JP2004229856A - 遊技機、コンピュータプログラムおよび記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技者にリーチ変動以外の変動にも関心を持たせることにより、表示装置の表示内容を有効活用することができる遊技機を実現する。
【解決手段】ハズレ変動の途中からリーチ変動に切替えるか否かを決定するための遡及変動抽選カウンタのカウント値を取得し(S108)、その取得したカウント値が3または17であった場合は(S110:Yes)、リーチ図柄およびリーチ変動パターンを決定し(S112、S114)、新変動開始コマンドを図柄制御基板へ送信する(S116)。これにより、図柄表示器32aは、ハズレ変動の途中から、上記決定されたリーチ変動パターンに切替え、その後、上記決定されたリーチ図柄を確定表示する。つまり、ハズレ変動であってもリーチ変動に切替わることがあるため、ハズレ変動にも関心を持つようになる。
【選択図】 図14
【解決手段】ハズレ変動の途中からリーチ変動に切替えるか否かを決定するための遡及変動抽選カウンタのカウント値を取得し(S108)、その取得したカウント値が3または17であった場合は(S110:Yes)、リーチ図柄およびリーチ変動パターンを決定し(S112、S114)、新変動開始コマンドを図柄制御基板へ送信する(S116)。これにより、図柄表示器32aは、ハズレ変動の途中から、上記決定されたリーチ変動パターンに切替え、その後、上記決定されたリーチ図柄を確定表示する。つまり、ハズレ変動であってもリーチ変動に切替わることがあるため、ハズレ変動にも関心を持つようになる。
【選択図】 図14
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、特定の図柄の組合せを確定表示することにより、遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に変化させるか否かの判定結果を表示する表示装置を備えた遊技機に関する。また、その遊技機をコンピュータにより機能させるためのコンピュータプログラムおよびそのコンピュータプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の遊技機として図19および図20に示すパチンコ機が知られている。図19は、従来のパチンコ機の主要構成を示す正面説明図である。図20(A)は、図19に示すパチンコ機に備えられた図柄表示器によりリーチ状態が表示されているところを示す説明図であり、図20(B)は、大当り図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
パチンコ機500に設けられた発射レバー501を操作して発射された遊技球が、遊技盤502に設けられた第1種始動口503入賞すると、パチンコ機500に内蔵されたコンピュータが大当りかハズレかを判定する。続いて、図柄表示器505が表示領域R1、R2およびR3(図20)において複数の特別図柄(たとえば、0〜9の数字を示す特別図柄)をそれぞれ上下方向に変動表示(スクロール表示ともいう)させる。
そして、変動表示の開始から所定時間経過すると、図柄表示器505は、表示領域R1、R3、R2の順に変動を停止し、上記判定結果に対応する特別図柄を確定表示する。特別図柄の変動開始から停止までの変動態様には、リーチ変動と、リーチ変動以外のハズレ変動とがある。リーチ変動とは、たとえば図20(A)に示すように、表示領域R1およびR3に同一の特別図柄が停止表示されており、残る表示領域R2では、まだ特別図柄が変動している変動態様をいう。
【0003】
リーチになると、表示領域R2の変動速度(スクロールの速度)をゆっくりにして特定の動画を表示したり、あるいは、変動方向(スクロールの方向)を逆転したりして、大当り図柄が完成するか否か、遊技者をヤキモキさせる様々な演出が行われる。また、ハズレ変動では、表示領域R1,R3の順に変動が停止すると、遊技者をヤキモキさせるような演出は行わず、表示領域R3の変動が停止してから比較的短時間で表示領域R2の変動が停止する。
そして、大当り図柄(たとえば、図20(B)に示すような「777」)が完成すると、大当りが発生し、扉式の開閉部材506が開作動し、大入賞口507が開口する。大入賞口507に遊技球が入賞すると、入賞球1個に付き、所定個数(たとえば、15個)の賞球が上受け皿508に払出される。また、大入賞口507に入賞した入賞球の数が所定数(たとえば、10個)に達するか、あるいは、大入賞口507が開口してから所定時間(たとえば、30秒)経過するかのいずれかの条件が満たされると、開閉部材506が閉作動し、大入賞口507が閉口する。さらに、大入賞口507に入賞した遊技球が大入賞口507の内部に設けられた特定領域509を通過すると、大入賞口507が連続して開口する権利が発生する。このように、大入賞口507が開口してから閉口するまでを1ラウンドとし、遊技球が特定領域509を通過することを条件として、複数のラウンド(たとえば、15ラウンド)の遊技を行うことができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−864号公報(請求項1、第19段落、第53段落、第86段落、図6、図9〜図11、図14〜図16)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のパチンコ機では、必ずと言っていいほど、リーチ変動を経てから大当りになり、ハズレ変動になった場合は、ハズレになる。
したがって、遊技者は、表示領域R3の変動が停止したときに、その停止図柄が表示領域R1の停止図柄と異なっていると分かった瞬間にハズレであると認識するため、その後、図柄表示器に表示される内容には全く関心がなくなってしまう。
つまり、従来のパチンコ機では、リーチ変動以外の変動は、遊技者が関心を示さない全くつまらない存在になっているため、表示装置の表示内容が有効活用されないという問題がある。
【0006】
そこでこの発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであり、遊技者にリーチ変動以外の変動にも関心を持たせることにより、表示装置の表示内容を有効活用することができる遊技機、この遊技機をコンピュータにより機能させるためのコンピュータプログラムおよびそのコンピュータプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段・作用および効果】
この発明は、上記目的を達成するため、請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の発明では、遊技盤と、この遊技盤へ遊技球を発射する発射装置と、この発射装置により発射された遊技球が所定の領域を通過したことを条件として、遊技状態を遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に変化させるか否かを判定する判定手段と、複数の表示領域のそれぞれにおいて複数の図柄を変動表示した後に前記複数の表示領域に所定の図柄の組合せを確定表示することにより前記判定手段の判定結果を表示する表示装置とを備えており、前記表示装置は、前記判定手段が前記遊技状態を遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に変化させると判定した場合に、前記複数の表示領域のそれぞれにおいて複数の図柄を変動表示した後に前記複数の表示領域に特定の図柄の組合せを確定表示する機能と、前記判定手段により所定の判定結果が出た場合に、前記複数の表示領域のそれぞれにおいて複数の図柄を変動表示した後に前記特定の図柄の組合せを構成する複数の図柄のうち、1つの図柄が確定表示されていない表示状態であるリーチ状態を表示するリーチ表示機能と、前記判定手段により所定の判定結果が出た場合に、前記複数の表示領域のそれぞれにおいて複数の図柄を変動表示した後に前記リーチ状態が出現しない通常の表示状態を表示する通常表示機能とを備えた遊技機において、前記表示装置が前記通常の表示状態を表示している途中で前記リーチ状態に切替えるか否かを遊技状態に応じて決定する決定手段と、この決定手段が、前記通常の表示状態を表示している途中で前記リーチ状態に切替えると決定した場合に、前記通常の表示状態を途中で前記リーチ状態に切替える切替手段とを備えたという技術的手段を用いる。
【0008】
発射装置により発射された遊技球が所定の領域を通過すると、判定手段が、遊技状態を遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に変化させるか否かを判定する。また、表示装置は、判定手段が遊技状態を遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に変化させると判定した場合に、複数の表示領域のそれぞれにおいて複数の図柄を変動表示した後に前記複数の表示領域に特定の図柄の組合せを確定表示する。また、表示装置が備えるリーチ表示機能は、判定手段により所定の判定結果が出た場合に、前記複数の表示領域のそれぞれにおいて複数の図柄を変動表示した後に前記特定の図柄の組合せを構成する複数の図柄のうち、1つの図柄が確定表示されていない表示状態であるリーチ状態を表示する。さらに、通常表示機能は、判定手段により所定の判定結果が出た場合に、前記複数の表示領域のそれぞれにおいて複数の図柄を変動表示した後に前記リーチ状態が出現しない通常の表示状態を表示する。
そして、決定手段は、表示装置が通常の表示状態を表示している途中でリーチ状態に切替えるか否かを遊技状態に応じて決定し、切替手段は、決定手段が、通常の表示状態を表示している途中でリーチ状態に切替えると決定した場合に、通常の表示状態を途中でリーチ状態に切替える。
【0009】
つまり、表示装置が通常の表示状態を表示している途中でリーチ状態に切替えて表示することができるため、通常の表示状態になっている場合であっても、それが将来リーチ状態に切り替わり、後に特定の図柄が確定表示されるかもしれないという期待を遊技者に抱かせることができる。
したがって、通常の表示状態に対する遊技者の関心を高めることができるため、表示装置の表示内容を有効活用することができる。
なお、賞球を獲得し易い遊技状態とは、たとえば、後述する発明の実施の形態に記載するように、大当りが発生した遊技状態、確変になっている遊技状態、時短になっている遊技状態などの遊技状態を意味する。
【0010】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の遊技機において、前記特定の図柄の種類に応じて、前記判定手段が遊技状態を遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に変化させると判定する確率が変化し、前記決定手段は、前記確率が低い場合に、前記表示装置が前記通常の表示状態を表示している途中で前記リーチ状態に切替えるという技術的手段を用いる。
【0011】
つまり、遊技状態を遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に変化する確率の低い遊技状態において、リーチ状態が表示される機会が少ないと、遊技に対する面白みが減ってしまうが、そのような遊技状態において、通常の表示状態の途中からリーチ状態に切替えることができるため、遊技に対する面白みを増すことができる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の遊技機において、前記表示装置が前記条件が成立しても直ちに前記図柄の変動表示を開始できない場合は、前記図柄の変動表示の開始を保留するとともに、その保留数を格納する保留数格納手段を備えており、前記決定手段は、前記保留数格納手段に格納されている前記保留数が所定数を超えていない遊技状態である場合に、前記表示装置が前記通常の表示状態を表示している途中で前記リーチ状態に切替えると決定するという技術的手段を用いる。
【0013】
保留数格納手段は、表示装置が前記条件が成立しても直ちに図柄の変動表示を開始できない場合は、図柄の変動表示の開始を保留するとともに、その保留数を格納する。また、決定手段は、保留数格納手段に格納されている保留数が所定数を超えていない遊技状態である場合に、表示装置が通常の表示状態を表示している途中でリーチ状態に切替えると決定する。
【0014】
つまり、遊技者は、保留数が多い場合は、できるだけ短時間のうちに図柄の変動表示を多く行うことによって保留数を消化し、特定の図柄が確定表示される時が早く到来するのを望むものである。
そこで、保留数が所定数を超えているような遊技状態である場合には、変動時間のかかるリーチ状態をなるべく作らないようにして保留数の消化を促進し、逆に、保留数が所定数を超えていないような遊技状態である場合には、通常の表示状態の途中からリーチ状態に切替えることにより、遊技者に時間をかけて楽しんでもらうことができる。また、遊技者は、保留数が所定数を超えていない場合であっても、通常の表示状態の途中からリーチ状態に切替わる機会が増えるため、少ない機会で幸運を掴むことができるのではないかという期待をしながら遊技を楽しむことができる。
【0015】
請求項4に記載の発明では、請求項1に記載の遊技機において、過去に発生した遊技状態の履歴を格納する履歴格納手段を備えており、前記決定手段は、前記履歴格納手段に格納されている前記履歴が所定の履歴になっている遊技状態である場合に、前記表示装置が前記通常の表示状態を表示している途中で前記リーチ状態に切替えると決定するという技術的手段を用いる。
【0016】
履歴格納手段は、過去に発生した遊技状態の履歴を格納し、決定手段は、履歴格納手段に格納されている履歴が所定の履歴になっている遊技状態である場合に、表示装置が通常の表示状態を表示している途中でリーチ状態に切替えると決定する。
【0017】
つまり、過去に発生した遊技状態の履歴が所定の履歴になっているか否かによって、通常の表示状態の途中でリーチ状態に切替わるか否かが決定されるため、その切替わりを将来期待する遊技者は、現在行っている遊技状態に関心を持ちながら遊技を楽しむことができる。
【0018】
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の遊技機において、前記表示装置は、前記切替手段により前記切替えを行わなかったとした場合に前記通常の表示状態を表示した後に確定表示する図柄と、前記切替手段により前記切替えを行った場合に前記リーチ状態を表示した後に確定表示する図柄とが異なるように表示するという技術的手段を用いる。
【0019】
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の遊技機において、前記表示装置は、前記判定手段が前記遊技状態を遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に変化させないと判定した場合に、前記リーチ表示機能により前記リーチ状態を表示した後に、前記特定の図柄の組合せを構成する複数の図柄のうち、1つの図柄が他の図柄と異なる図柄の組合せからなるリーチ図柄を確定表示し、前記判定手段が前記遊技状態を遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に変化させないと判定した場合に、前記通常表示機能により前記通常の表示状態を表示した後に、前記特定の図柄の組合せおよび前記リーチ図柄以外の図柄の組合せからなるハズレ図柄を確定表示し、前記切替手段は、前記決定手段が、前記通常の表示状態を表示している途中で前記リーチ状態に切替えると決定した場合に、前記通常の表示状態を途中で前記リーチ状態に切替え、前記切替えを行う前に確定表示しようとしていた前記ハズレ図柄を前記リーチ図柄に切替えるという技術的手段を用いる。
【0020】
つまり、遊技者は、確定表示されたリーチ図柄を見ることにより、リーチ状態にはなったが結果として賞球を獲得し易い遊技状態には変化しないことを知ることができる。また、ハズレ図柄を見ることにより、リーチ状態にもならず、結果として賞球を獲得し易い遊技状態には変化しないことを知ることができる。
特に、通常の表示状態を表示している途中でリーチ状態に切替わり、リーチ図柄が確定表示された過程を見ることにより、遊技者は通常の表示状態の後にハズレ図柄が確定表示される場合よりも何か得をしたような感じになり、近い将来、賞球を獲得し易い遊技状態に変化するのではないかという期待感を抱く。
【0021】
請求項7に記載の発明では、請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の遊技機をコンピュータにより機能させるために前記コンピュータが実行するコンピュータプログラムという技術的手段を用いる。
【0022】
つまり、請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の遊技機は、たとえば、後述する発明の実施の形態に記載するように、パチンコ機(遊技機)に内蔵されたCPU(コンピュータ)により機能するため、上記コンピュータプログラムをROMなど(記録媒体)に記録しておき、その記録されたコンピュータプログラムを上記CPUが実行することにより、上記パチンコ機を機能させることができる。なお、請求項7に記載のコンピュータは、CPUの他、CPU、ROMおよびRAMなどを含んで構成されるマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、パーソナルコンピュータなどを含む意味である。また、請求項5に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたコンピュータプログラムの他、インターネット、イントラネット、コンピュータネットワークなどのネット上で通信されるコンピュータプログラムを含む意味である。
【0023】
請求項8に記載の発明では、請求項7に記載の前記コンピュータプログラムが記録された前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体という技術的手段を用いる。
【0024】
つまり、コンピュータにより遊技を制御する遊技機にあっては、たとえば、後述する発明の実施の形態に記載するように、パチンコ機(遊技機)に設けられたROMなど(記録媒体)に記録されたコンピュータプログラムをCPU(コンピュータ)が実行することにより機能することから、上記コンピュータプログラムを記録したROMなどの記録媒体を使用することにより、上記パチンコ機を機能させることができる。なお、請求項6に係る記録媒体は、ROMの他、RAM、EEPROM、ICチップ、フレキシブルディスク、MO(光磁気ディスク)、DVD−ROM、DVD−RAM、CD(コンパクトディスク)、CD−R、CD−RW、HDD(ハードディスク駆動装置)により読み取られるハードディスクなどの記録媒体を含む意味である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る遊技機の実施形態について図を参照して説明する。なお、以下に記載する各実施形態では、この発明に係る遊技機として第1種のパチンコ機、つまり図柄表示器により大当り図柄が確定表示された場合に大当りが発生し、大入賞口が開口するパチンコ機を例に挙げて説明する。
<第1実施形態>
[全体の主要構成]
まず、この実施形態のパチンコ機の主要構成について図1を参照して説明する。図1は、そのパチンコ機の外観を示す斜視説明図である。
パチンコ機1には、前枠2がヒンジ8を介して開閉可能に備えられており、その前枠2には、ガラス板がはめ込まれたガラス枠4が開閉可能に取付けられている。前枠2の右側には、ガラス枠4の開閉に用いる鍵を差し込む鍵穴3が設けられている。ガラス枠4の内側には、遊技盤5が設けられており、前枠2の右側下方には、遊技球を遊技盤5へ発射する発射装置(図示省略)を操作するための発射ハンドル15が取付けられている。
ガラス枠4の下方には、賞球や貸球が排出される賞球・貸球供給口6aが形成されており、この賞球・貸球供給口6aの排出側には、その賞球・貸球供給口6aから供給された賞球や貸球を溜めておくための上受け皿6が取り付けられている。上受け皿6の下方には、上受け皿6の収容可能数を超えて流下した賞球や上受け皿球抜きレバー6bの操作により上受け皿6から排出された遊技球などを排出する排出口7aが形成されている。排出口7aの排出側には、その排出口7aから排出された遊技球を収容しておくための下受け皿7が設けられている。
【0026】
[遊技盤5の主要構成]
次に、遊技盤5の主要構成について図2を参照して説明する。図2は、遊技盤5の正面説明図である。
