JP2020025764A - 不織布ワイパーおよびその製造方法 - Google Patents

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【課題】融着点の面積が所定範囲に設定してあるスパンボンド不織布を用いることによって、パルプ繊維の脱落が抑制された複合型の不織布ワイパーを得る。【解決手段】 スパンボンド不織布SW上にパルプ繊維ウエブPFWを積層し一体化してある複合型の不織布ワイパーWPであって、前記スパンボンド不織布SWは、紡糸された樹脂繊維を接続する複数の融着点MPを含んで形成されており、前記融着点MPの1個の面積が0.05〜1.10mm2に設定してある。【選択図】 図1

Description

本発明は、パルプ繊維ウエブとスパンボンド不織布とを水流交絡させることによって得られる複合型の不織布ワイパー、そしてその製造方法に関する。
パルプ繊維ウエブとスパンボンド不織布とを含む複合型の不織布ワイパーは、パルプ繊維に基づく吸液性とスパンボンド不織布に基づく強度との両方を具備してなるワイパーとなるので、ウエスなどの工業用ワイパー、或いは手ぬぐい、タオルなどの対人用のワイパーとして、様々な用途で広く使用されている。
例えば、特許文献1で開示するように、パルプ繊維ウエブとスパンボンド不織布とを重ねた後に、高圧のウォータジェット(水流)を吹き付ける水流交絡処理によって一体化されている。ここでスパンボンド不織布は強度に優れるので製造された複合型の不織布ワイパーの裏打ち層的な機能を果たす。一方、パルプ繊維ウエブは優れた吸液機能を備えている。よって、このような複合型の不織布ワイパーは、水性、油性のいずれの液体に対しても吸収性が良好なパルプ繊維ウエブと、強度に優れるスパンボンド不織布との利点を併有している優れた不織布ワイパーとして消費者に提供することができる。
特許第2533260号公報
上記特許文献1などで使用されているスパンボンド不織布(特許文献1では、不織連続フィラメント支持体と称している)については、例えばポリプロピレンなどの合成樹脂をスパンボンド処理して得たものが広く採用されている。スパンボンド処理では、紡糸された樹脂繊維同士を点状の融着部分(以下、融着点)によって複数の箇所で接続している。これにより、スパンボンド不織布はシート強度を発現させ外形を維持している。
上記融着点は、樹脂繊維が溶融固化した部分であり、スパンボンド不織布の強度を得るために重要な構成部である。しかしながら、上述したようにスパンボンド不織布とパルプ繊維ウエブとを水流交絡させることにより得られる複合型の不織布ワイパーでは次のような不都合の原因となっている。
水流交絡では、スパンボンド不織布上にパルプ繊維ウエブを載置した状態で、上方からウォータジェットを吹き付けている。これにより、パルプ繊維と樹脂繊維との交絡やパルプ繊維同士の交絡が進むことで、一体化した複合型不織布が得られる。ところが、水流交絡処理の際に、点状に多数存在している融着点はパルプ繊維による交絡を阻害する部分となっている。
具体的には、上記融着点はウォータジェットを通過させない邪魔石のような存在となるので、その周辺には余剰のウォータジェットが通過する。その為、融着点はパルプ繊維が付着しない目玉のような部分となるだけでなく、その周辺のパルプ繊維は他の部分と比較して結合が弱くなる。そのため、完成製品となった複合型不織布ワイパーでは、融着点に起因してパルプ繊維の脱落が発生し易くなってしまう。そして、このようにパルプ繊維の脱落が発生した不織布ワイパーは、外観に劣り、シート全体として強度が低下したものになる場合がある。
しかしながら、前述したように、融着点はスパンボンド不織布における重要な構成要素であり、融着点の無い構造とするのは現実的でない。
よって、本発明の目的は、融着点を所定範囲に設定したスパンボンド不織布を用いることによって、パルプ繊維の脱落を抑制して、外観や強度に優れた複合型の不織布ワイパーを得ることにある。更には、上記のような複合型の不織布ワイパーを効率良く製造する方法を提案することにある。
