JP6985064B2 - 不織布ワイパーおよびその製造方法 - Google Patents
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前記組合せウエブにおける前記各繊維の含有比率は、前記パルプ繊維50〜85重量%、前記再生繊維10〜30重量%、前記複合合成繊維5〜20重量%であり、
前記組合せウエブは、前記パルプ繊維、再生繊維および複合合成繊維が均一に混合され一体化されている混合ウエブとして形成されおり、
前記再生繊維はレーヨン、キュプラ、リヨセルおよびポリノジックよりなる群から選択される、少なくとも1つの繊維であって、繊維長が20mm以下であり、
前記複合合成繊維は、溶融温度が異なる少なくとも2種の合成樹脂を用いて形成されており、繊維長が20mm以下であり、
前記2種の合成樹脂が、ポリエステル類、ポリアミド類およびポリオレフィン類から選択されたホモポリマー、コポリマ−、グラフト変性体あるいはこれらのポリマーアロイである、融点が相対的に高い第1の合成樹脂と、プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体およびエチレン−アクリル酸メチル共重合体から選択された、融点が相対的に低い第2の合成樹脂である、ことを特徴とする不織布ワイパーにより達成することができる。
エアレイド装置を用いて、前記組合せウエブとして、前記パルプ繊維、再生繊維および複合合成繊維が均一に混合され一体化されている混合ウエブを形成する組合せウエブ形成工程と、
スパンボンド法で得たスパンボンドウエブ上に前記組合せウエブを積層する積層工程と、
積層された前記組合せウエブと前記スパンボンドウエブとに水流交絡処理を施して、一体化した不織布ワイパーを得る交絡処理工程とを含む、ことを特徴とする不織布ワイパーの製造方法により達成できる。
また、本発明の製造方法によると、上記不織布ワイパーを製造することができる。
そして、再生繊維は、パルプ繊維よりも繊維長が揃っており、長繊維の割合が高いため不織布ワイパーの強度安定化に寄与する。また、親水性であることから吸水性の改善にも寄与する。その一方で、パルプ繊維よりも高価であるので、コスト面からは配合量は抑えることが望ましい。
また、複合合成繊維は、パルプ繊維と水素結合を形成しないので、嵩高性や風合の改善に寄与する。しかし、複合合成繊維が多過ぎると、不織布ワイパーの親水性が低下させることが懸念される。
そして、前記スパンボンドウエブと前記組合せウエブとの重量比は2:8〜5:5とするのが好ましい。そして、前記不織布ワイパーの坪量は好ましくは20〜90g/m2、より好ましくは30〜90g/m2とする。
上記のように特定することで、繊維がそれぞれの機能を発揮するので、清拭性に優れ、風合と嵩高性が改善された不織布ワイパーを製造できる。そして、コストの面から見ても、不織布ワイパーを効率良く製造できる。
また、上記再生繊維としては、レーヨン、キュプラ、リヨセルおよびポリノジックよりなる群から選択するのが好ましい。複数の再生繊維を組合せて使用してもよい。
そして、鞘部を構成する融点が相対的に低い第2の合成樹脂として、例えばポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1−プロピレン三元共重合体等のプロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体などの熱可塑性樹脂を用いることができる。
また、上記複合合成繊維は、芯鞘構造に限らず、所謂、サイド−バイ−サイド構造などであってもよい。
また、上記「組合せウエブ」は、上記パルプ繊維によるパルプ繊維層と、上記再生繊維および複合合成繊維による組合せ繊維層がパルプ繊維層上に積層してある「積層ウエブ」の形態とすることができる。積層ウエブについては、後において詳述する。
混合ウエブは、上記3種類の繊維、パルプ繊維、再生繊維および複合合成繊維が均一に混合され、一体化されている。このような混合ウエブは、後述するように、好適にはエアレイド装置を用いて製造することができる。
搬送方向TDで、これらの装置2、3、4より下流には、上流側から順に、水流交絡処理を行うための水流噴射(ウオータジェット)装置5、乾燥装置6が配置されている。上記乾燥装置6の下流には連続して製造される不織布ワイパーCWebを巻き取るための巻取装置7が更に設けてある。