遊技盤5の略中央には、立体的な構造物であるセンターケース30が設けられており、センターケース30には、特別図柄の変動表示から確定表示および普通図柄の変動表示から確定表示などを行う図柄表示器32aが設けられている。図柄表示器32aは、複数種類の特別図柄、この実施形態では「0」〜「9」の数字からなる図柄列を画面の横右方の複数の表示領域(この実施形態では、画面左から左表示領域、中表示領域および右表示領域の計3つの表示領域)において、それぞれ上から下方向へ変動表示(スクロール表示ともいう)する。
また、図柄表示器32aは、特別図柄の背景に表示する背景画像、リーチになったときの演出画像、大当りの発生を予告する大当り予告画像、特定のリーチの発生を予告するリーチ予告画像、大当りが発生したときの演出画像などを表示する。さらに、図柄表示器32aは、画面の所定領域に普通図柄表示領域を備えており、その普通図柄表示領域において普通図柄の変動表示から確定表示までを行う。この実施形態では、図柄表示器32aは、普通図柄として○および×の記号を示す画像を交互に変動表示し、所定時間経過後に○または×を確定表示する。
【0027】
なお、特別図柄または普通図柄の確定表示とは、最終的に確定した特別図柄または普通図柄を表示したという意味であり、確定表示の態様には、変動が完全に停止した状態の他、完全に停止しないで上下または左右に振動するなど、所定の動きを伴っている状態などが含まれる。また、以下の説明では、図柄表示器32aの左表示領域において変動表示される図柄列を左図柄列、中表示領域において変動表示される図柄列を中図柄列、右表示領域において変動表示される図柄列を右図柄列と称する。また、左図柄列を構成する特別図柄を左図柄、中図柄列を構成する特別図柄を中図柄、右図柄列を構成する特別図柄を右図柄と称し、左表示領域において確定表示される特別図柄を左確定図柄、中表示領域において確定表示される特別図柄を中確定図柄、右表示領域において確定表示される特別図柄を右確定図柄とそれぞれ称する。
さらに、大当りが発生する場合の左確定図柄、中確定図柄および右確定図柄の組合せにより表示される特別図柄(000〜999)を大当り図柄と称し、ハズレになる場合の組合せにより表示される特別図柄をハズレ図柄と称する。また、この実施形態では、普通図柄○が確定表示された場合が普通図柄の当りであり、普通図柄×が確定表示された場合が普通図柄のハズレである。
【0028】
図柄表示器32aの右上には、図柄表示器32aが特別図柄の変動開始から確定表示までを1回とした場合の変動開始を保留している数(以下、保留数という)を4個のLEDにより表示する保留数表示LED31が設けられている。そのLED31の点灯数が保留数に対応する。また、保留数表示LED31の左側には、普通図柄の変動表示から確定表示までを1回とした場合の変動開始を保留している回数(以下、普通図柄始動記憶数と称する)を4個のLEDにより表示する普通図柄始動記憶数表示LED33が設けられている。そのLED33の点灯数が普通図柄始動記憶数に対応する。
センターケース30の右側には、普通図柄作動右ゲート(単に普通図柄作動ゲートともいう)25が設けられており、センターケース30の左側には、普通図柄作動左ゲート(単に普通図柄作動ゲートともいう)26が設けられている。遊技球が、いずれかの普通図柄作動ゲートを通過すると、図柄表示器32aが普通図柄の変動表示を開始し、その変動表示中に遊技球がいずれかの普通図柄作動ゲートを通過した場合は、普通図柄始動記憶数が1個増加する。
【0029】
センターケース30の下方には、開閉する両翼を備えた普通電動役物47が設けられており、普通電動役物47の内部には、第1種始動口27が設けられている。普通電動役物47が両翼を開放すると、遊技球が第1種始動口27に入賞する領域が拡大する。以下、遊技球が第1種始動口27、または、普通電動役物47の開放された両翼から入賞することを第1種始動口27への入賞という。
遊技球が第1種始動口27に入賞すると、図柄表示器32aが特別図柄の変動表示を開始する。特別図柄の変動中に遊技球が第1種始動口27に入賞した場合は、特別図柄の変動表示の開始が保留され、その保留数は、保留数表示LED31のLEDの点灯数により表示される。なお、図柄表示器32aにより変動表示された後に確定表示された普通図柄が当り普通図柄であった場合に、普通電動役物47の両翼が開放する。
普通電動役物47の下方には、大当りが発生した場合に作動する変動入賞装置40が設けられている。この変動入賞装置40には、各ラウンドの開始時に開放動作して大入賞口を開口する板状の開閉部材43が扉式に開閉可能に取り付けられている。開閉部材43が開放すると、開閉部材43の形状に対応した横長で長方形状の大入賞口41が開口する。変動入賞装置40の右斜め上には、右下入賞口45が設けられており、その右斜め上には右袖入賞口12が設けられている。変動入賞装置40の左斜め上には、左下入賞口44が設けられており、その左斜め上には左袖入賞口13が設けられている。
【0030】
遊技盤5には、風車24,24が設けられており、遊技盤5の両側には、複数のLEDにより装飾されたサイド飾り20がそれぞれ設けられている。また、遊技盤5には、発射された遊技球を遊技領域へ案内する発射レール16が取付けられており、その発射レール16により、円形の遊技領域が区画されている。さらに、遊技盤5の最下部には、入賞しなかった遊技球をアウト球として回収するアウト口14が設けられている。そして、遊技盤5には、多くの釘17が打ち込まれており、遊技盤5に発射された遊技球は、釘17の間を乱舞しながら流下し、普通図柄作動ゲート25,26を通過したり、第1種始動口27または普通電動役物47の開放した両翼から入賞したり、あるいは、アウト口14から回収されたりする。
【0031】
[パチンコ機1の電気的構成]
次に、パチンコ機1の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図3を参照して説明する。
パチンコ機には、主制御基板100が設けられており、この主制御基板100には、メインCPU112、ROM114およびRAM116を備えたマイクロプロセッサ110が搭載されている。メインCPU112は、大当りかハズレかの判定(以下、大当り判定という)、確変大当りか通常大当りかの判定、リーチ変動を行うか否かの判定(以下、リーチ判定という)、大当り図柄の決定、ハズレ図柄の決定、リーチ変動のときに使用する特別図柄(以下、リーチ図柄という)の決定、大当り判定においてハズレと判定した場合のリーチ変動以外の変動(以下、ハズレ変動という)からリーチ変動に切替えるか否かの決定、保留数の演算、大当りの遊技におけるラウンドの制御、入賞の検出、各装置および基板への制御コマンドの送信など、遊技の主な制御を実行する。なお、確変とは、大当りの発生する確率が高い遊技状態に変化することをいい、確変大当りとは、大当りの所定ラウンドが終了した後の遊技が所定期間確変になる権利を伴う大当りをいう。
【0032】
ROM114には、メインCPU112が後述する各種処理や制御などを実行するためのコンピュータプログラムなどが記録されており、RAM116は、メインCPU112の処理結果、判定結果、遊技球が第1種始動口27に入賞したこと、普通図柄作動ゲート25,26を通過したこと、大当りが発生したことなどの遊技中に発生する各種データ、ROM114から読出されたコンピュータプログラムなどを一時的に格納する。
主制御基板100には、次に記載するものが電気的に接続されている。遊技球が第1種始動口27に入賞したことを検出する第1種始動口スイッチ27a、図柄表示器32aを制御する図柄制御基板32、電源基板80、賞球の払出しなどを制御する払出制御基板200、RAMクリアスイッチ10、大当りの発生や賞球払出数などに関する遊技盤情報をパチンコホールの管理室などに設けられたホールコンピュータへ送信するための遊技枠情報端子基板52、盤面中継基板51、遊技枠中継基板53である。
【0033】
払出制御基板200には、主制御基板100から送信されてくる制御コマンドを受信して動作するマイクロプロセッサ210が搭載されており、マイクロプロセッサ210には、賞球および貸球の払出しなどを制御するサブCPU212と、このサブCPU212が賞球の払出しなどの制御を実行するための各種制御プログラムが記録されたROM214と、サブCPU212が各種制御プログラムを実行する際にROM214から読出された制御プログラムや遊技中に発生する入賞数や賞球数などの各種データを一時的に格納するRAM216とが搭載されている。
また、払出制御基板200には、RAMクリアスイッチ10、電源基板80、発射モータ15eを駆動するための発射モータ駆動基板15c、遊技枠情報端子基板52および払出中継基板55が電気的に接続されている。発射モータ駆動基板15cには、発射モータ駆動基板15cから発射モータ15eへ駆動信号を出力させるための発射スイッチ15dが接続されている。
【0034】
遊技枠中継基板53には、下受け皿7が遊技球で満杯になったことを検出する下皿満杯検出スイッチ72、賞球切れを検出する賞球切れ検出スイッチ73およびセンサ中継基板54が電気的に接続されている。センサ中継基板54は、賞球ユニット62に備えられた賞球払出センサ62a,62bおよび払出中継基板55と電気的に接続されている。払出中継基板55には、貸球切れを検出する貸球切れ検出スイッチ61、賞球払出モータ62cおよび貸球ユニット63が電気的に接続されている。
盤面中継基板51には、普通電動役物47の両翼を開閉駆動する普通電動役物ソレノイド47a、普通図柄作動右ゲート25を通過した遊技球を検出する右ゲートスイッチ(単にゲートスイッチともいう)25a、普通図柄作動左ゲート26を通過した遊技球を検出する左ゲートスイッチ(単にゲートスイッチともいう)26a、大入賞口41に入賞した遊技球を検出する大入賞口スイッチ41a、右袖入賞口12に入賞した遊技球を検出する右袖入賞口スイッチ12a、左袖入賞口13に入賞した遊技球を検出する左袖入賞口スイッチ13a、右下入賞口45に入賞した遊技球を検出する右下入賞口スイッチ45a、左下入賞口44に入賞した遊技球を検出する左下入賞口スイッチ44aおよび大入賞口中継基板50である。
【0035】
大入賞口中継基板50には、大入賞口内部の特定領域を通過した遊技球を検出する特定領域スイッチ41bと、開閉部材43を駆動する大入賞口ソレノイド43aと、特定領域を変化させる部材を駆動する特定領域ソレノイド41cとが電気的に接続されている。電源基板80は、CR接続基板56と電気的に接続されており、CR接続基板56には、プリペイドカードの残りの度数を度数表示部に表示する度数表示基板やプリペイドカードユニットなどから構成される遊技機外装置部分71と電気的に接続されている。電源基板80は、AC24V(50Hz/60Hz)の主電源70から電源の供給を受け、各基板および装置へ必要電源を供給する。
なお、このパチンコ機1には、停電が発生した際に、停電直前の遊技中のデータをRAM116およびRAM216にバックアップする機能が備えられており、電源が復帰したときに、バックアップされているデータに基づいて停電直前の遊技を再開することができる機能が備えられている。また、工場出荷時や開店前に試射を行った後に電源を遮断すると、上記バックアップ機能が働き、そのままの状態で開店すると不具合が発生するため、電源基板80に設けられたRAMクリアスイッチ10をONしながら電源スイッチ18をONすることにより、RAM116およびRAM216にバックアップされているデータを消去することができるようになっている。
【0036】
[図柄制御基板32の電気的構成]
次に、図柄制御基板32の主な電気的構成について、それをブロックで示す図4を参照して説明する。
図柄制御基板32にはキャラクタROM32dが搭載されており、そのキャラクタROM32dには、特別図柄、大当り図柄、リーチ図柄、リーチになったときの演出画像、大当り予告画像、リーチ予告画像、ハズレ図柄、リーチ画像、普通図柄、背景画像、大当りが発生したときの演出画像、大当りの遊技中に表示する画像などを図柄表示器32aに表示するための画像データが記録されている。
図柄制御基板32に搭載されたサブCPU32bは、主制御基板100のメインCPU112から送信されてきたコマンドを受信するとともに、その受信したコマンドの内容をROM32cに記録されたコンピュータプログラムに従って解析する。続いてサブCPU32bは、その解析結果をVDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)32eへ送出し、VDP32eは、キャラクタROM32dから上記解析結果に対応した画像データを読出す。
【0037】
VDP32eは、キャラクタROM32dから読出した画像データを構成するドットの表示領域におけるアドレス、表示色などを上記解析結果に基づいて演算し、その演算結果を内蔵のパレットRAM32fに一時的に格納する。続いてVDP32eは、パレットRAM32fに格納されている演算結果に基づいてRGB信号を液晶アナログ基板32gへ送出する。続いて液晶アナログ基板32gは、取込んだRGB信号の色補正および輝度調整を行い、その信号を液晶インバータ基板32hへ送出する。液晶インバータ基板32hは、バックライト電源の役割を果たし、取込んだ信号を昇圧(たとえば、12Vから600V)し、図柄表示器32aへ送出する。そして図柄表示器32aは、取込んだ信号に対応する液晶ドットをスイッチングして表示する。これにより、各種の画像が表示される。
なお、この実施形態では、図柄表示器32aは、TFT(Thin Film Transistor)を画素駆動素子とするアクティブマトリックス方式の液晶表示装置である。
【0038】
[遊技内容の決定方法]
次に、遊技内容の決定方法について図8および図9を参照して説明する。
図8(A)は大当り抽選カウンタの説明図であり、図8(B)は大当り変動パターン抽選カウンタの説明図であり、図8(C)はリーチ抽選カウンタの説明図であり、図8(D)はリーチ変動パターン抽選カウンタの説明図であり、図8(E)はハズレ図柄抽選カウンタの説明図であり、図8(F)は遡及変動抽選カウンタの説明図であり、図8(G)はリーチ変動パターン抽選カウンタの説明図である。
図9(A)は大当り値テーブルの説明図であり、図9(B)はリーチ決定値テーブルの説明図であり、図9(C)は大当り図柄テーブルの説明図であり、図9(D)は、RAM116に設けられたデータ格納領域の説明図である。
【0039】
図8(A)に示す大当り抽選カウンタC1は、メインCPU112が大当り判定を行うために用いるカウンタであり、複数のカウント値、この実施形態では0〜952の計953のカウント値をカウントする。メインCPU112は第1種始動口スイッチ27a(図3)がONしたときに大当り抽選カウンタC1のカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値が、大当り値テーブルT1に設定されている大当り値と一致する場合は大当りと判定し、一致しない場合はハズレと判定する。また、図示しないが、大当り抽選カウンタC1のカウントの初期値を更新するための初期値更新カウンタが備えられており、その初期値更新カウンタは、複数のカウント値、この実施形態では0〜952の計953のカウント値をカウントする。大当り抽選カウンタC1は、総てのカウント値をカウントしたとき、つまりカウントを1周したときに初期値更新カウンタがカウントしたカウント値を次のカウント周期の初期値に設定し、その初期値からカウントを開始する。大当り抽選カウンタC1は、カウント値をカウントする処理を、メインCPU112が行う一連の処理の中において割込処理で行い、1割込毎に「+1」ずつカウントアップする。また、初期値更新カウンタは、カウント値をカウントする処理を、メインCPU112が行う一連の処理の中において割込処理で行い、1割込毎に「+1」ずつカウントアップし、メインCPU112が行う一連の処理が終了したときの残余時間中更新を続ける。
なお、この実施形態では、各割込処理の周期は、2ms(2ミリ秒)である。
【0040】
図9(A)に示すように、大当り値テーブルT1には、大当り抽選カウンタC1がカウントするカウント値のうち、所定の数値と同一のカウント値が大当り値に設定されている。確変になっていない時(低確率時)にメインCPU112が参照する大当り値は、「7」「277」「293」の計3個であり、低確率時の大当りの発生確率は、3/953=約0.3%である。
また、確変になっている時(高確率時)にメインCPU112が参照する大当り値は、「7」「53」「89」「137」「173」「197」「257」「277」「293」「307」「337」「359」「409」「457」「487」「523」の計16個であり、高確率時の大当りの発生確率は、16/953=約1.7%である。つまり、大当りの発生確率は、高確率時が低確率時よりも約6倍高く設定されている。
【0041】
図8(B)に示す大当り変動パターン抽選カウンタC2は、特別図柄の変動開始から大当り図柄を確定表示するに至までの特別図柄の変動パターン(変動内容、変動態様)を決定するために用いるカウンタである。大当り変動パターン抽選カウンタC2は、複数のカウント値、この実施形態では、0〜49までの計50個のカウント値をカウントする。メインCPU112は、特別図柄の変動を開始するときに大当り変動パターン抽選カウンタC2がカウントしたカウント値を取得し、その取得したカウント値に基づいて大当りの場合の変動パターンを決定する。たとえば、大当り変動パターン抽選カウンタC2のカウント値と、大当りの場合の変動パターンとを対応付けて構成される大当り変動パターンテーブルを用い、メインCPU112は、大当り変動パターン抽選カウンタC2から取得したカウント値と対応付けられている大当り変動パターンを大当り変動パターンテーブルから取得する。
なお、この実施形態では、大当り変動パターンは、総てリーチを伴う変動パターンに設定されている。
【0042】
図8(C)に示すリーチ変動パターン抽選カウンタC3は、大当り判定の結果がハズレの場合においてリーチを行うことが決定された場合の特別図柄の変動パターン(以下、リーチ変動パターンという)を決定するために用いるカウンタである。つまり、特別図柄の変動開始から、リーチ状態を作るための特別図柄(以下、リーチ図柄という)を確定表示するに至までの変動パターンを決定するために用いるカウンタである。リーチ変動パターン抽選カウンタC3は、複数のカウント値、この実施形態では0〜49の計50の個のカウント値をカウントする。メインCPU112は、特別図柄の変動を開始するときにリーチ変動パターン抽選カウンタC3がカウントしたカウント値を取得し、その取得したカウント値に基づいてリーチ変動パターンを決定する。たとえば、リーチ変動パターン抽選カウンタC3のカウント値と、リーチ変動パターンとを対応付けて構成されるリーチ変動パターンテーブルを用い、メインCPU112は、リーチ変動パターン抽選カウンタC3から取得したカウント値と対応付けられているリーチ変動パターンをリーチ変動パターンテーブルから取得する。
【0043】
図8(D)に示すリーチ図柄抽選カウンタC4は、リーチ変動の後に確定表示する特別図柄(以下、リーチ図柄という)を決定するために用いるカウンタである。たとえば、リーチ図柄は、左確定図柄および右確定図柄が同一の特別図柄であり、中確定図柄のみが異なる特別図柄となった組合せで表現される。たとえば、「767」とか「787」などである。リーチ図柄抽選カウンタC4は、複数のカウント値、この実施形態では0〜49の計50の個のカウント値をカウントする。メインCPU112は、特別図柄の変動を開始するときにリーチ図柄抽選カウンタC4がカウントしたカウント値を取得し、その取得したカウント値に基づいてリーチ図柄を決定する。たとえば、リーチ図柄抽選カウンタC4のカウント値と、リーチ図柄とを対応付けて構成されるリーチ図柄テーブルを用い、メインCPU112は、リーチ図柄抽選カウンタC4から取得したカウント値と対応付けられているリーチ図柄をリーチ図柄テーブルから取得する。
【0044】
図8(E)に示すハズレ図柄抽選カウンタC5は、大当り判定においてハズレと判定され、かつ、リーチを行わないと判定された場合において、ハズレ変動パターンを実行した後に確定表示するハズレ図柄を決定するために用いるカウンタである。ハズレ図柄抽選カウンタC5は、複数のカウント値、この実施形態では、0〜899の計900個のカウント値をカウントする。メインCPU112は、特別図柄の変動を開始するときにハズレ図柄抽選カウンタC5がカウントしたカウント値を取得し、その取得したカウント値に基づいてハズレ図柄を決定する。たとえば、ハズレ図柄抽選カウンタC5のカウント値と、ハズレ図柄(たとえば、「756」とか「678」など)とを対応付けて構成されるハズレ図柄テーブルを用い、メインCPU112は、ハズレ図柄抽選カウンタC5から取得したカウント値と対応付けられているハズレ図柄をハズレ図柄テーブルから取得する。
