2主遊技用装図保留カウンタ値を確認する。次に、S6616で、当該確認結果に基づき、補助遊技用装図保留カウンタ値が増加したか否か、換言すれば、補助遊技側の保留数が増加したか否かを判定する。尚、当該判定処理は、第2主遊技始動口電動役物が、特殊開閉態様を実行している期間中において第2始動入賞口63に入球したか否かを判定する処理としてもよい。
補助遊技用装図保留カウンタ値が増加している場合(S6616:YES)の場合、S6618で、保留表示領域復活表示制御手段618は、主遊技用装図保留表示ランプ(特に、第2保留数表示部197)の表示領域を、視認困難又は不能な状態から、視認容易な状態へと拡大表示し(又は視認可能となるよう再表示してもよい)、例えば演出図柄表示装置60の全面に拡大表示されている「表示領域1」の最前面にて表示し、次の処理(図17中のS6800の特別遊技中表示制御処理)に移行する。
他方、S6606又はS6608でNOの場合、S6630で、演出表示領域サイズ変更制御手段617は、S6610にて実行された表示領域サイズの変更処理を終了し、当該変更処理実行前の表示状態に復帰させ、特別遊技中表示制御処理(S6800)に移行する。尚、S6602、S6612又はS6616でNOの場合には、特別遊技中表示制御処理(S6800)に移行する。
<補助遊技に係る演出制御の多様性>
上述のように本実施例のぱちんこ遊技機10においては、第2始動入賞口63の普通電動役物に関して、非時短時の特殊開閉(通常時長開放)態様が採用されており、更に普通図柄に係る演出として、ルーレット演出が採用されている。そして、通常時長開放態様とルーレット演出とが、後述するように他の機能と組み合わされて実行される。ここで、ルーレット演出は、前述のように、普通図柄と特別図柄の双方に係る演出を統合して行える機能を有するものであり、普通図柄の当りへの期待を高揚させるため機能(普図煽りの機能)、及び、特別図柄の当りへの期待を高揚させるための機能(特図煽りの機能)の双方を兼備している。したがって、ルーレット演出は、特別図柄と普通図柄に兼用して用いられる演出といった意味で、例えば「特普兼用演出」などと呼ぶことができ、以下ではルーレット演出のことを「特普兼用演出」と称する場合がある。
なお、後述するように、「特普兼用演出」は、特別図柄及び普通図柄に係る選択肢を織り交ぜて表示するもののみではなく、普通図柄に係る選択肢のみが表示される演出態様と、特別図柄に係る選択肢のみが表示される演出態様とが選択的に実行されるようなものも含んでいる。
<<特別図柄に係る演出の禁止区間に係る制御態様>>
本実施例では、サブメイン基板301にて決定される特別装飾図柄の一部の変動パターン(例えばSPリーチの演出を含むような変動パターン)には、特普兼用演出の表示が可能な期間と、不可能な期間(特定の特図予告演出に係る特定期間である禁止区間)とが設けられている。そして、該当する特別図柄用の演出パターンにおいては、特普兼用演出の表示が可能な期間でなければ、特普兼用演出の少なくとも一部が実行されないようになっている。つまり、特普兼用演出の表示が不可能な期間においては、特普兼用演出の全て、又は一部の演出が実行されない。図27(a)は、このような制御態様の一例を示している。この図27(a)に示す制御態様は、普通図柄の変動開始を契機としてしか特普兼用演出が実行されないものである。さらに、この制御態様は、図中のAのように演出が出せる区間での演出内容と、Bのように演出が出せない区間での演出内容とに分けることができる。また、A及びBの何れの場合の演出内容についても、(1)の通常時長開放に当せんしている場合と、(2)の普通図柄が通常時長開放に非当選もしくは通常の短開放(超短開放)で変動表示の信頼度示唆を行う場合とで、異なる手順で演出が行われる。なお、ここでいう「信頼度」は、特別図柄に係る大当りの信頼度を意味している。
先ず、図中Aの演出が出せる区間での演出内容について、(1)で示す通常時長開放に当せんしている場合には、左から順に示すように、普通図柄の変動表示の開始があった際、このときに特別図柄に係る演出も併せて実行されているものとする。そして、特別図柄に係る演出が実行されている最中に、通常時長開放が確定し、通常時長開放に当せんしたことを報知する内容の特普兼用演出が実行される。
一方、(2)で示す普通図柄が通常時長開放に非当選もしくは通常の短開放で変動表示の信頼度示唆を行う場合には、左から順に示すように、普通図柄変動開始があった際、上述の場合と同様に、このときに特別図柄に係る演出も併せて実行されているものとする。そして、特別図柄に係る演出内において、大当りの信頼度に係る示唆を行う演出が実行される。
また、図中Bの演出が出せない区間での演出内容について、(1)で示す通常時長開放に当せんしている場合には、普通図柄変動の開始の後、前述のように特普兼用演出のキャンセルがされる場合なども含めて、通常時長開放を行うことが確定するまで通常時長開放機能に対応する画像の表示はされず、その後、通常時長開放が確定したときに、このときの演出内で確定したことの報知がされる。そして、普通電動役物が開放し、通常時長開放の当せん時の演出が実行される。
一方、(2)で示す普通図柄が通常時長開放に非当選もしくは通常の短開放で変動表示の信頼度示唆を行う場合には、普通図柄変動開始の後、通常時長開放に係る演出は継続して非表示のままとなる。。
上述の一例のように、本実施例では、一部のパターンの特別図柄用の演出について、特普兼用演出の表示が可能な期間と、不可能な期間とが設けられている。そして、該当する特別図柄用の演出パターンにおいては、特普兼用演出の表示が可能な期間でなければ、特普兼用演出の少なくとも一部が実行されないようになっている。このような態様の更なる具体例としては、前述の補助遊技用遊技内容決定処理(S5900)において説明したような、特別図柄に係る変動時間との関係に基づき特普兼用演出を行わないことを決定するもの(S5932〜S5952など参照)のほか、特別図柄に係る演出パターンの内容に応じて特普兼用演出の実行の可否を決定し、例えば所定のキャラクタが登場する期間は特普兼用演出を実行しないものなどが挙げられる。
また、後述するような特別図柄に係る連続予告との組み合わせにおいては、例えば、特普兼用演出を複数回の変動に亘って連続させることが決定されたとしても、特別図柄に係る所定の演出パターン(第1の特定変動パターン)の後に、これに続く内容の他の所定の演出パターン(第2の特定変動パターン)が連続して実行されることが決定されていれば、先の回の変動中にのみ特普兼用演出を登場させ、後の回の特普兼用演出はキャンセルする、といった態様を例示できる。
さらに、特別図柄に係る1回の変動中についても、以下のような禁止態様を例示できる。すなわち、特別図柄に係る1回の変動中について、原則的に特普兼用演出の表示が可能な期間と不可能な期間とを設け、相対的に多くの割合で、特普兼用演出の表示が可能な期間でなければ、特別図柄に係る予告演出の重畳が行われないようにする。これにより、特普兼用演出と特別図柄に係る予告演出との間に統一性を持たせる(制約パターン1)。しかし、大当りのように相対的に低い割合で発生する状況においては、原則的には特普兼用演出の表示が不可能な期間であっても、特別図柄に係る予告演出(高期待度の大当り予告など)を実行する(制約パターン2)。このようにすることにより、通常であれば発生しない区間にて大当り予告が発生した場合には、大当りになり易いというような法則性を、遊技者に認識させ得るようになる。
<<普通図柄の先読み演出に係る制御態様>>
本実施例では、通常時長開放に係る特普兼用演出(ルーレット演出)は、普通図柄の先読み演出としても実行可能となっている。すなわち、前述の表示制御手段603は、普通図柄に係る先読み演出の機能を有しており、その時に実行される普通図柄に係る変動表示(又は実行されている変動表示)に関する抽選結果と、メイン基板102の事前情報通知手段157(図5参照)により予め通知されてバッファ領域に格納した普通図柄に係る保留抽選結果とにしたがって予告演出に係る制御を行う。具体的には、将来時点において図柄変動が行われる保留抽選結果における普図当りの発生有無を示唆するための前兆となる予告演出(普通図柄の先読み演出)を、所定の確率で予告抽選に当選した場合に表示させる。
この普通図柄の先読み演出に係る制御態様においては、各変動表示の際に、普通図柄作動可能回数をそれぞれ設定し、変動開始時に普通図柄作動の何回目に特普兼用演出を行うかが決定される。さらに、決定された回数に応じて、先読み演出として、通常時長開放を行うか否かの期待を煽るための演出を行う。ここで、先読み演出を行っている間は、特別図柄に係る当りの信頼度に係る予告演出の抽選は行われない。さらに、先読み演出を行っている間は、特普兼用演出で、特別図柄に係る大当りの期待度(特図大当り期待度)を示す予告演出の抽選は行われない。
なお、これらの予告演出の抽選を行わない変動表示は、特普兼用演出の当せんに対応した保留記憶情報に係る普通図柄の変動表示(普通図柄に係る当該変動、犯人保留、又はトリガ保留などと称することもある。)よりも先に消化予定の(先読み演出を実行する)変動表示であるといえる。また、特普兼用演出は、犯人保留(当該変動、トリガ保留等)にて行われる演出であるということができ、更に、特普兼用演出に対する先読み演出として行われる演出は、特普兼用先読み演出と称することができる。
図27(b)は、先読み抽選に係る演出の手順を示している。この制御態様においては、図中の右端上段に示すように、最終的に特普兼用演出が実行される場合と、図中の右端下段に示すように、最終的に特普兼用演出が実行されない場合とに結果が分かれている。図中上段に示す最終的に特普兼用演出が実行される場合においては、図中左端から順に示すように、例えば4個目の保留に係る抽選で特普兼用演出に当せんしたとすると、変動表示が順次終わり、3個目から1個目の保留にシフトしていく間には、特普兼用演出に係る所定の先読み演出が実行される。そして、特普兼用演出の当せんに対応した保留記憶情報に係る普通図柄の変動表示(当該変動)が開始されると、当せんの抽選結果を報知するための特普兼用演出が実行される。
