JP2021088791A - 複合型不織布およびその製造方法 - Google Patents

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【課題】パルプ繊維の脱落が抑止されて、外観や拭取り性が良好な複合型不織布を提供する。【解決手段】合成繊維不織布の上にパルプ繊維ウエブPfWを積層して一体化した複合型不織布WPであって、前記合成繊維不織布が少なくともメルトブロー不織布MbWを含んで2層以上からなる合成繊維積層不織布LWとして形成してある。【選択図】図1

Description

本発明は、パルプ繊維ウエブと合成繊維不織布とを水流交絡させることによって得られる複合型の不織布に関する。
パルプ繊維ウエブと合成繊維不織布とによる複合型の不織布は、パルプ繊維に基づく吸液性と合成繊維不織布に基づく強度との両方を具備してなるので、ウエスなどの工業用ワイパー、或いはウエットティッシュ、手ぬぐい、タオルなどの対人用のワイパー等の様々な用途で広く使用されている。
例えば、特許文献1で開示するように、パルプ繊維ウエブと合成繊維不織布としてスパンボンド不織布を用いるものがよく知られている。特許文献1によると、パルプ繊維ウエブとスパンボンド不織布とを重ねた後に、高圧のウォータジェット(水流)を吹き付ける水流交絡処理によって一体化されている。ここでスパンボンド不織布は強度に優れるので製造された複合型不織布の裏打ち層的な機能を果たす。一方、パルプ繊維ウエブは優れた吸液機能を備えている。よって、このような複合型不織布は、水性、油性のいずれの液体に対しても吸収性が良好なパルプ繊維ウエブと、強度に優れるスパンボンド不織布との利点を併有している優れた複合型不織布として消費者に提供することができる。
なお、上記パルプ繊維ウエブについては、周知の湿式抄紙法を流用して製造されるシート状のウエブ、あるいは、解繊したパルプ繊維を風送して堆積させる乾式エアレイド方式で製造されるウエブを採用できるが、製造コスト抑制の面からは乾式エアレイド方式が優位であることが知られている。
特許第2533260号公報
しかしながら、パルプ繊維ウエブとスパンボンド不織布とを水流交絡させて得られる複合型不織布では、パルプ繊維とスパンボンド不織布を構成する繊維との絡み状態が不足する傾向がある。これに起因して、複合型不織布の製造時、複合型不織布の加工時、更に使用時においてパルプ繊維が脱落し易いことが確認された。脱落した繊維は製造時には周囲を汚染し、そして製品化された後にあってはユーザからの評価を低下させてしまう。よって、繊維脱落を抑制するために繊維同士の絡み状態を高めるように対処することが必要であり、水流交絡処理する際の水圧を高めることが容易に考えつく。
しかし、水流交絡処理ではパルプ繊維ウエブに向けて高圧の水流がジェット噴射される。これにより、パルプ繊維ウエブの表面が水圧により乱されて、製品後の複合型不織布の外観や拭取り性が悪化することとなる。特に、乾式エアレイド方式で供給されたパルプ繊維ウエブを用いた場合には、この傾向が大きいことが認められた。
よって、本発明の目的は、パルプ繊維ウエブの脱落が抑制されており、外観や拭取り性も良好である複合型不織布を提供することにある。
上記目的は合成繊維不織布の上にパルプ繊維ウエブを積層して一体化した複合型不織布であって、前記合成繊維不織布が少なくともメルトブロー不織布を含んで2層以上からなる合成繊維積層不織布として形成してある、ことを特徴とする複合型不織布により達成できる。
そして、前記合成繊維積層不織布の坪量は10.0〜25.0g/mであり、この内で前記メルトブロー不織布の坪量は1.0〜8.0g/mであるものが好ましい。
また、前記合成繊維積層不織布は、前記メルトブロー不織布とスパンボンド不織布とを含んで形成することができる。
また、前記合成繊維積層不織布は、前記メルトブロー不織布と前記スパンボンド不織布とで、3層以上に積層されもよい。
そして、前記合成繊維積層不織布は分散配置された融着点を含み、前記融着点1個の面積は0.10〜0.50mmであり、面積率は7〜20%であるものが好ましい。
また、上記複合型不織布は坪量が25.0〜125.0g/mとするのが好ましい。
また、前記合成繊維積層不織布と前記パルプ繊維ウエブとの重量構成比である、合成繊維積層不織布/パルプ繊維ウエブは50/10〜10/90(wt%)とするのが好ましい。
また、前記パルプ繊維ウエブはエアレイド方式で供給されたウエブとすることができる。
