JP2020027871A - 半導体素子とその製造方法および半導体装置 - Google Patents

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Tomoyuki Shoji
智幸 庄司
臼井 正則
Masanori Usui
正則 臼井
正昭 土森
Masaaki Tsuchimori
正昭 土森
嘉代 近藤
Kayo Kondo
嘉代 近藤
謙太郎 奥村
Kentaro Okumura
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Jun Sakakibara
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Abstract

【課題】低いコンタクト抵抗(オーミック性)と高い割れ強度(信頼性)とを両立した電極を有する半導体素子の製造方法を提供する。【解決手段】本発明は、半導体からなる基体(s)上に形成した金属層(m)へ基体の反対面側からレーザーを照射する照射工程を備える半導体素子の製造方法である。これにより、金属層からなり基体にオーミック接合された電極が形成された半導体素子が得られる。この際、照射工程は、金属層の第1領域(r1)へエネルギー密度の低いレーザーを照射する第1工程と、金属層の第2領域(r2)へエネルギー密度の高いレーザーを照射する第2工程とを少なくとも備える。第1領域は、窪み深さの小さい第1凹部からなり、割れ強度が高い。第2領域は、窪み深さの大きい第2凹部からなり、コンタクト抵抗が低い。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体にオーミックコンタクトした電極を有する半導体素子等に関する。
パワー半導体素子を搭載した半導体装置(パワーモジュール)は、現在、電動機の制御等に不可欠な状況である。パワー半導体素子は、ベースとなるSiCやGaN等にイオン注入等により不純物領域(拡散層)を形成した半導体と、その半導体と外部回路を通電可能にするための電極とを備える。
各電極は、外部回路の配線(リード、ワイヤー)と接合するための金属膜を表面に有する。通常、半導体と金属の接触界面には、ショットキー障壁が生じる。特に、SiC等のように禁制帯幅の広い半導体を用いるほど、そのショットキー障壁は高くなる。半導体素子を正常に動作させるためには、そのショットキー障壁を実質的に解消して、半導体と金属膜とをオーミックコンタクトさせた電極を形成する必要がある。
そのオーミックコンタクトを得るために、通常、半導体の電極部分は、金属膜の被覆後に熱処理(アニール)が施される。このアニールにより、電極部分において、半導体と金属膜の接触界面には、化合物(シリサイド等)または合金が生成し、両者間のコンタクト抵抗が低下する。こうして形成された電極を、適宜、オーミック電極という。
ところで、オーミック電極を得るためのアニールは、一般的には、金属膜を設けた半導体全体を、高温加熱してなされる。しかし、この方法では、電極以外の部分まで高温に曝され、不純物領域のプロフィルの崩壊等を招く。
そこでレーザー照射により、電極部分だけを加熱するレーザーアニールが用いられる。これに関連する記載が下記の文献にある。
WO2016/030963
もっとも、従来のレーザーアニールは、オーミックコンタクトによる導電性(「オーミック性」という。)の確保だけを考慮してなされていたに過ぎない。本発明者の研究に依ると、レーザーアニールされた電極表面は、素子割れの起点となることが新たに明らかとなった。特に、使用中に高温となり、大きな熱応力が作用し易いパワーモジュールで、その傾向が顕著であった。
本発明はこのような事情に鑑みて為されたものであり、オーミック性のみならず、信頼性(耐素子割れ性等)も確保できる電極を備えた半導体素子等を提供することを目的とする。
本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究した結果、レーザーアニールによりオーミックコンタクトを形成する際に、電極の領域により、そのレーザーのエネルギー密度(フルエンス)を変化(分布)させた。これによりオーミック性と耐素子割れ性を両立した半導体素子を用いた半導体装置を得ることに成功した。この成果を発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
《半導体素子の製造方法》
