JP2007008145A - 凹凸模様が付与されてなる不織構造体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】模様が付与されてなるセルロース繊維からなるスパンレース不織布を提供する。
【解決手段】セルロース繊維を構成繊維とするウェブAと、構成繊維に熱接着性繊維を含むウェブBとが積層されて、ウェブAの構成繊維とウェブBの構成繊維とは互いに交絡することにより一体化したスパンレース不織布と、熱接着シートとから構成される不織構造体であって、不織構造体は、スパンレース不織布のウェブB側が熱接着シートと接するように、スパンレース不織布/熱接着シート/スパンレース不織布の順に積層されて、熱エンボス加工により、部分的に熱圧着された熱圧着部を有することにより積層一体化しており、不織構造体の少なくとも一方の表面は、熱エンボス加工による凹凸模様が付与されている不織構造体。
【選択図】なし

Description

本発明は、スパンレース不織布により構成され、表面に模様が付与されてなる不織構造体に関するものである。
肌触りに優れる不織布として、構成繊維同士が交絡によって形態保持しているスパンレース不織布が挙げられる。そして、スパンレース不織布は、直接、肌に触れる用途、例えば、対人向けのウェットワイパーやパンティーライナー等に多く用いられている。また、直接肌に触れる用途に用いることから、木綿やレーヨン等のセルロース繊維からなる素材が好ましく用いられている。
このようなスパンレース不織布に美観性をもたすために、表面に模様を付与することが行われている。模様を付与する方法としては、プリントによる方法が挙げられるが、スパンレース不織布の風合いの一部を損ねることになる。
スパンレース不織布の風合いを維持し、かつ模様が付与されてなるものとしては、高圧水流による処理の際に、凹凸もしくは開孔を有する支持体に載置して高圧水流を作用させることにより、水流のエネルギーにより繊維を移動させて、支持体の凹凸に対応した開孔模様が付与されたスパンレース不織布は知られている(特許文献1)。
特許第2817057号公報
上記した開孔による模様は、繊維の存在量を変化させることによるものであり、不織布の厚み等によって、また、繊維の存在量に斑がある場合は、模様が明瞭とならない場合がある。そこで、本発明は、開孔を付与する以外の方法により、模様が付与されてなるセルロース繊維からなるスパンレース不織布を提供することを本発明の課題とした。
本発明者等は、上記課題を達成する方法を検討したところ、熱エンボス加工を付与することにより、不織布にエンボスによる凹凸模様を付与できないかと考えた。しかし、スパンレース不織布を構成するセルロース繊維は、熱可塑性でないため、付与した凹凸の模様は明瞭でなく、また、時間の経過や摩擦等により薄れていくものであった。そこで、セルロース繊維を用いながら、また、スパンレースの風合いを維持した状態で凹凸模様を付与できないかを検討した結果、スパンレース不織布の一部の層に熱接着性繊維を用い、また、熱接着シートを中間層に介在させることにより、表面に明瞭な凹凸模様を付与できることを見出した。
すなわち、本発明は、セルロース繊維を構成繊維とするウェブAと、構成繊維に熱接着性繊維を含むウェブBとが積層されて、ウェブAの構成繊維とウェブBの構成繊維とは互いに交絡することにより一体化したスパンレース不織布と、熱接着シートとから構成される不織構造体であって、不織構造体は、スパンレース不織布のウェブB側が熱接着シートと接するように、スパンレース不織布/熱接着シート/スパンレース不織布の順に積層されて、熱エンボス加工により、部分的に熱圧着された熱圧着部を有することにより積層一体化しており、不織構造体の少なくとも一方の表面は、熱エンボス加工による凹凸模様が付与されていることを特徴とする凹凸模様が付与されてなる不織構造体を要旨とするものである。