上記目的は、スパンボンド不織布上にパルプ繊維ウエブを積層し一体化してある複合型の不織布ワイパーであって、前記スパンボンド不織布は、紡糸された樹脂繊維を接続する複数の融着点を含んで形成されており、前記融着点の1個の面積が0.05〜1.10mmに設定してある、ことを特徴とする不織布ワイパーにより達成できる。
そして、前記融着点の面積率が5〜20%であるのが好ましい。
また、前記融着点の個数が10〜150個/cmであるのが好ましい。
また、前記スパンボンド不織布と前記パルプ繊維ウエブとの重量構成比であるスパンボンド不織布/パルプ繊維ウエブは、50/50〜10/90(wt%)であるのが好まししい。
上記目的は、上記に記載の不織布ワイパーを製造する方法であって、前記パルプ繊維ウエブはエアレイド装置でパルプ繊維を積み上げることにより形成されたものであり、前記スパンボンド不織布と前記パルプ繊維ウエブとを水流交絡処理する水流交絡工程を少なくも含み、前記水流交絡工程でウォータジェットを噴射するウォータジェットノズルの穴直径φが0.06〜0.15mmであり、且つ前記ウォータジェットノズルの間隔が0.4〜1.0mmである、こと特徴とする不織布ワイパーの製造方法。によっても達成し得る。
本発明によると、パルプ繊維の脱落を抑制することができるので、外観や強度に優れた複合型の不織布ワイパーを提供できる。また、このような不織布ワイパーの効率的な製造方法を提供できる。
本発明に係る複合型の不織布ワイパーに用いるスパンボンド不織布における融着点の面積による影響を説明するため模式的に拡大して示した図であり、(a)は比較のため、従来の複合型の不織布ワイパーについて示した図、(b)は本発明に係る複合型の不織布ワイパーについて示した図である。 本発明に係る複合型不織布ワイパーの製造装置について示した図である。
以下、本発明の一実施形態に係る複合型の不織布ワイパーについて、図を参照して説明する。本発明によるワイパーは、スパンボンド不織布上にパルプ繊維ウエブを積層し、一体化された複合型の不織布ワイパーである。ここで、採用しているスパンボンド不織布が特徴的な構成を備えている。よって、図1を参照して、先ずその点の構成について説明する。
図1(a)は、比較のため、従来において一般的なスパンボンド不織布SWを用いて複合型不織布ワイパーを製造した場合について示している。同図で、上段は水流交絡処理の様子を示している。スパンボンド不織布SWと、その上に載置されるパルプ繊維ウエブPFWがウエブの搬送方向TDに沿って搬送され、水流交絡処理装置に来ると、高圧の水流であるウォータジェットWJが噴射される。これにより、パルプ繊維ウエブPFWを構成しているパルプ繊維がパルプ繊維同士だけでなく、スパンボンド不織布SW側の繊維とも絡むことでウエブの一体化が促進される。
図1(a)の下段は、水流交絡処理が完了して、製造された複合型の不織布ワイパーWPの様子を示している図である。下側に位置しているスパンボンド不織布SWは、幅広部分と幅狭部分とを含んでいる。ここで、幅狭部分は繊維同士の結合のため溶融固化された部分、即ち、前述した融着点MPである。融着点MPには、パルプ繊維ウエブPFW(パルプ繊維ウエブPFWを構成しているパルプ繊維PF)が付着しないので邪魔石の様になっている。このような融着点MPが存在すると、前述したようにパルプ繊維の脱落を誘発させて、製品となった不織布ワイパーに外観の劣化や強度低下を生じさせる。
本発明者は、上記の融着点による問題を詳細に検討し、スパンボンド不織布SWに形成する融着点MPの性状を所定範囲に設定することで、パルプ繊維の脱落を抑制できること確認して本発明に至ったものである。図1(b)は、融着点の面積を所定範囲に設定してあるスパンボンド不織布SWを用いて本発明に係る複合型不織布ワイパーを製造した場合について示している。なお、図1(b)は図1(a)と同様に示してあり、同一の部位には同じ符号を用いている。