(1)本発明は、半導体からなる基体上に形成した金属層へ該基体の反対面側からレーザーを照射する照射工程を備え、該基体に接合された該金属層からなる電極を有する半導体素子を得る製造方法であって、前記照射工程は、前記金属層の第1領域へエネルギー密度の低いレーザーを照射する第1工程と、該金属層の第2領域へ該エネルギー密度の高いレーザーを照射する第2工程と、を少なくとも備える半導体素子の製造方法である。
(2)本発明の製造方法によれば、オーミック性と信頼性(耐久性)を両立できる半導体素子を得ることができる。この理由は、次のように考えられる。先ず、半導体からなる基体上に設けた金属層へ、金属層側(基体の反対面側)からレーザー照射すると、半導体と金属層の接触界面には化合物(シリサイド等)や合金が形成され、両者間はオーミックコンタクトとなる。
このようなレーザー照射による熱処理(単に「レーザーアニール」という。)を行った場合、金属層表面(ひいては電極表面)に、レーザー照射に起因した微細な窪み状の痕跡(「レーザー痕」という。)ができる(図2参照)。
本発明の製造方法では、金属層の領域により、レーザーのエネルギー密度を少なくとも二段階で変化させている。エネルギー密度を相対的に低くしてレーザーアニールを行った第1領域には、窪み深さが相対的に小さいレーザー痕(「第1凹部」という)ができる。逆に、エネルギー密度を相対的に高くしてレーザーアニールを行った第2領域には、窪み深さが相対的に大きいレーザー痕(「第2凹部」という。)ができる。
レーザーアニール後の金属層表面(電極表面)に引張応力が作用する場合を考えると、浅いレーザー痕(第1凹部)からなる第1領域は、深いレーザー痕(第2凹部)からなる第2領域よりも、切り欠き係数が小さいため、半導体に生じるクラックや割れ等(単に「素子割れ」という。)の起点となり難い。
従って、半導体装置の仕様に応じて、相対的に大きな引張応力が生じる領域は、低エネルギー密度のレーザーアニールを行う第1領域とする。逆に、相対的に小さい引張応力が生じる領域は、高エネルギー密度のレーザーアニールを行う第2領域とする。こうすることにより、耐素子割れ性に優れた高信頼性の半導体素子が得られる。
また、少なくとも高エネルギー密度のレーザーアニールを行う第2領域では、十分なオーミックコンタクトの形成により、コンタクト抵抗が低減される。その結果、電極全体として観れば、オーミック性(オーミック抵抗の低減)も確保され、電極における電気エネルギーの損失やそれに伴う発熱も十分に抑制される。
このように、エネルギー密度を高くしてレーザーアニールを行う第2領域では、低いコンタクト抵抗が確保され(図1(a)参照)、エネルギー密度を低くしてレーザーアニールを行う第1領域では、高い割れ強度が確保される(図1(b)参照)。従って、本発明の製造方法によれば、オーミック性と信頼性(または耐久性)を高次元で両立した半導体素子が得られる。
《半導体素子》
本発明は、半導体素子自体としても把握できる。すなわち本発明は、半導体からなる基体と該基体の少なくとも一面側に接合された金属からなる電極とを有する半導体素子であって、前記電極は、前記基体との非接合面側である表面上に、窪み深さの小さい第1凹部からなる第1領域と、窪み深さの大きい第2凹部からなる第2領域と、を少なくとも有する半導体素子でもよい。
《半導体装置》
本発明は、上述した半導体素子や上述した製造方法により得られた半導体素子を備えた半導体装置としても把握できる。この場合、半導体素子は、電極面(基体との非接合面側の表面)に作用する引張応力が、第2領域よりも第1領域で大きくなるように配置されるとよい。
《その他》
(1)本発明の製造方法に係る「第1工程」と「第2工程」は、先後を問わない。第1工程の完了後に第2工程がなされてもよいし、第2工程の完了後に第1工程がなされてもよい。また、第1工程と第2工程が交互に繰り返しなされてもよい。例えば、金属層の表面を走査しつつレーザー照射を行う場合、第1領域と第2領域の境界を通過する毎に、レーザーのエネルギー密度を切り替えて、第1工程と第2工程を行ってもよい。
エネルギー密度の切替え段数、異なるエネルギー密度でレーザー照射する工程数、またはレーザー痕の深さが異なる領域数等は、少なくとも2以上あればよく、3以上でもよい。例えば、高いエネルギー密度と低いエネルギー密度とそれらの中間のエネルギー密度との3段階でレーザーアニールを行ってもよい。この場合、上述した第1工程と第2工程に、金属層の第3領域へレーザー照射する第3工程が追加となる。
(2)半導体素子の電極表面に形成される各凹部の窪み深さは、電極表面を電子顕微鏡(SEM)観察して求まる最大深さである。なお、SEM観察に替えて、レーザー(顕微鏡)で最大深さを特定してもよい。