また、上記の目的は、少なくともメルトブロー不織布を含む2層以上からなる合成繊維積層不織布の上に、パルプ繊維ウエブを積層し、ノズル孔直径0.06〜0.15mm、ノズル間隔0.4〜1.0mmおよび水圧1〜30NPaとして、水流交絡処理を施すことにより、請求項1から7のいずれかに記載の複合型不織布を製造することを特徴とする複合型不織布の製造方法によっても達成できる。
そして、前記合成繊維積層不織布は、前記メルトブロー不織布とスパンボンド不織布とを含んで形成するようにしてもよい。
本発明によると、パルプ繊維ウエブの脱落が抑制されており、外観や拭取り性も良好である複合型不織布を提供することができる。
本発明に係る一形態の複合型不織布について示した図である。 他の形態の複合型不織布について示した図である。 図1で示す複合型不織布を製造する一例となる製造装置を示した図である。
以下、本発明の一実施形態に係る複合型の不織布を、図を参照して説明する。
図1は本発明に係る複合型不織布WPの断面構成を模式的に示した図である。複合型不織布WPは、合成繊維不織布を2層以上に積層して形成してある合成繊維積層不織布LWの上に、パルプ繊維ウエブPfWを更に積層して、一体化されている。この複合型不織布WPは、長繊維による合成繊維不織布の層構成や材質を調整することにより、パルプ繊維の脱落を抑制し、外観および使用感において優れた不織布を実現している。以下、詳述する。
図1で、上側に位置しているパルプ繊維ウエブPfWは、例えば、ラジアータパイン、スラッシュパイン、サザンパイン、ロッジポールパイン、スプルースおよびダグラスファーからなる群から選択された針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)の繊維を用いて形成することができる。いずれか1つのパルプ繊維によるパルプ繊維ウエブとしてもよいし、2つ以上を混合して形成したパルプ繊維ウエブとしてもよい。
パルプ繊維ウエブPfWは、後述するように、エアレイド方式で形成されるものを用いるが好ましい。パルプ繊維ウエブPfWの坪量は例えば30.0〜75.0g/mとするのが好ましい。
そして、合成繊維積層不織布LWはメルトブロー不織布MbWと他の合成繊維不織布とを積層して形成された積層不織布である。ここでの他の合成繊維不織布として、従来から広く採用されているスパンボンド不織布SbWを好適に用いることができる。
上記メルトブロー不織布MbWおよびスパンボンド不織布SbWを構成する長い合成繊維としては、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等から選択することができるが、どちらの不織布についてもポリプロピレンを用いるのが好ましい。
そして、上記メルトブロー不織布MbWは線径1〜10μmのものを用いるのが好ましい。一方、スパンボンド不織布SbWの線径は、例えば10〜30μmでありメルトブロー不織布MbWよりも剛性が高い。
上記合成繊維積層不織布LWの坪量は好ましくは10.0〜25.0g/mであり、より好ましくは10.0〜16.0g/mである。その内で、前記メルトブロー不織布MbWの坪量は1.0〜8.0g/mとするのが好ましい。1.0g/m未満では、繊維の脱落抑制の効果が劣り、8.0g/mを超えると、複合型不織布WPの強度が低下し、拭取りワイパーとして使用した時に破れ易くなる。
合成繊維積層不織布LWは、相対的に繊維径の細いメルトブロー不織布MbWを必須の構成として含んでいる。メルトブロー不織布MbWを構成する繊維はパルプ繊維と絡み易く、これにより繊維脱落を抑制できる。そして、メルトブロー不織布MbWに、より剛性の高いスパンボンド不織布等と組合わせることで、複合型不織布WPとして必要な剛性を維持することもできる。
図1では、合成繊維積層不織布LWを最もシンプルにスパンボンド不織布SbWとメルトブロー不織布MbWとによる2層(SM)で形成した場合を例示しているが、これに限らず、スパンボンド−メルトブロー−スパンボンドによる3層(SMS)、スパンボンド−メルトブロー−メルトブロー−スパンボンドによる4層(SMMS)、スパンボンド−スパンボンド−メルトブローン−スパンボンドによる4層(SSMS)更に、スパンボンド−スパンボンド−メルトブローン−メルトブローン−スパンボンドによる5層(SSMMS)等としてもよい。