また、本発明は、セルロース繊維を構成繊維とするウェブAと、構成繊維に熱接着性繊維を含むウェブBとを積層した積層物に、高圧水流を施し、ウェブ内の構成繊維同士を三次元的に交絡させるとともに、ウェブAとウェブBとの構成繊維とを互いに交絡させて積層一体化したスパンレース不織布を得、スパンレース不織布と熱接着シートとを、スパンレース不織布のウェブB側が熱接着シートに接するように、スパンレース不織布/熱接着シート/スパンレース不織布の順に積層して、熱エンボス装置に通し、ウェブBを構成する熱接着性繊維の熱接着成分および熱接着シートの熱接着成分が溶融または軟化する温度で部分的に熱圧着して、積層一体化するとともに、少なくとも一方の表面に、熱エンボス加工による凹凸模様を付与することを特徴とする凹凸模様が付与されてなる不織構造体の製造方法を要旨とするものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の不織構造体は、両表面がスパンレース不織布によって構成され、この両表面を構成するスパンレース不織布は熱接着シートを介して熱エンボス加工により積層一体化したものである。
まず、本発明の不織布構造体を構成するスパレース不織布について説明する。
スパンレース不織布は、セルロース繊維を構成繊維とするウェブAと、構成繊維に熱接着性繊維を含むウェブBとが積層されて、ウェブAの構成繊維とウェブBの構成繊維とは互いに交絡することにより一体化したものである。
スパンレース不織布の片面を構成するウェブAが、不織構造体の両表面に位置する。不織構造体の両表面の構成繊維としてセルロース繊維を選択する理由は、吸水性、親水性に優れ、肌触りが良好であるためである。また、熱可塑性でないため、熱エンボス加工により部分的に熱硬化することがないため、柔軟な風合いや良好な肌触りを保つことができるためである。
セルロース繊維としては、公知の木綿繊維、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、また、溶剤紡糸セルロース繊維が挙げられる。溶剤紡糸セルロース繊維とは、セルロース原料を化学的に変化させずに、特殊な有機溶媒に溶解させた原液或いはこの原液を乾燥させたチップを紡糸して得られるものである。これは、溶剤抽出法によるセルロース繊維とも呼ばれ、高結晶性で高配向性であり、湿潤時における初期ヤング率、強度の高いものである。例えば、レンチング社(Lenzing AG;オーストリア)から「レンチング・リヨセル(Lenzing・Lyocell)」なる商標で販売されている。ウェブAの構成繊維として、上記した1種のセルロース繊維を用いても、複数種のセルロース繊維を混綿して用いてもよい。本発 明においては、木綿繊維あるいは溶剤紡糸セルロース繊維の少なくともいずれかを好ましく用いることができる。
スパンレース不織布のもう一方の面を構成するウェブBが、不織構造体の熱接着シートと接する側に位置する。すなわち、不織構造体の表面には表れず中層を構成することとなる。
ウェブBは、熱接着性繊維を含んでいる。その理由は、不織構造体において、熱エンボス加工により、2枚のスパンレース不織布が熱接着シートを介して良好に熱圧着されて強固に一体化することができるためと、耐久性に優れた明瞭な凹凸模様を不織構造体の表面に付与することができるためである。
ウェブBは、熱接着性繊維のみからなるウェブであってもよいが、上記目的が達成される範囲内で、他の繊維を混綿してもよく、他の繊維の混綿量は50質量%以下であることが好ましい。他の繊維を混綿することにより、熱圧着による硬さを和らげることができる。
ウェブBに混綿する他の繊維としては、例えば、セルロース繊維を混綿することにより、表面より吸液した液体を中層へ移行させるという導水効果が期待でき、また、不織構造体の内部においても吸水性や保水性、保液性の良好なものを得ることができる。この場合、熱接着性繊維とセルロース繊維との混綿比率(熱接着性繊維/セルロース繊維)は、50/50〜70/30(質量%)であることが好ましい。熱接着性繊維の比率が50質量%未満となると、不織構造体として良好に積層一体化し、かつ表面に明瞭な凹凸模様が付与されにくくなる。一方、70質量%を超えると、セルロース繊維を混綿することの効果が奏されにくい。また、混綿する他の繊維として、例えば、太繊度の繊維やスパイラル捲縮を有する繊維を混綿することにより、柔軟で嵩高の不織布を得ることができる。
