JP2023079924A - 紙製成形体の製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特開2004-346441号公報(特許文献2)には、植物繊維を主材料とし、熱融着可能な熱可塑性樹脂材料と吸水性材料を混合し、乾式積繊法により製造したマット状シートを熱プレス成形して成る成形体が開示されている。
植物繊維と熱融着繊維を空気流で混合するとともに分散して分散空間の下方の堆積位置にて堆積体S1と成すエアレイド部2と、
前記エアレイド部2で形成された堆積体S1を加圧してシートS2と成す加圧部4と、
前記加圧部4で成形されたシートS2の第1面に保護フィルム610を貼着するとともに前記第1面の裏面側の第2面に保護フィルム620を貼着するラミネート部6と、
前記ラミネート部6で表裏に保護フィルム610,620を貼着されたシートS22を所望の成形面の金型でプレス成形して成形体と成す成形部8と、
を有することを特徴とする紙製成形体の製造装置。
[2]発明2
植物繊維を空気流で混合するとともに分散して分散空間の下方の堆積位置にて堆積体S1と成すエアレイド部2と、
前記エアレイド部2で形成された堆積体S1を加圧してシートS2と成す加圧部4と、
前記加圧部4で成形されたシートS2の第1面に接着剤を用いて保護フィルム610を貼着するとともに前記第1面の裏面側の第2面に接着剤を用いて保護フィルム620を貼着するラミネート部6と、
前記ラミネート部6で表裏に保護フィルム610,620を貼着されたシートS22を所望の成形面の金型でプレス成形して成形体と成す成形部8と、
を有することを特徴とする紙製成形体の製造装置。
[3]発明3
発明1に於いて、
前記エアレイド部2で分散される植物繊維と熱融着繊維の混合物に対して紙力剤を噴霧する噴霧機構5,5bを有する、
ことを特徴とする紙製成形体の製造装置。
[4]発明4
発明2に於いて、
前記エアレイド部2で分散される植物繊維に対して紙力剤を噴霧する噴霧機構5,5bを有する、
ことを特徴とする紙製成形体の製造装置。
[5]発明5
発明1~発明4の何れかに於いて、
前記エアレイド部2で形成された堆積体S1に対して紙力剤を噴霧する噴霧機構5,5cを有する、
ことを特徴とする紙製成形体の製造装置。
[6]発明6
発明1~発明5の何れかに於いて、
前記ラミネート部6が貼着する保護フィルム610,620は紙製又は生分解性プラスチック製である、
ことを特徴とする紙製成形体の製造装置。
[7]発明7
発明1又は発明3に於いて、
前記熱融着繊維は、芯鞘タイプである、
ことを特徴とする紙製成形体の製造装置。
[8]発明8
発明1~発明7の何れに於いて、
前記エアレイド部2で分散される繊維、前記エアレイド部2から前記加圧部4へ送られる堆積体S1、前記加圧部4で堆積体S1を加圧する加圧ローラ41,42、前記加圧部4から前記ラミネート部6へ送られるシートS2を、10~40℃の温度範囲に制御する温度制御部7、
を更に有することを特徴とする紙製成形体の製造装置。
[9]発明9
植物繊維と熱融着繊維を空気流で混合するとともに分散して分散空間の下方の堆積位置にて堆積体S1と成し、
前記堆積体S1を加圧してシートS2と成し、
前記シートS2の第1面に保護フィルム610を貼着するとともに前記第1面の裏面側の第2面に保護フィルム620を貼着し、
前記表裏に保護フィルム610,620を貼着されたシートS22を所望の成形面の金型でプレス成形して成形体と成す、
ことを特徴とする紙製成形体の製造方法。
[10]発明10
植物繊維を空気流で混合するとともに分散して分散空間の下方の堆積位置にて堆積体S1と成し、
前記堆積体S1を加圧してシートS2と成し、
前記シートS2の第1面に接着剤を用いて保護フィルム610を貼着するとともに前記第1面の裏面側の第2面に接着剤を用いて保護フィルム620を貼着し、
前記表裏に保護フィルム610,620を貼着されたシートS22を所望の成形面の金型でプレス成形して成形体と成す、
ことを特徴とする紙製成形体の製造方法。
発明2~発明10は、上記発明1と同様の効果を少なくとも奏する。
図1に示すように、実施の形態の製造装置は、解繊部1、エアレイド部2、サクション部25、搬送部3、加圧部4、噴霧機構5、ラミネート部6、成形部8、端材回収部91を有する。
例えば、接着剤無しでシートS2の表裏両面にフィルム610,620を貼着するべく、加熱ローラ61a-61b間や、加熱ローラ62a-62b間で加熱・加圧する際に、適切に溶融してシートS2の表面とフィルム610/620とを良好に接着できる成分や、構造のタイプを選択することができる。