【0045】
図8(F)に示す遡及変動抽選カウンタC6は、大当り判定においてハズレと判定され、かつ、リーチを行わないと判定され、さらに保留数が「1」以下であり、かつ、確変になっている場合において、ハズレ変動中にリーチ変動に切替えるか否かを決定するために用いるカウンタである。遡及変動抽選カウンタC6は、複数のカウント値、この実施形態では、0〜19の計20個のカウント値をカウントする。メインCPU112は、特別図柄の変動を開始するときに遡及変動抽選カウンタC6がカウントしたカウント値を取得し、その取得したカウント値に基づいて、ハズレ変動中にリーチ変動に切替えるか否かを決定する。メインCPU112は、ハズレ変動中であって保留数が「1」以下であり、かつ、確変になっており、特別図柄の変動開始から5秒経過したときに遡及変動抽選カウンタC6から取得したカウント値が所定のカウント値、この実施形態では、「3」または「17」であった場合に、ハズレ変動からリーチ変動に切替えると判定する。
【0046】
図8(G)に示すリーチ変動パターン抽選カウンタC7は、ハズレ変動中にリーチ変動に切替えることが決定された場合に、そのリーチ変動のパターンを決定するために用いるカウンタである。リーチ変動パターン抽選カウンタC7は、複数のカウント値、この実施形態では、0〜29の計30個のカウント値をカウントする。メインCPU112は後述する遡及変動抽選処理においてリーチ変動パターン抽選カウンタC7がカウントしたカウント値を取得し、その取得したカウント値に対応付けられているリーチ変動パターンをリーチ変動パターンテーブルから選択する。
【0047】
図9(B)に示すリーチ決定値テーブルT2は、大当り判定においてハズレと判定された場合に、リーチを行うか否か、つまりリーチ変動かハズレ変動かを決定するために用いるカウンタである。リーチ決定値テーブルT1には、大当り抽選カウンタがカウントするカウント値が複数設定されている。この実施形態では、のうち、大高確率時における大当り値のそれぞれ前後3つのカウント値(「4」「5」「6」「8」「9」「10」「50」「51」「52」「54」「55」「56」・・・「520」「521」「522」「524」「525」「526」)により構成されている。つまり、6個×16=96個のカウント値により構成されており、リーチ変動に決定される確率は、96/953=約10%である。メインCPU112は、大当り判定においてハズレと判定したときに、大当り抽選カウンタから取得したカウント値が、リーチ決定値テーブルT2に設定されている場合は、リーチ変動を行うと決定し、設定されていない場合は、リーチ変動を行わない、つまりハズレ変動を行うと決定する。
【0048】
図9(C)に示す大当り図柄テーブルT3は、大当り図柄を決定する場合に用いるテーブルであり、大当り図柄抽選カウンタ(図示せず)がカウントする複数のカウント値と大当り図柄とを対応付けて構成される。この実施形態では、大当り図柄抽選カウンタは、0〜9の計10個のカウント値をカウントし、大当り図柄テーブルT3は、0〜9のカウント値と、「000」〜「999」の大当り図柄とをそれぞれ対応付けて構成される。メインCPU112は、特別図柄の変動を開始するときに大当り図柄抽選カウンタからカウント値を取得し、その取得したカウント値と対応付けられている大当り図柄を大当り図柄テーブルT3から取得する。
【0049】
図9(D)に示すデータ格納領域116aは、メインCPU112の処理結果を格納するためにRAMに設けられた格納領域であり、現在および1〜4の計5個の始動記憶毎に、大当りフラグ、確変フラグ、リーチフラグ、図柄および変動パターンの各データを格納する構成になっている。始動記憶とは、メインCPU112が、遊技球の第1種始動口27への入賞を検出したときに図柄表示器32aが直ちに特別図柄の変動を開始できないときに、その開始を保留したことを示す記憶であり、始動記憶の合計が保留数となる。始動記憶の格納領域に格納されている「1」は、始動記憶の存在を示し、保留の発生順に「1」が格納されて行く。なお、図示の例では、保留順位1〜5までの計5個の始動記憶を格納できるようになっているが、保留順位1は、現在行われている特別図柄の変動表示の元となった始動記憶の保留順位を示しており、その変動中に保留が発生すると、その発生毎に保留順位2〜5までの始動記憶に「1」が格納されて行く。つまり、保留数の上限は、「4」となっている。
【0050】
大当りフラグは、大当り判定において大当りと判定されたことを示すフラグであり、大当りと判定されると大当りフラグ「1」がONし、ハズレと判定されると大当りフラグは「0」にリセットされる。図示の例では、保留順位1番目の始動記憶に対応する格納領域に大当りフラグ「1」がONしており、現在行われている特別図柄の変動表示の元になった始動記憶が発生したときに行った大当り判定の結果が大当りであったことを示す。
確変フラグは、確変になるか否かの判定(以下、確変判定という)において確変になると判定されたことを示すフラグであり、確変になると判定されると確変フラグ「1」がONし、確変にはならないと判定されると確変フラグは「0」にリセットされる。図示の例では、保留順位1番目の始動記憶に対応する格納領域に確変フラグ「1」がONしており、現在行われている特別図柄の変動表示が開始されるときの確変判定において確変になると判定されたことを示す。
【0051】
リーチフラグは、リーチ判定においてリーチ変動を行うと判定されたことを示すフラグであり、リーチ変動を行うと判定されるとリーチフラグ「1」がONし、リーチ変動を行わない、つまりハズレ変動を行うと判定されるとリーチフラグは「0」にリセットされる。図示の例では、保留順位3番目の始動記憶に対応する格納領域にリーチフラグ「1」がONしており、3個目の保留が発生したときのリーチ判定においてリーチ変動を行うと判定されたことを示す。なお、大当り判定において大当りと判定された場合は、必ずリーチを伴う大当り変動パターンが選択されるため、対応する格納領域においてリーチフラグはONしない。
図柄に対応する格納領域には、メインCPU112により決定された大当り図柄またはハズレ図柄を示すデータが格納される。図示の例では、保留順位1番目の格納領域には大当り図柄「777」を示すデータが格納されており、保留順位4番目の格納領域にはをハズレ図柄「541」示すデータが格納されている。
なお、図9(D)では、説明を分かり易くするためにハズレ図柄または大当り図柄を示す数字を記載しているが、実際には、図柄に対応する格納領域には、図柄を表示するための画像データが格納されるのではなく、たとえば、図柄表示器32aに図柄を表示させるために図柄制御基板32のサブCPU32bへ送信する制御コマンド、あるいは、その制御コマンドを制御コマンド格納領域(制御コマンドが格納された領域)から読出すためのデータなどが格納される。
【0052】
変動パターンに対応する格納領域には、メインCPU112により決定された特別図柄の変動パターンを示すデータが格納される。後述するように、変動パターンの種類には、大当り判定において大当りと判定された場合に決定する大当り変動パターンと、ハズレと判定され、かつ、リーチ判定においてリーチ変動を行うと判定された場合に決定するリーチ変動とが設定されている。図9(D)では、説明を分かり易くするためにA、B、CおよびSRの計4種類の変動パターン(たとえば、変動パターンとして選択される確率は、A、B、C、SRの順に低くなり、SRは、最も選択される確率の低いスペシャルリーチである。)が格納されているが、実際には、大当り変動パターンとして複数の変動パターン(たとえば、後述するように計50種類の変動パターン)が設定されており、リーチ変動パターンとして複数の変動パターン(たとえば、後述するように計50種類の変動パターン)が設定されている。
なお、データ格納領域116aでは、使用されたデータはそのまま格納されている状態になっており、新たなデータが発生した場合に、その新たなデータを古いデータに上書きする形で書換える。
【0053】
[この発明の特徴]
次に、この発明の特徴について図5ないし図7を参照して説明する。
図5はハズレ変動の説明図である。図5(A)は、図柄表示器32aが特別図柄を変動表示している状態を示す説明図であり、図5(B)は、左確定図柄が表示された状態を示す説明図であり、図5(C)は、左確定図柄および右確定図柄が表示された状態を示す説明図であり、図5(D)は、ハズレ図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
図6はハズレ変動からリーチ変動に切替わる状態を示す説明図である。図6(A)は、図柄表示器32aが特別図柄を変動表示している状態を示す説明図であり、図6(B)は、左確定図柄が表示された状態を示す説明図であり、図6(C)は、左確定図柄および右確定図柄が表示された状態を示す説明図であり、図6(D)は、全表示領域において特別図柄が再度変動を開始した状態を示す説明図である。
図7はリーチ変動の様子を示す説明図である。図7(E)は、左確定図柄が表示された状態を示す説明図であり、図7(F)は、大当り予告画像が表示された状態を示す説明図であり、図7(G)は、リーチになった状態を示す説明図であり、図7(H)は、ハズレ図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
【0054】
(ハズレ変動)
図5(A)において、下向きの矢印は、各表示領域において特別図柄列が上下方向に変動している状態を表す。変動している特別図柄の背景には、背景画像(図示の例では、山河を表現した画像)H1が表示されている。各特別図柄列は、変動開始時から所定時間高速(遊技者が変動している各特別図柄を肉眼で認識できない程度の速度)で変動し、変動開始から所定時間経過すると、左図柄列が高速から中速に変化し、さらに所定時間経過すると、中速から低速(遊技者が変動している各特別図柄を肉眼で認識できる程度の速度)に変化し、やがて図5(B)に示すように変動が停止し、左確定図柄G1が表示される(図示の例では、左確定図柄G1として特別図柄「1」が表示されている)。
【0055】
また、左確定図柄が表示されてから所定時間経過すると、右図柄列は高速から中速に変化し、やがて低速に変化し、図5(C)に示すように変動が停止し、右確定図柄G3が表示される(図示の例では、右確定図柄G3として特別図柄「2」が表示されている)。
そして、右確定図柄が表示されてから所定時間経過すると、中図柄列は高速から中速に変化し、やがて低速に変化し、図5(D)に示すように変動が停止し、中確定図柄G2が表示される(図示の例では、中確定図柄G2として特別図柄「3」が表示されている)。
つまり、ハズレ変動では、左確定図柄、右確定図柄、中確定図柄の順に表示され、ハズレ図柄が確定表示される。図5(D)に示す例では、ハズレ図柄「132」が確定表示されている。
【0056】
(ハズレ変動からリーチ変動への変化)
図6(A)〜(C)に示すように、左確定図柄および右確定図柄が表示されるまでは、図5(A)〜(C)に示したハズレ変動と同じ変動パターンが実行される。そして、右確定図柄が表示されてから所定時間経過すると、図6(D)に示すように、左図柄列および右図柄列が再変動を開始し、その開始を示す画像(以下、再変動報知画像という)H2が表示される。図示の例では、再変動報知画像として水中を表現した画像が表示されている。
なお、図6(C)から図6(D)への変化は、違和感のないように行われる。たとえば、図柄表示器32aの画面に表示されている画像の全体(図6(C))がフェードアウトし、続いて左図柄列および右図柄列が再変動を開始し、再変動報知画像H2が表示された画面がフェードインするような演出を行う。ここで、フェードアウトとは、表示されている画像が次第にぼんやりと消えていくことを意味する。また、フェードインとは、ぼんやり表示されている画像をその姿が次第にはっきりしてくるように表示することを意味する。
そして、再変動の開始から所定時間経過すると、左図柄列が高速から中速に変化し、さらに所定時間経過すると、中速から低速に変化し、やがて図7(E)に示すように変動が停止し、左確定図柄G1が表示される(図示の例では、左確定図柄G1として特別図柄「2」が表示されている)。そして、左確定図柄が表示されてから所定時間経過すると、大当り予告画像G4が表示される。図示の例では、大当り予告画像G4としてワニを表現した画像が表示されている。
【0057】
そして、大当り予告画像G4が表示されてから所定時間経過すると、右図柄列が高速から中速に変化し、さらに所定時間経過すると、中速から低速に変化し、やがて図7(G)に示すように変動が停止し、右確定図柄G3が表示され、リーチの状態になる(図示の例では、右確定図柄G3として特別図柄「2」が表示されている)。
そして、中図柄列が高速から中速に変化し、やがて低速に変化すると、左確定図柄および右確定図柄と同一の特別図柄にて停止しそうでしないような、遊技者がハラハラドキドキするようなリーチ特有の演出が行われる。そして、その演出の開始から所定時間経過すると、中確定図柄G2が表示される(図示の例では、中確定図柄G2として特別図柄「3」が表示されており、リーチ図柄「232」が確定表示されている)。
以上のように、ハズレ変動の途中からリーチ変動に切替わる演出を行うことができることが本発明の特徴である。
【0058】
[遊技の主な流れ]
次に、この発明の特徴を含む遊技の主な流れについて図10ないし図15を参照して説明する。
図10は、変動開始コマンドのON・OFF、特別図柄の変動・停止、ハズレ図柄およびハズレ変動パターンの送信・停止、リーチ図柄およびリーチ変動パターンの送信・停止、および変動停止コマンドの送信・停止のそれぞれのタイミングを示すタイムチャートである。図11は、メインCPU112が実行する第1種始動口処理の流れを示すフローチャートである。図12は、メインCPU112が実行する特別図柄処理の流れを示すフローチャートである。図13は、メインCPU112が特別図柄処理のS70において実行するハズレ変動パターン決定処理の流れを示すフローチャートである。図14は、メインCPU112が特別図柄処理のS90において実行する遡及変動抽選処理の流れを示すフローチャートである。図15は、図柄制御基板32に備えられたサブCPU32bが実行する表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0059】
(第1種始動口処理)
遊技球が第1種始動口27(図2)に入賞し、第1種始動口スイッチ27a(図3)がONすると、メインCPU112は、第1種始動口スイッチ27aに接続されている入力ポートの電圧変化を検出することにより、第1種始動口スイッチ27aがONしたことを検出する(図11のステップ(以下、Sと略す)10:Yes)。続いてメインCPU112は、保留数Uが上限値(この実施形態では「4」)未満であるか否かを判定し(S12)、上限値未満である場合は(S12:Yes)、保留数Uに「1」を加算する(S14)。第1種始動口スイッチ27aがONしたと判定したときに、図柄表示器32aが直ちに特別図柄の変動を開始できないときは、その開始が保留され、始動記憶としてRAM116の所定の格納領域に格納される。始動記憶は、保留の発生順に上記格納領域に格納されて行き、その格納されている始動記憶の合計が保留数Uとして計算される。続いてメインCPU112は、このとき大当り抽選カウンタC1(図8(A))がカウントしたカウント値を1つ取得する(S16)。続いてメインCPU112は、確変になっていることを示す確変フラグがONになっているか否かを判定し(S18)、確変フラグがONしていると判定した場合は(S18:Yes)、大当り値テーブルT1(図9(A))の高確率時を参照し(S20)、確変フラグがONしていないと判定した場合は(S18:No)、低確率時を参照する(S22)。
【0060】
続いてメインCPU112は、S16において取得したカウント値と同一値が大当り値テーブルT1に存在するか否かにより、大当りかハズレかを判定し(S24)、大当りと判定した場合は(S24:Yes)、大当りと判定したこと、つまり大当りの発生を示す大当りフラグをONする(S26)。つまり、大当り判定の元となった始動記憶に対応する格納領域に大当りフラグをONする。
また、メインCPU112は、ハズレと判定した場合は(S24:No)、大当りフラグをOFFする(S28)。続いてメインCPU112は、リーチ決定値テーブルT2(図9(B))を参照し(S30)、S16において取得したカウント値と同一値がリーチ決定値テーブルT2に存在するか否かにより、リーチを実行するか否かを判定する(S32)。ここで、ハズレリーチにすると判定した場合は(S32:Yes)、リーチを実行すると判定したことを示すリーチフラグをONし(S34)、リーチを実行しない(つまりハズレ変動を実行する)と判定した場合は(S32:No)、リーチフラグをOFFする(S36)。
なお、リーチフラグがONした場合は、リーチ変動を行った後にハズレ図柄を確定表示することになるが、そのような判定結果を以下ハズレリーチといい、リーチ変動も行わずにハズレ図柄を確定表示する判定結果を通常ハズレという。また、メインCPU112が上記第1種始動口処理を実行するためのコンピュータプログラムはROM114に記録されている。
【0061】
(特別図柄処理)
メインCPU112は、特別図柄が変動中であるか否かを判定し(図12のS50)、変動中ではないと判定した場合は(S50:No)、保留数Uが「1」以上であるか否かを判定する(S52)。ここで、「1」以上であると判定した場合は(S52:Yes)、保留数Uから「1」を減算する(S54)。続いてメインCPU112は、データ格納領域116a(図9(D))の保留順位1番目の格納領域において大当りフラグがONしているか否かを判定し(S56)、ONしていると判定した場合は(S56:Yes)、大当り図柄抽選カウンタのカウント値を取得し、その取得したカウント値に対応付けられている大当り図柄を大当り図柄テーブルT3(図9(C))から取得して格納領域に格納する(S58)。
【0062】
続いてメインCPU112は、S58において決定した大当り図柄が、確変図柄であるか否かを判定する(S60)。ここで、確変図柄とは、大当りの遊技が終了した後の遊技状態が確変に変化する権利を発生する大当り図柄のことである。大当り図柄の中のいくつかが確変図柄に設定されており、この実施形態では、奇数の数字により構成された大当り図柄「111」、「333」、「555」、「777」および「999」が確変図柄に設定されている。ここで、メインCPU112は、確変図柄であると判定した場合は、保留順位1番目の格納領域に確変フラグをONし(S62)、確変図柄ではないと判定した場合はS、確変フラグをOFFする(S64)。
続いてメインCPU112は、このとき大当り変動パターン抽選カウンタC2(図8(B))がカウントしたカウント値を取得し、その取得したカウント値に対応付けられている大当り変動パターンを大当り変動パターンテーブルから選択し、それを保留順位1番目の格納領域に格納する(S66)。
【0063】
また、メインCPU112は、大当りフラグがONしていないと判定した場合は(S56:No)、リーチフラグがONしているか否かを判定し(S68)、ONしていると判定した場合は(S68:Yes)、このときリーチ図柄抽選カウンタC4(図8(D))がカウントしたカウント値を取得し、その取得したカウント値に対応付けられているリーチ図柄をリーチ図柄テーブルから選択し、それを保留順位1番目の格納領域に格納する(S70)。続いてメインCPU112は、このときリーチ変動パターン抽選カウンタC3(図8(C))がカウントしたカウント値を取得し、その取得したカウント値と対応付けられているリーチ変動パターンをリーチ変動パターンテーブルから選択し、それを保留順位1番目の格納領域に格納する(S72)。
また、メインCPU112は、リーチフラグがONしていないと判定した場合は(S68:No)、このときハズレ図柄抽選カウンタC5(図8(E))がカウントしたカウント値を取得し、その取得したカウント値と対応付けられているハズレ図柄をハズレ図柄テーブルから選択し、それを保留順位1番目の格納領域に格納し(S74)、ハズレ変動パターン決定処理を実行する(S76)。
【0064】
(ハズレ変動パターン決定処理)
