JP4162542B2 - パチンコ機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、遊技球が所定の領域を通過したことに基づいて図柄の変動を開始する図柄表示装置を備え、図柄が変動中に遊技球が上記所定の領域を通過した場合に、図柄の変動が終了するまで新たな図柄の変動開始を保留するパチンコ機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のパチンコ機として図23に示すパチンコ機が知られている。図23は、従来のパチンコ機の主要構成を示す正面説明図である。
パチンコ機500に設けられた発射ハンドル501を操作して発射された遊技球が、遊技盤502に設けられた第1種始動口503に入賞すると、パチンコ機500に内蔵されたコンピュータが大当りかハズレかを判定する(以下、その判定を大当り判定という)。続いて、図柄表示装置505が左表示領域、中表示領域および右表示領域の3つの表示領域において、複数の特別図柄(たとえば、0〜9の数字を表現した特別図柄)を配列した図柄列をそれぞれ上下方向に変動(スクロール表示ともいう)させる。
また、図柄表示装置505が特別図柄を変動しているときに遊技球が第1種始動口503に入賞した場合は、現在の変動が終了するまで新たな変動の開始が特別図柄始動記憶として保留され、その保留数は、4個の特別図柄始動記憶表示LED510の点灯数として表示される。そして、現在の変動が終了すると、特別図柄始動記憶に基づいて新たな変動が開始され、その変動が終了すると、保留数が「1」減少する。このようにして、図柄表示装置505は、4個の保留数を上限として保留数に対応する回数分の変動を行う。
【0003】
変動表示の開始から所定時間経過すると、図柄表示装置505は、左表示領域、右表示領域、中表示領域の順に変動を停止し、上記コンピュータの判定結果が大当りであった場合は大当り図柄(たとえば、図23に示すような「7・7・7」)を、ハズレであった場合はハズレ図柄(たとえば、「7・6・7」)をそれぞれ確定表示する。
ここで、大当り図柄が確定表示されたとすると、大当りが発生し、扉式の開閉部材506が開作動し、大入賞口507が開口する。大入賞口507に遊技球が入賞すると、入賞球1個に付き、所定個数(たとえば、15個)の賞球が上受け皿508に払出される。また、大入賞口507に入賞した入賞球の数が所定数(たとえば、10個)に達するか、あるいは、大入賞口507が開口してから所定時間(たとえば、30秒)経過するかのいずれかの条件が満たされると、開閉部材506が閉作動し、大入賞口507が閉口する。
また、大入賞口507に入賞した遊技球が大入賞口507の内部に設けられた特定領域509を通過すると、大入賞口507が連続して開口する権利が発生する。このように、大入賞口507が開口してから閉口するまでを1ラウンドとし、遊技球が特定領域509を通過することを条件として、複数のラウンド(たとえば、15ラウンド)の大当り遊技を行うことができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−66761号公報(請求項1、第23段落、特図始動記憶表示器9、図1〜図3、図6、図7)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
発射装置から発射される遊技球が第1種始動口に入賞する割合は、ホール(遊技店)側による遊技盤の釘調整により異なるが、1分間に平均4〜7球程度の割合で第1種始動口に入賞するように調整されている。
一方、図柄表示装置が特別図柄の変動を開始してから終了するまでに要する時間(以下、変動時間という)は、様々であり、長いものでは1分を超える。このように特に変動時間が長い場合は、変動中に第1種始動口に入賞する遊技球が増加するため、保留数の上限である4個を超える入賞が発生する。このため、遊技者は、保留数が上限を超えないように遊技球の発射を中断しながら遊技を行っている。
しかし、上述のように保留数が上限を超える場合がある一方、遊技球を連続して発射しているにも拘わらず、遊技球が第1種始動口に入賞しない場合もある。そのような場合、やがて保留数に基づく特別図柄の変動が終了すると、図柄表示装置に停止図柄が継続して表示されるため、遊技者は遊技球が第1種始動口に入賞していないことを認識する。
遊技球が第1種始動口に入賞しないと図柄変動が開始されないため、遊技者は大当たりを獲得する可能性がない。よって、遊技者は図柄変動開始契機である第1種始動口に遊技球が入賞しないことに対して不満を抱いていた。
【0006】
そこでこの発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであり、遊技球が所定期間第1種始動口に入賞しないことに対する不満を解消することができるパチンコ機を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段・作用および効果】
この発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、遊技盤と、この遊技盤へ遊技球を発射する発射装置と、この発射装置により発射された遊技球が前記遊技盤の所定の領域を通過したことに基づいて、図柄の変動を開始する図柄表示装置と、この図柄表示装置に表示されている図柄が変動中に遊技球が前記所定の領域を通過した場合に、前記図柄表示装置に表示されている図柄の変動が終了するまで、新たな図柄の変動の開始を保留し、その保留の数を上限までは通常記憶として記憶するとともに、前記上限を超えた分を特別記憶として記憶する記憶手段と、前記発射装置により発射された遊技球が前記所定の領域を通過しない時間を計測するタイマと、このタイマによる計測時間が判定期間を経過したか否かを判定する判定手段とを備えており、前記図柄の変動を開始してから終了するまでを1回の図柄変動とした場合に、前記図柄表示装置は、前記記憶手段に記憶されている前記通常記憶の数に対応する回数分の図柄変動を行うことが可能であり、さらに、前記判定手段が肯定判定したときに、その肯定判定の対象になった前記判定期間の間前記発射装置により遊技球が連続して発射されており、かつ、前記通常記憶の数が前記上限未満であるとともに前記特別記憶の数が1以上である場合は、前記特別記憶の数を前記通常記憶の数に前記上限の範囲内で補填するという技術的手段を用いる。
【0008】
遊技球が所定の領域を通過すると、図柄表示装置が図柄の変動を開始し、その変動中に遊技球が上記所定の領域を通過すると、現在の図柄の変動が終了するまで新たな図柄の変動の開始が保留される。その保留の数は、上限までは通常記憶として記憶され、上限を超えた分は特別記憶として記憶手段に記憶される。タイマは、発射装置により発射された遊技球が上記所定の領域を通過しない時間を計測する。判定手段は、タイマによる計測時間が判定期間を経過したか否かを判定する。
そして、図柄の変動を開始してから終了するまでを1回の図柄変動とした場合に、図柄表示装置は、通常記憶のレベルに対応する回数分の図柄変動を行うことができ、判定手段が肯定判定したときに、その肯定判定の対象になった上記判定期間の間発射装置により遊技球が連続して発射されており、かつ、通常記憶の数が上限未満であるとともに特別記憶の数が1以上である場合は、特別記憶の数を通常記憶の数に上限の範囲内で補填する。
【0009】
つまり、保留の数の上限を超えた分は、特別記憶として記憶され、判定手段により所定の条件が満足されていると判定された場合は、特別記憶の数を通常記憶の数に上限の範囲内で補填することができる。
たとえば、通常記憶の数に対応する回数分の図柄変動が総て終了し、通常記憶が記憶されていない状態になっている場合であっても、特別記憶が記憶されている場合は、その特別記憶の数を通常記憶に補填することができるため、その補填された通常記憶に基づいて図柄の変動を行うことができる。
したがって、図柄が変動する契機が途切れてしまったと遊技者が感じる気持ちを抑えることができるため、遊技球が所定期間所定の領域を通過しないことに対する不満を解消することができるパチンコ機を実現することができる。
【0010】
たとえば、後述する発明の第1実施形態に記載するように、遊技球が第1種始動口(本請求項1に記載の所定の領域に対応する)に入賞しない期間が30秒を経過したという条件が満足された場合に、特別記憶数Tが1個以上存在し、通常記憶数Uが上限の4個未満である場合は、特別記憶数Tを通常記憶数Uに補填し、それに基づいて特別図柄の変動を開始することができる。
したがって、遊技球が30秒もの間、第1種始動口に入賞しないことに対する不満を解消することができるパチンコ機を実現することができる。
【0011】
また、遊技球が上記所定の領域を通過しない時間が判定期間を経過している場合であっても、その判定期間の間発射装置により遊技球が連続して発射されていなければ、特別記憶の数が通常記憶の数に補填されないため、判定期間中に遊技球の発射を中断し、判定期間中通常記憶の数を故意に0個にするような遊技が行われないようにすることができる。また、判定期間中に遊技球が発射されないことにより、パチンコ機の稼働率が低下し、ホール(遊技店)の利益が低下することを防止できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係るパチンコ機の実施形態について図を参照して説明する。なお、以下に記載する各実施形態では、この発明に係るパチンコ機として第1種のパチンコ機、つまり図柄表示器により大当り図柄が確定表示された場合に大当りが発生し、大入賞口が開口するパチンコ機を例に挙げて説明する。
<第1実施形態>
[全体の主要構成]
まず、この実施形態のパチンコ機の主要構成について図1を参照して説明する。図1は、そのパチンコ機の外観を示す斜視説明図である。
パチンコ機1には、前枠2がヒンジ8を介して開閉可能に備えられており、その前枠2には、ガラス板がはめ込まれたガラス枠4が開閉可能に取付けられている。前枠2の右側には、ガラス枠4の開閉に用いる鍵を差し込む鍵穴3が設けられている。ガラス枠4の内側には、遊技盤5が設けられており、前枠2の右側下方には、遊技球を遊技盤5へ発射する発射装置を操作するための発射ハンドル15が取付けられている。
ガラス枠4の下方には、賞球や貸球が供給される賞球・貸球供給口6aが形成されており、この賞球・貸球供給口6aの前方には、その賞球・貸球供給口6aから供給された賞球や貸球を溜めておくための上受け皿6が取り付けられている。上受け皿6の下方には、上受け皿6の収容可能数を超えて流下した賞球や上受け皿球抜きレバー6bの操作により上受け皿6から排出された遊技球などを排出する排出口7aが形成されている。排出口7aの排出側には、その排出口7aから排出された遊技球を収容しておくための下受け皿7が設けられている。
【0030】
[遊技盤5の主要構成]
次に、遊技盤5の主要構成についてそれを示す図2を参照して説明する。
遊技盤5の略中央には、立体的な構造物であるセンターケース30が設けられており、センターケース30には、特別図柄の変動から確定表示および普通図柄の変動から確定表示などを行う図柄表示器32aが設けられている。図柄表示器32aは、複数の特別図柄(この実施形態では、0〜9の算用数字を表現した計10個の特別図柄)を縦方向に配列した図柄列を画面の上から下に向けて変動(移動またはスクロールともいう)させる。図柄列は、0,1,2・・9の順に変動する。図柄列が変動する表示領域は、画面上に3つ設定されており、画面左から左表示領域、中表示領域、右表示領域という。
【0031】
また、図柄表示器32aは、各図柄列の背景に表示する背景画像、リーチになったときの演出画像、大当りの発生を予告する大当り予告画像、特定のリーチの発生を予告するリーチ予告画像、大当りが発生したときの演出画像などを表示する。さらに、図柄表示器32aは、画面の所定領域に普通図柄表示領域を備えており、その普通図柄表示領域において普通図柄の変動表示から確定表示までを行う。この実施形態では、図柄表示器32aは、普通図柄として○および×の記号を示す画像を交互に変動表示し、所定時間経過後に○または×を確定表示する。また、この実施形態では、普通図柄○が確定表示された場合が普通図柄の当りであり、普通図柄×が確定表示された場合が普通図柄のハズレである。