図2は、より好ましい合成繊維積層不織布LWを備えた複合型不織布WPについて示しており、合成繊維積層不織布LWはスパンボンド−メルトブロー−スパンボンドによる3層(SMS)となっている。ここでは、メルトブロー層がスパンボンド層でサンドイッチされた構造となっている。メルトブローの繊維はスパンボンドの繊維に比べ繊維が相対的に短いため、これを中層に採用したサンドイッチ構造とすることで合成繊維積層不織布LWの形状安定化を図ることができる。なお、このような合成繊維積層不織布LWは各合成繊維を重ね合わせた状態とし、後述する加熱溶着の処理を行うことで製造することができる。
複合型不織布WPの坪量は好ましくは25.0〜125.0g/m、より好ましくは30.0〜60.0g/mである。また、上記合成繊維積層不織布LWとパルプ繊維ウエブPfWとの重量構成の比率は50/50〜10/90(wt%)とするのが好ましい。
上記合成繊維積層不織布LWには、繊維をスポット的に加熱溶融し、その後の冷却で固化した融着点が分散配置されている。これにより多数の融着点で繊維同士が固定されるので合成繊維不織布の形状安定化、強度向上等が図られている。
上記の融着点については、その形状について特に限定はないが、例えば円形、楕円形、多角形等とすることができる。そして、融着点1個の面積(大きさ)は0.10〜0.50mmとするのが好ましい。そして、融着点の単位面積当たりの面積、すなわち面積率は7〜20%とするのが好ましい。
1つの融着点が大き過ぎる場合や融着点の面積率が高過ぎるとこれにより、パルプ繊維と合成繊維不織布の繊維との絡み状態が悪くなることが懸念される。その一方で、融着点が小さ過ぎる場合や融着点の面積率が低過ぎると合成繊維積層不織布LWの形状安定性や必要な強度が得られない場合がある。よって、融着点については、上記のような範囲に設定するのが好ましい。
(実施例)
スパンボンド不織布SbWとメルトブロー不織布MbWとを含んで構成されている合成繊維積層不織布LW上に、エアレイド方式で形成したパルプ繊維ウエブPfWを載置して一体化した本実施例の複合型不織布、および比較例の複合型不織布について説明する。なお、パルプ繊維ウエブPfWにはサザンパイン(NBKP)を使用している。
2つの実施例1、2および比較例1の具体的な構成は下記の表1に示した通りである。全ての合成繊維積層不織布はポリプロピレン(PP)を用いて形成されており、実施例1の合成繊維積層不織布はスパンボンド不織布(S)とメルトブロー不織布(M)とを組合わせた5層構成(SSMMS)、実施例2はスパンボンド不織布(S)とメルトブロー不織布(M)とを組合わせた3層構成(SMS)となっている。実施例1、2の両方共に、メルトブロー不織布(M)がスパンボンド不織布(S)でサンドイッチされた構造となっている。なお、比較例1についてはスパンボンド不織布(S)だけの1層構成である。
これらについて、外観評価、使用感(拭取り易さ、脱落繊維の多少)の評価を行った。
Figure 2021088791
〇外観評価:複合型不織布の表面側となるパルプ繊維ウエブのムラの状態を評価した。
特に優れたもの(優◎)、問題のない外観(良〇)、ムラが目立ち外観不良なもの(不可×)とした。
〇使用感(拭取り易さ):拭取り易さ
適度に柔らかくふき取りやすい(優◎)、問題のないふき取りやすさ(良〇)、強度が弱く破れやすい(不可×)とした。
〇使用感(脱落繊維の多少)
繊維の脱落が少ない(良〇)、繊維の脱落が多く、拭取り後対象物に残る繊維が目視で
認められる(不可×)とした。
上記実施例の複合型不織布は、脱落する繊維が少なく、外観および拭取り性にも優れた不織布として、提供できる。
なお、上記実施例1、2および比較例1の複合型不織布を製造するに当たり、水流交絡処理に用いる水圧を10Mpaとしている。この水圧は、従来においてスパンボンド不織布のみとパルプ繊維とを水流交絡処理する際の一般的な水圧よりも相対的に低いものとなっている。この水圧で実施例1、2ではパルプ繊維と合成繊維積層不織布の繊維との必要な絡状態が得られると理解される。一方、この水圧ではスパンボンド不織布(S)だけの比較例1ではパルプ繊維との十分な絡み状態を得るのが困難であったと理解がされる。
以下、更に、上述した本発明に係る複合型不織布を製造するのに好適な製造装置を示す図3を参照して説明する。
図3に示す製造装置1は、上流側にパルプ繊維ウエブを供給するためのエアレイド装置2、合成繊維不織布を供給する合成繊維不織布供給装置3、そしてサクション装置4が配設されている。サクション装置4はエアレイド装置2の下側に対向するように配置されている。