ウェブBを構成する熱接着性繊維としては、熱接着成分単独からなる単相形態の繊維であっても、熱接着成分と、熱接着成分よりも高い融点を有する骨格成分とからなる複合形態の繊維であってもよい。複合形態としては、芯鞘型複合形態や、サイドバイサイド型複合形態等が挙げられる。熱エンボス加工を施した際の、形態保持性や柔軟性、機械的強度、嵩高性等を考慮すると、芯鞘型複合形態の繊維が好ましい。また、熱接着成分は、ポリオレフィン系重合体からなることが好ましい。柔軟性が良好であるためである。ポリオレフィン系重合体としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレンとプロピレンとの共重合体、またはこれらのブレンド体等が挙げられる。複合形態の繊維の場合、骨格成分と熱接着成分との組合せ(骨格成分/熱接着成分)としては、ポリエステル系重合体/ポリオレフィン系重合体、ポリアミド系重合体/ポリオレフィン系重合体、ポリプロピレン/ポリエチレン、ポリプロピレン/エチレンとプロピレンとの共重合体が挙げられる。
スパンレース不織布において、ウェブAとウェブBとの積層比率は、不織構造体の表面(ウェブA)の模様の付与性を考慮すると、ウェブBの目付量を1とした場合、ウェブAの目付量は4以下であることが好ましい。ウェブBに占める熱接着性繊維の比率にもよるが、模様が付与される側のウェブAの目付量は4以下とすることで明瞭な模様を付与することができる。また、不織構造体の柔軟性を考慮すると、ウェブAの目付よりもウェブBの目付が小さい方が好ましい。
ウェブAとウェブBを構成する繊維の単糸繊度は、柔軟性や高圧水流を施した際の交絡性を考慮すると、0.5〜5デシテックスが好ましい。
次に、上記スパンレース不織布を積層一体化するための熱接着シートについて説明する。熱接着シートは、熱接着性繊維によって構成されるものであり、熱接着性繊維が部分的に熱接着されることにより一体化してなる不織布を用いるとよい。例えば、熱風等により構成繊維同士の接点で熱接着し一体化したものや、熱エンボス加工により部分的に熱圧着部を有することにより一体化したものがある。繊維の形態は短繊維であっても、長繊維であってもよい。繊維の形態が捲縮を有する短繊維の場合は、不織構造体に嵩高性を付与することができ、また、長繊維の場合は、不織構造体の寸法安定性、機械的強力を向上させることができる。また、熱接着性繊維を構成する熱接着成分や形態については、上記したウェブBを構成する熱接着性繊維と同様のものを用いることができ、熱エンボス加工を施した際の、形態保持性や柔軟性、機械的強度、嵩高性等を考慮すると、芯鞘型複合形態の繊維が好ましく、また、熱接着成分は、ポリオレフィン系重合体からなることが、柔軟性が良好なことから好ましい。また、熱接着性シートを構成する繊維は、熱可塑性重合体より形成されるため、吸水によりへたりにくいため、このような繊維のみからなる熱接着性シートが不織構造体の内層部に位置していることから、不織構造体をウェットワイパー等のウェット状態で使用した場合でも、不織構造体が吸水によってへたりが生じることなく、嵩高感を保持することができる。
熱接着シートを構成する繊維の単糸繊度は2〜10デシテックスであることが好ましい。なかでも比較的太い繊度のもの(例えば、4〜10デシテックス程度)を選択することにより不織構造体により良好な嵩高性を付与することができる。
熱接着シートの目付は、接着剤として機能性や上記した嵩高性を考慮すると20g/m2以上が好ましく、上限は60g/m2程度であればよい。
本発明の不織構造体は、スパンレース不織布のウェブB側が熱接着シートと接するように、スパンレース不織布/熱接着シート/スパンレース不織布の順に積層されて、熱エンボス加工により、部分的に熱圧着された熱圧着部を有することにより積層一体化しており、不織構造体の少なくとも一方の表面は、熱エンボス加工による凹凸模様が付与されている。