本発明に係る複合型不織布ワイパーでは、図1(b)で示すように、融着点MPを相対的に小さく形成してあるスパンボンド不織布SWを用いている。この図1(b)から明らかなように、パルプ繊維が付着できない部分(邪魔石の部分)が小さくなるので、余剰なウォータジェットの流れの発生を抑えてパルプ繊維による交絡を確保でき、また周辺のパルプ繊維により融着点MPを隠蔽することも期待できる。
具体的には、上記融着点1個の面積(大きさ)を0.05〜1.10より好ましくは0.09〜0.50mmとする。
そして、前述したように、融着点はスパンボンド不織布の強度に係る重要な構成であり、単位面積当たり即ち面積率は5〜20%とするのが好ましく、5〜18%とするがより好ましい。面積率が高いスパンボンド不織布は、強度が高くなり、パルプ繊維との交絡面積が減少する。これとは逆に、面積率が低いスパンボンド不織布は、強度は低くなるが、パルプ繊維との交絡面積が増加する。本発明では、従来よりも相対的に小さく形成した融着点を採用しつつ、スパンボンド不織布に必要な強度を確保するという観点から上記のような好ましい面積率を定めている。
そして、融着点は単位面積当たり、10〜150個/cmとするのが好ましく、50〜100個/cmとするのがより好ましい。
(実施例)
更に、上記条件に従った融着点が設定されているスパンボンド不織布を用いて、複合型の不織布ワイパーを実施例1〜5として製造して、パルプ繊維の脱落の有無に基づいて外観を評価した。外観が特に優れたものを(優◎)、外観に問題がないものを(良〇)、そしてパルプ繊維の脱落が明らかなものを(不可×)とした。
実施例1、2、3、4及び5について、融着点の1つの面積(mm)、面積率(%)そして単位面積当たりの個数(個/cm)について、下記表1のように設定してあるスパンボンド不織布を用い、エアレイド装置により同様に製造したパルプ繊維ウエブを載せて複合型の不織布ワイパーを製造した。
Figure 2020025764
上記表1に示すように、実施例1〜5は不織布ワイパー製品として提供できるものであるが、実施例2、3、5が特に優れた(◎)外観であった。実施例2、3、5は他の実施例1、4と比較すると、より面積の小さな融着点で、多くの個数(個/cm)となるように設計した場合である。これによると、相対的に小さい面積の融着点にすると、外観に優れる不織布ワイパーを製造することが期待できることが分かる。これは、図1(b)に基づいて説明した内容を裏付けるものとなっている。
本発明の複合型不織布ワイパーでは、上記で説明した条件を満たすスパンボンド不織布の上に、パルプ繊維ウエブを積層して一体化されている。上記スパンボンド不織布とパルプ繊維ウエブとの重量構成比(スパンボンド不織布/パルプ繊維ウエブ)は50/50〜10/90(wt%)とするのが好ましい。
以上の条件を満たす複合型の不織布ワイパーは、パルプ繊維の脱落が抑制されるので、外観や強度に優れた不織布ワイパーとして製品として提供できることになる。
なお、上記本発明に係る複合型不織布ワイパーでは、例えば、パルプ平均繊維長1.0〜5.0mmであるパルプを用いて、パルプ繊維ウエブを形成するのが好ましい。具体的には、パルプ繊維ウエブをラジアータパイン、スラッシュパイン、サザンパイン、ロッジポールパイン、スプルースおよびダグラスファーからなる群から選択された針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)の繊維を用いて形成するのが好ましい。いずれか1つのパルプ繊維によるパルプ繊維ウエブとしてもよいし、2つ以上を混合して形成したパルプ繊維ウエブとしてもよい。
また、スパンボンド不織布を構成する合成繊維としては、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等から選択することができ、ポリプロピレンを用いるのが好ましい。
以下、更に、上述した本発明に係る複合型の不織布ワイパーを製造するのに好適は製造装置について、図を参照して説明する。
先ず、不織布ワイパー製造装置1の概略構成を説明する。図2に示す製造装置1は、上流側にエアレイド装置2、スパンボンド不織布を供給するスパンボンド不織布供給装置3、そしてサクション装置4が配設されている。サクション装置4はエアレイド装置2の下側に対向するように配置されている。