一方、図27(b)中の右端下段に示すように、最終的に特普兼用演出が実行されない場合においては、図中左端から順に示すように、例えば4個目の保留に係る抽選で特普兼用演出にはずれた(ガセ入賞した)とすると、上述の最終的に特普兼用演出が実行される場合と同様に、変動表示が順次終わり、3個目から1個目の保留にシフトしていく間には、先読み演出に係る抽選結果に応じ、特普兼用演出に係る所定の先読み演出が実行される場合と、実行されない場合とに分かれる。図27(b)に示す例では、3個目にシフトした際には先読みに係る抽選に当せんして先読み演出が実行されるが、2個目と1個目にシフトした際には、先読みに係る抽選にはずれて先読み演出が実行されない場合もあることが示されている。そして、当該変動においては、特普兼用演出は実行さない。
ここで、特普兼用演出の態様と、普通図柄に係る保留(普図保留)、及び普通図柄に係る変動表示(普図変動)との関係は、種々に設定が可能である。例えば、特普兼用演出にて特別図柄に係る大当り等の期待度(特図期待度)を報知する場合は、普図保留がなくとも良いし、普図変動が行われなくてもよいが、特普兼用演出にて普通図柄に係る大当り(普図大当り。ここでは通常時長開放の当せんを指す。)を報知する場合は、普図保留及び普図変動の少なくとも一方があることを必要とし、普通図柄に係るはずれ(普図はずれ。ここでは通常時長開放にはずれて超短開放に当せんした場合を指す。)を報知する場合は、普図保留及び普図変動の一方もしくは両方がなくてもよい、といった制御態様を採用することが可能である。このように普図保留及び普図変動の双方を必要とする機会が少なくなるような条件設定を行うことにより、普図保留及び普図変動の一方のみしかない場合や、両方がない場合でも特普兼用演出が行われることになり、特普兼用演出の機会を多く確保でき、演出頻度を高くすることが可能となる。
また、例えば、特普兼用演出にて特図期待度を報知する場合、普図大当りを報知する場合、及び普図はずれを報知する場合の何れにおいても、普図保留及び普図変動の少なくとも一方があることを必要とする、といった制御態様を採用することが可能である。このように普図保留及び普図変動の何れか一方を必要とする条件設定を行うことにより、例えば遊技者が、普図保留及び普図変動がない場合の特普兼用演出は何れの当りにもならないという印象を抱くような、所謂先バレを防止し得るようになる。
<<演出の禁止区間と他の演出との組合せに係る制御態様>>
また、本実施例においては、前述のような特普兼用演出の禁止区間の設定と、先読み演出(及び連続予告)とを連携させた演出制御が実行される場合がある。図28はこのような演出制御の一例として、特普兼用演出に係る実行態様の決定を行う際の手順を示したものである。図28中においては、先ず、特別図柄に係る所定の予告演出の実行が決定されているか否かが判定される(S7001)。そして、所定の予告演出が実行されない状況であれば(S7001:NO)、特普兼用演出の実行が可能な期間中であるか否かの判定の処理(S7002)に進み、所定の予告演出が実行される状況であれば(S7001:YES)、この特普兼用演出に係る実行態様の決定の処理を終えて、その後に続く演出制御が実行される。
上述のS7002において、特普兼用演出の実行が可能な期間中であることが判定されれば(S7002:YES)、特普兼用演出の実行が抽選により決定されているか否かが判定され(S7003)、特普兼用演出を実行することが決定されていれば(S7003:YES)、どの態様で特普兼用演出を実行するかの抽選が行われる(S7004)。なお、上述のS7002で、特普兼用演出の実行が可能な期間中でないことが判定された場合(S7002:NO)、及び、S7003で、特普兼用演出の実行が決定されてないことが判定された場合(S7003:NO)には、この特普兼用演出に係る実行態様の決定の処理を終えて、その後に続く演出制御が実行される。
さらに、S7004で決定された特普兼用演出の態様が、所定の態様(ここでは「第2の特普兼用演出」と称する)であるのか、それとは異なる内容を報知する態様(ここでは「第1の特普兼用演出」と称する)であるのかが判定(S7005)され、第2の特普兼用演出であった場合(S7005:YES)には、演出期間の抽選が行われ(S7006)、何回の変動表示にわたって特普兼用演出を実行するか決定される。さらに、演出期間の抽選結果が、予告演出内容の開始から終了までが数回の変動表示にわたる連続予告(連続演出)であるか否かが判定され(S7007)、判定結果が連続予告であった場合(S7007:YES)には、演出期間の抽選結果に対応した連続予告に係る制御が実行される(S7008)。ここで、第1の特普兼用演出や第2の特普兼用演出としては、例えば前述の各種ルーレット演出を、その演出態様の特性を活かして適用することが可能である。さらに、より具体的には、第1の特普兼用演出は、そのときの特図変動(当該特図変動)に対して行われる特図大当り期待度を示唆する演出とし、第2特普兼用演出は、複数回の特図変動にて行われる普図大当り(通常時長開放を行う当り)の有無を煽る演出とすることが可能である
一方、上述のS7005の判定結果が、第2の特普兼用演出ではなく、第1の特普兼用演出であった場合(S7005:NO)には、特別図柄に係る1回の変動表示内で、特別図柄に係る大当り期待度を示唆する演出内容の開始から終了までが実行される演出(ここでは「通常演出」と称する)に係る制御が行われる(S7009)。また、S7006の演出期間の抽選結果が連続演出でなかった場合にも、通常演出に係る制御が行われる(S7009)。
上述のように本実施例では、通常時長開放に係る特普兼用演出(ルーレット演出)は、特別図柄図柄の先読み演出としても実行可能となっている。先読み演出は、前述のように装飾図柄表示制御手段604により、その時に実行される変動表示(又は実行されている変動表示)に関する抽選結果と、メイン基板102の事前情報通知手段157(図5参照)により予め通知されてバッファ領域に格納した保留抽選結果とにしたがって行われるものである。そして、先読み演出との組合せによって、特普兼用演出を多様化でき、特普兼用演出に係る興趣性を向上させることが可能となっている。
<<演出態様の切り替えに係る各態様>>
普通図柄又は特別図柄に係る先読み演出に何れにおいても、特普兼用演出を用いた先読み演出には、前述の連続予告の一態様として特普兼用演出を含むものが設けられている。本実施例においては、普通図柄の変動開始(普図変動開始)を契機として、特普兼用演出の開始タイミングが定まり、更にこの時の選択対象となる特普兼用演出には、複数回の変動に亘って継続する可能性が与えられたものがある。
このような連続予告に係る連続演出の可能性を与えられた特普兼用演出としては、例えば、前述のルーレット演出1を、所定の確率で、複数回の変動の度に繰り返し実行する態様が考えられる。また、この他にも、所定の確率で、例えば最初の回の変動でルーレット演出1(又はルーレット演出2)を実行し、次の回の変動でルーレット演出2(又はルーレット演出1)を実行し、更にその次の回でルーレット演出3を実行する、といった態様も考えられる。さらに、複数回の変動に亘って、1つの種別のルーレット演出を実行する態様も考えられる。
さらに、本実施例においては、以下のような制御態様も含まれている。すなわち、連続予告が実行されている場合に、特別図柄に係る遊技結果の報知を主要な目的としている演出態様(例えばルーレット演出3)による特普兼用演出が行われると、その後の回の変動では、特普兼用演出の演出態様の変更を行わない。このような演出制御の態様によれば、大当りの期待の高い演出の後に期待度が低い演出が出現してしまって遊技者が期待を持てなくなる、といったことを防止できる。なお、上述のような特普兼用演出の演出態様に係る変更の禁止が、100%の確率ではなく、100%未満の確率で行われるよう、用いられる振分けテーブルの設定を行ってもよい。
また、本実施例では、特別図柄に係る遊技結果が何らかの当りとなる場合には、特普兼用演出の実行が決定されても、特普兼用演出はキャンセルされて表示されず、特別図柄の遊技結果に係る演出のみが実行される。つまり、特普兼用演出と、特別図柄の遊技結果に係る演出との関係においては、特別図柄の遊技結果に係る演出の実行が優先されている。なお、普通図柄に係る遊技結果が、普通電動役物の作動に係る当せんであった場合も同様に、特別図柄の遊技結果に係る演出の実行が優先されている。また、このような特別図柄の遊技結果に係る演出の優先が100%未満の確率で実行されるよう、用いられる振分けテーブルの設定を行ってもよい。
さらに、本実施例では、普通図柄に係る演出として連続予告が実行される場合もある。そして、この普通図柄に係る連続予告が実行されている場合には、特別図柄に係る予告演出についての抽選は実行されない。また、このような普通図柄に係る連続予告の優先が100%未満の確率で実行されるよう、用いられる振分けテーブルの設定を行ってもよい。さらに、特別図柄に係る予告演出についての抽選を実行し、抽選された予告演出をキャンセルするようにしてもよい。なお、特別図柄に係る遊技結果が何らかの当りとなる場合であっても、このように普通図柄に係る連続予告を優先することが可能である。また、前述の特別図柄に係る連続予告に対応させて特普兼用演出を連続して表出させる場合も、特普兼用演出の連続した表示を、特別図柄の遊技結果に係る予告演出に優先させてもよい。さらに、特普兼用演出を連続して表出させる演出態様を、普通図柄に係る連続予告として捉えることも可能である。
なお、ルーレット演出の演出態様としては、図21中の副遊技テーブル2−2に例示したようなもののほか、例えば普通図柄に係る遊技結果の選択のみが行える内容のものや、特別図柄に係る遊技結果の選択のみが行える内容のものを採用することも可能である。そして、普通図柄に係る遊技結果の選択のみが行える内容のものとしては、例えば「○」と「×」の記号をルーレットの区分毎に、「×○×○」のように交互に所定数(ここでは4つ)並べて表示し、ルーレットが「○」の記号で停止した場合には通常時長開放が行われ、「×」の記号で停止した場合には通常時長開放が行われないもの(もしくは前述の当り図柄Sに対応した開放パターンである通常時短開放が行われるもの)とすることが考えられる。