熱圧着部は、スパンレース不織布同士を熱接着シートを介して一体化させると同時に、表面に付与される凹凸模様として機能するものであるため、美観や意匠性、不織布の用途等を考慮して、適宜選択すればよい。例えば、個々の熱圧着部の形状が、円形、楕円形、四角形、十字形、花形、星形等であって、これが千鳥状や幾何学模様状に散点して付与されるものが挙げられる。また、直線状の熱圧着部であって、ストライプ状や格子状、チェック柄等が付与されていてもよい。特に、熱圧着が施されない非熱圧着部が、線状の熱圧着部によって囲んでおり、熱圧着部に囲まれた非熱圧着部が複数存在していることが好ましい。非熱圧着部を熱圧着部により囲むことにより、凹凸模様をより明瞭に浮き立たせることができ、肌触りが良好で、拭き取り性が良好なる。非熱圧着部を熱圧着部により囲まれた形態としては、例えば、図1、2に示したような例が挙げられる。図1は、熱圧着部がハニカム状となっている例である。図2は、熱圧着部が格子状となっている例である。このとき線状の熱圧着部の幅は、1〜4mm程度、個々の非圧着部の面積は、5〜1000mm2程度であればよく、模様の柄や用途に応じて適宜選択すればよい。
なお、熱圧着部の不織布全体に占める比率(圧着面積率)は、柔軟性や積層一体化のための接着性を考慮して5〜50%程度が好ましい。
本発明の不織構造体は、その少なくとも一方の表面に熱エンボス加工による凹凸模様が付与されている。これは、熱エンボス加工による熱と圧力が付与された際、エンボス部(ロールの凸部)の熱がウェブBを構成する熱接着性繊維の熱接着成分および熱接着シートの熱接着成分とを溶融または軟化し、エンボス部(ロールの凸部)に相当する部分が圧着されて、スパンレース不織布同士が熱接着シートを介して一体化すると同時に、この圧着形態が表面(ウェブA)にも賦型される。不織構造体の両表面(ウェブA)は、熱可塑性の繊維ではないため、熱の影響を受けず、熱エンボス加工による形態付与は、単に圧力の付与によるものであるが、中層(ウェブBおよび熱接着シート)に熱により溶融または軟化する熱接着成分が存在していることにより、また、ウェブAとウェブBとが交絡により一体化したスパンレース不織布を用いているため、ウェブBに付与された熱圧着部の形態を良好に表面(ウェブA)へ賦型することが可能となる。
本発明の不織構造体の目付は、40〜300g/m2程度とすればよく、用途に応じて適宜選択すればよい。
本発明の不織構造体は、用途としては、対人向けのワイパーとして使用することに適している。特にウェット状態で使用する、ウェットワイパーとして使用することが好ましい。不織構造体の両表面は、セルロース繊維により構成されているため、肌触りが良く、ウェットワイパーに含浸させた液体の液保持性が良好なためである。また、表面に付与された凹凸模様は、美観だけでなく、皮膚表面の拭き取り性にも寄与するためである。また、表面に露出していない熱接着シートは、不織構造体の嵩高性を保持する役割も担うため、ウェット状態であってもへたりが生じにくく、取り扱い性が良好である。
本発明のスパンレース不織布は、以下の方法によって得ることができる。
まず、セルロース繊維を構成繊維とするウェブAと、構成繊維に熱接着性繊維を含むウェブBとを準備し、ウェブAとウェブBとを積層した積層物をメッシュ状支持体に担持する。また、メッシュ状支持体としては、不織構造体の用途に応じて任意のものを採用しうるが、例えば、不織構造体の表面に開孔を付与する場合は、所定の目開きを有する粗目織物(15〜25メッシュ)からなるメッシュ状支持体を用いることもできる。なお、ここでメッシュとは、1インチ当たりの線の和を指し、例えば、25メッシュの粗目織物は、1インチ当たり25本の線が存在するものを指す。
次いで、積層物側から高圧水流を施し、ウェブ内の構成繊維同士を三次元的に交絡させるとともに、ウェブAとウェブBとの構成繊維とを互いに交絡させて積層一体化したスパンレース不織布を得る。この高圧水流は、孔径0.05〜2.0mmの噴射孔が、噴射孔間隔0.05〜10mmで一列又は複数列配置されている噴射装置を用い、水を噴射孔から1.5〜40MPaの圧力で噴射して得られるものである。そうすると、高圧水流はウェブに衝突して、構成繊維に運動エネルギーを与える。この運動エネルギーにより、構成繊維は、相互に交絡する。