レーザーアニールする場合、各凹部の深さとエネルギー密度は相関しており、通常、その深さが大きいと、レーザーのエネルギー密度も大きいと判断できる。凹部の深さが過小な領域では、コンタクト抵抗が増加し得る。逆に、凹部の深さが過大な領域では、素子割れ強度が低下し得る。そこで凹部の深さは、例えば、3μm以下さらには2以下μmの範囲内とするとよい。また、各凹部間の深さの差(Δd)は0.2〜1.4μmさらには0.5〜1μmとするとよい。なお、深さの異なる凹部が3種以上あるときは、最小深さ:d1、最大深さ:d2として、Δd=d2−d1と考えればよい。
(3)半導体素子の電極面に作用する引張応力は、半導体装置の製造過程中に生じるものでも、半導体装置の使用中に生じるものでもよい。引張応力は、例えば、半導体素子の表裏間の温度差、電極面内における温度分布、接合される半導体素子と配線層との間の熱膨張係数(CTE)の差(不整合)等に起因して生じる。
電極面に作用する引張応力の分布(大きい領域と小さい領域)は、例えば、半導体装置の試作段階で、一様なレーザーアニールを施した電極面のどこから、クラック等の損傷が生じているかを特定することにより判断できる。クラック等が生じない場合でも、半導体実装工程の熱応力シミュレーション結果や、信頼性試験を行った試験片の断面を観察し、半導体素子の反り変形が凸状形状が示す領域により、電極面に生じる引張応力の分布を特定することができる。
(4)特に断らない限り本明細書でいう「x〜y」は下限値xおよび上限値yを含む。本明細書に記載した種々の数値または数値範囲に含まれる任意の数値を新たな下限値または上限値として「a〜b」のような範囲を新設し得る。
レーザーエネルギー密度と、コンタクト抵抗(オーミック性)または割れ強度(耐素子割れ性)との関係を模式的に示す相関図である。 レーザーアニールの様子を模式的に示す断面図である。 電極の表面に形成した凹部の深さ(d)と、半導体素子の割れ強度との関係を示すグラフである。 荷重中心から凹部までの距離(l)と、半導体素子の割れ強度との関係を示すグラフである。 エネルギー密度を変えてレーザーアニールした電極を有する半導体素子の一例を示す断面図と底面図である。 そのような半導体素子の別例を示す断面図と底面図である。
本発明の構成要素に、本明細書中から任意に選択した一以上の構成要素を付加し得る。本明細書で説明する内容は、本発明の製造方法、半導体素子または半導体装置のいずれにも該当し得る。「方法」に関する構成要素は「物」に関する構成要素ともなり得る。
《レーザーアニール》
(1)レーザーアニールは、図2に示す縦断面図からもわかるように、半導体からなる基体sの少なくとも一面側に形成された金属層mに対して、その金属層m側(基体sの反対面側)から、レーザー照射してなされる。これにより、基体sと金属層mの接触界面bで化合物または合金が形成され、その接触界面bはオーミックコンタクトとなる。
エネルギー密度が低いレーザーを、例えば、金属層mの中央付近にある領域r1(第1領域)に照射する(図4参照)。これにより、領域r1の表面には、窪み深さが相対的に小さい凹部が形成される。
エネルギー密度が高いレーザーを、例えば、金属層mの外周囲付近にある領域r2(第2領域)に照射する(図4参照)。これにより、領域r2に対応する接触界面b2には、コンタクト抵抗が相対的小さいオーミックコンタクトが形成される。
領域r1にできる凹部の深さ:d1、領域r2にできる凹部の深さ:d2、領域r1に対応する接触界面b1のコンタクト抵抗:e1、領域r2に対応する接触界面b2のコンタクト抵抗:e2とすると、通常、d1<d2、e1>e2となる。
基体sは、例えば、SiC、GaN等の半導体から主になる。図示していないが、基体s中には、n型またはp型を構成するドープ元素がイオン注入等されて、不純物領域が形成されている。また、金属層mにより形成される電極以外の電極(基体sがトランジスタなら、ゲート電極、ソース電極またはエミッタ電極等)も、基体sに形成される。
金属層mは、半導体の電極面にスパッタリングや蒸着等により形成される。その際、Ti、Ni、Al等の金属が用いられるが、通常、Tiは下地であり、その上にNiまたはAlが成膜される。特に、n型半導体の金属層mにはNi、p型半導体の金属層mにはAlが用いられることが多い。ちなみに、基体sの厚さは、例えば、60〜200μmであるが、金属層mの厚さは、例えば、0.1〜5μmである。