また、特別図柄に係る遊技結果の選択のみが行える内容のものとしては、例えば「当」の文字と「×」の記号をルーレットの区分毎に「×当×当」のように交互に所定数(ここでは4つ)並べて表示し、ルーレットが「当」の文字で停止した場合には特別図柄に係る大当りの発生期待度が高く、「×」の記号で停止した場合には大当りの期待度が低いものとすることを例示できる。
さらに、特普兼用演出の表示上の期待度を調整するために、上述の「○」の記号や「当」の文字の区分の割合を相対的に多くし、例えば「○○×○」や「当当×当」といった特普兼用演出の表示も可能である。これらのうち「○○×○」の態様は、特別図柄に係る当否抽選結果に基づいて選択される可能性よりも普通図柄に係る当否抽選結果に基づいて選択される可能性が高く、「当当×当」の態様は、普通図柄に係る当否抽選結果に基づいて選択される可能性よりも特別図柄に係る当否抽選結果に基づいて選択される可能性が高いものである。また、前述のルーレット演出3のように特別図柄に係るもののみでなく、普通図柄用演出の内容を、全て当りとなるように「○○○○」のようにすることも可能である。また、特普兼用演出の選択傾向についても、ルーレット演出3について説明したような大当りの場合のみ選択されるといったものだけでなく、複数の特普兼用演出の演出態様における選択傾向を、用いられるテーブルの内容の設定により、より緻密に振り分けてもよい。
また、例えば、特普兼用演出の実行の有無や、演出態様の決定を、前述の補助遊技用副遊技表示内容決定処理(S5800)のような、普通図柄に係る処理においてのみではなく、主遊技用副遊技表示内容決定処理(S5400)などのような、特別図柄に係る処理において決定してもよい。そして、普通図柄に係る処理において特普兼用演出の実行が決定される場合には、通常時長開放に係る当り図柄(「○」など)が多く選択肢として含まれるルーレットの演出態様が選択され易く、特別図柄に係る処理において特普兼用演出の実行が決定される場合には、大当りに係る当り図柄(「当」など)が多く選択肢として含まれるルーレットの演出態様が選択され易いよう、テーブル内容を設定することが考えられる。
なお、上述のように特別図柄に係る処理において特普兼用演出の実行の有無等を決定する際には、メイン基板102において、普通図柄が変動中であるか否かの判定を行い、変動中である場合に、特普兼用演出の実行の可否や演出態様を決定することが考えられる。また、普通図柄の変動は、特別図柄に比較して頻繁に行われるのが通常であるので、メイン基板102において、普通図柄が変動中であるか否かの判定を行わずに、特普兼用演出の実行の可否や演出態様を決定することも考えられる。
また、普通図柄の変動開始と特普兼用演出の開始とについては、本実施例では特普兼用演出の実行の有無が、普通図柄に係る当否抽選結果を参照して決定されているため、特普兼用演出は、そのような意味において、普通図柄の変動を契機として開始されるものであるといえる。
また、特普兼用演出の態様としては、ルーレット状のもの(直線状、マトリクス状、ホイール状など)のほか、例えば人物などが登場して何らかのストーリーを展開するもの、ルーレットと登場人物等の組み合わされたものなども採用が可能である。さらに、連続予告用の特普兼用演出の演出態様を設ける場合には、演出態様を、演出内で展開されるストーリーが、最後の回の変動の際に結末を迎えるもの、途中の回の変動で一つの結末を迎え、一旦終わったように見せたストーリーがその後の変動で再開や発展するもの、毎回の変動毎に結末を迎えるもの、などとすることが考えられる。
<<超過入賞演出演に係る各態様>>
本実施例に係るぱちんこ遊技機10においては、前述のように超過入賞演出の機能が搭載されており、通常時長開放の際に第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63で発生した保留上限値に達した状況下でのオーバーフローの入球に対して、所定の超過入賞演出が実行される。超過入賞演出の一例としては、第1始動入賞口62について超過入賞が発生する度に、演出図柄表示装置60の表示領域194において、図29(a)中に示すように、超過入賞に係る特定オブジェクトとしての白い風船(バルーン)650が画面下部から現れて画面上部に溜るものを挙げることができる。
本実施例における超過入賞演出に係る制御態様においては、普通図柄の状態により特図1又は特図2のオーバーフローがカウントされ、例えば普通図柄に係る抽選の確率が低確率の場合(開放延長機能未作動時)、特図1のオーバーフローが発生するとバルーン650が増える。一方、普通図柄に係る抽選の確率が高確率の場合(開放延長機能作動時)、特図2のオーバーフローが発生するとバルーン650が増える。表示されたバルーン650は、ボタン押下(ボタン操作。ここでは操作ボタン82の押下。十字キー等であってもよい。)を行うことにより、遊技者が割ることができ、バルーン650が割れると当該変動の信頼度示唆を行うための文字が表示される。表示されるバルーン650の基本色は上述のように白色であり、変動開始もしくは変動中に他の色や模様などに変更される場合がある。ここで、特図1に対応するバルーンの基本色と、特図2に対応するバルーン650の基本色とを異ならせるといったことも可能である。
表示されたバルーン650の数が規定数に達した場合、もしくはボタン押下が行われた場合には、バルーン650は割れて消化(削除)される。バルーン650の表示数には制限が設けられており、本実施例では、規定数は10個となっている。すなわち、バルーン650の数に係る規則(所定規則)が設けられており、この所定規則に従い、画面中のバルーン650の数が10個に到達すると、古い順(画面中に早く現れた順)に画面上部へバルーン650が消えていく。バルーン650が画面上部へ消える際は、信頼度表示をせずに消える。大当り中以外であれば、ボタン押下によりバルーン650を割ることが可能である。なお、図29(a)においては、7個のバルーン650が画面に現れた状態が示されている。
また、バルーン650の色は抽選により変化する。さらに、ボタン押下により表示される文字の内容は、バルーン650の色や、そのときの特別図柄に係る演出の変動パターンなどに基づいて異なっている。
すなわち、超過入賞演出については、前述の操作ボタン82を用いるボタン演出や先読み演出とも関係が規定されている。そして、第1の始動入賞口62又は第2の始動入賞口63に係る保留記憶の中に大当りの情報が含まれているような場合には、ボタン演出によって遊技者が操作ボタン82を操作することにより、少なくとも一つのバルーン650の態様が、特別図柄の当せんに係る期待度を報知する態様(特殊態様である特別遊技移行期待度報知態様)に変化する。ここで、特別遊技移行期待度報知態様として、前述のように、バルーンが割れて文字が表れるものを例示できる。また、特別遊技移行期待度報知態様について、より具体的には、特別遊技移行期待度報知態様が報知又は示唆するものは、その時の特別図柄に係る変動表示(当該特図変動)の大当り期待度でも良いし、変動が留保されている保留記憶情報に係る特図変動の大当り期待度でも良い。
なお、特別遊技移行期待度報知態様としては、バルーン650の色が、大当りの期待度に応じて、緑、黄、赤、金となったり、バルーン650の模様が動物柄などになったりすることを例示できる。さらに、操作ボタン82以外に例えばタッチパネルなどの遊技者操作手段を用いることも可能である。また、操作ボタン82に代えて、或いは、操作ボタン82と併用して、例えば遊技盤50に配置されて遊技者の手などの接近を検出可能な非接触式の遊技者操作手段を備えてもよい。
表示領域194中におけるバルーン650の移動経路は、制御上、連続して並んだ複数位置に区分されている。そして、バルーン650の表示態様の変化に関し、画面中に現れた何個目のバルーン650であるかに応じて、変化する位置が予め決められている。本実施例では、バルーン650の移動経路上の位置は、制御上、画面の下部から上部に向かって順に所定数(例えば17)に区分されており、最初の1個目として画面に現れたバルーン650は、第1番目、第11番目、第12番目の区分の位置で、上述の特別遊技移行期待度報知態様に変化することが可能となっている。また、例えば、2個目に画面に現れたバルーン650については、第2番目、第13番目、第14番目の区分の位置で変化可能であり、10個目に画面に現れたバルーンについては、第10番目、第16番目の区分の位置で変化可能となっている。
また、特殊態様(特別遊技移行期待度報知態様)に変化し得る超過入賞オブジェクト(バルーン650)が現れた結果、この特殊態様のバルーン650を含めて11個以上の同時表示を一時的に認めるといった緩和措置をとることも可能である。さらに、このように上述の所定規則に対する緩和措置について、適用の多様化を図ることが考えられ、例えば、所定の確率で、緩和措置を適用するか否かの抽選を行う、といったことを例示できる。また、普通図柄に係る抽せんの確率が高確率の場合に限り緩和措置を適用する、といった制御態様や、普通図柄に係る抽せんの確率が高確率の場合のほうが、通常確率の場合に比べて緩和措置が適用され易い(バルーン650の削除がされ難い)、といった制御態様も考えられる。
<<所定規則の適用の決定に係る制御態様>>
図30は、前述のような超過入賞演出に関して、バルーンの表示数に係る所定規則の適用を決定する手順の一例を具体的に示している。即ち、図30中においては、先ず、超過入賞(オーバー入賞)があったか否かが判定され(S7021)、超過入賞があった場合(S7021:YES)には、普通電動役物の開放延長機能が作動する特定遊技中であるか否かの判定が行われる(S7022)。なお、S7021で、超過入賞がないと判定された場合(S7021:NO)には、この超過入賞演出に係る実行態様の決定の処理を終えて、その後に続く演出制御が実行される。