メインCPU112は、先のS62を実行することにより確変フラグがONしているか否かを判定し(図13のS78)、ONしていると判定した場合は(S78:Yes)、保留数Uが「2」以上であるか否かを判定する(S80)。ここで、「2」以上であると判定した場合は(S80:Yes)、ハズレ変動の開始から終了までに要する時間(以下、ハズレ変動時間という)を4秒に設定し(S82)、「2」以上ではない、つまり「1」以下であると判定した場合は(S80:No)、ハズレ変動時間を6秒に設定する(S84)。
つまり、遊技状態が確変になっている場合において、保留数Uが「2」以上と比較的多い場合は、ハズレ変動時間を短縮する(いわゆる時短)ことにより、保留数Uの消化を促進する。
【0065】
また、メインCPU112は、確変フラグがONしていないと判定した場合は(S78:No)、保留数Uが「2」以上であるか否かを判定し(S86)、「2」以上であると判定した場合は(S86:Yes)、ハズレ変動時間を6秒に設定し(S88)、「2」以上ではないと判定した場合は(S86:No)、ハズレ変動時間を12秒に設定する(S90)。
つまり、遊技状態が確変になっていない場合において、保留数Uが「2」以上と比較的多い場合は、ハズレ変動時間を短縮することにより、保留数Uの消化を促進する。
そしてメインCPU112は、特別図柄の変動表示を指示する変動開始コマンドを図柄制御基板32へ送信し(図10の時間t1、図12のS92)、変動時間の計測を開始する(S94)。
【0066】
(表示処理)
図柄制御基板32のサブCPU32bは、メインCPU112から送信されてきたコマンドを受信し、その受信したコマンドを解析する(図15のS200)。続いてサブCPU32bは、S200における解析の結果、受信したコマンドが変動開始コマンドであるか否かを判定し(S202)、変動開始コマンドであると判定した場合は(S202:Yes)、受信した変動開始コマンドにより示される変動パターンに従って図柄表示器32aに特別図柄の変動を開始させる(S204)。
そして、メインCPU112は、次の割込において特別図柄処理を実行すると、特別図柄が変動中であると判定し(図12のS50:Yes)、遡及変動抽選処理を実行する(S96)。
【0067】
(遡及変動抽選処理)
メインCPU112は、大当りフラグがONしているか否か、つまりハズレか否かを判定し(S98)、ハズレと判定した場合は(S98:Yes)、保留数Uが「1」以下か否かを判定する(S100)。ここで、「1」以下と判定した場合は(S100:Yes)、確変フラグがONしているか否かを判定し(S102)、ONしていると判定した場合は(S102:Yes)、特別図柄の変動開始から5秒経過したか否かを判定する(S104)。
ここで、5秒経過したと判定した場合は(S104:Yes)、このとき遡及変動抽選カウンタC6(図8(F))がカウントしたカウント値を取得し(S108)、その取得したカウント値が所定のカウント値、この実施形態では「3」または「17」であるか否かを判定する(S110)。
なお、メインCPU112は、確変フラグがONしていないと判定した場合は(S102:No)、特別図柄の変動開始から11秒経過したか否かを判定し(S106)、11秒経過したと判定した場合に(S106:Yes)、S108を実行する。
【0068】
ここで、「3」または「17」であると判定した場合は(S110:Yes)、このときリーチ図柄抽選カウンタC4がカウントしたカウント値を取得し、その取得したカウント値と対応付けられているリーチ図柄をリーチ図柄テーブルから選択し、RAM116に一時的に格納する(S112)。続いてメインCPU112は、このときリーチ変動パターン抽選カウンタC7(図8(G))がカウントしたカウント値を取得し、その取得したカウント値に対応付けられているリーチ変動パターンをリーチ変動パターンテーブルから選択し、それをRAM116に一時的に格納する(S114)。
続いてメインCPU112は、現在行われているハズレ変動からリーチ変動に切替えることを指示する新変動開始コマンドを図柄制御基板32へ送信する(S116、図10の時間t3)。この新変動開始コマンドには、S112において決定したリーチ図柄およびS114において決定したリーチ変動パターンを示すデータが含まれている。
【0069】
一方、図柄制御基板32のサブCPU32bは、メインCPU112から送信されてきたコマンドが新変動開始コマンドであるか否かを判定し(S210)、新変動開始コマンドであると判定した場合は(S210:Yes)、現在行っているハズレ変動を中止し(S212)、受信した新変動開始コマンドにより示されるリーチ変動パターンに従ってリーチ変動を開始する(S214)。なお、前述したように、現在行っているハズレ変動からリーチ変動に切替えるときは、ハズレ変動の画面をフェードアウトし、リーチ変動をフェードインするなど、違和感のない演出を行う。
【0070】
そして、メインCPU112は、S94において計測を開始した時間が、特別図柄の変動開始を終了すべく所定時間を経過したか否かを判定し(図12のS118)、経過したと判定した場合は(S118:Yes)、特別図柄の変動停止を指示する変動停止コマンドを図柄制御基板32へ送信し(S120、図10の時間t5)、計測時間をリセットする(S122)。
一方、メインCPU112から送信されてきた変動停止コマンドを受信したサブCPU32bは、変動停止コマンドを受信したと判定し(図15のS206:Yes)、特別図柄の変動を停止する処理を行い、先にS200において受信した変動開始コマンドにより示されるハズレ図柄または大当り図柄を表示する(S208)。
なお、メインCPU112が上記特別図柄処理、ハズレ変動パターン決定処理および遡及変動抽選処理を実行するためのコンピュータプログラムはROM114に記録されている。また、サブCPU32bが前記表示処理を実行するためのコンピュータプログラムがROM32cに記録されている。
【0071】
[第1実施形態の効果]
(1)以上のように、上記第1実施形態のパチンコ機1を使用すれば、図柄表示器32aがハズレ変動を表示している途中でリーチ変動に切替えて表示することができるため、ハズレ変動になっている場合であっても、それが将来リーチ変動に切り替わり、後に大当り図柄が確定表示されるかもしれないという期待を遊技者に抱かせることができる。
したがって、ハズレ変動に対する遊技者の関心を高めることができるため、図柄表示器32aの表示内容を有効活用することができる。
(2)また、上記第1実施形態のパチンコ機1を使用すれば、保留数Uが「2」以上の場合には、変動時間のかかるリーチ状態をなるべく作らないようにして保留数Uの消化を促進し、逆に、保留数Uが「1」以下の場合には、ハズレ変動の途中からリーチ変動に切替えることにより、遊技者に時間をかけて楽しんでもらうことができる。また、遊技者は、保留数Uが「1」以下の場合であっても、ハズレ変動からリーチ変動に切替わる機会が増えるため、少ない機会で幸運を掴むことができるのではないかという期待をしながら遊技を楽しむことができる。
【0072】
<第2実施形態>
次に、この発明の第2実施形態について図16および図17を参照して説明する。
この実施形態のパチンコ機は、通常ハズレの発生回数が所定回数以上になったことを条件として、ハズレ変動からリーチ変動に切替可能となることを特徴とする。
図16は、メインCPU112が実行する第1種始動口処理2の流れを示すフローチャートである。図17は、メインCPU112が実行する遡及変動抽選処理2の流れを示すフローチャートである。
なお、メインCPU112が実行する第1種始動口処理2および遡及変動抽選処理2以外の機能および構成は、第1実施形態のパチンコ機1と同一であるため、その同一部分の説明を省略する。また、同一部分については同一の符号を用いる。
【0073】
メインCPU112は、第1実施形態における第1種始動口処理のS10〜S30と同じ処理を実行し(図16のS10〜S30)、リーチを実行しないと判定した場合は(S32:No)、通常ハズレと判定された回数(以下、通常ハズレ回数という)Nに「1」を加算する(S38)。
そして、メインCPU112は、大当り判定の結果がハズレであったと判定した場合は(図17のS98:Yes)、通常ハズレ回数Nが「10」以上であるか否かを判定する(S101)。ここで、「10」以上であると判定した場合は(S101:Yes)、第1実施形態と同じようにS102〜S116を実行する(図17のS102〜S116)。
つまり、大当り判定の結果がハズレであり、かつ、通常ハズレ回数Nが「10」以上である場合に、ハズレ変動からリーチ変動に切替可能となる。
なお、メインCPU112が第1種始動口処理2および遡及変動抽選処理2を実行するためのコンピュータプログラムは、ROM114に記録されている。
【0074】
<第2実施形態の効果>
以上のように、上記第2実施形態のパチンコ機を使用すれば、大当り判定の結果がハズレであり、かつ、通常ハズレ回数Nが「10」以上である場合に、ハズレ変動からリーチ変動に切替可能にすることができる。
したがって、ハズレ変動からリーチ変動への切替わりを期待する遊技者は、通常ハズレの回数に関心を持ちながら遊技を楽しむことができる。
なお、第2実施形態のパチンコ機は、ハズレ変動からリーチ変動に切替わるための条件が異なる以外は、第1実施形態のパチンコ機1と同一の構成および機能であるため、第1実施形態の効果(1)と同じ効果を奏することができる。
【0075】
<第3実施形態>
次に、この発明の第3実施形態について図18を参照して説明する。
この実施形態のパチンコ機は、確変になっていることを条件として、ハズレ変動からリーチ変動に切替可能となることを特徴とする。
図18は、メインCPU112が実行する遡及変動抽選処理3の流れを示すフローチャートである。
なお、メインCPU112が実行する遡及変動抽選処理3以外の機能および構成は、第1実施形態のパチンコ機1と同一であるため、その同一部分の説明を省略する。また、同一部分については同一の符号を用いる。
【0076】
メインCPU112は、保留数Uが「1」以下であると判定した場合は(S100:Yes)、確変フラグがONしているか否かを判定し(S102)、ONしていないと判定した場合は(S102:No)、特別図柄の変動開始から11秒経過したか否かを判定する(S104)。以下、第1実施形態の遡及変動抽選処理のS108〜S116と同じ処理を実行する(S108〜S116)。
つまり、大当り判定の結果がハズレであり、かつ、保留数が「1」以下であり、さらに確変になっていないという条件が揃っている場合に、ハズレ変動からリーチ変動への切替が可能となる。
なお、メインCPU112が遡及変動抽選処理3を実行するためのコンピュータプログラムはROM114に記録されている。
【0077】
<第3実施形態の効果>
以上のように、第3実施形態のパチンコ機を使用すれば、大当り判定の結果がハズレであり、かつ、保留数が「1」以下であり、さらに確変になっていないという条件が揃っている場合に、ハズレ変動からリーチ変動に切替可能にすることができる。
したがって、大当りが発生する確率の低い遊技状態において、リーチ変動が表示される機会が少ないと、遊技に対する面白みが減ってしまうが、そのような低確率時において、ハズレ変動の途中からリーチ変動に切替えることができるため、遊技に対する面白みを増すことができる。
【0078】
<他の実施形態>
(1)前記第2実施形態では、通常ハズレ回数Nが「10」以上になったことを、ハズレ変動からリーチ変動に切替わる条件に加えたが、通常ハズレ回数Nの通算回数ではなく、通常ハズレが連続して発生した回数が所定回数以上になったことを条件とすることもできる。この場合も第2実施形態と同じ効果を奏することができる。
(2)また、特別図柄の変動回数に対する通常ハズレの発生回数の割合が所定値を超えたことを条件とすることもできる。この場合も第2実施形態と同じ効果を奏することができる。
【0079】
(3)さらに、特別図柄の1回の変動に付き大当り予告をM1回行うとした場合に、大当り予告が行われなかった回数がM2回に達したことを条件とすることもできる。この場合、ハズレ変動からリーチ変動への切替わりを期待する遊技者は、大当り予告が行われない回数に関心を持ちながら遊技を楽しむことができる。
(4)第1実施形態の遡及変動抽選処理(図14)においてS100をなくし、大当り判定の結果がハズレであったという条件を満たした場合に、S102以降を実行することもできる。
(5)第2実施形態の遡及変動抽選処理2(図17)においてS98とS101との間、あるいはS101とS102との間に、「U≦1?」という判定ステップを加え、その判定がYesとなることをハズレ変動からリーチ変動への切替の条件とすることもできる。
【0080】
(6)前記各実施形態では、特別図柄の変動中に遡及変動抽選処理を実行し、その結果によってハズレ変動からリーチ変動への切替を決定したが、ハズレ変動パターンの中に、ハズレ変動からリーチ変動に切替わる変動パターンを設定しておき、特別図柄処理のS76においてハズレ変動パターンを決定する際に、ハズレ変動からリーチ変動に切替わる変動パターンが決定される可能性のあるようにすることもできる。この場合も第1実施形態と同じ効果を奏することができる。
(7)ハズレ変動からリーチ変動に切替わるための条件は、上記以外の条件に変更することができる。たとえば、その条件としての保留数U、ハズレ変動回数Nなどは、他の数値に変更することができる。
【0081】
[各請求項と実施形態との対応関係]
発射ハンドル15、発射モータ駆動基板15c、発射スイッチ15dおよび発射モータ15eが、請求項1に記載の発射装置に対応し、第1種始動口27が、所定の領域に対応する。大当りが発生した遊技状態が、遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に対応する。図柄制御基板32および図柄表示器32aが表示装置に対応する。ハズレ変動が通常の表示状態に対応し、リーチ変動がリーチ状態に対応する。
そして、メインCPU112が実行する第1種始動口処理のS10〜S28が判定手段として機能する。また、メインCPU112が実行する遡及変動抽選処理のS98〜S110および遡及変動抽選カウンタC6が決定手段として機能し、S112〜S116が切替手段として機能する。
また、メインCPU112が請求項7または請求項8に記載のコンピュータに対応する。メインCPU112が各図に示したフローチャートを実行するためのコンピュータプログラムが請求項7に係るコンピュータプログラムに対応し、そのコンピュータプログラムが記録されたROM114が請求項8に係る記録媒体に対応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る実施形態のパチンコ機の外観を示す斜視説明図である。
【図2】図1に示すパチンコ機1に備えられた遊技盤5の主要構成を示す正面説明図である。
【図3】パチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図4】図柄制御装置32の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図5】図5はハズレ変動の説明図である。図5(A)は、図柄表示器32aが特別図柄を変動表示している状態を示す説明図であり、図5(B)は、左確定図柄が表示された状態を示す説明図であり、図5(C)は、左確定図柄および右確定図柄が表示された状態を示す説明図であり、図5(D)は、ハズレ図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
【図6】図6はハズレ変動からリーチ変動に切替わる状態を示す説明図である。図6(A)は、図柄表示器32aが特別図柄を変動表示している状態を示す説明図であり、図6(B)は、左確定図柄が表示された状態を示す説明図であり、図6(C)は、左確定図柄および右確定図柄が表示された状態を示す説明図であり、図6(D)は、全表示領域において特別図柄が再度変動を開始した状態を示す説明図である。
【図7】図7はリーチ変動の様子を示す説明図である。図7(E)は、左確定図柄が表示された状態を示す説明図であり、図7(F)は、大当り予告画像が表示された状態を示す説明図であり、図7(G)は、リーチになった状態を示す説明図であり、図7(H)は、ハズレ図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
【図8】図8(A)は大当り抽選カウンタの説明図であり、図8(B)は大当り変動パターン抽選カウンタの説明図であり、図8(C)はリーチ抽選カウンタの説明図であり、図8(D)はリーチ変動パターン抽選カウンタの説明図であり、図8(E)はハズレ図柄抽選カウンタの説明図であり、図8(F)は遡及変動抽選カウンタの説明図であり、図8(G)はリーチ変動パターン抽選カウンタの説明図である。
【図9】図9(A)は大当り値テーブルの説明図であり、図9(B)はリーチ決定値テーブルの説明図であり、図9(C)は大当り図柄テーブルの説明図であり、図9(D)は、RAM116に設けられたデータ格納領域の説明図である。
【図10】変動開始コマンドのON・OFF、特別図柄の変動・停止、ハズレ図柄およびハズレ変動パターンの送信・停止、リーチ図柄およびリーチ変動パターンの送信・停止、および変動停止コマンドの送信・停止のそれぞれのタイミングを示すタイムチャートである。
【図11】メインCPU112が実行する第1種始動口処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】メインCPU112が実行する特別図柄処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】メインCPU112が特別図柄処理のS70において実行するハズレ変動パターン決定処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】メインCPU112が特別図柄処理のS90において実行する遡及変動抽選処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】図柄制御基板32に備えられたサブCPU32bが実行する表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】第2実施形態においてメインCPU112が実行する第1種始動口処理2の流れを示すフローチャートである。
【図17】第2実施形態においてメインCPU112が実行する遡及変動抽選処理2の流れを示すフローチャートである。
【図18】第3実施形態においてメインCPU112が実行する遡及変動抽選処理3の流れを示すフローチャートである。
【図19】従来のパチンコ機の主要構成を示す正面説明図である。
【図20】図20(A)は、図19に示すパチンコ機に備えられた図柄表示器によりリーチ状態が表示されているところを示す説明図であり、図20(B)は、大当り図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 パチンコ機(遊技機)
27 第1種始動口(所定の領域)
32a 図柄表示器(表示装置)
112 メインCPU112
114 ROM(記録媒体)
【産業上の利用分野】
この発明は、特定の図柄の組合せを確定表示することにより、遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に変化させるか否かの判定結果を表示する表示装置を備えた遊技機に関する。また、その遊技機をコンピュータにより機能させるためのコンピュータプログラムおよびそのコンピュータプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の遊技機として図19および図20に示すパチンコ機が知られている。図19は、従来のパチンコ機の主要構成を示す正面説明図である。図20(A)は、図19に示すパチンコ機に備えられた図柄表示器によりリーチ状態が表示されているところを示す説明図であり、図20(B)は、大当り図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
パチンコ機500に設けられた発射レバー501を操作して発射された遊技球が、遊技盤502に設けられた第1種始動口503入賞すると、パチンコ機500に内蔵されたコンピュータが大当りかハズレかを判定する。続いて、図柄表示器505が表示領域R1、R2およびR3(図20)において複数の特別図柄(たとえば、0〜9の数字を示す特別図柄)をそれぞれ上下方向に変動表示(スクロール表示ともいう)させる。
そして、変動表示の開始から所定時間経過すると、図柄表示器505は、表示領域R1、R3、R2の順に変動を停止し、上記判定結果に対応する特別図柄を確定表示する。特別図柄の変動開始から停止までの変動態様には、リーチ変動と、リーチ変動以外のハズレ変動とがある。リーチ変動とは、たとえば図20(A)に示すように、表示領域R1およびR3に同一の特別図柄が停止表示されており、残る表示領域R2では、まだ特別図柄が変動している変動態様をいう。