【0032】
なお、特別図柄または普通図柄の確定表示とは、最終的に確定した特別図柄または普通図柄を表示したという意味であり、確定表示の態様には、変動が完全に停止した状態の他、完全に停止しないで上下または左右に振動するなど、所定の動きを伴っている状態などが含まれる。
また、以下の説明では、図柄表示器32aの左表示領域において移動表示される図柄列を左図柄列、中表示領域において移動表示される図柄列を中図柄列、右表示領域において移動表示される図柄列を右図柄列と称する。また、左図柄列を構成する単一の図柄を左図柄、中図柄列を構成する単一の図柄を中図柄、右図柄列を構成する単一の図柄を右図柄とそれぞれ称する。
さらに、左表示領域において確定表示される左図柄を左確定図柄、中表示領域において確定表示される中図柄を中確定図柄、右表示領域において確定表示される右図柄を右確定図柄とそれぞれ称する。
さらに、大当り判定の結果が大当りであったことを示す左確定図柄、中確定図柄および右確定図柄の組合せを大当り図柄と称し、大当り判定の結果がハズレであったことを示す左確定図柄、中確定図柄および右確定図柄の組合せをハズレ図柄と称する。
【0033】
図柄表示器32aの左上には、普通図柄の変動から確定表示までを1回とした場合の変動開始を保留している数(以下、普通図柄始動記憶数という)を4個のLEDにより表示する普通図柄始動記憶数表示LED35が設けられている。そのLED35の点灯数が普通図柄始動記憶数に対応する。センターケース30の右側には、普通図柄作動右ゲート(単に普通図柄作動ゲートともいう)25が設けられており、センターケース30の左側には、普通図柄作動左ゲート(単に普通図柄作動ゲートともいう)26が設けられている。遊技球が、いずれかの普通図柄作動ゲートを通過すると、図柄表示器32aが普通図柄の変動表示を開始し、その変動表示中に遊技球がいずれかの普通図柄作動ゲートを通過した場合は、普通図柄始動記憶数が1個増加する。
【0034】
センターケース30の下方には、開閉可能な両翼を備えた普通電動役物47が設けられており、普通電動役物47の内部には、第1種始動口27が設けられている。図柄表示器32aにより変動表示された後に確定表示された普通図柄が当り普通図柄であった場合に、普通電動役物47の両翼が開放する。普通電動役物47が両翼を開放すると、遊技球が第1種始動口27に入賞する領域が拡大する。以下、遊技球が第1種始動口27、または、普通電動役物47の開放された両翼から入賞することを第1種始動口27への入賞という。
遊技球が第1種始動口27に入賞すると、図柄表示器32aが図柄の変動を開始する。図柄の変動中に遊技球が第1種始動口27に入賞した場合は、図柄の変動開始が保留される。
普通電動役物47の下方には、大当りが発生した場合に作動する変動入賞装置40が設けられている。この変動入賞装置40には、各ラウンドの開始時に開放動作して大入賞口を開口する板状の開閉部材43が扉式に開閉可能に取り付けられている。開閉部材43が開放すると、開閉部材43の形状に対応した横長で長方形状の大入賞口41が開口する。変動入賞装置40の右斜め上には、右下入賞口45が設けられており、その右斜め上には右袖入賞口12が設けられている。変動入賞装置40の左斜め上には、左下入賞口44が設けられており、その左斜め上には左袖入賞口13が設けられている。
【0035】
遊技盤5には、風車24,24が設けられており、遊技盤5の上方左右角部には、コーナー飾り11が設けられており、遊技盤5の両側には、複数のLEDにより装飾されたサイド飾り20がそれぞれ設けられている。また、遊技盤5には、発射された遊技球を遊技領域へ案内する発射レール16が取付けられており、その発射レール16により、円形の遊技領域が区画されている。さらに、遊技盤5の最下部には、入賞しなかった遊技球をアウト球として回収するアウト口14が設けられている。そして、遊技盤5には、多くの釘17が打ち込まれており、遊技盤5に発射された遊技球は、釘17の間を乱舞しながら流下し、普通図柄作動ゲート25,26を通過したり、第1種始動口27に入賞したり、あるいは、アウト口14から回収されたりする。
【0036】
[図柄変動の保留状態の表示]
次に、この発明の特徴である図柄変動の保留状態の表示について図3ないし図10を参照して説明する。
なお、以下の説明では、特別図柄の変動開始を保留する場合、保留の数が0〜4個の範囲までを通常記憶として記憶し、通常記憶の上限4個を超える分を特別記憶として記憶するものとする。また、通常記憶の数を通常記憶数Uとし、特別記憶の数を特別記憶数Tとする。
図3は始動口スイッチのON・OFF、図柄の変動・停止および保留数の関係を示すタイミングチャートである。図3(A)は従来のパチンコ機におけるタイミングチャートであり、図3(B)は本願発明のパチンコ機におけるタイミングチャートである。
【0037】
図4は通常記憶数Uの増減する様子を示す説明図である。図4(A)は、通常記憶数Uが4個になっている状態を示す説明図であり、図4(B)は、通常記憶数Uが3個になった状態を示す説明図であり、図4(C)は、通常記憶数Uが4個になった状態を示す説明図である。
図5は通常記憶数Uおよび特別記憶数Tを示す説明図である。図5(D)は、特別記憶数Tが1個になった状態を示す説明図であり、図5(E)は、特別図柄の変動が終了した状態を示す説明図であり、図5(F)は、通常記憶数Uが3個になった状態を示す説明図である。
図6は通常記憶数Uが0個になる過程を示す説明図である。図6(G)は、通常記憶数Uが1個になった状態を示す説明図であり、図6(H)は、通常記憶数Uが0個になった状態を示す説明図であり、図6(I)は、特別記憶数Tを表現した卵に変化が現れた様子を示す説明図である。
【0038】
図7は卵からヒヨコが生まれる様子を示す説明図である。図7(J)は、卵にヒビが発生した状態を示す説明図であり、図7(K)は、卵が割れた状態を示す説明図であり、図7(L)は、ヒヨコが誕生した状態を示す説明図である。
図8は通常記憶数Uが特別記憶数Tにより補填された状態を示す説明図である。図8(M)は、通常記憶数Uが1個になった状態を示す説明図であり、図8(N)は、通常記憶数Uが0個になった状態を示す説明図である。
図9は特別記憶Tが破棄される様子を示す説明図である。図9(A)は、ヒヨコが卵の上に飛び上がった様子を示す説明図であり、図9(B)は、ヒヨコによって卵が割れた様子を示す説明図であり、図9(C)は、卵が割れた状態を示す説明図である。
図10(D)は、通常記憶数Uが4個になった状態を示す説明図であり、図10(E)は、特別図柄の変動が停止した状態を示す説明図である。なお、以下の説明では、図柄変動の実行により通常記憶数Uまたは特別記憶数Tが減少することを通常記憶数Uまたは特別記憶数Tが消化されるという。
【0039】
(従来との比較)
図3において▲1▼は、図柄の変動パターンが通常変動であること、つまり比較的変動時間が短い変動であることを示し、▲2▼は、通常変動+リーチ変動であること、つまり比較的変動時間が長い変動であることを示す。リーチ変動とは、1つの表示領域において図柄が変動しており、他の表示領域には大当り図柄を構成する確定図柄が表示されている状態になったときの図柄の変動パターンのことである。この実施形態では、左表示領域および右表示領域にそれぞれ大当り図柄を構成する左確定図柄、右確定図柄が表示されているリーチ状態になったときの図柄の変動パターンである。
【0040】
図3(A)に示すように、従来のパチンコ機では、保留数が0個であり、図柄の変動が行われているときに始動口スイッチが3回ONすると、保留数は3個になり、次の変動が開始されると保留数は2個に減少し、その変動中に始動口スイッチが3回ONすると、2回目のONまでは保留数として記憶し、3回目のONは記憶しない。つまり、従来のパチンコ機では、保留数の上限が4個に固定されており、その上限を超えた分は、保留数として記憶しないようになっている。
一方、図3(B)に示すように、本願発明のパチンコ機1では、保留数が0個であり、図柄の変動が行われているときに始動口スイッチが3回ONすると、保留数(通常記憶数U)は3個になり、次の変動が開始されると保留数(通常記憶数U)は2個に減少し、その変動中に始動口スイッチが3回ONすると、2回目のONまでは保留数(通常記憶数U)として記憶するため保留数(通常記憶数U)は上限の4個になり、3回目のONについては、特別記憶数Tとして記憶する。たとえば、保留数(通常記憶数U)が上限の4個に達しているときの図柄変動中に始動口スイッチが2回ONした場合は、特別記憶数Tとして2個が記憶される。つまり、本願発明のパチンコ機1では、保留数(通常記憶数U)の上限を超えた分を特別記憶数Tとして記憶する。
図3(B)に示す例では、保留数(通常記憶数U)に基づく図柄変動が総て終了し、保留数(通常記憶数U)が0個になったときに、次は、特別記憶数Tに基づいて図柄変動が開始されている。
【0041】
(1)通常記憶数Uの増減
(A)図4(A)に示すように、図柄表示器32aの画面には、左確定図柄G1、中確定図柄G2および右確定図柄G3によって前回の大当り判定の結果を示すハズレ図柄「1・2・3」が確定表示されている。また、ハズレ図柄の背景には、背景画像H1が表示されている。そして、ハズレ図柄の下方であって画面の下端左寄りには、通常記憶数Uを示す画像(以下、通常記憶画像という)M1〜M4が表示されている。この実施形態では、通常記憶画像として、ヒヨコを表現した画像を用いる。つまり、ヒヨコの数が通常記憶数Uを示す。なお、通常記憶画像M1〜M4は、それぞれ通常記憶数Uが記憶された順を示し、通常記憶数Uが消化される毎に左端の通常記憶画像から消えて行き、残りの通常記憶画像が左に移動する。
(B)そして、図4(B)に示すように、図柄表示器32aが通常記憶数Uに基づいて特別図柄の変動を開始すると、通常記憶画像M1が画面から消え、通常記憶数Uが1個減少して計3個になる。
(C)また、図4(C)に示すように、特別図柄の変動中に遊技球が第1種始動口27に入賞すると、通常記憶数Uが1個増加して計4個に戻り、通常記憶画像M5が表示される。
【0042】
(2)特別記憶数Tの発生
(D)さらに、図5(D)に示すように、通常記憶数Uが4個になっているときの特別図柄の変動中に遊技球が第1種始動口27に入賞すると、通常記憶数Uの上限4を1つ超えるため、その超えた分が特別記憶数Tとして記憶され、特別記憶数Tを示す画像(以下、特別記憶画像という)Y1が表示される。この実施形態では、特別記憶画像として、卵を表現した画像を用いる。つまり、卵の数が特別記憶数Tを示す。このように、卵を表現した特別記憶画像Y1が表示されることにより、遊技者は、特別記憶数Tが1個になったことを容易に知ることができる。
(E)そして、図柄の変動開始から所定時間経過すると、大当り図柄またはハズレ図柄が確定表示される。図5(E)に示す例では、ハズレ図柄「7・5・3」が確定表示されている。
(F)続いて、図5(F)に示すように、通常記憶数Uに基づいて特別図柄の変動が開始されると、通常記憶数Uが1個減少して計3個になり、通常記憶画像M2が消える。
【0043】
(G)そして、さらに特別図柄の変動が2回行われ、その変動中に新たな通常記憶数Uが発生しなかった場合は、通常記憶数Uが1個に減少し、通常記憶画像M3,M4が消え、図6(G)に示すように、通常記憶画像M1のみが表示された状態となる。
(H)続いて、通常記憶数Uに基づいて特別図柄の変動が開始されると、通常記憶数Uは0になり、図6(H)に示すように、通常記憶画像M1が消える。
【0044】
(3)通常記憶数Uの補填
(I)そして、特別図柄の変動中に新たな通常記憶数Uが発生せず、特別図柄の変動が終了すると、図6(I)に示すように、特別記憶画像Y1が、卵が動いている様子を示す特別記憶画像Y1a変化する。このように、卵が動き出すことにより、遊技者は、通常記憶数Uが特別記憶数Tによって補填されるのではないかと期待する。なお、図6(I)に示す例では、ハズレ図柄「9・0・4」が確定表示されている。