上述のS7022において、特定遊技中であることが判定されれば(S7022:YES)、特別図柄に係る所定の演出(ここではスペシャルリーチ(SPリーチ))が実行されているか否かが判定され(S7023)、SPリーチ中であれば(S7023:YES)、そのときに表示されているバルーン650の数が9個以下であるか否かが判定される(S7024)。そして、表示されているバルーン650の数が9個以下である場合(S7024:YES)には、上述のS7021で判定された超過入賞に対応するバルーン650が追加表示され(S7025)、次の、バルーン650の表示態様の変化が可能か否かの判定に係る処理(S7026)に移行する。一方、S7024で、表示されているバルーン650の数が9個以下でないと判定された場合(S7024:NO)には、バルーン650の追加表示を行わずに(S7025)、次のS7026へ移行する。なお、S7022で、特定遊技中であると判定された場合(S7022:YES)、及び、S7023で、SPリーチ中であると判定された場合、この超過入賞演出に係る実行態様の決定の処理を終えて、その後に続く演出制御が実行される。
バルーン650の表示態様に係る変化が可能か否かの判定(S7026)おいては、前述の特別遊技移行期待度報知態様に変化させるためのボタン押下があったか否かが判定される。本実施例では、ボタン押下があった場合には対応する割込み処理が発生し、ボタン押下があったことを示すフラグが設定される。そして、S7026では、このボタン押下の有無を示すフラグの値が確認され、ボタン押下があった場合には、バルーン650の表示態様に係る変化が可能と判定する。
このS7026において、特別遊技移行期待度報知態様への変化が可能と判定された場合(S7026:YES)には、特別遊技移行期待度報知態様への態様変化を行うか否かの抽選が実行される(S7027)。続いて、この態様変化の有無の抽選に係る抽選結果の判定が行われ(S7028)、態様変化を行わない場合(S7028:NO)には、前述のバルーン650の数に係る所定規則を適用することが決定される(S7030)。また、S7026で、特別遊技移行期待度報知態様への変化が可能でないと判定された場合(S7026:NO)にも、所定規則を適用することが決定される(S7030)。一方、S7028で、態様変化を行うことが判定された場合(S7028:YES)には、前述のバルーン650の数に係る所定規則を適用せず緩和措置がとられることが決定される(S7030)。
図29(b)は、所定規則の適用の決定に係る他の制御態様を示している。すなわち、図29(b)に示す例においては、前述の図30に示す例と同様な各種の処理が採用されているが、態様変化の有無の抽選の処理(S7036)において、普通図柄の確率状態に基づいて、抽選が実行される。すなわち、このS7036の抽選においては、普通図柄用の当否抽選の当せん確率が高確率である状況と、低確率である状況とでは、態様変化を行う旨の抽選結果が得られる確率が異なるよう、当選値の設定が行われている。そして、高確率の場合には、低確率の場合に比べて、態様変化を行う旨の抽選結果に当せんし易くなっている。この結果、普通図柄が高確率の場合には、低確率である場合に比べて、特別遊技移行期待度報知態様になり得るバルーンに対し、所定規則に基づく削除がされ難いものとなっている。
ここで、バルーン650の態様や、バルーン650の態様と所定規則との関係について、以下ように規定することも可能である。すなわち、前述のようにバルーン650の彩色や模様等の表示態様が複数種類あり、例えば白や青は特別遊技移行期待度報知態様へ変化しづらいもしくは変化しても特図大当り期待度が低い表示態様であるが、赤や動物柄といった態様は、特別遊技移行期待度報知態様へ変化しやすいもしくは変化した場合に特図大当り期待度が高い表示態様とすることが可能である。なお、この場合は、特別遊技移行期待度報知態様が複数種類あること、言い換えれば、特図大当り期待度が異なる複数種類あることが望ましい。そして、上述のように、特別遊技移行期待度報知態様へ変化しやすいものや変化しているものについては、所定規則が適用されない若しくは適用され難い(言い換えれば、適用外となり易い、削除され易い。)といった制御態様の採用が可能である。また、特別遊技移行期待度報知態様へ変化し難いものや変化していないものについては、所定規則が適用されす若しくは適用され易い(言い換えれば、適用外となり難い、削除され難い。)といった制御態様の採用が可能である。さらに、特別遊技移行期待度報知態様として、バルーンが割れずに残る態様を採用した場合には、特別遊技移行期待度報知態様に変化したものも所定規則が適用され難い(適用外となり易い、削除され易い。)といった制御態様の採用が可能である。なお、所定規則が適用され難い、適用され易い、といった制御態様としては、所定規則の適用の有無を決定する抽選を行うとともに、所定規則の適用の有無の抽選に係る当せん確率を異ならせて行うことを例示することができる。
<<SPリーチとの関係>>
本実施例に係るぱちんこ遊技機10においては、前述のようにスペシャルリーチ(SPリーチ)中に保留表示領域(第1保留数表示部196や第2保留数表示部197)が消去等された場合であっても、通常時長開放があった際の第2始動入賞口63への入球に係る情報が新規表示される。つまり、本実施例においては、通常時長開放があった際の第2始動入賞口63への入球に係る情報は、表示の優先順位が特別図柄に係る保留表示等よりも高く設定されており、SPリーチ中であっても可視状態で表示が実行される。
新規表示される情報としては、本実施例においては、所定のキャラクタが登場し、台詞を表す吹き出しが表示され、この吹き出し中に例えば「1個入球!」や「2個入球!」等の文字などが表示されるものを例示できる。このときの個数表示は、通常時長開放の際の入球数に応じた表示であるが、表示される最大数を制限してもよく、その場合には第2特図に係る保留数が最大保留数(ここでは4個)に達するまでの個数を表示することが考えられる。また、SPリーチに係る演出が開始され、例えば第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63への入球があった場合には、第1保留数表示部196や第2保留数表示部197における表示は、上限の範囲内で、消去中に入球した分を追加した状態で再開される。
また、SPリーチ中に通常時長開放に係る特普兼用演出を実行する場合、表示結果がはずれとなる特普兼用演出が実行される割合は相対的に少なくなるよう振分けテーブルが設定されており、所謂ガセの特普兼用演出は殆ど現れることがないようになっている。つまり、SPリーチ中に特普兼用演出が発生した場合は、普通電動役物がほとんどの場合に「開放」状態となる。ここで、表示結果がはずれとなる特普兼用演出が全く実行されないようにすることも可能である。
なお、SPリーチ中にガセの特普兼用演出を行わない制御態様としては、例えば前述の「○」と「×」の記号を用いる態様を例にして説明すると、ルーレット上に「×」のコマを含んでいても、この「×」にはルーレットが停止しない制御を行うといったことが考えられる。さらには、何れかの態様の兼用演出を実行して通常時開放を行うことに限らず、例えば、通常時開放に当選した場合に、何れの兼用演出も実行することなく通常時開放を実行することも考えられる。
なお、SPリーチ中には、通常時長開放の抽選について、はずれの選択肢を有する演出態様のルーレットが選択されてもその実行はせずにキャンセル(カット)し、通常時長開放とならない選択肢を多くの割合(例えば1/3程度以上)で含む特普兼用演出は実行せず、最初から「開放」を多くの割合(例えば2/3程度以上)で示唆する特普兼用演出(開放前提演出)からスタートする、といった態様も採用が可能である。最初から「開放」を示唆する演出には、全ての選択肢が普通電動役物の開放を意味するものが含まれる。そして、例えば、開放する旨の演出(開放することを前提とした演出)を行った後に、やはり開放しないといった内容で進行する演出は、ここでいう開放前提演出に含まれる。なお、このような開放前提演出を行う場合、簡潔に、開放が確定している旨の演出だけ行うようにしてもよい。
特普兼用演出とSPリーチのような当たり信頼度が高い演出態様との関係に関しては、言い換えれば、以下のようにも説明できる。例えば、通常は、特普兼用演出は、普通図柄と常に同期しており(共通の基準を契機として演出が開始されており)、普通電動役物の開放示唆及び特別図柄の当否(期待度)示唆を表示する。そして、特別図柄に係る装飾図柄の演出パターンとの相関が強かった演出の開始タイミングを、普通図柄の変動にも影響を受けるものとすることで、その分遊技者にとって、いつ演出が行われるのかの予測が困難になっている。しかし、SPリーチのような信頼度が高い予告発生時等には、普通図柄の変動との相関の強い演出が実行される確率が低下する。
<<その他の各種制御態様>>
本発明に係るぱちんこ遊技機においては、更に以下に列挙するような各種制御態様を付加したり、相互に置換えて採用したりすることが可能である。
(1)普通図柄に係る当り図柄Lに当選した場合に、更に特普兼用演出を実行するか否かの抽選を行うようにしてもよい。例えば、図22中の当り図柄に当選したか否かの判定(S5904)とルーレット演出の最終結果の決定(S5910)との間に、ルーレット演出を実行するか否かの抽選を行うことを例示できる。
(2)前述の補助遊技テーブル3−1に示す例では、通常時長開放の際には、0.5秒の開放の後、0.5秒の閉鎖があり、その後に5.0秒の開放が行われるが、これに限らず、例えば、0.1秒の開放の後、0.5秒の閉鎖があり、その後に5.0秒の開放が行われる、といった態様の採用も可能である。
(3)前述の補助遊技テーブル3−1に示す例では、通常時長開放の際には、0.5秒と5.0秒の開放が行われ、時短時(開放延長機能作動時)には6.0秒の開放が行われるようになっている。しかし、これに限らず、例えば、通常時長開放の際の1回の開放時間のうちの最長のものを、時短時における1回の開放の最長時間よりも長く設定することが可能である。例えば、通常時長開放の開放パターンを「6秒×1回」とし、時短時の開放パターンを「2秒×3回」や「1秒×6回」などとすることが考えられる。このようにすることにより、通常時のほうが時短時よりも1回の最長開放時間が長くなり、入球に有利である、といった関係を形成できる。また、時短時における普通電動役物の開放パターンを、上述のように各回の開放における開放時間に差がない(或いは大差がない)ものとすることにより、最長時間の開放時のタイミングに合わせて遊技球を発射する所謂狙い打ちを防止できる。
(4)通常時長開放の際の第2始動入賞口63への入球に基づき実行される装飾図柄190a〜190cに変動表示や、これに重畳される予告演出として、第2の遊技専用の演出態様を備え、第1の遊技に係る演出態様との差別化を図ることも可能である。