(2)金属層に照射するレーザーとして、例えば、YAGレーザー、YVOレーザー等のパルスレーザーが用いられる。
パルスレーザーのパルス幅は、例えば、100nsec以下さらには70nsec以下とするとよい。レーザー発振装置の出力や発振周波数等が一定なら、パルス幅を短くすることにより、高エネルギー密度の高いレーザーを照射できる。またパルス幅の短いレーザーを照射することにより、熱拡散が抑制され、電極面外への熱的影響を抑制できる。
パルスレーザーのエネルギー密度(出力密度)は、例えば、1.8〜3.2J/cmさらには2.0〜3.0J/cmとするとよい。エネルギー密度が過大では割れ強度が低下し、エネルギー密度が過小ではコンタクト抵抗が増加し得る。
第1領域をレーザーアニールする第1工程では、エネルギー密度(出力密度)を、例えば、1.8〜2.5J/cmさらには2.0〜2.5J/cmとするとよい。第2領域をレーザーアニールする第2工程では、エネルギー密度(出力密度)を、例えば、2.5〜3.2J/cmさらには2.5〜3.0J/cmとするとよい。
このようなパルスレーザーの具体例として、例えば、F(波長157nm)、ArF(波長193nm)、KrF(波長248nm)、XeCl(波長308nm)、XeF(波長351nm)等のエキシマ(励起二量体)を利用したエキシマレーザー、短波長を発振できるYAGレーザーなどがある。
パルスレーザーを用いてアニールする場合、各パルス光の隣接する照射域を部分的に重畳(オーバーラップ)させると、全体的に均一的なオーミックコンタクトの形成が可能となる。この際、電極面上に形成される凹部は、連続した溝状となり得る。
パルス光の照射域を重畳させる割合(パルスラップ率)は、パルスレーザーの発振周波数、走査速度、照射域の大きさ(またはパルスレーザーの焦点位置)等により調整される。パルスレーザーの特性にも依るが、パルスラップ率は、例えば20〜95%さらには33〜75%とするとよい。
パルスラップ率は、(p/p0)×100(%)(p0:ビーム径、p:隣接するパルス光の重なり径)により算出される。ここでビーム径(p0)は、レーザー軸に対する直交面上で測定される、ビーム強度がピーク強度値の半値幅レベルとなるときの幅(直径)である。また隣接するパルス光の重なり径(p)は、p0−c(c:隣接するビーム間の中心間距離)である。
発振周波数は、例えば、10〜100kHzとするとよい。発振周波数が過小では走査速度の低下を招く。発振周波数が過大ではレーザーエネルギー密度が低下し得る。
レーザーの焦点位置により照射範囲が変化する。その焦点位置は、金属層の最表面からずれたところにあってもよいが、最表面近傍にあるほど、安定したエネルギー密度で各領域をアニールできる。照射工程を行う雰囲気は、金属層の表面における不要な化合物の生成を回避するため、真空雰囲気または不活性ガス雰囲気で行うとよい。
《半導体素子》
(1)半導体素子(単に「素子」ともいう。)は、上述したように、半導体からなる基体sと、オーミックコンタクトした金属層mからなる電極とにより構成される。
その電極に深さdの凹部を形成した場合、その深さ(d)と、素子の割れに対する耐力(割れ強度)との関係をシミュレーションした結果を図3Aに示した。素子の解析モデルは、基体:SiC(厚さ:80μm)、金属層:Ni(厚さ0.3μm)、支点間距離:3mmとした。凹部は素子の下面中央に形成した半球状とし、試験荷重は素子の上面中央(凹部の直上)から印加した。割れ強度は、素子の下面における破断強度(引張応力)とした(以下同様)。なお、シミュレーションは、市販熱応力シミュレータ/ABAQUSを用いて行った。
また、同様な解析モデルを用いて、荷重中心(素子中央)から横方向(電極面方向)に距離(l)だけ凹部をずらした場合に、その距離(l)と割れ強度の関係をシミュレーションした結果を図3Bに示した。
図3Aから明らかなように、凹部の深さが1μm以下さらには0.7μm以下であると、優れた耐素子割れ性を確保できることがわかった。また、図3Bから明らかなように、荷重位置から凹部が離れるほど、優れた耐素子割れ性が確保されることもわかった。
(2)これらの結果を踏まえて、低エネルギー密度のレーザーアニールで形成した浅い第1凹部からなる第1領域と、高エネルギー密度のレーザーアニールで形成した深い第2凹部からなる第2領域とを有する電極面を備えた半導体素子の形態例を図4と図5に示した。
図4に示した素子1は、上面電極11と裏面電極12を備える。裏面電極12は、エネルギー密度を下げてレーザーアニールすることにより形成された浅い凹部からなる領域121(第1領域)と、エネルギー密度を上げてレーザーアニールすることにより形成された深い凹部からなる領域122(第2領域)とを有する。