(J)続いて、卵が動き出してから所定時間経過すると、図7(J)に示すように、卵にヒビが入った状態を拡大して示す特別記憶画像Y1bが表示される。また、ハズレ図柄を構成している左確定図柄G1、中確定図柄G2および右確定図柄G3は、それぞれ縮小されて左確定図柄G1a、中確定図柄G2aおよび右確定図柄G3aとなり、画面の左上に移動する。
【0045】
(K)続いて、図7(K)に示すように、卵が割れ、中からヒヨコが姿を表した様子を示す特別記憶画像Y1cが表示される。
(L)続いて、図7(L)に示すように、誕生したヒヨコを表現した特別記憶画像Y1dが表示される。これにより、遊技者は、誕生したヒヨコが通常記憶画像としてのヒヨコになることを予測できる。
(M)そして、通常記憶数Uが特別記憶数Tによって補填され、通常記憶数Uが1個になり、図8(M)に示すように、通常記憶画像M1が表示される。また、画面の左上に縮小表示されていたハズレ図柄は、縮小前の大きさに表示される。(N)続いて、図8(N)に示すように、通常記憶数Uに基づいて特別図柄が変動を開始する。
【0046】
以上のように、特別記憶数Tが1個存在しており、通常記憶数Uが4個になっている場合に、その4個の通常記憶数Uが総て消化されるまでの間に、新たな通常記憶数Uが発生しなかった場合は、通常記憶数Uに特別記憶数Tが補填され、通常記憶数Uが1になり、その通常記憶数Uに基づいて特別図柄の変動を開始することができる。
したがって、通常記憶数Uを総て使い果たすまでの期間に遊技球が第1種始動口27に1個も入賞しなかったことにより、特別図柄が変動する契機が途切れてしまったと遊技者が気付くあるいは感じる気持ちを抑えることができるため、遊技球が第1種始動口27に入賞しない原因がホール(遊技店)側が行った意図的な行為ではないかと疑われてしまうことがないようにすることができるパチンコ機を実現することができる。
【0047】
(4)特別記憶数Tの破棄
(A)上述した例では、特別記憶数Tが1になったときから、通常記憶数Uが総て消化されるまでの期間に新たな通常記憶数Uが発生しなかったという条件が満足された場合に、通常記憶数Uに特別記憶数Tを補填したが、その条件が満足されなかった場合は、通常記憶数Uに特別記憶数Tを補填せず、特別記憶数Tを破棄する。
例えば、特別記憶数Tが1になったときから、通常記憶数Uが1個消化されて3個になったときに遊技球が第1種始動口27に入賞すると、通常記憶数Uが総て消化されるまでの期間に新たな通常記憶数Uが発生しなかったという条件を満足できなかったことになる。このような場合は、図9(A)に示すように、卵を表現した特別記憶画像Y1の上方に飛び上がったヒヨコを表現した画像Wが表示され、ヒヨコが卵を潰そうとしている演出を行う。これにより、遊技者は、通常記憶数Uに特別記憶数Tが補填されることはなさそうであると推測する。なお、画像Wは、4個目の通常記憶数Uを示す画像の役割もしている。
【0048】
(B)続いて、図9(B)に示すように、ヒヨコによって潰された卵を表現した画像Y1eが表示される。
(C)続いて、図9(C)に示すように、完全に割れた卵を表現した画像Y1fが表示される。
(D)そして、図10(D)に示すように、画像Y1fが消え、画像Wは、画像M3の右隣へ移動する。これにより、ヒヨコが4個並んだ状態となるため、遊技者は、通常記憶数Uが4個になったと分かる。
(E)そして、所定時間経過後に特別図柄の変動が停止する。図10(E)に示す例では、ハズレ図柄「8・6・2」が確定表示されている。なお、図10(E)に示す例では、通常記憶数Uが4個存在するため、その後、特別図柄の変動が計4回行われる。
【0049】
以上のように、通常記憶数Uが総て消化されるまでの期間に新たな通常記憶数Uが発生しなかったという条件が満足されなかった場合は、通常記憶数Uに特別記憶数Tを補填せず、特別記憶数Tを破棄(0個にリセット)することができる。
したがって、特別記憶数に基づく図柄変動が繰り返されるうちに大当りが発生して多くの賞球が払出されてしまい、遊技店(ホール)が不足の不利益を被ってしまうおそれがない。
【0050】
[パチンコ機1の電気的構成]
次に、パチンコ機1の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図11を参照して説明する。
パチンコ機には、主制御基板100が設けられており、この主制御基板100には、メインCPU112、ROM114およびRAM116を備えたマイクロプロセッサ110が搭載されている。メインCPU112は、後述する始動口処理、図柄処理、大当り遊技におけるラウンドの制御、入賞の検出、各装置および基板への制御コマンドの送信など、遊技の主な制御を実行する。
ROM114には、メインCPU112が各種処理や制御などを実行するためのコンピュータプログラムなどが記録されており、RAM116は、メインCPU112の処理結果、判定結果、遊技球が第1種始動口27に入賞したこと、普通図柄作動ゲート25,26を通過したこと、大当りが発生したことなどの遊技中に発生する各種データ、ROM114から読出されたコンピュータプログラムなどを一時的に格納する。
【0051】
主制御基板100には、次に記載するものが電気的に接続されている。遊技球が第1種始動口27に入賞したことを検出する第1種始動口スイッチ(以下、始動口スイッチと略す)27a、図柄表示器32aを制御する図柄制御基板32、音声制御基板79、ランプ制御基板300、電源基板80、賞球の払出しなどを制御する払出制御基板200、RAMクリアスイッチ10、大当りの発生や賞球払出数などに関する遊技盤情報をパチンコホールの管理室などに設けられたホールコンピュータへ送信するための遊技枠情報端子基板52、盤面中継基板51、遊技枠中継基板53である。
払出制御基板200には、主制御基板100から送信されてくる制御コマンドを受信して動作するマイクロプロセッサ210が搭載されており、マイクロプロセッサ210には、賞球および貸球の払出しなどを制御するサブCPU212と、このサブCPU212が賞球の払出しなどの制御を実行するための各種制御プログラムが記録されたROM214と、サブCPU212が各種制御プログラムを実行する際にROM214から読出された制御プログラムや遊技中に発生する入賞数や賞球数などの各種データを一時的に格納するRAM216とが搭載されている。
【0052】
また、払出制御基板200には、RAMクリアスイッチ10、電源基板80、発射モータ15eを駆動するための発射モータ駆動基板15c、遊技枠情報端子基板52および払出中継基板55が電気的に接続されている。発射モータ駆動基板15cには、発射モータ駆動基板15cから発射モータ15eへ駆動信号を出力させるための発射スイッチ15dが接続されている。
遊技枠中継基板53には、下受け皿7が遊技球で満杯になったことを検出する下皿満杯検出スイッチ72、賞球切れを検出する賞球切れ検出スイッチ73およびセンサ中継基板54が電気的に接続されている。センサ中継基板54は、賞球ユニット62に備えられた賞球払出センサ62a,62bおよび払出中継基板55と電気的に接続されている。払出中継基板55には、貸球切れを検出する貸球切れ検出スイッチ61、賞球払出モータ62cおよび貸球ユニット63が電気的に接続されている。
盤面中継基板51には、普通電動役物47の両翼を開閉駆動する普通電動役物ソレノイド47a、普通図柄作動右ゲート25を通過した遊技球を検出する右ゲートスイッチ(単にゲートスイッチともいう)25a、普通図柄作動左ゲート26を通過した遊技球を検出する左ゲートスイッチ(単にゲートスイッチともいう)26a、大入賞口41に入賞した遊技球を検出する大入賞口スイッチ41a、右袖入賞口12に入賞した遊技球を検出する右袖入賞口スイッチ12a、左袖入賞口13に入賞した遊技球を検出する左袖入賞口スイッチ13a、右下入賞口45に入賞した遊技球を検出する右下入賞口スイッチ45a、左下入賞口44に入賞した遊技球を検出する左下入賞口スイッチ44aおよび大入賞口中継基板50である。
【0053】
大入賞口中継基板50には、大入賞口内部の特定領域を通過した遊技球を検出する特定領域スイッチ41bと、開閉部材43を駆動する大入賞口ソレノイド43aと、特定領域を変化させる部材を駆動する特定領域ソレノイド41cとが電気的に接続されている。電源基板80は、CR接続基板56と電気的に接続されており、CR接続基板56には、プリペイドカードの残りの度数を度数表示部に表示する度数表示基板やプリペイドカードユニットなどから構成される遊技機外装置部分71と電気的に接続されている。電源基板80は、AC24V(50Hz/60Hz)の主電源70から電源の供給を受け、各基板および装置へ必要電源を供給する。
なお、このパチンコ機1には、停電が発生した際に、停電直前の遊技中のデータをRAM116およびRAM216にバックアップする機能が備えられており、電源が復帰したときに、バックアップされているデータに基づいて停電直前の遊技を再開することができる機能が備えられている。また、工場出荷時や開店前に試射を行った後に電源を遮断すると、上記バックアップ機能が働き、そのままの状態で開店すると不具合が発生するため、電源基板80に設けられたRAMクリアスイッチ10をONしながら電源スイッチ18をONすることにより、RAM116およびRAM216にバックアップされているデータを消去することができるようになっている。
【0054】
[図柄制御基板32の電気的構成]
次に、図柄制御基板32の主な電気的構成について、それをブロックで示す図12を参照して説明する。
図柄制御基板32にはキャラクタROM32dが搭載されており、そのキャラクタROM32dには、図柄列の移動から大当り図柄またはハズレ図柄が確定表示されるまでの過程を表示するために必要な画像データ、大当り予告画像、背景画像、大当りが発生したときの演出画像、大当りの遊技中に表示する画像、普通図柄などを図柄表示器32aに表示するための画像データが記録されている。
図柄制御基板32に搭載されたサブCPU32bは、主制御基板100のメインCPU112から送信されてきたコマンドを受信するとともに、その受信したコマンドの内容をROM32cに記録されたコンピュータプログラムに従って解析する。続いてサブCPU32bは、その解析結果をVDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)32eへ送出し、VDP32eは、キャラクタROM32dから上記解析結果に対応した画像データを読出す。
【0055】
VDP32eは、キャラクタROM32dから読出した画像データを構成するドットの表示領域におけるアドレス、表示色などを上記解析結果に基づいて演算し、その演算結果を内蔵のパレットRAM32fに一時的に格納する。続いてVDP32eは、パレットRAM32fに格納されている演算結果に基づいてRGB信号を液晶アナログ基板32gへ送出する。続いて液晶アナログ基板32gは、取込んだRGB信号の色補正および輝度調整を行い、その信号を液晶インバータ基板32hへ送出する。液晶インバータ基板32hは、バックライト電源の役割を果たし、取込んだ信号を昇圧(たとえば、12Vから600V)し、図柄表示器32aへ送出する。そして図柄表示器32aは、取込んだ信号に対応する液晶ドットをスイッチングして表示する。これにより、各種の画像が表示される。なお、この実施形態では、図柄表示器32aは、TFT(Thin Film Transistor)を画素駆動素子とするアクティブマトリックス方式の液晶表示装置である。
【0056】
[遊技の主な流れ]
次に、遊技の主な流れについて図13ないし図16を参照して説明する。
この実施形態のパチンコ機1は、遊技球が第1種始動口27に30秒間入賞しなかった場合に、通常記憶数Uに特別記憶数Tを補填できることを特徴とする。図13はRAM116の記憶領域の一部を概念的に示す説明図である。図13(A)は、通常記憶数Uが上限の4個に達している状態を示す説明図であり、図13(B)は、特別記憶数Tが2個に達している状態を示す説明図である。