【0003】
リーチになると、表示領域R2の変動速度(スクロールの速度)をゆっくりにして特定の動画を表示したり、あるいは、変動方向(スクロールの方向)を逆転したりして、大当り図柄が完成するか否か、遊技者をヤキモキさせる様々な演出が行われる。また、ハズレ変動では、表示領域R1,R3の順に変動が停止すると、遊技者をヤキモキさせるような演出は行わず、表示領域R3の変動が停止してから比較的短時間で表示領域R2の変動が停止する。
そして、大当り図柄(たとえば、図20(B)に示すような「777」)が完成すると、大当りが発生し、扉式の開閉部材506が開作動し、大入賞口507が開口する。大入賞口507に遊技球が入賞すると、入賞球1個に付き、所定個数(たとえば、15個)の賞球が上受け皿508に払出される。また、大入賞口507に入賞した入賞球の数が所定数(たとえば、10個)に達するか、あるいは、大入賞口507が開口してから所定時間(たとえば、30秒)経過するかのいずれかの条件が満たされると、開閉部材506が閉作動し、大入賞口507が閉口する。さらに、大入賞口507に入賞した遊技球が大入賞口507の内部に設けられた特定領域509を通過すると、大入賞口507が連続して開口する権利が発生する。このように、大入賞口507が開口してから閉口するまでを1ラウンドとし、遊技球が特定領域509を通過することを条件として、複数のラウンド(たとえば、15ラウンド)の遊技を行うことができる。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−864号公報(請求項1、第19段落、第53段落、第86段落、図6、図9〜図11、図14〜図16)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のパチンコ機では、必ずと言っていいほど、リーチ変動を経てから大当りになり、ハズレ変動になった場合は、ハズレになる。
したがって、遊技者は、表示領域R3の変動が停止したときに、その停止図柄が表示領域R1の停止図柄と異なっていると分かった瞬間にハズレであると認識するため、その後、図柄表示器に表示される内容には全く関心がなくなってしまう。
つまり、従来のパチンコ機では、リーチ変動以外の変動は、遊技者が関心を示さない全くつまらない存在になっているため、表示装置の表示内容が有効活用されないという問題がある。
【0006】
そこでこの発明は、上記従来の問題を解決するためになされたものであり、遊技者にリーチ変動以外の変動にも関心を持たせることにより、表示装置の表示内容を有効活用することができる遊技機、この遊技機をコンピュータにより機能させるためのコンピュータプログラムおよびそのコンピュータプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段・作用および効果】
この発明は、上記目的を達成するため、請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の発明では、遊技盤と、この遊技盤へ遊技球を発射する発射装置と、この発射装置により発射された遊技球が所定の領域を通過したことを条件として、遊技状態を遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に変化させるか否かを判定する判定手段と、複数の表示領域のそれぞれにおいて複数の図柄を変動表示した後に前記複数の表示領域に所定の図柄の組合せを確定表示することにより前記判定手段の判定結果を表示する表示装置とを備えており、前記表示装置は、前記判定手段が前記遊技状態を遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に変化させると判定した場合に、前記複数の表示領域のそれぞれにおいて複数の図柄を変動表示した後に前記複数の表示領域に特定の図柄の組合せを確定表示する機能と、前記判定手段により所定の判定結果が出た場合に、前記複数の表示領域のそれぞれにおいて複数の図柄を変動表示した後に前記特定の図柄の組合せを構成する複数の図柄のうち、1つの図柄が確定表示されていない表示状態であるリーチ状態を表示するリーチ表示機能と、前記判定手段により所定の判定結果が出た場合に、前記複数の表示領域のそれぞれにおいて複数の図柄を変動表示した後に前記リーチ状態が出現しない通常の表示状態を表示する通常表示機能とを備えた遊技機において、前記表示装置が前記通常の表示状態を表示している途中で前記リーチ状態に切替えるか否かを遊技状態に応じて決定する決定手段と、この決定手段が、前記通常の表示状態を表示している途中で前記リーチ状態に切替えると決定した場合に、前記通常の表示状態を途中で前記リーチ状態に切替える切替手段とを備えたという技術的手段を用いる。
【0008】
発射装置により発射された遊技球が所定の領域を通過すると、判定手段が、遊技状態を遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に変化させるか否かを判定する。また、表示装置は、判定手段が遊技状態を遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に変化させると判定した場合に、複数の表示領域のそれぞれにおいて複数の図柄を変動表示した後に前記複数の表示領域に特定の図柄の組合せを確定表示する。また、表示装置が備えるリーチ表示機能は、判定手段により所定の判定結果が出た場合に、前記複数の表示領域のそれぞれにおいて複数の図柄を変動表示した後に前記特定の図柄の組合せを構成する複数の図柄のうち、1つの図柄が確定表示されていない表示状態であるリーチ状態を表示する。さらに、通常表示機能は、判定手段により所定の判定結果が出た場合に、前記複数の表示領域のそれぞれにおいて複数の図柄を変動表示した後に前記リーチ状態が出現しない通常の表示状態を表示する。
そして、決定手段は、表示装置が通常の表示状態を表示している途中でリーチ状態に切替えるか否かを遊技状態に応じて決定し、切替手段は、決定手段が、通常の表示状態を表示している途中でリーチ状態に切替えると決定した場合に、通常の表示状態を途中でリーチ状態に切替える。
【0009】
つまり、表示装置が通常の表示状態を表示している途中でリーチ状態に切替えて表示することができるため、通常の表示状態になっている場合であっても、それが将来リーチ状態に切り替わり、後に特定の図柄が確定表示されるかもしれないという期待を遊技者に抱かせることができる。
したがって、通常の表示状態に対する遊技者の関心を高めることができるため、表示装置の表示内容を有効活用することができる。
なお、賞球を獲得し易い遊技状態とは、たとえば、後述する発明の実施の形態に記載するように、大当りが発生した遊技状態、確変になっている遊技状態、時短になっている遊技状態などの遊技状態を意味する。
【0010】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の遊技機において、前記特定の図柄の種類に応じて、前記判定手段が遊技状態を遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に変化させると判定する確率が変化し、前記決定手段は、前記確率が低い場合に、前記表示装置が前記通常の表示状態を表示している途中で前記リーチ状態に切替えるという技術的手段を用いる。
【0011】
つまり、遊技状態を遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に変化する確率の低い遊技状態において、リーチ状態が表示される機会が少ないと、遊技に対する面白みが減ってしまうが、そのような遊技状態において、通常の表示状態の途中からリーチ状態に切替えることができるため、遊技に対する面白みを増すことができる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の遊技機において、前記表示装置が前記条件が成立しても直ちに前記図柄の変動表示を開始できない場合は、前記図柄の変動表示の開始を保留するとともに、その保留数を格納する保留数格納手段を備えており、前記決定手段は、前記保留数格納手段に格納されている前記保留数が所定数を超えていない遊技状態である場合に、前記表示装置が前記通常の表示状態を表示している途中で前記リーチ状態に切替えると決定するという技術的手段を用いる。
【0013】
保留数格納手段は、表示装置が前記条件が成立しても直ちに図柄の変動表示を開始できない場合は、図柄の変動表示の開始を保留するとともに、その保留数を格納する。また、決定手段は、保留数格納手段に格納されている保留数が所定数を超えていない遊技状態である場合に、表示装置が通常の表示状態を表示している途中でリーチ状態に切替えると決定する。
【0014】
つまり、遊技者は、保留数が多い場合は、できるだけ短時間のうちに図柄の変動表示を多く行うことによって保留数を消化し、特定の図柄が確定表示される時が早く到来するのを望むものである。
そこで、保留数が所定数を超えているような遊技状態である場合には、変動時間のかかるリーチ状態をなるべく作らないようにして保留数の消化を促進し、逆に、保留数が所定数を超えていないような遊技状態である場合には、通常の表示状態の途中からリーチ状態に切替えることにより、遊技者に時間をかけて楽しんでもらうことができる。また、遊技者は、保留数が所定数を超えていない場合であっても、通常の表示状態の途中からリーチ状態に切替わる機会が増えるため、少ない機会で幸運を掴むことができるのではないかという期待をしながら遊技を楽しむことができる。
【0015】
請求項4に記載の発明では、請求項1に記載の遊技機において、過去に発生した遊技状態の履歴を格納する履歴格納手段を備えており、前記決定手段は、前記履歴格納手段に格納されている前記履歴が所定の履歴になっている遊技状態である場合に、前記表示装置が前記通常の表示状態を表示している途中で前記リーチ状態に切替えると決定するという技術的手段を用いる。
【0016】
履歴格納手段は、過去に発生した遊技状態の履歴を格納し、決定手段は、履歴格納手段に格納されている履歴が所定の履歴になっている遊技状態である場合に、表示装置が通常の表示状態を表示している途中でリーチ状態に切替えると決定する。
【0017】
つまり、過去に発生した遊技状態の履歴が所定の履歴になっているか否かによって、通常の表示状態の途中でリーチ状態に切替わるか否かが決定されるため、その切替わりを将来期待する遊技者は、現在行っている遊技状態に関心を持ちながら遊技を楽しむことができる。
【0018】
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の遊技機において、前記表示装置は、前記切替手段により前記切替えを行わなかったとした場合に前記通常の表示状態を表示した後に確定表示する図柄と、前記切替手段により前記切替えを行った場合に前記リーチ状態を表示した後に確定表示する図柄とが異なるように表示するという技術的手段を用いる。
【0019】
請求項6に記載の発明では、請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の遊技機において、前記表示装置は、前記判定手段が前記遊技状態を遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に変化させないと判定した場合に、前記リーチ表示機能により前記リーチ状態を表示した後に、前記特定の図柄の組合せを構成する複数の図柄のうち、1つの図柄が他の図柄と異なる図柄の組合せからなるリーチ図柄を確定表示し、前記判定手段が前記遊技状態を遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に変化させないと判定した場合に、前記通常表示機能により前記通常の表示状態を表示した後に、前記特定の図柄の組合せおよび前記リーチ図柄以外の図柄の組合せからなるハズレ図柄を確定表示し、前記切替手段は、前記決定手段が、前記通常の表示状態を表示している途中で前記リーチ状態に切替えると決定した場合に、前記通常の表示状態を途中で前記リーチ状態に切替え、前記切替えを行う前に確定表示しようとしていた前記ハズレ図柄を前記リーチ図柄に切替えるという技術的手段を用いる。
【0020】
つまり、遊技者は、確定表示されたリーチ図柄を見ることにより、リーチ状態にはなったが結果として賞球を獲得し易い遊技状態には変化しないことを知ることができる。また、ハズレ図柄を見ることにより、リーチ状態にもならず、結果として賞球を獲得し易い遊技状態には変化しないことを知ることができる。
特に、通常の表示状態を表示している途中でリーチ状態に切替わり、リーチ図柄が確定表示された過程を見ることにより、遊技者は通常の表示状態の後にハズレ図柄が確定表示される場合よりも何か得をしたような感じになり、近い将来、賞球を獲得し易い遊技状態に変化するのではないかという期待感を抱く。
【0021】
請求項7に記載の発明では、請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の遊技機をコンピュータにより機能させるために前記コンピュータが実行するコンピュータプログラムという技術的手段を用いる。
【0022】
つまり、請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の遊技機は、たとえば、後述する発明の実施の形態に記載するように、パチンコ機(遊技機)に内蔵されたCPU(コンピュータ)により機能するため、上記コンピュータプログラムをROMなど(記録媒体)に記録しておき、その記録されたコンピュータプログラムを上記CPUが実行することにより、上記パチンコ機を機能させることができる。なお、請求項7に記載のコンピュータは、CPUの他、CPU、ROMおよびRAMなどを含んで構成されるマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、パーソナルコンピュータなどを含む意味である。また、請求項5に係るコンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたコンピュータプログラムの他、インターネット、イントラネット、コンピュータネットワークなどのネット上で通信されるコンピュータプログラムを含む意味である。
【0023】
請求項8に記載の発明では、請求項7に記載の前記コンピュータプログラムが記録された前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体という技術的手段を用いる。
【0024】
つまり、コンピュータにより遊技を制御する遊技機にあっては、たとえば、後述する発明の実施の形態に記載するように、パチンコ機(遊技機)に設けられたROMなど(記録媒体)に記録されたコンピュータプログラムをCPU(コンピュータ)が実行することにより機能することから、上記コンピュータプログラムを記録したROMなどの記録媒体を使用することにより、上記パチンコ機を機能させることができる。なお、請求項6に係る記録媒体は、ROMの他、RAM、EEPROM、ICチップ、フレキシブルディスク、MO(光磁気ディスク)、DVD−ROM、DVD−RAM、CD(コンパクトディスク)、CD−R、CD−RW、HDD(ハードディスク駆動装置)により読み取られるハードディスクなどの記録媒体を含む意味である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る遊技機の実施形態について図を参照して説明する。なお、以下に記載する各実施形態では、この発明に係る遊技機として第1種のパチンコ機、つまり図柄表示器により大当り図柄が確定表示された場合に大当りが発生し、大入賞口が開口するパチンコ機を例に挙げて説明する。
<第1実施形態>
[全体の主要構成]
まず、この実施形態のパチンコ機の主要構成について図1を参照して説明する。図1は、そのパチンコ機の外観を示す斜視説明図である。
パチンコ機1には、前枠2がヒンジ8を介して開閉可能に備えられており、その前枠2には、ガラス板がはめ込まれたガラス枠4が開閉可能に取付けられている。前枠2の右側には、ガラス枠4の開閉に用いる鍵を差し込む鍵穴3が設けられている。ガラス枠4の内側には、遊技盤5が設けられており、前枠2の右側下方には、遊技球を遊技盤5へ発射する発射装置(図示省略)を操作するための発射ハンドル15が取付けられている。
ガラス枠4の下方には、賞球や貸球が排出される賞球・貸球供給口6aが形成されており、この賞球・貸球供給口6aの排出側には、その賞球・貸球供給口6aから供給された賞球や貸球を溜めておくための上受け皿6が取り付けられている。上受け皿6の下方には、上受け皿6の収容可能数を超えて流下した賞球や上受け皿球抜きレバー6bの操作により上受け皿6から排出された遊技球などを排出する排出口7aが形成されている。排出口7aの排出側には、その排出口7aから排出された遊技球を収容しておくための下受け皿7が設けられている。
【0026】
[遊技盤5の主要構成]
次に、遊技盤5の主要構成について図2を参照して説明する。図2は、遊技盤5の正面説明図である。
遊技盤5の略中央には、立体的な構造物であるセンターケース30が設けられており、センターケース30には、特別図柄の変動表示から確定表示および普通図柄の変動表示から確定表示などを行う図柄表示器32aが設けられている。図柄表示器32aは、複数種類の特別図柄、この実施形態では「0」〜「9」の数字からなる図柄列を画面の横右方の複数の表示領域(この実施形態では、画面左から左表示領域、中表示領域および右表示領域の計3つの表示領域)において、それぞれ上から下方向へ変動表示(スクロール表示ともいう)する。
また、図柄表示器32aは、特別図柄の背景に表示する背景画像、リーチになったときの演出画像、大当りの発生を予告する大当り予告画像、特定のリーチの発生を予告するリーチ予告画像、大当りが発生したときの演出画像などを表示する。さらに、図柄表示器32aは、画面の所定領域に普通図柄表示領域を備えており、その普通図柄表示領域において普通図柄の変動表示から確定表示までを行う。この実施形態では、図柄表示器32aは、普通図柄として○および×の記号を示す画像を交互に変動表示し、所定時間経過後に○または×を確定表示する。
【0027】
なお、特別図柄または普通図柄の確定表示とは、最終的に確定した特別図柄または普通図柄を表示したという意味であり、確定表示の態様には、変動が完全に停止した状態の他、完全に停止しないで上下または左右に振動するなど、所定の動きを伴っている状態などが含まれる。また、以下の説明では、図柄表示器32aの左表示領域において変動表示される図柄列を左図柄列、中表示領域において変動表示される図柄列を中図柄列、右表示領域において変動表示される図柄列を右図柄列と称する。また、左図柄列を構成する特別図柄を左図柄、中図柄列を構成する特別図柄を中図柄、右図柄列を構成する特別図柄を右図柄と称し、左表示領域において確定表示される特別図柄を左確定図柄、中表示領域において確定表示される特別図柄を中確定図柄、右表示領域において確定表示される特別図柄を右確定図柄とそれぞれ称する。
さらに、大当りが発生する場合の左確定図柄、中確定図柄および右確定図柄の組合せにより表示される特別図柄(000〜999)を大当り図柄と称し、ハズレになる場合の組合せにより表示される特別図柄をハズレ図柄と称する。また、この実施形態では、普通図柄○が確定表示された場合が普通図柄の当りであり、普通図柄×が確定表示された場合が普通図柄のハズレである。
【0028】
図柄表示器32aの右上には、図柄表示器32aが特別図柄の変動開始から確定表示までを1回とした場合の変動開始を保留している数(以下、保留数という)を4個のLEDにより表示する保留数表示LED31が設けられている。そのLED31の点灯数が保留数に対応する。また、保留数表示LED31の左側には、普通図柄の変動表示から確定表示までを1回とした場合の変動開始を保留している回数(以下、普通図柄始動記憶数と称する)を4個のLEDにより表示する普通図柄始動記憶数表示LED33が設けられている。そのLED33の点灯数が普通図柄始動記憶数に対応する。
センターケース30の右側には、普通図柄作動右ゲート(単に普通図柄作動ゲートともいう)25が設けられており、センターケース30の左側には、普通図柄作動左ゲート(単に普通図柄作動ゲートともいう)26が設けられている。遊技球が、いずれかの普通図柄作動ゲートを通過すると、図柄表示器32aが普通図柄の変動表示を開始し、その変動表示中に遊技球がいずれかの普通図柄作動ゲートを通過した場合は、普通図柄始動記憶数が1個増加する。