(5)前述の連続予告(擬似を含む)との関係において、ルーレット演出の演出態様をルーレット演出1〜3の間で切換える態様を説明したが、擬似連の場合に限らず、一回の特別図柄(及び装飾図柄)の変動中に、特普兼用演出の演出態様を切り替えたり、同じ演出態様の特普兼用演出を繰り返したりすることも可能である。
(6)特普兼用演出における図柄配列を、演出途中から抽選により変化させる。
(7)先読み演出との関係に関して、通常時長開放中の第2始動入賞口63への入球に係る変動のみに対して行われる特殊演出として、先読み演出を行う。さらに、その先読み演出は、特図1に係るものとする。例えば、特図1の遊技に係る保留記憶情報に大当りの抽選結果が含まれている場合にはそれを示唆する先読み演出を行うが、特図2については、保留記憶情報に大当りの抽選結果が含まれていることを示唆する先読み演出を行わず、後の回の変動に係る予告演出を行わない。
(8)特図1の保留数に応じて、特図2の変動態様を異ならせる。これにより、特図1の保留数に応じて通常時長開放中の入球に係る演出に多様性を持たせることができる。特図2については、入球し易い状態になると保留数が上限数まで溜まり易いため、依存させるのは特図1保留数であるのがよい。
(9)特図1の保留数に応じて(例えば保留数が少ない場合に)、特普兼用演出の発生頻度を高める。このときの特普兼用演出は、当否に関係なく、ガセ演出まで含むものとする。
(10)複数回の変動表示に跨って特普兼用演出が跨る場合、ガセ演出を行わない。或いは、ガセ演出の出現頻度を相対的に低く設定し、ガセ演出が実行され難くする。さらに、通常時長開放に当せんしており、ガセ演出とはならない場合は、先の変動の停止から次回の変動の期間に重複しないよう、演出時間の短縮などの尺調整を行う。例えば、同一の図柄や図柄配列である形態のルーレットについて、演出時間の長さが、超長、長、中、短、超短などのように異なる複数の演出態様を用意しておき、変動時間の残り時間に応じて演出態様を演出時間が超短のものに差替えることなどを例示できる。
(11)特普兼用演出時は、特普兼用演出が行われない場合に比べて、遊技者ボタン操作を求める演出(ボタン演出)の発生頻度を下げる。これにより、注目させる演出をできる限り分散させず、特普兼用演出などに集中させたわかり易い表示とすることができる。また、ボタン演出が発生する場合は、特普兼用演出のガセ演出を行わない、或いは発生頻度を低くする、といったことも考えられる。
(12)変動時間中におけるタイミングの相違に応じて、はずれになる特普兼用演出の出現頻度を異ならせる。例えば、サブメイン基板301で決定される変動パターンにおける時間値の所定の区切り毎に判断を行う。具体的には、リーチ前であればガセ演出の頻度を上げ、SPリーチ中であれば、ガセ演出の頻度を下げる、といった態様を例示できる。また、リーチ前であればガセ演出の頻度を上げ、SPリーチ中であれば当り確定の演出を行う、といった態様も考えられる。
(13)普通図柄に係るの先読み演出に関して、普通図柄の保留数表示領域を演出図柄表示装置60の表示領域194上に設け(図25最下段のイメージ図を参照)、て先読み演出を行う。普通図柄に係る先読み演出としては、前述した色や模様に係る態様、実行タイミングに係る態様など、種々のものを採用できる。このようにすることにより、先読み演出により期待感を持たせるだけでなく、先読み演出を利用した遊技終了の目安表示にもなる。また、作動口68a,68b(又は第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63)での遊技球の検出を契機に、特普兼用演出の演出態様や表示領域(位置やサイズ)等を変化させ、普通図柄(又は特別図柄)に係る当り期待度を予告する。この場合には、作動口68a,68bでの遊技球の検出を契機に、特別図柄に係る当り期待度を予告することになる場合や、その逆に、第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63での遊技球の検出を契機に、普通図柄に係る当り期待度を予告することになる場合も含まれる。なお、普通図柄に係る選択肢及び特別図柄に係る選択肢の双方を表示しても、特別図柄に係る保留がない場合は、実質的に普通図柄のみに対する期待度の示唆しか行っていないことになるので、特図保留の有無により、先読み態様を切り替え、特図保留がない場合には、特別図柄に係る選択肢のない特普兼用演出の態様を選択することが考えられる。
(14)普通図柄と特別図柄の変動及び当否抽選を並列抽選のように見せる。並列抽選のように見せるために、普通装飾図柄の演出態様を、特別図柄に係る装飾図柄190a〜190cによる演出態様に近づけ、例えば3ケタの数字の変動表示及び停止表示を行うものとする。そして、特普兼用演出の態様としては、普通装飾図柄と併存させるものや、普通装飾図柄の表示を消去等し、特普兼用演出の表示を強調するもの、等が考えられる。
(15)上述のように並列抽選的に見せる場合、通常時長開放に当せんしている場合は、それまでの特別図柄に係る演出を主体的なものとして強調した演出態様から、普通図柄に係る演出を主体的なものとして強調した演出態様に変更する。主体的なものとして強調した演出態様としては、前述の表示領域1と表示領域2の関係のように(図25中のイメージ図を参照)、強調すべき演出に係る表示領域が示す割合を、他方の演出に係る表示領域が示す割合よりも小さくすることを例示できる。この場合、特別図柄に係る演出と、普通図柄に係る演出とは、特普兼用演出の多くの演出態様のように両者を統合的に表示しない態様(リンクしない態様)で表示されているといえる。このようにすることにより、特別図柄に係る演出及び普通図柄に係る演出のうち、主体となる演出の視覚的要素を高める(視認性を高める)ことができ、どちらの演出が現在の演出の遊技の主軸となっているのかが判りやすくなる。
(16)通常時長開放中の入球に係る変動が大当りであった場合、その特別図柄変動に係る演出と、特別遊技におけるラウンド演出とを繋げた形で演出を実行する。例えば、大当りとなる特別図柄変動中にボタン演出を実行し、遊技者に対し特別遊技中のBGMとなる楽曲の複数の中からの選択を促し、選択された場合には、選択された楽曲を特別遊技中の全体或いは特定の一部の期間で使用する、といったものなどを例示できる考えられる。このようにすることにより、特図2での大当りに特化した演出が可能となる。そして、第1の遊技及び第2の遊技の機能を備え、第2の遊技を第1の遊技に優先し、更に通常時長開放や特普兼用演出の機能を備えたタイプのぱちんこ遊技機について、その特性を更に活かした演出を行うことができる。また、このような演出態様によれば、特図2に係る遊技が優先消化されるため、途中で第1の遊技を実行するといった割り込みがなく、予定通りの連続性を保った演出が可能である。
(17)通常時長開放中の入球に係る保留記憶情報に係る変動時間の合計時間値を、当り/はずれにかかわらず同一とする演出を行う。すなわち、全てはずれだった場合の変動の合計時間値と、当りの保留記憶情報までの変動の合計時間値とが同じになるような、演出態様の組合せを行う。例えば、全てはずれだった場合の変動の合計時間値が保留4つ分で合計24秒であり、2個目の消化される保留記憶情報に大当りの情報が含まれる場合であれば、当りの保留記憶情報までの変動の合計時間値を、保留1つ目のはずれに関して6秒の演出を実行し、保留2つ目の大当りに対して18秒の演出を実行し、合計で24秒とする。そして、遊技者がこのような演出の相関を知覚し得るよう、例えば特別図柄に係るはずれの抽選結果を契機に、特別図柄に係る同一時間値のはずれの演出を多頻度で行い、その際に発生した大当りに係る演出については、変動時間値を、それ以前のはずれの演出に係る変動時間値と同じにする、といったことが考えられる。これらのような演出態様を採用した場合には、遊技者が、保留ごとに変動時間を確認し、保留がすぐ消化されて減るか、或いはすぐには減らないかを判定することで、当りか否かを予想可能とするような演出を行って、これを所謂違和感演出とすることも可能となる。一方、このような違和感を遊技者が知覚するのを防止したい場合は、演出図柄表示装置60に特別図柄に係る保留記憶数や装飾図柄を非表示とすることが考えられる。
(18)特図1又は特図2に係る保留記憶情報に当りの情報が含まれていることが判定された場合に、そのことを契機として、通常時長開放中の入球に係る変動時間を決定する。これは、通常時長開放を契機とした特別な演出に係る限定頻度テーブルを用いた制御態様の一例である。より具体的には、特図1又は特図2の保留記憶情報に大当りやSPリーチ等の特定情報(特定保留情報)が含まれることの判定を契機として、通常時長開放中の入球に係る変動に対し、限定頻度テーブルを用いた演出を実行する。このようにすることで、特定保留情報に係る遊技の実行に向けて変動時間値を決定することが可能となり、通常時長開放に係る連続演出の時間の管理が容易となる。そして、通常時長開放に係る連続演出の多様化が可能となる。
(19)演出図柄表示装置60での保留数表示が、SPリーチ中等のように非表示に切り替わる際に、通常時長開放中の入球に係る保留数表示領域を表示する。さらに、この通常時長開放中の入球に係る保留数表示は、通常時長開放を実行した場合に限り一時的に実行される。このようにすることで、どのような状況下でも、特図2に係る保留数を明確化できる。
(20)開放延長機能非(未)作動時の普通電動役物開放パターンとして、通常時長開放の際に、超短開放(例えば0.5秒)の後に超短開放の後の超長開放(例えば5.0秒)を行う場合には、超短開放直後の期間にて超長開放とするか否かの煽り演出(期待感を高めるための演出)を行う。前述の当り図柄Lでの当り、及び当り図柄Sでの当りのどちらも普通図柄に係る当りであるが、長短開放のみで終わってしまうか、超長開放に繋がるかといったように、その後の展開はまったく違うものとなる。前者の超短開放を擬似的なフェイク開放として演出のように用いることが可能となる。また、通常時長開放時における確定的報知(当選したか否かの報知)は、超短開放の後、且つ超長開放の前の期間(特殊演出期間)にて行う。このようにすることで、超短開放の後の展開を見守ることができる新たな演出が可能となる。なお、超短開放直後の期間は比較的短い時間(例えば約0.5秒)となっているから、演出内容も比較的短い時間で報知できるものであることが有効である。比較的短い時間で報知できる演出としては、例えば、既に表示されているオブジェクトの色や模様が変わる、オブジェクトが炎で覆われる、などといったものを例示できる。