ウエブの搬送方向TDで、これらの装置2、3、4より下流には、上流側から順に、水流交絡処理を行うためのウォータジェットを噴射する水流交絡装置5、サクション装置6、乾燥装置7が配置されている。上記乾燥装置7の下流には連続して製造される不織布ワイパーWPを巻き取るための巻取装置8が更に設けてある。
上記エアレイド装置2は、繊維同士が密集しシート状となっている原料パルプRPをパルプ繊維に解繊する解繊機21や、図示しない送風機を備えて解繊されたパルプ繊維PFをエアレイドホッパ23へと搬送するダクト22を有している。
また、上記ダクト22よりも下流側にはエアレイドホッパ23が配置されている。このエアレイドホッパ23の内部では、解繊状態にあるパルプ繊維が分散しながら降下し、下面に設定した積層位置24に徐々に積み上りパルプ繊維ウエブPFWが形成されるように設計してある。
上記積層位置24の下側にはサクション装置4が対向配備してある。より詳細には、サクション装置4は装置本体41の上面にサクション部42を有しており、サクション部42が上記パルプ繊維ウエブPFWに吸引力(負圧)を作用させるべく積層位置24に対して設定してある。
なお、図2では、エアレイドホッパ23とサクション装置本体41とを1つずつ一段での配置として、パルプ繊維ウエブPFWを形成する場合を例示している。しかし、これに限らず、上記パルプ繊維ウエブPFWの目付(坪量)や製造速度に応じて、上記エアレイドホッパ23とサクション装置本体41を2つ以上の多段とする配置に変更してもよい。
また、サクション装置4の周囲にはウエブ搬送用の搬送ワイヤ43が配設してある。搬送ワイヤ43は、積層位置24においてパルプ繊維PFが堆積したパルプ繊維ウエブPFWが載置可能で、これを下流側に搬送するように配置されている。ただし、パルプ繊維ウエブPFWは直接、搬送ワイヤ43上に載置されない。これについては、後述の説明で明らかとなる。
搬送ワイヤ43はサクション部42の吸引力が、反対側(上側)に及ぶような目開き形態(メッシュ)で形成されている。
上記エアレイド装置2の下側で、サクション装置4よりも上流側に、スパンボンド不織布供給装置3が配置してある。このスパンボンド不織布供給装置3には、予め準備されたスパンボンド不織布SWがロール状とされてセットされている。すなわち、前述したように、従来のスパンボンド不織布よりも、相対的に面積の小さく所定範囲に設定してある融着点によって繊維同士が接続されているスパンボンド不織布SWがロール状とされており、これがスパンボンド不織布供給装置3から引出され、上述した搬送ワイヤ43に乗って上記積層位置24へと搬送されるようになっている。
また、スパンボンド不織布とパルプ繊維ウエブとの重量構成比である、スパンボンド不織布/前記パルプ繊維ウエブは50/50〜10/90(wt%)に調整しておくのが好ましい。
積層位置24に位置した、スパンボンド不織布SWの上に、前述したパルプ繊維ウエブPFWが載置される。その際に、積層位置24ではサクション装置4のサクション部42による吸引力が搬送ワイヤ43を通過し、その上のスパンボンド不織布SWおよびパルプ繊維ウエブPFWに作用する。よって、スパンボンド不織布SWとパルプ繊維ウエブPFWとが積層された状態となっている予備的積層体PWeb(積層ウエブ)が下流側へと搬送される。
上記した予備的積層体PWebは、サクション装置4の吸引力によって、吸引圧縮されたことにより積層状態が維持されている。このとき上側のパルプ繊維ウエブPFWの繊維が密にされた状態ではある。しかし、このまま予備的積層体PWebを下流側の水流交絡装置5内に搬送投入すると、ウォータジェット(高圧の水流)によってパルプ繊維PFの一部が舞い上がるおそれがある。