図14はRAM116の記憶領域の一部を概念的に示す説明図である。図14(C)は、通常記憶数Uが2個消化された状態を示す説明図であり、図14(D)は、通常記憶数Uに特別記憶数Tが2個補填された状態を示す説明図である。図15はメインCPU112が実行する始動口処理の流れを示すフローチャートである。図16はメインCPU112が実行する図柄処理の流れを示すフローチャートである。
なお、メインCPU112が始動口処理および図柄処理を実行する周期は、2ms(2ミリ秒)とする。
【0057】
(通常記憶領域および特別記憶領域)
図13,図14に示すように、RAM116には通常記憶領域および特別記憶領域が設けられている。通常記憶領域は、通常記憶領域A1〜A4の計4個の記憶領域から構成されており、特別記憶領域は、特別記憶領域B1〜B4の計4個の記憶領域から構成される。つまり、通常記憶数Uおよび特別記憶数Tは、それぞれ最大4個に設定されている。
また、通常記憶領域A1〜A4は、それぞれ「通常記憶数」、「大当り抽選」、「大当り図柄」、「リーチ抽選」、「リーチ図柄」および「ハズレ図柄」の計6種類の記憶領域から構成される。また、特別記憶領域B1〜B4は、それぞれ「特別記憶数」、「大当り抽選」、「大当り図柄」、「リーチ抽選」、「リーチ図柄」および「ハズレ図柄」の計6種類の記憶領域から構成される。
また、図中、現在と記載されている部分は、図柄表示器32aが特別図柄を変動するタイミングになったときに、メインCPU112が通常記憶領域A1に格納されている各種のデータに基づいて判定および処理した結果を示すデータを格納する記憶領域であり、図柄制御基板32のサブCPU32bは、その記憶領域に格納されている各種のデータに基づいて図柄表示器32aに特別図柄を変動表示させる。
【0058】
(始動口処理)
この始動口処理では、通常記憶数Uおよび特別記憶数Tの計数、第1種始動口27に入賞していない時間の計測、後の図柄処理において大当り判定などを行うために必要な値の取得などの処理を行う。
遊技球が第1種始動口27(図2)に入賞し、始動口スイッチ27a(図11)がONすると、メインCPU112は、始動口スイッチ27aに接続されている入力ポートの電圧変化を検出することにより、始動口スイッチ27aがONしたことを検出する(図15のステップ(以下、Sと略す)10:Yes)。続いてメインCPU112は、判定期間計測タイマTM1をスタートさせる(S11)。判定期間計測タイマTM1は、始動口スイッチ27aがONしていない期間、つまり遊技球が第1種始動口27に入賞していない期間を計測するタイマであり、この実施形態では、計測期間として15,000をカウントする。つまり、このパチンコ機1における各CPUが各処理を実行する周期が2msであるとすると、2ms×15,000=30s(30秒)を計測する。
続いてメインCPU112は、通常記憶数Uは4個未満であるか否かを判定し(S12)、4個未満である場合は(S12:Yes)、通常記憶数Uに「1」を加算する(S13)。
【0059】
続いてメインCPU112は、このとき大当り抽選カウンタのカウントした値を1つ取得し、それを通常記憶領域の「大当り抽選」に対応する記憶領域に格納する(S14)。大当り抽選カウンタは、メインCPU112が後の図柄処理において大当り判定を行うために用いるカウンタであり、複数の値、この実施形態では0〜952の計953個の値をカウントする。図13(A)に示す例では、通常記憶領域A1の「大当り抽選」に対応する記憶領域には、「109」が格納されている。
続いてメインCPU112は、このとき大当り図柄抽選カウンタのカウントした値を1つ取得し、それを通常記憶領域の「大当り図柄」に対応する記憶領域に格納する(S15)。大当り図柄抽選カウンタはメインCPU112が後の図柄処理において大当り図柄を決定するために用いるカウンタであり、複数の値、この実施形態では特別図柄の数と同じ0〜9の計10個の値をカウントする。図13(A)に示す例では、通常記憶領域A1の「大当り図柄」に対応する記憶領域には、「5」が格納されている。
【0060】
続いてメインCPU112は、このときリーチ抽選カウンタのカウントした値を1つ取得し、それを通常記憶領域の「リーチ抽選」に対応する記憶領域に格納する(S16)。リーチ抽選カウンタはメインCPU112が後の図柄処理においてリーチを行うか否かの判定(以下、リーチ判定という)を行うために用いるカウンタであり、複数の値、この実施形態では0〜19の計20個の値をカウントする。図13(A)に示す例では、通常記憶領域A1の「リーチ抽選」に対応する記憶領域には、「14」が格納されている。
続いてメインCPU112は、このときリーチ図柄抽選カウンタのカウントした値を1つ取得し、それを通常記憶領域の「リーチ図柄」に対応する記憶領域に格納する(S17)。リーチ図柄とは、リーチのときに表示する図柄(たとえば、変動しているときよりも拡大された図柄や変形された図柄など)である。リーチ図柄抽選カウンタはメインCPU112が後の図柄処理においてリーチ図柄を決定するために用いるカウンタであり、複数の値、この実施形態では0〜29の計30個の値をカウントする。図13(A)に示す例では、通常記憶領域A1の「リーチ図柄」に対応する記憶領域には、「8」が格納されている。
【0061】
続いてメインCPU112は、このときハズレ図柄抽選カウンタのカウントした値を1つ取得し、それを通常記憶領域の「ハズレ図柄」に対応する記憶領域に格納し(S18)、次の処理へ移行する。ハズレ図柄抽選カウンタはメインCPU112が後の図柄処理においてハズレ図柄を決定するために用いるカウンタであり、複数の値、この実施形態では特別図柄の数と同じ0〜9の計10個の値をカウントする。図13(A)に示す例では、通常記憶領域A1の「ハズレ図柄」に対応する記憶領域には、「753」が格納されている。
また、メインCPU112は、S12において通常記憶数Uが4個未満ではない、つまり4個以上であると判定した場合は(S12:No)、特別記憶数Tが上限の4個未満であるか否かを判定する(S19)。ここで、特別記憶数Tが4個未満であると判定した場合は(S19:Yes)、特別記憶数Tに「1」を加算する(S20)。つまり、通常記憶数Uの上限である4個を超えた分を特別記憶数Tとして記憶を開始する。
【0062】
続いてメインCPU112は、このとき大当り抽選カウンタのカウントした値を1つ取得し、それを特別記憶領域の「大当り抽選」に対応する記憶領域に格納する(S21)。図13(B)に示す例では、特別記憶領域B1の「大当り抽選」に対応する記憶領域には、「301」が格納されている。
続いてメインCPU112は、このとき大当り図柄抽選カウンタのカウントした値を1つ取得し、それを特別記憶領域の「大当り図柄」に対応する記憶領域に格納する(S22)。図13(B)に示す例では、特別記憶領域B1の「大当り図柄」に対応する記憶領域には、「8」が格納されている。
続いてメインCPU112は、このときリーチ抽選カウンタのカウントした値を1つ取得し、それを特別記憶領域の「リーチ抽選」に対応する記憶領域に格納する(S23)。図13(B)に示す例では、特別記憶領域B1の「リーチ抽選」に対応する記憶領域には、「1」が格納されている。
【0063】
続いてメインCPU112は、このときリーチ図柄抽選カウンタのカウントした値を1つ取得し、それを特別記憶領域の「リーチ図柄」に対応する記憶領域に格納する(S24)。図13(B)に示す例では、特別記憶領域B1の「リーチ図柄」に対応する記憶領域には、「18」が格納されている。
続いてメインCPU112は、このときハズレ図柄抽選カウンタのカウントした値を1つ取得し、それを特別記憶領域の「ハズレ図柄」に対応する記憶領域に格納し(S25)、次の処理へ移行する。図13(B)に示す例では、特別記憶領域B1の「ハズレ図柄」に対応する記憶領域には、「323」が格納されている。
【0064】
そして、メインCPU112は、次の周期で始動口処理を実行するタイミングにおいて始動口スイッチ27aはONしていないと判定すると(S10:No)、判定期間計測タイマTM1のカウントを「−1」する(S26)。続いてメインCPU112は、判定期間計測タイマTM1が「0」になったか否か、つまり30秒経過したか否かを判定し(S27)、30秒経過していないと判定した場合は(S27:No)、次の処理へ移行する。そして、メインCPU112は、S26において30秒経過したと判定した場合は(S27:Yes)、始動口スイッチ27aがONしてから、つまり遊技球が第1種始動口27に入賞して30秒経過したことを示す判定フラグをONする(S28)。
【0065】
(図柄処理)
この図柄処理では、通常記憶数Uに特別記憶数Tを補填するか否かの判定、通常記憶数Uの補填、大当り判定などの処理を行う。
メインCPU112は、図柄表示器32aが特別図柄を変動中であるか否かを判定する(図16のS50)。たとえば、その判定は、メインCPU112から図柄制御基板32へ図柄の変動開始を指示する変動開始コマンドを出力した後、図柄の変動停止を指示する変動停止コマンドを出力したか否かに基づいて判定する。
ここで、特別図柄が変動中であると判定した場合は(S50:Yes)、変動時間が経過したか否かを判定し(S51)、変動時間が経過した場合は(S51:Yes)、図柄制御基板32へ変動停止コマンドを出力する(S52)。
【0066】
また、メインCPU112は、特別図柄が変動中ではないと判定した場合は(S50:No)、前述の始動口処理のS28を実行することにより判定フラグがONしているか否かを判定する(S53)。ここで、判定フラグがONしている、つまり遊技球が第1種始動口27に入賞していない時間が30秒を経過している場合は(S53:Yes)、特別記憶数Tが1個以上になっているか否かを判定する(S54)。ここで、特別記憶数Tが1個以上になっていると判定した場合は(S54:Yes)、通常記憶数Uが4個未満になっているか否かを判定する(S55)。つまり、特別記憶数Tを補填してもよい状態になっているか否かを判定する。
ここで、通常記憶数Uが4個未満である場合は(S55:Yes)、特別記憶領域に格納されている各種のデータを通常記憶領域の空き領域へ移動する(S56)。つまり、通常記憶数Uを特別記憶数Tにより補填する。
【0067】
図14(C)に示す例では、通常記憶領域A3が空き領域となっているため、特別記憶領域B1に格納されている各種のデータを通常記憶領域A3へ移動する。
続いてメインCPU112は、通常記憶数Uに1を加算し(S57)、特別記憶数Tから1を減算する(S58)。続いてメインCPU112は、特別記憶数Tが0個になったか否かを判定し(S59)、0個になっていない場合は(S59:No)、S55に戻り、通常記憶数Uが4個未満である場合は(S55:Yes)、特別記憶領域に格納されている各種のデータを通常記憶領域の空き領域へ移動する(S56)。図14(C)に示す例では、通常記憶領域A4が空き領域となっているため、特別記憶領域B2に格納されている各種のデータを通常記憶領域A4へ移動する。
つまり、特別記憶数Tが0個になったか、あるいは、通常記憶数が4個になったかの何れかの条件が満足されるまで、特別記憶領域の各種のデータを通常記憶領域の空き領域へ移動する処理を繰り返し、通常記憶数Uを特別記憶数Tにより補填する(S55〜S59)。図14に示す例では、特別記憶数Tの2個が通常記憶数Uに補填され、通常記憶数Uが上限の4個に増加している。
【0068】
続いてメインCPU112は、判定フラグをOFFし(S60)、次の処理へ移行する。また、メインCPU112は、S54において特別記憶数Tが1個以上存在しないと判定した場合は(S54:No)、通常記憶数Uを特別記憶数Tにより補填することができないため、この図柄処理を抜けて次の処理へ移行する。また、S55において通常記憶数Uが4個に達したと判定した場合は(S55:No)、それ以上通常記憶数Uを補填する必要がないため、この図柄処理を抜けて次の処理へ移行する。
また、メインCPU112は、S53において判定フラグがONしていないと判定した場合は(S53:No)、通常記憶数Uが1以上であるか否かを判定する(S61)。ここで、通常記憶数Uが1以上であると判定した場合は(S61:Yes)、通常記憶数Uから1を減算し(S62)、確変中であるか否かを判定する(S63)。ここで、確変とは確率変動の略であり、確率変動とは、大当りの発生する確率が高い遊技状態に変化していることをいう。