(21)開放延長機能非作動時における普通図柄当りの種類比率と、開放延長機能作動時における普通図柄当りの種類比率とを異ならせる。例えば、開放延長機能非作動時は、普通図柄の当り図柄における、当り図柄Lと当り図柄Sとの比率を「1:1」(確率としては、例えば何れも1/110)とし、開放延長機能作動時は、当り図柄Lと当り図柄Sとの比率を「1:10」(確率としては、例えば当り図柄Lが1/11、当り図柄Sが1/1.1)とする。このことにより、開放延長機能非作動時は、通常時長開放となるか否かの煽りを可能な限り、多いか又は少ないの何れかに偏らせないようにすることができる。さらに、開放延長機能作動時は、長開放が過大となって、例えばベースが過多となってしまうようなことを防止できる。
<本実施例に係る発明の作用効果>
以上説明したように、本実施例に係るぱちんこ遊技機10によれば、サブメイン基板301に、特普兼用演出表示制御手段であるルーレット演出表示制御手段613を備えているので、特普兼用演出(ルーレット演出)により、普通図柄に係る遊技結果の予告(報知又は示唆)と、特別図柄に係る遊技結果の予告とを統合して行うことが可能である。そして、普通図柄及び特別図柄に係る遊技結果を、共通の演出媒体であるルーレット上において選択的に予告できる。また、特普兼用演出(ルーレット演出)は、普通図柄と同期しつつも、特別図柄に係る遊技結果の予告を行い得るものである。ここで、「同期」は、前述のように共通の基準(ここでは作動口68a(又は68b)での遊技球の通過の検出)を契機として演出が開始されるという意味を有するほか、他にも、両者の変動表示の開始タイミング及び停止タイミングの何れもが一致する、開始タイミングのみが一致する、停止タイミングのみが一致する、といったそれぞれの意味を含むものである。
さらに、特普兼用演出の実行時においては、主遊技図柄(特別図柄に係る装飾図柄)とは視覚的に分離した位置関係であること等により、主遊技図柄の変動態様の表示とは独立した形態で、普通図柄及び特別図柄に係る遊技結果の相関度の高い統合的な予告を行うことが可能である。
さらに、本実施例では、特普兼用演出は、特別図柄に係る遊技結果の予告が可能な態様のものである一方、特普兼用演出の表示開始のタイミングは、普通図柄の変動表示に基づくものである。したがって、特別図柄に係る抽選に関係づけられた演出(特普兼用演出)を、特別図柄の変動開始のタイミングとは分けて開始することができる。そして、遊技者に対し、特別図柄に係る遊技結果の予告のタイミングを把握し難くすることができ、その結果、不定のタイミングにて予告を行うことによる遊技の多様化が可能となる。
また、主遊技図柄が一の図柄変動を開始して終了させるまでの期間において、複数回(或いは複数種類)のルーレット演出が実行される態様においては、更なる演出の態様を創出することが可能となる。
また、本実施例においては、特普兼用演出で、特別図柄に係る遊技結果の予告に用いられる当せんの選択肢の表示態様は、「大入賞口開放」、「大当り!!!」、「当」のように多数設けられているのに対し、普通図柄に係る遊技結果の予告に用いられる当せんの選択肢の表示態様は「電動役物開放」や「開放!?」のみの限られたものとなっている。さらに、特図当選期待度を示唆しないルーレット表示(選択肢の図柄)と普図当選期待度を示唆するルーレット表示は、「─」や「×」のみである。したがって、これらのことによって、特別図柄に係る遊技結果の予告を、普通図柄に係る遊技結果の予告よりも多様性をもって行うことが可能である。
また、本実施例においては、特普兼用演出の実行可否が、特別図柄に係る保留数に基づき決定されるよう構成されているため(図22のS5922等を参照)、特別図柄に係る保留数に応じた特普兼用演出の実行が可能である。さらに、例えば実施例中で説明したように、第1抽選の保留数に当該保留数が比較的少ない状況下において特普兼用演出(ルーレット演出)の実行頻度を高めるよう構成することにより、第1抽選の特別図柄の図柄変動に係るガセ演出(単なる賑やかしの役割を担う演出)を低減させても、特普兼用演出(ルーレット演出)は頻繁に表れることになる。そして、このような場合には、遊技者にとっては、演出の興趣性が低下することがなく、且つ、特普兼用演出が現れれば普通図柄に係る遊技結果が当選となることへの期待感を抱くこともできるため、全体として遊技の興趣性を高めることが可能となる。
また、本実施例においては、特普兼用演出の実行可否を決定するに際し、主遊技図柄の図柄変動状況(特別図柄の図柄変動と連動して実行される装飾図柄の図柄変動状況)や当該図柄変動状況と連動して実行されている各種演出の実行状況を勘案し、これらの状況が遊技者にとって注視すべき状況である場合には、特普兼用演出の実行をキャンセルする或いは実行頻度が低減されるよう構成されているため(図22のS5932以降を参照)、遊技者が所望する情報の視認性を阻害することなく特普兼用演出(ルーレット演出)を実行することが可能となる。
また、本実施例においては、第2主遊技始動口電動役物が特殊開閉態様を実行するに際して、特殊開閉態様ではない開閉態様と略同一となる開閉動作を実行可能に構成されている。すなわち、図16中に示すように、非時短時の当り図柄Lに対応した普通電動役物の開放パターン(非時短時長開放パターン)と、非時短時の当り図柄Sに対応した普通電動役物の開放パターン(非時短時短開放パターン)とは、何れも駆動開始時の開放パターンが0.5秒の開放で共通している。このため、遊技者にとっては、普通図柄が停止表示された後、第2主遊技始動口電動役物の開放態様が当該開閉動作を行ったことを視認するのみでは、第2主遊技始動口電動役物が特殊開閉態様を実行しているか否かが判別困難となる。この結果、当該判別困難となる期間を利用して、特普兼用演出(ルーレット演出)の興趣性を更に向上させることが可能となる。
また、本実施例においては、第1始動入賞口62を用いた第1の遊技と、第2始動入賞口63を用いた第2の遊技とが行われ、第1の遊技と第2の遊技とで遊技者に与えられる利益状態が異なり、更に第2の遊技の抽選結果に係る遊技の実行が、第1の遊技の抽選結果に係る遊技の実行よりも優先されるゲーム性に対し、第2始動入賞口63の通常時長開放及び特普兼用演出が組み合されている。したがって、優先される第2の遊技に直接的に関係付けて通常時長開放及び特普兼用演出を行うことが可能であり、普通電動役物をより一層活用した遊技制御を実行できる。また、このような通常時長開放時における特図2入球に係る変動表示においては、特図1に係る演出では発生しない、もしくは発生する可能性が相対的に低い特別な演出を実行しても良い。
また、本実施例では、通常時長開放、特普兼用演出、超過入賞、及び超過入賞演出との関係が規定されている。そして、通常時長開放に伴い発生した超過入賞に対しては、特殊超過入賞演出が実行される。したがって、通常時長開放に係る演出の態様を多様化でき、興趣性の向上が可能となる。
さらに、本実施例では遊技領域52の左側と右側の2箇所に作動口68a,68bが設けられている、第1の遊技及び第2の遊技の双方にて通常時長開放機能を作動させることが可能である。
<ぱちんこ遊技機の基本的仕様に係る変形例>
なお、本発明は、上述の実施例に限らず、種々に変更することが可能である。例えば、演出図柄表示装置60として、複数の液晶表示器等を用いたものを採用してもよい。この場合、複数の表示器の配置として、互いに隣接させるもの、離間して配置するもの、一方を相対的に大型の表示器とし、他方を相対的に小型の表示器としたもの、少なくとも一つを通常は隠しておき演出内容に応じて出現させるもの、などを挙げることができる。さらに、例えば、装飾図柄190a〜190bの表示を一方の表示器で行い、他方の表示器に第1保留数表示部196及び第2保留数表示部197や、信号機198などを付帯的に表示するもの、複数の画面間で表示対象(キャラクタ、装飾図柄、保留数表示部、など)を移動させるもの、なども採用が可能である。
また、大当りの判定で大当りと判定された場合に、大当り図柄、確変の有無、時短の有無、普通電動役物の開放延長の有無、各種開始デモ開始時間、各種終了デモ時間、特別電動役物の作動パターンなどを決定し、その結果の参照は、全て纏めてではなく、これらの情報を必要とする各種制御処理中で個々に必要に応じたタイミングに分けて行うことが可能である。
また、特別遊技の開始後に、例えば遊技球が特定の領域を通過したことを契機に、確変の有無、時短の有無、普通電動役物の開放延長の有無、特別電動役物の作動パターンなどのうちの少なくとも何れか一つを決定するタイプ(「球確スペック」などともいう)のぱちんこ遊技機においては、例えば大当り終了デモの所要時間を、確変か非確変(通常)かといった遊技状態に応じて異ならせておき、大当りと判定された場合に、大当り終了デモ開始時に、決定された遊技状態に応じた時間で、大当り終了デモを実行することが可能である。
また、本実施例では、大当り中、或いは、小当り中以外であること、第1特別図柄192(又は、第2特別図柄193)が変動待機中であること、及び、変動開始対象となる特別図柄の作動保留球数が0以外であること、が変動開始の条件とされており、更に、第2始動入賞口63を用いる第2の遊技が第1の遊技に優先されている。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、第1の遊技を優先する構成や、何れかの遊技を優先させるのではなく、始動入賞が発生し保留記憶された順に、保留記憶を消化する構成なども採用が可能である。このうち、後者の入賞順に図柄変動を行うタイプのものにおいては、上述の各変動開始条件に加えて、例えば当否判定の順序と消化順序(入賞順)と一致していることを確認し、一致していることが確認できたことを変動開始条件の一つとすることが可能である。