そこで、本製造装置1では、予備的積層体PWebを上下から挟んでスパンボンド不織布SW上でのパルプ繊維ウエブPFWの載置状態を安定化させる為の挟持ローラ28、そして水流交絡装置5の上流側に繊維飛散防止用に水分を付与するプレウエット装置30が配備してある。プレウエット装置30は、好適には、予備的積層体PWebの上方からウォータミストを吹き付ける噴霧ノズル31と予備的積層体PWebの下側(すなわち、パルプ繊維ウエブPFWの下面)から吸引力を印加するサクション装置32とを含んで構成されている。
なお、図2では、上記のように水流交絡装置5前にプレウエット装置30を新たな装置として設ける場合を例示しているが、これに限らない。水流交絡装置5に含まれる後述するウォータジェットヘッド51とサクション装置52とからなるセットの複数について、先頭に位置するセットを上記プレウエット装置30として流用するような設計変更をしてもよい。この場合には先頭のウォータジェットヘッド51から低圧のウォータミストが噴霧されるように調整すればよい。
水流交絡処理を行うのに十分な、ウォータジェットヘッド51とサクション装置52とのセット数が確保されている水流交絡装置5の場合、上記のように先頭のウォータジェットヘッド51とサクション装置52をプレウエット装置として活用することは、装置設備コストの抑制に効果的である。
そして、水流交絡装置5では、前処理部となる挟持ローラ28およびプレウエット装置30の処理を受けた予備的積層体PWebに高圧のウォータジェットを吹き付けることによりパルプ繊維同士の交絡を促進する。これにより上側に位置するパルプ繊維ウエブPFW層と下側に位置するスパンボンド不織布SW層との一体化が促進される(水流交絡処理)。
図2で例示的に示している水流交絡装置5は、搬送方向TDに沿って多段(図2では例示しているのは4段)にウォータジェットヘッド51が配置されている。
なお、図2では、搬送方向TDに対して直角な方向(ウエブの幅方向)において延在しているウォータジェットヘッド51に設けたノズルの様子は図示していないが、幅方向において複数のウォータジェットノズルが適宜の位置に配置してある。このウォータジェットノズルの穴直径φは、好ましくは0.06〜0.15mm、より好ましくは0.10〜0.12mmである。また、ウォータジェットノズルの間隔は0.4〜1.0mmとするのが好ましい。
上記水流交絡処理をする際の水圧は、パルプ繊維ウエブPFWとスパンボンド不織布SWとの坪量を勘案して設定するのが望ましい。例えば、1〜30MPaの範囲において選択するのが好ましい。
そして、上記ウォータジェットヘッド51と対向するように、サクション装置52が配設してある。ウォータジェットヘッド51から出る高圧のウォータジェットを上側に位置しているパルプ繊維ウエブPFWに吹き付けつつ、下側に位置しているスパンボンド不織布SWの下側にサクション装置52の吸引力を作用させる。ウォータジェットヘッド51とサクション装置52との協働作用によって、パルプ繊維ウエブPFW側のパルプ繊維が下側のスパンボンド不織布SWに入り込んだ状態や、スパンボンド不織布SWを貫通して反対側にまで至った状態などが形成されると推定される。その作用により2つの層の一体
化が促進される。
水流交絡装置5にも、搬送ワイヤ55が配設してある。搬送ワイヤ55は前処理部28、30の下流で予備的積層体PWebを受けて、水流交絡装置5内へと搬送する。搬送ワイヤ55は水流交絡装置5のウォータジェットヘッド51とサクション装置52との間を、上流側から下流に向かって通過するように配設されている。
よって、搬送ワイヤ55上を搬送される予備的積層体PWebは、搬送方向TDで下流に向かう程に、より多くの水流交絡処理を受けることになり、水流交絡装置5を出るときには上側のパルプ繊維ウエブPFW層と下側のスパンボンド不織布SW層との十分な交絡処理が実現される。
水流交絡装置5を出た直後の不織布にあっては、ウエット状態にあり、パルプ繊維同士などの結合は十分に確立されてはいない。
そこで、図2で示すように、水流交絡装置5の下流側にはウエブに残留する水分を吸引除去し、その後に乾燥を行って、不織布WPの製造を完了するためのサクション装置6および乾燥装置7が配備してある。このように不織布WPの製造の後段で、サクション装置6および乾燥装置7による脱水、乾燥を行うと効率よく不織布を製造でき、また、製造される水流交絡後の不織布に大きな外圧を掛けることなく乾燥した不織布を製造できるので、嵩高感のある製品に仕上げることができる。