【0069】
ここで、確変中であると判定した場合は(S63:Yes)、高確率判定データをセットし(S64)、確変中ではないと判定した場合は(S63:No)、低確率判定データをセットする(S65)。ここで、高確率判定データおよび低確率判定データとは、メインCPU112が次のS66において大当り判定を行うために参照するデータであり、大当り抽選カウンタがカウントする値の中のいくつかの値で構成されている。たとえば、低確率判定データは、「7」「277」「293」の計3個であり、高確率判定データは、「7」「53」「89」「137」「173」「197」「257」「277」「293」「307」「337」「359」「409」「457」「487」「523」の計16個である。つまり、確変中の場合は、そうでない場合よりも大当りの発生確率が約5倍(=16/3)と高くなっている。
【0070】
続いてメインCPU112は、大当り判定を行う(S66)。S64を実行して高確率判定データをセットしている場合は、通常記憶領域A1の「大当り抽選」に対応する記憶領域に格納されている値を読出し、その読出した値が、高確率判定データの中に存在する場合は大当りと判定し(S66:Yes)、存在しない場合は大当りではない、つまりハズレと判定する(S66:No)。たとえば、高確率判定データとして前記の16個の値がセットされており、確変中に通常記憶領域A1の「大当り抽選」に対応する記憶領域から読出した値が「53」であった場合は大当りと判定する。
また、S65を実行して低確率判定データをセットしている場合は、通常記憶領域A1の「大当り抽選」に対応する記憶領域から読出した値が、低確率判定データの中に存在する場合は大当りと判定し(S66:Yes)、存在しない場合はハズレと判定する(S66:No)。たとえば、低確率判定データとして前記の3個のデータがセットされており、通常記憶領域A1の「大当り抽選」に対応する記憶領域から読出した値が「7」であった場合は大当りと判定する。
【0071】
メインCPU112は、大当りと判定した場合は(S66:Yes)、現在の記憶領域の「大当りフラグ」に対応する記憶領域において、大当りの発生を示す大当りフラグをONし(S67)、大当り図柄を決定する(S68)。大当り図柄は、大当り図柄テーブルを参照して決定する。大当り図柄テーブルは、始動口処理のS15またはS22において使用した大当り図柄抽選カウンタがカウントする値と、大当り図柄とを対応付けて構成されており、通常記憶領域A1の「大当り図柄」に対応する記憶領域に格納されている値を読出し、その読出した値と対応付けられている大当り図柄に決定する。
たとえば、大当り図柄テーブルが、大当り図柄抽選カウンタがカウントする値0〜9と、大当り図柄「0・0・0」〜「9・9・9」とをそれぞれ対応付けて構成されている場合に、通常記憶領域A1の「大当り図柄」に対応する記憶領域から読出した値が「5」であった場合は「5・5・5」を大当り図柄に決定する。その決定された大当り図柄を示すデータは、現在の記憶領域の「大当り図柄」に格納される。
【0072】
また、メインCPU112は、S66においてハズレと判定した場合は(S66:No)、リーチを実行するか否かを判定する(S69)。この判定は、通常記憶領域A1の「リーチ抽選」に対応する記憶領域に格納されている値を読出し、その読出した値が所定値であるか否かに基づいて行う。たとえば、上記の読出した値が「3」または「17」であった場合はリーチを行うと判定する。
ここで、リーチを行うと判定した場合は(S69:Yes)、リーチ図柄を決定する(S70)。リーチ図柄は、リーチ図柄テーブルを参照して決定する。リーチ図柄テーブルは、始動口処理のS17またはS24において使用したリーチ図柄抽選カウンタがカウントするカウント値と、リーチ図柄とを対応付けて構成されており、通常記憶領域A1の「リーチ図柄」に対応する記憶領域に格納されている値を読出し、その読出した値と対応付けられているリーチ図柄に決定する。その決定されたリーチ図柄を示すデータは、現在の記憶領域の「リーチ図柄」に格納される。
【0073】
また、メインCPU112は、リーチを実行しないと判定した場合は(S69:No)、ハズレ図柄を決定する(S71)。ハズレ図柄は、ハズレ図柄テーブルを参照して決定する。ハズレ図柄テーブルは、始動口処理のS18またはS25において使用したハズレ図柄抽選カウンタがカウントするカウント値と、ハズレ図柄とを対応付けて構成されており、通常記憶領域A1の「ハズレ図柄」に対応する記憶領域に格納されている値を読出し、その読出した値と対応付けられているハズレ図柄に決定する。
たとえば、ハズレ図柄テーブルが、ハズレ図柄抽選カウンタがカウントする値0〜9と、ハズレ図柄「0」〜「9」とをそれぞれ対応付けて構成されている場合に、通常記憶領域A1の「ハズレ図柄」に対応する記憶領域から読出した値と対応付けられているハズレ図柄に決定する。ハズレ図柄の決定は、左確定図柄、中確定図柄および右確定図柄の3図柄分行う。たとえば、通常記憶領域A1の「ハズレ図柄」に対応する記憶領域から読出した値が「123」であった場合は、「123」とそれぞれ対応付けられているハズレ図柄「1」「2」「3」に決定し、それら3図柄を組み合わせてハズレ図柄「1・2・3」を決定する。その決定されたハズレ図柄を示すデータは、現在の記憶領域の「ハズレ図柄」に格納される。
【0074】
続いてメインCPU112は、変動パターンを決定する(S72)。ここで、変動パターンとは、図柄表示器32aが特別図柄の変動を開始してから総ての確定図柄を表示するまでの表示内容のことである。変動パターンは変動パターン抽選カウンタおよび変動パターンテーブルを用いて決定する。変動パターン抽選カウンタは、複数の値、たとえば0〜126の計127個の値をカウントする。また、変動パターンテーブルは、変動パターン抽選カウンタがカウントする値と、複数の変動パターン、たとえば127種類の変動パターンとをそれぞれ対応付けて構成される。そして、メインCPU112は、S72を実行するタイミングになったときに変動パターン抽選カウンタがカウントした値を1つ取得し、その取得した値に対応付けられている変動パターンを変動パターンテーブルから選択する。その選択された変動パターンを示すデータは、現在の記憶領域の「変動パターン」に格納する。図13(A)に示す例では、変動パターンP50が格納されている。
【0075】
続いてメインCPU112は、S72において決定した変動パターンに対応する変動時間の計測を開始し(S73)、変動開始コマンドを図柄制御基板32へ出力する(S74)。その変動開始コマンドには、現在の記憶領域に格納されている各種のデータが含まれている。
一方、図柄制御基板32のサブCPU23bは、受信した変動開始コマンドを解析し、その解析結果に基づいて図柄表示器32aを制御し、受信した変動開始コマンドにより示される変動パターンに従って特別図柄の変動を行う。
続いてメインCPU112は、通常記憶領域A2〜A4に格納されている各種のデータを通常記憶領域A1の方へ1つずつ移動させる(S75)。これにより、今回の特別図柄の変動が終了した後に、メインCPU112が上述のS63〜S74を実行する準備が整う。
【0076】
そして、メインCPU112は、S73にて計測を開始した変動時間が経過したか否かを判定し(S51)、経過していない場合は(S51:No)、次の処理へ移行し、経過した場合は(S51:Yes)、変動停止コマンドを図柄制御基板32へ出力する(S52)。
一方、図柄制御基板32のサブCPU32bは、変動停止コマンドを受信すると、特別図柄の変動を停止させる表示を行い、大当り図柄またはハズレ図柄を確定表示する。
【0077】
[第1実施形態の効果]
(1)以上のように、上記第1実施形態のパチンコ機1を使用すれば、通常記憶数Uの上限である4個を超えた分は、特別記憶数Tとして記憶され、遊技球が第1種始動口27に入賞しない期間が30秒を超え、通常記憶数Uが4個未満である場合は、通常記憶数Uを特別記憶数Tにより補填し、その補填により発生した通常記憶数Uに対応する回数分の特別図柄の変動を行うことができる。
したがって、特別図柄が変動する契機が途切れてしまったと遊技者が感じる気持ちを抑えることができるため、遊技球が第1種始動口27に30秒もの期間入賞しないことに対する不満を解消することができるパチンコ機を実現することができる。
(2)また、特別記憶数Tにより補填された通常記憶数Uに基づく特別図柄の変動中に遊技球が第1種始動口27に入賞すれば、通常記憶数Uが増加するため、特別図柄が変動する契機をより一層途切れないようにすることができる。
【0078】
<第2実施形態>
次に、この発明の第2実施形態について図17および図18を参照して説明する。この実施形態のパチンコ機は、特別記憶数Tが1になってから通常記憶数Uが総て消化されるまでの期間に遊技球が第1種始動口27に1個も入賞しなかった場合に特別記憶数Tを通常記憶数Uに補填できることを特徴とする。
図17は、メインCPU112が実行する始動口処理2の流れを示すフローチャートであり、図18は、メインCPU112が実行する図柄処理2の流れを示すフローチャートである。なお、この実施形態のパチンコ機は、メインCPU112が実行する始動口処理2および図柄処理2の一部を除き、前述の第1実施形態のパチンコ機1と同一の構成および機能であるため、その同一部分の説明を簡略化または省略する。また、同一部分については同一の符号を用いる。
【0079】
(始動口処理2)
この始動口処理2では、通常記憶数Uおよび特別記憶数Tの計数、特別記憶数Tの記憶が開始されてから通常記憶数Uが0になるまでの期間に第1種始動口27に入賞した遊技球の入賞数(以下、判定期間中入賞数という)の計数、後の図柄処理において大当り判定などを行うために必要な値の取得などの処理を行う。
メインCPU112は、遊技球が第1種始動口27(図2)に入賞したと判定し(図17のS100:Yes)、通常記憶数Uが上限の4個未満であると判定すると(S101:Yes)、通常記憶数Uに「1」を加算する(S102)。
続いてメインCPU112は、判定フラグがONしているか否かを判定する(S103)。ここで、判定フラグとは、特別記憶数Tが1個以上記憶されていることを示すフラグである。
ここで、判定フラグがONしていると判定した場合は(S103:Yes)、判定期間中入賞数U0に1を加算し(S104)、S105〜S109を実行する。また、判定フラグがONしていないと判定した場合は(S103:No)、S105へスキップし、S105〜S109を実行する。なお、S105〜S109は、第1実施形態の始動口処理のS14〜S18と同一の処理である。
【0080】
また、メインCPU112は、S101において通常記憶数Uは4個未満ではない、つまり4個以上であると判定した場合は(S101:No)、特別記憶数Tが4個未満であるか否かを判定する(S110)。ここで、4個未満であると判定した場合は(S110:Yes)、特別記憶数Tに1を加算する(S111)。つまり、通常記憶数Uの上限である4個を超えた分を特別記憶数Tとして記憶を開始する。
続いてメインCPU112は、判定フラグがONしているか否かを判定し(S112)、ONしていないと判定した場合は(S112:No)、判定フラグをONする(S113)。続いてメインCPU112は、判定期間中入賞数U0を0個にリセットする(S114)。つまり、これから判定期間中入賞数U0の計数を開始するため、以前に記憶された判定期間中入賞数U0を0個にリセットする。
【0081】
続いてメインCPU112は、S115〜S119を実行する。なお、S115〜S119は、第1実施形態の始動口処理のS21〜S25と同一の処理である。また、メインCPU112は、S110において特別記憶数Tは上限の4個に達していると判定した場合は(S110:No)、次の処理へ移行する。また、S112において判定フラグはONしていると判定した場合(S112:Yes)は、S115へスキップし、S115〜S119を実行する。