さらに、上述のように第1の遊技及び第2の遊技の図柄変動を入賞順に行うタイプにおいては、一方の遊技が当せんしている場合には、他方の遊技の当否判定を行わないようにすることも可能である。ここで、他方の遊技の当否判定を行わない態様としては、先の当せんした遊技の大当り(小当りであってもよい)の遊技が終わるまでは、後の遊技の当否判定を行わない態様や、後の遊技の始動入賞を例えば当否判定については無効にする態様、などが考えられる。すなわち、これらの各種態様のように、複数の始動口を用いた場合の遊技の内容等の事情に応じて、図柄の変動開始の条件を適正に設定することが可能である。
また、前述の条件装置の作動終了後の遊技状態の記憶の順序について、適正な態様を設定することが可能である。例えば、特別図柄の確率変動、開放延長機能等、特別電動役物の開放パターン、変動パターンの選択状態(限定頻度パターンを含む)、開始デモ及び終了デモの時間の順に設定することが可能である。
また、本実施例では、前述のように、待機デモの表示要求をメイン基板102で行い、メイン基板102からサブメイン基板301へ客待ちデモコマンドを送信しているが、このコマンド送信に関する具体的態様として、大当り終了時(終了デモ終了時)、或いは、特別図柄の変動停止時、といった所定のタイミングでタイマをセットして計時を行い、特別図柄の変動待機中はタイマを減算し、タイマ値が0になった際に、待機デモのコマンド送信を行うことが考えられる。さらに、特別図柄の保留記憶がない場合に限り、待機デモのコマンドをサブメイン基板301へ送信するようにしてもよい。このように、待機デモのコマンド送信に関して、大当り終了や図柄の変動停止を計時の基準としたり、保留球数によって、コマンド送信の有無を変更することが可能である。
また、本実施例では、内蔵乱数にソフト乱数を加算した値を大当り判定で使用する当否乱数として用いているが、内蔵乱数とソフト乱数により構成される当否乱数の使用条件を遊技の状況に応じて定めることも可能である。例えば、始動口入賞があり、かつ、そのときの保留球数が最大値に達していないと判断した場合に、内蔵乱数とソフト乱数により構成される当否乱数を当否判定に用い、そのときの保留球数が最大値に達している場合には、例えばソフト乱数のみ(或いは内蔵乱数のみ)を当否乱数として用いることが考えられる。なお、本実施例では、取得された各種乱数の記憶は、当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数について行われているが、本発明はこれに限定されず、例えば、先読み演出機能の有無などによる必要性に応じ、変動パターン乱数の記憶を行わない構成とすることなども可能である。
また、第1の遊技と第2の遊技における始動入賞に係る制御処理を例に挙げれば、別の遊技であることに基づく制御内容の違いはあるものの、制御処理の基本構成は同様とすることができる。このため、本実施例では、制御プログラム上は、RWM503の使用記憶領域をオフセットして相違させるなどし、その他のプログラム内容は多くの部分を共通化することで、第1の遊技と第2の遊技の制御を行っている。このようにすることで、プログラムの記憶容量を少なくすることが可能である。しかし、これに限らず、全く別の処理として制御モジュールを分けて作成してもよい。このようにした場合には、制御処理の速度を向上させることができる。
また、本実施例では、第1の遊技及び第2の遊技の図柄変動の優先順位を定めているため、特別図柄の作動状態の監視において、特別図柄(第1特別図柄192,又は、第2特別図柄193)が変動待機中であるか否かの確認を行っている。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば、後述するような第1の遊技及び第2の遊技の特別図柄の変動を、並列して同時に行えるようにしたタイプのぱちんこ遊技機の場合においては、第1の遊技及び第2の遊技の図柄変動について、変動待機中であるか否かの確認を行う必要がなくなる。なお、この場合、第1の遊技及び第2の遊技の特別図柄が、互いに独立して変動できるよう、制御処理モジュールを分けて作成することが望ましい。
<封入式遊技機への適用>
また、本願発明は、遊技者が獲得した遊技媒体としての遊技球を、前述のように、遊技者に対し直接的に払出して遊技者が賞球に触れることができるようにしているぱちんこ遊技機に限られず、例えば封入循環式のぱちんこ遊技機にも適用が可能である。封入循環式のぱちんこ遊技機としては以下のようなものを例示できる。なお、前述の実施例のぱちんこ遊技機10と同様の部分については同じ符号を付して説明する。
すなわち、封入循環式のぱちんこ遊技機は、内部に遊技媒体としての遊技球を封入しており、遊技者が発射ハンドル17を操作することにより、発射装置の発射モータを駆動させて封入球を1発ずつ遊技盤50前面の遊技領域52に打込んで遊技ができるように構成されている。遊技領域52の構成としては、前述のぱちんこ遊技機10のように遊技球を遊技者に引き渡すタイプのぱちんこ遊技機と同様の構成を採用できる。さらに、遊技球を遊技者に引き渡す必要がないことから、遊技球を一旦溜めるための上球皿15、下球皿16といった構成はなくてもよい。
遊技領域52で入賞した遊技球、及び入賞しなかった遊技球はセット基盤39に形成された球回収樋に案内され、揚送装置(図示略)により揚送される。揚送装置は、揚送モータにより回転する揚送用スクリューが内蔵されており、この揚送用スクリューが回転することによりパチンコ球(遊技球)が揚送される。揚送装置の背部には、揚送途中のパチンコ球と接触することによりそのパチンコ球を研磨する研磨部材が設けられており、パチンコ球は揚送されつつ、その表面が研磨される。
揚送装置の球入口側(下方側)及び球排出口側(上方側)には、遊技球の検出スイッチが設けられており、これら検出スイッチにより、揚送されるパチンコ球が検出される。揚送装置の球排出口の近傍には球発射装置が設けられており、揚送後の(上方側の)検出スイッチで検出された遊技球は、球送り装置により球発射装置に供給される。球送り装置は、遊技者が発射ハンドル17を操作して遊技球を1発打つ毎に次の遊技球を1つ打球発射位置に送り込む機能を有する。さらに、遊技球の循環経路途中に遊技球過不足検出スイッチが設けられ、循環経路内のパチンコ球が所定個数(たとえば50個)になっているか否かを検出する。
ぱちんこ遊技機の所定側の側方位置に該ぱちんこ遊技機に対して遊技用装置の一例のカードユニットが1対1に対応設置されている。この点は、前述のぱちんこ遊技機10と同様である。カードユニットは、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカードや、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付けて、それらカードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残高、持球数、あるいは貯球数等)を用いて対応するぱちんこ遊技機における封入球を弾発発射させて遊技ができるようにするための機能を有する。なお、ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
このぱちんこ遊技機においては、現在の持球数の管理は、カードユニット側においてぱちんこ遊技機側の遊技球数の変動を算出することにより行われている。ぱちんこ遊技機側においても現在の遊技球数の算出・記憶を行なっているが、その遊技球数はぱちんこ遊技機側において遊技球数が0となったときにぱちんこ遊技機自ら打球発射を迅速に停止させる制御を行なうためだけに用いられる副次的なものである。このようにすることにより、ぱちんこ遊技機側における遊技球数に関する主管理機能をカードユニット側に持たせてぱちんこ遊技機側のコストを抑えることにより、封入式遊技機を導入する遊技場のランニングコストを軽減することができる。
ぱちんこ遊技機とCUとが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときには、ぱちんこ遊技機側の払出制御基板は、メイン基板からメインチップIDを送信してもらい、そのメインチップIDをCU側に送信するとともに、払出制御基板自身が記憶している払出チップIDをカードユニット側へ送信する。カードユニット側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちカードユニット側とぱちんこ遊技機側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがカードユニット側からぱちんこ遊技機側へ送信され、ぱちんこ遊技機側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
それ以降の電源投入時においては、ぱちんこ遊技機側からカードユニット側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
カードユニット側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じぱちんこ遊技機が接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にカードユニット側とぱちんこ遊技機側との通信が開始された新たな接続時刻データがカードユニット側からぱちんこ遊技機側へ送信されてその新たな接続時刻データをぱちんこ遊技機側において記憶することとなる。