解繊部1に供給される原料は、最終製品の紙製の成形体の端材であってもよい。
解繊部1には、噴霧機構5から噴霧器(ノズル等)5aを介して、適宜の薬剤等を噴霧するように構成してもよい。適宜の薬剤としては、下記のエアレイド部2の場合と同様の薬剤を例示することができる。
例えば、耐水・耐油剤を、水分に対し、固形分換算0.05~22%に溶解したものを噴霧すると、ノズル詰まりを防止することができる。目的とする紙製成形体の表裏にはフィルムが貼着されている(後述)ため、一応は耐水・耐油機能を奏するのであるが、例えば、紙製成形体が食器の場合、フォーク等の使用により孔が開くと、内部へ水や油が侵入する。このため、堆積体S1の部位にも耐水・耐油機能を付与するとよい。
また、紙力剤(乾式紙力剤、湿潤紙力剤等)を、水分に対し、固形分換算0.05~18%に溶解したものを噴霧すると、コストを改善することができる。プレス加工(後述)で得る紙製成形体が或るサイズを越えて大きくなると、使用中に折れ曲がる等の不具合が発生する場合がある。堆積体S1の厚みを増してシートS2の厚みを増せば強度は向上するが、機器仕様の制約からプレス加工の所要時間が長時間化して、コスト面で不利となる。この改善のため、紙力剤を用いると、良い結果を得る。紙力剤としては、例えば、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(PAE)、ポリビニルアミン(PVAm)を用いることができる。
また、柔軟剤を、水分に対し、固形分換算0.05~24.5%に溶解したものを噴霧すると、プレス加工(後述)で得る紙製成形体の表面の皺を抑制することができる。
なお、エアレイド部2の混合・分散空間への噴霧(破線矢印5b)に代えて又はエアレイド部2の混合・分散空間への噴霧(破線矢印5b)とともに、破線矢印5aの如く、解繊部1への噴霧を行う構成も可能である。その場合の温度や薬品の粘度に関しても、エアレイド部2の混合・分散空間への噴霧(破線矢印5b)と同様にしてよい。
また、破線矢印5dの如く、堆積体S1を加圧した後のシートS2に噴霧を行う構成も可能であり、その場合の温度や薬品の粘度に関しても、エアレイド部2の混合・分散空間への噴霧(破線矢印5b)と同様にしてよい。
また、図1ではエアレイド部2で乾式成形した堆積体S1を、続けて、加圧部4へ送り込んでいるが、所定サイズの堆積体S1を順に加圧部4にセットして加圧する、いわゆるバッチ方式としてもよい。
また、上ローラ41と下ローラ42間での加圧時に、及び/又は、加圧に先立って、適宜に加熱してもよい。加熱による温度範囲としては、10~40℃、好ましくは20~35℃の範囲とすると、濾水性及び含水性の変化に起因するフィルム(後述)の剥離等の接着不良を防止することができる。また、紙への浸透性や、脱水性も良好となる。
加圧部4から送り出されるシートS2を、適宜に加熱してもよい。加熱による温度範囲としては、10~40℃、好ましくは20~35℃の範囲とすると、濾水性及び含水性の変化に起因するフィルム(後述)の剥離等の接着不良を防止することができる。また、紙への浸透性や、脱水性も良好となる。
ロール61からフィルム610を送り出して、シートS2の上面(第1面)に供給しつつ、ローラ61a-61b間で加熱・加圧する。これにより、シートS2内の熱融着繊維が溶融してフィルム610とシートS2の上面(第1面)を接着する。これにより、片面にフィルムが接着されたシートS21が得られる。なお、加熱温度は解繊部B12へ供給される熱融着繊維に応じて決められる。当該の熱融着繊維が適切に溶融してフィルム610や620(下記)をシートS2に接着できるように決められる。
こうして、シートS2の両面にフィルム610、620が接着されて、保護フィルム付きシートS22が得られる。
また、図2の構成はラミネート部6の一例を示すものであり、シートS2の両面にフィルムを接着できる構成であれば、異なる構成としてもよい。
フィルムとしては、2層もしくは多層のものを用いてもよい。2層/多層構造のフィルムを用いる場合、表層(貼着後に露出する外層)として高融点の材質を用いると、成形部8での成形時に金型成形面との融着を防止できる。また、この場合に於いて、内層側に低融点の材質を用いると、シートS2への貼着が良好となる。さらに、最内層(シートS2に貼着される層)に接着剤としての機能を付与してもよい。
ラミネート部6から成形部8へのシートS22の供給は、間欠的に所定サイズ毎に供給する公知の方式でもよく、バッチ方式で供給する公知の方式でもよい。間欠的に所定サイズ毎に供給する公知の方式としては、例えば、特許第6884848号の図1内に、供給ユニット17として開示されている方式を用いることができる。