次いで、得られたスパンレース不織布と、熱接着シートとを、スパンレース不織布のウェブB側が熱接着シートに接するように、スパンレース不織布/熱接着シート/スパンレース不織布の順に積層して、熱エンボス装置に通して、ウェブBを構成する熱接着性繊維の熱接着成分および熱接着シートの熱接着成分が溶融または軟化する温度で部分的に熱圧着する。
熱エンボス装置により部分的に熱圧着することにより、エンボス部(ロールの凸部)に相当する部位のウェブBおよび熱接着シートの熱接着成分は溶融または軟化し、スパンレース不織布同士が熱接着シートを介して積層一体化するとともに、この圧着形態が表面のウェブAにも賦型され、この熱エンボス加工による圧着部が凹凸模様として不織構造体の表面に付与されることとなる。熱エンボス装置としては、一対のエンボスロールからなるものであっても、また、エンボスロールと平滑ロールとからなるものであってもよい。一対のエンボスロールからなるものを用いた場合であっても、エンボスロールと平滑ロールとからなるものを用いた場合であっても、不織構造体の両表面に凹凸模様が付与されることとなるが、一対のエンボスロールからなるものを用いた場合は、両表面に同様の明瞭な凹凸模様が付与され、エンボスロールと平滑ロールとからなるものを用いた場合は、エンボスロール側がより明瞭な凹凸模様が付与される。
熱エンボス装置のロール表面温度は、熱接着成分が溶融または軟化する温度に設定すればよいが、線圧や処理速度に応じて、また、表面層のウェブAの目付に応じて適宜設定すればよい。例えば、熱接着成分の融点(明確な融点がないものについては軟化点を融点とみなす。)をTmとした場合、(Tm−15)℃〜(Tm+10)℃の範囲とするとよい。
本発明の不織構造体は、セルロース繊維からなるウェブAと熱接着性繊維を含むウェブBとが積層されたスパンレース不織布同士が、熱接着シートを介して熱エンボス加工により積層一体化したものである。そして、セルロース繊維からなるウェブAが、両表面に位置し、かつ、少なくとも一方の表面には、熱エンボス加工による凹凸模様が付与されている。
本発明の不織構造体の表面は、セルロース繊維によって構成されているため、吸水性や親水性を十分に保持し、熱可塑性でないため熱エンボス加工により硬化することなく、肌触りが良好である。一方、中層に位置するウェブBおよび熱接着シートは、熱接着性成分を有しているため、熱エンボス加工により熱変形しやすく良好に熱圧着部を形成することが可能となり、さらにウェブAとウェブBとが交絡により一体化しているため、この熱圧着の形態を表面層(ウェブA)にも賦型することができ、不織構造体の表面に明瞭な凹凸模様を付与することができる。
また、中層に熱圧着部が形成されているため、不織構造体は、形態保持性にも優れる。
次に、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例における各種物性値の測定は以下の方法により実施した。
(1)目付(g/m2):縦10cm×横10cmの試料片を10点作製し、標準状態の各試料片の質量(g)を秤量し、得られた値の平均値を単位面積あたりに換算して、目付(g/m2)とした。
(2)嵩密度(g/cc):JIS L 1906により厚さを測定し、目付を厚さで除した値を嵩密度(g/cc)とした。
(3)引張強力(N/5cm幅):JIS L 1906に準じて測定した。試料長が20cm、試料幅が5cmの試料片を不織構造体の縦方向および横方向について各10点を作成し、定速伸張型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロンUTM−4−1−100)を用いて、つかみ間隔10cm、引張速度10cm/分で伸張し、最大荷重時の強さを測定し、その平均値を引張強力(N/5cm幅)とした。