【0082】
(図柄処理2)
この図柄処理では、通常記憶数Uに特別記憶数Tを補填するか否かの判定、通常記憶数Uの補填、大当り判定などの処理を行う。
メインCPU112は、特別図柄が変動中であると判定し(図18のS150:Yes)、変動時間が経過したと判定すると(S151:Yes)、図柄制御基板32へ変動停止コマンドを出力する(S152)。
また、メインCPU112は、特別図柄が変動中ではないと判定した場合は(S150:No)、通常記憶数Uが1個以上になっているか否か、つまり通常記憶数Uが総て消化されて0個になっているか否かを判定し(S153)、0個であると判定した場合は(S153:No)、前述の始動口処理2のS113を実行することにより判定フラグがONしているか否かを判定する(S154)。
ここで、判定フラグがONしている、つまり特別記憶数Tが1個以上記憶されていると判定すると(S154:Yes)、判定期間中入賞数U0が0であるか否かを判定する(S155)。つまり、特別記憶数Tが1個以上記憶されてから通常記憶数Uが総て消化されて0個になるまでの期間に、遊技球が第1種始動口27に1個も入賞しなかったか否かを判定する。
【0083】
ここで、判定期間中入賞数U0は0個であると判定した場合は(S155:Yes)、通常記憶数Uが4個未満であるか否かを判定する(S156)。ここでは、通常記憶数Uは0個になっているため4個未満であると判定し(S156:Yes)、特別記憶領域B1に格納されている各種のデータを通常記憶領域A1へ移動する(S157)。つまり、通常記憶数Uを特別記憶数Tにより補填する。
続いてメインCPU112は、特別記憶数Tの補填により通常記憶数Uが発生したため、通常記憶数Uに1を加算し(S158)、特別記憶数Tから1を減算する(S159)。続いてメインCPU112は、特別記憶数Tが0個になったか否かを判定し(S160)、0個になっていない場合は(S160:No)、S156に戻り、通常記憶数Uが4個未満である場合は(S156:Yes)、特別記憶領域B2の各種のデータを通常記憶領域A2へ移動する(S157)。つまり、通常記憶数Uを特別記憶数Tにより補填する。
そして、特別記憶数Tが0個になったか、あるいは、通常記憶数Uが4個になったかの何れかの条件が満足されるまで、特別記憶領域の各種のデータを通常記憶領域へ移動する処理を繰り返し、通常記憶数Uを特別記憶数Tにより補填する(S156〜S160)。
【0084】
続いてメインCPU112は、判定フラグをOFFし(S161)、次の処理へ移行する。
また、メインCPU112は、S153において通常記憶数Uは1個以上であると判定した場合は(S153:Yes)、S162〜S175を実行する。なお、S162〜S175は、第1実施形態の図柄処理のS62〜S75と同一の処理である。また、メインCPU112は、S154において判定フラグはONしていない、つまり特別記憶数Tが記憶されていないと判定した場合は(S154:No)、特別記憶数Tにより通常記憶数Uを補填できないため、この図柄処理2を抜けて次の処理へ移行する。また、S155において判定期間中入賞数U0が1個以上存在すると判定した場合は(S155:No)、通常記憶数Uが1個以上になっているため、補填する必要がないので判定フラグをOFFし(S161)、この図柄処理2を抜けて次の処理へ移行する。さらに、S156において通常記憶数Uが特別記憶数Tの補填により4個に達したと判定した場合は(S156:Yes)、それ以上補填できないため、判定フラグをOFFし(S161)、この図柄処理2を抜けて次の処理へ移行する。
【0085】
[第2実施形態の効果]
(1)以上のように、上記第2実施形態のパチンコ機1を使用すれば、通常記憶数Uの上限である4個を超えた分は、特別記憶数Tとして記憶され、特別記憶数Tが1個以上になってから通常記憶数Uが総て消化され0個になるまでの期間に、遊技球が第1種始動口27に1個も入賞しなかった場合(判定期間中入賞数U0が0個であった場合)は、通常記憶数Uを特別記憶数Tにより補填し、その補填により発生した通常記憶数Uに対応する回数分の特別図柄の変動を行うことができる。
したがって、特別図柄が変動する契機が途切れてしまったと遊技者が感じる気持ちを抑えることができるため、上限まで達した通常記憶数Uを総て使い切るまでの期間に遊技球が第1種始動口27に1個も入賞しないことに対する不満を解消することができるパチンコ機を実現することができる。
(2)また、特別記憶数Tにより補填された通常記憶数Uに基づく特別図柄の変動中に遊技球が第1種始動口27に入賞すれば、通常記憶数Uが増加するため、特別図柄が変動する契機をより一層途切れないようにすることができる。
【0086】
<第3実施形態>
次に、この発明の第3実施形態について図19および図20を参照して説明する。この実施形態のパチンコ機は、特別記憶数Tの記憶が開始されてから30秒経過するまでの期間に遊技球が第1種始動口27に1個も入賞しなかった場合に特別記憶数Tを通常記憶数Uに補填できることを特徴とする。
図19は、メインCPU112が実行する始動口処理3の流れを示すフローチャートであり、図20は、メインCPU112が実行する図柄処理3の流れを示すフローチャートである。なお、この実施形態のパチンコ機は、メインCPU112が実行する始動口処理3および図柄処理3の一部を除き、前述の第1実施形態のパチンコ機1と同一の構成および機能であるため、その同一部分の説明を簡略化または省略する。また、同一部分については同一の符号を用いる。
【0087】
(始動口処理3)
この始動口処理3では、通常記憶数Uおよび特別記憶数Tの計数、特別記憶数Tの記憶が開始されてから30秒を経過するまでの期間に第1種始動口27に入賞した遊技球の入賞数(以下、判定期間中入賞数という)の計数、特別記憶数Tによる通常記憶数Uの補填、後の図柄処理において大当り判定などを行うために必要な値の取得などの処理を行う。
メインCPU112は、遊技球が第1種始動口27(図2)に入賞したと判定し(図19のS200:Yes)、通常記憶数Uが上限の4個未満であると判定すると(S201:Yes)、通常記憶数Uに「1」を加算する(S202)。
続いてメインCPU112は、判定フラグがONしているか否かを判定する(S203)。ここで、判定フラグとは、特別記憶数Tの記憶が開始されたことを示すフラグである。
ここで、判定フラグがONしていると判定した場合は(S203:Yes)、判定期間中入賞数U0に1を加算し(S204)、S205〜S209を実行する。また、判定フラグがONしていないと判定した場合は(S203:No)、S205へスキップし、S205〜S209を実行する。なお、S205〜S209は、第1実施形態の始動口処理のS14〜S18と同一の処理である。
【0088】
また、メインCPU112は、S201において通常記憶数Uは4個未満ではない、つまり4個以上であると判定した場合は(S201:No)、特別記憶数Tが4個未満であるか否かを判定する(S210)。ここで、4個未満であると判定した場合は(S210:Yes)、特別記憶数Tに1を加算する(S211)。つまり、通常記憶数Uの上限である4個を超えた分を特別記憶数Tとして記憶を開始する。
続いてメインCPU112は、判定フラグがONしているか否かを判定し(S212)、ONしていないと判定した場合は(S212:No)、判定フラグをONする(S213)。続いてメインCPU112は、判定期間中入賞数U0を0個にリセットする(S214)。
【0089】
続いてメインCPU112は、判定期間計測タイマTM2をスタートさせる(S215)。判定期間計測タイマTM2は、特別記憶数Tの記憶が開始されてからの経過時間を計測するタイマであり、この実施形態では、計測時間として15,000を計測する。つまり、2ms×15,000=30s(30秒)を計測する。
続いてメインCPU112は、S216〜S220を実行する。なお、S216〜S220は、第1実施形態の始動口処理のS21〜S25と同一の処理である。また、メインCPU112は、S210において特別記憶数Tは上限の4個に達していると判定した場合は(S210:No)、次の処理へ移行し、S212において判定フラグはONしていると判定した場合(S212:Yes)は、S216へスキップし、S216〜S220を実行する。
【0090】
また、メインCPU112は、始動口スイッチ27aがONしていないと判定した場合は(S200:No)、判定フラグがONしているか否かを判定し(S221)、ONしている、つまり特別記憶数Tの記憶が開始されていると判定した場合は(S221:Yes)、判定期間計測タイマTM2のカウントを「−1」する(S222)。続いてメインCPU112は、判定期間計測タイマTM2が「0」になったか否か、つまり30秒経過したか否かを判定し(S223)、経過していると判定した場合は(S223:Yes)、判定期間中入賞数U0が0個であるか否かを判定する(S224)。つまり、特別記憶数Tの記憶が開始されてから30秒経過するまでの期間に遊技球が第1種始動口27に入賞したか否かを判定する。
ここで、判定期間中入賞数U0が0個であると判定した場合は(S224:Yes)、通常記憶数Uが4個未満であるか否かを判定し(S225)、4個未満であると判定した場合は(S225:Yes)、特別記憶領域B1に格納されている各種のデータを通常記憶領域の空き領域へ移動する(S226)。つまり、通常記憶数Uを特別記憶数Tにより補填する。
【0091】
続いてメインCPU112は、通常記憶数Uに1を加算し(S227)、特別記憶数Tから1を減算する(S228)。続いてメインCPU112は、特別記憶数Tが0個になったか否かを判定し(S229)、0個になっていない場合は(S229:No)、S225に戻り、通常記憶数Uが4未満である場合は(S225:Yes)、特別記憶領域B2に格納されている各種のデータを通常記憶領域の空き領域へ移動する(S226)。つまり、通常記憶数Uを特別記憶数Tにより補填する。
そして、特別記憶数Tが0個になったか、あるいは、通常記憶数が4個になったかの何れかの条件が満足されるまで、特別記憶領域の各種のデータを通常記憶領域の空き領域へ移動する処理を繰り返し、通常記憶数Uを特別記憶数Tにより補填する(S225〜S229)。
【0092】
続いてメインCPU112は、判定フラグをOFFし(S231)、この始動口処理3を抜けて次の処理へ移行する。また、メインCPU112は、S221において判定フラグはONしていない、つまり特別記憶数Tが記憶されておらず、特別記憶数Tが0個であると判定した場合は、特別記憶数Tにより通常記憶数Uを補填できないため、この始動口処理3を抜けて次の処理へ移行する。また、S223において判定期間計測タイマTM2が0になっていないと判定した場合は(S223:No)、判定期間の計測を継続するため、この始動口処理3を抜けて次の処理へ移行する。さらに、S224において判定期間中入賞数U0が1個以上存在すると判定した場合は(S224:No)、通常記憶数Uが1個以上存在し、補填の必要がないため、特別記憶数Tを0個にリセットし(S230)、判定フラグをOFFし(S231)、この始動口処理3を抜けて次の処理へ移行する。
ここで、特別記憶数Tを0個にリセットするのは、特別記憶数Tが記憶されていることにより、次の周期で図柄処理4が実行されるときに、実際には特別記憶数Tが発生していないにも拘わらず、S221において肯定判定され、S221以降の処理が実行されて通常記憶数Uが特別記憶数Tにより補填されてしまう事態を回避するためである。つまり、通常記憶数Uが補填される機会が複数回与えられないようにするためである。
【0093】
(図柄処理3)
この図柄処理3では、大当り判定などの処理を行う。
メインCPU112は、特別図柄が変動中であると判定し(図20のS250:Yes)、変動時間が経過したと判定すると(S251:Yes)、図柄制御基板32へ変動停止コマンドを出力する(S252)。
また、メインCPU112は、特別図柄が変動中ではないと判定した場合は(S250:No)、S253〜S267を実行する。S253〜S267は、第1実施形態の図柄処理のS61〜S75と同一の処理である。