図3では、解繊部1を、樹木や木材パルプ等の天然セルロース原料を破砕・解繊して植物繊維と成す解繊部A11のみで構成している。このため、分離機構92を設けて、端材回収部91から端材をリサイクルする際、植物由来の繊維のみを取り出して送り込むように構成している。
11 解繊部A(植物繊維)
12 解繊部B(熱融着繊維)
2 エアレイド部
25 サクション部
3 搬送部
30 搬送ワイヤ
31 搬送ワイヤ
34a,34b,34c,34d,
35a,35b,35d,35e,35f,35h 接続ローラ
4 加圧部
41 上ローラ
42 下ローラ
5 噴霧機構
5a,5b,5c,5d 噴霧器
6 ラミネート部
61 フィルムロール
610 フィルム
61a 加熱ローラ
61b 加熱ローラ
62 フィルムロール
620 フィルム
62a 加熱ローラ
62b 加熱ローラ
65,66,67 搬送ワイヤ
7 温度制御部
8 成形部
91 端材回収部
92 分離機構
S1 堆積体
S2 シート
S21 シート(片面ラミネート)
S22 シート(両面ラミネート)
Claims (10)
- 植物繊維と熱融着繊維を空気流で混合するとともに分散して分散空間の下方の堆積位置にて堆積体と成すエアレイド部と、
前記エアレイド部で形成された堆積体を加圧してシートと成す加圧部と、
前記加圧部で成形されたシートの第1面に保護フィルムを貼着するとともに前記第1面の裏面側の第2面に保護フィルムを貼着するラミネート部と、
前記ラミネート部で表裏に保護フィルムを貼着されたシートを所望の成形面の金型でプレス成形して成形体と成す成形部と、
を有することを特徴とする紙製成形体の製造装置。 - 植物繊維を空気流で混合するとともに分散して分散空間の下方の堆積位置にて堆積体と成すエアレイド部と、
前記エアレイド部で形成された堆積体を加圧してシートと成す加圧部と、
前記加圧部で成形されたシートの第1面に接着剤を用いて保護フィルムを貼着するとともに前記第1面の裏面側の第2面に接着剤を用いて保護フィルムを貼着するラミネート部と、
前記ラミネート部で表裏に保護フィルムを貼着されたシートを所望の成形面の金型でプレス成形して成形体と成す成形部と、
を有することを特徴とする紙製成形体の製造装置。 - 請求1に於いて、
前記エアレイド部で分散される植物繊維と熱融着繊維の混合物に対して紙力剤を噴霧する噴霧機構を有する、
ことを特徴とする紙製成形体の製造装置。 - 請求項2に於いて、
前記エアレイド部で分散される植物繊維に対して紙力剤を噴霧する噴霧機構を有する、
ことを特徴とする紙製成形体の製造装置。 - 請求項1~請求項4の何れかに於いて、
前記エアレイド部で形成された堆積体に対して紙力剤を噴霧する噴霧機構を有する、
ことを特徴とする紙製成形体の製造装置。 - 請求項1~請求項5の何れかに於いて、
前記ラミネート部が貼着する保護フィルムは紙製又は生分解性プラスチック製である、
ことを特徴とする紙製成形体の製造装置。 - 請求項1又は請求項3に於いて、
前記熱融着繊維は、芯鞘タイプである、
ことを特徴とする紙製成形体の製造装置。 - 請求項1~請求項7の何れに於いて、
前記エアレイド部で分散される繊維、前記エアレイド部から前記加圧部へ送られるシート、前記加圧部でシートを加圧する加圧ローラ、前記加圧部から前記ラミネート部へ送られるシートを、10~40℃の温度範囲に制御する温度制御部、
を更に有することを特徴とする紙製成形帯の製造装置。 - 植物繊維と熱融着繊維を空気流で混合するとともに分散して分散空間の下方の堆積位置にて堆積体と成し、
前記堆積体を加圧してシートと成し、
前記シートの第1面に保護フィルムを貼着するとともに前記第1面の裏面側の第2面に保護フィルムを貼着し、
前記表裏に保護フィルムを貼着されたシートを所望の成形面の金型でプレス成形して成形体と成す、
ことを特徴とする紙製成形体の製造方法。 - 植物繊維を空気流で混合するとともに分散して分散空間の下方の堆積位置にて堆積体と成し、
前記堆積体を加圧してシートと成し、
前記シートの第1面に接着剤を用いて保護フィルムを貼着するとともに前記第1面の裏面側の第2面に接着剤を用いて保護フィルムを貼着し、
前記表裏に保護フィルムを貼着されたシートを所望の成形面の金型でプレス成形して成形体と成す、
ことを特徴とする紙製成形体の製造方法。
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