(4)剥離強力(N/3cm幅):縦15cm×横3cmの試料片を10点作成し、試料片の長手方向に予め端から5cm分を剥離し、定速伸張型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロンUTM−4−1−100)を用いて、剥離させた部分のそれぞれ両端をチャックにはさみ、つかみ間隔10cm、引張速度10cm/分の条件で剥離させた。剥離する時の最大強力を読みとり、その平均値を剥離強力(N/3cm幅)とした。
実施例1
ウェブAとして、平均繊維長25mmの木綿繊維からなる目付15g/m2のウェブを作成した。
ウェブBとして、以下のもの用意した。すなわち、熱接着性繊維として、鞘部にポリエチレン(融点130℃)、芯部にポリエチレンテレフタレート(融点260℃)を配した芯鞘型複合短繊維(ユニチカファイバー社製 品番<6080> 単糸繊度2.2デシテックス、繊維長51mm)を準備し、平均繊維長25mmの木綿繊維を準備して、熱接着性繊維と木綿繊維とを、質量比で(熱接着性繊維/木綿繊維)=50/50の比率で均一に混綿し、カード機に供給して、目付15g/m2のウェブを作成した。
ウェブAとウェブBとを積層し、この積層物を移動する25メッシュのプラスチック製織物からなる支持体に担持し、積層物側より高圧水流を施した。高圧水流は、支持体の上方50mmに位置した孔径0.1mmの噴射孔が孔間隔0.6mmで一列配置され、かつその列を三列備えた高圧水流噴射装置を用い、各々9.8MPaの圧力で水を噴射した。次いで、一体化させた交絡積層体より、余剰の水分をマングルロールにて除去し、温度120℃の乾燥機で乾燥させてスパンレース不織布を得た。
一方、熱接着シートとして、鞘部にポリエチレン(融点130℃)、芯部にポリプロピレン(融点160℃)を配した芯鞘型複合短繊維(単糸繊度2.2デシテックス)からなる目付20g/m2の熱接着性サーマル不織布(レンゴー社製 品番2662)を用意した。
上記得られたスパンレース不織布2枚を、ウェブB側が熱接着シートに接するように、スパンレース不織布/熱接着シート/スパンレース不織布の順に積層し、これをエンボスロールと平滑ロールからなる熱エンボス装置に通して、一体化して不織構造体を得た。エンボスロールは、図2に示すごとき斜め格子状の模様が付与されるものであり、圧着面積率は38%のものを用いた。また、熱エンボス加工の際の条件は,両ロール表面温度を116℃、線圧294N/cmに設定した。
得られた不織構造体は、両表面に格子状の凹凸模様が明瞭に付与され、一方の表面(エンボスロール側)はより明瞭な格子状の凹凸模様が付与されていた。また、2枚のスパンレース不織布は、熱圧着により良好に一体化されていた。
実施例2
実施例1において、ウェブAおよびウェブBに用いた木綿繊維に替えて、溶剤紡糸セルロース繊維(レンチング社製 商品名<リヨセル>単糸繊度1.7デシテックス、繊維長38mm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして本発明の不織構造体を得た。 得られた不織構造体は、両表面に格子状の凹凸模様が明瞭に付与され、一方の表面(エンボスロール側)はより明瞭な格子状の凹凸模様が付与されていた。また、2枚のスパンレース不織布は、熱圧着により良好に一体化されていた。
実施例3
実施例1において、熱接着シートとして、鞘部にポリエチレン(融点130℃)、芯部にポリエチレンテレフタレート(融点260℃)を配した芯鞘型複合長繊維(単糸繊度3.3デシテックス)からなる目付30g/m2の熱接着性長繊維不織布(ユニチカ社製、商品名「エルベス」)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして本発明の不織布を得た。 得られた不織構造体は、両表面に格子状の凹凸模様が明瞭に付与され、一方の表面(エンボスロール側)はより明瞭な格子状の凹凸模様が付与されていた。また、2枚のスパンレース不織布は、熱圧着により良好に一体化されていた。
比較例1
実施例1において、ウェブAの目付を30g/m2としたこと、ウェブBを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして、不織構造体を得た。