【0029】
センターケース30の下方には、開閉する両翼を備えた普通電動役物47が設けられており、普通電動役物47の内部には、第1種始動口27が設けられている。普通電動役物47が両翼を開放すると、遊技球が第1種始動口27に入賞する領域が拡大する。以下、遊技球が第1種始動口27、または、普通電動役物47の開放された両翼から入賞することを第1種始動口27への入賞という。
遊技球が第1種始動口27に入賞すると、図柄表示器32aが特別図柄の変動表示を開始する。特別図柄の変動中に遊技球が第1種始動口27に入賞した場合は、特別図柄の変動表示の開始が保留され、その保留数は、保留数表示LED31のLEDの点灯数により表示される。なお、図柄表示器32aにより変動表示された後に確定表示された普通図柄が当り普通図柄であった場合に、普通電動役物47の両翼が開放する。
普通電動役物47の下方には、大当りが発生した場合に作動する変動入賞装置40が設けられている。この変動入賞装置40には、各ラウンドの開始時に開放動作して大入賞口を開口する板状の開閉部材43が扉式に開閉可能に取り付けられている。開閉部材43が開放すると、開閉部材43の形状に対応した横長で長方形状の大入賞口41が開口する。変動入賞装置40の右斜め上には、右下入賞口45が設けられており、その右斜め上には右袖入賞口12が設けられている。変動入賞装置40の左斜め上には、左下入賞口44が設けられており、その左斜め上には左袖入賞口13が設けられている。
【0030】
遊技盤5には、風車24,24が設けられており、遊技盤5の両側には、複数のLEDにより装飾されたサイド飾り20がそれぞれ設けられている。また、遊技盤5には、発射された遊技球を遊技領域へ案内する発射レール16が取付けられており、その発射レール16により、円形の遊技領域が区画されている。さらに、遊技盤5の最下部には、入賞しなかった遊技球をアウト球として回収するアウト口14が設けられている。そして、遊技盤5には、多くの釘17が打ち込まれており、遊技盤5に発射された遊技球は、釘17の間を乱舞しながら流下し、普通図柄作動ゲート25,26を通過したり、第1種始動口27または普通電動役物47の開放した両翼から入賞したり、あるいは、アウト口14から回収されたりする。
【0031】
[パチンコ機1の電気的構成]
次に、パチンコ機1の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図3を参照して説明する。
パチンコ機には、主制御基板100が設けられており、この主制御基板100には、メインCPU112、ROM114およびRAM116を備えたマイクロプロセッサ110が搭載されている。メインCPU112は、大当りかハズレかの判定(以下、大当り判定という)、確変大当りか通常大当りかの判定、リーチ変動を行うか否かの判定(以下、リーチ判定という)、大当り図柄の決定、ハズレ図柄の決定、リーチ変動のときに使用する特別図柄(以下、リーチ図柄という)の決定、大当り判定においてハズレと判定した場合のリーチ変動以外の変動(以下、ハズレ変動という)からリーチ変動に切替えるか否かの決定、保留数の演算、大当りの遊技におけるラウンドの制御、入賞の検出、各装置および基板への制御コマンドの送信など、遊技の主な制御を実行する。なお、確変とは、大当りの発生する確率が高い遊技状態に変化することをいい、確変大当りとは、大当りの所定ラウンドが終了した後の遊技が所定期間確変になる権利を伴う大当りをいう。
【0032】
ROM114には、メインCPU112が後述する各種処理や制御などを実行するためのコンピュータプログラムなどが記録されており、RAM116は、メインCPU112の処理結果、判定結果、遊技球が第1種始動口27に入賞したこと、普通図柄作動ゲート25,26を通過したこと、大当りが発生したことなどの遊技中に発生する各種データ、ROM114から読出されたコンピュータプログラムなどを一時的に格納する。
主制御基板100には、次に記載するものが電気的に接続されている。遊技球が第1種始動口27に入賞したことを検出する第1種始動口スイッチ27a、図柄表示器32aを制御する図柄制御基板32、電源基板80、賞球の払出しなどを制御する払出制御基板200、RAMクリアスイッチ10、大当りの発生や賞球払出数などに関する遊技盤情報をパチンコホールの管理室などに設けられたホールコンピュータへ送信するための遊技枠情報端子基板52、盤面中継基板51、遊技枠中継基板53である。
【0033】
払出制御基板200には、主制御基板100から送信されてくる制御コマンドを受信して動作するマイクロプロセッサ210が搭載されており、マイクロプロセッサ210には、賞球および貸球の払出しなどを制御するサブCPU212と、このサブCPU212が賞球の払出しなどの制御を実行するための各種制御プログラムが記録されたROM214と、サブCPU212が各種制御プログラムを実行する際にROM214から読出された制御プログラムや遊技中に発生する入賞数や賞球数などの各種データを一時的に格納するRAM216とが搭載されている。
また、払出制御基板200には、RAMクリアスイッチ10、電源基板80、発射モータ15eを駆動するための発射モータ駆動基板15c、遊技枠情報端子基板52および払出中継基板55が電気的に接続されている。発射モータ駆動基板15cには、発射モータ駆動基板15cから発射モータ15eへ駆動信号を出力させるための発射スイッチ15dが接続されている。
【0034】
遊技枠中継基板53には、下受け皿7が遊技球で満杯になったことを検出する下皿満杯検出スイッチ72、賞球切れを検出する賞球切れ検出スイッチ73およびセンサ中継基板54が電気的に接続されている。センサ中継基板54は、賞球ユニット62に備えられた賞球払出センサ62a,62bおよび払出中継基板55と電気的に接続されている。払出中継基板55には、貸球切れを検出する貸球切れ検出スイッチ61、賞球払出モータ62cおよび貸球ユニット63が電気的に接続されている。
盤面中継基板51には、普通電動役物47の両翼を開閉駆動する普通電動役物ソレノイド47a、普通図柄作動右ゲート25を通過した遊技球を検出する右ゲートスイッチ(単にゲートスイッチともいう)25a、普通図柄作動左ゲート26を通過した遊技球を検出する左ゲートスイッチ(単にゲートスイッチともいう)26a、大入賞口41に入賞した遊技球を検出する大入賞口スイッチ41a、右袖入賞口12に入賞した遊技球を検出する右袖入賞口スイッチ12a、左袖入賞口13に入賞した遊技球を検出する左袖入賞口スイッチ13a、右下入賞口45に入賞した遊技球を検出する右下入賞口スイッチ45a、左下入賞口44に入賞した遊技球を検出する左下入賞口スイッチ44aおよび大入賞口中継基板50である。
【0035】
大入賞口中継基板50には、大入賞口内部の特定領域を通過した遊技球を検出する特定領域スイッチ41bと、開閉部材43を駆動する大入賞口ソレノイド43aと、特定領域を変化させる部材を駆動する特定領域ソレノイド41cとが電気的に接続されている。電源基板80は、CR接続基板56と電気的に接続されており、CR接続基板56には、プリペイドカードの残りの度数を度数表示部に表示する度数表示基板やプリペイドカードユニットなどから構成される遊技機外装置部分71と電気的に接続されている。電源基板80は、AC24V(50Hz/60Hz)の主電源70から電源の供給を受け、各基板および装置へ必要電源を供給する。
なお、このパチンコ機1には、停電が発生した際に、停電直前の遊技中のデータをRAM116およびRAM216にバックアップする機能が備えられており、電源が復帰したときに、バックアップされているデータに基づいて停電直前の遊技を再開することができる機能が備えられている。また、工場出荷時や開店前に試射を行った後に電源を遮断すると、上記バックアップ機能が働き、そのままの状態で開店すると不具合が発生するため、電源基板80に設けられたRAMクリアスイッチ10をONしながら電源スイッチ18をONすることにより、RAM116およびRAM216にバックアップされているデータを消去することができるようになっている。
【0036】
[図柄制御基板32の電気的構成]
次に、図柄制御基板32の主な電気的構成について、それをブロックで示す図4を参照して説明する。
図柄制御基板32にはキャラクタROM32dが搭載されており、そのキャラクタROM32dには、特別図柄、大当り図柄、リーチ図柄、リーチになったときの演出画像、大当り予告画像、リーチ予告画像、ハズレ図柄、リーチ画像、普通図柄、背景画像、大当りが発生したときの演出画像、大当りの遊技中に表示する画像などを図柄表示器32aに表示するための画像データが記録されている。
図柄制御基板32に搭載されたサブCPU32bは、主制御基板100のメインCPU112から送信されてきたコマンドを受信するとともに、その受信したコマンドの内容をROM32cに記録されたコンピュータプログラムに従って解析する。続いてサブCPU32bは、その解析結果をVDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)32eへ送出し、VDP32eは、キャラクタROM32dから上記解析結果に対応した画像データを読出す。
【0037】
VDP32eは、キャラクタROM32dから読出した画像データを構成するドットの表示領域におけるアドレス、表示色などを上記解析結果に基づいて演算し、その演算結果を内蔵のパレットRAM32fに一時的に格納する。続いてVDP32eは、パレットRAM32fに格納されている演算結果に基づいてRGB信号を液晶アナログ基板32gへ送出する。続いて液晶アナログ基板32gは、取込んだRGB信号の色補正および輝度調整を行い、その信号を液晶インバータ基板32hへ送出する。液晶インバータ基板32hは、バックライト電源の役割を果たし、取込んだ信号を昇圧(たとえば、12Vから600V)し、図柄表示器32aへ送出する。そして図柄表示器32aは、取込んだ信号に対応する液晶ドットをスイッチングして表示する。これにより、各種の画像が表示される。
なお、この実施形態では、図柄表示器32aは、TFT(Thin Film Transistor)を画素駆動素子とするアクティブマトリックス方式の液晶表示装置である。
【0038】
[遊技内容の決定方法]
次に、遊技内容の決定方法について図8および図9を参照して説明する。
図8(A)は大当り抽選カウンタの説明図であり、図8(B)は大当り変動パターン抽選カウンタの説明図であり、図8(C)はリーチ抽選カウンタの説明図であり、図8(D)はリーチ変動パターン抽選カウンタの説明図であり、図8(E)はハズレ図柄抽選カウンタの説明図であり、図8(F)は遡及変動抽選カウンタの説明図であり、図8(G)はリーチ変動パターン抽選カウンタの説明図である。
図9(A)は大当り値テーブルの説明図であり、図9(B)はリーチ決定値テーブルの説明図であり、図9(C)は大当り図柄テーブルの説明図であり、図9(D)は、RAM116に設けられたデータ格納領域の説明図である。
【0039】
図8(A)に示す大当り抽選カウンタC1は、メインCPU112が大当り判定を行うために用いるカウンタであり、複数のカウント値、この実施形態では0〜952の計953のカウント値をカウントする。メインCPU112は第1種始動口スイッチ27a(図3)がONしたときに大当り抽選カウンタC1のカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値が、大当り値テーブルT1に設定されている大当り値と一致する場合は大当りと判定し、一致しない場合はハズレと判定する。また、図示しないが、大当り抽選カウンタC1のカウントの初期値を更新するための初期値更新カウンタが備えられており、その初期値更新カウンタは、複数のカウント値、この実施形態では0〜952の計953のカウント値をカウントする。大当り抽選カウンタC1は、総てのカウント値をカウントしたとき、つまりカウントを1周したときに初期値更新カウンタがカウントしたカウント値を次のカウント周期の初期値に設定し、その初期値からカウントを開始する。大当り抽選カウンタC1は、カウント値をカウントする処理を、メインCPU112が行う一連の処理の中において割込処理で行い、1割込毎に「+1」ずつカウントアップする。また、初期値更新カウンタは、カウント値をカウントする処理を、メインCPU112が行う一連の処理の中において割込処理で行い、1割込毎に「+1」ずつカウントアップし、メインCPU112が行う一連の処理が終了したときの残余時間中更新を続ける。
なお、この実施形態では、各割込処理の周期は、2ms(2ミリ秒)である。
【0040】
図9(A)に示すように、大当り値テーブルT1には、大当り抽選カウンタC1がカウントするカウント値のうち、所定の数値と同一のカウント値が大当り値に設定されている。確変になっていない時(低確率時)にメインCPU112が参照する大当り値は、「7」「277」「293」の計3個であり、低確率時の大当りの発生確率は、3/953=約0.3%である。
また、確変になっている時(高確率時)にメインCPU112が参照する大当り値は、「7」「53」「89」「137」「173」「197」「257」「277」「293」「307」「337」「359」「409」「457」「487」「523」の計16個であり、高確率時の大当りの発生確率は、16/953=約1.7%である。つまり、大当りの発生確率は、高確率時が低確率時よりも約6倍高く設定されている。
【0041】
図8(B)に示す大当り変動パターン抽選カウンタC2は、特別図柄の変動開始から大当り図柄を確定表示するに至までの特別図柄の変動パターン(変動内容、変動態様)を決定するために用いるカウンタである。大当り変動パターン抽選カウンタC2は、複数のカウント値、この実施形態では、0〜49までの計50個のカウント値をカウントする。メインCPU112は、特別図柄の変動を開始するときに大当り変動パターン抽選カウンタC2がカウントしたカウント値を取得し、その取得したカウント値に基づいて大当りの場合の変動パターンを決定する。たとえば、大当り変動パターン抽選カウンタC2のカウント値と、大当りの場合の変動パターンとを対応付けて構成される大当り変動パターンテーブルを用い、メインCPU112は、大当り変動パターン抽選カウンタC2から取得したカウント値と対応付けられている大当り変動パターンを大当り変動パターンテーブルから取得する。
なお、この実施形態では、大当り変動パターンは、総てリーチを伴う変動パターンに設定されている。
【0042】
図8(C)に示すリーチ変動パターン抽選カウンタC3は、大当り判定の結果がハズレの場合においてリーチを行うことが決定された場合の特別図柄の変動パターン(以下、リーチ変動パターンという)を決定するために用いるカウンタである。つまり、特別図柄の変動開始から、リーチ状態を作るための特別図柄(以下、リーチ図柄という)を確定表示するに至までの変動パターンを決定するために用いるカウンタである。リーチ変動パターン抽選カウンタC3は、複数のカウント値、この実施形態では0〜49の計50の個のカウント値をカウントする。メインCPU112は、特別図柄の変動を開始するときにリーチ変動パターン抽選カウンタC3がカウントしたカウント値を取得し、その取得したカウント値に基づいてリーチ変動パターンを決定する。たとえば、リーチ変動パターン抽選カウンタC3のカウント値と、リーチ変動パターンとを対応付けて構成されるリーチ変動パターンテーブルを用い、メインCPU112は、リーチ変動パターン抽選カウンタC3から取得したカウント値と対応付けられているリーチ変動パターンをリーチ変動パターンテーブルから取得する。
【0043】
図8(D)に示すリーチ図柄抽選カウンタC4は、リーチ変動の後に確定表示する特別図柄(以下、リーチ図柄という)を決定するために用いるカウンタである。たとえば、リーチ図柄は、左確定図柄および右確定図柄が同一の特別図柄であり、中確定図柄のみが異なる特別図柄となった組合せで表現される。たとえば、「767」とか「787」などである。リーチ図柄抽選カウンタC4は、複数のカウント値、この実施形態では0〜49の計50の個のカウント値をカウントする。メインCPU112は、特別図柄の変動を開始するときにリーチ図柄抽選カウンタC4がカウントしたカウント値を取得し、その取得したカウント値に基づいてリーチ図柄を決定する。たとえば、リーチ図柄抽選カウンタC4のカウント値と、リーチ図柄とを対応付けて構成されるリーチ図柄テーブルを用い、メインCPU112は、リーチ図柄抽選カウンタC4から取得したカウント値と対応付けられているリーチ図柄をリーチ図柄テーブルから取得する。
【0044】
図8(E)に示すハズレ図柄抽選カウンタC5は、大当り判定においてハズレと判定され、かつ、リーチを行わないと判定された場合において、ハズレ変動パターンを実行した後に確定表示するハズレ図柄を決定するために用いるカウンタである。ハズレ図柄抽選カウンタC5は、複数のカウント値、この実施形態では、0〜899の計900個のカウント値をカウントする。メインCPU112は、特別図柄の変動を開始するときにハズレ図柄抽選カウンタC5がカウントしたカウント値を取得し、その取得したカウント値に基づいてハズレ図柄を決定する。たとえば、ハズレ図柄抽選カウンタC5のカウント値と、ハズレ図柄(たとえば、「756」とか「678」など)とを対応付けて構成されるハズレ図柄テーブルを用い、メインCPU112は、ハズレ図柄抽選カウンタC5から取得したカウント値と対応付けられているハズレ図柄をハズレ図柄テーブルから取得する。
【0045】
図8(F)に示す遡及変動抽選カウンタC6は、大当り判定においてハズレと判定され、かつ、リーチを行わないと判定され、さらに保留数が「1」以下であり、かつ、確変になっている場合において、ハズレ変動中にリーチ変動に切替えるか否かを決定するために用いるカウンタである。遡及変動抽選カウンタC6は、複数のカウント値、この実施形態では、0〜19の計20個のカウント値をカウントする。メインCPU112は、特別図柄の変動を開始するときに遡及変動抽選カウンタC6がカウントしたカウント値を取得し、その取得したカウント値に基づいて、ハズレ変動中にリーチ変動に切替えるか否かを決定する。メインCPU112は、ハズレ変動中であって保留数が「1」以下であり、かつ、確変になっており、特別図柄の変動開始から5秒経過したときに遡及変動抽選カウンタC6から取得したカウント値が所定のカウント値、この実施形態では、「3」または「17」であった場合に、ハズレ変動からリーチ変動に切替えると判定する。
【0046】
図8(G)に示すリーチ変動パターン抽選カウンタC7は、ハズレ変動中にリーチ変動に切替えることが決定された場合に、そのリーチ変動のパターンを決定するために用いるカウンタである。リーチ変動パターン抽選カウンタC7は、複数のカウント値、この実施形態では、0〜29の計30個のカウント値をカウントする。メインCPU112は後述する遡及変動抽選処理においてリーチ変動パターン抽選カウンタC7がカウントしたカウント値を取得し、その取得したカウント値に対応付けられているリーチ変動パターンをリーチ変動パターンテーブルから選択する。
【0047】
図9(B)に示すリーチ決定値テーブルT2は、大当り判定においてハズレと判定された場合に、リーチを行うか否か、つまりリーチ変動かハズレ変動かを決定するために用いるカウンタである。リーチ決定値テーブルT1には、大当り抽選カウンタがカウントするカウント値が複数設定されている。この実施形態では、のうち、大高確率時における大当り値のそれぞれ前後3つのカウント値(「4」「5」「6」「8」「9」「10」「50」「51」「52」「54」「55」「56」・・・「520」「521」「522」「524」「525」「526」)により構成されている。つまり、6個×16=96個のカウント値により構成されており、リーチ変動に決定される確率は、96/953=約10%である。メインCPU112は、大当り判定においてハズレと判定したときに、大当り抽選カウンタから取得したカウント値が、リーチ決定値テーブルT2に設定されている場合は、リーチ変動を行うと決定し、設定されていない場合は、リーチ変動を行わない、つまりハズレ変動を行うと決定する。
【0048】
図9(C)に示す大当り図柄テーブルT3は、大当り図柄を決定する場合に用いるテーブルであり、大当り図柄抽選カウンタ(図示せず)がカウントする複数のカウント値と大当り図柄とを対応付けて構成される。この実施形態では、大当り図柄抽選カウンタは、0〜9の計10個のカウント値をカウントし、大当り図柄テーブルT3は、0〜9のカウント値と、「000」〜「999」の大当り図柄とをそれぞれ対応付けて構成される。メインCPU112は、特別図柄の変動を開始するときに大当り図柄抽選カウンタからカウント値を取得し、その取得したカウント値と対応付けられている大当り図柄を大当り図柄テーブルT3から取得する。