そして、ダクト22の途中には、解繊されたパルプ繊維PFの流れに合流させるように、解繊状態にある再生繊維RFを投入するための再生繊維投入ダクト25、及び解繊状態にある複合合成繊維CSFを投入するための複合合成繊維投入ダクト26が、付加配備されている。
なお、ここでは図示しないセンサや計測器等により、上記パルプ繊維PF、再生繊維RFおよび複合合成繊維CSFの配合割合(重量%)を、任意に調整できるようになっている。
上記積層位置24の下側にはサクション装置4が対向配備してある。より詳細には、サクション装置4は装置本体41の上面にサクション部42を有しており、サクション部42が上記混合ウエブMWに吸引力(負圧)を作用させるべく積層位置24に対して設定してある。
搬送ワイヤ43はサクション部42の吸引力が、反対側(上側)に及ぶような目開き形態(メッシュ)で形成されている。
そこで、本製造装置1では、予備的積層体PWebを上下から挟んでスパンボンドウエブSW上での混合ウエブMWの載置状態を安定化させる為の挟持ローラ28、そして水流噴射装置5の上流側にパルプ繊維PFに飛散防止用に水分を付与するプレウエット装置30が配備してある。プレウエット装置30は、好適には、予備的積層体PWebの上方からウオータミストを吹き付ける噴霧ノズル31と予備的積層体PWebの下側(すなわち、スパンボンドウエブSWの下面)から吸引力を印加するサクション装置32とを含んで構成されている。
図1で例示的に示している水流噴射装置5は、搬送方向TDに沿って多段(図1では例示しているのは4段)に水流噴射ノズル51が配置されている。第1段目の水流噴射ノズルを低圧で吹き付ける事により、上述したプレウエット装置30の代用としてもよい。
図1では、搬送方向TDに対して直角な方向(装置1の幅方向)におけるノズルの様子は図示していないが、幅方向においても複数の水流噴射ノズルが配置してある。
よって、搬送ワイヤ55上を搬送される予備的積層体PWebは、搬送方向TDで下流に向かう程に、より多くの水流交絡処理を受けることになり、水流噴射装置5を出るときには上側の混合ウエブMW層と下側のスパンボンドウエブSW層との十分な交絡処理が実現される。
水流噴射装置5を出た直後にあっては、ウエブはウエット状態であり、乾燥前にあってはパルプ繊維同士などの結合は十分に確立されてはいない。
図1で、エアスルードライヤの回転可能なドライヤ本体61は筒状体であり、その周表面には多数の貫通孔が設けてあり、図示しない熱源で加熱された熱風がドライヤ本体71の外周から中心部側に向かって吸い込む構成である。
なお、上記のように不織布ワイパーのウエブが加熱されると、前述した複合合成繊維の内で低融点となっている繊維の少なくとも一部が熱融着するように作用するので、不織布ワイパーの強度向上に寄与することになる。
このように連続的に製造される複合型の不織布ワイパーCWebは巻取装置7のローラ71に巻取られて一連の工程が完了する。
以下、更に、上記のように製造される混合ウエブを備えている本発明の不織布ワイパーの実施例について説明する。
混合ウエブに用いて繊維は以下の通りである。
パルプ繊維 材種:サザンパイン 繊維長:2.5mm
再生繊維 組成:レーヨン 繊維長:5mm
複合合成繊維 組成:ポリエチレン(PE)/ポリプロピレン(PP)
繊維太さ:2.2dtex 繊維長:5mm
以下の条件で評価した。
不織布ワイパーの測定方法は以下の通りである。
・厚み: ピーコック紙厚計にて、37.85g/cm2加重下で測定した。
・風合い:8人によるモニター調査を行った。
4段階[◎特に良好、○良好、△:同等、×劣る]で評価した。
・強度:JISP8113に基づく乾燥時の引張強さとして測定した。
・吸水性:JIS S 3104に規定された吸水速度試験に準拠し、滴下水量を0.5mLに変更し、水滴が試験片の表面に達したときから、試験片の鏡面反射が消えるまでの時間(秒)を測定し、評価した。ここでは、2秒以下の場合に十分な吸水性を備えているとして○、2秒を超える場合は×とした。
なお、下の表1の最上段は混合ウエブの組成を重量(%)で示している。不織布ワイパー(全体)の坪量からスパンボンドの坪量を引き算することで、混合ウエブの坪量が得られる。
前述した積層ウエブは、パルプ繊維によるパルプ繊維層と、カード装置を用いて製造される再生繊維および複合合成繊維による組合せ繊維層とを、積層した形態として構成されている。