サクション装置6は、例えばバキューム式で水流交絡後の不織布を脱水する。乾燥装置7は非圧縮型のドライヤ、好適にエアスルードライヤを採用することが好ましい。図2で、エアスルードライヤの回転可能なドライヤ本体71は筒状体であり、その周表面には多数の貫通孔が設けてあり、図示しない熱源で加熱された熱風がドライヤ本体の外周から中心部側に向かって吸い込む構成とするのがよい。
このように連続的に製造される複合型の不織布WPは巻取装置8のローラ81に巻取られて一連の工程が完了する。
以上で説明した不織布ワイパー製造装置1によると、パルプ繊維の脱落が防止され、外観や強度に優れた前述した本発明に係る不織布ワイパーを確実に製造することができる。
なお、図2による製造装置では、エアレイド装置2を用いて、パルプ繊維を解繊して徐々に積層することによりパルプ繊維ウエブを得ている。パルプ繊維ウエブは湿式抄紙シートの製造法を応用して製造したものであっても、複合型の不織布ワイパーを同様に製造できる。しかし、エアレイド装置2を用いた乾式によりパルプ繊維ウエブを製造すると製造設備を簡素化して、より効率良く本発明に係る複合型の不織布ワイパーを製造できる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することができることは言うまでもない。
1 不織布ワイパー製造装置
2 エアレイド装置
3 スパンボンド不織布供給装置
4 サクション装置
5 水流交絡装置
6 サクション装置
7 乾燥装置
8 巻取装置
21 解繊機
22 ダクト
23 エアレイドホッパ
24 積層位置
28 挟持ローラ
30 プレウエット装置
31 噴霧ノズル
32 サクション装置
41 サクション装置本体
42 サクション部
43 搬送ワイヤ
51 ウォータジェットヘッド
52 サクション装置
55 搬送ワイヤ
SW スパンボンド不織布
MP 融着点
PF パルプ繊維
PFW パルプ繊維ウエブ
PWeb 予備的積層体(積層ウエブ)
WP 不織布ワイパー
TD 搬送方向

Claims (5)

  1. スパンボンド不織布上にパルプ繊維ウエブを積層し一体化してある複合型の不織布ワイパーであって、
    前記スパンボンド不織布は、紡糸された樹脂繊維を接続する複数の融着点を含んで形成されており、前記融着点の1個の面積が0.05〜1.10mmに設定してある、ことを特徴とする不織布ワイパー。
  2. 前記融着点の面積率が5〜20%である、ことを特徴とする請求項1に記載の不織布ワイパー。
  3. 前記融着点の個数が10〜150個/cmである、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の不織布ワイパー。
  4. 前記スパンボンド不織布と前記パルプ繊維ウエブとの重量構成比であるスパンボンド不織布/パルプ繊維ウエブは、50/50〜10/90(wt%)である、こと特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の不織布ワイパー。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の不織布ワイパーを製造する方法であって、
    前記パルプ繊維ウエブはエアレイド装置でパルプ繊維を積み上げることにより形成されたものであり、
    前記スパンボンド不織布と前記パルプ繊維ウエブとを水流交絡処理する水流交絡工程を少なくも含み、
    前記水流交絡工程でウォータジェットを噴射するウォータジェットノズルの穴直径φが0.06〜0.15mmであり、且つ前記ウォータジェットノズルの間隔が0.4〜1.0mmである、こと特徴とする不織布ワイパーの製造方法。
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