【0049】
図9(D)に示すデータ格納領域116aは、メインCPU112の処理結果を格納するためにRAMに設けられた格納領域であり、現在および1〜4の計5個の始動記憶毎に、大当りフラグ、確変フラグ、リーチフラグ、図柄および変動パターンの各データを格納する構成になっている。始動記憶とは、メインCPU112が、遊技球の第1種始動口27への入賞を検出したときに図柄表示器32aが直ちに特別図柄の変動を開始できないときに、その開始を保留したことを示す記憶であり、始動記憶の合計が保留数となる。始動記憶の格納領域に格納されている「1」は、始動記憶の存在を示し、保留の発生順に「1」が格納されて行く。なお、図示の例では、保留順位1〜5までの計5個の始動記憶を格納できるようになっているが、保留順位1は、現在行われている特別図柄の変動表示の元となった始動記憶の保留順位を示しており、その変動中に保留が発生すると、その発生毎に保留順位2〜5までの始動記憶に「1」が格納されて行く。つまり、保留数の上限は、「4」となっている。
【0050】
大当りフラグは、大当り判定において大当りと判定されたことを示すフラグであり、大当りと判定されると大当りフラグ「1」がONし、ハズレと判定されると大当りフラグは「0」にリセットされる。図示の例では、保留順位1番目の始動記憶に対応する格納領域に大当りフラグ「1」がONしており、現在行われている特別図柄の変動表示の元になった始動記憶が発生したときに行った大当り判定の結果が大当りであったことを示す。
確変フラグは、確変になるか否かの判定(以下、確変判定という)において確変になると判定されたことを示すフラグであり、確変になると判定されると確変フラグ「1」がONし、確変にはならないと判定されると確変フラグは「0」にリセットされる。図示の例では、保留順位1番目の始動記憶に対応する格納領域に確変フラグ「1」がONしており、現在行われている特別図柄の変動表示が開始されるときの確変判定において確変になると判定されたことを示す。
【0051】
リーチフラグは、リーチ判定においてリーチ変動を行うと判定されたことを示すフラグであり、リーチ変動を行うと判定されるとリーチフラグ「1」がONし、リーチ変動を行わない、つまりハズレ変動を行うと判定されるとリーチフラグは「0」にリセットされる。図示の例では、保留順位3番目の始動記憶に対応する格納領域にリーチフラグ「1」がONしており、3個目の保留が発生したときのリーチ判定においてリーチ変動を行うと判定されたことを示す。なお、大当り判定において大当りと判定された場合は、必ずリーチを伴う大当り変動パターンが選択されるため、対応する格納領域においてリーチフラグはONしない。
図柄に対応する格納領域には、メインCPU112により決定された大当り図柄またはハズレ図柄を示すデータが格納される。図示の例では、保留順位1番目の格納領域には大当り図柄「777」を示すデータが格納されており、保留順位4番目の格納領域にはをハズレ図柄「541」示すデータが格納されている。
なお、図9(D)では、説明を分かり易くするためにハズレ図柄または大当り図柄を示す数字を記載しているが、実際には、図柄に対応する格納領域には、図柄を表示するための画像データが格納されるのではなく、たとえば、図柄表示器32aに図柄を表示させるために図柄制御基板32のサブCPU32bへ送信する制御コマンド、あるいは、その制御コマンドを制御コマンド格納領域(制御コマンドが格納された領域)から読出すためのデータなどが格納される。
【0052】
変動パターンに対応する格納領域には、メインCPU112により決定された特別図柄の変動パターンを示すデータが格納される。後述するように、変動パターンの種類には、大当り判定において大当りと判定された場合に決定する大当り変動パターンと、ハズレと判定され、かつ、リーチ判定においてリーチ変動を行うと判定された場合に決定するリーチ変動とが設定されている。図9(D)では、説明を分かり易くするためにA、B、CおよびSRの計4種類の変動パターン(たとえば、変動パターンとして選択される確率は、A、B、C、SRの順に低くなり、SRは、最も選択される確率の低いスペシャルリーチである。)が格納されているが、実際には、大当り変動パターンとして複数の変動パターン(たとえば、後述するように計50種類の変動パターン)が設定されており、リーチ変動パターンとして複数の変動パターン(たとえば、後述するように計50種類の変動パターン)が設定されている。
なお、データ格納領域116aでは、使用されたデータはそのまま格納されている状態になっており、新たなデータが発生した場合に、その新たなデータを古いデータに上書きする形で書換える。
【0053】
[この発明の特徴]
次に、この発明の特徴について図5ないし図7を参照して説明する。
図5はハズレ変動の説明図である。図5(A)は、図柄表示器32aが特別図柄を変動表示している状態を示す説明図であり、図5(B)は、左確定図柄が表示された状態を示す説明図であり、図5(C)は、左確定図柄および右確定図柄が表示された状態を示す説明図であり、図5(D)は、ハズレ図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
図6はハズレ変動からリーチ変動に切替わる状態を示す説明図である。図6(A)は、図柄表示器32aが特別図柄を変動表示している状態を示す説明図であり、図6(B)は、左確定図柄が表示された状態を示す説明図であり、図6(C)は、左確定図柄および右確定図柄が表示された状態を示す説明図であり、図6(D)は、全表示領域において特別図柄が再度変動を開始した状態を示す説明図である。
図7はリーチ変動の様子を示す説明図である。図7(E)は、左確定図柄が表示された状態を示す説明図であり、図7(F)は、大当り予告画像が表示された状態を示す説明図であり、図7(G)は、リーチになった状態を示す説明図であり、図7(H)は、ハズレ図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
【0054】
(ハズレ変動)
図5(A)において、下向きの矢印は、各表示領域において特別図柄列が上下方向に変動している状態を表す。変動している特別図柄の背景には、背景画像(図示の例では、山河を表現した画像)H1が表示されている。各特別図柄列は、変動開始時から所定時間高速(遊技者が変動している各特別図柄を肉眼で認識できない程度の速度)で変動し、変動開始から所定時間経過すると、左図柄列が高速から中速に変化し、さらに所定時間経過すると、中速から低速(遊技者が変動している各特別図柄を肉眼で認識できる程度の速度)に変化し、やがて図5(B)に示すように変動が停止し、左確定図柄G1が表示される(図示の例では、左確定図柄G1として特別図柄「1」が表示されている)。
【0055】
また、左確定図柄が表示されてから所定時間経過すると、右図柄列は高速から中速に変化し、やがて低速に変化し、図5(C)に示すように変動が停止し、右確定図柄G3が表示される(図示の例では、右確定図柄G3として特別図柄「2」が表示されている)。
そして、右確定図柄が表示されてから所定時間経過すると、中図柄列は高速から中速に変化し、やがて低速に変化し、図5(D)に示すように変動が停止し、中確定図柄G2が表示される(図示の例では、中確定図柄G2として特別図柄「3」が表示されている)。
つまり、ハズレ変動では、左確定図柄、右確定図柄、中確定図柄の順に表示され、ハズレ図柄が確定表示される。図5(D)に示す例では、ハズレ図柄「132」が確定表示されている。
【0056】
(ハズレ変動からリーチ変動への変化)
図6(A)〜(C)に示すように、左確定図柄および右確定図柄が表示されるまでは、図5(A)〜(C)に示したハズレ変動と同じ変動パターンが実行される。そして、右確定図柄が表示されてから所定時間経過すると、図6(D)に示すように、左図柄列および右図柄列が再変動を開始し、その開始を示す画像(以下、再変動報知画像という)H2が表示される。図示の例では、再変動報知画像として水中を表現した画像が表示されている。
なお、図6(C)から図6(D)への変化は、違和感のないように行われる。たとえば、図柄表示器32aの画面に表示されている画像の全体(図6(C))がフェードアウトし、続いて左図柄列および右図柄列が再変動を開始し、再変動報知画像H2が表示された画面がフェードインするような演出を行う。ここで、フェードアウトとは、表示されている画像が次第にぼんやりと消えていくことを意味する。また、フェードインとは、ぼんやり表示されている画像をその姿が次第にはっきりしてくるように表示することを意味する。
そして、再変動の開始から所定時間経過すると、左図柄列が高速から中速に変化し、さらに所定時間経過すると、中速から低速に変化し、やがて図7(E)に示すように変動が停止し、左確定図柄G1が表示される(図示の例では、左確定図柄G1として特別図柄「2」が表示されている)。そして、左確定図柄が表示されてから所定時間経過すると、大当り予告画像G4が表示される。図示の例では、大当り予告画像G4としてワニを表現した画像が表示されている。
【0057】
そして、大当り予告画像G4が表示されてから所定時間経過すると、右図柄列が高速から中速に変化し、さらに所定時間経過すると、中速から低速に変化し、やがて図7(G)に示すように変動が停止し、右確定図柄G3が表示され、リーチの状態になる(図示の例では、右確定図柄G3として特別図柄「2」が表示されている)。
そして、中図柄列が高速から中速に変化し、やがて低速に変化すると、左確定図柄および右確定図柄と同一の特別図柄にて停止しそうでしないような、遊技者がハラハラドキドキするようなリーチ特有の演出が行われる。そして、その演出の開始から所定時間経過すると、中確定図柄G2が表示される(図示の例では、中確定図柄G2として特別図柄「3」が表示されており、リーチ図柄「232」が確定表示されている)。
以上のように、ハズレ変動の途中からリーチ変動に切替わる演出を行うことができることが本発明の特徴である。
【0058】
[遊技の主な流れ]
次に、この発明の特徴を含む遊技の主な流れについて図10ないし図15を参照して説明する。
図10は、変動開始コマンドのON・OFF、特別図柄の変動・停止、ハズレ図柄およびハズレ変動パターンの送信・停止、リーチ図柄およびリーチ変動パターンの送信・停止、および変動停止コマンドの送信・停止のそれぞれのタイミングを示すタイムチャートである。図11は、メインCPU112が実行する第1種始動口処理の流れを示すフローチャートである。図12は、メインCPU112が実行する特別図柄処理の流れを示すフローチャートである。図13は、メインCPU112が特別図柄処理のS70において実行するハズレ変動パターン決定処理の流れを示すフローチャートである。図14は、メインCPU112が特別図柄処理のS90において実行する遡及変動抽選処理の流れを示すフローチャートである。図15は、図柄制御基板32に備えられたサブCPU32bが実行する表示処理の流れを示すフローチャートである。
【0059】
(第1種始動口処理)
遊技球が第1種始動口27(図2)に入賞し、第1種始動口スイッチ27a(図3)がONすると、メインCPU112は、第1種始動口スイッチ27aに接続されている入力ポートの電圧変化を検出することにより、第1種始動口スイッチ27aがONしたことを検出する(図11のステップ(以下、Sと略す)10:Yes)。続いてメインCPU112は、保留数Uが上限値(この実施形態では「4」)未満であるか否かを判定し(S12)、上限値未満である場合は(S12:Yes)、保留数Uに「1」を加算する(S14)。第1種始動口スイッチ27aがONしたと判定したときに、図柄表示器32aが直ちに特別図柄の変動を開始できないときは、その開始が保留され、始動記憶としてRAM116の所定の格納領域に格納される。始動記憶は、保留の発生順に上記格納領域に格納されて行き、その格納されている始動記憶の合計が保留数Uとして計算される。続いてメインCPU112は、このとき大当り抽選カウンタC1(図8(A))がカウントしたカウント値を1つ取得する(S16)。続いてメインCPU112は、確変になっていることを示す確変フラグがONになっているか否かを判定し(S18)、確変フラグがONしていると判定した場合は(S18:Yes)、大当り値テーブルT1(図9(A))の高確率時を参照し(S20)、確変フラグがONしていないと判定した場合は(S18:No)、低確率時を参照する(S22)。
【0060】
続いてメインCPU112は、S16において取得したカウント値と同一値が大当り値テーブルT1に存在するか否かにより、大当りかハズレかを判定し(S24)、大当りと判定した場合は(S24:Yes)、大当りと判定したこと、つまり大当りの発生を示す大当りフラグをONする(S26)。つまり、大当り判定の元となった始動記憶に対応する格納領域に大当りフラグをONする。
また、メインCPU112は、ハズレと判定した場合は(S24:No)、大当りフラグをOFFする(S28)。続いてメインCPU112は、リーチ決定値テーブルT2(図9(B))を参照し(S30)、S16において取得したカウント値と同一値がリーチ決定値テーブルT2に存在するか否かにより、リーチを実行するか否かを判定する(S32)。ここで、ハズレリーチにすると判定した場合は(S32:Yes)、リーチを実行すると判定したことを示すリーチフラグをONし(S34)、リーチを実行しない(つまりハズレ変動を実行する)と判定した場合は(S32:No)、リーチフラグをOFFする(S36)。
なお、リーチフラグがONした場合は、リーチ変動を行った後にハズレ図柄を確定表示することになるが、そのような判定結果を以下ハズレリーチといい、リーチ変動も行わずにハズレ図柄を確定表示する判定結果を通常ハズレという。また、メインCPU112が上記第1種始動口処理を実行するためのコンピュータプログラムはROM114に記録されている。
【0061】
(特別図柄処理)
メインCPU112は、特別図柄が変動中であるか否かを判定し(図12のS50)、変動中ではないと判定した場合は(S50:No)、保留数Uが「1」以上であるか否かを判定する(S52)。ここで、「1」以上であると判定した場合は(S52:Yes)、保留数Uから「1」を減算する(S54)。続いてメインCPU112は、データ格納領域116a(図9(D))の保留順位1番目の格納領域において大当りフラグがONしているか否かを判定し(S56)、ONしていると判定した場合は(S56:Yes)、大当り図柄抽選カウンタのカウント値を取得し、その取得したカウント値に対応付けられている大当り図柄を大当り図柄テーブルT3(図9(C))から取得して格納領域に格納する(S58)。
【0062】
続いてメインCPU112は、S58において決定した大当り図柄が、確変図柄であるか否かを判定する(S60)。ここで、確変図柄とは、大当りの遊技が終了した後の遊技状態が確変に変化する権利を発生する大当り図柄のことである。大当り図柄の中のいくつかが確変図柄に設定されており、この実施形態では、奇数の数字により構成された大当り図柄「111」、「333」、「555」、「777」および「999」が確変図柄に設定されている。ここで、メインCPU112は、確変図柄であると判定した場合は、保留順位1番目の格納領域に確変フラグをONし(S62)、確変図柄ではないと判定した場合はS、確変フラグをOFFする(S64)。
続いてメインCPU112は、このとき大当り変動パターン抽選カウンタC2(図8(B))がカウントしたカウント値を取得し、その取得したカウント値に対応付けられている大当り変動パターンを大当り変動パターンテーブルから選択し、それを保留順位1番目の格納領域に格納する(S66)。
【0063】
また、メインCPU112は、大当りフラグがONしていないと判定した場合は(S56:No)、リーチフラグがONしているか否かを判定し(S68)、ONしていると判定した場合は(S68:Yes)、このときリーチ図柄抽選カウンタC4(図8(D))がカウントしたカウント値を取得し、その取得したカウント値に対応付けられているリーチ図柄をリーチ図柄テーブルから選択し、それを保留順位1番目の格納領域に格納する(S70)。続いてメインCPU112は、このときリーチ変動パターン抽選カウンタC3(図8(C))がカウントしたカウント値を取得し、その取得したカウント値と対応付けられているリーチ変動パターンをリーチ変動パターンテーブルから選択し、それを保留順位1番目の格納領域に格納する(S72)。
また、メインCPU112は、リーチフラグがONしていないと判定した場合は(S68:No)、このときハズレ図柄抽選カウンタC5(図8(E))がカウントしたカウント値を取得し、その取得したカウント値と対応付けられているハズレ図柄をハズレ図柄テーブルから選択し、それを保留順位1番目の格納領域に格納し(S74)、ハズレ変動パターン決定処理を実行する(S76)。
【0064】
(ハズレ変動パターン決定処理)
メインCPU112は、先のS62を実行することにより確変フラグがONしているか否かを判定し(図13のS78)、ONしていると判定した場合は(S78:Yes)、保留数Uが「2」以上であるか否かを判定する(S80)。ここで、「2」以上であると判定した場合は(S80:Yes)、ハズレ変動の開始から終了までに要する時間(以下、ハズレ変動時間という)を4秒に設定し(S82)、「2」以上ではない、つまり「1」以下であると判定した場合は(S80:No)、ハズレ変動時間を6秒に設定する(S84)。
つまり、遊技状態が確変になっている場合において、保留数Uが「2」以上と比較的多い場合は、ハズレ変動時間を短縮する(いわゆる時短)ことにより、保留数Uの消化を促進する。
【0065】
また、メインCPU112は、確変フラグがONしていないと判定した場合は(S78:No)、保留数Uが「2」以上であるか否かを判定し(S86)、「2」以上であると判定した場合は(S86:Yes)、ハズレ変動時間を6秒に設定し(S88)、「2」以上ではないと判定した場合は(S86:No)、ハズレ変動時間を12秒に設定する(S90)。
つまり、遊技状態が確変になっていない場合において、保留数Uが「2」以上と比較的多い場合は、ハズレ変動時間を短縮することにより、保留数Uの消化を促進する。
そしてメインCPU112は、特別図柄の変動表示を指示する変動開始コマンドを図柄制御基板32へ送信し(図10の時間t1、図12のS92)、変動時間の計測を開始する(S94)。
【0066】
(表示処理)
図柄制御基板32のサブCPU32bは、メインCPU112から送信されてきたコマンドを受信し、その受信したコマンドを解析する(図15のS200)。続いてサブCPU32bは、S200における解析の結果、受信したコマンドが変動開始コマンドであるか否かを判定し(S202)、変動開始コマンドであると判定した場合は(S202:Yes)、受信した変動開始コマンドにより示される変動パターンに従って図柄表示器32aに特別図柄の変動を開始させる(S204)。
そして、メインCPU112は、次の割込において特別図柄処理を実行すると、特別図柄が変動中であると判定し(図12のS50:Yes)、遡及変動抽選処理を実行する(S96)。
【0067】
(遡及変動抽選処理)
メインCPU112は、大当りフラグがONしているか否か、つまりハズレか否かを判定し(S98)、ハズレと判定した場合は(S98:Yes)、保留数Uが「1」以下か否かを判定する(S100)。ここで、「1」以下と判定した場合は(S100:Yes)、確変フラグがONしているか否かを判定し(S102)、ONしていると判定した場合は(S102:Yes)、特別図柄の変動開始から5秒経過したか否かを判定する(S104)。
ここで、5秒経過したと判定した場合は(S104:Yes)、このとき遡及変動抽選カウンタC6(図8(F))がカウントしたカウント値を取得し(S108)、その取得したカウント値が所定のカウント値、この実施形態では「3」または「17」であるか否かを判定する(S110)。
なお、メインCPU112は、確変フラグがONしていないと判定した場合は(S102:No)、特別図柄の変動開始から11秒経過したか否かを判定し(S106)、11秒経過したと判定した場合に(S106:Yes)、S108を実行する。
【0068】
ここで、「3」または「17」であると判定した場合は(S110:Yes)、このときリーチ図柄抽選カウンタC4がカウントしたカウント値を取得し、その取得したカウント値と対応付けられているリーチ図柄をリーチ図柄テーブルから選択し、RAM116に一時的に格納する(S112)。続いてメインCPU112は、このときリーチ変動パターン抽選カウンタC7(図8(G))がカウントしたカウント値を取得し、その取得したカウント値に対応付けられているリーチ変動パターンをリーチ変動パターンテーブルから選択し、それをRAM116に一時的に格納する(S114)。