そして、上記の組合せ繊維層は、再生繊維と複合合成繊維とを混合してカード処理して得る混合繊維層、1層のウエブ形態としてもよいし、再生繊維と複合合成繊維とを個別にカード処理して再生繊維層と複合合成繊維層とによる2層のウエブ形態としてもよい。
そして、前記パルプ繊維層は予め準備したパルプ繊維シート(ウエブ)或いは前述したようにエアレイド装置により形成されるウエブを採用することができる。
また、上記積層ウエブはパルプ繊維層が下側となってスパンボンドウエブ上に積層される形態とするのが好ましい。
また、後者の組合せ繊維層を2層とする場合には、2台のカード装置を準備して再生繊維層のウエブと複合合成繊維層のウエブとを個別に形成する。
上記のようなカード装置を、図1のエアレイド装置の下流側に追加配備することで、組合せウエブとして積層ウエブを有する不織布ワイパーを製造することができる。
後者の積層ウエブの場合、パルプ繊維層を含めて3層となるので、製造設備が複雑化する。よって、前者の形態の積層ウエブを採用するのが好ましい。
よって、本発明に係る不織布ワイパーでは、清拭性だけでなく、風合や嵩高性にも優れて、より汎用性の高い不織布ワイパーなる。
そして、本発明の不織布ワイパーに含まれる、上記組合せウエブはエアレイド装置やカード装置を用いて製造することができる。
2 エアレイド装置
3 スパンボンドウエブ供給装置
4 サクション装置
5 水流噴射装置
6 乾燥装置
7 巻取装置
21 解繊機
22 ダクト
23 エアレイドホッパ
24 積層位置
25 再生繊維投入ダクト
26 複合合成繊維投入ダクト
28 挟持ローラ
30 プレウエット装置
31 噴霧ノズル
32 サクション装置
41 サクション装置本体
42 サクション部
43 搬送ワイヤ
51 水流噴射ノズル
52 サクション装置
PF パルプ繊維
RF 再生繊維
CSF 複合合成繊維
PWeb 予備的積層体
CWeb 完成した不織布ワイパー
MW 混合ウエブ
SW スパンボンドウエブ
Claims (3)
- ラジアータパイン、スラッシュパイン、サザンパイン、ロッジポールパイン、スプルースおよびダグラスファーから選択された針葉樹晒クラフトパルプに基づいたパルプ繊維、再生繊維および複合合成繊維を含む組合せウエブと、スパンボンド法で得たスパンボンドウエブとを積層して一体に形成してある不織布ワイパーであって、
前記組合せウエブにおける前記各繊維の含有比率は、前記パルプ繊維50〜85重量%、前記再生繊維10〜30重量%、前記複合合成繊維5〜20重量%であり、
前記組合せウエブは、前記パルプ繊維、再生繊維および複合合成繊維が均一に混合され一体化されている混合ウエブとして形成されおり、
前記再生繊維はレーヨン、キュプラ、リヨセルおよびポリノジックよりなる群から選択される、少なくとも1つの繊維であって、繊維長が20mm以下であり、
前記複合合成繊維は、溶融温度が異なる少なくとも2種の合成樹脂を用いて形成されており、繊維長が20mm以下であり、
前記2種の合成樹脂が、ポリエステル類、ポリアミド類およびポリオレフィン類から選択されたホモポリマー、コポリマ−、グラフト変性体あるいはこれらのポリマーアロイである、融点が相対的に高い第1の合成樹脂と、プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体およびエチレン−アクリル酸メチル共重合体から選択された、融点が相対的に低い第2の合成樹脂である、ことを特徴とする不織布ワイパー。 - 前記スパンボンドウエブと前記組合せウエブとの重量比は2:8〜5:5であり、前記不織布ワイパーの坪量は20〜90g/m 2 であることを特徴とする請求項1に記載の不織布ワイパー。
- 請求項1に記載の不織布ワイパーの製造方法であって、
エアレイド装置を用いて、前記組合せウエブとして、前記パルプ繊維、再生繊維および複合合成繊維が均一に混合され一体化されている混合ウエブを形成する組合せウエブ形成工程と、
スパンボンド法で得たスパンボンドウエブ上に前記組合せウエブを積層する積層工程と、
積層された前記組合せウエブと前記スパンボンドウエブとに水流交絡処理を施して、一体化した不織布ワイパーを得る交絡処理工程とを含む、ことを特徴とする不織布ワイパーの製造方法。
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