【0094】
[第3実施形態の効果]
(1)以上のように、上記第3実施形態のパチンコ機1を使用すれば、通常記憶数Uの上限である4個を超えた分は、特別記憶数Tとして記憶され、特別記憶数Tの記憶が開始されてから30秒経過するまでの期間に、遊技球が第1種始動口27に1個も入賞しなかった場合(判定期間中入賞数U0が0個であった場合)は、通常記憶数Uを特別記憶数Tにより補填し、その補填により発生した通常記憶数Uに対応する回数分の特別図柄の変動を行うことができる。
したがって、特別図柄が変動する契機が途切れてしまったと遊技者が感じる気持ちを抑えることができるため、特別記憶数Tの記憶が開始されてから30秒を経過したにも拘わらず遊技球が第1種始動口27に1個も入賞しないことに対する不満を解消することができるパチンコ機を実現することができる。
【0095】
(2)また、特別記憶数Tの記憶が開始されてから30秒経過するまでの期間中に遊技球が第1種始動口27に入賞した場合(判定期間中入賞数U0が1個以上になった場合)は、特別記憶数Tによる通常記憶数Uの補填を実行しないで、特別記憶数Tを0個にリセット(破棄)することができる。
したがって、通常記憶数Uが補填される機会が複数回与えられないようにすることができるため、特別図柄の変動回数の増加により、大当りが発生する機会が増えてしまい、ホール(遊技店)が不測の不利益を被るという事態を回避することができる。
(3)また、特別記憶数Tにより補填された通常記憶数Uに基づく特別図柄の変動中に遊技球が第1種始動口27に入賞すれば、通常記憶数Uが増加するため、特別図柄が変動する契機をより一層途切れないようにすることができる。
【0096】
<第4実施形態>
次に、この発明の第4実施形態について図21および図22を参照して説明する。この実施形態のパチンコ機は、通常記憶数Uの個数に対応する回数分の特別図柄の変動が総て終了してから30秒経過するまでの期間(以下、判定期間という)に遊技球が第1種始動口27に1個も入賞しなかった場合に特別記憶数Tを通常記憶数Uに補填できることを特徴とする。
図21は、メインCPU112が実行する始動口処理4の流れを示すフローチャートであり、図22は、メインCPU112が実行する図柄処理4の流れを示すフローチャートである。なお、この実施形態のパチンコ機は、メインCPU112が実行する始動口処理4および図柄処理4の一部を除き、前述の第1実施形態のパチンコ機1と同一の構成および機能であるため、その同一部分の説明を簡略化または省略する。また、同一部分については同一の符号を用いる。
【0097】
(始動口処理4)
この始動口処理4では、通常記憶数Uおよび特別記憶数Tの計数、後の図柄処理において大当り判定などを行うために必要な値の取得などの処理を行う。
メインCPU112は、遊技球が第1種始動口27(図2)に入賞したと判定し(図21のS300:Yes)、通常記憶数Uが上限の4個未満であると判定すると(S301:Yes)、通常記憶数Uに「1」を加算する(S302)。
続いてメインCPU112は、判定フラグがONしているか否かを判定する(S303)。ここで、判定フラグとは、判定期間の計測が開始されたことを示すフラグである。
ここで、判定フラグがONしていると判定した場合は(S303:Yes)、判定期間中に第1種始動口27に入賞した数(以下、判定期間中入賞数という)U0に1を加算し(S304)、S305〜S309を実行する。また、判定フラグがONしていないと判定した場合は(S303:No)、S305へスキップし、S305〜S309を実行する。なお、S305〜S309は、第1実施形態の始動口処理のS14〜S18と同一の処理である。
【0098】
また、メインCPU112は、S301において通常記憶数Uは4個未満ではない、つまり4個以上であると判定した場合は(S301:No)、特別記憶数Tが4個未満であるか否かを判定する(S310)。ここで、4個未満であると判定した場合は(S310:Yes)、特別記憶数Tに1を加算する(S311)。つまり、通常記憶数Uの上限である4個を超えた分を特別記憶数Tとして記憶を開始する。
続いてメインCPU112は、S312〜S316を実行する。S312〜S316は、第1実施形態の始動口処理のS21〜S25と同一の処理である。また、メインCPU112は、S310において特別記憶数Tは上限の4個に達していると判定した場合は(S310:No)、この始動口処理4を抜けて次の処理へ移行する。
【0099】
(図柄処理4)
この図柄処理4では、判定期間の計測、特別記憶数Tによる通常記憶数Uの補填、大当り判定などの処理を行う。
メインCPU112は、特別図柄が変動中であると判定し(図22のS350:Yes)、変動時間が経過したと判定すると(S351:Yes)、図柄制御基板32へ変動停止コマンドを出力する(S352)。
また、メインCPU112は、特別図柄が変動中ではないと判定した場合は(S350:No)、通常記憶数Uが1個以上であるか否か、つまり通常記憶数Uの個数分の特別図柄の変動を総て終了し、通常記憶数Uが0個になっているか否かを判定する(S353)。ここで、0個になっていると判定した場合は(S353:No)、特別記憶数Tが1個以上になっているか否かを判定する(S354)。ここで、特別記憶数Tが1個以上になっていると判定した場合は(S354:Yes)、判定期間を計測する判定期間計測タイマTM3が動作中であるか否か、つまり判定期間を計測中であるか否かを判定する(S355)。
【0100】
ここで、計測中ではないと判定した場合は(S355:No)、判定期間の30秒を計測する判定期間計測タイマTM3をスタートさせ(S356)、判定フラグをONし(S357)、判定期間計測タイマTM3のカウントを「−1」する(S358)。続いてメインCPU112は、判定期間計測タイマTM3が「0」になったか否か、つまり30秒経過したか否かを判定し(S359)、30秒経過したと判定した場合は(S359:Yes)、判定期間中入賞数U0が0個であるか否か、つまり通常記憶数Uに対応する回数分の特別図柄の変動を総て終了し、通常記憶数Uが0個になってから30秒経過するまでの期間に遊技球が第1種始動口27に1個も入賞しなかったか否かを判定する(S360)。
ここで、1個も入賞しなかったと判定した場合は(S360:Yes)、通常記憶数Uが4個未満であるか否かを判定するが(S361)。ここでは、通常記憶数Uは総て消化されて0個になっているため、4個未満であると判定し(S361:Yes)、特別記憶領域B1に格納されている各種のデータを通常記憶領域A1へ移動し(S362)、通常記憶数Uを特別記憶数Tにより補填する。
【0101】
続いてメインCPU112は、補填により通常記憶数Uが1個発生したことになるため、通常記憶数Uに1を加算し(S363)、特別記憶数Tから1を減算する(S364)。続いてメインCPU112は、特別記憶数Tが0個になったか否かを判定し(S365)、0個になっていない場合は(S365:No)、S361に戻り、通常記憶数Uは4未満である場合は(S361:Yes)、特別記憶領域B2に格納されている各種のデータを通常記憶領域A2へ移動し(S362)、通常記憶数Uを特別記憶数Tにより補填する。
つまり、特別記憶数Tが0個になったか、あるいは、通常記憶数が4個以上になったかの何れかの条件が満足されるまで、特別記憶領域B1〜B4に格納されている各種のデータを通常記憶領域A1〜A4へ移動する処理を繰り返し、通常記憶数Uを特別記憶数Tにより補填する(S361〜S365)。
【0102】
続いてメインCPU112は、判定フラグをOFFし(S367)、判定期間中入賞数U0を0個にリセットし(S368)、次の処理へ移行する。なお、メインCPU112は、S354において特別記憶数Tが全く記憶されていないと判定した場合は(S354:No)、通常記憶数Uを特別記憶数Tにより補填できないため、この図柄処理4を抜けて次の処理へ移行する。また、S359において判定期間計測タイマTM3は「0」になっていないと判定した場合(S359:No)は、判定期間の計測を継続するため、この図柄処理4を抜けて次の処理へ移行する。また、S360において判定期間中入賞数U0が0個ではない、つまり1個以上であると判定した場合は(S360:No)、判定期間中に新たな通常記憶数Uが発生しており、通常記憶数Uを特別記憶数Tにより補填する必要がないため、特別記憶数Tを0個にリセットし(S366)、S367、S368を実行する。
【0103】
ここで、特別記憶数Tを0個にリセットするのは、特別記憶数Tが記憶されていることにより、次の周期で図柄処理4が実行されるときに、実際には特別記憶数Tが発生していないにも拘わらず、S354において肯定判定され、S355以降の処理が実行されて通常記憶数Uが特別記憶数Tにより補填されてしまう事態を回避するためである。つまり、通常記憶数Uが補填される機会が複数回与えられないようにするためである。
また、S361において通常記憶数Uが特別記憶数Tの補填により4個に達したと判定した場合は(S361:No)、それ以上補填の必要がないため、S367、S368を実行し、次の処理へ移行する。さらに、S353において通常記憶数Uは1個以上存在すると判定した場合は(S353:Yes)、S369〜S382を実行する。S369〜S382は、第1実施形態の図柄処理のS62〜S75と同一の処理である。
【0104】
[第4実施形態の効果]
(1)以上のように、上記第4実施形態のパチンコ機1を使用すれば、通常記憶数Uの上限である4個を超えた分は、特別記憶数Tとして記憶され、通常記憶数Uに対応する回数分の特別図柄の変動が総て終了してから30秒経過するまでの期間に遊技球が第1種始動口27に1個も入賞しなかった場合(判定期間中入賞数U0が0個であった場合)は、通常記憶数Uを特別記憶数Tにより補填し、その補填により発生した通常記憶数Uに対応する回数分の特別図柄の変動を行うことができる。
したがって、特別図柄が変動する契機が途切れてしまったと遊技者が感じる気持ちを抑えることができるため、通常記憶数Uに対応する回数分の特別図柄の変動が総て終了してから30秒を経過したにも拘わらず遊技球が第1種始動口27に1個も入賞しないことに対する不満を解消することができるパチンコ機を実現することができる。
【0105】
(2)また、通常記憶数Uに対応する回数分の特別図柄の変動が総て終了してから30秒を経過するまでの期間中に遊技球が第1種始動口27に入賞した場合(判定期間中入賞数U0が1個以上になった場合)は、特別記憶数Tによる通常記憶数Uの補填を実行しないで、特別記憶数Tを0個にリセット(破棄)することができる。
したがって、通常記憶数Uが補填される機会が複数回与えられないようにすることができるため、特別図柄の変動回数の増加により、大当りが発生する機会が増えてしまい、ホール(遊技店)が不測の不利益を被るという事態を回避することができる。
(3)さらに、特別記憶数Tにより補填された通常記憶数Uに基づく特別図柄の変動中に遊技球が第1種始動口27に入賞すれば、通常記憶数Uが増加するため、特別図柄が変動する契機をより一層途切れないようにすることができる。
【0106】
<他の実施形態>
(1)前述の各実施形態では、特別記憶数Tが記憶され、所定の条件が満足された場合は、特別記憶領域の各種のデータを通常記憶領域へ移動させることにより通常記憶数Uを特別記憶数Tにより補填する場合を説明したが、データの移動を行わないで、特別記憶領域に格納されている各種のデータに基づいて大当り判定などを行い、特別図柄を変動することもできる。
(2)第1実施形態の始動口処理において使用した判定期間計測タイマTM1による計測時間は、30秒以外(たとえば、15秒、60秒、90秒など)に設定することもできる。
【0107】
(3)また、第1実施形態の図柄処理では、判定期間が経過し、かつ特別記憶数Tが1個以上存在し、通常記憶数Uが上限の4個未満である場合に通常記憶数Uを特別記憶数Tにより補填したが、通常記憶数Uが上限よりも2個以上少ない場合(たとえば、通常記憶数Uが0個または1個の場合)に補填するように構成することもできる。また、通常記憶数Uの上限になるまで補填するのではなく、上限に満たない個数(たとえば、3個、2個、または1個)になったときに補填を中止することもできる。