ウエブの搬送方向TDで、これらの装置2、3、4より下流には、上流側から順に、水流交絡処理を行うためのウォータジェットを噴射する水流交絡装置5、脱水処理を行うためのサクション装置6、乾燥装置7が配置されている。上記乾燥装置7の下流には連続して製造される複合型不織布WPを巻き取るための巻取装置8が設けてある。
上記エアレイド装置2は、繊維同士が密集しシート状となっている原料パルプRPをパルプ繊維に解繊する解繊機21や、図示しない送風機を備えて解繊されたパルプ繊維PFをエアレイドホッパ23へと搬送するダクト22を有している。
また、上記ダクト22よりも下流側にはエアレイドホッパ23が配置されている。このエアレイドホッパ23の内部では、解繊状態にあるパルプ繊維が分散しながら降下し、下面に設定した積層位置24に徐々に積み上りパルプ繊維ウエブPfWが形成されるように設計してある。
上記積層位置24の下側にはサクション装置4が対向配備してある。より詳細には、サクション装置4は装置本体41の上面にサクション部42を有しており、サクション部42が上記パルプ繊維ウエブPfWに吸引力(負圧)を作用させるべく積層位置24に対して設定してある。
なお、図3では、エアレイドホッパ23とサクション装置本体41とを1つずつ一段での配置として、パルプ繊維ウエブPfWを形成する場合を例示している。しかし、これに限らず、上記パルプ繊維ウエブPfWの目付(坪量)や製造速度に応じて、上記エアレイドホッパ23とサクション装置本体41を2つ以上の多段とする配置に変更してもよい。
また、サクション装置4の周囲にはウエブ搬送用の搬送ワイヤ43が配設してある。搬送ワイヤ43は、積層位置24においてパルプ繊維PFが堆積したパルプ繊維ウエブPfWが載置可能で、これを下流側に搬送するように配置されている。ただし、パルプ繊維ウエブPfWは直接、搬送ワイヤ43上に載置されない。これについては、後述の説明で明らかとなる。
搬送ワイヤ43はサクション部42の吸引力が、反対側(上側)に及ぶような目開き形態(メッシュ)で形成されている。
上記エアレイド装置2の下側で、サクション装置4よりも上流側に、合成繊維不織布供給装置3が配置してある。この供給装置3には、予め準備された合成繊維積層不織布LWがロール状とされてセットされている。すなわち、前述したように、設計された合成繊維積層不織布LWが製造に伴って巻き取られてロール状とされており、これが供給装置3から引出され、上述した搬送ワイヤ43に乗って上記積層位置24へと搬送されるようになっている。
積層位置24に位置した、合成繊維積層不織布LWの上に、前述したパルプ繊維ウエブPfWが載置される。その際に、積層位置24ではサクション装置4のサクション部42による吸引力が搬送ワイヤ43を通過し、その上の合成繊維積層不織布LWおよびパルプ繊維ウエブPfWに作用する。よって、合成繊維積層不織布LWとパルプ繊維ウエブPfWとが積層された状態となっている予備的積層体PWeb(積層ウエブ)が下流側へと搬送される。
上記のように予備的積層体PWebが形成されるときに、合成繊維積層不織布LW上へのパルプ繊維ウエブPfWの供給量を制御することで、本装置で製造される複合型不織布に含まれるパルプ繊維ウエブPfWの坪量は例えば30.0〜75.0g/mであり、従来の一般的な複合型不織布よりもパルプ繊維ウエブの比率が高くなるように設計するのが望ましい。そして、合成繊維積層不織布LWの坪量は例えば10.0〜25.0g/m、より好ましくは10.0〜16.0g/mであり、製造される複合型不織布(合成繊維積層不織布LW+パルプ繊維ウエブPfW)は例えば25.0〜125.0g/mより好ましくは30.0〜60.0g/mである。ウエブの搬送速度やパルプ繊維ウエブPfWの時間当たりの供給量などを適宜に調整し、製造された複合型不織布のパルプ繊維ウエブPfWの坪量を確認することで、坪量が所望の範囲となるように設定すればよい。ウエブの搬送速度は例えば150〜300m/minとするのが好ましい。
上記した予備的積層体PWebは、サクション装置4の吸引力によって、吸引圧縮されたことにより積層状態が維持されている。このとき上側のパルプ繊維ウエブPfWの繊維が密にされた状態ではある。しかし、このまま予備的積層体PWebを下流側の水流交絡装置5内に搬送投入すると、ウォータジェット(高圧の水流)によってパルプ繊維PFの一部が舞い上がるおそれがある。