カードユニットからぱちんこ遊技機に対しては、ぱちんこ遊技機に対してメインチップID等の送信が要求され、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対してはメインチップID等が送信される。さらに、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して認証が要求され、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対しては、カードユニットからの認証要求の受理の通知が行われる。また、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して、リカバリ情報の送信が要求され、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対して、ぱちんこ遊技機で保持しているリカバリ情報が送信される。続いて、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して、ぱちんこ遊技機に対して接続状態であることが通知され、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対して、接続状態であることが通知される。また、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して、リカバリ情報のクリア、接続ID(通信開始時刻)のバックアップの要求がされ、ぱちんこ遊技機からカードユニットに対して、リカバリ情報のクリア、接続ID(通信開始時刻)のバックアップの終了が通知される。
さらに、カードユニットからぱちんこ遊技機に対して、各種(遊技動作)が指示され、遊技台情報(加減算データ等)の送信が要求される。カードユニットはこのコマンドを使用して、遊技台の状態を定期的に確認する。ぱちんこ遊技機からカードユニットに対しては、遊技動作指示の実行結果および遊技台情報(加減算データ等)が通知される。カードユニットからぱちんこ遊技機に対しては、通信コネクションの接合を要求するコマンドが送信される。
また、ぱちんこ遊技機で遊技をしている最中に遊技球がなくなったことが検知された場合には、払出制御基板は自動的に打球発射モータの駆動を停止させて球を遊技領域に打込めない遊技禁止状態に制御する。なお、打球発射が停止するのみで、その段階で既に可変表示装置が可変表示中であった場合にはその可変表示を続行する。また発射停止制御を行なった段階で第1始動入賞口62や第2始動入賞口63の保留球数の記憶がある場合には、その記憶に基づいた可変表示装置の可変表示制御が続行される。
遊技球数の主たる管理はカードユニットで行なわれているが、ぱちんこ遊技機において遊技球数が0になったことに伴う遊技禁止制御(発射停止制御)を行なうときにのみ、ぱちんこ遊技機側における遊技球数が0になったことを判定して遊技禁止制御(発射停止制御)を行なう。その後、動作応答として、最終的な球関連情報をカードユニットに送信して最終的な遊技球数「0」をカードユニット側において確定させる。このように制御する理由は、ぱちんこ遊技機側において遊技球数が0になった瞬間に打球発射停止制御を行なう必要があるためである。
たとえば、遊技球数の主たる管理を行なっているカードユニット側において、ぱちんこ遊技機側から送られてくる遊技球数=0になったときの加算球数および減算球数を含む動作応答のレスポンスの受信を待って、カードユニット側において最終的な遊技球数を算出してそれが0となることにより、遊技を禁止させるための禁止要求有の動作指示のコマンドをぱちんこ遊技機側へ送信し、それを受けて初めてぱちんこ遊技機側において打球発射停止制御を行なった場合には、レスポンスおよびコマンドの送受信の間に、パチンコ球が弾発発射されてその間に新たな減算球数が発生する可能性があり、ぱちんこ遊技機側において、遊技球数が既に「0」になっているにも拘らず新たな減算球数が発生して結局遊技球数がマイナスになってしまうという不都合が生じる。このような不都合を防止するため、遊技球数が0になったときの打球発射停止制御のみ、ぱちんこ遊技機側における遊技球数に基づいて制御している。
このように、打球発射停止制御に代表されるような遊技制御は、ぱちんこ遊技機自身が記憶している遊技球数に基づいて行なうために、カードユニットで管理記憶している遊技球数に基づいてこのような遊技制御を行なう場合に比較して、遊技球数の変動に即した遊技制御をリアルタイムで行なうことができる。
なお、ここでは、打球発射停止制御を払出制御基板が行なう例を示しているが、メイン基板が打球発射停止制御を行なうように構成してもよい。この場合、たとえば、払出制御基板は、遊技球数0を判定した段階で遊技球数が0であることを示す信号をメイン基板へ送信する。メイン基板は、この信号を受けて、発射モータの駆動を禁止する。
カードユニットによるこのような遊技禁止の処理は、前枠12や扉14の開放があった時や、各種カードの返却操作が遊技者によって行われたときにも実行される。なお、ぱちんこ遊技機は、禁止拒否の応答が可能となっており、異常等の何らかの事情によりカードユニットの指示に従えず、例えば前枠12や扉14の開放ができないといった状況の場合には、この禁止拒否の応答をカードユニットへ送信する。なお、遊技禁止には、発射モータの駆動の禁止のみでなく、その他の遊技事項、例えば球貸なども含まれている。
また、このような封入循環式のぱちんこ遊技機においては、球貸を所定金額(例えば500円分や1000円分)ごとに行わず、投入金額(例えば10000円)分の球貸を纏めておこなうことも可能である。遊技者への遊技球の引き渡しを必要としないので、このような球貸形態への適応は容易に行うことができる。
なお、本願発明においては、カードユニットを添設した形態のものをも含めてぱちんこ遊技機として包括的に把握することが可能である。
10 ぱちんこ遊技機、50 遊技盤、52 遊技領域、62 第1始動入賞口、
63 第2始動入賞口、68a 左作動口、68b 左作動口、91 第1大入賞口、
92 第2大入賞口、102 メイン基板、104 サブ基板、
113 第1当否判定手段、117 第2当否判定手段、118 メイン表示制御手段、
120 特別遊技制御手段、122 特定遊技制御手段、124 開閉制御手段、
126 第1抽選手段、128 第2抽選手段、132 演出決定手段、
136 普図抽選手段、139 普図当否判定手段、144 第1保留手段、
146 第2保留手段、147 普図保留手段、148 第1特図制御手段、
150 第2特図制御手段、153 普図制御手段、301 サブメイン基板、
333 始動入賞通知手段、603 表示制御手段、604 装飾図柄表示制御手段、
609 装飾保留情報表示制御手段、613 ルーレット演出表示制御手段、
617 演出表示領域サイズ変更手段、619 超過入賞演出表示制御手段。

Claims (1)

  1. 遊技を司る制御を実行する主制御手段と、
    前記主制御手段からの指令に基づき遊技に係る演出制御を実行する演出制御手段と、
    遊技盤に形成された遊技領域に配置され、前記遊技領域を流下して入球してきた遊技球を検出可能な特別図柄用第1始動口と、
    前記遊技領域に配置され、前記遊技領域を流下して入球してきた遊技球を検出可能であり、遊技者に相対的に不利な閉鎖状態と、前記閉鎖状態よりも遊技者に有利な開放状態とをとり得る特別図柄用第2始動口と、
    前記遊技領域に配置され、前記遊技領域を流下して入球してきた遊技球を検出可能な普通図柄用始動口と、
    前記遊技領域に配置され、入賞不能状態及び入賞可能状態をとり得る可変入賞口と、を備え、
    前記主制御手段は、
    前記特別図柄用第1始動口又は前記特別図柄用第2始動口の各々における遊技球の検出に基づき当否抽選値を取得し、取得した前記当否抽選値が当りに該当するか否かの当否判定を行う特別図柄用当否抽選手段と、
    前記特別図柄用当否抽選手段による抽選結果を表すための特別図柄を変動表示及び停止表示させるための制御を行う特別図柄用制御手段と、
    前記当否判定の結果が当りである場合に、前記可変入賞口の状態を遊技者に対して有利な状態に変化させる特別遊技に係る制御を行う特別遊技制御手段と、
    前記特別図柄用第1始動口又は前記特別図柄用第2始動口において遊技球が検出され、前記特別図柄用の当否抽選値の取得が行われても、前記特別図柄の変動を開始させるための特別図柄用変動開始条件が成立していない場合に、前記当否抽選に係る情報を特別図柄用保留情報として所定の保留上限数を限度に記憶する特別図柄用保留制御手段と、
    前記普通図柄用始動口における遊技球の検出に基づき普通図柄用の当否抽選値を取得し、取得した前記普通図柄用の当否抽選値が当りに該当するか否かを判定する普通図柄用の当否抽選を行う普通図柄用当否抽選手段と、
    前記普通図柄用当否抽選手段による抽選結果を表すための普通図柄を変動表示及び停止表示させるための制御を行う普通図柄用制御手段と、
    前記普通図柄用の当否抽選値が当りであった場合に、前記特別図柄用第2始動口を開放状態とする制御を行う開閉制御手段と、
    前記普通図柄用始動口において遊技球が検出され、前記普通図柄用の当否抽選値の取得が行われても、前記普通図柄の変動を開始させるための普通図柄用変動開始条件が成立していない場合に、前記普通図柄用の当否抽選に係る情報を普通図柄用保留情報として所定の保留上限数を限度に記憶する普通図柄用保留手段と、
    前記特別遊技の終了後に、少なくとも前記特別図柄用第2始動口への入球容易性を高める特定遊技に係る制御を行う特定遊技制御手段と、を備え、
    前記開閉制御手段は、前記特定遊技が行われていない場合に、前記普通図柄用の当否抽選値が当りであれば、前記特別図柄用第2始動口を所定の開放パターンで長時間開放状態とする通常時長開放機能に係る制御を実行可能であり、
    前記演出制御手段は、
    前記特定遊技が行われていない場合には、前記特別図柄用第1始動口について、前記保留上限数に達している状況で更なる入球があった場合に、前記特別図柄用第1始動口への入球に係る超過入賞演出を実行可能であり、
    前記超過入賞演出は、前記超過入賞に起因して特定オブジェクトが表示されるものであり、
    前記特定オブジェクトは、規定個数を上限に蓄積され、前記規定個数を超えた場合には前記規定個数に係る所定規則に基づき削除され、
    前記特定オブジェクトには特殊態様を含む複数種類の表示態様があり、
    前記特殊態様は、前記特別図柄に係る前記当否抽選値が当りに該当して大当りとなる期待度が高いことを表す態様であり、
    前記特殊態様でない前記特定オブジェクトに対しては前記所定規則に基づく削除がされる若しくはされやすく、前記特殊態様である前記特定オブジェクトに対しては前記所定規則に基づく削除がされない若しくはされにくいことを特徴とするぱちんこ遊技機。
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