続いてメインCPU112は、現在行われているハズレ変動からリーチ変動に切替えることを指示する新変動開始コマンドを図柄制御基板32へ送信する(S116、図10の時間t3)。この新変動開始コマンドには、S112において決定したリーチ図柄およびS114において決定したリーチ変動パターンを示すデータが含まれている。
【0069】
一方、図柄制御基板32のサブCPU32bは、メインCPU112から送信されてきたコマンドが新変動開始コマンドであるか否かを判定し(S210)、新変動開始コマンドであると判定した場合は(S210:Yes)、現在行っているハズレ変動を中止し(S212)、受信した新変動開始コマンドにより示されるリーチ変動パターンに従ってリーチ変動を開始する(S214)。なお、前述したように、現在行っているハズレ変動からリーチ変動に切替えるときは、ハズレ変動の画面をフェードアウトし、リーチ変動をフェードインするなど、違和感のない演出を行う。
【0070】
そして、メインCPU112は、S94において計測を開始した時間が、特別図柄の変動開始を終了すべく所定時間を経過したか否かを判定し(図12のS118)、経過したと判定した場合は(S118:Yes)、特別図柄の変動停止を指示する変動停止コマンドを図柄制御基板32へ送信し(S120、図10の時間t5)、計測時間をリセットする(S122)。
一方、メインCPU112から送信されてきた変動停止コマンドを受信したサブCPU32bは、変動停止コマンドを受信したと判定し(図15のS206:Yes)、特別図柄の変動を停止する処理を行い、先にS200において受信した変動開始コマンドにより示されるハズレ図柄または大当り図柄を表示する(S208)。
なお、メインCPU112が上記特別図柄処理、ハズレ変動パターン決定処理および遡及変動抽選処理を実行するためのコンピュータプログラムはROM114に記録されている。また、サブCPU32bが前記表示処理を実行するためのコンピュータプログラムがROM32cに記録されている。
【0071】
[第1実施形態の効果]
(1)以上のように、上記第1実施形態のパチンコ機1を使用すれば、図柄表示器32aがハズレ変動を表示している途中でリーチ変動に切替えて表示することができるため、ハズレ変動になっている場合であっても、それが将来リーチ変動に切り替わり、後に大当り図柄が確定表示されるかもしれないという期待を遊技者に抱かせることができる。
したがって、ハズレ変動に対する遊技者の関心を高めることができるため、図柄表示器32aの表示内容を有効活用することができる。
(2)また、上記第1実施形態のパチンコ機1を使用すれば、保留数Uが「2」以上の場合には、変動時間のかかるリーチ状態をなるべく作らないようにして保留数Uの消化を促進し、逆に、保留数Uが「1」以下の場合には、ハズレ変動の途中からリーチ変動に切替えることにより、遊技者に時間をかけて楽しんでもらうことができる。また、遊技者は、保留数Uが「1」以下の場合であっても、ハズレ変動からリーチ変動に切替わる機会が増えるため、少ない機会で幸運を掴むことができるのではないかという期待をしながら遊技を楽しむことができる。
【0072】
<第2実施形態>
次に、この発明の第2実施形態について図16および図17を参照して説明する。
この実施形態のパチンコ機は、通常ハズレの発生回数が所定回数以上になったことを条件として、ハズレ変動からリーチ変動に切替可能となることを特徴とする。
図16は、メインCPU112が実行する第1種始動口処理2の流れを示すフローチャートである。図17は、メインCPU112が実行する遡及変動抽選処理2の流れを示すフローチャートである。
なお、メインCPU112が実行する第1種始動口処理2および遡及変動抽選処理2以外の機能および構成は、第1実施形態のパチンコ機1と同一であるため、その同一部分の説明を省略する。また、同一部分については同一の符号を用いる。
【0073】
メインCPU112は、第1実施形態における第1種始動口処理のS10〜S30と同じ処理を実行し(図16のS10〜S30)、リーチを実行しないと判定した場合は(S32:No)、通常ハズレと判定された回数(以下、通常ハズレ回数という)Nに「1」を加算する(S38)。
そして、メインCPU112は、大当り判定の結果がハズレであったと判定した場合は(図17のS98:Yes)、通常ハズレ回数Nが「10」以上であるか否かを判定する(S101)。ここで、「10」以上であると判定した場合は(S101:Yes)、第1実施形態と同じようにS102〜S116を実行する(図17のS102〜S116)。
つまり、大当り判定の結果がハズレであり、かつ、通常ハズレ回数Nが「10」以上である場合に、ハズレ変動からリーチ変動に切替可能となる。
なお、メインCPU112が第1種始動口処理2および遡及変動抽選処理2を実行するためのコンピュータプログラムは、ROM114に記録されている。
【0074】
<第2実施形態の効果>
以上のように、上記第2実施形態のパチンコ機を使用すれば、大当り判定の結果がハズレであり、かつ、通常ハズレ回数Nが「10」以上である場合に、ハズレ変動からリーチ変動に切替可能にすることができる。
したがって、ハズレ変動からリーチ変動への切替わりを期待する遊技者は、通常ハズレの回数に関心を持ちながら遊技を楽しむことができる。
なお、第2実施形態のパチンコ機は、ハズレ変動からリーチ変動に切替わるための条件が異なる以外は、第1実施形態のパチンコ機1と同一の構成および機能であるため、第1実施形態の効果(1)と同じ効果を奏することができる。
【0075】
<第3実施形態>
次に、この発明の第3実施形態について図18を参照して説明する。
この実施形態のパチンコ機は、確変になっていることを条件として、ハズレ変動からリーチ変動に切替可能となることを特徴とする。
図18は、メインCPU112が実行する遡及変動抽選処理3の流れを示すフローチャートである。
なお、メインCPU112が実行する遡及変動抽選処理3以外の機能および構成は、第1実施形態のパチンコ機1と同一であるため、その同一部分の説明を省略する。また、同一部分については同一の符号を用いる。
【0076】
メインCPU112は、保留数Uが「1」以下であると判定した場合は(S100:Yes)、確変フラグがONしているか否かを判定し(S102)、ONしていないと判定した場合は(S102:No)、特別図柄の変動開始から11秒経過したか否かを判定する(S104)。以下、第1実施形態の遡及変動抽選処理のS108〜S116と同じ処理を実行する(S108〜S116)。
つまり、大当り判定の結果がハズレであり、かつ、保留数が「1」以下であり、さらに確変になっていないという条件が揃っている場合に、ハズレ変動からリーチ変動への切替が可能となる。
なお、メインCPU112が遡及変動抽選処理3を実行するためのコンピュータプログラムはROM114に記録されている。
【0077】
<第3実施形態の効果>
以上のように、第3実施形態のパチンコ機を使用すれば、大当り判定の結果がハズレであり、かつ、保留数が「1」以下であり、さらに確変になっていないという条件が揃っている場合に、ハズレ変動からリーチ変動に切替可能にすることができる。
したがって、大当りが発生する確率の低い遊技状態において、リーチ変動が表示される機会が少ないと、遊技に対する面白みが減ってしまうが、そのような低確率時において、ハズレ変動の途中からリーチ変動に切替えることができるため、遊技に対する面白みを増すことができる。
【0078】
<他の実施形態>
(1)前記第2実施形態では、通常ハズレ回数Nが「10」以上になったことを、ハズレ変動からリーチ変動に切替わる条件に加えたが、通常ハズレ回数Nの通算回数ではなく、通常ハズレが連続して発生した回数が所定回数以上になったことを条件とすることもできる。この場合も第2実施形態と同じ効果を奏することができる。
(2)また、特別図柄の変動回数に対する通常ハズレの発生回数の割合が所定値を超えたことを条件とすることもできる。この場合も第2実施形態と同じ効果を奏することができる。
【0079】
(3)さらに、特別図柄の1回の変動に付き大当り予告をM1回行うとした場合に、大当り予告が行われなかった回数がM2回に達したことを条件とすることもできる。この場合、ハズレ変動からリーチ変動への切替わりを期待する遊技者は、大当り予告が行われない回数に関心を持ちながら遊技を楽しむことができる。
(4)第1実施形態の遡及変動抽選処理(図14)においてS100をなくし、大当り判定の結果がハズレであったという条件を満たした場合に、S102以降を実行することもできる。
(5)第2実施形態の遡及変動抽選処理2(図17)においてS98とS101との間、あるいはS101とS102との間に、「U≦1?」という判定ステップを加え、その判定がYesとなることをハズレ変動からリーチ変動への切替の条件とすることもできる。
【0080】
(6)前記各実施形態では、特別図柄の変動中に遡及変動抽選処理を実行し、その結果によってハズレ変動からリーチ変動への切替を決定したが、ハズレ変動パターンの中に、ハズレ変動からリーチ変動に切替わる変動パターンを設定しておき、特別図柄処理のS76においてハズレ変動パターンを決定する際に、ハズレ変動からリーチ変動に切替わる変動パターンが決定される可能性のあるようにすることもできる。この場合も第1実施形態と同じ効果を奏することができる。
(7)ハズレ変動からリーチ変動に切替わるための条件は、上記以外の条件に変更することができる。たとえば、その条件としての保留数U、ハズレ変動回数Nなどは、他の数値に変更することができる。
【0081】
[各請求項と実施形態との対応関係]
発射ハンドル15、発射モータ駆動基板15c、発射スイッチ15dおよび発射モータ15eが、請求項1に記載の発射装置に対応し、第1種始動口27が、所定の領域に対応する。大当りが発生した遊技状態が、遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に対応する。図柄制御基板32および図柄表示器32aが表示装置に対応する。ハズレ変動が通常の表示状態に対応し、リーチ変動がリーチ状態に対応する。
そして、メインCPU112が実行する第1種始動口処理のS10〜S28が判定手段として機能する。また、メインCPU112が実行する遡及変動抽選処理のS98〜S110および遡及変動抽選カウンタC6が決定手段として機能し、S112〜S116が切替手段として機能する。
また、メインCPU112が請求項7または請求項8に記載のコンピュータに対応する。メインCPU112が各図に示したフローチャートを実行するためのコンピュータプログラムが請求項7に係るコンピュータプログラムに対応し、そのコンピュータプログラムが記録されたROM114が請求項8に係る記録媒体に対応する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る実施形態のパチンコ機の外観を示す斜視説明図である。
【図2】図1に示すパチンコ機1に備えられた遊技盤5の主要構成を示す正面説明図である。
【図3】パチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図4】図柄制御装置32の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図5】図5はハズレ変動の説明図である。図5(A)は、図柄表示器32aが特別図柄を変動表示している状態を示す説明図であり、図5(B)は、左確定図柄が表示された状態を示す説明図であり、図5(C)は、左確定図柄および右確定図柄が表示された状態を示す説明図であり、図5(D)は、ハズレ図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
【図6】図6はハズレ変動からリーチ変動に切替わる状態を示す説明図である。図6(A)は、図柄表示器32aが特別図柄を変動表示している状態を示す説明図であり、図6(B)は、左確定図柄が表示された状態を示す説明図であり、図6(C)は、左確定図柄および右確定図柄が表示された状態を示す説明図であり、図6(D)は、全表示領域において特別図柄が再度変動を開始した状態を示す説明図である。
【図7】図7はリーチ変動の様子を示す説明図である。図7(E)は、左確定図柄が表示された状態を示す説明図であり、図7(F)は、大当り予告画像が表示された状態を示す説明図であり、図7(G)は、リーチになった状態を示す説明図であり、図7(H)は、ハズレ図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
【図8】図8(A)は大当り抽選カウンタの説明図であり、図8(B)は大当り変動パターン抽選カウンタの説明図であり、図8(C)はリーチ抽選カウンタの説明図であり、図8(D)はリーチ変動パターン抽選カウンタの説明図であり、図8(E)はハズレ図柄抽選カウンタの説明図であり、図8(F)は遡及変動抽選カウンタの説明図であり、図8(G)はリーチ変動パターン抽選カウンタの説明図である。
【図9】図9(A)は大当り値テーブルの説明図であり、図9(B)はリーチ決定値テーブルの説明図であり、図9(C)は大当り図柄テーブルの説明図であり、図9(D)は、RAM116に設けられたデータ格納領域の説明図である。
【図10】変動開始コマンドのON・OFF、特別図柄の変動・停止、ハズレ図柄およびハズレ変動パターンの送信・停止、リーチ図柄およびリーチ変動パターンの送信・停止、および変動停止コマンドの送信・停止のそれぞれのタイミングを示すタイムチャートである。
【図11】メインCPU112が実行する第1種始動口処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】メインCPU112が実行する特別図柄処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】メインCPU112が特別図柄処理のS70において実行するハズレ変動パターン決定処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】メインCPU112が特別図柄処理のS90において実行する遡及変動抽選処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】図柄制御基板32に備えられたサブCPU32bが実行する表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】第2実施形態においてメインCPU112が実行する第1種始動口処理2の流れを示すフローチャートである。
【図17】第2実施形態においてメインCPU112が実行する遡及変動抽選処理2の流れを示すフローチャートである。
【図18】第3実施形態においてメインCPU112が実行する遡及変動抽選処理3の流れを示すフローチャートである。
【図19】従来のパチンコ機の主要構成を示す正面説明図である。
【図20】図20(A)は、図19に示すパチンコ機に備えられた図柄表示器によりリーチ状態が表示されているところを示す説明図であり、図20(B)は、大当り図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 パチンコ機(遊技機)
27 第1種始動口(所定の領域)
32a 図柄表示器(表示装置)
112 メインCPU112
114 ROM(記録媒体)
Claims (8)
- 遊技盤と、
この遊技盤へ遊技球を発射する発射装置と、
この発射装置により発射された遊技球が所定の領域を通過したことを条件として、遊技状態を遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に変化させるか否かを判定する判定手段と、
複数の表示領域のそれぞれにおいて複数の図柄を変動表示した後に前記複数の表示領域に所定の図柄の組合せを確定表示することにより前記判定手段の判定結果を表示する表示装置とを備えており、
前記表示装置は、
前記判定手段が前記遊技状態を遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に変化させると判定した場合に、前記複数の表示領域のそれぞれにおいて複数の図柄を変動表示した後に前記複数の表示領域に特定の図柄の組合せを確定表示する機能と、
前記判定手段により所定の判定結果が出た場合に、前記複数の表示領域のそれぞれにおいて複数の図柄を変動表示した後に前記特定の図柄の組合せを構成する複数の図柄のうち、1つの図柄が確定表示されていない表示状態であるリーチ状態を表示するリーチ表示機能と、
前記判定手段により所定の判定結果が出た場合に、前記複数の表示領域のそれぞれにおいて複数の図柄を変動表示した後に前記リーチ状態が出現しない通常の表示状態を表示する通常表示機能とを備えた遊技機において、
前記表示装置が前記通常の表示状態を表示している途中で前記リーチ状態に切替えるか否かを遊技状態に応じて決定する決定手段と、
この決定手段が、前記通常の表示状態を表示している途中で前記リーチ状態に切替えると決定した場合に、前記通常の表示状態を途中で前記リーチ状態に切替える切替手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。 - 前記特定の図柄の種類に応じて、前記判定手段が遊技状態を遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に変化させると判定する確率が変化し、
前記決定手段は、前記確率が低い場合に、前記表示装置が前記通常の表示状態を表示している途中で前記リーチ状態に切替えることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 - 前記表示装置が前記条件が成立しても直ちに前記図柄の変動表示を開始できない場合は、前記図柄の変動表示の開始を保留するとともに、その保留数を格納する保留数格納手段を備えており、
前記決定手段は、前記保留数格納手段に格納されている前記保留数が所定数を超えていない遊技状態である場合に、前記表示装置が前記通常の表示状態を表示している途中で前記リーチ状態に切替えると決定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 - 過去に発生した遊技状態の履歴を格納する履歴格納手段を備えており、
前記決定手段は、前記履歴格納手段に格納されている前記履歴が所定の履歴になっている遊技状態である場合に、前記表示装置が前記通常の表示状態を表示している途中で前記リーチ状態に切替えると決定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 - 前記表示装置は、
前記切替手段により前記切替えを行わなかったとした場合に前記通常の表示状態を表示した後に確定表示する図柄と、前記切替手段により前記切替えを行った場合に前記リーチ状態を表示した後に確定表示する図柄とが異なるように表示することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の遊技機。 - 前記表示装置は、
前記判定手段が前記遊技状態を遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に変化させないと判定した場合に、前記リーチ表示機能により前記リーチ状態を表示した後に、前記特定の図柄の組合せを構成する複数の図柄のうち、1つの図柄が他の図柄と異なる図柄の組合せからなるリーチ図柄を確定表示し、
前記判定手段が前記遊技状態を遊技者が賞球を獲得し易い遊技状態に変化させないと判定した場合に、前記通常表示機能により前記通常の表示状態を表示した後に、前記特定の図柄の組合せおよび前記リーチ図柄以外の図柄の組合せからなるハズレ図柄を確定表示し、
前記切替手段は、
前記決定手段が、前記通常の表示状態を表示している途中で前記リーチ状態に切替えると決定した場合に、前記通常の表示状態を途中で前記リーチ状態に切替え、前記切替えを行う前に確定表示しようとしていた前記ハズレ図柄を前記リーチ図柄に切替えることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の遊技機。 - 請求項1ないし請求項6のいずれか1つに記載の遊技機をコンピュータにより機能させるために前記コンピュータが実行するコンピュータプログラム。
- 請求項7に記載の前記コンピュータプログラムが記録された前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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