そこで、本製造装置1では、予備的積層体PWebを上下から挟んで合成繊維積層不織布LW上でのパルプ繊維ウエブPfWの載置状態を安定化させる為の挟持ローラ28、そして水流交絡装置5の上流側に繊維飛散防止用に水分を付与するプレウエット装置30が配備してある。プレウエット装置30は、好適には、予備的積層体PWebの上方からウォータミストを吹き付ける噴霧ノズル31と予備的積層体PWebの下側(すなわち、パルプ繊維ウエブPfWの下面)から吸引力を印加するサクション装置32とを含んで構成されている。
なお、図3では、上記のように水流交絡装置5前にプレウエット装置30を新たな装置として設ける場合を例示しているが、これに限らない。水流交絡装置5に含まれる後述するウォータジェットヘッド51とサクション装置52とからなるセットの複数について、先頭に位置するセットを上記プレウエット装置30として流用するような設計変更をしてもよい。この場合には先頭のウォータジェットヘッド51から低圧のウォータミストが噴霧されるように調整すればよい。
水流交絡処理を行うのに十分な、ウォータジェットヘッド51とサクション装置52とのセット数が確保されている水流交絡装置5の場合、上記のように先頭のウォータジェットヘッド51とサクション装置52をプレウエット装置として活用することは、装置設備コストの抑制に効果的である。
そして、水流交絡装置5では、前処理部となる挟持ローラ28およびプレウエット装置30の処理を受けた予備的積層体PWebに高圧のウォータジェットを吹き付けることによりパルプ繊維同士の交絡を促進する。これにより上側に位置するパルプ繊維ウエブPfW層と下側に位置する合成繊維積層不織布LW層との一体化が促進される(水流交絡処理)。
図3で例示的に示している水流交絡装置5は、搬送方向TDに沿って多段(図3では例示しているのは4段)にウォータジェットヘッド51が配置されている。
なお、図3では、搬送方向TDに対して直角な方向(ウエブの幅方向CD)において延在しているウォータジェットヘッド51に設けたノズルの様子は図示していないが、幅方向において複数のウォータジェットノズルが適宜の位置に配置してある。このウォータジェットノズルの穴直径φは、好ましくは0.06〜0.15mmである。また、ウォータジェットノズルの間隔は0.4〜1.0mmとするのが好ましい。
上記水流交絡処理をする際の水圧は、パルプ繊維ウエブPfWと合成繊維積層不織布LWとの坪量を勘案して設定するのが望ましい。例えば、1〜30MPaの範囲において選択するのが好ましい。
そして、上記ウォータジェットヘッド51と対向するように、サクション装置52が配設してある。ウォータジェットヘッド51から出る高圧のウォータジェットを上側に位置しているパルプ繊維ウエブPfWに吹き付けつつ、下側に位置している合成繊維積層不織布LWの下側にサクション装置52の吸引力を作用させる。ウォータジェットヘッド51とサクション装置52との協働作用によって、パルプ繊維ウエブPfW側のパルプ繊維が下側の合成繊維積層不織布LWに入り込んだ状態や、合成繊維積層不織布LWを貫通して反対側にまで至った状態などが形成されると推定される。その作用により2つの層の一体化が促進される。
その際に、上記合成繊維積層不織布LWにはメルトブロー不織布MbWが含まれているのでパルプ繊維と相対的に細い径の合成繊維は絡み合う状態を形成し易い。
水流交絡装置5にも、搬送ワイヤ55が配設してある。搬送ワイヤ55は前処理部28、30の下流で予備的積層体PWebを受けて、水流交絡装置5内へと搬送する。搬送ワイヤ55は水流交絡装置5のウォータジェットヘッド51とサクション装置52との間を、上流側から下流に向かって通過するように配設されている。
よって、搬送ワイヤ55上を搬送される予備的積層体PWebは、搬送方向TDで下流に向かう程に、より多くの水流交絡処理を受けることになり、水流交絡装置5を出るときには上側のパルプ繊維ウエブPfW層と下側の合成繊維積層不織布LW層との十分な交絡処理が実現される。
水流交絡装置5を出た直後の複合型不織布にあっては、ウエット状態にあり、パルプ繊維同士などの結合は十分に確立されてはいない。
そこで、図3で示すように、水流交絡装置5の下流側にはウエブに残留する水分を吸引除去する脱水処理、その後に乾燥処理を行って、複合型不織布WPの製造を完了するためのサクション装置6および乾燥装置7が配備してある。このように複合型不織布WPの製造の後段で、サクション装置6および乾燥装置7による脱水処理、乾燥処理を行うと効率よく複合型不織布を製造でき、また、製造される水流交絡後の複合型不織布に大きな外圧を掛けることなく乾燥した複合型不織布を製造できる。