素子1は、半導体装置に搭載したときに、図4に示すように変形し(反り)、裏面電極12の外周囲側よりも中央付近で大きな引張応力を受ける。しかし、その中央付近(領域121)は割れ強度が高くなっている。一方、裏面電極12の外周囲付近(領域122)はコンタクト抵抗が小さくなっている。こうして素子1は、低いコンタクト抵抗(オーミック性)と高い割れ強度(信頼性)を高次元で両立している。
図5に示した素子2は、上面電極21と裏面電極22を備える。裏面電極22は、エネルギー密度を下げてレーザーアニールすることにより形成された浅い凹部からなる領域221(第1領域)と、エネルギー密度を上げてレーザーアニールすることにより形成された深い凹部からなる領域222、223(第2領域)とを有する。
素子2は、半導体装置に搭載したときに、図5に示すように、中央付近が図上方に盛り上がるように変形する(反る)場合を想定している。この場合、裏面電極22の中央付近を囲む環状域に大きな引張応力が作用し、その中央付近と外周囲付近にはあまり大きな引張応力が作用しない。
素子2は、裏面電極22の外周囲付近(領域222)と中央付近(領域223)で、コンタクト抵抗が小さくなっている。一方、裏面電極22の環状域(領域221)は割れ強度が高くなっている。こうして素子2でも、低いコンタクト抵抗(オーミック性)と高い割れ強度(信頼性)が高次元で両立される。
このような実施形態からもわかるように、例えば、電極の少なくとも外周側には第2領域を配置して、オーミック性を確保するとよい。また、第1領域は、第2領域よりも内周側に配置して信頼性を確保するとよい。素子に作用する引張応力の分布形態に応じて、第1領域は環状としてもよい。また、その環状の第1領域の内周側に第2領域をさらに設けてもよい。
(3)本発明は、種々の半導体素子(ダイオード、トランジスタ等)に適用可能であるが、特に、使用中の発熱量が大きく、CTE不整合等により大きな熱応力(特に引張応力)が作用し易い電力制御用のパワー半導体素子(パワーダイオード、パワートランジスタ)に適用されると好ましい。パワートランジスタには、例えば、パワーMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)またはIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等がある。レーザーアニールされる電極(特に裏面電極)は、例えば、パワーダイオードならカソード電極、パワートランジスタならゲート電極と反対面側にあるドレイン電極、コレクタ電極等である。
1、2 半導体素子
12、22 裏面電極
121、221 第1領域
122、222 第2領域
s 半導体(基体)
m 金属層

Claims (7)

  1. 半導体からなる基体上に形成した金属層へ該基体の反対面側からレーザーを照射する照射工程を備え、該基体に接合された該金属層からなる電極を有する半導体素子を得る製造方法であって、
    前記照射工程は、前記金属層の第1領域へエネルギー密度の低いレーザーを照射する第1工程と、
    該金属層の第2領域へ該エネルギー密度の高いレーザーを照射する第2工程と、
    を少なくとも備える半導体素子の製造方法。
  2. 半導体からなる基体と該基体の少なくとも一面側に接合された金属からなる電極とを有する半導体素子であって、
    前記電極は、前記基体との非接合面側である表面上に、窪み深さの小さい第1凹部からなる第1領域と、窪み深さの大きい第2凹部からなる第2領域と、を少なくとも有する半導体素子。
  3. 前記第1領域は、前記電極の内周側に配置され、
    前記第2領域は、該電極の外周側に配置される請求項2に記載の半導体素子。
  4. 前記第1領域は、環状である請求項2または3に記載の半導体素子。
  5. 前記半導体素子は、パワーダイオードまたはパワートランジスタである請求項2〜4のいずれかに記載の半導体素子。
  6. 前記半導体は、SiCであり、
    前記金属は、Ti、NiまたはAlを含む請求項2〜5のいずれかに記載の半導体素子。
  7. 請求項2〜6のいずれかに記載の半導体素子を備えた半導体装置であって、
    前記電極面に作用する引張応力は、前記第2領域よりも前記第1領域が大きい半導体装置。
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