また、通常記憶数Uの上限に満たない個数になったときに補填を中止した場合に、特別記憶数Tが記憶されている場合は、その記憶されている特別記憶数Tを次の補填の機会に用いることもできる。
【0108】
(4)第2実施形態では、特別記憶数Tの記憶が開始されてから通常記憶数Uが総て消化されるまでの期間中に遊技球が第1種始動口27に1個も入賞しなかった場合に通常記憶数Uを特別記憶数Tにより補填したが、特別記憶数Tの記憶が開始されてから通常記憶数Uが総て消化されるまでの期間中に第1種始動口に入賞した遊技球の数が所定個数(たとえば、1個、2個、または3個)であった場合に補填することもできる。この場合、通常記憶数Uの上限になるまで補填するのではなく、上限に満たない個数(たとえば、3個、2個、または1個)になったときに補填を中止することもできる。
また、通常記憶数Uの上限に満たない個数になったときに補填を中止した場合に、特別記憶数Tが記憶されている場合は、その記憶されている特別記憶数Tを次の補填の機会に用いることもできる。
【0109】
(5)第3実施形態の始動口処理において使用した判定期間計測タイマTM2による計測時間は、30秒以外(たとえば、15秒、60秒、90秒など)に設定することもできる。
(6)第3実施形態では、判定期間が経過するまでに遊技球が第1種始動口27に1個も入賞しなかった場合に通常記憶数Uを特別記憶数Tにより補填したが、判定期間中に第1種始動口に入賞した遊技球の数が所定個数(たとえば、1個、2個、または3個)であった場合に補填することもできる。この場合、通常記憶数Uの上限になるまで補填するのではなく、上限に満たない個数(たとえば、3個、2個、または1個)になったときに補填を中止することもできる。
また、通常記憶数Uの上限に満たない個数になったときに補填を中止した場合に、特別記憶数Tが記憶されている場合は、その記憶されている特別記憶数Tを次の補填の機会に用いることもできる。
【0110】
(7)第4実施形態の始動口処理において使用した判定期間計測タイマTM3による計測時間は、30秒以外(たとえば、15秒、60秒、90秒など)に設定することもできる。
(8)第4実施形態では、通常記憶数Uに対応する回数分の特別図柄の変動が総て終了してから判定期間が経過するまでに遊技球が第1種始動口27に1個も入賞しなかった場合に通常記憶数Uを特別記憶数Tにより補填したが、判定期間中に第1種始動口に入賞した遊技球の数が所定個数(たとえば、1個、2個、または3個)であった場合に補填することもできる。この場合、通常記憶数Uの上限になるまで補填するのではなく、上限に満たない個数(たとえば、3個、2個、または1個)になったときに補填を中止することもできる。
また、通常記憶数Uの上限に満たない個数になったときに補填を中止した場合に、特別記憶数Tが記憶されている場合は、その記憶されている特別記憶数Tを次の補填の機会に用いることもできる。
【0111】
(9)前記各実施形態では、通常記憶数Uおよび特別記憶数Tの上限をそれぞれ4個として説明したが、4個未満または5個以上に設定することもできる。また、通常記憶数Uおよび特別記憶数Tの上限は、同一個数でなくてもよい。
(10)通常記憶数Uを特別記憶Tに補填できる条件が満足されている場合であっても、補填するか否かの抽選を行い、その抽選に当たった場合に補填を行うようにすることもできる。たとえば、その抽選としては、複数の数値をカウントするカウンタを用い、そのカウンタから取得した値が所定値であった場合に当りと判定する抽選を用いる。
【0112】
(11)判定期間中は、遊技球を連続して発射していなければ通常記憶数Uを特別記憶数Tにより補填できないように構成することもできる。この場合、たとえば図11に示した各種のゲートスイッチや入賞口スイッチなどの他にアウト口14(図2)から流下する遊技球を検出するスイッチを設け、各スイッチのうち、いずれかのスイッチが所定期間内にONしたか否かにより、遊技球が連続して発射されているか否かを判定することができる(連続発射判定手段)。また、発射スイッチ15d(図11)が判定期間中継続したONしているか否かに基づいて、判定することもできる。
このように補填の条件を加えることにより、判定期間中に遊技球の発射を中断し、判定期間中入賞数U0を故意に0個にするような遊技が行われないようにすることができる。また、判定期間中に遊技球が発射されないことにより、パチンコ機1の稼働率が低下し、ホール(遊技店)の利益が低下することを防止できる。
【0113】
(12)通常記憶数Uを特別記憶Tに補填できる条件が満足されている場合であっても、直ぐに補填を行わないで、次の周期で始動口処理または図柄処理を実行するとき、あるいは、複数周期後に始動口処理または図柄処理を実行するときに補填を行うように遅らせることもできる(遅延手段)。
(13)図4〜図10に示した画像などの表示内容は一例であり、他の画像などの表示内容に変更することができる。たとえば、通常記憶数Uおよび特別記憶数Tの一方または両方を数字で表示することもできる。また、LEDやLCDなどの表示手段により表示することもできる。
(14)前述の各実施形態では、この発明を第1種パチンコ機に適用した場合を例に挙げて説明したが、第2種パチンコ機または第3種パチンコ機、あるいは第1種パチンコ機、第2種パチンコ機および第3種パチンコ機が備える構成および機能を複数組み合わせて構成されるパチンコ機にもこの発明を適用することができる。
【0114】
[各請求項と実施形態との対応関係]
第1種始動口27が請求項1に記載の所定の領域に対応し、メインCPU112、図柄制御基板32および図柄表示器32aが図柄表示装置に対応する。また、特別図柄が図柄に対応し、通常記憶領域A1〜A4および特別記憶領域B1〜B4が記憶手段に対応する。
【0115】
メインCPU112が実行する始動口処理(図15)、図柄処理(図16)および始動口処理2(図17)が、図柄表示装置として機能する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る実施形態のパチンコ機の外観を示す斜視説明図である。
【図2】図1に示すパチンコ機1に備えられた遊技盤5の主要構成を示す正面説明図である。
【図3】図3は始動口スイッチのON・OFF、図柄の変動・停止および保留数の関係を示すタイミングチャートである。図3(A)は従来のパチンコ機におけるタイミングチャートであり、図3(B)は本願発明のパチンコ機におけるタイミングチャートである。
【図4】図4は通常記憶数Uの増減する様子を示す説明図である。図4(A)は、通常記憶数Uが4個になっている状態を示す説明図であり、図4(B)は、通常記憶数Uが3個になった状態を示す説明図であり、図4(C)は、通常記憶数Uが4個になった状態を示す説明図である。
【図5】図5は通常記憶数Uおよび特別記憶数Tを示す説明図である。図5(D)は、特別記憶数Tが1個になった状態を示す説明図であり、図5(E)は、特別図柄の変動が終了した状態を示す説明図であり、図5(F)は、通常記憶数Uが3個になった状態を示す説明図である。
【図6】図6は通常記憶数Uが0個になる過程を示す説明図である。図6(G)は、通常記憶数Uが1個になった状態を示す説明図であり、図6(H)は、通常記憶数Uが0個になった状態を示す説明図であり、図6(I)は、特別記憶数Tを表現した卵に変化が現れた様子を示す説明図である。
【図7】図7は卵からヒヨコが生まれる様子を示す説明図である。図7(J)は、卵にヒビが発生した状態を示す説明図であり、図7(K)は、卵が割れた状態を示す説明図であり、図7(L)は、ヒヨコが誕生した状態を示す説明図である。
【図8】図8は通常記憶数Uが特別記憶数Tにより補填された状態を示す説明図である。図8(M)は、通常記憶数Uが1個になった状態を示す説明図であり、図8(N)は、通常記憶数Uが0個になった状態を示す説明図である。
【図9】図9は特別記憶Tが破棄される様子を示す説明図である。図9(A)は、ヒヨコが卵の上に飛び上がった様子を示す説明図であり、図9(B)は、ヒヨコによって卵が割れた様子を示す説明図であり、図9(C)は、卵が割れた状態を示す説明図である。
【図10】図10(D)は、通常記憶数Uが4個になった状態を示す説明図であり、図10(E)は、特別図柄の変動が停止した状態を示す説明図である。
【図11】パチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図12】図柄制御基板32の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図13】図13はRAM116の記憶領域の一部を概念的に示す説明図である。図13(A)は、通常記憶数Uが上限の4個に達している状態を示す説明図であり、図13(B)は、特別記憶数Tが2個に達している状態を示す説明図である。
【図14】図14はRAM116の記憶領域の一部を概念的に示す説明図である。図14(C)は、通常記憶数Uが2個消化された状態を示す説明図であり、図14(D)は、通常記憶数Uに特別記憶数Tが2個補填された状態を示す説明図である。
【図15】メインCPU112が実行する始動口処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】メインCPU112が実行する図柄処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】第2実施形態においてメインCPU112が実行する始動口処理2の流れを示すフローチャートである。
【図18】第2実施形態においてメインCPU112が実行する図柄処理2の流れを示すフローチャートである。
【図19】第3実施形態においてメインCPU112が実行する始動口処理3の流れを示すフローチャートである。
【図20】第3実施形態においてメインCPU112が実行する図柄処理3の流れを示すフローチャートである。
【図21】第4実施形態においてメインCPU112が実行する始動口処理4の流れを示すフローチャートである。
【図22】第4実施形態においてメインCPU112が実行する図柄処理4の流れを示すフローチャートである。
【図23】従来のパチンコ機の主要構成を示す正面説明図である。
【符号の説明】
1 パチンコ機
27 第1種始動口(所定の領域)
32a 図柄表示器(図柄表示装置)
112 メインCPU112(図柄表示装置)
114 ROM
A1〜A4 通常記憶領域(記憶手段)
B1〜B4 特別記憶領域(記憶手段)
M1〜M5 通常記憶画像
Y1 特別記憶画像
Claims (1)
- 遊技盤と、
この遊技盤へ遊技球を発射する発射装置と、
この発射装置により発射された遊技球が前記遊技盤の所定の領域を通過したことに基づいて、図柄の変動を開始する図柄表示装置と、
この図柄表示装置に表示されている図柄が変動中に遊技球が前記所定の領域を通過した場合に、前記図柄表示装置に表示されている図柄の変動が終了するまで、新たな図柄の変動の開始を保留し、その保留の数を上限までは通常記憶として記憶するとともに、前記上限を超えた分を特別記憶として記憶する記憶手段と、
前記発射装置により発射された遊技球が前記所定の領域を通過しない時間を計測するタイマと、
このタイマによる計測時間が判定期間を経過したか否かを判定する判定手段とを備えており、
前記図柄の変動を開始してから終了するまでを1回の図柄変動とした場合に、
前記図柄表示装置は、
前記記憶手段に記憶されている前記通常記憶の数に対応する回数分の図柄変動を行うことが可能であり、さらに、前記判定手段が肯定判定したときに、その肯定判定の対象になった前記判定期間の間前記発射装置により遊技球が連続して発射されており、かつ、前記通常記憶の数が前記上限未満であるとともに前記特別記憶の数が1以上である場合は、前記特別記憶の数を前記通常記憶の数に前記上限の範囲内で補填することを特徴とするパチンコ機。
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