得られた不織構造体は、表面に格子状の凹凸模様が付与されたものであったが、実施例の模様に比べるとやや明瞭性に劣るものであった。また、2枚のスパンレース不織布同士が、十分に熱圧着されず、層間剥離しやすいものであり、剥離強力の値も実施例と比較して、小さいものであった。
実施例1〜3、比較例1の不織構造体の評価結果について表1に示した。
比較例2
実施例1において、ウェブAおよびウェブBの目付をそれぞれ20g/m2としたこと、熱接着シートを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして、目付80g/m2の不織構造体を得た。
得られた不織構造体の嵩密度は、0.086g/cc、引張強力は縦168N/5cm、横41N/5cm、格子状の凹凸模様が付与されたものであった。
実施例1の不織構造体と比較例2の不織構造体とを、それぞれ20cm×20cmの大きさに裁断した試料を作成し、得られた試料に試料と同質量の水を含浸させて、ウェット状態のワイパーとした。実施例1の不織構造体より得られたウェット状態のワイパーは、水の含浸によってもへたることなく嵩高感が保持されており、皮膚表面の拭き取りを行った際の拭き取り作業性が良好であった。一方、比較例2の不織構造体より得られたウェット状態のワイパーは、水の含浸により試料全体にへたりが生じ、実施例1のものと比較して嵩高感に乏しいものであった。皮膚表面の拭き取りを行った際には、皮膚にまとわりつき、実施例1のものと比較して拭き取り作業性、ハンドリング性にやや欠けていた。
本発明に用いられる熱圧着部の形態の例を示す。 本発明に用いられる熱圧着部の形態の例を示す。
符号の説明
1:熱圧着部(凹部)
2:非熱圧着部(凸部)

Claims (5)

  1. セルロース繊維を構成繊維とするウェブAと、構成繊維に熱接着性繊維を含むウェブBとが積層されて、ウェブAの構成繊維とウェブBの構成繊維とは互いに交絡することにより一体化したスパンレース不織布と、熱接着シートとから構成される不織構造体であって、不織構造体は、スパンレース不織布のウェブB側が熱接着シートと接するように、スパンレース不織布/熱接着シート/スパンレース不織布の順に積層されて、熱エンボス加工により、部分的に熱圧着された熱圧着部を有することにより積層一体化しており、不織構造体の少なくとも一方の表面は、熱エンボス加工による凹凸模様が付与されていることを特徴とする凹凸模様が付与されてなる不織構造体。
  2. セルロース繊維が、木綿繊維あるいは溶剤紡糸セルロース繊維のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の凹凸模様が付与されてなる不織構造体。
  3. ウェブBを構成する熱接着性繊維の熱接着成分および/または熱接着シートの熱接着成分が、ポリオレフィン系重合体により構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の凹凸模様が付与されてなる不織構造体。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の不織布構造体からなるワイパー。
  5. セルロース繊維を構成繊維とするウェブAと、構成繊維に熱接着性繊維を含むウェブBとを積層した積層物に、高圧水流を施し、ウェブ内の構成繊維同士を三次元的に交絡させるとともに、ウェブAとウェブBとの構成繊維とを互いに交絡させて積層一体化したスパンレース不織布を得、スパンレース不織布と熱接着シートとを、スパンレース不織布のウェブB側が熱接着シートに接するように、スパンレース不織布/熱接着シート/スパンレース不織布の順に積層して、熱エンボス装置に通し、ウェブBを構成する熱接着性繊維の熱接着成分および熱接着シートの熱接着成分が溶融または軟化する温度で部分的に熱圧着して、積層一体化するとともに、少なくとも一方の表面に、熱エンボス加工による凹凸模様を付与することを特徴とする凹凸模様が付与されてなる不織構造体の製造方法。
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