サクション装置6は、例えばバキューム式で水流交絡後の複合型不織布を下側から脱水する。乾燥装置7は非圧縮型のドライヤ、好適にエアスルードライヤを採用することが好ましい。図3で、エアスルードライヤの回転可能なドライヤ本体71は筒状体であり、その周表面には多数の貫通孔が設けてあり、図示しない熱源で加熱された熱風がドライヤ本体の外周から中心部側に向かって吸い込む構成とするのがよい。
このように連続的に製造される複合型不織布WPは乾燥後に巻取装置8のロール81に巻取られる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することができることは言うまでもない。
1 複合型不織布の製造装置
2 エアレイド装置
3 合成繊維不織布供給装置
4 サクション装置
5 水流交絡装置
6 サクション装置
7 乾燥装置
8 巻取装置
21 解繊機
22 ダクト
23 エアレイドホッパ
24 積層位置
28 挟持ローラ
30 プレウエット装置
31 噴霧ノズル
32 サクション装置
41 サクション装置本体
42 サクション部
43 搬送ワイヤ
51 ウォータジェットヘッド
52 サクション装置
55 搬送ワイヤ
MbW メルトブロー不織布
SbW スパンボンド不織布
LW 合成繊維積層不織布
PfW パルプ繊維ウエブ
PF パルプ繊維
PWeb 予備的積層体(積層ウエブ)
WP 複合型不織布
TD 搬送方向
CD 幅方向

Claims (10)

  1. 合成繊維不織布の上にパルプ繊維ウエブを積層して一体化した複合型不織布であって、
    前記合成繊維不織布が少なくともメルトブロー不織布を含んで2層以上からなる合成繊維積層不織布として形成してある、ことを特徴とする複合型不織布。
  2. 前記合成繊維積層不織布の坪量は10.0〜25.0g/mであり、この内で前記メルトブロー不織布の坪量は1.0〜8.0g/mである、ことを特徴とする請求項1に記載の複合型不織布。
  3. 前記合成繊維積層不織布は、前記メルトブロー不織布とスパンボンド不織布とを含んで形成されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の複合型不織布。
  4. 前記合成繊維積層不織布は、前記メルトブロー不織布と前記スパンボンド不織布とで、3層以上に積層されている、ことを特徴とする請求項3に記載の複合型不織布。
  5. 前記合成繊維積層不織布は分散配置された融着点を含み、前記融着点1個の面積は0.10〜0.50mmであり、面積率は7〜20%である、ことを特徴とする1から4のいずれかに記載の複合型不織布。
  6. 坪量が25.0〜125.0g/mである、ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の複合型不織布。
  7. 前記合成繊維積層不織布と前記パルプ繊維ウエブとの重量構成比である、合成繊維積層不織布/パルプ繊維ウエブは50/50〜10/90(wt%)である、ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の複合型不織布。
  8. 前記パルプ繊維ウエブはエアレイド方式で供給されたウエブである、ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の複合型不織布。
  9. 少なくともメルトブロー不織布を含む2層以上からなる合成繊維積層不織布の上に、パルプ繊維ウエブを積層し、
    ノズル孔直径0.06〜0.15mm、ノズル間隔0.4〜1.0mmおよび水圧1〜30NPaとして、水流交絡処理を施すことにより、請求項1から8のいずれかに記載の複合型不織布を製造することを特徴とする複合型不織布の製造方法。
  10. 前記合成繊維積層不織布は、前記メルトブロー不織布とスパンボンド不織布とを含んで形成されている、ことを特徴とする請求項9に記載の複合型不織布の製造方法。
JP2019220902A 2019-12-06 2019-12-06 複合型不織布およびその製造方法 Pending JP2021088791A (ja)

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